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「ゆうすい」平成26年7月号

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「ゆうすい」平成26年7月号
ゆうすい
2014.6.5
号外
西 原 村 議 会 だ よ り
㈲駒城との土地賃貸借契約の解除を求め、
住民監査請求提出
監査委員が
請求を棄却
CONTENTS
議会の考察・所見
2
監査結果(公表)
3
住民監査請求書
4
㈲駒城 西原牧場 撮影日 平成 26 年 5 月 13 日
今回の住民監査請求に関する
議会の考察・所見
有限会社駒城との土地賃貸借契約の解除などを求める今回の住民監査請求は、監査委員
において、十分な調査・検討の結果、「棄却」となりましたが、議会としてもこれまでの審議状
況及び経緯等からしても当然のことであると受け止めています。
なお、この住民監査請求に関して、思い起こし付言しますと、㈲駒城との土地賃貸借契約に
係るこの村有地(河原地区大野原野 公共育成牧場跡地)については、去る平成25年1月1
0日、新興宗教団体(宝珠宗宝珠会)の本源である開俊久氏と密接な関係にあると見られる【N
PO法人自然を守る会】が、「身体と心を癒すセラピーを中心とした医療施設」「山の守護神を
祀るための祠の建立」などを整備し、「日本一の自然公園」を建設するとして、村に内外から
圧力をかけ、その売却を迫った土地であり、昨年9月20日の村議会において、
さまざまな理由から、
売却はしないと全会一致で議決した。それを受け、購入を断念された曰くのある土地であります。
こうして振り返ってみると、地元での論議、そして同意を踏まえて、慎重かつ十分な審議の結果、
議会において議決した契約であります。今回、論拠に乏しい住民監査請求書が提出されたこと
は、何か釈然としないものを感じると同時に、住民の代表で構成される議会での議決を完全に
否定するものであり、議会としても全く容認できるものではなく、甚だ遺憾と言わざるを得ないもの
であります。
こうしたことからも、今一度【NPO法人自然を守る会】がこの土地の売却を求めた真の狙い
は何であったのか、再度検証するとともに、この売却要求問題については、すべての村民が忘
れてはならず、また、風化させてはならないことであります。
西原村議会 議長 坂梨 公介
西原村議会 議員一同 追記
(住民監査請求)地方自治法 第 242 条 第2項
前項の規定による請求は、当該行為のあった日又は終わった日から一年を経過したときは、こ
れをすることができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
2
西原村議会だより ゆうすい 号外 平成26年6月5日発行
住
民
監
査
請
求
監 査 結 果(公表)
西原村監査委員公告第1号
平成26年3月17日付け受理した、西原村大字小森459番地2 渡邊晋也を請求人とする住民監査請求につ
いて、地方自治法第242条第4項の規定により監査を行った結果を下記のとおり公表します。
平成26年5月12日
西原村監査委員 河上 勝彦 同 上野 正博 記
1 請求の要旨第1項について
後述するとおり、手続的にも、内容的にも適正な貸付がなされており、指摘されているような違法性・不当性
はない。
2 請求の要旨第2項(理由)について
(2)同項(2)について
本件の賃料額が時価より低く、違法・不当であるとの指摘であるが、この賃料額については、固定資産税評
価額を基礎として、適正に算定されている。
なお、請求人が指摘する土地の価格は、熊本県地価調査の基準地価格で、県道沿いの宅地に係るものであり、
本件土地の賃料額算定には、参考とはなり得ない。
よって、請求人の指摘は妥当性を欠くものである。
また、以上のことからも、本件の賃料額は、西原村の財産の交換、譲与、無償貸与等に関する条例に反する
ものではない。
(3)同項(3)について
① 平成21年10月1日付契約(甲第 1 号証)が仮契約であったとの指摘であるが、この契約は地元の同意を
経て、村議会で議決された正式な契約(本契約)である。
なお、平成25年9月27日付契約は、当初契約の際の平成21年10月1日に締結された覚書(甲第2号証)
に基づき、この当初契約に定める賃貸面積及び賃料額を変更するため、村議会の議決を経て、当初契約を一部
変更したものである。
② 有限会社駒城が賃借人として適正を欠くとの指摘であるが、問題発生後、同社は、陳謝するとともに、今後
の土砂流失対策等を提示するなど、誠意ある態度を示し、地元住民の理解を得たところである。
このことより、前記①で述べたとおり、村議会において一部変更契約が議決されたところである。
以上のことから、平成25年3月31日付の土地賃貸借契約の更新について、「不合理かつ不当である」と
の請求人の指摘は全く当たらない。
(4)同項(4)について
「西原村に不利益な賃料変更を行った」とする請求人の指摘であるが、平成25年9月27日から賃料額が
変更となったのは、当初契約の際の平成21年10月1日に締結された覚書(甲第2号証)に基づく協議の結果、
賃貸面積が減少したことによるものであり、請求人の指摘は全く論拠がない。
(5)同項(5)について
「本件土地を有限会社駒城に優先的に使用させている」という請求人の指摘であるが、賃借人の募集につい
ては、簡易公募実施要領に基づくプロポーザル方式により賃借人希望者の公募を実施した結果、有限会社駒城
が賃借人として決定されたものであり、平等の原則に反することはない。
以上のことから、西原村の行政行為はすべて適法・適正である。
よって、西原村長に対する下記の勧告の請求は、いずれも認められず、平成26年3月14日付の住民監査
請求は棄却する。
記
1 有限会社駒城との間の、土地賃貸借契約を直ちに解約すること
2 本件土地の貸付先選定に際し、一般競争入札等の適切な手続を実施すること
西原村議会だより ゆうすい 号外 平成26年6月5日発行
3
住
民
監
査
請
求
河原地区の村有地 ( 西原村公共育成牧場跡地 ) 貸付契約について、
請求人 小森地区在住の渡邊晋也氏より3月 14 日、本村監査委員へ住民監査請求書が代理人を介し提出
された。これを受け監査委員により監査請求について、地方自治法の規定に基づき監査が行われ、結果が 5
月 12 日請求者に通知された。結果は請求棄却であった。
監査請求書と監査結果通知書の内容は以下のとおりであった。
住民監査請求書
平成26年3月14日 西原村監査委員 御中
請求人代理人
弁 護 士 米 山 隆 一 弁 護 士 鈴 木 優 大 同復代理人
弁 護 士 浅 川 有 三 〒861−2402 熊本県阿蘇郡西原村小森459−2
請 求 人 渡 邊 晋 也 〒160−0022 東京都新宿区新宿2−4−8
第28宮廷マンション601号室
弁護士法人おおたか総合法律事務所(送達場所)
TEL:03-6273-1490 / FAX:03-6273-1491
(法人受任)請求人代理人
弁 護 士 米 山 隆 一 弁 護 士 鈴 木 優 大 同復代理人
弁 護 士 浅 川 有 三 4
西原村議会だより ゆうすい 号外 平成26年6月5日発行
第1 請求の要旨
1 違法かつ不当な普通財産の貸付
西原村所有の普通財産である別紙物件目録記載の各土地(以下合わせて「本件土地」という)
は、平成21年10月1日から現在に至るまでの問、有限会社駒城に賃貸されている(以下「本
件貸付」という。甲第1号証・土地賃貸借契約書の写し、甲第2号証・覚書の写し、甲第3号証・
西原村議会だより ゆうすい 第92号)。
なお、別紙物件目録記載の地積等が、甲第 1 号証記載の地積等と異なるが、これは、本件
土地が合併、分筆等を行っているためである。
この点、本件貸付は、西原村の財産の交換、譲与、無償貸与等に関する条例(平成7年9
月29日条例第25号)第4条に反し、また有限会社駒城に不当な利益を与えているなど、
違法かつ不当なものである。
以下、理由を詳述する。
2 理由
(1)当事者
請求人は、熊本県阿蘇郡西原村小森に居住する者である。
本件土地の貸付を受けている有限会社駒城は、馬の飼育及び堆肥の販売等を行っている
有限会社である。
(2)時価よりも低い金額で貸し付けを行っていること
本件貸付の賃料は、平成25年3月31日までは年額金8,555,460円、平成2
5年4月1日以降は10アール当たり金5,000円と合意されている(なお、平成25
年4月1日以降の賃料については、貸付面積等が不明であるため、請求人において算出で
きていない)。
この点、本件土地付近の公示価格は、1平方メートル当たり金7,000円とされてい
るところ(甲第4号証・国土交通省の標準地・基準地検索システムをプリントアウトした
もの)、328.6ヘクタール(3,286,000平方メートル)の本件土地の客観的価
西原村議会だより ゆうすい 号外 平成26年6月5日発行
5
住
民
監
査
請
求
値は、概算で金23,002,000,000円にも及ぶ。
よって、西原村が有限会社駒城に対し、本件土地の客観的価値の2,000分の1にも
満たない、著しく低い価格で貸し付けを行っていることは明らかである(なお、本件土地
の地目が、原野ないし山林等であることを考慮しても、時価よりも低い価格であることは
明らかである)。
一方で、西原村の財産の交換、譲与、無償貸与等に関する条例(平成7年9月29日条
例第25号)第4条によると、普通財産を「時価よりも低い価格で貸し付けることができる」
場合は、「他の地方公共団体その他公共団体又は公共的団体において公用若しくは公共用又
は公益事業の用に供するとき(同条1号)」ないし「地震、火災、水害等の災害により普通
財産の貸付けを受けた者が、当該財産を使用の目的に供しがたいと認めるとき(同条2号)」
に限られている。
しかしながら、本件貸付が、上記各号のいずれにも該当しないことは言うまでもなく、
西原村の財産の交換、譲与、無償貸与等に関する条例(平成7年9月29日条例第25号)
第4条に反することは明らかである。
(3)仮契約期間中に契約違反があったにも関わらず、契約を更新したこと
本件貸付は、平成25年3月31日までは所謂仮契約であったところ(甲第3号証参照)、
一般的に仮契約とは、正式に契約する以前の仮の契約であり、本件貸付において仮契約期
間が設けられた趣旨は、仮契約期間中に、借主である有限会社駒城の適性を判断するため
であったものと思料される。
しかしながら、有限会社駒城は、上記仮契約期間中に、草地改良、大麦若葉の栽培など
の契約違反行為を行い、また土砂流出対策を怠るなど、西原村の貴重な普通財産の借主と
しての適性を欠くことは明らかである。
しかるに、西原村は、有限会社駒城との間の土地賃貸借契約を更新しており、これが不
合理かつ不当であることは明白である。
6
西原村議会だより ゆうすい 号外 平成26年6月5日発行
(4)西原村に不利益な賃料変更を行ったこと
本件貸付の賃料は、平成25年3月31日までは年額金8,555,460円、平成2
5年4月1日以降は10アール当たり金5,000円と合意されていた(甲第1号証、甲
第2号証)。
これによれば、平成25年4月1日以降の本件貸付の賃料は、年額金16,430,0
00円となるはずであるが、西原村は、貸付面積を減少させるなどして、西原村に不利益
な賃料変更を行った(なお、平成25年4月1日以降の具体的な賃料は、請求人において
把握できていない)。
こうした西原村の行為は、西原村に不利益となるばかりでなく、村外の一私企業である
有限会社駒城に不当な利益を供与するものである。
(5)本件土地を有限会社駒城に優先的に使用させていること
本件土地は、328.6ヘクタールという広大な土地であり、また熊本市内まで自動車
で約 1 時間程度の土地である。
換言すれば、有限会社駒城の他にも、本件土地の借入を希望する者は多数存在するもの
と思料されるところ、西原村は、一般競争入札等の適切な手続を取らずに、有限会社駒城
に独占的かつ優先的に本件土地を使用させている。
こうした西原村の行為が、行政の一般原則である平等原則に反することは明らかである。
(6)結論
以上の通りであるから、支出権限者である西原村村長は、有限会社駒城に対する本件貸
付を直ちに中止し、本件土地を第三者に貸し付けるのであれば、一般競争入札等の適切な
手続をとる義務がある。
第 2 求める措置
西原村監査委員は、西原村村長に対し、次の措置を講ずるよう、勧告することを求める。
西原村議会だより ゆうすい 号外 平成26年6月5日発行
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第 3 結語
以上の通り、請求人は、西原村監査委員に対し、地方自治法第242条1項に基づき、
事実証明書を付して本請求を行う次第である。
事実証明書
甲第1号証 土地賃貸借契約書の写し
甲第2号証 覚書の写し
甲第3号証 西原村議会だより ゆうすい 第92号
甲第4号証 国土交通省の標準地・基準地検索システムをプリントアウトしたもの
添付書類
1 事実証明書の写し 各1通
2 委任状 1通
3 復代理人選任届 1通
以上 編集発行/熊本県西原村議会 熊本県阿蘇郡西原村大字小森3259 TEL096ー279ー3111 FAX096ー279ー3506
編集後記
田
坂
宮
山
中
島
本
田
下
西
敬
隆
勝
一
義
一
文
則
義
信
敬一
田島 ﹃
花子とアン﹄の朝ドラ効果なのでしょうか。あの白蓮
さんがその後どうなっただろうと思ってか、荒尾市の宮崎
兄弟生家への訪問客が増えているらしい。
もともと村 岡 花 子さんが翻 訳した﹃赤 毛のアン﹄は、
カナダのプリンス・エドワード島で、少女が出会いにより
心の成長を遂げていく話ですが、朝ドラの方も主人公と
脇役たちが、互いに出会いと別れを繰り返しながら、川
の流れの小石の如く心の成長を遂げていきます。
お釈迦さまの言葉にも必ず生・老・病・死の四つの苦、
そして人と人の出会いと別れの苦があります。そんな時
どうしたらよいかと問えば、ある人は信仰を持つことだ
と言われます。
確かに宗 教は一般 的に、分かち合い・助け合い・譲り
合いの精神を培ってくれます。
しかし宗教が、幾多の戦争の種となってきた歴史もあ
りますし、
これが︻カルト︼ともなればオウム教のように、
社会のルールを犯す場合があります。
日本国憲法第 条は、信教の自由を謳っています。し
かし、詐 欺など社 会 的 規 範を破る場 合には、私たちは
厳しい目を注がねばなりません。
宗教も川の流れの小石の如く角が取れていかねばと思
います。
広報委員
委 員 長
副委員長
委
員
委
員
委 員
発行責任者
議 長 坂 梨 公 介
西原村議会だより ゆうすい 号外 平成26年6月5日発行
8
求
請
査
監
民
住
1 有限会社駒城との間の、土地賃貸借契約を直ちに解約せよ
2 本件土地の貸付先選定に際し、一般競争入札等の適切な手続を実施せよ
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