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開 催 要 項

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開 催 要 項
平成28年度
第47回全国学校保健・学校医大会
開 催 要 項
日 時
平成28年10月29日(土)10:00
(受付 9:00∼)
会 場
京王プラザホテル札幌
ホテルポールスター札幌
主 催:日 本 医 師 会
担 当:北海道医師会
大会ホームページ http://www2.convention.co.jp/sapporo.med/school-47
E-mail [email protected]
平成28年度 第47回全国学校保健・学校医大会
開 催 要 項
大 会 名 称 第47回全国学校保健・学校医大会
メインテーマ 「みんなで築こう子どもたちの未来―考えよう学校医の果たす役割―」
日 時 平成28年10月29日
(土)10時から
会 場 京王プラザホテル札幌
札幌市中央区北 5 条西 7 丁目 2 - 1 ℡ 011-271-0111
ホテルポールスター札幌
札幌市中央区北 4 条西 6 丁目 ℡ 011-241-9111
主 催 日 本 医 師 会
担 当 北海道医師会
参 加 者 日本医師会会員及び学校保健に関係のある専門職の者
日 程
9:00
受付
京王プラザホテル札幌
2 階・ホワイエ
10:00
分科会 第 1 分科会『からだ・こころ( 1 )』学校健診・学校教育・生活習慣病ほか
第 2 分科会『からだ・こころ( 2 )』運動器検診・運動器に関する諸問題や取組
第 3 分科会『からだ・こころ( 3 )』アレルギー・こころ
第 4 分科会『耳鼻咽喉科』
第 5 分科会『眼科』
京王プラザホテル札幌
3 階・扇の間
3 階・雅の間
2 階・ローズルーム
ホテルポールスター札幌
2 階・セレナード
2 階・メヌエット
12:00
昼食
都道府県医師会連絡会議
各分科会会場
京王プラザホテル札幌
地下 1 階・プラザホール
13:00
開会式・表彰式
14:10
シンポジウム テ ー マ『学校における健康診断の意義と役割』
基調講演『学校健康診断をめぐる話題』
講師:日本学校保健会専務理事/弓倉医院院長 弓倉 整
シンポジウム
①「成長曲線」
札幌市学校医協議会会長/医療法人宮の沢小池こどもクリニック理事長 小池 明美 京王プラザホテル札幌
②「運動器学校検診の概要と課題」
2 階・エミネンスホール
札幌医科大学附属病院病院長/札幌医科大学医学部整形外科教授 山下 敏彦
③「学校医に必要なアレルギー疾患の知識 -食物アレルギーを中心に-」
北海道小児科医会副会長/医療法人社団恵幼会わたなべ小児科・アレルギー科クリニック院長 渡辺 徹
15:45
特別講演
演題:『伝えるのは命 繋ぐのは命』
講師:旭川市旭山動物園園長 坂東 元
16:45
次期担当医師会長挨拶・閉会
16:50
休 憩
18:00
懇親会
アトラクション【香澄 KAZUMI】
20:00
京王プラザホテル札幌
2 階・エミネンスホール
- 1 -
平成28年度 第47回全国学校保健・学校医大会
プ ロ グ ラ ム
1 受 付 京王プラザホテル札幌2階・ホワイエ
2 分 科 会 各分科会会場
9:00 ~ 10:00
10:00 ~ 12:00
第 1 分科会【からだ・こころ( 1 )】学校健診・学校教育・生活習慣病 ほか
京王プラザホテル札幌 3階・扇の間
座長 : 北 海 道 医 師 会 常 任 理 事
札幌市学校医協議会会長
後 藤 聰
小 池 明 美
1 .愛知県医師会の学校管理下における児童・生徒の死亡に到る有
害事象への取り組み
愛知県医師会
稲 坂 博
2 .徳島県医師会が実施している県内統一した小児の健康管理シス
テムについて
徳島県医師会
田 山 正 伸
3 .都立学校心臓検診における調査票の活用
東京都医師会
泉 田 直 己
4 .2014年度の姫路市における学校心臓 1 次検診でQT延長を指摘
された児の運動負荷心電図所見
兵庫県医師会
五 百 蔵 智 明
5 .川崎市立学校心臓病検診結果
-平成15年度から平成26年度の結果報告-
神奈川県医師会
堺 浩 之
6 .テキストマイニングによる喫煙防止授業の感想文の分析
-共起ネットワークによる感想文の可視化の試み-
和歌山県医師会
村 上 浩 一
7 .佐賀県における中学生への性教育
-アンケート調査から考える-
佐賀県医師会
徳 永 剛
8 .学校文化祭の医療啓発ポスター展示における医系学生の医療調
査への参加の意義
岩手県医師会
鈴 木 武 敏
9 .小児慢性特定疾患登録制度からみた青森県の子どもたちの健康
状況
青森県医師会
田 中 完
- 2 -
10.茨城県における学校検尿緊急受診システムについて
茨城県医師会
大 塲 正 二
11.就学児の潰瘍性大腸炎に対する食、心、ストレスマネージメン
トにより免疫抑制剤、ステロイド離脱症例報告
和歌山県医師会
西 本 真 司
第 2 分科会【からだ・こころ( 2 )】運動器検診・運動器に関する諸問題や取組
京王プラザホテル札幌 3階・雅の間
座 長 : 北 海 道 医 師 会 副 会 長
北海道医師会常任理事
深 澤 雅 則
岡 部 實 裕
1 .小児運動器検診における腹囲測定の重要性
秋田県医師会
後 藤 敦 子
2 .運動器検診スタート後の問題点
愛知県医師会
井 戸 田 仁
3 .京都市立学校の運動器検診
京都府医師会
林 鐘 声
4 .運動器検診の実施の課題と今後の展望について
広島県医師会
渡 邊 弘 司
5 .小学生サッカー選手における膝離断性骨軟骨炎の早期発見に対
する取り組み
徳島県医師会
鈴 江 直 人
6 .京都市小学校「大文字駅伝」大会-30年を振り返って-
京都府医師会
奥 村 正 治
7 .豊島区立小中学校における過去 6 年間の骨密度測定結果から
東京都医師会
猪 狩 和 子
8 .小・中学生の体格(肥満度)と体力テストの関連性について
広島県医師会
松 本 治 之
- 3 -
第 3 分科会【からだ・こころ( 3 )】アレルギー・こころ
京王プラザホテル札幌 2階・ローズルーム
座 長 : 北 海 道 医 師 会 常 任 理 事
札幌市学校医協議会副会長
三 戸 和 昭
多 米 淳
1 .除去食指示書を兼ねた乳幼児食物アレルギー問診票の導入
奈良県医師会
高 橋 泰 生
2 .アレルギー対策委員会設置の必要を説いた教育ツールを用いた
学校医講演による、市内学校でのアレルギー対策の設置効果に
ついての検証について
大阪府医師会
松 井 甲 三
「学校生活管理指導表作成」のための「アナフィラキシー・食
3.
物アレルギー問診票」の活用
奈良県医師会
南 部 光 彦
4 .学童期の食事摂取とアレルギー症状の関連性について
滋賀県医師会
楠 隆
5 .島根県出雲医師会の学校給食および保育所給食のアレルギー対
策の取り組み
島根県医師会
芦 沢 隆 夫
6 .アンケート調査からみた学校医の役割について
平成18年度調査と比較し10年経過しどのように変化したか
京都府医師会
杉 本 英 造
7 .こどもたちの腸と心
熊本県医師会
高 野 正 博
8 .発達障害を抱える子どもたちへのライフスキルトレーニング
埼玉県医師会
平 岩 幹 男
9 .クラス生徒の事例検討を電子媒体で行う方法
三重県医師会
長 尾 圭 造
10.学校での発達・こころの健康と他機関との連携 ―小学生と中
学生・高校生と-
島根県医師会
安 藤 幸 典
11.奈良市における児童・生徒の『心の健康』に関する相談及び
診断事業について -第 4 報-
奈良県医師会
北 村 栄 一
12.学校保健活動に関する学校医および郡市医師会へのアンケート
調査結果
北海道医師会
三 戸 和 昭
- 4 -
第 4 分科会【耳鼻咽喉科】
ホテルポールスター札幌 2階・セレナード
座長 : 日本耳鼻咽喉科学会北海道地方部会会長
北海道耳鼻咽喉科医会会長
氷 見 徹 夫
吉 村 理
1 .旭川市の特別支援学校における耳鼻咽喉科健診の現状
北海道医師会
大 橋 伸 也
2 .耳鼻咽喉科学校医の未配置校解消に向けての取り組み
静岡県医師会
鳥 居 智 子
3 .新潟県における耳鼻咽喉科健診の実態調査から
―行政への提言―
新潟県医師会
大 滝 一
4 .札幌市の補聴器購入費助成制度の対象となった軽・中等度難
聴児の検討
北海道医師会
新 谷 朋 子
5 .札幌市内のオープン教室での難聴児のきこえについて
北海道医師会
坪 松 ち え 子
6 .AABRパス症例が人工内耳に至った一症例の療育・教育の反
省点と問題点
神奈川県医師会
寺 崎 雅 子
7 .22q11. 2 欠失症候群症例の発達、構音障害への教育的配慮
北海道医師会
西 澤 典 子
8 .機能性構音障害児の構音習得~訓練の効果と遷延の要因
大阪府医師会
愛 場 庸 雅
9 .学校健診からみた小児嗄声の検討
徳島県医師会
島 田 亜 紀
- 5 -
第 5 分科会【眼科】
ホテルポールスター札幌 2階・メヌエット
座長 : 北 海 道 眼 科 医 会 会 長
北海道医師会常任理事
田 川 博
笹 本 洋 一
1 .北海道の学校における色覚検査の現況と対策
北海道医師会
中 田 勝 義
2 .大阪における学校の色覚検査実施状況について
大阪府医師会
宮 浦 徹
3 .眼科校医なら誰でも可能な色覚指導
-その必然と要点-
神奈川県医師会
鈴 木 高 遠
4 .平成27年学校でのコンタクトレンズ装用状況調査
神奈川県医師会
宇 津 見 義 一
5 .藤沢市・横浜市の各種コンタクトレンズ装用生徒の細菌の汚染
状況
神奈川県医師会
坂 本 則 敏
6 .カラーコンタクトレンズによる眼障害
北海道医師会
新 井 勉
7 .北海道における 5 歳児健診の実態
北海道医師会
田 川 博
8 .自 動 屈 折 計 に よ る 小 学 校・ 幼 稚 園 眼 科 検 診 の 報 告 Ⅱ
-2005年~ 2016年(11年間)のまとめ&神奈川県藤沢市医師
会・眼科医会と藤沢市の取り組み-
神奈川県医師会
河 野 智 英 子
9 .当院でみた学校での眼外傷
三重県医師会
前 沢 義 秀
昼 食 各分科会会場
12:00 ~ 13:00
都道府県医師会連絡会議 京王プラザホテル札幌 地下1階・プラザホール
12:00 ~ 13:00
- 6 -
3 開会式・表彰式 京王プラザホテル札幌 2階・エミネンスホール
13:00 ~ 14:00
開 会 北 海 道 医 師 会 副 会 長 藤 原 秀 俊
挨 拶 北 海 道 医 師 会 会 長 長 瀬 清
日 本 医 師 会 会 長 横 倉 義 武
表 彰 学 校 医 9名
養 護 教 諭 9名
学 校 関 係 栄 養 士 7名
謝 辞 受 賞 者 代 表 津 田 哲 哉
祝 辞 文 部 科 学 大 臣 松 野 博 一
北 海 道 知 事 高 橋 はるみ
札 幌 市 長 秋 元 克 広
日 本 学 校 保 健 会 会 長 横 倉 義 武
北海道教育委員会教育長 柴 田 達 夫
4 シ ン ポ ジ ウ ム 京王プラザホテル札幌 2階・エミネンスホール
14:10 ~ 15:45
テ ー マ『学校における健康診断の意義と役割』
座長:北 海 道 医 師 会 常 任 理 事
日本耳鼻咽喉科学会北海道地方部会常任理事
三 戸 和 昭
大 橋 伸 也
講師:日本学校保健会専務理事
弓倉医院 院長
弓 倉 整
札幌市学校医協議会会長
医療法人宮の沢小池こどもクリニック理事長
小 池 明 美
基調講演『学校健康診断をめぐる話題』
シンポジウム
1.
「成長曲線」
2.
「運動器学校検診の概要と課題」
札幌医科大学附属病院病院長
札幌医科大学医学部整形外科教授
山 下 敏 彦
3.
「学校医に必要なアレルギー疾患の知識-食物アレルギーを中心に-」
北海道小児科医会副会長
医療法人社団恵幼会わたなべ小児科・アレルギー科クリニック院長
- 7 -
渡 辺 徹
5 特 別 講 演 京王プラザホテル札幌 2階・エミネンスホール
15:45 ~ 16:45
座長:北 海 道 医 師 会 会 長
長 瀬 清
講師:旭川市旭山動物園園長
坂 東 元
6 次期担当医師会長挨拶 京王プラザホテル札幌 2階・エミネンスホール
16:45 ~ 16:50
7 閉 会 京王プラザホテル札幌 2階・エミネンスホール
16:50 北海道医師会副会長
小 熊 豊
8 懇 親 会 京王プラザホテル札幌 2階・エミネンスホール
18:00 ~ 20:00
『伝えるのは命 繋ぐのは命』
アトラクション【香澄 KAZUMI】
- 8 -
平成28年度 第47回全国学校保健・学校医大会
都道府県医師会連絡会議
主 催 北海道医師会
日 時 平成28年10月29日
(土)12:00 ~ 13:00
会 場 京王プラザホテル札幌 地下 1 階 プラザホール
出 席 者 日本医師会関係者
都道府県医師会関係者
次期担当医師会関係者
次 第 1 . 開 会
2 . 担当医師会長挨拶 北海道医師会長 長 瀬 清
3 . 挨 拶 日 本 医 師 会 長 横 倉 義 武
4 . 経過報告
5 . 協 議
①大会運営について
②次期担当医師会の決定について
③その他
6 . 次期担当医師会長挨拶
7 . 閉 会
- 9 -
平成28年度 第47回全国学校保健・学校医大会
会 場 案 内
時 間
受 付
分科会
昼 食
9 :00 ~
10:00 ~ 12:00
会 議・催 事 名
受付
京王プラザホテル札幌
2 階・ホワイエ
第 1 分科会『からだ・こころ( 1 )
』
学校健診・学校教育・生活習慣病 ほか
京王プラザホテル札幌
3 階・扇の間
第 2 分科会『からだ・こころ( 2 )
』
運動器検診・運動器に関する諸問題や取組
京王プラザホテル札幌
3 階・雅の間
第 3 分科会『からだ・こころ( 3 )
』
アレルギー・こころ
京王プラザホテル札幌
2 階・ローズルーム
第 4 分科会『耳鼻咽喉科』
ホテルポールスター札幌
2 階・セレナード
第 5 分科会『眼科』
ホテルポールスター札幌
2 階・メヌエット
各分科会参加者
各分科会会場
都道府県医師会連絡会議
京王プラザホテル札幌
地下 1 階・プラザホール
12:00 ~ 13:00
13:00 ~ 14:00
開会式・表彰式
14:10 ~ 15:45
シンポジウム
京王プラザホテル札幌
2 階・エミネンスホール
全体会
懇親会
会 場
15:45 ~ 16:45
特別講演
16:45 ~ 16:50
次期担当医師会長挨拶
18:00 ~ 20:00
懇親会
京王プラザホテル札幌
2 階・エミネンスホール
※会場の都合上、懇親会まで約 1 時間の待ち合わせ時間がございます。
- 10 -
平成28年度 第47回全国学校保健・学校医大会
各会場案内図
〈京王プラザホテル札幌〉
地下1階
プラザホール
1階
- 11 -
2階
ホワイエ
ローズルーム
式典・懇親会会場
ホワイエ
エミネンスホール
3階
雅の間
扇の間
- 12 -
〈ホテルポールスター札幌〉
1階
2階
メヌエット
セレナード
- 13 -
平成28年度 第47回全国学校保健・学校医大会
会場・宿泊ホテル案内図
札幌ホテルMAP
至麻生
地下鉄東豊線
地下鉄南北線
ベストウエスタン
ホテルフィーノ札幌 ●
至栄町
●
ルートイン札幌駅北口 ●
大 丸
●
至小樽
京王プラザホテル札幌
★
ホテルポールスター札幌
J R タワー
ホテル京阪札幌
ホテルサンルート札幌
JR札幌駅
新千歳空港方面
JR快速エアポート約40分
センチュリーロイヤルホテル
●
地下鉄さっぽろ
創
成
川
★
●
札幌全日空ホテル
道庁旧本庁舎
(赤レンガ)
●
ホテル法華クラブ札幌
●
時計台
札幌グランドホテル
テレビ塔
至宮の沢
地下鉄東西線
大通公園
至新さっぽろ
地下鉄大通
●
リソルトリニティ札幌
●
アパホテル札幌
二条市場
狸小路
地下鉄すすきの
至真駒内
- 14 -
地下鉄豊水すすきの
至福住
分科会発表の趣旨
第 1 分科会…………………………19
第 2 分科会…………………………23
第 3 分科会…………………………26
第 4 分科会…………………………30
第 5 分科会…………………………33
発 表 要 領 1 . 受付時間 9 :00 ~ 京 王プラザホテル札幌 2 階ホワイエで受付後、パワーポイン
トデータの差し替えがある場合はPC受付へご案内いたします。
2 . 10分(発表時間 7 分 質疑応答 3 分)
発表開始 緑色のランプ
発表終了 1 分前 黄色のランプ
発表終了後 赤色のランプ、カウントUP
3 . 次演者は「次演者席」にご着席ください。
- 15 -
第47回全国学校保健・学校医大会研究発表者・演題一覧
第 1 分科会【からだ・こころ( 1 )】学校健診・学校教育・生活習慣病 ほか
座長 北 海 道 医 師 会 常 任 理 事 後藤 聰
札幌市学校医協議会会長 小池 明美
発表順
演 題 名
研究発表者名
1
愛知県医師会の学校管理下における児童・生徒の死亡に到る有害事
象への取り組み
愛知県医師会
稲坂 博
2
徳島県医師会が実施している県内統一した小児の健康管理システム
について
徳島県医師会
田山 正伸
3
都立学校心臓検診における調査票の活用
東京都医師会
泉田 直己
4
2014年度の姫路市における学校心臓 1 次検診でQT延長を指摘された
児の運動負荷心電図所見
兵庫県医師会
五百蔵智明
5
川崎市立学校心臓病検診結果
-平成15年度から平成26年度の結果報告-
神奈川県医師会
堺 浩之
6
テキストマイニングによる喫煙防止授業の感想文の分析
-共起ネットワークによる感想文の可視化の試み-
和歌山県医師会
村上 浩一
7
佐賀県における中学生への性教育
-アンケート調査から考える-
佐賀県医師会
徳永 剛
8
学校文化祭の医療啓発ポスター展示における医系学生の医療調査へ
の参加の意義
岩手県医師会
鈴木 武敏
9
小児慢性特定疾患登録制度からみた青森県の子どもたちの健康状況
青森県医師会
田中 完
10
茨城県における学校検尿緊急受診システムについて
茨城県医師会
大塲 正二
11
就学児の潰瘍性大腸炎に対する食、心、ストレスマネージメントに
より免疫抑制剤、ステロイド離脱症例報告
和歌山県医師会
西本 真司
第 2 分科会【からだ・こころ( 2 )】運動器検診・運動器に関する諸問題や取組
座長 北 海 道 医 師 会 副 会 長 深澤 雅則
北海道医師会常任理事 岡部 實裕
発表順
演 題 名
研究発表者名
1
小児運動器検診における腹囲測定の重要性
秋田県医師会
後藤 敦子
2
運動器検診スタート後の問題点
愛知県医師会
井戸田 仁
3
京都市立学校の運動器検診
京都府医師会
林 鐘声
4
運動器検診の実施の課題と今後の展望について
広島県医師会
渡邊 弘司
5
小学生サッカー選手における膝離断性骨軟骨炎の早期発見に対する
取り組み
徳島県医師会
鈴江 直人
- 16 -
発表順
演 題 名
研究発表者名
6
京都市小学校「大文字駅伝」大会
-30年を振り返って-
京都府医師会
奥村 正治
7
豊島区立小中学校における過去 6 年間の骨密度測定結果から
東京都医師会
猪狩 和子
8
小・中学生の体格(肥満度)と体力テストの関連性について
広島県医師会
松本 治之
第 3 分科会【からだ・こころ( 3 )】アレルギー・こころ
座長 北 海 道 医 師 会 常 任 理 事 三戸 和昭
札幌市学校医協議会副会長 多米 淳
発表順
演 題 名
研究発表者名
1
除去食指示書を兼ねた乳幼児食物アレルギー問診票の導入
奈良県医師会
高橋 泰生
2
アレルギー対策委員会設置の必要を説いた教育ツールを用いた学校
医講演による、市内学校でのアレルギー対策の設置効果についての
検証について
大阪府医師会
松井 甲三
奈良県医師会
南部 光彦
3
「学校生活管理指導表作成」のための
「アナフィラキシー・食物アレルギー問診票」の活用
4
学童期の食事摂取とアレルギー症状の関連性について
滋賀県医師会
楠 隆
5
島根県出雲医師会の学校給食および保育所給食のアレルギー対策の
取り組み
島根県医師会
芦沢 隆夫
6
アンケート調査からみた学校医の役割について
平成18年度調査と比較し10年経過しどのように変化したか
京都府医師会
杉本 英造
7
こどもたちの腸と心
熊本県医師会
高野 正博
8
発達障害を抱える子どもたちへのライフスキルトレーニング
埼玉県医師会
平岩 幹男
9
クラス生徒の事例検討を電子媒体で行う方法
三重県医師会
長尾 圭造
10
学校での発達・こころの健康と他機関との連携
―小学生と中学生・高校生と-
島根県医師会
安藤 幸典
11
奈良市における児童・生徒の『心の健康』に関する相談及び
診断事業について -第 4 報-
奈良県医師会
北村 栄一
12
学校保健活動に関する学校医および郡市医師会へのアンケート調査
結果
北海道医師会
三戸 和昭
- 17 -
第 4 分科会【耳鼻咽喉科】
座長 日本耳鼻咽喉科学会北海道地方部会会長 氷見 徹夫
北海道耳鼻咽喉科医会会長 吉村 理
発表順
演 題 名
研究発表者名
1
旭川市の特別支援学校における耳鼻咽喉科健診の現状
北海道医師会
大橋 伸也
2
耳鼻咽喉科学校医の未配置校解消に向けての取り組み
静岡県医師会
鳥居 智子
3
新潟県における耳鼻咽喉科健診の実態調査から
―行政への提言―
新潟県医師会
大滝 一
4
札幌市の補聴器購入費助成制度の対象となった軽・中等度難聴児の
検討
北海道医師会
新谷 朋子
5
札幌市内のオープン教室での難聴児のきこえについて
北海道医師会
坪松ちえ子
6
AABRパス症例が人工内耳に至った一症例の療育・教育の反省点
と問題点
神奈川県医師会
寺崎 雅子
7
22q11. 2 欠失症候群症例の発達、構音障害への教育的配慮
北海道医師会
西澤 典子
8
機能性構音障害児の構音習得~訓練の効果と遷延の要因
大阪府医師会
愛場 庸雅
9
学校健診からみた小児嗄声の検討
徳島県医師会
島田 亜紀
第 5 分科会【眼科】
座長 北 海 道 眼 科 医 会 会 長 田川 博
北海道医師会常任理事 笹本 洋一
発表順
演 題 名
研究発表者名
1
北海道の学校における色覚検査の現況と対策
北海道医師会
中田 勝義
2
大阪における学校の色覚検査実施状況について
大阪府医師会
宮浦 徹
3
眼科校医なら誰でも可能な色覚指導 -その必然と要点-
神奈川県医師会
鈴木 高遠
4
平成27年学校でのコンタクトレンズ装用状況調査
神奈川県医師会
宇津見義一
5
藤沢市・横浜市の各種コンタクトレンズ装用生徒の細菌の汚染状況
神奈川県医師会
坂本 則敏
6
カラーコンタクトレンズによる眼障害
北海道医師会
新井 勉
7
北海道における 5 歳児健診の実態
北海道医師会
田川 博
8
自動屈折計による小学校・幼稚園眼科検診の報告Ⅱ
-2005年~ 2016年(11年間)のまとめ&神奈川県藤沢市医師会・眼
科医会と藤沢市の取り組み-
神奈川県医師会
河野智英子
9
当院でみた学校での眼外傷
三重県医師会
前沢 義秀
- 18 -
第 1 分科会【からだ・こころ( 1 )
】 学校健診・学校教育・生活習慣病 ほか
1 .愛知県医師会の学校管理下における児童・生徒の死亡に到る有害事象への取り組み
愛知県医師会
稲 坂 博
愛知県医師会の児童・生徒の学校管理下における有害事象への対策、特に命にかかわる分野においてのこれ
までの取組と今後の方向性を纏めたので報告する。
心肺停止直後の対応の歴史的沿革の第一歩は 1989 年 6 月 30 日 に愛知県医師会が後援して日本蘇生普及協
会を設立したことに始まる。その活動範囲は全国に及んでいる。また、活動実績は 1999 年 3 月 1 日に名古屋
市と協働で 300 人規模の一般市民対象講習会を開催。近年に於いては 2012 年 10 月愛知県教育委員会との共催
で小・中・高の学校を対象に無料講習会を開始。その内容の平成 27 年度における活動実績を纏めたので報告
する。(講習会実施回数 76 回、延べ日数 92 日、派遣指導員数 332 名、総受講者数 4,982 名。)
一方、学校管理下の有害事象で近年際立っているのは学校給食における食物アレルギー起因のショックによ
る死亡である。学校管理下に医療が関わる時には様々な障壁があり、最短距離で行える救命対応は未だ大きな
課題を残していてこれまでも、抜本的解決が示されないままに各県の様々な取組が紹介されるのに留まるのが
実情である。
愛知県医師会においても第58回東海学校保健学会において既に報告した内容の愛知県医師会学校保健部会関
与部分を中心として本会で紹介し今後の取組の方向性を示したい。
2 .徳島県医師会が実施している県内統一した小児の健康管理システムについて
徳島県医師会
田 山 正 伸
徳島県医師会は小児(小学生と中学生)及び高校生を対象に、県内統一した健康管理システムを構築し、各
学校で一次検診を実施しています。健康管理の内容は、①小児・高校生肥満検診、②学校心電図検診、③学校
検尿検診、④学校糖尿病検尿検診を実施しています。徳島県内の全ての小中学生及び高校生を対象として、一
次検診異常例については、二次検診医療機関を徳島県医師会が研修及び指定し、学校から二次検診医療機関へ
の受診を勧めています。従って、このシステムは、教育委員会、学校、医師会及び各医療機関が連携して行な
うもので、二次検診報告書の回収、管理及び検診判定を行ない、小児及び高校生の健康管理に役立てている。
3 .都立学校心臓検診における調査票の活用
東京都医師会
泉 田 直 己
学校心臓検診において、調査票ではそれまでの心疾患の既往に関する重要情報や、動悸・失神等の循環器疾
患に関連が深い自覚症状の有無、心疾患の家族歴を知ることができる。しかし、その活用法や判定の基準につ
いては、一定の見解は定まっていない。
私たちが実施している都立学校心臓検診では、調査票に学校医の所見、養護教諭・担任教諭からの情報を記
載する欄も設け、検診で使用している。調査票は記載内容に応じて、マニュアルを作成することによる統一し
た基準を定め、判定を行っている。
また、心電図有所見者例では、心電図診断によっては調査票により、症状あるいは家族歴の有無を確認し、
判定の参考にしている。
今回、都立学校心臓検診での調査票の活用について紹介し、その意義について報告する。
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4 .2₀14 年度の姫路市における学校心臓 1 次検診で QT 延長を指摘された児の
運動負荷心電図所見
兵庫県医師会
五百蔵 智 明
【背景】2013 年に学校生活管理指導ガイドラインが改訂され、学校心臓 1 次検診( 1 次検診)で QT 延長を指
摘された児に運動負荷心電図が必要となった。
【目的】2014 年度に姫路市における 1 次検診で QT 延長(F-QTc ≧ 0.45 秒)を指摘された児の運動負荷心電図の
結果を後方視的に検討する。
【対象と方法】対象は 1 次検診で QT 延長を指摘された 59 例。 2 次検診として運動負荷心電図を実施した。
【結果】確実な家族歴をもつ 2 例と 2 次検診で F-QTc ≧ 0.48 秒の 2 例は 3 次施設に紹介した。当院では 2 次
検診で F-QTc < 0.48 秒の 54 例に運動負荷心電図を実施し、全例で有意な F-QTc 延長を認めなかった。
【考案】軽度の QT 延長児において運動負荷心電図で有意な QT 延長を認めた例はなく、運動負荷心電図の適応
については再考の余地があると思われた。
5 .川崎市立学校心臓病検診結果 ―平成15年度から平成2₆年度の結果報告―
神奈川県医師会
堺 浩 之
昭和 59 年より市委託事業となった川崎市立学校児童・生徒心臓病集団検診は、12 誘導心電図と心臓病調査
票による一次検診が実施されている。
心臓病判定委員で分担して判読し、問題があると認めた心電図に関して、全例心臓病判定委員会にてビデ
オ・ビジュアライザーを用いて、判定委員全員で検討し、二次検診対象者を決定する。二次検診は、診察の
上、胸部レントゲン写真、運動負荷心電図などを参考にして三次検診対象者を決定する。最終的には心臓病専
門委員会にて診断・管理区分の最終決定を行っている。
今回平成 15 年度から平成 26 年度の検診で、受診対象は延べ 271,732 人、検診にて管理区分が確定したものは
1,051 人であった。結果について検討を行ったので報告する。
₆ .テキストマイニングによる喫煙防止授業の感想文の分析
―共起ネットワークによる感想文の可視化の試み―
和歌山県医師会
村 上 浩 一
【はじめに】
日高医師会では、平成 17 年から小学 5 年生または 6 年生を対象に、学校医による喫煙防止出前授業(以下
授業)を行なってきた。今回、授業を受けた生徒がタバコや喫煙についてどのような感想を抱いたかを客観
的・統計学的に知る目的で、授業後の感想文を、テキストマイニングの手法を用いて分析した。
【方法】
5600 を超える自由記述の感想文を対象とし、フリーのソフトウェアである KH Coder (Ver.2.00e) を用い、多
変量解析による分析を行った。分析内容は、①頻出語について、②共起ネットワークにより全体的な傾向を可
視化すること、③頻出語とその前後の文脈の検索の 3 点である。
【結果】
①頻出語では、
「タバコ」
、
「ガン」
、「ニコチン」、「思う」、「知る」、「死ぬ」、「悪い」、「黒い」、「怖い」など
の健康被害を表す語の出現頻度が高かった。②共起ネットワークでは、「タバコ」-「吸う」-「ガン」
、「子
供」-「食べる」-「死ぬ」
、
「短い」-「寿命」のように図示され、全体的な傾向を可視化することができ
た。③頻出語とその前後の文脈の検索でも、生徒のタバコの健康被害についての知識が高いことがわかった。
【まとめ】
分析の結果、感想文の全体的な傾向を客観的に捉えることができた。授業は生徒のタバコの健康被害につい
ての知識の向上に貢献していると考えられた。
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₇ .佐賀県における中学生への性教育 ―アンケート調査から考える―
佐賀県医師会
徳 永 剛
2015 年度に性教育授業を受けた市町立中学生(原則 2 年生)の生徒約 8,900 人及び学校関係者、授業を行っ
た学校医、協力医、助産師等にアンケート調査を行った。
生徒への調査内容は性、妊娠・出産、性感染症に関する知識、相談相手、自尊感情などである。学校関係者
には、中学生に対する性教育の必要性、現在の取り組みに対する感想などを質問し、講義者には、教材のスラ
イドの使いやすさ、学校側の対応、講義中の生徒の態度、講義継続の意志等を調査した。
今回、佐賀県が中学生を対象に行っている性教育に関するアンケート調査を実施したので報告する。
₈ .学校文化祭の医療啓発ポスター展示における医系学生の医療調査への参加の意義
岩手県医師会
鈴 木 武 敏
NPO 法人ホスピタ医療啓発ネットワークと複数の地域教育委員会の共催で、 6 県の小中高校合わせて約 500
校の文化祭で、全科に渡る医療啓発ポスター約 100 枚を展示して、さらに 2 つの高校では、岩手医大の衛生検
査部の学生の協力で、骨密度測定、緑内障視野検査スクリーニング、口腔内細菌密度測定などに加えて、介助
犬の体験学習を行った。文化祭での医療啓発ポスターの展示は、生徒のみならず保護者なども含めた閲覧者も
多く、非常に好評であった。また、医学生には学生のうちに地域医療や学校保健に興味を持ってもらう機会に
なる。全国的な活動になれば、費用対効果も高く、医療啓発の効果は大きい。
₉ .小児慢性特定疾患登録制度からみた青森県の子どもたちの健康状況
青森県医師会
田 中 完
【はじめに】青森県は成人も子どもも肥満者の割合が高い。また、女性を含めた喫煙率は全国の上位である。
今回、小児慢性特定疾患 ( 小慢 ) の登録状況の調査を行い、生活環境と子どもの健康に関しての考察を試みた。
【方法】平成 20 ~ 24 年度の小慢の登録状況について青森県こどもみらい課からの統計資料の提供を受けた。
小慢登録疾患の内、糖尿病と慢性心疾患に注目し、詳細な検索が可能であった平成 21 ~ 23 年度に関して、 0
~ 19 歳の人口が青森県と近い山口県、長崎県と比較検討した。
【結果】各年度の登録者数は 1,300 名前後であり、慢性心疾患で増加傾向がみられた。糖尿病は、小慢では薬物
療法を行っているものが適応となるため II 型は比較的重症例のみが適応となるが、青森県では山口県、長崎県
と比べて II 型の受給率が高く、高度肥満時の出現率と有意に相関していた。心疾患は多くが先天性構造異常で
あるが、青森県の受給率は検討した他県に比して有意に高率であった。
【結論】本調査はかなり大雑把なものであることから限界があるが、子どもたちの健康は生活環境と大きく関
わっていることが示唆された。
1₀.茨城県における学校検尿緊急受診システムについて
茨城県医師会
大 塲 正 二
学校検尿は日本が世界に誇れる素晴らしいシステムである。学校検尿は昭和 49 年から施行され小中高まで
をカバーしている。現在では慢性腎炎の詳細な自然歴がわかるようになり医学的にも貢献度は高い。学校検尿
システム導入以降、わが国で糸球体腎炎(特に IgA 腎症)を基礎疾患とする慢性腎不全患者の透析導入率は劇
的に減少している。そのような中、学校検尿システムの間隙をついたように腎不全に陥ってしまった 2 症例
を経験した。この様な不幸な例を二度と出さないために、茨城県医師会学校医部会学校保健対策委員会腎臓
病・小児糖尿病検診小委員会では平成 26 年より学校検尿緊急受診システムを構築した。我々は本会の中で本
システムの運用までの過程、手法とその成果について報告したい。
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11.就学児の潰瘍性大腸炎に対する食、心、ストレスマネージメントにより免疫抑制剤、
ステロイド離脱症例報告
和歌山県医師会
西 本 真 司
潰瘍性大腸炎は、10 代に発症の多い難病である。東洋医学的治療を求め当院受診の 2 症例で良好な経過を
得たので報告する。症例 1 は、平成 25 年 2 月、14 歳の時に全腸型潰瘍性大腸炎の確定診断を受け、レミケー
ド 3 回、顆粒球除去療法 10 回、アサコール、ロイケリンでの治療を受けたが、副作用出現。平成 26 年 8 月
26 日、当院受診。潰瘍性大腸炎に加えアトピーと偏頭痛があったため、星状神経節ブロック、漢方治療を併
用し、現在経過良好である。症例 2 は平成 26 年 12 月、12 歳の時、全腸型潰瘍性大腸炎の診断を受け、ステロ
イド、イムランの使用開始するも全頭脱毛再生不良性貧血副作用出現。平成 27 年 4 月 23 日当院受診、漢方そ
の他の治療により経過良好である。若干の考察を加え報告する。
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第 2 分科会【からだ・こころ( 2 )
】 運動器検診・運動器に関する諸問題や取組
1 .小児運動器検診における腹囲測定の重要性
秋田県医師会
後 藤 敦 子
秋田市内 1 小学校全児童175名を対象に、平成27 年春と秋に計 4 日間、理学療法士 2 名を帯同し運動器検診
を行った。後ろで手を組んでしゃがめない児は27%・16%(春・秋)。高学年ほど、また肥満とメタボ体型
(腹囲/身長比 0. 5 以上)でしゃがめない児が多く、しゃがめる・しゃがめない 2 群の年齢・肥満度・腹囲/
身長比に有意差を認めた。春から秋の間にケガをした児の半数が、後ろで手を組んでしゃがめない児だった。
手が床につかない児も高学年ほど多く、手が床につく・つかない 2 群の年齢に有意差を認めた。秋は春より運
動機能・平均肥満度・腹囲/身長比が有意に改善していた。運動器検診のチェック時には腹囲測定が重要と思
われた。
2 .運動器検診スタート後の問題点
愛知県医師会
井戸田 仁
2016 年 4 月から運動器検診が始まり、各県、教育委員会、医師会、学校医、養護教諭、整形外科医などで
問題もいろいろある。
①家庭でのご両親の協力・・・良く分かりませんのでお任せします。(無関心)
②学校での先生方・・・校医へ依頼すべきかどうか悩む。(必要性と遠慮)
③学校医の協力・・・仕事増やすな~。
(整形の事は解らん)
④専門医診察対応と説明・・・こんな程度で何しに来たの。(学校医批判)
⑤診断書料の問題・・・責任の問題と料金、報告書は無料で良いのか。
⑥民間医療の関係・・・整形外科医師もどき・・・知らずに受診。
このスタート後の半年間での家庭、学校、医療機関など現場から連絡された問題点、トラブル、課題を検討
し、子供達の将来へ向けての改善点、運動器検診の方向性など考察し報告したい。
3 .京都市立学校の運動器検診
京都府医師会
林 鐘 声
京都市独自の「四肢の状態の検査 問診票」を作製し、それを見ながら学校医が検診できるようにした。保
護者は子どもの外傷歴、スポーツ歴を書いた上で、整形外科項目の該当する所に〇を入れるとともに、その他
の欄で気になる事を記載した。養護教諭は「学校での様子」に所見のある時にはそれを記載した。これらの有
所見者や、学校医が歩容の様子などから抽出した例が検診対象者となった。
学校医は対象者に所見に関連する動作テストを行わせ、その結果から専門医受診の要否を決定し、必要な対
象者には「姿勢の点検、その修正」
「体のバランス、柔軟性の改善」のパンフレットの配布の指示をした。こ
のパンフレットの作成、及び、検診に協力する医療機関名の公表は京都整形外科医会が担当し、できた資料は
京都市教育委員会が管理し、各学校に配布するようにした。
京都市立学校(小・中・高)、約 9. 8 万人の結果を集計し報告する。
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4 .運動器検診の実施の課題と今後の展望について
広島県医師会
渡 邊 弘 司
今年度より児童生徒等の健康診断項目に必須項目として追加された「四肢の状態」については、本県では児
童生徒等の成長発達過程において異常をより早期発見することを目的に、独自の「運動器検診保健調査票」を
作成し、県内各地区医師会へ例として示した。
次年度以降に効率的な検診実施体制が構築できるよう、このたび、初回の検診を終えて直接検診を実施した
県内の内科学校医並びに養護教諭に向けてアンケート調査を実施し、検診実施体制の課題や保健調査票のあり
方等を検証したので、その結果を報告する。
5 .小学生サッカー選手における膝離断性骨軟骨炎の早期発見に対する取り組み
徳島県医師会
鈴 江 直 人
発育期骨軟骨障害の 1 つである膝離断性骨軟骨炎は、終末期に至ると手術が必要となる重症度の高い疾患
である。しかし初期には痛みがなく、進行して初めて症状を呈するため、医療機関を受診した際には既に終末
期に至っている症例が多い。
今回、徳島県で行った小学生サッカー選手に対する超音波診断装置を用いた膝離断性骨軟骨炎への取り組み
を紹介する。
平成 27 年度徳島県サッカー少年団大会に参加した 352 名を対象とした。症状の有無に関わらず両側大腿骨内
外顆の状態を超音波診断装置を用いて調査した。軟骨下骨の状態を 3 段階に分け、不整の強かった 30 名に対
して医療機関での精査を勧めたところ、 8 名が離断性骨軟骨炎と診断された。
超音波診断装置を用いなかった頃は 1 ~ 2 名であったため、超音波検診は障害の早期発見、早期治療に有
用と思われた。
₆ .京都市小学校「大文字駅伝」大会 ―3₀ 年を振り返って―
京都府医師会
奥 村 正 治
1917 年・大正 6 年に遷都東京 50 周年を記念し、世界初の走者が京都をスタートした元祖駅伝「東海道駅伝
徒歩競争」が駅伝の始まりである。現在も多くの駅伝が京都で行われている所以でもある。全国女子駅伝大
会、高校駅伝、車いす駅伝、そしてこの「京都市小学校大文字駅伝大会」である。
この京都市小学校大文字駅伝大会の医療面を第一回から京都市学校医会が中心になり、大会当日の医療を京
都市学校医会が担当し、選手のスポーツ事故を最小限にとどめるために、選手の検診を京都府医師会心臓検診
班と専門医会の京都整形外科医会が担当している。
検診の様子や、他の大会等との比較も交え、報告する。
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₇ .豊島区立小中学校における過去 ₆ 年間の骨密度測定結果から
東京都医師会
猪 狩 和 子
豊島区における小中学校骨密度測定事業は、平成 21 年度まで東京都の学校給食用牛乳供給事業として実施
され、その後廃止されたが、本事業は成長期における食育や生活習慣などの保健指導に有効であることから、
平成 22 年度からは学校医・学校歯科医・学校薬剤師・養護教諭・校長・保護者・教育委員会など各部会協力
のもと、豊島区学校保健会事業として継続している。
近年、最大骨量を獲得する思春期における良質なカルシウムの摂取が、将来の骨粗鬆症の発生頻度を下げる
有用な方法であるとの研究報告があり、測定結果を生徒や保護者へフィードバックし、結果をもとに養護・栄
養教諭による食生活、運動、生活習慣について骨密度を上げるための保健指導を行い、大切なこの時期に、高
い骨量を獲得して将来の骨粗鬆症を予防する取り組みを行っている。
豊島区学校医会より豊島区学校保健会に GE 社製骨密度測定機器 2 台を寄贈し、順天堂大学医学部小児科、
整形外科の協力を得て、学校医、医師会、行政(豊島区)、大学が連携し、長期的に共同研究を行うまたとな
い機会に恵まれ、豊島区立中学校 2 、 3 年生の骨密度と栄養・運動・生活習慣・スポーツテストなどとの関
連性を検討した。第 43 ~ 46 回全国学校保健・学校医大会で第 1 ~ 4 報として報告したが、今回、この事業
が 7 年目を迎えるにあたり、過去 6 年間で得られた以下の結果をまとめて報告する。
・低骨密度傾向の割合
中学 2 、 3 年とも男子に多く、 3 年生でより顕著である。全体では年々漸減傾向にある。
・骨密度と体重・身長、運動、スポーツテストや食習慣・生活習慣との関連
男子では身長が高い、女子では肥満度が高い、また筋肉量が多い生徒が骨密度が高い。小中学生とも運動
群で骨密度が高く、中学生男子ではスポーツテスト結果と優位に相関する。給食で牛乳をよく飲む生徒、さ
らに他のタンパク質、野菜をよく食べる生徒がより骨密度が高い。睡眠、運動不足で骨密度の年間増加量が
低い。
今回、さらに平成 27 年度の測定結果を加え、骨密度とアンケート調査、スポーツテスト評価などとの関連
を検討し、考察を加え、 6 年間のまとめとして報告する。
₈ .小・中学生の体格(肥満度)と体力テストの関連性について
広島県医師会
松 本 治 之
広島市の小学校 17 校の生徒 7,992 人(男子 4,121 人、女子 3,871 人)、中学校 1 校の生徒 208 人(男子 103 人、
女子 105 人)を対象に体格(肥満度)と体力テスト(握力・上体起こし・長座体前屈・反復横跳び・20m シャ
トルラン・50m 走・立ち幅跳び・ボール投げ)の関連性を学年別に検討した。肥満度と 0.4 より大きい相関係
数が認められた項目は、小学 5 年男子の 20m シャトルラン (r= - 0.41)、50m 走(r = 0.43)、小学 6 年男子の
20m シャトルラン(r =- 0.41)、中学 1 年男子の 20m シャトルラン(r =- 0.42)、中学 1 年女子の 20m シャト
ルラン(r =- 0.54)
、中学 2 年男子の握力(r = 0.53)、中学 2 年女子の握力(r= 0.54)ボール投げ(r=
0.57)、中学 3 年男子の反復横跳び(r =- 0.47)、20m シャトルラン(r =- 0.42)、50m 走(r = 0.55)であっ
た。小・中学生の体格(肥満度)と体力テストの関連性について検討し考察を加えて報告する。 - 25 -
第 3 分科会【からだ・こころ( 3 )
】 アレルギー・こころ
1 .除去食指示書を兼ねた乳幼児食物アレルギー問診票の導入
奈良県医師会
高 橋 泰 生
食物アレルギーの乳幼児が増加し、除去食指示を求められる頻度が増えた。
除去食指示書として厚労省作成の食物アレルギー管理指導表があるが使いづらく、保育所・幼稚園ごとに異
なる指示書が出回っている。指示書も年々複雑となり外来診療の足かせになりつつあり、幼稚園の保健管理に
従事する学校医としても看過できなくなってきた。そこで、昨年発表した食物アレルギー問診票に除去食を加
味した「乳幼児食物アレルギー問診票」を作成した。厚労省作成の管理指導表の内容をすべて取り入れ、除去
食指示書も兼ねている。除去食の内容は多様であり、鶏卵・小麦・ミルク・大豆については、すでに評価の定
まった 2014 愛媛版を利用、短時間での診療が可能になるよう医師の省力化を試みた。
2 .アレルギー対策委員会設置の必要を説いた教育ツールを用いた学校医講演による、
市内学校でのアレルギー対策の設置効果についての検証について
大阪府医師会
松 井 甲 三
平成 24 年に東京都調布市で発生した誤食 ( 学校給食 ) による死亡事故以来、学校での食物アレルギー対応の
体制作りは喫緊の課題である。しかし、学校内のアレルギー対応委員会設置を含めた体制整備は十分とは言い
難い。こうした問題を解明、解決する目的で、羽曳野市と藤井寺市においてモデル事業を行った。具体的に
は、教育委員会を通じて学校園における食物アレルギー対応の実態調査を行い、次いで学校医に対して食物ア
レルギーに関する教育ツールを用いて、担当学校園で講演し、食物アレルギー対応委員会開催の働きかけを
行った。その結果、①学校医へ食物アレルギー予防対策の相談やエピペン使用講習会を依頼されるケースの増
加、②学校園でも食物アレルギーに対する基礎知識が向上し、学校園・学校医・地区医師会・教育委員会との
連携改善等の効果がみられた。
3 .「学校生活管理指導表作成」のための
「アナフィラキシー・食物アレルギー問診票」の活用
奈良県医師会
南 部 光 彦
昨年の本大会において、奈良県で作成したアナフィラキシー・食物アレルギー問診票について紹介した。今
回は 2015 年 12 月から 2016 年 1 月の 2 か月間に、 1 歳~ 17 歳の 104 人に実際にこの問診票を使用したので報
告する。
アナフィラキシー経験者は 61 人、エピペンを打つ基準に達したのは 67 回であり、エピペン投与基準では呼
吸器症状が最も多く 56 回であった。アナフィラキシーショックも 22 回みられた。一方、OAS は 50 人いたが、
年長児にその割合が多かった。問診票を記載する際に、どのような症状が見られればアナフィラキシーと診断
されるのか、またどのような時にエピペンを投与するのか、患児・保護者の理解につながった。この問診票の
有用性が検証された。
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4 .学童期の食事摂取とアレルギー症状の関連性について
滋賀県医師会
楠 隆
【目的】学童期の食事内容がアレルギー症状の発現に与える影響を検討する。【方法】近江八幡市の公立小学校
に 2010 年度入学した全小学生 759 名の保護者を対象に、小 2 から小 5 までの 4 年間毎年 ISAAC アレルギー調
査票及び食事質問票を配布し、毎年回答の得られた 520 名(68. 5 %)を解析対象とした【結果】果実類摂取量
増加に伴って調査期間中にアレルギー症状を新規発症した児の割合が有意に低下した(低、中、高摂取群の発
症割合は 32. 3 %、23. 2 %、14. 5 %で P=0.02)。魚介類、緑黄色野菜、豆類には同様の傾向は見られなかった。
【結論】小児への果実類摂取の奨励がアレルギー発症予防につながる可能性が示唆される。
5 .島根県出雲医師会の学校給食および保育所給食のアレルギー対策の取り組み
島根県医師会
芦 沢 隆 夫
平成 17 年 2 月に島根県出雲市では学校給食の卵除去対応を始めるにあたり、食物アレルギー診断基準検討
会議を出雲医師会、島根大学医学部、県立中央病院の専門医をメンバーとして組織し、診断基準を作成。検討
委員会は除去を希望する児童の判定委員会に移行し、平成 17 年度より学校給食の卵除去を開始。平成 25 年度
から乳製品除去対応を行った。
一方、保育所におけるアレルギー対応の必要性は学校給食よりも大きいが、その対応はまちまちであり、平
成 24 年に出雲医師会学校医部会内に食物アレルギー対策委員会を立ち上げ、保育所給食における食物アレル
ギー診断基準を作成した。出雲医師会学校医部会ではアレルギー対応以外でも保育所との連携を積極的に図っ
ている。
₆ .アンケート調査からみた学校医の役割について
平成 1₈ 年度調査と比較し 1₀ 年経過しどのように変化したか
京都府医師会
杉 本 英 造
京都市学校医会は、第 37 回本大会で「アンケート調査から考えられる学校医の役割と変化について」報告
した。今回同じアンケートを京都市立中学校の学校医、校長、養護教諭、スクールカウンセラー(SC)に行
い 10 年間の変化を追った。
学校長の一番の課題は身体より心の健康・不登校・学習障害等で、学校側はチーム連携で解決することを望
んでいる。学校医の相談案件は、感染症が増加するも心の問題は微増。校医の SC 認識は減少し、役割を身体
管理のみが増え、心の問題への意識は減少。「専門外のことに責任を持てない」理由が多かった。学校内での
心の問題解決連携は 10 年間で改善傾向にあるが、養護教諭は仕事量の増加を、SC は週 1 回の出務では不十分
さを訴え、SC への相談者が生徒から保護者・担任に移行した。
学校医の年間出務回数 10 回以下が 90%は前回と同じだが、 5 回以下が増加。
4 者とも心の問題解決に連携が必要であることを認めながら学校側は校医の忙しさに遠慮し、校医も負担
増・専門外を嫌う構図であった。校医と養護教諭の連携は良好で、保健委員会の定期開催は 10 年前より改善
しており、学校内の問題の連携・相談窓口にするのがよいと思われる。
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₇ .こどもたちの腸と心
熊本県医師会
高 野 正 博
小児では 5 歳までに 90% で排便が自立するがその後、学童期に便が出ない、または逆に下痢などの排便障
害が生じる。これを病因別に分けると、
1 .就寝が遅く朝食を取らないなど家族共々の生活リズムの乱れで腸の働きに異常をきたす。
2 .遺糞症では便塊が貯留するが、硬い便の周りを下痢便が流れ出し下痢と間違われる。
3 .鎖肛など先天性の奇形では、術後から排便の適切な訓練を行わないと、成人までに正常化しない。
4 .今回の熊本地震のような強いストレスによる排便障害は、カウンセリングを加え治療する。
以上、こどもの排便障害は、その原因を正しく把握するために専門医受診が必要であり、治療には保護者の
協力や心理的サポートが重要である。
₈ .発達障害を抱える子どもたちへのライフスキルトレーニング
埼玉県医師会
平 岩 幹 男
発達障害を抱えた子どもたちは学校生活においても様々な面で困難を認めることが多いが、多くの場合には
単に叱られたり注意されたりすることが繰り返されるだけで、それでは self-esteem が低下し、二次障害につ
ながることはあっても行動変容にはなかなか至らない。困難をきたす場面を設定して、そこで上手くこなす方
法をシミュレーションして練習することにより、実際の生活場面での困難さを軽減することができるばかりで
はなく、うまくいったことを褒められることによって self-esteem も上昇する。こうしたやり方は練習すれば
どこの学校においても、もちろん医療機関などにおいても可能である。
₉ .クラス生徒の事例検討を電子媒体で行う方法
三重県医師会
長 尾 圭 造
児童生徒のメンタルヘルス向上のために子どもに実施した資料と日ごろの様子などの資料を基に担任と児童
精神科医で事例検討会議を行っている。
今回の目的は、遠隔地でも実施できるように、直接会わずに、電子媒体を用いたフォーマットを作成し、そ
れをもとに事例検討を行った。
結果は、直接会うのと同じように分析と検討ができた。利点は、移動の時間が節約できたことである。欠点
は、会話ができないので、細かいやり取りができないことであった。当日は、実例を示し、ご批判を仰ぎた
い。
1₀.学校での発達・こころの健康と他機関との連携 ―小学生と中学生・高校生と―
島根県医師会
安 藤 幸 典
小児の発達とこころの健康において、学校や他の機関との連携が重要である。
【方法】発達とこころの健康問題で受診した児童・生徒173名について、特性・環境・困り感などを小学校と中
学生・高校生(以下中高生)に分けて検討した。
【結果】小学生:①家庭や生活環境調整のために、子育て支援課・民生委員・児童相談所などとの連携が必要
だった。②コミュニケーション以外に学習に関わる能力(書字読字など)の苦手を持つことが多かった。③や
る気の低下・学習嫌い・学校適応の困難などが見られた。中高生:①学習の苦手は表面に出ず、ひきこもり・
選択制緘黙・転学・退学などが見られた。②学習の達成感の無さや対人関係の失敗の結果と考えた。③自己肯
定感を高める働きかけを継続するために、他の機関との連携が重要だった。
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11.奈良市における児童・生徒の『心の健康』に関する相談及び診断事業について ―第 4 報―
奈良県医師会
北 村 栄 一
演者らは平成10年度より、奈良市立小・中学校に在籍する児童・生徒の「心の健康」に関する相談・診断事
業を実施してきた。
今回は、平成27年度末まで18年間の報告を行ない若干の考察を加えたい。
本事業は各学校長からの申請を奈良市教育委員会が受理し、精神科医師と臨床心理士が一緒に共同で面接・
相談を実施している。
今までに108事例を経験してきた。不登校、神経症・心身症、発達障害の順に多く見られたが、実に多彩な
ケースがあり、事例から教えられる事はさまざまであった。
児童・生徒を中心として、関係者を含めて「理解し、共有し、支持し、指示」することを行なってきた。
12.学校保健活動に関する学校医および郡市医師会へのアンケート調査結果
北海道医師会
三 戸 和 昭
学校保健安全法施行規則が一部改正され、本年 4 月より学校健診の必須項目から座高測定、蟯虫検査が削
除され時間的な効率化が図られる一方、運動器疾患を早期発見するための検査項目が追加された。
また、保健調査の実施時期が全学年となったが、学校医が時間的制約のある中で健康診断を実施するには、
保護者などの日常的な健康観察から得られる情報がより重要となるため、新たな学校健診の課題や影響、学校
保健活動の現状等を把握することを目的に学校医と郡市医師会に対して調査を実施した。
学校医 760 名と北海道内 44 郡市医師会から回答が得られたので、その結果の概要を報告する。
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第 4 分科会【耳鼻咽喉科】
1 .旭川市の特別支援学校における耳鼻咽喉科健診の現状
北海道医師会
大 橋 伸 也
道北の拠点都市である旭川市とその近郊には 7 つの特別支援学校がある。
これらの学校に対し、耳鼻咽喉科学校医の配置状況、保健調査票の活用状況、選別聴力検査の実施状況、健
診結果、事後措置の状況などに付き、養護教諭の協力を得てアンケート調査を実施した。学校医については未
配置校があり専門医による耳鼻咽喉科健診が全く行われていない学校があった。聴力検査は実施が困難な学校
があった。事後措置については医療機関への受診が身体の状態から困難な場合があった。
また学校と保護者の承諾を得て、健診の一部をビデオ録画することができたので供覧する。
2 .耳鼻咽喉科学校医の未配置校解消に向けての取り組み
静岡県医師会
鳥 居 智 子
静岡県下の耳鼻咽喉科学校医の未配置校の実情を把握し、解消を目指すために平成 27 年 6 月、県医師会を
通じて市町教育委員会と県立高校に耳鼻咽喉科学校医の現状についてアンケートを行った。また、県下の耳鼻
咽喉科医師に未配置校に関する意識調査を目的としてアンケートを行った。
その結果、小中学校では 40%の市町教育委員会、15%の学校数で配置されていなかった。主に小規模な教
育委員会で配置されておらず、県立高等学校の 4 %が未配置校であった。また医師からのアンケートでは、
57%の医師から条件を満たせば近隣自治体への学校医の受託が可能との返答を得た。
今回のアンケート結果に基づき未配置校解消の取り組みを始めた。講演ではアンケートの結果と取り組みの
進捗状況について報告する。
3 .新潟県における耳鼻咽喉科健診の実態調査から ―行政への提言―
新潟県医師会
大 滝 一
今回我々は、平成 26 年度の新潟県の幼稚園、保育園から高等学校までの耳鼻咽喉科健診の実態調査を行っ
た。その結果、112 の私立幼稚園の 92 園(82. 1 %)で健診が行われていないことが分った。小学校が 499 校、
中学校が 231 校ある中である自治体の小学校と中学校のそれぞれ 1 校で 9 年間に一度も健診が行われていな
かったことも分った。調査から判明したこの結果を踏まえ、日本耳鼻咽喉科学会新潟県地方部会ではまず、
小、中学校を通じて 9 年間に一度も耳鼻咽喉科健診が行われていない自治体に健診の実施を呼びかけた。
協議を重ねた結果、平成 28 年度からの耳鼻咽喉科健診の実施が決定した。
また私立幼稚園が多い新潟市に対して、耳鼻咽喉科健診の実施を要望した。
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4 .札幌市の補聴器購入費助成制度の対象となった軽・中等度難聴児の検討
北海道医師会
新 谷 朋 子
軽・中等度難聴児は新生児聴覚スクリーニングの普及により早期発見例が増加したが、難聴の受容が困難、
経済的負担で補聴が遅れる例もある。言語発達や学習面、コミュニケーション上の問題も起こりえるため、適
切な補聴は重要である。
札幌市では平成 26 年 4 月より補聴器購入助成制度が導入され、両側または一側の平均聴力レベルが 30dB 以
上で、身体障害者に該当しない 18 歳未満の児を対象に、 1 割の自己負担で購入・修理が可能となった。
一側難聴であっても自覚的に聞こえに不便さを感じており、補聴器装用に対する本人の満足度は高かった。
札幌市の助成制度はより軽度の難聴児までカバーできる内容であったが、機種制限や FM 補聴システム対象外
などの課題もあり、今後さらなる制度の拡充が望まれた。
5 .札幌市内のオープン教室での難聴児のきこえについて
北海道医師会
坪 松 ちえ子
小学校のオープン教室は 1970 年代より増加し、札幌市内の小学校は現在 201 校のうち、51 校(25. 4 %)が
オープン教室となっている。
クラスに限定されない全学年の授業や学年を超えた活動ができる利点はあるが、音響面で様々な不利が生
じ、騒がしい中では難聴児にとっては先生の声や友人との会話の聞き取りが悪化する。移動式仕切りを備える
ようになっているが、実際に使用されない場合もある。
難聴児が通学する教室の現状と問題点について検討した。
₆ .AABRパス症例が人工内耳に至った一症例の療育および教育の反省点と問題点
神奈川県医師会
寺 崎 雅 子
出生後のAABR検査はパスしていたが、その後に難聴の診断を受けた。ただちに補聴器の装用を行なった
が難聴の進行があった。入園・就学は通常級で過ごすが、小学校高学年になるにつれて友人とのコミュニケー
ションが取れなくなり孤立した。本人と保護者には支援級や特別支援学校に対する理解が必要であったが、そ
のタイミングや内容の難しさがあった。中学校は特別支援学校入学となったが、健聴者から難聴者の世界への
移行に馴染めないなど生活環境への対応が難しかった。人工内耳の適応があり手術を受けたが、自分自身の存
在場所の模索、将来に対する不安と希望がある。重要なターニングポイントでの病院・療育・教育での指導の
反省点と問題点を考察する。
₇ .22q11. 2 欠失症候群症例の発達、構音障害への教育的配慮
北海道医師会
西 澤 典 子
22q11. 2 欠失症候群、染色体の微細欠失によって特徴的な顔貌や心血管疾患、口蓋顔面の異常など多臓器障
害を呈する症候群である。耳鼻咽喉科領域では、特に鼻咽腔閉鎖不全にと知的障害の合併による構音障害が問
題となる。また、粘膜下口蓋裂等外見上顕著でない形成異常のため、発見介入が遅れることも多く、学校保健
においては注意を要する疾患である。北海道医療大学病院言語治療室では、北海道大学病院顎顔面外来との協
働により、本疾患の認知機能の特徴と構音障害の治療抵抗性について検討を行ってきた。現在までに染色体検
査にて確診しえた 8 例の WISC III 知能検査プロフィールと構音所見の関連について報告する。
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₈ .機能性構音障害児の構音習得~訓練の効果と遷延の要因
大阪府医師会
愛 場 庸 雅
機能性構音障害の訓練の効果と遷延化の要因を探る目的で、大阪市立総合医療センター小児言語科で取り
扱った機能性構音障害患者について、カ行とサ行に誤りを呈し訓練を行った 74 名の構音習得について調査し
た。
その結果、 1 )/s/ 音は、/k/ 音や / / 音よりも平均訓練回数が少なかった。 2 )/k/ 音、/s/ 音とも訓練開始
年齢による平均訓練回数、平均般化期間に大きな差はみられなかった。 3 )訓練回数が多い症例や般化期間が
長い症例には、聴覚的短期記憶、音韻認識、口腔周辺運動などの弱さや、子音の省略や学習障害などの問題が
みられた。
₉ .学校健診からみた小児嗄声の検討
徳島県医師会
島 田 亜 紀
臨床現場において、嗄声を訴えて受診する児童生徒は増加している印象がある。おそらくその背景には社会
環境や生活習慣の変化が関連しているものと考えられるが、その実態は明らかではない。今回我々は耳鼻咽喉
科定期健康診断の際に医師による音声異常の聴覚心理学的判定と質問事項を追加した保健調査票を用いて児童
生徒の嗄声の有病率と背景因子について検討したので報告する。その結果、小学校中学校 8 校の対象児童生
徒 1,384 名のうち 163 名の 11. 8 %に嗄声を認めた。嗄声の比率は男子に高く、学年では小学校 1 年生から 3
年生が高く、その後は学年が進むにつれて低下していた。背景因子としては、課外活動としてスポーツを行っ
ている児に高比率に認められた。
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第 5 分科会【眼科】
1 .北海道の学校における色覚検査の現況と対策
北海道医師会
中 田 勝 義
小学 4 年生の色覚検査が廃止され 13 年がたち、道内のほとんどの学校で色覚検査が実施されなくなり、就
職や進学等々においてさまざまな不利益な問題が起こっています。 3 年前の道内の小学校 190 校での聞き取り
調査では色覚検査希望者は僅か 125 名で、小学校 1 校あたり 0. 7 人と、検査希望者は極少数であり、学校での
色覚検査はほとんど行われていませんでした。昨年の文部科学省局長再度の通達、日本学校保健会の健診マ
ニュアル改定があり、今年度、札幌市では教育委員会より小 2 、中 1 、高 1 で、色覚検査の希望者を募るひ
な形を示し実施する旨、通達がありました。同時に北海道眼科医会でも学校における色覚検査のマニュアル改
訂版を会員の眼科医を通じ学校に働きかけています。その結果わずか 2 か月間ではありますが、私の担当す
る小学校 3 校だけでも色覚検査希望者が 122 名と飛躍的に増加している状況です。その経緯と対策の詳細を検
討したので報告致します。
2 .大阪における学校の色覚検査実施状況について
大阪府医師会
宮 浦 徹
平成 26 年 4 月、学校保健安全法施行規則の改正に伴う文部科学省局長通知が出され、留意事項として、保
護者には色覚に関する事をより積極的に周知を図り、その上で希望者に色覚検査を行うとともに、教職員は色
覚異常に関する正確な知識を持ち、適切な配慮と指導を行う旨の内容が示された。このため今年度以降、大阪
においても多くの学校で色覚検査が実施されることが予想されている。
そこで大阪の 43 市町村教育委員会すべてに、電話によるアンケート調査を試みた。質問には、希望調査実
施の有無、対象学年、移行措置の有無、使用する色覚検査表、通知方法などを行い、今年度は37市町村(86%)
で希望調査による色覚検査が予定されることが分かった。
3 .眼科校医なら誰でも可能な色覚指導 ―その必然と要点―
神奈川県医師会
鈴 木 高 遠
色覚検査が健診の必須項目から削除され「希望者のみ検査」に変わって 10 年以上が経過した。教室の誰が
色覚異常かはわからないが確率で言えばクラスに一人程度は存在する筈である。文部科学省は「ほとんど不自
由ない学校環境」としているが、色覚バリアフリーの徹底を図るのは非常勤ながら学校職員でもある眼科校医
の役割である。
横浜市で推進した色覚啓発の経験を踏まえて、色覚を専門としていなくても眼科校医であれば誰でも可能な
色覚バリアフリー指導とカウンセリングの要点を述べると共に日頃多忙な眼科校医が、たまさかの学校訪問を
利用して啓発をすすめるための実地的要領を紹介する。
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4 .平成 27 年学校でのコンタクトレンズ装用状況調査
神奈川県医師会
宇津見 義 一
平成 12 年から 3 年毎に日本眼科医会は全国の小中高校生のコンタクトレンズ(CL)装用調査をしている。
今回、平成 27 年の同調査結果を報告する。対象は小中高校生総計 100,239 名。
CL 装用率は小学生 0. 2 (平成 24 年 0. 2 、以下同様)%、中学生 8. 0 (7. 3 )%、高校生 27. 0 (27. 7 )%。
種類ではカラー CL は中学生 5. 1 (0. 4 )%、高校生 3. 9 (3. 2 )%。CL 入手先は、ネット・通販・雑貨店・化
粧品店・CL ショップ(ネット等)は中学生 13. 9 (4. 9 )%、高校生 15. 2 ( 6 )%。カラー CL はネット等が
中学生 69. 8 %、高校生 67%。定期検査を受けないはカラー CL が中学生 85. 7 %、高校生 69. 5 %。CL 合併症
では角膜のキズ、角膜炎・角膜潰瘍は、中学生 41. 7 (27. 7 )%、高校生 46. 4 (38. 3 )%。カラー CL は角膜
のキズ、角膜炎・角膜潰瘍は、中学生 80%、高校生 57%。
ネット等での購入、定期検査を受けない、CL 眼障害が増加していた。CL 眼障害予防には、啓発活動に加え、
眼科 CL 処方せんに基づく CL 購入の法規制が必要であると考えられた。
5 .藤沢市・横浜市の各種コンタクトレンズ装用生徒の細菌の汚染状況
神奈川県医師会
坂 本 則 敏
横浜市S高校・N高校の 2 校と藤沢市のF高校の 1 校に対し眼鏡・コンタクトレンズ(以下 CL)の使用現
状調査とボランティア生徒に対して、結膜嚢内の好気性・嫌気性細菌検査を施行し、一部、鼻腔嚢内の細菌検
査も施行した。カラー CL の装用生徒 1 例の両眼にセラチア菌を検出した。学校保健指導上の基礎データを報
告する。眼鏡保持の状況、クリアー CL・カラー CL の搬入場所別の適正・不適正装用状況も併せて報告する。
6 .カラーコンタクトレンズによる眼障害
北海道医師会
新 井 勉
カラーコンタクトレンズの種類は300品目にも増え、カラーコンタクトレンズの使用も若い女性を中心に広
がっています。それに伴いカラーコンタクトレンズによる眼障害も多くみられてきています。そのため日本眼
科医会、日本コンタクトレンズ協会でも眼障害の調査がなされ、北海道眼科医会でも平成 25 年に行いました。
その後都府県の眼科医会でも眼障害の調査がなされているようです。また厚労省からも 3 度の販売時の通達
がなされてきました。それと同時平成 26 年に国民生活センターからもカラーコンタクトレンズの安全性に対
する報告もなされています。
このような啓発活動が行われたことでカラーコンタクトレンズによる眼障害がどう変化しているか、を調査
検討しました。
7 .北海道における 5 歳児健診の実態
北海道医師会
田 川 博
札幌市における 5 歳児健診は、平成 25 年 12 月∼平成 26 年 2 月に、一部地区でモデル事業を実施した。平成
20 年 11 月∼ 12 月生まれの児童 492 人に対しては保健センターから案内を送付し、また公立の幼稚園と保育園
に在籍する平成 20 年 8 月∼ 10 月生れの児童 24 名に案内を出した。総数は 516 名で、そのうち健診受けた児童
は 24 名(4. 7 %)であった。24 名のうち医療機関への紹介が 2 名であった。
平成 26 年 10 月∼平成 27 年 9 月までの間、平成 21 年 10 月 1 日生まれの児童から、札幌市全市での本格的な
事業が実施された。案内総数は 15,142 名であった。健診受診者は 653 名(4. 3 %)であり、そのうち他機関へ
の紹介が 10. 3 %であった。結果は現在解析中であるが、眼科に紹介された児童は 10 数名おり、その詳細を報
告したい。また、今後の眼科における 5 歳児健診について検討を加えたい。
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8 .自動屈折計による小学校・幼稚園眼科検診の報告Ⅱ
―2005 年∼ 2016 年(11 年間)のまとめ&
神奈川県藤沢市医師会・眼科医会と藤沢市の取り組み―
神奈川県医師会
河 野 智英子
弱視発見のため、自動屈折計を学校・幼稚園に持参し検診を続けてきた。
昨年は、2005 年∼ 2014 年までの 9 年間の 4,728 人の報告を行ったが、さらに 2 年間を追加し報告する。
また、神奈川県藤沢市の公立保育園では、これまで屈折検査も視力検査も全く行われていなかった。そこ
で、藤沢市医師会と藤沢市眼科医会から、市長宛に要望書を提出し、公立保育園児に視力検査を行うよう強く
働きかけた。これらの取り組みについての報告も行いたい。
9 .当院でみた学校での眼外傷
三重県医師会
前 沢 義 秀
学校の管理下で眼外傷は担当眼科校医、または近隣の眼科医院で対応している。しかし開業眼科医の休診が
多い木曜日や土、日、祝日は学校行事での眼外傷時には連絡がとれないことがある。 当院は常勤眼科医師 4
名、非常勤医師 12 名で 365 日、夜間、深夜も学校での眼外傷患者への対応をしている。
過去 2 年間、学校で受傷し当院へ受診した 191 名につき学校の所在地、受傷場所と外傷の内訳、入院手術の
有無、受傷した曜日、月、時間等を調べた。学校の所在地は当院所在の津市が 109 名と最も多く 、 他は三重県
下全域に及んだ。疾患では眼瞼損傷が 89 名と最も多く、入院安静としたのは前房出血が最多で 14 名、網膜剥
離 2 名。
曜日別では木曜日が 72 名と最多で、次いで日・祭日 59 名で穿孔外傷 4 名。月別では 9 月 10 月が多かった。
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