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第2章(PDF形式:780KB)
第
2章
第1節
さいたま市の現状
人口等の動向
1 総人口の推移と行政区別人口
本市の人口は、転入などの社会的要因等によって増加の傾向にあり、平成 22 年の国勢調
査では、120 万人を超えています。行政区別では、平成 17 年からすべての区が増加傾向で
推移しており、増加率が高いのは中央区 6.3%(5,674 人増)
、緑区 5.9%(6,100 人増)
、
南区 5.0%(8,314 人)の順となっています。
〔図 1
本市人口の年次推移と伸び率〕
(人)
1,500,000
(%)
20
人口
伸び率
1,200,000
1,078,545
1,007,569
900,000
1,133,300
1,222,434
1,176,314
15
9.2
10
7.0
600,000
5.1
3.8
3.9
17年
22年
300,000
0
5
0
平成2年
7年
12年
出典:国勢調査(各年 10 月 1 日現在。平成 12 年までの値は、合併前の浦和市、大宮市、与野市、岩槻市の計)
〔図 2
各行政区の人口〕
(人)
200,000
平成17年
平成22年
174,988
157,143
150,000
108,488
100,000
144,786
138,630
110,118 111,286
96,055 96,911
84,029
50,000
0
西区
北区
大宮区 見沼区 中央区
桜区
浦和区
南区
緑区
岩槻区
出典:国勢調査(各年 10 月 1 日現在)
-7-
2 年齢構造
平成 22 年の国勢調査における本市の年齢 3 区分別人口構成割合は、0 歳∼14 歳の年少人
口が 13.8%、15 歳∼64 歳の生産年齢人口が 67.0%、65 歳以上の高齢者人口が 19.2%とな
り、少子高齢化が進展し国の水準に近づいています。
また、平成 24 年 1 月 1 日現在の、5 歳階級別の人口構成を見ると、30 歳代後半から 40
歳代前半の働き盛りと、60 歳代前半の世代が多くなっています。
〔図 3
年齢 3 区分別人口構成割合の推移〕
100%
8.7
10.4
12.8
15.9
19.2
20.4
23.0
73.4
73.8
72.0
69.3
67.0
66.3
63.8
17.7
15.7
15.0
14.5
13.8
13.3
13.2
平成2年
7年
12年
17年
22年
22年
(埼玉県)
22年
(全国)
80%
60%
40%
20%
0%
年少人口
生産年齢人口
高齢者人口
出典:国勢調査(各年 10 月 1 日現在)
注:年少人口(15 歳未満)
、生産年齢人口(15∼64 歳)
、高齢者人口(65 歳以上)という年齢区分は経済
活動の観点からの区分であり、最も一般的な人口年齢区分です。
〔図 4
年齢階級別人口構成割合〕
男性
7,583
12,361
21,429
30,263
34,729
44,641
36,526
38,783
45,386
55,477
55,240
44,913
39,814
33,718
30,812
30,695
28,831
28,732
(人)
60,000
40,000
20,000
0
20,000
0
17,817
17,882
25,562
32,920
37,388
46,077
34,588
35,706
42,192
52,143
51,892
42,518
37,094
31,863
29,628
29,186
27,427
27,466
(人)
20,000
40,000
60,000
85歳以上
80∼84
75∼79
70∼74
65∼69
60∼64
55∼59
50∼54
45∼49
40∼44
35∼39
30∼34
25∼29
20∼24
15∼19
10∼14
5∼9
0∼4
0
40,000 女性 60,000
出典:住民基本台帳及び外国人登録(平成 24 年 1 月 1 日現在)
-8-
3 市の将来人口推計
平成 17∼22 年(各年 10 月 1 日現在)の住民基本台帳と外国人登録人口からコーホート
変化率法11により本市の将来人口を推計した結果では、平成 37 年度における本市の総人口
は 1,289,860 人で、平成 23 年度から 51,934 人(約 4%)の増加が見込まれます。
年齢層別では、同期間に 65 歳以上人口が大幅に増加し、高齢化率も 19.0%から 23.6%
へと 4.6 ポイント上昇することが予想されます。
〔図 5
本市の将来推計人口〕
さいたま市の将来推計人口
(人)
35.0%
1,400,000
1,237,926
1,255,906
1,269,736
1,279,979
1,286,890
1,289,860
33.0%
1,200,000
31.0%
1,000,000
29.8%
30.3%
29.1%
27.0%
28.0%
800,000
25.0%
26.1%
600,000
23.3%
400,000
29.0%
22.7%
23.2%
23.4%
23.6%
23.0%
21.0%
21.4%
19.0%
200,000
19.0%
17.0%
15.0%
0
平成23年度
平成26年度
15歳未満
高齢化率:さいたま市
平成29年度
平成32年度
15∼64歳
高齢化率:全国値
平成35年度
平成37年度
65歳以上
出典:さいたま市第5期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画
11
コーホート変化率法:過去における実績人口の動勢から「変化率」を求め、それに基づき将来人口を推
計する方法。
-9-
4 高齢化率
本市や埼玉県の高齢化率の推移は全国平均を 3∼4 ポイント下回っていますが、今後はさ
らに増加することが予想されています。また、65 歳以上の高齢者のうち、75 歳以上の後期
高齢者の人口が増加していくことも見込まれています。
各行政区での高齢化率や高齢化のスピードにはばらつきがあり、岩槻区(23.5%)や西
区(23.0%)では全国並みに高く、最も低い南区(15.7%)との間に 7∼8 ポイントの開き
が出ています。
〔図 6
高齢化率の推移〕
25
(%)
23.0
20.1
20
17.3
20.4
16.4
19.2
14.5
15
12.8
12.0
10.1
12.8
8.3
10
15.9
10.4
8.7
5
平成2年
7年
12年
全国
17年
埼玉県
22年
さいたま市
出典:国勢調査(各年 10 月 1 日現在。平成 12 年までの値は、合併前の浦和市、大宮市、与野市、岩槻市の計より算出)
〔図 7
高齢者人口及び高齢化率の推移・推計〕
400,000(人)
21.4%
22.7%
23.2%
23.4%
23.6%
19.0%
20%
300,000
200,000
101,566
100,000
133,960
25%
116,002
134,851
149,255
165,228
175,817
15%
10%
152,233
152,904
147,333
136,204
129,147
0
5%
0%
平成23年度 平成26年度 平成29年度
65∼74歳
平成32年度 平成35年度 平成37年度
75歳以上
高齢化率
出典:さいたま市第5期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画
- 10 -
〔図 8
30
各行政区の高齢化率〕
(%)
平成17年
25
20
平成22年
23.5
23.0
17.9
20.6
18.4
17.5
21.0
16.6
14.7
15
17.7
15.6
18.4
17.6 17.0
13.7
18.3 18.0
15.7
14.7
13.3
10
5
0
西区
北区
大宮区
見沼区
中央区
桜区
浦和区
南区
緑区
岩槻区
出典:国勢調査(各年 10 月 1 日現在)
- 11 -
5 平均寿命と健康寿命
平成 17 年における本市の平均寿命は、男性が 79.7 歳、女性が 85.8 歳で、男性は国や埼
玉県を上回り、女性は国や埼玉県とほぼ等しくなっています。
65 歳健康寿命については、平成 17 年と平成 22 年の比較では、本市は男性が 16.3 年から
17.0 年、女性が 18.9 年から 19.7 年へと延びており、平成 22 年度では男性が埼玉県をわず
かに上回り、女性は埼玉県と等しくなっています。
〔図 9
平均寿命〕
90
(年)
85.5
85.3
85.8
85
78.6
80
79.0
79.7
75
70
男性
女性
国
埼玉県
さいたま市
*平均寿命:0 歳の平均余命
出典:市区町村別生命表(平成 17 年)
〔図 10
65 歳健康寿命〕
■健康寿命
25
20
(年)
16.3
18.9
17.0
19.7
18.9
16.0
19.7
16.7
15
10
5
0
男性
女性
男性
さいたま市
女性
埼玉県
平成17年
平成22年
*健康寿命:65 歳に達した人が、健康で自立した生活を送る期間(要介護度 2 以上になるまで)
出典:埼玉県衛生研究所算出
- 12 -
第2節
出生と死亡の動向
1 出生数・死亡数の推移
本市の出生数は 1 万人を超えて推移し、平成 23 年には 10,780 人となっています。死亡
数は漸増傾向にあり、平成 23 年には 8,778 人に達しています。また、出生数と死亡数の差
による人口の自然増加数は減少傾向にあります。
各行政区では、平成 23 年において南区(1,756 人)の出生数が多く、次いで北区(1,437
人)となっています。出生数と死亡数の差である自然増減数は岩槻区でマイナス 245 人と
なっています。
〔図 11
出生数・死亡数の推移〕
(人)
15,000
11,131
12,000
10,837
10,920
10,869
9,000
7,609
8,065
8,043
3,228
2,855
2,826
2,486
2,002
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
10,780
8,645
8,778
6,000
3,000
0
平成19年
出生数
死亡数
自然増加数
出典:人口動態統計
〔図 12
各行政区の出生数・死亡数〕
2,000
(人)
出生数
死亡数
1,756
1,437
1,500
1,193 1,194
939 987
1,000
1,161
919
872
714 678
1,082
1,048 994
865
654
999
723 754
589
500
0
西区
北区
大宮区
見沼区
中央区
桜区
浦和区
南区
緑区
岩槻区
出典:人口動態統計(平成 23 年)
- 13 -
2 出生率・死亡率の推移
平成 23 年の本市の出生率は、
人口千対で 8.8 と全国や埼玉県を上回って推移しています。
同じく本市の死亡率は、人口千対で 7.1 と国や埼玉県を下回っていますが、緩やかに上昇
しています。
〔図 13
10.0
出生率の推移〕
(人口千対)
9.5
9.1
9.0
9.0
8.5
9.2
9.0
8.8
8.7
8.6
8.5
8.7
8.6
8.5
8.3
8.5
8.4
8.0
8.2
7.5
平成19年
平成20年
全国
平成21年
平成22年
埼玉県
平成23年
さいたま市
出典:人口動態統計(平成 23 年)
〔図 14
10.0
9.0
死亡率の推移〕
9.9
(人口千対)
9.5
9.1
8.8
9.1
8.1
7.8
8.0
7.4
7.2
7.0
7.4
6.7
6.6
平成20年
平成21年
7.1
7.1
平成22年
平成23年
6.3
6.0
平成19年
全国
埼玉県
さいたま市
出典:人口動態統計(平成 23 年)
- 14 -
3 主な死因別死亡
平成 23 年における本市の主な死因としては、悪性新生物(30.8%)
、心疾患12(17.4%)
、
脳血管疾患13(9.5%)の三大生活習慣病が全体の約 6 割を占め、続いて肺炎(9.2%)が大
きな割合を占めています。また、腎不全(1.8%)
、糖尿病(1.2%)がそれぞれ死因の 10
位以内に入っています。そして三大生活習慣病にこれら2つの疾病を加えると、全体の 6
割を超えています。
本市と埼玉県は、心疾患の割合が国と比較してやや高く、自殺の割合はやや低くなって
います。
〔図 15
死因別死亡割合(国、埼玉県との比較)
〕
■死因別死亡割合(国、埼玉県との比較)
0%
20%
40%
28.5
国
60%
10.0
9.9
15.6
80%
100%
24.7
4.7 4.2 2.3
30.2
埼玉県
10.0
17.0
23.6
10.3
2.7 3.4 2.8
30.8
さいたま市
9.5
17.4
9.2
24.3
2.5 3.2 3.1
悪性新生物
心疾患
脳血管疾患
肺炎
自殺
不慮の事故
老衰
その他
出典:人口動態統計(平成 23 年)
〔図 16
市の死因別死亡数〕
糖尿病
1.2%
(105人)
肝疾患
1.2%
(108人)
不慮の事故
2.5%
(223人)
その他
20.1%
(1,764人)
悪性新生物
30.8%
(2,700人)
腎不全
1.8%
(159人)
自殺
3.1%
(268人)
老衰
3.2%
(279人)
肺炎
9.2%
(810人)
脳血管疾患
9.5%
(834人)
心疾患
17.4%
(1,528人)
出典:人口動態統計(平成 23 年)
12
心疾患:心臓病のこと。この中には虚血性心疾患や心不全が含まれる。
脳血管疾患:脳卒中のこと。脳の血管がつまったり(脳梗塞)破れたり(脳出血)して脳の機能が低下
したり障害を受けた状態で意識障害や手足のしびれ等の症状を引き起こす。
13
- 15 -
4 各行政区の死因別死亡
平成 23 年における本市の各行政区の死因別死亡割合を見ると、区によって若干の違いは
あるものの、すべての区において、上位は三大生活習慣病が占めています。
〔図 17
各行政区の死因別死亡割合〕
0%
西区 20%
29.4
40%
60%
20.4
80%
11.2
100%
20.4
9.9
2.5 2.7 3.5
北区 28.6
11.0
18.0
26.0
8.5
2.3 2.0 3.6
大宮区 32.6
18.3
7.7
22.9
11.0
3.8 2.0 1.7
見沼区 30.4
15.3
9.6
25.6
9.0
2.8 3.4 3.9
中央区 31.8
桜区 31.7
18.8
7.5
浦和区 32.5
17.3
11.0
15.9
8.6
23.2
9.6
3.2 3.7 4.0
26.5
8.3
1.2 1.9 4.1
24.0
8.0
3.2 2.2 1.8
南区 32.1
16.1
8.6
9.6
25.5
3.1 1.9 3.1
緑区 31.0
16.6
7.5
24.0
9.1
5.3 3.9 2.6
岩槻区 27.8
18.7
11.0
9.4
24.4
4.1 1.9 2.7
悪性新生物
心疾患
脳血管疾患
肺炎
自殺
不慮の事故
老衰
その他
出典:人口動態統計(平成 23 年)
- 16 -
5 ライフステージ別の死因別死亡
ライフステージ別の死因別死亡は、青年期から壮年期にかけては自殺が、中年期から高
齢期では悪性新生物が死因の第 1 位となっています。
〔表 1
ライフステージ別死因別死亡(平成 18 年∼22 年)
〕
第1位
第2位
第3位
第4位
第5位
その他
青年期
(15∼24歳)
自殺
49.7%
不慮の事故
17.3%
悪性新生物
10.5%
心疾患
6.8%
脳血管疾患
3.1%
その他
12.5%
壮年期
(25∼44歳)
自殺
32.2%
悪性新生物
20.9%
心疾患
12.9%
不慮の事故
8.2%
脳血管疾患
6.8%
その他
19.0%
中年期
(45∼64歳)
悪性新生物
45.3%
心疾患
15.4%
脳血管疾患
9.8%
自殺
7.9%
肝疾患
3.2%
その他
18.4%
高齢期
(65歳以上)
悪性新生物
29.4%
心疾患
18.4%
脳血管疾患
11.6%
肺炎
11.2%
老衰
2.9%
その他
26.6%
総数
悪性新生物
31.2%
心疾患
17.7%
脳血管疾患
11.0%
肺炎
9.3%
自殺
3.2%
その他
27.5%
出典:人口動態統計から埼玉県算出による
基準集団を埼玉県(100)とした本市の標準化死亡比は、男性の心疾患と女性の自殺を除
けば、埼玉県平均よりも低い数値となっています。
〔図 18
標準化死亡比(男性)
〕
不慮の事故
89.4
悪性新生物
120
95.1
100
80
60
40
20
0
〔図 19
心疾患
標準化死亡比(女性)
〕
不慮の事故
101.6
87.3
悪性新生物
120
93.8
100
80
60
40
20
0
心疾患
93.0
自殺
脳血管疾患
自殺
脳血管疾患
92.4
93.9
101.7
92.4
肺炎
肺炎
85.7
90.0
出典:埼玉県の年齢調整死亡率14(平成 18 年∼22 年)とSMR算出ソフト
14
年齢調整死亡率:年齢構成の異なる地域間で死亡状況の比較ができるように年齢構成を調整した死亡率
が年齢調整死亡率(人口 10 万対)である。
- 17 -
6 生活習慣病による死亡
本市の三大生活習慣病による死亡数は、悪性新生物は緩やかな増加、心疾患は年次によ
り増減をしながら緩やかな増加、脳血管疾患は横ばいの傾向にあります。また、三大生活
習慣病以外の死亡原因として、生活習慣病のひとつである糖尿病や、糖尿病の合併症であ
る腎不全が増加の傾向にあります。
また、人口 10 万に対する死亡率で見ても、本市の三大生活習慣病による死亡率は上記と
ほぼ同様の傾向にあります。なお、全国や埼玉県の平均と比較して本市の数値が全体的に
低いのは、年齢構成が比較的若いことによる影響と考えられます。
〔図 20
市の三大生活習慣病による死亡数の推移〕
(人)
4,000
3,601
3,500
3,183
3,716
3,327
2,955
3,000
2,476
2,476
2,511
2,587
2,700
2,500
2,000
1,468
1,500
1,000
1,288
890
940
平成19年
平成20年
1,558
1,528
828
899
834
平成21年
平成22年
平成23年
1,377
500
0
悪性新生物
心疾患
脳血管疾患
その他
出典:人口動態統計
- 18 -
〔図 21
悪性新生物の死亡率(人口 10 万対)の推移〕
300
272.3
266.9
273.5
279.7
283.2
270
240
233.4
234.8
240.1
218.6
210
180
244.8
206.3
206.2
207.2
平成19年
平成20年
平成21年
213.9
219.7
平成22年
平成23年
150
全国
〔図 22
埼玉県
さいたま市
心疾患の死亡率(人口 10 万対)の推移〕
160
149.8
144.4
139.2
154.5
143.7
134.3
140
125.2
121.7
122.9
128.8
120
137.5
122.3
124.3
113.6
100
107.3
平成19年
平成20年
全国
〔図 23
平成21年
平成22年
埼玉県
平成23年
さいたま市
脳血管疾患の死亡率(人口 10 万対)の推移〕
120
100.8
100.9
81.8
83.2
100
97.2
97.7
79.9
80.4
98.2
81.4
80
60
78.3
74.2
68.3
74.3
67.9
40
平成19年
平成20年
全国
平成21年
埼玉県
平成22年
平成23年
さいたま市
出典:人口動態統計
- 19 -
第3節
健康診査、がん検診から見る生活習慣病の状況
1 健康診査の受診状況
国民健康保険加入者の 40 歳∼74 歳を対象とした特定健康診査の受診率は、平成 23 年度
34.3%であり、女性と比較して男性の受診率が低い水準で推移しています。
性別年齢別に見ると、40 歳代から 50 歳代にかけての男性と、40 歳代の女性の受診率が
20%以下と低くなっています。
〔図 24
50
特定健康診査受診率の推移〕
(%)
40
37.1
33.3
29.1
30
36.6
33.0
37.6
34.3
28.9
30.6
平成22年度
平成23年度
20
10
0
平成21年度
全体
男性
女性
出典:さいたま市国民健康保険課調べ
〔図 25
50
性別年齢別の特定健康診査受診率(平成 23 年度)〕
(%)
44.9
37.2
40
27.7
30
22.2
20
15.8
12.3
18.3
15.0
16.1
45∼49歳
50∼54歳
46.0
48.4
38.4
28.0
18.9
10
0
40∼44歳
55∼59歳
男性
60∼64歳
65∼69歳
70∼74歳
女性
出典:さいたま市国民健康保険課調べ
- 20 -
2 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)該当者の状況
特定健康診査における内臓脂肪症候群該当者の割合は、ほぼ横ばいで推移しており、平
成 23 年度で男性が 24.2%と女性の約 3 倍に達しています。
〔図 26
30
特定健康診査における内臓脂肪症候群該当者割合の推移〕
(%)
24.1
24.2
24.2
20
7.8
7.7
7.6
平成21年度
平成22年度
平成23年度
10
0
男性
女性
出典:さいたま市国民健康保険課調べ
3 がん検診の受診状況
平成 20 年度から、老人保健法に基づく健(検)診制度は廃止され、がん検診は健康増進
法に基づく健康増進事業として位置づけられました。本市では、平成 21 年度から胃がん検
診の胃内視鏡検査の選択制導入や、乳がん・子宮がん検診における無料クーポン券の送付、
さらに平成 23 年度からは大腸がん検診の無料クーポン券送付を契機に受診率が上昇に転じ
ています。
〔図 27
35
30
がん検診受診率の推移〕
(%)
32.5
27.2
15
10
26.3
24.4
25
20
28.1
18.4
15.8
17.5
26.3
22.8
22.7
22.5
22.2
19.5
20.1
16.9
14.4
26.5
23.7
21.9
20.4
17.3
16.5
16.1
平成21年度
平成22年度
12.7
平成19年度
肺がん・結核
平成20年度
大腸がん
胃がん
子宮がん
平成23年度
乳がん
出典:さいたま市保健所・保健センター事業概要
- 21 -
4 歯科健康診査の受診状況
成人歯科健康診査の受診者数は、年度により多少変動がありますが、1 万人を超えてほ
ぼ横ばいで推移しています。
〔図 28
11,000
成人歯科健康診査の受診状況の推移〕
(人)
10,707
10,732
10,500
10,504
10,378
10,288
10,000
9,500
9,000
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
出典:保健所・保健センター事業概要(平成 23 年度版)
- 22 -
第4節
医療費の状況
1 医療費に占める生活習慣病の割合(全体)
平成 23 年度の国民健康保険加入者の、歯科を除く医療費に占める生活習慣病医療費の割
合は、入院では 40.0%、通院では 43.8%と全体の 4 割を占めています。また、入院につい
ては「新生物」が 20.0%、通院は「高血圧性疾患」が 13.4%でそれぞれ最も多くなってい
ます。
〔図 29
医科入院医療費(平成 23 年度)に占める生活習慣病の割合〕
新生物
20.0%
糖尿病
1.9%
高血圧性疾患
0.6%
虚血性心疾患
4.7%
その他の疾患
60.0%
脳血管疾患
9.9%
腎不全
2.3%
動脈硬化
0.6%
出典:さいたま市国民健康保険課調べ
〔図 30
医科通院医療費(平成 23 年度)に占める生活習慣病の割合〕
新生物
8.6%
糖尿病
7.7%
高血圧性疾患
13.4%
その他の疾患
56.2%
虚血性心疾患
1.3%
脳血管疾患
1.9%
腎不全 動脈硬化
0.1%
10.8%
出典:さいたま市国民健康保険課調べ
- 23 -
2 医療費に占める生活習慣病の割合(年代別)
平成 23 年度の国民健康保険加入者の、歯科を除く医科入院医療費に占める生活習慣病医
療費の年代別の割合は、30∼40 歳代から増加し始め、60 歳代以降になると 40%以上となっ
ています。同じく医科通院医療費に占める生活習慣病医療費の割合は、40 歳代から大きく
増加し、50 歳代以降では 40%を超えています。
〔図 31
医科入院医療費(平成 23 年度)における年代別の生活習慣病の割合〕
60
(%)
50
40
30
20
10
0
新生物
糖尿病
高血圧性疾患
虚血性心疾患
脳血管疾患
動脈硬化
腎不全
合計
20.1
1.9
0.6
4.7
9.9
0.6
2.3
10-19歳 20-29歳 30-39歳 40-49歳 50-59歳 60-69歳 70-74歳
3.6
0.0
0.0
0.3
0.1
0.0
0.0
0.4
0.4
0.0
0.2
0.0
0.0
0.4
6.9
0.6
0.1
1.0
2.2
0.0
0.7
8.3
1.4
0.2
2.6
5.1
0.3
2.1
12.8
2.3
0.1
2.8
8.5
0.2
2.3
21.8
1.7
0.5
5.1
10.5
0.6
2.6
22.9
2.3
0.9
5.6
10.7
0.7
2.0
出典:さいたま市国民健康保険課調べ
〔図 32
医科通院医療費(平成 23 年度)における年代別の生活習慣病の割合〕
(%)
60
50
40
30
20
10
0
新生物
糖尿病
高血圧性疾患
虚血性心疾患
脳血管疾患
動脈硬化
腎不全
合計
10-19歳
20-29歳
30-39歳
8.6
7.7
13.4
1.3
1.9
0.1
10.8
1.0
1.0
0.0
0.0
0.1
1.5
0.6
2.7
1.1
0.2
0.1
0.1
0.0
2.6
2.4
2.2
1.5
0.1
0.4
0.0
5.5
40-49歳 50-59歳
5.5
5.3
4.2
0.3
0.8
0.0
12.6
8.7
7.8
9.7
0.9
1.3
0.0
15.8
60-69歳
70-74歳
8.9
8.6
14.4
1.3
1.9
0.1
12.5
9.1
7.5
16.2
1.8
2.5
0.2
6.8
出典:さいたま市国民健康保険課調べ
- 24 -
第5節
前計画の評価と主な課題
前計画では、7 つの分野(栄養・食生活、身体活動・運動、休養・こころの健康づくり、
たばこ、アルコール、歯の健康、健康管理)を定め、それぞれに具体的な目標を設定し、
計画を推進してきました。
以下に全体的な評価及び分野別の評価の概要、そして主な課題について示します。
1 全体的な評価と課題
前計画で数値目標を設定し推進してきた結果、全 106 項目のうち目標値に達した(A)
は 13 項目(12.3%)
、また、目標値に達していないが改善傾向にある(B)が 43 項目(40.6%)
と、あわせて 5 割強(52.9%)が目標値に達成又は改善傾向にあるという結果となってい
ます。また、変わらない(C)が 28 項目(26.4%)
、悪化している(D)が 19 項目(17.9%)
、
評価困難(E)が 3 項目(2.8%)となっています。
なお、
(E)の評価困難については、これまでの基本健康診査から、特定健康診査への制
度変更にともない、数値が把握できなくなった項目です。
また、A∼Eの評価については、国の「健康日本21」の評価の基準に則っています。
〔図 33
「さいたま市ヘルスプラン21」における指標の達成状況〕
E 評価困難
2.8%
A 目標値に達した
12.3%
D 悪化している
17.9%
B 目標値に達して
いないが改善傾向
にある
40.6%
C 変わらない
26.4%
出典:さいたま市健康についての調査結果報告書(平成 24 年)
上の達成状況のうち、目標値に達した(A)については、健康管理分野の健康寿命の延伸
や健康に関する意識、女性の乳がん・子宮がん検診の受診率の向上、身体活動・運動分野
における環境の整備、たばこ分野における禁煙希望者の割合及び未成年者の喫煙開始年齢
(小学生)、アルコール分野における未成年者の飲酒開始年齢(小学生)、歯の健康分野で
- 25 -
の小・中学生で未処置歯のある者の割合などとなっています。
また、目標値には達していないが改善傾向にある(B)については、たばことアルコール
の分野で多く、たばこ分野ではその害についての理解と成人男女の喫煙率、アルコール分
野では、その害についての理解と毎日飲酒者の割合、次いで歯の健康分野でむし歯のない
幼児の割合や健康診査受診者、健康管理分野での定期健診受診者やがん検診受診者、身体
活動・運動分野の運動習慣15のある人の割合、栄養・食生活の分野でのおいしく食事をして
いる人の割合などの項目となっています。
一方で、悪化した(D)については、栄養・食生活分野の野菜を毎日食べる人の割合、休
養・こころの健康づくり分野のストレス、睡眠、生きがい等の項目、たばこ分野の未成年
者の喫煙開始年齢(16∼19 歳)
、アルコール分野の未成年者の飲酒開始年齢(16∼19 歳)
、
健康管理分野の生活習慣病による死亡率などの項目となっており、今後も引き続き取組み
を充実していくべき課題と考えられます。
2 分野別の評価と課題
■栄養・食生活
これまでの取組み■■■
栄養・食生活の分野では、すべてのライフステージにおいて、各種の教室や啓発、相談
等を行うとともに、地区組織との協働による取組み等を実施しています。平成 20 年には「さ
いたま市食育推進計画」を策定し、食育関係団体や学校・保育園・幼稚園等との連携によ
る普及啓発のほか、ポータルサイト「食育なび」を開設し、地域の団体の取組み等につい
て情報発信を行ってきました。また、食育月間(6 月)や、朝ごはん食べよう強化月間(10
月)での重点的な啓発等も行っています。
評価と課題■■■
市民調査(H24)では、1 日 3 食食べる人の割合は 8 割を超え、おいしく楽しく食事をし
ている人の割合は増加していますが、自分にとって適切な食事の内容・量を知っている人
は減少しています。朝食の摂取が課題となっており、特に 20 歳代男女及び 30 歳代男性の
朝食摂取の割合がほとんど改善していません。また、野菜を摂らない人の割合が多くなっ
ていることから、若い時期からの正しい食習慣の形成に向けた取組みを、食育推進計画と
連携をしながら、引き続き推進していく必要があります(P69 図 58 参照)
。
15
運動習慣:厚生労働省が実施する国民健康・栄養調査では、「30 分以上の運動をおおよそ週 2 回以上実
施し、1 年以上継続している」場合を運動習慣があると定義している。
- 26 -
〔図 34
食生活の状況〕
0
20
40
60
80
100
(%)
82.6
朝・昼・夕3食食べている
83.0
52.9
おいしく楽しく食事をしている
46.3
37.1
自分にとって適切な食事の内容・量を知っている
平成24年度調査
41.2
平成14年度調査
出典:さいたま市健康についての調査結果報告書(平成 24 年)
〔図 35
野菜の摂取状況〕
0%
20%
40%
60%
28.3
全体
74.2
30.1
女性
100%
71.7
25.8
男性
80%
69.9
毎日3食野菜を食べている
毎日3食は野菜を食べていない
出典:さいたま市食育に関する調査結果報告書(平成 23 年)
■身体活動・運動
これまでの取組み■■■
身体活動・運動に関しては、各種教室等を通じ、市民が運動に取組むきっかけづくりを
行ってきました。また、
「しあわせ倍増プラン2009」では、取組みやすい運動としてウ
ォーキングを推奨し普及啓発に努めるとともに、運動習慣等の継続化が図れるよう、
「いき
いき健康づくりグループ育成教室」を実施し、継続化のための仲間づくりの支援を行いま
した。
平成 23 年 7 月には「さいたま市スポーツ振興まちづくり計画」を策定し、健康で活力あ
る「スポーツのまち さいたま」∼日本一スポーツで笑顔あふれるまちへ∼を目指し、
「さ
いたまシティマラソン」
「さいたマーチ」など様々な施策を展開しています。
評価と課題■■■
市民調査(H24)では、運動習慣があるという人は増加しています。特に、男女とも 10
歳代、60 歳代以上で運動習慣がある人の割合が高くなっており、60 歳代以上においては、
- 27 -
運動の内容がウォーキングである人の割合が半数以上となっています。ウォーキングコー
スの整備や市内のウォーキングコースを紹介したマップやガイドブックの要望があること
から、ウォーキングへの関心が高まっていることがうかがえます。
一方で、30∼40 歳代男性や 20∼40 歳代女性の運動習慣のある人の割合が低いことが課題
となっており、仕事や家事・育児等で忙しい年代が取組めるような環境の整備を図ってい
く必要があります。
(P75 図 62 参照)
また、高齢化のさらなる進展が予測されており、高齢者に対する介護予防の取組みが、
引き続き必要となっています。とりわけ、日常生活での自立度の低下防止のため、ロコモ
ティブシンドローム16の予防として、歩行機能の維持向上のための啓発や取組みを行ってい
く必要があります(P75 図 61、P76 図 64 参照)
。
〔図 36
運動習慣がある人〕
0
10
20
30
40
50
(%)
27.9
ある
22.4
24.8
25.2
運動習慣の条件は満たさないが、
運動はしている
平成24年度調査
平成14年度調査
*運動習慣は、30 分、週 2 回以上の運動を 1 年以上継続していること
出典:さいたま市健康についての調査結果報告書(平成 24 年)
■休養・こころの健康づくり
これまでの取組み■■■
休養・こころの健康づくりに関しては、ストレスやこころの健康についての様々な情報
発信や各種相談窓口の案内等を、講演会や教室、イベント等を通じて啓発を行いました。
また、毎年 200 人を超える市民が自殺により亡くなられている状況を踏まえ、平成 21 年 3
月に「さいたま市自殺対策推進計画」を策定し、関連の深い睡眠、アルコール、うつ病等
の重点的な啓発や、ゲートキーパー17の養成、相談体制の充実等の自殺対策を推進していま
す。
評価と課題■■■
市民調査(H24)では、ストレスを感じている人の割合は増加し、ストレスが解消できて
いない人の割合は改善していません。
特に 20∼40 歳代でストレスを感じている割合が高く、
人間関係や仕事でのストレスが多くなっています(P83 図 68 参照)
。睡眠時にアルコール
を使用する人の割合が高くなっており、睡眠とアルコール摂取の関係、睡眠と休養、上手
16
ロコモティブシンドローム(運動器症候群):運動器(足腰の骨や関節、筋力など)の障害により要介
護になるリスクの高い状態になること。
17 ゲートキーパー:門番。自殺対策の中では、地域の中で、自殺を考えている人に出会ったとき、サイン
を見逃さず、適切な対応を図ることができる人。
- 28 -
なストレスの解消方法等について普及していく必要があります。
また、生きがい・やりがいを持っている人は若い世代で低く、60 歳以上の人では高い状
況です。高齢者の健康づくりや生きがいづくりの取組みが進められてきた成果がうかがえ
ます。
本市では、平成 24 年 3 月に策定した、
「さいたま市だれもが安心して長生きできるまち
づくり条例」に、生涯にわたって社会参加をする機会を確保し、生きがいを持って生活を
営むことが明記されています。生きがいは、個人の心と体の健康とも大きく関与している
ことから、今後も生きがいづくりを推進する必要があります。
〔図 37
毎日の生活でのストレス〕
0
10
20
30
24.6
感じる
40
50
(%)
平成24年度調査
平成14年度調査
19.4
45.7
ときどき感じる
〔図 38
44.5
生きがい・やりがいの有無〕
0
20
40
80
100
(%)
66.6
71.2
持っている
13.2
11.0
持っていない
19.4
16.3
わからない
無回答
60
平成24年度調査
0.8
1.5
平成14年度調査
出典:さいたま市健康についての調査結果報告書(平成 24 年)
■たばこ
これまでの取組み■■■
たばこに関しては、平成 15 年の「健康増進法」における「受動喫煙18の防止」に関する
規定を受けて、社会全体で受動喫煙防止、禁煙サポートの推進、未成年者の喫煙防止に取
組むために、母親学級をはじめとした各種教室やイベント等で啓発を行いました。また、
18
受動喫煙:非喫煙者が自分の意思と無関係に他の人のたばこの煙を吸ってしまうこと。間接喫煙ともい
う。
- 29 -
九都県市19共同受動喫煙防止キャンペーンを実施し、広域での取組みによる受動喫煙防止に
係る普及啓発も進めています。小・中学校では、関係団体と連携した未成年の喫煙防止の
ための教育も行っています。
評価と課題■■■
市民調査(H24)では、喫煙率が減少し、喫煙が及ぼす健康影響についての知識も浸透し
て、分煙化・禁煙化についても取組みが進んできています。未成年者の喫煙率は減少して
いますが、未成年者の喫煙は未だ 1.5%と目標を達成していないことから、今後も引き続き、
受動喫煙防止や禁煙支援とともに、未成年者の喫煙防止の取組みを推進していく必要があ
ります。
また、現在喫煙率の高い 30 歳代男性で 48.4%、40 歳代男性で 65.7%が、16 歳から 19
歳で喫煙を開始していることから、長期の喫煙による慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予
防対策が必要となります。
〔図 39
喫煙の状況〕
0
20
40
60
14.7
吸う
平成24年度調査
平成14年度調査
24.2
18.9
以前吸っていたが、やめた
17.1
65.4
吸わない
〔図 40
80
(%)
56.6
はじめてたばこを吸った年齢〕
0
20
40
60
80
(%)
12歳以下(小学生以下)
1.2
1.7
平成24年度調査
平成14年度調査
9.0
9.0
13∼15歳(中学生)
43.6
45.3
16∼19歳
43.2
42.2
20歳以上
無回答
3.0
1.9
出典:さいたま市健康についての調査結果報告書(平成 24 年)
19
九都県市:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市。
- 30 -
■アルコール
これまでの取組み■■■
アルコールに関しては、イベントや、各種の教室等で、適正飲酒に関する啓発を行って
きました。また、各保健・福祉の相談機関では、こころの健康センターを中心として関係
機関と連携した相談体制を整え、アルコール依存症の本人や家族からの相談に対応してい
ます。平成 23 年から飲酒問題の初期介入プログラム(エコ飲みプロジェクト)20を実施し
ており、特定健康診査受診後のフォローとしての活用も試みだしたところです。
小・中学校においては、関係団体と連携した未成年者の飲酒防止についての教育を行っ
ています。
評価と課題■■■
市民調査(H24)では、毎日飲酒する人や週に 5∼6 日飲酒するという人は減り、適度な
飲酒に心がける人が増加している傾向にあります。一方で、多量飲酒者21の割合が増加して
おり、特に 40 歳代∼70 歳代の男性の割合が多く、生活習慣病の発症予防や重症化予防の観
点、また、アルコール依存症や自殺予防の観点からも対策が必要です。
〔図 41
飲酒の状況〕
0
10
20
16.5
毎日飲む
40
(%)
平成24年度調査
19.5
平成14年度調査
4.2
5.6
週に5∼6日飲む
6.6
7.4
週に3∼4日飲む
〔図 42
30
飲酒量の日本酒換算〕
0
20
40
60
80
100
(%)
61.6
62.5
1合未満
29.9
27.5
1合∼3合未満
3合以上
無回答
3.9
2.7
平成24年度調査
4.6
7.2
平成14年度調査
出典:さいたま市健康についての調査結果報告書(平成 24 年)
20
21
初期介入プログラム(エコ飲みプロジェクト)
:多量飲酒者に対し、節酒の指導を行うプログラム。
多量飲酒者:1 日平均純アルコールで約 60g(日本酒に換算すると 3 合)を超えた量を飲酒する人。
- 31 -
■歯の健康
これまでの取組み■■■
歯の健康については、妊娠期から、乳幼児、学齢期での歯科健康診査、むし歯予防に関
する様々な啓発等を行ってきました。特に幼児歯科健康診査の受診率向上のための未受診
者へのはがきによる受診勧奨や、市立保育園への巡回指導、小・中学校への巡回指導等を
推進してきました。
また、成人期の歯科健康診査の受診率向上や歯周疾患の予防等の啓発、介護予防事業と
しての口腔機能向上教室等の実施等、ライフステージに応じた取組みを実施してきました。
評価と課題■■■
市民調査(H24)では、1 歳 6 か月児及び 3 歳児歯科健康診査で、むし歯のある幼児の割
合は減少傾向にあります(P61 図 54 参照)
。また、小・中学生で未処置歯のある人の割合
は大きく減少しています。定期的な歯科健康診査の受診者は大幅に増加し、時々受診して
いる人も増加しています。また、歯や口の状態がよくないという人も減少しており、1 日 1
回は歯を丁寧にみがいている人や歯間部清掃用具を使用している人など、歯と口腔の健康
に気を使っている人が増えてきた結果だと考えられます。歯の健康については、全体的に
改善傾向が認められますが、引き続き、歯科健康診査の受診や歯や口腔の健康管理に努め
るよう動機付けを行っていくことが重要です。
〔図 43
歯科健康診査の受診状況〕
0
10
20
30
25.8
定期的(年1回)に受けている
50
60
(%)
平成24年度調査
14.5
平成14年度調査
33.3
29.8
時々受けている
〔図 44
40
自分の歯や口の状態について〕
0
10
20
30
50
60
(%)
31.8
よい
23.7
40.4
よくない
58.2
25.2
わからない
無回答
40
15.1
2.6
3.0
平成24年度調査
平成14年度調査
出典:さいたま市健康についての調査結果報告書(平成 24 年)
- 32 -
■健康管理
これまでの取組み■■■
健康管理については、平成 20 年度から、医療保険者による特定健康診査・特定保健指導
が実施され、
「国民健康保険特定健康診査等実施計画」のもと、受診率の向上に取組んでき
ました。特に未受診者への電話による受診勧奨や、受診後の特定保健指導実施率の向上の
ため医療機関と連携した取組みを行いました。
がん検診については、平成 19 年 4 月のがん対策基本法に基づき「がん対策推進基本計画」
が策定されるなど、がん対策の推進が図られてきていますが、本市においても、民間企業
と協定を結ぶなど、がん検診の普及啓発に努めています。
評価と課題■■■
市民調査(H24)では、健康であると意識している人の割合が高まるとともに、定期的に
健康診査を受けていない人が減少するなど、市民の健康に対する意識や行動が改善してい
る傾向にあります。一方で、20∼40 歳代では健康に配慮していない割合が高く、男性肥満
者の割合が高いことや、20 歳代女性のやせの問題などについて、日常的な運動習慣の定着
と栄養・食生活についての正しい知識の普及を図っていく必要があります(P53 図 50・51
参照)
。
悪性新生物、心疾患、脳血管疾患による死亡率について、本市は全国や埼玉県の平均を
下回って推移しています。本市では医療機関と連携し各種健康診査の充実に努めており、
乳がん検診、子宮がん検診は受診率が目標を上回りました。また、市民調査(H24)の結果
では、大腸がん検診、胃がん検診で 1 割強の人が人間ドック等を利用しており、大腸がん
検診では受診率が 47.5%となっています(P47 図 48 参照)
。
メタボリックシンドロームの認知度は目標値を達成していますが、特定健康診査の実施
率はほぼ横ばいの状況です。
今後、高齢化の進展が予想されることから、生活習慣病の予防に向けた、より一層の取
組みと、疾病の早期発見・早期治療の推進を図っていく必要があります。
〔図 45
健康だと回答した人〕
0
20
40
60
80
(%)
とても健康である
17.8
平成24年度調査
平成14年度調査
9.8
64.7
まあ健康である
55.4
- 33 -
〔図 46
健康に気をつけているか〕
0
20
40
60
(%)
30.3
32.1
気をつけている
54.2
52.4
ある程度は気をつけている
12.3
13.1
あまり気をつけていない
気をつけていない
無回答
2.2
1.5
平成24年度調査
平成14年度調査
1.1
0.9
出典:さいたま市健康についての調査結果報告書(平成 24 年)
- 34 -
3 計画の改定に向けたポイント
前計画の評価からは、市民の健康寿命や健康についての意識などの基礎的な指標や、健
康づくりに必要な知識等に関する指標が改善している一方で、生活習慣の改善や実践に関
する指標で悪化しているものも多く、さらなる取組みが必要な状況です。
中でも、栄養・食生活における 20 歳代を中心とした若い世代の朝食の欠食、働き盛りの
世代における運動不足とストレス解消、未成年者の喫煙や飲酒など、目標指標の改善に向
けた取組みを強化することが求められています。
今後は、本市の高齢化の進展により増加が予想される生活習慣病による死亡や要介護状
態を予防するために、生活習慣改善の行動化や習慣化に向けた取組みを推進していくこと
が重要です。
前計画においては、特に重点的な課題に対応した施策を積極的に進めるため、次の 3 つ
の重点プログラムを設定していました。
【前計画における 3 つの重点プログラム】
① 朝食を大切にした食習慣の定着と、食を通じた豊かなコミュニケーションの醸成
② 上手なストレスの解消
③ 働く世代の肥満予防
これらのそれぞれについて、前計画で定めた目標値とその達成状況(実績)は以下の通
りです。
〔表 2
①朝食を大切にした食習慣の定着と、食を通じた豊かなコミュニケーションの醸成〕
指標
対象
平成 14 年
調査
平成 17 年
調査
平成 24 年
調査
朝食を毎日食
20 歳代男性
48.9%
48.1%
44.5%
べない人の割
30 歳代男性
36.7%
42.5%
36.5%
合
20 歳代女性
35.9%
43.8%
36.0%
20 歳代男性
53.8%
55.2%
61.1%
65%以上
30 歳代男性
66.0%
64.5%
67.3%
80%以上
20 歳代女性
64.5%
61.9%
71.9%
80%以上
1 日 3 食食べ
る人の割合
- 35 -
平成 24 年
目標値
25%以下
〔表 3
②上手なストレスの解消〕
指標
ストレスが解消でき
ていない人の割合
身近に相談相手のい
ない人の割合
睡眠の確保のために
アルコールを使用す
る人の割合
〔表 4
対象
平成 14 年
調査
平成 17 年
調査
平成 24 年
調査
平成 24 年
目標値
全体
30.7%
31.8%
31.3%
25%以下
全体
14.1%
15.5%
14.1%
10%以下
成人
16.9%
16.6%
28.3%
15%以下
③働く世代の肥満予防〕
指標
対象
平成 14 年
調査
平成 17 年
調査
平成 24 年
調査
平成 24 年
目標値
20 歳代∼60 歳代
男性の肥満者
(BMI2225 以上)
意識的に体を動かす
など運動している人
の割合
20 歳代
∼60 歳
代男性
22.3%
23.5%
24.1%
14%以下
男性
29.0%
27.3%
29.4%
35%以上
この 3 つの重点プログラムに係る目標指標の達成状況を見ると、市民調査(H24)でいず
れの項目も目標値に到達できておらず、これらのテーマについては、今回の計画策定時に
おいても、引き続き取組むべき課題となっています。
しかし、視点を変えてみれば、いずれも若い世代から健康的な生活スタイルとして身に
つけていくことが重要であり、早期に身につけるほど習慣化が促され、後の生活習慣病の
発症の予防につながります。このことからも、食事や運動、体重管理、禁煙、節酒などの
項目について、若い世代から一つでも身につけられるよう、着実な支援を図っていくこと
がポイントとなります。
また、健康づくりは、個人の取組みをベースにしたものではありますが、ライフステー
ジを通じて継続していくためには、家族や近隣など身近な人との仲間づくりという視点や、
地域や学校、職場といった生活の場における健康づくりの環境整備、健康づくりに取組む
自主グループやNPOとの連携といった視点も重要です。特に、これからの高齢化社会は、
長い定年後に地域と深く結びつき、地域に愛着を持って生きることが生活の質の向上にと
って不可欠です。
このような状況から、今回の計画策定においては、若い世代から健康的な生活習慣を身
につけること、及び個々の健康づくりの取組みを支える地域や世代間の相互扶助や地域や
社会の絆の強化を促進することを重点課題と捉え、施策を展開していくこととします。
22
BMI:Body Mass Index の頭文字をとった略語で、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求めた数値
のこと。肥満の判定に用いられ、18.5 未満は「やせ」
、18.5 以上 25 未満が「普通体重」
、25 以上が「肥満」
とされる。
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