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ドキュメント1 (Page 1)

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ドキュメント1 (Page 1)
エレクトロ・ハーモニックス社の代表作であり、
ては珍しい滑らかなオーバードライブ・サウンドを
一躍その名を広めたのは、やはりジミ・ヘンドリク
持った小型アンプなどで知名度と人気を上げていっ
スも使用していた「ビッグ・マフ」だろう。1960
た。70年代に入り、スモール・ストーン、今回紹介
年代後半にニューヨークから登場したこのメーカー
のステレオ・メモリーマン・ウィズ・ハザライの初
は、当時のロック・シーンで使われ始めた歪みサウ
代モデルとなるメモリーマン、当時は革新的であっ
ンドにいち早く注目し、オーバードライブ・エフェ
た、マイクロ・シンセやサンプラーなどエレクト
クターを開発、パワー・ブースターを皮切りにマ
ロ・ハーモニックス社ならではのオリジナル・アイ
フ・ファズ/ビッグ・マフを完成させる。その後、太
デアによるエフェクターを開発。以来エフェクター
くロング・サステインを作り出すビッグ・マフはジ
を中心にエレクトリック・サウンド・シーンをリー
ミなど多くのギタリストらに使用され現在でもファ
ドしてきたエレクトロ・ハーモニックスだが、90年
ズ・ディストーションの代名詞として、またオーバ
以来は、ヴィンテージ・エフェクター・ブーム、ア
ードライブやディストーションでは得ることのでき
ナログ、チューブ・アンプ/ドライヴ・エフェクター
レクトロ・ハーモニックス社。今回は、エフェクター・メーカ
ない極太でワイルドなオリジナルな歪みは高い人気
への高人気などもあり老舗アナログ・エフェクトメ
ーとして長い歴史を持ちエレクトリック・シーンに多彩なサウ
を誇っている。当時まだコンパクト・エフェクター
ーカーとして、またホーリー・ステインのようなデ
ンド・メイクを提示してきたエレクトロ・ハーモニックスなら
という呼び名も定着していなかった日本でもファズ
ジタルならではの独創的なエフェクターまで幅広い
ではのユニークなエフェクターを紹介しよう。
(文:谷川史郎)
やブースターによってエレクトロ・ハーモニックス
エフェクツをラインナップ。新しいデザインとなっ
の名は知られるようになりサスティナーや当時とし
たXOシリーズ。再び高い注目を浴びている。
60年代に登場しコンパクト・エフェクターの老舗ブランド
としてエレキ・ギター/ベース・サウンドを進化させてきたエ
Stereo Memory Man
with Hazarai
70年代アナログ・エコーの出現によって、それまでの
テープ・マシンで作っていたディレイ・エフェクトがコン
税込価格:52,290円
リバースも可能。
多彩なディレイ・バリエーション
パクト・タイプによってステージでも簡単に得られるよう
Holy Stain
やデモ・レコーディングなどシ
税込価格:23,100円
残響系などがコンパクトに収ま
ったマルチ・エフェクターとし
アナログによるファットなディストーション
とデジタル・エフェクツによるシンプルで
個性的なマルチ・エフェクター
アナログ・エフェクターの老舗ブランドならではのフ
によってレン
ァットで芯のしっかりとしたディストーション・エフェ
ジが広くライ
て徹底している点は好感を持て
る。
ドライヴ・セクション
同様にシンプルかつ
高品位なリバーブ
ルーム・タイプ、ホール・タ
クトに2タイプのデジタル・リバーブ、ピッチ・シフタ
トな歪み量の
ー、トレモロをプラスした一味違うフロア・マルチ・エ
「 ブ ラ イ ト 」、
イプの2種が用意されているデ
フェクター。よくあるマルチでは、ドライブ系、モジュ
高域を抑えス
ジタル・リバーヴもドライブ同
レーション、拡がり/空間系などが装備されているが、
ムーズな歪み
様に非常にシンプルな操作だけ
ディストーション、リバーブ、トレモロというエフェク
感をもつ「ダ
でギター向きでバランスの良い
ツ類だけにホーリー・ステインならではのオリジナル・
ーク」そして
エフェクトは他のマルチによるサウンドとは一線を画す
フラットなオーバードライブ系のトーンを持つ「ウォー
各タイプともにミックス・コントロールで原音とのバラ
ユニークかつ存在感をシッカリと感じさせてくれる。サ
ム」から好みに合ったキャラクターを選択できるように
ンスを決め、アマウント・コントロールでリバーブの長
ウンド・メイクはディストーション・セクションで歪み
なっている。DIRTセクションには、クリーン・モード
さ(タイム)を設定するだけでよい。デジタル・セクシ
の使用を選択し、本体左下のデジタル・エフェクトを加
が用意されているが、これは、ドライブを使用せずにリ
ョンには、リバーヴの他、トレモロとピッチ・シフトが
えるというシンプルな流れで好みのエフェクト・サウン
バーブやピッチ・シフト、トレモロを使用する場合にセ
用意されているが、これらエフェクトもアマウント・コ
ドを作ることができる。ドライブとデジタル・エフェク
レクトする。またエフェクトがオンになっている場合、
ントロールによってトレモロ・スピード、ピッチの音程
トは左上のミックス・コントロールのよって原音(歪み)
本体のトーン・ツマミとヴォリュームは効くので、クリ
をコントロールすることができる。ピッチ・シフトでは、
/デジタル側エフェクトのバランスを取り、モード・セ
ーンをセレクトしエフェクトをオンにすると歪みは加わ
3度上と4度下の音程まで変化させることができるが、
レクトSWを押しデジタル・セクションに用意されてい
らずにトーンとヴォリュームを利用することができる。
ハモリの他、わずかに変化させたピッチを原音にミック
る2種のリバーブ、ピッチ、そしてトレモロの各エフェ
バイパスとの使い分けによってプリアンプとしてトーン
スしたピッチ・シフト・コーラスなども作り出すことが
クトを選択する。
やブースター的な使い方をすることが可能となってい
できる。
リバーブを加えることができる。
になる。更に現在ではデジタル・テクノロジーにより多彩
ディレイは、クリアーかつギター・サウンドにジャス
基本となるサウンドを作るディストーション・セクシ
る。歪み系にはドライブ・レベル(深さ)のコントロー
多機能マルチ・エフェクターではないが、ドライブ+
な機能と効果が加わり、新たなサウンド・メイクを可能に
ト・フィットする音楽的なトーンと奥行き感を作り出すベ
ョン(DIRT)には、バイパスも含めファズとドライヴ
ルは用意されていないが、各歪みのバランスは良くアン
リバーヴというギター・サウンドの基本サウンド・メイ
している。このステレオ・メモリーマン・ウィズ・ハザラ
ーシックなディレイからフィルターやディケイ・コントロ
(オリジナル・ディストーション)の3タイプを用意。
プ側のクリーン、クランチ、ドライヴなどセッティング
クに徹底しているシンプルで実践的な機能はさすがエレ
イは、ディレイ・エフェクトを基本にエレクトロ・ハーモ
ールによってテープやアナログのようなヴァリエーション
ドライブでは、クセのない滑らかな歪みを持つディスト
にかかわらずコントロール性の良い歪みを加えてくれ
クトロ・ハーモニックスという感じがあり好感が持て
ニックスらしいユニークで個性的な機能を搭載した最進化
豊かなトーンを作り出してくれる。
「エコー」は最大3秒
ーションが基本になっているが、各歪みタイプ(クリー
る。このシンプルさもエレクトロ・ハーモニックスらし
る。簡単に使えるベーシック・サウンドのための複合エ
版マルチ・ディレイ・エフェクターと言えるだろう。
というロング・ディレイからタイムをショート・ディレイ
ンを除く)のキャラクターは本体右上のカラー・ツマミ
さと言えるだろう。ステージはもちろんだがリハーサル
フェクターを求めているギタリストにはお薦めだ。
ステレオ・メモリーマン・ウィズ・ハザライは、高品位
に設定しピッチの揺れを加えたコーラス/フランジャー系
でレンジの広いデジタル・ディレイ・エフェクトにルー
エフェクトや緩いモジュレーションが加わった独特のディ
プ機能を加えながら瞬時のエフェクト・メイク、エディ
レイなども作ることができる。「マルチ・タップ」では、
ットなどプレイ中のコントロール性の高さを持ち合わせ
タイムやディレイのリピート回数などが設定でき通常のコ
るなど一味違ったディレイ・エフェクターを求めるギタ
ンパクト・ディレイでは得られないディレイ・リピートに
リストにはお薦めの仕様となっている。
よるエフェクティヴなフレーズやリフなどディレイ特有の
フレーズ・パターンやアレンジなどが得られる。リピート
多機能かつシンプルなコントロール
Bass Micro Synth esizer
税込価格:71,400円
ッシヴなサウンドなど各フィルター・スライダーのミキ
回数は1回から最大で30回までが可能だ。
そして「ディジャ・ヴ」では更にステレオ・メモリー
ディレイを基本にループなど幅広いエフェクト・メイ
マン・ウィズ・ハザライならではのディレイ・エフェク
クを可能にするメモリー・マンだが本体のコントロール
トとループ機能を用意。ディジャ・ヴに用意されている
類は非常に判りやすく一般の単体エフェクターのような
リヴァース・エコー・モードでは 弾いたフレーズやコ
感覚で各モードでのエフェクトを作って行くことができ
ードなどを瞬時にリバース再生させ60、70年代のテー
る。本体に用意されている黒いツマミ類は横一列でシン
プ・レコーディング時代のテープの逆回転サウンドを彷
プルで見やすくデザインされ、得たいエフェクトの基本
彿させるリヴァース・プレイバックが可能、ライブ中の
シングによってマイクロ・シンセ独特のフィルター・サ
専用ピックアップをマウントせずに
アナログ・シンセサイザー・トーンを
ユニークなベース用エフェクター
ウンドを加えることができる。そして右セクションの左
にあるアタック・ディレイはピッキング音を遅らせるこ
作り出す
とによってチェロなど擦弦楽器のようなスロー・アタッ
クのサウンドを作ることが可能で、ウッド・ベースの弓
弾きのようなサウンドからフレーズによってテープの逆
70年代に登場し他のコンパクト・エフェクターと一
本体左のトリガー・スライダーで入力されるベ
回転サウンドなども作り出すことができ、フィルターや
オクターヴとのセッティングによって、このエフェクタ
タイプをセレクトするためのツマミだけが白にされてい
リバース・プレイなど、かつては不可能であったフレー
線を画すユニークなサウンドを含めエレクトロ・ハーモ
ース音のレベルとエフェクターの感度をマッチ
るなど多機能タイプのエフェクターが初めてのプレーヤ
ズもメモリーマンならではのエフェクトとして簡単に再
ニックスの代表作の一つとして知られているシンセ系サ
させた後に本体左側の枠で表示されているヴォ
ーならではなユニークなベース・サウンドを作りだすこ
ーにもスグに使いこなせそうな印象を感じさせてくれ
現させることができてしまう。そして演奏したフレーズ
ウンドを作り出すエフェクター。マグネチック・ピック
イス・ミキシング・セクションで、オウターヴ
とができる。
やコードなどを瞬時にサンプリングし再生するループ機
アップのマウントされた手持ちのエレクトリック・ベー
など4種のエフェクトを加えベーシックなサウ
レクターで好みのエフェクト・タイプを選び、そのサウ
能では最初にレコーディングしたループのオーバーダビ
スに使用しベースのサウンドをアナログ・シンセサイザ
ンドとトーンを作り出す。ここではベースのサウンドに
っているが、このマイクロ・シンセのサウンドはとても
うシンプルなエフェクトながらサウンド自体は決して飛
ンドのディレイ・タイム、リピート(フィードバック)、
ングすることも可能。ループの再生にディレイを加える
ーのフィルターを通したような独特のサウンドにエフェ
オクタヴァーのような1オクターヴ上のサウンドとサ
素朴なオウターヴ・サウンドながら当時のアナログ・シ
び道具的ではなく非常に実践的なエフェクトという印
クトさせてくれるフロアタイプ・エフェクター。
ブ・オクターブと呼ばれる1オクターヴ下のエフェク
ンセ特有の個性的な太さやシンプルながら存在感の強い
象。オクターヴによる低域に拡がりと重さを加えた極太
ト・サウンドを加える。スクエア・ウェーヴ・スライダ
サウンドを思い起こさせてくれる。
なベース・サウンドからアタック・ディレイによる立ち
る。実際のサウンド・メイクも簡単で、白いモード・セ
フィルター(エフェクト・トーン)ディケイ(リピート
ことなど実践的でクオリティーの高いループ・サウンド
このマイクロ・シンセ、オクターヴとフィルターとい
音量)そしてブレンドでミックス・バランスを好みに合
はレコーディングからライブまでアイデア次第で面白い
まるでグラフィック・イコライザーを思わせるような
わせて設定していき完成させる。セレクトするモードに
使い方ができるだろう。ディレイ・エフェクトだけでな
多くのスライダーによって一見して変わり種エフェクタ
ーはピッキングの感度に対応しファズをさらに滑らかに
よってディケイによってリバーブのような残響感やエコ
くフレーズ作りやアレンジなど実際の音楽制作にも利用
ーであることを感じさせてくれるが、本体には判りやす
したような歪みを加える事ができる。ここにはベースの
ー音のキャラクターを変化させてくれるなど各モードに
することができることはステレオ・メモリーマン・ウィ
く 基本の音作りエフェクトとフィルターによるエフェ
生音がスライダーによってミックスできるようになって
合わせコントロールの機能が変更される。このような機
ズ・ハザライの大きな特徴と言えるだろう。
クトという2つのセクションでレイアウトされているた
いるための上下オクターヴとスクエア・ウェーヴをすべ
ディレイ・エフェクトは、ループとプリセット以外の
めサウンド・メイクは意外に簡単で感覚的に音の変化を
て加えると生音を入れ合計4ユニゾンによる重厚なベー
ヴォイス・ミキシング・セクションで作ったオクター
クのベーシック・エフェクター、マルチ・エフェクター
果と求めるエフェクト・イメージに対しキメ細かい音作
6モードで幅広いヴァリエーションが楽しめるが、どの
楽しみながらベースのサウンドをエフェクトしていくこ
ス・サウンドを作り出すことができる。生音をカットし
ヴ・サウンドを基に本体右側にレイアウトされているフ
として見ると良く、フィルター系マルチとして1台ある
りが可能になっている。本体の2つのフット・スイッチ
モードでも使い勝手の良いコントロール幅で設定されて
とができる。
てしまうと確かにピッチ・シフターや単体オクターヴァ
ィルター・スウィープでの音作りセクションでアタック
とかなり幅のあるベース・サウンドが得られるだろう。
はバイパスと演奏中などオンタイムで任意のディレイ・
いるためライブやセッションなど短時間のセッティング
ーでは得ることのできないベース・サウンドが出てく
やトーン変化などを加え、さらなるシンセらしさを作り
エレクトロ・ハーモニックスらしい音の太さなどサウン
る。最近ではデジタルによってギター、ベース・シンセ
出すセクションで、トーンにフィルターを掛けアタック
ド・クオリティーも高くステージからレコーディングな
で他の楽器音色をリアルにシミュレートできるようにな
にピークを加えるなどオート・ワウ的な効果からパーカ
ど幅広く使える個性的なマルチ・エフェクトと言える。
能によって同じディレイ・タイムでも非常に幅のある効
タイムを設定させるタップ機能、ループのレコーディン
を必要とする場合などにも瞬時にバランスの良いエフェ
グをオン/オフするために割り当てられている。
クトを設定できる。
ヴォイス・ミキシング・セクション
上がりに変化を加えたボウイングのようなドライヴ・ベ
マイクロ・シンセ特有の
フィルター・セクション
ElectricGuitar 21
ース・サウンド、フィルターによる70年代オートワウ
を加えたようなスラップなどシンセというネーミングや
ユニークさだけではなく多彩なベース用サウンド・メイ
お問い合わせ:日本エレクトロ・ハーモニックス TEL:03-3232-7601
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ンプルな機能と操作で歪み系と
http://www.electroharmonix.co.jp/
ElectricGuitar 21
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