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「市販直後調査」第 5 回中間報告

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「市販直後調査」第 5 回中間報告
市販直後調査
平成 27 年 11 月~平成 28 年 5 月
<オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル配合剤>
「市販直後調査」第 5 回中間報告
調査期間:2015 年 11 月 26 日~2016 年 4 月 29 日
謹啓 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は弊社製品につき格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。また、市販直後調査
へのご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、弊社の「ヴィキラックス®配合錠」は 2015 年 11 月 26 日に販売を開始し、現在市
販直後調査を実施しております(市販直後調査期間:2015 年 11 月 26 日~2016 年 5 月 27
日)
。
このたび本剤の販売開始から 5 ヵ月が経過しましたので、これまでに収集された副作用
の集計をご報告いたします。
今後も弊社は安全性情報のより一層の迅速な把握及び提供に努めていきますので、先生
方におかれましては本剤の「使用上の注意」等に留意され、慎重にご使用いただきたくお
願いいたします。また、本剤との因果関係が疑われる副作用等が発現した場合には、速や
かに弊社医薬情報担当者(MR)へのご連絡をお願い申し上げます。
引き続き、市販直後調査へのご協力のほど宜しくお願い申し上げます。
謹白
1.
副作用集計期間
2015 年 11 月 26 日~2016 年 4 月 29 日
2.
推定投与患者数
約 2,930 例(出荷数量に基づいた算出)
副作用集計表
副作用集計期間に収集された副作用は 276 例 540 件でした。このうち、重篤な副作用は
52 例 90 件でした。なお、副作用の集計には ICH 国際医薬品用語集(MedDRA)を使用し
ています。また、副作用名等は集計時点のものであり、今後得られる追加情報により変更
される場合があります。
3.
表 1. ヴィキラックス配合錠の副作用集計表(2015 年 11 月 26 日~2016 年 4 月 29 日)
器官別大分類及び基本語
胃腸障害
悪心
胃食道逆流性疾患
胃腸出血
下痢
血便排泄
口腔内出血
口内炎
硬便
消化不良
上腹部痛
食道静脈瘤出血
唾液変色
腸炎
腹水
腹痛
腹部不快感
腹部膨満
便秘
放屁
裂肛
嘔吐
肛門出血
一般・全身障害および投与部位の状態
異常感
異物感
炎症
顔面浮腫
胸部不快感
倦怠感
状態悪化
全身性浮腫
多臓器不全
熱感
発熱
疲労
不活発
浮腫
歩行障害
末梢性浮腫
無力症
冷感
嚥下困難な製品
重篤
非重篤
総計
21
1
21
1
1
7
1
2
3
1
2
6
1
1
1
3
2
2
4
6
1
1
15
1
1
7
1
2
3
1
2
6
1
1
1
1
1
3
2
2
4
6
1
1
14
1
4
1
1
2
5
16
1
1
1
5
1
7
7
1
14
4
13
2
3
2
4
1
1
2
5
17
1
1
1
1
7
7
1
19
4
13
2
3
2
器官別大分類及び基本語
外科および内科処置
入院
抜歯
感染症および寄生虫症
インフルエンザ
帯状疱疹
尿路感染
肺炎
鼻咽頭炎
膀胱炎
肝胆道系障害
黄疸
肝機能異常
肝障害
肝不全
高ビリルビン血症
眼障害
眼瞼浮腫
視力障害
筋骨格系および結合組織障害
運動性低下
筋骨格硬直
筋肉痛
筋力低下
頚部痛
四肢痛
背部痛
血液およびリンパ系障害
凝血異常
血球減少症
貧血
血管障害
コントロール不良の血圧
ほてり
血圧変動
高血圧
出血
大動脈瘤
低血圧
呼吸器、胸郭および縦隔障害
いびき
くしゃみ
しゃっくり
咳嗽
間質性肺疾患
胸水
呼吸困難
口腔咽頭痛
肺水腫
発声障害
鼻出血
鼻漏
傷害、中毒および処置合併症
挫傷
転倒
心臓障害
狭心症
徐脈
重篤
非重篤
総計
1
1
1
1
2
1
1
1
13
1
4
3
5
1
3
5
4
3
9
7
8
1
3
2
1
2
1
1
2
1
1
2
2
1
2
1
1
1
2
3
1
3
1
1
3
1
1
1
1
2
1
3
3
1
2
3
3
1
1
1
2
1
1
1
1
1
1
2
1
2
1
1
2
4
1
2
3
2
1
6
1
1
1
2
1
1
1
2
1
1
1
1
1
1
1
2
1
1
1
13
1
1
2
器官別大分類及び基本語
徐脈性不整脈
心拡大
心不全
動悸
頻脈
神経系障害
意識レベルの低下
意識消失
感覚障害
感覚鈍麻
肝性脳症
傾眠
構音障害
失語症
失声症
体位性めまい
鎮静
頭痛
脳出血
浮動性めまい
平衡障害
味覚異常
腎および尿路障害
急性腎障害
急性腎不全
腎機能障害
腎障害
着色尿
尿異常
乏尿
無尿
夜間頻尿
精神障害
気力低下
転導性
怒り
不安
不眠症
無感情
抑うつ気分
代謝および栄養障害
高カリウム血症
食欲減退
体液貯留
低血糖
糖尿病
皮膚および皮下組織障害
そう痒症
紅斑
湿疹
全身性そう痒症
発疹
皮膚変色
薬疹
蕁麻疹
免疫系障害
アナフィラキシー反応
季節性アレルギー
重篤
非重篤
1
1
1
5
1
1
1
2
1
1
6
1
1
1
1
1
23
1
14
1
2
1
2
3
4
1
7
1
2
1
1
総計
1
1
1
5
1
1
1
2
1
1
6
1
1
1
1
1
23
1
14
1
2
4
2
1
1
1
1
2
10
4
4
2
2
1
1
2
1
1
1
4
2
1
2
1
1
1
4
2
1
5
7
1
1
12
8
2
1
1
17
3
5
6
6
1
1
1
18
3
5
6
7
1
1
1
2
1
2
7
1
器官別大分類及び基本語
臨床検査
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加
アミラーゼ増加
アラニンアミノトランスフェラーゼ増加
アンモニア増加
グリコヘモグロビン増加
トランスアミナーゼ上昇
ノロウイルス検査陽性
ヘモグロビン減少
リパーゼ増加
拡張期血圧上昇
肝機能検査異常
肝機能検査値上昇
関節吸引
血圧上昇
血圧低下
血小板数減少
血中アルカリホスファターゼ増加
血中アルブミン減少
血中カリウム増加
血中カルシウム増加
血中クレアチニン増加
血中クレアチンホスホキナーゼ増加
血中ビリルビン増加
血中ブドウ糖増加
好酸球数増加
好中球数減少
骨髄球数増加
糸球体濾過率減少
腫瘍マーカー上昇
心電図異常P波
心拍数増加
心拍数不整
体重増加
白血球数増加
総計
重篤
非重篤
総計
1
2
1
8
1
3
1
11
1
1
1
1
1
1
1
5
2
1
7
3
1
2
1
2
1
4
1
15
1
2
1
1
1
1
1
1
1
4
2
540
3
1
1
1
1
1
2
5
1
1
90
1
1
5
2
1
7
3
1
1
1
2
1
2
1
10
1
1
1
1
1
1
1
1
4
2
450
重篤な副作用症例一覧
副作用集計期間に収集された副作用のうち、
重篤な症例の一覧を以下にお示し致します。
なお、合併症等は医療機関より報告されたものを記載しているため、他の合併症等を有し
ている可能性もございます。
4.
表 2. ヴィキラックス配合錠の重篤な副作用一覧(2015 年 11 月 26 日~2016 年 4 月 29 日)
事象名
No.
年齢
性別
合併症等
投与開始から
発現までの期間
(日)
本剤の
処置
転帰
15
中止
回復
肝不全
70 代
男性
肝硬変、Child-Pugh スコア増
加*1、高血圧、良性前立腺肥
大症、白内障、非タバコ使用
者、肝癌、肝切除、軟骨腫、
外軟骨腫手術、麻酔、付合い
程度の飲酒者、不眠症、そう
痒症、便秘、末梢性浮腫
2
血中ビリルビン増加
50 代
男性
タバコ使用者
3
肝障害
1
黄疸
肝障害
4
80 代
女性
うっ血性心不全、高血圧、糖
尿病
3
中止
軽快
16
休薬
軽快
16
休薬
軽快
37
休薬
軽快
黄疸
37
休薬
軽快
転倒
27
終了
不明
70 代
男性
27
終了
不明
50 代
男性
肝硬変、糖尿病
7
中止
未回復
12
中止
回復
70 代
女性
肝硬変、高血圧、非タバコ使
用者、そう痒症、不眠症、慢
性胃炎、食道静脈瘤、肝細胞
癌、潰瘍性大腸炎、白内障、
肝切除、治療食
12
中止
回復
70 代
男性
高ビリルビン血症
70 代
女性
9
アナフィラキシー反応
50 代
女性
10
筋力低下
60 代
女性
出血
5
肝性脳症
6*2
浮腫
体液貯留
7
浮腫
腎機能障害
8
11
血中ビリルビン増加
60 代
男性
血中ビリルビン増加
70 代
男性
12
13
肝障害
腎障害
高カリウム血症
70 代
女性
凝血異常
14
*2
浮腫
肺水腫
15
血中ビリルビン増加
腎機能障害
80 代
男性
80 代
女性
-
5
休薬
軽快
5
休薬
回復
肝硬変、糖尿病、不眠症、胃
炎、肝細胞癌
8
中止
回復
-
1
中止
回復
-
不明
中止
不明
2
中止
回復
15
中止
軽快
心臓弁置換合併症、心房細
動、医療機器合併症、腎機能
障害、高尿酸血症、胆管結石、
末梢動脈閉塞性疾患、上部消
化管出血、貧血、心房血栓症
28
中止
回復
28
中止
回復
28
中止
回復
28
中止
回復
高血圧、慢性腎臓病、2型糖
尿病、高脂血症、非タバコ使
用者、高尿酸血症、脳梗塞、
便秘
7
中止
未回復
14
中止
未回復
慢性腎臓病
肝硬変、肺気腫、高血圧、高
尿酸血症、そう痒症、大腿骨
骨折、痔核、胆石症、慢性胃
炎、筋痙縮、不眠症、タバコ
使用者
肝硬変、胆石症、高血圧、2
型糖尿病、脳梗塞、アレルギ
ー性鼻炎
-
不明
減量
不明
不明
減量
不明
投与開始から
発現までの期間
(日)
本剤の
処置
転帰
浮腫
不明
減量
不明
食欲減退
不明
減量
不明
33
中止
軽快
33
中止
不明
7
中止
回復
57
中止
軽快
21
中止
回復
49
継続
回復
15
継続
未回復
18
不明
不明
不明
不明
不明
事象名
No.
16
年齢
性別
血中ブドウ糖増加
グリコヘモグロビン増
加
70 代
女性
17
*2
合併症等
肝硬変、リウマチ性障害、糖
尿病、関節リウマチ、糖尿病、
高血圧
肝硬変、糖尿病、高血圧、脂
質異常症、慢性腎臓病、高尿
酸血症、末梢動脈閉塞性疾
患、狭心症、虫垂炎
洞結節機能不全、心臓ペース
メーカー挿入
肝硬変、2型糖尿病、高血圧、
慢性腎臓病、胆石症、肝性脳
症、上肢骨折、血管浮腫、食
物アレルギー、外科手術、糖
尿病
肝硬変、高血圧、食道静脈瘤、
腎機能障害、口腔内白斑症
急性腎不全
70 代
男性
高カリウム血症
70 代
男性
高カリウム血症
60 代
女性
食道静脈瘤出血
70 代
女性
21
血中アルカリホスファ
ターゼ増加
50 代
男性
-
22
血中クレアチニン増加
不明
男性
水腎症、尿管結石、高血圧、
大動脈解離
80 代
女性
心房細動
70 代
女性
-
8
中止
未回復
80 代
女性
-
8
中止
未回復
8
中止
未回復
29
中止
軽快
6
不明
軽快
6
不明
不明
14
継続
軽快
18
19
20
コントロール不良の血
圧
23
発疹
そう痒症
高ビリルビン血症
24
入院
25
肝障害
黄疸
高ビリルビン血症
26
黄疸
27
*2
28
29
肺気腫、アルツハイマー型認
知症、高尿酸血症、高血圧、
タバコ使用者
肝硬変、高血圧、慢性胃炎、
心室性不整脈、脾摘、腎摘除、
足切断、タバコ使用者
糖尿病、上肢骨折、元タバコ
使用者
2
不明
未回復
2
不明
未回復
7
不明
未回復
1
不明
不明
70 代
男性
70 代
男性
肺炎
60 代
男性
腎障害
80 代
女性
肝硬変、腎機能障害
3
不明
回復
12
中止
軽快
急性腎障害
低血圧
高カリウム血症
70 代
男性
慢性腎臓病、高血圧、非タバ
コ使用者
31
肝機能異常
80 代
男性
高血圧
8
継続
軽快
32
肝機能異常
40 代
男性
ネフローゼ症候群
11
中止
不明
33
アラニンアミノトラン
スフェラーゼ増加
男性
パーキンソン病、高血圧、進
行性核上性麻痺、不眠症
2
中止
不明
34
高カリウム血症
25
中止
回復
女性
高血圧、狭心症、慢性腎臓病、
乳頭様甲状腺癌、外科手術、
タバコ使用者
25
中止
未回復
25
中止
回復
大腸ポリープ
65
中止
不明
高血圧、糖尿病、糖尿病性腎
症、クリオグロブリン血症、
6
中止
死亡
不明
中止
死亡
30
腎障害
70 代
70 代
徐脈
35
肝機能異常
36
腎障害
*2
低血圧
50 代
70 代
女性
男性
事象名
No.
年齢
多臓器不全
37
浮腫
ヘモグロビン減少
38
狭心症
39
低血圧
*2
乏尿
80 代
女性
80 代
女性
80 代
合併症等
投与開始から
発現までの期間
(日)
本剤の
処置
転帰
ネフローゼ症候群、膜性増殖
性糸球体腎炎、高カリウム血
症、穿孔性胃潰瘍、結腸癌、
胃切除、結腸切除、甲状腺摘
除、輸血
不明
中止
死亡
性別
男性
肝硬変、糖尿病、高血圧、糖
尿病性腎症、脳梗塞
腎機能障害
男性
心筋梗塞、心臓ペースメーカ
ー挿入、糖尿病、慢性腎臓病、
慢性心不全
女性
糖尿病、喘息、子宮摘出、大
腿骨骨折
40
心不全
41
70 代
高カリウム血症
肝障害
80 代
血中クレアチニン増加
42
43
脳出血
60 代
女性
肝硬変、高血圧、食物アレル
ギー
急性腎不全
背部痛
70 代
女性
大動脈瘤
大動脈瘤
44
胃腸出血
45
高カリウム血症
徐脈
46
90 代
70 代
男性
男性
80 代
女性
間質性肺疾患
出血
70 代
男性
回復
8
中止
軽快
8
中止
軽快
8
中止
軽快
49
中止
未回復
6
不明
未回復
2
不明
不明
2
不明
不明
軽快
57
中止
軽快
57
中止
軽快
50
中止
未回復
30
中止
不明
48
継続
不明
7
継続
回復
そう痒症
糖尿病、腎不全、高血圧
80 代
女性
狭心症、胃癌、大動脈弁狭窄
男性
中止
中止
体液貯留
80 代
不明
57
50
アラニンアミノトラン
スフェラーゼ増加
アスパラギン酸アミノ
トランスフェラーゼ増
加
軽快
不明
-
倦怠感
回復
中止
不明
男性
52
中止
1
不明
男性
男性
1
回復
70 代
70 代
回復
高血圧、頚動脈狭窄、糖尿病、
慢性腎臓病
70 代
心拡大
不明
中止
未回復
嘔吐
*2
不明
1
継続
腸炎
51
1
不明
49
胸水
不明
23
48
*2
不明
不明
15
好酸球数増加
47
不明
71
-
アラニンアミノトラン
スフェラーゼ増加
血中ビリルビン増加
71
慢性胃炎
糖尿病性腎症、ネフローゼ症
候群、高血圧、糖尿病、高脂
血症、ネフローゼ症候群
高血圧、良性前立腺肥大症、
不眠症、神経痛
*1 投与開始時に Child-Pugh 分類 B が認められた症例
*2Ca 拮抗剤を併用していた症例
8
中止
未回復
26
中止
未回復
42
中止
不明
14
中止
不明
14
中止
不明
14
中止
不明
死亡症例の概要
副作用集計期間に収集された副作用のうち、
死亡に至った症例の概要を以下にお示し致
します。
5.
症例概要:腎障害、低血圧、多臓器不全
性・
年齢
男・
70 代
患者
使用理由
(合併症)
C 型肝炎
(高血圧、
糖尿病、糖
尿病性腎
症、クリオ
グロブリン
血症、ネフ
ローゼ症候
群、膜性増
殖性糸球体
腎炎、高カ
リウム血
症)
1 日投与量
(投与期間)
2錠
(6 日)
症状・経過及び処置
腎障害、低血圧、多臓器不全
投与開始 17 年前
投与開始 9 年前
投与開始 4 ヶ月前
投与開始 2 ヶ月前
投与開始 14 日前
投与開始 1 日前
投与開始日
投与 2 日目
投与 3 日目
投与 4 日目
投与 5 日目
投与 6 日目
(投与中止日)
中止 1 日後
中止 2 日後
中止 3 日後
高血圧、糖尿病の治療開始。HCV 陽性が判明。肝庇護
剤投与。
右半結腸切除術施行。肝生検にて慢性 C 型肝炎、F2、
A2 の病理診断結果。高血圧、糖尿病、C 型慢性肝炎の
治療継続され、コントロール良好であった。
下腿浮腫発現。尿潜血(-)、尿たんぱく 4+、アルブ
ミン 2.8 よりネフローゼ症候群疑い。
腎臓内科に入院。腎生検にて糖尿病性腎症、クリオグロ
ブリン血管炎による膜性増殖性糸球体腎炎の所見があ
り、ネフローゼ症候群と診断された。プレドニン 30mg
にて治療開始され、補体値改善、尿蛋白減少が認められ
たためプレドニン 25mg に減量し退院。高血圧の治療に
は CCB、 ARB、αβブロッカーを要しコントロール
不良であった。
HCV 治療のため処方医外来受診。Plt 14.3 万、PT
121.1%。血液検査結果、臨床症状からは F2 もしくは
F3 と判断された。
肝生検のため入院(結果は未入手)。BP 136/77、下腿
浮腫あり。腹部超音波所見:線維化の強い所見あり。
本剤投与開始。ニフェジピンを含む併用薬は用量変更せ
ず継続投与。ポリスチレンスルホン酸カルシウムを追加
処方。
BP 94/48-107/59。
下腿浮腫の変化なし。BP 93/52-108/53。
BP 82/46-90/50。2 回転倒。頭部 CT にて異常なし。経
口摂取不良。
BP 82/51-94/55。
BP 66/32、TP 4.3、Alb 2.2、AST 23、ALT 43、T-Bil 1.04、
D-Bil 0.66、BUN 108.8、Cr 5.01、eGFR 9.5、PT
114.9%。急性腎不全発現、透析治療のため転院。転院
時 BP 80 未満であったためドパミン塩酸塩投与開始し、
BP 90 程度に上昇。TP 4.4、Alb 2.0、UA 9.0、尿蛋白/
クレアチニン比 0.5 低下(もともと 4.0 程度)より、腎
血流が著明に落ちている状態が示唆された。本剤を含む
内服薬をすべて中止。プレドニゾロン 60mg 投与、輸
液による外液負荷を行ったが、尿量は 280ml とほぼ無
尿の状態であった。
CHDF(持続血液透析濾過療法)開始。
CHDF 施行したが反応は乏しく、血圧は徐々に低下。
ドパミン塩酸塩に加えノルアドレナリン投与したが血
圧維持困難となり CHDF 中止。呼吸状態悪化し気管内
挿管の上、人工呼吸器管理。メチルプレドニゾロン
250mg によるパルス療法も行ったが状態改善せず。
21:43、本剤とカルシウム拮抗薬の薬物間相互作用が原
因と考えられる治療抵抗性低血圧および著明な腎機能
低下を伴う薬剤性腎障害による多臓器不全で死亡。剖検
実施せず。肝、腎の病理検査施行(結果未入手)。
併用薬: ニフェジピン、アジルサルタン、カルベジロール、ウルソデオキシコール酸、グリチルリチン酸一アンモニウ
ム・グリシン・DL-メチオニン配合剤、ポリスチレンスルホン酸カルシウム、フェブキソスタット、プレドニゾロン、
ファモチジン、アログリプチン安息香酸塩、ミグリトール、レパグリニド、インスリン デテミル(遺伝子組換え)
臨床検査値
白血球数
赤血球数
ヘモグロビン(g/dL)
ヘマトクリット(%)
血小板数
尿素窒素(血清)(mg/dL)
血清クレアチニン(mg/dL)
eGFR
尿酸(血清)(mg/dL)
ナトリウム(mEq/L)
クロール(mEq/L)
カリウム(mEq/L)
総蛋白(血清)(g/dL)
アルブミン(血清)(g/dL)
AST(U/L)
ALT(U/L)
総ビリルビン(mg/dL)
直接ビリルビン(mg/dL)
C-反応性蛋白(mg/dL)
血糖(ブドウ糖)(mg/dL)
HbA1C(%)
プロトロンビン時間(%)
尿比重
PH
尿蛋白
尿潜血(ヘモグロビン)
尿潜血(赤血球)
投与開始
14 日前
9200
357
11.6
32.6
14.3
36.5
1.23
44.1
140
106
6.0
5.0
2.4
40
63
0.53
0.11
投与 6 日目
(投与中止日)
7800
318
10.4
29.0
16.9
108.8
5.01
9.5
9.0
135
99
6.3
4.3
2.2
23
43
1.04
0.66
0.07
206
6.7
121.1
中止 1 日後
中止 2 日後
中止 3 日後
5380
343
11.2
33.1
19.0
119
5.17
9.18
8.8
135
99
6.6
4.4
2.0
21
46
0.8
5560
340
11.0
32.1
16.1
96
3.83
12.74
5.7
137
101
5.5
4.6
1.9
15
38
0.8
6550
295
9.6
28.1
14.5
55
2.16
23.84
2.0
137
102
4.5
4.4
1.7
16
29
0.6
1.40
158
5.00
187
3.23
199
1.013
5.0
(1+)
1.017
5.0
(1+)
1.021
5.0
(2+)
114.9
1.017
5.0
(2+)
(-)
(-)
まとめ
本剤の販売開始から 5 ヶ月間に集積された症例からは、
本剤の新たなリスクは特定され
ず、本剤のベネフィット・リスクバランスに変更はありません。
なお、Ca 拮抗剤は本剤との併用に注意を要する薬剤であり、Ca 拮抗剤を併用した患者
において死亡に至った重篤な低血圧が報告されております。併用の際は Ca 拮抗剤を減量
する等十分注意して頂きますようお願い致します。
また、カリウム値上昇例の報告が集積されております。一般に、カリウム値の上昇のリ
スク因子として高齢、合併症(糖尿病、腎障害、心疾患等)、併用薬剤(カリウム保持性
利尿薬、ARB、ACEi、βブロッカー、NSAIDs、ジゴキシン等)が挙げられております 1)。
これらのリスクを複数有する患者へ本剤を投与される際には、患者のモニタリングを行っ
て頂きますようよろしくお願い致します。
引き続き本剤の適正使用にご協力の程よろしくお願い致します。
6.
7.
参考文献
1) Raebel MA: Hyperkalemia associated with use of angiotensin-converting enzyme
inhibitors and angiotensin receptor blockers. Cardiovasc Ther. 2012 Jun;30(3):e156-e166
ヴィキラックス®配合錠の市販直後調査
【市販直後調査概要】
(1)調査対象医薬品:ヴィキラックス®配合錠
(2)調査対象施設:本剤を納入または処方された医療機関
(3)調査期間:2015 年 11 月~2016 年 5 月(6 ヵ月間)
(4)調査方法:本剤をご使用いただいてから 2 ヵ月間は、概ね 2 週間に 1 回、その後は概ね 1
ヵ月に 1 回の頻度で弊社医薬情報担当者(MR)が訪問し、市販直後調査へのご
協力のお願いと適正使用のご説明をさせていただきます。
【お願い】
(1)「使用上の注意」をご熟読の上、ヴィキラックス®配合錠を慎重にご使用いただくととも
に、本剤との因果関係が疑われる副作用等が発現した場合には、速やかに弊社医薬情報
担当者(MR)へのご連絡をお願い申し上げます。
(2)下記の重篤の定義に該当する副作用、使用上の注意に記載のない未知の副作用等の場合
には、弊社医薬情報担当者(MR)より詳細調査をお願いさせていただくことがございます
ので、あわせてご協力をお願い申し上げます。
【重篤な副作用】重篤には次の事項が該当します。
1. 治療のため入院又は入院の延長を要した
2. 永続的又は顕著な障害を残した
3. 生命が脅かされた
4. 死亡
5. 胎児/出生児に先天的異常が認められた
6. その他医学的に重要な状態
ご不明点及び問い合わせ等ありましたら弊社担当 MR までご連絡ください。
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