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横浜植物防疫所塩釜支所弘前出張所開設(PDF:583KB)

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横浜植物防疫所塩釜支所弘前出張所開設(PDF:583KB)
植物防疫所病害虫情報 第 106 号(2015 年 7 月 15 日)
横浜植物防疫所塩釜支所
弘前出張所開設
植物防疫所からこうした施設への移動時間が短
1968 年に主に青森港での植物検疫業務に対
縮され、より円滑に輸出検査業務が行われるこ
応するため、同港に開設され、これまで植物検
とが期待される。
疫業務を実施してきた青森出張所は、近年のリ
管内におけるリンゴの輸出検査の 9 割以上を
ンゴ生果実の輸出検査の大幅な増加に伴い、本
台湾向けが占め、その輸出
年 7 月から事務所を弘前市
には県による生産園地の登
に移転し、弘前出張所とし
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録及び防除指導、植物防疫
て業務が開始された。
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所による選果こん包施設の
出張所管内では、2014 年、
登録等が必要である。円滑
全国のリンゴの輸出検査の
にリンゴを輸出するために
約 8 割 に あ た る 約 16,000 t
は、県と植物防疫所が緊密
の輸出検査が行われた。輸
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に連携をとり、選果こん包
出検査は通常、植物防疫所
施設等に対する指導及び情
で行うが、管内から台湾等
報提供が欠かせない。植物
に輸出されるリンゴについ
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防疫所が生産地や選果こん
てはそのほとんどが集荷地
包 施 設 に 近 く な る こ と で、
での検査となっている。輸
より細やかな対応が可能となり輸出者等の利便
出検査が行われる登録選果こん包施設等の多く
性も向上するものと考えられる。
は津軽地域にあることから、今回の移転により、
海外のニュース
イタリアのオリーブ危機 ―;\OHOODIDVWLGLRVD の感染拡大―
イタリアの南端プーリア州レッチェ(Lecce)
地方において、樹齢百年級の古木を中心に多数
のオリーブ生産樹が枯死する被害が発生して
いる。2013年10月、その原因として病原細菌
Xylella fastidiosa が確認された。本細菌はこれ
まで、北中米、台湾などで報告があり、カンキ
ツやブドウに大きな被害を与えてきたが(本誌
37、54、85号)、ヨーロッパの生産園地での発
見は初めてである。遺伝子解析の結果、観賞用
コーヒー苗やセイヨウキョウチクトウ苗を経路
としてコスタリカから侵入したものと推定され
ている。
イタリアはこの病気の流行を「植物病害によ
る初めての国家的危機」と宣言し、感染オリー
ブ樹やその他の宿主植物の除去を実施してい
る。加えて、本細菌伝搬の主要因である媒介虫
Philaenus spumarius(ホソアワフキ:日本既発
生)の防除が予定されている。当該虫はヨーロッ
パ全土に普遍的に分布し、オリーブ生産園地に
も大量に生息する。
本病の発生範囲は北へと拡大を続けており、
2013年12月には 8,000 haと言われていた感染
地域は、2014年10月には約3倍になったと推定
されている。先般、半島地形を利用してレッチェ
地方を隔離する形で3 km幅の根絶エリア地帯と
それを囲む緩衝地帯が設定された。しかし、そ
の後、感染地域の約30 km北で感染植物が発見
され、さらなる防除措置が実施されているとこ
ろである。
EU諮問委員会(EU advisory committee)は欧
州委員会(European Commission)に対して、コ
スタリカ及びホンジュラスからのコーヒー苗の
輸入を禁止するよう勧告した。また、EU各国に
対し新たな感染を確認した場合は、まん延を防
止するために、感染植物及びその半径 100 m以
内の宿主植物を全て除去すべきと提言した。
なお、我が国は本細菌の侵入を防ぐため、本年
5月から、宿主植物(栽培用)の輸入に際し「輸出
国での精密検定の実施」を発生国に求めている。
参考文献
672.67$' (( ) ,WDO\
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−8−
発 行 所 横浜植物防疫所
発 行 人 小野 仁
編集責任者 塚本 貴敬
掲載 植物防疫所ホームページ KWWSZZZPDIIJRMSSSV
無断転載禁止
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