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析 分 勢 情 東 中

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析 分 勢 情 東 中
中東 情勢分析
GCC における石油・ガス開発の現状:
オマーン!
アラブ・プレス・サービス社
社長
ピエール・シャマス
第3部:石油開発プロジェクト
石油・ガス大臣ムハンマド・ビン・ハマド・
オマーンには1
2
0を超える石油・ガス田があ
アルルムヒ博士は,
「PDO を始めとする石油各
り,その内原油・コンデンセートを生産してい
社は,原油・コンデンセートの総生産量を9
1万
るのは約1
0
0田で,総生産能力は9
6万バレル/日,
0
0万バレル/日
バレル/日に維持するため,合計2
実質平均生産量は約9
1万バレル/日である。ま
の水を油田から汲み上げている。しかし,大量
た,ホルムズ海峡の沖合いにおいて,9
5
0バレ
の水が毎日のように見つかっているため,原油
ル/日の LPG が生産されている。
の生産量維持は今後ますます困難な仕事になる
生産量の水準はここ数年間,ほとんど変わっ
だろう」と語っている。
ておらず,OPEC の石油価格政策を支持するた
1
9
7
0年代の半ば以来,オマーンの原油生産能
め,1
9
9
8年以降,生産削減措置が講じられてお
力は着実に増加し,1
9
7
6年の生産量は当時では
り,
政府の5ヵ年計画(1
9
9
6年∼2
0
0
0年)によれ
最高の3
7万バレル/日に達した。しかし,その後
ば,8
8万バレル/日が目標生産量とされている。
は減少に転じたため,PDO は急ぎ EOR 施設の
石油・ガス省と最大の利権操業会社オマーン
設置に取り組んだ。その結果,生産量は増加の
石油(PDO)は,原油・コンデンセートの生産
9
9
2年には
一途を辿り,1
9
8
9年6
3万バレル/日,1
能力を2
0
0
4年までに1
0
0万バレル/日まで増強す
1
9
9
2年に南北輸出
7
0万バレル/日まで増大した。
ることを計画しており,PDO がその9
5%の量を
パイプラインの腐食箇所が修理・交換され,そ
占める予定である。
の輸送能力は6
5万バレル/日に増強された。同能
PDO の生産量は,1
9
9
8年1月時点で8
4万バレ
力はその後も拡大され,石油会社は最大限の原
6万バレル/日である。オキシ
ル/日,現在は約8
油輸出が可能となり,また,国内製油所への供
デンタル,ジャペックス,ペトロガス,オース
給も容易となった。
トラリアのノヴス石油が合計5万バレル/日弱
現在,オマーン政府は国内では2番目の製油
を生産している。
所の建設を計画している。精製能力7万5,
0
0
0バ
ノヴスが操業している海上のブハ油田の生産
レル/日の同製油所はソハール工業団地に建設
量は,コンデンセートが1
9
9
8年初頭の4,
0
0
0バレ
される予定であり,完成すれば,同国の石油精
8
0
0バレル/日へ,LPG が1,
2
0
0バレ
ル/日から3,
製能力は1
5万5,
0
0
0バレル/日に拡大する。
5
0バレル/日へ,天然ガスが4,
0
0
0万
ル/日から9
5
7億バレルに達していた原油の確認埋蔵量
0
0
0万立方フィートへ
立方フィート/日から3,
は,その後5
5億バレルの水準で推移しており,
と,それぞれ落ち込んでいる。
ほとんど減少していない。これは新たな埋蔵量
1
中東協力センターニュース(投資関連情報)
2
0
0
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原油・コンデンセートの操業会社と主要油田(単位:千バレル/日)
操業会社
油 田
最大生産能力
現行生産量
シェル(PDO)
ニムル油田地帯
2
2
0.
0
2
1
0.
0
シェル(PDO)
ファフド/ルクワイル
1
6
0.
0
1
5
0.
0
シェル(PDO)
イバル
1
5
0.
0
1
5
0.
0
シェル(PDO)
リマ/ジャルムード/バハジャ(Bahja)
1
1
0.
0
1
0
0.
0
シェル(PDO)
カルン・アラム
8
0.
0
7
0.
0
シェル(PDO)
マルムール
7
0.
0
6
5.
0
シェル(PDO)
アルフワイサ
3
0.
0
3
0.
0
シェル(PDO)
その他
9
0.
0
8
5.
0
9
1
0.
0
8
6
0.
0
3
7.
0
3
7.
0
PDO 小計
オキシデンタル
*
サファ
オキシデンタル
アルバラカ(Al Barakah)
2.
0
2.
0
ジャペックス
ダリール
9.
0
9.
0
ペトロガス
サフマ(Sahma)
2.
0
1.
6
9
6
0.
0
9
0
9.
6
合 計
*生産量が減少中のアルバラカ油田に隣接している小規模油田ワーディ・ラサム(Wadi Latham)の生産量
20
0バレル/日弱が含まれている。
が近年発見されているからであり,内9
8%の量
ないにもかかわらず,油井の数が非常に多いの
を PDO が占めている。新規油田の多くが PDO
である。現在,生産井は2,
0
0
0本もあり,1本当
によって発見されている。石油・ガス省は,国
りの平均生産量は4
0
0バレル/日であるが,サウ
内経済の石油需要を継続して満たすためには,
ディアラビアの場合は,生産井は1,
8
0
0本,1本
今後5年∼7年間で5
0億バレルの可採埋蔵量の
当り3,
7
0
0バレル/日も生産している。また,オ
追加が必要である,と説明している。
マーンの原油のほとんどは約5億年前の地層か
生産コストは近隣諸国と比較すると高いもの
ら出油しており,規模の大きな油層はわずかし
の,PDO は同社保有の油田に最新の技術を適用
かないのに対し,サウディアラビアでは,1億
し,コスト削減に努めている。その結果,1
9
9
7
年前の超巨大油層から原油が生産されているの
4
0ドル/バ
年は1.
3
5ドル/バレル,それ以前は1.
である。
レルだったコストは,現在は1.
3
3ドル台へとわ
古い油層の含水率が高くなってきていること
ずかながら減少している。一方,他社のコスト
も,オマーンにとっては大きな問題となってい
は4ドル弱から5ドル強の水準にある。生産コ
る。原油1バレル当りに対する海水の含有量
ストが高い理由はオマーンの複雑な地質構造に
は,2
0
1
0年には3バレルに達するのではないか
ある。油田のほとんどが小規模であり,また,
と PDO では予測している。これは PDO だけの
南部の油田で生産されている原油の質があまり
問題ではなく,オマーンで操業中の他石油会社
良くなく,さらに,同国の総生産量はサウディ
にとっても共通の問題となっている。
2%にすぎ
アラビアの7
5
0万バレル/日のわずか1
現在オマーンで操業中の石油会社5社と油田
2
中東協力センターニュース(投資関連情報)
2
0
0
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および開発プロジェクトの詳細は以下の通りで
ルムール,リマ,ハルムードなどの重質,中
ある。
軽質の原油の油田がある。新規開発油田も多
くあり,南部油田中心地帯と繋がっている。
!
オマーン石油開発(PDO)
:
オマーン最大の利権操業会社である PDO は,
現在 PDO が開発しているこれら油田地帯は,
同国の石油・ガス生産量の大部分を生産してい
第6鉱区(1
1万3,
7
3
7平方キロメートル)として
る。同社の原油・コンデンセートの生産能力
ひとつの区域となっている。利権区域の放棄義
は,1
9
9
8年初期の8
6万バレル/日から増加し,現
務は終了しているため,同鉱区の面積は石油利
在は9
1万バレル/日に達している。実質生産量
権が満了する2
0
1
2年6月2
4日まで維持されるこ
2
0
0
0年が8
3万
は,
1
9
9
9年が8
3万2,
2
2
3バレル/日,
とになる。シェルを始めとする PDO の外国パー
9,
0
0
0バレル/日,現在の平均生産量は8
6万バレ
トナーは,利権が更新されることを希望してい
6
ル/日である。一方,確認埋蔵量は同社一社で5
る。
億バレルあるが,同社を除く他社の合計確認埋
1
9
9
9年,シェルは単独にて石油・ガス省と探
蔵量はわずか1億バレルしかない。
鉱・開発3ヵ年契約を締結し,北東部バティナ
PDO の株主構成は,オマーン政府(6
0%)
,オ
沿岸沖合いにある海上鉱区の地震探鉱に着手し
ペレーターのシェル(3
4%)
,トタール・フィ
た。油井掘削費用として3,
0
0
0万ドルを投資する
ナ・エルフ(4%)
,Partex(2%)となってい
第2段階へ進むか否かは,3ヵ年の地震探鉱後
る。新規油田開発に対する同社の投資額は,
2
0
0
0
にシェルが決定することになっている。
年が1
2億ドル,2
0
0
1年は約1
0億ドルになる見込
現在,PDO の油井のすべては水平掘の油井
みである。
(約1,
2
0
0本)であり,この水平掘の技術と三次
PDO 保有 の 原 油・ガ ス 田 は1
1
0を 超 え て お
元地震探鉱の活用により,予想をはるかに超え
り,内9
5%で生産が行われている。これら生産
る量の原油とガスが発見されている。これら油
田は,オマーン陸上の主要3油田地帯(北部,
井の水平掘区間は油層に沿って5
0
0メートルか
中央部,南部)にある。
ら1,
5
0
0メートルの長さで延びており,含水率の
低い原油の高生産と新たな炭化水素埋蔵物の調
!
"
北部油田地帯はアラブ堆積盆地の一部であ
査,発見に役立っている。
り,UAE,サウディアラビア両国との国境沿
PDO は,シェルがオペレーターを務め,4
0%
いに位置している。ルクワイル,ダリールな
の権益が外国企業に保有されている合弁企業で
どタママ層(Thamama)関連の油田があり,
新
あるが,国営石油会社のような機能を果たして
規開発の小規模油田も多い。
いる。同社の利権は石油のみに限定されている
中央北部は後期カンブリア紀の岩塩堆積盆
ため,発見・生産されるガスの全量が政府に帰
地で,規模の大きいイバル油田やファフド,
属している。
ナティフ,シブカなどの油田があり,北部油
PDO の 技 術 リ ー ダ ー と し て の シ ェ ル は 石
田地帯と繋がっている。
#
$
油・ガス省に代わり,ガス開発およびその関連
中央部および中央西部もまた,岩塩堆積盆
施設とパイプラインならびに LNG 輸出事業の
地で,ガスが豊富なサイフ・ニハイダ油田が
上下流両部門の操業に携わっている。また,オ
ある。
マーン輸出原油の最大の引き取り手でもある同
南部は下層の岩塩堆積盆地で,ニムル,マ
社は,石油の探鉱・開発に関し,生産量の大部
3
中東協力センターニュース(投資関連情報)
2
0
0
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分を占めている北部と中央部の油田地帯よりは
期開発によって新たに発見された原油がイバル
むしろ南部地帯に重点を置いている。北部,中
油田の生産能力増強に寄与している。
央部に存在する大規模イバル油田など主な油田
イバル油田の深層には,構造性ガス田が2つ
はオマーンでは最古参の油田となっており,
あり,オマーンのガスのほとんどがこのガス田
EOR 技術の適用にもかかわらず,イバル油田の
から生産されている。ひとつはナティフ・ガス
生産量は減少気味にある。
田であり,政府ガスシステム(GGS)を通じ国
以下,PDO 操業の主要油田と関連開発計画に
内市場に供給されている1,
2
0
0万立方メートル/
日のガスの8
5%を賄っている。他のひとつはシ
つき概説する。
ュアイバ・ガス田で,GGS に約1
0
0万立方メー
イバル油田:シェルが1
9
6
2年に発見したオマー
トル/日のガスと,シェルが油田に再圧入してい
ン最大の油田であり,API3
8度∼4
0度の原油2
0
る8
0
0万立方メートル/日のガスのほとんどを供
万バレル/日の生産能力を有している。しかし,
給している。また,シュアイバ層のルクワイル
これは持続可能生産能力ではないため,1
9
9
9年
油田からも GGS 向けにガスが供給されている。
第1四半期から現在までの平均生産量は,EOR
なお,イバル油田には,設計能力1,
6
5
0万立方
技術の適用や油井掘削の強化,水中ポンプの活
メートル/日の大型ガス処理プラン ト1基 と
用などにもかかわらず,
1
5万バレル/日にとどま
LPG の生産設備も設置されている。
っている。このため PDO は問題の把握と様々な
解決策を検討している。イバル油田の油層は深
ファフド油田とルクワイル油田:オマーン北部
さ8,
4
6
5フィートにある前中期白亜紀の 地 層
にあるこれら両油田は,同国では最も古い油田
で,
2
0
0本を超える水平掘の油井から原油が生産
に属している。合計生産能力は1
6万バレル/日,
されている。
API3
2∼3
7.
8度,硫黄含有率1.
4∼1.
8%の原油
を1
5万バレル/日生産しており,オマーンでは3
当初1
2万バレル/日しかなかったイバル油田
の生産能力増強計画は1
9
9
1年に開始され,1
9
9
5
番目に大きな油田となっている。
年に完了している。同計画によって9
6本の水平
1
9
6
3年に発見されたファフド油田は,イバル
掘坑井が完成し,さらに EOR 技術の適用と新た
とルクワイル両油田と同様,アラブ堆積盆地の
な原油・ガス層の発見により,イバル油田の生
中央北部地域と繋がっている,フラクチャー型
産量は増加した。一方,可採埋蔵量は1
9
9
8年の
石油・ガス田であり,その地層は前・中期白亜
1
0億バレルから減少を続けている。
紀のものである。この地域には,北西に延びる
イバル油田周辺にあるいくつかの油田の地質
西ファフド構造も含まれている。
構造は同一であり,シュアイバ層がそれらの主
ファフド油田の生 産 能 力 は5万 バ レ ル/日
要層となっている。イバル,ナティフ,ファフ
で,2
3
5本ある水平掘坑井の内,1
5
3本から原油
ド,アルフワイサ,ルクワイルおよびシブカの
が生産されている。
1
9
9
3年に PDO は,
「1
9
9
2年に
合計可採埋蔵量は2
0億バレルであり,また構造
完成した2本の油井は生産性が高く,フラクチ
性ガスも大量に埋蔵されている。
ャー型オイルリムからの生産も可能になる。そ
イバルにはギャザリング・ステーションが4
うなれば,重力排油式水蒸気攻法が適用される
基あるが,これら施設は1
9
9
4年にスイスの Elec-
石油・ガスの貯留岩からの排油も増え,生産量
trowatt Engineering Services と英国の Gran Herne
が増加するだろう」と説明している。1
9
9
4年3
によって拡張されている。シュアイバ層の第2
月,同社はファフド油田とその周辺地域にスキ
4
中東協力センターニュース(投資関連情報)
2
0
0
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ャダシステム(広域遠隔監視制御システム)を
日生産されている。約7
0本ある油井の内,3
7本
導入する契約を Logica BV 社と,そして同油田
から出油している。
のポンプステーションの更新契約を Galfar En-
シェルはナティフとファフドの両油田におい
gineering 社とそれぞれ締結した。
て新たな油井を掘削しているが,これらの油井
ルクワイル油田は1
9
6
8年に発見され,前期白
にガスを圧入しオイルリムを降下させている。
亜紀の油層から API3
7.
8度の原油を平均8万バ
ナティフ油田においては,油層のマトリクス部
9
9
3年年
レル/日生産している。同油田の開発は1
分に新たな排油方式を適用するため,オイルリ
央に終了し,生産能力は2万6,
0
0
0バレル/日か
ムが8
0メートル引き下げられた。
ら1
0万バレル/日に増強されたが,持続可能生産
可採埋蔵量が増えたのは,原始埋蔵量の回収
能力は9万バレル/日にとどまっている。同油田
率が1
6%から2
0%に向上し,また,帯水層から
には,1
4
5本の水平掘坑井があり,1
2
8本が生産
の水の流入に加え,フラクチャー型オイルリム
井となっている。この生産井の内,8
2本が1
9
9
1
の下部からも水が生産されたことによるもので
年から9
3年の間にかけて掘削されている。ま
ある。フラクチャーにあるガスと浸透性の低い
た,1
9
9
9年末までに5億ドルを投資し,生産能
ロック・マトリクスにある原油の密度に差があ
力を2
0万バレル/日まで引き上げる第2期油田
るため,オイルリムのフラクチャーを通じたマ
拡張計画も実施されており,次の工事が計画に
トリクスからの排油が促進されている。
含まれている;!油井1
7
6本の掘削,"石油・ガ
スの生産施設と4本のギャザリング・パイプラ
アルフワイサ油田:1
9
6
8年に発見されたアルフ
インの新設,および#ルクワイル油田とイバル
ワイサ油田は,イバル,ナティフ,ファフドの
油田のガス処理プラントを連結する全長1
0
8キ
各油田を包含している北部の地質構造の一角を
ロメートルのパイプラインの敷設。
占めている。生産能力,生産量共に1
9
9
5年末の
米 国 の Brown & Root と オ マ ー ン の National
1万5,
0
0
0∼1万8,
0
0
0バレル/日から3万バレ
Drilling Services 社が幹事コントラクターとな
3
2
0フィートの
ル/日に増強されており,深度5,
り,1
9
9
0年後半から本計画の作業を開始した。
前期白亜紀の油層から原油が産出している。近
また,1
9
9
0年1
2月,イタリアの Saipen 社とアテ
年掘削された水平掘の井戸を含め,4
0本以上の
ネに本拠を置くレバノンの Consolidated Interna-
油井がある。
tional Contractors 社の合弁企業が主要プロジェ
カルン・アラム油田:1
9
7
2年にオマーン中央部
クトの契約の獲得に成功している。
ルクワイル油田では,構造性ガスがシュアイ
で発見された油田であり,PDO にとって開発が
バ層から生産されており,約1
5
0万立方メート
困難な油田のひとつになっている。同油田と周
ル/日のガスが GGS に供給され,残りは油田に
辺地域は中央部油田地帯に含まれており,数多
再圧入されている。
くの油井から7万バレル/日の原油が生産され
ている。原油は API1
4.
8∼1
6度で,前期白亜紀の
ナティフ油田:ファフド油田と同じく,前・中
油層から産出しているが,非常に粘度が高いた
期白亜紀の地層を有するフラクチャー型石油・
め,原始埋蔵量の回収率は2%に満たない低い
ガス田であり,1
9
6
3年に発見されている。生産
水準にある。このため PDO はこの回収率の向上
1.
3∼3
3.
4度,硫
能力は3万バレル/日で,API3
のため,同油田において,2
0
0
1年最大の上流部
黄含有率1∼1.
5%の原油が2万5,
0
0
0バレル/
門プロジェクトである,総額2億5,
0
0
0万ドルの
5
中東協力センターニュース(投資関連情報)
2
0
0
2・2/3
GOGD(重力排油式水蒸気攻法)プロジェクトに
1
ており,生産能力は2
2万バレル/日,生産量は2
取り組んでいる。
1度の原油はデボン紀
万バレル/日である。API2
の油層から生産されている。
1
9
9
5年後半,GOGD システムの実験井が同油
田に2井設置された。水蒸気を油田に圧入し,
ニムル油田が同油田地帯では最大の油田であ
原油回収率を2
0%(約4,
0
0
0万立方メートルの原
り,1
9
8
2年に発見された,同一地層の西ニムル
油)まで高めることが同システムの目的である。
油田など他の油田と繋がっており,これら油田
能力4
5万ガロン/日の海水脱塩化プラント(海水
によって南部の一大原油生産センターが形成さ
は,高さ2
9メートルの海水濃縮タワーで蒸留さ
れている。生産原油の質は重質で粘度が高く,
れる)
,ガス燃料水蒸気発生装置,水蒸気圧入ポ
リマ/ジャルムード/バハジャ(Bahja)の油田地
ンプなどの施設が設置されている。
帯で生産されている原油と同種である。
実験の結果,GOGD システムの有効性が証明
ニムル油田地帯と他の南部油田一帯に PDO
されたため,シェルはカルン・アラム油田と同
の探鉱が集中したため,シェルは同地において
種の油田の開発にも乗り出すことになるだろ
多くの油田を発見した。ニムル一帯はシェルの
う。実際のところ,今後1
0年間で3
0億バレルの
探鉱・開発の中心地域であり,果てしなく続く
回収も夢ではなく,石油・ガス省の担当者は,
砂漠の操業基地には,同社の飛行場,道路など
こうした最先端 EOR 技術を活用すれば,オマー
が建設されている他,様々な料理が味わえるレ
ンの確認可採埋蔵量は1
1
0億バレルまで増大す
ストラン,2
4時間営業のクリニック,衛星テレ
る,と固く信じているのである。
ビ,インターネットの設備も完備されている。
ブルハーン(Burhaan)油田:オマーン中央部に
9
7
9年
リマ/ジャルムード/バハジャ油田地帯:1
ある油田で,
2
0
0
0年6月3日に生産を開始した。
に南部で発見された油田地帯で,生産能力は1
1
南部の小規模油田開発を含む PDO の油田開発
2
4
7∼4,
2
5
0メートルの古生
万バレル/日。深さ3,
計画(総額2億ドル)の一環として開発された
代の油層から,API2
1度∼3
2.
8度の粘着性のあ
ものであり,1万1,
4
0
0バレル/日でスタートし
1
9
8
0年
る原油が1
0万バレル/日生産されている。
た生産量は,半年後の2
0
0
0年末には2万4,
5
0
0バ
に発見されたジャルムード北油田もこの油田地
レル/日 に 達 し て い る。最 大 生 産 能 力 は3万
帯に含まれている。数多くの油井があり,シェ
5度である。
7,
0
0
0バレル/日,原油の API は3
ルは生産能力の拡大と生産コストの削減のた
め,コンピューターによるビームポンプ制御装
ムハイジナ(Mukhaizna)油田:2
0
0
0年7月3日
置を設置した。
に生産を開始したオマーン中央南部の油田で,
ブルハーン油田の南方に位置している。生産量
マルムール油田:1
9
5
6年 に 米 国 の Cities Ser-
0
0
1年初頭に,シェル
は1万5,
0
0
0バレル/日。2
vices 社と Richfield Oil が南部地方で発見した,
は生産能力を2万5,
0
0
0バレル/日まで増強し
オマーン初の油田である。両社は後にこの地の
た。生産原油は API1
4度という非常に重い原油
利 権 を PDO に 譲 渡 し,PDO は1
9
7
7年 に マ ル
である。
ムール油田と繋がっている別の構造を発見して
いる。生産増とコスト削減のため,PDO は1
9
9
1
ニムル油田地帯:1
9
8
0年に南部で発見されたニ
年,同油田の1
0
0油井に対しビームポンプ制御装
ムル油田地帯は,オマーンでは最大規模を誇っ
置を設置するとともに,ポリマーを使った圧入
6
中東協力センターニュース(投資関連情報)
2
0
0
2・2/3
システムも設置した。
細設計は1
9
9
8年初めに Mott MacDonald によっ
て完了している。
炭化水素鉱脈:2
0
0
0年,シェルはマルムール油
マルムール油田の近くに位置するアルヌール
田の西にある油田の一群で,深度4,
0
0
0∼5,
0
0
0
2号探鉱井は,厚さ3
4
8メートルの油層を有する
メートルの岩塩層にかなりの量の原油を埋蔵し
高圧のアセル層に掘削されたが,この掘削によ
ているとされる炭化水素鉱脈を探鉱し,同地で
ってアルヌールは大規模なガス田であることも
は最大規模のサヒア(Sakhia)油田を発見した。
確認されたのである。
テストの結果,6,
2
0
0バレル/日の生産が確認さ
原油と水の生産量の比率は1対4である。こ
れたが,油田開発が行われたとしても,油田の
のためシェルは原油の生産量を高めるため,大
生産能力は同量にとどまる見通しである。また,
量の水を深層に圧入するという困難な問題に今
ガスの埋蔵も確認されていることから,将来は
後直面することになるだろう。同社は生産水を
ガスも生産されることになるだろう。2
0
0
1年か
処理するため,ユニークな試みとしてアシ材の
ら本格的な開発計画が実施されている。
ベッドを南部油田地帯において使用している。
アルヌール油田:マルムールから近い,アル
アマル油田地帯:南部の小規模油田地帯で,粘
ヌール地区において大規模な原油・ガス田(ア
度の高い API1
9度∼2
2.
5度の重質原油を1万∼
ルヌール油田と命名)が発見され,シェルが開
1万5,
0
0
0バレル/日生産している。アマル,東
発した結果,2
0
0
0年8月に9,
4
3
5バレル/日の出
アマル,南アマルの各油田が1
9
7
3年,1
9
7
7年,
油が確認された。原油の大部分が API2
0度の重
1
9
8
2年にそれぞれ発見されており,油層はデボ
質油であり,少量が API4
8度の超軽質油である。
ン紀と斬新世の地層である。これら油田の生産
両原油はブレンドされ,2週間かけてミーナ・
コストは高く,油井数は合計で5
0本以上ある。
アルファハルの輸出ターミナルまで輸送され
回収率向上のため,PDO は1
9
9
1年に水蒸気圧
る。現在,生産量は減少傾向にある。
入システムを採用し,通常の方法では僅かな量
油井は4,
5
0
0メートルまで深掘されるため,生
しか採油できない東アマル油田(約4億バレル
産コストが高い油田となっており,フラクチャ
の重質原油を埋蔵)にシステム用の井戸を5本
リング装置が2基設置されている。粘着性のあ
掘削した。1
9
9
2年年央には,さらに4本の水蒸
る大量の液体を油井に圧入し,貯留岩に亀裂が
気圧入井と,油層を電磁気加熱する6本目の井
できるまで圧力を高め,圧力が減少した後に人
戸も完成した。
工砂をその亀裂に注入し,貯留岩を割って原油
を抽出するという装置である。こうすれば,
サッヤラ(Sayyala)油田:1
9
8
2年に南部で発見
4,
5
0
0メートルという深い場所の岩に貯留して
された小規模油田。
1
0本以上の油井があり,API
いる原油も容易に油井に流入し,回収可能とな
4
9.
7度の原油が二畳紀の油層から産出してい
るのである。
る。
1
9
9
0年代に4万バレル/日あった生産能力は
現在,大きく落ち込んでおり,能力回復のため
アルヌール油田の開発には2年半の歳月と1
には EOR の操業と井戸の水平掘が必要である。
億4,
0
0
0万ドルの資金が費やされ,能力1,
5
0
0立
方メートル/日の原油・随伴ガス処理パイロッ
トプラントも建設された。原油生産テストは
ビルバ(Birba)油田:1
9
7
8年に南部で発見され
1
9
9
6年から実施されているが,同プラントの詳
た小規模油田で,硫黄含有率の高い,API3
3.
4度
7
中東協力センターニュース(投資関連情報)
2
0
0
2・2/3
の原油を生産している。
1
9
9
3年に総額3,
5
0
0万ド
油層には原始埋蔵量3
0億バレルの重質原油も貯
ルのガス圧入プロジェクトが完了し,生産能力
留していると推測されている。
9
9
8年初 期 に
は4,
2
0
0バレル/日から倍増し,1
アセル,ムハイジナ,アルヌールそしてアル
8,
5
0
0バレル/日まで達したが,その後は大幅に
ショモウの合計原始埋蔵量は4
4億バレルと言わ
減少している。生産量もごくわずかな量まで激
れているが,油層圧が高いなど複雑な地質構造
減している。ガスも生産されており,油層圧維
のため,シェルが開発中の高度な技術が必要と
持のため一部は油田に再圧入され,残りがパイ
されている。シェルはこれら油田の生産コスト
プラインで北方のサイフ・ニハイダ油田に輸送
を1
0ドル/バレル以下に抑えようと計画してい
されている。
る。
サイフ・ニハイダ油田:API3
9.
6度の原油を二
マ ウ リ ド(Maurid)
,北 西 マ ウ リ ド,ワ ザ ル
畳紀の油層から生産している小規模油田
(Wazar)
,アマブ(Amab)
,ツカー(Tuqaa)各
で,1
9
7
2年に発見されている。同油田には大量
油田:南部の小規模油田グループで,1
9
9
8年に
の構造性ガスが埋蔵されており,サイフ・ラウ
生産が開始されている。合計生産能力は4,
5
6
0バ
ルとバリク両油田の随伴ガスと共に,輸出用
8
4
0万バレル強である。
レル/日,確認埋蔵量は1,
LNG として開発されている(第4部参照)
。
数年前には1万5,
0
0
0バレル/日あった生産量
ハルウィージ(Harweej)油田とサルマド(Sar-
は,1
9
9
8年初めに9,
0
0
0バレルに減少し,現在は
mad)油田:シェルが南部で確認した3
3油田の
さらに少なくなっている。1
9
9
8年,PDO は同油
中の2つで,1
9
9
8年と1
9
9
9年に各々発見され,
田の確認埋蔵量を5
0
0万バレル増大した。現在の
2
0
0
0年後半に出油している。
油井数は2
5本である。
ガフィール(Ghafeer)油田:1
9
9
9年年央に発見
アセル油田:ムハイジナ油田の近くに位置する
された南部油田で,6,
5
0
0バレル/日の出油が確
南部油田で,非常に複雑な地質構造をしている
認されている。現在開発中で,2
0
0
1年末までに
ため,その開発は段階的に行われている。投資
7
0
0万立方フィー
は6,
0
0
0バレル/日の原油と1,
額1億6,
5
0
0万ドルの第1期アセル油田開発パ
ト/日のガスの生産が開始される予定である。
イロットプロジェクトは2
0
0
0年年央に完了し,
多方向に伸びる水平掘坑井が6本掘削された。
ザルザラ(Zalzala)油田:2
0
0
1年2月,シェル
1万バレル/日の原油生産が計画されていたも
が深さ5,
3
0
0メートルの地点で貯留岩層を発見
のの,実際の生産量は今も非常に僅かな量にと
した油田である。
どまっている。
油層の深さは4,
5
0
0メートルで,重質とスウ
ザウリーヤ(Zauliyah)油田:南部の小規模油
ィートの両原油が集積している。南部油田地帯
田。生産開始に向けた準備が進められ,第1
6号
の掘削中,このアセル層も何度となく掘り進め
井の仕上げ作業が行われていた2
0
0
1年8月5
られたが,原油の生産性はないと判断されてい
日,油層圧に対処するために使用されていた海
た。しかし,現在は1億バレルのコンデンセー
水の量不足と油井上部のコントロール装置の不
トと大量のガスが埋蔵していると言われてお
良により,2,
0
0
0バレル/日の原油とガスが噴出
り,さらに,同層のアルショモウ(Al Shomou)
し,2日後の7日,1
6号井に火災が発生した。
8
中東協力センターニュース(投資関連情報)
2
0
0
2・2/3
幸いなことにその他1
5本の油井の生産に影響は
約3万7,
0
0
0バレル/日である。
なかった。米国の Wild Well Control 社が2,
0
0
0
1
9
7
5年1
2月,Quintana(6
0%)とガルフ石油
万ドルの費用をかけて消化作業にあたった結
(4
0%;現シェブロン・テキサコ)の合弁会社が
果,9月8日に火は消し止められ,1
6号井は閉
オマーン政府との生産分与契約(2
0対8
0)に基
鎖された。翌1
0月,油層圧を下げるために事故
づきスナイナ鉱区の利権を獲得し,1
9
8
3年にサ
現場から1キロメートル離れた地点に代替井が
ファ油田(前期白亜紀層)を発見した。
掘削され,新1
6号井となった。同1
0月末からの
1
9
7
9年に同鉱区の1
5%権益を取得したオキシ
生産開始が予定されている。
デンタルは,その持分比率を1
9
8
1年に3
0%へ,
そして Quintana の持分をすべて買収した1
9
8
3
1
9
9
8年以降に南部で発見された油田はすべて
年9月には6
5%へと高め,オペレーターとな
複雑な構造をしており,深度も4,
5
0
0メートル以
り,1
9
8
4年からサファ油田の生産を開始した。
上と深い。しかし,開発を担当している PDO
また,シェブロンの持分(3
5%)は1
9
9
1年6月
は,
「オマーン原油の潜在的生産能力は,これら
に Neste(現 Fortum)に売却されている。
油田の発見により格段に高まった」と1
9
9
9年に
サファ油田には,ミディアムラディウスで掘
語っている。
削された水平区間の長さが4,
9
4
4フィートある
油井1本を含め,1
0
0本以上の水平掘坑井があ
パイプライン関連プロジェクト:2
0
0
1年9月,
り,生産能力の拡大に寄与している。生産能力
PDO はパイプラインの腐食管理サービスに関
9
8
9年 に1万8,
0
0
0
は1万6,
0
0
0バレル/日か ら1
する5ヵ年契約(総額約4,
0
0
0万ドル)を Ondeo
バレルへ,そして1
9
9
1年に2万4,
0
0
0バレルへと
Nalco Energy Services 社と締結した。化学薬品
順次増強され,
1
9
9
4年には3万4,
0
0
0バレルに達
とサービスの提供,パイプラインの清掃,油田
している。一方,可採埋蔵量は新たな油層の発
操業の監視と処置を始めとする全般的な操業管
見によって9,
0
0
0億バレルから1億2,
0
0
0万バレ
理,現行生産計画の最適化作業などが契約に含
ルへと増大している。
まれている。また,サービス内容の優劣により,
ボーナスの支給または罰金が課せられる条項も
アルバラカ油田:サファ油田の南東3
9キロメー
契約に盛り込まれている。
トル地点において1
9
9
1年末に発見された油田
で,オキシデンタルが1
9
9
2年後半から生産を開
!
オキシデンタル:
始した。1
9
9
6年初頭の生産量は4,
7
0
0バレル/日
オマーン北部のスナイナ(Sunainah)鉱区にお
を記録していたが,現在は9
0
0バレル以下に落ち
いて,米国のオキシデンタル(オマーン)はフ
込んでおり,生産能力も徐々に減少している。
ィンランドの Fortum 社(前 Neste)と提携し操業
このため,オキシデンタルは三次元地震探鉱を
を行っている。広さ1万1,
7
9
3平方キロメートル
実施するなど,能力増強の努力を継続している。
の鉱区には,API4
2度の原油を生産する,タママ
原油は深さ4,
6
8
6∼4,
7
3
0フィートの後期シュア
層関連の3油田がある。
イバ層に集積している。
生産原油はパイプラインでサファ油田に送ら
サファ油田:ルクワイル油田の北方4
0キロメー
れ,同油田の原油と共に,PDO のルクワイル油
トルに位置しており,生産量は1
9
9
5年が3万バ
田施設と輸出パイプラインを経由して,ミー
9
9
8年が4万1,
0
0
0バレル/日,現在は
レル/日,1
ナ・アルファハルの輸出ターミナルへと輸送さ
9
中東協力センターニュース(投資関連情報)
2
0
0
2・2/3
れる。アルバラカ油田の西方3
2キロメートルに
クワイル油田グループのひとつである。
あるワーディ・ラサム(Wadi Latham)油田の原
1
9
8
1年7月に広さ4,
4
0
0平方キロメートルの
油もまた,同時に輸送されている。
ワーディ・アスワド鉱区を獲得したジャペック
スは1
9
8
3年9月から掘削を開始し,1
9
8
6年3月
ワーディ・ラサム油田:1
9
9
3年1
0月に発見され
にダリール油田を発見した。発見井によるテス
た,非常に規模の小さい油田であり,水平掘坑
トの結果,深度5,
2
5
0フィートの地点において,
井によって1
9
9
4年末から生産が開始されてい
API3
9度の原油1,
0
0
0バレル/日の出油が確認さ
る。油層は深度6,
7
1
9∼6,
9
2
0フィートにあるシ
れ,1
9
9
0年年央から6,
0
0
0バレル/日の生産が開
ュアイバ石灰岩層で,油層の厚さは2
0
1フィート
始された。その後,ジャペックスは石油・ガス
ある。生産量は1
9
9
6年初頭の3
5
0バレル/日から
田のマズーン(Mazoon)
,ブシラ(Bushra)
,マ
現在は2
0
0バレルに減少している。
ズルーク(Mazrouq)などの小規模油田やサフワ
(Sahwa)ガス田を開発しており,1
9
9
7年6月に
1
9
9
9年9月2
8日に勅令が公布され,BP アモコ
はサウディ国境に近い第3
5鉱区も取得してい
(6
0%)
,オキシデンタル(2
6%)そして Fortum
る。
(1
4%)3社によるコンソーシアムが北部の5鉱
現在ダリール油田では,API3
7度,3
9度,4
4度
区(BP アモコの第1
4と4
4鉱区,オキシデンタル
の原油が9,
0
0
0バレル/日生産されているが,
の第9,2
7および3
1鉱区)において構造性ガス
1
9
9
8年初めの1万バレル/日と比較すると若干
を開発する契約(総額2,
5
0
0万ドル)
が裁可され,
減少している。
三次元地震探鉱(1,
7
0
0平方キロメートル)と探
"
鉱井5本の掘削が実施されることとなった。
ペトロガス:
オマーンの現地企業であるペトロガスは,
オキシデンタルは地震探鉱データに基づき探
鉱作業と埋蔵量の確認を行い,BP が開発・生
1
9
7
8年にフランスの Elf
Aquitaine がブタブル
産・販売においてオペレーターとなる。3億∼
(Butabul)鉱区で発見したサフマ油田の操業を
4億立方フィート/日の生産が計画されている
行っており,API4
3度∼4
6度の原油を生産して
ガスはソハール工業団地やオマーン沿岸地域な
いる。生産量は,1
9
9
2年の1万5,
0
0
0バレル/日,
どの国内市場に主として供給される。余剰ガス
1
9
9
8年初めの3,
0
0
0バレルから減少し,現在は
はシャルジャにある BP アモコのサジャア(Sa-
1,
6
0
0バレル/日の水準にある。また,現在の生
jaa)プラントにて処理され,同地やラス・アル
産能力は2,
0
0
0バレル/日であるが,この水準の
ハイマなど UAE 首長国の発電プラント向けに
生産は数週間しか続かないため,ペトロガスは
販売される予定である。
能力の2
0%減の生産を行うよう指導されてい
る。
!
ジャペックス・オマーン:
1
9
9
9年,Elf Aquitaine はブタブル鉱区(広さ
石油公団(4
9.
5%)
,石油資源開発(3
5.
3%)
,
2,
2
5
0平方キロメートル)の同社権益(4
8%)を
伊 藤 忠(1
0.
1%)お よ び イ ン ド ネ シ ア 石 油
ペトロガスに売却し,オマーンから撤退した。
(5.
1%)の合弁会社であるジャペックス・オ
ペトロガス以外の同鉱区の権益保有会社は,日
マーンはワーディ・アスワド鉱区においてダ
本の住友(3
2%)とドイツの Wintereshall(2
0%)
リール油田の操業を行っている。同油田はオ
の2社である。1
9
8
0年1
1月から1万2,
0
0
0バレ
マーン中央北部の前期白亜紀の地層にあり,ル
ル/日の生産が開始され,能力を2万バレル/日
1
0
中東協力センターニュース(投資関連情報)
2
0
0
2・2/3
まで増強する計画が立てられたが,十分な埋蔵
田の総確認埋蔵量は現在約3
0兆立方フィート
量が発見されなかったため,実現に至っていな
で,構造性ガスの国内埋蔵量の大部分を占めて
い。生産量回復のため,ここ数年間にわたり
おり,今後1
0年以内に4
0兆立方フィートまで増
EOR 技術が適用されているものの,生産量は減
大すると見込まれている。また,これらのガス
少傾向にある。
田には,4億∼5億バレルのコンデンセートも
埋蔵されているが,政府筋によれば,この量は
"
ノヴス:
将来回収されうるコンデンセートの量の半分以
オマーンとラス・アルハイマが共有している
下とのことである。
ブハ油田(海上の小規模ガス/コンデンセート
この構造性ガスの埋蔵量の使い道は,政府に
田)がオーストラリアのノヴス社によって操業
よって次のように計画されている。!8兆4,
0
0
0
されている(第4部参照)
。
億立方フィート;年間生産量6
6
0万トンの LNG
輸出事業(生産トレイン数は2基)
,"9,
0
0
0億
立方フィート;肥料プラント,#1兆8,
0
0
0億立
第4部:ガス開発プロジェクト
他の湾岸諸国と同様,オマーンもまた,構造
方フィート;アルミニウム精錬所,$1兆2,
0
0
0
性ガスと石油随伴ガスの2種類のガス生産計画
億立方フィート;新規製油所とポリオレフィ
を立案している。シェルをオペレーターとする
ン・コンプレックス,ならびに%メターノー
PDO が両ガスの最大の開発・生産者であり,石
ル・プラントである。これらプラントの操業は
油・ガス省に代わり操業を担当している。
2
0
0
3年から2
0
0
5年にかけて開始される予定であ
る。
!
PDO の操業
上述ガス田の開発費用をカバーするため,
PDO はシェルをオペレーターとし,オマーン
PDO に参画している シ ェ ル な ど 外 国 パ ー ト
の石油随伴ガスの大部分を生産している。随伴
ナーは,1
4億ドルの借入れを行うよう政府に要
ガスは国内消費および油田への再圧入用として
請し,その借入金は政府がオマーン LNG 社な
利用されている。
どの事業会社に供給するガスの販売代金によっ
国営のオマーン・ガス会社(Oman Gas Com-
て返済することができる,と説明している。
pany‐OGC)が電力発電,LPG,その他産業用と
LNG 事業用の天然ガスを除いたシェルの商
して随伴ガスを引き取っており,シェルが石
業生産量は約1,
2
0
0万立方メートル/日まで増大
油・ガス省に代わり,約8
0
0万立方メートル/日
している。オマーン LNG 社のトレイン2基の
のガスを油田に再圧入している。
ガス必要量は現在3,
3
0
0億立方フィート/年であ
かってオマーン最大の原油生産田であったイ
る。同社は2
0
0
4年に生産開始予定で3基目のト
バル油田には,大規模な構造性ガス田があり,
レイン(生産能力3
3
0万トン/年)を建設する予
シェルが同ガス田から構造性ガスの国内需要の
定であり,世界の LNG 需要が高まれば,さらに
ほとんどを生産しているが,その量は随伴ガス
4基目のトレインも建設する計画を立ててい
の量を超えている。
る。これら建設予定2基のトレインの需要量は
シェルはまた,オマーン中央部のサイフ・ニ
既存の2基と同量の3,
3
0
0億立方フィート/年と
ハイダ,サイフ・ラウル,バリクの3油田の地
なる予定であり,第3トレインの需要量(1,
6
5
0
下深くに存在している構造性ガス田も操業して
億立方フィート/年)はシェルがこの目的のため
いる。
ガバ(Ghaba)堆積盆地にあるこれらガス
に開発するサイフ・ラウル油田から供給され
1
1
中東協力センターニュース(投資関連情報)
2
0
0
2・2/3
る。同油田拡張の基本エンジニアリング作業は
トに達する見込みとのことである。ハッザン第
既に開始されている。
1号井はマカリム高地で掘削された4番目の井
発電とその他産業の今後5年間のガス需要は
戸であり,シェルが新たなガス層の発見に期待
年間約5,
0
0
0億立方フィートであり,国内生産に
をかけている,
さらに深層のミグラト (Migrat)
よって容易に賄える量である。しかし,将来の
層まで掘進される予定である。なお,マカリム
需要を満たすため,アブダビのドルフィン・ガ
高地では,2
0
0
0年にシェルがマカリム第3号井
スプロジェクトに基づきカタールの天然ガスが
によって構造性ガス田を発見しており,3
5万立
2
0
0
5年からオマーンに輸入される手はずになっ
方メートル/日の生産が確認されている。生産能
ている。
力を4,
6
0
0万立方フィート/日まで引き上げるべ
く,同ガス田の開発が現在進行中である。
LNG 事業と前述の肥料プラントなど各種プ
ロジェクトに対する政府の必要資金は,コンデ
さらに,ガフィール,サヒアおよびアルヌー
ンセートの売却代金によってカバーされる見込
ルの油田においても,構造性ガスの埋蔵が確認
みであるが,コンデンセートの生産能力増強計
されている。シェルの計画によれば,これらの
画はまだ決定されていない。
油田から1億立方フィート/日のガスが生産さ
れ,国営のオマーン・ガス会社に供給されるこ
構造性ガスとコンデンセートの埋蔵はハビバ
とになっている。
(Habiba)ガス田,東ハバン(Haban East)油田
およびマブルーク油田の深度5,
9
4
3メートルま
での深層においても発見されている。1
9
9
2年に
オマーン・ガス会社(OGC)のパイプライン計
5,
9
4
3メートルまで深掘されたマブルーク第4
画:
号井は,PDO が掘削した井戸の中では最深の油
政府(8
0%)と国営オマーン石油(2
0%)に
井である。これら油田以外においても,構造性
より設立された OGC は,天然ガスの国内配給
ガス/コンデンセート田が最近シェルによって
能力を高めるため,次に述べる2本のパイプラ
発見されており,今後開発されることになるだ
イン(総費用3億6
0
0万ドル)の建設を進めてい
ろう。
る。
2
0
0
1年に発見された最新のガス田は,サイ
3
2インチのソハール・パイプライン(費用1
フ・ラウル油田西方に位置するオマーン中央部
億2,
4
3
0万ドル)は,ファフド油田から北部のソ
のハッザン(Khazzan)ガス田と北部の町アダム
ハール工業団地まで延びる全長3
0
5キロメート
から南へ5
0キロメートルのダヒリヤ(Dakhiliya)
ルのパイプラインで,初期の輸送能力は1,
5
6
0万
地方のカウサー(Kauther)ガス田であり,かな
2
8
0万立方メートル/
立方メートル/日,その後2,
りの量の構造性ガスが埋蔵していると言われて
日に増強され,途中にあるスール(Sur)工業団
いる。2
0
0
1年3月,カウサー第1号試掘井は,
地にもガスを供給する計画になっている。2
0
0
0
深度約4,
2
0
0メートル地点でガスを含有した砂
年第1四半期にターンキー契約が締結された,
岩層を発見し,事前テストの結果,埋蔵量は1
本パイプラインの建設は2
0
0
2年第4四半期中に
兆立方フィートと推定された。また,マカリム
完了する予定である。コントラクターは,イタ
高地(Makarem High)において掘削されたハッ
リアの Saipem 社と Snamprogetti 社,アテネに本
ザン第1号井は深度4,
5
0
0メートル地点のバリ
部を置く CCC 社および日本の三菱と の コ ン
ク(Barik)層で同年5月にガスを発見したが,
ソーシアムで,オーストリアの ILF と米国の
シェルによれば,その埋蔵量は5兆立方フィー
Parsons Corp.
両社の合弁会社が本パイプライン
1
2
中東協力センターニュース(投資関連情報)
2
0
0
2・2/3
と下記のサラーラ・パイプライン建設のプロジ
(期間2
5年)を政府と締結し,中央部ハファル
ェクト・マネージャーになっている。
(Hafar)地方の陸上第3
0鉱区(広さ1,
2
0
0平方キ
8インチのサラーラ・パイプライン
一方,
2
4/2
ロメートル)の開発権利を獲得し,2
0
0
1年年央
(費用1億8,
1
7
0万ドル)は,オマーン中央部の
からガスの生産を開始している。なお,親会社
サイフ・ラウル油田から南部のサラーラに走る
の Gulfstream Resources Canada は2
0
0
1年8月,
全長7
0
0キロメートルのパイプラインで,初期輸
米国の Anadarko Petroleum によって買収(金額
送能力は5
0
0万立方メートル/日に設定されてい
1億1,
8
0
0万ドル)されている。
る。同能力はコンプレッサーの追加設置によっ
第3
0鉱区において,Gulfstream はハファル,ア
て,7
0
0万立方メートル/日まで増強される。イ
ルサフワ(Al Sahwa)
,
ナディル(Nadir)の3ガ
ンドの Dodsal 社が2
0
0
0年第1四半期にターン
ス田を開発した。原始埋蔵量は合計5,
3
0
0億立方
キー契約を結び,2
0
0
2年第4四半期までにパイ
フィート,確認可採埋蔵量は2,
9
7
0億立方フィー
プラインを完成させる予定である。Arab Bank-
ト,現生産量は8,
4
0
0万立方フィート/日である。
ing Corp.
,BNP Paribas および日本興業銀行の
生産量は1億1,
0
0
0万立方フィート/日まで増産
金 融 グ ル ー プ が 建 設 資 金 を 融 資 し て お り,
可能であり,生産されたガスは全長1
6キロメー
HSBC Investment Bank が OGC の金融アドバイ
トルの1
6インチパイプラインによって国内ガス
ザーとなっている。
配給網に輸送されている。この販売用パイプラ
2
0
0
1年5月,OGC は上記2本のパイプライン
インの他に,ガス生産井8本とガス収集システ
を含む国内の高圧ガスパイプラインを操業・管
ム,能力1億2,
5
0
0万立方フィート/日の中央ガ
理する5ヵ年契約(総額2,
0
0
0万ドル)をカナダ
ス処理プラントがあり,このプラントにはガス
のコンソーシアム(BC Gas International と En-
セパレーター,コンプレッサー,結露防止装置,
bridge Technology)と締結した。
これら2本のパ
ガス計量器などが設置されている。今後,さら
イプラインが完成すれば,オマーンの国内ガス
に5本の井戸の新掘が計画されている。
配給網の長さは,1,
8
0
0キロメートルに達する。
2
0
0
0年6月上旬,石油・ガス省は Gulfstream
2
0
0
1年年央に発効した同契約は,シェルが OGC
と期間2
5年のガス売買契約を締結した。契約に
に代わり操業しているガス処理プラントから最
よれば,同社は第1段階として8,
4
0
0万立方フ
終消費者用ガス計量所までの全ガス配給網をカ
0
0
1年年央から同省に販売
ィート/日のガスを2
バーしている。ただし,中央部ガス田からスー
し,その後販売量は1億立方フィート/日まで
ルの LNG プラントを繋ぐガスパイプライン
徐々に増加される。また,年間の総販売量は3
0
2
は,シェル(PDO)によって操業・管理されて
億2,
0
0
0万立方フィートまで,
2
5年間の累計販売
いるため,この契約から除外されている。
量は2,
9
7
0億立方フィートまでと制限されてい
る。販売価格はドル建てになっており,内容は
"
その他ガス操業会社
極秘であるが年間1.
5%の率で値上げされる模
様である。なお,石油・ガス省への販売量を超
PDO の他に,以下に述べる外国企業がオマー
える余剰ガスが生じた場合は,商工業関連の3
5
ンにてガス操業を実施している。
を数える顧客に別途販売されることになってい
イ
!
カナダの Gulfstream
る。
Resources(オマー
ン)
:
Gulfstream は2
0
0
1年初頭,ハファルにおいて
同社は1
9
9
7年7月に単独にて生産分与契約
商業量に達する新たなガス田を発見し,掘削・
1
3
中東協力センターニュース(投資関連情報)
2
0
0
2・2/3
開発を開始したが,これら新規発見によって同
ス・アルハイマが共有する小規模ガス/コンデ
社のガス生産量は2億2,
0
0
0万立方フィートに
ンセート田のブハ海上ガス田において操業を行
拡大すると見込まれている。生産量が増大した
っている。ムサンダム半島の北約1
5キロメート
場合,石油・ガス省向け販売量も倍増されるこ
ル,ホルムズ海峡沖合いに位置するブハガス田
とを同社では期待している。
は1
9
9
4年4月1
4日に生産を開始した。可採埋蔵
量はコンデンセートが約8
5
0万バレル,ガスが
ロ
!
BP アモコ,オキシデンタル,Fortum3社の
1,
5
7
0億立方フィートと推定されており,深度
コンソーシアム:
9,
9
6
5∼1万1,
6
9
5フィートのタママ層とマウド
オマーン北部の構造性ガスの開発・輸出事業
ゥード層に貯留している。同ガス田は現在,API
は,BP アモコ(6
0%)
,オキシデンタル(2
6%)
9
9
6
5
0度のコンデンセート約3,
6
0
0バレル/日(1
および Fortum(1
4%,前 Neste 社)3社のコン
年当初の5,
5
0
0バレルおよび1
9
9
8年初めの4,
0
0
0
ソーシアムによって実施される。対象鉱区は,
バレルから減少)
,LPG8
5
0バレル/日(1
9
9
8年初
BP アモコの第1
4,
4
4鉱区およびオキシデンタル
めの約1,
2
0
0バレルから減少)ならびに残留ガス
の第9,2
7,3
1鉱区の合計5鉱区であり,ガス
9
9
8年当初の4,
0
0
0万
3,
0
0
0万立方フィート/日(1
は国内市場および UAE に販売される予定であ
立方フィートから減少)をそれぞれ生産してい
る。1
9
9
9年9月2
8日にカブース国王によって裁
る。これら生産品は全長3
4キロメートルの1
6イ
可された契約によれば,オキシデンタルのサフ
ンチ海底パイプラインによって,ラス・アルハ
ァ油田で生産されるガスもこの販売に含まれる
イマのコール・ホワイル(Khor Khwair)にある
ことになっている。
陸上のガス処理プラントへ輸送され,LPG は
コンソーシアムの設立以前,いくつかのガス
1
9
9
9年9月2
1日に締結された販売契約に基づき
田がこれら鉱区においてすでに発見されてい
ラス・アルハイマに拠点を置く会社までトラッ
た。ガス層の確認と探鉱作業のオペレーターと
クで輸出される。また,残留ガスは,ラス・ア
なったオキシデンタルは,
1,
7
0
0平方キロメート
ルハイマ所有の施設を使用する見返りとして,
ルにおよぶ地域の三次元地震探鉱を実施し,ガ
同首長国に供与されている。
1
9
9
7年,ノヴスは,それまでブハガス田のオ
ス田の評価作業を行った。これら作業の見積投
資額は2,
5
0
0万ドルで,5本の探鉱井の掘削が予
ペレーターであったカナダの International
定されており,掘削後に BP アモコが開発・生
troleum Corp.
(IPC)から3
0%の権益を買収し,
自
産・販売のオペレーターとして開発作業にあた
社の持分比率を4
0%に引き上げた。その他の権
る計画になっている。
益保有会社は,韓国の LG Group から5
0%の権
Pe-
サファ油田のガスを含め3億∼4億立方フ
益を取得した Atlantis Holdings(ノルウェー)と
ィート/日のガスが生産され,ソハール工業団地
Eagle Energy(1
0%;英国 Heritage Oil & Gas の
および沿岸地域の市場に主として出荷される。
1
0
0%子会社)の2社である。なお,1
9
9
6年初頭
余剰ガスはシャルジャにある BP アモコのサジ
まで権益を保有していた会社は,IPC,Cluff Oil
ャア・プラントにて処理され,同地およびその
(IPC の3
0%持分の内2.
7
5%)
,John Deuss 氏が
他 UAE の首長国にて販売される。
オーナーの Transworld Oil(5
0%)
,
南アフリカの
Engen グループの一員 Eagle Energy(1
0%)およ
ハ
!
ノヴス社:
び1
9
9
5年5月に IPC から権益を取得したノヴ
オーストラリアのノヴス社はオマーンとラ
ス(1
0%)である。
1
4
中東協力センターニュース(投資関連情報)
2
0
0
2・2/3
イラン・オマーン両国のガス田共同開発計画;
大臣が共同開発に関する基本条件に同意した。
ブハガス田とイラン領海上の大規模ガス田で
その後2
0
0
1年初頭にいたり,
「生産されるガス
あるヘンジャムガス田は,西ブハガス田を介し
は,イラン8
0%,オマーン2
0%の比率で配分さ
て結ばれている。西ブハガス田はノヴスの第1
7
れ,ラス・アルハイマもしくはイラン Qeshm
鉱区に隣接している第8鉱区内にある。
1
9
7
6年,
島のフリーゾーンにおいて処理され,ガス製品
エルフは西ブハとヘンジャムの両ガス田を発見
はオマーンによって輸送・購入されることがで
し,西ブハに3本,ヘンジャムに1本の井戸を
きる」との最終合意が両石油大臣間において取
掘削したが,1
9
8
4年にこれらガス田から撤退し
り交わされた。オマーン・ガス会社がノヴスの
た。両ガス田の合計埋蔵量は,ガスが1兆8,
0
0
0
作業を監督することになり,現在ノヴスと両国
億立方フィート,コンデンセートが4億バレル
石油大臣との間で,経済性調査のための井戸掘
と推定されている。
削計画に関する話合いが行われている。ノヴス
オマーンとイラン両国は,ガス/コンデンセー
は Heritage 社をパートナーとし,両国との探
トの貯留層が同一である両ガス田を共同で開発
鉱・開発契約に基づきオペレーターとなるが,
する計画を立て,1
9
9
7年6月上旬に両国の石油
同契約の内容は公表されていない。
1
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中東協力センターニュース(投資関連情報)
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Fly UP