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6/1 アインシュタイン係数、誘導放射、メーザー

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6/1 アインシュタイン係数、誘導放射、メーザー
Radiative Processes in
Astrophysics
林田 清
http://wwwxray.ess.sci.osakau.ac.jp/~hayasida
フラウンホォーファー線(吸収線スペクトル)


太陽からの輻射は温度6000度のこ
黒体輻射でほぼ近似できる。
フラウンフォーファー線(太陽(恒星)
の大気による吸収線)が同時に観測
される。 元素の組成と電離度がわ
かる。
裳華房 宇宙スペクトル博物館
http://www.shokabo.co.jp/sp_opt/star/list/csp.htmより
I ( )  I (0)e  S (1  e )
 S  e ( I (0)  S )
1.9 answer
吸収線と輝線の発生
TSのshellの中でS  B (TS )
    
0
Ts<Tc
Ts>Tc
0
Ray  A
I (0)  B (Tc )

I ( )  B (Tc )e  B (Ts ) 1  e 
吸収線

輝線
Tc
A
Ts
B
Ts
Ray  B
I (0)  0

I ( )  B (Ts ) 1  e 

  1ではI ( )  B (Ts )
Radiative Processes in Astrophysics より
温度Tの熱的プラズマの球から出る輻射
熱的輻射の場合、ガスの温度をTとして S  B (T )
ガス球の端で I (0)  0なら s
I ( )  B (T )(1  e  )  j /  (1  e  )

1
I ( )
I (0)
1の振動数 1ではI1 (1 )  B1 (T )1  j1 s
単位体積あたりの放射に光路の長さsをかけたもの

0
1の振動数 0ではI 0 ( 0 )  B 0 (T )  j 0 /  0
ここで1/  0 はOptical Depth=1に相当する厚み
I ( )
B (T )
例えばsを増加させて、全
ての波長でoptical depth
が大きくなっていくとスペ
クトルはB(T)に漸近する。
0
1

超新星残骸のX線放射

W49B~1千5百万度の高温(希薄)プラズマ
A composite Chandra X-ray
(blue) and Palomar infrared
(red and green) image .
Credit: NASA/CXC/SSC/J.
Keohane et al.
ASCA spectrum Fujimoto et al.,1995
高温希薄プラズマ

電離した元素特有の輝線が見える。なぜ輝線がみ
えるのか?



HI:中性の水素、HII:1階電離した水素、FeXXV:24階電
離した鉄(2個の電子だけが残っている鉄イオン)
同じ程度の温度1千-2千万度のプラズマでも降着
円盤からの放射は、ほぼ黒体輻射で近似できる(輝
線はみえない)。なぜか。
Emission coefficientをjとするとoptically thin、
optically thickの場合、それぞれLuminosityはどう
かける。簡単のためプラズマは半径Rの球とする。
• P Cygni:白鳥座にある
B型の変光星
P Cygni Profile
長波長側で輝線、短波長側で吸収線
• 平均光度は5等級
• 1600年にフレアした新
星(Nova)
スペクトルはO.Stahl http://www.lsw.uni-heidelberg.de/~ostahl/pcyg/より
星の大気のOutflow
http://home.achilles.net/~jtalbot//spectra/PCygni.html より
http://galaxy.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/cd-rom/star/peculiar/Pcyg.htmにも説明あり
Main Sequence Stars
Absorption Lines
宇宙スペクトル博物館 可視光
編(国立天文台岡山天体物理観
測所・大阪教育大学で共同制
作 ;詳しくは
http://galaxy.cc.osakakyoiku.ac.jp/cd-rom/top.htmを参
照のこと)より
WR (Wolf-Rayet) Stars
Broad Emission Lines…何を意味するか?
宇宙スペクトル博物館可視光編 (国立天文台岡山天体物理観測所・大阪教育大学で共同制作 ;詳
しくはhttp://galaxy.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/cd-rom/top.htmを参照のこと)より
WR (Wolf-Rayet)
Stars



最も高温の恒星(表面温度
~90,000K)
質量は恐らく40M◉以上
高速(>3000km/s)の恒星風を多
量(10-4 M◉year-1以上)にだしてい
る


たかだか10万年程度で星の外層
が全てはぎとられてしまう。
質量の巨大な星の最後のフェー
WR星 WR124の“まわ
ズ(?)
りの 星雲”M1-67(WR
星自身は点状にしかみ
えない)
http://hubblesite.org/newscenter/archive/1998/38/より
参考 http://astro.pas.rochester.edu/~aron/wr-lbv/wr.html
Einstein Coefficients
1.Spontaneous Emission
A21
2.Absorption
B12 J
Level2,g2
Emission
DE=h
0
Level1,g1

J   J  ( )d
0
3.Stimulated Emission
B21 J
Absorption
 ( )は   0にピークをもつ、
line profile function
(全周波数範囲で積分すると1)
In Thermodynamic Equilibrium
n1 B12 J  n2 A21  n2 B21 J
A21 / B21
J 
(n1 / n2 )( B12 / B21 )  1
n1
g1 exp( E / kT )
g1

 exp(h 0 / kT )
n2 g 2 exp  ( E  h 0 ) / kT  g 2
A21 / B21
J 
( g1 B12 / g 2 B21 ) exp(h 0 / kT )  1
Einstein Relations
J  Bより
g1 B12  g 2 B21
2h
A21  2 B21
c
3
detailed
balance
左の関係は熱平衡状態を仮
定して導いたものであるが、
原子のミクロな状態によって
決まるA21, B21, B12は温度T
に直接関連をもたない
 物質が熱平衡状態にあるか
否かに関わらず成立する
 誘導放出の導入について

Absorption & Emission Coefficients
j dVd d dt  (h 0 / 4 ) ( )n2 A21dVd d dt
h 0
放射係数はj 
n2 A21 ( )
4
吸収係数は(結果だけかくと)
h
 
n1 B12 ( )
4
誘導放出=負の吸収と捉え考慮すると
h
   ( )(n1 B12  n2 B21 )
4
Generalized Kirchhoff's Law
dI
h
h

(n1 B12  n2 B21 ) ( ) I 
n2 A21 ( )
ds
4
4
n2 A21
S 
n1 B12  n2 B21
h
 
n1 B12 (1  g1n2 / g 2 n1 ) ( )
4
2h 3 g 2 n1
S  2 (
 1) 1
c
g1n2
Cases
Thermal Emission (LTE)

n1 g1
h
 exp( )
n2 g 2
kT
h
h
 
n1 B12 (1  exp( )) ( )
4
kT
Sv  B
←Kirchhoff’s Law
Nonthermal Emission




ex) not have a Maxwell velocity distribution
ex) not obey the Maxwell-Boltzmann distribution
ex) scattering process is present
Inverted Populations: Maser, Laser
n2 g1
h
 exp(
) 1
n1 g 2
kT
n1 n2

Normal Population
g1 g 2
n1 n2

g1 g 2
反転状態:
Inverted Population 上の準位にたくさ
んの原子がいる
 

h
n1 B12 (1  g1n2 / g 2 n1 ) ( )  0
4
Negative Absorption =
Amplificationが起こる
Maser
(Microwave Amplification by Stimulated Emission of Radiation)


Laser (Light ….)
天体で観測されているメーザーの例





生まれたての星や、逆に非常に年老いた星の周囲に存
在する濃い分子ガス中のOH分子、H2O分子
分子ガスは、分子同士の衝突、星からの光によって、反
転準位をつくる
視線方向にやってくる光がガス中で長いパスを通ると、
メーザー(増幅)が起こる。
活動銀河核の中心部でもメーザーが観測されている
天体Laser現象の観測例はない?

星間物質の温度では反転分布をつくるのが難しいため
地上の実験室でのレーザー

例)He-Neレーザー
熊本大学工学部http://education.eecs.kumamoto-u.ac.jp/laser/OHP(PDF)/lHe-Ne%20Laser(12).pdfより
レーザーの応用(一例)

CD, CD-ROM,DVDなどは全て半導体レーザーを使用。




Compact Disc用は780nmの赤外線
DVDは635nm,Bruray Discでは405nm
医療用などでは気体レーザーを使用している場合もある模
様(出力パワーが必要なので)
光通信では1.3-1.6mmの赤外線を使用。
図はhttp://www.nanoelectronics.jp/kaitai/opticaldisc/5.htmより
超巨大ブラックホールの証拠
NGC4258(M106)中心部のメーザー輝線観測





水蒸気分子が発するメー
ザー線 (22GHzの電波)
VLBAによる0.3ミリ秒角の
角度分解能の観測
ドップラー速度の測定。
太陽の3600万倍の質量の
ブラックホール
Miyoshi et al.,
1995,Nature,373, p.127
図は中井他1995(http://www.miz.nao.ac.jp/b_hole.htmlより)
NGC4258 メーザー輝線の観測
Miyoshi et al., 1995, Nature, 373, p.127
GM ( r ) / r 2  v 2 / r
M ( r )  v 2 r / G
NGC4258
v  GM ( r ) / r



Direct Evidence of
Kepler Motion
R<0.13pc
MBH=3.6x107 Msun
Miyoshi et al., 1995, Nature, 373, p.127
Diskの想像図
J. R. HERRNSTEIN et al.,1999 Nature 400, p.539
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