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デベロップメントテストの費用対効果(ROI)

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デベロップメントテストの費用対効果(ROI)
デベロップメントテストの費用対効果(ROI)
∼コベリティ導入顧客分析レポート∼
www.DimensionalResearch.com
1
デベロップメントテストの費用対効果(ROI)
初 めに
参加者は、この調査プロジェクトの参加に関し報酬を受けてい
ソフトウェアの品質を重要視し、開発を行っているすべての企
を表すために、各参加者が選択したチャリティーへ寄付をさせ
業が、デベロップメントテスト(静的解析技術を中核としたソ
ていただきました。通常は機密情報である開発プロセスを社外
リューション)
のメリットを見出しています。これらのソリュー
に話すことに対して、社内の承認を得ることの難しさから、特
ションは、開発者の生産性を向上させ、製品化までの時間を短
に依頼がない限り、個人を特定する情報なしで要約レポートの
縮し、ブランドイメージを傷つけるリスクを減らします。静的
一部としてフィードバックを提示することを参加企業に保証し
解析技術は他のどのような方法よりも迅速に、より多くの不具
ました。
ませんが、時間を割いていただいたことに対する感謝の気持ち
合を見つけ出し、問題を特定できることが実証されています。
ただし、疑問が一つだけあります。これらのメリットは、新し
参加者のご紹介
い技術を採用するコストと労力に見合うものなのでしょうか?
すべての参加者は、幅広い業界や製品のソフトウェアを開発し
本文書は、バイオテクノロジー、ファイナンシャル・サービス、
ている企業の社員です。広範な業界の企業のエンタープライズ・
医療サービス、電気通信、製造、SaaS アプリケーション、エ
アプリケーション、および組み込みソフトウェア開発プロジェ
ネルギー、通信、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)
、テク
クトが対象となりました。
ノロジー・サービス・プロバイダ、セーフティクリティカル・
システムなどの業界におけるコベリティの既存顧客 12 名との
12 名の参加者は、開発チームの管理、手作業でのソースコー
綿密なインタビューに基づいており、実際の導入で得られた
ド開発、品質保証、およびセキュリティを担当する個人の集ま
真の価値に目を向けることで導入の ROI を検証します。
りです。参加者は、C/C++、C#、Java など、様々な言語を使
用して開発を行っています。これらの企業では、わずか 4 人か
これらのコベリティのお客様は、一貫してデベロップメントテ
ら数百人に至るまでの開発者が定期的にコベリティを使用し
ストの ROI は本物で、価値のあるものだと報告しました。本
て、社内もしくは外部委託チームが作成した数百万行にも及ぶ
文書では、コベリティのお客様から報告を受けた種々のメリッ
ソースコードのデベロップメントテストを簡素化および最適化
トを提示し、以下に挙げる最も頻繁に報告を受けた下記のカテ
しています。
ゴリーを掘り下げて調査します。
1. 不具合の回避
3. 人件費の削減
コベリティの直接的/間接的
ROI の定量化
4. 製品化までの時間短縮
今日の経済においては、すべての支出が正当化される必要があ
2. 開発者の生産性向上
ります。デバイスやアプリケーションで使用するソフトウェア
調 査方法
を構築する開発企業も例外ではありません。すべての開発ツー
コベリティは、静的解析ソリューションを導入した顧客にイ
でなくてはいけません。静的解析ソリューションも、近年ます
ンタビューし、顧客が実際に得た価値についての詳細な調査
ます ROI の正当化が厳しくなった精査の対象です。参加者は、
結果を入手できるよう、Dimensional Research に委託しました。
コベリティが提供するメリットについて財務チームと長い間話
Dimensional Research は、コベリティの顧客 12 名と電話インタ
し合いを続け、投資のビジネス価値を立証する必要があったと
ビューを行いました。このレポートは、これらのインタビュー
報告しました。
ルと品質ツールへの投資は、企業へ有意な価値を提供するもの
における会話の要約です。このレポートの内容はすべて、イン
「財務担当者にツール購入の出費を説得することは困難なもので
タビューレポートより抜粋されたものです。ただし、文法や読
す。我々が投資額を増やしたときは、社内でコベリティを使用
みやすさの観点から、一部の引用文に編集を加えています。
した成功事例があったため、そのプロセスは極めて容易でした。
」
コベリティは、顧客にインタビューへの参加を確認後、連絡先
情報を Dimensional Research へ提供しました。コベリティはイ
本調査の参加者は、一貫してコベリティのソリューションが、
ンタビューには参加しておらず、また入手した情報をどのよう
本物で価値のあるメリットを提供すると報告しました。ただし、
に組み立てるかの指示も与えていません。
ROI を評価する方法は、各企業の具体的なビジネスニーズによ
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デベロップメントテストの費用対効果(ROI)
り異なりました。以下のカテゴリーにおいて、直接的で確実な
まず、コベリティを購入する前の1年間に発生した深刻な不具
ROI が認められました。
合をすべて評価することから始めました。そしてその中から、
もしコベリティのソリューションを導入していれば見つけるこ
• 出荷してから見つかると多大なコストを要する不具合の
とができたであろう不具合を特定しました。最後に、その特定
回避
の不具合を修正するための実コストを計算しました。
• ブランドの評判を守るための品質向上
• 開発者の生産性向上
「我々は昨年を振り返り、コベリティが検出したであろう、あ
• 高価で不完全な手作業でのソースコード検査の置き換え
る特定の問題と、それにかかったコストを提示しました。問題
• 製品化までの時間短縮
は実際に起きていたため、金額は確かなものでした。市場に出
また参加者は、開発における透明性の向上、コーディング技術
てから見つかった不具合のうち、その一部でも防ぐことで実現
の向上、より良いチーム管理など、多くの間接的なメリットも
されうる節約により、コストは正当化されました。
」
確認しました。
新たな開発プロジェクトに着手している参加者は、ROI 計算に
もう数ステップが必要です。初めに、自分たちの知っている数
不具合回避の ROI
字(ソースコード 1 行あたりの不具合の平均数やソースコード
開発サイクルの早期に不具合を検出することが、コストを節約
行数などが一般的)を使用しました。自分たちの知らない数字
することはよく知られています。問題を検出するまでの時間が
については、ある範囲を設定し、その範囲の最も控えめな数字
長ければ長いほど、それを修正するためにより多くのコストが
を使用して ROI を計算しました。
かかります。そして最も多大なコストを要するのは、不具合が
あるまま顧客に納品されてしまった場合です。市場に出てから
「一定のソースコード行数の中から、コベリティが通常検出す
検出される不具合の回避による節約は、顧客に納品されてから
る不具合の数はわかっています。このプロジェクトのソース
問題を修正するためにかかるコスト面からも、そして企業の評
コード行数を知っているので、そこから検出される不具合の数
判に著しく傷がつく可能性の面からも、非常に大きなものです。
が計算できます。そして不具合を未然に防ぐコストについて、
コベリティは問題を素早く検出するため、相当なコストの節約
かなり低めに見積ります。価値があることは明白です。
」
が確認されました。
参加者の中には、コベリティ採用後の相当期間を振り返り、過
「コベリティにデモに来てもらい、すでに出荷されているソー
去のROIを計算する方もいました。そういった計算は、
ソリュー
スコードのうち、良くできていると自分たちが思っていたもの
ションへの投資増額やソリューションの継続的な使用を正当化
を素早く解析してもらいました。表面化するのを待ち構えてい
するにあたって、特に重要でした。参加者たちは、製品のライ
る不具合のリストを見て、開発者は青ざめました。それだけで、
フサイクル中に市場で報告された不具合の数を追跡し、コベリ
十分なビジネス事例となりました。
」
ティが採用された時点からその数が大きく減少し始めたことを
確認しました。
正確なコスト節約の計算は、テストされたソフトウェアの完成
他の参加者は、潜在的に深刻な不具合を回避することは十分に
度により異なりましたが、以下の基本的な式は同じです。
ビジネスを正当化していると述べ、細かな計算により品質向上
コベリティが検出した不具合の数 × 不具合があるまま市場へ
出荷された場合にかかるコスト
の ROI を特に調査しませんでした。彼らにとって、自社ブラ
ンドの評判は非常に重要でした。
ソフトウェアの既存リリースがすでに出荷されている参加者
「コベリティを使用する主な理由は弊社の評判です。我々はソ
の場合、不具合防止の ROI を正確に計算するのは容易でした。
フトウェアの性能を売っています。顧客の視点からすると、機
それらの参加者は履歴を保持していたため、エンドユーザーに
能性を向上すると同時に評判を獲得できるということが重要で
納品された不具合を修正するためにかかった実コスト計算、お
す。コベリティは、深く埋もれていた不具合を検出しました。
よびビジネスと評判への将来的な影響など、コベリティのソ
別のやり方では、たとえ我々がどれだけの労力を費やしたとし
リューションを採用する前に実際に起きた問題に基づき解析を
ても、検出できなかったでしょう。我々のソースコードの管理
行うことができました。
の効率は大幅に改善しました。
」
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デベロップメントテストの費用対効果(ROI)
開発者の生産性の ROI
開発者の生産性向上は、
ROI を計算するために使用されたもう一つの重要な測定基準です。使用された式は、
以下の通り簡単なものです。
コベリティが検出した不具合の数 × 不具合を修正するための日数 × 1日の開発コスト
すべての参加者は、各社の1日の開発コストを知っていました。プロジェクトが進行中の者は、過去の不具合数を使用できました。新
しいプロジェクトに着手している者は、類似した経験に基づく見積もりを使用しました。
「検出が極めて難しいバグについて、顧客から報告を受けることがあります。コベリティを使用してそのいくつかでも除去できたなら、
それは素晴らしいリターンです。
」
この計算において最も求めるのが困難な数字は、不具合を修正するための日数でした。不具合はそれぞれ異なるため、修正に必要な時
間の範囲は様々です。この数字を求めるために、参加者はある範囲を設定し、各自の ROI 計算において低めに見積もりました。概して、
可能性のある範囲の一番控えめな値を用いても、コベリティへの投資を回収するのに長い期間かからないことが非常に簡単に示されま
した。
「実際に不具合を修正するには、1 分から数週間の開発労力を要します。我々は、それぞれの不具合の修正に数日かかるという、とても
控えめな見積もりをしました。それが控えめな値であることはわかっていますが、慎重でありたいのです。そうすれば、財務担当者は
計算結果に納得してくれるでしょう。正確な数字は必要ありません。控えめな数字を使用しても、
多大な価値が認められるのですから。
」
コベリティを長期間使用している参加者は、とても正確な ROI の値を計算できました。コベリティが検出した問題の正確な数を使用
して(これはコベリティのレポートから直接得られる情報です)
、正確な値が求められました。
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デベロップメントテストの費用対効果(ROI)
投資効果モデルの構築
定できませんが、出荷後に見つかった不具合は非常に高い値を
この調査の参加者は、静的解析の直接的な ROI を計算するこ
の影響を及ぼします。
」
つけました。もし信頼を失えば、不具合はすぐ売上に数万ドル
との難しさを指摘しました。それは、決して発生することのな
い不具合の実コストに対し、金銭的価値を求めることでした。
つまり参加者は、コベリティのライセンスを購入し更新するた
コベリティの投資は、発生することがなく、顧客が経験するこ
めのビジネス事例を確立するために、防ぐことのできる金銭価
ともない、そして測定可能なコストがかかることのない不具合
値を求めることが要求されました。以下の表は、計算へのアプ
によって正当化される類のものだからです。
ローチ法を示しており、参加者が報告した実際の数字を含んで
います。
「ツールが予防したことで起きなかった不具合の実コストは測
不具合回避におけるセービング
1万行につき検出される平均不具合件数
参加者は、コベリティが1万行につき3から10の不具合が検出したと報告
3
コード行数
1つのプロジェクトあたり
100 万行
不具合の総数
コード行数を1万で割り、平均不具合件数で乗算
300
出荷後にスリップした不具合の平均コスト
参加者は、出荷後に発見された不具合は、修正するのに
20万円から300万円かかると報告
20万円
不具合回避による年間セービングの総計
(上記、不具合の総数と平均コストの乗算)
6000 万円
コベリティによって検出された重大な
不具合の数
コベリティが導入されていない場合は、障害管理ツールから。導入済みの場合は、
コベリティレポートから数字を抽出。参加者は数百ものバグを報告
200
コベリティ導入前に不具合を修正するのに
かかった平均時間
修正時間はバグにより異なるので、その会社の過去の経験に基づき保守的な
平均値を使用
16人時間/バグ
コベリティ導入後に不具合を修正するのに
かかった平均時間
開発者にとってそのバグがまだ目新しく、修正がより簡単なタイミングで
バグを検出した場合
2 人時間/バグ
労働時間のセービング合計
コベリティ導入前と後での工数の差をバグ数で乗算
2800 人時間
フルタイムの開発者の時間単価
人事か、開発マネジャーから数字を入手
1万円/時間
開発者生産性向上による一年間の
セービングの総計
(上記、不具合の総数と平均コストの乗算)
2800万円
マニュアルのコードレビューに必要な
スタッフの数
参加者のレポートによれば、10-15 FTE (フルタイム当量)のレビューを
コベリティが対応
10
コードレビュー作業の年間コスト
人事や、開発マネジャーから数字を入手
自動化に対する年間の総セービング
(上記2つの数値を乗算)
1億2000万円
総セービング
(上記3つのセービングを合算)
2億800万円
開発者の生産性によるセービング
自動化によるセービング
1200万円
※1$=100円で換算しています。
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デベロップメントテストの費用対効果(ROI)
「コベリティを採用してから 9 ヶ月間で、致命的な問題や、市
いて、コベリティが優れていることが容易に示されたためです。
場で深刻な問題を引き起こす可能性のある問題を 167 件も特定
コベリティは手作業でのソースコード検査よりも、より迅速に、
しました。私たちは、コベリティを使用せずにこれらの不具合
より少ないコストで、より多くの不具合を検出できたのです。
を修正するには 2 日間を要する、という控えめな数字を使用し
「我々の大まかな見積もりでは、システムテストの作業員のコ
ました。それでも、2,500 人時以上の開発時間を節約したこと
ストはコベリティとほぼ同じです。しかし、システムテストの
を示すことができました。
」
作業員が、深刻な問題を1週間に 2 つか 3 つのペースで検出す
多くの参加者は、発生しないかもしれない不具合の修正に労力
るのに対し、コベリティは、同じソースコードから深刻な問題
を費やすことを回避する以上に、開発者の生産性が向上したこ
を1週間に 10 個のペースで検出します。
」
とを強調しました。コベリティは、
ソースコードに関するフィー
ドバックを開発者へ即座に提供することで、極めて重要なメ
コベリティを人的リソースと比較する議論では、適用範囲と不
リットを実現しました。ソースコードがまだ開発者の記憶に新
具合の検出において、最も優秀な作業員が行うよりも、自動化
しく、開発者がコーディング内容を最も把握しているうちにエ
ツールが常時優れていることが必ず述べられました。開発チー
ラーを特定することにより、問題の解決が格段に容易になりま
ムが長期の見直し期間にさえも見落とした単純な不具合を、コ
した。コベリティは、ほぼリアルタイムのフィードバックを提
ベリティが即座に検出したという経験が、すべての参加者にあ
供すると評価されました。参加者は、開発者はコストのかかる
りました。これらの経験は、セミコロンの付け忘れから、OR
リソースであり、開発者の時間をより効率的に使用することで、
の代わりに AND を誤って使用するロジック上の問題に至るま
ビジネス利益が大幅に向上したと述べました。
で、多岐に渡っていました。
コベリティが手作業での方法よりも勝る主な分野の1つは、
「問題が検出されるまで待ち、大量のソースコードを苦労して
読まなくとも、コベリティを使用すれば、素早く問題を見つけ、
ソースコードのパスの分析です。コベリティは自動的に、ソー
記憶に新しいうちに修正できます。開発者は、1 年のうち不具
スコードの実行可能なパスをすべて実行します。これにはエ
合の修正に費やす数週間を容易に節約できます。
」
ラーパスや、使用頻度が低かったために別の方法でもテストさ
れなかったソフトウェア領域が含まれます。
参加者はまた、コベリティを使用し始めてから、ソースコード
の見直しが合理化されたと強調しました。チームは、
コベリティ
「コベリティの購入は、同じ作業を行うのに 10 人から 15 人を
が必ず特定の種類のエラー(Null ポインタの不具合など)を検
雇用するよりも確実に安くすみます。コスト以上に、人が行う
出することを確信していたので、迷わず他のタスクへ労力を注
よりも良い面があります。15 人のスタッフがソースコードの
ぐことができました。同じ理由で、特定の種類のエラーが存在
検査に徹したとしても、コベリティと同じ数の不具合は検出で
しないことがわかっているので、問題を修正するプロセスがよ
きないでしょう。彼らはロボットではないからです。
」
り集中的なものになりました。
何人かの参加者は、典型的な問題について述べました。人間に
は思い込みがあるので、発見できるはずのソースコードの小さ
自動化の ROI
なエラーを、見ていながらも発見できないというものです。例
参加者の中には、手作業のソースコード検査で同じ結果を得る
えば、句読点の誤りは非常に単純な基本的エラーであり、自動
ためのコストと比較することで、コベリティの価値を算定する
化ツールを使えば必ず検出できるのですが、人間はしばしば見
者もいました。この計算は比較的簡単で、ソースコードの見直
逃します。
しを自動化する方法の価値を容易に実証しました。まずソース
コードを検査するための追加作業員数を求め、作業員が 100%
「コベリティがソフトウェアを検査する方法には圧倒されるこ
稼働した場合のコストを計算し、コベリティへの投資と比較し
とがあります。3 人の一流開発者チームが把握するまで 2 時間
ました。この計算は、雇用がより良い選択肢であるという財務
かかった1つの不具合を、コベリティは即座に検出しました。
チームの提案を説得するためによく行われます。しかしながら、
たとえどんなに優秀な開発者であっても、決して一人ではでき
参加者はこの内容についての会話はとても短いものであったと
ないことです。
」
述べました。以下に述べるように、3 つの主な各評価分野にお
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デベロップメントテストの費用対効果(ROI)
「市場に出てから発見される不具合は私たちにとって高額です。
製品化までの時間短縮の ROI
エラーが起こるとすぐに、弊社の SLA に従い負債が発生して
いきます。低品質は多大なコストにつながります。
」
ある参加者は、製品化までの時間を短縮する能力という面から、
コベリティの価値を定量化しました。コベリティは、他のいか
なる方法よりも迅速に解析を行い、ソースコードの問題を検出
「不具合のあるまま顧客に納入すると、いかなる企業も信頼を
し、修正を提案できました。このスピードにより、市場のニー
失います。特に弊社は安全システムを構築しているため、不具
ズを満たしライバル企業の先を行くという目的の下で、より迅
合が発生すると、命にかかわる可能性があります。不具合は決
速に製品を出荷することができました。これらの参加者にとっ
して起きてはならないのです。
」
ては、製品化までの時間の節約だけでも、コベリティの購入を
正当化するには十分でした。
「我々には真のビジネスニーズがありました。市場が弊社のソ
リューションを待っていたにもかかわらず、品質の問題から出
荷できなかったのです。コベリティは、弊社が迅速に出荷し、
重要かつ新たな収益の流れを得る支援をしてくれました。
」
外部のプロバイダと提携してソースコードを開発した参加者は
特に、コベリティの効果に感心していました。顧客がソース
コードの品質に SLA(サービスレベル契約)を課している限り、
不具合のあるまま出荷すると、最終的には自社の評判が壊滅的
な打撃を受けます。コベリティを使用してソースコードを素早
く検査できることには、過密な開発スケジュールを維持しなが
ら品質を向上し、市場に出てからの不具合の発見を避けるとい
う、計り知れない価値があります。
「我々は 3 日間で 50 万行ものソースコードを検査しました。致
命的な問題を複数発見しましたが、すべて修正し、スケジュー
ル通りに出荷できました。コベリティを採用する前にこれを成
し遂げることは到底不可能だったでしょう。
」
不具合1件あたりの ROI
参加者が広範囲な ROI 計算を行わない場合もありました。一
つの極端な例を示すことで、コベリティから受けた価値を容易
に明らかにできたためです。これらの例は、顧客のビジネスに
極めて特化しており、一般的に、顧客と厳しい SLA を締結し
ている企業、ソフトウェアの不具合が安全性の問題を引き起こ
す可能性のあるビジネス、および提供する品質により評判が大
きく左右されるベンダーで顕在化したものです。
「弊社では、コベリティが検出した一つの不具合コストが、ま
さにコベリティの年間ライセンス料に相当しました。
」
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デベロップメントテストの費用対効果(ROI)
コンプライアンスの ROI
何人かの参加者は、コベリティを使うことで得られた利益の一つは、コンプライアンス要件の遵守促進であると述べました。これらの
要件には、ISO、SEC、現地の安全基準、およびソフトウェア開発を要するすべてのコンプライアンス要件が含まれます。とりわけファ
イナンシャル・サービス、通信、並びにセーフティクリティカル業界の参加者の間では、複雑な不具合を発見するために高度なツール
を使用したことを立証できれば、会計監査官の強い信頼を得られることが示されました。他の参加者は、コンプライアンス要件を満た
すための重要なステップは、ソフトウェア開発のライフサイクルにおいて、生成したソースコードの信頼性を検証するプロセスを設け
ることであると述べました。コベリティの使用は、これらの努力を示し、コンプライアンスの検査を満たす方法であることが十分に立
証されました。ただし、この調査の参加者には、コベリティを使用して各社のコンプライアンス要件を直接満たすよう要求された者は
いませんでした。
「ソースコード品質のトレンドデータやレポートの表示は、強力な機能です。コベリティで作成したこれらのレポートを、そのまま会
計監査官に提出するつもりです。
」
付加的 ROI:間接的効果によるコベリティのメリット
参加者は、静的解析購入の直接的な ROI について示すよう言われ、上記の具体例の通り、そのとおりにしました。しかし、参加者は
一貫して、ROI の議論を数字だけに限定しようとしませんでした。元々の質問は、直接的な ROI に明確に焦点を当てたものでしたが、
この調査の参加者は、コベリティを使用する間接的なメリットをあえて強調しました。そしてそのメリットは、定量化がより困難なも
のでした。
レポートと透明性
コベリティのユーザーは、レポートおよびレポートが各社にもたらす透明性のメリットを高く評価しました。ほとんどの参加者は、コ
ベリティを各社のビルドシステムへ統合しています。毎朝、最新のレポートデータが作成され、品質と生産性指標情報の迅速なフィー
ドバックループがチーム全体に作成されます。
「指標の可視化は素晴らしいことです。」
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デベロップメントテストの費用対効果(ROI)
いフラストレーションを引き起こすような厄介な不具合に関す
コーディング技術の向上
るものでした。著しく厄介な問題が発生すると、チーム全体が
参加者は、コベリティが美しいコーディングを開発者に教えた
1週間以上も悩み続ける状態になることもありました。コベリ
ことの価値を繰り返し強調しました。チームの開発能力は、コ
ティを使用してこれらの不具合の根源を探し出すことは極めて
ベリティを使用したことで明らかに向上しました。そしてその
容易であったため、開発者のフラストレーションの度合いは減
向上は、ある方法で行うようにあからさまに強制したり、ソー
り、生産性が向上し、さらに仕事に対する満足度も向上しました。
スコードを改善するためにトレーニングを受講させたりするの
「ソースコードを作成する開発者は、コベリティを使えば自分
ではなく、暗黙の方法によってもたらされました。
たちの仕事が楽になることを知っています。何らかの理由でコ
ベリティのサーバーが使用可能でないと、いつ次の解析が行え
「開発者に与える影響は、コーディングの仕方が変わることで
るかを開発者から尋ねられます。
」
す。もし同じエラーを生成し、コベリティが 2 度それを伝えれ
ば、3 度目にはもっと注意深くなります。
」
より良いチーム管理
結論
コベリティを使用することの興味深いメリットは、このプロ
この調査の参加者 12 人すべてが、コベリティへの投資におい
ジェクトで私たちがインタビューしたマネージャーが述べてい
て著しい ROI を見出しました。品質の向上、開発者の生産性
ますが、個人やチームに起きていることへの洞察が向上したこ
の向上、そして他の様々なメリットから価値が導かれました。
とです。コベリティは、別の状況では管理側が見落とす可能性
私たちがインタビューした各参加者は、さまざまな方法でその
のあった行為を明らかにする興味深い指標でした。類似のプロ
価値を計算しましたが、すべての参加者が、説得力のある事例
ジェクトに携わっている開発者間で不具合の数に違いがあると
を明らかにしました。参加者は、将来の開発プロジェクトでも
いうことは、追加トレーニングやメンタリングを行う、あるい
引き続きコベリティを使う予定です。
は高いスキルを持つ開発者を昇進させる必要性がありうること
を示しています。
「一つのチームの不具合が他のチームと比べてはるかに多い場
合、スタッフ教育に問題があるかどうか、もしくはそのチーム
に無理をさせすぎていないかどうかを調べる必要があります。
反対に、あるチームがコベリティが完璧であると判断するソー
スコードを何度も作成しているなら、もう少し無理をさせるこ
とも考慮に入れることができます。
」
開発者の仕事に対する満足度の向上
コベリティの使用による開発者の生産性についての興味深い見
解は、仕事に対する満足度に関連していました。複数の参加者
が、コベリティを使用する以前の状況を述べました。それは検
出が非常に困難で、解決しようと試みる開発者の間に非常に高
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デベロップメントテストの費用対効果(ROI)
“クリーン”な開発への Zetta.net のコミットメント
Zetta.net にとって、エラーの影響は甚大です。最も急成長中の、エンタープライズ用クラウ
ドバックアップとディザスタリカバリ・ソリューションのプロバイダの一つとして、Zetta.
net は決してデータを消失しないことを公約しています。
Dimensional Research
について
Dimensional Researchはテクノロ
ジー企業により良いビジネス決定を
させる実用的なマーケットリサーチ
サービスを提供しています。我々のリ
Zetta.net の共同創設者兼主任科学研究者である Lou Montulli 氏は、Zetta.net の設立時に、存
在し得るどのような種類のエラーも減少できる最適な方法論を探し求めました。静的解析は、
チームが他のいかなる方法でも得ることができなかったもの、すなわちソースコードの基礎
を 100%網羅する機会を提示しました。
サーチャーはテクノロジーの専門家で
あり、どのようにIT組織が機能してい
るかを理解しています。
我々は個々のクライアントとパート
ナーを組み、リスクを軽減し、顧客
Montulli 氏は、ツールの価値について、他のコベリティの顧客体験を共有しましたが、静
的解析が Zetta.net の開発をクリーンにしていることも指摘しました。コベリティが解析し
たソースコードは完全性と一貫性を備えており、これらは開発チームができる限り迅速に
行動しようとしても、達成がほぼ不可能なものです。何か策を講じなければ、やがて結果
は散々なものになります。
満足を増す即座に実施可能な情報を
届けます。我々のリサーチサービスに
より、顧客と市場力学についての理解
がクリアになります。詳細は、www.
dimensionalresearch.comをご覧く
ださい。
Coverity, Inc.について
「コベリティは、ソースコードを純粋で美しい状態に保持す
(コベリティ インク)
る手助けをしてくれます。コベリティの基準により、今後の
エラーが予防され、ソースコードの読みやすさが向上し、ソー
コベリティは、ソフトウェアの不具合
スコードがより一貫性のあるものになります。すべてがより
から顧客の企業ブランドとビジネスを
一貫性のあるものであれば、お客様の開発は確実に良くなり
守る、静的解析技術をコアとしたデベ
ます。一人のプログラマーが他のプログラマーのソースコー
ロップメントテストの業界リーダーで
ドを理解し、検査できることから、コベリティは特にチーム
す。Samsung、東芝、日本電気などを
での使用に役立ちます。
」
含む1100の顧客が、コベリティのデベ
Zetta.net 共同創設者兼主任科学研究者、Lou Montulli 氏
ロップメントテストスイート製品群を導
入し、ソフトウェアの予期せぬ動作、ク
ラッシュやセキュリティ脆弱性につな
がる重大な不具合を自動的に解析、検
Montulli 氏と Zetta.net の開発チームにとって、
これはクリーンな開発へのコミットメントです。
出しています。弊社の詳細は、http://
歯を磨くように、ある特定の瞬間に真っ先に思い浮かぶものではありませんが、長い時間を
www.coverity.com/index_jp.html
かけずに本当に素晴らしい成果をもたらすものである、と Montulli 氏は述べています。
をご覧ください。
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Coverity and the Coverity logo are trademarks or registered trademarks of Coverity, Inc. in the U.S. and
other countries. All other company and product names are the property of their respective owners.
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デベロップメントテストの費用対効果(ROI)
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