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障がい者の地域生活を支えるサービスの充実に向けて

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障がい者の地域生活を支えるサービスの充実に向けて
資料 2
障がい者の地域生活を支えるサービスの充実に向けて
~
つながる
拡がる
地域のサービス
(案)
平成 26 年 3 月
大阪府障がい者自立支援協議会
地域支援推進部会基盤整備促進ワーキンググループ
~
はじめに
障害者権利条約が示すとおり、障がい者が自ら住みたいと思う場所で、当たり前の生活を送ること
が重要である。
障がい者が地域で安心して快適に暮らすには、地域の生活基盤の整備とそれを担う人材の確保
や充実が必要であることを認識し、地域での住まいの場をはじめ、介護や日中活動の場などのさまざ
まなサービス等の整備が必要である。
現在、大阪府障がい者計画(障がい福祉計画)に基づき、住まいの場である「グループホーム等」
や暮らしを支える「日中系サービス」、「訪問系サービス」の整備や利用の促進に取り組んでいる。
こうした中、さらに取組を進めるために、大阪府自立支援協議会において、障がい者の地域生活
への移行を進めるための地域の基盤整備のあり方について検討することとなった。
まず、地域の住まいの場として大きな役割を担うグループホーム等に焦点をあて、その後、地域で
の暮らしを支える日中活動の場や緊急時対応、居宅介護等のサービスを含めた地域の生活基盤の
あり方について、障がい者の多様なニーズに応えられるよう利用サービスのコーディネートを行う相
談支援の活用や、社会全体の高齢化が進む中、「家族等が元気なうちから独立して暮らせるような支
援」の視点、26 年 4 月から予定されている国の制度改正との整合性も含め、トータル的な検討を行っ
たところである。
本報告書は、現状の障がい福祉サービスの課題を整理し、地域における生活基盤の整備の基本
的な考え方を示したものであり、今後、大阪府をはじめとした各主体の取組推進の参考になるものと
考えている。
平成 26 年 3 月
大阪府障がい者自立支援協議会
地域支援推進部会基盤整備促進ワーキンググループ
ワーキンググループ長
辻井誠人
目次
Ⅰ 障がい者の地域の生活基盤にかかる検討の背景・現状
1 住まいの場(グループホーム等) ··································································································································· 1
2 暮らしを支えるサービス ···················································································································································· 2
3 大阪府障がい者(障がい福祉)計画に基づく支援の充実に関する取組 ························································ 4
4 総合支援法に基づく制度の改正について ················································································································· 5
Ⅱ 基盤整備促進ワーキンググループでの検討
1 課題抽出方法 ······································································································································································· 6
2 抽出課題の概要··································································································································································· 6
Ⅲ 障がい者の地域の生活基盤の充実に向けた取組の方向性について
1 生活基盤整備の基本的な考え方 ·································································································································· 8
2 取組主体の役割と連携 ····················································································································································· 9
3 取組の概要 ·········································································································································································· 10
4 次年度以降検討すべき事項 ········································································································································· 13
Ⅳ 資料編
資料1 基盤整備促進ワーキンググループ委員名簿···························································································· 資 1
資料2 開催状況 ································································································································································· 資 1
資料3 委員意見概要 ························································································································································ 資 2
資料4 アンケート概要 ······················································································································································ 資 6
Ⅰ 障がい者の地域の生活基盤にかかる検討の背景・現状
障がい者が安心して地域で暮らすための生活基盤には、住まいの場(グループホーム等の居住系
サービス)や暮らしを支えるサービス(生活介護等の日中活動系サービス、居宅介護等の訪問系サ
ービス)がある。これらは、障害者総合支援法で位置づけられた障がい福祉サービスであり、利用者
が自ら事業所を選択し、サービスを利用する仕組となっている。
1 住まいの場(グループホーム等)
グループホーム等は、身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者、難病等により障がいのある
方が「世話人等」の支援を受けながら、地域の集合住宅、一戸建て住宅において複数人で共同生活
する住まいの場である。
グループホーム等を利用するには、市町村による障がい程度区分(※1)の判定とサービス利用に
係る給付決定が必要である。
障がい者グループホーム等は、障がい者が地域社会とのつながりの中で、自らが主体的に生活で
きるよう、日中活動やホームヘルプ等のサービス利用も含め、地域生活を支援するものである。
また、社会全体が高齢化する中、障がい者のニーズは多様化してきている。
こうした変化の中、障がい者が地域で生活していくためのニーズにきめ細やかに対応したグループ
ホーム等の整備が求められている。
現在、大阪府においては、府営住宅をはじめとした公的住宅を活用した障がい者グループホーム
等の整備促進など地域での住まいの場の確保に努めているところである。
(※1)平成 26 年 4 月 1 日より「障がい程度区分」については、「障がい支援区分」に改められる。
サービス種別
対象者
概
要
事業所数
(H25.7 現在)
共同生活援助
身体・知的・精神・難病
(グループホーム)
区分1又は非該当
地域において共同生活を営むのに支
381
障のない障がいのある方に、主として夜
(※2)
間において、共同生活を営む住居で、相
談、その他日常生活上の支援を行う。
共同生活介護
身体・知的・精神・難病
(ケアホーム)
区分2以上
共同生活を営む住居に入居している障
307
がいのある方に、主として夜間に、入浴、
(※2)
排せつ、食事等の介護、調理、洗濯及び
掃除等の家事、生活等に関する相談及び
助言、その他関係機関との連絡など日常
生活上の支援を行う。
施設入所支援
身体・知的・精神・難病
夜間に介護を必要とする障がいのある
区分 4 以上
方に、居住の場を提供し、主として夜間
(50 歳以上は区分 3 以
に、入浴、排せつ及び食事の介護、生活
上)
等に関する相談及び助言その他の必要
98
な日常生活上の支援を行う。
(※2)国の制度改正に伴い平成 26 年 4 月より共同生活援助(グループホーム)と共同生活介護(ケアホーム)
が一元化
-1-
2 暮らしを支えるサービス
障がい者の地域生活の目標やスタイル、さらに地域生活において必要としている支援は、障がい
特性や生活体験などから一人ひとり異なる。
障がい者が地域で快適に暮らし、活動するためには、グループホーム等の住まいの場に加え、
個々のニーズに合わせて選択できる支援が必要である。
暮らしを支える障がい福祉サービスとして、「日中活動系サービス」(生活介護、自立訓練、就労系
サービス、短期入所)や、「訪問系サービス」(居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護)があ
る。
高齢化に伴い、より多様かつ複雑に変化するニーズに対応するため、これらのサービスの整備、
確保に努めているところである。
[日中活動系サービス]
サービス種別
生活介護
対象者
身体 知的 精神 難病
区分 3 以上
(施設入所は区分 4 以上)
50 才以上は区分 2 以上
概
要
常時介護が必要な障がいのある方に、
入浴、排せつ及び食事等の介護や日常生
活上の支援を行うとともに、創作的活動や
生産活動の機会を提供する。
事業所数
(H25.7 現在)
606
(施設入所は区分 3 以上)
自立訓練(通所)
(宿泊型)
身体 知的 精神 難病
就労移行支援
身体 知的 精神 難病
就労継続支援
A型
身体 知的 精神 難病
就労継続支援
B型
身体 知的 精神 難病
短期入所
身体 知的 精神 難病
区分 1 以上
自立した日常生活、社会生活ができるよ
う一定期間身体、生活能力の維持、向上の
ために必要な支援、訓練を行う。
宿泊型自立訓練では、居室その他の設備
を利用させるとともに、家事等の日常生活
能力を向上させるための支援、生活等に関
する相談及び助言その他の必要な支援を
行う。
一般就労が見込まれる 65 歳未満の障が
いのある方に一定期間、生産活動その他
活動の機会を提供し、就労に必要な知識及
び能力の向上のために必要な、訓練及び
就職活動に関する支援等を行う。
一般就労が困難な障がいのある方のう
ち、雇用契約に基づく就労が可能な 65 歳未
満の方に、雇用契約に基づく就労の機会を
提供するとともに、就労に必要な知識及び
能力の向上に必要な訓練、就職活動に関
する支援等を行う。
一般就労が困難な障がいのある方に、
就労機会を提供するとともに就労に必要な
知識及び能力の向上に必要な訓練、就職
活動に関する支援、その適正に応じた職場
開拓、就職後における職場への定着のた
めに必要な支援を行う。
障がいのある児(者)を介護している家族
が病気や出産、その他私的な理由により介
護が困難な場合、一時的に施設を利用す
る。
-2-
87
169
58
555
235
[訪問系サービス]
サービス種別
対象者
概
居宅介護
身体 知的 精神 難病
区分1以上
重度訪問介護
(※3)
身体(肢体)
区分4以上
行動援護
知的
精神
区分3以上
行動関連項目 8 点以上
視覚障害により移動に著
しい困難がある方
区分2以上
同行援護
事業所数
要
(H25.7 現在)
日常生活を営むのに支障がある障がい
のある方に対して、居宅における食事、入
浴等の身体介護、洗濯、掃除、買い物等の
家事援助、通院介助等を行う。
重度の肢体不自由者に対して、居宅で
の入浴、排せつ、食事の介護のほか、外出
の際の移動中の介護など総合的な介護を
行う。
行動上著しい困難があるため常時介護
が必要な方に対して、行動する際に生じる
危険を回避するために必要な援助や外出
の際の移動中の介護を行う。
視覚障がいによって、移動に著しい困難
がある方に対して、外出の際に、必要な情
報の提供をはじめとした円滑な移動の支援
を行う。
3,115
3,001
130
1,722
(※3)国の制度改正に伴い平成 26 年 4 月より重度訪問介護の対象者が拡大
[地域の生活を支えるサービスのイメージ]
障がい者が地域でより安全で安心な生活を送り、快適に暮らすためには、上記の障がい福祉サー
ビスの利用に加え、医療機関、教育機関等の地域資源の活用が不可欠である。
次の図は、障がい者の地域生活を支援する障がい福祉サービスや地域資源のイメージを示したも
のである。サービス種別ごとに対象者や事業内容は異なり、障がい者は、相談支援事業所作成のサ
ービス等利用計画に基づき、これらを単独もしくは、組み合わせて利用する。
~
地域の生活を支えるサービスのイメージ 1
障がい福祉サービスによる支援
訪問系サービス
日中活動の場
就労移行支援
生活介護
就労継続支援(A,B型)
自立訓練(通所型)
(地域活動支援センター)
等
居宅介護
行動援護
重度訪問介護 同行援護
(移動支援)等
相談支援事業所
住まいの場
短期入所
グループホーム等
独居・
家族との同居
人材
育成・確保
地 域 移 行
施設入所
サービス
利用促進
地 域 移 行
地域資源の活用
医療
機関
教育
機関
就業先
企業
-3-
自治会等
~
3 大阪府障がい者(障がい福祉)計画に基づく支援の充実に関する取組
現在、平成 24 年 3 月策定の第 4 次大阪府障がい者計画に基づき、地域の生活基盤の整備促進を
図っている。
[第 3 期障がい福祉計画の主な目標値に対する実績(平成 24 年度)]
施設入所者の
削減目標
就労移行支援事業
就労継続支援(A型)
第 3 期障がい福祉計画(26 年度目標値)
1,189 人(20%)
(平成 17 年 10 月 1 日現在施設入所者数
のうち 20%以上減少)
10%
10%
24 年度実施状況
832 人(14%)
6.4%
6.2%
障害者総合支援法では、都道府県が定める区域ごとに障がい福祉サービス等の見込量を定め、
その確保を図っていくこととされている。区域設定は、住民に最も身近な市町村を基本的な単位とし、
利用者の状況やサービス供給基盤の整備状況、需給バランス等を踏まえ設定している。さらに見込
量に必要なサービス提供に引き続き取り組むとともに、見込み量の算定にあたっては、利用者のニ
ーズ等をより適確に見込むことが必要である。
[第 3 期障がい福祉計画の見込量に対する実績(平成 24 年度)]
区
域
-
サ訪
ビ問
ス系
居宅介護等
(居宅介護、重度訪問介
護、同行援護、行動援護、
重度障がい者等包括支援)
短期入所
各
市
町
村
区
域
生活介護
日
中
活
動
系
サ
ー
ビ
ス
(
※
4
)
自立訓練
(機能訓練、生活訓練)
就労移行支援
各
障
が
い
保
健
福
祉
圏
域
就労継続支援(A型)
就労継続支援(B型)
居
住
系
サ
ー
ビ
ス
療養介護
施設入所支援
大
阪
府
域
共同生活援助
共同生活介護
各
市
町
村
域
第 3 期障がい者計画
(24 年度見込量)
身体
知的
障がい児
精神
合計
身体
知的
障がい児
精神
合計
身体
知的
精神
合計
身体
知的
精神
合計
身体
知的
精神
合計
身体
知的
精神
合計
身体
知的
精神
合計
計
身体
知的
精神
合計
身体
知的
精神
合計
311,068 時間/月
45,096 時間/月
21,282 時間/月
47,486 時間/月
850,368 時間/月
3,605 人日/月
11,932 人日/月
2,056 人日/月
546 人日/月
22,628 人日/月
56,848 人日/月
166,700 人日/月
3,715 人日/月
308,290 人日/月
2,043 人日/月
6,187 人日/月
4,773 人日/月
17,314 人日/月
3,230 人日/月
24,896 人日/月
6,088 人日/月
40,543 人日/月
891 人日/月
4,010 人日/月
1,961 人日/月
8.352 人日/月
12,283 人日/月
76,367 人日/月
33,371 人日/月
161,602 人日/月
647 人/月
1,152 人/月
2,481 人/月
7 人/月
5,149 人/月
152 人/月
3,327 人/月
661 人/月
5,969 人/月
24 年度実施状況
(実 績)
身体
知的
障がい児
精神
合計
身体
知的
障がい児
精神
合計
身体
知的
精神
合計
身体
知的
精神
合計
身体
知的
精神
合計
身体
知的
精神
合計
身体
知的
精神
合計
計
身体
知的
精神
合計
身体
知的
精神
合計
264,891 時間/月
41,190 時間/月
16,256 時間/月
49,684 時間/月
734,418 時間/月
3,472 人日/月
10,505 人日/月
1,408 人日/月
215 人日/月
26,994 人日/月
53,565 人日/月
161,196 人日/月
3,577 人日/月
309,580 人日/月
1,636 人日/月
4,152 人日/月
4,451 人日/月
13,286 人日/月
2,202 人日/月
17,117 人日/月
6,323 人日/月
33,100 人日/月
1,005 人日/月
3,700 人日/月
2,033 人日/月
9,474 人日/月
11,443 人日/月
78,515 人日/月
30,621 人日/月
163,592 人日/月
916 人/月
1,202 人/月
2,546 人/月
19 人/月
5,307 人/月
213 人/月
3,236 人/月
601 人/月
5,517 人/月
(※4)療養介護を除く
(※)大阪市が障がい種別ごとの見込量を設定していない為、障がい種別ごとの人数と合計の人数が異なる。
-4-
実績が見
込量以上
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
4 総合支援法に基づく制度の改正について
障害者総合支援法は、平成 25 年度に地域社会における共生の実現に向けて障害者福祉サービ
スの充実等、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するために施行されたものである。
平成 26 年度からの制度改正の主な内容は、「重度訪問介護の対象拡大」と「共同生活介護と共同
生活援助の一元化」である。
(1) 重度訪問介護の対象者拡大
重度訪問介護の対象について、現在の「重度の肢体不自由者」に加え、「その他の障がい者(知的
障がい又は精神障がいにより行動上著しい困難を有する障がい者)であって常時介護を要するもの」
が含まれることになる。
[対象者の具体的な要件]
○ 障がい支援区分 4 以上
○ 現行の障がい福祉サービスにおける障がい程度区分の認定調査項目のうち、行動関連項目
(11 項目)の合計点数が 8 点以上である者
(※)平成 26 年度から障がい程度区分から障がい支援区分へ変更に伴い、調定調査項目や選択肢等が改正の予定
(2) 共同生活介護(ケアホーム)と共同生活援助(グループホーム)の一元化
障がい者の高齢化・重度化に対応して、介護が必要になっても、本人の希望によりグループホー
ムを利用し続けることができるよう共同生活介護と共同生活援助が一元化される。
一元化にあたっては、利用者の状況に応じ、柔軟なサービス提供が行えるよう、外部の居宅介護
事業者と連携すること等により介護サービスを提供することとなった。
また、より一人暮らしに近い形態で暮らしたいとの要望に応えつつ、多様な住まいの場を維持する
観点から、共同生活住居との連携を前提として、既存のアパートとの一室を活用するサテライト型住
居の仕組を創設する。
① 介護サービスの提供形態(いずれかの形態を事業者が選択)
a 介護サービス包括型(グループホーム事業者が自ら行う現行のケアホーム型)
b 外部サービス利用型(グループホーム事業者はアレンジメント(手配)のみを行い、外部の居宅介
護事業者に委託する)
②サテライト型住居
本体住居
サテライト型住居
共同生活住居の入居定員
原則 2 人以上 10 人以下
1人
ユニット(居室を除く)の
居間、食堂等の利用者が相互に交
本体住居の設備を利用
設備
流を図ることができる設備
ユニットの入居定員
2 人以上 10 人以下
設備
・日常生活を営む上で必要な設備
―
・サテライト型住居の利用者から適切に連絡を受けることができる
通信機器(携帯電話可)
居室の面積
収納設備を除き 7.43 ㎡
支援体制
本体住居の職員がサテライト型住居を巡回して支援
本体住居とサテライト型住
サテライト型住居の入居者が通常の交通手段を利用して概ね 20 分
居の距離要件
以内で移動可能な距離
本体住居に対するサテライ
1つの本体住居に対しサテライト型住居の設置は原則 2 か所が限度
ト型住居の箇所数の上限
(本体住居の入居者が 4 人以下の場合は 1 か所を限度)
-5-
Ⅱ 基盤整備促進ワーキンググループでの検討
本ワーキンググループにおいて、これまでの取組をさらに推進するために今後の地域における生
活基盤の基本的な考え方を整理することとなった。そのためにまず、総合的な課題抽出を目的として
障がい者団体、サービス事業者、市町村に対し、ヒアリングやアンケートを実施した。
1 課題抽出方法
(1) 実施の考え方
障がい者(団体)
、サービス事業者、市町村に協力をいただき、ヒアリングを実施し、現状や課
題等を把握した。
○障がい者(団体)…障がい種別等に応じたニーズを把握するため、対象団体を選定。
○事
業
者
…暮らしを支えるサービスを全て網羅できるよう、対象事業者を選定。
○市
町
村
…市町村規模・地域性を考慮し対象市町村を選定。
(2) 実施概要
実施の概要は次のとおりである。
住まいの場
暮らしを支えるサービス
グループホーム等
日中活動、短期入所、訪問系事業等
利
用
者
・
事
業
者
障がい者
(団体)
◇
アンケート(13 団体)
一部団体にはヒアリング
◇
◇
アンケート
○
サービス
事業者
ヒアリング
○
(生活介護・自立訓練・就労移行
グループホーム等 271 法人対象
・就労継続A型・就労継続B型)
回答率 50.6%
○ 入所施設
(9 法人)
日中活動の場
61 法人対象
回答率 72.1%
○
短期入所
○
訪問系事業
(居宅介護・重度訪問介護・行動援護
・同行援護)
(地域の住まいやサービスの相談支援)
市町村
◇
ヒアリング(9 市町村)
2 抽出課題の概要
(1) 障がい福祉サービスに係る課題
実施したヒアリングやアンケートにおいて、様々な意見を聴取した。
抽出課題は、次の表のとおり、10 種類に分類される。さらに大きくは、「報酬や補助金、制度・基準」
「府、市町村、事業所による対応や取組の拡充が必要な課題」「障がい福祉全般にかかる課題」の 3
点に整理される。
・1 点目は、「報酬や補助金、制度・基準」に関する課題である。
「報酬面」では、障がい特性・ニーズに応じた支援体制の確保に向けた対象拡大や報酬額の充実
等、「補助制度」では、高齢化や消防法等に基づく安全性の確保の向けた施設設備補助金や家賃補
助の充実等、「制度・基準面」では、支援体制の強化やサービス利用基準等の充実や消防法等に基
づく安全確保のための法令上の制約への対応策の検討が挙げられた。
・2 点目は、「府、市町村、事業所による対応や取組の拡充」に関する課題である。
これは、「人材確保・育成」として、個々の障がい者の状況に対応できるよう支援者のスキルアップ
等、「高齢化・重度化」に伴う、支援体制・施設設備の充実や余暇の過ごし方等、また「住居・サービス
の充実」として、ニーズに対応した物件確保等が挙げられた。大きくは、障がい者ニーズの把握と多
様な選択ができるよう地域バランスを踏まえたサービス事業所の開設促進や支援体制・施設設備の
充実を求める声があった。
・3 点目は、「障がい福祉全般にかかる課題」である。
-6-
まず、「家族が元気なうちから独立して暮らせる支援」として、在宅障がい者の自立した生活を支援
するためにサービスの利用促進、また、「地域の住まいやサービスの相談支援」として、地域の生活
基盤の情報の充実を求める声があり、情報を十分に収集し共有すること及び取組事例を広く紹介す
ることがまず、行政に求められる課題として挙げられた。
課題の概要を整理すると次のとおりである。(詳細は資料編を参照)
項
目
内
容
例
1 報酬算定
障がい特性・ニーズに応じた支援体制の確保
2 補助制度
施設設備経費拡充・消防法等に基づく設備経費、家賃補助拡充等
3 制度・基準
支援体制強化、サービス利用基準等
4 人材確保・育成
支援者スキルアップ、人材確保等
5 高齢化・障がいの重度化
支援体制・施設設備、余暇の過ごし方、終末期対応
6 住居・サービスの充実
障がい特性・ニーズに対応の物件確保、公的住宅利用拡大
7 医療的ケア
支援者スキルアップ、医療機関との連携
8 地域資源の充実・地域理解の促進
関係機関との連携・近隣住民等理解促進
9 家族等が元気なうちから独立して暮らせる支援
在宅障がい者のサービス利用促進
10 地域の住まいやサービスの相談支 援
地域の生活基盤の情報の充実
(2) 市町村の行政的な課題
市町村に対するアンケートでは、上記の障がい者・サービス事業者の意見に基づく課題のほか、
行政的な課題があげられた。
① マニュアル・その他情報提供の必要性
各市町村では、圏域内での取組事例や支援についての情報量が少なく、市町村単位で他の市
町村の研修内容やサービス事業者による支援の取組事例を収集することに限界がある。そのため
統一的なマニュアルやハンドブックによる情報提供等が必要である、との意見があった。
② 在宅障がい者へのサービス利用等のアプローチ
現在、在宅障がい者の状況を把握するには、利用者が各種手続きのために、市町村窓口に問
い合わせ等をされる際のアプローチが基本となる。今後、在宅障がい者のサービス利用を進める
には、個人情報の保護という観点も踏まえつつ、効果的なアプローチ方法を検討する必要がある、
との意見があった。
③ 市町村間のサービス内容・量の差異の緩和
同様の障がい程度区分等であっても、各市町村で認定するサービス内容・サービス量が市町村
間で大きく異なる場合があるため、サービス認定の基準となる水準が必要である、との意見があっ
た。
④ 圏域ブロック単位等の連携
規模の小さい市町村では、障がい者が希望する住まいの場や日中活動の場などのサービスが
ない場合や市町村域を超えるサービスの方が利用しやすい場合があり、近隣の市町村の情報共
有や支援ノウハウの共有など、圏域単位での連携が必要である、との意見があった。
一方で、複数の市町村が連携する場合は、連携の際に発生する間接的な業務負担をどのよう
に分担するかなどの課題ある、との意見があった。
-7-
Ⅲ 障がい者の地域の生活基盤の充実に向けた取組の方向性について
1 生活基盤整備の基本的な考え方
今回、抽出した課題も踏まえ、障がい者が自ら住みたいと思う場所で、当たり前の生活を送るため
には、利用者のその時の年齢やライフスタイルに応じ、多様な選択(選びなおし)が可能な支援サー
ビスの充実や生涯を通じ、地域で安全・安心に自分らしい生活が実現できるよう個々の生活の創造
に向けた取組が必要であるため、次の観点を基本に取り組んでいく。
1つ目は、障がい者が地域で、安全・安心に暮らせる「地域のセーフティネット」の構築である。
市町村を中心とした地域の関係機関がそれぞれの役割を果たしながら、地域のネットワーク等の
「つながり」を意識した支援を行う。
2つ目は、障がい者が地域で快適に暮らすために、多様なニーズに対応した「個々の生活の創造」
である。地域で自らの生活づくりを進めるには、現行サービスの枠にとらわれず、多様な主体により
時間の創造につながる活動や様々な選択肢による「拡がり」を意識した支援を行うことが重要であ
る。
今後は次の方向性に沿って生活基盤の整備に取り組むものとする。
障がい者の地域生活を支えるサービスの充実に向けて
~ つながる 拡がる 地域のサービス ~
「つながる」 ・・・安全・安心に暮らせる「地域のセーフティーネット」
「 拡 が る 」 ・ ・ ・多様なニーズに対応する「個々の生活の創造」
[現行のサービスに生活の創造の取組を加えたイメージ]
次のイメージ図は、地域で障がい者を支援する住まいの場や日中活動の場、訪問系サービス
等や地域資源(関係機関)の状況に生活の創造の取組を加えたものである。
多様なニーズに対応する個々の生活の創造の取組として、サービス事業者の支援内容の一層
の充実だけでなくボランティア・NPO等多様な主体の活動促進により、働きがいや余暇支援、
地域交流、緊急時支援等を通じて障がい者の生活づくりや生きがいを支援する。
~
地域の生活を支えるサービスのイメージ 2
障がい福祉サービスによる支援
+各主体による連携・取組促進
就労移行支援
生活介護
就労継続支援(A,B型)
自立訓練(通所型)
(地域活動支援センター)
等
働き
がい
居宅介護
行動援護
重度訪問介護 同行援護
(移動支援)等
‐11-
余暇
支援
相談支援事業所
住まいの場
短期入所
サービス
利用促進
独居・
家族との同居
地域
交流
人材
育成・確保
地 域 移 行
施設入所
多様な生活の創造
訪問系サービス
日中活動の場
グループホーム等
~
地 域 移 行
緊急時
支援
地域資源の活用
医療
機関
教育
機関
就業先
企業
-8-
自治会等
2 取組主体の役割と連携
(1) 取組主体の役割
従来の障がい福祉サービスによる支援に加え、多様なニーズに対応する生活の創造を実現する
ためには、これまで以上に、府と市町村、サービス事業者、地域資源(関係機関)がそれぞれの役割
を明確化し、効果的な支援体制を確立し、連携・協働することが必要となる。
府は、地域生活を支えるサービスのさらなる充実に向け、「国への働きかけ」を行う。さらに、「情報
の集約・発信」「取組事例の収集・発信」を行い、「地域バランス等を踏まえた推進策」「独自取組」を
推進する。
市町村は、「ニーズの適確な把握」「サービス事業情報の集約」「市町村域の事例収集」「情報収
集・発信」を行い、その情報等に基づいた「市町村域の推進策」を担う。
サービス事業所は、その社会的役割も踏まえた上で、従来の支援に加えて、主に「支援のコーディ
ネート機能」「支援業務における多様な取組」を担う。
さらに、医療機関、自治会、教育機関、NPO、企業、ボランティアなどには、府と市町村が示す促
進策を受け、各活動分野の特色を活かした、これまで以上の支援を強く望む。
これらを踏まえたうえで、各取組主体は、地域において支援のネットワーク構築など協働・連携する
とともに、広域的な視点からも地域バランス等に応じた支援に取り組めるよう十分連携を図っていくこ
とが重要である。
次の図は、障がい者に対する支援体制のイメージである。
多様な主体の協働による地域サービスの推進
サービス事業者
地域資源(関係機関)
障がい福祉サービスによる支援
各活動分野の特色を活かした支援
情報
・医療機関 《高齢化・重度化》
・支援のコーディネート機能
・自治会 《地域交流》
・支援業務における多様な取組
・教育機関 《人材育成》
ニーズ
・NPO 《専門分野を活かした支援》
(障がい者、
家族、関係者等)
居住系サービス 日中活動系サービス
訪問系サービス
既存資源
・企業 《就労先・社会貢献活動》
・ボランティア 《協力人材確保》
特色
市町村
・ニーズの適確な把握
・サービス事業情報の集約
・市町村域の事例収集
・情報収集・発信
・市町村域の推進策
援護の実施者
府
広域支援
・情報の集約・発信
・地域バランス等を踏まえた推進策
・独自取組の促進
・取組事例の収集・発信
・国への働きかけ
独自
報酬算定、補助制度、制度・基準
要望等
全国
国
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(2) ニーズ把握と取組主体の連携
① 利用者ニーズの適確な把握
現在、障がい者計画において設定している障がい福祉サービス等の見込量と実績値には、数値の
かい離が見受けられる。また、地域によっては利用者が最も希望するサービスを受けられない場合
があり、その理由としては、「サービスの提供がない」「事業所における定員超過」「その他の要因」が
挙げられる。
これらの問題点を解消するためには、利用者のきめ細やかなニーズ把握が必要であり、そのニー
ズの把握手法が重要になる。利用者のニーズに応じた効果的な支援体制を確立するには、障がい
福祉サービス利用者のニーズと地域の事業所の機能やサービス提供量を適確に把握し、地域バラ
ンス等も考慮した上で、優先順位を定め必要な基盤整備を行う必要がある。
② 取組主体の連携のポイント
○情報の充実
利用者が適確に障がい福祉サービスを選択するには、サービス事業者の支援に関する情報や内
容、地域の連携体制など、様々な情報が不可欠である。情報収集・発信の強化に向け、府は府域で
サービス等に関する必要な情報を共有し提供できるよう情報収集・発信に関する仕組の構築に向け、
検討を行う必要がある。
サービス事業者等は、それぞれのサービス事業や取組等に関する情報の整理・発信を行い、市町
村は、市町村域内におけるサービス等に関する情報の集約・発信をするなど、それぞれの主体にお
いてインターネットや情報誌などの媒体を適切に活用した情報の収集と発信を担うことが重要であ
る。
○特色のある支援
個々の利用者のニーズにきめ細やかに対応していくためには、取組主体の役割を明確にした上で、
府・市町村等による独自の特色ある施策を推進していく必要がある。また、事業者や地域資源(関係
機関)においても、各々の得意分野を活かした、特色ある支援の推進と情報発信を行うことが重要で
ある。
○既存資源の活用
利用者のニーズを迅速、かつ、効率的に反映するには、既存資源の活用が有益であると考える。
地域における関係施設や各種機関が実施する既存行事等を広く活用することで、サービスの拡充や
余暇の支援となり、地域との交流の促進につながるものと考える。また、資格所持者やボランティア
等の地域の人材を活用することにより、さらなる人材の確保や育成に繋がるものと考える。
3 取組の概要
関係機関は、障がい者が地域社会において、「~
つながる
拡がる
地域のサービス
~」
が実現できるよう、次のように取り組む必要がある。
(1)
安全・安心に暮らせるための「地域のセーフティネット」
取組にあたり重要なのは、障がい者のニーズを適確に把握し、その支援が充実されることである。
そのために、市町村は、障がい者のニーズやサービス事業者の障がい福祉サービスの提供状況
等を踏まえ、必要なサービスの種別・量の整理を行うとともに、今後、整備すべきサービス種別・量を
算出した上で、計画的に整備する。
府は、各市町村の需給ニーズや地域バランス等を把握・分析した上で、地域偏在を解消することな
どを念頭に、広域支援を推進する。
- 10 -
また、府及び市町村は、7 ページに記載の各課題に対し、次のような取組を行う。
○ 制度(報酬算定、補助制度、制度・基準)に関すること
サービス事業者、地域資源(関係機関)による現行制度等の課題を踏まえ、府や市町村において、
課題の分析、必要な改善策案を整理する。全国的で一律の制度については、国に実情に応じた制度
の充実を求める。それ以外については、府・市町村において、独自取組等の検討に活用する。
○ 人材確保・育成に関すること
府・市町村は、関連団体等にボランティア支援の理解促進の働きかけを行う。地域資源(関係機関)
は、活動分野の人材協力の促進を行い、サービス事業者の人材活用の検討や募集の促進を図る。
○ 住居・サービスの充実に関すること
府及び市町村は、今後も利用者の家賃等の負担が比較的少ない、各種公的住宅のグループホー
ム物件への活用推進や、事業者がサービス事業を開始する際の手続き等をマニュアル化した事業
者向けのハンドブックの作成による開設促進など、利
用者の利便性を向上させるための取組を行う。
○ 地域の住まいやサービスの相談支援に関すること
サービス事業者・地域資源(関係機関)は、利用促進
に向け、基本情報等を整理する。
府・市町村は、サービス事業者・地域資源の情報を
集約し、発信する。
○ その他の抽出課題
(2) 多様なニーズに対応する「個々の生活の創造」
個人の生活づくりに向けた多様なニーズに対応するためには、「日常生活における障がい福祉サ
ービスの支援とあわせた時間の創造」と「高齢化も踏まえた生活設計の創造」が、今後重要であり、
余暇活動、学習機会、働きがいのある場などを充実させるための「メニューの充実」「協力人材の確
保・育成」「活動の場の充実」の取組が必要である。
○ 情報の充実
情報収集・発信の強化に向け、府は、府域でサービス等に関する必要な情報を共有し、提供でき
るよう情報収集・発信に関する企画や総合調整を
担う。
サービス事業者・地域資源(関係機関)は、それ
ぞれが実施する事業に関する情報を積極的に発信
するとともに、市町村は、市町村域におけるサービ
ス等に関する情報を集約・発信する。
○ 多様な主体の活用
府・市町村は、障がい者が円滑に地域資源を利
用できるよう、NPO、地域自治会等の関係機関に
対し、介助者等の人的支援等の配慮の促進や、障
がい者自らが活動を行うための活動場所の提供等の働きかけを行う。
サービス事業者は、支援におけるボランティアや地域資源の活用を検討する。
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○ 新たな支援メニューの開拓
サービス事業者や関係機関は、利用者ニーズの把握とメニュー提案、活動事例の情報提供等を
府・市町村に対し行う。府・市町村は、提供された内容を関係機関に広く周知する。
○ ネットワークの強化
市町村圏域、又はブロック圏域での地域資源(関係機関)、サービス事業者との地域ネットワークの
構築に向け検討を行う。
○ 既存資源の活用
府・市町村、地域資源(関係機関)、サービス事業者が、それぞれ活用可能な場所や、行事等の情
報を提供し、共有を図る。
(3) 府による行政上の課題への取組
府は、障がい福祉サービスの制度全般の実施主体である市町村の取組が、一層促進されるよう、
次の課題にも積極的に取り組んでいくことが必要である。
① 市町村の取組促進
○ 市町村の取組差の緩和
府から各市町村への先進的取組事例等の提供を行うとともに、圏域ブロック単位での研修や勉強
会等を主催することにより、府内全般の取組水準を高める。
○ 在宅障がい者のサービス利用促進
障がい者のサービスの利用促進を図るために、在宅障がい者に対するアプローチ方策等について、
市町村とともに検討する。
② 国制度の充実・運用促進
○ 国への働きかけ
国の制度に関わる「報酬算定」や「補助制度」、「制度・基準」については、引き続き、実状等を踏ま
え、国に対し要望する。
(例) グループホーム・短期入所
宿泊型自立訓練
事業者参入を促進する報酬体系の設定。
地域移行支援の中間的ステップの場として活用できる報酬体系の設定。
(重度障がい者等)
日中活動系サービス
基準を上回る看護師・支援員等を配置した場合の報酬加算。
○ サテライト型住居の活用
今回、国の制度改正により創設される「サテライト型住居」については、グループホーム等の利用
者から、より一人暮らしに近い形態で暮らしたいとの声もあり、多様な住まいの場を維持する観点か
ら、共同生活住居との連携を前提としたサテライト型住居の導入や活用促進に向けた検討を行う。
③ ニーズ把握
前述したように現在、大阪府障がい者計画において設定している障がい福祉サービス等の見込量
と実績値には、数値のかい離が比較的多く、必要とする見込量の設定をより適確に行うことが必要で
あり、その算定方法の具体的な手法について、市町村と連携し検討を行う。
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4 次年度以降検討すべき事項
本ワーキンググループで実施したアンケートやヒアリング、各委員の意見等や国の政策方針等も踏
まえ、「障がい特性を踏まえた利用者の多様なニーズへの対応」、「地域生活における緊急時を含めた
24 時間・365 日の支援」、「サービスの地域バランスへの対応」、「補助金等の充実」、「公的住宅の利用
拡大」「高齢化を見据えた余暇支援等」のテーマ等を優先して次年度以降取り組むものとする。
(1) 安全・安心に暮らすための「地域のセーフティネット」
○ 利用者ニーズの把握方法
整備すべき生活基盤の機能や量を検討するにあたり、市町村等がヒアリングやアンケート等により
収集・分析する情報の収集や、分析等の方法について整理する。
○ 多機能支援のあり方
利用者の高齢化が進展する等、地域生活における緊急時を含めた 24 時間・365 日の支援ニーズ
は多く、必要な支援機能や体制をどのように確保すべきかを整理する。
○ 既存財源等を活用した府の取組手法
市町村・地域における利用者ニーズに対する生活基盤の機能・量等の整備状況を踏まえ、府とし
て府域のバランスを考慮し、既存補助金等の活用により、事業所整備を誘導するための手法につい
て整理する。
○ 公的住居の活用のあり方
公的住居については、利用者負担が比較的少なく、地域の住まいの場として大きな役割を担っ
ており、利用者から入居の希望が多い。
安全性確保のために建物に対する消防法・建築基準法による制約が強くなる中、今後の活用のあ
り方を整理する必要がある。
(2) 多様なニーズに対応する「個々の生活の創造」
○ 生活の創造のあり方
余暇支援、学習、働きがいなど障がい者の生活づくりを支えるメニューや人材の確保・育成、活動
場所について整理する。
(1) (2)の検討にあたっては、次期障害福祉計画の基本指針案において導入されているPDCAサイク
ル(※5)の視点も踏まえ検討する。
(※5)計画(Plan)⇒実行(Do)⇒評価(Check)⇒改善(Act)⇒計画(Plan)
次年度以降検討すべき事項については、庁内関係機関による検討の場や市町村や有識者などとの
検討の場なども活用する。
また、府として、「情報の集約・発信」「取組事例の収集・集約」に向け、各種会議の場や個別調整等
により、市町村を通じて、地域のサービス事業所や地域資源(関係機関)の情報を収集し、施策推進に
向けた分析や情報共有のための発信についての検討を行う。
最後に、地域の生活基盤が多様なニーズに対応しつつ、障がい者の地域生活の充実に向けて、府
は自らの役割を果たすとともに市町村、サービス事業所、地域資源(関係機関)の取組や連携を促進し、
障がい者が地域で安全・安心に暮らせるよう取り組んでいく。
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