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(Microsoft PowerPoint - 090107NewsLetter10 [\214\335\212\267
発行者 公会計改革に協力する会計人の会
協 力 株式会社PMC
発行日 平成21年1月7日
10
Vol.
本号では、有識者寄稿のコラムを掲載します。
1
市場化テスト
市場化テスト法
テスト法・・・先行
・・・先行する
先行する自治体
する自治体
平成18年6月2日に公布、同年7月7日に施行された「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」(公共サー
ビス改革法)は、マスコミ等を通じて一般的には「市場化テスト法」とも表現され、「官から民へ」の動きを加速する手法の
一つとして注目されています。しかし、法が成立して、内閣府に「公共サービス改革推進室」が設置され、法に規定された
第三者機関として「官民競争入札等監理委員会」も設置されたものの、国(府省庁)の動きは、非常に鈍いのが現状です。
市場化テストのモデルとしては、自治体の方が手法としても、事例としてもバラエティに富み、その効果も大きいと言え
ます。それは、市場化テストは、「官から民へ」という流れを象徴するという意味で、非常にインパクトのある用語ですが、
行政アウトソーシングの一形態に過ぎないからです。国(府省庁)レベルはともかく、自治体においては、「PFI制度」、「構
造改革特区制度」、「指定管理者制度」など、すでにさまざまな形で行われているのが実態となっているので、市場化テス
トもアウトソーシングの一形態として理解しやすく、他の手法における一定の経験をもとに、比較的容易に制度設計がイ
メージできるからです。
なかでも指定管理者制度は、民間事業者が多い都市部においては、指定管理者の選定に際しては、ほとんどの場合
に公募提案方式が採用され、事業内容や事業費を総合的に判定しています。「公の施設」の管理運営に限定されるとは
いっても、指定管理者制度における指定管理者の選定は、「市場化テスト」と言っても過言ではありません。したがって、
自治体においてはあえて「市場化テスト」の導入と言わなくとも、公の施設管理においてすでに実践されていると言えます。
自治体における市場化テストの特徴は、事業提案制度を採用する自治体が増えてきていることです。これは、国(府省
庁)とは全く違った動きです。「市場化テスト法」に期待していた自治体は、この法の成立で、アウトソーシングの範囲が非
常に狭められたことに失望しました。それは、法で規定された「特定公共サービス」に関する特例措置が原因です。自治
体の業務の多くは、特段の法律的特例措置がなくとも、地方自治法や地方自治法施行令の契約に関する規定に基づい
て独自の手続きを行えば、業務のアウトソーシングが可能で、現実に多くの業務委託が行われているのが実態だからで
す。
2
市場化テスト
市場化テスト法
テスト法と現実の
現実の乖離
「市場化テスト法」による特定公共サービスとして規定されたのは、「窓口6業務」のみでした。今後の法改正によって拡
大する可能性が高いとは言われるものの、この規定によって手足を縛られた自治体も多かったのが実情です。
【各制度の比較表】
「公共サービス改革—入門編」(内閣府 公共サービス改革推進室)より抜粋
項目
官民競争入札等
PFI制度
PFI制度
構造改革特区制度
指定管理者制度
根拠法
公共サービス改革法
PFI法
特区法
地方自治法
対象
公共サービス
(公共サービス改革法に
よる法令の特例措置により、
行政処分も対象となり得
る)
公共施設等の
整備等に関す
る事業
規制対象分野
「公の施設」の管理
(行政処分が含まれる
場合がある)
民間事業者等との
民間事業者等との
関係
民法上の契約関係を
基本としつつ、本法により、
当該契約関係に一定の
制限を課す仕組み
民法上の
契約関係
民間事業者との契約を
要する場合は、民法上の
契約関係を基本としつつ、
特区法の規定により、
当該契約関係に一定の
制限等を課す仕組み
地方公共団体による
「指定」(行政処分)に
より管理権限の
委任を行う仕組み
担い手の決定
入札により決定
(官も入札に参加可能)
入札により
決定
特区計画の認定による
指定による
いくつかの自治体では、この窓口6業務(交付請求の受付から引き渡しまで)の間にある、検索や文書作成、台帳管理
などの業務も、正規職員(公務員)の指示とチェックのもと民間委託で行ってきました。しかし、「市場化テスト法」の規定
によって、これらが違法行為とされる危険性が高くなったので、直営に戻すという「反動」が生じました。
行政サービス、特に基礎自治体が多く担っている窓口業務に関しては、自治体は住民の利便性向上、サービス水準の
向上に前向きに取り組んできた歴史があります。住民票や印鑑証明などを身近な場所で受け取ることができるよう、駅
前への「サービスコーナー」設置や、コンビニでの税金の収納受付まで、時代の変化、生活スタイルの変化に合わせて、
工夫を行い、時にはかたくなな省庁の「庁舎内で、正規職員の手で行う原則」という見解に対抗し、十分な管理体制、合
理的な事務処理を示して、一つ一つ「規制」を打ち破ってきました。
しかし、「市場化テスト法」に期待した自治体は、硬直化した「一定の判断をともなう手続きは公務員でなければ扱えな
い」という論理がそのまま反映し、既に嘱託職員の雇用などで事務改善を行ってきた窓口の受け渡しを特定公共サービ
スとしてしまい、「法」に基づく官民競争入札の手続きを「強要」するような「逆行」に失望したのでした。したがって、特定
公共サービスに関して「法」を適用し、官民競争入札を実施したという事例はほとんど聞かれないというのが実態です。
(Vol.11へ続く)
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