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平成25年度 業務実績報告書参考資料集

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平成25年度 業務実績報告書参考資料集
参考資料2-1
平成25年度
業務実績報告書参考資料集
平成26年6月
ナ イ ト
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)
目
次
A-1 製品安全分野・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P1~P12
A-1(1)製品安全分野
A-1(2)製品安全分野の政策効果
A-1(3)事故情報の収集・分析の迅速化・重点化、信頼性向
上への対応
A-1(4)発火燃焼事故の原因究明能力の高度化への対応
(燃焼技術センター)
A-1(5)安全レベルの質的向上(1)
~事故情報リスク分析等~
A-1(6)安全レベルの質的向上(2)
~製品事故の再発防止から未然防止に向けた
取組みの強化 海外関係機関との連携~
A-1(7)(8)安全レベルの質的向上(3)
~事故の未然・再発防止のための情報提供~
A-1 (9)技術基準・規格等の提案活動の強化(1)
A-1 (10)技術基準・規格等の提案活動の強化(2)
A-1 (11)製品安全に係る法執行・支援業務の的確な実施(1)
~製品事故の原因究明~
A-1 (12)製品安全に係る法執行・支援業務の的確な実施(2)
~法令に基づく立入検査の着実な実施~
A-2 化学物質管理分野・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P13~P20
A-2(1)化学物質管理分野
A-2(2)化学物質管理分野の政策効果
A-2(3)化審法関係業務
~化学物質のリスク評価等業務~
A-2(4)化審法関係業務
~新規化学物質の審査支援等業務~
A-2(5)化管法施行支援業務
A-2(6)化学物質管理に係る立入検査の実施
A-2(7)化学物質管理情報の整備、提供の強化等業務
~CHRIP等による情報提供~
A-2(8)化学物質管理情報の整備、提供の強化等業務
~アジア化学物質管理の支援等、国際関連業務~
A-3 バイオテクノロジー分野・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P21~P32
A-3(1)バイオテクノロジー分野
A-3(2)バイオテクノロジー分野の政策効果
A-3(3)カルタヘナ法の執行・支援業務
A-3(4)有害微生物リスク情報の公開
A-3(5)有用な生物遺伝資源の収集・保存&分譲・提供
A-3(6)NBRC株の有効活用例
A-3(7)微生物の産業利用促進
A-3(8)微生物機能のサーチエンジンの公開
A-3(9)アノテーション辞書の提供
A-3(10)ミャンマーとの共同事業を再開
A-3(11)韓国生命工学研究院(KRIBB)とのMOU締結
A-3(12)タイ王国のキュレーター育成とともに、
NITEの業務成果を実現
A-4 適合性認定分野・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P33~P39
A-4(1)適合性認定分野
A-4(2)適合性認定分野の政策効果
A-4(3)法令に基づく認定等(1)
A-4(4)法令に基づく認定等(2)
A-4(5)政策的・社会的要請に対応する認定
-ASNITE-
A-4(6)技術的信頼性の高い認定機関運営等
A-4(7)国際的信頼性維持・向上等
B 共通事項(マネジメント)・・・・・・・・・・・・・・・・・P40~P49
B-1(1)(2) (3)内部統制の充実・強化
B-2(1)(2) 戦略的な人材育成の推進
B-3
機動的な内部組織の構築と人員配置
B-4
契約の適正化による経費の削減
B-5 (1)(2) 戦略的な広報の実施
B-6
業務の電子化の推進
製品安全分野
平成25年度業務実績
A-1(1)
製品安全分野
■製品安全関係業務
・事故情報収集件数は24年度と比べ増加(25年度4,226件と約2割増。(24年度は3,595
件))
・リスク分析の結果に基づく調査の優先付けにより迅速化を継続実施。3か月以内の調査終
了率は、重大・非重大合算で79.9%と目標の75%以上を達成。また、結果を経済産業省に
提供して未然防止に寄与。
・事故の再発・未然防止を図るため、事故情報公開の迅速化を推進(受付情報公開件数:
3,145件)
・国民への注意喚起が必要とされる製品事故について、定期的(1回/月)にプレス説明会を実
施
→主要なTVニュース番組で報道され、国民に向けた情報提供が実現
・事故原因究明結果を経済産業省へ提供し、事故の未然・再発防止に貢献
■電安法・標準化関係業務
・経済産業省が通達「整合規格の電気用品安全法技術基準への適合性確認のプロ
セスの明確化について(H26.1.6)」を公表し、この基となる文書「将来的な技術基準体
系階層化における整合規格の整備について」(改訂3版)をNITEがとりまとめた。
・製品のリスクレベルが高い「浴槽用手すり」に焦点を絞りJIS規格案を作成するととも
に、乳幼児用製品の共通安全対策として、身体挟み込み確認試験方法を開発しJIS
規格案を作成した。
■法令に基づく立入検査等業務
・効率的・効果的な実施体制の下、的確に実施した。
(科学的知見に基づく信頼性のある原因究明と安全な製品への取り組み
/産業発展の実現に向けて)
◆質の高い原因究明調査の実施
◆事故情報の分析による安全な製品設計のための情報提供
◆消費者への注意喚起、情報提供による安全確保
◆事故情報の分析による再発、未然防止
◆技術基準・規格等の提案
◆電気用品安全法規格体系の見直し支援による未然防止の推進
製品安全に関する国民、事業者、行政の相互理解
再発防止と未然防止を通じた、安全な生活の実現
1
A-1(2)
製品安全分野の政策効果
事故調査・情報提供強化による社会的リスクの低減
■外部への危険情報の提供
・3か月以内での調査終了を徹底し、外部への原因究明に基づく危険情報の提供を
迅速化。経済産業省に対する安全施策のための基礎情報の提供や事業者への
安全設計に係る情報の提供を通じ、製品事故の未然・再発防止に寄与。
・月1回のプレス説明会を開催。事故の例を紹介した映像を使用し、国民にわかり
やすい説明を行った結果、毎回テレビに報道され、効果的な情報提供を実施。
・効果的な注意喚起活動によって、ガスこんろ火災事故の減少に寄与。
■燃焼技術に関する製品事故調査の重点化を展開
・平成26年3月、燃焼技術センターに製品燃焼実験施設が竣工。冷蔵庫など大型
家電製品の発火燃焼事故原因究明に対応。
・リチウムイオン蓄電池に係る発火燃焼事故の増加が予想されることから、携帯
電話などに搭載されている小型の蓄電池を燃焼させ、ガス分析するなど、蓄電池
に関する原因究明に資する事故調査技術の高度化を推進。
・変質灯油に関する燃焼実験を実施するなど、技術的知見を蓄積。
■製品事故の未然防止対策の強化
・事業者が知り得なかった経年劣化事故の原因をまとめた「経年劣化事故データ
ベース」を公開。
・昨年に引き続き平成25年度も事故情報を分析し、安全対策が必要と考えられる
製品群の優先順位付けを継続して実施し、技術基準改正の提案などの安全対策
を検討。
・電気用品安全法技術基準の性能規定化実現に業界とりまとめ役として貢献。
2
A-1(3)
事故情報の収集・分析の迅速化・
重点・信頼性向上への対応
■事故情報収集件数は、平成24年度に比べて増加
・事故情報収集件数については、25年度4,226件で24年度3,595件より631件
(17.6%)増加。
・ 4,226件のうち3,767件について、リスク分析を実施
■リスク評価等により迅速に調査を実施
・消防当局等との事故調査に係る連携強化
・リスク評価による優先的な調査の実行、調査プロセスの進行管理の徹底によって、3
か月以内の調査終了率は79.9%(平成24年度は82.0%)
■信頼性向上に向けた取り組みを実施
・JIS Q 17025 に基づく信頼性確保を継続
・外部専門家を活用し、調査体制を強化。事故原因究明の信頼性を向上。
原因究明技術の向上による事故未然防止のための活動例
○変質灯油の調査
変質灯油
芯式石油ストーブの消火不良事故の調査において、その原
因と考えられる変質灯油に着目し、変質灯油に含まれる物
質の高精度な質量分析を実施した。その結果、無色透明で
あっても灯油が変質していることが判明した。
本調査で得られた情報を基に、消費者に灯油の保存方法
などについて注意喚起を行った。
○二酸化塩素を用いた除菌剤の事故調査
空間除菌をうたう二酸化塩素除菌剤で目の異常、咳などの
健康被害があり、事故調査において空気中の濃度測定を
行った。日本では濃度の基準値がなかったことから、厚生
労働省ほかの関連機関及び関連工業会にデータ提供を行
い、工業会自主基準の策定に貢献した。
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-1
1. (1)参照
製品イメージ
除菌剤
3
A-1(4)
発火燃焼事故の原因究明能力の
高度化への対応(燃焼技術センター)
■製品燃焼実験施設の整備による高度化
製品事故に多くの件数を占める発火燃焼事故の原
因究明、再発・未然防止を強化するため、製品燃焼
実験施設を整備した。これによって、これまで実施
できなかった、大型電気製品の事故再現実験や燃焼
基礎データの整備、原因究明手法の開発等が実施で
きるようになり、今後、発火燃焼事故の原因究明能
力の向上や技術の信頼性向上等、技術の高度化を図
る。
(1)個別製品事故の原因究明のための発火燃焼実験能
力の拡充(大型家電製品、燃焼器具、電池製品等
の発火燃焼実験データ)
(2)事故原因究明・事故の再発防止のための技術デー
タの整備/充実(燃焼の過程(プロセス)を科学的
に捕らえるための挙動・ガス・痕跡技術データ)
(3)電安法、ISO、ENなど燃焼に関する規格・基準に
対応できる機能や能力の拡充(<将来>燃焼に関
する規格・基準を提案するための技術能力等)
焼損した大型
冷蔵庫(400L)
■製品燃焼事故原因究明のための試験機器の整備による高度化
家庭用電気製品等の発火燃焼事故における発火燃焼挙動や燃焼メカニズ
ムの解明、燃焼時に生成する有毒ガス等の分析、焼残物の痕跡解析等の発
火燃焼技術データ取得に向けた試験分析機器や、多くの製品に使用され、
発火燃焼事故が増加しつつあるリチウムイオン電池を使用した製品に対応
するための試験機器を整備し、事故原因究明能力の高度化を図った。
異常発熱し膨れたLIB(左)、正常なLIB(右)
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-1
1. (1)参照
発火燃焼したLIB
4
A-1(5)
安全レベルの質的向上(1)
~事故情報リスク分析等~
■「経年劣化事故データベース」の公開
・NITE事故情報データに対して、事故の起点となった部品の経年劣化に注
目した分析を行い、経年劣化事故の多い27製品、825件についてデータ
ベースを構築し、NITEホームページ上で公開。
→事業者が知り得なかった経年劣化事故を起こした部品を認識することによって、
リスク低減に貢献。
「経年劣化事故データベース」の公開
・NITEが公表している製品事故情報(重大製品事故を含む)のうち、経
年劣化の多い扇風機や蛍光灯器具等の27製品、合計825件について、例
えば電解コンデンサのドライアップ等、事故の起点となった部品の経
年劣化による故障メカニズムに注目した検討を加え、事検討結果を整
理したうえでデータベースを構築し、関係機関の同意を得てNITEホー
ムページで公開した。
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-1
1. (2)①参照
5
A-1(6)
安全レベルの質的向上(2)
~ 製品事故の再発防止から未然防止に向けた
取組みの強化・海外の関係機関との連携 ~
■ヒヤリハット情報の収集・分析
・家電量販店からデータ提供を受けた修理受付情報数万件を対象に整理・分析を行い、その結果
をデータの提供を受けた家電量販店へ提供するとともに、NITE内部での活用を図り、製品事
故の未然防止に活用。また、総合小売業との協力協定を結び(H26年2月)、家電に加えて消費
生活用製品全般のヒヤリハット情報の入手を可能とした。
■同種事故事例のグルーピングによる作業の合理化
・事故情報データベースの製品群ごとのリコール等の分析を合理的に進めるため、平成20年度か
ら平成25年度までの受付案件のうち、リコール情報に基づき同種事故事例を取りまとめた。
■海外の関係機関との連携を強化
・欧州製品安全規制体制調査の実施、米国で開催のICPHSO会議及びICPSC会議に出席、アジアへ
の製品事故調査に係る講師派遣等、積極的に海外関係機関等との連携を深める活動を行った。
・海外リコール情報を収集。日本で販売の輸入品(20件)のうち16件でリコールの実施を確認した。
1.ヒヤリハット情報の収集・分析
・家電量販店から提供される月単位で2万件を超える修理情報を、テキストマイニング等の手法によってメー
カー別、製品群別、型式別に分類し、その傾向を整理して、情報提供を受けた家電量販店に情報共有を図
りするとともに、データベース化してNITE内の関係部所に提供し、製品事故の原因究明と未然防止のため
に活用した。
・総合小売業との製品安全活動の協力に関する協定の締結及びプレス説明会を実施 (2月)。
2.未然防止に向けた取組
・経年劣化事故で設計不良と判断された事故に関して、起因となった部品(部材)に関する情報の整理を行い、
未然防止に向けた情報提供に着手した。また、整理した情報を危険度の抽出、事故シナリオの作成に活用
するとともに、FTA、 FMEA等の手法による分析への活用を検討した。
3.海外の関係機関との連携
・9月に欧州委員会、ベルギー、オランダ政府機関を訪問し、欧州製品安全規制体制について調査。
・11月に欧州委員会の依頼によって、同委員会において電気用品安全法の省令改正について説明。併せて
フランス、スウェーデン、ドイツの政府機関を訪問し、欧州製品安全規制体制について調査。
・台湾経済部標準検験局(BSMI)からの依頼によって、10月に講師2名を派遣し、製品事故調査に係る研修
を台北で実施。
・海外リコール情報を収集し、日本で販売されている可能性を調査・付加し、経済産業省に46件の情報を提
供。その結果、日本で販売されている輸入製品(20件)のうち16件で経済産業省リコールの実施を確認した。
・2月に米国で開催されるICPHSO会議及びICPSC会議に2名出席した。
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-1
1. (2)①②③参照
6
A-1(7)
安全レベルの質的向上(3)
~事故の未然・再発防止のための情報提供~
■定期(月1回)プレス説明会を開催
報道実績(プレス以外の取材による報道を含む)
: 新聞記事掲載 74回、 テレビ放送 150回
■全国の製品安全啓発セミナー等に講師を派遣
講師実績(総数) :全国の消費生活センター、消防、大学、業界団体など156件、受講者数延べ9,260人
■若年者向けの製品安全の教材の作成と配布
中学生以上を対象とした製品安全教育DVDハンドブックを全国の中学校に配布
1.定期プレス説明会・マスメディア報道
・再現実験映像を使った製品事故に関する説明会を毎月1回、年間 計12回開催。
・製品事故情報をマスメディアを通じ広く国民に啓発。
・各地方支所/センターにおいても地域ごとに製品事故情報をまとめ、全国の製品事故情報とと
もに地元報道機関等へ提供。
【報道実績】
・ 新聞記事掲載 74回
(自転車14回、冬の高齢者の事故8回、電動車いす6回、他)
・ テレビ゙放送150回
(夏の製品事故17回、洗濯機14回、ペットの事故11回、
自転車事故9回、他)
※特に反響が大きかったもの
○7月 夏の製品の事故
○4月 自転車事故
○10月 冬の高齢者の事故
再現実験映像
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-1
1. (2)④参照
7
A-1(8)
2.セミナー講師派遣等
・全国の消費生活センターや消費者団体が主催する安全啓発セミナー、消防機関が行う技術研修、大学、
業界団体等に111回講師を派遣し、事故事例の解説等を行う。(受講者延べ人数: 5,255人)
・主婦連合会・早稲田大学及び関西消費者連合会・関西大学との共同で「知の市場」を東京及び大阪で開
催、「製品安全対策の基礎知識」について講義(各15回)。(受講者:東京68人、大阪32人)
・経済産業省主催の製品安全セミナー等(電安法セミナー2回含む)に計17回講師を派遣し、同セミナー会場
には事故品・事故事例パネルを展示して注意喚起(参加者延べ人数: 2,963人)
・「生活安全ジャーナル」(Web版)を発行。「事故防止注意喚起リーフレット
( 3種類)、社告・リコールリーフレット(3種類)、注意喚起ちらし( 19種類)、
ミニポスター(再現実験映像を含む、 12種類)をホームページに掲載。
・ PSマガジンを毎月第2と第4火曜日に配信。( 27回、登録数:8.760件)
読者(登録数:8,741人)の約5割は製造・輸入事業者。
製品安全情報をダイレクトに、定期的に発信できるツールとして定着。
登録者数は、昨年同月比で約400人増
・業務報告会を11月に大阪及び東京で開催
(来場者数 大阪会場291人、東京会場398人)
業務報告会(毎年11月に東京、大阪で開催)
3.製品事故の未然・再発防止を図る若年者向け製品安全教材の普及・啓発
・中学生以上向けの製品安全教育DVD教材を全国の
中学校へ配布した。小学校高学年向け教材の配布と
併せて、若年者への製品安全の普及・啓発を図った。
中学校
出前講座の様子
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-1
1. (2)④参照
8
A-1(9)
技術基準・規格等の提案活動の強化(1)
■高齢者・乳幼児用製品等に関する個別製品規格案の作成・支援
介護用手すりのうち事故の最も多い「浴槽用手すり」について、浴槽から手すり
が脱落する事故防止対策として、固定性試験方法や隙間への閉じ込め回避試験
方法等を開発し、JIS規格案を作成。
【手すりの固定性試験方法】
高齢者の発揮力相当の力で浴槽に手すりを固定
し、高齢者が通常手すりに寄りかかる相当の荷重
を手すりに加え、移動及び脱落がないことを確認。
【浴槽用手すり】
■乳幼児用製品の共通安全対策(身体挟み込みに関する規格作成)
「隙間・開口部への身体挟み込み」の危険源について、乳幼児の身体挟み込み可能
性を確認する試験方法を開発し、JIS規格案を作成。
この試験方法は、乳幼児の身体を模擬した試験ジグを製品の隙間・開口部に差し込
むことで確認するもので、試験ジグは、既存の日本人乳幼児の身体寸法データに加
え、0~6歳児(480名)の身体寸法を追加計測し、開発。
【乳幼児の身体寸法計測風景】
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-1
【開発した試験ジグ一例:指ジグ】
1. (3)①③参照
9
A-1(10)
技術基準・規格等の提案活動の強化(2)
■技術基準・規格等の提案活動の強化
・電気用品安全法の技術基準抜本改正(技術基準の性能規定化及び新解釈の策
定)の実現に、業界取りまとめ役として貢献。
・プラスチック着火性試験方法の国際標準化をめざし、ラウンドロビンテスト
(各国の相互試験)達成のため、メンバーの中心として貢献。
1.電気用品安全法技術基準体系の整備
・技術基準省令の性能規定化に向けた改正に貢献。技術基準を一次文書、技術基
準の解釈を二次文書、解釈の解説を三次文書とする階層構造実現に貢献。
・国が公表している二次文書に含まれる整合規格の採用プロセスを明確にした。
・法の周知のための法令業務実施ガイドを技術基準性能規定化の趣旨等を踏まえ、
判りやすく改訂し、このガイドの説明会を大阪、名古屋及び東京で開催した(参加
者計521名)。また、経済産業省からの依頼によってその英訳化も行った。
・電気用品の規制品目について指定方法の大括り化に向けた政省令改正に必要な
具体的検討に着手。
2.プラスチック着火性試験方法の国際標準化
・NITEが開発しIEC(国際電気標準会議)に提案中のプラスチック燃焼試験方法に
ついて、その検討の参加国が実施しているラウンドロビンテストの協力が十分で
はないことから、9月のTC89国際会議(トルコ)において、これまでに集約したデー
タ結果を添付した形で、改めて国際標準技術文書(TS)としての成案に向けての
国際投票にかけることとなった。
・そのため、NITEでは附属書を含む投票用テキスト原案を作成し国際幹事に提出。
また、早期国際標準化実現のため、3月に、同委員長とともにラウンドロビンテスト
未実施の各国委員等を訪問し、協力を要請。(国際会議への出席:2回、国内委員
会への出席:6回)
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-1
1. (3)②④参照
10
A-1(11)
製品安全に係る法執行・支援業務の的確な実施(1)
~製品事故の原因究明~
■重大製品事故の原因究明調査については優先度に従って調査を実施
し、効果的な再発防止策実施のために経済産業省と緊密な連携を図りつ
つ、事故検討会の回数を増やし、調査終了までの迅速化を図った。
■効果的な再発防止策がとられたのは次の3件。
○電気洗濯機 ○電気洗濯乾燥機 ○踏み台
1.電気洗濯機
・電気洗濯機から発煙し、当該製品を焼損する火災事故について、警察・消防
とNITEと合同調査を実施。
・洗濯水槽の下部で結束されている配線の固定状態や洗濯機の設置環境に
よる振動など様々な要因が重なり、配線と結束バンドと擦れて断線し、放電
が発生して発火し、洗濯水槽樹脂へ類焼したものと推定。
・製造事業者は、事故防止を図るため、プレスリリース、ホームページへ情報
掲載、新聞社告等を行い、無償で点検・修理を実施した。 (対象機種:42 機
種(1999 年8 月~2006 年12 月製造)対象台数:729,116 台)
・事故調査の結果、点検・修理等の社告に繋がった。
2.電気洗濯乾燥機
・電気洗濯乾燥機を使用中洗濯機の背面から出火し、当該製品を焼損する
火災事故について、消防とNITEが合同調査を実施。
・電源回路に品質特性にバラツキのあるダイオードが使用されてい
たことから異常発熱し、基板ケース内で発生した火花が、乾燥運転時に
堆積した衣類のほこりに着火したため、本体への延焼や周辺焼損等の拡大被
害に至ったものと推定。
・事業者は、同型の製品における過去の事故も同様の原因と推定し、事故防止
を図るため、ホームページへの情報掲載、新聞社告等を行い部品の交換を実
施した。(対象台数54,400台)
3.踏み台
・踏み台の脚部を支える樹脂製のヒンジ部が破損し転倒、負傷した事故について、製造時に樹脂部品と脚部
とをリベットでかしめたときに樹脂へ大きな引っ張り力が加わったため、樹脂部品のリベット孔周辺に亀裂が
生じ、使用によってヒンジ部が破断し、事故に至ったものと推定。非重大事故は1件(製品破損)。(対象台数
14,456台)
・事業者は、事故防止を図るため、ホームページ、店頭POPにて使用中止を呼びかけるとともに製品交換を実
施した。
・事故調査の結果製品交換に繋がった。
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-1
1. (4)①参照
11
A-1(12)
製品安全に係る法執行・支援業務の的確な実施(2)
~法令に基づく立入検査の着実な実施~
■製品安全4法及びJIS法に基づく立入検査業務は、効率的・効
果的な実施体制の下、着実に実施
1.製品安全4法の立入検査をより着実に、再発防止のためフォローアップ型を充実(立入検査:
210件)
・電気用品安全法(150/150件))うち
法令違反指摘事業者件数(検査不能を除く):75/136件(55.1%)
・消費生活用製品安全法(40/40件)うち
法令違反指摘事業者件数(検査不能を除く):19/37件(51.4%)
・液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律法(13/13件)うち
法令違反指摘事業者件数:0/13件(0%)
・ガス事業法(7/7件)うち
法令違反指摘事業者件数:1/7件(14.3%)
経済産業大臣の指示に基づき、効果的な立入検査の実施のため、法令違反や事故の再発防
止について行政指導が行われた事業者等をタイプ別に選定し、タイプに応じて重点的に調査す
る項目等について、検査を実施した。
・タイプⅠ:経済産業省が過去に法令違反で行政指導等を行った事業者のうち、法令遵守状況に
ついてフォローアップする必要があると思われる事業者→ 過去の違反内容への対応
状況を重点的に確認。(電52件、消5件)
・タイプⅡ:経済産業省が過去に事故の再発防止策等について指導を行った事業者のうち、再発
防止策への対応状況や社内体制等をフォローアップする必要があると思われる事業
者⇨事故の再発防止策への対応状況や社内体制全般を確認。(0件)
・タイプⅢ:前年度に技術基準等が改正された品目に係る届出事業者→法令の遵守状況のうち、
技術基準への適合確認を重点的に確認。(電2件)
・タイプⅣ:前年度に新たに規制対象となった品目に係る届出事業者→ 法令の遵守状況を網羅
的に確認。(電27件)
・タイプⅤ:前年度に新規に事業の届出を行った事業者→ 法令の遵守状況を網羅的に確認。
(電37件、消20件)
・タイプⅥ:その他、特に立入検査が必要と思われる事業者→ 個別の事案に応じて適宜決定。
(電32件、消15件、液13件、ガ7件)
2.JIS法による立入検査(47件)
JISマーク表示制度の信頼性確保の一環として、工業標準化法第21条に基づくレディミクストコ
ンクリートの立入検査47件を、経済産業大臣の指示に基づき着実に実施した。
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-1
1. (4)②参照
12
化学物質管理分野
平成25年度業務実績
A-2(1)
化学物質管理分野
■化学物質審査規制法(化審法)関連
・リスク評価関連ツールの開発・統合を含む情報基盤整備を進め、現行化審法の施行支
援業務を効率化
・消費者製品に含まれる化学物質(難燃剤:HBCD)のリスク評価を実施
・労働安全衛生法(安衛法)と化審法の告示名称の命名ルールの共通化及び告示名称
の確認・調整
・蓄積性評価にQSAR等を活用し、蓄積性試験の軽減化
・初めて化審法GLPと農薬GLPとの合同査察を実施
・HESS及びHESS DBの機能追加・操作性向上(ダウンロード数798件、ユーザ登録数475
件)
■化学物質排出把握管理促進法(化管法)関連
・PRTR届出(36,504件)データの集計・記録を実施し、公表用データを作成
・届出処理の効率化(デジタル処理可能な届出の割合77%)
・二次元コード付き書面届出書作成支援システムWeb版の開発
・PRTR届出の排出量等の疑義照会の効率化を図り、修正率が約70%に上昇(前年度
比約10%増)
■化学兵器禁止法関連
・検査等立会い、立入検査等について適確に対応
・国際機関による検査等立ち会い件数、過去最高の24件
■化学物質管理情報の整備・提供の強化等
・化審法製造・輸入量、届出不要物質※英語版、海外法規制情報、GHS分類情報の追加
・アジア地域への暴露評価手法、化学物質情報DB等に関する技術提供
・情報の充実と積極的な広報によってアクセス数が1,060万ページに増加(前年度比約
10%増)
※届出不要物質:経済産業省・厚生労働省・環境省の告示で
リスク評価を行う必要が認められないものとして指定する物質
(化学物質の適正な管理の実現に向け)
◆企業の法令の遵守、自主管理を推進
◆国による信頼性担保
◆すべての化学物質の安全性を確保
◆事業者の自主的な管理により効果的かつ効率的な化学物質管理
化学物質に関する国民、事業者、行政の相互理解
化学物質が、人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化することで、
国民生活の安全を確保
13
A-2(2)
化学物質管理分野の政策効果
■法に基づく安全性の確保及び国際公約の履行に貢献
(化審法施行支援)
・新規化学物質の審査支援などにおいて、技術専門家としてハザード試験
データなどの確認・評価、暴露評価を踏まえたリスク評価の実施
↓
・新たな有害性評価手法の開発
・リスク評価手法の開発・改良とリスク評価の実施
↓
・高懸念物質の上市抑制とリスク管理に基づく安全性確保
WSSD(World Summit on Sustainable Development):
・WSSDへの貢献
2002年に開催された持続可能な開発に関する世界首脳会議
■事業者の化学物質管理及び相互理解の促進に寄与
(化管法施行支援)
・届出情報の記録、集計、解析等及び排出移動量の届出支援
・届出情報の電子化率の向上
↓
・PRTR制度等の普及啓発
・届出情報を用いたPRTRマップ等の作成、公開
→自主管理とリスクコミュニケーションへの活用
↓
・監視と自主管理によって、環境への化学物質の排出量が減少
・企業の法令遵守、自主管理促進に貢献
■化学物質管理法令対応のための事業者負担軽減に寄与
(CHRIP等による情報提供)
・信頼性の高い法規制対象物質や有害性情報の提供
↓
・必要な情報入手が、 NITEホームページへのアクセスで容易に
・自ら情報収集できない中小事業者も、情報入手が容易に
↓
・情報の確認、資料作成の費用負担が軽減され、中小企業を含む事業者の
法規制対応に要するコスト軽減に貢献
14
A-2(3)
化審法関係業務
~化学物質のリスク評価等業務~
リスク評価関連ツールの開発・統合を含む情報基盤整備を進め、現行化審法の施行
支援業務を効率化して、蓄積データを活用した手法の高度化や新規テーマに取組む
年を追って重層化・高度化する現行化審法の施行支援
 一連の評価の基礎となる製造数量等の届出の技術的な問合せ対応・内容確認等
 複雑な混合物等のスクリーニング評価を専門的見地から技術支援
 優先評価化学物質のリスク評価の実施
 リスク評価手法を詳細化した技術ガイダンス案の作成・提案
21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 28年度 29年度
社
会
的
な
リ
ス
ク
低
減
に
係
る
新
規
テ
ー
マ
へ
の
取
組
化審法
改正
 身の回りの製品に
含まれる難燃剤が
新たに規制物質指
定されることにな
り、一般国民への
リスクをタイム
リーに評価
 前回法改正時の知
見を活かし次の法
改正の議論に参画
第一段階
施行
第二段階
施行
スク
評価Ⅰ
スク
評価Ⅱ >>>>>>>>>>>>>>評価Ⅲ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>二次
評価Ⅰ
評価Ⅱ >>>>>>>>>>>>>>評価Ⅲ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
スク
評価Ⅰ
スク
評価Ⅱ >>>>>>>>>>>>>>評価Ⅲ>>>>>>>>>>>>
評価Ⅰ
スク
評価Ⅱ >>>>>>>>>>>>>>評価Ⅲ
評価Ⅰ
評価Ⅱ >>>>>>
スク
評価Ⅰ
評価Ⅱ >
 製造数量等の届出
データ処理ツールを
統合化
 化審法の物質辞書
データ生成ツールを
搭載した物質同定シ
ステムの構築に着手
 性状データの信頼性
格付け等機能を搭載
した性状データ管理
システムの構築
 内部用リスク評価
ツールを公開用にブ
ラッシュアップ
 届出情報の解析、事業者からの問合せ状況等よっ
て製造数量等の届出で用いる用途分類の見直し案
を作成し経済産業省へ提案
 現行リスク評価手法審議の際に「今後の課題」に
挙げられた課題解決に向けた検討に着手
 OECD暴露評価タスクフォースにおいてNITEか
ら提案した用途分類に関するプロジェクトが採択
され検討に着手
毎
年
度
追
加
・
更
新
・
蓄
情積
報さ
基れ
盤る
を膨
整大
備な
情
報
を
管
理
す
る
た
め
の
膨大な蓄積データや経験知に基づく手法の高度化
NITE業務実績報告書 Ⅰ.A-2
1.(1)参照
15
A-2(4)
化審法関係業務
~新規化学物質の審査支援等業務~
■新規化学物質の事前審査・確認
■GLP※査察の見直し
■安衛法と化審法の告示名称の確認
■OECD等国際活動
*GLP:Good Laboratory Practice 優良試験所基準
1.新規化学物質の事前審査・確認
○少量新規化学物質申出確認作業を実施(36,775件:
前年度比9%増)
○過去の生物蓄積性試験判定結果を整理・解析。
蓄積性評価にQSAR等を活用し、類推判定の運用案を
NITEが提案。(蓄積性試験軽減を実施)
2.GLP査察の見直し
○初めて化審法GLPと農薬GLPとの合同査察を実施。
○化審法GLPの試験操作確認の廃止。(査察の軽減)
3.安衛法と化審法の告示名称の確認
○NITEが厚生労働省が付与しようとする化学物質の
名称を確認し、化審法の名称との整合を図る。
4.OECD等国際活動
○OECD会合及び電話会議に出席。
MAN・PP(*)関係会合に意見提出
*MAN(Mutual Acceptance of Notifications)・PP(parallel Process) :
新規化学物質の安全性評価の複数国同時受け入れのための仕組み
○HESS及びHESS DBの普及活動
欧州毒性学会、米国毒性学会のブース展示等
*HESS:Hazard Evaluation Support System Integrated Platform
NITE業務実績報告書 Ⅰ.A-2
1.(2)参照
16
A-2(5)
化管法施行支援業務
1.届出の集計業務の着実な実施
・PRTR届出(36,504件)データの集計・記録を着実に実施し、関係省から提供された裾切り推計及び
非点源推計結果を合わせた公表用データ等を作成
2.PRTR届出の高いデジタル率(電子化率)
・デジタル処理可能な届出(電子+磁気+二次元コード付き書面)は77%の届出率に上昇(前年75%)
・デジタル率アップのためにPRTR届出作成支援プログラムWeb版を開発
→事業者のセキュリティ対策への対応とソフトインストールの手間削減、及び電子届出への誘導
3.化管法関連システムの運用を着実に実施
・電子計算機システムの運用、維持・管理を着実に実施
・NITE-LANとの統合によるセキュリティ対策の強化及び運用の効率化を実施
4.事業者・自治体等を支援
・PRTR届出の排出量等の疑義照会を効率化
・事業者、自治体等からの約5,700件の問い合わせに対応
5.PRTRデータ活用及び解析
・24年度公表データを用いた年度比較報告書を作成・公表
・排出量の削減に多大な貢献をしている事業所の前向きな取り組み事例を公開
・PRTRマップの運用の着実な実施と平成24年度公表PRTRデータを用いたPRTRマップの公開
◆PRTR届出における排出量等疑義照会の効率化と新たな取組等
集計結果や環境への影響に関する精度が確保する選定ルールを作成し、
データの品質を維持した状態で疑義照会の効率化を検討
【疑義照会件数実績】
700件(前年度3400件)
疑義照会による修正率が
約70%に上昇(前年約60%)
効率化
業務量
約20%減少
排出量の少ない問い合わせをやめる等、
環境への影響が大きいものに重点を置く。
自治体・事業者の
負担が軽減
精度
向上
排出総量に対する修正量の
比は昨年度と同等レベル
効率化による取組及び効果
・自治体と連携し事業所における化学物質排出量削減の取組を調査し公表(新規)
・PRTR届出データを用いた過年度との比較報告書を前年度より4ヶ月早く公表
NITE業務実績報告書 Ⅰ.A-2
2.参照
17
A-2(6)
化学物質管理に係る立入検査の実施
1.化審法関係業務
(立入検査:35事業所)
・これまでの中間物等の申出の立入検査に加え、経済産業省からの指示に
より、新たに少量新規の申出に関しても立入検査を実施。(25年度実績5事
業所)。
・中間物等申出の内容確認業務は、27件の申出書を確認し、約2千件の指
摘事項を経済産業省に提出。
2.化兵法関係業務
(国際機関による検査等立会い:24件、事前調査:20件)
・立会い団の団長を養成。
・表2剤(毒性物質)の分析方法検討
国際機関による検査等立会件数は
24件(過去最高)。
(件)
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-2
1. (3)、A-2
3.参照
18
A-2(7)
化学物質管理情報の整備、提供の強化等業務
~ CHRIP等による情報提供~
■CHRIP等への収載情報の充実
・化審法製造・輸入量、届出不要物質英語版、海外法規制情報を追加
・新たな有害性等に関する情報整備と提供に関する事業の開始
・安衛法公表化学物質の情報追加によってアクセス数が増加に転換
■次期CHRIPの検討・CHRIPのデータ更新効率化
・平成28年度の提供開始に向けた次期CHRIPにおける検討を行い、効率的なデー
タの整備とデータの信頼性の向上のため関係機関との連携も検討
・効率的なデータの整備や一部の機関との連携について意見交換を前倒しで開始
■難燃剤を含む身の回りの製品のリスク評価結果を公表
1.情報の追加
・海外での企業活動の利便性やリスク管理に基づく化学物質管理に資するため、タイ有
害化学物質管理法、化審法製造・輸入量、届出不要物質英語版の情報、約73,000件を
新たに追加、既存情報の追加と合わせて約88,000件の情報を追加
・国内外での講演やメールマガジンなどの広報によってアクセス数が増加に転換
2.情報の整備・更新
・MITI番号とCAS番号の関連づけ情報整
備及び既存情報の更新、維持
・GHS分類情報の追加(日本語162物質、
英語520物質)
・分解性、蓄積性、生態毒性の情報を追
加(日本語版70試験データ追加、延べ
5,227試験データ、英語版494試験デー
タ追加、延べ4,483試験データ)
・リスク評価の促進に係る有害性評価等
の調査、情報の整備と提供事業に着手
3.次期CHRIPの検討
・次期CHRIPにおける情報提供の提供目的について整理
・他のシステムや情報の統合、連携を視野に入れたシステムの要件の検討
・データ整備の効率化の整理とともに、関係機関との連携等の意見交換開始
4.難燃剤(HBCD)を含む身の回りの製品のリスク評価結果を公表
・ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)を含む製品の使用による健康への影響を評価し、
公表。
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-2
4.参照
19
A-2(8)
化学物質管理情報の整備、提供の強化等業務
~アジア化学物質管理の支援等、国際関連業務~
■制度調和を目指した技術の提供
・化学物質管理制度の構築が進みつつあるアジア各国に対する化学物質管
理情報DBやリスク評価手法の技術支援
■次期CHRIP構築に向けた戦略的連携の推進
・経済産業省が推進する「アジアンサステイナブルセーフティ」構想の一環と
してアセアンDB構築や、MOCに基づく2国間協力の貢献と中韓台との対話
■ OECD専門家会合等における情報収集
・OECD Global Portal運営会合やハザードタスクフォース会合に参加し、情
報収集を実施
アジア
NITE
アセアン
・タイ、ベトナム、インドネシアへリスク評価
技術の現地研修を実施(340名が受講)
・経済産業省が開発中のアセアンDBを次
期CHRIPで対応するための検討を開始
CH RI P
J-CHECK
MOCに基づくタイ・ベトナムへの技術支援
・ベトナムで開発計画がされている化学
物質管理DBや国家化学品リスト作成へ
の技術的支援を実施
・化学品庁長官以下同庁幹部、職員に
DB構築に関する講演を実施
・タイとの政策対話においてリスク評価に
関する技術的アドバイスを実施
OECD
・e-chemportalへ適宜JCHECKの情報を提供
・Global Portal運営会合、
OECD IUCLIDユーザグ
ループ専門家パネル会
合、ハザードタスクフォー
ス会合に参加、意見提出
及び情報収集を実施
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-2
中韓台の機関
・制度、インベントリに関する意見交換を実
施し、今後継続的な情報交換へ
4.参照
20
バイオテクノロジー分野
平成25年度業務実績
A-3(1)
バイオテクノロジー分野
■バイオテクノロジーの産業利用のための安全性確保
○カルタヘナ法第二種使用等の経済産業大臣による確認審査において、事業者からの相談/照会へ
の対応、事業者説明会(1回)等を行い、事業者の利便性の向上に貢献するとともに、運用変更に円
滑に対応。
○大臣指示により立入検査を国内事業所に対し12件実施。(平成24年度12件)
○GILSP遺伝子組換え微生物リスト告示原案作成。
GILSP:「Good Industrial Large-Scale Practice」の略。病原性がない等の理由から、最小限のリスク管理の下で使用が可能。
○微生物の産業利用のリスク評価手法のための新しい分類手法を確立。
■有用な生物遺伝資源の安全・安定な供給
○環境、エネルギー、健康用途等、産業有用性を重視した株の収集及び情報付加の実施。
○戦略的収集や、訴求対象を明確にした広報活動の結果、食品関連企業・団体からのスクリーニング
株の提供依頼が増加傾向。
■海外生物資源へのアクセスルートの確保
○ベトナム、モンゴル、ミャンマーにおいて、企業と合同探索を実施し、企業による生物遺伝資源への
アクセスに貢献。
○インドネシアにおいて多様性条約に関する途上国支援への協力を実施。
○名古屋議定書対応について情報共有が可能となるよう、韓国とMOUを締結。
○9月に中国で第10回ACM(ACM10)を開催。事務局として、開催準備やメンバー国参加支援、開催
国中国の協力のもと、総会の開催した。国立環境研究所(日本)が加わり、現在13カ国23機関が
参加。生物資源の保全と利用促進について議論。
■特許微生物の寄託業務
○平成25年4月につくばにあるIPODをNPMDのあるかずさに移転、物理的に一元化し、効率的な運
営を実施。
○特許寄託業務の全業務のリスク評価を実施し、リスク評価を元に特許微生物寄託業務マニュアル
を改正。
○特許寄託業務の廃棄に関する手順を見直し、特許寄託の管理システムを改修
(バイオテクノロジーの安全な産業利用の実現に向けて)
・産業ニーズに対応した多様な生物遺伝資源を確保・保管
・企業の法令の遵守、自主管理を支援
・国際ルールに則った生物遺伝資源の安定供給
・バイオテクノロジーの産業利用における安全性確保
生物遺伝資源の安全な利活用の促進
バイオテクノロジーの産業利用における安全性確保を
専門的な技術で支え、資源を安定的供給することで、
産業活動及び国民生活の安全を確保
21
A-3(2)
バイオテクノロジー分野の政策効果
■遺伝子組換え技術の安全な産業利用を支援
○大臣確認の審査スキーム変更への対応(平成23年6月から)
事業者からの事前相談、照会への適切な対応、説明会等への講師派遣
大臣確認の事前審査の実施 228件
○カルタヘナ法第二種使用等の経済産業大臣による確認審査の合併申請運用開始
○立入検査の実施:国内事業者 12件
○GILSP遺伝子組換え微生物リスト告示原案作成
○微生物の安全性評価手法としての複数の遺伝子配列を比較する手法を開発
事業者による遺伝子組換え生物等の安全な産業利用
■生物遺伝資源を安定供給し、バイオテクノロジーの産業
利用を支援
○抗生物質生産菌、バイレメ菌、エネルギー関連菌等産業有用微生物の収集
○地方公共団体と大学とが行っている地域資源由来微生物を活用した地方活性化事
業への協力に着手
国内最大のBRCとして、生物遺伝資源の戦略的収集・保存・提供を実施。
新規バイオ製品開発等のバイオテクノロジーの産業利用分野の拡大に貢献
■生物多様性条約(CBD)を遵守した
海外生物遺伝資源へのアクセスルートの構築
○企業に対するアクセス支援を実施(ベトナム、モンゴル)
微生物のNITEへの移動、現地研究者の人材育成を実施
○中断していた共同研究プロジェクトの再開(ミャンマー)
○途上国への生物多様性保全のための日本の支援事業を実施(インドネシア)
○CBDに則ったアクセスと利益配分の履行
合同探索を行った企業が、その分離株から製品を商品化し、その利益の一部を資源国へ利益配分
海外微生物資源の日本への移転、相手国への技術移転及び公平な利益配分の実施。
CBDを踏まえた生物遺伝資源の利用・促進に貢献。
■国内の特許微生物寄託業務の一元化による効率化
○特許微生物寄託業務の全業務に関し、リスク評価を実施。
特許寄託業務の効率的かつ確実な運営
22
A-3(3)
カルタヘナ法の執行・支援業務
カルタヘナ法※の執行・支援業務(事前審査、立入検査)を着実
に実施するとともに、審査運用の改善や、申請手続きの利便性
向上につながる情報提供に努めることによって、バイオテクノロ
ジーの安全な利用に貢献。
※ 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律
1.運用の一部改善等の取り組み
 複数の申請書を一つにまとめて申請ができるように、合併申請の運用を開始す
ることによって、申請の簡素化を図った。
 事業者からの新規申請や手続きに係る相談(面談、電話、メール)への対応を
通じて、事業者からよくある問い合わせとその回答をまとめたQ&Aを作成し、
ホームページ上で公開することによって、事業者の申請手続きをサポートした。
2.新たな審査手法の検討を開始
 鉱工業分野における遺伝子組換え生物を利用した産業の急速な発展を背景に、
カルタヘナ法施行から10年を経て蓄積された審査経験を基に、安全性を担保し
つつも、事業の効率的推進及び国際競争力の強化に資する新たな審査手法の
検討を開始した。
 検討にあたっては、有識者8名によって構成される「カルタヘナ法第二種使用等
運用改善検討委員会」を組織し、経済産業省や関係省庁をオブザーバーに迎
え、議論を重ねた。また、事業者に対するアンケートを実施するとともに、申請
実績の多い事業者などを対象にヒアリングも実施し、検討の材料とした。
 今後、検討結果をまとめた報告書を作成し、経済産業省に提出し、審査手法の
見直しに活用される予定。
第1回委員会
平成25年12月17日
第2回委員会
平成26年2月3日
第3回委員会
平成26年3月予定
第4回委員会
平成26年春頃、報告書の策定
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-3
1. (1)参照
23
A-3(4)
有害微生物リスク情報の公開
○微生物の病原性や分類に関する文献情報及び法規制情報等、微生物のリスクに
関する情報は散在しており、利用者が使いやすい形で整備されていない。
○NITEは、これらの情報を整理・集約し、微生物の産業利用に向けた安全性情報を
公開した。
○これにより、利用者が容易に微生物のリスクに関する情報の確認を行うことが可能
となる。
◆微生物の産業利用に向けた安全性情報の提供
安全で適切な微生物利用のため、微生物の
有害性に関連した情報や細菌の同定/分類に
関する技術情報を提供
◇微生物有害情報リスト
微生物の病原性や法規制情報等を網羅した有害菌(ヒト/動物/植物病原菌及び
日和見感染菌)のリストを公開
◇微生物利用におけるリスク評価に関する技術情報の提供
環境中から頻繁に検出される
Acinetobacter族及びComamonas族
のMLSA法※を公開
※ 株レベルでの分類が可能な複数の遺伝子
のDNA 塩基配列に基づく分子系統解析法
微生物の同定から安全性評価までを
NITEが提供する安全性情報だけで実施できる環境を整備
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-3
1. (3)参照
24
A-3(5)
有用な生物遺伝資源の収集・保存
&分譲・提供
国内最大の微生物遺伝資源機関(BRC)として、産業上有用な生物遺伝資源を戦略
的に収集し、永続的に保存・提供すると供に利用促進に向けて地域活性化事業や一
般利用者への技術支援を実施した。
収集・保存業務 :バイオ産業の各種ニーズに対応した多種多様な資源を収集・
保存を実施。一方で地域活性化事業への支援を行った。
■NBRC株 ■RD株 ■(参考)理研JCM保有株数
60,000
39,680
40,000
30,000
49,148
47,668
50,000
NBRC株 保有数
微生物 29,176
DNA 187,644
56,604
53,516
26,996
25,140
21,297
20,708
20,255
19,627
20,000
RD株 保有数
国内由来 29,445
海外由来 27,159
29,176
28,495
27,832
10,000
0
H21年度
H22年度
H23年度
H24年度
H25年度
NBRC株※1:有用機能を持つ菌株の受託を中心に、積極的に寄託や交換を呼びかけて収集を実施
RD株※2:○利用ニーズの高い食品由来株を中心に、国内外で収集を実施
分譲・提供業務:生物遺伝資源の提供窓口の一元化を実施。
■NBRC株 ■RD株 ■(参考)理研JCM提供株数
25,000
21,682
18,866
20,000
15,000
10,000
5,000
分譲実績
微生物 2,654件 8,019株
DNA 170件 359個
10,868
8,320
3,762
10,304
8,923
3,234
12,184
8,764
8,084
3,143
8,019
提供実績
国内由来 4,404株
海外由来 7,780株
2,911
0
H21年度
H22年度
H23年度
H24年度
H25年度
NBRC株:公的試験用途や各種研究開発を中心とした分譲依頼に滞りなく対応。利便性向上に向け、生物遺
伝資源管理システムの改修を開始する一方で、微生物講習会を通じて利用者への技術支援を実施。
RD株:研究開発のためのスクリーニング等を目的とした提供依頼に滞りなく対応。学会や関連団体への広報
の結果、食品関連企業・団体からの提供依頼が増加傾向
※1 NBRC株:JISや日本薬局方等の標準試験用や論文発表された菌株。原則種レベルまで同定。カタログで公開している。
※2 RD株:主にスクリーニング用等として大量に利用してもらうためにNBRCからレンタルする菌株。属レベルまでの同定。
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-3
2. (1)参照
25
A-3(6)
NBRC株の有効活用例
高品質で安定的な供給を続けているNBRC株は多数の公定試験等に指
定されているほか、直接製品として利用されたり、研究開発の資源と
して幅広く利用されるなど、様々なアウトカムを生み出している。
アウトカム例
公定試験や自主規制への活用
バイオエタノール生産技術への活用
NBRC株が指定されている規格数
種類
今年度数
累計数
JIS
9
33
ISO
3
6
薬局方
その他
3
2
6
公定試験や業界の自主規制
試験にNBRC株(または同等
株)に指定され、試験結果の
保証に利用されている。
高品質
安定供給
http://www.asahigroupholdings.com/news/2012/1009.
研究開発
資源提供
製品化
第22回地球環境大賞受賞
Naumovia dairenensis
NBRC 0211
世界初、砂糖の生産性を
飛躍的に高め、バイオエ
タノール生産技術に活用
原料への活用
サプリメント原料、
水産餌料として活用
ナンノクロロプシス
(NBRC 102738)
稚貝が微細藻
類を餌とする
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-3
2. (1)参照
ワムシが微細
藻類を餌とする
稚魚がワムシを餌とする
26
A-3(7)
微生物の産業利用促進
○釜石市(北里大釜石研)から「食品製造に使用可能な酵母(Saccharomyces
cerevisiae )を、釜石市の花「はまゆり」から分離して欲しい。」という要望があった。
○今回の「はまゆり」は釜石市の花と言うだけでなく、周辺住民の心の支えになってい
ることから採取制限があり、NITE分として採取が認められたのは5輪のみであった。
○通常、 S. cerevisiae を花から見つけ出すという作業は、困難であり、様々な技術を
駆使して試行錯誤を繰り返す必要があるが、 これまで培った世界トップレベルの分
離培養技術や分析技術を用いて、S. cerevisiae の分離に成功した。
○はまゆり由来酵母の実用化を推進すべく、経済産業局、地方公共団体、公益法人と
ネットワークを構築し、地域ブランド創出、地域活性化へ貢献している。
~NBRCが保有する世界トップレベルの分離・分析技術を活用 ~
①希少なサンプルか
ら短期間で確実に食
品への利用が可能な
酵母を選抜するため、
目的とする微生物の
特性と活用する食品
の特性を考慮した分
離条件を選定
「はまゆり」
②分離した多量の微生物を蓄積したNBRC株の
データを複数の手法で比較解析することで、迅
速かつ確実な分類・同定を行うとともに、遺伝子
情報から分離微生物の機能特性を推定
H26.11.26
進捗報告会
の1コマ(パンの試食)(於 釜石市)
S. cerevisiae の
分離に成功
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-3
MALDI-TOF MSによるタンパク質パターン解析
2. (1)参照
27
A-3(8)
微生物機能のサーチエンジンの公開
○ゲノムや遺伝子解析に関する専門知識がなくても、NITE保有のゲノムを解析した
株から、目的の機能をもつ微生物を絞り込むことができ、ユーザーのゲノム情報
に機能を推定することもできるサーチエンジン(MiFuP)を開発した。
○MiFuPを活用すると、微生物の有用機能情報に関する文献などを調べることなく、
手軽に目的の微生物を絞り込むことができ、有用な微生物を選定する際の時間
が短縮され、手間が軽減される。
○このことから、専門知識に乏しいバイオ分野の中小企業・ベンチャー等による微生
物を活用した産業活動の促進も図られることから、メディアにも紹介された。
○○機能を
もつ微生物を
知りたい
○○微生物が
もつ機能を
知りたい
検索
キーワード入力
配列入力
ゲノム配列
・・ATGC・・

微生物
GET!

ゲノム情報
に不慣れな
研究者にも
実用的!
微生物有用情報
産業利用情報
• バイオプラスチック生産能、耐浸透圧性 等
安全性情報
• 薬剤耐性 等
機能
GET!
機能
MiFuP wiki
微生物
微生物機能情報を
日本語でまとめた
説明サイトも付随
サポート
サポート
○メディア掲載
有用微生物の選定における
時間短縮、手間軽減
「研究開発の可能性が広がる」
日経バイオテク ONLINE(3月10日)
微生物を利用したものづくりの促進
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-3
2. (1)参照
28
A-3(9)
アノテーション辞書の提供
○ゲノム情報に対する機能性・安全性に関する情報付加(アノテーション)技術につい
て、NITEは情報の正確さ・記述の統一性から国内外で高い評価を受けている。
○コンピュータによる機械的なアノテーション(機械アノテーション)を行うツール類が
文部科学省予算により開発されており、国内の一般ユーザーに利用され始めてい
るが、情報の正確性・統一性に問題があった。
○NITEのアノテーション技術を一部提供し、研究機関等が開発するツール類の性能
向上のために協力することで、企業等が新規バイオ製品開発等を行うための高品
質な機能性・安全性情報の整備に貢献している。
高度なアノテーション技術
○科学的に正確・適切な機能性・安全性の推定
○ゲノムへの遺伝子同定精度チェック
アノテーター
○統一規格化された記述
機能性情報
安全性情報
ゲノム
これまでの実績
○NCBIアノテーションワークショップへの出席
○アノテーションに関する内容の投稿依頼
○NITEからゲノムに関する高度な情報を提供
アノテーション効率化のため
ノウハウを集約した辞書を作成
覚書締結による利用許諾
NITE辞書の利用依頼
研究機関等
(ゲノム配列に機械アノテーションを付与するツールを提供)
文部科学省科学研究
費新学術領域研究
国立遺伝学研究所
情報システム研究機構・ライフサ
イエンスデータベースセンター
開発中
国内の企業・研究機関に広く利用されるツールに
NITEのアノテーション技術を提供して性能向上
高品質な機能性・安全性情報の整備への貢献へ
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-3
2. (1)参照
29
A-3(10)
ミャンマーとの共同事業を再開
中断していたミャンマーの微生物分類学・生態学に関する
共同事業を再開し、企業との微生物合同探索を初めて実施
海外生物遺伝資源に対するアクセス・ルートの確保
○ 平成16年にパセイン大学と開始した共同事業は、現地の政治状況により平成
17年に一次中断していたが、平成25年3月にMOU・PAを再締結した。
○ パセイン大学の実験環境の整備と予備的な分離実験を実施。醗酵食品や土
壌試料から分離した糸状菌・酵母・細菌(乳酸菌を含む)515株をNITEへ移転。
○ 合同探索の公募説明会を開催(14機関16名が参加)。
○ 企業1社の研究提案を採択し、ミャンマーで初めての合同探索を実施。ミャン
マー中部のタウンジー市・インレー湖周辺、及びパセイン市周辺で醗酵食品や
土壌試料を採集し、糸状菌・酵母・放線菌・乳酸菌878株(企業研究者の分離
株578株を含む)を分離して、NITEへ移転した。
○ パセイン大学教員及び大学院生を対象に、基礎微生物学の講義と分離実習
を4週間に渡って行い、能力構築を支援した。
○ 研究者2名を招聘し、微生物の分離・同定の技術を指導した。
タウンジー市
インレー湖
パセイン市
●採集地
試料採集
菌株分離
能力構築
資源移転合意
○ ベトナムでは1大学と合同探索を実施し、モンゴルでは共同研究先と醗酵食品
由来の酵母・乳酸菌を分離して、NITEへ移転した。
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-3
2. (2)参照
30
A-3(11)
韓国生命工学研究院(KRIBB)
とMOU締結
アジアにおける先進BRCの4極(日本、中国、韓国、タイ)の1つ
である韓国KRIBBとMOUを締結。
○韓国生命工学研究院Korea Research Institute of Bioscience and
Biotechnology (KRIBB)は韓国屈指の生物系国立研究所である。KRIBB
には、韓国最大級の微生物カルチャーコレクション:Korean Collection
for Type Cultures (KCTC) があり、韓国の中で、最も多様で多数の微生
物資源を有している機関である。KCTCはNITEが主導して実施している
アジアコンソーシアム (ACM)の初代からのメンバーであり、NITEとも微
生物の交換を通じて交流がある。
○韓国も日本と同じ生物資源ユーザー国であるとともに、名古屋議定
書遵守の国内ルールを策定中であり、KRIBBは政策への影響力も強い。
互いのBRCの発展を目的として、NITEとKRIBBが協力することによって、
両国のバイオテクノロジー産業への貢献を目指し、名古屋議定書対応、
コレクション運営、生物資源研究全般の情報共有を行う主旨の覚書
(MOU)を締結した。
NITE理事長とKRIBB長官によるMOU署名式
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-3
2. (2)参照
31
A-3(12)
タイ王国のキュレーターを育成するとともに
NITEの業務成果を実現
○「微生物資源管理のためのキュレーター育成プログラムに関するプロジェクト」を実
施。
○タイ王国の研究員6名をNITEが受け入れ、OJT方式により、タイ王国の微生物管理を
担うキュレーターとして育成。NITE側は、研究員に業務の一部を担ってもらうことに
より、業務の効率化を図る。
○共同プロジェクト実施によってタイ王国との良好な関係を維持向上させるとともに、
NITEにおける成果を確保するという、成熟したBRC間の新しい連携方式を構築。
成果の概要
 タイ王国のキュレーター育成プログラムによる成果
タイ王国・BIOTECの成果
[タイ・BIOTECが進めるTBRC(タイバイオリソース
センター)構想の実現に必要となる人材を育成]
タイ王国のキュレーター研修生は、菌株収集、保
存法の確立、品質管理支援などの技術を習得。
日本・NITEの成果
[NITEの中期目標の達成に必要となる業務成果
を外部専門家の導入によって促進]
NITEは、日本各地で収集した冬虫夏草を解析
して有用なものを選別してNBRC株に登録、日本
の海洋から採取した接合菌を分離・同定して
NBRC株に登録、質量分析計による微生物の解
析手法の利点と問題点を解明して今後のデータ
の改良等についての知見を取得、藻類株の長期
保存法に関する基礎データを取得して凍結保存
の実現可能性を高めた、などの成果を取得。
菌株収集、保存法の確立、品質管理支援、海外情報収集を実現!
NITE業務実績報告書 Ⅰ. A-3
2. (2)参照
32
適合性認定分野
平成25年度業務実績
A-4(1)
適合性認定分野



第三者評価による試験結果、校正結果、製品認証の国際的信頼性向上
国際貿易の促進、日本企業の海外展開をサポート - One Stop Testing 専門知識を有する認定機関の活用による効率的な認定の実施
■ 法令に基づく認定業務(JCSS、MLAP、JNLA)



JCSSでは20周年記念シンポジウムによる普及啓発、リーク標準(圧力)等の範囲拡大
MLAPではフォローアップ調査手法の見直し
JNLAでは特定芳香族アミンの法規制に向けてJNLA登録準備に対応
■ 政策的・社会的要請に基づく認定業務(ASNITE)
 アジア諸国における省エネ基準・ラベリング制度への対応:冷蔵冷凍製品の消費電力量試験
 環境省の公定法(ガイドライン)改正に対応し、環境放射能測定試験所の認定開始
■ 法令に基づく認証機関の調査等業務(JASC、製品安全4法等)

ISO/IEC Guide65からISO/IEC 17065への審査基準の変更に迅速に対応
■ 信頼性の高い標準物質情報の提供業務(RMinfo、COMAR)

RMinfo 及びCOMAR の産業技術総合研究所(産総研)への業務移管完了
■ 技術的信頼性の高い認定機関運営



審査員養成研修を2回開催し、技術的専門性の高い外部審査員を増強(16名増)
主任審査員の資質・レベル向上を図るため、新たに主任審査員連絡会を開催
職員のコミュニケーション能力の増強と認定基礎力強化のため、認定研究会を開催
■ 認定機関の国際的信頼性の維持・向上、広報活動の強化




製品認証機関認定分野の国際的信頼性向上のため、PAC-MLA 及び IAF-MLAに署名
APLAC標準物質生産者認定ワークショップ及びILAC/IAF 合同広報委員会を開催
ILAC議長らを講師にJLAC技術情報セミナーを開催(195名参加)
IAF/ILAC 合同広報委員会議長による講演会「認定の経済効果」を開催(51名参加)
試験証明書の相互受入れ
国際相互承認
製品認証書の信頼性確保
33
A-4(2)
適合性認定分野の政策効果
■ 正確な計量で国民生活や社会経済活動の根幹を整備
NITEが登録した校正事業者による年間約480,000件の校正証明書
の発行
JCSS
様々な分野の試験・測定・検査用機器を校正(法令等に基づく検査の例:気象観測機
器、自動車検査用機器)
正確な計量を通じて安全や適正な取引を確保
現場計測器への校正の普及
気象観測
車検
■ ダイオキシン類等の正確な測定に基づき、
クリーンな環境の維持・管理による国民の安全を確保
NITEが審査した極微量分析(ppt;1兆分の1レベル)に必要
な技術能力を有する環境測定試験所
年間約50,000件の測定需要に対して、信頼ある測定結果を提供
MLAP
結果に基づく自治体等の環境対策によって、国民の安全を確保
■ 購買者における、製品の安全性・性能への信頼性の醸成
NITEが審査した試験事業者による信頼ある試験証明書
製品の安全性・性能を年間約180,000件評価
JNLA
(省エネ法トップランナー制度によるLED電球のエネルギー消費効率の信頼性確保、抗菌
製品が抗菌効果を有することの確認 等)
抗菌製品
製品の安全性・性能の確認によって事故等の未然防止に貢献
LED電球
■ 社会ニーズに基づく認定の実施による国際競争力の確保
海外の制度へ参入するための支援ニーズや市場からの要求に
基づく認定ニーズ
ASNITE
新規認定プログラムの立ち上げ
アジア諸国における省エネ基準・ラベリング制度に対応
環境放射能測定試験所の認定を開始
シンチレーション
サーベイメータ
34
A-4(3)
法令に基づく認定等 (1)
■法令に基づく認定業務の着実な実施
~試験・校正結果の信頼性確保と安全・品質の確保への貢献~
認定の国内需要への対応
JCSS
113
申請件数
新規
追加
更新
登録・認定件数 (*2)
新規
追加
更新
定期検査件数 (*3)
登録/認定事業所数
12
18
83
114
12
18
84
64
260
証明書発行件数
(前年度)
~信頼性ある試験所、校正機関の確保・維持~
MLAP
(*1)
12
(92)
(10)
(19)
(63)
(89)
(12)
(20)
(57)
(65)
1
0
11
9
3
0
6
65
103
(252)
480,000
(452,039)
(*1)
JNLA
(16)
(2)
(0)
(14)
(18)
(0)
(0)
(18)
(25)
(105)
50,000
(48,022)
107
232
(63)
(13)
(12)
(38)
(44)
(14)
(8)
(22)
(42)
18
5
84
72
13
4
55
14
214
計
(*1)
31
23
178
194
28
22
145
143
577
(212)
180,000
(198,935)
*1:( )内は前年度実績 *2:前年度受付分を含む *3:MLAPはフォローアップ調査
710,000
※(
)内は前年度実績
577
7年間で164事業所増加
600
500
400
300
200
100
JCSS
413
165
183
203
221
117
116
109
109
131
143
158
178
236
244
252
260
107
111
105
103
MLAP
193
201
212
214
JNLA
0
H18
H19
NITE業務実績報告書Ⅰ. A-4
H20
H21
1. (1)参照
H22
H23
H24
H25
35
A-4(4)
法令に基づく認定等 (2)
■ 法令に基づく認定業務の新たな取り組み
[JCSS・MLAP・JNLA]
JCSS登録事業者によるパネル展示・計測
機器等の展示説明も同時開催
1.JCSS

JCSSの普及と理解の増進を目指し、関係
機関(中小企業、工業会、地方公設試)と連
携し、JCSS 20周年記念シンポジウムを
開催。
JCSSエンドユーザーを含め529名が参
加。

JCSS利用ユーザーの利便性向上のため、
JCSSホームページの事業者検索機能の充
事業所名、住所、計量器等の区分、種類のほか、フ
リーワード検索による絞り込みが可能
実。 検索のしやすさが大幅に向上。

改正フロン回収・破壊法への対応のため、

絶縁性能の評価精度の向上に必要となる時間
空調機器等の配管からのフロンの漏洩量を
標準について、産総研とも連携して、時間区分の
計測する装置の校正に用いる計量標準の
中の種類を追加し、その申請受付を開始。
設定に向け準備を開始。
現在、審査を実施中。
2.JNLA

特定芳香族アミン分析の信頼性向上に向け、
組織体制を整え、技術基準等の検討を開始。

電球型LEDトップランナー基準に基づく省エ
ネ性能試験結果の信頼性向上に向け、試験
所の技術的能力を把握するための技能試験
の体制を整え、国内の試験需要に対応。
既認定ラボ:4、申請中及び申請予定ラボ:約8
繊維製品や皮革製品等の染色に
用いられるアゾ色素の一部に、発
がん性のある特定芳香族アミンに
変化するものが存在
NITE業務実績報告書Ⅰ. A-4
1. (1)参照
36
A-4(5)
政策的・社会的要請に対応する認定
-ASNITE■ 政策的・社会的要請に対応する認定
[ ASNITEプログラム]の迅速かつ的確な対応
JCSS等法令に基づく認定制度で対応できない新たな認定ニーズに迅速・
的確に応えるため、製品評価技術基盤機構認定制度(ASNITE)による認定を実施
<海外展開、先端技術の支援>
○アジア諸国における省エネ基準・ラベリング制度に対応するため、冷蔵冷凍製品
の消費電力量試験(IEC62552)を認定区分に追加
○環境放射能測定試験所の認定では、平成25年5月の環境省の公定法(ガイド
ライン)改正を反映し、6月20日から認定業務を開始。本年度4件を認定
○ASNITE標準物質生産者では、APLAC標準物質生産者ワークショップの検討を
踏まえ、APLACの技術指針への整合化など技術的課題に対応するため、新たに
標準物質生産者技術委員会を設置
ASNITE 認定事業者内訳
ASNITE 校正
ASNITE 試験(一般)
ASNITE 試験(IT)
ASNITE 試験(環境)
ASNITE 標準物質生産者
ASNITE 製品認証機関
ASNITE-JCLA (*2)
計
(*1)
14
11
7
60
7
3
9
111
(16)
ゲルマニウム半導体検出器
(γ線の測定)
(28)
(6)
(27)
(8)
(3)
(46)
(134)
*1:( )内は前年度実績
*2:ASNITE-JCLAは平成26年9月末で終了
NITE業務実績報告書Ⅰ. A-4
1. (4)参照
37
A-4(6)
技術的信頼性の高い認定機関運営等
1.審査員の資質・レベル向上等
事業者からのフィードバック情報の分析(一例)
(1) 不適合事項の範囲
規格要求事項を越えている
適切である
細かすぎる
やや細かすぎる
(2) 不適合事項の的確さ 的確である
やや大まかすぎる
大まかすぎる
(H25/9末集計結果)
H25
品質審査 技術審査
1.9%
98.1%
1.0%
9.1%
89.9%
0.0%
0.0%
2.技術的専門性の高い審査員の維持・増強
・増加する審査業務に対応するため、外部審査員を確保
・ニーズの多い分野を中心に、技術アドバイザーを確保
・全体で約410名の審査員・技術アドバイザーを維持
3.認定機関職員の資質向上と技術力強化
2.0%
98.0%
0.0%
8.5%
91.5%
0.0%
0.0%
※主任審査員連絡
会、技術アドバイ
ザー連絡会等で不
適合事項を含む
フィードバック情報を
共有することによっ
て、審査員、技術ア
ドバイザーの資質や
レベル維持向上及び
審査レベルの平準
化を確保!
新規外部審査員
技術分野
人数
建築
6
繊維
4
電気・電子
3
長さ
1
抗菌
1
環境分析
1
計
16
・認定基礎力の強化と内部コミュニケーション強化を目的とした
認定研究会を6回開催。認定機関に対する国際規格の理解度テ
スト等によって認定機関職員として必要な知識を向上。
・ILAC/IAF広報委員会議長による講演「認定の経済効果」を開催。
認定活用事例とUKASの新規認定プログラムの開発等、
今後の認定活用促進に向けた情報共有を図った。
技術アドバイザー
技術分野
人数
高周波
2
質量・力
2
振動加速度
2
音響・超音波
2
物性物理
2
測光
1
セラミック
1
核磁気
1
統計学
1
14
計
認定研究会 講演内容の一部紹介
ISO/IEC 17011と IAF/ILAC A5について
国際会議の動向紹介
APLAC技能試験委員会の活動報告
IECEE/CBスキームについて
製品マーク制度のいろいろ
JCGM会議報告、IMEKOの活動紹介及びSI定義の変更について
認定の経済効果について ( 講師:ILAC/IAF広報委員会議長)
NITE業務実績報告書Ⅰ. A-4
2. (1)参照
38
A-4(7)
国際的信頼性維持・向上等
日本企業(製品)の海外展開を
協力にサポート
PAC:太平洋認定機関協力機構
IAF:国際認定機関フォーラム
APLAC:アジア太平洋試験所認定協力機構
ILAC:国際試験所認定協力機構
MLA:国際相互承認
○PAC-MLA署名達成
平成25年5月にPAC-MLA署名を達成
○IAF-MLA署名達成
平成25年9月にIAF-MLA署名を達成
PAC-MLA署名式の様子
(中央)IAJapan 藤間所長、 (左)PAC議長 井口氏、(右)PAC事務局 Mort氏
○国際機関等への人的・技術的貢献
IAF-MLA署名書
~認定センターの国際的プレゼンス、発言力の向上~
APLAC標準物質生産者認定ワークショップ開催(nite)
NITE業務実績報告書Ⅰ. A-4
2. (2)参照
IAF/ILAC合同広報委員会開催(京都)
39
共通事項(マネジメント)
平成25年度業務実績
B-1(1)
内部統制の充実強化(1)
マネジメントの充実強化
○震災対応・庁舎管理
・平成23年に東日本大震災の被害を受
けた東北支所庁舎の復旧に伴う工事
が完了。事務棟と試験棟を分けるな
ど、耐震性の強化やリスク分散が図ら
れた庁舎が完成した。
東北支所新庁舎
○5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)活
動の継続と時間管理の徹底
CNN(Challenge for Next NITE)プロジェクトと
して、5S活動を推進するチームを立ち上げ、
全所的な取組を継続するとともに、幹部による
視察や優秀な取組に対する表彰を実施。平成
25年度はこれまでの5Sに加えて、時間管理の
徹底をテーマとして取り上げ、効率的な時間の
利用に努めた。
ポスター(所内各所に掲示)
○危機管理の強化
適時適切にリスク管理委員会を開催し、
NITEのリスクに対応。特に特許微生物寄
託業務については、全業務にリスク評価
を実施し、マニュアルの改訂など、対策
を講じた(次ページ参照)。また、BCP基
本方針の作成とかずさ地区における実
効性のある復旧手順書を検討
NITE業務実績報告書 Ⅰ. B-1参照
40
B-1(2)
内部統制の充実強化(2)
○危機管理の強化(特許微生物寄託業務関係)
特許微生物寄託業務の一元化が完了したことを受け、間違
えやすい点などの洗い出しを迅速に行い、リスク評価を実施。
結果を業務マニュアルや管理システムの改訂など行い、適
切な業務運営に反映。
項目
詳細
業務全体のリスク評価
特許微生物寄託業務の全項目に関し、以下の手順でリスク
評価を全員で実施。認識の共有化。
1.業務事項の全て(19項目)についてフロー図を作成。
2.各フローの各段階で、想定されるリスクの洗い出し。
3.各リスクを、グループ分けして整理。
4.各グループで、Event Tree図を用いたリスク解析を実施。
5.解析結果に基づき、どのような対策が有効かを検討。
リスク評価結果の反映
○業務マニュアルを改訂
(主な改訂箇所)
・ダブルチェック等の必要と判明した対策の徹底。
・作業担当者の明示。
○寄託情報管理情報システムの改修
(主な改修箇所)
・条約に基づく、分譲での保管期間自動延長機能の追加。
・手続きの同時進行制限機能の追加。
※改訂業務マニュアル
41
B-1(3)
内部統制の充実強化(3)
○基本理念、行動指針を改定
基本理念、スローガン及び行動指針を改定し、
全職員に周知を図るとともに、これらの下、業務
を推進することで、内部統制の強化を図った。
ポスター(全所の各部署に掲示)
職員証に記載(裏面)
42
B-2(1)
戦略的な人材の活用
PDCA循環によって着実に前進、新たな発想・柔軟性・適応力を
人材の活用
Action
再任用職員の活用
再任用制度の運用見直し、
先輩から後輩への技術継
承、認定業務等への活用
キャリアパス・異動希望を
重視した配置
魅力ある人材確保
Plan
魅力発信・新たな
リクルート戦略
リクルートパンフレット
刷新と中部・近畿地
区での官庁業務合同
説明会への参加
NITEユースワーキングセッション、
業務説明会の開催による
分野間・世代間の情報共
有
教え合い、学びあう人材育成
への転換
人事評価の積極的活用
リスクコミュニケーション研修や複数
人事評価結果のキャリアパス・
階層共同での研修の実施,任意の
人事異動への積極的活用
グループによる課題解決の推進
Check
リスクコミュニケーション研修
修了式の様子
人材の成長確認
Do
人材育成
その他、次の事項を強化
・休職者の復帰支援(リワーク復帰プログラムの活用)
・セクハラ・メンタル対策講習の実施
NITE業務実績報告書 Ⅰ. B-2参照
43
B-2(2)
◆広い視野や視点で業務検討が実施出来る人材の育成
部門横断的に構成された技術戦略室において、現状の業務や体制にとらわ
れず、「何をもって貢献すべきか」を前提なしで議論し、広い視野や思考で自ら
考え提案や行動し、成果を得る取組を実施。
・NITE業務の根拠となっている政策や背景について、自ら情報の収集、整理、
分析等を行うことによって、NITEの役割やその意義、政策の立案根拠などにつ
いて認識し、今後のNITE業務を検討するためのマインドの構築を図った。
・これらを実施するためのバックキャスト的思考による検討方策などについての
文献査読や意見交換、レポートの作成を行うとともに、その結果を幹部役職員
への報告会におけるプレゼンテーションや
各分野への情報提供などでフィードバック。
・外部の有識者との意見交換やヒアリング
などを14回実施することなどによって、
これまで関連のなかった外部の機関や
有識者とのネットワークを構築。今後の
新たな業務展開への道筋を作った。
幹部役職員への報告会の様子
◆若手職員を中心とする業務執行能力向上のためのPT
新規職員が基本的な業務執行能力を確実に身につけられるよう、ベテラン職員の
指導の下、基本マニュアルの作成、各分野におけるOJTのあり方等について検討。
作成したマニュアルは
日々の業務や新規採用
職員研修などに活用
44
B-3
機動的な内部組織の構築と人員配置
先端技術評価センター準備室の設置
◆グローバル認証基盤整備を業務の中心とする
「先端技術評価センター」を
平成25年度補正予算で整備を行う計画
◆耐震性能の低い大阪合同庁舎の
製品安全センター本部移転する計画
先端技術評価センター準備室
◆これらに対応すべく、大規模蓄電池システムや
ファインバブル等の試験方法の開発と耐震性の低い
製品安全センター本部を含む133億円の施設整備とともに、
業務計画などをまとめる部署として活動開始
機動的な人員配置による新たな課題の解決
◆特定部門にとどまらない先導的業務や分野間横断業務に関し、業務上の重要性が
高い案件について、組織横断的なプロジェクトチームを編成し、課題を解決
○ 生物遺伝資源長期保存施設
(仮称)PT
○ 大型蓄電池システムPT
認定・製品安全連携による、
新国際標準開発のテーマ発掘
かずさ地区の生物遺伝資源長期保存
施設(仮称)の建設及びNBRCサービ
スの利用促進
(参考)日本自動車研究所 防爆チャンバー
部門間連携による新たな課題の解決
◆製品安全部門とバイオテクノロジー部門との連携に
よって、石油ストーブの製品事故原因である 灯油劣化
問題を究明
製品事故の防止につながる!
製品安全センター
バイオテクノロジーセンター
事故原因究明技術
高度生体分子分析技術
NITE業務実績報告書 Ⅰ. B-3参照
45
B-4
契約の適正化等による経費の削減
■
随意契約の競争入札等への移行の徹底、競争入札等
における実質的な競争性確保、契約履行品質向上のた
めの取り組み等、契約の適正化推進によって経費を削減
契約の適正化推進等の具体的な取組
競争入札等において、一者応札・応募契約の減少に向け取り組む
○情報提供の充実・入札参加者の利便性向上、入札参加要件の緩和等
・ホームページによる調達予定情報公表、関心をもちつつも入札不参加となった
者への聞き取り調査を実施
・複数箇所による同時説明会、入札・開札の実施、入札参加資格ランクを緩和
○競争入札等における実質的な競争性確保
・ 高額調達において、一者のみが応札した場合には入札手続きのやり直しを実施
○競争性を確保しつつ契約履行品質を向上させるための取り組み
・契約履行品質向上の検討材料とするため、契約履行品質調査を実施
・総合評価落札方式の適用範囲を拡大
○環境配慮契約法への対応・更なる随意契約の見直し
・電力供給及びガス供給契約の競争入札実施
○調達マニュアル類の整備
契約の適正性の点検等
○契約監視委員会によって随意契約及び一者応札・応募契約、公益法人との契約について点検
を実施
○随意契約及び一者応札・応募契約を重点項目のひとつとして内部監査を実施
契約全体に占める競争入札等の件数
H24度
競争性のある契約
単位 件
H25年度
244 (94%)
253 (96%)
うち一者応札・応募
74 [30%]
106 [42%]
競争性のない随意契約
16 (6%)
12 (5%)
合
計
260
265
※競争性のある契約:競争入札、企画競争・公募、競争入札における不落・不調
NITE業務実績報告書 Ⅰ. B-4参照
46
B-5(1)
広報・情報提供の推進(1)
1.多岐にわたる広報活動と新たな分野を開拓
プレスリリースでは、製品安全分野で毎月1回の頻度で記者説明会を行ったほか、バイオ
テクノロジー分野、化学物質管理分野、適合性認定分野においても積極的にマスメディアへ
の情報提供を実施。新聞掲載数も2倍以上に躍進。
また、NITE自ら開催したNITEフレンドシップディ(一般公開日)以外に、アウトリーチ
型広報の一環としてNITE全体として自治体の開催した数万人規模の参加者のあるイベント
や実験教室等に選択・集中しつつ、積極的に参加。JCSS20周年記念イベントでは、数百人
規模の集客をするなど、NITEの業務成果の普及啓発に大きく貢献。
JCSS20周年記念講演イベント
NITEプレス発表会
NITE一般公開日と渋谷区の実験教室
NITE業務実績報告書 Ⅰ. B-5参照
47
B-5(2)
広報・情報提供の推進(2)
2.広報ツールの刷新と広報ツールを有効に活用した広報展開
これまで業務説明が中心であったNITE紹介パンフレット及びPR動画を大幅にリニューア
ルし、NITEの基本理念、社会におけるNITEの果たす役割等、NITEやその活動への理解の促
進を組織一体的に紹介することで、NITEの直接のユーザだけでなく、その先のユーザを含
めた国民一般に配布。製品安全の小中学生向け教育ビデオの全国配布などとも連動し、紹介
することでNITEの活動に対する理解の促進に大きく貢献。
基本理念を念頭にした新たなパンフレットとPRビデオ
イベント等で広く紹介、配布
NITE業務実績報告書 Ⅰ. B-5参照
48
B-6
業務の電子化の推進
1.業務の電子化の推進
新NITE-LANシステムを調達し、運用を開始した。
IT調達の透明性・公平性を図り、IT調達制度の適切な運用に努めた。
2.情報セキュリティ対策
昨年度の不正アクセスを契機に、セキュリティ強化に努めた。
情報セキュリティ教育、情報セキュリティ自己点検等によって、役職員の情報
セキュリティに対する意識の向上を図った。
業務の電子化の推進
• 第二期中期目標期間中に実施した業務・システム最適化計画の評価結果を踏
まえ、新NITE-LANシステムを調達し、平成26年3月1日から運用を開始した。
• IT調達の透明性、公平性の確保を図るため、CIO補佐官を活用し、情報システ
ム政府調達審査会を30回(13システム)、審査会以外の仕様書審査を57件、提案
書の確認を19件実施した。
情報セキュリティ対策
・規程類の見直し(「情報セキュリティに係る障害・事故等対応規程」及びマニュア
ル作成ガイド)を実施した。
・不正アクセス対策として24時間365日監視を実施し、不正アクセスによる被害を
防止した。
・情報セキュリティ教育ではeラーニング(受講率98.5%)、標的型メール訓練(3
回)、講演会(2回)を実施した。
・情報セキュリティ自己点検(実施率98.3%)を実施した。
・NITEの6支所、9課室に対して情報セキュリティ監査を実施した。
・公開18システムについて、リスク分析・評価を実施した。
・ 今年度から新たに公開サーバ緊急連絡訓練(3回)を実施した。
・今年度新たに設置された「経済産業省・関係機関情報セキュリティ連絡会議」へ
参加し、国や他の独法などとの情報共有・情報収集に努めた。
NITE業務実績報告書 Ⅱ.2.参照
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