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∼行政・NPO等の連携による バリアフリーのまちづくり∼

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∼行政・NPO等の連携による バリアフリーのまちづくり∼
NPO法人呉サポートセンターくれシェンド
∼行政・NPO等の連携による
バリアフリーのまちづくり∼
全国的にも高齢化率が高く,早くからバリアフリーに関する意識が高かった呉市では,
交通バリアフリー法の施行をきっかけに,行政・NPO 等の連携によりバリアフリーのまち
づくりに関する様々な施策が取り組まれています。
◆主な取組み
・全国で3番目に作成された呉市移動円滑化基本構想
呉市では全国で3番目という早い時期に移動円滑化基本構想を作成しました。また基本構想策定
後も,道路特定事業計画(案)の整備優先順位に関係なく,地域の状況を踏まえ,ニーズに柔軟に対
応した道路整備を行っています。そのため地域住民からは喜びの手紙が届くなど反響を得ています。
屋根付きの立体横断施設で JR 呉駅から
エレベーターはシースルー型となっています。
雨に濡れることなく目的地へ移動する
その近くの点字ブロックは踏む事でエレベータ
ことができます。
ーの位置を音声で案内してくれます。
◆NPO法人呉サポートセンター
くれシェンド
・くれシェンドとは
呉ポートピアパークのボランティアセンターを拠点として活動している団体で,福祉,環境,災害
支援,多文化交流などに関するメンバーにより構成され,支援活動やまちづくり活動を行っています。
結成当初から呉市と協働で,バリアフリーをはじめとした住民参加のまちづくり活動を実施してお
り,呉市のまちづくりに大きく貢献してきた団体です。
・バリアフリー研究会の取組み
バリアフリー研究会は,
「NPO 法人くれシェンド」のメンバーが中心となって立ち上げた団体で,
バリアフリーのまちづくりを推進することを目的とし,まちの点検活動,行政への提案,講演会の
開催,研修会・勉強会等の活動を行っています。
【主な取組み】「みんなにやさしい商店街づくり研究会」「キッズボランティアスクール参
加」「みんなが楽しめる公園づくり研究会」「荒神小学校・本通小学校のボランティア授業に
参加」「広島みちづくりフォーラム開催」「ハーティマップ作成」など
・ハーティマップ
バリアフリー研究会では,だれもが安全で安心な歩行ができるために必要な情報を整理したハ
ーティマップを作成しています(中央地区版)。このマップには歩道の状況 (ゆったり,ちょっと
狭い)や,信号機の種類(通常,音声案内,交通弱者用),休憩施設など多くの情報がぎっしり詰ま
っています。またハーティマップは「夢街道フォーラム(H16.2)」において優秀賞を収めています。
現在,阿賀・広地区のハーティマップを作成しています。
【連絡先等】
問い合わせ先)NPO 法人呉サポートセンターくれシェンド
所在地)〒737-0875
呉市天応大浜3−2−3
TEL)0823−38−8276
FAX)0823−38−8278
問い合わせ先)呉市都市政策部都市計画課
所在地)〒737-0501
呉市中央4丁目1−6
TEL)0823−25−3367
FAX)0823−24−6831
たかやまし
岐阜県高山市
∼観光地における総合的な
ユニバーサルデザインの取組み∼
高山では町並みが貴重な観光資源となっており,そこに暮らす生活者を含めた地域ぐるみのまちづく
りが行われてきました。伝統的に高山地方に根づいた「もてなしのこころ」を育てていくことにより,
体の不自由な人やお年寄りだけでなく誰でも訪れ,安全・安心・快適に過ごすことができるまちをつく
ろうとしています。
◆モニターツアー(観光ニーズの調査)の実施
・モニターツアー実施の背景
1990 年代前半頃から高山市でも,観光客の減少に危機感を持ち始めていました。その頃,新市長
の下で飛騨高山観光客誘致促進東京事務所が開設され,主に首都圏の観光ニーズを調べるためのモ
ニターツアーが始まりました。対象者は,バリアフリーのまちづくりを目指すという高山市の考え
に沿って,体の不自由な方とその介助者や家族,お年寄り等を中心に参加者を募りました。この参
加者の観光体験を通した反響や提言を参考に,できることから観光施設や町並み,もてなす人のこ
ころなどのバリアフリー化を進めています。
・モニターツアーの概要
平成8年から平成15年まで,計13回に渡り実施されました。
参加者は身体にいろいろな不自由さを抱えておられる方を中心に,
毎回様々なメンバーによって,多様な人の観光に対する要望がモニ
ター調査されました。高山の古いまちなみが持つ段差や移動の為の
車いす使用への配慮,観光地でのトイレの問題等,このツアー参加
者の声によって改善されたバリアフリー化も実現されています。
<モニターツアーから寄せられた主な声>
・
・
・
・
・
・
・
改札や列車の乗降口,通路の幅が車いす使用には狭い。車いす専用シートが必要。
車いす使用可能エレベーターが列車のホームから遠い。(荷物用エレベーター使用)
車いす使用可能トイレがない。トイレ確保が切実。トイレ・浴室にフラットベンチが欲しい
観光施設の通路に車いすで越えられない段差がある。介助者と分離される場合がある。
点字案内やパンフレット(音声カセット)が必要。食事制限者への配慮がほしい。
スロープがあり,歩きやすかった。階段にスロープがあり,有り難かった。
運転手さんやガイドさんやお店の人たちからの気遣いのこもった言葉がうれしかった。
(以上「モニターが創ったバリアフリーのまち
高山市まちづくりレポート」山本誠著からの引用)
◆高山の主なバリアフリーの取組み
・バリアフリーのまちづくり
高山市では,誰もが住みやすくなるような落ち着いた
定住環境とにぎわいのある交流環境を整備し,市民一人
ひとりが誇りと生きがいを持てるまちづくり,安全で安
心して快適に暮らすことができるバリアフリーのまちづ
くりを進めています。
・バリアフリーのまちづくりの施策
住みよいまちづくりをめざして,まちの中や施設等の段差解消,車いすトイレの整備,福祉バス
や福祉タクシーの運行,様々な福祉マップ類の発行,わかりやすい案内表示・サインの設置等の取
組みを行っています。
車椅子利用者やお
年寄りが安心して
通行できるように
段差解消や目の細
かいグレーチング
を採用していま
す。
お年寄りや体
の不自由な方
の移動のため
電動車椅子の
貸出も行って
います。
多目的トイレの設置。
・車いすトイレ120以上
・オスメイト付トイレ7ヶ所(H14・15年度)
実際に市内を歩き,
手作りでマップを作
成しました。(車いす
一般市民,特にお年寄りや体の不自由
おでかけマップ)
な方が低料金で利用できる巡回バス
です。
・全国ノーマライゼーション推進高山会議
平成13年度に,高山市が中心となって,全国のバリアフ
リーのまちづくりをめざしている自治体,福祉,観光,建設
関連企業,NPO から1,000名(内障害を抱えた方約500
名)の参加者を招いた,「全国ノーマライゼーション推進高山
会議」が開催されました。高山市の取組を全国に向けて情報
発信するとともに,講演会,シンポジウム,分科会等を通じ
て,ノーマライゼーションの推進及びバリアフリーのまちづ
くりに関する課題解決に向けた具体的な施策づくり,ネット
ワ−クづくりが検討されました。
・主な取組に対する関係者の一言
「住民への説明や理解を得ることが最も大変であり,また
重要なこと」「外国の方たちにも喜んでもらえるまちづくりをしたい」「IT を活用した情報発信や
情報案内システムにも力を入れたい」と高山市産業振興部観光課の中畑主幹。
◆「まちひとぷら座 かんかこかん」
「まちひとぷら座 かんかこかん」は,
国と高山市の補助を受け空き店舗を活用
して整備されたコミニュティ施設です。中
心商店街の一角にあり,市民と商店街によ
って運営されており,だれでも自由に出入
りすることができます。施設内には,親子
交流の場としてこどもひろばや情報コー
ナー,市民グループの交流の場としてまちづくりのひろばがあり,
まちづくりの情報発信やネットワークづくりが行われています。
また,一時保育やベビーカー・電動スクーターの貸し出しも行っ
ており,インターネットも利用できます。「さまざまな人たちとの
交流のなかで楽しく活動しています。これからもまちなかの縁側
のように多くの方が気軽に立ち寄っていただけるような場にして
いきたい。」と事務局の荒井さん
【問い合わせ先】岐阜市高山市上二之町 44-4
TEL&FAX)0577-33-5055
【連絡先等】
問い合わせ先)高山市産業振興部観光課
所在地)〒506−8555
岐阜県高山市花岡町2丁目18番地
TEL)0577−35−3145
FAX)0577−35−3167
熊本県
∼「だれもが暮らしやすく豊かなくまもと
の実現をめざして∼
65歳以上のお年寄りの割合が22.8%(H15.10.1現在)を越え,全国的にみても
高齢化の進む熊本県では,「だれもが暮らしやすく豊かなくまもと」を実現するため,ユニ
バーサルデザインを県政の基本理念とし,全庁的にその推進に取り組んでいます。
◆ ユニバーサルデザイン推進の経緯
熊本県のユニバーサルデザインの取組みは,県民運動として展開していくために当初から,県民,
企業,団体等の様々な意見や提案等を取り入れながら,ユニバーサルデザインの推進方策を検討して
きました。まず,県民の方々,企業,団体の方々による「UD 研究会」の設置,「インターネット博覧
会への UD ホームページの出展(H12.12)」,「熊本 UD 国際シンポジウム(H13.1)」等を実施し,県民へ
の啓発を進めました。その後「くまもとユニバーサルデザイン振興指針(H14.2)」を策定し,現在はそ
の推進方針に基き,様々な分野でユニバーサルデザイン活動を推進しています。
◆ ユニバーサルデザイン推進の基本方向
「くまもとユニバーサルデザイン振興指針」には,4つの分野で熊本県のユニバーサルデザインを推進
していくこととしています。
・ すべての人のためのまちづくり
・ すべての人のためのものづくり
・ すべての人のための情報・サービスづくり
・すべての人のための意識づくり
◆ その他の取組み
その他,様々な分野でユニバーサルデザインの活動は行われています。以下に示す他にも数多くの
取組みが行われています。
UD タクシー
UD 早分かりガイド
住宅における UD 企画指針
全国に先駆けたユニバーサルデザインタクシー。
ユニバーサルデザインをわかりやすく読み物形式で紹介した冊子。
住宅の設計者,施工者向けのユニバーサルデザイン指針。
【連絡先等】
問い合わせ先)熊本県総合政策局政策調整課特定政策推進室
所在地)
TEL)
〒862−8570 熊本市水前寺6丁目18番1号
096−383−1111 (代表)
熊本県 UD ホームページ
FAX)096−385−0627
URL:http://ud.pref.kumamoto.jp
大分県別府市「湯の街別府ユニバーサルデザイン委員会」
∼ユニバーサルな旅館を目指した
旅館組合の取組み∼
大分県別府市の旅館組合では,これからの高齢者や障害者の旅行増加を想定し,別府
市の旅館をユニバーサルデザイン対応にするべく,モニターツアーや月1回の意見交換
会など様々な活動を行っています。
◆「湯の街別府ユニバーサルデザイン委員会」の主な取組み
・主な取組み
今後の高齢者・障害者の旅行者の増加を想定し,今後の別府温泉全体の宿泊施設をだれもが「気
持ちよく宿泊して頂ける街づくり」を目指して様々な活動を行っています。
<委員会の取組み>
会員施設
主な活動
全28会員 ※平成 16 年 1 月現在
(旅館・ホテル関係17施設,その他県・市の観光行政担当者,福祉関係者(理学
療法士等)等で構成)
①毎月1回の会合
平成13年7月の第1回をスタートに,旅館ホテル並びに福祉施設の見学を始め
とした会合を実施。
②モニターツアーの実施
体の不自由な方を対象に宿泊してもらい,施設等の利用のしやすさ等のアンケー
トに答えてもらう。これまで3回実施。
③ホームページの開設
モニターツアー情報,各施設の整備事例を掲載。別府ナビにもリンクし県内外へ
情報を発信
【HP アドレス】:http://www.jp114.com/026/
・モニターツアーの概要
実際に体の不自由な方に別府市の旅館ホテルを利用していただき,その感想から施設の改善点
を見つけだすことを目的にモニターツアーを開催しています(これまでに3回開催。51 組 160 名
が参加)。参加者からは好評で,参加後に次回の開催をたずねられる方もいます。
なおアンケートでは,「段差」「手すり」「スペース」に関する指摘が多く挙げられています。
<モニターツアーの概要>
期間
参画施設
募集人員
対象者
参加者
第1回
H14.7.1∼7.18
(約 14 日間)
9施設
1施設につき3組まで
の全 27 組
車いす・杖使用者,
高齢者
15組30名
第2回
H15.2.1∼3.20
(約 50 日間)
12施設
1施設につき 10 組まで
の全 120 組
身体に障害のある
全ての方
30組110名
第3回
H15.7.21∼8.31
(約 40 日間)
10施設
制限なし
第1,2回の対象者,
障害のある子供の家族
6組20名
※旅行代金は特別料金と設定しています。
・関係者からの一言
「全ての人に対応できる旅館施設にすることは困難。施
設が完璧でなければソフト対応(介助等)でカバーできれば
よい。」「湯の街別府ユニバーサルデザイン委員会での取組
みを継続し,少しずつ改善をしていくことが最も重要。」と
湯の街別府ユニバーサルデザイン特別委員会事務局の富来
さん。
◆「NPO法人 自立支援センターおおいた」
「NPO 法人自立支援センターおおいた」では,障害者等の介助・介護サービスや,バリアフリ
ーのまちづくりの提案など,障害を持つ方でも自由に生活できるために様々な活動を行っていま
す。
「同じ車いす利用者でもそれぞれ必要な幅や使い勝手は
異なる。多少手間と時間がかかってもあらゆる障害者の意
見を取り入れて設計,建築,改修をしていくべき」
「障害者
は不可能な要求はしない。小さなことでもよいから障害者
等の声を反映できる仕組みが必要」と,NPO 法人自立支援
センターおおいた理事長の米倉さん。
米倉さんは湯の街別府ユニバーサルデザイン委員会の委
員であり,当会のホームページも作成しています。
【NPO 法人自立支援センターおおいた HP アドレス】:http://www.jp999.com/333/
【連絡先等】
問い合わせ先)湯の街別府ユニバーサルデザイン委員会事務局
所在地)〒874-0943
大分県別府市楠町17−5
TEL)0977−22−0401
FAX)0977−22−0417
東京都北区
地域振興部
∼みんなで考える
「こころのユニバーサルデザイン」∼
東京都北区地域振興部では,区内産業の振興に取り組む中で,ユニバーサルデザインの考え方を生
かした,人にやさしいまちづくりを推進しています。
◆北区的ユニバーサルデザイン
・背景
東京都北区では,少子高齢化の進行や,大手企業の転出による地元商店街の衰退などにより,地域全
体の産業の活気がなくなってきました。このような背景のもと,北区の産業の活性化を目指し,これか
ら伸びていくであろう「福祉」分野での新産業の育成を検討するなかで,ユニバーサルデザインに着目
し,地域産業の振興に向けた取組を行っています。
・こころのユニバーサルデザイン
東京都北区では,地域の中での「やりとり」から生まれ
る,個々の要望に対応した,真心をこめたものづくり,真
心をこめたもてなしにより,あらゆる人々のくらしを支え
ることを目指した「こころのユニバーサルデザイン」をコ
ンセプトに,単にものづくりや商いだけでなく,区民生活
の中にもユニバーサルデザインの考え方が生かされる,人
にやさしいまちづくりを推進しています。
お話を伺った東京都北区地域振興部の対馬さん
と東京商工会議所北支部の竹野さん
◆具体的な取組
・北区ユニバーサルデザイン・プロジェクト
北区ユニバーサルデザイン・プロジェクトは,東京商工会議所北支部の協力を得てできた新しい組織
「社会福祉産業推進協議会」を中心としてさまざまなかたちで進められました。その活動の場となった
のが,「平成14年度北区基本計画」の事業の一環として区内産業の振興を目的に作られた,北区ユニ
バーサルデザイン展示場「北区ゆめ空間」です。事業者や区民などが気軽に参加でき,ユニバーサルデ
ザインを介した情報交流の場を創出することで,北区の産業の活性化と人にやさしいまちづくりを推進
することを目的として開設されました。開設期間中は,講演会,交流会,ワークショップなどの関連イ
ベントが開催されました。
<北区ユニバーサルデザイン展示場「北区ゆめ空間」の概要>
会場
ほく
期間
平成14年10月3日∼平成15年3月31日
展示内容
ユニバーサルデザインとは何か,をパネル展示でわかりやすく説明
・個人向け,家庭内,公共に分けてパネルと実物にふれることで体験することができる
・北区内の企業などが取り組んでいるユニバーサルデザインを取り入れた商品の展示 など
北 とぴあ地下展示ロビーの一部
北区ユニバーサルデザイン展示場「北区ゆめ空間」の展示風景
・KICC(きっく)プロジェクト
平成16年度から,北区と板橋区が共同で行っている「KICCプロジェクト」は,地元に多く存在
している健康・医療・福祉関連施設や光学機器,理化学機器,製薬など高度な技術を持った研究開発型
企業・知識集約型産業・研究機関,あるいは人材などの多様な地域資源の活性化を推進し,北/板橋ブ
ランドの全国発信を目指しています。この「KICCプロジェクト」は,福祉分野という点において北
区ユニバーサルデザイン・プロジェクトからのユニバーサルデザインの流れを引き継いでいます。
KICCとは,K=北区,I=板橋区,C=クラスター:cluster:産業集積,C=コミュニティー:
community:地域資源を表しています。(HP アドレス
http://www.kiccproject.jp)
・関係機関
北区におけるユニバーサルデザインの取組は,東京都立産業技術研究所の協力を得ています。東京都
立産業技術研究所は,地元の中小企業振興を目的とした,製品開発時の技術的課題を解決するための機
関で,北区ユニバーサルデザイン・プロジェクトでは,イベント時の講師の派遣等や,「KICCプロ
ジェクト」においては,技術的な課題のための協力機関という位置付けで取り組んでいます。
【連絡先】
問い合わせ先)東京都北区
所在地)〒114-8503
地域振興部
東京都北区王子1−11−1
TEL)03−5390−1234
北とぴあ10階
FAX)03−5390−1144
さいたま新都心
∼人とのふれあいをテーマにした
バリアフリーまちづくり∼
さいたま新都心では,埼玉県による「バリアフリー都市宣言」に基づき,「すべての人が安心して快
適に活動できる,人にやさしいまちづくり」を目指して,ハード・ソフト両面のバリアフリーまちづく
りを進めています。
◆バリアフリーへの取組
埼玉県では,全国に先駆け1997年2月に,人と人とのふれあいを
テーマに「バリアフリー都市宣言」を行いました。これに基づき,さい
たま新都心では,さまざまな施設整備や事業を実施しています。
さいたま新都心駅
・歩行者ネットワークとサイン整備
さいたま新都心では,2階レベルの歩行者デッキやシェルターを連続
して整備することにより,車を気にせず移動することができます。
また,地上と歩行者デッキを移動するための,エレベーターやエスカ
レーターの設置,街全体には整合のとれたサインの整備を行っています。
・歩行者系サインの整備
歩行者デッキとシェルター
視覚障害者
誘導ブロック
歩行者デッキ及び地上レベルの歩行者導線上に,輝度比1.7以上の黄色系
の誘導ブロックを設置し,視覚に障害のある人の安全な移動を確保しています。
LED内蔵点字
誘導ブロック
歩行者動線の主要な分岐点や階段の上端部などに,LEDにより点灯する点
字誘導ブロックを設置して,夜間には危険箇所を知らせています。
音声案内システム
利用する人が携帯する端末装置とサイン本体が交信し,サイン設置箇所付近
でのお知らせや,現在地情報の音声案内が流れます。
触知図・概略案内
地図
通常の案内地図の他に,視覚に障害のある人に対して,触知記号と点字による触
知図や明度差の高い色彩と大きな文字による概略案内地図を設置しています。
また,一部の地図にはタッチスイッチパネルの音声案内も併設しています。
LED可変表示
装置
聴覚に障害のある人に対して,一般ニュースやイベント情報,緊急情報を文
字で提供しています。
歩行者系サイン
視覚障害者誘導ブロック
LED内蔵点字誘導ブロック
LED可変表示装置
音声案内システム,案内地図
触知図・概略案内地図 など
案内地図,LED可変表示装置
音声案内システム,触知図
概略案内地図 など
・総合案内所
総合的な情報サービスを提供するために「情報オアシス」としての位置
付けである案内所を設置し,有人窓口案内のほか案内地図,誘導表示,
LED文字情報サービスなどを行っています。また,パンフレットなどの
配布,音声案内装置の携帯端末の貸出しなども行っています。
情報オアシス
・ふれあいプラザ
「ふれあいプラザ」では,有人案内窓口による施設の案内や障害のある
人や高齢者等への車いす,音声誘導端末,ベビーカーなどの貸出し,視覚
に障害のある人への点字プリントサービス,聴覚に障害のある人へのファ
ックスサービスなどを行っています。
また,休憩・授乳・おむつ換えのスペースが確保され,授乳給湯サービ
ふれあいプラザ
スなども行っています。
・さいたま新都心バリアフリーまちづくりボランティア
公募により選任され,研修を受けたボランティアの人々が,「ふれあいプラザ」を活動の拠点として,
障害のある人や高齢者などのガイドヘルプ(移動介助)を中心とした街の案内活動,外国語ボランティ
ア,車いすなどの疑似体験学習のサポートなどを行っています。
・関係者からの一言
「ボランティアの自主的な活動の一つである街歩き実施時のバリアフ
リーに関する点検結果や,総合案内所等に集まる意見を定期的に収集し,
施設整備やサービス等の改良を図っていきたいと考えています。」と,さ
いたま市都市局の吉沢さんと小野澤さん。
【連絡先】
問い合わせ先)さいたま市
所在地)〒330-9588
都市局
都市整備部
整備企画課
新都心まちづくり室
埼玉県さいたま市浦和区常盤6−4−4
TEL)048−829−1453
FAX)048−829−1976
広島港宇品旅客ターミナル
∼人が集い,魅力的でにぎわいのある港町∼
広島の海の新しい玄関口として平成15年3月に供用開始した広島港宇品旅客ターミナルは,その全
体構成から施設内の各箇所に至るまでユニバーサルデザインに配慮された整備が行われています。
◆ユニバーサルデザインの配慮点
新しい旅客ターミナルは開放感があり,瀬戸内の日差しが室内にひろがる明るい施設です。 施設
とその周辺は,初めて訪れた人にもわかりやすく,だれもが便利に利用できるようにユニバーサルデ
ザインの考え方に基づいた工夫がいっぱいです。利用者からの意見もたくさん取り入れられています。
・各交通機関との連携と動線の連続性
旅客ターミナルの北側には路面電車乗り場,バス乗り場及び,身障者専用乗り場が接続されてい
ます。またそれらの乗り場と旅客ターミナルの床は全て同じ高さであり,乗り換えるときの動線上
には段差などの障害がありません。また乗り換え部分は全て屋根が取り付けられ,雨の日でも不自
由なく移動ができます。
路面電車と旅客ターミナルはフラット
な床面で接続されています。
路面電車乗り場の隣には乗合バス乗り場(上)
屋根は乗船場まで続いています。
や身障者専用乗り場(下)があります。
・高さへの考慮
各施設の高さは車椅子利用者や子供などの利用も考慮されています。
車椅子の人でも利用しやすい高さの
手すりは身長の違いに対応できるよ
案内所。
う2段式になっています。
・わかりやすい情報案内
ピクトサインを採用するとともに,4カ国語での表記がされているため外国の人にもわかりやすい
案内が施されています。券売機などは設置後にシールを貼ってより分かりやすくしています(右図)。
・その他
自動ドア,十分なスペース,オムツ替え
わずかな力でも開閉できるよう工夫さ
など誰もが使いやすい多目的トイレ。
れた取っ手。
【連絡先等】
問い合わせ)広島県広島港湾振興局港営課
所在地)〒734-0011
広島市南区宇品海岸2−23−53
TEL)082−251−7997
グリーンムーバー
∼安全,快適な乗降と
車内移動ができる路面電車∼
交通渋滞,環境問題などの観点から,路面電車を中心とした交通システムの再評価が高まる中,
導入されたグリーンムーバーは,誰もが乗降・車内移動が楽に行える配慮がなされています。
◆グリーンムーバー(超低床式電車)
・路面電車の近代化
市民の足として長年親しまれ,広島の街の象徴で
もある路面電車に,グリーンムーバーが導入された
のは1999年6月からで,この超低床車両「グリ
ーンムーバー5000形」は,ドイツ・シーメンス
社製の「コンビーノ」をベースに,広島という都市
での使用を考慮して,独自のデザインを試みた次世
代のLRV(ライト・レール・ビーグル;輸送力・
高速性増,低床などを図った新型路面電車)です。
グリーンムーバーが広島の街を走ることによって,
新しい都市景観を生み出しています。
・ユニバーサルデザインへの配慮点
従来車両の床下にあった機器類を,天井に配置して低床化を行ったため,ホームとの段差がほ
とんどなくなり,車軸を持たない台車により車内の段差を解消しているため,車いす使用者や高
齢者ばかりでなく,ベビーカーや大きな荷物を持った乗客など,誰にとっても乗り降りが楽に行
えるほか,車内の移動もスムーズに行えるようになっています。さらに,弾性車輪の装着により,
低振動・低騒音化が図られているため,快適な乗り心地となっています。
また,車両本体だけでなく,運行区間では電停と電車の隙間をせまくする工事が行われるなど
の配慮がなされています。
左右1箇所ずつ
車内2箇所に
の乗降口には,補
車いす・ベビーカ
助スロープが装備
されており,必要
なときに開いて使
用します。
ーの優先スペー
スが確保されて
います。
ホームとの段差
がほとんどなく,
出入口扉が拡大さ
れたため,乗降が
よりスムーズにな
りました。
道路から電停ま
での移動も,スロー
プを整備して楽に
行えるようになっ
ています。
◆グリーンムーバーmax(新型超低床電車)
国産初の完全超低床車両となるグリーンムーバーmax
(5100形)は,グリーンムーバーの利用者の要望を取り
入れ改善し,快適性・信頼性・利便性を追及した車両です。
平成17年3月30日から営業運転が開始され,主に広島
市内に順次導入される予定です。
・特徴
通路幅の拡大
グリーンムーバーの台車部の通路幅830
mmに対して,グリーンムーバーmaxは,
先頭台車部880mm,中間台車部1120
mmとしたことにより,車内の通行性が向上
し車いすやベビーカー等の移動がよりスムー
ズになりました。
座席数の増大
今回開発したグリーンムーバーmaxは,
中間台車を改良してロングシートを増やすな
どの方法により,前回導入したグリーンムー
バーより座席数が10席多くなっています。
信頼性とメンテナ
ンス性の向上
ほとんどの部品が国産品であり,迅速な対応・供給を目指しています。
【連絡先等】
問い合わせ先)広島電鉄株式会社
所在地)〒730-8610
広島市中区東千田町二丁目9番29号
TEL)082−242−3521
阪急伊丹駅
∼ターミナルのバリアフリー,ユニバーサルデザインの
原点となったモデル施設∼
阪急伊丹駅は,1995年の阪神淡路大震災により全壊しましたが,1998年
11月に復興を完了しました。復興の際,数多くの市民の声を反映し,随所にバリアフリ
ー,ユニバーサルデザインを取り入れた全国的なモデル駅です。
阪急伊丹駅は,震災復興にあたり,交通エコロジー・モビリティ財団
より「アメニティターミナル整備事業」のモデル駅に選定されました。
「高齢者・障害者を含めたすべての人に優しい駅づくり」をテーマに
整備検討委員会を1996年4月に設置し,駅前広場竣工後の2003
年9月まで開催しました。
◆阪急伊丹駅アメニティターミナル整備検討委員会
当委員会は,交通エコロジー・モビリティ財団を事務局とし,学識経験者・移動制約者(高齢者・
障害者)代表・国土交通省・兵庫県・伊丹市・阪急電鉄で構成し,移動制約者の意見を計画の初期段
階から取り入れ議論を展開しました。
これまでの駅施設の福祉的整備水準を超えるモデル駅を実現するため,移動制約者を含む利用者の
要望を徹底把握,分析し,国土交通省のガイドライン・兵庫県福祉のまちづくり条例等の各種基準と
照査するなど,実施可能な内容についてはできる限り計画に反映する方針で取り組みました。
◆施設の特徴
・市民の意見を最大限に活かした施設
縦移動の徹底的
バリアフリー化
視覚障害者の
案内誘導システム
その他
・
・
・
・
・
・
・
・
・
大型エレベーターを2基設置(15・21人乗りを並べて設置)
上り・下りのエスカレーター
2段手すり(階段部),幅広型自動改札機
障害者に配慮したトイレ
他
音声ガイドシステム(杖式・FM電波小型発信機対応)
点字案内板,音声付き点字案内板
誘導・警告ブロック,盲導鈴
点滅型誘導音付避難口誘導灯
他
行先案内表示器(LED表示)への列車入線・出発情報,ダイヤ乱れ等
の異常時での情報案内表示機能の付加
・ いす付き公衆電話,ファクシミリ
・ 授乳室,ベビーベッド
他
自動券売機
ユニバーサルユースに対
応する高さの異なる自動券
売機を設置しており,視覚
障害者のために音声案内機
能付きの自動券売機も設置
されています。
幅広スロープ
駅利用者が多い日でも楽
に通れるように全面スロー
プとなっています。スロー
プには,お年寄りやお子様
のご利用を考慮して,高さ
の異なる2段の手すりを設
置しています。
サービスコーナー
券売機の横には,授乳室,
FAX,コピー機などが置
かれているサービスコーナ
ーが設けられています。
音声付点字案内板
視覚案内,触知案内,点
字案内,音声案内の選択が
可能になっています。
現在位置は大きくわかりや
すいものになっています。
音声ガイドシステム
視覚障害者のために音声案内ガイド
システムが設置されています。
誘導ブロックには磁気センサーが組
みこまれており,杖の先に付けるマグ
ネットシートやFM電波小型発信器に
反応し,音声案内を行います。
大型エレベーター
エレベーターは15人用,21人
用の大型のものが2機並べて設置さ
れています。大型なので車いすの人
も乗り降りしやすくなっています。
バスの路線,施設の案内板
駅の外にあるバスの路線
案内,施設の案内板には,
音声案内装置が設けられて
います。
(これは伊丹市の設備です。)
駅前施設
バス,タクシー乗り場の
屋根が駅ビルまで繋がって
おり,雨天時も濡れずに移
動できます。
またバス乗り場は,ノン
ステップバスの乗降に配慮
した高さとするとともに,
タクシー乗り場には段差が
なく,車いすの人等の乗降
時にも配慮されています。
(これは伊丹市の設備です。)
・関係者からの一言
「今後は,阪急電鉄沿線各市が策定する交通バリアフリー基本構
想と併行して,利用者のご意見やご要望などを参考に,バリアフリ
ー化の整備を進めていきたいと考えております。また,最近は利用
者からの問い合わせが多いことから,ホームページについても内容
を充実させているところです。」と阪急電鉄株式会社の石本さんと
神谷さん。(http://www.hankyu.co.jp)
【連絡先】
問い合わせ先)阪急電鉄株式会社
所在地)〒530-8389
大阪市北区芝田1丁目16番1号
TEL)06−6373−5165
FAX)06−6373−5670
神戸ウイングスタジアム
∼運営管理と一体となった
ユニバーサルデザインに配慮された施設∼
神戸ウイングスタジアムは,当初からユニバーサルデザインを意識して建設されており,わかりや
すく,安心して利用できる施設を目指しています。スタジアム内には,さまざまな優しさが込められて
います。
神戸ウイングスタジアムは,2002年に行われたサッ
カーW杯に併せて建設されました。
特徴としては,施設整備主体は神戸市ですが,事業計画
から設計,施工及び管理運営までを一貫して民間事業者が行
う公設民営方式が採られています。
サッカー,ラグビー等のスポーツイベントが行われる会
場
として,多くの人々が来場されるため施設内には,ユニバ
ーサルデザインを意識した様々な配慮がなされています。
◆スタジアム内のユニバーサルデザインの配慮
・車いすからの視界
ウイングスタジアムの車いす席は,1層目スタンド両サイドに設置されており,全体で70席あり
ます。試合で,車いす席が足りない場合には,VIP席や通路を割り当てて対応しています。
他のスタジアムに比べ,ウイングスタジアムの車いす席は,車いすからの視界が確保されており,
ゴールシーンなどで前の観客が興奮して立ち上がっても,車いす席から一番見たいシーンを見逃して
しまうことはありません。
・ピクトサインは多言語併記
・ユニバーサルトイレ
国際試合などで,外国人が訪れることも多い
通常のトイレとは別に,ユニバーサルトイレ
ので,スタジアム内のサインは,4カ国の言葉
が設置されています。また,選手控え室のトイ
で併記されています。
レも,体格の大きい選手が多いことから,大き
いサイズのトイレが設置されています。
・すべての人が利用しやすいレストラン
レストラン(ウルティモ)は,スタジアム入口付近に設置され,
スタジアムの奥まで移動しなくてもよく,試合のない日でも多く
の人が利用しやすい作りとなっています。
基本的に試合のない日も営業できる,という運営管理の立場か
ら考えられ,ユニバーサルデザインの発想から計画されました。
・関係者からの一言
「スタジアムを作ったら終わりではなく,運営と一体となったユニバーサ
ルデザイン計画を実施し,継続的な運営をしていきたい。そのためには,公
平性の観点からの取組も大事ですけれど,公益性も重視し,地元企業として
地域に密着した運営を行っていき,周りとともに発展していくスタジアムを
目指したいと考えています。施設整備(ハード面)で足りない部分はサービ
ス(ソフト面)で柔軟に対応していきます。」と,神戸ウイングスタジアムの
園田さん。
【連絡先等】
問い合わせ先)神戸ウイングスタジアム株式会社
所在地)〒652-0855
神戸市兵庫区御崎町1丁目2番地2
TEL)078−652−5656
FAX)078−652−5651
かぜようび
ピュア・フィールド風曜日
∼より多くの人にやさしい
ユニバーサルデザインによるホテル∼
ピュア・フィールド風曜日では,北海道の大自然の中,年齢や性別,障害の有無にかかわらず,「より
多くの人が使いやすい」ことを目指して,ユニバーサルデザインの考え方に基づき,設計段階から極力
バリアを排除し,安心して気持ちよく宿泊できるよう様々な工夫がなされています。
◆ピュア・フィールド風曜日の取組
ユニバーサルデザインのプチホテル「ピュア・フィールド風曜日」
は,北海道の東部,摩周湖の近くに位置し,客室数15室,収容人数
38名と小規模ながら,全館バリアフリー化され,車いす使用者や視
覚や聴覚に障害がある人などに配慮した施設は,健常者にも違和感な
く使用しやすいものとなっています。
また,施設面だけでなくサービス面についても,いろいろな要望に
対応しています。
◆館内のさまざまな配慮点
・パブリックスぺース
玄関入口からフロントや客室,ラウンジに至るまで,段差がな
く,十分な広さを確保しています。
通路幅は187cmあり,車
視覚に障害のある人のため
の音声誘導装置が,玄関の自動
ドア上部に取り付けられてお
り,フロントまで案内すること
ができます。
カウンターは,高さに配慮し
たつくりとなっています。
また,点字の総合案内板も用
意されています。
いすのすれ違いが可能です。
また,手すりは使いやすい高
さに設置し,内側には点字によ
るルームナンバーの案内があ
ります。
客室
客室は,全室車いすでも回転できるスペースを確保し,ドアは引き戸で幅が広く出入りしやすいつく
りとなっています。
また,室内の各種スイッチ,家具の配置や高さにも配慮されています。
ベッドは移動可能となっており,
車いすからベッドに移動す
ベッド間へ車いすが入れるスペー
るためのリフトが用意されて
スを作ることができます。また,介
います。
トイレ・洗面台はゆったりとし
た広さを確保しています。
護用ベッドの用意もあります。
・共用トイレ/共用風呂
トイレは,使いやすさを
優先した形態の異なる設
計のものを3箇所に設置
しています。
それぞれ十分なスペー
スを確保し,高さなどにも
配慮されています。
車いすに乗ったまま入浴できるシ
ャワーキャリーが設置されています。
・その他
施設面だけでなくサービス面でも,いろいろな要望に対応
ています。
・ 食事は,きざみ食,減塩食,カロリー食などに対応
・ 通常車いす2台,アウトドア用車いす4台の貸出し
・ 車いす4台収容可能なリフト付きマイクロバスによる
空港からの送迎や観光ガイド
など
【連絡先】
問い合わせ先)ピュア・フィールド風曜日
所在地)〒088-3222
北海道川上郡弟子屈町弟子屈原野419―64
TEL)01548―2―7111
FAX)01548―2―7777
し
らくらくえんタウンモビリティ
∼誰にでもやさしいまち歩き支援システム∼
広島市佐伯区楽々園ではボランティアの方々により,高齢者等が安心してまちに出
かけることができるよう電動スクーターの貸出を行っています。電動スクーターを利
用することで隣接するショッピングセンターや付近の商店街での買い物,ちょっとし
た移動,散歩が楽にできるようになります。
◆タウンモビリティとは
・タウンモビリティとは
障害・病気・ケガ・高齢等のため常時または一時的にスムー
ズな移動が困難な人々に電動スクーター,車椅子等を貸し出し,
ショッピングや町の諸施設を利用できるようにするシステムで
す。会員制をとることが多くなっています。
またこのシステムは,ショッピング時に利用することを目的に
イギリスで誕生した「ショップモビリティ」がモデルとなってい
ます。
しかし日本では,ショッピングだけにとどまらず,公共施設,文化施設,病院,銀行等への移動
など幅広い活用が期待されているので「タウンモビリティ」と名付けられています。
・タウンモビリティの効果
タウンモビリティは以下の効果が期待されており,このシステムがさらに充実・拡大していけば
元気な高齢者が増え,結果的に福祉・医療関連費の削減へつながることも期待されます。
効 果
商店街等の新たな顧客の獲得
売上げの増加
街のバリアフリー化の推進
高齢者等の移動環境の充実
高齢者等の交流促進
概 要
従来の商圏を越えて高齢者が集まって来る。平日昼間などオ
フタイムの集客を図ることができる。
長時間にわたる買い物ができ,購入量が増える。同伴者の買
い物も期待できる。
顧客獲得のため商店自らバリアフリー化に取組む。公共施設
等のバリアフリー化の促進が期待できる。
社会との接する機会の増加により,自立や健康に好影響が期
待できる。
高齢者どうしの出会いの場となり,世代間交流が期待され
る。
◆らくらくえんオフィスの概要
・らくらくえんオフィスの概要
らくらくえんタウンモビリティを運営する「らくらくえんオ
フィス」は平成11年10月に設立されました。直接的に公的
援助を受けることなく,地域住民のみで運営する市民主導型の
取組みとしては全国初となります。
オフィス
運営主体
開業日
ひろでん楽々園ショッピングセンター(駐車場の一画)
らくらくえんオフィス協議会(会員制・任意団体)
毎週 月・水・木・金曜日※ただし,ショッピングセンター休業日または
祭日は開業しない。雨天休業
10:00∼14:00
原則2時間(要予約)
ショッピングセンター,商店街,佐伯区役所方面などオフィスから1km
内外の範囲(ただし,登録利用者には4km 程度の範囲までの遠出を認め
ている)
・PHS(5台)の活用による利用者の位置確認システムを導入
・徒歩15分以内であれば,ドア・ツー・ドアサービスを実施(要予約)
・オフィススタッフ研修会の開催
・各種行事と連携した体験会及びワークショップへの電動スクーターの
貸出
・介護保険対応福祉器具レンタル取次ぎ
20名
有料100円(30分以上利用の場合)
貸出受付時間帯
利用方法
利用範囲
サービス等
スタッフ
利用料金
・関係者からの一言
「今後も企業や地元商店街等との連携を強め,普及さ
せていきたい。また利用者とらくらくえんオフィスまで
の交通手段が欠けているという問題があり,今後デイサ
ービスセンターや社会福祉協議会(福祉バスの活用)と
の連携も必要となってくるだろう」と,らくらくえんオ
フィス協議会会長の熊谷さん。
【連絡先等】
問い合わせ先)らくらくえんオフィス協議会
所在地)〒731-5136
広島県広島市佐伯区楽々園5丁目18−17
TEL)082−922−9941
FAX)082−922−9974
ダイヤモンドシティ・ソレイユ
∼すべての人の安心・安全を
意識した商業施設∼
ダイヤモンドシティでは2004年以降にオープンした店舗(ソレイユも含む。)において,ユニ
バーサルデザイン推進指標に基づく設備とサービスの導入に努め,健常者だけでなく,高齢者,体の
不自由な人などすべての人が利用していただけるよう,十分な配慮がなされています。
◆安心して利用できるサービスの提供
2004年に広島県安芸郡府中町にオープンしたダイヤモンドシティ・ソレイユは,施設
内の設備はもちろんのこと,サービスの向上を図るために,様々な研修等を行っており,ハ
ード・ソフトの両面から,安心して施設を利用していただくためのサービスを提供していま
す。
・ハード面での取組
【ハード面】
・入口の段差の解消
・エレベーター,エスカレーターの設置
・多目的トイレ(みんなのトイレ)の設置
・階段の手すり(高さの異なる手すり)の設置
・ ハートフルスペースの設置
・ 一部ハートフルスペースへの不正駐車防止
の為の音声案内装置
・介助希望者用呼出ボタンの設置
など
エレベーター設備
車いす使用者対応の
介助希望者用呼出ボタン
・ソフト面での取組
【ソフト面】
・車いすの貸出し
・介助希望者への介助対応
・インフォメーションでの手話・英会話対応
・英語版フロアガイドの配布
・シャトルバスの無料運行
・JR・バス各線時刻案内 など
インフォメーションカウンター(1F)
◆施設における具体的な取組
・ハートフルスペース
ハートフルスペースとは,身体の不自由な人,妊産婦の人,怪我をされている人等が利用
できる駐車スペースです。ダイヤモンドシティ・ソレイユでは,駐車場内に,このハートフ
ルスペースを47台設置しています。その中でも平面駐車場の5台には,不正駐車を防止す
るための音声案内装置をあわせて設置し,施設を利用する様々な人にとってやさしい配慮が
されています。
ハートフルスペース
案内板
ハートフルスペース
(平面駐車場)
不正駐車防止の為の
音声案内装置
・みんなのトイレ
車いすの使用者や,子ども連れの人,高齢者の人等が利用できる「みんなのトイレ」を設
置しています。手をかざすとセンサーにより開く自動ドアや,オストメイト用設備,ベビー
シートなどが設置され,様々な人が安心して利用できるように配慮されています。
みんなのトイレ案内板
自動ドアセンサー
みんなのトイレ内部
オストメイト用設備
【連絡先等】
問い合わせ先)ダイヤモンドシティ・ソレイユ
所在地)〒735-8588
広島県安芸郡府中町大須2−1−1
TEL)082−561−0001
FAX)082−561−0020
ベビーシート
日本航空
JAL
∼より安全でより快適な旅を提供する
プライオリティ・ゲストサポート∼
日本航空では,空港施設内の設備等のハード面や,サービス等のソフト面においてさまざまなユニ
バーサルデザインの配慮がなされています。
◆プライオリティ・ゲストとは
1994年2月に特別な援助を必要とする旅行者(高齢者,子供,身体の不自由な
人,病気やケガをしている人など)を『プライオリティ・ゲスト』と呼び,早めの手
配と万全の準備で受け入れる体制としてプライオリティ・ゲスト予約センターを設立
しました。
『プライオリティ・ゲスト』の人に,より安全で,より快適な空の旅を提供するた
め,さまざまなサービスを行っています。
◆プライオリティ・ゲストサポート
・予約時に申し込めるサポート
チケットを予約する際に,さまざまなサービスを申し込むことができます。
●
車いす利用者へのサポート
・ 階段の昇り降りや空港・機内での移動の際のサポート
・ 付き添いの人がいない場合のサポート
・ 空港,機内で必要に応じたサポート
など
●
目や耳の不自由な人へのサポート
・ 目の不自由な人で付き添いの人がいない場合のサポート
・ 手話を学んだ客室乗務員や,空港スタッフによるサポート
●
病気やケガをされている人へのサポート
・ 歩行が困難な人へ空港・機内で車いすの貸出し
・ 病気に合わせた機内食の用意 (国際線のみ)
・ 医療機器等の貸出し ※診断書が必要になります。
など
など
・プライオリティ・ゲストカード
プライオリティ・ゲストの人へ,スピーディに予約していただくための会員システムとして「プライ
オリティ・ゲストカード」があります。
これは,一度申し込むと,名前,電話番号はもちろん,車いすや特別食の手配も登録されるので,予
約のたびに申し出る必要がなくなります。
・空港でのサポート
専用カウンター
羽田・成田(国際線)の各
空港では,スムーズにチェッ
クインできる,プライオリテ
ィ・ゲスト専用のカウンター
が用意されています。
空港用車いす
全空港で用途や体格差に合わせた5タイプの空港用車いすを貸出していま
す。
A:機内まで乗り換えなしに使用できる特別仕様の車いす。通路の狭い客室
に入るため,入口で外輪を外して機内用車いす(アイルチェア)に切り
替わります。
B:大きめのサイズです。機内には入れません。
C:体格の大きな人用に新しく導入された車いす。機内には入れません。
D:車輪幅が伸縮可能な車軸機構を採用。安定感のあるシートでロビーでも
機内でも利用できます。
E:フルリクライニング型車いす。比較的重度の人用に用意されています。
機内の座席まで利用できます。
※ 一部空港によっては配備されていません。
・機内でのサポート
簡易筆談ボード
耳や言葉の不自
由な人のための簡
易筆談ボードがあ
ります。
点字による案内
目の不自由な人へ「安全のし
おり」「機内サービスのご案内」
を点字資料で提供しています。
機内用車いす
機内で利用できる車
いすを貸出していま
す。
※要予約
車いす利用できる化粧室
ドアが大きく開き,車いすで
も入りやすく,内部には補助用
のハンドルも取り付けられてい
ます。また通路側にはカーテン
が装備されドアを開放したまま
使用できます。
◆サービスの向上に向けて
日本航空では,空港・客室等の部門におけるスタッフの教育やユニバーサルデザイン・バリアフリーに関
する旅行の勉強会等への参加により,客室乗務員,空港スタッフ等のユニバーサルデザイン・バリアフリーの
意識を高める教育を行っており,さらなるサービスの質の向上に取り組んでいます。
【連絡先等】
問い合わせ先)JALプライオリティ・ゲストセンター
TEL)0120−747−707(フリーダイヤル)
FAX)0120−747−606
トヨタ
ユニバーサルデザインショウケース
∼ユニバーサルデザインを体験・体感し,
大切さを学ぶことができるショウルーム∼
ユニバーサルデザイン仕様の自動車をはじめ,生活環境のさまざまなユニバーサルデザイングッズ
を400点以上にわたって展示し,ユーザーが参加・体験・体感し,学習できるショウルームです。
◆ユニバーサルデザインの取組の背景
今から数年前,「車の快適性を追求するためにユニバーサルデザインを取り入れよう」と社内に呼びかけたと
ころ,エンジニアから「車の個性がなくなる」「みんな同じような車になってしまう」といった意見があり,その
打開策として次の2つの指標を設けて,平成15年から全社的にユニバーサルデザインへ取り組むことを宣言しま
した。
① 人間工学に基づいた設計を行い,操作しやすいものにすること。
② 様々な「利用シーン」を想定(家族で旅行や通勤などの項目を30項目設定)し,車種ごとに
特色,シーンを決めて個性を演出し,同じような車にならないようにすること。
◆ユニバーサルデザインに対する考え方
トヨタでは,一人ひとりの様々な使い方に対する要望に応えるために,多くの人の意見を聞いて,一緒につくり
あげていくという考え方が基本となっています。
また,「安・楽・単」を車づくりの基本にすることが,トヨタにおけるユニバーサルデザインの出発点になって
います。
安・・・安心・安全・リーズナブル
楽・・・ラクチン・楽しい・ウキウキ・ワクワク
単・・・シンプル・簡単・自由
◆ユニバーサルデザインショウケースでの取組
主な取組については,次のとおりです。
・ユニバーサルデザイン
コレクションウォール
施設の中でもひと際目立ち,ユニバーサルデザイン商品を常時
400点以上展示している「ユニバーサルデザイン コレクショ
ンウォール」では,リビング,キッチン,オフィス,アウトドアなど暮
らしの中で使われているユニバーサルデザイン・グッズを多数展示し,ユ
ニバーサルデザインの使いやすさや良さを学ぶことができます。
・クルマのユニバーサルデザインルーム
車に配慮されたユニバーサル
デザインが「聞く」「操作する」
「見る」の3つのコーナーに分
かれており,車とユニバーサル
デザインのかかわりを体験で
き,使いやすい位置や大きさな
どを学習できます。
「聞く」コーナー
「さわる」コーナー
「見る」コーナー
・ユニバーサルデザインカーゾーン
トヨタでは,幅広い種類の車にユニバーサル
デザインを取り入れています。それぞれの車に
展開されているユニバーサルデザインのポイ
ントを発見することができます。
また,トヨタの福祉車両「ウェルキャブ」に
も試乗ができ,一般車との違いなどを学習でき
ます。
さらに,フロアには専任のスタッフが待機し
ており,機能の紹介や開発のポイント,実際の
使用方法など,様々な説明を行っています。
・コラボレーション企画展示
・サービスの取組
ユニバーサルデザインのモノづく
りに取り組む企業の方々に,最新の製
品や開発思想を自らプレゼンテーシ
ョンしていただく「コラボレーション
企画展示」を定期的に開催すること
で,使い手側と開発側の対話によるモ
ノづくりをめざしています。
サービス(ソフト面)の取組と
して,スタッフは全員サービス介
助士の資格を取得し,日頃から訓
練を行っています。
また,ユニバーサルデザインの
歴史や考え方について来場者の
人へ説明等を行っています。
・関係者からの一言
「これからの取組としては,環境への配慮とデザイン(ユニバーサルデザイン
も含む)の追求を行っていきたいと考えています。」
「また,製品開発において,ユニバーサルデザインに取り組む上での重要なこ
とは,基準づくりと,お客様の声をいかに反映していくかということであり,
それを何度も重ね,開発の現場に活かしていく仕組みが,大切だと考えてい
ます。
」とMEGA
WEBの塚越さん。
【連絡先等】
問い合わせ先)トヨタ
ユニバーサルデザインショウケース(MEGA
WEB内)
所在地)〒135-0064 東京都江東区青海 1 丁目メガウェブ
TEL)03−3599−0808(代表) FAX)03−3599−0826
どうぐかん
童具館
∼ユニバーサルプレイシング
による創造性の開発∼
ユニバーサルプレイシングとは,子供や大人,高齢者や障害のある人等,誰でも直感的に使うこと
ができ,遊ぶ楽しみを見つけることができる道具のことです。童具館では,積み木を基礎に開発した,
ユニバーサルプレイシング「童具」の製作と活動カリキュラムづくりに取り組んでいます。
どうぐ
◆「童具」による教育
・わくわく創造アトリエ
「わくわく創造アトリエ」は,子どもの創造力を開発するために,和久洋三氏によって考案された,
新しい幼児教育のシステムです。
童具のほかに,専門家用絵具,粘土,木材など,さまざまな素材をふんだんに使って,家庭や幼稚
園などではなかなか体験できないダイナミックで高度な創造活動を展開しています。また,少人数制
により,子ども一人ひとりの個性や興味に合わせた,きめこまやかな対応をしており,創造活動を習
得してもらうための教育を実践しています。
その結果,子どもたちの集中力が育ち,今日までの概念に当てはまらないユニークな創造作品が生
まれています。
・幼稚園や保育園,高齢者施設で取り入れられている「童具」
保育園や幼稚園などの集団保育の場でも童具は採用されて
います。園児のなかには,長い時間をかけてじっくり自分の作
品を作ったり,友達との共同作業で大きな作品に取り組んだり
と,子どもたちの創造力や共生意識を育成し
ています。
また,高齢者施設でもリハビリや創造的な活動に取り入れら
れることが増えており,認知症の老人が驚異的な集中力で創造
活動ができるようになった,などの事例もあります。
こうした高齢者を中心とした大人の利用も,今後,さらに拡
大され,ユニバーサルプレイシングを通して,さまざまな立場
の人々の交流が生まれていくと考えられます。
◆童具の特徴
・子供にやさしい童具
長年にわたり遊具を研究し,積木を基礎にしたユニバーサルデザインの木製玩具を製作している童
具館では,童謡・童話と同じように,玩具を「童具」と呼んでいます。童具は,温もりのある白木を
用い,打ち合わせたときの心地よい音や木が本来持つ美しさを持っています。
・独自の基尺で組み合わせ自在
童具シリーズの積木には,基礎となる「WAKU−BLO
CK」や「ケルンブロック」,「ケルンモザイク」など,さま
ざまな種類があります。しかし,独自の基尺(基本寸法)で
統一され,寸法に数量的な法則性があるので,異なる積木を
混ぜて積み重ねても,必ず同じ高さや長さになります。
積木の数や種類を増やしていって,多様な創造世界を展開
することができるので,子どもの成長や個性に合わせた遊び
のバリエーションが楽しめるユニバーサルデザインの遊具だ
積木の基尺
といえます。
・童具を使った作例
くるま(1才半∼3才)
ザリガニ(3∼4才)
お城(4才以上)
【連絡先】
問い合わせ先)株式会社
童具館
所在地)〒144-0034 東京都大田区西糀谷1−22−4
TEL)03−3744−0909
FAX)03−3744−0988
おおいずみ
大阪府営 大泉 緑地ふれあいの庭
∼誰もが五感を通じて,憩いや安らぎを
感じることができる庭∼
ふれあいの庭は,大阪府営大泉緑地の一角にある面積0.2haほどの庭園で,日本で最初に
ユニバーサルデザインのコンセプトで造られた庭です。
◆五感を活用した公園づくり
・ユーザーニーズの集積
誰もが五感(音,香り,色,感触,味)を通じて憩いや
安らぎを感じられるように,障害者等と身近に接している
援助団体や研究者などのヒアリングの成果をベースとし
て,きめ細かな配慮がなされています。
・五感を通じて自然に親しむ公園づくり
施設全体をそれぞれにわけて特徴をもたせています。
エントランス・ゾーン
園内の幹線道路に面した花壇で,庭園の雰囲気,親
しみやすさ,入口のわかりやすさを表現。また,触知
案内板や音声案内により,視覚障害者に対して,利用
法を伝えます。
キッチンの庭
ハーブ,野菜など味覚に関する
植物を集めた季節感のあるゾー
ン。実際に花や葉,実に触れて楽
しむことができます。
トピアリー
植物をくりぬいて作られており,明暗の差により,
弱視の人でもその雰囲気を味わうことができます。
※トピアリー:模様や動物の形などに刈り込んだ樹木。
香りの庭
ハーブを中心に,香りのする植
物を集めて,香りにより,安らぎ
や季節感,爽快感を感じられるよ
うにしたコーナーです。
色の庭
階段状のボーダー花壇に,四季
の彩り豊かな草花を植え,生け垣
や芝生と調和するよう配色されて
おり,目で楽しむことができます。
レイズドべッド
レイズドべッド(車いすに乗ったままでも触るこ
とができる花壇)は,障害の度合いや体格の差を考
慮し,高さを60∼80cmと穏やかに変化させて
います。
音の庭
へきせん
すいきんくつ
修景池の水や水性植物に触れたり,壁泉 や 水琴窟
の水の音を楽しむ演出がされています。
庭園内のベンチ
(写真左)
ベンチは,脇に車いす用のスペースが設けられ
ており,ベンチに座っている人と隣接できるよう
になっています。
(写真右)
通路脇に設置されているベンチは,視覚障害者
の移動の妨げにならない配置になっています。
◆ふれあいの庭の取組
ふれあいの庭では,障害者,高齢者,健常者等が同じように利用することにより,お互いを理解し,
交流することのできる公共空間を目指した取組を行っています。
そのためには,ユニバーサルデザイン仕様が施されている施設ということだけでなく,そこで展開
されるソフトプログラムが充実していることも重要であり,ヒーリングガーデナーはその担い手とな
っています。
◆ヒーリングガーデナー
大阪府営公園では,『ヒーリングガーデナー』という府民のボランティアが活躍しています。
ヒーリングガーデナーは,障害者や高齢者等が公園で花や緑を楽しみ,生きがいを感じてもらうた
めのプログラムづくりやサポートを行っています。活動は,月1回程度,自らゲスト等を招いて公園
の案内を行っています。
【連絡先等】
問い合わせ先)大阪府南部公園事務所
所在地)〒591−8022
工務課
大阪府堺市金岡町128
TEL)072−259−8631
FAX)072−259−8840
ほきがみね
甫喜ヶ峰森林公園
∼だれもが森林や樹木に親しめる公園∼
甫喜ヶ峰森林公園は,植樹祭の跡地の面積102haの県有林を,県民の憩いの場として,全国初
のユニバーサルデザインの森林公園にリニューアルしました。年齢や障害の有無にかかわらず,誰も
が森林や樹木に親しめる公園を目標に,環境にも配慮した公園整備を行っています。
◆行政と市民による基本設計
高知県は,2000年,誰もが森林や樹木を楽しむこと
ができることを目的として,植樹祭の跡地を再整備する「ユ
ニバーサルデザインによる甫喜ヶ峰森林公園整備基本構
想」を策定しました。公園整備については,学識経験者や
関係団体などで構成された検討委員会や,地域住民とのワ
ークショップによる検討などの成果をもとに,基本設計に
入りました。
◆施設整備
甫喜ヶ峰森林公園は,ユニバーサルデザインの森林公園として生まれ変わりました。このような大
規模な森林公園のユニバーサルデザイン化は,全国で初の試みです。
この森林公園が,県民の憩いの場,児童・生徒の森林自然体験や学習の場として,幅広く利用でき
るようすべての人にやさしい施設づくりがされています。
・ユニバーサルトレイルの整備
ユニバーサルトレイルは,勾配をゆるく道幅を広くし
た遊歩道です。数メートルごとに車いすの待避所を設け
ており,車いすの人でも安心して散策をすることができ
ます。
また,足元には木のチップが敷き詰められていて,ふ
んわりとした感触で景観ともマッチしています。
園内では,展示館横の「花木の森コース」,薬草園へ向
かう「森林浴コース」,展望の良い「アセビの森コース」,
記念碑を一周する「記念の森コース」の4本でユニバー
サルトレイルが整備されています。
花木の森のユニバーサルトレイル
と景観に合った木製ベンチ
・その他施設の整備
キャンプ場入口に新設されたトイレは,男子用,女子用,多目的トイレの3部屋からなり,バイオ
トイレも併用しており,環境へも配慮されています。
また,サイン施設,キャンプ場,駐車場などについても,誰にでもわかりやすく,使いやすい整備
がされています。
さらに,公園施設単体を整備するだけでは,利用しづらいこということを念頭に置き,最寄りの駅,
駅から公園までのアプローチなど,周辺環境に至るまでユニバーサルデザイン化が行われています。
多目的トイレ
点字加工がしてある案内板
◆ソフト面のユニバーサルデザイン
今後は,甫喜ヶ峰の自然をそれぞれに楽しめる多彩なプログラムの作成やインストラクターが指導
者育成研修を行ったボランティアの活用,養護学校や障害者学級の子ども達の受け入れ態勢の整備,
イベント情報のHPによる発信や,他の森林公園等施設とのネットワークの構築による情報の共有な
ど,ソフト面の整備に力を入れていく予定で,「甫喜ヶ峰ユニバーサルネットワーク」が現在活動し
ています。
甫喜ヶ峰ユニバーサルネットワーク
公園を利用する団体(学校など)のサポートを目的として結成し,甫喜ヶ峰をフィールド
にさまざまな活動している団体で構成され,それぞれの団体が連携し,
『甫喜ヶ峰フェステ
ィバル』や森林同好会などのイベントの企画や運営などに参加しています。
【連絡先】
問い合わせ先)県立甫喜ヶ峰森林公園
森林学習展示館
(社)高知県森と緑の会
所在地)〒789-0583
高知県香美郡土佐山田町平山
TEL・FAX)0887−57−9007
公立みつぎ総合病院
∼寝たきりゼロ作戦と
保健・医療・福祉の連携∼
御調町は人口約8,000人の中山間の自治体です。このまちで,町行政と医療福祉施設の連携に
より,住み慣れたまち,住み慣れた家で療養できる「地域包括ケアシステム」が構築されています。
◆町行政と医療福祉施設の連携
公立みつぎ総合病院は,御調町を中心にした周辺地域
人口約7万人を診療圏域とする地域の中核的総合病院
で,高度医療に取り組んでいます。
御調町では,町行政と医療福祉施設の連携により,い
ち早く保健・医療・福祉を統合し,「地域包括ケアシス
テム」を構築しました。
その中核に位置づけられている公立みつぎ総合病院
では,総合的・一体的サービスの提供を行っています。
◆地域包括ケアシステム
「地域包括ケアシステム」とは,保健・医療・福祉を統合し,必要な人に,必要なとき,「在宅ケア」
や「施設ケア」を提供するシステムで,保健・医療・福祉に関する町全体を一体としたユニバーサルデ
ザインの取組と言えます。
地域包括ケアシステム
ソフト面
ハード面
・
拠点を中心とする
保健・福祉総合施設
地域のニーズに応える
ハードとソフト
の連携
・
・
・
・
・
健康づくり運動
一次予防(健康
御調21)
介護予防(寝たきり0作戦)
在宅ケア
保健・医療・福祉・介護の連携
施設ケアと在宅ケアの連携
住民参加
・保健福祉総合施設
公立みつぎ総合病院と併設する保健福祉センターから車で数分のところへ,介護老人保健施設,特別
養護老人ホーム,ケアハウス,グループホーム等の保健福祉総合施設があり,医療・福祉の一体的サ
ービスを提供しています。
保健福祉総合施設の一部紹介
介護老人保健施設
「みつぎの苑」
特別養護老人ホーム
「ふれあい」
認知症高齢者グループホーム
「かえで」
・医療の出前と福祉の壁
昭和40年代,御調町では退院後の療養が不適切なため寝たきり
になってしまった“つくられた寝たきり”が非常に多い町でした。
公立みつぎ総合病院へ赴任された山口昇先生は,昭和49年に『寝
たきりゼロ作戦』を目標に掲げ,従来の待ちの医療に見切りをつけ,
患者宅に出向いて訪問看護やリハビリを行う『医療の出前』を始め
ましたが,ヘルパー派遣等の福祉の要望は,行政が行うという『福
祉の壁』に突き当たり住民の要望に十分に応えられない状況でした。
訪問リハビリ
そこで,福祉の壁をクリアし,医療と福祉を一体化させようと考え,積極的な町行政への働きかけに
より,病院内に健康管理センター(現保健福祉センター)を併設することができ,町の保健・医療・福
祉部門は,センターへ移転し,一体化することができました。
◆地域包括ケアシステムの成果
地域包括ケアシステムの構築により,御調町では寝たきり高齢者数は10年間で約3分の1に減少し
ました。これは寝たきりが治ったのではなく,寝たきりをつくらないようにした結果です。
また,長期入院や重症者の減少,国保医療費のダウン,システムや保健医療福祉による経済効果やそ
れらによる町の活性化,他市町村からの移住してくるケースの増加などの成果がありました。
・関係者から一言
「地域包括ケアシステムとは,あくまでコミュニティづくりであり,地
域のニーズに応えることです。御調町の地域包括ケアシステム構築の手法
は,農村型ですが,これからは,全国でさまざまな地域のニーズに合わせ
た地域包括ケアシステムが広がっていくことが必要です。
」と公立みつぎ総
合病院事業管理者の山口昇先生。
【連絡先等】
問い合わせ先)尾道市公立みつぎ総合病院
所在地)〒722-0393
広島県尾道市御調町市124番地
TEL)0848−76−1111
FAX)0848−76−1112
多機能地域ケアホーム『ありがとう』
∼ユニバーサルデザインに
配慮した癒しの空間∼
お年寄りのグループホームだけでなく,乳幼児,障害者などのデイサービス・ショー
トステイなど赤ちゃんからお年寄りまであらゆる人を対象としたサービスを提供してい
ます。施設の庭園には小川や農具などを置き田園風景をつくっており,また建物内には
回想部屋があるなど,利用者にとっての癒しの空間を提供しています。
◆『ありがとう』の概要
・施設の概要
「ありがとう」では,お年寄りだけでなく,乳幼児や障害者等も含めたあらゆる人を対象とした
サービスを提供しているため,グループホームのお年寄りとショートステイの乳幼児の世代間交流
も可能となっています。
<施設の概要>
内
容
スタッフ
グループホーム,デイサービス,ショートステイ,訪問介護,地域ケア研究・研修
センター
看護師4名,准看護師1名,理学療法士1名,作業療法士1名,介護福祉士8名,
社会福祉主事5名,幼稚園教論3名,介護支援専門員8名 ※H16.4 現在
・施設内ではユニバーサルデザイン家具を使用
施設内には広島県立東部工業技術センター等で開発されたユニバーサルデザイン家具が用意さ
れています。ここでは施設の人がユニバーサルデザイン家具を単に利用するだけではなく,利用し
た感想等を東部工業技術センターの開発担当者が聞き取ることも行っており,その意見は改善や新
商品の開発に活かされています。
重い物を運ぶ時に便利なワゴン
木の温もりや高齢者の高さを考慮した
テーブルや収納付き長いす
・癒しの空間としての工夫
「ありがとう」では,介護等のサービスが充実されているだけではなく,利用者が安心して快適
に生活できるよう「癒し」を感じられる工夫が数多くなされています。
施設内には回想ルームが
用意されており,利用者はこ
の部屋で思い出に浸ること
ができます。
庭園には小川が流れるほか,桜や柿,梅などが
床は軟らかい桐材を使用し,照明もやさしい
植樹されています。また赤い丸形ポストなども置
白熱灯を使用しています。あらゆる所に手すり
き,昔ながらの田園風景をかもし出しています。
等の体を支えるものが設置されています。
【連絡先等】
問い合わせ先)多機能地域ケアホーム「ありがとう」
所在地)〒721-0902
福山市春日町浦上1206
TEL)084−948−0439
FAX)084−948−0435
たかのすまち
秋田県鷹巣町
∼住民主体の福祉のまちづくり∼
鷹巣町は高齢化率が29%で,福祉に力を入れたまちづくりが進められています。
また福祉のまちづくりに当たって,町民の約1割が参加するワーキンググループが数
多く形成され,そこで検討された内容が,町の福祉政策に反映される仕組みが取り入
れられるなど,行政と住民が一体となった福祉のまちづくりが行われています。
◆住民主体のまちづくり(ワーキンググループの設置)
・ワーキンググループの設置の背景
福祉政策を進める上で当初,学識経験者や福祉関係者等の専門家による「福祉のまちづくり懇話
会」を結成しました。しかし,その懇話会では「福祉の専門家が計画を作っても,住民が自分の問
題としてとらえないかぎり,問題の解決にはつながらない」ということが話し合われ,福祉のまち
づくり懇話会結成から2ヶ月後,住民が自由に参加し自分達で問題を解決するための専門部会とし
て住民主体のワーキンググループが発足しました。
・ワーキンググループの概要
平成14年度現在で,14のワーキンググループが形成されています。基本的にどのワーキング
グループも加入・脱会が自由であるため,参加者の正確な数は分かりませんが,概算で 2,000 人は
くだらないと見られています(町民の約1割)。
<活動中のワーキンググループ(平成 14 年現在)>
※WG(ワーキンググループ)
福祉のまちづくり WG,商業地開発 WG,ふれあい通院バス WG,文化遺跡 WG,ごみ WG,高野尻団地改築 WG,サテ
ライト4号建設 WG,町営スキー場ヒュッテ建設 WG,農業 WG,地域づくり予算 WG,歩いて暮らせる街づくり WG,
工芸創作 WG,リカワールド WG,子育て支援 WG
・全体会の開催
年に 2∼3 度開催される全体会(町長や町の課長等も参
加)では,各グループから出された問題について,解決策
の検討を行っています。全体会において問題が解決され
たと合意が得られた場合には,次の問題点へ移るように
しています。このように行政と住民との共同作業により
町にある問題を1つずつ解決しています。
※現在,全体会は単独で開催されています。
◆充実した福祉施設
・ケアタウンたかのす
「在宅」を基本とする鷹巣町では,一貫して在宅における介護サービスと生活支援サービス(移
送・配食)の整備に努めており,その中核的な施設として「ケアタウンたかのす」が整備されてい
ます。
この施設は住民と行政が町の福祉における問題点とその原因を認識しともに解決策を考える中
で,7年の歳月を経て生まれた「住民参加」のシンボル的な存在でもあります。
ケアタウンをつくるにあたって定められた「ケアタウン憲章」には,「住民が年齢の違いや障害,
病気の有無等に関わらず,すべて参加できるよう普遍的な環境と体制をつくらなければならない」,
「住民があらゆる機会において,自らの意思に基づき,自己決定(選択)できる権利が保障される
とともに,その選択の結果に対して責務を負う」など,住民がまちづくりに関わる際の考え方が掲
げられています。
また,デンマークの福祉を参考にしながら設計された「ケアタウンたかのす」は,施設自体が住
居空間と公共空間という領域に分けられているため,入居者は単なる福祉施設ではなく住居感覚で,
快適に生活することができます。
通路等は開放的で,途中にベンチもあり休憩ができます。
たたみの団らん
スペースも用意
されています。
布で作られた趣のある案内が至
る所に設置されています。
施設内には喫茶店
もあり,訪問者との
交流の場ともなっ
ています。
<ケアタウンたかのすの概要>
開 設
サービス内容
住
医
面
居
師
積
1999年4月
介護老人保険施設:80 名,短期入所生活介護:30 名,通所介護:年中無休,
居宅介護支援事業:ケアプラン作成,在宅介護支援センター:24 時間対応,
配食サービス:真空調理法による食事を家庭へ
8名がひとつの住居形態,全室個室(2名部屋になる工夫あり)
常勤(介護老人保健施設の管理者)
敷地面積:38,500m2,延床面積:8,593.36 m2
【ケアタウンたかのす平面図】
・補助器具センター
ケアタウンたかのすに隣接する補助器具セン
ターには,高齢者や障害者が自立した生活を送
るために必要な器具が数多く用意されており,
利用者はその中から自分に一番合った器具を選
ぶことができます。
用意されている器具は全て貸出専用となっています。
返却された器具については当施設内で消毒・補
修等を行い,また次の利用者へ貸出を行ってい
ます。また貸出中にもその場に訪問し,補修等
も行っています。
◆げんきワールド
「げんきワールド」は,平成13年 1 月,福祉の総合
窓口として町の中心部に開設されました。商店街の空き
店舗を活用した建物は,温かみのある内装や照明が施さ
れており,子どもからお年寄りまで,誰もが気軽に利用
できる世代間交流の場,生きがい活動をする場として町
民に幅広く利用されています。
また,介護予防のための拠点としても次のような活動を行っており,福祉の総合窓口機能を果た
しています。
○要介護状態にならないための様々な取組
○健康づくりに関しての情報の提供
○介護に関する知識・介護技術の普及促進
○介護保険をはじめとする各種福祉保健サービスの相談
【連絡先等】(自治体関係者・各種団体・その他一般の方)
等
(議会(議員)関係の方)
問い合わせ先)鷹巣町役場まちづくり政策課
問い合わせ先)鷹巣町議会事務局
所在地)〒018-3360
所在地)〒018-3360
秋田県北秋田郡鷹巣町花園町 19-1
秋田県北秋田郡鷹巣町花園町 19-1
TEL)0186−60−1111(内線 252)
TEL)0186−62−1111(内線 311)
FAX)0186−63−2586
FAX)0186−62−4845
問い合わせ先)ケアタウンたかのす
補助器具センター
問い合わせ先)げんきワールド
所在地)〒018-3321
所在地)〒018-3454
秋田県北秋田郡鷹巣町松葉町 10-13
秋田県北秋田郡鷹巣町脇神字南陣場岱 10
TEL)0186−60−1335
TEL)0186−60−1203
FAX)0186−60−1350
FAX)0186−62−5160
府中家具工業協同組合と福山家具
組合連合会・東部工業技術センター
∼ユニバーサルデザインの家具の開発∼
県東部地域の家具製造企業と広島県立東部工業技術センターでは,ユニットケアで活用できるユニバ
ーサルデザインの家具を共同で開発し,商品化されました。伝統的木工家具産地ならではの技術を活か
した人にやさしい温もりと,技術センターの人間生活工学や生活リハビリテーションの考えを取り入れ
た先進的な家具の設計による開発が行われています。
◆ユニバーサルデザイン家具開発
・特別養護老人ホーム等での訪問調査の実施
東部工業技術センターでは,ユニバーサルデザイン家具の開発にあたり,ユニバーサルデザイン
家具に求められる機能を把握するべく県内老人福祉施設等において,訪問調査を行ないました。
その結果,高齢者の下肢減退の現状が様々な問題を引き起こしていることが明らかになり,その
問題を解消すべく日常生活における起立や歩行動作の支援を目的とした,家具の開発に取り組み始
めました。
・ユニバーサルデザイン家具の開発
下肢筋力維持のためのリハビリテーションにつなが
る運動や動作支援を機能的に実現できるようなユニバ
ーサルデザイン家具について,東部工業技術センターと
家具製造企業は共同で開発を行っています。
また試作品は機能の検証を行なうため,リハビリテー
ションセンターの理学療法士や作業療法士,介護職員の
意見聴取を行い,改善等を重ねています。
・ユニバーサルデザイン家具の検証・改善
開発されたユニバーサルデザイン家具は,多機能地域ケアホーム「ありがとう」等に導入されて
おり,実際に生活する高齢者等に利用されています。開発担当者は当施設へ訪れ,利用者に家具の
使い心地や問題点等について直接話を聞き,改善や新たな開発に活かしています。
また工業技術センターでは,施設調査結果のタスク分析や,コンピュータマネキンを活用した寸
法検討,ユニバーサルデザイン家具使用時の身体負荷軽減の筋電位による計測等,人間生活工学に
よる研究開発を進めています。
◆ユニバーサルデザイン家具
家具に付けた台で伝
歩行中の軽休憩ができ,
い歩きができます。
休憩後に立ち上がりが
楽にできます。
「サーバーワゴン」家具
収納を合わせ持っ
た家具で共有スペ
ースでの滞留時間
を増やします。
2段の天板が起立から歩行
への動作を助けます。
重いものを運び
高齢者や車椅子使用
玄関での靴の脱ぎ履き
易い家具設備
者に配慮した家具
や起立動作を助ける家具
【連絡先等】
問い合わせ先)広島県立東部工業技術センター
所在地)〒721-0974 広島県福山市東深津町三丁目2番39号
TEL) 084−931−2400(代)
FAX)084−931−0409
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