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都市交通マスタープラン(1章)

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都市交通マスタープラン(1章)
§1.交通体系の現状と課題
③市民ニーズ
○市民の要望として、
「全体の運行本数の増便」
、
「運賃の低減」
、
「特定時間帯(早朝・深夜、
通勤・通学時間)における運行本数の増便」
、「快適性の向上(混まない、座れる)」等が
望まれている。
941
全体の運行本数が少ない
369
通勤・通学時間帯の運行本数が少ない
215
自動車やバスよりも運賃が高い
599
早朝・深夜の時間帯の本数が少ない
194
竜ケ崎線への乗り継ぎが悪い
328
路線バスへの乗り継ぎが悪い
快適性が悪い(混んでいる、座れない)
802
132
その他
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
1,000
回答数
資料:「都市交通に関するアンケート調査」
図-1.21 JR常磐線の問題点(回答総数 3,580 件)
④課題
○日常的に通勤・通学目的で利用されているため、
「全体の運行本数、特定時間帯におけ
る運行本数の増便」
、「快適性の向上」等、サービス向上が課題となっている。
○その他、「乗換による待ち時間の快適性の確保」も課題となっている。
- 28 -
§1.交通体系の現状と課題
(2)JR常磐線佐貫駅駅前広場
①交通空間の整備、サービスの現状
至 水戸方面
●東口駅前広場全体
○JR常磐線佐貫駅は、現在、昇降施設(エス
カレーター・エレベーター)の整備が進めら
れている。
西口駅前広場
市営駐車場
○JR常磐線佐貫駅東口駅前広場は、バスター
ミナル、タクシープール、身体障害者用の乗
降場、一時預かり駐車場が整備されている。
タクシー
乗り場
(仮設)駐輪場
●バス停、バスプール
○西口駅前広場は、バス乗り場、タクシー乗り
場が整備されている。
バス停
●仮設の駐輪場
東口駅前広場
連
絡通
駐車場
路
バスプール
西口
JR佐貫駅
東口
●バス停車用スペースと
タクシー停車用スペース
●タクシープール及び
身体障害者用乗降場
商業施
設
身体障害者用
乗降場
●タクシー乗降場
関東
鉄
道佐
貫
タクシープール
道有
駅
関東鉄
●整備中のエスカレーター(駅構内)
一時預かり
駐車場
(時間貸し)
料駐
輪場
タクシー
乗り場
至 上野方面
図-1.22 JR常磐線佐貫駅の整備状況
- 29 -
§1.交通体系の現状と課題
②利用状況
○JR常磐線佐貫駅東口駅前広場は、平日の朝方、路線バス、タクシー、キスアンドライ
ド(K&R)*4 車両、企業シャトルバスが集中し、混雑している。
図-1.23 JR常磐線佐貫駅東口駅前広場内における朝の状況
③市民ニーズ
○駅施設には、「インターホンの設置」等、高齢者や身体障害者に対する施設整備が望ま
れている。
○その他、「駅周辺に一時預かり駐車場がない、あるいは少ない」
、「広場内の停車及び駐
車するスペースがない」等の意見が挙がっている。
166
駅に行くための道路が少ない
駅に行くための道路が狭い
192
170
駅周辺に月極駐車場が少ない
駅周辺に一時預かり駐車場がない、あるいは少ない
701
204
駅周辺に駐輪場が少ない
625
駅前広場に停車および駐車するスペースがない
139
駅前広場内の道路が狭い
736
駅構内にエスカレーター等の昇降施設がない
257
駅構内に待合室がない
駅前広場や駅構内における通路等の歩行スペースが狭い
91
バスやタクシー乗り場にベンチや上屋がない
68
案内・誘導施設がない
80
137
特に、問題と感じることはない
98
その他
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
1,000
回答数
資料:「都市交通に関するアンケート調査」
図-1.24 JR常磐線佐貫駅の問題点(回答総数 3.644 件)
*4「キスアンドライド(K&R)」:自家用車による駅等への送迎
- 30 -
§1.交通体系の現状と課題
④課題
<東口駅前広場>
○歩行者交通:「駅施設からタクシー乗り場まで、あるいは流通経済大学行きのバス停ま
での移動や乗り場において、天候の影響を受ける」や「歩行者動線と車両
動線が交錯し、安全性が低下している」等
○自動車交通:
「平日の朝、夕の時間帯において、駅施設前の車両集中による混雑の発生(雨
天時はさらに増加)」
、「車椅子用の降車スペースや路線バスの駐停車スペ
ースの適切な運用」
、
「タクシープールや一時預かり駐車場の需給のアンバ
ランス」等
<西口駅前広場>
○歩行者交通:「歩行空間のバリアフリー化*5」
、
「放置自転車への対応」等
○自動車交通:「路線バス、自家用車、自転車利用者の輻輳による安全性の低下」等
*5「歩行空間のバリアフリー化」
:街の中にある様々な障害(バリア)をなくし(フリー)、誰もが安心・快適に移動できる歩行
空間をつくること
- 31 -
§1.交通体系の現状と課題
1.3
都市内の交通
★現在、自家用車交通に偏重した利用形態であり、歩行者・自転車利用に対する基盤面の
サービスレベル(快適性、安全性)の向上、利用率の低い公共交通に対するサービスレベル
の向上、移動制約者*6 に対する移動手段の確保等、環境にやさしく、利用者に安全で、
利用しやすい交通基盤と交通体系の構築が課題である。
*6「移動制約者」
:高齢者や身体障害者だけでなく、公共交通機関を利用するには不便で、自家用車の利用もできない人(子供、
免許を持たない人、自家用車がない人、自由な車がない人等)
、さらには天候により通常の交通手段が使えな
い人等を含む
- 32 -
§1.交通体系の現状と課題
1.3.1
道路
①歩行者(車椅子、シルバーカーを含む)
■4つの市街地のうち、特に土地区画整理事業済地内は、概ね歩道は整備済みであるが、
「龍
ケ崎商店街通り等の未整備区間」、
「歩道の狭い区間」や「段差のある歩道」が存在する
ため、「歩道の整備・拡幅」、「バリアフリー化」が課題となっている。
■利用者の安全面から、交通事故多発地点の道路、交差点や通学路・生活道路における「交
通安全対策」、
「防犯対策」、快適性の面から「溜まり空間*7 の確保」も課題となっている。
②自転車
■自転車専用道が未整備のため、自転車は歩道もしくは車道を走行している。そのため、
安全面からは「自転車走行空間の確保」や「対歩行者、対自動車との分離」が課題とな
っている。環境面からは、「中学生・高校生以外の自転車利用の促進」も挙げられる。
■駐車の面では「JR常磐線佐貫駅西口駅前広場の放置自転車対策」や「駐輪場間の利用
状況のアンバランス」が課題となっている。
③バス
■路線バスは、
「運行本数の増便」や「公共交通不便地域へのバス路線の整備」等、サービ
ス面の向上が課題となっている。
■ふれあいバスは、
「運行目的と異なった利用形態」
、
「運行費と利用者数のアンバランス」
により、抜本的な見直しが必要である。
■企業シャトルバスは、朝と夕方に利用が集中するため、
「JR常磐線佐貫駅東口駅前広場
を利用する他の交通手段への影響」が課題となっている。
■流通経済大学のスクールバスは、運行経路等の変更により、
「市民の移動手段として有効
利用」が課題となっている。
④自家用車
■自家用車交通は、市民の日常的な交通手段であるが、環境面から「自家用車交通に偏重
した交通体系の見直し」が必要である。
■その他、「特定時間帯における局所的な混雑の緩和」、「交通事故多発地点の交通安全対
策」、「P&R*8、K&R需要への対応」が課題となっている。
*7「溜まり空間」
:休憩や立ち止まって話ができるような空間。歩行者広場。
*8「P&R(パークアンドライド)」
:自宅から自家用車で最寄り駅に行き、自家用車を駐車した上で、公共交通により目的地へ
向かうシステム
- 33 -
§1.交通体系の現状と課題
(1)歩行者(車椅子、シルバーカーを含む)
①歩道整備、サービスの現状
○市内4つの市街地のうち、ニュータウン地区(北竜台、龍ケ岡)は、広幅員の歩道が整備
されている。一方、佐貫地区及び龍ケ崎地区は、概ね整備されているが、龍ケ崎商店街
通り等の人や車が比較的通行する道路に歩道が整備されていない。また整備されていて
も幅員が狭くなっている。溜まり空間も未整備である。
○市街地以外の地区は、(主)美浦栄線や(一)河内竜ケ崎線といった幹線道路でも歩道が整
備されていない箇所があり、また、生活道路における街灯や防犯灯の整備も不十分であ
る。
○歩いて楽しい道路として、北竜台地区は景観道路が整備され、龍ケ岡地区は遊歩道が整
備されている。
○徒歩交通は、小・中学生の主要な交通手段となっているが、歩道が未整備の道路が通学
路として指定されている。
○高齢者や身体障害者に配慮して、JR常磐線佐貫駅東口駅前広場周辺の歩道等、部分的
にバリアフリー化した歩道が整備されているが、高齢者も利用する公民館や市役所等の
公共施設周辺の道路がバリアフリー化されていない。
松葉~長山(歳時記のみち)
延長 2,499m
幅員
8m
中根台~久保台)
延長 1,463m
幅員
8m
平台
延長
幅員
637m
8m
出典:竜ケ崎ニュータウンパンフレット
図-1.25 景観道路
- 34 -
§1.交通体系の現状と課題
出典:「龍ケ崎市総合運動公園基本計画報告書 概要版」
龍ケ崎市都市整備部みどり推進課 平成 12 年8月
図-1.26 遊歩道
<JR常磐線佐貫駅東口広場>
<バリアフリー化>
<歩道の段差解消のイメージ>
整備前
整備後
出典:国土交通省ホームページ
図-1.27 バリアフリー化された歩道
- 35 -
§1.交通体系の現状と課題
②利用状況
○徒歩は市民の利用交通手段のうち約 23%を占め、特に、通学目的では約 66%を占める。
<通学目的>
<全目的>
路線バス 鉄道
1.2%
0.6%
鉄道
路線バス 0.8% その他
0.4%
0.4%
その他
0.2%
バイク
0.4%
徒歩
22.8%
自動車
55.3%
自動車
13.3%
自転車
19.1%
自転車
18.7%
徒歩
65.6%
バイク
1.2%
資料:「市民行動アンケート調査結果」
図-1.28 龍ケ崎市の内々交通における代表交通手段分担率
- 36 -
§1.交通体系の現状と課題
③市民ニーズ
○「狭い道路」
、
「交通事故の危険を感じる道路」
、
「通学路などの主要な生活道路の安全性
の向上」の意見が多く挙げられている。
○ユニバーサルデザインの施策として、
「歩道の段差解消」
「歩道の占用物件の排除、歩道
の拡幅」の意見が多く挙げられている。
<道路の状況>
<生活環境阻害要因>
8.8
旧市街地区1
19.7
13.6
10.5
ニュータウン地区2
12.5
9.0
15.3
11.1
佐貫地区
全体
0
10
1.5
4.6
0.6
6.5
1.6
4
1.8
1.1
8.7
墓地
高圧線や鉄塔など
27.8
40.7
危険な工場(爆発・火災)
悪影響の工場(騒音)・振動など)
26.4
ガソリン・LPガススタンド
41
17.1
22.5
深夜に騒音を出す飲食店
風紀上好ましくない飲食店
31.0
49.6
20
風紀上好ましくない旅館
駅前放置自転車
18.1
20.7
20.7
30
40
50
別に不満はない
反射鏡が少ない
25.3
長時間路上駐車(夜間など)
48.3
60
70
5.6
4.3
日当たりを悪くする建物
ながめを悪くする建物
回答者に対する比率(%)
路上駐車が多い
道路の整備不良が多い
44.1
40.2
交通事故の危険を感じる道路
狭い道路
54.6
10.9
10.7
11.5
5.5
川沿いなどの危険のある遊び場
17.3
ニュータウン地区1
9.3
57.7
26.2
28.5
16.2
7.4
ゴミの不法投棄場所
25.5
8.5
8.5
旧市街地区2
30.8
27.2
管理の悪い空き地
12.4
14.6
歩道が少ない
渋滞が多い
11.4
13.4
18.7
不快な看板、広告
その他
特になし
4.8
無回答
0
10
20
30
40
50
回答者総数に対する比率(%)
資料:「龍ケ崎市生活環境調査報告書」流通経済大学社会学部八田社会調査実習
平成 12 年3月
図-1.29 歩道に関する市民ニーズ
【まちづくり協議会において挙げられた歩道に対する意見】
・道路等に設置されている柱を移設し、歩行者の安全性確保と道路空間の視角的広がり
を図る(龍ケ崎地区)
・狭隘道路への隅切り設置、拡幅整備(龍ケ崎西地区)
・通学路の歩道の設置等による危険性の解消(川原代地区、長戸地区)
・街灯、防犯灯の設置(松葉地区、久保台地区、馴馬台地区、八原地区)
等
④課題
○全ての利用者に対して、「歩道の整備・拡幅」や「バリアフリー化」等のサービス向上
が課題である。また、「交通事故多発地点や通学路における交通安全対策」
、
「通学路や
生活道路における防犯対策」等、利用者の安全面も課題である。
○商店街や公共施設周辺においては、
「溜まり空間の確保」も課題である。
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