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SES E 1501-3 警報制御盤規格

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SES E 1501-3 警報制御盤規格
日本防犯設備協会技術標準
SES E 1501-3
警報制御盤規格
Standard for Local Alarm Unit
1993 年(平成 5 年) 1 月 14 日 制定
2001 年(平成 13 年) 5 月 24 日 改正
2009 年(平成 21 年) 3 月 31 日 改正
JSSA
社団法人
日本防犯設備協会
SES
(社)日本防犯設備協会技術標準
警報制御盤規格
E 1501 - 3
1993 年 1 月 14 日制定
2001 年 5 月 24 日改正
Standard for Local Alarm Unit
2009 年 3 月 31 日改正
1. 適用範囲
こ の 規 格 は 、屋 内 に 設 置 さ れ る 警 報 制 御 盤 に つ い て 規 定 す る 。た だ し 、受 信 方 式 と し
て無線方式及び多重伝送方式は、除外する
2. 用語の意味
この規格で用いる主な用語の意味は、次のとおりとする。
(1) 警 報
警報制御盤が警報を発しうる状態。
(2) 検 知 感 度
検 知 器 の 発 報 信 号 を 受 信 後 、そ の 発 報 信 号 を 検 知 器 の 出 力 信 号 と 認 識
できる最短時間。検知時間と同意語。
(3) 制 御 モ ー ド
回線の表示方法、警報メモリ表示方法、出力タイマ時間などの出力
方式の組み合わせ。
その他の用語については、SES E 0001-5(防犯に関する用語)に準ずること。
3. 基本構成
本警報制御盤の基本構成を図に示す。
主電源
電源部
主電源部
検知器
警報出力部
予備電源部
非常通報
スイッチ
警報部
信号入力
外部出力部
照明など
ベルなど
制御部
自動通報機
通信網
火災報知機
ガイダンス部
操作部
付属機能部
入出操作器
図 1 警報制御盤基本構成
-1-
SES E 1501-3
(1)
電
源
部……主 電 源 ( AC100V 50/60Hz を 基 準 と す る ) を DC12V ま た
は DC24V の 直 流 電 流 に 変 換 す る 主 電 源 部 と 停 電 時 に 警 報 制 御 盤 へ の
直流電流を供給するための蓄電池とその蓄電池への充電回路からな
る 予 備 電 源 部 で 構 成 さ れ る 。尚 、停 電 時 外 部 の 蓄 電 池 で 電 源 を 供 給 さ
れる場合がある
(2)
制
御
部……操 作 部 で の 制 御 モ ー ド の 設 定 、 操 作 部 や 入 出 操 作 器 な ど で の 警
戒 モ ー ド や 解 除 モ ー ド へ の 操 作 に 従 い 、検 知 器 な ど か ら の 接 点 信 号 を
受 け て 回 線 の 表 示 、警 戒 メ モ リ( 警 報 保 持 )表 示 、警 報 音 出 力 、出 力
タイマ制御などの動作や外部機器との連動などを自動的に制御する。
(3)
警報出力部……制 御 部 か ら の 信 号 に よ り 、 本 体 鳴 動 及 び 状 態 表 示 を 行 う 警 報 部
と外部の照明やベルなどに信号を伝達する外部出力部からなる。
(4)
ガイダンス部……制 御 部 か ら の 信 号 に よ り 、 ル ー プ 表 示 や 操 作 時 及 び 警 報 時 の
ガイダンスを行う。
(5)
操
作
部……操 作 部 と 設 定 部 に 分 か れ て い る 。 代 表 的 な 操 作 に は 次 の も の が
あ る 。設定部は外部より容易に設定されないようにしなければならない。
(操作部)
① 警 戒 モ ー ド ……在 宅 ( 有 人 ) モ ー ド ・ 外 出 ( 無 人 ) モ ー ド
② 警 戒 入 切 ………総 合 警 戒 入 切 ・ 個 別 ( 回 線 別 ) 警 戒 入 切
③警報停止
④警戒メモリリセット(復旧)
(設定部)
① 警 報 時 間 ………連 続 出 力 ・ 限 時 出 力
②警報音量
③電源入切
(6)
付属機能部……付 属 機 能 に は 、次 の も の が あ げ ら れ る 。付 属 機 能 を 有 す る 場 合 は 、
主機能に影響を及ぼさないこと。
①電話、インターホン、来客報知
②出入管理システム
③監視カメラシステム
④テレコントロール、テレモニタ
⑤照明制御
⑥風呂満水、湯温警報
⑦空調制御
4 要求基準
4.1 環境性能
(1) 高 温( 耐 熱 性 )SES E 0004-2(環境試験規格)4.1.1 の等級 1 において、動作に異常がな
いこと。
(2)
低 温( 耐 寒 性 )SES E 0004-2(環境試験規格)4.1.2 の等級 1 において、動作に異常がな
いこと。
-2-
SES E 1501-3
(3)
温・湿度サイクル
SES E 0004-2(環境試験規格)4.1.4 の等級 1 において、動作に異
常がないこと。
(4)
供給電源電圧変動
SES E 0004-2(環境試験規格)4.2.1 の等級 1 において、動作に
異常がないと。
(5)
電 気 ス パ イ ク ( 電 源 ラ イ ン 、 信 号 ラ イ ン 、 重 畳 ノ イ ズ 試 験 ) SES E 0004-2(環境
試験規格)4.2.2 の等級 4 の試験中及び試験後、動作に異常がないこと。
(6)
静電気
環境試験規格 4.2.4 の等級 4 の試験中及び試験後、動作に異常がないこ
と。
(7)
耐 電 圧 変 動 性 ( 耐 瞬 時 停 電 性 ) SES E 0004-2(環境試験規格)4.2.5 の 等 級 1 に お
いて、動作に異常がないこと。
(8)
誘電(伝導)無線周波妨害
SES E 0004-2(環境試験規格 4.2.6 の試験中及び試験
後、動作に異常がないこと。
(9)
放射無線周波妨害
SES E 0004-2(環境試験規格 4.2.7 の等級 3 の試験中及び試験後、
動作に異常がないこと。
(10)
電源端子妨害電圧の許容値
SES E 0004-2(環境試験規格 4.2.8 の許容値クラスB
を満足すること。
(11)
妨害波電界強度の許容値
SES E 0004-2(環境試験規格 4.2.9 の許容値クラスBを
満足すること。
(12)
耐震動性
SES E 0004-2(環境試験規格 4.3.1 の等級 1 の試験後、形状・動作に異
常がないこと。
(13)
耐落下性
SES E 0004-2(環境試験規格 5.3.2 の 等 級 1 の 試 験 後 、 形 状 ・ 動 作 に
著 し い 変 化 の な い こ と ( 但 し 、 対 象 は 500g 以 下 の も の に 限 る )
(14)
絶縁耐圧
SES E 0004-2(環境試験規格 5.2.1 の 等 級 2 の 試 験 後 、 動 作 に 異 常 が
ないこと。
(15)
4.2
絶縁抵抗
SES E 0004-2
(環境試験規格格 5.2.2 の 等 級 1 の 試 験 を 満 足 す る こ と 。
性能・機能
4.2.1
電源部
SES E 1503-2(防 犯 用 直 流 電 源 装 置 規 格 )に 準 ず る こ と 。
4.2.2
(1)
制御部
検知感度(検知時間)
検 知 器 の 出 力 保 持 時 間 が 300ms の 警 報 信 号 が 受 信 で き る こ と 。
(2)
入退出遅延機能
遅延時間は、入室時は 1 分以内、退出時は 2 分以内が望ましい。
(3)
遠隔操作機能
使用者の入退出時に、入出操作器により警報制御盤を警戒状態及び解除状態にす
ることができること。尚、検知器の動作状態を識別できる機能を設けることが望
ましい。
-3-
SES E 1501-3
4.2.3
(1)
警報出力部
鳴動機能
警報時に警報音又は音声が鳴動する機能を設けること。警報音は、他の音と識別
でき、警報制御盤の中心から前方 1m離れて 70dB以上音量を有すること。
(2)
外部警報機能
警報時に移報出力できる機能を有すること。
(3)
停電移報
主 電源の供給が停止した時に、移報出力できる機能を有することが望ましい。
(4)
タンパ
ケース内の制御部などに手を加えることが可能な程度にケースを開けられた時、
警報を発することが望ましい。
(5)
警報表示
警報表示は赤色とすることが望ましい。周囲の明るさが 300lx状態において、前
方 3m離れた位置で点灯していることが明確に認識できること。また、警戒中は復
旧操作を行うまで表示を保持すること。
(6)
電源表示
周囲の明るさが 300lx 状態において、前方 3m離れた位置で点灯していることが
明確に認識できること。また、主電源入力時点灯し、予備電源動作時は点滅する
ことが望ましい。
4.2.4
操作部
警戒モードの選定、警報停止、警報音量等のスイッチ操作部をいい、チャタリ
ング防止を考慮することが望ましい。
4.3
構造・表示
4.3.1
構造
(1)
不燃性または難燃性の外箱で覆うこと。
(2)
充電部は、外箱から容易に人が触れないように、十分に保護すること。
(3)
主電源を開閉することができる電源スイッチを、警報制御盤内部に設けること。
(4)
主電源回路及び電源出力回路には、ヒューズその他の保護器を設けること。
(5)
主電源を監視できる機能を、警報制御盤の前方に設けること(電源灯など)。
(6)
外箱が金属の場合は、接地端子を設けること。
(7)
蓄電池の接地は、原則として誤接続できない構造とすること。但し、このような構
造をとれない場合は、誤接続に対する破損防止策を施すこと、
(8)
蓄電池装着部外面にその種類、極性を表示すること。
(9)
取り付けに方向性を有する機器は、明確に表示すること。
4.3.2
本体表示
警報制御盤装置本体には、次の項目を見やすいところに表示すること。
(1)
製造業者名
-4-
SES E 1501-3
(2)
品名、品番
(3)
製造年月又は製造番号
(4)
定格入力電圧、周波数、消費電流又は消費電力
(5)
定格出力電圧、電流
(6)
定格停電補償時間
(7)
その他電気用品安全法、資源有効利用促進法に基づく表示
4.3.3
取扱説明書などの記入事項
取扱説明書には、次の項目を記載すること。
(1)
外観図及び構造図
(2)
各部名称、機能、動作使用及び機器の接続仕様
(3)
操作方法
(4)
取付方法
(5)
配線方法
(6)
入力定格
(7)
出力定格
(8)
充電時間
(9)
主電源供給から蓄電池供給への切り替わる時の注意事項
(10) 蓄 電 池 の 交 換 期 間 と 交 換 方 法 ( 蓄 電 池 に は 製 造 年 月 を 表 示 す る こ と )
(11) 取 扱 注 意 事 項
(12) 工 事 及 び 点 検 方 法
(13) 保 守 方 法
(14) そ の 他
4.3.4
端子記号(推奨記号)
本体端子部及び取扱説明書に用いる端子記号は、以下の記号を推奨する。
(1)
1 次入力端子
P1、 P2 及 び 交 流 電 源
(記入方法)
P1
P2
交流電源
AC100V 50/60Hz
(2)
蓄電池入力端子
SB+、 SB-及 び DC12V、 A( 電 圧 ・ 電 流 値 )
(3)
電源出力端子
E+、 E-及 び DC12V、 A( 電 圧 ・ 電 流 値 )
(4)
検知器入力端子
S1、 C1、 S2、 C2、 …、 Sn、 Cn
(5)
移報出力端子
NC、 CO( 又 は COM)、 NO
(6)
外部警報出力端子
BZ+、 BZ-
(7)
入出操作端子
R1、 R2、 …、 Rn
(8)
タンパ出力端子
TP、 TP
-5-
SES E 1501-3
4.4
保守部品及び同梱品
製品には下記のものを同梱すること。
(1)
取扱説明書
(2)
その他必要部品及び特殊工具
4.5
その他(関連法規等)
電気用品安全法に合致すること。
5. 試 験
5.1 標 準 試 験 状 態
(1) 周 囲 温 度 15~ 35℃
(2)
5.2
設置方法
付属された取扱説明書に従って行うこと。
試験方法
特に指定なき場合、定格入力、定格出力状態にて行うこと。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
関連規格
SES E 0004-2
環境試験規格
SES E 1503-2
防犯用直流電源装置規格
電気用品安全法
別表八
-6-
SES E 1501-3
警 報 制 御 盤 規 格 [解説]
(1)
4.1
環 境 性 能 (9)放 射 無 線 周 波 妨 害 で 等 級 3 を 選 択 し た 理 由 は 、EN50130-4(火 災 、
侵 入 者 及 び 社 会 的 警 報 シ ス テ ム 用 構 成 部 品 の イ ミ ュ ニ テ ィ 要 件 )で 規 定 さ れ て い る 電
界 強 度 が 10V/m で あ る た め 。
(2)
4.1
環境性能(10)電源端子妨害電圧の許容値、(11)妨害電界強度の許容値でクラスB
を選択した理由は、警報制御盤は、家庭環境で使用されるものであるため。VCCI の家庭
環境の定義は“家庭環境とは、当該機器から 10m以内の距離でラジオ及びテレビジョン放
送受信機を使用することが予期される環境をいう”とある。
(3)
改正の主旨(第 2 版への改正時に記載)
現行規格制定時は、SES 規格制定の初期であり、比較的広範な用途に対応した規格と
せざるを得ない状況であった。その後、各規格が制定された経緯もあり、また今後制定
される規格も考慮し、下記の主旨に基づく改正を行った。
1.
防犯の機能を中心とし、他は付加機能とした構成とした。
2.
最近制定された出入管理の諸規格を範とし、構成図を中心とし、各項を有機
的に結びつく様式とした。
3.
制 定 済 み の SES E 1503-2 (防 犯 用 直 流 電 源 装 置 規 格 )を 電 源 部 の 項 に 全 面 取
り 入 れ を 行 っ た ( 現 行 規 格 制 定 当 時 は 、 上 記 規 格 は 存 在 し な か っ た )。
4.
現行規格制定当時は社会的背景が現在異なり、制定当時特に必要とされなか
った項を今回組み入れた。
①電源端子妨害電圧の許容値
②妨害波電界強度の許容値
5.
他制定規格・基準及びその他(防犯設備士テキスト等)とのマッチングを考
慮し、改正を行った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
関連規格
EN50130-4(火災、侵入者及び社会的警報システム用構成部品のイミュニティ要件)
-7-
審議委員会: 技術部会 技術基準委員会
委員長 : 石橋 総太郎 (東洋テック株式会社)
副委員長: 高橋 雅吾
(パナソニック電工株式会社)
委 員 :
(警報システム分科会)
兼主査:高橋 雅吾
加倉井 伸行
天野 博之
住岡 和人
瀬沢 外茂幸
緑川 則和
吉岡 隆士
安田 寛徳
田中 祥造
増田 誠良
堂本 耕造
特別委員:吉原 久雄
(パナソニック電工株式会社)
(NEC インフロンティア株式会社)
(オプテックス株式会社)
(サクサ株式会社)
(高千穂交易株式会社)
(竹中エンジニアリング株式会社)
(竹中エンジニアリング株式会社)
(株式会社日本アレフ)
(富士通テレコムネットワークス株式会社)
(ホーチキ株式会社)
(パナソニック株式会社)
(株式会社パトライト)
(出入管理分科会)
主査:松尾 直樹
平田 成弘
村方 洋二郎
征矢 一浩
河合 秀規
秋葉 浩司
前田 卓志
宮本 敦
(株式会社山武)
(株式会社アート)
(株式会社ゴール)
(セントラル警備保障株式会社)
(ニッタン株式会社)
(ホーチキ株式会社)
(三菱電機株式会社)
(美和ロック株式会社)
(映像監視分科会)
主査:
角谷 浩史
藤井 慶太
小峰 憲
菅谷 卓実
三沢 賢洋
細川 昇
堂本 耕造
宇都宮 孝志
(アイホン株式会社)
(NEC インフロンティア株式会社)
(株式会社セキュリオン)
(ソニー株式会社)
(TOA 株式会社)
(株式会社日立国際電気)
(パナソニック株式会社)
(東芝テリー株式会社)
事務局:境
俊夫
(社)日本防犯設備協会
※ 平成 21 年 3 月 15 日 現在
SES E 1501-3
警報制御盤規格
発
行
2009 年(平成 21 年)3 月
編
集
社団法人 日本防犯設備協会
技術部会
技術基準委員会
この規格は、著作権法で保護対象となっている著作物です。本書に記載の内
容を転載される場合は、事前に(社)日本防犯設備協会の承諾を得てください。
この規格についての意見又は質問は、(社)日本防犯設備協会 技術担当にご連
絡ください。
なお、SES E 規格は、少なくとも 5 年を経過する日までに(社)日本防犯設備
協会 技術部会の審議に付され、速やかに、確認、改正、廃止されます。
発行所
社団法人 日本防犯設備協会
〒105-0013 東京都港区浜松町 1-12-4(第 2 長谷川ビル)
TEL:03-3431-7301
FAX:03-3431-7304
E-mail:[email protected]
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