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三つの健康と生涯学習

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三つの健康と生涯学習
「三つの健康と生涯学習」
青森学習センター
八戸サテライトスペース
稲垣
輝紀
私は平成10年より日々三つの健康を心掛けて生活をしています。
一つ目は「身体の健康」です。30年前よりジョギングしています、商売上の心労が重
なり、かかりつけの医師から心身の疲れによる「ノイローゼ症状」と診断され、そのうえ
「高血圧と糖尿病」の症状もあり休養を勧められた。昭和56年春のことでした。治療も
大事だが一日のうち、できれば〔一時間〕位仕事を忘れる時間を作り身体を動かしなさい
と言われ、すすめられたのがジョギングでした。だまされたつもりで始めたジョギングで
したが、これが私にぴったりの運動だったようです。一人でできる、自分のペースで無理
なくできる、何よりひと汗かいた後の爽快感がたまらない。以来眠れない、頭痛がすると
いったノイローゼ症状も治まり、糖尿、高血圧の数値も正常になりました。気持ちも前向
きになり商売も15年後には何とか目鼻がつくまでになりました。身体の健康の回復は勿
論、以来風邪ひとつひかず今日までジョギングを続つづけています。実は放送大学の体育
実技の単位もこれで取得しました。今は週2~3回健康ジョギングを楽しんでいます。
二つ目は「心の健康」です。ここ20年で約2000冊ぐらいの本を読みました、20
年前、吉川英治の「宮本武蔵」が私を読書の世界に引きずり込むきっかけとなりました。
吉川英治の作品はほとんど読みつくし、以来、作家も問わずジャンルにもこだわらずただ
乱読しただけでしたが、自然と心の健康にいかされたようでした。多くの人生を知り、も
のの見方、考え方、話し方、態度や人との接し方まで自分では特に意識しているつもりも
ないのに、私の内面に生かされているようです。商売の苦労から立ち直れたのも実は運動
〔体の健康〕だけではなしに、読書〔心の健康〕と相俟ってできたものと思います。今塩
野七生の大長編「ローマ人の物語」に夢中になっています。人間一人の人生なんてたかが
知れています。読書は多くの人間の多くの人生を教えてくれます。それが私の心の糧にな
っているようです。
三つ目は「頭の健康」です。平成10年4月、放送大学の科目生として入学しました。
目的は二つ錆びついた「頭の健康」と「新しい知識と教養」を身につけることでした。
平成10年10月から放送大学はいよいよ全国に「学習センター」が整備され、学生募集
の開始を知りました。「錆びついた頭」がどの程度のものか、入学してはたして学習につい
ていけるものなのか不安がいっぱいで、大学に相談したところ4月から「科目生」として
何科目か受講してみてはとのアドバイスもあり科目生として入学手続きをしました。
「社会
と経済」コースの「社会学入門」の一科目でした。評価は「B」何とか合格できました。
そして10月「社会と経済」の全科生として入学し、以来「科目生」の期間を含めて5年
6か月、何とか卒業できました。成績は「可もなし不可もなし」でしたが、「頭のさび落と
し」に少しは効果があったようです。めまぐるしく変わる政治、経済、社会の動きも少し
は理解できたようです。
平成20年10月から大学院の修士選科生として在学し「文化情報学群」を中心に30
単位を取得し現在も学んでいます。
「頭の健康」で始めた学習でしたが、私は今、学んだ知
識を地域に還元したいと考えています。
7月9日 NHK 八戸支局で「郷土料理と地域おこしーせんべい汁、あ、れ、こ、れ」という
表題で生まれて初めて講演を行いました。人前で話すむずかしさと確かな知識の裏付けが
いかに重要かを痛感しました。
我が国は今政治も経済も社会も未曽有の危機といってもいいでしょう。バブル破壊以後
一向に回復しない経済、少子高齢化と人口減少に疲弊した地方、東日本大震災はその疲弊
した地域経済に更なる追い打ちをかけています。私の住む「八戸市」は人口24万余、太
平洋に面し、漁業「水産業」、工業、農業と比較的バランスのとれた産業構造となっていま
すがそれでも不況感はぬぐえず、しかも企業誘致もままなりません。問われているのはミ
ニ東京的発想ではなくふるさとの特色を生かした「街づくり」です「一次産業」の振興と
「文化資源」を生かした活性化策が故郷八戸の「街づくり」に最も重要な施策であると私
は考えています。「郷土料理を生かした街づくり」が現在の私の研究テーマです。
「食文化
の歴史と、伝承」を掘り下げ、研究し「街づくり」にどう生かしていくか、難しい問題で
す。しかし〔放送大学〕には経済、社会、歴史、文化等基礎的学問分野や、大学院の生涯
学習、教育文化、コミュニテー関連の専門教科があり私の「研究テーマ」を進めるうえで
大いに役立っています。研究成果は「県民カレッジ」や「生涯学習」の場で発表しようと
思っています。あとしばらくは「放送大学」で学習、研究をしていくつもりです。これか
らも三つの健康をよりどころに、挑戦し続けます。
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