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メモ暗算 - livedoor Blog

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メモ暗算 - livedoor Blog
道草算数講座
メモ暗算
筆算でもなく暗 算でもない計算
こだま塾 信谷英明
はじ め に
算数の計算ドリルにおいて、小学生にとっていやなのは筆算です。これは計算が得意・
不得意にかかわらず…。私は小学生の時、計算は得意な方でしたが、やはり計算ドリルの
筆算、特に小数の割り算の筆算がずらずらとならんでいるのを見ただけで暗~くなった気
分をいまだにはっきりと思い出すことができます。おそらく子どもたちが「計算が嫌い」
といっているのは、筆算の存在のせいではないでしょうか。かといって、暗算するのは頭
の中で一時的に数字を保持する能力が必要なので、万人向けとはいえません。
そ こ で 、 お 勧 め し た い の が、「 メ モ 暗 算 」 で す 。
「メモ暗算」とは筆算と暗算の中間的なもので両者のいいとこ取りをしたような計算方
法です。
暗算は特殊な計算方法(式の意味を考えて楽に計算する方法が暗算です)によって頭だ
け で 瞬 時 に 答 え を 出 そ う と し ま す が 、「 メ モ 暗 算 」 は 暗 算 で 用 い る 計 算 方 法 で メ モ を 取 り
ながら計算していきます。だから、計算がかんたんになり、しかも計算が速くなるという
利点があるのです。
「メモ暗算」の特徴を述べると、
1.常に楽な計算方法を模索していくので、計算は自然に速くなり、また、計算問題を使
った「考える学習」が可能となる。
2.メモを取りながら計算するので、計算ミスを防ぎやすくなる。
3.メ モ 暗 算 を マ ス タ ー す る た め に は、四 則 計 算 の 本 質 を 理 解 す る こ と が 前 提 に な る の で 、
計算式をより深くとらえ直すことができる。
4.数を分解して計算するので、分配法則や結合法則などを感覚的にとらえることができ
るようになる。
と、ここまでいいことずくめだと、本当?と眉につばをつけたくなりますが…
ともかく、さっそく始めましょう!
このテキストの使い方
・ブログ「道草学習のすすめ」の「道草算数講座~メモ暗算編~」の
動画で例題を解説します。動画を視聴して、考え方・解き方を理解し
たら、その後、練習問題を解いてください。
・計算問題ばかり並んでいますので、一見計算ドリルのように見えま
すが、ふつうの計算ドリルを解くようにすばやく解くのではなく、一
問一問ていねいに、解き方を観察・研究するような感じで、じっくり
と取り組みましょう。
・動画でのメモの書き方はひとつの目安です。どこまでメモを取れば
最も効果的に計算できるのかを研究しましょう。自分流が大切!
・間違えた問題は必ずその原因を追及しましょう。そして、そのよう
な間違いをしないためにはどうしたらよいか考えることが大切です。
・同じ問題を何度も繰り返して解くことも有効です。そのとき、スピ
ードを求めることはやめましょう。同じ問題を解いても、解いている
感触だとかは徐々にちがってきますので、その感触をじっくりと味わ
いつつ解くと、新しい発見が得やすくなります。計算の速さは解いて
いるうちに自然な速さとして後からついてくるものです。
1. た し 算 ( 基 本 )
例題1
35+23=
練習問題1
① 63+12=
⑥ 63+25=
② 42+56=
⑦ 22+14=
③ 34+25=
⑧ 34+33=
④ 15+52=
⑨ 41+12=
⑤ 32+41=
⑩ 53+21=
例題2
38+24=
練習問題2
① 57+35=
⑥ 26+14=
② 19+49=
⑦ 58+26=
③ 47+28=
⑧ 74+19=
④ 15+39=
⑨ 37+34=
⑤ 65+26=
⑩ 29+67=
例題3
98+47=
練習問題3
① 85+37=
⑥ 74+69=
② 99+89=
⑦ 46+56=
③ 57+78=
⑧ 79+81=
④ 66+97=
⑨ 35+78=
⑤ 98+76=
⑩ 87+64=
例題4
① 46+27=
③ 75+68=
② 13+52=
練習問題4
① 36+27=
⑥ 76+59=
② 78+96=
⑦ 54+19=
③ 15+61=
⑧ 42+25=
④ 43+78=
⑨ 85+98=
⑤ 67+25=
⑩ 36+46=
<解答>
1. た し算 (基 本 )
練習問題1
① 75
② 98
③ 59
④ 67
⑤ 73
⑥ 88
⑦ 36
⑧ 67
⑨ 53
⑩ 74
① 92
② 68
③ 75
④ 54
⑤ 91
⑥ 40
⑦ 84
⑧ 93
⑨ 71
⑩ 96
① 122
② 188
③ 135
④ 163
⑤ 174
⑥ 143
⑦ 102
⑧ 160
⑨ 113
⑩ 151
① 63
② 174
③ 76
④ 121
⑤ 92
⑥ 135
⑦ 73
⑧ 67
⑨ 183
⑩ 82
練習問題2
練習問題3
練習問題4
2. かけ 算 ( 基本 )
練習問題1
① 36
② 75
③ 68
④ 57
⑤ 64
⑥ 78
⑦ 60
⑧ 98
⑨ 54
⑩ 65
① 120
② 102
③ 126
④ 144
⑤ 136
⑥ 108
⑦ 133
⑧ 128
⑨ 135
⑩ 114
① 399
② 230
③ 225
④ 180
⑤ 371
⑥ 252
⑦ 570
⑧ 648
⑨ 476
⑩ 184
① 510
② 343
③ 200
④ 546
⑤ 423
⑥ 552
⑦ 108
⑧ 531
⑨ 201
⑩ 315
① 747
② 112
③ 243
④ 84
⑤ 105
⑥ 584
⑦ 602
⑧ 72
⑨ 522
⑩ 273
練習問題2
練習問題3
練習問題4
練習問題5
3. ひ き 算 (基本 )
練習問題1
① 62
② 49
③ 85
④ 67
⑤ 14
⑥ 78
⑦ 56
⑧ 27
⑨ 83
⑩ 31
① 48
② 65
③ 26
④ 79
⑤ 57
⑥ 34
⑦ 89
⑧ 18
⑨ 47
⑩ 69
① 26
② 72
③ 47
④ 89
⑤ 45
⑥ 18
⑦ 62
⑧ 24
⑨ 53
⑩ 75
① 27
② 16
③ 58
④ 24
⑤ 63
⑥ 19
⑦ 51
⑧ 22
⑨ 37
⑩ 46
① 39
② 56
③ 17
④ 36
⑤ 57
⑥ 28
⑦ 19
⑧ 67
⑨ 15
⑩ 28
① 62
② 34
③ 11
④ 47
⑤ 24
⑥ 45
⑦ 29
⑧ 33
⑨ 56
⑩ 19
練習問題2
練習問題3
練習問題4
練習問題5
練習問題6
4. わ り 算 (基 本)
練習問題1
① 21
② 32
③ 14
④ 21
⑤ 43
⑥ 12
⑦ 31
⑧ 32
⑨ 12
⑩ 41
① 13
② 19
③ 18
④ 15
⑤ 12
⑥ 19
⑦ 13
⑧ 14
⑨ 19
⑩ 16
① 28
② 16
③ 48
④ 24
⑤ 17
⑥ 23
⑦ 19
⑧ 38
⑨ 24
⑩ 18
練習問題2
練習問題3
練習問題4
① 64
② 36
③ 83
④ 27
⑤ 98
⑥ 48
⑦ 74
⑧ 67
⑨ 89
⑩ 56
5. た し算 (応 用 )
練習問題1
① 957
② 632
③ 427
④ 920
⑤ 283
⑥ 457
⑦ 649
⑧ 256
⑨ 435
⑩ 764
① 736
② 1541
③ 787
④ 862
⑤ 659
⑥ 1153
⑦ 751
⑧ 965
⑨ 826
⑩ 1463
練習問題2
6. かけ 算 ( 応用 )
練習問題1
① 825
② 651
③ 849
④ 672
⑤ 874
⑥ 792
⑦ 948
⑧ 684
⑨ 852
⑩ 698
① 1560
② 6251
③ 2148
④ 1413
⑤ 6264
⑥ 1404
⑦ 5772
⑧ 1148
⑨ 5715
⑩ 1194
練習問題2
7. ひ き 算 (応用 )
練習問題1
① 638
② 382
③ 857
④ 115
⑤ 433
⑥ 761
⑦ 246
⑧ 524
⑨ 879
⑩ 407
① 767
② 354
③ 182
④ 754
⑤ 86
⑥ 579
⑦ 868
⑧ 485
⑨ 292
⑩ 669
① 873
② 519
③ 823
④ 679
⑤ 328
⑥ 153
⑦ 466
⑧ 138
⑨ 528
⑩ 974
練習問題2
練習問題3
練習問題4
① 116
② 273
③ 109
④ 25
⑤ 492
⑥ 131
⑦ 448
⑧ 123
⑨ 274
⑩ 336
① 683
② 164
③ 588
④ 153
⑤ 286
⑥ 389
⑦ 161
⑧ 67
⑨ 492
⑩ 379
① 705
② 377
③ 524
④ 268
⑤ 158
⑥ 351
⑦ 672
⑧ 617
⑨ 43
⑩ 272
練習問題5
練習問題6
8. わ り 算 (応 用)
練習問題1
① 4
② 3
③ 5
④ 8
⑤ 2
⑥ 3
⑦ 5
⑧ 6
⑨ 2
⑩ 7
① 6
② 5
③ 7
④ 8
⑤ 3
⑥ 9
⑦ 5
⑧ 9
⑨ 4
⑩ 3
① 86
② 12
③ 24
④ 20
⑤ 6
⑥ 42
⑦ 78
⑧ 8
⑨ 4
⑩ 16
① 156
② 32
③ 392
④ 60
⑤ 54
⑥ 32
⑦ 140
⑧ 752
⑨ 288
⑩ 18
① 8
② 24
③ 166
④ 40
⑤ 84
⑥ 368
⑦ 18
⑧ 32
⑨ 288
⑩ 16
練習問題2
練習問題3
練習問題4
練習問題5
お わ りに
ブログ「道草学習のすすめ」の「本当は怖い計算ドリル」シリーズにおいて、計算ドリ
ルの危険性を訴えてきました。そのような記事を書いておいて、なぜこのような計算ドリ
ルを作ったのか?という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんので、弁明もか
ねて、この教材の意図を語ってみたいと思います。
ひと頃の百マス計算ブームは去ったとはいえ、相変わらず小学校では大量の計算ドリル
の宿題が出されたり、授業の中でも単純計算の徹底反復が行われたりで、その結果、計算
の答えを出すことはできるが、なぜそのような操作をしたら答えが出るのか、しくみを理
解していないことから生じる、応用の効かない計算の苦手なお子さんが後を絶ちません。
特にその弊害は中学以降で顕著に現れているようです。
なんとか計算のしくみに注目するような学習方法はないかと考えました。そこで注目し
たのが、暗算です。
暗算は算数の得意な子が紙に数字を書かなくても、つまり少しでも楽をしたいために産
まれた、いわば自然発生的な計算方法です(だから学校で系統的に習うことがないのかも
し れ ま せ ん)。暗 算 は そ の 発 生 時 点 に お い て は そ れ ぞ れ が 自 己 流 な の で す が、意 外 に も( と
いうか、やっぱりというか)その計算方法は似通っています。学校で習った方法とはちが
う方法で解くため、計算の意味を理解したうえで「じゃ、こうした方が楽じゃん♪」みた
いな感覚が暗算の計算方法の中には埋め込まれています。
したがって、暗算を理解することが式の意味を再度とらえなおすことにつながり、式を
別の角度から眺めることによって、今まで無味乾燥だった計算に興味を持つようになるか
もしれず、また、計算が速くなることで「算数、いやだよ~」感が緩和されるかもしれな
いと思い、このたび暗算をとりあげることにしたのです。
た だ 、暗 算 は「 脳 内 に し ば ら く 数 字 を ス ト ッ ク す る 能 力 」が 要 求 さ れ 、そ の こ と に よ り 、
暗算のハードルが高くなっているのも事実です。ならば、ストックする数字をメモすれば
いいのではと思いついたのが、この「メモ暗算」です。メモする時間の分だけ暗算よりは
若干時間がかかりますが、計算ミスはこちらの方が減ります。また筆算にかかる時間に比
べれば、格段に計算は速くなります。私自身も最近は暗算よりも「メモ暗算」の方をよく
使います。慣れてくると、結構使い勝手がいいものです。最後まで学習された方は、これ
から意識的に「メモ暗算」を使ってみてください。そのことがおそらく自分流の計算を深
め、いつのまにか計算に対しておもしろみを感じているのではないかと思います。
こだま塾
信谷英明
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