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災害時における在宅医療の現状 - 公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念

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災害時における在宅医療の現状 - 公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念
災害時における在宅医療の現状
研究テーマ:災害時における在宅医療の現状
研究者:木原
久
(日本二分脊椎症協会
前会長)
Ⅰ .研 究 概 要
1.はじめに
『 災 害 時 に お け る 在 宅 医 療 の 現 状( 医 療 的 ケ ア 維 持 は 可 能 な の か )緊 急 実 態 調 査( 災
害 地 に お け る 医 療 的 ケ ア の 確 保 、 平 常 時 に お け る 医 療 器 具 の 確 保 は さ れ て い る か )』
と題して今回の調査を始めた。
今回の計画は東日本大震災後に医療関係者から掛けられた一言からであった。
泌尿器科医師は「在宅で導尿を行っている患者さんは十分なカテーテルを確保して
いるのでしょうか?避難されている方は十分なケアがなされているのでようか?」と
いうものであった。
東日本大震災は未曾有の被害をもたらしましましたが、患者会として被災した会員
に対する支援はほど遠いものであり、阪神淡路大震災の教訓は15年間で忘れ去られ
てしまったのか、それとも今回の震災は別物であったのか、会員が日常の備えを含め
調査することで備えについて調べた。
2.調査の目的
・医療的ケアを必要としている方々が災害時どのように対応したのか。
・被害を受けなかった人たちが災害に対しどのような準備をしているか。
・これらを調査することで災害に対し注意喚起可能なものがあるのか。
・他の協力を必要とするものはあるのか
などを調べることで今後想定される関東大震災、東海沖地震、東南海、南海沖地震
等々への備となる指針を出すこと目的とした。
調査対象者(協会会員)の多くは排尿障害、排便障害、下肢障害を持ち在宅におい
て、導尿、浣腸、洗腸、褥瘡手当など医療的ケアが日常生活を送る上で欠かせない。
平常時は問題なく行える医療的ケアが災害時どのような状態でどのように対応した
か(どのように備えをもっているか)を質問した。
※
「医療的ケア」とは二分脊椎症の症者が必要とする医行為に分類される生活行為
を 言 う 。 主 な も の と し て 、 清 潔 間 欠 自 己 導 尿 ( C I C )、 浣 腸 、 洗 腸 、 ス ト マ 、
褥創の手当、人工呼吸、経管栄養などがある。
1
災害時における在宅医療の現状
3.調査の対象
本調査は日本二分脊椎症協会の会員1,487名(計画時1,600名)を対象に
災害における在宅ケアの状況並びに災害時の備えについて質問を行った。年齢構成は
以下のとおりである。
調査対象者の男女比に差異はなかった。回答頂いた627名の男女比は男性318
名、女性304名(不明5名)であった。
対象者と回答者の年齢分布はほぼ比例しており年齢による回答の偏りは無いもの
考える。ただし、20才~25才の回答数は対象者数に比べ低調であった。原因とし
て、社会人として忙しい時期でもあることから低調であったと考える。
4.調査スケジュール
当初計画においては、早期にアンケート調査を行いヒアリング調査に重点をおく計
画であったが計画を進めていく上で協会役員より多くの要望が出された。
a)
医療費に対する検討
b)
掛かり付け医療機関の調査(災害時掛かり付け医は機能を果たすか)
c)
近所との関わり合い(災害時どの程度近所に理解を求められるか)
等々、当初の計画に含まれているもの、いないものなど詳細には多岐に渡り意見が出
された。
日本二分脊椎症協会の役員会には下記のとおり報告した。
8月:計画案の提示
9月:計画案修正
1月:アンケートの中間報告(集計作
2
災害時における在宅医療の現状
業報告)
2 月:ア ン ケ ー ト の 中 間 報 告( 集 計 結 果 報 告 1 )
計結果報告2)
4 月:ア ン ケ ー ト の 中 間 報 告( 集
6月:アンケートの最終報告
※アンケートに対するフィードバックは個々の会員へはがき等で行った。
5.調査方法
調査方法は全40問の選択式・記述式併用アンケートとし、1487名に直接送付
するものとした。
①
アンケート基本方針を協会役員会で説明。
②
支部からの名簿(最新版)の提出を待って対象者数を確定。
③
アンケート詳細作成。
④
協会役員会で修正後、承認。
⑤
個人情報保護の業者及び集計者の選定。
※記述式内容及びボリューム増加による予算組み替え
⑥
被災地への確実な配送を目的とすることから、
“ ヤ マ ト メ ー ル 便 ”か ら“ ゆ う メ ー
ル”へ変更。
※福島県の会員22名中住所不在で返信は1名であった。
(アンケート全体では2
2名の不在返信であった)
⑦
アンケート回収は発送から45日間とした。
⑧
アンケート実施後のヒアリング希望者の選抜を行った。
(多くのヒアリング希望者があったが直接災害に遭遇されている方以外も多く、
災害経験をお聞きできる方を優先した)
6.調査内容
調査の基本構成は下記のとおり記述式アンケート、希望者へのヒアリングとしたが、
病院の対応も重要な要素であることから追加した。
ア ). 記 述 式 ア ン ケ ー ト
当初質問項目の倍となってしまった。基本構成は以下のとおりとした。
①
会員の基本事項(年齢、家族構成、住宅事情、障害の程度、知的の有無、交
通手段)
②
医療費について(医療費の負担格差を調査:日本二分脊椎症協会要望)
③
通院調査(災害時の受け入れ体制、搬送時間)
④
災害に遭われて無い方への質問(普段の心掛け、緊急時の対応、ケア方法)
⑤
災害に遭われた方への質問(被害状況、何を必要としたか、行政の対応、ア
ドバイス等)
3
災害時における在宅医療の現状
イ ). 災 害 遭 遇 者 へ の ヒ ア リ ン グ
①
東北地方(東日本大震災時の調査)
②
新潟県(中越地震時の調査)
③
沖縄県(離島における自然災害時のケア調査)
④
兵庫県(阪神淡路大震災時の調査及びその後の医療機関の対応)
⑤
中国地方(鳥取地震の調査)
ウ ). 災 害 時 の 医 療 機 関 の 役 割
日本二分脊椎症協会の会員がどの病院にどの程度方が通院されているかの実態
踏査は今まで行われていなかった。また、その病院が災害時にどような対応をし
ているかも不明であったことから、病院の調査を行った。
7.アンケート調査
今回のアンケート調査では627名/1487名=42.2%と平成19年度に厚
生労働省委託研究で行った時の64%を下回った。回答率の低下の原因は記述項目を
計画より増やした事による“回答しにくさ”があると考える。しかし、記述を多くす
ることで会員並びに保護者の方々の災害に対する考え方、備え方、在宅における医療
的ケアを災害時に維持する難しさが浮き彫りになった。
集計に関して言えば記述を多くしたことで多様化してしまい、集計作業も倍の労力
を 費 や し て し ま っ た 。し か し 、会 員 か ら は 貴 重 な 意 見 も 多 く あ り そ の 一 部 を 紹 介 す る 。
<アンケート調査から得た声>
①
家 庭 に お け る 災 害 対 策 に つ い て は あ ま り 考 え て い な か っ た 。( 災 害 に あ っ て も 自
己 導 尿 出 来 る よ う い つ も 持 た せ て い る )こ の ア ン ケ ー ト を み て い ろ い ろ 考 え て お
か な け れ ば な ら な い こ と に 気 が つ い た 。他 に 対 策 を 考 え て お か な け れ ば い け な い
ことなど会報等でご教示いただきたい。
②
もっとたくさんの人に二分脊椎を知ってもらいたいです。災害時、排便、排尿に
困難があることを理解してもらえるか不安。
③
被災者の必要なものを早急に届けられるよう、呼びかけあうことが必要だと思っ
た。
④
災 害 時 、 避 難 所 で は 排 便 、 排 泄 が 大 変 。( 特 に 浣 腸 ) 特 別 な 場 所 を 確 保 し て も ら
いたい。
⑤
行政にもう少し理解のある人がふえるといい。子供のケアだけでなく、大人に対
するケア(病院、メンタルケア)がふえるといい。
⑥
病院は災害時も対応してくれると思っていたが、今回のアンケートでよくよく考
4
災害時における在宅医療の現状
えるとかなずしもそうでないことが判った。災害時子どもを守るにはどうしたら
良いか考える機会になった。
Ⅱ .ア ン ケ ー ト 調 査 結 果
1. 基本事項
1)アンケート記入者
項目
回答数
1.会 員 ご本 人 様
181
2.親 御 様
434
3.ご親 族 様
9
コメント:回 答 年 齢 構 成 から見 ると親 御 さ
んの回 答 する率 が高 いこと がうかがえる。
2)居住地域(都道府県)
北海
青森
岩手
秋田
宮城
山形
茨城
栃木
新潟
千葉
42
3
2
0
0
2
19
14
20
39
埼玉
東京
群馬
長野
神奈川
山梨
静岡
富山
石川
福井
28
70
8
13
40
3
19
2
9
3
福島
愛知
岐阜
三重
和歌山
滋賀
京都
大阪
奈良
兵庫
7
38
10
9
9
3
14
30
15
18
岡山
広島
島根
鳥取
山口
愛媛
高知
香川
徳島
福岡
6
28
13
6
1
9
1
0
0
29
大分
佐賀
宮崎
熊本
長崎
鹿児島
沖縄
未記入
合計
1
4
10
8
7
1
7
7
627
凡例:日本二分脊椎症協会が支部を持たない都道府県
5
災害時における在宅医療の現状
3)住 居 の形 態
項目
回答数
1.持 ち家 (一 戸 建 て)
398
2.持 ち家 (マンシ ョン)
89
3.借 家 。
128
4.施 設 等 に入 居 中 。
回答合計
9
624
コメント:64%の方 が一 戸 建 て、14%が
マン シ ョン で ありケア は自 宅 になる 割 合 が
強 い。
<考察>
この項目は在宅における医療的ケアが78%もの方が持ち家で行っており災害が発
生した時、自宅に何らかの準備をしておけば高い水準のケアが行えるものと考える。
アンケート内の記述にも「冷蔵庫の中に個人の情報を確保する」よう自治体から指
導されている会員さんが多くいた。強固な冷蔵庫は保管場所として一定のルールとし
て決められているのであるが、情報は冷蔵庫でよいとしても、ケアに必要な物は冷蔵
庫という訳にはいかないので、専用の物置(マンションであればベランダ等における
もの)の確保が重要と思われる。
それでは何を物置に入れるか。個人によって違うが次の様な物と考える。
① 生命維持に必要な物(水、食料)3日分確保と言われている。
② 導 尿 を 行 っ て い る 方 は カ テ ー テ ル 。( デ ィ ス ポ ー ザ ブ ル タ イ プ が 良 い )
③ 排 便 用 の 浣 腸 液 、 洗 腸 セ ッ ト 。( 便 器 代 わ り に な る 布 の 折 り た た み 椅 子 )
④ おむつ、消毒液、洗浄綿
自宅で過ごすことを考えると上記の物品が必要であるが、被災者の経験から必要だ
と回答があった物を示します。
1.自 宅 にあって重 宝 した物 はなんですか? ( ア ン ケ ー ト 問 36 の 回 答 よ り )
医 療 ケ ア に 必 要 な物 品 、薬
懐中電灯
カ テーテル
乾 電 池 、ラ ジ オ
トイ レ ッ トペ ーパ ー、ティ ッ シ ュペ ーパ ー
キャ ン プ 用 の ラン タ ン
ウ ェ ッ トティ ッ シ ュ
充電器
オ ムツ
充 電 式 の乾 電 池
女 性 用 ビ デ( 入 浴 が でき ない ので)
ろ うそく
石 油 ストーブ
6
災害時における在宅医療の現状
新 聞 紙 、ビ ニ ール袋
バ ッ テリ ー
サランラップ
発電機
毛 布 ( 寒 さ 、担 架 の よ うにつ かえた )
プ ロ パ ンガ ス
ホッカイロ
卓 上 コン ロ
車
2.自 宅 に無 かったのでほしかった物 はなんですか? ( ア ン ケ ー ト 問 36 の 回 答 よ り )
甘 い も の 、お 菓 子 等
携 帯 、充 電 器
飲 料 水 、生 活 用 水
自 家 発 電 バ ッ テリ ー( 呼 吸 器 など 使 っ てい る ため )
発電機
おしりふき
自転車
汚 物 の 臭 い が し にく い ビニ ール袋 や 工 夫 でき る 物
手 動 で充 電 できる も の( 携 帯 )
紙 おむつ
石 油 ストーブ
紙 皿 、紙 コッ プ 、割 り 箸
電 気 を 使 わ ない 暖 房 器 具
電 気 を 使 わ ない 電 話
薬
ガ ソ リ ン 、灯 油
消臭剤
カ セ ッ トコン ロ ( 計 画 停 電 時 )
ランタン
特 に 思 い 出 せ ない
乾 電 池 の予 備
特 に なか っ た
簡 易 シャワー
万 が 一 避 難 所 へ 行 く こと に なった ら と 考 えたも の は 着 替 えの 時 に 目 隠 し に なる コンパ ク トなも の
ラ テッ ク ス ア レ ル ギ ーが あ る の で交
で 差 食 品 がは い っ てい ない レ トル トの 食 品 (※ そ のまま 記 載 )
<考察>
医療的ケアを考える上でアレルギーは気をつけなくてはいけない。非常時に医師や
看護師、救助の警察、消防、自衛隊などが天然ゴム製品を常備(海外からの援助物資
に入っていた場合)していたとすると、ラテックスアレルギーでショックを起こす可
能性があるので十分注意が必要である。このことは各行政が十分知り得なければなら
ない重要な事項であると考える。
7
災害時における在宅医療の現状
4)家族の人数
人数
1
2
3
4
5
6
7
8
無し
回答者数
20
44
1 70
2 13
1 03
51
12
2
8
コメ ン ト: 一 人 暮 ら し の 方 は約 3% であ
る 。災 害 時 家 族 が い る こと が 被 害 を
最 小 限 に 食 い 止 め られ る もの と 考 え
る 。一 人 暮 ら し の方 は 災 害 時 、ど の
よ うに 対 応 する か を決 め て行 動 する
必 要 が あ る と考 える 。
5)会員様のお世話(医療的ケアや移動介助)はどの程度手伝う必要があるか。
1 .会 員 本 人 が全 て行 う。
1 73
2 .概 ね 本 人 が行 い 少 し 手 伝 う。
2 39
3 .本 人 と お 手 伝 い は 半 々 。
1 01
4 .年 齢 的 に 全 介 助 し てい る 。
82
5 .そ の 他
26
回答合計
6 21
コ メ ン ト : 67 % の 方 が 概 ね 一 人 で 身 の 回 り の
事 をこなしている。残 り 30%の方 が何 らかの
形 で誰 か が お 世 話 を し てい る 。
6)介助は誰が行うか?
1 .本 人
2 64
6 .配 偶 者
10
2 .母 親
4 26
7 .ヘ ル パ ー
18
3 .父 親
1 36
8 .そ の 他
13
4 .兄 弟
11
回答集計
8 79
5 .祖 父 母
19
※複 数 回 答 可
コメント:介 助 者 は母 親 が最 も多 い。災 害 が
発 生 した時 、母 親 と分 離 された時 の対 策 も
必 要 と なる 。
8
災害時における在宅医療の現状
7)下肢の状態
1 .独 歩
3 27
2 .ク ラ ッ チ 使 用
58
3 .車 椅 子 使 用
2 11
4 .そ の 他
53
回答合計
6 49
※ 重 複 回 答 あり
コ メ ン ト: 車 い すの 方 が 33 % であ る 。 この 方
は避 難 の際 にはルート等 の確 認 。避 難 所
の バ リ ア フ リ ー状 況 の 確 認 が 必 要 であ る 。
8)
障害者手帳の等級数
等級
人数
1級
1 47
2級
1 83
3級
55
4級
32
5級
8
6級
4
7級
7
計
4 36
等 級 は 合 算 と なる
膀胱直腸障害手帳等級
1級
28
3級
252
4級
97
計
377
※2級 は設 定 なし
1 級 : ストマ保 有 者
2 級 : 設 定 なし
3 級 : 高 度 排 便 排 尿 障 害 あり (共 有 )
4級 :排 便 、排 尿 障 害 あり(高 度 以 外 ・単
体)
9
災害時における在宅医療の現状
9)ぼうこう・直腸の状況について
項目
回答数
1 .自 力 排 尿
70
2 .導 尿
4 93
3 .腹 圧 排 尿
30
4 .漏 れ てし ま う
1 74
5 .ストマ使 用
15
6 .そ の 他
15
回答合計
7 97
1 1 .自 力 排 便
2 03
1 2 .浣 腸
1 52
1 3 .洗 腸
1 46
1 4 .摘 便
1 83
1 5 .ストマ
14
1 6 .そ の 他
65
回答合計
7 63
※ 重 複 回 答 あり
<考察>
障 害 者 手 帳 の 保 有 者 は 436 名 で あ り 377 名 が 膀 胱 直 腸 障 害 を 有 し て い る 。下 肢 不 自 由
者 単 体 で は 59 名 で あ る 。385 名 が 自 立 歩 行 も し く は ク ラ ッ チ 歩 行 が 可 能 で あ る と 回 答 し
て い る こ と か ら 、避 難 す る 際 は 車 い す 使 用 者 211 名 33% が そ の 経 路 や 避 難 所 の バ リ ア フ
リ ー に つ い て 調 べ る 必 要 が あ る 。こ れ に 比 べ 377 名 が 何 ら か の 排 泄 障 害 を 保 有 し て い る
ことから、避難所では排泄に対する対策が重要であると考える。
特 に 座 位 を 保 持 す る こ と が 難 し い 方 々 へ の 対 策 が 必 要 で あ る 。ま た 、ア ン ケ ー ト に も
回 答 が あ っ た 、「 オ ム ツ を 捨 て る 場 所 が 無 か っ た 」「 排 泄 時 隠 れ る テ ン ト ( 目 隠 し ) が ほ
しかった」などの回答については極めて重要な要望であると考える。
排 泄 の 問 題 は 各 自 治 体 に 対 策 を 準 備 し て 頂 の が 望 ま し く 、個 人 で も そ れ ら の 対 策 を 事
前に考えておくべきである。
10
災害時における在宅医療の現状
10) 知 的 障 害 の 有 無 に つ い て
項目
回答数
1 .特 に ない
4 91
2 .少 々 あ る
77
3 .あ る
31
4 .そ の 他
21
回答合計
6 20
手帳の有無について
1度
2度
3度
4度
計
5
0
1
4
10
A
A2
A3
B
B2
C
計
合計
14
2
3
11
7
2
39
49
<考察>
知的に問題がある(少々+ある)と答えた方108名の内、手帳をお持ちの方は4
9名おり、重度の方は19名であった。
ア ン ケ ー ト に も 母 親 か ら「 災 害 が あ っ て も 避 難 所 に 避 難 で き な い 。
(周りの人に迷惑
を掛ける。周りの目が厳しい)などの意見が寄せられた。知的障害を有する障害は他
にもあるのでそれ自体が問題ではなく排泄障害が伴うことで避難所生活が難しいと考
えている様である。
排泄障害を有する者が避難所生活を送ることのむずかしさと知的障害が加わること
で問題をいっそう複雑にしていると考える。アンケートの中にも「自宅でがんばるし
かない」など、在宅で医療的ケアを続ける決意が他の方に比べ固いようである。
11)「 学 習 困 難 さ 」 に つ い て
知 的 障 害 で も な く 、学 習 障 害( 文 部 科 学 省 の 規 定 )に も 該 当 し な い 方 々 が 多 く 悩 ま
れ る 人 が 多 い の も 二 分 脊 椎 の 特 徴 と い え ま す 。普 通 に 小 学 校 、中 学 校 、高 校 と 進 学 し
た け れ ど 、“ や っ ぱ り * * * が 苦 手 ” と い う 言 葉 を 聞 き ま す 。 そ ん な こ と を 言 っ た ら
万 民 何 か ら 苦 手 な も の は あ る と 言 わ れ る か も し れ ま せ ん が 、そ れ と も 違 う 何 か が あ る
の も 事 実 で す 。今 回 は“ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 ”と し て 、避 難 所 等 で 環 境 の 違 う 場
所への適合についてお聞きしました。
11
災害時における在宅医療の現状
学習困難さについて
項目
回答数
1 .特 に 困 難 と なる こと は 無 い
2 95
2 .少 々 困 難 なこと が ある
1 82
3 .大 い に 「 学 習 困 難 さ」 が あ る
78
4 .症 状 と し て「 学 習 困 難 さ 」がよ く 判 ら ない
52
回答合計
6 07
1.算 数 (数 字 の計 算 )
1 48
2.図 形 (形 の認 識 )
1 28
3.文 章 (行 間 がわかりにくい)
93
4.その他
76
回答合計
445
※複 数 回 答 可
何 が苦 手 ですか?
( 皆 様 か ら の 率 直 な声 を掲 載 し ま す)
絵 、工 作 (8 才 )
何 を聞 かれているのかわかりにくい(1 5 才 )
文 字 を書 くのが苦 手 (7 才 )
発 達 検 査 にて認 知 適 応 が低 い(4 才 )
理 科 など物 の観 察 、文 章 を 書 く(1 8 才 )
忘 れっぽい、覚 えるまでに時 間 がかかる(7 才 )
英 語 (2 5 才 )
文 章 を書 く、暗 記 したこ とを 忘 れる(1 3 才 )
全 般 的 に少 しづつ(2 8 才 )
字 が汚 い(1 0 才 )
判 断 力 、決 断 力 (5 1 才 )
全 般 的 に理 解 力 が低 い(1 7 才 )
経 験 が少 ないので読 解 力 が乏 しい(3 9 才 )
知 的 障 害 により学 習 全 般 が苦 手 (1 0 才 )
すべて(3 8 才 )
時 間 がかかる(1 5 才 )
忍 耐 強 さの欠 如 (1 8 才 )
黒 板 の文 章 をノートに写 す(1 7 才 )
聴 覚 障 害 もあるため 色 々問 題 がある(7 才 )
記 憶 力 が悪 い、長 文 が理 解 できない(2 0 才 )
繰 り返 し問 題 はパニッ クになる(9 才 )
暗 記 力 が低 い、文 章 の意 味 をつかみにくい(1 4 才 )
文 章 が理 解 しにくい時 があ る(1 7 才 )
軽 度 に少 しず つあるように思 う(1 3 才 )
字 が読 め ない、書 けない(5 才 )
中 1 だが、小 2~3 位 の学 力 (1 3 才 )
記 憶 力 ( 同 じことを何 度 も 尋 ねる) (8 才 )
読 解 力 の乏 しさ(1 2 才 )
覚 える事 が苦 手 (1 0 才 )
一 度 にたくさんの処 理 ができ ない(2 4 才 )
12
災害時における在宅医療の現状
地 図 、概 念 的 なこと(1 4 才 )
覚 えるのが遅 い、忘 れる(1 0 才 )
美 術 、技 術 (3 0 才 )
文 章 の内 容 を理 解 するのが 難 しい(1 5 才 )
漢 字 、覚 えてもすぐ忘 れてし まう(9 才 )
図 工 ( 絵 ) 、家 庭 科 、手 先 が不 器 用 (1 2 才 )
計 画 を立 てるのが苦 手 (1 3 才 )
まだ幼 稚 園 なのでわかりにくい(6 才 )
算 数 の文 章 題 、ノートに書 き写 す作 業 (1 0 才 )
記 憶 力 に欠 ける(4 9 才 )
関 心 のないもの(1 8 才 )
小 3 であるが、文 字 、計 算 等 まだできない(9 才 )
体 育 (8 才 )
パズルや迷 路 が苦 手 (5 才 )
全 般 的 な認 知 力 (1 2 才 )
他 人 の話 の理 解 度 が低 い(3 4 才 )
方 向 、時 間 感 覚 がすごく弱 い。一 人 で計 画 して勉 強 することは無 理 。(1 3 才 )
文 章 読 解 が音 読 すると理 解 できるが、黙 読 すると理 解 出 来 ない(9 才 )
漢 字 が読 め ない、書 けない(視 力 障 害 もある) (2 3 才 )
漢 字 を覚 えたり、英 語 を理 解 したり、何 倍 か時 間 が必 要 (1 6 才 )
まだひらがなの練 習 、漢 字 は読 め る、線 がかけない。(11 才 )
視 線 の移 動 を伴 う行 為 ( 板 書 やパソコン入 力 ) (1 7 才 )
立 体 的 な図 形 になると理 解 するのに時 間 がかかる(1 5 才 )
何 事 も定 着 に時 間 がかかる 。特 に算 数 に関 すること(1 3 才 )
漢 字 等 文 字 の形 をと らえにくい。読 解 力 がない。(1 5 才 )
見 通 しをたてて計 画 する。何 もない紙 に書 くこと。(1 7 才 )
知 的 障 害 もある為 読 み書 き がまだできない(1 3 才 )
筆 圧 がコントロールできず 時 間 がかかる(1 6 才 )
文 字 を書 くことが苦 手 、枠 に 入 りきらない(9 才 )
美 術 などの想 像 力 、音 楽 の 楽 譜 が読 め ない(1 5 才 )
いろいろな科 目 において応 用 力 にかける。また時 間 がかかる(2 1 才 )
公 式 等 が覚 えられない、少 し前 にやったことを覚 えてな い(1 5 才 )
今 言 われたことはその場 で できるが、時 間 がたつと忘 れ てしまう。(1 4 才 )
文 章 からの読 み取 り、設 問 から次 の問 題 にいけない(10 才 )
文 字 を書 くこと、計 算 のスピ ード、書 く絵 が年 齢 の割 に 幼 い(1 4 才 )
今 社 会 人 となり、学 生 の時 は学 習 面 はにがてであった。(2 1 才 )
書 くことを非 常 に嫌 がる。音 読 が苦 手 。絵 のない本 を読 まない。(1 0 才 )
理 論 をつけて考 えられないも の( 丸 暗 記 等 ) が苦 手 (1 5 才 )
13
災害時における在宅医療の現状
12) コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 に つ い て
項 目 (複 数 回 答 可 )
回答数
回 答 数 /627 人 比
382
61%
2.周 りの空 気 が読 めない。
81
13%
3.暗 黙 のルールが苦 手 。
90
14%
4.集 団 行 動 が苦 手 。
77
12%
5.感 覚 過 敏 で行 動 に注 意 が必 要 。
23
3%
77
12%
75
12%
1.下 記 の回 答 のどれにも当 てはまらない。
6.「対 人 関 係 を円 滑 にするためのソーシャルスキ
ルがうまく使 えない」
7.「相 手 の気 持 ち や周 囲 の状 況 がよく理 解 できず
場 にそぐわないことを言 ってしまう」
805
コメント:今 回 この質 問 事 項 は役 員
会 において臨 床 心 理 士 の方 より提
案 を受 け質 問 項 目 とした。
40 % の 方 が 何 ら か の 問 題 が あ る と
回 答 している。
<考察>
誰もが自分のコミュニケーション能力について疑問を持つと思うが、4割近い方が
何らかの形で不安を持っていることが分かった。先の排泄の問題と同様、避難所等に
おいて非常に大きな問題といえる。
13) 水 頭 症 と 学 習 困 難 さ の 関 係 に つ い て
厚生労働省の研究班の調査において、当協会は「水頭症と学習困難さの関係につい
て 」 調 査 を 行 っ た 。 今 回 と 質 問 の 内 容 は 異 な る が 学 習 困 難 を 抱 え る 方 の 80% が 水 頭 症
の 保 有 者 と い う 結 果 が あ っ た 。今 回 の 調 査 に お い て は 学 習 困 難 さ を“ 少 々 感 じ る ”、
“大
いに感じる”に分けて水頭症との因果関係を調べた。
14
災害時における在宅医療の現状
少 々学 習 困 難 なことがある。
1 .水 頭 症 は 無 い 。
2.水 頭 症 はあるが、シャン
3.水 頭 症 があり。 現 在 も
4.水 頭 症 はあるが、現 在
ト手 術 は 行 っ てい ない 。
シャントは機 能 している。
シャントは機 能 していない。
( 機 能 し てい る と 思 う)
(機 能 していないと思 われ
る)
20
11
125
26
2.水 頭 症 はあるが、シャン
3.水 頭 症 があり。 現 在 も
4.水 頭 症 はあるが、現 在
ト手 術 は 行 っ てい ない 。
シャントは機 能 している。
シャントは機 能 していない。
( 機 能 し てい る と 思 う)
(機 能 していないと思 われ
162
コメント:“少 々の学 習 困 難 さ”を感
じる人 の中 で 90%の人 が水 頭 症 を
有 している。
大 いに「学 習 困 難 さ」がある。
1 .水 頭 症 は 無 い 。
る)
7
6
53
12
71
コメント:“大 いに学 習 困 難 さ”を感
じる人 の中 で 90%以 上 の人 が水 頭
症 を有 している。
15
災害時における在宅医療の現状
<考察>
水 頭 症 を 有 す る 者 の 90% の 人 が 何 ら か の“ 学 習 困 難 さ ”を 感 じ て い る 。逆 に“ 学 習
困難さ”を有する者が水頭症を有するとは言えないが、水頭症が“学習困難さ”を感
じる原因であることは過去の調査からも言える。これら“学習困難さ”が症者の自立
を阻害していると考える。また、この困難さが自己で行う医療的ケアを阻害している
ことも大きな要因である。
14) 車 両 に 関 す る 質 問 。
災 害 発 生 時 報 道 さ れ る 映 像 は 避 難 所 に 避 難 す る 人 と 自 宅 で 生 活 す る 人 、車 で 生 活 を
す る 人 と に 大 別 で き る と 考 え る 。自 宅 で 生 活 す る 人 は 家 屋 に 被 害 が 少 な く 屋 内 で 夜 露
を し の ぐ 事 が 出 来 る 方 々 と 思 わ れ る が 、車 で 生 活 す る 人 は 家 屋 の 損 害 が 激 し く 危 険 を
感 じ て 車 で の 生 活 を 行 っ て い る も の と 推 察 さ れ る 。今 回 の ア ン ケ ー ト で も 医 療 的 ケ ア
を 避 難 所 で 行 う こ と は 難 し い 、大 い に 難 し い と 回 答 さ れ る 方 が 多 く 現 実 に は 排 泄 や 医
療 的 ケ ア を 自 宅 も し く は 車 両 の 中 で 行 う 事 が 想 定 さ れ る 為 、自 家 用 車 に つ い て 質 問 を
行った。
車 (車 両 )はお持 ちですか?
1 .所 持 し てい ない 。
2 .会 員 本 人 専 用 で所 持 し てい る 。
1 15
98
3 .家 族 共 用 で所 持 し てい る 。
4 13
回答合計
6 26
会 員 様 は運 転 免 許 証 をお持 ちですか?
1 .会 員 本 人 が持 っ てい る 。
1 72
2 .会 員 は 持 っ てい ない 。
4 16
3 .同 居 の 家 族 は 持 っ てい る 。
2 44
回答合計
8 32
16
災害時における在宅医療の現状
会 員 が免 許 を持 っていない理 由
①
要 ない か ら
24
② 身 体 的 に 運 転 行 為 が難 し いか ら 。
43
③ 知 的 に 運 転 行 為 が 難 し いから 。
29
④ 年 齢 的 に 達 し てい ない か ら
3 34
回答合計
4 30
現 在 お持 ちの車 両 は災 害 時 、排 泄 のケアを行 うことが可 能 と思 いますか?
1 .可 能 であ る 。
1 95
2 .無 理 すれ ば なんと か なる 。
1 54
3 .ど ち ら と も い えない 。
79
4 .不 可 能 。
68
回答合計
4 96
車 のタイプは次 のうち何 ですか?
①軽 自 動 車
45
② 普 通 車 セダ ン タ イ プ
62
③ 普 通 車 1B o x
1 98
④その他 の車 種
29
回答合計
3 34
※ 複 数 回 答 あり
<考察>
1BOX車両をお持ちの方198名の方は排泄ケア可能と回答している。1BOX
17
災害時における在宅医療の現状
車両をお持ちの方が災害を意識して所有されている訳ではないと考えるが、医療的ケ
アを必要とする人にとって一定の空間を確保できる1BOX車両は有効である。
アンケートの質問の中で「家の中にあって重宝したもの」の回答に「車」と回答さ
れた方がおりますが、まさに夜露をしのぐ家として、医療的ケアの処置場所として大
いに役立ったことと思います。
2.災害に備えて(災害未経験者からの回答)
1)身近に考える災害とは何か
あなたの身 近 に迫 る災 害 とは何 だとお考 えですか?
1 .地 震
4 92
2 .台 風
2 41
3 .集 中 豪 雨 ( 台 風 以 外 )
1 59
4 .火 山 の 噴 火
29
5 .原 子 力 発 電 所 被 害
72
6 .そ の 他
26
回答合計
1 ,0 19
複数回答可
具 体 的 には何 を想 定 していますか?
東海東南海地震
155
その他
4
首 都 圏 の地 震
64
日本海沖地震能登沖地震
3
大 規 模 地 震 ( 一 般 的 な)
31
根 室 半 島 沖 地 震 、十 勝 沖 地 震
3
集中豪雨
24
家屋崩壊
2
原 子 力 発 電 所 に よ る事 故
15
富士山噴火
2
東 日 本 大 震 災 の よ うな大 き な地 震
10
F- 1 5 ,オ スプ レ イ の 落 下 、弾 薬 倉 庫 の 危 険 性
1
津波
1
具 体 的 な想 定 は し てい ない
6
長 野 ・ 新 潟 県 北 部 沖 地 震 、佐 渡 北 方 沖 地 震
6
近 畿 で起 こる 地 震
5
日向灘沖地震
5
災害が起こった時、在宅または避難所等で何を具体的心配するかをお聞きしました。
逆 に 言 え ば 災 害 時 必 要 に な る 物 、対 策 を 考 え な く て は い け な い も の と も 言 え ま す 。自 分
で対策を取れるものそうでないもの等々考えていくまたは行政にお願いするものが見
えてきます。
18
災害時における在宅医療の現状
2)災害時に医療的ケアを行う上で何を心配しますか?
災 害 時 に医 療 的 ケア(導 尿 、排 便 )を行 う上 で具 体 的 に何 を心 配 しますか?
1 .心 配 し てい る こと は 特 に ない。
37
2 .導 尿 を 行 う為 の カ テーテルの 不 足 。
3 59
3 .排 便 を する うえでの 浣 腸 液 の 不 足 。
1 21
4 .排 泄 を する お こなう為 の 場 所 の 確 保 。
4 14
5 .常 備 薬
2 26
6 .介 助 を し てく れる ボ ラ ン ティ ア
65
7 .そ の 他
68
3)カテーテル不足に対して必要な予備本数をお尋ねしました。
カテーテル予 備 は何 本 必 要 と思 いますか?
必要本数
回答数
必要本数
回答数
必要本数
回答数
必要本数
回答数
1
3
10
7
100
70
1 か月 分
1
2
9
15
3
120
2
い く ら でも
1
3
2
20
5
150
11
1日 1本
1
5
7
30
15
180
7
1 日 7 ~8 本
1
6
2
35
4
200
30
一日 7 本
1
7
3
40
2
210
2
多 ければ多 いほど
1
50
57
240
1
数本
1
60
12
270
5
70
2
300
8
80
1
400
4
90
2
500
3
600
1
700
1
回 答 総 数 28 1 名
延 べ 本 数 29 ,91 0 本
平 均 本 数 1, 067 本
そ の 他 7名
< コメ ン ト> 個 人 差 が ある と は言 え1 本 ~7 00 本 では 真 の必 要 本 数 の 算 出 は 無 理 である ため 分 布 図 を 作 成 し ま した 。
19
災害時における在宅医療の現状
予備本数の分布図
<考察>
協会としては行政に対しディスポーザブルカテーテル(使い捨て)を避難所にスト
ックするよう呼びかけています。今回の調査では必要とする本数が個人によって千差
万 別 で あ る こ と か ら 平 均 導 尿 回 数 を 7 回 /日 と し 、災 害 後 医 療 機 関 が 正 常 復 旧 に 1 ヶ 月
掛 か る と 想 定 し て 7 本 /日 ×3 0 日 = 2 0 0 本 /人 の 予 備 カ テ ー テ ル を 用 意 す る の が 妥
当な数字と考え提案していきたいと考える。
今 回 の 東 日 本 大 震 災 に お い て も「 デ ィ ス ポ ー ザ ブ ル カ テ ー テ ル を 繰 り 返 し 利 用 し た 」
(※通常は再利用不可)との報告もあることから、非常時と定義した場合200本あ
れば十分と考える。
ま た 、会 員 に 日 常 的 な 予 備 と し て 、 1 ヶ 月 分 を 前 倒 し し て 受 給 し 、常 に 1 ヶ 月 分 の
予備は常時家に在庫する様呼びかけている。今回、アンケート意見でもあってが、避
難所の学校の倉庫、町会の防災倉庫に分散して保管してもらっている等の大いに参考
になる意見もあることから、可能な限り三か所程度には分散し自宅が被災しても自治
体、町会に協力をお願いしておくことが望ましいと考える。
※ 自 治 体 の 倉 庫 、町 会 の 倉 庫 へ 預 け っ ぱ な し 状 態 は 製 品 の 劣 化 も あ る の で 、年 1 回 程
度は交換することが望ましい。その交換を行う為には地域の防災訓練に参加し、
自 分 の 物 が ど の よ う に 保 管 さ れ て い る か 、不 足 は な い か ど う か の 確 認 と 関 係 者 へ 、
在宅で医療的ケアを行っている同じものがあるという意識を持ってもらう必要も
あると考える。
20
災害時における在宅医療の現状
4)常用薬の備蓄について尋ねました?
薬品名
回答数
薬品名
回答数
薬品名
回答数
ア デホ スコーワ
1
セレニカR
2
マイ スリ ー
1
ア ル フ ァ ロ ール
1
センナ
1
マグ テク ト
1
アレビアチン
4
セ ン ノサ イ ド
1
マグ ミ ッ ト
1
ア ロ ーゼ ン
5
チ ラ ージ ン
1
マグ ラ ッ ク ス
4
イ ーケ プ ラ
1
ツ ムラ 4 3
1
マスキン 水
1
ウ ィ ズ ワン エ ル
1
ディ オ バン
1
ミ ク トノーム
1
ウ リ トス
3
テグ レ トール
6
ミヤB
1
エ バ ステル
1
テグ レ トール 2 00
1
ミ ヤ BM
1
エ ビ スタ
1
デトル シ トール
3
メ チ コバ ール
2
エ リ スロ シ ン
1
デパ リ ン
7
モニラック
5
オ ーグ メ ンチ ン
1
トフ ラ ニ ール
2
ラ キソ ベ ロ ン
9
オ ノン
1
トレ ドミ ン
1
ラックビー
2
オ リ ベ ート
1
ニ フ ェ ラン タ ン
1
ラ ミ ク タ ール
1
オ ル メ テッ ク
2
ノーラ ガ ード
1
リ ボ トリ ール
1
ガ スタ ー
1
ノル バ スク
2
レ キシ ン
1
ガ スモ チ ン
1
ハイセレニン
3
ロペミン
1
ガ ナ トン
1
バクタ
8
ロ ン ゲス
1
カマ
5
バ ク トラ ミ ン
2
ワ ン ア ル ファ
1
カ マグ
1
バ ッ プ フ ォ ー、
下剤
2
キプ レ ス
1
バナン
2
下痢止め
1
クラビット
2
バ ン コミ ッ ク
1
酸 化 マグ ネ シ ウ ム
1
クラリス
1
ビ オ スリ ー
1
整腸剤
5
グ レ ン ダ キシン
1
ビ オ フェ ルミ ン
2
浣腸
1
ケフポリン
1
フ ェ ノバ ール
6
便秘薬
1
ケ フ ラ ール
14
プルゼニド
1
入眠剤
1
コラ ッ ク ハ ーブ
1
プロペリン
1
オ リ ーブ 油
1
コロ ネ ル
1
フロモックス
8
消毒液
2
ザイロリック
1
ベシケア
精神安定剤
1
ザ ジ デン
1
ベシケアOD
1
大建中湯
1
ザ ロ ン チン
1
ベンザリン
1
武田漢方便秘薬
1
酸 化 マグ ネ シ ウ ム
1
ベンズフォー
1
抗 け い れ ん薬
3
重 カマ
1
ポ ラ キス、
抗生剤
2
38
18
77
21
災害時における在宅医療の現状
ゼ チ ーア
1
ホリソン
1
セフゾン
2
ポリフル
1
セレニカ
4
マイ スタ ン
2
抗 てんか ん薬
合計
2
3 33
<考察>
常 用 薬 の 備 蓄 に つ い て 尋 ね ま し た 。多 く の 方 が 2 8 日 程 度 の 備 蓄 を お 持 ち と 回 答 さ
れ て お り ま す が 、現 使 用 分 + 2 8 日 の 手 持 ち で は な く 、現 使 用 分 を 回 答 さ れ て い る よ
うに見受けられます。
手持ち分が少なくなってきたときに災害が発生すると入手しにくい医薬品もある
ので、極力、現使用分+28日の手持ちとするようにしていきたい。
し か し 、ほ と ん ど 健 保 組 合 は 常 用 薬 で 1 4 日 以 内 も し く は 2 8 日 以 内 を 指 導 し て い
る よ う で す 。で す か ら 、現 使 用 分 + 2 8 日 の 手 持 ち は 病 院 で 拒 ま れ る 可 能 性 が あ り ま
す 。今 後 は 災 害 時 の 非 常 用 分 と し て 常 用 薬 を 確 保 で き る 様 厚 生 労 働 省 に 要 望 し て い き
たいと考えます。
5 ) 日 頃 か ら の 備 え を 伺 い ま し た 。( ご 意 見 を そ の ま ま 掲 載 し ま す )
項目
回答数
1 .特 に 何 も 準 備 し てい ない 。
2 73
2 .会 員 本 人 と の 連 絡 方 法 。
91
3 .病 院 と の 連 絡 方 法 。
14
4 .近 隣 ( 町 内 会 ) の 理 解 。
30
5 .介 助 を お 願 い でき る人 の 確 保 。
6 .準 備 し てい る 物 。
7 .そ の 他 。
合計
9
2 11
47
6 75
項 目 5:.介 助 をお願 いできる人 の確 保 については5組 の方 が具 体 的 確 保 されている。内 訳 は
1,2,3,2,2 人 であり平 均 2人 を確 保 されている。
具体的なご意見をそのまま掲載します
日 頃 から災 害 に対 して何 か準 備 していることはありますか
1
一 般 的 な災 害 用 リュック、おむつ
2
オムツ、おしりふき
3
オムツ5袋
4
外 出 時 には2~3日 戻 れなくても大 丈 夫 なようにカテーテルは多 めに持 参
22
災害時における在宅医療の現状
5
ガソリンを満 タンにしておく
6
学 校 にストック2か所 準 備
7
カテーテル、おむつ、手 袋
8
カテの保 管 場 所 の分 散
9
紙 おむつ、カテーテル
10
紙 おむつは多 めに在 庫 している
11
行 政 、民 生 等 への情 報 提 出
12
具 体 的 には思 いつかないが心 配 している
13
車 椅 子 の背 、車 、家 に少 しずつ常 備
14
車 の中 に常 にカテーテル、パット、テントシートなどいれてある
15
現 在 通 っている学 校 の専 用 トイレに日 常 使 うもののほかに緊 急 時 要 として予 備 をお いてある。
16
コットン、べゼトン液 、オリーブ油 、おむつ
17
さらし(おぶうため)
18
シート、薬 、ティッシュ、ラジオ
19
肢体不自由児協会登録
20
実 家 が神 戸 と北 九 州 なので困 ればそちらに。実 家 は被 災 経 験 あり。
21
市 の障 害 者 リストに登 録 している
22
車 内 に導 尿 セットを常 備
23
住 宅 を改 修 した
24
消毒液
25
消 毒 綿 、絆 創 膏 、着 替 え、等
26
除 菌 ティッシュ、プラスティックグローブ
27
食 糧 、電 気 、紙 類 、防 寒 具
28
食 糧 や日 用 品 の備 蓄
29
石 鹸 、綿 花
30
装 具 、薬
31
装 具 を常 に玄 関 に置 いている
32
小 さ なリ ュッ ク し か も てない の で自 宅 以 外 は なか なか行 け ない 。ご み 袋 、防 災 ず き ん、シ ート、除 菌 ウ ェ ッ トティ ッ シ ュ
33
中 学 校 での理 解
34
ティッシュ、懐 中 電 灯
35
東 北 の地 震 後 の診 察 から予 備 しておくようにとカテーテルを多 めにだしてくれている。
36
何 かあった時 の集 合 場 所 、助 けてもらえる近 所 の人
37
パッド
38
避 難 所 では 排 泄 が 困 難 と 思 い、出 来 る だ け 自 宅 に い ら れる よう雨 水 貯 留 装 置 、太 陽 光 発 電 を と り つ け た 。
23
災害時における在宅医療の現状
39
避 難 セット非 常 食
40
避 難 ルートの確 認
41
本 人 、家 族 の避 難 場 所 の確 保
42
水
43
水 、アルコール、石 鹸
44
毛布
45
ラジオ
46
わずかながらの備 蓄
災 害 時 に医 療 的 ケア(導 尿 、排 便 )を行 う上 で具 体 的 に何 を心 配 しますか?
オムツ 、ゼリー、手 袋 、カテーテル、おしりふき、シ ート
29
オムツと 使 用 済 みのオムツの処 理
3
親 が災 害 にあった時 子 どもは生 きていける のか
1
在 宅 酸 素 の電 源 、酸 素 ボンベ、いろう 注 入 のための物 品
2
消 毒 液 、キシロカイン ゼリー等 の物 品
4
清 潔 な場 所 の確 保 ・個 室
5
成 長 ホルモン注 射 、おむつ
1
逃 げ遅 れないか
1
尿 とりパット、おしりふき、ストッパー
4
排 便 用 のパウチの不 足
4
発 達 障 害 があるので周 囲 に気 を使 う
1
プラ手 袋 、オリーブオイル
4
本 人 が他 人 に自 分 で説 明 してケア出 来 るか、周 囲 に理 解 してもらえる か
1
飲 料 水 ・手 洗 い等 の水
8
夜 間 時 の灯 り
1
6)災害に備えて行政との関わりをお尋ねしました。
各自治体では災害時障害者を守る取り組みがなされていますが十分ではないと考え
ます。その理由は高齢者と障害者を同じ土俵で考えている自治体が多く、その施策が
双方を区分してそれぞれに特化していないところにあります。今回アンケートで自治
体の取り組み評価をお聞きしたところ、評価すると評価しないが半分半分と言う結果
になりました。特別な取り組みを評価している方も多い反面、アンケート調査を行っ
てくれただけで評価すると回答された方もいらっしゃいます。障害に目を向けた取り
組みとはどのようなものがあるのでしょうか。
24
災害時における在宅医療の現状
行 政 (お住 まいの市 町 村 )の災 害 対 応 についてお聞 きします。
1.行 政 は積 極 的 に災 害 対 応 策 を検 討 している。(検 討 していると思 う)
2.行 政 の対 策 に満 足 していないが評 価 はしている。
117
67
3.評 価 出 来 ない。
192
合計
376
【満足な理由】主な意見の抜粋
家 具 転 倒 防 止 具 の 配 布 と設 置
救 助 時 、動 け ない 人 の 病 院 等 の 連 絡 が 出 来 る よ う本 人 の 内 容 を 書 い た 紙 を 筒 に いれ て各 家 の 冷 蔵 庫 に保 管
緊 急 時 の 介 助 者 の 確 保 が できる か の 調 査 など を行 っ てい る
計 画 停 電 時 に毎 朝 ア ナ ウン スを 放 送 し てい た
携 帯 など を 使 っ た情 報 提 供
玄 関 に マーク の ある 家 は 避 難 の 手 伝 い 、ま た決 めら れ た場 所 ( 冷 蔵 庫 ) に 救 急 医 療 情 報 キットを 入 れ てあ り 病 名 、 薬 、
医 療 機 関 、等 書 い てお く こと になっ てい る 。
公 園 に トイ レ が 出 来 た 。マン ホール が あ る 。
個 人 情 報 を 集 め てい る 。( 自 治 会 )
災 害 時 に 助 け が必 要 な人 は 登 録 する よ うに なっ てい る
災 害 時 要 援 護 者 を 地 域 ぐ る みで支 援 し てい る
災 害 無 線 、市 全 戸 設 置
市 内 障 害 者 団 体 へ の聞 き 取 り調 査 実 施 、福 祉 避 難 所 の 設 置 を 検 討 中
障 害 者 家 庭 の 状 況 や応 援 体 制 に つ い ての 希 望 の 調 査
障 害 者 が ど こに 住 んでい るか の確 認 や 災 害 時 の 手 助 け のチ ェッ ク など
常 備 薬 が すぐわ か るよ うに なってい る カ ード
利 用 し てい る 福 祉 施 設 が 避 難 所 で、災 害 時 は 優 先 的 に は 入 れ る 。
25
災害時における在宅医療の現状
<考察>
冷蔵庫に個人の情報入れておくことが約束になっている自治体がある。非常の面白
い取り組みであると考える。想像するに、冷蔵庫は作りが頑丈で家屋が倒壊しても中
の情報は確保できるという考えにもとづいているのであろうと考えるが、いささか疑
問を感じるところはある。しかし、地域のルールで個人の情報がどこにあるか一目で
判ることはすばらしい発想だと思う。また、避難所に優先的入れる。玄関にマークの
ある家は手助けが必要である等々についてもおおむね評価できる施策であると考える。
最 近 多 い の が 、自 治 体 で 障 害 者 情 報 を 集 め て い る 。ア ン ケ ー ト に 答 え 登 録 し た 。等 々
の回答があるが、集めた情報がどのように生かされているかが問題である。
東日本大震災の余波で駅に接続するエレベーター4基が全て閉鎖されたことがある。
「お問い合わせは・・・へ」とあるが、車いすの方はやっとの思いで自分の駅にたど
り着いたら道路に降りれない事態となっていた。自治体に確認したところ「車いすの
人が何人利用されているかわからない」との回答であった。アンケートや障害者登録
をしても部署が変わればその実態が把握できないのであれば、玄関にマークを付けた
り、冷蔵庫に情報を詰める事の方がよっぽど実践的であるとも言える。
【評価できない理由】抜粋
い ざ と い う時 、ど の よ うに すれ ばい い か 明 確 でない 。
家 族 が 常 に 住 んでい る家 庭 には 何 も 対 策 が ない
行 政 の 災 害 対 策 を し ら ない
行 政 の 政 策 が よく わ か ら ない ので
住 居 を 置 く地 域 まか せ 、台 風 など でも 、避 難 所 の 設 置 が なく 心 配 な時 は ホ テル に泊 まる よ う言 わ れ た こと が ある 。
身 体 障 害 者 に対 する 具 体 的 な対 策 が 明 示 さ れ てい ない
障 害 者 用 の災 害 マニ ュア ル を作 っ てい ない
手 帳 保 持 者 の 住 居 等 を 災 害 時 に 地 域 の 複 数 の 箇 所 に 伝 える こと に なっ た が 、個 々の ニ ーズに あ っ てい る の か不 明 。
( 医 療 器 材 と 場 所 が必 要 だが 、出 来 ない の なら 住 所 は教 えてほ し く ない )
介 助 を 必 要 と する 場 合 は 予 め自 ら 登 録 し てい る 事 が 条 件 であり 、介 助 を 行 うの も 行 政 では なく町 内 会 であ る と い う 点
が 、皆 に 浸 透 し てい ない 上 に よく 理 解 でき ない 。
助 け は ほ し い と ア ン ケ ートに は答 えた が 、具 体 的 な説 明 が ない。
東 日 本 震 災 時 災 害 弱 者 の 名 簿 が あ った の に 安 否 確 認 が なか っ た 。行 政 か ら は 助 け てもらえない こと を 実 感 し た 。
非 常 用 電 源 につ い て問 い 合 わせ た が 、在 宅 酸 素 業 者 に何 とか し ても ら えと 言 わ れた 。
要 援 護 者 は単 独 で2 級 を と れ てい ない と 対 象 に なれ ない 。個 人 的 に 申 し 込 み は でき るが 、保 護 者 が い れ ばそ ち ら で お 願
い し ま すと なる 。一 人 暮 ら し の お年 寄 り を 優 先 する と いわ れ た 。
26
災害時における在宅医療の現状
<考察>
「評価できない」理由は大別すると以下のとおりになる。
○ 非常時の対策を自分自身が知らない。
○ 非常時の対策を広報されていない。
○ 非常時の対策があいまいである。
○ 非常時に何もしてくれなかった。
○ 家族がいると救護の対象にならない。
当たり前の話であるが、各自治体は災害時の対策は十分検討しているはずであ
る 。し か し 、自 分 が 知 ら な い と 答 え る 方 は 広 報 さ れ て い る が 関 心 が な い の で 広 報 さ
れ て い な い と 感 じ て い る 人 も 多 い よ う で あ る 。こ れ ら に つ い て は 関 心 を 持 っ て 災 害
に備えてくださいとしか言いようがない。
次に、非常時の対応がずさんな自治体見受けられることである。個人ニーズに
全 て 応 え る の は 困 難 で あ る か ら 全 て が ず さ ん と は 言 い に く い が 、ア ン ケ ー ト の 回 答
の中には驚くもの少なくない。
提 言 で も ま と め た い と 考 え る が 、災 害 対 策 の 基 本 は 以 下 の と お り で あ る と 考 え る 。
○
日頃から災害に備えて必要な物を準備しておく。
必要な物とは何かであるが、食糧、水は何らかの救援が来ることが予想される
の で 医 療 的 ケ ア に 必 要 な 物 は 全 て( 人 工 呼 吸 器 を 利 用 し て い る 方 は バ ッ テ リ ー も し
くは発電機も必要になる)地域の環境を考慮しなくてはいけない。
※湧水や畑が近くにあり食糧や水に困らない地域はそれ以外のもの。
※ か か り つ け の 病 院 や 薬 局 が 近 く に あ れ ば 、薬 剤 の ス ト ッ ク も 少 な く て 良 い と 考
える。
○
近所に理解者を確保する。
家 が 倒 壊 し て 住 む こ と が 出 来 な く な っ た り 、家 族 と 一 緒 に 住 ん で い て も 災 害 時
に 離 れ て し ま っ て い れ ば 、や は り 近 所 の 方 に 応 援 し て い た だ く し か 方 法 は 無 い の で
普段から病気に対する理解頂く努力は必要である。
※ 理 解 を 頂 い て い な い と 、相 手 も 非 常 時 に 何 を 手 伝 っ た ら よ い か 判 ら な い は ず で
あ る 。( 相 手 も 非 常 時 で 困 っ て い る 状 況 に は 変 わ り な い か ら )
○
町内会の行事には参加する(特に防災訓練)
特 に 弱 い の が 町 内 会 の と の 連 携 で あ る と 考 え る 。自 治 体 は 税 金 を 納 め て 頂 い て
い る 以 上 そ れ な り の 措 置 は 取 ら な く て は い け な い が 、町 内 会 は そ う で は な い 。あ く
ま で 自 治 運 営 な の で 普 段 か ら の 付 き 合 い が 非 常 に 大 事 で あ る 。高 齢 者 は 地 域 で も 高
齢 者 同 士 の 付 き 合 い が あ る の で 、非 常 時 の 対 応 は 早 い と 考 え る が 、障 害 を 持 つ 人 は
地 域 で も 孤 立 し て お り 、普 段 か ら 積 極 的 に 関 わ り 合 い を 持 つ 機 会 が 少 な い 為 に 、地
域でも“あの人の事はよくわからない”と言った反応になってしまう。
27
災害時における在宅医療の現状
町 内 の 行 事 に 参 加 し て い れ ば 災 害 時 に“ あ の 人 は ど う し た ? ・・・”と い う 反 応
になり素早い対応が期待できるからである。
アンケートの中に「民生委員さんにあいさつに行った」との回答があったが、
災 害 時 民 生 員 さ ん が ど の 程 度 対 応 で き る か 未 知 数 で あ る 。そ れ よ り も 自 分 の 身 近 に
ご近所との繋がりを大切にした方がより良いと考える。
○
顔 見 知 り を 多 く つ く る 。町 内 会 の 防 災 倉 庫 が あ れ ば 必 需 品 を ス ト ッ ク し て も ら う 。
“ 何 を 準 備 し て お く か“ の 問 い に 避 難 所 や 町 内 会 の 倉 庫 に 備 蓄 し て も ら っ て い る
と の 回 答 が あ り ま し た が 、自 宅 を 含 め 3 か 所 に 備 蓄 が あ る こ と に な り 1 0 0 点 満 点
の回答と考えます。オムツや洗浄綿、消毒液などは余れば共有も可能となります。
3 か 所 に 十 分 な 備 蓄 を 持 つ こ と は お 金 も 掛 か る 話 で す が 、上 手 に 話 を 持 っ て い け ば
避 難 所 は 行 政 で 、町 内 会 の 倉 庫 は 町 内 会 の 予 算 で 行 っ て く れ る か も し れ ま せ ん 。
(回
答者の中にはそのように実践されている方がおりました)
7)家庭における災害対策についてお尋ねしました。
1.
誰 でも 医 療 的 ケ ア ( 導 尿 ・ 排 便 ・ 褥 瘡 手 当 ・ 投 薬 ) を 行 える 様 ま と め た 手 引 き 書 を 用 意 し てい ま すか ?
① 用 意 し た い と 思 っ てい る 。
1 05
② 用 意 し てい る 。
14
③ 何 も し てい ない 。
4 10
2. 投 薬 に対 して代 薬 (ジェネッリック薬 )の名 前 を把 握 していますか?
①
把 握 したいと思 っている。
② 把 握 している。
③ 何 もしていない
。
83
83
340
28
災害時における在宅医療の現状
3. 緊 急 避 難 所 (学 校 、集 会 所 )の設 備 を把 握 していますか。
①把 握 したいと思 っている。
92
②把 握 している 。
324
③何 もしていない。
114
4. 災 害 に強 い自 宅 に改 修 をお考 えですか?
①改 修 したいと思 っている。
77
②改 修 している。
113
③何 もしていない。
331
5. 緊 急 時 の介 助 者 を確 保 できていると思 いますか?
① 確 保 したいと思 っている。
② 確 保 している。
③ 何 もしていない。
110
45
378
29
災害時における在宅医療の現状
6. 町 内 会 (近 隣 )で病 気 を理 解 してくれる人 の育 成 をしていますか?
①事 ある毎 に探 している。
10
②数 人 には理 解 頂 いている。
119
③何 もしていない。
391
30
災害時における在宅医療の現状
3.災害を経験して(災害経験者から報告)
この章では災害を経験した人にアンケートを取った結果をまとめました。災害の種類
は多種多様です。今回の東日本大震災以外にも阪神淡路大震災、台風等の通常起こりえ
る災害も対象としました。
あなたの経 験 した災 害 は何 ですか?
1.地 震
92
2.台 風
9
3.集 中 豪 雨 (台 風 以 外 )
6
4.火 山 の噴 火
0
5.その他
0
合計
107
具 体 的 にどれに当 てはまりますか?
1.東 日 本 大 震 災
72
2.阪 神 淡 路 大 震 災
13
3.中 越 地 震
5
4.十 勝 沖 地 震
0
5.三 陸 はるか沖 地 震
1
6.北 海 道 東 方 沖 地 震
0
7.日 本 海 北 部 地 震
1
8.鳥 取 県 西 部 地 震
0
9.その他 の地 震
2
10.台 風
3
11.集 中 豪 雨
1
12.火 山 の噴 火
0
13.その他
0
合計
98
31
災害時における在宅医療の現状
被 災 状 況 について
1.被 害 はなかった。
41
2.少 し被 害 があった。
44
3.甚 大 な被 害 があった。
4
4.その他
0
合計
89
具 体 的 な被 災 状 況
1.日 常 生 活 は支 障 なくおくることができた。
58
2.家 族 の被 災 はなかったが近 隣 では大 きな被 害 があった。
15
3.被 害 は甚 大 であったがなんとか自 宅 で過 ごした。
8
4.自 宅 の被 害 が甚 大 で避 難 所 生 活 を送 った。
9
5.現 在 も避 難 中 である。
0
6.東 京 電 力 第 一 原 子 力 発 電 所 避 難 地 域 であったので避 難 中 である。
0
合計
90
コ メ ン ト:多 く の 災 害 経 験 者 が 自 宅 で 過 ご し て い る こ と か ら 、全 て を 避 難 所 対 策 で は
なく、自宅で過ごすことも考えながら、在宅での医療的ケアを考える必要がある。
32
災害時における在宅医療の現状
3.被 害 は甚 大 であったがなんとか自 宅 で過 ごした。その理 由 について伺 いました。
オムツ、カテーテルが充 分 あったので
健 常 者 と違 い自 主 避 難 できる環 境 がないため、家 、敷 地 の除 染 を自 分 たちでやった。
実 家 ですごした。排 泄 を考 えると、避 難 に行 けば良 かった。
電 気 、水 道 は止 まったが家 屋 の被 害 が少 なかったため
電 気 だけは復 旧 したから
バッテリーがあった。発 電 機 を借 りられた
4.自 宅 の被 害 が甚 大 で避 難 所 生 活 を送 った。(具 体 的 な避 難 日 数 )
1日
80 日
2日
100 日
2,3 日
会 社 の用 意 した家 で1年
6日
祖 父 の家 で 2 年 間 過 ごした
実 家 で15日
ライフラインの停 止 期 間
種別
回答数
電気
44
ガス
14
水道
30
電話
18
・固 定 電 話
10
・携 帯 電 話
8
下水
9
その他
3
その他 の内 訳 :計 画 停 電 、エレベーター、ガソリン
<考察>
ライフラインの停止は健常者でもダメージは大きい、人工呼吸器を必要とする方に
とっては電気の停止は命の危機である。今回の東日本大震災ではガソリンの不足が大
きな問題であった。発電機を用意してもガソリンが不足すれば首都圏の災害時にはも
っと大きな問題である。また、水道、ガスの停止も問題であるが、やはり情報を取り
入れる携帯電話が不通になることは想像以上に大きな問題であった。
33
災害時における在宅医療の現状
ライフライン停止期間のそれぞれの内訳
電気
ガス
水道
電話
下水
日数
回答数
日数
回答数
日数
回答数
日数
回答数
日数
回答数
0.5
5
0.5
1
1
4
0.5
3
1
2
1
15
1
4
2
3
1
16
2
3
1.5
1
2
1
3
3
2
4
10
1
2
6
3
1
4
3
3
5
14
1
3
7
14
2
5
2
5
1
20
1
5
1
30
1
7
6
7
1
90
1
7
2
90
1
10
3
30
1
14
1
プロパン
1
14
1
30
1
15
1
90
2
行 政 (お住 まいの市 町 村 )の対 応 についてお聞 きしました。
1.行 政 の対 応 は十 分 であった。
8
2.満 足 はいかないが一 定 の評 価 はできた。
9
3.評 価 できる様 な支 援 はなかった(災 害 の時 点 では仕 方 なかったと思 う)
40
4.評 価 できない。
12
合計
69
34
災害時における在宅医療の現状
行 政 に対 する評 価 について
「十 分 評 価 した」その評 価 内 容
1 2 時 間 で電 気 、水 道 が 復 旧 した
給 水 車 が近 くに配 備 された
市 営 住 宅 なの で近 く に すぐに 避 難 所 が できた 。
消 防 が町 内 会 の自 主 判 断 を支 持 した
水 害 時 の救 助
被 害 が 出 た 地 域 が あり 、節 電 の 停 電 も なく 今 は 除 染 作 業 を進 め てい る 。
ポ ン プ 場 を 作 っ てく れた
役 所 の 担 当 者 か ら 翌 日 確 認 の電 話 が あ った
「十 分 評 価 した」その評 価 内 容
給 水 車 が 来 た り 、市 役 所 に 避 難 所 を 設 け た りボ ラ ン ティア セ ンタ ーを 設 置 し た り し た 。
計 画 停 電 の お 知 ら せ メ ールが きた の で準 備 が でき た
塀 の 撤 去 が早 か った
防 災 無 線 を 活 用 し ての情 報 提 供 など
水 の確 保
「評 価 できない」その評 価 できない内 容
行 政 の 支 援 を 必 要 と する ほ どの 被 害 では なか った 。
国 の 説 明 と 現 実 が 違 い すぎて信 用 でき る情 報 など ゼロ だっ た。
障 害 者 に 対 する特 別 な支 援 はなか っ た
特 に 連 絡 が あっ た わ け でも ない た め
避 難 所 では ストーブ も なく 、食 べる も の も なかっ た
山 形 で災 害 が ない ため なに も ない
冷 水 車 が 遠 い 、順 番 待 ち が なが い
覚 えてい ない
何 も なか っ た
ど の よ うな対 応 を し たの か わ から ない
35
災害時における在宅医療の現状
災 害 時 の医 療 的 ケア(排 便 )についてお尋 ねします
1.排 便 は日 常 でもケアを必 要 としていないので困 らなかった。
36
2.排 便 に困 った。 困 った理 由 は何 ですか?※複 数 回 答 可
17
①浣 腸 液 が無 かった。
0
②洗 腸 道 具 が無 かった 。
1
③場 所 の確 保 が難 しかった。
7
④おむつが無 かった。不 足 した。
8
その他
14
その他 困 った物
〇 困 ったその時 どうしましたか?
2 日 分 オ ムツ を 持 ち出 し た の で困 ら なか っ た
―
計 画 停 電 のた め いつ も の時 間 に 洗 腸 する こと が 出 来 なか
お 湯 の 出 る 時 間 に ずら し て洗 腸 し た 。( 生 活 リズ ムが 多 少
った。
み だ れた )
水 洗 トイ レ 使 用 不 可 だ った の で
お む つ にた めた
洗 腸 に 使 うぬ るま 湯
洗 腸 し た ば かり だ った の でなんと か
停 電 の ため 暖 房 出 来 なか った
―
予 備 は あ った が 、それ を 置 い てあ る 場 所 が地 震 のた め 入
摘 便 用 手 袋 が 手 に 入 ら なか った 。
れ ず 、安 全 確 認 後 に 入 っ て手 に 入 れ る こと が 出 来 た 。
テレ ミ ン ソ フ トの工 場 が 被 災 し た
―
トイ レ が 使 えなか っ た
ラ イ フ ラ イ ン の ある 他 県 に移 動 し た
水 が 出 ない ため トイ レ が 使 えない
学 校 の 水 道 水 を 分 け ても ら い その 都 度 バ ケ ツ で流 した
水 の確 保
給水
―
2 , 3 日 だ った の で我 慢 した
―
い つ も 使 っ てい るも の が なく い ろい ろ なお 店 を ま わっ た
―
学 校 長 と 地 区 P TA の 人 達 と 市 役 所 に 行 っ て話 を した 。
災 害 時 手 術 後 で自 治 医 大 に入 院 中 のた め 、子 供 の と こ
ろ へ 行 く 交 通 手 段 が なかっ た が病 院 か ら 連 絡 を も ら い ドク
―
タ ーが 見 てく だ さる と の こと で安 心 し た 。様 子 は わか ら な
い。
―
市 販 の を 買 った と 思 う
摘 便 と 浣 腸 だっ た の で避 難 所 では でき ず 、日 中 自 宅 に 戻
―
っ てお こなっ た 。
電 気 の 復 旧 ま でラ イ トを 使 用 した 。オ ムツ など の必 需 品 は
―
多 め に 準 備 い てい た 。
36
災害時における在宅医療の現状
―
と に か く 神 戸 を 脱 出 する し か なか っ た 。(3 日 間 )
―
何 軒 も店 を回 った
困 らなかった意 見 集 約
トイ レ は 無 事 だ った の で困 ら なか っ た
浣 腸 液 を い つ も多 め にも ら っ てい る の で幸 い 大 丈 夫
困 ら なか っ た
自 宅 に 被 害 は なか っ たの で困 らなか っ た
困 ら なか っ た
物 品 は あ った の で特 に困 ら なかっ た
困 ら なか っ た
困 っ た こと は なか った よ うに思 いま す。
特 に 困 ら なか った
災 害 時 の医 療 的 ケア(導 尿 )についてお尋 ねします。
1.導 尿 は日 常 でも行 っていない。
2.導 尿 には困 らなかった。
15
その理 由 は何 ですか?
① 日 頃 か ら カ ーテーテル を 多 く使 っ てい ない か ら 。
16
63
② 災 害 の と きの 為 に カ テーテル を ストッ ク し てい た 。
29
③ その他
18
3.導 尿 に困 った。
具 体 的 な理 由 は何 ですか? ※ 複 数 回 答 可
1) カテ ーテ ルが不 足 した。
不 足 したカテ ーテ ルはどうしましたか?
3
① セ ル フ カ テを い つ もよ り 長 く 使 っ た 。
② デスポ カ テ( 使 い 捨 て) を 再 利 用 し た 。
1
7
2
③ 病 院 か ら調 達 し た 。
0
④ 自 治 体 に 用 意 し ても ら った 。
0
⑤ その他
1
2) カテ ーテ ルを災 害 で無 くして困 った。 無 くし たあとど のようにしましたか?理 由 :
1
2.② 災 害 のときの為 にカテーテルをストックしていた本 数
ストック本 数
回答人数
30
1
50
7
100
8
150
1
200
2
500
2
コメント:
37
災害時における在宅医療の現状
2.導 尿 には困 らなかった。
その理 由 は何 ですか?
医 院 が 開 い てい た
多 め に い ただ い てい るた め 1週 間 なら 間 に 合 う
携 帯 用 カ テーテル を 身 に 着 け てい た か ら
災 害 時 の カ テーテル の 再 利 用 の 仕 方 を 事 前 に病 院 か ら聞 いてい た
災 害 用 では ない が ストッ ク が あっ た
再 利 用 できる カ テーテル で洗 って使 っ た
自 宅 で生 活 出 来 た の でカ テーテル も あ っ た 。
使 い 捨 てでは なか っ た の で熱 湯 消 毒 し た
当 時 は まだ 導 尿 を始 め てい なか っ た 。
入 院 中 だっ たた め
バ ル ーン 留 置
日 頃 か ら 少 し 多 め に ストッ ク し てい る
必 要 分 は 持 ち 出 し たの で困 ら なか っ た 。
病 院 でも ら った
物 品 を も ら った ば かり だ った の で
水 が 使 えない と き のた めポ ケ ッ トカ テーテル を 5 0 本 ストッ ク
余 分 に あ った
留 置 カ テーテル 使 用
3.導 尿 に困 った。
1) カテ ーテ ルが不 足 した。
⑤その他 :水 不 足 のため手 洗 いなど清 潔 さを整 えることができなかった。
コ メ ント : 導 尿 の 際 清 潔 さを 保 つ こ と は極 めて 重 要 です 。災 害 時 すべ ての環 境 が 悪 い
中 導 尿 の不 潔 さから膀 胱 炎 などを起 こしてしまう可 能 性 が大 きく、かつ、抗 生 物
質 も不 足 することから、最 低 でも手 洗 い、尿 道 口 の消 毒 (衛 生 的 にする)が不 可
欠 であ り、カテ ーテ ルは清 潔 な水 で洗 い流 す程 度 は行 うよう努 力 する必 要 があ
ると考 える。
2) カテーテルを災 害 で無 くして困 った。
無 くしたあとどのようにしましたか?理 由 :
車 が 土 砂 崩 れ の ため 動 けず 、家 ま で戻 った が 車 に鍵 が あ ったた め 鍵 屋 さ んが 来 るま で中 に 入 れ なか っ た 。
コメ ン ト:
38
災害時における在宅医療の現状
災 害 時 おむつが不 足 していた方 にお尋 ねします。
① 足 りなかった分 は自 分 で購 入 し対 応 した。
22
② サイズが合 った 物 を行 政 、ボランティア 団 体 から支 援 を受 けた。
1
③ サイズが合 わなかった が行 政 、ボランティア団 体 より支 援 頂 いた 。
0
④ その他
5
④ そ の他 の意 見
愛 知 の 実 家 で購 入 し て送 っ てもら っ た
学 校 に お い てあ っ たオ ムツ を と りに 行 っ た 。友 人 か ら ナ プ キン をか き 集 め た 。トイ レ ッ トペ ーパ ーも も ら った 。
水 道 が でた の で洗 濯 を し て過 ごし た
ストッ ク 1 箱
代 用 品 (生 理 用 ナ プ キン など )
災 害 時 避 難 所 等 で過 ごされた方 で、困 ったことについてお尋 ねします
1) 洋 式 のトイレがなかった。
0
2) 人 目 が気 になり必 要 回 数 排 泄 ができなかった。
4
3) 褥 瘡 の悪 化 が心 配 だった。
0
4) 移 動 時 に段 差 や通 路 に十 分 な幅 が無 く不 便 を感 じた。
0
5) 介 助 してくれる人 がいなくて困 った。
0
6) 排 泄 後 の衛 生 面 が確 保 できず心 配 だった。
3
7) 医 師 、看 護 師 がおらず不 安 だった。
0
8) 電 気 が無 かったので夜 間 の介 助 が困 難 だった。
1
9)その他 ①
6
9)その他 の内 訳
寒 かった
祖 母 の実 家 に避 難 したので困 らなかった。
他 世 帯 の方 との共 同 避 難 生 活 は困 難 と考 え他 地 区 にあるウィークリーマンションで一 人 過 ご
し不 安 だった。その後 役 所 へ行 き災 害 が起 きた時 に様 子 を見 てくださる方 の相 談 をしたが、面
識 のない民 生 委 員 の方 に「自 分 で連 絡 して下 さい」と言 われた。
余 震 と津 波 の恐 れがあるため6階 まで階 段 をのぼる必 要 がありつらかった。
ゴミ回 収 がないのでオムツが何 日 も捨 てられない。
PTがいなかったので機 能 訓 練 ができなくて不 安 だった
39
災害時における在宅医療の現状
災 害 を経 験 したことで、経 験 していない方 にアドバイスをするとしたら何 がありますか。
1 か 月 分 く ら い の ストッ ク は し てお い た ほ うが い い 。
S NS で知 り 合 い と つ ながっ てお く
一 般 の 方 に 比 べ ても 備 えが 大 事 だ と 思 い ま す。
い つ も 使 っ てい るも の を 日 ごろか ら ストッ ク し てお く
医 療 的 ケ ア 用 品 は 少 し 多 め にストッ ク し てお い た ほ うが い い 。
オ ムツ 、排 便 用 具 、カ テーテル は 日 頃 か ら余 裕 を 持 っ てストック し てお い た ほ うが い い 。
お む つ など 常 に多 め に ストッ ク してお く こと
会 社 でエ レ ベ ータ ーが 動 か なくなり ま し た 。地 震 の揺 れ が ひどく自 力 では 動 け ませ んでし た が 、周 り の 方 に 助 け てもら っ
た 。周 り の 方 や会 社 の 障 害 に対 する 理 解 は大 事 だ と 思 う。
会 に 入 会 し 常 に情 報 の 交 換 を 行 い 、災 害 に あ った 時 こそ 互 いに 助 け 合 うこと が 大 事
家 族 が 離 れ てい る とき あわ てず、連 絡 が と れ る すべ を 考 えておくこと
ガソリン
カ テーテル 、お む つ 等 の ストッ ク
カ テーテル 、紙 お む つ 、清 浄 綿 を ストッ ク し てお く こと
カ テーテル 、浣 腸 、薬 など は 余 分 に 持 っ てお く 。
カ テーテル や 紙 お む つ などそ の辺 で買 えない も の は 常 に ストック を 持 っ たほ うが い い 。
薬 、カ テーテル 、お む つ 、水 、予 備 が 学 校 や家 に あ る こと が大 事
薬 の確 保
車 が 無 事 だ っ た こと と ガソ リ ンが沢 山 入 っ てい たの で他 県 に 移 動 する こと が できた 。他 県 に 移 動 する 前 に そち ら の役 所 と
連 絡 を と り 宿 泊 場 所 、お む つ のこと など 相 談 に の っ ても ら い用 意 し ても ら っ た 。今 ではガ ソ リンを こま め に 入 れ る 事 、お む
つ 、お し り ふ き 、薬 等 を 袋 に 入 れ 車 、会 社 、友 人 宅 に置 い てあ る 。ラ イ フ ラ イ ン の し っか り し ている と ころ に と り あ えず 、行 く
こと が 安 心 だ と 思 いま す。
ケ ア に 必 要 なも の は少 し でも ストッ ク し てお く べ き である 。
計 画 停 電 でエ レ ベ ータ ーが 使 えなか っ た の で車 椅 子 の 方 は 不 便 だ と 思 った
災 害 時 に は カ テーテル や お しめを 用 意 し てお く と よ い です
災 害 時 に は 少 しく ら い 普 通 の ような衛 生 面 に なら なく ても 仕 方 ない と 思 わ ない と や っ てい け ませ ん。
自 宅 前 の 学 校 が 避 難 所 と なり 何 百 人 と い う人 が ヘ リ で運 ばれてき た 。被 害 の方 ば か りに 目 が行 きま すが 、避 難 所 は
人 々 の 不 安 、い らだ ち 、の かたま り です。日 が 経 つに つ れ 恐 怖 さ え感 じ た 。自 分 の 家 族 は し っか り 自 分 たち で守 っ てく だ さ
い。
スーパ ーでレ トル ト食 品 が 和 風 の も の だ け売 り 切 れ ていた 。( ラテッ ク スア レ ル ギ ーは トマト、ジ ャガ イ モ 等 たべ れ ない の で)
常 に 和 風 の レ トル ト食 品 を ストッ ク し てお く 。
少 なく と も カ テーテル は 常 に身 に つ け てお く こと
ストッ ク は し てお く べ き
40
災害時における在宅医療の現状
ストッ ク を 用 意 し てお く こと
絶 対 必 要 な物 は多 め に ストッ クし てお い た ほ うが よ い 。
通 院 に 備 えてガ ソリ ン は 常 に 一 定 量 確 保 。
使 い 捨 ての カ テの 用 意 は難 し い の で、使 い 捨 てでは ない も の を 使 わ ず に持 っ てお くの が い い 。紙 お む つ やパ ッ トは ど うし た
ら 良 い の か 教 えてほ し い 。
トイ レ 道 具 は ストッ ク し てお い たほ うが い い
導 尿 、排 便 で日 ごろ 使 うも の を多 め に もら い 常 に 持 ち 歩 く こと
導 尿 セ ッ ト、お む つ 、薬 等 日 頃 か ら 多 めに 用 意 し てお く必 要 があ る 。
寝 てい る と ころ に 家 具 や 物 が落 ち てこない よ うに
日 頃 か ら 日 用 品 、食 料 品 を ストッ ク し てお く
日 頃 か ら 必 要 なも の は ストッ クし てお く
必 要 なも の は 車 に 常 備
避 難 場 所 の確 認
普 段 か ら 被 災 し た 際 の シ ュミ レーシ ョ ン を し てお く こと が 大 切
部 屋 に トイ レ 道 具 を 用 意 し ておく
水 、食 糧 、電 池 など は 常 備 し 、取 り 出 し や すい 所 に 置 い ておくこと が 大 切 だ と 思 った 。
水 は 一 番 大 切 です。
水 や 電 気 が止 ま った 時 のシ ュミレ ーシ ョ ン を し てみ る
Ⅲ .ヒ ア リ ン グ 調 査 結 果
各地でヒアリングした結果としてはどの様に災害に備えるかである。震災を経験し
た 神 戸 で も 災 害 に 対 す る 病 院 の 備 え は 万 全 と は 言 え な い 状 況 で あ っ た 。( 何 が 万 全 か
は定義によって異なるが)患者が災害時どような状態におかれているかで病院の役割
も大きく変わるように感じる。
①
患 者 が 病 院 で 治 療 を 受 け た い と 考 え た 時 、掛 か り 付 け の 大 き な 病 院 は 被 災 者 の 受 け 入
れ で 忙 し く 慢 性 疾 患 患 者 の 受 け 入 れ は 難 し い と 考 え る 。近 く の 開 業 医 と 在 宅 医 療 で 連 携
を 取 り 、排 泄 に 関 す る ス ト マ 装 具 、カ テ ー テ ル 、浣 腸 液 な ど を 日 頃 か ら 用 意 し て も ら っ
ているなどの工夫をしている。
②
病院側では平常時であれば受け入れられる患者も災害時は受け入れられない。また、
カルテ等も損失している可能性があるなどのから患者をトリアージせざるを得ないこ
と が 考 え ら れ る 。そ の よ う な 時 、患 者 の 情 報 を い ち 早 く 見 分 け る 必 要 が あ る 。そ の 為 に
は 患 者 が 自 分 の 個 人 情 報 を 持 ち 歩 く 必 要 が あ る 。一 番 良 い の が 自 己 カ ル テ を 持 ち 歩 く こ
と で あ る が そ れ は 非 常 に 困 難 と 考 え る 。日 本 二 分 脊 椎 症 協 会 で は「 二 分 脊 椎 症 フ ァ イ ル 」
を 作 成 し 会 員 に 家 で 保 管 す る 様 指 導 し て い る が 、災 害 時 フ ァ イ ル を 持 っ て 歩 く こ と は 難
しいし現実的ではない。今回病院関係者からは二つの提案を受けた。
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災害時における在宅医療の現状
1)
本人が負傷したときの為に最低限の情報をQRコードにまとめ携帯電話にスト
ラ ッ プ と し て ぶ ら 下 げ る 。こ れ に よ り 本 人 が ト リ ア ー ジ の 際 医 師 は す ば や く 患 者
本人の既往症等が把握出来治療も速やかに受けられる。
2)
携帯電話に自分のカルテを記憶させておく。
常 用 し て い る 薬 、拒 絶 反 応 を 起 こ す 薬 、ア レ ル ギ ー 等 々 を 記 憶 さ せ て お け ば 携 帯
電 話 が 電 子 カ ル テ に な る 。ス マ ー ト ホ ン で あ れ ば M R I や C T の 画 像 も 保 存 可 能
となります。
ヒアリングした方々は災害に対し準備をされていたが、実際に自分が災害にあうとやは
り万全は無いことを認識したと言っておられました。
この提案はⅥ提言で実際に作成してみました。現状ではすばらしいアイデアであると関
心致しました。広く利用されるべきものと考えます。
Ⅳ .災 害 時 の 問 題 点
1. 調査から明らかとなった問題点
アンケート及びヒアリング調査で明らかになった問題点は
・日頃の備え
・在宅でのケアレベル維持
・自分で出来ること
・他人にお願いすること(近所)
・行政にやってもらうこと
・病院との関わり方(大きな病院と近くの開業医とのすみ分け)
これらを整理することで災害時の対策が確立できると考えます。
2. 他の研究者からの指摘事項
今回の期間中に日本二分脊椎研究会が仙台で開かれ多くの研究者が発表されてお
りました。その中でも災害に直面した医師、看護師からの指摘として、在宅医療を
受けていた患者さんが津波で全て流され、数日間医療的ケアを実施することが出来
なかったとの報告がありました。これは極端な例かもしれませんが、全てを失うこ
とも前提に備えを考える必要があると感じました。
Ⅴ .ま と め
当たり前のことですが「備えあれば憂いなし」です。では、在宅で医療的ケアを行
っている方々はどの様に備えたら良いのでしょうか。
42
災害時における在宅医療の現状
1.ふだんの在宅医療レベルの維持
1)
家で行っている行為が自家用車の中や避難所で行えるか?
・自家用車には常に非常用の「医療的ケアのセット」を用意しておく。
・自分に合わせたケア方法のみでなく、非常時のケア方法も考えておく。
2)
災害時は症者本人だけになることが考えられる。そのときどうするか?
・症者本人だけになる場合を想定して、手助け頂ける方がわかりやすいケア
方 法 を わ か り や す い 場 所 に 掲 示 し て お く 。( 本 人 が 説 明 で き る よ う に し て お
く)
3)
衛生用品の代替え品はあるか。
・代替えの利く物利かない物を考え整理しておく。
2.具体的な備え
1)
備 蓄 物 品 は 自 宅 ( 自 家 用 車 )、 町 内 会 の 倉 庫 、 避 難 所 の 倉 庫 等 々 最 低 で も 3
ヶ 所 に ス ト ッ ク す る の が 望 ま し い 。海 岸 沿 い は 津 波 で 喪 失 す る 事 も 考 慮 し て 高
台 の 場 所 に 確 保 す る こ と は 必 要 。※ 集 中 豪 雨 で 河 川 の 氾 濫 を 起 こ す 危 険 が 想 定
場所はその範囲の外に確保する。
2)
オムツは高齢者用の物は各自治体で用意配給される可能性があるので、それ
以外の物で症者が必ず必要な物(代替えが利きそうな物は利かせる)
3)
カテーテル等は最悪の場合1本でも洗い回しで使用することも視野に入れて
必要以上の物を確保する必要は無い。自分のバックの中、車いすのポケットの
中等々あらゆる場所に忍び込ませて置く事が大事である。
4)
自宅であれば問題ないが避難所等では汚物の処理が肝要である。配給される
事は十分考えられるがそれまでの一時的な保管用のビニール袋が必要である。
経験者の意見の中には料理用のラップが重宝する様である。臭いのするものは
包んでしまうということである。
5)
これ以降は経験者の意見から“有ればいいな”と言う物品。すべて揃えたら
自宅そのものになってしまうため。
・ガソリン、電池、懐中電灯、ラジオ、卓上コンロ、発電機
・毛布、新聞紙、懐炉
・携帯用ビテ(女性用)
3.町内での助け合い
避難所で生活することにならなくても、自宅で十分な在宅医療を行えるとは限ら
ない。また、避難所が一杯で入れない等々災害時はどのように対応するか、するべ
43
災害時における在宅医療の現状
きか悩むところだと思います。この様な時は町内の人に手助けを求めましょう。災
害の時だけ人間関係を求めることは不可能ですから、日常より町内会のイベントに
参加することをお勧めします。どこの町内会でも防災訓練は必ずあると思いますの
でこれに参加し、町内の方と親密な関係(1名もしくは2名程度良き理解者を町内
いらっしゃればベストです)と医療的ケアが必要な現状をそれとなく理解を求めて
おくのも良い手段と考えます。出来れば町内会の倉庫等があれば空きスペースを利
用させて頂く事や高齢者用のオムツの他に自分に合ったサイズも用意頂く様行政に
働きかけて頂くのも良い方法と考えます。
※
良 き 理 解 者 を 育 て て も 、導 尿 や 浣 腸 、洗 腸 は 医 行 為 に 該 当 し ま す 。医 師 や そ の 医
師の指揮下に無い者が医行為を行うことは法律で禁止されています。直接の処置
は禁止されていますが、補助行為は許されております。
日本二分脊椎症協会としてはこの様な導尿、浣腸、洗腸は生活行為であり一定
の範囲の中では講習等を受けた技能者は認められるべきと主張しております。災
害時等の非常事態においても、症者本人が認める範囲の中でこれら医行為は善意
の第三者が行うことは認められるべきと考えます。
4.行政にお願いすること。
行政にお願いすべきことはⅥ.提言にてまとめております。
国政レベル、都道府県レベル、市町村レベルでまとめていかなくてはなりません
が、在宅で医療的ケアを行っていると“医行為”という高い壁に当たります。災害
時法を遵守していれば助かる命も助からず、重症にならなくてよい者も重篤化する
可能性があります。平常時から法の解釈を柔軟にしておかないと、災害時において
医療的ケアを必要とする者達は見捨てられる可能性が高いことを提言したい。
5.病院の利用方法
今回の調査において、通院している病院が災害時に受け入れ可能であるかについ
て伺いましたが、多くの方が”不明”と回答されています。大きな病院であればあ
るほど災害時は野戦病院化することは今回の震災でも経験済みのことであることか
ら、災害の規模にもよるが大きな病院と地域の開業医とを使い分ける必要がある。
平常時でも、在宅医療機関として利用している開業医は常用薬やストマ装具、カ
テーテルが用意されているので災害時も利用すべきであると考える。日頃からその
様な意思の疎通を開業医とはかっておくべきである。
44
災害時における在宅医療の現状
Ⅵ .提 言
1.災害時のトリアージ対策
災害時の第一線の現場では健常者も障害者も同じである。助かる命を助けるのが医
療関係者使命である。しかし、障害を持った者に対して医療関係者はどのように考え
るだろうか?
①
何か使用してはいけない薬物はあるか?
②
ペースメーカーやシャントは入っていないか?
③
アレルギー等はないか?
等々であろうと考える。このとき、救護者が一目で見て判るものがあれば躊躇するこ
となく救護は進むと考える。そこで、障害者は携帯電話のストラップに医療情報をQ
Rコードとして持つ対策を進めたらよいのではないかと考える。
実際にQRコードを作成してみました。
<記述した内容>
二 分 脊 椎 症 、 板 橋 区 小 茂 根 1-1-10
03-3974-1800
水頭症、シャントあり、膀胱直腸
障害あり、薬:クラビット、ケフラール<注意>ラテックスアレルギーあり、導尿は
3時間毎
<作成したQRコード>
QRコードはインターネットで無料ソフ
トを使用し作成した。
利点:
①誰でもすぐ個人の内容に合わせたQR
コードが作成出来る。
② 読 み 取 り 装 置 は い ら な い 。携 帯 電 話 の 付
属ソフトで読み取れる。
欠点:
今回使用したソフトは90文字が理想
①QRコードがいつまで利用価値の高い
であると解説されていたので89文字で
ソフトであるか不明。
作 成 し ま し た 。色 々 記 載 し た い こ と は 多 い
② 情 報 量 が 少 な い 。( ス マ ー ト ホ ン へ の 情
の で す が 、情 報 が 多 す ぎ る の も 問 題 で あ る
報の移行が必要な時期が来ると考える。
ので必要な事項のみを記載した。
情報の発信としては単純で誰でも作成が簡単に出来て、特殊な読み取り装置もいら
45
災害時における在宅医療の現状
な い こ と を 考 え れ ば 、現 段 階 で は 有 効 な も の で あ る 。
(災害はいつ起こるか判らないの
でその時代時代で良い物を選択していくべきである。
携帯電話のストラップにQRコードを取り付けました。
この携帯電話の付属ソフトで読み取
ったところ正常に内容が表示されまし
た。このほかにも非常時に使用する笛
(ホイッスル)を取り付ければ、現段
階で災害時の自己防衛のグッズとして
は良いのではないでしょうか。
2.ラテックスアレルギー対策
医療的ケアを考える上でアレルギーは気をつけなくてはいけない。非常時に医師や
看護師、救助の警察、消防、自衛隊などが天然ゴム製品を常備(海外からの援助物資
に入っていた場合)していたとすると、ラテックスアレルギーでショックを起こす可
能性があるので十分注意が必要である。このことは各行政が十分知り得なければなら
ない重要な事項である。
国内及び海外からの物資にはラテックスアレルギーを起こす天然ゴム製品は使わな
い取り組みを進めるべきであると考える。
3.行政は避難所等は排泄障害者への取り組みを強化すべきである。
排泄障害を有する者はその衛生管理は必須であり、トイレがあれば排泄が可能であ
るとは言い切れない。避難所等では在宅で行っている医療的ケア環境がなくてはなら
いので下記の事項を要望する。
①
洋式トイレの配備かつ車いすで入室可能で、移乗用ベットの配備。
②
オムツ処理の為の専用ごみ箱の配備。
③
洗腸等で長時間使用可能な個室の配備。
4.DMAT(災害派遣医療チーム)は導尿用のカテーテルを常備保持すべ
きである。
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災害時における在宅医療の現状
DMATは災害時導尿用のカテーテルを常時保有し、カテーテルを必要とする者が
いれば支給すべきである。東日本大震災においてカテーテルを流失してしまった症者
医療機関よりカテーテルの支給が受けられなく苦慮した経験があり、緊急時派遣され
るDMATはカテーテルを常備すべきであると考える。
導 尿 、 洗 腸 、 浣 腸 等 の 医 行 為 は 災 害 時( 非 常 事 態 時 ) は 症 者 本 人 及 び 保
5.
護 者 の 依 頼 を 受 け た 善 意 の 第 三 者( 医 療 資 格 の 無 い 者 )が 行 う 事 を 可 能 と
すべきである。
導尿、洗腸、浣腸等は医行為とされ、医師の指導のもと本人もしくは保護者、医
師の指揮下の看護師は行っても良い行為とされています。災害発生時に医師や看護
師が症者の指揮指導出来るとは考えにくいし保護者もその場に必ず居てほう助出来
るとも言い切れない。この様な災害時においてはこれらの医行為は本人もしくは保
護者が承諾した第三者が行える様法律の改正が行われるべきと考える。
平時においては講習等を受けた者が行える様法律を改正すべきであり、災害時に
は最大限の許容を認めるべきと考える。
厚生労働省は”医療的ケア”に対し”医行為”である各ケアの内容を精査し、患
者や関係者が生活行為として行っている行為は”一定の基準”を設けて”その生活
行 為 ” を 行 え る 「 医 療 的 ケ ア 師 ( 導 尿 等 )」 認 め る べ き で あ る 。
<医療的ケアの内、生活行為とすべきもの>
①
導尿行為
②
浣腸、洗腸等の排泄行為
<一定の基準>
上記の医行為を第三者が行う上で下記の様な一定の基準を提起する。
①
本人及び家族の同意。
②
主治医の指導。
③
医 師 に よ る 座 学 ( 3 時 間 程 度 )、 実 技 指 導 ( 3 時 間 程 度 )
Ⅶ .謝 辞
今回の研究に対し多くの方に貴重な時間を割いていただきご回答いただきました。こ
の場を借りて御礼申し上げます。また、多くの方からヒアリング希望を申し出て頂きあり
がとうございました。時間の関係で数名の方にお聞きするだけとなり誠に申し訳ございま
せんでした。重ねて御礼申し上げます。
2012年度前期
公益財団法人
在宅医療助成
勇美記念財団助成事業による
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