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山県市民の歯と口腔の健康づくり計画(案) (PDF:2.13 MB )

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山県市民の歯と口腔の健康づくり計画(案) (PDF:2.13 MB )
山県市民の
歯と口腔の
健康づくり計画案
歯の健康から日本一健康な
市を目指して
平成 24 年
山県市
は じ め に
山県市長
林 宏優
目次
第1章
第2章
第3章
第4章
山県市民の歯と口腔の健康づくり計画策定の趣旨
山県市民の歯と口腔の健康現状と課題
山県市民の歯と口腔の健康づくりの目標と施策
計画の推進体制と評価
第1章
山県市民の歯と口腔の健康づくり計画策定の趣旨
1.計画策定の背景と趣旨
歯と口腔の健康づくりは、単に歯科疾患を予防するだけでなく、糖尿病や動脈硬化な
どの生活習慣病の予防、認知症予防や寝たきり防止につながるなど全身の健康に大きな
役割を果たしています。それと同時に、食事を味わう、会話を楽しむ、いきいきとした
表情で交流するなど生活の質の向上に直結するものです。
国においては、平成 23 年 8 月 10 日、「歯科口腔保健の推進に関する法律」が施行さ
れ、岐阜県においては、平成 22 年 4 月 1 日、
「岐阜県民の歯・口腔の健康づくり条例」
が施行されました。いずれも歯と口腔の健康づくりが、一人ひとりの質の高い生活の確
保につながることや日常生活での取り組みが重要であること、個人や関係機関、行政等
の緊密な連携を基本理念に据えています。
市では、平成 16 年度から市内保育園、幼稚園、小学校や中学校でフッ化物洗口、フ
ッ化物歯面塗布と歯科保健教育を実施しています。その結果、学童期のむし歯保有者が
減少し、県内市部でトップの成果を挙げています。また、平成 23 年 3 月に市民の自主
的な健康づくりの指針である山県市健康増進計画後期計画(以下「健康山県 21 後期計
画」という。)を策定し、歯の健康づくりを重点項目の一つに位置づけ、市民や地域、
団体、関係機関や行政が取り組むべき行動計画を明記し、推進しています。
このような中、全国的な傾向である歯肉炎保有者の増加や低年齢化、個人の健康管理
において重要な歯科健診等の受診率の低迷は、市においても共通の課題です。
そこで市は、全身の健康の保持・増進に深く関わり生活の質の向上に寄与する歯と口
腔の健康づくりのため、「山県市民の歯と口腔の健康づくり条例(以下「条例」とい
う。)」を平成 23 年 6 月 30 日に施行し、フッ化物洗口等の継続や歯周病予防対策等を重
要な柱とし、推進することとしました。
このたび、条例に込められた歯と口腔の健康づくりの基本理念、市民や関係機関等の
役割、市の責務、基本的施策を計画的に実施するため、「山県市民の歯と口腔の健康づ
くり計画」を策定し、歯と口腔から始める全身の健康づくりの指針を示します。
2.基本理念
本計画の基本理念は、次のとおりです。
(1)全身の健康に寄与し、健康寿命の延伸と生活の質の向上に深く関わる。
健康でいきいきとした生活を送ることは、だれもの願いです。生活の質の向上を支
える大きな柱の一つに「歯と口腔が健康であること」が挙げられます。歯を失う二大
原因であるむし歯と歯周病の予防に加え、食習慣の改善やよくかんで飲み込むという
そ しやくえ ん げ
口腔機能(咀 嚼 嚥下機能)の維持・向上を図ることで、生活習慣病・認知症予防の
効果が期待でき、健康で長生きすることにつながります。
(2)日頃の歯と口腔の健康管理を続けることが重要である。
-1-
むし歯や歯周病は、日頃の歯みがき等を怠るとかかりやすく、すぐ悪化してしまう
疾患です。歯ブラシだけでなく歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使い、毎日 1 回は
時間をかけて歯と歯ぐきの清掃をし、定期的に歯と口腔の状態をセルフチェックする
ことが大切です。
(3)歯科疾患の早期発見、早期治療が重要である。
日頃しっかりみがいていると思っても、歯ブラシが届いていなければみがき残しに
よる歯垢や歯石はできるものです。かかりつけ歯科医を持ち、定期的に歯科健診やプ
ロフェショナルケア(歯科医師、歯科衛生士による術者みがき等)を受けることや早
めに治療することが大切です。
(4)年代別、口腔の状態、歯科疾患の特性に応じ適切かつ効果的に行うことが重要あ
る。
仕上げみがきは、10 歳まで必要とされ、また、障がいや要介護状態になると本人
による適切な歯みがきが難しくなります。そのため、個人や家族、介護事業者等関係
者は、年代や状態に応じた対応ができるよう必要な知識や習慣を身につける必要があ
ります。また、歯科医師、歯科衛生士や歯科保健教育関係者は、歯科疾患予防の正し
い情報を常に提供し、支援することが大切です。
(5)歯科保健、歯科医療、福祉、教育、労働衛生分野の連携を図ることが重要である。
個人や家族の日頃の健康管理だけでは、歯と口腔の健康づくりは達成できないため、
関係機関や行政がそれぞれの役割を明確にした上で、連携をすることが大切です。
3.計画の位置づけと性格
本計画は、条例第 8 条に規定する基本的な計画かつ健康山県 21 後期計画の個別計画
として位置づけ、山県市次世代育成支援行動計画(やまがたっ子すくすくプラン)
、山
県市高齢者福祉計画、第 2 次山県市障がい者計画及び山県市食育推進計画と整合を図り、
生涯を通じた歯と口腔の健康づくりを市民、地域、関係機関・団体、行政が一体となっ
て推進する指針とします。
4.計画の期間
健康山県 21 後期計画が平成 27 年度に終期を迎えることから、本計画の計画期間は、
平成 24 年度から平成 27 年度までとし、最終年度に評価を行います。
-2-
第2章
山県市民の歯と口腔の健康現状と課題
1.人口動態と医療費の状況
・市の平成 24 年 4 月現在の人口は 28,940 人で、年少人口 3,549 人(12.3 %)、生産年
齢人口 17,655 人(61.0 %)、高齢者人口は 7,736 人(26.7 %)で、高齢化率は県
(24.6 %)と比較して高い状態です。
(岐阜県の年齢別推計人口 平成 24 年 4 月より)
・年間出生者数は昭和 50 年の 456 人から平成 2 年には 271 人、平成 17 年になると 193
人と 200 人を割り込み、平成 22 年は 164 人と減少傾向が続いています。
年間死亡者数は、昭和 50 年が 229 人から平成にかけ 300 人近くに増え、平成 22 年で
は 316 人です。
(岐阜地域の公衆衛生 2011 より)
・国保疾病名別医療費の順位は 1 位:循環器、2 位:新生物、3 位:内分泌、4 位:歯
です。疾病の分類は「う蝕」
「歯肉炎及び歯周疾患」
「その他の歯及び歯の支持組織の
障害」に分けられています。
(国保岐阜県疾病分類別統計表 平成 23 年 5 月診療分より)
2.年代・状態別の現状
(1)妊産婦期・乳幼児期(0 歳から 6 歳まで)
1)歯科的特徴
人の歯のもととなる歯胚は、妊娠 7 週目頃からつくられ始めます。そのため、生
まれてくる赤ちゃんの歯の形成において、妊娠中の母体の健康状態や栄養状態が影
響を与えることがあります。また、妊娠中はホルモンバランスの変化やつわりによ
る食事回数の増加、不十分な歯みがきなどが原因で口腔が不衛生になりやすく、妊
娠性の歯周病にかかりやすい傾向にあります。
個人差はありますが、子どもは、生後 6 ヶ月頃から乳歯が生え始め、2 歳 6 ヶ月
頃には全ての乳歯が生えそろいます。乳歯は永久歯に比べ歯の質は弱く、むし歯に
なりやすい性質を持っています。
妊産婦期、乳幼児期においては、「マイナス 1 歳からのむし歯予防」をキーワー
ドに妊娠期から歯と口腔の健康づくりを推進するとともに、むし歯の原因となるだ
液を介したミュータンス菌の母子感染を予防し、大切な乳歯を守っていくための取
り組みが重要になります。
2)3 歳児一人平均むし歯数(dmft指数)の状況
市の 3 歳児歯科健診結果によると、平成 23 年度の一人平均むし歯本数は 0.46
本です。経年的に多少の増減はあるものの、減少傾向にあります(図 1)。
-3-
(図 1
市 3 歳児健診結果集計より)
3)3 歳から 6 歳までの乳歯むし歯有病者率の状況
平成 23 年度市内保育園・幼稚園に通園する全園児の一人平均むし歯本数は、
1.02 本で、有病者率は全体のおよそ 2 割を占め、年齢が上がるにつれ増加してい
ます。また、むし歯を持つ園児については、一人で複数本持つ園児が多く、二極化
傾向にあることが指摘されています(図 2、図 3)。
(図 2、図 3 お子さんのお口の健康に関するアンケート調査結果より)
4)おやつの与え方
市の 3 歳児健診結果からは、「おやつを与える時間を決めていない」と 2 割以上
の人が答えています(図 4)。常におやつが食べられるような状態は、規則正しい
生活習慣の乱れにつながるばかりではなく、むし歯の発生率が高くなります。
-4-
(図 4
市 3 歳児健診結果集計より)
5)妊産婦歯科保健の状況
平成 18 年度から 3・4 ヶ月児健診時に母親の歯科健診(産婦歯科健診)を実施
しています。そこでは、母親の口腔状態を確認するとともに、むし歯菌の母子感
染を予防するため、母親の口腔の良好な健康状態を保つことを伝えています。
しかし、妊娠期の母親の口腔ケアからスタートさせることが最も効果があり理
想とされています。また、ここ数年、全国的に増加傾向にある低出生体重児※
出生(図 5、図 6)のリスク因子の一つとして歯周病が指摘されており、母胎の
健康管理のためにも、妊娠期からの歯科保健体制の充実が求められます。
このため市では、平成 24 年度から産婦歯科健診を妊婦歯科健診へと移行し、
妊娠期の歯科保健体制の充実に向けた取り組みを開始しています。
※低出生体重児…出生時に体重が 2,500g未満の新生児のこと。
(図 5 厚生労働省
-5-
人口動態統計より)
(図 6
岐阜地域の公衆衛生より)
6)取り組み
事業名
対象
概要・目的
妊婦歯科健康診査
妊婦
妊婦と胎児からの健康の保持増進及
び歯と口腔の健康づくりを進めるた
め、歯科健診、歯科保健教育を実施す
る(平成 24 年度から開始)
乳幼児歯科健康診
査
10・11 ヶ月児、1 歳 歯の萌出本数や生え方、むし歯の有
6 ヶ月児、3 歳児
無を確認するとともに、歯の磨き方や
手入れ方法について指導・相談を行う
はみがきけんしん
歯 が生 え 始 めた 就 歯科健診と歯の手入れを学び、フッ化
学前の乳幼児
物歯面塗布を行う
フッ化物洗口説明
会
保育園・幼稚園児の フッ化物洗口の効果と成果について
保護者
説明会を開催する
フッ化物洗口
保育園・幼稚園年中 むし歯予防のため、フッ化物洗口を保
児、年長児
育園、幼稚園において行う
はみがき教室
保育園・幼稚園園児 歯みがきの仕方や仕上げ磨きの仕方
とその保護者
について指導する
7)課題
・妊娠期での歯科保健体制を充実させること。
・乳歯のう歯が 3 歳以降増加すること。
・おやつの与える時間を決めていないこと。
(2)学童期(7 歳から 18 歳まで)
1)歯科的特徴
-6-
身体の成長発達に伴い、あごの骨も成長するこの時期は乳歯から永久歯へと交換
する大切な時期です。萌出したばかりの永久歯は、歯の質も弱く、歯の表面が粗い
ため汚れがつきやすく、むし歯になりやすい状態におかれています。
また、思春期になるとホルモンの不調和や生活環境の変化に伴い、むし歯だけで
なく歯周病(歯肉炎、歯周炎)のリスクが高まります。
学童期では、生涯にわたって使う大切な歯と歯肉を守るため、みがき残しのない
適切な歯みがき方法や望ましい生活習慣を身につける取り組みが必要です。
2)12 歳児の一人平均むし歯数(DMFT指数)の状況
平成 16 年度から開始したフッ化物洗口の効果等により、平成 23 年度 12 歳児の
一人平均むし歯数は 0.11 本と、県内市部において最も少ない本数となっています。
(図 7)
速報値
(図 7)
(山県歯科医師会・山県市養護教諭部会調べより)
3)歯肉炎保有者の状況
平成 21 年度から山県歯科医師会において「口の中の歯肉の 1 カ所でも炎症があ
れば『GO』以上の診断をすること」と定義を見直し、各小中学校で判定を行って
います。その結果、小学生で 3 割から 4 割、中学生で 5 割近く歯肉炎がみられます。
-7-
小中学生歯肉炎保有者の経年推移
(%)
60
50
49.1
45.2
40.5
40
30
45.8
44.5
38.1
30.1
34.2
小学校計
中学校計
20
10
0
H21年度
H22年度
H23年度
H24年度
(図 8 山県市養護教諭部会調べより)
4)歯科保健教育実施状況
市内小中学校でのフッ化物洗口のほか、平成 18 年度から歯科医師、歯科衛生士
による歯科保健教育(ブラッシング指導等)を実施しています。
教育現場からは、家庭での仕上げみがきの実践(きれいに磨けるかどうかは、器
用さ、歯列など個人差があるが、10 歳までは必要とされている)の少なさや、適
正な歯ブラシ選びが不十分なこと、習得した歯みがき技術が定着していないことな
どの課題が挙げられています。
5)取り組み
事業名
対象
概要・目的
ブラッシング指導
小中学生
年齢に合わせた正しい歯のみがき方、
正しい食習慣について健康教育を行う
要注意判定者に対
する歯科健診
小中学生の
学校歯科健診の結果が要注意判定の児
歯科健診要注意者 童、生徒に対し、概ね 6 ヶ月後に再度
歯科健診を行う
かむことの指導
小中学生と保護者 毎月 8 日を「いい歯の日」として、よ
くかみ、歯によい食品を給食に取り入
れる
おやつについて
の指導
小学 3・4 年生
学級活動でおやつのとり方について学
習する
フッ化物洗口
小中学生
むし歯予防のため、フッ化物洗口を小
中学校で行う
-8-
6)課題
・歯肉炎保有者が中学生に多いこと。
・保護者等による仕上げみがきが十分ではないこと。
・適正な歯ブラシ選びができていないこと。
・習得した歯みがき技術が継続できていないこと。
(3)成人期(19 歳から 64 歳まで)
1)歯科的特徴
成人期は、それまでの生活習慣の影響を大きく受け、口腔ケア不足等が原因でむ
し歯や歯周病にかかる人が増加します。歯周病の発症や進行は、リスク要因である
喫煙習慣の有無、適切な口腔清掃の程度により大きく変化し、将来の歯の喪失に影
響を及ぼします。加えて、しっかりかめないと食生活に支障をきたし全身の健康状
態にも大きく影響を与えます。
成人期では、高齢期の歯の喪失につながる歯周病やむし歯を予防するため、適切
な口腔清掃の定着を図るとともに、早期発見・早期治療につながる健診・相談体制
の整備が重要となります。
2)歯と口の健康に関する意識
①歯科保健教育アンケートより
平成 23 年度に歯科保健教育を行った「小中学校の保護者」と「市内企業に勤
務する従業員」10 ~ 70 代の男女 271 人に実施したアンケート結果の主なものは
次のとおりです。
ア.「過去一年間に歯科健診を受けた人」の割合は 48.3 %です。
イ.「かかりつけ歯科医を持っている人」の割合は 75.6 %です。
ウ.アンケート内のセルフチェックの結果から、
「歯周病の疑いが多少でもある人
(要注意・要検査・要治療)」の割合は 95.0 %です。(図 9)
1%
5%
24%
H23年度歯周病の
セルフチェック結果
健康
要注意
要検査
要治療
70%
(図 9
歯科保健教育アンケートより)
②健康づくり意識調査
-9-
健康づくり意識調査(健康山県 21 計画)結果から、次のことがわかっています。
・歯のことで困りごとがある人は、男性 44 %、女性 37 %いる。
・歯ぐきにトラブルがあると答えた人が 4 割以上いる。
・定期的に歯科健診を受ける人の割合が 2 割と低い。
・かかりつけ歯科医を持たない人が 2 割以上いる。
・歯間部清掃用具を使っている人は、男性 44.1 %、女性 57.7 %。また、使い方の
説明を受けたことがある人は、男性 27.7 %、女性 44.6 %である。
・ゆっくりよくかんで食事をすると答えた人は、男性 56.3 %、女性 74.9 %。
・20 歳から 34 歳までの女性の喫煙率が 22.5 %と全年代と比べ高い。また、家庭
内分煙している家庭は 19 %と低い。
3)歯科健診の状況
成人期の歯科健診は、受診率の低迷を理由に平成 22 年度から実施していません。
現在は一次予防として、歯と口腔の健康づくりに関心が持てるよう歯科衛生士によ
る歯科保健教育に重点をおいて取り組んでいます。
しかし、歯科健診は、自覚症状がない段階での歯周病を発見し治療につながる重
要な施策であるため、今後は、歯科健診の重要性を訴える歯科保健教育とあわせ、
受診しやすい健診体制の整備をする必要があります。
4)歯科保健教育の実施状況
平成 22 年度から歯の喪失の 2 大原因であるむし歯と歯周病の予防、適切な口腔
清掃方法の普及啓発を目的に、歯科衛生士による歯科保健教育を実施しています。
この歯科保健教育は、子育て世代、働き盛りの人を対象に、市内企業や小中学校で
実施しています。平成 22 年度は延べ 148 人、平成 23 年度は延べ 380 人の利用があ
ります。
5)取り組み
事業名
対象
概要・目的
料理教室
PTA
家庭教育学級で歯によいメニューの紹
介と実習、講話
歯科保健教育
市内企業、小中学校 歯周病とむし歯予防に関する講話、口腔
の保護者など
清掃方法の実技指導
広報
全市民
様々な媒体や場所で歯と口腔の健康づ
くりに関する普及啓発を行う
成人式歯科健診 新成人
フッ化物洗口の効果の確認と歯周病予
防を目的に実施
6)課題
・適切な歯みがき、歯科健診の受診、早期の治療など適切な口腔ケアの実践ができ
- 10 -
ていない人がいること。
・定期的に歯科健診を受ける人が少ないこと。
・歯科疾患等に関する知識の普及啓発が不十分なこと。
・成人期の歯科健診体制が不十分なこと。
(4)高齢期(65 歳以上)
1)歯科的特徴
高齢期になると、歯の喪失が急増し、残っている歯も歯肉の退縮によって露出し
た歯根面や義歯の金具にかかっている歯にむし歯が多くなります。
そ しやく え ん げ
また、加齢によって咀 嚼 嚥下機能が低下し、食物や飲み物の誤嚥が起こやすく
なり、肺炎等をひき起こすおそれがあります。
ご えん
市の高齢者の死因の第 3 位は肺炎となっています。肺炎のうちの多くは誤嚥性肺
炎といわれており、口腔機能の低下は全身の健康の保持・増進にも大きく影響を及
ぼします。定期的な歯石除去、歯面清掃と定期的な健康診査による早期治療が歯の
喪失防止に重要です。
2)口腔機能低下の状況
介護予防基本チェックリスト結果によると、生活機能が低下しているおそれの高
い高齢者(以下「二次予防事業対象者」という。)のうち、口腔機能の低下のおそ
れのある人(口腔機能該当者)が対象者の約半数を占めています。(表 1)
(表 1)介護予防基本チェックリスト 口腔機能該当者
二次予防事業
基本チェックリ
スト提出者(人) 対象者(人) 【再掲】 口腔機能該当者
(該当率※)
平成 20 年度
5,206
1,627
929 (57.1)
平成 21 年度
936
298
147 (49.3)
平成 22 年度
4,816
1,453
809 (55.7)
平成 23 年度
786
233
143 (61.4)
※該当率:二次予防事業対象者に対する「口腔機能」該当者の割合
口腔内トラブルや口腔機能の低下を感じているにもかかわらず、老化によるも
のと捉えている人が多く、口腔機能の変化や口腔ケアの必要性を理解し、取り組ん
でいる高齢者は少ないものと推測されます。
3)歯科保健教育の実施状況
一次予防事業として、高齢者とじこもり予防事業や老人クラブ・ふれあいサロン
等で歯科保健教育を実施するなど、高齢期での口腔ケアや口腔機能に関する知識の
- 11 -
普及啓発に力を入れています。
また、二次予防事業対象者に対しては、介護予防教室※において歯科衛生士によ
る「口腔機能向上プログラム」を実施しています。(表 2)
※介護予防教室では、口腔機能向上、運動器の機能向上、栄養改善の複合プログラ
ムを実施しています。
(表 2)介護予防教室(口腔機能向上プログラム)参加状況
教室会場数
実施回数
参加実人数
参加延人数
平成 20 年度
1
5
42
167
平成 21 年度
5
25
74
218
平成 22 年度
2
6
39
101
平成 23 年度
2
6
31
66
教室参加後のアンケートでは、
「お口の健康に気をつかうようになった」
「口腔機
能を維持することの大切さが分かった」と回答する人が参加者の大半を占め、口腔
機能維持や口腔ケアに対する意識の向上や行動変容にもつながっています。
しかし、教室参加者は口腔機能該当者の 10 %程度にとどまっており、口腔機能
向上の取り組みが必要とされる人への支援は十分とはいえません。今後、教室不参
加者に対する教育や支援をどのように行うかが課題です。
4)8020 達成状況
高齢者においても歯の喪失が 10 本以下であれば食生活に大きな支障を生じない
そ
との研究に基づき、生涯にわたり自分の歯を
20 本以上保つことにより健全な咀
しやく
嚼 能力を維持し、健やかで楽しい生活を過ごそうという 8020(ハチマル・ニイ
マル)運動が提唱・推進されています。市においては、山県口腔保健協議会が表
彰を実施し、年々達成者が増加しています。
- 12 -
(表 3)8020 達成者数
達成者数
平成 20 年度
24
平成 21 年度
26
平成 22 年度
38
平成 23 年度
45
歯の喪失が少なく、よく噛めている人は生活の質や活動能力が高く、運動・視聴
覚機能に優れていることが明らかになっています。また、医療費が低いとの報告も
あります。
8020 達成者の歯の健康状態や意識・行動などについて調査し、その結果を踏ま
えてより効果的な対策を検討する必要があります。
5)取り組み
事業名
対
象
概要・目的
介護予防教室 二次予防事業参加
者
口腔機能維持・向上について、口腔ケ
アの方法等の教育を行う
歯科保健教育 高齢者とじこもり
事業参加者
老人クラブ・ふれあ
いサロン等
6)課題
・口腔機能維持・向上や口腔ケアの必要性に対する認識が不十分であること。
・自分にあった正しい口腔ケアの方法を知らないこと。
・口腔トラブルをそのままにしている人がいること。
・歯科保健教育や相談体制が十分整っていないこと。
(5)在宅要介護者・障がい者
1)在宅要介護者の歯科保健の現状
在宅療養者訪問歯科指導事業の利用状況を見ると、毎年 3 〜 4 件にとどまってい
ます。
- 13 -
(表 4)在宅療養者訪問歯科指導実施件数
実施件数
平成 20 年度
3
平成 21 年度
3
平成 22 年度
4
平成 23 年度
4
訪問歯科指導は、要介護者や介護者(家族)の口腔に対する意識が低いケースが
多く、ケアマネジャーにおいても、口腔ケア等の優先順位に差があるなど、指導実
施件数が伸びない原因を抱えています。
また、介護認定調査時の本人または家族への聞き取り結果からは、口腔に関する
次のような現状がみられます。
<要介護者・介護者(家族)の口腔に関する現状>
・歯科医への受診が困難(通院手段の問題)。
・歯を喪失したままにしているため、歯ぐきで食べるようになっている。その状
態で食事に慣れてしまったため、放置している。
・義歯があっても使用していない要介護者が多い。
・義歯に汚れが付いたままになっている。
・介護者の口腔に対する意識が低い。またケアが不十分(口腔ケアに抵抗感が
ある介護者もいる)。
・義歯をはずさない要介護者もおり、口腔ケアが十分できていない。
・義歯の手入れ方法が間違っている。
・要介護者が口腔を清潔に保つという意識が低い。
・口の中を見せたがらない(口腔が汚れているという自覚はある)。
・口腔ケアの重要性が理解できると、熱心に取り組む介護者もいる。
口腔に問題があるにも関わらず、十分な治療や正しいケアができない要介護者が
多く、口腔衛生に対する意識が低いケースが多く見受けられます。
2)在宅障がい者の歯科保健の現状
障がい者は一般的に健常者に比べ歯科疾患の有病率が高いといわれています。障
がいそのものが原因である場合と、口腔衛生に関しての認識不足により自己管理が
不十分となり、歯科疾患や口腔ケアへの対応が遅れることなどが考えられます。
また、介護者(家族)においても、障がいに対する介護が中心となり、口腔の管
理まで行き届かないのも現状です。このほか、要介護者での調査においても、口腔
そ しやく
衛生状態の改善や、咀 嚼 能力の改善を図ることが、誤嚥性肺炎の減少や、ADL※
の改善に有効であることが示されています。
※ADL…身体的な自立度を生活機能からみた目標で日動生活動作能力と訳され、
日常動作がどの程度自分の力で遂行できるかを計るための尺度であり、介護の必
要度も表します。
- 14 -
3)取り組み
事業名
対象
概要・目的
在宅療養者訪問歯 在宅要支援・要介護
科指導
認定者とその家族
健診、相談、保健指導を行う
ケアマネジャー連 ケアマネジャー
絡会での資質
向上研修
口腔ケアの必要性等について理解
を深め、ケアプランへ反映させると
もに、要介護者の心身状態の改善を
目指す
4)課題
・歯を喪失したままでいる人が多いこと。
・義歯を使用していない人がいること。
・健診・診察・相談体制が十分整っていないこと。
・介護従事者の口腔ケアに関する知識及び技術の向上が必要であること。
・要介護者に関わる職種間の連携が不十分であること。
・地域での障がい者の歯科に関する問題に対処できる専門職が不十分であること。
(6)施設入所要介護者・障がい者
1)施設入所要介護者での歯科保健の現状
市内の介護保険施設に聞き取り調査を行ったところ、次のような現状がみられます。
<介護保険施設での主な取り組みと問題点>
【主な取り組み】
・起床時、食後、就寝前等日課として口腔ケアを行う時間を確保している。
・定期的に勉強会や研修会を行い、施設職員の資質向上を図っている。
・食前の口腔体操等を取り入れ、入所者へ口腔に対する意識向上を図っている。
・口腔ケアが不十分な入所者に対しては、施設職員が見守りや介助を行っている。
・口腔ケアが自分でできない入所者に対しては、施設職員が全面的に口腔ケアを
行っている。
・「口腔ケア委員会」を設け、毎月口腔に関する目標を立て、施設職員間で目標を
共有し取り組んでいる施設がある。
・入所時に口腔内状態をチェックし、その後の口腔ケアに生かすようにしてい
る施設がある。
【問題点】
・入所者全てが定期的な歯科健診を受ける体制があるわけではない。
・定期的に歯科医師・歯科衛生士によるケアが必要な入所者は専門的口腔ケアを
受けられるが、必要でないと判断された入所者は、専門的口腔ケアを受ける機
会がない。
・家族の理解が得られず、専門的口腔ケアを受けられていない入所者がいる。
・自分で口腔ケアができる入所者の手技に差があり、効果的な手技でできない入
所者もいる(今までのやり方を変えられない)。
・口腔ケアを嫌がって実施しない(できない)入所者への対応をどのようにして
いくか。
・施設職員の中にも正しい口腔ケアの手法の理解度に差がある。
・入所者ごとに歯科医・歯科衛生士が異なるため、施設として把握しづらい。
- 15 -
・歯科医師・歯科衛生士と施設職員の情報共有や連携を密に図る必要性を感じ
る。
施設職員が口腔ケアの重要性を認識し、積極的に取り組んでいる施設が多くありま
した。しかし、入所者によって専門的口腔ケアを受ける体制や口腔ケアの手技に差が
あるなどの問題もあります。
2)施設入所障がい者での歯科保健の現状
市内の障がい者施設に聞き取り調査を行ったところ、次のような現状がみられま
す。
<障がい者施設での主な取り組みと問題点>
【主な取り組み】
・年 1 回の健診と歯科医師による毎月の訪問診療・口腔ケアを受けられる体制
が整っている。
・日課に口腔ケアの時間が組み込まれており、習慣になっている。
・施設ごとに担当歯科医師がいるため、個々の入所者の状態がきちんと管理され
ている。また、個々にあったケアの方法などについて助言を受けている。
・口腔ケアはできる限り入所者が行い、施設職員が見守り、手を添えて介助し、
仕上げ磨きを行うなど、きめ細やかな対応が行われている。
・施設職員同士の情報共有を図っている。
・口腔ケアができない入所者に対しては、施設職員が全面的に口腔ケアを行っ
ている。
・毎月、訪問診療があるため、口腔内トラブルに対して早めの対処が可能であ
る。
【問題点】
・障がいの程度や口腔ケアの理解度がさまざまであるため、施設職員に豊富な
知識と技術が要求される。
・入所者一人の口腔ケアに要する労力が大きいため、細かい部分まで十分なケ
アができない(もう少しゆっくりケアする時間を確保したい)。
・口腔ケアを嫌がる入所者に対するケアの方法をどうするか。
そ しやく え ん か
・障がいの程度にもよるが、咀 嚼 嚥下機能の低下が早くおとずれる人に対する
食事の支援方法をどうしていくか。
・今できている口腔ケアを今後も継続していけるのか。
歯科医師による定期的な歯科健診を行う体制が確立されており、施設職員の口腔
ケアに対する認識も高く、きめ細やかなケアが行われています。
障がい者が口腔ケアの必要性を理解し、取り組むことが困難である場合が多いため、
施設職員による入所者一人ひとりに合った口腔ケアを進めることが重要です。
3)取り組み
現在実施している取り組みはありません。
4)課題
・介護保険施設においては、歯科健診の実施や関係職種との連携体制が十分整って
いないこと。
・口腔ケアを嫌がる入所者に対する支援が困難であること。
・要介護者・障がい者の状態が一人ひとり異なるため、施設職員による状態に応じ
- 16 -
た口腔ケアを行うための知識や技術の向上が必要であること。
・きめ細やかな口腔ケアを行うためのマンパワーが不足していること。
3.市内の歯科医師数等の状況
総数
人口 10 万対比
診療所開設者
診療所勤務者
歯科医師数
14
47.3
10
4
歯科衛生士数
28
94.5
0
28
歯科技工士数
6
20.3 3(歯科技工所)
3
(表 5)
(岐阜地域の公衆衛生 2011 より)
- 17 -
第3章
山県市民の歯と口腔の健康づくりの目標と施策
1.基本的方向性
むし歯や歯周病を予防することや歯科疾患や歯の喪失を治療することは、歯と口腔の
健康づくりにおいての重要な要素です。
むし歯や歯周病は、歯垢が原因であり、いずれも適切な口腔ケアの維持により予防が
できる生活習慣病としての性格を有しています。適切な歯みがきや望ましいおやつのと
り方など食生活への配慮、子どもの仕上げみがきなど家族ぐるみで取り組むことが重要
です。
さらに歯垢は、歯の形態や歯列の状況などから、自己管理だけで完全に除去すること
は難しいため、歯科医師、歯科衛生士による適切な予防処置(フッ化物応用)、歯石除
去や歯面清掃等の専門的ケア)を組み合わせて行うことが効果的です。
市は市民の個人の歯と口腔の健康づくりを支援する体制を強化するために、歯科保健
や歯科医療、福祉、介護、学校や事業所、保険者などが連携し情報共有した上で、効果
的に歯科保健知識・技術を習得できるような環境づくりを支援します。
また、保育園等や学校ではフッ化物洗口、歯科医院ではフッ化物歯面塗布を継続し歯
科保健教育を進め、保険者は被保険者の、事業主は従業員の歯と口腔の健康づくりを支
援すること、介護や障がい者施設は、入所者に対する口腔ケアの重要性を認識し充実さ
せること、市は、歯科医師等と一体となった歯科保健に関する研究、研修会や講演会を
開くなど歯科保健教育の環境を整えること、健診や治療を受けやすくするよう啓発が求
められます。
これらを基本的方向性とし、歯と口腔の健康を生涯保ち、食事を味わい、会話を楽し
み、いきいきとした生活を送ることを目指します。
2.基本目標
(1)80 歳で 20 本以上自分の歯を持つ人を増やす。
(2)フッ化物洗口を引き続き行い、永久歯むし歯ゼロを目指す。
(3)歯肉の健康管理ができる人を増やす。
3.基本的施策
(1)情報収集・提供、連携体制の構築【全般】
市民、歯科医療や歯科保健、福祉、教育等に携わる人々、事業主や保険者など、各
分野の推進主体が役割分担して、総合的かつ計画的に取り組む必要があります。この
ため、市は歯科保健に関する情報収集と提供を行い、各分野との連携を図ります。
(2)幼児・園児、小中学生へのフッ化物洗口事業によるむし歯予防対策、歯肉炎予防
対策、健康教育【妊産婦・乳幼児・学童期】
平成 16 年度から実施しているフッ化物歯面塗布、フッ化物洗口と歯科保健教育を
引き続き実施することで、むし歯予防を徹底し、同時に低年齢化が進んでいる歯肉炎
- 18 -
予防は喫緊の課題として取り組みます。
(3)成人への歯科教育等による歯周病の予防対策【成人期】
歯科健診を受診することは歯周病予防の基本的な対策の一つですが、現状では、自
身の意識喚起、行動変容を図るため、学校や事業所の協力のもと歯科保健教育に重点
をおいています。今後は歯科保健教育とともに受診しやすい効果的な健診体制の整備
を進めます。
(4)高齢者への口腔機能の維持・向上のための対策【高齢期】
そ しやく え ん げ
よくかんで飲み込むという口腔機能(咀 嚼 嚥下機能)の維持・向上を図ることが
健康寿命の延伸、生活の質の向上をもたらすことを啓発し、歯が喪失した場合でも放
置せず、歯科医へ速やかに受診するよう促します。
また、高齢期を迎えるまでの歯科保健に対する考え方や取り組み、環境が影響する
ため、一人ひとりの将来を見据えた、かつ年代に応じた歯科保健教育の充実を図りま
す。
(5)障がい者または介護の必要な高齢者であって、定期的に歯科健診、歯科医療を受
けることができない人への訪問歯科医療、訪問口腔ケア【障がい者・要介護者】
及び(6)日常的な口腔ケアを受けることができない人を介護する人への口腔ケアに
重要性の普及啓発【障がい者・要介護者】
障がい者または介護の必要な高齢者への訪問歯科医療、訪問口腔ケアについては、
急速な高齢化に対応できる体制の整備が必要です。
要介護者本人や介護者(家族)、ケアマネージャー、障がい者・介護施設、介護事
業所の取り組み、理解と協力が、要介護者はもちろん家族の生活の質の向上につなが
ります。このため、口腔ケアの認識を高めることが重要で、口腔保健に関する知識及
び技術のさらなる向上が必要であることを啓発します。
また、障がい者・要介護者や家族、障害者・介護施設、介護事業者、ケアマネージ
ャー、歯科医師等が連携し、
「口腔の清掃状態」
「むせの状況」
「飲み込みの状況」
「食
ざん さ
ぜつたい
事の摂食状況」に加え、「食物残渣」「歯垢」「舌苔」「口臭」「残存歯の有無」等をケ
アプランに反映させ、歯科医療、口腔ケアを進めるよう検討します。
(7)8020 運動の推進、定期的な調査、効果的な予防や医療に関する研究【全般】
引き続き 8020 運動を推進し、歯の健康は全身の健康につながり、健康長寿の達成、
生活の質の向上につながることを全世代へ周知するとともに、口腔保健に関する実態
調査や意識調査などで現状を把握分析し、効果的な施策を実施します。市は、歯科医
師等と一体となった研究会、研修会や講習会を開くなど研鑽を積みます。
4.課題への対策と目標
年代別、状態別に前章で挙げた課題(下線
- 19 -
)への対策、行動目標、意識目標、環
境目標と目標値は次のとおりです。
課題への対策と環境目標は、市や関係団体を中心に市民と協力して取り組み、行動目
標と意識目標は、市民一人ひとりが主体的に、周囲の協力を得ながら取り組むこととし
ます。
(1)妊産婦・乳幼児(0 歳から 6 歳まで)・学童期(7 歳から 18 歳まで)
【課題への対策】
・妊娠期での歯科保健体制を充実させること。
「マイナス 1 歳からのむし歯予防」として始めた妊婦歯科健診を周知、定着
させることが第一歩です。他の乳幼児・母子健診や相談、赤ちゃん訪問など妊
婦、産婦との接触機会を密にし、普及に努めます。
・乳歯のう歯が 3 歳以降増加すること。
・乳歯のう歯保有者が二極化していること。
・おやつを与える時間を決めていないこと。
食事やおやつの時間をはじめとした食習慣、遊び、入浴、就寝など日常生活
の基礎を培う大切な時期なため、家庭での教育・しつけや保育園、幼稚園での
教育がカギとなります。乳幼児歯科健診やはみがきけんしん、フッ化物歯面塗
布など受診率の維持向上を図り、3 歳以降のむし歯の減少を図ります。二極化
についても、歯科医師、家庭生活や学校教育との連携により解消するよう努め
ます。
・歯肉炎所有者が中学生に多いこと。
・保護者による仕上げ磨きの実施が十分ではないこと。(10 歳まで必要とされてい
る)
・適正な歯ブラシの選択ができていないこと。
・習得した歯みがきの技術が継続できていないこと。
歯みがきが適切にできないまま、子ども 1 人でみがいていることや時間をか
けていないこと、歯面のみにブラシを当てていることなど、子ども自身の気づ
きを促すためにも保護者による仕上げみがきが重要です。子どもの仕上げみが
きをすることで保護者自身も自分の歯に関心を持つことができます。また、フ
ッ化物洗口等と並行して自身による適切な歯みがきを習慣化することの重要
性を引き続き啓発します。
【行動目標】
・妊婦歯科健診を受ける。
・乳幼児歯科健診や「はみがきけんしん」を受ける。
・妊娠期の特性に応じた口腔ケアを身につける。
・おやつをとる時間を決め、だらだら食べや回数に気をつける。
・フッ化物歯面塗布、フッ化物洗口を利用する。
・仕上げみがきの実施率を高める。
・適正な歯ブラシを使う。
- 20 -
・的確に歯みがきをする。(歯ブラシだけでなく歯間ブラシ、デンタルフロスな
どを使い、毎日 1 回は時間をかけて歯と歯ぐきをみがく)
【意識目標】
・妊娠に伴う体の変化や特性を理解する。
・乳歯のむし歯が永久歯に影響することを認識する。
・10 歳までは仕上げみがきが必要なことを理解する。
・フッ化物応用(フッ化物歯面塗布)がむし歯予防に効果があることを理解する。
・歯と口の健康が全身の健康につながることを理解する。
・的確な歯みがきとフッ化物洗口でむし歯予防ができることを理解する。
・よくかんで味わって食べる習慣を身につける。
・初期の歯肉炎は、的確な歯みがきや歯石除去により正常な歯肉に回復すること
ができることを理解する。
【環境目標】
・歯科保健教育、保健指導の充実とその周知を図る。
・食生活改善、規則正しい生活が与える効果を周知する。
・母子感染予防の周知をする。
・乳幼児健診に訪れる母親を対象に歯科保健教育等を実施する。
・フッ化物応用(フッ化物歯面塗布)によるむし歯予防、歯科保健教育を継続する。
・食育部門と連携しておやつの好ましいとり方の啓発を進める。
・歯の健康が全身の健康につながることを理解する。
・フッ化物洗口によるむし歯予防、歯科保健教育を継続する。
・食生活改善、規則正しい生活習慣が与える効果を周知する。
・自主的に継続して的確な歯みがきができるよう支援する。
【目標値】
目標項目
目標値
目標項目 1
目標値 1
目標項目 2
目標値 2
むし歯のない人の増加(3 歳)
90 %以上
歯ぐきに症状のある者の減少(12 歳)
20 %以下
1 人平均永久歯むし歯の減少(12 歳)
永久歯むし歯のない人(12 歳) 80 %以上
01 本以下
(2)成人期(19 歳から 64 歳まで)
【課題への対策】
・適切な歯みがき、健診の受診、早期の治療など適切な口腔ケアの実践ができて
いない人がいること。
・定期的に歯科健診を受ける人が少ないこと。
・歯科疾患等に関する知識の普及啓発が不十分なこと。
- 21 -
・成人期の歯科健診体制が不十分なこと。
「健康を保持するために何をしますか?」と問われると多くの人が「食事に気
をつける」や「運動する」と答えます。生活習慣病やがんの予防への関心は高い
ことを示しています。一方、「なぜ歯をみがくの?」と問われると「歯を白く美
しくするため」「清潔にするため」と多くの人が答えるのが現状です。
このため、引き続き適切な歯みがき、歯科健診の受診が歯周病予防と全身の健
康に直結することを周知します。
【行動目標】
・適切な歯みがきをする。(歯ブラシだけでなく歯間ブラシ、デンタルフロスなど
を使い、毎日 1 回は時間をかけて歯と歯ぐきをみがく)
・定期的に歯科健診を受け、必要に応じて治療を受ける。
・歯科医師、歯科衛生士から適切な歯みがきの仕方を学び、プロフェショナルケ
ア(術者みがき等)の定期的なメンテナンスを受ける。
・かかりつけ歯科医を持つ。
ご えん
歯周病は、歯を失う大きな原因であるとともに、心臓病、糖尿病、誤嚥性肺炎、
こ つ そ しようしよう
低出生体重児出産、骨粗 鬆 症 など関わりの深い疾患です。しかし、自覚症状は
少なく、重度化してから治療をはじめるケースも少なくありません。このため定
期的に歯科健診を受け、早期に発見し、治療につなげられるようかかりつけ歯科
医を持つことが重要です。
・歯と口腔の状態を月 1 回セルフチェックする。
・喫煙を控える(やめる)。
【意識目標】
・歯と口腔の健康は全身の健康につながること、生活の質の向上につながることを
理解する。
・初期の歯肉炎は、適切な歯みがきや歯石除去により正常な歯肉に回復することが
できることを理解する。
・かかりつけ歯科医を「歯科健診・医療をしてくれる人」から「歯と口腔の健康づ
くりパートナー」へと認識を変える。
【環境目標】
・歯と口腔の健康は全身の健康につながること、生活の質の向上につながることを
周知する。
・歯科保健教育、有効な歯科健診体制を整備し、周知する。
・定期的に健診を受診する意識を喚起する。
・歯科保健教育を実施する事業所を増やす。
・日本歯科医師会が作成した「標準的な成人歯科健診プログラム・保健指導マ
ニュアル」を活用し、歯科医師等が事業所へ出向かない方法を検討する。
- 22 -
【目標値(参考)
】
目標項目、目標値は、市独自では調査、把握及び設定が困難なため、ここでは、
県の歯科保健計画で挙げられている項目等を記載しています。
目標項目 1 進行した歯周病(4 ミリ以上のポケット)を有する人の減少
(50 歳)
目標値 1
40 %以下
目標項目 2 進行した歯周病(4 ミリ以上のポケット)を有する人の減少
(40 歳)
目標値 2
30 %以下
(3)高齢期(65 歳以上)
【課題への対策】
・口腔機能維持・向上や口腔ケアの必要性に対する認識が不十分であること。
・自分にあった正しい口腔ケアの方法を知らないこと。
・口腔トラブルをそのままにしている人がいること。
・歯科保健教育や相談体制が十分整っていないこと。
むし歯予防、歯周病予防とともに口腔機能の維持・向上を図ることが重要である
ことを啓発し、歯が喪失した場合でも放置せず、歯科医へ速やかに受診するよう促
します。
【行動目標】
・適切な歯みがきをする。(歯ブラシだけでなく歯間ブラシ、デンタルフロスなど
を使い、毎日 1 回は時間をかけて歯と歯ぐきをみがく)
・定期的に歯科健診、歯石除去や歯面清掃を受け、必要に応じて治療を受ける。
・かかりつけ歯科医を持つ。
・義歯の手入れを適切に行う。
何でも食べるためには、自分の歯や義歯が必要です。また、歯科治療のみなら
せ つしよく え ん げ
ず、摂 食 嚥下機能の訓練が必要な場合があるためかかりつけ歯科医を持つこと
が大切です。
・歯が喪失した場合は放置せず、速やかに受診する。
・フッ化物応用を取り入れる。
【意識目標】
・歯と口腔の健康は全身の健康につながること、生活の質の向上につながることを
理解する。
【環境目標】
・歯と口腔の健康は全身の健康につながること、生活の質の向上につながることを
- 23 -
周知する。
・介護予防の観点からの歯科保健教育、歯科保健指導の充実を図る。
・定期的に受診する意識を喚起する。
【目標値(参考)
】
目標項目、目標値は、市独自では調査、把握及び設定が困難なため、ここでは、
県の歯科保健計画で挙げられている項目等を記載しています。
目標項目 1 かむことに満足している人の増加(80 歳)
目標値 1
70 %以上
目標項目 2 20 歯以上の自分の歯を有する人の増加(80 歳)
目標値 2
70 %以上
(4)障がい者・要介護者
【課題への対策】
・歯を喪失したままでいる人が多いこと。
・義歯を使用していない人がいること。
・健診・診察・相談体制が十分整っていないこと。
・介護従事者の口腔ケアに関する知識及び技術の向上が必要であること。
・要介護者に関わる職種の連携体制が不十分であること。
・地域での障がい者の歯科に関する問題に対処できる専門職が不十分であること。
・介護保険施設においては、歯科健診の実施や関係職種との連携体制が十分整って
いないこと。
・口腔ケアを嫌がる入所者に対する支援が困難であること。
・要介護者・障がい者の状態が一人ひとり異なるため、施設職員による状態に応じ
た口腔ケアを行うための知識や技術の向上が必要であること。
・きめ細やかな口腔ケアを行うためのマンパワーが不足していること。
障がい者・要介護者や介護者の口腔ケア、口腔保健に対する認識は、他の身体症
状、疾患と比べ、優先順位が低くなりがちなのが現状です。しかし、高齢化の進展
に伴って障がい者、要介護者も増加することが予想され、意識啓発、健診・相談体
制の充実が求められます。そのためには、関係者同士の連携と従事者への教育、研
修、人員増強が必要です。また、障がい者・介護施設入所者に比べ、在宅の人への
口腔ケア、歯科医療が十分でないため、訪問口腔ケア・医療の普及啓発と体制の充
実を図ります。
【行動目標】
・歯が喪失した場合は放置せず、速やかに受診する。
・歯科医師等の口腔ケア、医療を定期的に受ける。
・かかりつけ歯科医を持つ。
・介護者等は、適切な口腔ケア方法を身につけ、できる限り普段の口腔ケアを介助
する。
- 24 -
【意識目標】
・本人やその家族が歯と口腔の健康が全身の健康につながることを理解する。
【環境目標】
・障がい者・介護施設の歯科保健教育を充実させる。
・歯科健診、相談、口腔ケア体制の整理・充実を図る。
・在宅障がい者等への訪問口腔ケア・医療を充実させる。
- 25 -
第4章
計画の推進体制と評価
1.それぞれの役割
目標を達成するため、条例に規定した市民の役割(行動変容や意識付けを行うこと)、
関係機関等の役割(意識付けや環境を整えること)、市の責務(計画や事業を整備、実
施すること)を果たすことが必要です。
(1)市民の役割
・知識と理解を深めます。
・口腔清掃等で歯科疾患を予防します。
・歯科健診を定期的に受けます。
・必要に応じて歯科治療を受けます。
(2)歯科保健、歯科医療、教育等の役割
・市民の歯と口腔の健康づくりを支援し、互いに連携、協力します。
(3)事業者、保険者の役割
・従業員や被保険者の歯科健診、保健指導の機会を確保します。
・歯と口腔の健康づくりに取り組みます。
(4)市の責務
・総合的、効果的な施策を策定し、実施します。
2.推進体制と評価
市内小中学校ではフッ化物洗口が進められ成果を挙げています。この成果は、児童、
生徒自身や家族、学校、歯科医師、歯科衛生士等関係者等が目的を理解し、取り組みに
協力、連携することによるものです。逆にこの成果は、家庭教育学級や授業参観などを
通じて、その保護者や家族の行動変容へと波及しています。こうした学校を中核として
地域社会や家庭との連携、協力のもと総合的、包括的に進める健康づくりをヘルスプロ
モーティングスクールといいます。現在、市の歯と口腔の健康づくりにおいて、このヘ
ルスプロモーティングスクールは緒に就いたばかりで、今後、フッ化物洗口の成果をさ
らに地域へ広げていくことが求められます。
市において市民一人ひとりの歯と口腔の健康づくりを実現させるには、様々な人や環
境、設備、教育、資金が必要となり、長い月日を要します。しかし近年、行政による施
策だけでは解決できない課題に対して、人々がつながりを持ち、協力関係を築くことで
解決に導くことができるというソーシャルキャピタルの概念が注目されています。古く
から存在する地域のつながりと相互扶助の精神を発揮することが有効だということで
す。
ヘルスプロモーティングスクールもソーシャルキャピタルもそのキーワードは地域
や家庭の連携、絆です。これら市の財産を原動力に市民一人ひとりの生涯にわたる歯と
- 26 -
口腔の健康づくりを進めます。
市には、歯科医師、学校、保育園、福祉施設、行政などの分野の代表及び担当からな
る山県口腔保健協議会が組織されており、毎年の取り組み状況を確認し、最終年度(平
成 27 年度)において評価、見直しなどを行います。
- 27 -
○山県市民の歯と口腔の健康づくり条例
平成 23 年 6 月 30 日
条例第 13 号
(目的)
第 1 条 この条例は、歯と口腔の健康づくりに関する基本理念を定め、市の責務及び市民等
の役割を明らかにするとともに、施策の基本的な事項を定めることにより、生涯を通じた
歯と口腔の健康づくりに関する施策を総合的に推進し、もって市民の健康の保持及び増進
に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第 2 条 歯と口腔の健康づくりは、生活習慣病の予防、寝たきりの防止、認知症予防を観点
に健康寿命の延伸及び生活の質の向上に深く関わっているという認識のもと、個人の意思
や人権を尊重しつつ行うものとする。
2 歯と口腔の健康づくりは、市民の日常生活における歯及び口腔の疾患(以下「歯科疾患」
という。)の予防に向けた生涯にわたる取組並びに歯科疾患の早期発見及び早期治療が重
要であるという認識のもとに行うものとする。
3 歯と口腔の健康づくりは、乳幼児期から高齢期までのそれぞれの時期における口腔の状
態及び歯科疾患の特性に応じて適切かつ効果的に行うものとする。
4 歯と口腔の健康づくりは、歯科保健、歯科医療、福祉、教育、労働衛生その他の分野に
おける施策相互の連携が確保されるよう行うものとする。
(市の責務)
第 3 条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、歯と口腔の
健康づくりに関する総合的かつ効果的な施策を策定し、実施する責務を負う。
(市民の役割)
第 4 条 市民は、歯と口腔の健康づくりに関する知識及び理解を深めるよう努めるものとす
る。
2 市民は、日常生活における適切な口腔清掃等により歯科疾患を予防し、定期的に歯科健
診又は歯科医療を受け、歯と口腔の健康づくりに取り組むよう努めるものとする。
(歯科保健、歯科医療、福祉、教育等に関係する者の役割)
第 5 条 歯科保健、歯科医療、福祉、教育等に関係する者は、基本理念にのっとり、市民の
歯と口腔の健康づくり並びにそれぞれのものが行う歯と口腔の健康づくりに関する活動
との連携及び協力を図るよう努めるものとする。
(事業者、保険者の役割)
第 6 条 事業者は、その事業所において雇用する従業員に対する歯科に係る健診及び保健指
導(以下「歯科健診等」という。)の機会の確保その他歯と口腔の健康づくりに関する取組
を推進するよう努めるものとする。
2 保険者は、その被保険者等に対する歯科健診等の機会の確保その他歯と口腔の健康づく
りに関する取組を推進するよう努めるものとする。
(基本的施策の実施)
第 7 条 市は、市民の歯と口腔の健康づくりを推進するため、次に掲げる基本的施策を実施
する。
(1) 市民の歯と口腔の健康づくりに関する情報の収集及び提供並びに歯と口腔の健康づ
くりに関する活動に関わる者等との連携体制の構築を推進すること。
(2) むし歯や歯肉炎になりやすい幼児期及び学齢期においての歯科保健、歯科医療、福
祉、教育等に関係する者と連携したフッ化物洗口等科学的根拠に基づくむし歯及び歯肉
炎の予防対策並びにその健康教育を推進すること。
(3) 歯周病の罹患率が高まる成人期においての歯科保健、歯科医療、福祉、教育、労働
衛生等に関係する者と連携した歯科教育等歯周病の予防対策等を推進すること。
(4) 歯の喪失及び口腔機能の低下がみられる高齢期においての歯科保健、歯科医療、福
祉等に関係する者と連携した口腔機能の維持及び向上のための対策等を推進すること。
- 28 -
(5) 障害者又は介護を必要とする高齢者であって、定期的に歯科健診又は歯科医療を受
けることが困難な者に対しての歯科医療及び福祉関係者と連携した訪問による歯科医
療並びに口腔ケア等を推進すること。
(6) 日常的な口腔ケア等を行うことが困難な者を介護する者に対しての歯科保健、歯科
医療及び福祉関係者と連携した口腔ケア等の重要性の普及啓発を推進すること。
(7) 生涯にわたる歯と口腔の健康づくりについての関心と理解を深め、かつ、歯と口腔
の健康づくりに関する自主的な努力を促進するため、80 歳になっても自分の歯を 20 本
以上保つことを目的とした取組である 8020 運動を推進すること。
(8) 歯と口腔の健康づくりに関する定期的な調査、歯科疾患にかかる効果的な予防及び
医療に関する研究、その他歯と口腔の健康づくりに関する調査及び研究を推進すること。
(9) 前各号に掲げるもののほか、歯と口腔の健康づくりに必要な施策を推進すること。
(基本的な計画)
第 8 条 市は、前条に定める施策を計画的に実施するため、基本的な計画を定めるものとす
る。
(財政上の措置)
第 9 条 市は、歯と口腔の健康づくりに関する施策を推進するため、予算の範囲内で必要な
財政上の措置を講ずるものとする。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。
- 29 -
山県口腔保健協議会役員名簿(計画策定委員)
所
属
団
体
氏
名
山県市長
林 宏優 ◎
山県歯科医師会会長
岩見 弘司 ○
山県市教育委員会教育長
森田 正男
山県歯科医師会副会長
尾野 康夫
山県市小中学校長会代表
矢野
山県歯科医師会高齢者歯科保健代表
奥田 孝
山県歯科医師会成人歯科保健代表
西村 朗
山県歯科医師会母子歯科保健代表
辰野 隆昭
山県市保育園長代表
上野
山県市歯科医師会専務理事
土田 治
山県市福祉課長
笠原
山県市健康介護課長
田原 修
◎は会長
○は副会長
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博司
里美
秀美
山県市民の歯と口腔の健康づくり計画
発行日 平成 24 年 月
発 行 岐阜県山県市
〒 501-2192
岐阜県山県市高木 1000 番地 1
編 集 山県市健康介護課
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