...

体 育 科 学 習 指 導 案

by user

on
Category: Documents
16

views

Report

Comments

Transcript

体 育 科 学 習 指 導 案
を理解し、経験することで、自らの課題を達成しやすくなるように学習の場を工夫した。
「牛乳キャップの場」では、自分の最もよい踏み切り位置を身につけさせるために、
体 育 科 学 習 指 導 案
指導者
吹田市立吹田南小学校
大津 博典
踏み切った位置に牛乳キャップを置くことで毎回確認できる場とした。
「アクセント助走の場」では、踏み切り板を2歩目の位置に置き、弾む感覚を身につ
1.日時
平成23年10月12日(水)第5時限(14:00~14:45)
けさせることで、踏み切りの際、前方への力ではなく、上方へ力を向けることを学習で
きるようにした。
2.場所
3.学年・組
吹田市立吹田南小学校
第6学年4組 36名
「斜めバーの場」では足の裏が見えるくらい振り上げ足を上げることをねらいとし、
足首に“鳥人バンド”を巻くという手立てをとった。足首に巻いた鳥人バンドがアドバ
4.題材
5.指導観
陸上運動(走り高跳び)
運動場(雨天時:体育館)
イスをする児童に見えないようにすることで、自然と足の裏が見えるくらい振り上げる
ことができると考えた。
本学級の児童は体を動かすことが好きで、日々の体育の時間にも意欲的に取り組むこ
とができる。しかし、自分の課題を意識して運動する経験が少なく、行っている運動が
「二重バーの場」では抜き足をお尻よりもあげることを身につけさせたい。しかし、
跳んでいる児童にとってお尻よりもかかとがあがっているかどうかは確認しにくいため、
なかなか技能の向上につながってこなかった。そこで、学習課題に応じた場に取り組み、
「できた」という達成感を味わうことができた児童も多かった。
ここでも鳥人バンドを活用する。児童は鳥人バンドがアドバイスをする児童に見えない
ように抜き足をあげることを意識して取り組む。バンドが見えないくらい抜き足をあげ
自分自身が体を動かすことは好きであるが、他の人になかなかアドバイスができない
面もある。児童にとっては「どこを見ればいいかわからない」
「何を言えばいいのかわか
ることができていれば、お尻よりも抜き足のかかとが上がっていると考えた。
そして、下半身の技能について学習を進めてきた中で、振り上げ足も抜き足も意識し
らない」といった難しさがあると考えた。そこで、児童に技のポイントを知らせること
で①どこを見ればいいのかを知る。②アドバイスができるように知識の情報を増やして
ているのに跳べない児童がでてくることが予想される。そこで「腕振りの場」として、
走り高跳びには上半身の技能も必要であるということを意識させる。
「斜めバーの場」
「二
いく。という二点を意識させ、アドバイスにつなげていく手立てをとってきた。友だち
のおかげでできるようになったというアドバイスの重要性も伝えるようにしてきた。
重バーの場」を利用するが、声かけを工夫することで、上半身の技能を身につけさせる。
『鳥人チャレンジタイム』は、自分の課題に合った場で練習し、課題に応じて移動で
本単元の走り高跳びは、助走の力を上方に向け、バーを跳び越えるという楽しさを味
わう運動である。しかし「助走」
「踏み切り」
「空中動作」
「着地」と一連の動きを短い時
きる場とした。チェックの場を用意することで課題に対してどこまでできているかを確
認できるようにした。その際、同じ課題に取り組んでいる児童の中で、
「自分は課題を意
間で変化させる必要があり、特に「空中動作」においては、自分の動きを把握しにくい
事が難しいと言える。よって以下の点をポイントとして指導をしていく。
識して跳ぶことができた。」と感じた児童が3人揃ったらチェックの場に行くことができ
るようにした。
○助走・・・2歩目で少し弾み、最後の3歩を短くして助走をすることができる
○踏み切り・・・一番高く跳べる位置で踏み切ることができる
『鳥人セミオリンピック』では、挑戦する意欲を育てたい。常に最高記録に挑戦する
気持ちをチーム全員が持ち、成功するためにお互いにアドバイスし合うことを大切にし
○空中動作・・・足の裏が見えるくらい振り上げ足を高くあげることができる
抜き足のかかとをお尻よりも上げることができる
ていきたい。そして、最後に『鳥人オリンピック』でチーム対抗戦を行い、今まで学習
してきたことを発揮できる場としていきたい。
○着地・・・ひざを柔らかく曲げ安全に着地できる
また、バーを跳び越えるということから「成功」
「失敗」が自分にも見ている人にも一
走り高跳びという個人種目ではあるが、チームでお互いにアドバイスをし合う場面を
設けた。オリエンテーションの際、良い例を見せてポイントを知ったり、鳥人バンドも
目でわかるという特徴がある。苦手な児童にとっては、恐怖心からバーの前でとまって
しまったり、失敗が一目でまわりにも分かってしまったりするので、さらに苦手に感じ
活用したりすることでアドバイスできるよう指導していく。仲間のアドバイスで記録が
伸びたり、自分のアドバイスで仲間の記録が伸びたりすることを経験し、仲間との関わ
てしまう面もある。しかし、目標としている高さを越えた時、大きな達成感を得ること
もできる。また、自分の記録に挑戦することの楽しさや新記録が出た時の喜び、仲間と
りの大切さやアドバイスの重要性を感じ、お互いに高め合うことの良さを味わわせたい。
競い合うことの楽しさも味わうことができる。
本単元では、自分自身でも確認することが難しい「空中動作」の学習に重点をおいた
6.指導目標
○振り上げ足を高く上げ、バーを跳び越すことができる。
指導をしていく。『鳥人スキルアップ』では、「踏み切り」「助走」「空中動作」「腕振り」
の4つの課題に分け、共通課題の場とした。局面ごとのポイントをはっきりさせたこと
○腕の反動を利用して跳ぶことができる。
○友だちに対してアドバイスをすることができる。
で、失敗した時もアドバイスがしやすいようにした。全児童がそれぞれの技のポイント
○自分に合った場を選ぶことができる。
9.本時の目標
○抜き足を体に引きつける。
○技のポイントを理解してアドバイスをする。
○自分の課題に合った場で取り組む。
10.本時の展開(4/6)
時間
0
学
習
活
動
○集合 健康観察 ストレッチ
○ウォーミングアップをする
形態
指導者のねらい
予想される児童の活動と指導者の支援
評価規準と評価方法
全員
グループ
・ミニハードル片足跳び(横跳び)
・跳ぶ時に手の反動を利用して跳ぶ
・ミニハードルに引っかかってし
まう。
・「手の反動を使って跳ぼう」
○ 最 後 ま で全 力 で 取 り
組むことができたか【態
・立ち高跳び
・跳ぶ時に両手をしっかり振り上げ
る
・腕の振りが小さい。
・「腕を後ろに思い切り引いてみ
よう」
②】
・ひざを曲げて柔らかく着地する
・着地の後にとまれない。
・
「ひざをしっかり曲げて跳ぼう」
・「ひざを曲げて着地しよう」
腕を振って思い切りジャンプしている。
5
○抜き足をひきつける
グループ
・抜き足をお尻よりもあげる
・抜き足がバーに当たってしま
う。
・二重バー
鳥人スキルアップ
・「鳥人バンドを見せないように
○ 抜 き 足 をお し り よ り
足をあげよう」
・「どれくらい上げれば鳥人バン
も あ げ る こと が で き た
か【技②】
・上体が前かがみになってしま
ドは見えなくなるかな」
・「色が変わっているところ見て
う。
・助走のリズムが合わない。
踏み切ろう」
・「1・2~で軽くジャンプして
みよう」
・
「最後の3歩はタ・タ・タ~ン」
鳥人バンド見えないように抜き足をあげている。
・友だちに対してアドバイスをする
・アドバイスの時、どこを見たら
いいかわからない。
・「鳥人バンドに注目して見てみ
○ 友 だ ち にア ド バ イ ス
よう」
・「どれくらいあげたらマークが
することができたか【態
③】
見えないかを言ってあげよう」
・「友だちと同じことを言っても
・一人でアドバイスすることがで
きない。
良いよ」
・「相談しながら見てもいいよ」
・「友だちと一緒にアドバイスし
てもいいよ」
友だちの跳躍をしっかり見て、アドバイスできることを探している。
20
鳥人チャレンジタイム
○自分の課題に合った場で練習をする
ここでのグループは、同じ課題を
グループ
・自分の課題を意識して場を選び、
主体的に取り組む
持ったグループとする。
・自分の課題に合わせて場を選ん
だり、移動したりすることがで
きない
・次の課題に気付くことができな
い。
・アクセント助走の場
・「チェックの場でも同じように
跳ぶことが出来たかな」
○ 自 分 の 課題 に 合 っ た
場 で 練 習 する こ と が で
きたか【思①】
・「体のどこにバーが当たってい
るかな」
・「さらに記録をのばすためには
どの場に行けばいいかな」
・斜めバーの場
・二重バーの場
・チェックの場
・バーの端の方で踏み切ってしま
う。
・「色が変わっている所で踏み切
ろう」
・踏み切り足が合わない。
・「1歩目は踏み切り足からスタ
ートしよう」
・助走のリズムが合わない。
・「1・2~で軽くジャンプして
みよう」
・
「最後の3歩はタ・タ・タ~ン」
・振り上げ足が当たってしまう。 ・「牛乳キャップで確認した位置
・振り上げ足があがらない。
を思いだそう」
・「足の裏が見えるくらい振り上
・抜き足を引きつけることができ
げよう」
・「ひざを胸に引きつけよう」
ない。
・抜き足があがらない。
・「鳥人バンドが見えないように
自分の課題に必死に取り組んでいる。
・ポイントを理解してアドバイスを ・アドバイスの時、どこを見たら
いいかわからない。
する
足をあげよう」
・「ボードに貼ってあるポイント
を参考にアドバイスしよう」
・一人でアドバイスができない。 ・「相談してアドバイスしてもい
いよ」
・ 「友だちと一緒にアドバイ
スをしてもいいよ」
30
鳥人セミオリンピック
○記録に挑戦しよう
グループ
・グループの全員が1回記録に挑戦
・アドバイスタイム
・学習してきたことを意識して記録 ・まわりの人に目を向けることが
に挑戦する
できない。
・もう 1 回挑戦
・記録にばかりこだわりすぎてし
まう。
・
・「赤玉をゲットするためにもア
○ 最 後 ま で全 力 で 取 り
ドバイスしてあげよう」
・「何に失敗したのかをアドバイ
組むことができたか【態
②】
スしてあげよう」
・「チャレンジタイムで学んだこ
とを思い出して跳んでみよう」
学んできたことに気をつけながら記録に挑戦する。
40
○整理運動
全員
・本時で特によく使った筋肉や関節
をほぐさせる
7.単元の評価規準
Ⅰ.運動の技能
①安全に着地することができる。
②振り上げ足を高く上げることができる。
③抜き足を体に引きつけることができる。
④腕の振りを利用して跳ぶことができる。
Ⅱ.運動への態度
①安全に注意して運動をする。
②すすんで走り高跳びに取り組む。
③友だちと協力して運動しようとする。
8.指導と評価の計画 全6時間(本時 4/6)
時間
5
10
15
20
ウォーミングアップ
1
ストレッチ
連続8の字跳び
ウォーミン
グアップ
2
3
(
4
)
本
時
5
6
・ストレッチ
・足じゃんけ
ん
・スキップお
にごっこ
・ 足じゃんけん ・ スキップおにごっこ
・空中キック
・ミニハードル片足跳び ・立ち高跳び
鳥人スキルアップ
○踏み切りの場
○助走の場
「自分に合う踏み切
「リズミカルな助走を
り位置を見つける。」 する。」
・牛乳キャップの場
・アクセント助走の場
「バーに対して45度
程度の角度で助走を
する。」
・滑走路助走の場
Ⅲ.運動についての思考・判断
①アドバイスをするポイントがわかる。
②アドバイスをすることができる。
③友だちのアドバイスを活かして跳ぼうとする。
④自分の課題に合った場で練習する。
35 40
30
25
45
○走り高跳びの技術ポイントを知る
オリエンテーション
○助走と踏み切りの方法を思い出す
○自分の記録を知ろう
・現段階での自分の記録を知る ・踏み切り足の確認
・3歩助走のリズムの確認
○自分の課題を設定する
技
①
・踏み切り板の場
・アクセント助走の場
・滑走路助走の場
・チェックの場
鳥人セミオリンピック
○記録に挑戦する
①自分の記録をもとに、挑戦する
高さを決定する
②2回ずつ挑戦
③バーをクリアすることができた ふりかえり
ら「赤玉1つ」
整理体操
新記録に挑戦したら「白玉1
後片付け
つ」
・ストレッチ
・空中キック
・ミニハード
ル片足跳び
・立ち高跳び
○空中動作の場
「抜き足をお尻よりもあげる。」
・二重バーの場
・アクセント助走の場
・斜めバーの場
・二重バーの場
・チェックの場
③
・ストレッチ
・ミニハード
ル片足跳び
・立ち高跳び
○腕振りの場
「腕の振りを利用して跳ぶ。」
・斜めバーの場
・二重バーの場
・斜めバーの場
・二重バーの場
・チェックの場
④
○自分の課題に合った場で練習する
・アクセント助走の場 ・斜めバーの場
・二重バーの場 ・チェックの場
①
①
②
①
○空中動作の場
「振り上げ足をあげる。」
・斜めバーの場
鳥人チャレンジタイム
①
②
思
鳥人チャレンジタイム
・ストレッチ
・スキップお
にごっこ
・空中キック
・ストレッチ
・空中キック
・ミニハード
ル片足跳び
・立ち高跳び
観点別評価
態
・アクセント助走の場
・滑走路助走の場
・斜めバーの場
・チェックの場
②
②
③
②
③
④
鳥人オリンピック
○チーム対抗戦を行う
①グループ毎に分かれて記録を計る
②3回ずつ挑戦する
③跳び終えたら得点を計算する
④合計得点で勝敗を競う
②
③
②
③
②
③
場の設定(鳥人チャレンジタイム)
斜めバーの場
高さの差は30cm
朝礼台
二重バーの場(60cm~75cm)
・二重バーの差は、20cm
・とばしたい高さが奥のバー
二重バーの場(80cm~100cm)
・二重バーの差は、20cm
・とばしたい高さが奥のバー
チェックの場
・学習したことを活かして跳ぶ
・場はフラットな場とする
チェックの場
・学習したことを活かして跳ぶ
・場はフラットな場とする
アクセント助走の場
・踏み切り板は、2歩
目の位置に置く
・左右両側に踏み切り
板は置いておく
Fly UP