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公共施設の最適化基本方針

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公共施設の最適化基本方針
公共施設の最適化基本方針
1
公共施設の現状
厚木市では、市民の努力と企業集積地としての優位性による豊かな財政状況を背景と
して、人口増加が著しい昭和 40 年代から 50 年代を中心に、多くの公共施設を集中的に
整備してきました。公民館 16 館、児童館 37 館、老人憩の家 41 館など地域活動の拠点と
なる公共施設を始め、小学校 23 校、中学校 13 校など、平成 24 年6月末現在、本市が所
有している建築物だけでも 777 棟(329 施設)、床面積の合計は約 57 万1千平方メート
ルとなっています。この面積を人口一人当たりに換算すると、2.55 ㎡/人となり、神奈
川県平均の 2.36 ㎡/人(秦野市算出)を上回っています。また、内訳としては、学校施
設が約 51%と全体の約2分の1を占めています。
こうした状況は、近隣市に比べ公共施設が充実している一方、建築後 30 年を経過する
施設は約 22 万6千平方メートル、そのうち 40 年を経過する施設は約5万1千平方メー
トルとなっており、施設の老朽化が一斉に進み、近い将来集中的に更新時期を迎えるこ
とになります。
(1)急激な人口増加
昭和 40 年に 61,383 人であった人口は、昭和 60 年には 2.86 倍の 175,600 人まで急
増し、この間の5年刻みの人口増加率は平均で 30%を超えています。昭和 60 年以降
も着実に人口は増加していますが、人口増加率は徐々に減少し、平成 17 年から平成
22 年までの5年間の増加率は 0.9%となっています。
このように、本市は、東名高速道路や国道 246 号などが完成した昭和 40 年代から
50 年代にかけての急激な人口増加とともに都市化が急速に進行しました。
人口の推移と増加率
(人)
(%)
250,000
40.0
35.0
32.8
200,000
208,627
33.4
31.4
35.0
197,283
30.0
175,600
25.0
145,392
150,000
20.8
108,955
20.0
17.3
100,000
15.0
82,888
12.3
61,383
50,000
217,369
222,403 224,420
39,409
10.0
46,239
5.8
4.2
5.0
2.3
0
S30
S35
S40
S45
S50
S55
人口(人)
1
S60
H2
増加率(%)
H7
H12
H17
0.9 0.0
H22
年度
(2)公共施設の整備状況と保有量の推移
平成 24 年6月末現在、本市の保有する公共施設(建物)の総保有量は 777 棟(329
施設)、総床面積の合計は約 57 万1千平方メートルとなっています。
また、前述のとおり、本市は昭和 40 年代から昭和 50 年代の急激な人口増加に対応
するため、昭和 50 年代を中心に公共施設を集中して整備してきました。
特に整備面積が大きい昭和 53 年度には小鮎中学校や小鮎小学校を始めとする小中
学校の新設・増設や、文化会館の新設など約3万4千平方メートル(15 施設)を、昭
和 57 年度には婦人会館(現パートナーセンター)や保健センターなど約2万7千9百
平方メートル(21 施設)を、昭和 59 年度には中町第2‐1地区市街地再開発事業に
より、中央図書館やヤングコミュニティセンター、子ども科学館などを含んだシティ
プラザなど約2万5千4百平方メートル(18 施設)を、そしてピークである昭和 62
年度には睦合東中学校や戸田小学校の新設、七沢自然ふれあいセンターや環境センタ
ーなど約4万3千5百平方メートル(20 施設)を整備しました。
この集中整備を進めた昭和 50 年度から平成2年度までの 16 年間の合計面積は、約
35 万5千平方メートルであり、現在の公共施設全体の 62%を占めており、この間に集
中して整備してきた状況が伺えます。
公共施設の保有量
年度別床面積(㎡)
累計建築床面積(㎡)
50,000
600,000
45,000
500,000
40,000
35,000
400,000
30,000
25,000
300,000
20,000
200,000
15,000
10,000
100,000
5,000
0
昭和29年度以前
昭和31年度
昭和33年度
昭和35年度
昭和37年度
昭和39年度
昭和41年度
昭和43年度
昭和45年度
昭和47年度
昭和49年度
昭和51年度
昭和53年度
昭和55年度
昭和57年度
昭和59年度
昭和61年度
昭和63年度
平成2年度
平成4年度
平成6年度
平成8年度
平成10年度
平成12年度
平成14年度
平成16年度
平成18年度
平成20年度
平成22年度
平成24年度
0
年度別建築床面積(㎡)
2
累計建築床面積
(3)公共施設の経過年数
平成 24 年6月末現在、本市が保有する公共施設の経過年数を見てみると、老朽化が
見え始めるとされる建築後 20 年以上経過した建物は公共施設全体の約 76%となって
おり、各公共施設の種類別では、学校施設の約 87%、庁舎他の約 68%、消防施設の約
66%、公営住宅の約 30%が建築後 20 年以上経過しています。
また、老朽化が顕著に現れてくるとされる建築後 30 年以上経過した建物は、公共施
設全体の約 40%となっており、特に学校施設については半数以上(約 58%)の建物が
建築後 30 年以上経過している状況となっています。
【市有公共建築物ストックの状況】
経過年数
庁舎他
(単位;㎡)
学校施設
消防施設
公営住宅
全体
棟数
40 年以上
22,817.31
9.40%
26,637.64
9.14%
53.80
0.46%
1,367.76
5.07%
50,818.51
8.89%
81 棟
30∼39
27,833.91
11.46%
141,381.52
48.55%
3,755.07
32.09%
2,259.78
8.75%
175,230.28
30.66%
151 棟
20∼29
113,742.71
46.85%
85,171.45
29.25%
3,875.60
33.13%
4,041.16
15.65%
206,830.92
36.19%
285 棟
10∼19
57,194.74
23.56%
25,009.83
8.59%
3,361.82
28.73%
12,117.88
46.92%
97,684.27
17.09%
156 棟
10 年未満
21,200.16
8.73%
13,003.58
4.47%
653.81
5.59%
6,098.03
23.61%
40,955.58
7.17%
104 棟
計
242,788.83
100.00%
291,204.02
100.00%
11,700.10
100.00%
25,826.61
100.00%
571,519.56
100.00%
777 棟
(用途別)
42.48%
50.95%
2.05%
4.52%
100.00%
各公共施設における経過年数の割合
庁舎他
11.46%
46.85%
23.56%
8.73%
9.40%
約 58%
消防施設 5.59%
公営住宅
10%
15.65%
46.92%
20%
30%
10年未満
40%
10∼19年
50%
20∼29年
3
0.46%
32.09%
33.13%
28.73%
23.61%
0%
9.14%
48.55%
29.25%
学校施設 4.47% 8.59%
60%
70%
30∼39年
80%
40年以上
8.75% 5.07%
90%
100%
(4)市内の各地区における公共施設の整備状況
ア 地区別の公共施設の整備状況
地区別の公共施設の整備状況を見てみると、市役所本庁舎を始め、総合福祉セン
ター、中央図書館やヤングコミュニティセンターなど、全市的な公共施設(コア施
設)が整備されている厚木北地区に 21.7%と最も多くの公共施設が整備されており、
次いで、人口の多い南毛利地区(11.4%)、荻野地区(9.7%)に多くの公共施設が
整備されています。
公共施設の整備状況(地区別割合) 単位:%
厚木南, 3.0 睦合北, 2.2
南毛利南,
緑ヶ丘, 1.9
3.2
厚木北, 21.7
森の里, 3.2
睦合西, 3.3
相川, 5.5
玉川, 5.5
南毛利, 11.4
依知北, 5.9
小鮎, 7.5
荻野, 9.7
依知南, 7.8
睦合南, 8.2
公共施設の整備状況(地区別)
No
地区名
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
計
123,891
65,014
荻野
55,501
睦合南
46,809
依知南
44,769
小鮎
42,712
依知北
33,485
玉川
31,594
相川
31,206
睦合西
18,868
森の里
18,567
南毛利南
18,160
厚木南
17,133
睦合北
12,737
緑ヶ丘
11,073
合計 571,519
1 厚木北
2 南毛利
3
公共施設の建築床面積 (㎡)
学校施設
16,831
35,039
27,919
35,963
22,382
22,014
26,294
13,042
24,464
7,583
16,205
16,113
8,711
9,456
8,404
290,421
公営住宅
2,260
887
0
6,494
0
5,938
0
0
112
6,094
0
0
4,041
0
0
25,827
4
消防施設
2,442
735
2,036
80
1,001
880
475
1,482
920
288
0
169
0
1,192
0
11,700
庁舎他
102,358
28,354
25,546
4,272
21,387
13,880
6,715
17,070
5,709
4,902
2,362
1,878
4,381
2,089
2,669
243,572
割合
(%)
21.7
11.4
9.7
8.2
7.8
7.5
5.9
5.5
5.5
3.3
3.2
3.2
3.0
2.2
1.9
100.0
イ
地域拠点施設の整備状況
地域拠点施設の整備状況を見てみると、公民館が 23,321 ㎡と最も多く、老人憩の
家が 7,590 ㎡、児童館が 7,847 ㎡となっており、人口1人当たりの床面積(建築の
床面積)は 0.17 ㎡/人となっています。
また、地区別の整備状況を見てみると、人口の少ない玉川地区や緑ヶ丘地区の1
人当たりの床面積が、それぞれ 0.59 ㎡/人、0.54 ㎡/人と平均値を大きく上回って
おり、逆に、コア施設の多い厚木北地区(0.06 ㎡/人)や人口が多い南毛利地区(0.10
㎡/)では、1 人当たりの床面積が小さくなっています。
人口1人当たりの床面積(地域拠点地区)
(㎡/人)
0.60
0.50
0.40
0.30
0.20
平均
0.17
0.10
相
川
緑
ヶ
丘
の
里
森
玉
川
毛
南 利
毛
利
南
南
小
鮎
荻
野
合
西
睦
合
南
睦
合
北
睦
知
南
知
北
依
依
木
南
厚
厚
木
北
0.00
(地区名)
各地区の人口1人当たりの床面積
地域拠点施設(公民館・老人憩の家・児童館)の地区別整備状況
No
地区名
1 厚木北
2 厚木南
3 依知北
4 依知南
5 睦合北
6 睦合南
7 睦合西
8 荻野
9 小鮎
10 南毛利
11 南毛利南
12 玉川
13 森の里
14 相川
15 緑ヶ丘
合計
地区別人口
(人)
20,937
12,099
18,618
13,074
10,150
20,573
10,000
26,938
15,144
37,850
10,616
3,715
7,005
13,352
4,933
225,004
地元施設の床面積(㎡)
計
1,326
1,875
3,531
2,597
1,919
1,462
2,349
4,853
3,393
3,677
1,843
2,203
2,054
3,008
2,669
38,758
公民館
850
1,045
1,735
1,759
1,474
686
1,764
3,088
1,779
1,467
783
1,455
1,825
1,517
2,093
23,321
(施設数)
1
1
1
1
1
1
1
2
1
1
1
1
1
1
1
16
老人憩の家
0
497
874
622
250
350
370
731
800
1,360
610
250
0
756
120
7,590
5
(施設数)
0
1
5
4
1
2
2
4
5
6
3
2
0
5
1
41
児童館
476
333
923
216
195
426
215
1,034
814
849
450
498
229
735
455
7,847
(施設数)
2
2
4
1
1
2
1
5
4
4
2
2
1
4
2
37
床面積
割合(%)
3.42
4.84
9.11
6.70
4.95
3.77
6.06
12.52
8.75
9.49
4.76
5.68
5.30
7.76
6.88
100
人口1人当たりの床面積
(㎡/人)
0.06
0.15
0.19
0.20
0.19
0.07
0.23
0.18
0.22
0.10
0.17
0.59
0.29
0.23
0.54
0.17(平均)
ウ
学校施設の整備状況について
学校施設は、昭和 40 年代後半から児童生徒数の増加と共に整備が進み、現在、本
市には小学校 23 校と中学校 13 校の合計 36 校が整備されています。
学校施設は、本市が保有している公共施設の約 51%と大きな割合を占めており、
また、平成 24 年6月末現在、学校施設の半数以上(約 58%)の建物が建築後 30 年
以上経過し、老朽化が進んでいます。
なお、全国的に見ても市区町村が所有する学校施設については、全公共施設の約
4割と大きな割合を占めていることが「学校施設老朽化対策ビジョン(仮称)(中間
まとめ)平成 24 年8月:学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議(文部科学
省ホームページより)」において報告されています。
公共施設の割合(%)
消防施設, 2.05
公営住宅, 4.52
学校施設,
50.95
庁舎他, 42.48
学校施設
庁舎他
公営住宅
消防施設
学校施設の保有量(床面積)と児童生徒数の比較
(㎡)
120,000
ピーク:28,568 人
(昭和 60 年度)
H24 年度
110,188 ㎡
(人)
30000
100,000
25000
80,000
20000
60,000
15000
40,000
10000
20,000
5000
0
昭
和
昭 41年
和 度
昭 43年
和 度
昭 45年
和 度
昭 47年
和 度
昭 49年
和 度
昭 51年
和 度
昭 53年
和 度
昭 55年
和 度
昭 57年
和 度
昭 59年
和 度
昭 61年
和 度
6
平 3年
成 度
平 2年
成 度
平 4年
成 度
平 6年
成 度
平 8年
成 度
平 10年
成 度
平 12年
成 度
平 14年
成 度
平 16年
成 度
平 18年
成 度
平 20年
成 度
平 22年
成 度
24
年
度
0
学校施設の床面積(累計)
6
児童生徒数
H24 年度
18,561 人
2
公共施設の課題
県内でも若い都市といわれる本市においても、少子高齢化の一層の進展や人口減少社
会の到来による生産年齢人口の減少、これらに伴う税収の落ち込みなどにより、今後は、
さらに厳しい財政状況が見込まれています。
また、高齢化などによる扶助費の増大により、公共施設の保全や更新に充ててきた普
通建設事業費の割合は、平成のピークである平成6年度の 36.8%から、平成 23 年度に
は 10.3%へと大幅に減少しており、今後もこの傾向が続くものと予想されます。
こうした状況を考慮すると、公共施設の維持管理費や更新費用を長期的に確保するこ
とは限りなく困難であり、大きな課題であるといえます。
また、道路、橋りょう及び下水道等のインフラ施設についても更新時期を迎える中、
公共建築物ごとの長期的な修繕計画を策定し、計画的な予防保全に努めていく必要があ
ります。
(1)本市の人口推移
市制施行時(昭和 30 年)、31,295 人であった本市の総人口は、昭和 48 年には 10 万
人、平成3年には 20 万人にそれぞれ達し、直近の平成 25 年1月1日現在では、市制
施行時の約 7.2 倍である 224,924 人となっています。
今後の人口推移については、平成 32 年までは市総合計画「あつぎ元気プラン」の推
計値、それ以降は国立社会保障・人口問題研究所の「日本の市区町村別将来推計人口」
(平成 20 年 12 月推計)の推計値を使用すると、平成 32 年の 230,479 人をピークに人
口減少に転じ、平成 47 年には 211,232 人まで減少することが推測されており、本市に
おいても今後は、人口減少社会が到来することが予測されています。
人口の推移
H25年1.1現在 224,924人
ピーク:H32年 230,479人
(人)
250,000
ピーク:H12年 162,648人
200,000
※H27~H47は推計値
150,000
さらなる少子高齢化
人口減少社会の到来
100,000
50,000
0
S30 S35 S40 S45 S50 S55 S60 H2
H7 H12 H17 H22 H27 H32 H37 H42 H47 H48 H49 H50 H51
(年)
総人口
年少人口
生産年齢人口
老年人口
※平成 22 年までは国勢調査の実績値
※平成 27 年及び平成 32 年は「あつぎ元気プラン」推計値
※平成 37 年以降は「日本の市区町村別将来推計人口(平成 20 年 12 月推計について)国立社会保
障・人口問題研究所」推計値
7
(2)本市の年齢3区分別比率の推移
ア 老年人口
平成7年には 8.3%であった老年人口は年々増加し、総人口に占める割合は、平
成 32 年には 25.9%と4人に1人が高齢者、平成 47 年には 31.7%と約3人に1人が
高齢者という状況が推測されます。
イ 生産年齢人口
平成7年には 75.5%と総人口の4分の3強を占めていた生産年齢人口は年々減少
し、平成 27 年には 64.3%と3分の2を下回り、平成 47 年には 59.4%と6割を下回
るまで減少することが推測されます。
ウ 年少人口
平成7年には 16.2%と総人口の約6人に1人を占めていた年少人口は徐々に減少
し、平成 37 年には 9.5%と1割を下回り、平成 47 年には 8.9%と平成7年の 55%
まで減少することが推測されます。
このように、今後は一層の少子化と超高齢化が進展することが見込まれています。
(%)
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
年齢3区分別比率の推移
(66,934人)
(17,245人)
8.3
10.4
13.8
17.9
23.0
25.9
27.6
29.2
64.3
62.5
62.9
61.7
11.6
9.5
9.1
31.7
(157,581人)
75.5
16.2
(33,743人)
H7
74.8
14.7
H12
71.9
14.1
H17
年少人口
68.1
13.7
12.7
H22
H27
H32
生産年齢人口
(125,508人)
H37
H42
59.4
8.9
(18,789人)
H47
老年人口
※平成 7 年から平成 22 年までは国勢調査の実績値
※平成 27 年及び平成 32 年は「あつぎ元気プラン」推計値
※平成 37 年以降は「日本の市区町村別将来推計人口(平成 20 年 12 月推計について)国立社会保
障・人口問題研究所」推計値
8
年度
(3)本市の財政状況の推移
ア 市税決算額の推移
歳入の根幹となる市税収入は、平成元年度の約 426 億円から増加傾向にあり、平
成9年度には約 524 億円まで増加しました。その後、増減はあるものの、平成7年
度以降 450 億円以上あった市税収入は、リーマンショックなどの影響を受け、100
年に一度といわれる景気状況の中、平成 22 年度には平成元年度より低い平成最低と
なる約 426 億円まで減少し、平成 23 年度も平成 22 年度に次いで低い状況となって
います。
少子高齢化の一層の進展や人口減少社会の到来による生産年齢人口の減少などが
見込まれる中、今後も大きな税収の伸びは期待できない状況です。
なお、平成 20 年度に平成最高となる約 527 億円の市税収入がありましたが、これ
は、市内に所在する大手企業の本社土地売却によって約 59 億1千万円の一時的な法
人市民税の急増があったものであり、この金額を差し引くと、平成 18 年度以降の市
税収入は減少傾向となっています。
市税決算 額の推移
550
H20:527
H9:524
525
H7:466
475
H23:426
450
H21:439
425
H22:426
426
平成最低
H
9
H
10
H
11
H
12
H
13
H
14
H
15
H
16
H
17
H
18
H
19
H
20
H
21
H
22
H
23
H
5
H
6
H
7
H
8
H
4
3
H
H
2
400
H元
金額(億円)
500
年度
市税決算 額
9
経常収支比率の推移
財政の弾力性を判断する基準である経常収支比率は、平成元年度の 48.2%から
年々上昇傾向にあり、平成 14 年度には 80%を超え、特に近年、平成 21 年度は 94.3%、
平成 22 年度は 96.1%、平成 23 年度は 98.4%と 90%を超え、財政の硬直化が進行
しています。
経常収支比率の推移
H23:98.4
110.0
H22:96.1
100.0
90.0
経常収支比率
イ
80.0
H21:94.3
70.0
H14:80.8
60.0
50.0
40.0
H元:48.2
30.0
H元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23
年度
経常収支比率
※経常収支比率
財政の弾力性を判断する比率で、比率が低いほど弾力性が大きいことを示す。
※平成22年度 全国市町村平均
89.2%(総務省データ)
10
ウ
財政力指数の推移
地方公共団体の財政力を示す財政力指数は、企業集積地である本市は全国的にも高
い数値を示していましたが、近年は急激な低下傾向にあり、かろうじて地方交付税の
不交付団体を維持しているものの、平成 24 年度には 1.1 を下回る状況となっています。
今後もこの傾向が続き、数値の急増は見込めない状況です。
財政力指数の推移
H3:1.730
1.8
H21:1.439
1.7
1.6
H24:1.094
H18:1.465
1.4
1.3
H13:1.283
1.2
1.1
1.0
0.9
H
2
H
3
H
4
H
5
H
6
H
7
H
8
H
9
H
10
H
11
H
12
H
13
H
14
H
15
H
16
H
17
H
18
H
19
H
20
H
21
H
22
H
23
H2
4
元
0.8
H
財政力指数
1.5
年度
財政力指数
※財政力指数
地方公共団体の財政力を示す指数で、地方交付税法の規定により算定
した基準財政収入額を基準財政需要額で除して得た数値の過去3か年の
平均値。1.0以上の団体には地方交付税が交付されません。
● 平成24年度不交付団体:1都 54市町村
11
エ
歳出決算における普通建設事業費と扶助費の状況の推移
公共施設の建設等に充てる普通建設事業費は、平成6年度の約 300 億円をピークに
減少傾向にあり、平成 23 年度には約 79 億円と、平成6年度の約4分の1まで減少し
ています。
一方、生活保護費を始めとする扶助費は年々増加傾向にあり、平成元年の約 25 億円
が平成 23 年度には、約7倍の約 174 億円となっています。
また、歳出決算額に占める割合の推移を見ると、平成元年度には 35.8%と、扶助費
(4.3%)の約8倍であった普通建設事業費が、平成 17 年度を境に逆転し、平成 23 年
度には 10.3%と、扶助費(22.6%)の1/2以下まで減少しています。
少子高齢化の一層の進展などによる扶助費の増加が今後も見込まれることから、公
共施設の建設等に充てる普通建設事業費を確保することは、さらに困難な状況が続い
ていくものと予測されます。
歳出決算額の推移(性質別)
90,000,000
82,754,199
80,000,000
76,685,166
70,000,000
金額(千円)
60,000,000 58,202,133
50,000,000
40,000,000
30,065,317
30,000,000
20,828,851
20,000,000
17,357,247
7,885,198
10,000,000
2,492,147
0
H元 H2 H3
H4 H5
H6 H7 H8
H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23
年度
扶助費
普通建設事業費
歳出決算額
歳 出 決 算 額 に占 め る割 合
40 .0%
3 6 .8 %
3 5 .8 %
35 .0%
30 .0%
2 2 .6 %
割合(%)
25 .0%
20 .0%
H 17
15 .0%
1 0 .3 %
10 .0%
5 .0%
4 .3 %
0 .0%
H元 H 2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H 9 H 10 H 1 1 H 12 H 1 3 H 1 4 H 15 H 1 6 H 1 7 H 18 H 19 H 2 0 H 21 H 2 2 H 2 3
年度
普通建設事業費
12
扶助費
(4)公共施設の年度別更新費用
前述した公共施設をこのまま目標耐用年数(60 年)まで維持し、順次建て替えを行
っていくと仮定して、今後の建て替えにかかる更新費用を試算すると、平成 26 年度か
らの 40 年間で約 1,651 億円の費用が見込まれます。
昭和 50 年代を中心として集中的に整備した公共施設が耐用年数を迎える平成 48 年
度頃から一斉に建て替えが始まり、平成 48 年度には約 91 億円、平成 50 年度には約
119 億円、ピークとなる平成 59 年度には約 152 億円の費用が必要となります。特に、
平成 48 年度から平成 65 年度までの 18 年間では 1,359 億円の費用が見込まれ、財政を
大きく圧迫することが予測されます。
また、大規模改修などの維持補修費用については、40 年間で約 333 億円の費用が見
込まれます。
なお、試算に当たっては、直近に建設を行った荻野公民館の建設費と南毛利中学校
北棟の除却費単価をもとに、更新費用を1平方メートル当たり 35 万円として、また、
維持補修費用については、現在作成中の(仮称)公共建築物長期修繕計画における荻
野公民館の修繕費用想定額をもとに、建設(建て替え含む。)後、30 年間で1平方メ
ートル当たり 15 万円として算出しました。
※ 建替費用(除却費含む。):35 万円/㎡として試算
※ 維持補修費用:30 年間で 15 万円/㎡として試算
再構築費(千円)
16,000,000
14,000,000
12,000,000
年度別再構築費(建替え費)
H62 年度
:13,425,528(千円)
H59 年度:15,243,525(千円)
H50 年度:11,914,161(千円)
H48 年度:9,129,995(千円)
10,000,000
8,000,000
6,000,000
4,000,000
2,000,000
平
平
成
26
成 年度
2
平 8年
成 度
3
平 0年
成 度
3
平 2年
成 度
3
平 4年
成 度
3
平 6年
成 度
3
平 8年
成 度
4
平 0年
成 度
4
平 2年
成 度
4
平 4年
成 度
4
平 6年
成 度
4
平 8年
成 度
5
平 0年
成 度
5
平 2年
成 度
5
平 4年
成 度
5
平 6年
成 度
5
平 8年
成 度
6
平 0年
成 度
6
平 2年
成 度
64
年
度
0
13
3
公共施設更新(建て替え)の可能性と公共施設の最適化
全ての公共施設を更新するには、前述のとおり平成 26 年度からの 40 年間での更新費
用は約 1,651 億円、大規模修繕などによる保全費用は約 333 億円の合計 1,984 億円が必
要と試算されます。これを 40 年間で平準化しても年間約 50 億円の費用が必要となりま
す。
一方、過去5年間の財政状況から推計すると、公共施設の更新・保全のために充当で
きる財源は、平成 26 年度からの 40 年間で約 1,573 億円(年間 約 39 億円)しか確保が
できず、40 年間で約 411 億円(年間 約 10.3 億円、現在の公共施設の床面積の約 20%強
に相当)不足することが見込まれ、現状の公共施設の規模を今後も維持していくことは
困難な状況です。
こうしたことから、本市では将来を見据えた公共施設の最適化に向け、全体的な考え
方を示す基本方針を策定し、持続可能なまちづくりを進めていく必要があると判断され
ます。
H59:152 億円
更新費用の推移
(千円)
16,000,000
●更新費用の推計
(建替え等に必要な費用)
14,000,000
12,000,000
更新費用の年平均
約 50 億/年
10,000,000
8,000,000
6,000,000
4,000,000
●普通建設事業費等の推計
(建替え等に充当できる費用)
年平均 約 39 億/年
2,000,000
14
普通建設事業費等
度
度
平
成
64
年
度
62
年
度
年
60
成
成
平
度
年
58
平
度
年
56
成
平
度
年
54
成
成
平
度
年
52
再構築費
平
度
年
50
平
成
度
年
48
成
成
平
度
年
46
平
成
44
年
度
大規模修繕費
平
度
年
42
成
成
平
度
年
成
40
平
度
年
38
平
度
年
36
成
成
平
度
年
成
34
平
度
年
32
平
度
年
成
平
平
成
30
年
28
成
平
平
成
26
年
度
0
4 公共施設の在り方についての検討状況
(1)これまでの公共施設に関する方針・計画等
ア 都市施設等配置計画調査
平成 17 年度に、市制施行 50 周年を契機とする都市の再構築を図ることを目的とし
て、保健・福祉施設、教育・文化施設、病院、市庁舎、都市公園、地域コミュニティ
施設、スポーツ施設など、297 施設を対象として、都市施設等の適正な配置や在り方
について調査研究を行いました。
イ
特別推進チームによる検討
平成 19 年度に、庁内横断的な組織として特別推進チームを設置し、「地域運営の仕
組みと地域施設の在り方」の検討を行い、公民館・地区市民センターや老人憩の家、
児童館など地域拠点施設の今後の方向性について協議しました。
また、平成 21 年度には、引き続き、
「公の施設の在り方」、特に施設の維持管理、改
修計画についての検討を行うとともに、地域拠点施設については、誰もが利用できる
コミュニティ施設として統廃合を行っていくことなどの方向性を示しました。
ウ
中心市街地における公共施設の適正配置に向けた庁内検討チーム
平成 22 年度に、中心市街地の活性化を促す新たな都市基盤整備を進め、総合的な都
市機能の向上を図ることを目的に、中心市街地の公共施設の現状把握と適正配置に向
けた検討を行いました。
エ
公有財産有効活用検討委員会
平成 22 年度に、未利用市有財産の売却・貸付け等を積極的に行い、財源確保や維持
管理経費の削減を図るとともに、行財政運営の効率化を図ることを目的として、平成
23 年度に「公有財産の有効活用方針」を策定し、28 の市有財産について、有効活用の
方針を決定しました。
オ
公共建築物の長期維持管理計画基本方針
平成 23 年度に、市有公共建築物の現状と課題を分析し、長期的な視点からの計画的
な施設の整備や改修、維持管理、施設の長寿命化を進めるための取組方針を策定しま
した。
カ
(仮称)公共建築物長期修繕計画
平成 24 年度、新たに公共施設管理計画担当を財産管理課に配置し、公共建築物の長
期維持管理計画基本方針に基づく既存施設の予防保全措置等の適切な維持補修の実施、
公共建築物の長寿命化に向けた総合的な取組を行い、経費の縮減と財政負担の平準化
を図ることを目的とした(仮称)公共建築物長期修繕計画の策定に向け、検討を進め
ています。
15
キ
橋梁長寿命化修繕計画
平成 23 年度に、既存の橋梁のうち 188 橋に対する維持管理費用の縮減と予算の平準
化、地域道路網の安全性、信頼性を確保することを目的とした橋梁長寿命化修繕計画
を策定しました。予防保全型の維持管理を基本とした長寿命化修繕計画の実施により、
従来の事後保全型の維持管理と比較して、50 年間で約 49 億円のコスト縮減が見込ま
れます。
ク
公園施設長寿命化計画
平成 23 年度から、市が管理する公園施設のうち、遊戯施設、修景施設、休憩施設、
便益施設、管理施設などを対象として、安全性の確保、ライフサイクルコストの縮減
を目的とした公園施設長寿命化計画の策定を進めています。
ケ
下水道長寿命化構想
平成 24 年度に、市が管理する下水道管路(延長約 840 キロメートル)を対象に、計
画的かつ効率的な事業実施と、今後 100 年を見据えた 50 年間の長期的な維持管理計画
を示すことを目的とした下水道長寿命化構想を策定しました。
(2)「公共施設の最適化基本方針」、「中心市街地の公共施設再配置計画」の策定経過
ア 公共施設等の在り方検討プロジェクトチーム
平成 23 年度に、政策部次長をリーダーとした庁内関係課等長 31 人で構成するプロ
ジェクトチームを設置し、現在まで、
「公共施設の最適化基本方針」、
「中心市街地の公
共施設再配置計画」の策定に向けた検討を進めてきました。
イ
公共施設最適化検討委員会
平成 24 年度に、学識経験者や関係団体、公募市民の合計 10 人で構成する「厚木市
公共施設最適化検討委員会」を設置し、公共施設の最適化基本方針に盛り込むべき事
項や、中心市街地の公共施設(18 施設)の今後の方向性について協議を重ね、平成 25
年2月、市長に提言書を提出しました。
5
基本方針の位置付け、公共施設等の対象範囲
この基本方針は、本市が保有する公共施設のうち、道路、橋りょう、下水道等のイン
フラ施設や、個別に長寿命化や在り方を検討していく施設を除く全ての公共施設等を対
象とし、これまでの検討経過を踏まえた公共施設の最適化を進めるための基本的な考え
方を示すものであり、公共建築物の長期維持管理計画基本方針との整合を図るものとし
ます。
16
6
基本方針の内容
対象施設全体を見据えた公共施設の在り方について、統一的な考え方や方針、取組手
法など、長期的な視点に立った公共施設の最適化を進めていくための指針を定めるとと
もに、本市の喫緊の課題である中心市街地の活性化に伴う公共施設の集約化・最適化や
その基礎資料となる(仮称)公共建築物長期修繕計画の策定、財源確保のための未利用
財産等の有効活用など、早期に取り組むべき事項を次のとおり定めます。
(1)長期的視点に立った公共施設の最適化に向けた指針
ア 基本的な考え方
(ア)将来にわたり持続可能な市民サービスの提供
公共施設の最適化は、市民ニーズの多様化や少子高齢化等の社会的な構成要素の
変化に応じて、公共施設がそれぞれの時代の要請に応じた最適な施設として設置・
運用されることを目的としていることから、市民が将来にわたって、安心して快適
にサービスを享受できるような公共施設の整備・運用体制を確立します。
また、最適化に当たっては、今後の人口構造などを長期的に見据える中で、市が
保有すべき公共施設・機能は何かを再検討します。
(イ)統一的な考えに基づく施設の最適化
公共施設の最適化に当たっては、個々の施設ではなく、全ての公共施設を対象に
「全体最適化」の視点から最適化を実現することが重要であり、市としての統一的
な方針に基づき一体的な取組を進めていく必要があります。
したがって、公共施設の整備等を実施する際には、所管部署のほか、企画、総務、
財務部門を含めた庁内の横断的な組織によって、全市的な視点から検討します。
※ 「全体最適化」
:公共施設を所管する部署のみで個々に縦割りの判断をするの
ではなく、全ての公共施設の配置状況や目的を踏まえ、市全域を見据えた上で
総合的に判断していくという考え方
イ 方針
(ア)施設の保有総量の抑制
今後、急激な増大が予想される施設の運営、維持、修繕、更新等の費用に対応す
るとともに、公共施設での市民サービスの質を維持するため、既存施設については
多機能化・複合化及び統廃合を進め、市が保有する公共施設の総量を抑制します。
また、統廃合などによって生み出された旧施設の跡地などについては、原則、売
却することにより、公共施設の更新費用として活用します。
(イ)多機能化・複合化に向けた施設機能の集約
これまで政策目的別に整備されてきた施設配置の考え方を見直し、類似した機能
を有する公共施設については統合化を進め、利用者の利便性の向上を図ります。
さらに、用途の異なる施設についても地域性等に配慮しながら、原則として複合
化についての検討を進めることで、使いやすさの確保、運営経費の適正化等につな
げます。
17
(ウ)適正配置による施設の段階的な統廃合
老朽化等の要因により、更新時期を迎えることとなる既存施設については、公共
施設の多機能化、複合化等を推進する一方で、施設ごとに将来的な必要性の有無を
検討し、段階的な統廃合に向けた検討を行うものとします。
なお、統廃合の検討に当たっては、現在の利用者へのサービス維持の配慮、代替
機能の確保、地域性への配慮、運営コスト等について、市民の参画を得た上で多面
的な検討を行います。
ウ 取組手法
(ア)「見える化」による施設の数値情報の公開
公共施設の設置・運営等のコスト、利用状況、老朽化等については、統一した手
法・様式によって数値情報等を「見える化」して公開することにより、市民・行政
が共通の認識を持った上で公共施設の最適化の検討を進めます。
(イ)民間の知恵を活かした施設整備及び管理運営
今後、公共施設を整備・更新する際は、民間のノウハウを最大限に活用すること
とし、市の財政負担を抑制しながら効率的な整備を可能にする公民連携(PPP等)
の手法を検討します。
また、公共施設の管理についても、指定管理者制度の導入、地域による自主的な
管理運営等、施設ごとの特性を踏まえ、民間による多様で柔軟な施設管理の手法を
採用することや、適正な受益者負担を原則として管理運営を行います。
(ウ)全ての市民が利用しやすい施設の整備
高度化、多様化する市民ニーズに対応するため、利用者の視点から公共施設の機
能や設備を検討し、施設の利用手続きの標準化・簡素化、バリアフリー、ユニバー
サルデザイン等の視点から、誰もが利用しやすい公共施設づくりを目指します。
(エ)施設の長寿命化と計画的な維持管理
「厚木市公共建築物の長期維持管理計画基本方針」に基づき、公共施設の安全性
や機能性を確保した施設の長寿命化を推進します。
さらに、公共施設の維持管理についても、定期点検や耐震性・劣化性調査等の結
果に基づき、計画的な改修を行う予防保全に転換し、ライフサイクルコストを縮減
します。
(オ)国・県との連携
厚木市内には、国・県の出先機関を始め、多くの公共施設が所在していますが、
地方分権に伴う権限移譲を含め、これらの施設の在り方についても議論が進んでい
ます。
こうした検討状況も踏まえながら、国・県施設との役割分担や連携による公共施
設の最適化を推進します。
18
(2)早期に取り組むべき最適化及び計画
ア 中心市街地における公共施設の最適化
目標 1 公共施設の最適化による「中心市街地の活性化」
中心市街地では、中町第2−2地区周辺整備事業の検討が進められているほか、
厚木パークビルの再整備が喫緊の課題となっています。これらの施設整備を見据え、
公共施設の最適化に即した一体的な検討を行うとともに、公共施設・機能を集中配
置することで、中心市街地のにぎわいを創出し、民間商業施設等との密接な連携に
よる「中心市街地の活性化」を実現します。
目標 2 短期・集中による「速やかな最適化」の実現
公共施設最適化に向けた方針は、長期的な視点に基づき施設の最適化を進めてい
くものですが、中心市街地は、早急な「活性化」が求められていることから、短期・
集中による「速やかな最適化」を実現します。
また、財源確保の視点から、中心市街地では施設の多機能化・集約化や施設の統
廃合による旧施設跡地の売却、公民連携(PPP等)を始めとする民間活力による
施設整備などの積極的な対応を行います。
イ
(仮称)公共建築物長期修繕計画の策定
建築物の長寿命化及びエネルギーコストも含めたライフサイクルコスト縮減のた
め、いつ、どの程度の修繕工事を行うかをあらかじめ予測し、目標耐用年数までの
修繕工事内容、実施時期、工事費用を検討した長期修繕計画を作成します。
ウ 未利用財産等の有効活用による最適化
「厚木市市有財産の有効活用方針」に基づき、未利用財産等の売却・貸付等を積
極的に行うことで、歳入の確保を図り、公共施設の改修や改築費用に充当します。
19
Fly UP