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がん医療マネジメント研究会 第11回シンポジウム
2013年7月27日(土)品川インターシティホール
緩和ケアのための
地域連携を考える
―次世代緩和ケアの実践のために―
はじめに
緩和ケアは、がん対策推進基本計画において第1期に引き続き第2期でも重点的に取り組むべき課題の1つとされている。特に
第2期では「がんと診断された時から」提供するものとして、より質の高い、next stepへの移行が求められていると考えられる。
そこで第11回シンポジウムでは次世代緩和ケアの実現に向けて、地域連携の面での課題を議論することを主旨として「緩和ケアの
ための地域連携を考える̶次世代緩和ケアの実践のために̶」をテーマとした。本シンポジウムでは、医師、薬剤師、看護師、MSW
など約160名が参加し、パネルディスカッションではフロアからの質問を交えて活発な質疑応答が行われた。
C ON T E N T S
第1部
1 特別講演「第2期がん対策推進基本計画時代における緩和ケア
―
行政の立場から 」
―
2
座長 :髙 木
安 雄 氏(慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科 教授)
演者 :山下 公 太 郎 氏(厚生労働省健康局がん対策・健康増進課 課長補佐)
2 基調講演「緩和ケアの現状と今後の展望」
4
座長 :落合
和 德 氏(東京慈恵会医科大学産婦人科学講座 教授/東京慈恵会医科大学附属病院 腫瘍センター長)
演者 :下 山 直 人 氏(東京慈恵会医科大学大学院医学研究科緩和医療学 教授/東京慈恵会医科大学附属病院腫瘍センター緩和ケア室 室長)
第2部
「緩和ケアのための地域連携を考える 次世代緩和ケアの実践のために 」
―
―
6
第2部-1 講演
座長 :落合 和 德 氏(東京慈恵会医科大学産婦人科学講座 教授/東京慈恵会医科大学附属病院 腫瘍センター長)
中 村 めぐみ 氏(聖路加国際メディカルセンター教育研修部 副部長)
1 「実証研究からみたがん緩和ケア領域の地域連携のあり方」
演者:森 田
6
達 也 氏(聖隷福祉事業団総合病院聖隷三方原病院緩和支持治療科 部長)
2 「薬剤師が必要とされる地域連携の実践を目指して」演者:塩 川 満
氏(聖隷福祉事業団総合病院聖隷浜松病院薬剤部 部長)
8
3 「時や場所を選ばない緩和ケアのために」演者:海津 未 希 子 氏(東京大学医学部附属病院看護部 がん看護専門看護師)
10
4 「患者の望む場所で生活をするには」演者:塩 田 剛 士 氏(慈山会医学研究所付属坪井病院相談支援センター 主任補佐)
12
第2部-2 パネルディスカッション
14
第1部-1
特別講演
第2期がん対策推進基本計画時代における緩和ケア
―行政の立場から ―
座長
髙木 安雄
演者
氏
山下 公 太 郎 氏
慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科 教授
厚生労働省健康局がん対策・健康増進課 課長補佐
がん対策推進基本計画では第1期、第2期ともに、緩和ケアを重点的に取り組むべき課題の一つとしている。山下氏は本講演で、第2期基本
計画策定以降に設置された「緩和ケア推進検討会」について言及し、新たに提言された緩和ケアセンターなど、現在進められている緩和
ケア関連の事業や構想について概説した。
のに対し、年間1∼50例が162施設、患者数ゼロの施設も41あり、拠点
病院間での格差が大きいのが現状である。
第1期がん対策推進基本計画により
環境整備が進むも充足とはいえず
内閣府の「がん対策に関する世論調査」
( 2 013年1月)によると、
緩和ケアを「よく知っている」のは34%であり、緩和ケアの認知度は
決して高いとはいえないが、2007年からの第1期がん対策推進基本
計画では緩和ケアを重点的に取り組むべき課題の一つに取り上げ、
対策を講じてきた。
がん診療連携拠点病院の現況報告によれば、
緩和
ケアチームに身体的症状の緩和を担当する専従医師がいる施設は、
2008年
(95施設)
に比べて2011年
(151施設)
では増加がみられる。
また、
緩和ケア認定看護師やがん化学療法看護認定看護師などの有資格
者がいる施設の割合も全体の4分の3を超えるようになってきている。
また、緩和ケアに関連する診療報酬算定の推移を見ると、がん性
疼痛緩和指導管理料は2011年には拠点病院の約9割、がん患者カウ
ンセリング料算定施設は2010年頃から急増して約7割が算定している。
緩和ケア診療加算は約3割、緩和ケア病棟入院料は2割弱にとど
まっているが、徐々に増加する傾向がみられている。
一方、2 010年のがん診療連携 拠点病院院内がん登 録データに
よれば、緩和ケアの外来患者数は年間500例超の施設が35施設ある
緩和ケアセンターの整備を提案、
2013度事業として盛り込む
2012年から開始された第2期がん対策推進基本計画では、
緩和ケア
は引き続き重点的に取り組むべき課題の一つとなり、その表現も「治
療の初期段階からの」
(第1期)
から
「がんと診断された時からの」
(第2
期)へと変更された。これを受けて2012年4月に「緩和ケア推進検討
会」が設置され、同年10月までに5回の会合を経て中間とりまとめが作
成された(その後、さらに回数を重ねて2013年9月に第二次中間とりま
とめ発表)
。
この第一次中間とりまとめでは、
がん診療連携拠点病院へ
緩和ケアセンター(図1)の整備を提言しているのが特徴となっている。
これは、
院内の緩和ケアチーム、
緩和ケア外来、
相談支援センターなど
の関連部署の統括的運営、緩和ケア認定看護師などの関連有資格者
の適正配置だけではなく、
地域の実情を反映した診療体制をセンター
化することで整備していく構想である。
現在、
2013年度予算事業として、
まずは都道府県がん診療連携拠点病院にて進めているところである。
図1 緩和ケアセンター構想
外来
(課題)
・緩和ケアチームの活性化
・がん治療と並行した質の高い緩和
医療の提供 等
① 医療圏内の在宅医療機関やホスピス・
緩和ケア病棟等との地域性に配慮した
強固な緩和ケア診療体制の構築
②医療圏内における緩和ケア診療の実態
調査
(緩和ケア病床数の把握等)
③緩和ケア関連研修会の管理運営 等
緩和ケアチームを軸とした多職種による人員の適正配置
・緩和ケア関連認定看護師 ・リハビリテーションに
・緩和薬物療法認定薬剤師 関する医療従事者
・医療ソーシャルワーカー ・管理栄養士 ・臨床心理士
・歯科衛生士 等
①緩和ケアチームや緩和ケア外来の運営
②緊急時の徹底した緩和医療の実施体制の整備
③在宅医療機関やホスピス等との緩和ケア診療体制の構築
④緩和ケアの患者相談窓口
⑤緩和ケア関連研修会の管理運営
⑥緩和ケア診療情報の集約・分析
等
緊急緩和ケア病床
(病棟)
の確保
管理・運営
機
能
(課題)
・在宅患者の急変時(症状増悪等)対応
・在宅医療機関との診療連携の強化
等
緩和ケアセンター
・身体症状担当医師
・精神症状担当医師
・口腔ケア担当歯科医師
・がん看護専門看護師
連携
在宅
地域緩和医療連携拠点機能の
強化
各拠点病院に緩和ケアセンターを整備し、
地域及び施設内の緩和ケア診療体制を構築する。
構
成
入院
都道府県がん診療連携拠点病院 等
管理・運営
(課題)
・がん性疼痛や症状増悪時等に対応
できる体制整備
・緩和ケア外来における質の向上 等
① 症状増悪等の急変時対応のための
体制整備
② 難治性症状への
対応 等
厚生労働省緩和ケア推進検討会
「第一次中間とりまとめ
(報告書)」より
図2 緩和ケアセンターの具体的あり方
人員構成
① センター長(院内において管理的立場であること)
② ジェネラルマネージャー(組織管理経験を有する看護師)
③ 専任の身体症状担当医師(専従が望ましい)
④ 精神症状担当医師
(専任が望ましい)
⑤ 専従の看護師
(がん看護専門看護師またはがん看護関連の認定看護師を2名以上配置)
⑥ メディカルソーシャルワーカー
(相談支援センターと兼任可、実際の勤務は相談支援センター内でよい)
⑦ 薬剤師
⑧ 入院病床担当医師
(①③④と兼任可)
⑨ 緩和ケア外来担当医師
(①③④と兼任可)
⑩ 臨床心理士
⑪ 歯科医師
⑫ リハビリテーションに関連する医療従事者
⑬ 栄養士
⑭ 歯科衛生士
等
①∼⑨までは緩和ケアセンターに配属される人材として確保が求められる。
⑩∼⑭は各施設の実状に併せて検討。
緩和ケアセンターにおける活動内容
緩和ケアチーム
● 診療機能:専門的緩和ケアに関するチーム医療の提供(病棟ラウンド)
緩和ケア外来
● 診療機能:緩和ケア外来における専門的緩和ケアの提供
● 診療機能:緊急緩和ケア病床への入院による症状緩和治療の実施(緊急緩和ケア病床)
● 看護機能:がん看護を専門とする看護師による外来看護業務の支援強化
(適切な専門的緩和ケアの提供を調節)
専門看護師や認定看護師によるがん看護外来(がん患者カウンセリング)
外来化学療法室や病棟等の看護師との連携(がん看護体制の強化)
● 地域連携支援機能:地域の医療機関を対象にした患者の診療情報に係る
相談連絡窓口の設置
● 専門相談支援機能:緩和ケアに関する高次の専門相談支援
● 教育機能:がん診療に携わる医療従事者に対する院内研修会等の運営
● 診療情報の集約・分析機能:緩和ケアに関する院内の診療情報の集約・分析・評価
地域の緩和ケアの提供体制の実状把握と適切な緩和
ケアの提供体制の構築
※上記の活動内容について、
HP等を活用し、地域に対して広報する。
厚生労働省緩和ケア推進検討会
「緩和ケアセンターの具体的推進方策について(とりまとめ)」より
2
人員構成(図2)としては、ジェネラルマネージャーとして管理職の
経験のある看護師を、専門有資格者としてがん看護専門看護師また
はがん看護関連の認定看護師を2名以上配置することを要件として
いる点が一つの特徴である。活動内容(図2)としては、これまでの緩
和ケアチーム、緩和ケア外来に加えて、症状緩和のための緊急入院、
関連有資格者によるカウンセリング、院内教育研修機能など多岐にわ
たっている。このうち、地域連携支援機能としては、患者・家族が希望
する療養場所の選択や退院支援が円滑に行えるよう、意思確認や意
思決定の支援を行う。切れ目のない連携を実現するために、利用でき
る医療資源、社会資源の情報共有を推進するなどが明記されている。
病院が協働し、
二次医療圏における在宅療養支援診療所の協力リスト
の作成、看取りまで対応可能な診療所(医師)との連携体制の構築
などが掲げられている。今後は、緩和ケアセンターの緊急緩和ケア
病床とも連携し、地域連携体制をより強固なものにしていくことが
求められている。
医師だけではなく
看護師教育研修プログラムも整備中
一方、緩和ケアに関わる医療従事者の育成については、第1期がん
対策推進基本計画の策定後、日本緩和医療学会と日本サイコオンコ
ロジー学会の委託事業「平成20年度がん医療に携わる医師に対する
在宅緩和ケア地域連携事業などによる
緩和ケア研修等事業」として2009年から緩和ケア関連医師教育プロ
緩和ケア地域連携の推進
グラムPEACEが開始されているのは周知の通りである。2012年9月
緩和ケア推進検討会では、中間とりまとめとは別に、2013年5月に
末までに開催された緩和ケア研修会は2 ,0 0 0回超、修了者数は約
「拠点病院に求められる緩和ケアの提供体制について」として図3の
36,000人に上っている。研修会受講前後の知識の変化を修了者80名
ような提言が報告がされている。地域連携についてみると、
「切れ目の
にアンケート調査した結果では、研修会前に比べて研修会後に知識
ない地域連携体制」ということで、先ほども出ていた地域の医療資
が向上し、
受講後2カ月経過した後でも持続する傾向がみられた。
源・社会資源の情報提供や、療養場所の意思決定・退院支援のほか、 看護師については、
緩和ケア推進検討会で2013年6月に報告された
治療だけではなく症状緩和も盛り込んだ地域連携パスの作成も今後
とりまとめを受けて「がん医療に携わる看護研修事業」を2013年度
は拠点病院の認定要件として議論が進むと考えられる。
事業として進めているところである。
このほか、緩和ケアの地域連携関連の施策としては、地域医療体
制整備に関する施策として2012年に開始された在宅緩和ケア地域連
今後は均てん化だけではなく集約化と両輪で
携事業が挙げられる。ここでは行政(都道府県)とがん診療連携拠点
図3 拠点病院に求められる緩和ケアの提供体制
1.はじめに
2012年6月に閣議決定された新たな「がん対策推進基本計画」において、
「がんと
診断された時からの緩和ケアの推進」が重点項目として定められ、患者とその家族等
ががんと診断された時から身体的・精神心理的・社会的苦痛等に対して適切に緩和
ケアを受け、こうした苦痛が緩和されることが目標に掲げられている。
この目標を達成するために、拠点病院を中心として、緩和ケアを迅速に提供できる
診療体制を整備するとともに、
緩和ケアチームや緩和ケア外来等の専門的な緩和ケア
の質の向上と提供体制の整備を図ることが求められており、拠点病院に求められる
緩和ケア提供体制について以下のとりまとめを行った。
2.求められる提供体制
(1)患者とその家族等の心情に配慮した意思決定環境の整備
● 十分なインフォームドコンセント
● 説明後、
患者とその家族の理解度や受容度を確認
● 必要に応じた追加説明やカウンセリングの継続
● セカンドオピニオンを活用した患者自らが治療法を選択できる体制
● 患者が自主的に治療内容などを確認できる環境の整備
● 診断時からの緩和ケアについての情報提供
(2)苦痛のスクリーニングの徹底
● 身体的・精神心理的・社会的苦痛等のスクリーニングを診断時から外来及び病棟にて共通
の方法で行う
● 外来化学療法室等におけるスクリーニング
(3)基本的緩和ケアの提供体制
● 症状緩和クリティカルパスの整備
● 医療用麻薬処方時の服薬指導と自己管理指導
がん対策基本法が施行されてから今日まで、当初掲げられていた
がん医療の均てん化はある面で進んだといえる。一方で、緩和ケア
普及のための地域プロジェクト(OPTIMスタディ、本誌P6-7参照)の
成果からも推測されるように、すべてを均てん化するという方向性に
は限界が見え始めているのも事実である。
たとえば、
①がん診療連携拠点病院が未指定の二次医療圏が全国
に100以上残されていること、②同一の二次医療圏内に複数の指定
があること、③拠点病院の中で診療実績に差があること、④国の指
定する拠点病院と自治体ごとに指定される拠点病院との違いが分
りづらいこと、⑤診療実績の公開が不十分であること、⑥連携ツール、
人材・資源の限界、⑦がん患者の自宅死亡率の伸び悩み、⑧医療費の
適正化の問題など、多方面で数多くの課題が残されている。これらを
解決するには、研究機能や高度な技術・設備を要する医療は集約化し、
一般的ながん医療、緩和ケア、情報提供、相談支援、そして地域連携
の機能は均てん化するという別々の取り組みが必要であろう(図4)。
第2期がん対策推進基本計画は昨年から開始されたばかりであるが、
次の節目まで多くの成果が残せるよう推進していきたい。
(4)専門的緩和ケアへのアクセスの改善
● スクリーニングされた苦痛への対応手順の明確化
● リンクナースの配置
(5)専門的緩和ケアの提供体制
● 緩和ケアチームの病棟ラウンド
● 症状緩和に係るカンファレンス
● 医療用麻薬の院内適正使用の管理(適正使用ガイダンス)
● 適切な薬剤の迅速かつ適正な使用
● 緩和ケア外来の設置
● がん患者カウンセリングの実施
● 専従看護師による外来看護業務の支援・強化、
ケアの調整
● 緩和ケアチームのキャンサーボード参加等(チーム医療の推進)
● 専門看護師・認定看護師等の緩和ケアチームへの配置
(6)相談支援の提供体制
● 患者とその家族が確実に相談できる窓口や電話受付の設置
● 患者と家族や遺族等がいつでも相談支援を受けられる体制強化
(患者・家族サポートグループや患者サロンの運営支援等)
(7)切れ目のない地域連携体制
● 地域の医療機関や社会資源に関する情報提供(マップ・リスト)
● 症状緩和に係る地域連携クリティカルパス
● 早期からの療養場所に関する意思決定支援・退院支援
● 地域連携に関する協議会の開催
(8)緩和ケアに関するPDCAサイクルの確保
● 緩和ケアに係る院内情報の把握・分析・評価
● 緩和ケアの提供体制に関する定量評価と公表
図4 今後のがん医療
集約化
●希少性のあるがん治療
●研究機能
●高度な技術・設備を要する医療
●一般的がん医療
●緩和ケア
●情報提供・相談支援
●地域連携
均てん化
● 地域のソーシャルキャピタルの掘り起こし・醸成
・医療・介護情報の共有
・地域の連携ルールの確立
・在宅緩和ケア、在宅がん診療力の向上
在宅医療機関、介護施設 等
厚生労働省緩和ケア推進検討会
「拠点病院に求められる緩和ケアの提供体制について
(とりまとめ)」より
3
第1部-2
基調講演
緩和ケアの現状と今後の展望
座長
落合 和 德
演者
下山 直 人 氏
氏
東京慈恵会医科大学産婦人科学講座 教授/
東京慈恵会医科大学大学院医学研究科緩和医療学 教授/
東京慈恵会医科大学附属病院 腫瘍センター長
東京慈恵会医科大学附属病院腫瘍センター緩和ケア室 室長
長年緩和ケアの最前線で臨床および研究に従事してきた下山氏は、グランドデザイン策定に至る経緯や策定前後の日本の緩和ケアの
状況を解説し、今後の緩和ケアについての展望を述べた。
「暗黒時代」に光をもたらす契機となった
がん対策基本法
が主導して作業を進めた。前者では「がん疼痛の薬物療法に関する
ガイドライン」が2010年に日本緩和医療学会より発表されている。ガイ
ドラインの対象領域は
「身体症状緩和」
だけではなく、
「精神的な苦痛
20数年前の千葉大学時代から緩和ケアの領域で研究と臨床に
の緩和」
「 緩和医療における理学療法」
「 末期医療の倫理的な問題
携わってきた者として、20 06年に成立したがん対策基本法は緩和
への対策」も含めるものとした。
ケアの暗黒時代に光をもたらすものであった。第十六条の2つの条文
―①がん患者の状況に応じて疼痛等の緩和を目的とする医療が早期
から適切に行われるようにすること、②居宅においてがん患者に対し
行動目標に基づき各種のプロジェクトなどが展開
がん医療を提供するための連携協力体制を確保すること―は、がん
患者における鎮痛の重要性と在宅医療の必要性が初めて成文化され
これらの行動目標に基づき、その後、各種のプロジェクトなどが
たものであり、非常にうれしく感じたものである。
展開された。
「 緩和ケアに関する正しい知識の普及」は2008年から
当時勤務していた国立がんセンター中央病院総長の垣添忠生先生
患者・家族向けの
「一般市民に対する啓発普及活動
(オレンジバルーン
の指示で、平成18年度厚生労働省科学 研究費補助金がん臨床研
プロジェクト)」に、
「基本的な緩和ケアの普及」は同じく2008年から
究事業「緩和ケアのガイドライン作成に関するシステム構築に関する
緩和ケア関連医師教育プログラムPEACEとなった。後者の講習会修
研究」に参加することとなった。わずか6∼7年前ではあるが、当時、 了者数は2012年で約36,000名にまで達したが、当初は10万人研修を
緩和ケアの提供体制・研究ともに非常に不十分な状態であり、これ
めざしたものであり、残念ながら目標が十分達成されたとはいえない。
をがん対策基本法の精神に則って改革するために、わが国のがん
「専門的な緩和ケアの整備」は主にがん対策推進基本計画に基づ
緩和ケアのグランドデザイン(全体構想)策定が開始された。
いて行われ、がん診療連携拠点病院における緩和ケアチームの整備
に繋がっている。
「 患者・家族が希望する場所での療養」については、
普及や整備が不十分な5項目を
行動計画
(行動目標)として提言
別途、厚生労働科学研究費補助金第3次対がん総合戦略研究事業
「緩和ケアプログラムによる地域介入研究」
(OPTIMスタディ)として
実施された
(本誌P6-7参照)。
グランドデザイン作成にあたり、緩和医療関係の諸団体(日本緩和
「緩和ケアに関する研究」に関しては、かつて、緩和ケアは研究に
医療学会、日本サイコオンコロジー学会、日本がん看護学会、日本ホス
なじまないなどとされたこともあったが、医療麻薬や鎮痛薬の適切
ピス緩和ケア協会、ホスピスケア研究会、
在宅ホスピス協会、日本死の
な使用は科学的な臨床試験の検証を経て臨床導入が可能となる。
臨床研究会、ジャパンウェルネス)の代表者などが集まり、緩和ケアの
こうした研究は在宅ケアを提供する診療所や一般病院などではなく、
現状認識に関して議論した結果が「わが国のがん緩和ケアの現状と
大学や基幹病院でこそ役割を担うことができるのではないかと考え
これからの行動計画」として発表された(表)。ここに挙げられた5項
ている。
目が不十分な点であり、この裏返しが目標と定められたことになる。
第一は「緩和ケアの正しい知識の普及」であり、当時、緩和ケアは
表 わが国のがん緩和ケアの現状と行動計画
ターミナルケア(看取り)と同義と捉える考えが残っていたことから
緩和ケアのグランドデザインの作成
強く必要とされた。
「基本的な緩和ケアの普及」は医師などへの専門
教育を、
「 専門的な緩和ケアの整備」は専門的な知識に基づく緩和
ケアの普及を念頭においた提言である。
「患者・家族が希望する場所
1
緩和ケアにおける正しい知識の普及
2
基本的な緩和ケアの普及
3
専門的な緩和ケアの整備
4
患者と家族が希望する場所で療養できる地域環境の整備
5
緩和ケアの研究の推進
で療養できる地域環境の整備」は切れ目のない緩和ケアの提供を
目指し、
「 緩和ケアの研究の推進」は、新しい鎮痛法などの研究を通
して緩和ケアを発展させるという目標である。
行動目標の策定後は、これに基づき、適切な緩和ケアを提供する
ための各種ガイドラインを各研究班で作成することとなった(図1)。
一般的な施設でも可能な鎮痛法については日本緩和医療学会が中心
となり、特別な施設や機器が必要となる鎮痛法は領域別関連学会
4
厚生労働省科学研究がん臨床研究事業
(2007)
緩和ケアのガイドライン作成に関するシステム構築に関する研究
主任研究者:下山直人
(国立がんセンター中央病院)
あろう。緩和ケアは、まだ評価方法が確立されていない分野でもある。
診断と治療・緩和ケアは平行して行われるべき
今後は、これまでの成果を適切に評価し、それを還元する仕組みを
構築することも必要ではないかと考えている。
以上のような各種プロジェクトの成果から、近年、緩和ケアの状況
はかなり様変わりし、終末期や看取りだけではないという認識が徐々
図2 癌治療と緩和医療(ケア)
治療チーム
(臨床腫瘍学)
に広まっている。これを図解する際によく用いられる概念図が図2で
あり、診断・治療と緩和ケアの提供時期は重なるものであり、緩和
ケアは診断と同時に開始されるべきである。また、連携に関していえ
ば、緩和ケア病棟(PCU)と在宅ケア、地域病院が密に連絡し、情報
診断
を共有、交換することでつくられる三角の繋がりが重要となる。この
三角も、
終末期よりももっと早い段階で展開されることが理想といえる。
死亡
治療
最後に、今後の緩和ケアにとって重要と考えられる事項を私見では
緩和ケア
あるが述べたい。近年、疼痛に関する緩和ケアは急激に発展を遂げた
が、まだ緩和できない身体症状として呼吸困難などが残されており、
臨床では今後もなお一層、より質の高い、新しい症状緩和法の開発が
求められている。また、在宅における緩和ケアの状況は、病院と比べ
て大変厳しいものであり、今後は緩和ケアが可能な在宅医の育成が
緩和ケアチーム
急務であると考える。また、新しい療養場所として山崎章郎先生が
緩和ケアユニット
(PCU)
試みておられるホスピスマンションもひとつの形態になりうるのでは
ないだろうか。さらに、今後の緩和ケアを担う人材の育成として、学部
学生による在宅緩和ケア研修と大学病院での在宅医療教育も重要で
在宅ケア
地域病院
図1 研究の流れ
グランドデザイン作成班
・日本緩和医療学会
・日本サイコオンコロジー学会
ガイドライン作成班
1. 身体症状緩和ガイドライン(下山班、的場班)
関連学会との連携
・日本麻酔学会
・日本ペインクリニック学会
・日本医学放射線学会(診断、治療)
・日本小児科学会
・その他(基礎系の学会含む)
大学病院
国立がん研究センター
がん対策情報センター
2. 精神的な苦痛緩和
(佐伯班)
3. 緩和医療における理学療法
(辻班)
4. 末期医療の倫理的な問題への対策
(森田班)
医学生
在宅医療
緩和ケア病棟
一般病院
一般市民
大学病院
がん患者・家族
5
第2部-1
講演①
緩和ケアのための地域連携を考える
―次世代緩和ケアの実践のために―
実証研究からみたがん緩和ケア領域の地域連携のあり方
座長
落合 和 德
座長
氏
中 村 めぐみ
東京慈恵会医科大学産婦人科学講座 教授/
氏
聖路加国際メディカルセンター教育研修部 副部長
東京慈恵会医科大学附属病院 腫瘍センター長
演者
森田 達也 氏
聖隷福祉事業団総合病院聖隷三方原病院緩和支持治療科 部長
森田氏はOPTIM(Outreach Palliative care Trial of Integrated regional Model)スタディの概要や結果を紹介し、今後の緩和ケア
の地域連携には、地域の医療資源を最適化するためのゆるやかなネットワークが重要ではないかと指摘した。
OPTIMスタディ―世界でも数少ない
大規模な地域緩和ケアの介入研究
2008年に開始されたOPTIMスタディは全国4地域を対象とし、緩和
ケアプログラムによる地域介入についてアウトカムだけではなくプロセス
も同時に検討した、世界でも数少ない大規模介入研究である(図1)。厚生
の2.69から2.28に(P<0.001)、看護師が介入前の3.15から介入後は2.72に
(P<0.001)
それぞれ有意に改善した1)。
今ある医療資源を最適化する
(OPTIMize)ためには
地域のネットワークが有効
労働科学研究費補助金第3次対がん総合戦略研究事業「緩和ケアプログ
このような結果が生まれた要因を探るため、プロセス研究を実施した。
ラムによる地域介入研究」として実施され、2012年に最終結果の解析が
地域で介入の企画や実施に関わった人(地域コアリンクスタッフ)101名に
終了し、2013年に主論文がLancet Oncologyに掲載された1)。
対し、①プロジェクトに参加した目的、②体験とその理由、③プログラムの
本スタディは緩和ケアプログラムを実施すると何が変化するか、
その理由
有用性とその理由、④最も大きなこと
「一番大きかったことはなんですか」、
は何かを検討するために、複数のプログラムを同時に進めるcomplex
interventionを手法とした。当時、国内ではこの種の研究が少なかった
ため、英国 MRC(Medical Research Council)によるガイドライン2)に
介入
プロセス研究
提供(専門サービス)の4つが柱となった(表)。当初、地域連携を主と
2012年
介入後調査
OPTIM
レポート
ション・連携の促進(地域連携)、④緩和ケア専門家による診察・ケアの
2011年
死亡場所
遺族調査
専門サービスの利用数
がん患者・家族への情報提供(啓発)、③地域緩和ケアのコーディネー
介入前調査
フォローアップ期間
2010年
医療者調査
患者調査
トカムを確認するために、① 緩和ケアの技術・知識の向上(教育)、②
2009年
死亡場所
遺族調査
グラム(医師に対する緩和ケア教育プロジェクトPEACE、緩和ケア普及
啓発事業オレンジバルーンプロジェクトなど)について、地域単位でアウ
介入期間
2008年
専門サービスの利用数
患者調査
医療者調査
介入内容は、2007年にすでに開始されていた緩和関連の複数のプロ
2007年
③研究意識の構築
②倫理審査
①実態に基づいた企画立案
沿った研究デザインとした。
図1 OPTIMスタディ概要
2011年
2012年
したものではなかったが、研究が進むにつれ、4地域のいずれでも連携
の不足を認識し、連携 構築のための手法などを検 討する機会や動き
が増えていった。
Main paper: Morita T. Lancet Oncol 2013
Protocol paper: Morita T. BMC Palliat Care 2012; 11: 2
Position paper: Yamagishi A. Am J Hosp Palliat Care 2008; 25: 412
自宅死亡率や緩和サービス利用数が
介入により有意に増加
主要評 価項目として自宅死亡率をみてみると、全国平均は2 0 0 7年
(6.7%)と2010年(7.8%)でほとんど変化していないのに対し、介入地域
では介入前(20 07年、6. 8%)に比べて介入後(2010年、10. 5%)で有意
(P<0.001)に増加していた。また、2010年における介入地域と全国平均の
1)
差(+2.7%)も有意(P<0.001)であった 。これに関しては、自宅での死亡
率が増えてもそれが患者の希望を反映しているとは必ずしもいえないこと
から、
「患者が望んだ場所で最後を迎えられたと思うかどうか」を遺族に
確認する調査も行った。その結果、
「 望んだ場所で最後を迎えられた」
(そう思う、とてもそう思う)は自宅では8割を超えており、患者の希望に
沿った結果であることが推察された。
専門緩和サービスの利用数については、介入前の31%から50%に増加
した(P<0.001)。苦痛緩和の質評価(Care Evaluation Scale)は外来
通院中の患者評 価で介入前の4.43が4. 57に(P= 0.0 0 6)、終末期患者
(遺族による代理評価)では介入前の4.31が4.57( P<0.001)に改善した。
副次評価項目の1つであった医師・看護師の困難感は、医師で介入前
6
森田 達也”緩和ケア普及のための地域プロジェクト(OPTIM-study)の経過と今後の課題”
ホスピス緩和ケア白書2011.(財)日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団, 2011, P24-36.より改変
表 OPTIMスタディの目的、対象、
方法
目 的
1. 地域緩和ケアプログラムが、
がん患者のQOLを向上するかを検証する
2. 今後、
全国においてがん対策基本法に定められた緩和ケアの推進に取り組んで
行く際に資する成果物、
介入課程を作成する
対象・方法
デザイン
地域介入、前後比較試験
主要評価項目
1)在宅死亡
2)緩和ケアの利用数
3)患者評価による通院中のがん患者QOL
(Care evaluation Scale)
4)遺族評価による終末期のがん患者QOL
(Care evaluation Scale)
副次評価項目
1)地域医療者の困難感・知識
2)地域の緩和ケアの質指標
介入
1)緩和ケアの標準化と継続性の向上
2)患者・家族に対する適切な知識の提供
3)地域の緩和ケアの包括的なコーディネーション
4)緩和ケアの専門家による診療
森田 達也”緩和ケア普及のための地域プロジェクト(OPTIM-study)の経過と今後の課題”
ホスピス緩和ケア白書2011.(財)日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団, 2011, P24-36.より改変
⑤推奨「同じ職種、他職種の方にすすめたいことは何かありますか」、⑥
組織構築の評価と改善点―をインタビュー形式で確認した。その結果、④
地域ごとの実情に沿った連携の構築を現場から
では「ネットワークが増え、連携の重要性を実感した」という回答が62名
と最も多く、
「緩和ケアの知識と技術が向上した」
(18名)、
「幅広い体験を
社会関係資本(ソーシャルキャピタル)という言葉は、近年、社会学だけ
することで自分の役割を見直した」
( 10名)がこれに続いた。このほか、 ではなく,経営学・組織論・社会福祉などの研究分野で注目を集めている
「連携・緩和ケアの知識と技術が両輪のようだった」という非常に印象的
が、医療従事者の持つ知識やネットワークも患者にとってはこの社会関係
な回答も含まれていた。
資本に相当するとも考えられる。図3はOPTIMスタディの結果を受けて、
そのプロセスをさらに分析したところ(図2)、テーマを問わない多職種
地域緩和ケアを向上するためにどのような枠組みが良いのかをまとめた
カンファレンスでのグループワークや各ミーティングなどの話し合う機会
ものである。全国統一の仕組みや一括のサービスではなく、地域の実情
がきっかけとなっていた。その結果、対応が早くなる、選択肢が多くなる
に沿って資源を最大限に活用するための組織作りやネットワーク構築が
などの面で患者に対するアウトカムに影響することが想定された。
重要であり、一方的な伝達になりがちな講習会ではなく相互交流の図れ
代表的なデータを挙げると「同じ地域でこれまでやりとりのなかった
るグループワークなどが有効ではないかと考える。
人たちとコミュニケーションをとるようになり、選択肢・ケアの幅が広がっ
このような最適化
(OPTIMize)
を行っても、
倦怠感や呼吸困難のような
た」
「 互いの役割やその重要性がわかるようになり、チームを組むように
緩和が困難な症状への対応や、
意思決定支援などの複雑な問題に対する
なった」といった選択肢の増加やチームにつながるもの、
「名前と顔、人と
対応など、残る課題にも留意が必要になる。また、海外ではエビデンスに
なりがわかるようになり、安心して相談ややりとりができる」
「みんなで集
基づいて勧告も出ている事項が、国内ではこれからの課題として取り上
まる機会がふえ、ついでに相談ややりとりができる」などの対応の迅速化
げられてしまうなど、エビデンスと施策がリンクしていない点も非常に懸
につながるもの、
「互いの考え方や状況がわかるようになり、自分の対応
念している。継続的な研究と施策という面では、やはりナショナルセン
を変える」
「責任をもった対応をするようになった・無理がきくようになる」
ターへ期待せざるを得ない。実臨床ではそうした現実を認識しつつ、
などの工夫や融通につながるものがみられた。
現場からゆるいネットワークを作り、変化を起こしていくという心構えや
この結果を世界各国でこれまでに実施された地域緩和ケアプログ
行動が必要かもしれない。
ラムと比較すると、具体的な介入の内容はそれぞれ異なっても、アウト
英国では緩和ケアにおける研究・事業・政策の枠組みとして、まず理論
カムの評 価に言及した言葉と内容はどの研究でも同様であることが
構築し、実証研究でのモニタリングを経て、評価を行い、その結果に基づ
確認された。
いて改善する。これを繰り返すことが推奨されており、OPTIMスタディは
以上の結果を踏まえて強く感じるのは、
個々の診療技術や治療の研究・
この3段階目に到達したといえるので、今後も可能な限り継続研究とし、
実践は非常に活発に行われるが、それらを総合し、最適な結果が得られ
成果を挙げられることを願っている。
るよう有効活用するための手法はほとんど研究されていないということで
ある。
OPTIMスタディで図らずも明らかになったように、
いまあるリソース
1)Morita T, et al. Lancet Oncol 2013; 14: 638-46.
2)Craig P, et al. BMJ 2008; 337: a1655.
(資源)を最大活用(OPTIMize)するためには、ゆるいネットワーキングが
有効ではないかと考える。
図2「つながりができた、ネットワークが広がった」のプロセス研究
きっかけとなる事象
【つながりができネットワークが広がる】
・多職種カンファレンスでのグループワーク
・多職種カンファレンスなど各ミーティングでのちょっとした
話し合う機会
・患者を一緒にみる経験
想定される患者への影響
・対応が迅速になる ・選択肢が多くなる ・多職種で対応するようになる ・工夫・無理がきく
より広範な患者のニードを満たせる
・名前と顔、人となりがわかるようになり、安心して相談ややりとりができる
・これまでやりとりのなかった人たちとコミュニケーションをとるようになり、
選択肢・ケアの幅が広がる
・互いの役割やその重要性がわかるようになり、
チームを組む
・互いの考え方や状況がわかるようになり、自分の対応を変える
・みんなで集まる機会がふえ、ついでに相談ややりとりができる
・職種や施設間の垣根が低くなり、躊躇せずに相談ややりとりができる
・窓口や役割がわかるようになり、誰に相談すればよいかがわかる
・生の声を聞き本音のやりとり、インフォーマルな相談ができる
・責任をもった対応をするようになった・無理がきくようになる
・同じことを繰り返すことで効率がよくなる
・地域の他職種・他施設、他地域の状況を知り、地域全体を意識した緩和ケアの実践を考える
・連帯感・信頼感が高まる
森田 達也”OPTIMプロジェクトのまとめ”OPTIM Report 2012 エビデンスと提言 緩和ケア普及のための地域プロジェクト報告書.(財)厚生労働科学研究費補助金第3次対がん総合戦略研究事業「緩和ケアプログラムによる地域介入研究」班, 2012, P3-39.より改変
OPTIMize strategy:地域緩和ケアの基盤整備
既存のリソースをネットワークで最大活用するしくみ
① 組織を作る(Organization)
② 専門家へのゆるいネットワークによるアクセスを構築する(Palliative care specialists)
③ 緩和ケアに関する知識と技術を(一方的にではなく相互に)伝えあう(Teaching the essence of palliative care)
④(広く薄い啓発活動ではなく、実際に必要としている)患者・患者に近い医療者にしぼった情報提供(Information to patients
and medical professionals close to patients)
⑤ 連携の課題を解決する枠組みの構築(Modifying resources in the community)
OPTIMizeを行っても残る課題への対応
・緩和困難な苦痛に対する開発研究
・意思決定支援など複雑な問題に時間をかけて相談できる体制
・臨床現場・介護力・24時間対応などリソースの充実
制度のリアルタイムな検証・最適化
現場レベルと管理レベルの臨床家・研究者・政策決定者がいろいろな組み合わせでリアルタイムで状況を共有し
最適化できる枠組み
新規(novel)モデルの検証
﹁最も望ましい地域緩和ケア提供体制﹂
の確立
図3 地域緩和ケアを向上するための枠組みの提言
比較試験・費用対効果を含むmixed-methods study
森田 達也”OPTIMプロジェクトのまとめ”OPTIM Report 2012 エビデンスと提言 緩和ケア普及のための地域プロジェクト報告書.(財)厚生労働科学研究費補助金第3次対がん総合戦略研究事業「緩和ケアプログラムによる地域介入研究」班, 2012, P3-39.より改変
7
第2部-1
講演②
緩和ケアのための地域連携を考える
―次世代緩和ケアの実践のために―
薬剤師が必要とされる地域連携の実践を目指して
演者
塩 川 満 氏
聖隷福祉事業団総合病院聖隷浜松病院薬剤部 部長
2011年に聖隷浜松病院へ赴任された塩川氏は、浜松地域での過去3年間の活動から、浜松薬剤師連絡研究会や緩和ケア専門薬剤師の
育成のための教育プロジェクトPEOPLEなどの現状と課題を概説し、
薬薬連携にとどまらない全職種での地域連携の重要性を指摘した。
と説明されるが、
言葉だけが一人歩きしており、
何を目指しているのか
OPTIMの成果としてのP浜ネット
について地域で合意されているのか。連携の目的が地域医療や在宅
医療の向上であるならば、薬剤師の連携だけで実現させるのは無理
人口約81万、全国第2位の面積を持つ浜松市には、地域がん診療
なのではないか。また、連携によってどこまでの患者情報(病名、検査
連携拠点病院4つを含む中核病院が7つあり、当院もその1つである。 値、既往歴、薬の情報など)を共有すべきなのか。そもそも連携は必要
病床数は744床、常勤職員1,846名中、薬剤師は44名であり、急性期
なのか。こういった疑問を抱えつつ、薬剤師の連携を推進するための
病院のために緩和ケア病棟はないものの、
緩和ケア病床14床を有する。 課題を整理してみたところ、
病院薬剤師と薬局薬剤師がお互いの職務
また、
緩和ケアチームは表のようなスタッフで構成され、
2012年の実績
を理解していない、両者が交流する場がない点が問題ではないかと
は緩和ケア外来(97件/年)、入院コンサルテーション(がん287件/年、 考えた。
がん以外24件/年)となっている。
2008年度から2010年度の3年間、緩和ケア普及のための地域プロ
ジェクト(OPTIMスタディ、本誌P6-7参照)に参加し、その成果として
「浜松薬剤師連絡研究会」による情報共有の試み
浜松市薬剤師会在宅支援ネット
(通称、
P浜ネット)
が作られた。
これは、
薬薬連携によって訪問薬剤管理指導を推進し、患者に対して継続的、 このような問題意識から、2011年に市内の8つの病院と浜松薬剤師
効果的な在宅医療を提供することを目的とした活動である。在宅薬
会理事で「薬剤師地域連携協議会(2012年から「浜松薬剤師連絡
剤(居宅療養)管理指導依頼書(図1)を用いて医師、病院薬剤師など
研究会」と名称変更)」を発足させた。会の目的は「地域連携の推進
から地域の薬局へ連絡、在宅訪問する仕組みとなっているが、残念な
のために薬剤師が情報を共有し、患者が地域医療で不安無く安全、
がら使用実績は少ない。
有効に薬剤が使用できるよう支援すること」を掲げている。
年3回の研究会開催のほか、具体的な取り組みとして化学療法に
関する情報を病院と薬局で共有するために、レジメン内容や副作用、
薬薬連携に関する様々な疑問や問題点
服薬情報などを1枚のシール
(図2)
に集約し、
お薬手帳に貼付して運用
するシステムを試みた。当院で2012年4月から「抗がん剤お薬手帳連
2011年に聖路加国際病院から当院へ赴任した時、薬薬連携は構築
携」として、化学療法室で治療を受けた後、調剤薬局へ内服薬を受け
されていないというのが率直な感想であった。
また、
同時にさまざまな
取る患者を対象に開始したが、薬局側から手帳への記載が少なく、
疑問が生じていた。薬薬連携とは「病院薬剤師と薬局薬剤師の連携」
当院以外では使用していない状況である。
表 聖隷浜松病院緩和ケアチームのスタッフ構成
図1 在宅薬剤
(居宅療養)管理指導依頼書
(P浜ネット)
医師(身体担当:専従2名・兼任3名、精神担当:兼任1名)
看護師(専従1名、専任1名、認定1名)
薬剤師
(専従1名、専任2名)
、MSW 1名、臨床心理士1名
リハビリ、栄養士、歯科・口腔ケア、牧師
訪問指示提案書を用いて、
医師に指示の依頼を行っている
8
そのほか、保険算定のための手段となりがちなお薬手帳を有効
for Oncology and Palliative care Leading to happy End-of-life)と
活用するために、手帳のフォーマットを統一して情報共有の効率化を
呼ばれており、日本緩和医療薬学会の主催で2012年から始まった。
図る計画もある。
市の薬局薬剤師会から全面的な協力の申し出があり、 病院薬剤師だけでなく薬局薬剤師も対象とした一日研修である。
緩和
今後、患者や薬剤師、医師、看護師を対象とした意識調査を行い、 医療薬学会が認定する薬物療法認定薬剤師の要件は症例報告と
手帳のフォーマットや記載内容についての感想や意見を集める。次に
筆記試験のみであることを踏まえ、PEOPLEプログラムではグループ
フォーマットを検討し、いくつかの保険薬局で試験運用する。最後に
ワークとロールプレイによる態度教育を中心としている点が大きな特
浜松市全体で運用し、その後、再び患者や薬剤師、医師、看護師を
徴となっている。疼痛マネジメントのグループディスカッションとコミュ
調査するという手順を予定している。
ニケーションのロールプレイがあり、ディスカッションは、ワールド・
カフェ(カフェのようにリラックスした雰囲気の中で、テーマに集中
した対話を行う話し合いの方式)
で包括的に話し合う。
連携を阻む要因の分析とその対応
これと並行して進めているのが、地域連携支援ツール作成プロジェ
薬薬連携だけにこだわらず
地域連携に必要な体制作りに注力すべき
クトである。外来への麻薬導入に関する情報共有の障壁要因を検討
するため、地域がん診療連携拠点病院など7施設の薬剤師、外来看
最後に今後の展望について述べたい。緩和ケアにおける地域連携
護師について自記式質問紙で調査した。
その結果、
保険薬局薬剤師は
実現のためには、
全医療従事者の連携が必要であり、
薬剤師同士のみ
「医師の説明内容や、病名、告知の有無がわからない」こと、病院薬剤
の薬薬連携という言葉にこだわる必要はないというのが私の結論で
師や外来看護師は「疑義照会で患者を待たせる、時間がかかる」こと
ある。また、患者が安心して薬を継続的に服用できる体制や、困った
が、それぞれ障壁になっていることが明らかになった。このような課題
ときに相談できる環境作りも重要である。さらに患者自身が納得して
を解消し、疼痛コントロールの情報提供を円滑に行えるようにする
治療を受けるための教育体制だけでなく、医療従事者向け教育の
ため、
地域連携シート
(図3)
を準備中である。
浜松薬剤師連絡研究会
体制構築も必要と考えている。
による全面的な支援のもと、運用は今年の秋からを予定している。
態度教育中心の緩和ケア薬剤師育成プログラム
「PEOPLE」
緩和ケア領域の医師育成のためにPEACEプログラムが実施され
ているが、緩和ケアに携わる薬剤師育成を目的としたプログラムも
開始されている。これはPEOPLEプログラム(Pharmacy Education
図2 抗がん剤お薬手帳連携
図3 地域連携シート
診療科
記入日
①医師が説明内容を記入
投与量を
記載
該当欄に
チェックを入れ、
具体的に
内容を記載
②監査基準を明確化
自分の所属機関と名前、
電話番号を記載
自由記載欄
9
第2部-1
講演③
緩和ケアのための地域連携を考える
―次世代緩和ケアの実践のために―
時や場所を選ばない緩和ケアのために
演者
海津 未希子 氏
東京大学医学部附属病院看護部 がん看護専門看護師
海津氏は、地域の中核治療病院であり大学病院でもある施設の緩和ケアチーム専従看護師としての立場から、緩和ケアチーム、地域医療
連携部の実践内容、
地域連携の経験を紹介し、次世代緩和ケアの今後の展望と必要項目を解説した。
地域を対象とした地域在宅緩和ケア研修会
(2012年より年2回)
、
継続
2012年から2チーム体制で緩和ケアを提供
看護検討会(年4回)などを開催して緩和ケアの普及に努めている。
また、専門家育成の面から、がんプロフェッショナル養成プラン参加
当院は緩和ケア病床を持たない急性期病院であることから、緩和
者や2年目の研修医の受け入れも行っている。
ケアチーム(表1)が専門的ケアを提供している。従来は1チームであっ
地域連携に関しては、地域医療連携部があり、部全体が緩和ケア
たが、依頼件数が増加したこと、診療報酬改定により外来緩和ケア
チームの構成要員として兼任している
(表1)
。
当院には、
広い地域から
管理料が導入されたことなどを契機に、2012年から2チーム制を導入
生活圏を離れて来院する患者が集まる傾向がみられる。また、大学
して緩和ケア外来を立ち上げた。
病院ということで治験や自主臨床試験も積極的に行われていること
これまでの年間依頼件数は図1のように徐々に増加している。また、 から、他施設で治療適応外とされた患者が通院・入院するのも特徴
新しいがん対策推進基本計画(2012年)の重点課題であり個別目標
である。地域医療連携部への療養相談件数は2012年で約1,100件
でもある「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」の観点から、 あり、約3割ががん患者であった。また、急性期病院としての役割を
どの段階からチームが関与したかをみてみると、診断から初期治療
果たすために他施設への紹介は積極的に行っており、
死亡退院となる
前までが4%、がん治療中が74%、積極的治療終了後が22%となって
がん患者が退院全体の0.048%となっているのは、その表れではない
いる(図1)。
かと考えている。地域医療連携部では、緩和ケア提供可能な診療所
や連携可能な地域病院のマップを作成するほか、地域病院との情報
共有のためのシートの作成、地域在宅緩和ケア研修会の開催などを
連携病院マップや地域在宅緩和ケア研修会などを通じて
地域連携を強化
通じて、連携強化を進めている。
当院では地域がん診療連携拠点病院でもあることから、医師対象
の研修会(PEACEプログラム)、看護師対象の院内講義(年6∼7回)、
今後は緩和ケアチームと
地域医療連携部のスキルミックスも
表1 東京大学病院緩和ケアチーム・地域医療連携部のスタッフ構成
ここで、がん対策推進基本計画(2012年)に掲げられた「がんと
緩和ケア
チーム
診断された時からの緩和ケアの推進」を実現するために必要なことを
医師6名(専従3名)
看護師2名(専従2名)
薬剤師2名(兼任2名)
臨床心理士1名(専従1名)
その他の職種(兼任)
地域医療連携部、麻酔科医師、
整形外科医師、
理学療法士、作業療法士、
言語聴覚療法士
3つの面から考えてみたい。
まず、
身体症状のないがん診断時からでも
緩和ケアの提供が可能であることが医療従事者でもまだ浸透して
いないことから、
「緩和ケアへのアクセスの改善」が挙げられる。また、
「入院・外来・在宅など様々な場面で切れ目なく緩和ケアを提供する」
ことも重要であり、当院のような中核病院には「緩和ケアを地域で
提供するための連携体制の構築」も求められる。
地域医療
連携部
医師2名
退院調整看護師4名:師長1名(兼任)、専従2名、専任1名
MSW 4名
当院の緩和ケア外来ではこの考えから月∼金曜日まで連日対応
可能であり、化学療法室に出向いての診察、入院時に介入して継続的
にフォローアップ、主治医科との同日診察などを実施している。昨年度
図1 緩和ケアチームへの年間依頼件数の推移
492
(件/年度)
500
診断から
初期治療前
4%
470
415
400
345
総依頼件数
350
積極的
がん治療終了
22%
300
229
247
247
204
がん治療中
74%
200
非がん症例の依頼件数
100
41
0
10
0
0
5
12
10
15
11
15
10
10
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
の月別延べ件数は図2に示す通りであり、約半数の通院期間が3カ月
なく、他施設の緩和ケア病棟への入棟を希望していたが、身体症状
を超えており、
患者の状況変化に合わせた支援を継続的に行っている。 が安定していたため、
入院適応となっていなかった。
従って、
治療病院
また、医療用麻薬で疼痛管理中の患者に対して適用される外来緩和
である当院の主治医科で定期的な診察を継続しつつ、緩和ケア外来
ケア管理料の算定は意外に少なく、病院経営的には緩和ケア外来を
で経過観察をしていた。
ある日、
尿量減少を自覚した患者は、
「いよいよ
評価する診療報酬点数が望まれるが、このあたりは悩ましいところで
緩和ケア病棟にお世話になる時がきた」と思い、他施設の緩和ケア
ある。
また、
近年の依頼件数の増加に対し、
地域医療連携部のスタッフ
病棟へ連絡した。しかし治療病院である当院への受診を薦められ、
が充足しているとはいえず、全ての患者で緩和ケアチームと地域医療
途方にくれた患者が当チームへ相談に来た。当チームから主治医科
連携部が協働していくには限界も生じている。
今後は、
緩和ケアチーム
へ連絡し、緊急受診の結果、両側水腎症が明らかになり、腎瘻造設に
が地域医療連携部の機能を少し分担するスキルミックスのような体制
至った。以上の事例から、一つの医療機関が専門性の高い根治的
も必要ではないかと考えている。
医療、再発時の医療、在宅医療のすべてを担うことは不可能である
ことが実感される。
1つの医療機関がすべてを担うことは不可能
拠点病院を中心に地域医療資源のさらなる有効活用を
今後の緩和ケアについて考えるにあたり、まずは当院の緩和ケア
外来における地域連携の事例を2つ紹介する。70代の男性膵がん
医療機関を治療 病院、地域の一般病院、在宅 療養支 援診 療所、
患者は4歳年下の妹と2人暮らしであり、1時間半かけて車で化学療法
緩和ケア病棟の4つに分類してみると、それぞれに特徴的な役割と
外来に通院していたが、
食欲低下や下肢浮腫が現れ、
外来主治医から
得意・不得意(デメリット)のあることがわかる(表2)。当緩和ケア
緩和ケア外来へ紹介された。緩和ケアチームとしては出現している
チームはこのような種類の異なる医療資源をつなぐ役割を通して、
症状は病状進行によるものと考え、今後を見据えて身体症状を観察
地域連携に貢献する努力をしているが、緩和ケアのさらなる発展の
するための訪問看護、食欲不振対応としての補液が可能な施設を患
ためには、地域の特性や実情に即した形での提供体制の整備が望ま
者の住居近くで探した。その結果、訪問看護ステーションを通じて
れる。そのためには、療養場所に関して患者が早期から意思決定可能
地元の緊急時に対応可能な一般病院を紹介してもらうことができた。 なように支援すること、患者・家族との情報共有が必要であり、一次
その後、
一般病院で皮下埋没型中心静脈ポートが造設され、
適宜補液
緩和ケアを担う医療従事者からの正確な情報提供やそのための教育
等の支援が行われた結果、患者は当院での外来化学療法をその後
の充実も必要である。治療病院と地域医療資源がオーバーラップ
約2ヵ月間継続することができた。
また、
介護保険の申請を援助しつつ、 しながら緩やかに療養環境へ移行できることが望ましく、緩和ケア
センター構想を視野に入れた取り組みが求められている。
訪問看護も導入することができた。
もう1例は60代前半の女性腹膜がん患者で、化学療法の適応は
図2 緩和ケア外来延べ件数(2012年度、月別)
(件/月)
70
●
61
57
60
●
緩和ケア外来受診延べ件数
年間合計408件
(116人)
50
47
46
39
116人中54人
(46.1%)は
緩和ケア外来通院期間
3カ月以上
外来緩和ケア管理料の
対象になる患者は意外と
少ない
40
31
30
25
28
外来緩和ケア管理料算定件数
年間合計83件
24
20
19
20
11
10
9
7
8
5月
6月
3
4
4
8月
9月
11
8
7
8
7
10月
11月
12月
1月
7
0
4月
7月
2月
3月
表2 緩和ケアにおける地域医療資源の特徴
役 割
医療機関
デメリット
がん治療、専門的な緩和ケアの提供、
地域医療連携の促進
治療病院
治療期の患者が対象の中心
基本的な緩和ケアの提供
在宅医療の実施、患者・家族の希望に合わせて看取りまで
短期で症状緩和、栄養改善などを行い、
改善された時期に在宅移行を行う
地域一般病院
在宅療養支援診療所
緩和ケア病棟
高度な治療や処置はできない
症状の急性増悪や疼痛コントロール不良時、
レスパイト入院などの対応ができない
待機期間が長い、
緊急入院に対応できない場合もある
11
講演④
第2部-1
緩和ケアのための地域連携を考える
―次世代緩和ケアの実践のために―
患者の望む場所で生活をするには
演者
塩田 剛士 氏
慈山会医学研究所付属坪井病院相談支援センター 主任補佐
がん専門民間病院の緩和ケア病棟(ホスピス)で医療ソーシャルワーカー(MSW)として勤務する塩田氏は、緩和ケアの歴史を振り返り
ながら、郡山における緩和ケアの地域連携について、ネットワーカーとしてのMSWの視点から見解を述べた。
基本法施行により緩和ケア充実の必要性が指摘され、現在に至って
東北で初めての院内病棟型ホスピスを開設
いる。介護保険の特定疾病に「がん末期」が追加されるなどの大きな
動きもある一方で、若年の末期がん患者は介護保険でも障害者総合
はじめに当院の概要を紹介したい。当院は民間病院としては稀
支援制度でも対象となっていないという問題も存在している。
ながん専門の病院であり、緩和ケア病棟(ホスピス)は東北地方で
初めて1990年12月に開設された。全240床のうち18床がホスピス病床
で、表1のような多職種が関わっている。一方、緩和ケアチームは2008
緩和ケア=緩和医療?
年1月から活動を開始しており、メンバーは表1の通りである。
2007年2月には医療福祉相談室が設置され、2009年に相談支援室、 現在の緩和ケアに関し、MSWとして感じている点を3つに整理
2012年に相談支援センターと名称が変更された。現在、相談支援
してみたい。第一に郡山市の地域的な課題が挙げられる。元来、医療
センターには看護課長1名と看護師3名、MSW 2名が配置されて
格差の大きかったこの地域は原発事故によって医師不足がさらに
いる。業務内容は①医療相談、②ホスピス緩和ケア移行期の援助、 深刻化しており、人口32万人に対して緩和ケア指導医はわずか1名
③退院援助、④入院や外来の患者・家族への援助、⑤自宅療養中の
しかいない。財団病院の多さ故か、病院間の横のつながりが希薄で
患者への援助、⑥単身等の入院患者に関する日常生活援助、⑦死亡
あるようにも感じている。
後に関する援助などである。
第二の点は、緩和ケアが症状を緩和することと同義に考えられて
いるのではないか、緩和医療のみを意味しているのではないかという
疑問である。症状緩和が最優先であることはシシリー・ソンダースも
若年末期がん患者は制度の谷間に
強調しているが、ケアを医療に限定してしまうと、生活支援や全人的
ケアとは呼べないのではないかと考えている。緩和ケア診療加算の
次世代緩和ケアを考えるにあたり、ホスピス緩和ケアの歴史と制度
要件に、リハビリ関連職や栄養士、臨床心理士、MSWなどが含まれ
の推移をみてみると(表 2)、周知のように19 67年にセントクリスト
ていないこともそのあらわれではないだろうか。
ファーズホスピスが設立され、1981年に国内初のホスピスが聖隷三
方原病院に開設された。1990年に先に述べたように当院にホスピス
病棟が開設され、緩和ケア病棟入院料が新設された。この年は山崎
退院支援は
「住み慣れた地域で」よりも「望む場所で」
章郎先生の「病院で死ぬということ」が出版され、ホスピスという言葉
が一般に広まるきっかけとなった年であり、
個人的には末期がんだった
祖父との死別、
この本との出会いにより緩和ケアを目指す契機となった
第三は退院支援に対する考え方である。よく「住み慣れた地域へ」
「住み慣れた我が家で」
と表現されるが、
全ての患者がこのような希望
を持つとは限らない。また、自宅が必ずしも患者の望む場所であると
年でもある。
2000年代前半からに在宅資源の整備が進み、2007年のがん対策
表2 緩和ケアの変遷
表1 坪井病院緩和ケア病棟・緩和ケアチームのスタッフ構成
(2013年12月現在)
緩和ケア
病棟
緩和ケア
チーム
12
医師1名
(専従)
(主治医との併診)
看護師14名(専従)
看護補助者3名(専従)
MSW2名(専従1名、
専任1名)
理学療法士・作業療法士5名(兼任)
薬剤師4名(兼任)
栄養士3名(兼任)
事務1名(兼任)
医師1名
看護師8名
(うち緩和ケア認定看護師2名・がん性疼痛認定看護師1名)
MSW 1名
作業療法士1名
薬剤師1名
栄養士1名
事務1名
1967年
セントクリストファーズホスピス設立
1973年
淀川キリスト教病院で
「末期患者のケア検討会」開始
1981年
聖隷三方原病院に日本初のホスピスが開設
1990年
坪井病院にホスピス開設
緩和ケア病棟入院料新設
祖父との死別
山崎章郎著
「病院で死ぬということ」出版
1998年
緩和ケア病棟入院料届出施設・病床数急増
2000年
介護保険制度開始
2006年
在宅療養支援診療所制度新設
介護保険特定疾病に
「がん末期」
が追加
2007年
がん対策基本法施行
2011年
緩和ケア病棟入院料届出施設・病床数急増
2012年
緩和ケア病棟入院料が3段階に改正
もいえない。特に、一人暮らしの患者の場合、退院を病院からの追い
出しのように感じ、強く不安を訴える人もいる。
2010年度の内閣府の
「高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」
ネットワーカーであるMSWとして
地域の実情に即した地域緩和ケア構築を目指す
では、
『 自分の身体が虚弱化したときに住まいをどのようにしたいと
最後に他県出身のMSWとして、今後の緩和ケアについて私見を述
思うか』という設問に対し、介護を受けられる施設への入居希望が
べる。以前は自宅に戻れない患者のために、ホームホスピスの体制
全体で約3割、単身世帯だけではなく夫婦二人世帯においても約3割
作りを目指していたが、まずは地域のニーズを把握することが重要で
という結果が出ており(表3)、望む場所は必ずしも住み慣れた場所と
あることを痛感した。また、MSWの本質はつなぐこと(ネットワーク)
は限らないことが図らずも示された。個々の患者の「望む場所」は
である。当院に配属された時点では他職種から職務の理解が得られ
どこかをよく見極めることが重要であり、どこでも良いから退院へ
ていない状況であったが、
現在はネットワーカーとして認められてきて
という支援はあってはならないと考えている。
いる。
これに関連して、
介護施設の入居者が末期がん患者となった場合に
そこで、ネットワーカーの視点から郡山のニーズを考えてみると、
どこまで対応できるかという問題もある。生活場所や看取りに関して
この地域は当院のようなホスピスとしての歴史を有する病院があり、
当院が行ったアンケート(2010年)の結果では、施設内での看取りに
緩和ケアおよびがん性疼痛の認定看護師も市内に6名おり、緩和ケア
当たり工夫している点として家族への配慮、医療関係機関との連携、 スキルの伝承や課題の言語化がしやすい環境にある。一方で緩和
環境整備、ケア体制の充実が挙げられた。しかし、施設内看取りを実
ケアに関する医療職、
介護職同士の交流する機会が少ないため、
今後
施していると回答した施設(32施設、67%)のうちの3分の1は認知症
は多職種による顔の見える関係作りをめざしていきたい。
などのグループホームであり、
入居者が末期がんになった時、
どこまで
また、2011年の原発事故に惹起された人口の減少(昨年来1万人
対応できるかとの課題はあると思われる。また、施設内看取りが困難
以上の減少)
から医療・福祉の担い手の減少が懸念され、
そのトレンド
な理由としては、やはり医療体制が整っていないことが挙げられた。 は高齢化率の進展とともにさらに上昇する勢いである。ネットワー
県内でもサービス付き高齢者住宅の増加や特別養護老人ホームでの
カーであるMSWとしては、市民の声をキャッチし、地域・コミュニ
がん患者の看取りなど、
新しい試みをめざす動きも出てきているが、
まだ
ティーの力を活かしながら、地域全体として何ができるかを市民と
末期がん患者を新規に受け入れる施設は少ない印象を持っている。
一緒に考える機会を作ることが必要と考えている。
表3 虚弱化した時に希望する居住形態
総 数
(人)
【総数】
現在の住
居 に 、とく
に改造な
どはせずそ
のまま住み
続けたい
(%)
現在の住
居を改造し
住みやすく
する
介護を受け
られる特別
養護老人
ホームなど
の施設に
入居する
介護を受け ケ ア 付 き
られる有料 住 居 に 入
老人ホーム 居する
などの施設
に入居する
子どもや親
戚などの家
に移って世
話をしても
らう
その他
わからない
回答数
2,062
37.1
26.7
19.0
9.7
9.7
5.7
2.5
9.2
119.6
472
867
522
201
35.8
36.0
37.7
43.8
23.7
29.3
26.1
24.4
17.2
18.0
21.6
20.9
9.1
9.9
10.3
9.0
10.6
11.0
7.7
7.0
4.7
6.3
5.9
4.5
3.4
2.5
1.5
2.5
11.0
9.3
6.9
10.4
115.5
122.4
117.8
122.4
979
1,083
37.1
37.2
29.7
24.0
18.2
19.8
7.9
11.4
7.3
11.8
5.6
5.7
3.1
1.9
9.6
8.9
118.4
120.8
【年齢階級別】
60∼64歳
65∼69歳
70∼74歳
75∼79歳
80∼84歳
85歳以上
574
500
457
322
147
62
31.7
39.0
38.9
35.4
39.5
62.9
30.8
31.0
25.6
22.0
18.4
6.5
21.8
18.4
17.9
19.3
14.3
16.1
11.1
9.6
9.0
9.3
9.5
6.5
14.3
7.4
9.8
6.8
5.4
8.1
5.2
4.6
5.5
7.1
8.8
4.8
3.0
2.0
2.6
1.9
3.4
1.6
8.2
8.0
7.9
12.7
14.3
8.1
126.1
120.0
117.3
114.6
113.6
114.5
【家族形態別】
単身世帯
夫婦二人世帯
本人と子の世帯
本人と子と孫の世帯
その他
237
739
548
209
329
34.2
33.3
38.9
47.8
38.3
10.5
27.5
29.7
25.4
32.5
22.8
21.8
16.8
12.9
17.6
13.1
10.4
8.8
5.7
10.0
11.0
12.0
7.7
5.3
9.4
13.1
5.5
4.9
ー
5.5
3.4
2.6
2.4
2.4
1.8
10.5
9.1
9.7
10.0
7.3
118.6
122.2
118.8
109.6
122.5
【都市規模別】
大都市
中都市
小都市
町村
【性別】
男性
女性
2010年度内閣府
「高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」
より
13
第2部-2
パネルディスカッション
緩和ケアのための
地域連携を考える
̶次世代緩和ケアの実践のために̶
座長
髙木 安雄 氏
落合 和德 氏
中 村 めぐみ
慶應義塾大学大学院
健康マネジメント研究科
教授
東京慈恵会医科大学
産婦人科学講座 教授/
東京慈恵会医科大学附属病院
腫瘍センター長
聖路加国際メディカルセンター
教育研修部 副部長
氏
パネリスト
塩川
満 氏 聖隷福祉事業団総合病院聖隷浜松病院薬剤部 部長
海津 未希子 氏 東京大学医学部附属病院看護部 がん看護専門看護師
塩田
剛士 氏 慈山会医学研究所付属坪井病院相談支援センター 主任補佐
森田
達也 氏 聖隷福祉事業団総合病院聖隷三方原病院緩和支持治療科 部長
緩和ケアや在宅ケアの広がりと診療報酬点数
関連部署との連携は施設の状況によりよく話し合って
髙木 ここではフロアからいただいている質問を元にディスカッション
落合 緩和ケア外来が行う地域連携と地域医療連携部が行う連携
を進めたいと思います。
との違いと棲み分けについてお教え下さい。
落合 2006年から退院時共同指導料が導入されましたが、薬剤師の
海津 地域医療連携部は非がん患者への対応も含まれるため、当院
方からは退院時合同カンファレンスへの参画の悩みや、
利用者の経済
では外来枠が現在1ヵ月待ちの状態です。したがって緊急度の高い
的負担を懸念する声があるようですが、
いかがですか。
ケースは緩和ケア外来が対応し、地域医療連携部から患者の地元
塩川 現実には、退院時合同カンファレンスへの在宅訪問薬剤師の
医療資源の情報やサポートを受けながら、横のつながりを絶やさない
参加はあまり進んでいません。経済的な負担もあるかもしれませんが、 ようにしています。
訪問看護師やヘルパーが来ない日に薬剤師が訪問することで、誰か
中村 緩和ケアチームが対応する非がん入院患者とは、
具体的にどの
が訪問する日が増えるという安心感はあると思います。今後はやはり、 ような疾患や症状になるのでしょうか。
14
病院からの働きかけが大切だと感じています。
海津 閉塞性動脈硬化症の疼痛、慢性呼吸器不全の呼吸困難など
塩田 自己負担の増加を気にして躊躇しているのでしたら、利用でき
です。麻酔科やペインクリニックでの対応が望ましいという声もあり
る制度を見逃していることも考えられます。そういう場合こそ私たち
ますが、麻酔科の病棟ラウンドは毎日行われません。緩和ケアチーム
MSWを活用していただきたいと思います。
は毎日病棟ラウンドを行っているため、症状変化にタイムリーに対応
中村 麻薬未使用のがん患者に誰がどのように対応しているか、また
できるメリットがあります。
その診療報酬の点数はという質問がきていますが、海津先生からお
中村 東大病院のように、緩和ケア病棟や病床がなくて緩和ケア
願いします。
外来だけの病院で、治療が終了した患者の状 態が急変した場合、
海津 麻薬未使用の場合は話を聴くことが中心となります。具体的
どの科が担当するかという問題があります。
には、
医師が身体症状などの診察後に退席して看護師もしくは心理士
海津 診療科での受診がなく緩和ケア外来だけというのは、責任と
に引き継ぐというやり方です。1人30分はかかりますが、再診料のみと
いう面で基本的には行っておりません。したがって、診療科の受診が
いうことになります。
終了する前に地域につなぐことが重要で、当院でもなるべく円滑に
塩川 満
氏
海津 未希子
塩田 剛士
氏
氏
森田 達也
氏
連携が進むよう努力しています。
ります。そうした集まりの中には、1年分のプログラムが埋まらずに
落合 緩和ケア部門と医療療養部門との連携に苦慮しているという
困っていることもある。保健所などでそういう情報をつかんで、そこに
質問がきています。森田先生、いかがでしょうか。
緩和ケアの話を入れてもらえますかとお願いすると、新しい枠組みを
森田 役割分担が不明確なファジーな領域をあつかう場合、関連部
作らないでお互いが満足します。患者・家族の人も新しい話が聞ける
署間で葛藤が生じるというのはよく聞く話ですね。先ほどの退院支援
ことになります。また、外部講師による講演会ももちろん良いのですが、
の場合、緩和ケアチームが退院支援まで行うほうが良い場合もあれ
規模が少人数の場合には、
サバイバーやご遺族の方などのお話のほう
ば、緩和ケアチームは症状マネジメントのみで療養場所の変更後は地
がよかった印象があります。
域医療部にお願いするケースもあると思います。施設のカルチャーに
海津 当院ではまだそうした取り組みがないので、今のお話は非常
応じて、とにかく関連部署でよく話し合うのが良いと思われます。
に参考になりました。
落合 福島の状況などはどうでしょうか。
カンファレンスの意義と運営の実際
̶多職種会合と同職種会合
塩田 福島というよりも当院ではということになりますが、
今年度から
取り組みを開始しています。規模はまだ小さいのでまずはお茶飲み会
という形式で、参加人数は毎回5名程度です。こういう場を待っていた
落合 多職種カンファレンスに医師以外にどのような職種が参加して
と言う声もあり、これからも細々と続け、いろいろなニーズを吸い上げ
いるのか。
また、
カンファレンスの意義についての考えをお教えください。 ていきたいと思います。また、他の拠点病院では講演会なども実施
森田 地域で行うカンファレンスは2種類あると思います。一つは顔
しているようですが、今後は連携して地域全体での取り組みに広げる
の見える関係を構築するための多職種の集まりで、
準備会の段階から
ことができればと考えています。
医療職だけではなく介護職の人も含めて進めていくことが重要です。
また、参加者が必ず話す環境を整えることも必要なので、人数は5∼
6名に分けて、できれば席替えがあるような設定が良いと思います。
地域全体でがん医療を考える時代へ
ただし、最初は会話に入りづらいので、OPTIMスタディでは話す代わ
りにメモを書いた付箋をボードに張り付けていき、最終的に発言を
髙木 最後に一言ずつお願いいたします。
促すという手法をよく使いました。取り上げるテーマはなんでも良いで
塩川 講演でも述べましたが、薬剤師だけで地域連携を進めるのは
すが、例えば介護職が議論に参加できないような症状マネジメントの
不可能ですので、多職種で「ともに歩む」方向としたい。また、高齢化
細かい話題よりは心のケアなどの一般的なものが望ましいでしょう。 社会に向けて、そうした協働を進めるために、目的をより明確にする
もう一つは、同じ職種同士の横のつながりを目指すカンファレンス
ことが重要なのだとあらためて感じました。
です。例えば、臨床心理士や理学療法士などの各施設に少人数しか
海津 当院では患者の最後を見届けることができません。限られた
いない職種が、自分たちの行っていることが正しいのかどうかを確認
マンパワーの中ではありますが、患者や家族から何が求められている
するために、同じ職種同士で集まるというものです。
のか、
患者、
ご家族にとっての最善とは何かを常に問いかけつつ、
一件
落合 OPTIMスタディが終了した後の動きはいかがですか。
一件進めていきたいと思います。
森田 4地域のうち、3地域ではそのまま継続しています。浜松市では
塩田 先ほども少し触れましたが、自己負担の上限額が低くなる制度、
プロジェクトの後半で、この会は訪問看護師、こちらの会は別の部署
生命保険の在宅特約、重度障害者の医療費補助制度などまだまだ
などと各カンファレンスの機能分担を進めました。同職種同士のカン
知られていない制度もありますので、是非、MSWにお声掛けいただ
ファレンスは自然と継続しますが、多職種カンファレンスは声をかける
ければと思います。また、本日は他地域での取り組みを勉強できた
人がいないと断続的になりやすいので、今年からは病院や訪問看護
ことを感謝しております。これをいかに院内や地域に還元するかが
ステーションが世話人になって年2回程度のペースで実施しています。
今後の課題です。
森田 国の方針や制度に備える動きも重要ですが、患者や家族が
がんサロンなどは地域の既存の枠組みを
活用することが鍵
望んでいることを順番に対応していくことも必要です。5年も経てば
何かが出来ているので、太く短くではなく、細く長く活動することが
肝心だと思います。
落合 最近、がんカフェやがんサロンが注目されていますが、どのよう
髙木 全体を通していえるのは、介護保険が一足先に地域を包括
な形がよいと思われますか。
する体制になりましたが、がんも同様に地域で考える時代になったと
森田 がんサロンについては詳しくありませんが、啓発活動に関して
いうことですね。また、行政が指示して医療者や患者が動いていた時
OPTIMスタディから私が学んだことは、既存の枠組みをうまく利用
代は終わり、
地域が主体となる時代になったとも言えます。
これはある
すると円滑に進むということです。地域によりますが、民生委員や
意味、
辛い時代になってしまったという感もありますが、
今後もこうした
町内会などがすでに講演会やイベントを主催しているケースがよくあ
多職種の議論が必要と感じました。
本日はありがとうございました。
15
[制作]がん医療マネジメント研究会
[提供]大鵬薬品工業株式会社
代 表 幹 事 ● 髙木 安雄(慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科 教授)
運営事務局 ● 株式会社シナジー内
〒102-0071 東京都千代田区富士見2-7-2 ステージビルディング10F
Tel:03-4533-1100 Fax:03-4533-1107
URL. http://www.medi-net.or.jp/cdm/
2014年1月作成
14.01.78D002A-SY
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