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91 - 情報規格調査会

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91 - 情報規格調査会
No. 91
2011 年 9 月
目
次
標準活動トピックス:
ISMS ファミリ規格の最新動向 ........................................................ 2
山崎 哲(工学院大学)
2011 年 9 月以降 国際会議開催スケジュール .............................................. 6
最近の国際会議から:
SC 2(Coded Character Sets)総会報告 ....................................................... 7
関口 正裕(富士通(株))
SC 6(Telecommunications and Information Exchange Between Systems)総会報告................. 8
高山 佳久(ソニー(株))
SC 7(Software and Systems Engineering)総会報告 .......................................... 10
谷津 行穗(日本 IBM(株))
SC 28(Office Equipment)総会報告 ......................................................... 14
小澁 弘明(コンサルタント・NPO エコデザイン推進機構)
SC 31(Automatic Identification and Data Capture Techniques)総会報告 ..................... 15
河合 和哉(パナソニックモバイルコミュニケーションズ(株))
SC 32(Data Management and Interchange)総会報告 .......................................... 18
鈴木 健司(東京国際大学)
SC 34(Document Description and Processing Languages)総会報告 ............................ 21
小町 祐史 (大阪工業大学)
SC 38(Distributed Application Platforms and Services (DAPS))総会報告 .................... 24
鈴木 俊宏(日本オラクル(株))
解説: ソフトウェア製品の品質要求及び評価:SQuaRE ( Software product Quality Requirements
and Evaluation )の紹介 .............................................................. 25
東 基衞(早稲田大学),山形 薫(三菱電機(株))
声のページ:
標準の利用価値について考える .............................................................. 29
出井 克人(キヤノン(株))
国際標準化活動における 2 つの役割 .......................................................... 29
森 紘一
第 26 回規格総会の報告 ............................................................... 30
2011 年度 標準化功績賞および貢献賞の表彰 ............................................. 32
編集後記 ............................................................................ 34
<標準活動トピックス>
ISMS ファミリ規格の最新動向
SC 27/WG 1 小委員会
主査 山崎 哲(工学院大学)
1. はじめに
情報セキュリティマネジメントシステム(以降
ISMS と云う)の認証取得件数は,2011 年 7 月現在,
全世界で 7200 組織,国内では 3800 組織と,発足以来
この 10 年近くで大きな発展を遂げた.このマネジメ
ントシステムを支える ISMS ファミリ規格を担当する
組織が,ISO/IEC JTC 1/SC 27/WG 1 である.SC 27 に
は,5 つのワーキンググループ(WG)があり,WG 1
の他にも,暗号アルゴリズムそのものの標準化や暗号
をベースとしたセキュリティメカニズム(認証,署名
など)の規格化を実施する WG 2,セキュリティ評価
の規格(ISO/IEC 15408 等)の策定を進める WG 3,
ネットワークセキュリティやアプリケーションセキ
ュリティ等のセキュリティ技術やプロセスを担当す
る WG 4,Identity management や Privacy を担当する
WG 5 がある.最近,情報セキュリティの規格化は,
多くの分野に関係することもあり,多くの標準化組織
によって議論されている.SC 27 内においても,WG
の枠組みを超えて,複数の WG が協力して,広範囲
の検討を進めている.例えば,2010 年後半のベルリ
ン会議以降,Cloud Computing Security and Privacy に関
しては,WG 1,WG 4 及び WG 5 が,協力・連携して,
活動を展開している.以下に,ISO/IEC JTC 1/SC 27
における 2011 年 4 月シンガポール会合の結果をベー
スに WG 1 の ISMS ファミリ規格化動向について述べ
る.
2. ISMS ファミリ規格の活動概要
ISMS ファミリ規格の中心に位置し,重要な規格は,
要求事項(Requirements)である ISO/IEC 27001 と,
実践規範(Code of Practice)である ISO/IEC 27002 で
ある.この両規格を中心に,現在審議中の ISMS ファ
ミリ規格の動向について紹介する.(図1参照)
2.1 ISO/IEC 27001(ISMS 要求事項)の審議
本規格は,マネジメントシステムとしての「ISMS
の要求事項」を規定するもので,組織は,ISMS 適合
性を主張するためには,実施することが必須の事項で
ある.現在,ISO/IEC 27001 は,2005 年版より改訂す
るための審議中である.改訂の基本は,品質や環境の
マネジメントシステムである QMS や EMS と,共通
テ キ ス ト や 用 語 を 確 立 す る た め に , Management
system standard(以降 MSS と云う)と言う方針に基づ
いて改訂を実施中である.もう一つの改訂の基本は,
一般的なリスクマネジメントの国際規格である ISO
31000 との整合を図ることである.これらの改訂の方
針のため,以下の影響が考えられる.
(1)共通テキストのハイレベルに整合するために,
ISMS 固有の要求事項が削除される恐れがある.
(2)MSS へ整合するために,情報セキュリティ基本
方針(Information security policy)の意味が変更さ
れる.
(3)ISO 31000 のリスクマネジメントに整合するため
に,情報セキュリティのリスクマネジメントの要
ISMS family of standards Relationships
Terminology
WD3
Requirements
CD1
Guidelines
WD4
Sector-Specific
Guidelines
27001
ISMS
Requirements
27002
Code of
Practice
27010
Inter-sector
comm
FCD
27000
Overview and
Vocabulary
:published
27006 Audit &
certification
bodies
27003
Implementation
Guidance
27011
Telecom
ISMS
DIS
27004
Management
Measurement
27005
Risk
Management
FDIS
27007
Auditing
Guidelines
FCD
27012
e-government
27013
20000 &
27001
27014
security
governance
cancel
CD1
CD2
27015
Financeinsurance
WD3
27008
Guidance for
auditors
DTR
27016
ISM
Economics
WD2
ISO/IEC27000 ISMS family of standards support ISO/IEC27001, ISMS Requirements.
図 1
素として,これまで ISMS ユーザ組織で使用され
てきた資産,脅威,脆弱性の要素が,別のものに
変更される.
(4)これまでの ISMS の重要な概念である記録管理
(Record management)や予防処置(Preventive
action)等が削除される.
(5)リスク対応における Annex A からの管理策の選
択や SoA (Statement of Applicability, 適用宣言書)
の名前が削除される.
以上の結果,例えば,シンガポール会議後のリスクマ
ネジメントの記述は,ISO 31000 に整合したハイレベ
ルな記述になっているため,ISMS 利用者や審査員に
とって,ISMS 要求事項が不明確になってきている.
The organization shall apply a documented risk
assessment methodology that:
a) establish risk criteria, including the acceptable
levels of risk,
b) identifies, analyses and evaluates risks
concerning the loss of confidentiality, integrity
and availability of information, taking into
account the business, legal, regulatory and
contractual requirements,
c) identify the owners of these risks.
The organization shall:
a) select suitable risk treatment options taking
account of the established risk criteria,
NOTE: Some options require controls in order
to treat risks, others not.
b) identify suitable controls for the risk treatment
option(s) chosen (see 6.2.1 a)) taking account of
the established risk criteria,
c) compare the controls identified in 6.2.1 b) with
those in Annex A and justify inclusions and
exclusions,
d) formulate a risk treatment plan that satisfies the
risk criteria.
2.2 ISO/IEC 27002(情報セキュリティマネジメントの
実践のための規範)の審議
本規格は,情報セキュリティマネジメントの管理策
(Controls)である「情報セキュリティマネジメント
の実践のための規範」を規定するもので,現在,
ISO/IEC 27002 は,2005 年版より改訂するための審議
中である.改訂の基本は,技術や環境の変化に対応し
て,管理目的(Objectives)
,管理策(Controls),実施
の手引き(Implementation guidance),関連情報(Other
information)を改訂するだけでなく,場合によっては,
構造自身を追加・変更する場合も出てきている.これ
らの改訂の結果,ISMS ユーザや審査員にとって,以
下の影響が考えられる.
(1)4 章のリスクマネジメントを削除する.
(2)5 章の情報セキュリティ基本方針が,ISO/IEC
27001 の改訂の影響を受けて,意味を変えている.
(3)第三者(Third Party)を外部組織(External Party)
に変えているため,セキュリティ対策が,不明確
となる.
(4)2005 年版において重要であったネットワークア
クセス制御やアプリケーションアクセス制御が
削除されている.
(5)2005 年版において重要であったアプリケーショ
ン開発における入力の妥当性チェック,内部処理
の妥当性,出力の妥当性チェックなどの管理策が
削除されている.
(6)事件・事故管理及びビジネス継続管理の管理策
及び実施の手引きを変更している.
2.3 ISO/IEC 27000(ISMS 概要と用語)の審議
本規格は,
「ISMS の概要と用語」を規定するもので,
現在,ISO/IEC 27000 は,2009 年版より改訂するため
の審議中である.ISO/IEC 27000 改訂の方針として,
2005 年版の ISO/IEC 27001/ISO/IEC 27002 に基づく
ISO/IEC 27000 改訂と,現在改訂中の新規 ISO/IEC
27001/ISO/IEC 27002 へ対応して用語やテキスト改訂
する 2 種類がある.現在,まず,第1段階として,2005
年版に基づく改訂が実施されることになった.第2段
階としての新規 ISO/IEC 27001/ISO/IEC 27002 への対
応については,ISO/IEC 27001,ISO/IEC 27002 が改訂
された段階で,Early revision に入ることになる.
今後の改訂の方向性としては,以下の項目が考えら
れる.
(1)ISO/IEC 27001, ISO/IEC 27002 との改訂との整合
性の他に発行済みとなる ISO/IEC 27003, ISO/IEC
27004, ISO/IEC 27005 の 他 に ISO/IEC 27006,
ISO/IEC 27007, ISO/IEC 27008 との整合性に対応
する.
(2)概要の説明として,PDCA(Plan, Do, Check, Act)
サイクルの記述を復活させる.
(3)規定体系として,ISO/IEC 27014 に関する修正を
含める.
2.4 ISO/IEC 27006 (ISMS 認証機関のための要求事項)
の審議
本規格は,
「ISMS 認証機関のための要求事項」を規
定するもので,現在,ISO/IEC 27006 は,2007 年版よ
り改訂するための審議中である.ISO/IEC 27006 改訂
の方針として,ベースとなる「マネジメントシステム
の認証機関のための要求事項」である ISO/IEC 17021
改訂に伴って,1 年以内の改訂し発行を目指して,作
業が行われた.
(1)DIS 投票に寄せられるコメント処理は,2011 年
10 月の開催予定の SC 27/WG 1 の Kenya の Nairobi 会
合で行い,その結果特に支障なければ FDIS 投票は省
略される.それ以外のケースが起きれば,2 ケ月投票
にかけられる.いずれも,同時に ITTF に文書レビュ
ーを並行して行うことが依頼される(早期発行のため
の特別措置)予定である.
2.5 ISO/IEC 27007(ISMS 監査のための指針)の審議
本規格は,
「ISMS 監査のための指針」であり,一般
的監査のための指針である ISO 19011 をベースとして
規格作成作業している.規格制定の時期は,前提とな
っている ISO 19011 の FDIS 版がまだ発行されていな
いため,現段階で ISO/IEC 27007 を FDIS に進めるか
どうかについては明確になっていない,FCD 27007 は
DIS 19011 との整合がとられており,Pre FDIS 19011
が DIS 19011 からかなり変更されたことから,Pre
FDIS 19011 から FDIS 19011 になる際にも内容的な変
更が加えられることも考えられた.このため,本規格
は 2nd FCD に進めるという案が上げられたが,ISO の
スケジュール上,できれば FDIS に進めたいというエ
ディタの意向が伝えられた.
(1)FDIS 27007 発行前に,FDIS 19011 の内容を確認
し,次回は FDIS に進むことになった.
(2)ISO/IEC 27007 の Annex A については,TC176
提示案のレビューを行い,このレビュー結果を反
映してもらうよう TC176 にフィードバックする.
今回は,TC176 からのリエゾン文書があり,さら
に FDIS19011 案の Annex A に ISMS 固有のものも
含まれていたことが確認されたことから,ISO
19011 に含まれると思われる.
2.6 ISO/IEC TR 27008(情報セキュリティ管理策の監
査人のための指針)の審議
本規格は,「情報セキュリティ管理策の監査人のた
めの指針」であり,新たに作成作業中である.大前提
として,DTR から Publication に進むことは承認され
ているため,原則として純粋に編集的コメント以外は
大きな見直しは行なわない段階となっている.但し,
今後,以下の再検討が必要である.
(1)Scope について,Technical compliance checking
であることの範囲とする.
( 2 ) audit/auditor の 用 語 の 見 直 し に つ い て ,
Management System の適合性評価のような場合で
も,あるいは Technical compliance checking のよう
な場合でも,audit/auditor を用いても違和感はな
いのかどうかの検討を行う.
2.7 ISO/IEC 27010(セクター間及び組織間の情報セ
キュリティマネジメント)の審議
本規格は,「セクター間及び組織間の情報セキュリ
ティマネジメント」であり,新たに作成作業中である.
さらに,27010 は,全て,技術的課題が解決したため,
次の段階である FCD に進むこととなった.但し,今
後,以下の点について配慮が必要である.
(1)今後は,構成組みかえの機械的作業として,Sector
Specific Guidelines は ISO/IEC 27011 と同一の構
成をとる.
(2)control objective や control に追加があった場合,
ISO/IEC 27002 のオリジナル記述を再掲し,その
上で追加部分を記述するという ISO/IEC 27011 の
記法については,「必要な範囲で ISO/IEC 27002
のテキストを含めてよい」という規定の範疇で再
掲内容を判断することにする.
(3)ISO/IEC 27010 においてどの程度 ISO/IEC 27002
のオリジナル記述が含まれるかは,FCD の発行
後,読みやすさの観点から再検討する.
2.8 ISO/IEC 27013 ( ISO/IEC 27001 及 び ISO/IEC
20000-1 の統合インプリメンテーションのための指
針)の審議
本規格は,
「ISO/IEC 27001 及び ISO/IEC 20000-1 の
統合インプリメンテーションのための指針」であり,
新たに規格作成中である.今回の審議結果を受けて,
CD へ進むことが,承認された.この中で,重要な提
案として,TR への移行についての提案もあったが,
審議の結果,現状通り IS で進めることになった.
2.9 ISO/IEC 27014(情報セキュリティガバナンスの
フレームワーク)の審議
本規格は,「情報セキュリティガバナンスのフレー
ムワーク」であり,新たに作成作業中である.今回の
審議により,以下の通りとして,承認された.
(1)ISO/IEC 27014 は 2nd CD を作成すること,及び,
次回に DIS 化について審議する旨を Delegation of
authority とすることが決定した.
(2)今回の重要な変更として(top management →
Governance Body + Executive Management)があっ
た.(この事は,コーポレートガバナンスの構造
が欧米と日本で異なるため,その意図が理解しに
くい面がある.)
(3)ISO/IEC 38500 との整合と位置関係が,今後も審
議の方向に大きな影響をおよぼす.38500 を
Normative Reference に追加せよとのコメントも
あったが,結局,Bibliography に残す形となった.
(4)重要視していた以下の 2 点については,残るこ
とになった.
① Process に”Communicate”と”Assure”を残す.
② Annex の Detailed Information Security Status を
組織外向けの用途に位置づけ直す
2.10 ISO/IEC27015(金融サービスのための情報セキ
ュリティマネジメントの指針)の審議
本規格は,「金融サービスのための情報セキュリテ
ィマネジメントの指針」であり,新たな規格として,
作成作業中である.シンガポール会議の結果,以下の
Conceptual architecture of
ことが決定された.
cloud
computing security and privacy
(1)Sector Specific でない内容については全て
(Conclusion)
削除し,Sector Specific な内容のみに再度
(0)
見直す.
Concept, Definition
( 2 ) control, implementation guidance , other
(5)
(6)
(7)
information をすべて 6 章に記載する構成
(1) Requirements
for security
を 取 っ て い た も の を , 同 じ く Sector
management
Specific である 27011 と同様に,章・節構
(2)
成を ISO/IEC 27002 にあわせる.
Controls
Govern
Referen
Audit
ance
ces
for security
(3)本文に ISO/IEC 27002 との差分しか記述
management
されていなかったため,これも 27011 合わ
(3)
(4)
せて,ISO/IEC 27002 の内容を記述した上
Identity
で,financial-specific な内容を追加記載す
Security
management
technologies
and privacy
る形式に変更するという提案も出された
technologies
が,「必要な範囲で ISO/IEC 27002 のテキ
: Addition to Hypothesis
ストを含めて良い」という扱いとする.
(4)Financial-specific でない内容も含まれてい
図 2
るため,これらを削除・見直しをする.
(5)Other information の中で”should”や”need to”
といった表現を用いているものについては,
2.12 ISO/IEC 27017(クラウドコンピューティング・
Implementation guidance に移す.
セキュリティ及びプライバシー)の審議
2.11 ISO/IEC 27016(組織の Economics に関する情報
本規格は,「クラウドコンピューティング・セキュ
セキュリティマネジメント)の審議
リティ及びプライバシー」
(図 2 参照)であり,新た
本規格は,
「組織の Economics に関する情報セキュ
に規格として作成作業中である.シンガポール会議で
リティマネジメント」であり,新たに規格作成作業中
は,以下の結論を得た.
である.シンガポール会議の結果,ドキュメントの構
(1)WG 1, WG 4 及び WG 5 によるベルリン会議以来
成及び記述方針が確定し,次の段階へ進むこととなっ
の 6 ヶ月間の Study period の結果として,以下の
た.以下,次の方針を得た.
内容が,報告された.
(1)主な読者としてまず CISO(Chief Information
a) Cloud computing における Security と Privacy の
Security Officer))を想定し,これに加えて CISO
構成要素を示す Conceptual architecture
をサポートする,あるいは CISO が指示を出す
b) Conceptual architecture に基づく開発するべき
managers も読者に含める.
Standards
(2)CISO の Decision on ISM をサポートする情報を
c) Standard 毎の開発 Roadmap
提供することを目的に,27014 を参照しつつ,
(2)Study が完了した Controls の Guidelines として,”
27016 を CISO が読むことにより,よい意思決定
Guidelines on Information security controls for the
ができるようになる,というガイドとする.
use of cloud computing services based on ISO/IEC
(3)ドキュメントは,20 頁程度のボリュームで,詳
27002”が,NWIP の Draft が日本案をベースに作
細事項はすべて ANNEX にという構成にする.
成されており,この Draft について審議され,NP
(ISMS との関連(すなわち ISO/IEC 27001 や
Ballot に行くことが承認された.当規格は,早急
ISO/IEC 27002 などの他ガイドライン)との関係
な発行が期待されていることから,まず TS とし
は保ちつつ(整合を取りつつ),読者をハイレベ
て発行し,現在改訂中の ISO/IEC 27002 が完成さ
ルにすることで,あまり具体的な記述には言及し
れた時点で,早期に,IS として改訂し,発行する
ない方針.)
方針である.
(4)ISMS の activities と矛盾のないものとすること,
(3)Study が完了しなかった Requirements, Audit,
関連を示すこと.但し,ドキュメントの方向が
Governance, security technologies 及 び Identity
CISO をメインの読者としたハイレベルのものに
management and privacy technologies に関しては,
決定されたため,ISMS のインプリプロセスを詳
Study period を 6 カ月延長することに決定した.
細に想定する必要はなくなった.
3. おわりに
ISO/IEC JTC 1/SC 27 において情報セキュリティマ
ネジメントシステム(ISMS)を支える「ISMS ファミ
リ規格」の規格化を担当する WG 1 の標準化動向につ
いて紹介した.近年,情報セキュリティの重要性はま
すます高まっており,特に,クラウドコンピューティ
ングの分野においては,そのサービスやアプリケーシ
ョンの社会インフラ化から,Cloud Computing Security
and Privacy の確立が急務となっている.これらの国際
規格化は,WG 1,WG 4,WG 5 だけでなく多くの国
際組織との連携により,早急な制定・発行が要求され
ており,その成果が期待されている.
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<2011 年 9 月以降
JTC 1 2011-11-07/12
SWG-Accessibility
2011-09-06/09
SWG-Directives
2011-08-31/09-02
SC 2
2012-10-26
SC 6
2012-02
SC 7
2012-05-20/25
SC 17 2011-10-05/07
SC 22
SC 23
2011-09-19/21
2012
国際会議開催スケジュール>
San Diego, CA,USA
Paris,France
Ottawa,Canada
Chiang Mai,Thailand
広州,中国
Jeju,韓国
Song-Do International City,
韓国
Copenhagen,Denmark
(未定)
SC 24
SC 25
SC 27
SC 28
SC 29
SC 31
SC 32
SC 34
SC 35
SC 36
SC 37
SC 38
2012-08/20/24
2011-10-31
2012-05-14/15
2012-06
2012-07-21
2012-06-07/08
2012-06-04/08
2011-09-26/30
2012-02-20/25
2011-09-10/18
2012-07-09/17
2011-09-19/23
Germany / UK
Melbourne,Australia
Stockholm,Sweden
London,UK
Stockholm,Sweden
Pittsburgh,PA,US
Berlin,Germany
Busan,韓国
京都,日本
上海,中国
Paris,France
Seoul,韓国
<最近の国際会議から>
■ SC 2(Coded Character Sets/符号化文字集合)
総会報告
SC 2 専門委員会
委員長 関口 正裕(富士通(株))
1. 開催場所: ヘルシンキ(フィンランド)
2. 開催期間: 2011-6-10
3. 参加国数/出席者数:11 カ国/18 名
議長(三上喜貴[長岡技術科学大学]
)
,セクレタリ
(木村敏子[ITSCJ]),豪(1),加(2)
,中(1)
,独
(2),フィンランド(1)
,印(1)
,アイルランド(1)
,
日(1:関口正裕[HoD]),韓(1),英(委任:アイ
ルランド)
,米(4)
,リエゾン(3: UC Berkeley,Unicode
Consortium,SC 35)
4. 会議の内容
(1) 概要
ISO/IEC JTC 1/SC 2 は,符号化文字集合の規格及び
多国語文字列の照合順序の規格を担当している.SC 2
傘下に,WG 2 と OWG-SORT とがある.
ISO/IEC の符号化文字集合の規格は多数存在するが,
大半は古くスタビライズされている.現在積極的に保
守を行っている符号化文字集合の規格は ISO/IEC
10646(Universal Coded Character Set – UCS/国際符号
化文字集合(UCS))だけである.この規格を担当す
るのが WG 2 である.
SC 2 が担当するもう一つの規格は ISO/IEC 14651
(International string ordering and comparison - Method
for comparing character strings and description of the
common template tailorable ordering/国際的な文字列
の順序付け及び比較 ― 文字列の比較方法及び共通
テンプレートによって調整可能な順序付けの記述)で
ある.規格改正案に対する投票コメントのディスポジ
ション及び規格案テキストの編集を OWG-SORT が担
当している.
6 月 6 日(月)の朝から 9 日(木)の午前中まで
WG 2 の実質審議を行い,9 日の午後に OWG-SORT
及び WG 2 のドラフティング(三上氏,関口等が参加)
が行われ,10 日(金)の午前中に WG 2 の決議承認,
10 日の午後に SC 2 総会という全体で 1 週間のスケジ
ュールであった.
(2) 議長の交代
昨年の JTC 1 総会で,SC 2 議長は前任の小林龍生氏
(IPA)から三上喜貴氏(長岡技術科学大学)に交代
し,今回の SC 2 総会が三上氏の初議長であった.JTC
1 総会向けに用意したビジネスプランのプレゼン等を
行い,大変好評であった.
(3) 規格の状況
ISO/IEC 10646 は,WG 2 会議で第 3 版の FCD のデ
ィスポジション及び第 3 版に対する追補 1 の PDAM
のディスポジションが行われたことを受け,前者につ
いては FDIS に進めることを,後者については 2nd
PDAM を行うことを,それぞれ承認した.FDIS 10646
については,FCD テキストの漢字部分の符号表(特
に CJK 統合漢字拡張 B)の品質が悪かったため,十
分なレビュー期間を取ってから FDIS 投票を開始する
べきという日本の主張がある程度認められ,11 月投
票開始という予定になった.
ISO/IEC 14651 は,現在第 3 版の FDIS 投票中であ
り,規格案についての議論はなかったが,FDIS 投票
後の改版計画を承認した.
なお,SC 2 では,ISO/IEC 10646 及び ISO/IEC 14651
以外に,7 ビット及び 8 ビットの符号化文字集合の規
格(制御機能及び符号拡張法の規格を含む.)を多数
担当しているが,大半が古い規格である.最後に残っ
ていた ISO/IEC 8859-7 がスタビライズされたことに
より,7 ビット及び 8 ビットの符号化文字集合の規格
はすべてスタビライズ状態になったことがセクレタ
リから報告された.
(4) Unicode Technical Report の参照に関する決議
SC 2 のリエゾンである Unicode Consortium は,
Unicode Technical Report という名称の一連の文書を発
行している.
(“Technical Report”という語を用いてい
るが,内容は,JTC 1 の Technical Report に類するもの
だけでなく,Technical Specification 及び Amendment
に相当するものもある.)ISO/IEC 10646 は,このうち
い く つ か の Unicode Technical Report を 規 定 事 項
(normative)として参照している.
ISO/IEC 10646 が 規 定 事 項 と し て参 照 し て いる
Unicode Technical Report の一つに UTS#37 という,IVD
(Ideographic Variation Database) について規定するも
のがあり,日本での UCS の利用にとって重要である
が,今年になって Unicode Consortium としての UTS#37
の改正手続きが開始された.これをきっかけとして日
本から問題提起を行い,ISO/IEC 10646 が参照してい
る Unicode Technical Report の改正を行う際には,事前
に SC 2 にその旨を連絡し各国の意見を求めることを,
Unicode Consortium に対して求める決議を採択した.
(5) 電話会議及び電子メールの使用
従来,SC 2 及び傘下の WG では,電話会議は行っ
ていなかった.電子メールについても,主として寄書
の新着などを告げる連絡用のメーリングリストはあ
ったが,電子メールを用いた議論は行わないという了
解になっていた.
今回,10646 のプロジェクトエディタの提案により,
電話会議や電子メールの活用について WG 2 で議論
が 行 わ れ , 次 回 の WG 2 会 議 ま で の 間 に 10646
PDAM.1 の議論に対象を限定して試行を行うことに
なった.SC 2 としても,これを承認し,メンバに文
書で電話会議及び電子メールの利用開始について通
知することになった.
5. 今後の予定
SC 2 総会及び WG の今後の予定は以下の通り.
(1) SC 2 総会
2012-10-26 チェンマイ(タイ)
(2) WG 2 及び OWG-SORT
2012-02-13/17 マウンテンビュー(米)
2012-10-22/26 チェンマイ(タイ)
■ SC 6 ( Telecommunications and Information
Exchange Between Systems/通信とシステム間の情報
交換)総会報告
SC 6 専門委員会
幹事 高山 佳久(ソニー(株))
1. 開催場所: サンディエゴ(米)
2. 開催期間: 2011-06-20/24
3. 参加国,団体数/参加者数:10 カ国,3 団体/54 名
議長(Dae Young KIM,韓),セクレタリ(Jooran LEE,
韓),オーストリア(O-member)
(1),中(11),仏(1)
,
独(1),日(2: 高山佳久[HoD],中村健一[パナ
ソニック]),韓(19),蘭(1),スペイン(1),スイ
ス(1),英(2)
,米(4)
,Ecma International(1),ITU-T,
IEEE(7)
4. 議事概要
以下に主な議論内容と決議を記す.
4.1 WG 1
4.1.1 磁界ネットワーク
ISO/IEC FCD 15149(磁界ネットワーク: Magnetic
Field Area Network)に対する承認済コメント処理票を
添えて FDIS 投票へ進めることが承認された.(決議
6.1.1)
4.1.2 無線 LAN
SC 6 から IEEE 802 委員会へ ISO/IEC 8802 関連標準
についての再調査を依頼することとなった.(IEEE
802 委員会が 6N14713 "NB of UK's proposal for a review
of ISO/IEC 8802 related standards"をレビューして「次
回の SC 6 総会にて廃止又は SC 6 の作業項目からの取
り除きを検討する為に作成した ISO/IEC 8802 に関連
する標準規格のリスト」への追加がある場合には,SC
6 へ知らせてほしい旨を依頼する.)(決議 6.1.2)
4.1.3 WAPI
コメント処理票を作るために WAPI 新規提案のコ
メント解決会議(CRM)を開催することについて,
中国代表は,ISO のポータルサイトで公開されている
WAPI 案件のステージが WD になっている事を根拠に,
NP 投票時に寄せられたコメントを処理する必要は無
いと主張した.SC 6 セクレタリが JTC 1 事務局へ手続
きを確認したところ,NP 投票終了後には,NP 投票に
対して寄せられたコメントの処理を完了しているこ
とが WD ステージへ移行するための必須条件である
との回答であったと報告された.中国代表が,JTC 1
からの回答メールを会議場で皆に見せることを繰り
返し強く要請した為,SC 6 セクレタリは議長の指示
によりこれを開示した.更に,中国代表は,本件エデ
ィタに対してビザが発給されないため,米国への入国
ができずコメント処理票も作ることができないと説
明した.これに対して,今回の米国での会議開催ホス
トからは,各国 NB へ,JTC 1 の規定通り,ビザ発給
に十分間に合うように招待状が送付されている証拠
が提示された.
手続きに厳密に従うならば,ISO ポータルサイトの
ステージ番号を修正することになるが,CRM を開催
して承認済コメント処理票及びそれを反映した新テ
キストを用意すれば,実体の進捗と ISO ポータルサイ
トのステージ番号との同期がとれるとの提案が,米国
代表から提案があった.この提案に基づいて,会議に
て,意見を集めて本決議文「6.1.4」が作成された.決
議文「6.1.4」に対する賛否は以下のとおり.
賛成 3 ヶ国: Japan, UK, USA
反対 2 ヶ国: China, Switzerland
棄権 4 ヶ国: Germany, Korea, Netherlands, Spain
中国の反対理由: JTC 1 の見解を受け入れない;
ITTF に相談すべきである; 中国は上告するつもりで
あり手続き論が解決しない限り CRM には出席しない.
4.1.4 近距離通信(NFC)
(決議 6.1.5)
(1)向井幹雄博士の数々の NFC 標準に関するアドホ
ックグループ会議での指導力に対する心からの感謝
が示されると共に,グループの努力と成果とが認識さ
れ,6N14774 "ISO/IEC 18092 NFCIP-1 Interface and
protocol(Project Editor: 高山佳)"を CD 投票に進める
ことと,6N14665 "ISO/IEC 21481, NFCIP-2 Interface
and protocol(Project Editor: Mr. Onno Elzinga)"を DIS
投票に進めることが承認された.
( 2 ) 6N14803 "ISO/IEC 22536 ( NFCIP-1 RF Test
Methods)の 1st WD(Project Editor 中村健一)"を
2011-07-31 をコメント期限として回覧し,そのコメン
ト解決会議を 2011-09-23 に開催することが承認され
た.
(3)アドホックグループ会議の議事録(6N14670
"Meeting minutes for the JTC 1/SC 6/WG 1/Ad Hoc Group
Meetings on NFC Series of Standards, on 11-13 April 2011,
in Delft, The Netherlands")に記されている通り,
ISO/IEC DIS 21481 の試験規格が潜在的に必要になっ
て き て い る こ と が 認 識 さ れ , SC 17 ラ ポ ー タ の
6N14799 "Liaison statement from JTC 1/SC 17 to JTC
1/SC 6 on proposed improvements for CD ISO/IEC 21481"
のような本件への申し出を歓迎することが決議され
た.
(4)リエゾン声明 6N14675 "Liaison Statement from
ITU-T Study Group 17 to JTC 1/SC 6 on new
correspondence group for Near Field Communication
security ( TD 1888 Rev.1 ) "に みる 当該 グ ルー プの
NFC-SEC(ISO/IEC 13157)への興味に感謝すると同
時に,当該グループの成果物が出来た時に共有する申
し出を歓迎することが決議された.
(5)SC 6 は,SC 6 が生み出した NFC 標準規格が,
市場で取り入れられている状況を他の SDO 及び一般
に向けて説明する資料を,NFC 専門家に対して起草
要請することとなった.
4.2 WG 7(ネットワーク層およびトランスポート層)
4.2.1 マルチキャスト中継プロトコル(RMCP)
マルチキャスト中継プロトコル(3 部構成)は,これ
まで第 1 部(ISO/IEC 16512-1:フレームワーク)と第 2
部(ISO/IEC 16512-2:シンプレックスグループアプリ
仕様)
が発行されたが,第 3 部(ISO/IEC 16512-3:N-Plex
グループアプリ仕様)については,プロジェクトが取
り消されている.
第 2 部に関しては,2 件の追補が検討されていたが,
今回プロジェクトが取り消され,第 1 版の改正作業は,
ITU-T だけのプロジェクトとなった.(決議 6.7.9.)
4.2.2 ユビキタス・センサ・ネットワーク
センサネットワークのセキュリティフレームワー
ク(ISO/IEC 29180)については,会議前に実施され
ていた FCD 投票時のコメントがレビューされ,今回
の会議中に作成された改正文書が回覧されることと
なった.(決議 6.7.2)
4.2.3 フューチャネットワーク(課題と要件)
フューチャネットワークの課題と要件(ISO/IEC
29181)については,前回のロンドン会議で次の 7 部
構成の TR を作成することとなった.各部は,第 1 部
(ISO/IEC 29181-1:全体的側面),第 2 部(ISO/IEC
29181-2:名前とアドレス),第 3 部(ISO/IEC 29181-3:
スイッチングとルーティング),第 4 部(ISO/IEC
29181-4:モビリティ),第 5 部(ISO/IEC 29181-5:セキ
ュリティ),第 6 部(ISO/IEC 29181-6:メディア配信)
,
第 7 部(ISO/IEC 29181-7: サービス合成)となってい
た.今回の会議において,更に第 8 部(ISO/IEC 29181-8:
フェデレーション)を新設することとなった.(決議
6.7.4)
第 1 部については,会議前に実施されていた PDTR
投票時のコメントをレビューし,改正文書が作成され
ると共に DTR 投票の実施が承認された.(決議 6.7.3,
決議 6.7.5)
第 4 部,第 5 部,第 6 部,第 7 部,第 8 部について
は,今回の会議で作成された WD が 9 月の中間会議
に先立ってコメント要請されることとなった.(決議
6.7.7)
第 2 部については,エディタが 6 月末までに今回の
会議の結果を反映した WD を作成し,9 月の中間会議
に先立ってコメント要請されることとなった.(決議
6.7.8)
4.2.4 マネージド P2P(決議 6.7.6)
ISO/IEC 20002: マネージド P2P(フレームワーク)
の WD がレビューされ,9 月の中間会議後に本 WD の
改版文書を PDTR 投票にかけることが事前承認され
た.
4.2.5 SC 6/WG 7 のタイトルとスコープの変更
前回のロンドン会議において,SG を組織して検討
することとなっていた SC 6/WG 7 のタイトル及びス
コープの変更については,2 月に SG 会議が実施され
た.その結果をもとに,題名を「ネットワーク層,ト
ランスポート層およびフューチャネットワーク」に変
更することが承認された.また,それに合わせてスコ
ープの見直しも承認された.従来のネットワーク層,
トランスポート層の議論と,フューチャネットワーク
の議論を別 WG に分離するかどうかは,2 年間の活動
後にレビューして決めることとなった.
(決議 6.7.10)
4.2.6 その他
(1)中間会議の承認(決議 6.7.1)
以下の 2 回の WG 7 中間会議の開催が承認された
・ 2011 年 9 月 20 日~23 日(バルセロナ)
「フュー
チャネットワーク」,「マネージド P2P」及び 2
件の NP に関する検討.
・ 2011 年 11 月 24 日~12 月 1 日(ジュネーブ)MMT
(MPEG media Transport)に関する SC 29/WG 11
との合同会議.
(2)新課題(決議 6.7.11)
以下の 2 件の新課題が提案され,9 月の中間会議を経
て NP 投票を実施することが事前承認された.
6N4835: Low Power Wireless Mesh Network Protocol
over Channel-hopped TDMA Links
6N4836: Device Management Architecture and Protocols
4.3 WG 8(Directory)
4.3.1 作業中断
ISO/IEC 9594-10(OSI - The Directory: Use of systems
management for administration of the Directory)は,他
の Part への影響も無く,1997 年以来保守も実装もさ
れておらず,今となっては陳腐化している.2011 年 4
月の ITU-T/SG17 会議にて,この規格に対応する勧告
が ITU-T X.530(ISO/IEC 9594-10 と同じテキスト)と
して承認された.従って,ISO/IEC 9594-10 の作業の
中断が承認された.
(決議 6.8.2)
4.3.2 パスワードポリシ DAM 投票事前承認
ISO/IEC 9594:2008 の全ての部に対するパスワード
ポリシーサポートに関する補遺原稿を PDAM1 投票へ
進めることが承認された.
(決議 6.8.3)
4.3.3 通信サポート改善 PDAM/DAM 投票事前承認
ISO/IEC 9594:2008 の全ての部に対する通信サポー
ト改善に関する補遺原稿を PDAM2 投票へ進めること
が承認された.(決議 6.8.4)
4.3.4 IDM サポート PDAM 投票事前承認
ISO/IEC 9594:2008 の 全 て の 部 に 対 す る IdM
(Identity Driven Manager)サポートに関する補遺原稿
を PDAM3 投票へ進めることが承認された.(決議
6.8.5)
4.4 WG 9(ASN.1)
4.4.1 オブジェクト識別子の枝の割当て
ISO/IEC 9834-3 で要求されている例示のためのオブ
ジェクト識別子の枝として{joint-iso-itu-t(2) example
(999)}を割り当てることとなった.
英語の"Example"は,
“
”
(韓国語),
“示例”
(中国
語 ),“ 例 ”( 日 本 語 ),“
”( ア ラ ビ ア 語 )
“пример”(露語)と表示する.(決議 6.9.7)
4.4.2 回覧文書
下記の文書を回覧することが承認された.
6N14813 Agenda and minutes of the WG 9 meeting, San
Diego, June 20-24 2011 (To be supplied by the Convenor
immediately following the meeting)
6N14814 Report of the WG 9 meeting, San Diego, June
20-24 2011 (To be supplied by the Convenor immediately
following the meeting)
(決議 6.9.8)
4.5 SC 6 全般
4.5.1 WG 1 コンビーナ募集
次回 SC 6 総会(中国 Guangzhou にて開催予定)準
備の為に,2011-08-31 を期限として WG 1 コンビーナ
の募集手続きを行うよう韓国へ要求することとなっ
た.(決議 6.0.1)
4.5.2 今後の会議予定(決議 6.0.10)
2012-02-20/24 Guangzhou, 中国
2012-09-17/21 Graz, オーストリア
4.5.3 向井幹雄氏の貢献について
向井幹雄 WG 1 共同コンビーナの今までの貢献に
感謝すると共に,今回の SC 6 総会の WG 1 会議の議
題等 6N 文書の作成のため,定年のその日まで貢献し
続けてくれたことに感謝し,幸福な定年退職を祈るこ
とが決議された. (決議 6.A.3)
4.5.4 SC 6 委員会の運営を担う方の募集について
議長職,セクレタリ職,WG コンビーナ職,リエゾ
ン職,プロジェクトエディタ職等を担ってくれる方を
募集することとなった.(決議 6.A.4)
5. 今後の日本の対応
(1)ISO/IEC 18092(NFCIP-1,プロジェクトエディ
タ高山佳久)の 4th WD 投票及び CD,DIS,IS までの
プロジェクトマネージメントを遂行する.
(2) ISO/IEC 21481(NFCIP-2,プロジェクトエディ
タ Mr.Onno Elzinga)の DIS 投票,CRM 及び IS まで
のプロジェクトマネージメントに協力していく.
(3) ISO/IEC 22536(NFCIP-1 RF Test Methods, プロ
ジェクトエディタ中村健一)の 1st WD へのコメント
作業及び CD,DIS,IS までのマネージメントを遂行
する.
(4) ISO/IEC 23917(NFCIP-1 Protocol Test Methods,
プロジェクトエディタ Mr.Onno Elzinga)の 1st WD 作
成作業への協力及び CD,DIS,IS までのプロジェク
トマネージメントに協力していく.
(5) JIS X 5211(ISO/IEC 18092:2004 NFCIP-1),JIS
X 5212(ISO/IEC 21481:2005 NFCIP-2)
,JIS X 5213
(ISO/IEC 22536:2005 NFCIP-1 RF Test Methods),JIS
X 5214(ISO/IEC 23917:2005 NFCIP-1 Protocol Test
Methods)の更新作業.
(6)JIS X 6319-4(高速処理 IC カード)と JIS X 5211
との規格調和.
■ SC 7(Software and Systems Engineering/ソフ
トウェア及びシステム技術)総会報告
SC 7 専門委員会
委員長 谷津 行穗(日本 IBM(株))
1. 開催場所: Louveciennes(仏)
2. 開催期間: 2011-05-22/27
3. 参加国数/出席者数: 29 カ国/280 名
◆P メンバ 27 カ国 278 名:豪(16),ベルギー(3)
,
ブラジル(10),加(13),中(19),コロンビア(1)
,
チェコ(1),フィンランド(7),仏(17),印(18),
アイルランド(1),伊(9),コートジボアール(1),
日(38),ルクセンブルグ(5),メキシコ(4),蘭(3)
,
ニュージーランド(5),ペルー(4),ポーランド(2)
,
南ア(5)
,韓(16),スペイン(9),スウェーデン(6)
,
タイ(4)
,英(20),米(41)
◆O メンバ 2 カ国 2 名:香港(1),マレーシア(1)
◆日本からの参加者詳細(38 名):谷津行穗(HoD,
Plenary,AG,WG 6),山本喜一(WG 2,SWG 1,SWG
5,SWG 22,AG),薮田和夫(WG 4,WG 26,WG 10),
塩谷和範(WG 4,WG 19,WG 24),東 基衞(WG 6,
Plenary,AG)
,込山俊博(WG 6),高橋光裕(WG 6,
WG 10,Plenary,AG),江崎和博(WG 6),山田 淳
(WG 6,WG 7),和田典子(WG 6,WG 10),村上
憲稔(WG 7),室中健司(WG 7)
,大島正敬(WG 7),
小山清美(WG 7),木下佳樹(WG 7,Plenary,AG),
高井利憲(WG 7),橋本惠二(WG 7),新谷勝利(WG
10,WG 20,WG 24),岡崎靖子(WG 10,WG 25),
福地 豊(WG 10)
,銀林 純(WG 19),宮崎比呂志(WG
19),鷲崎弘宜(WG 20,ドラフティング委員会),向
山 博(WG 20),相田雄二(WG 21),篠田仁太郎(WG
21),加藤重信(WG 23,WG 27,Plenary,AG),伏
見 諭(WG 24,Plenary,AG),平野芳行(WG 25,
WG 40),小山條二(WG 25),八木 隆(WG 25)
,西
康晴(WG 26,WG 10),岩田真治(WG 26,WG 10)
,
増田 聡(WG 26,WG 10),清水裕子(WG 27),福
住伸一(WG 28),力 利則(WG 40),原田要之助(WG
40)
4. 議事内容
4.1 Advisory Group 会合
22 日(日)10:00~16:30 と 26 日(木)18:00~20:00
に開催され,日本からは谷津行穗,山本喜一(慶應大)
,
高橋光裕(IPA),WG 6 コンビーナとして東基衞(早
稲田大),WG 23 コンビーナとして加藤重信(コンサ
ルタント)
,リエゾンとして伏見諭(JISA),木下佳樹
(産総研)が出席した.22 日の会合では,初日 Opening
plenary の議事予定を確認し,議長が作成した Action
List に基づいて決定すべき事項の洗出しと WG,
Secretariat,ドラフティング委員会などへの割当てを
行った.26 日の会議では,翌日の Closing plenary に提
出する決議案の審議を行い,今回の WG の期間中に
八つのスタディグループを新たに発足すること,及び
二つのスタディグループの延長が決まった.
4.2 総会
23 日(月)9:30~11:30,及び 27 日(金)13:30~16:30
に開催された.27 日の Closing Plenary では各 WG の
コンビーナから今回の会議での審議経過報告が行わ
れ,その後決議案の審議を行った.例年通り事前の
AG において議案審議が尽くされていたため,総会自
体は円滑に推移し,106 件の議決案をほぼ全会一致で
決議した.
なお,決議をまとめるドラフティング委員会のメン
バには,日本意見の反映の正確性を期して鷲崎弘宜
(早稲田大)が参加して,SC 7 決議で謝辞を贈られ
た.
以下に,今回の SC 7 総会での主要な決議を示す.
(1) Project Editors
SC 7 決議で新たに任命された日本からのエディタ
とプロジェクトを次に示す.
・ 高 橋 光 裕 : ISO/IEC 29155-2 (IT project
performance
benchmarking
framework
-Requirements for benchmarking),プロジェクトエ
ディタ(WG 6).
・ 江崎和博(法政大)
:ISO/IEC 25041 (Systems and
software quality requirements and evaluation -Evaluation guide for developers, acquirers and
independent evaluators),プロジェクトエディタ
(WG 6).
・ 福地豊(日立)及び新谷勝利(IPA)
:ISO/IEC 33014
(Process assessment -- Guide for process
improvement),コエディタ(WG 10).
次の 2 名は,昨年以前の SC 7 総会でエディタ予定
者として SC 7 決議で指名され,今回の SC 7 総会まで
に NP が採用されてエディタに就任している.
・ 高 橋 光 裕 : ISO/IEC 14143-6 (Functional size
measurement -- Guide for use),プロジェクトエデ
ィタ(WG 6)
.
・ 原田要之助(情報セキュリティ大学院大学):
ISO/IEC 30120 (IT audit),コエディタ(WG 40).
(2) Liaison
・ 加藤重信:ISO TC 176/SC 2 及び SC 3
・ 木下佳樹(産総研)
:IEC TC 65/SC 65A
・ 伏見諭(JISA)
:JTC 1/SC 27(Special Liaison Group
2 のチェアを兼ねる)
(3) eCommittee の利用
SC 7 の文書配布や管理を ISO eCommittee で積極的
に行うため NB や WG での移行を促進する.
(4) SC 7 用語 DB の利用
SC 7 の用語 DB が www.computer.org/sevocab に完成
したので,プロジェクトエディタはここで定義されて
いる用語を参照すること.
(5) SC 7 成果の広報活動
SC 7 の活動対象は,個別ドメインに偏ることなく
広く共通に適用させていくことが重要である.それを
支えるためにも成果の広報活動に注力が必要である.
SC 7 のウェブサイトばかりでなく Wikipedia などの力
も 活 用 す る . す で に ISO/IEC 20000 (Service
management) や ISO/IEC 9126 (Product quality) が
Wikipedia に掲載されているという流れを活用してい
く.
(6) Work Items
今回の SC 7 総会で SC 7 決議(35 件)又は WG 決
議で Enquiry ステージ以降への進展があったプロジェ
クトは次のとおりである.
・ ISO/IEC/IEEE 15289 (Content of systems and
soft-ware life cycle process information products
(Documentation)). IS 出版に進める(WG 2).
・ ISO/IEC 26511 (Requirements for managers of user
documentation).FDIS 投票に進める(WG 2).
・ ISO/IEC 26515 (Developing user documentation in
an agile environment).FDIS 投票に進める(WG 2).
・ ISO/IEC 26551 (Tools and methods of requirements
engineering and management for product lines).DIS
投票に進める(WG 4).
・ ISO/IEC 26555 (Tools and methods of technical
management for product lines).DIS 投票に進める
(WG 4).
・ ISO/IEC 14143-1 (Functional size measurement -Definition of Concepts).DCOR 投票に進める(WG
6).
・ ISO/IEC 14143-2 (Functional size measurement -Conformity evaluation process).IS 出版に進める
(WG 6).
・ ISO/IEC 25041 (Software product quality
requirements and evaluation -- Evaluation guide for
developers, acquirers and evaluators).DIS 投票に
進める(WG 6).
・ ISO/IEC 29148 (Life cycle processes -Requirements engineering).IS 出版に進める(WG
7).
・ ISO/IEC 15026-3 (Systems and software assurance
-- Integrity levels).DIS 投票に進める(WG 7).
・ ISO/IEC 15504-5/DAM 1 (Process assessment -- An
exemplar process assessment model).FDAM 投票に
進める(WG 10).
・ ISO/IEC 15504-6/DAM 1 (Process Assessment -- An
exemplar system life cycle process assessment
model).FDAM 投票に進める(WG 10).
・ ISO/IEC 33014 (Process Assessment -- Guide for
process improvement).DIS 投票に進める(WG 10).
・ ISO/IEC 29169 (The application of conformity
assessment methodology to process capability and
organizational maturity).DIS 投票に進める(WG
10).
・ ISO/IEC 29155-1 (IT project performance
benchmarking -- Concepts and definitions).IS 出版
に進める(WG 10).
・ ISO/IEC 29154 (Guide for the application of
ISO/IEC 24773 -- Certification of software
engineering professionals) . DTR 投 票 に 進 め る
(WG 20).
・ ISO/IEC 16337 (Systems engineering handbook).
TR 出版に進める(WG 20).
・ ISO/IEC 19770-1 (Software asset management
--Staged adoption of SAM processes).FCD 又は DIS
投票に進める(WG 21).
・ ISO/IEC 19770-5 (Software asset management -Overview and vocabulary).DIS 投票に進める(WG
21).
・ ISO/IEC 29154 (Guidelines for the application of
ISO 9001:2000 to computer software).DTR 投票に
進める(WG 23).
・ ISO/IEC 20000-2 (Service management -- Guidance
on the application of service management systems).
FDIS 投票に進める(WG 25).
また,日本で出版されている書籍「IT 化の原理原
則 17 ヶ条」を ISO/IEC 15026-4 (Assurance in the life
cycle)の考え方のベースに活用したいとコエディタ木
下佳樹からの要望を契機として,知財課題を解決の上
で,上述の書籍を英訳して TR 制定の NP として日本
NB から提案するよう勧めるとの SC 7 決議が採択さ
れた.
(7) New Work Items
次の新規 20 件及び改訂案件 3 件を NP 投票に付す.
・ Content management for systems and software
lifecycle and service management documentation.
(WG 2)
・ Tools and methods on software testing.(WG 4).薮
田和夫(富士通)がコエディタ就任予定.
・ Systems and software quality requirements and
evaluation -- Measurement of quality in use (revision
of ISO/IEC 9126-4).
(規格番号は 25022 を予定).
(WG 6).坂本健一(NTT データ)
,和田典子(ソ
ニー)がコエディタ就任予定.
・ Systems and software quality requirements and
evaluation -- Measurement of system and software
product quality. (revision of ISO/IEC 9126-2 and
9126-3).(規格番号は 25023 を予定)
.(WG 6).
谷津行穗,山田 淳(東芝)がコエディタ就任予
定.
・ Systems and software quality requirements and
evaluation -- Measurement of data quality.(規格番
号は 25024 を予定)
.(WG 6).江崎和博がコエデ
ィタ就任予定.
・ Technical report on software development planning.
(規格番号は 24748-5 を予定)
.(WG 7).
・ Technical report on systems integration.(規格番号
は 24748-6 を予定)
.(WG 7).
・ Requirements for certification schemes definition for
information systems engineering professionals.
(WG
20).
・ Requirements for describing knowledge areas and
skills for a given certification scheme.
(WG 20).鷲
崎弘宜がコエディタ就任予定.
・ Specific
requirements
for
certification
of
professionals in systems engineering.
(WG 20).鷲
崎弘宜がコエディタ就任予定.
・ Specific
requirements
for
certification
of
professionals in software engineering.(WG 20).
・ Software asset management -- Tag management.
(WG 21).
・ Technical report on software asset management -Guidelines for mapping of industry SAM practices
with the 19770 family of standards.(規格番号は
19770-8 を予定)
.(WG 21).
・ System engineering lifecycle profiles for Very Small
Entities (VSEs).(WG 24).
・ Re-alignment and conversion of ISO/IEC TR
20000-3, Service management -- Guidance on scope
definition and applicability of ISO/IEC 20000-1 to
ISO/IEC 20000-1.(WG 25).
・ Re-alignment of ISO/IEC TR 20000-5, Service
management -- An exemplar implementation plan for
ISO/IEC 20000-1 to the 2011 edition of ISO/IEC
20000-1, and publication as a Technical Report,
second edition.(WG 25).
・ ISO/IEC 20000-7, Service management -- Guidance
on the application of ISO/IEC 20000-1 to the cloud.
(WG 25).
・ Information technology governance -- The
governance of digital forensic risk framework.
(WG
40).
・ Technical report on needs for additional standards
or guidance in the area of governance of cloud
computing.(WG 40).
・ Standard on Architecture evaluation.(WG 42).
既存規格の改訂は,次の 3 件である.
・ ISO/IEC 15940 (Software engineering environment
services).(WG 4).塩谷和範がエディタ就任予
定.
・ ISO/IEC 25000 (Systems and software quality
requirements and evaluation -- Guide to SQuaRE).
(WG 6).込山俊博(NEC)がコエディタ就任予
定.
・ ISO/IEC 25051 (Systems and software quality
requirements and evaluation -- Requirements for
quality of Commercial Off-The-Shelf (COTS)
software product and instructions for testing).(WG
6).込山俊博がコエディタ就任予定.
(8) Study Group
SC 7 レベルで,次の 10 件のスタディグループを新
設又は継続する(この他に WG レベルで設置されて
いるスタディグループが 10~20 件ある).
・ ISO/IEC 20000 に基づく VSE 向けのガイドとプ
ロファイル作成の実現性.平野芳之が参加.
・ 組込みシステム分野での新たな規格の可能性調
査.山本喜一がチェアを務め,黒川利明(CSK)
が参加.
・ 特定領域向けの VSE 個別プロファイル作成の実
現性.伏見 諭(JISA)がチェアを務める.
・ サービス指向システム工学(SOSE)の枠組み.
鈴木俊之(日本オラクル)が参加.
・ 形式的行動モデルを用いた IT サービスの信用性
(Trustworthiness)の評価と認証.谷津行穗が参
加.
・ ソフトウェア工学の認証スキーム.鷲崎弘宜が
コチェアを務める.
・ IT サービスの品質.東 基衞が参加.
・ TR12182(ソフトウェアの分類)の改訂.東 基
衞がチェアを務め,谷津行穗,高橋 光裕,竹田
滋(日立)が参加.
・ ビジネス領域での顧客 IT のガバナンス.原田要
之助(情報セキュリティ大学院大)が参加.
・ ビジネス情報管理分野での既存フレームワーク
の洗い出し.内藤裕史(日本 IBM)が参加.
(9) Ad Hoc Group
Ad Hoc Group IT Service management mapping が
2010 年の SC 7 新潟会議で 1 年間延長され,今回
7N5020 として Ad Hoc Group からの成果が NP 投票に
回付されている.WG 25 が今後の作業を引き継ぐこ
とになった.
(10) Management
・ WG 22 は ISO/IEC 24765 (Systems and software
engineering -- Vocabulary) が 2010 年に出版され,
作業が終了したので解散し,DB を維持管理する
ための SWG 22 (Systems and Software Engineering
Vocabulary Validation) を 設 立 し , Vocabulary
Validation Team (VVT)が新潟会議後に組織され
た.今回のパリ会議で初の VVT 結果の確認がな
され,山本喜一が参加した.
・ SWG 1 (Business Planning)のメンバの再任で山本
喜一が参加する.
・ SWG 5 (Architecture Management)のメンバの再任
で山本喜一が参加する.
5. 今後の開催予定
2012-05-20/25 済州島(韓)
2013-05
ケベック・シティ(加)
2014-05
シドニー(豪):確認中
2015-05
ブラジリア(ブラジル):確認中
6. その他
(1) 前回の新潟会議は 29 カ国 232 名の参加者であっ
たが,今回は O メンバ国 2 カ国を含めて 29 カ国 280
名の参加者となり,SC 7 の 24 回の総会で最多の参加
者を記録した.国内からの参加者は 38 名で,国内開
催を除けばこれも過去最多を記録した.会場の
Campus BNP Paribas はフランスの金融グループ企業
の研修施設も兼ねているすばらしい立地で,無線
LAN,全体・WG ごとのファイル・サーバの設備も満
足のいく準備であった.また各 WG に十分な会議室
も割り当てられ,適切なプロジェクタの配置もあった
ので紙などの使用はなく効率的な省資源の会議がで
きた.
(2) 今回は,Opening Plenary において前 HoD の山本喜
一から HoD 及び幹事の交代を報告し,新 HoD の谷津
行穗及び新幹事の高橋光裕を紹介した.その後,3 月
の日本で発生した大きな災害に対して世界各国から
日本に寄せられた心配や激励の言葉・気持ち・物資・
人的貢献などについて,日本からの SC 7 参加者を代
表して谷津行穗が HoD として Opening Plenary で感謝
の気持ちを表すプレゼンテーションを行った.日本の
SC 7 関係者全員の無事とタイムリな感謝の気持ちと
して参加者から好意的に受け止めてもらえた.
(3) 最近のインド・中国の勢いを表すように,中国
から IT サービスに関連する 2 件のスタディグループ
設立提案があった.日本でも昨年から WG 6 を中心に
してサービス品質を今後の重要な課題ととらえてお
り,それら相互の関連に矛盾や競合することなく協調
して進めるようにスタディグループ提案が認められ
た.
(4) 日本の参加メンバの専門性を WG 横断的に活かす
ことは重要なことである.今回の会議では WG 26 の
日本からのテスト専門家が WG 10 のアセスメント文
書作成作業に関与して貢献していく,というスキーム
がコンビーナの理解により実現した.今後も機会があ
ればこのような協業を積極的に推し進めていくこと
が必要である.
■ SC 28(Office Equipment/事務機器)総会報告
SC 28 国内委員会(JBMIA)
委員長 小澁 弘明(コンサルタント・NPO エコデザ
イン推進機構代表理事)
1. 開催場所:浙江省杭州(中)
2. 開催期間: 2011-06-29/07-01
3. 参加国数/出席者数:6 ヵ国/32 名
議長(斎藤輝,コンサルタント),セクレタリ(杉
山元邦,富士ゼロックス)
,ケニア(1)
,中(10),日
(10:小澁弘明[HoD,コンサルタント],大久保彰
徳[JBMIA]
,伊藤丘[KMBT],稲垣俊彦[JBMIA],
仲谷文雄[富士ゼロックス],宮下隆明[リコー]
,臼
井信昭[PFU],村井和夫[JBMIA],小林武史[キヤ
ノン]
,山岸成多[パナソニック])
,韓(2)
,露(1)
,
米(6)
4. 議事内容
4.1 概要
ISO/IEC JTC1/SC28(Office Equipment)第 22 回総会
が,中国の招待により浙江省杭州市浙江大学(Zhejiang
University)にて開催された.6 カ国 32 名のメンバ参
加の会議であった.
[特記事項]
今回の総会では,争点となる大きな問題も無く,お
おむね順調に議事が進行した.
本総会においても,一昨年国際幹事就任の富士ゼロ
ックス杉山氏と,同じく一昨年再任の斎藤国際議長と
の連携も良く総会はスムーズに運営された
(Acclamation 5&6/2011).
SC 28 Ambassador は,毎年総会において制度継続の
確認が行われることになっており,今回も継続が承認
され引き続きリコー宮下委員が任命された
(Resolution 36/2011).
4.2 AWG (戦略策定) コンビーナ C.-H. Kim (韓国)
SC 28 Workscope 改定の検討がなされたが,今秋 11
月までに各国の原案検討結果を提出することとなっ
た(Resolution 01/2011).
SC 28 にかかわる Terminology の検討を行っている
が,その coordinator に引き続きリコー宮下委員が指名
され,現在案の各国検討を 11 月までに行うこととな
った(Resolution 02&37/2011).
日本の臼井委員が Convener を務める AWG/PW6 の
活動については,次年度総会まで活動を継続すること
となった(Resolution 04/2011).
4.3 WG 2/29142(カートリッジ)(コンビーナ P.
Jeran,米)
5parts 構成で検討を進めているが,全体概要を規定
する Part 1 について,本総会での討議を反映した CD
を今秋の Editors’ meeting 後登録することになった.他
の Parts は,Part 1 の CD 登録を待って登録を進める
(Resolution 10/2011).
4.4 WG 3(生産性測定)
(コンビーナ D. Lewis,米)
ISO/IEC 21117(複写機仕様書様式)はコニカミノ
ルタの伊藤丘委員が Project Editor を務めている.CD
投票結果のコメント討議を反映した DIS 投票案作成
を進めることとなった(Resolution 17).
ISO/IEC 11160-2(プリンタ仕様書様式)は全面改定
を行うこととなり,伊藤丘委員が Editor を務めること
となった.
ISO/IEC 24735(複写生産性測定方法)も,伊藤丘
委員が Project Editor を務めている.CD 投票結果のコ
メント討議を反映した DIS 投票案作成を進めること
となった(Resolution 16/2011).
新規規格候補としての Scanner Productivity は,
TC171 からの Joint WG 提案について各国持帰りで検
討.今秋予定の e-meeting で再検討することとなった.
米国提案の First Print Out Time 規格は,NP 提案を行
うこととなった(Resolution 18/2011).
日本から提案の ISO/IEC 21118(Data Projector)は,
CD 投票の討議結果を反映させて DIS に登録すること
となった(Resolution 08&09/2011).
4.5 WG 4(画質測定)(コンビーナ E. Zeise,代行
D.Lewis,米)
ISO/IEC24790(画質属性測定方法)及び 29112(白
黒レーザープリンタの解像力測定法及びテストチャ
ート)は,昨年度共に Technical Specification (TS)とし
て 規 格 化 す る こ と が 決 定 さ れ た ( Resolution
Rochester19&20/2010 Change ISO/IEC 24790&29112 to
Technical Specification).
稲垣委員[JBMIA]が Editor を務める ISO/IEC DTS
24790 は,今秋 10 月に DTS 投票を目指すこととなっ
た.
DTS 29112 は,今秋 9 月 11 日〆で現在投票中であ
り,TS 登録を目指している.
4.6 WG 5(オフィスカラー)
ISO/IEC TR29186 (Test Method of Colour Gamut
Mapping Algorithm for Office Colour Equipment)は,今秋
9 月末までに DTR 登録することとなった(Resolution
20/2011).
日 本 提 案 の Colour Terminology for Office Color
Equipment は,今秋 9 月末までに NP 投票登録を行う
こととなった(Resolution 21/2011).
US から NB 提案の“Office Scan, Copy, Display, and
Print Interoperability Information”は,US からの NWI
提案次第 NP 投票に登録することとなった(Resolution
22/2011).
4.7 LIASON OFFICERS
日本委員会とかかわりのある新規案件は次の 1 件
で,他は昨年度から引き続きリエゾンとしての継続が
承認された.
SCIT への SC 28 代表である富士ゼロックス仲谷委
員を,JTC 1 の SCIT 代表とすることを次回 JTC 1 総
会 に 提 案 す る こ と と な っ た ( Resolution 35/2011 )
(Resolution Rochester 33/2010 SC 28 representative to
SCIT)
5. 今後の開催予定
2012-06 ロンドン(英)
2013
ウイーン(オーストリア)
6. その他
今回の会議場のある杭州市は,緑の濃い大変美しい
都市で,丁度総会の前週に市の中心である西湖が世界
遺産に登録されたため,街は大変な賑わいであった.
同じ時期に日本の小笠原諸島と平泉も登録されたの
で,我々の感慨もひとしおであった.
ここのところ SC 28 総会は,一昨年釜山総会時のイ
ンフルエンザ騒ぎ,昨年ロチェスター総会での飛行便
大混乱と騒ぎ続きであったが,幸い震災の飛行便への
影響もミニマムで大きな問題も無く,無事に行われた
のは幸いであった.
来年英国での無事開催を願っている.
■ SC 31 ( Automatic Identification and Data
Capture Techniques/自動認識およびデータ取得技
術)総会報告
SC 31 専門委員会
委員長 河合 和哉(パナソニックモバイルコミュニ
ケーションズ(株))
1. 開催日時: 2011-05-27
2. 開催場所: ウィーン(オーストリア)
3. 参加国数/出席者数: 17 カ国+リエゾン/45 名
議長(Chuck Biss,米),セクレタリ(Ray Delnicki,
米,他 1)
,日(3:柴田彰[HoD,デンソーウェーブ]
,
吉岡稔弘[WG 2 コンビーナ,AI 総研]
,河合和哉)
,
米(5),豪(4),中(4),露(3),英(3),シンガポ
ール(2),蘭(2),仏(2),ベルギー(1),加(1),
独(1),韓(1)
,スウェーデン(1),アイルランド(1)
,
スロバキア(1),ブラジル(1)
,GS1(4)
,TC122(1)
,
JTC 1 議長(1)
4. 概要:
前日の 5 月 26 日に HoD 会議が非公開で行われ,課
題の整理が出来ていたので,比較的効率よく会議が進
行した.HoD 会議(審議内容は非公開で,結果は総
会決議文に反映されているため詳細は省略)では主に
昨年の北京総会で課題となっていた Working Group と
Sub Group の会議の効率開催,SC 31 の組織改変と,
コンビーナの任期などについて Ad hoc 会議での審議
結果が報告された.また WG 2 から提起された ITU-T
SG16 の H.ID Scheme (Identifier scheme for multimedia
information access triggered by tag-based identification)
との Business Scope の競合問題も審議され,SC 31 傘
下に Ad hoc を設立して 2011 年 7 月末までに SC 31 に
報告することが決議された.議長報告,各 WG の報
告,各国の活動状況報告,ビジネスプラン,リエゾン
報告が行われ,Resolution をまとめて終了した.
(1) 議長及び事務局の報告から
・ 今回は JTC 1(本部:米国カルフォルニア)の議
長である Karen Higginbottom 氏が出席されて,
JTC 1 の最近の動向について紹介が行われた.ま
た前日の NB 代表と WG のコンビーナが出席し
て開催された HoD 会議の要点が議長の Chuck
Biss 氏から報告された.
・ HoD 会議では WG と SG が増えた結果,作業や
役割が重複し,非効率な面が出て来たので SC 31
として全体を見直し編成も含め改善策を Ad hoc
会議で検討し,その結果が報告された.今後 SC
31 の Standing Document として取りまとめられる.
(2) WG 活動報告,各国報告から
・ SC 31 のセクレタリが交代になる.
(後任:Frank
Sharkey 氏)
・ NB 報告で,日本から東北大震災への各国の支援
に対する謝意と,国内委員長交替の紹介を行っ
た.
(3) 2013 年の SC 31 総会予定
2013 年のアジア,パシフィック地域の総会はシン
ガポール,韓国と日本で話し合った結果,韓国が持ち
帰って検討することになった.
5. 詳細
5.1 開会
① ホスト国挨拶: Kerstin Zimmermann 氏(Austrian
Standards Institute)
② Roll Call,Drafting committee の選定
③ Agenda の確認
5.2 事務局からの報告
前日の HoD 会議及び各種懸案事項について事務局
Ray Delnicki 氏から説明
5.3 議長からの報告
JTC 1 の Karen Higginbottom 氏の JTC 1 の活動の紹
介と,JTC 1 総会の報告が議長 Chuck Biss 氏から簡単
に行われた(詳細は省略)
.
5.4 各 WG からの報告
(1) WG 1(コンビーナ: Sprague Ackley)
・ 前回報告以降,2 回の会議を開催(東京,ストッ
クホルム).次回は 10 月に米国シアトルで WG 6
と合同開催の予定.来年 4 月にはアジアで WG 6
との合同開催を予定している.
2012 年の秋は欧州で開催の予定.
・ WG 1 が所掌する 28 件のプロジェクトのうち,
審議中のドキュメントは 5 件であり,それ以外
はすべて発行済みである.
・ 日本提案で WG 6 との共同開発になっている
16480 のタイトルが,”Optically Readable Media
(ORM) print quality for mobile devices and ORM
display quality on mobile devices”で合意され,
WD の作成中である.
・ SC 17 との調整の結果,SC 31 が担当することに
(2)
・
・
・
・
・
(3)
・
・
・
・
なった,OCR-B のクオリティテストに関する NP
投票が 5/9 にクローズした.
WG 2(コンビーナ: 吉岡稔弘)
前回報告以降,1 回の電話会議による WG 2 会議,
及び今回の総会に合わせて 24 日に,F2F 会議を
開催した.
現在の審議プロジェクトは 3 件.
(ISO/IEC 15459
Unique identifiers シリーズ及び ISO/IEC 15434
Transfer Syntax for High Capacity ADC Media の改
定 と ISO/IEC 29162 Guidelines for using data
structures in AIDC media)
15459 シリーズ及び 29162 は BRM ですべてのコ
メントを解決し,それぞれ FDIS 投票及び DTR
に進めることになった.
15434 は,システマティックレビューを終了して
発行された.
ITU-T SG 17 からの ISO/IEC 15459 の適用につい
て , Ad hoc を 設 立 し て コ メ ン ト を ITU-T
X500/LDAP (Lightweight Directory Access
Protocol)) に対して提出した.引き続き X.500 の
改訂版にもコメントを提供する.
ITU-T SG 16 と WG 6 のコラボレーションチーム
で開発している ISO/IEC 29174-1 Idetifier scheme
for multimedia information access triggered by
tag-based identification に関して,H.ID Scheme の
Scope が広すぎて,SC 31/WG 2 の Business Scope
と競合する問題がある.WG 2 として ITU-T SG
16 に対してこの問題を解決するために,SC 31
のセクレタリが申入れをするように要請する.
WG 2 として SC 31 に対して吉岡氏を引き続いて
コンビーナとして推薦する.
WG 4(コンビーナ: Henri Barthel)
現在,4 個のサブグループと 1 個の規制課題への
報告担当で構成されている.
前回報告以降,1回の電話会議による WG 4 会
議を開催.サブグループ会議は多数実施.
SG 1 は , ISO/IEC 15961 Radio Frequency
Identification (RFID) for item management: Data
Protocol シ リ ー ズ の 作 業 が 進 行 中 . ISO/IEC
15961-1 Application interface と ISO/IEC 15962-2
Registration of RFID data constructs について,
Data Constructs Steering Committee が AFI
(Application Family Identifier) を割り当てる為に
設立された.AFI の登録機関として NL(オラン
ダの標準機関)が ISO との再契約を辞退したの
で,代わりに米国の AIM (Automatic Identification
Manufacturers, Inc.) が受け入れを表明した.
SG 3 は ISO/IEC 18000 Radio frequency
identification for item management シリーズの進捗
は,Part1~Part4 は IS 発行済み.Part6(UHF 帯)
は WG 7 のセキュリティ機能(WI29167)を取り
込んで改訂する.この NWIP の ballot は 2011 年
6 月 23 日まで.
またバッテリアシストタグとセンサー機能に対
応 す る た め の 改 訂 を 進 め て い る . ISO/IEC
18000-6
Parameters
for
air
interface
communications at 860 MHz to 960 MHz General シ
リーズの分割 1800-61 Type A,-62 Type B,-63 Type
C,-64 Type D についての ballot は 2011 年 6 月 21
日まで.
・ SG 5 では,日本提案の PDTR 20017 EMI impact of
ISO/IEC 18000 series interrogator emitters on
implantable medical devices の Ballot は可決し
BRM 会 議 で 米 国 か ら FDA (Food and Drug
Administration ?) とピッツバーグ大学の Report
を追加する修正要求があり,Ad hoc グループを
設立して,審議を進めている.2ndPDTR 投票を
実施し,この PDTR 投票が可決したので,2011
年 2 月 7 日に CRM を F2F で東京において開催し
た.現在 DTR 投票中である(2011 年 7 月 23 日
まで)
.
・ SG 6 は , ISO/IEC 18046 (Radio frequency
identification device performance test methods)-n と
ISO/IEC 18047 (Radio frequency identification
device conformance test methods)-n について規格
化を進めている.
(4) WG 5(コンビーナ: Marsha Harmon 欠席 ⇒Craig
Harmon が代理報告)
・ WG 5 参加は現在 11 カ国,5 リエゾン.
・ 前回報告以降,2 回の会議を開催(フェアファク
ス:米国,ウィーン:オーストリア)
・ 次回予定は,10 月に,カリフォルニア(米)
.
・ ISO/IEC 24769-5 (Rea Time Locating System
(RTLS) - RTLS device conformance test methods
– Part 5: Test methods for Chirp spread spectrum
(CSS) air interface communication at 2,4 GHz)の 12
ヶ月のプロジェクト延長を要請.
・ ISO/IEC 24730-1 Real time locating systems (RTLS)
- Part 1: Application program interface (API) のプ
ロ ジ ェ ク ト エ デ ィ タ 及 び ETSI ERM
(ElectroMagnetic Compatibility and Radio Spectrum
Matters) 技術委員会からのリエゾンの承認を要
請.
(5) WG 6(コンビーナ: Craig Harmon)
・ 前回報告以降,1 回の会議を開催(ストックホル
ム:スウェーデン)
.
・ Mobile AIDC (Automatic Identification and Data
Capture) に関する 9 件のプロジェクトが進行中.
・ IEEE との PSDO による規格化では,Fast Truck
で 5 件.共同開発 1 件.
・ ISO/IEC 21451-7 Smart Transducer Interface for
Sensors and Actuators - Transducers to Radio
Frequency
Identification
(RFID)
Systems
Communication
Protocols
and
Transducer
Electronic Data Sheet Formats に対する FCD 投票
に関して,ネガティブな意見がなかったため,IS
の発行を要請する.また,従来のエディタが参
加できなくなったため,エディタを交代する.
・ ISO/IEC 29174 及び ISO/IEC 29177 Mobile item
identification and management -- Object Directory
Service for Mobile AIDC services に関して,SC 31
と ITU-T SG16 とのコラボレーションチームによ
る共同作業に対する承認を要請する.
(6) WG 7(コンビーナ: Dan Kimbal)
・ 前回報告以降,3 回の会議を開催.
・ ISO/IEC 29167-1 Automatic identification and data
capture techniques -- Part 1: Air Interface for
security services and file management for RFID
architecture は,CD が承認され,FCD 投票に進
める.
・ ISO/IEC 29167-6(Automatic identification and data
capture techniques -- Part 6: Air Interface for
security services and file management for RFID at
860-900 MHz)ついては,内容を WG 4/SG 3 で開
発中の 18000-63 に移管し,プロジェクトとして
は取り下げることの承認を要請する.
・ 同様に ISO/IEC 29167-3 についても,ISO/IEC
18000-3 Radio frequency identification for item
management -- Part 3: Parameters for air interface
communications at 13,56 MHz に移管し,プロジェ
クト取下げの承認を要請.
・ 次回会議は,8 月にロンドンで開催予定.
(7) Vocabulary(ラポータ:Craig Harmon)
ラポータの Craig Harmon 氏から活動報告がなされ
た.
5.5 ビジネスプラン
・ 特に意見もなく,ビジネスプラン作成に携わっ
たメンバに謝辞を送り,承認.
・ 次年度のビジネスプラン作成者の選出も行われ
た.
5.6 各国からの報告および寄書
・ 提出済みの NB 報告について各国から簡単な説
明が行われた.
5.7 リエゾン報告
各リエゾンの代表から要点のみ報告された.会議に
出席していないところも多く,また,ドキュメントが
出ているのでそれを参照というだけで終わるリエゾ
ンもあった.
5.8 Resolution の採択
1.5 時間ほどかけて作成された Resolution(案)を一
部修正し,採択.
日本に関連する決議は;
① WG 2 コンビーナとして吉岡氏を指名する.
②
Title Change :
ISO/IEC 29174 Automatic
identification and data capture technique -- Part 1:
Idetifier scheme for multimedia information access
triggered by tag-based identification ,
Part 2:
Registration procedures , ISO/IEC16480 Optically
Readable Media (ORM) print quality for mobile devices
and ORM display quality on mobile devices 他
③ Scope Change ISO/IEC16480
④ Scope of SC 31 29174-1 について SC 31/WG 2 の
Resolution 4 を承認する.即ち ITU-T H.ID scheme の
Scope が SC 31 の Business Scope と競合する問題を解
決するために,SC 31 のセクレタリは SC 16 とコンタ
クトをとる.
⑤ 29174-1 の Scope Ad hoc の設立
ITU-T H.ID Scheme と SC 31 の ISO/IEC 29174-1 の
Scope の競合問題を解決する為に Ad hoc を設立して
検討する.Ad hoc の Chair はスウェーデンの Mikael 氏,
メンバは Kwon(韓),Dan(米),Craig(米),Olivier
(仏)
,河合,吉岡の各位で 2011 年 7 月 31 日までに
結果を SC 31 に報告する.
⑥ HoD 会議と SC 31 総会の審議から,2011 年 5 月 23
日付け,YRP 石川氏への SC 31 Chair の電子メールタ
イトル『Resolution of ITU-T SG16 RA Concerns』を取
下げる.
⑦ ITU-TSG 16 と SC 31/WG 6 の Collaboration
Agreement を承認する.
なお,決議文の詳細は SC 31 の正式文書が発行され
てから関係部門に提出する.
6. 今後の会議開催予定
2012-06-07/08 ピッツバーグ(米)
2013 アジア・パシフィック地域
■ SC 32(Data Management and Interchange/デー
タ管理及び交換)総会報告
SC 32 専門委員会
委員長 鈴木 健司(東京国際大学)
1. 開催場所:コナ,ハワイ島(米)
2. 開催日時:2011-05-16/20
3. 参加国数/出席者数:7 か国/38 名
議長代行(Jim Melton,米),セクレタリ(Timothy
Schoechle,米),加(2),中(10),独(1),韓(8)
,
英(2),米(7),日(6: 土田正士[HOD,日立],遠
城秀和[NTT データ],堀内一[東京国際大],鈴木
俊宏[日本オラクル],芝野耕司[東京外国語大,WG
4 コンビーナ],小寺孝[日立]
)
4. 主な結果
SC 32 総会には,日本として 4 つのアクション項目
で臨んだ.下記で Res.#nn は,SC 32 議決事項(SC32
N2117)の議決項目を指す.
(1) ISO/IEC 19763(MFI)Part 6(WG 2 関連)の扱
いについて(Res.#5)
国内委員会で MFI 及び MDR の双方ともに必要とさ
れるものであり,MFI-6 としてではなく第 3 版改訂予
定の MDR-6 に反映するべきと認識され,アクション
項目として「MFI-6 は取り下げる代わりに,MDR-6
の Co-editor として Registry Summary 部分に反映する
こと」が決められていた.
しかし,このアクション項目に対して,MDR-6 と
MFI-6 は統合されるべきとの議論はなされたが,日本
からの MFI-6 の CD 候補文書改訂版(~7/15)で改め
て MDR-6 及び MFI-6 の統合は判断されることとなり,
MFI-6 は取り下げられていない.日本としてはアクシ
ョン項目を堅持しつつ,MDR-6 の Co-editor である安
達氏(NEC)が統合化作業に当たることを確認した.ま
た,この統合化作業に伴い MFI-1(Reference Model)の
改訂(Ed.2)も必要とされ,堀内幹事が開発に当たるこ
ととなった.
(2) ISO/IEC 13249:Part 7 History(WG 4 関連)の
扱いについて(Res.#11)
前回の FCD2 編集会議ですべての技術的コメント
を解決した結果を踏まえ,FDIS 投票の合意を取り付
けることをアクション項目としていた.一方で,SC 32
セクレタリによる一方的な解釈により,FCD3 投票決
議とそのキャンセルが行われた結果,SC 32 総会で①
FDIS 段階,②DTR 段階,③再 CD 段階,④PJ キャン
セルのいずれかの判断を迫られることとなっており,
この状況を打開する必要があった.
SC 32 総会の開催時点で本件の取り扱いを議論し,
その場で FCD ポジションの再確認をすることとなっ
たが,WG 4 に持ち帰り議論した結果,規格に準じる
TS にすることで合意し,閉会時点での総会で Part 7
History は DTS 段階になった.
(3) 総会招致について(Res.#24)
2012 年度以降(2012 年度に他国で招致提案があれ
ば 2013 年度)に SC 32 総会を日本に招致することを
表明した.
総会で 2012 年度はドイツが総会招致を表明したた
め,日本は 2013 年度に招致することで合意された.
今後は,都市,時期など詳細を検討する.また,日本
の震災に対する悔やみが決議(Res.#A1)されている.
(4) CIB への移行について(Res.#32)
SC 32 では Committee Internal Balloting (CIB) への移
行が依然としてなされておらず,今回の総会でも英国
の On-time 投票結果
(SQL/MM Part8 MRA の CD 投票)
が SC 32 セクレタリによって無視されるなど,CIB に
移行していれば未然に防げる問題が散見されている.
日本から寄書を提案し,総会でも発議することで,
7 月から移行することが決議された.
(5) その他
Study period が 1 件(Res.#9:Metamodel for forms
registration),新たに SC 22/WG 23 リエゾンが 1 件
( Res.#14 : Programming Language Vulnerabilities in
SQL)開始されることになった.
ま た , SC 22/WG 11 で 開 発 さ れ た ” ISO/IEC
11404:General Purpose Data Types”の保守を WG 2 で引
き受ける議決に対して,手続きに問題がある可能性が
あり日本は棄権した.
さらに,Directives の運営に関して,テンプレート
形式(Res.#26),DIS 期間(Res.#30),及び対応する
SD 文書整備(Res.#31)について審議された.
最後に,新議長 Jim Melton 氏が承認(Res.#29)さ
れている.日本としては,現状での SC 32 全体運営の
問題(FCD 投票結果(WG 1 案件:FCD15944-10)へ
の SC 32 セクレタリの独断解釈問題など)を解消でき
るようにこれまで以上に,新議長に提言,支援して行
きたく考えている.
今後の SC 32 運営に関して,次のように SC 32 の正
常な運営に大きな問題が生じており下記の懸念事項
が認識されている.
・ アクティブな参加国は,日本・中国・韓国・米
国の 4 カ国と,それにカナダ・英国・ドイツで
あり,参加国が減少していることに加えて,経
験がある参加者の減少及び高齢化で,議論が活
発でないこと
・ WG 1 及び WG 2 のプロジェクト分割が無秩序に
なされていることと,逆に WG 3 及び WG 4 が成
熟分野であるために新規プロジェクト分割が行
われ難い状況にあること
・ 主にセクレタリによる Directives に沿っていない
バイアスされた運営及び議事の強行に際し,各
国からも意見が出ないこと
5. 各 WG の特記事項
(1) WG 1(Open-edi)関連
WG 1 は,対応する国内組織が廃止されている.SC
32 専門委員会で対応しているが,投票コメントの解
決及び情報収集のためエキスパートを派遣した.
① FCD 15944-10 (Business operational view -- Part 10:
Coded domains) の FCD 投票結果は,賛成 1(中),
コメント付賛成 1,コメント付反対 3(日,加,米)
,
棄権 2 であった.編集会議の結果,ほとんどのコ
メントは解消されたので,カナダは賛成に変更し
たが,日本からのコメントへの修正案が提示され
なかったために,日本は反対のままとした.これ
に対して,SC 32 セクレタリが一方的な解釈により,
米国からの投票は数えない判断を行い,賛成 3,
反対 1,棄権 2 となり FDIS に進むことを決めた.
しかし,SC 32 総会で米国等から異論が出された.
米国の反対で賛成 3 が 66%を超えず,また反対 2
が全体投票の 25%を超えるので不成立となり,結
論が変わった.SC 32 議長の裁定により,投票の判
定方法についてセクレタリが再度確認した結果,
判定を確定させ,FDIS 化は承認されなかった.
② CD 15944-3 (Business operational view -- Part 3:
Open-edi description techniques(OeDT)) は , UMM
(UN/CEFACT Modeling Methodology)を基に形式的
記述手法を標準化する予定であったが,UMM が
基本部分しか完成されておらず正式に取り下げし
た . 一 方 , UMM の 基 本 部 分 を 基 に し た WD
15944-11 (Business operational view -- Part 11:
Descriptive Techniques for Foundation Modeling in
Open-edi)の開発が決定された.
③ CD 投票 7 件,
プロジェクト分割 6 件が承認された.
(2) WG 2(Metadata)関連
① 日本が推進する ROR (Registry Of Registries) につ
い て は , MFI (Metamodel Framework for
Interoperability) Part 6(ISO/IEC19763 Part-6)とし
てではなく,MFI-6 は取り下げる代わりに第 3 版
改訂予定の MDR Part 6(ISO/IEC 11179-6 Metadata
Registries (MDR) -- Part 6: Registration Ed 3)に反映
することで MDR-6 と MFI-6 は統合されるべきと主
張した.しかし,日本からの MFI-6 の CD 候補文
書改訂版(~7/15)で改めて MDR-6 及び MFI-6 の
統合は判断されることとなり,MFI-6 は取り下げ
られていない.日本としてはアクション項目を堅
持しつつ,MDR-6 の Co-editor である安達氏(NEC)
が統合化作業に当たることを確認した.
② MDR-6 と MFI-6 の統合化作業に伴い MFI Part 1
(ISO/IEC 19763-1 MFI Reference Model)の第 2 版
改訂も必要とされ,堀内幹事が開発に当たること
とした.
③ Common Logic(ISO/IEC 24707)の第 2 版改訂に向
けた開発要否を議論し,米国,カナダ他から賛同
がないことが確認された.
④ CD 投票 16 件,FDIS 投票 6 件,プロジェクト分割
6 件,Study Period 1 件が承認された.ただし,CD
投票の重複を含めると 28 件である.
(3) WG 3(Database Languages)関連
① データベース言語 SQL の次期 SQL-2011 である
Part 1 (SQL/Framework),Part 2 (SQL/Foundation),
Part 4 (SQL/PSM(Persistent Stored Modules)),Part 11
(SQL/Schemata),Part 14 (SQL/XML)は,すべての
FCD 投票コメントについて解消され,FDIS 化を決
定した.また,次々期 SQL-2016 には,米国から
SQL/RPR(Row Pattern Recognition)として行間の
値の関連性からパターンを検知するための問合せ
機能が示され,今後議論を開始する予定である.
② FDIS 投票 5 件が承認された.
(4) WG 4(SQL Multimedia & Application Packages)
関連
① 日本提案の Part 7: History に関しては,FCD2 投票
では中国,チェコ及び韓国が賛成,日本が条件付
き賛成,カナダ,英国及び米国が反対,フィンラ
ンド及びドイツが棄権であり,編集会議の結果,
賛成 4,反対 3,棄権 2 で反対のうち一カ国でも賛
成となれば,5,2,2 となり,賛成は 2/3 以上で反
対は全投票の 1/4 以下となることが期待された.
しかし,SC 32 総会では,昆明会議及び 2010 年 10
月の Redwood Shores での WG 4 会議での Resolution
をもとに,FCD2 13249-7 の最終投票確認のための
SC 32 投票を要求したが,これまで参加していた他
国の History 支持メンバや議論を行ってきた他国
の主要なメンバが参加していないこともあり,こ
れが却下され,総会の場で各国に投票確認が行わ
れた.結果として,期待したカナダ,英国の反対
から賛成への投票変更が行われず,また,SC 32
投票が却下され,CD からやり直すか DTS とする
かを SC 32 総会のその場で検討するか,WG 4 で検
討するように要求された.このことから本来 WG 4
でまず審議することが適当として,WG 4 での審議
結果を報告することとした.その議論の結果,Part
7: History に関しては,IS は断念し,TS として出
版することを決定した.
※特記事項:Part 7: History の検討に参加した米国メン
バは,History の開発当初から反対し続けてきた.こ
の背景には,WG 3 で開発しているデータベース言語
SQL のパートとして,米国が 1995 年に SQL/Temporal
を提案したことと関係している.この SQL/Temporal
の仕様は,ビジネスの関心から離れたため,WD 段階
において 2001 年 11 月のビクトリア会議で開発サブプ
ロジェクトは取り下げられた.このとき,関心が再び
もたれた場合サブプロジェクトを復活させる可能性
が示されていた.当時の米国メンバが,WG 4 のメン
バでもあり,このメンバは Part 7: History の開発成果
の多くを転用し,SQL 標準の中で版付表として提案し
ている.History はビジネスニーズニーズに直結した
SQL 表の更新履歴をすべて保持し,問合せの機能を提
供するものであり,これは明らかに SQL/Temporal と
は異なるものである.米国メンバが仕様開発の途上で,
技術論なき反対のための反対コメントを繰り返す中
で,FDIS 直前で TS とせざるを得なったことを記して
おく.
② Part 8: MRA の CD 編集会議を開いた.
投票結果は,
賛成 2,条件付き賛成 1,条件付き反対 5,棄権 1
で 79 件のコメントが寄せられた.提案元の韓国は,
条件なしの賛成であり,また,コメントに対して
簡単な対応は準備していたが,寄書は全く準備が
なく,今回の会議ではスペル修正など編集上のコ
メントを主として処理しただけにとどまったこと
から,継続編集会議を開くこととした.
③ DTS 投票 1 件が承認された.
6. 今後の開催予定
2012-06-04/08
ベルリン(独)
■ SC 34 ( Document Description and Processing
Languages/文書の記述と処理の言語)総会報告
SC 34 専門委員会
委員長 小町 祐史 (大阪工業大学)
1. 開催場所: プラハ(チェコ)
2. 開催期間: 2011-04-01
3. 参加国数/出席者数: 11 カ国,2 リエゾン/34 名
議長(S. Oh,韓),セクレタリ (木村敏子[ITSCJ]
),
ブラジル(1)
,中(4),チェコ(1)
,仏(1),独(3)
,
日(3: 小町[HoD, 大阪工大],村田[国際大学]
,鈴
木[広島大])
,韓(6),蘭(1),ノルウェー(2),英
(3),米(2)
,Ecma(2),XML Guild(1),オブザー
バ(1)
4. 特記事項
4.1 プレナリでの決議事項
次に示す内容を審議し,決議(SC34 N1611)した.そ
れに関連する議論の概要を 4.2 示す.
(1) EPUB に関するアドホクグループ 4(AHG4)の再設
立
JTC 1 決議に基づいて,IDPF の EPUB に関する
AHG4 を再設立する.このアドホクのコンビナおよび
ココンビナとして,
それぞれ Dr. Makoto MURATA(日)
および Dr. Yong-Sang CHO(韓)を再指名する.
(2) IDPF とのリエゾンの設立
IDPF とのリエゾン設立の必要性を認識して,AHG4
に対して利点と義務に関するステートメントの準備
を指示する.
(3) SC 36 とのリエゾンの設立
SC 36 からのリエゾン提案に応えて,SC 36 とのリ
エゾンを設立する.
(4) WG 1: 文書コンテナファイル Part 1 コアの NP
文書コンテナファイル Part 1 コアの NP 配付を SC
34 メンバ国と JTC 1 に配布することをセクレタリア
ートに指示する.
(5) WG 1: ISO/IEC 19757-2(DSDL/RELAX NG)/Amd.1
のキャンセル
19757-2/Amd.1 をキャンセルして,19757 の新 part
の生成を計画する.
(6) WG 1: ZIP に関する SC 34/WG 1 から SC 29/WG 11
へのリエゾン
ZIP に関する SC 34/WG 1 から SC 29/WG 11 へのリ
エゾン文書 N1604 を SC 29 に送付することをセクレ
タリアートに指示する.
(7) WG 2: ISO/IEC TR 24754-2(文書レンダリングト
ステムに対するフォーマティング指定)
DTR 24754-2 のコメント対処を受理して,改訂テキ
ストを出版のために ITTF に送付することをセクレタ
リアートに指示する.
(8) WG 2: ISO/IEC 14496-22(OFF: 開放形フォント
フォーマット)の Panose 値に関する SC 34/WG 2 から
SC 29/WG 11 へのリエゾン
リエゾン文書 N1601 を SC 29/WG 11 に送付するこ
とをセクレタリアートに指示する.
備考:Panose 値は,フォント代替のためのフォント管
理ユティリティ(Panose)で使われる属性の値.
(9) WG 3: ISO/IEC 18048(TMQL)
エディタが FCD の改訂テキストを提出した後,DIS
投票のためにそれを ITTF に送付することをセクレタ
リアートに指示する.
(10) WG 4: ECMA 376:2006 と ISO/IEC 29500(OOXML;
Office Open XML):2008 との差異に関する TR のキャ
ンセル
プロジェクトエディタがいないので,この TR をキ
ャンセルする.
(11) WG 4: ISO/IEC 29500(OOXML)-2/Amd.1 のキャ
ンセル
29500-2 の Amd.1 のテキストがないため,この
Amd.1 をキャンセルする.
(12) WG 4: ISO/IEC 29500(OOXML)の 4 parts の統
合リプリント
29500:2011 の 4 parts の統合リプリントを追認して,
それを出版のため ITTF に送付することをセクレタリ
アートに指示する.
(13) WG 4: 29500-1/Amd.2 と 29500-4/Amd.2 の名称
変更
29500-1/Amd.2 と 29500-4/Amd.2 の名称を,それぞ
れ 29500-1/Amd.1 と 29500-4/Amd.1 に変更する.
(14) WG 4: 29500-1/Amd.1 と 29500-4/Amd.1
29500-1/Amd.1 と 29500-4/Amd.1 の PDAM 投票を開
始することをセクレタリアートに指示する.
(15) WG 4: NP 30114 の表題変更
NP 30114(SC34 N1598)のコメント対処を受理し,
その NP の表題"Safe Extensions of Office Open XML
File Formats" を 変 更 し て "Extensions of Office Open
XML File Formats"とする.
(16) WG 5: ISO/IEC TR 29166 ( ODF/OOXML
translation)
PDTR 29166 の改訂テキストが提出された後,それ
を DTR 投票のために JTC1 に送付することをセクレ
タリアートに指示する.
(17) WG 5: 文書素片の識別と記述のための参照モデ
ルの study period の延長
文書素片の識別と記述のための参照モデルの study
period を延長し,次回の SC 34 総会にレポートを提出
することを WG 5 コンビナに指示する.
(18) 開発期限の延長
ISO データベース上の開発期限を次のとおり延長
することを JTC1 に要求する.
1) ISO/IEC 19757-4(DSDL/NVDL):2006/Amd.1
Stage
現状
延長
PDAM
2010-07-01
2012-03-01
DAM
2011-01-01
2012-09-01
FDAM
2012-01-01
2013-03-01
2) ISO/IEC 13250-5(TM/TMRM)
Stage
現状
延長
FDIS
2010-12-15
2012-09-15
3) ISO/IEC 18048(TM/TMQL)
Stage
現状
延長
FDIS
2010-12-23
2012-03-15
(19) 開発目標日程の承認
次に示す開発目標日程を承認/確認する.
W プ ロ ジ ェ ク ト CD/PDA DIS/DA FDIS/FD
G No.
M/PDTR M/DTR AM
1 TR 19757-1
19757-1 2011-12 2012-12 N/A
1 19757-4/Amd.1 2012-03 2012-09 2013-01
1 19757-3(2ed) 2011-06 2012-03
1 19757-5
2011-04
1 19757-11
2011-07
2 9541-1(2ed) 2011-05 2011-12
2 9541-2(2ed) 2011-05 2011-12
2 9541-3(2ed) 2011-05 2011-12
2 9541-4/Amd.1 2011-09 2012-03
3 TR 13250-1
13250-1 2011-10 2012-10 N/A
3 13250-3(2ed) 2011-12 2012-06 2013-03
3 13250-5
2011-12 2012-12
3 13250-7
2011-10 2012-10 2013-03
3 18048
2011-06 2012-03
3 TR 29111
29111
2012-10 2013-03 N/A
4 29500-1(2ed) 2011-04 2011-09 2012-03
/Amd.1
4 29500-4(2ed) 2011-04 2011-09 2012-03
/Amd.1
4 30114
2011-12 2012-12 2013-03
5 TR 29166
29166
2011-06 N/A
6 26300/Amd.1
2011-07
(20) WG 2 コンビナの再指名
Dr. Yushi KOMACHI を WG 2 コンビナ(3 年間)と
して再指名する.
(21) WG 3 コンビナの再指名
Dr. Patrick DURUSAU を WG 3 コンビナ(3 年間)
として再指名する.
(22) プロジェクトエディタの指名
次のプロジェクトエディタを指名する.
30114 (Extension of OOXML) Dr. MURATA Makoto お
よび Mr. Jirka KOSEK
13250-5 (TMRM) Mr. Benjamin BOCK (co-editor)
13250-7 (Graphical Notation) Mr. Rani PINCHUK
(co-editor)
18048 (TMQL) Mr. Benjamin BOCK (co-editor)
(23) プロジェクトエディタの退任
次のプロジェクトエディタの退任を受理する.
13250-3 (XML syntax) Mr. Lars Marius GARSHOL
13250-5 (TMRM) Mr. Robert BARTA
13250-7 (Graphical Notation) Mr. Lars Marius
GARSHOL
18048 (TMQL) Mr. Lars Marius GARSHOL および Mr.
Robert BARTA
(24) リエゾン委員の指名/確認
次のリエゾン委員を指名/確認する.
内部
JTC 1/SC 22 Mr. Rex JAESCHKE
JTC 1/SC 29 Dr. Yushi KOMACHI
JTC 1/SC 36 Dr. Yong-Sang CHO
IEC/TC 100/TA 10 Dr. Yushi KOMACHI
ISO/TC 46 Dr. Sam Gyun OH
ISO/IEC RA 10036 Mr. Keisuke KAMIMURA
外部
ECMA Dr. Makoto MURATA お よ び Mr. Rex
JAESCHKE
OASIS Dr. Patrick DURUSAU(ODF TC)および Mr.
Doug MAHUGH(OIC TC)
XML Guild Mr. Jirka KOSEK
W3C Mr. Mohamed ZERGAOUI
4.2 WG での関連議論
(1) WG 1
a) 文書コンテナファイル Part 1 コアの NP
ZIP 仕様書(Application Note)を参照するマルチパー
ト規格の Part 1 コアの NP である.ZIP に関する NP
としての 1 回目の提案との大きな差異は,ZIP 仕様書
を参照することによって,PKWARE 社の ZIP との乖
離を生じさせないようにしたことである.OOXML と
ODF は,Explanatory Report なしに ZIP 仕様書を参照
しているため,知的所有権についての問題がある.
ZIP に関しては,JTC 1 議長から SC 34 議長に漠然
とした懸念を表明するメールがあった.懸念の具体的
な内容はいっさい書かれていない.米国企業
PKWARE 社の損得だけを考えた行動だと英国が反発
しており,JTC 1 総会で問題になる可能性がある.
(2) WG 2
a) OASIS UOML/TC のリエゾン報告
OASIS UOML/TC からのリエゾンとして Peter Junge
が事前登録を行って WG2 会議に参加し,新版の
UOML(非構造化操作マーク付け言語)をどのように
して国際規格化するのが適切かの打診を行った.
WG2 としては,その議論の前に,新 UOML が Fast-track
で提案されるにせよ通常手続きで NP 提案されるにせ
よ , そ の 適 用 範 囲 (scope ) と 目 的 / 必 要 性
(purpose/justification)を明確にする必要があることを
主張した.
b) ISO/IEC 14966-22 に関する SC 29/WG 11 へのリ
エゾン
ISO/IEC 14496-22(OFF: 開放形フォントフォーマ
ット)の改訂に際して,幾つかの不適切な属性名のリ
ストを削除すること等を提案するリエゾン文書(WG2
N405)を作成し,SC 29/WG 11 に送付することにした.
本件リエゾンの送付については,SC 29/WG 11 のエキ
スパートとの間で事前に合意済みである.
c) DTR 24754-2(文書レンダリングトステムに対する
フォーマティング指定)の投票コメント対処
Editor の Ken Holman と Skype を用いた TV 会議を
行い,日本,ドイツ,英国から提出された DTR 投票
コメントに対する対処を決めると共に,それを反映し
た改訂テキストを作成し,出版用の最終テキストとし
て提出することにした.
(3) WG 4
a) ISO/IEC 29500(OOXML)の新テキスト
Cor.1 と Amd.1 とを本文に組込んだテキストを,
ISO/IEC 29500:2011 として投票なしに発行することを
決めた.
b) ISO/IEC 29500 の Part 2 と 3 の改訂
Part 2 と Part 3 の改訂を行うことが決まり,Dr.
MURATA Makoto をエディタに指名することにした.
そのプロジェクトを登録する手続きは,次回の総会ま
で延期する.
c) ISO/IEC 29500 の Part 1 と Part 4 の Amd.1
スプレッドシートのセル値として ISO 8601(Data
elements and interchange formats -- Information
interchange -- Representation of dates and times)
を利用することに関するさまざまの問題をまとめて
対処するための PDAM 投票を開始することにした.
5. 今後の開催予定(開催年月日,開催国及び都市名)
2011-09-26/30,Busan, Korea
2012-06-25/29,Brazil
6. 参考
6.1 短縮表記とそれに対応する非短縮表記
IDPF == International Digital Publishing Forum
EPUB == 固有名詞(短縮表記ではない.IDPF が公開
する電子書籍フォーマット.)
DSDL == Document Schema Definition Languages
RELAX NG == Regular-grammar-based validation
OFF == Open Font Format
TMQL == Query Language
OOXML == Office Open XML File Formats
NVDL == Namespace-based Validation Dispatching
Language
TMRM == Reference Model
TM == Topic Maps
UOML/TC == The Unstructured Operation Markup
Language Technical Committee
6.2 規格番号(またはプロジェクト No)とそれに対応
する規格名称
29500-1 == Office Open XML File Formats -- Part 1:
Fundamentals and Markup Language Reference
29500-2 ==
Document description and processing
languages -- Office Open XML File Formats -- Part 2:
Open Packaging Conventions
29500-3 == Office Open XML File Formats -- Part 3:
Markup Compatibility and Extensibility
29500-4 == Office Open XML File Formats -- Part 4:
Transitional Migration Features
19757-1 == Document Schema Definition Languages
(DSDL) -- Part 1: Overview
19757-3 == Document Schema Definition Languages
(DSDL) -- Part 3: Rule-based validation -- Schematron
19757-4 == Document Schema Definition Languages
(DSDL) -- Part 4: Namespace-based Validation
Dispatching Language (NVDL)
19757-5 == Document Schema Definition Languages
(DSDL) -- Part 5: Extensible Datatypes
19757-11 == Document Schema Definition Languages
(DSDL) -- Part 11: Schema Association
9541-1 == Font information interchange -- Part 1:
Architecture
9541-2 == Font information interchange -- Part 2:
Interchange Format
9541-3 == Font information interchange -- Part 3: Glyph
shape representation
9541-4 == Font information interchange - Part 4:
Harmonization to Open Font Format
13250-1 == Topic Maps - Part 1: Overview and basic
concepts
13250-3 == Topic Maps -- Part 3: XML syntax
13250-5 == Topic Maps - Part 5: Reference model
13250-7 == Topic Maps - Part 7: Graphical notation
18048 == Topic Maps - Query Language (TMQL)
29111 == Topic Maps - Expressing Dublin Core Metadata
using Topic Maps
30114 == Extensions of Office Open XML File Formats
29166 == Open Document Format (ISO/IEC 26300) /
Office Open XML (ISO/IEC 29500) Translation
26300 == Open Document Format for Office Applications
(OpenDocument) v1.0
■ SC 38(Distributed Application Platforms and
Services (DAPS)/分散アプリケーションプラットフ
ォームおよびサービス)総会報告
SC 38 専門委員会
委員長 鈴木 俊宏(日本オラクル(株))
1. 開催場所: Saint-Denis(仏)
2. 開催期間: 2011-04-11/04-15
3. 参加国数/出席者数: 11 カ国,4 団体/47 名
議長(Don Deutsch,米),セクレタリ(Marisa Peacock,
米),英(2),加(2),フィンランド(2),仏(5),
中(8)
,独(3),アイルランド(2),韓(4),スウェ
ーデン(2),米(8)
,日(2:楠正憲[マイクロソフト]
,
鈴木俊宏),OASIS,SNIA, DMTF, The Open Group,
INLAC
4. 議事内容【要旨】
第 3 回目の SC 38Plenary 会議が Saint-Denis(仏)の
AFNOR で一週間にわたって開催された.主な審議事
項は以下の通り.
(1) WG 1 on Web Services
Web Services や SOA 標準のインベントリ・データ
ベースの今後の管理/運営について,公開するインベ
ントリ・データベースでは情報提供者全員によるオン
タイムでのデータ更新が必要であるという要望が強
く,しかし要望通りのホスト運営が難しいため,今後,
必要に応じて寄書による情報提供とし,Web 上のタイ
ムリーな情報提供は行わないこととなった.
(2) WG 2 on SOA
WD 30102:General Technical Principles of SOA につ
いて各国からのコメントと寄書(中国,日本,The Open
Group)の検討が加えられた.それぞれの寄書を叩き
台に Clause 5, SOA Technical Reference Model が作成さ
れることとなった.ちなみに日本の寄書は,経済産業
省発行の「情報システム調達のための技術参照モデル
(TRM)平成 22 年度版」の第 5.4 章 SOA 関連技術の
英訳である.
WD 30102 の今後の予定は以下の通り.
・ 2011-05-13: Editor Team が今回の審議を踏まえ
た(WD2)を配布する.
・ 2011-06-28 : 電 話 会 議 ( Clause 3, Terms and
Definitions についての検討)
・ 2011-07-26: 電話会議(Clause 4, SOA Principles
and Concepts についての検討)
・ Clause 5, SOA Technical Reference Model について
は Editor Team がドラフトを提案し次回総会で審
議する.
(3) SG on Cloud Computing(SGCC)
Editor Team が提出した SGCC Report(V1)に対する
コメント処理と各国からの寄書について検討が加え
られた.コメントと寄書が膨大だったため,仔細な検
討を行わず,どの章にどの寄書を盛り込むかなどの検
討が加えられた.今後それをもとに Editor Team にて
SGCC Report(V2)開発に向けた作業が行われる.また
現在の SGCC Report(V1)には”Use case and Scenario”
についての考察が行われていないため電話会議を行
い,検討を進めることとなった.
SGCC Report の今後の予定は以下の通り:
・ 2011-05-24: 電 話 会 議 ( Use case and Scenario
Template)
・ 2011-06-21: 電話会議(Discussion of submitted
Use cases #1)
・ 2011-07-19: 電話会議(Discussion of submitted
Use cases #2)
(4) SC 38/SGCC Open Meeting 開催について
今年の 5 月 18 日に米国のボールダーにて 1 日間の
SGCC Open Meeting が開催されることになった.その
週に DMTF(Distributed Management Task Force) 会議
が あ り 共 催 と な る . そ の 会 議 の 結 果 は SGCC
Report(V2) に 盛 り 込 ま れ る . 次 回 の SGCC Open
Meeting の候補として,ITU-T Focus Group on Cloud と
の Joint meeting を検討することになった.今回の会議
は残念ながら各国の十分なコンセンサスが得られな
いままの開催となったため,今後の開催は各国(初期
メンバ:中国,日本,米国,フランス,韓国)の代表
による Program Committee を組織し企画していくこと
になった.
(5) Liaison について
以下が承認された.
・ SNIA(Storage Networking Industry Association):
Alan Yoder(米)
:Category A
(6). 次回以降の会議日程:
・ 2011-09-19/09-23 Seoul, Korea
・ 2012-05-21/05-25 Berlin, Germany
これまで WG 1,WG 2,SGCC ともに参加者が重複
しているため並行して会議を行わなかったが,WG 2,
SGCC の活動が活発になり次回の Seoul 会合から並行
して会議を行うことになった.参加者が少ない各国か
ら技術的な議論の時間と各種報告などの管理運営上
の時間を明確に分けるなどアジェンダの工夫をする
よう要求が出された.
<解説: ソフトウェア製品の品質要求及び評価:
SQuaRE ( Software product Quality Requirements and Evaluation )の紹介>
ソフトウェア製品の品質要求及び評価に関する JIS 原案作成委員会
委員長 東 基衞(早稲田大学),幹事 山形 薫(三菱電機(株))
1. はじめに
ICT(情報通信技術)の激しい進歩,それらを用い
たシステム及びそのソフトウェアの進歩及び変化に
対応するため,ソフトウェア関連の規格も毎年進化を
続けている.この分野の規格開発は,ISO/IEC JTC
1/SC 7 で行われているが,その対象範囲も単にソフト
ウェアだけでなく,ソフトウェアを中心としたシステ
ム及びソフトウェアサービスなどにも拡張されてき
ている.
その中で,ソフトウェア製品の品質に関する規格開
発は,SC 7/WG 6(前身の SC 7/WG 3/SG 2 を含め)で
1985 年から継続して実施されている.ここでは,そ
の第二世代ともいえる,“ISO/IEC 25000 SQuaRE”シ
リーズについて,紹介する.
2. 国際規格制定の趣旨及び経緯
ソフトウェア製品品質に関する規格としては,“ソ
フトウェア製品評価”について規定する ISO/IEC 9126
(JIS X 0129-1 及び TX 0111-2~4)シリーズ及び“ソ
フトウェア品質モデル及び測定法”について規定する
ISO/IEC 14598(JIS X 0133)シリーズが発行され,広
く利用されている.しかしながら,これらの規格は,
1998 年から 2004 年にかけて発行されており,近年の
ソフトウェア技術の発展に充分に対応できていない
ことが考えられる上,次のようなことが指摘されてい
た.
・ 規 格 内 容 の 説 明 部 分 が ISO/IEC 9126-1 及 び
ISO/IEC 14598-1 に分散しており,シリーズ全体
を説明するアンブレラ規格がない.そのため,
全体の概念及び二つのシリーズの関係が理解さ
れない.
・ 名前が覚えにくい.特に ISO/IEC 14598 シリーズ
は番号が覚えにくい.
・ 品質評価を行うためには,品質要求を定義する
必要があるが,対応する国際規格がない.
そこで,最新のソフトウェア技術に対応させるため
に,二つのシリーズを再編成,改正することを,1999
年 10 月に金沢で行われた SC 7/WG 6 国際会議に日本
から提案し,更に不足部分を追加して ISO/IEC 25000
SQuaRE シリーズを開発することになった.
SQuaRE シリーズと ISO/IEC 9126 シリーズ及び
ISO/IEC 14598 シリーズとの関係を表 1 に示す.
3. ソフトウェア製品の品質の考え方
ソフトウェア製品の品質は,図 1 に示すように,
「正
確で明確な要求を定義すること」が重要で,これには
機能要求だけではなく,
SQuaREシリーズ
対応するISO/IEC 9126シ
リーズ及びISO/IEC 14598
品質モデルに定義され
規格名称
部門(Division)
シリーズほか
た多様な品質特性につ
Guide to SQuaRE
25000
9126-1, 14598-1
2500n: Quality
Management Division
Planning and management
25001
14598-2
いても,測定法を用いて
Quality model
25010
9126-1
2501n: Quality Model
品質要求を定量的に表
Division
(新規規格)
Data quality model
25012
示することが必要であ
Measurement reference model and guide
25020
9126-1, -2, -3, -4
2502n: Quality
Measurement Division
る.
(新規規格)
Quality measure elements
25021
「機能要求及び品質要
Measurement of quality in use
25022
9126-4
Measurement of system and software product quality (external and internal 9126-2, -3
25023
求」に対応して,プロセ
quality measures)
スの設計を行うことが
(新規規格)
Measurement of data quality
25024
必要である.例えば,信
(新規規格)
Quality requirements
2503n: Quality
25030
equirements Deivision
頼性が特に重要なシス
Evaluation reference model and guide
14598-1
2504n: Quality Evaluation 25040
Deivision
テムにおいては,高信頼
Evaluation guide for developers,acquirers and independent evaluators
25041
14598-3, 14598-4, 14598-5
性のシステムに必要な
evaluation modules
25042
14598-6
(新規規格)
Evaluation module for fecoverability
25045
フォールトトレラント
Requirements for quality of Commercial Off-The-Shelf (COTS) software
2505n~9n: SQuaRE
25051
12119: Quality requirements
処理,バックアップファ
product and instructions for testing
Extension Division
and testing
イルの設計,リカバリー
(新規規格)
General framework for usability-related information
25060
内2506n: SQuaRE
Common Industry Format
(新規規格)
Common Industry Format (CIF) for usability test reports
25062
の処理の設計,評価など
(CIF) for usability
(新規規格)
Context of use descriptions
25063
のためのプロセスの設
(新規規格)
User needs report
25064
計が必要である.
表 1 SquaRE シリーズと ISO/IEC 9126 シリーズ
及び ISO/IEC 14598 シリーズとの関係
図1
ソフトウェア品質の考え方
必要なプロセスに対応して,良いリソース,すなわ
ち,人材,技法,ツールなどを適切に選択し使用する
ことが重要である.このためには,システム・ソフト
ウェア組織内のすべてのプロジェクトが必要な時に
いつでも使用できるように,それらを整備し,適切に
プロジェクトのリーダーに提供し,支援することが必
要である.
こうしたことを全て考慮し,ソフトウェア製品の品
質向上と評価について作成したのが,“SquaRe”シリ
ーズで,以下にその概要を解説する.
4. SQuaRE シリーズの概要
SQuaRE シリーズは,図 2 に示すように,全体で五
つ の 部 門 ( Division ) 及 び そ の 後 追 加 さ れ た 拡 張
(Extension)部門から構成されている.これは,次の
考えに基づいて成り立っている.
・ ソフトウェアの品質を向上するためには,品質
要求を品質モデル及び品質測定量を用いて的確
に定義する必要がある.
・ 同じ品質モデル及び品質測定量を用いて開発途
中のデザインレビュー,試験段階などで,
“ソフ
トウェア製品が品質要求をどれだけ満足してい
るか”を評価する必要がある.
更に,シリーズ全体を理解するための手引及び利用
するための管理者の手引が構成図の中央に位置づけ
られている.
各部及びそこに属する規格について概要を説明す
る.規格番号については,将来の JIS 化を踏まえて,
JIS 番号で記載している.対応する国際規格番号は,
“JIS X”を“ISO/IEC”に書き換えればよい.
ISO/IEC 2501n
品質モデル部門
ISO/IEC 2503n
品質要求部門
ISO/IEC 2500n
品質管理部門
ISO/IEC 2504n
品質評価部門
ISO/IEC 2502n
品質測定部門
ISO/IEC 25050~ISO/IEC 25099
SQuaRE拡張部門
図2
SQuaRE シリーズ規格の構成
注)SQuaRE シリーズは,従来の JIS X 0129 及び JIS X
0133 の両シリーズと共にソフトウェア品質に関する
重要な規格であり,全ての規格を JIS 化予定であり,
敢えて JIS 番号表記としています.
4.1 JIS X 25000~25009:品質管理部門(Quality
management division)
(1) JIS X 25000;SQuaRE の指針(Guide to SQuaRE)
IS 及び JIS 発行済み.
シリーズの個々の規格の利用の手引きを提供する
とともに,シリーズで共通に使用される用語の定義を
提供する規格である.
(2) JIS X 25001 ; 計 画 及 び 管 理 ( Planning and
management)
IS 発行済み,2010 年 JIS 化作業完了.
ソフトウェア製品の評価技術の管理及び支援を規
定する規格で,計画の例を含む.対象者は,品質保証
部門の人の他に評価技術利用及び開発組織の管理者,
品質要求事項の仕様化に責任を負う人 等が考えられ
る.
4.2 JIS X 25010~25019: 品質モデル部門(Quality
model division)
(1) JIS X 25010;品質モデル(Quality model)
IS 発行済み,2011 年 JIS 化予定.
JIS X 0129-1 の改正版になる.この品質モデルは,
システムの利害関係者視点からとらえたシステム利
用時の品質,ソフトウェアをシステムとして実行した
ときの外部品質,ソフトウェアの仕様書,ソースプロ
グラムなどのレビューのときに把握される内部品質
の 3 種類の品質モデルを規定している.この品質モデ
ルは,JIS X 0129-1 が制定されて以後,インターネッ
トの急速な普及などにより,特に相互運用性及びセキ
ュリティの重要性が高くなったことなどを反映させ
るとともに,ソフトウェア品質測定に関するこれまで
の長期にわたる検討の経過を考慮して大幅な改正作
業を行っている.
(2) JIS X 25012;データ品質モデル(Data quality
model)
IS 発行済み,2011 年 JIS 化予定.
イタリアが,ISO/IEC 9126-1 の品質モデルをもとに,
データ品質について独自に品質モデルを設定して利
用し,効果を挙げているという実績に基づいて,新規
プロジェクトとして提案した原案を基に,SC 7/WG 6
で審議した.その結果制定されたデータ品質モデルは,
データの品質とソフトウェアの品質とは概念が異な
るため,かなり ISO/IEC 9126-1 のソフトウェア品質モ
デル,および当初イタリアが提案した品質モデルとは
異なったものになっている.しかし,データの品質は
ソフトウェアの品質とは異なることから,品質モデル
の構造も品質特性も,かなりソフトウェア品質モデル
とは異なったものになっている.
4.3 JIS X 25020~25029 :品質測定部門(Quality
measurement division)
品質測定部門の規格群は,従来の TS X 0111-2 ~ 4
(ISO/IEC 9126-2 ~ 4)に大幅な改正を加えたものであ
る.
(1) JIS X 25020 ; 測 定 参 照 モ デ ル 及 び 手 引
(Measurement reference model and guide)
IS 発行済み,2012 年 JIS 化予定.
従来の TS X 0111-2 ~ 4 の共通部分を独立させ,大
幅な改正を加えたもので,評価に使用する測定法の尺
度,方法,事例などを一つにまとめたものである.こ
の規格の主な利用者は,品質評価技術を開発し,文書
化する専門家である.
(2) JIS X 25021;品質測定要素(Quality measure
elements)
TR 発行済み,TR に対する JIS はなし.
TR を IS に改正中,IS 発行後 JIS 化予定.
ISO/IEC TR 25021 の改正版である.この規格の主な
利用者は,品質評価技術を開発し,文書化する専門家
である.この規格は,評価を容易にし,根拠あるもの
にするため,評価プロセスで使用する情報に着目して
いる.
(3) JIS X 25022;利用時の品質測定(Measurement of
quality in use)
IS 未着手,IS 発行後 JIS 化予定.
ISO/IEC TR 9126-4 の改正版として ISO/IEC 25021
の制定を待って着手する予定である.測定法のうち主
として利用者に引き渡されたあとの利用段階で,実際
に仕事を行うときに利用者の視点からソフトウェア
の評価を行うためのものである.対象製品を用いた作
業のプロセス又は作業結果の測定に利用可能なもの
であり,利用者を中心に,ソフトウェアの開発者及び
第三者的な評価者も利用可能である.この規格が発行
されるまでは,TS X 0111-4 が利用可能である.
(4) JIS X 25023;システム及びソフトウェア製品の
品 質 測 定 ( Measurement of system and software
product quality)
IS 未着手 IS 発行後 JIS 化予定.
ISO/IEC TR 9126-2 及び 3 を合わせたものの改正版
として,ISO/IEC 25021 の制定を待って着手する予定
である.測定法のうち主として開発段階で,ソフトウ
ェアの内部文書などを対象にして,レビューなどのと
きに評価を行うための測定に利用可能な内部測定法,
及び主として試験段階で,システムを稼動してソフト
ウェアの評価を行うための測定に利用可能な外部測
定法を取り上げて示している.ソフトウェアの開発者,
利用者及び第三者的な評価者が利用可能である.この
規格が発行されるまでは,TS X 0111-2 及び 3 が利用
可能である.
(5) JIS X 25024;データ品質測定(Measurement of
data quality)
IS 未着手.
2011 年に行われた WG 6 の国際会議で新規に作る
こととなった規格で,ISO/IEC 25012 のデータ品質の
特性及び副特性に対応する品質測定量を規定するも
のである.ISO/IEC 25021 の制定を待って着手する予
定である.
4.4 JIS X 25030~25039:品質要求部門(Quality
requirements division)
この部門の規格群については,これまでの検討過程
では「JIS X 25030;品質要求(Quality requirements)」
の規格だけが提案され,国際標準として発行されてい
る.
IS 発行済み,2010 年 JIS 化作業完了.
JIS X 0129 シリーズ及び JIS X 0133 シリーズにはな
い規格で,SQuaRE シリーズで新規に提案された規格
である.品質モデル及び品質測定法を用いて品質要求
を厳密に定義するための,品質要求の概念,要求事項
及び推奨事項を示す.この規格は,ソフトウェアの開
発者,利用者,それらの管理者など,ソフトウェア製
品要求に関するほとんどすべての利害関係者が対象
である.
4.5 JIS X 25040~25049:品質評価部門(Quality
evaluation division)
この部門の規格群は, JIS X 0133-2 以外の JIS X
0133 シリーズを引き継いでいる.
(1) JIS X 25040 ; 評 価 参 照 モ デ ル 及 び 手 引
(Evaluation reference model and guide)
IS 発行済み,JIS 化未定.
JIS X 0133-1 をもとに,ほぼ全面的に書き直したも
ので,評価プロセスの基本的概念を示す.ソフトウェ
アの開発者,利用者,第三者的な評価者,それらの管
理者など,ソフトウェア製品評価に関するほとんどす
べての人々が対象である.
(2) JIS X 25041;開発者,取得者及び評価者の評価
の手引(Evaluation guide for developers, acquires
and evaluators)
DIS 投票中.
2010 年に行われた WG6 の国際会議及び投票の結果,
従来の計画では ISO/IEC25040 の ANNEX A~C として
いたものを新規に ISO/IEC 25041 とすることになった.
(a) JIS X 25040 附 属 書 A 開 発 者 の プ ロ セ ス
(Process for developers)
開発プロセスの中に品質評価プロセスを実際に組
み込むための要求事項と推奨事項を示している.
(b) JIS X 25040 附 属 書 B 取 得 者 の プ ロ セ ス
(Process for acquirers)
既製品として取得するソフトウェア製品,委託開発
して取得するソフトウェア製品,又は既存ソフトウェ
ア製品の改造で取得するソフトウェア製品の体系的
な測定,品質評価及び総合評価のための要求事項,推
奨事項と要領を含んでいる.
(c) JIS X 25040 附 属 書 C 評 価 者 の プ ロ セ ス
(Process for evaluators)
職業として独立してソフトウェア製品の評価を行
う人(多くの場合第三者組織として働く人)のための
評価プロセスの規格である.厳密な測定法による定量
的アプローチを採用している.さらに,第三者の評価
に関係する管理及び契約の問題に焦点を置いている.
(3) JIS X 25042 ; 評 価 モ ジ ュ ー ル の 文 書 化
(Documentation of evaluation modules)
IS 未着手,IS 発行後 JIS 化予定.
評価に使用する測定法の尺度,方法及び事例を一つ
にまとめた ISO/IEC 14598-6 の改正版に対応するもの
である.主な利用者は,品質評価技術を開発し,文書
化する専門家である.この規格は,評価を容易にし,
根拠あるものにするため,評価プロセスで使用する情
報に着目している.
(4) ISO/IEC 25045 ; 回 復 性 の 評 価 モ ジ ュ ー ル
(Evaluation module for recoverability)
IS 発行済み,JIS 化の優先度は低い.
システムの回復性を評価するために,様々な混乱
(障害,現象など)をリストアップし,システムが各
混乱に気付いて,分析し,解決する方法を診断して,
自律的な回復について評価するための質問集を定義
している.この評価モジュールは,迅速な回復及び回
復管理の容易さが取得者には重要であるとの考えで,
利用者を支援するときに適用できる.
既に国際標準として刊行されているが,利用者数を考
慮したとき JIS 化の優先順位は低いと考えられるので,
2011 年 1 月の時点で JIS 化の計画は未定である.
4.6 JIS X 25050~25099:SQuaRE 拡張部門 (SQuaRE
extension division)
これまでは独立規格であった ISO/IEC 12119 の改
正を受けて,SQuaRE の拡張部門が新設されたもので
ある.
JIS X 25051;商用既製(COTS)ソフトウェア製品
に対する品質要求事項及び試験に対する指示
[Requirements for quality of Commercial Off-The-Shelf
(COTS)software product and instructions for testing]:
IS 及び JIS 発行済み
JIS X 0152 ソフトウェアパッケージ-品質要求事項
と試験(ISO/IEC 12119 )の改正版である.
4.7 ISO/IEC 25060~25069:SQuaRE 拡張部門,Common
Industry Format (CIF) for usability
使用性のための共通工業様式に関する規格で,当初
は SQuaRE 拡張部門として位置づけられていたが,現
在は,独立した WG28(ISO/TC159/SC4 との合同 WG)
で審議されている.
(国内では,WG6 の SWG として
いる.
)JIS 化については,現状は考えていない.
次の 2 件が,規格として発行済みである.
ISO/IEC TR 25060 : General framework for
usability-related information
ISO/IEC 25062:Common Industry Format (CIF) for test
usability reports
次の 2 件が,CD 投票中である.
ISO/IEC 25063:Context of use descriptions
ISO/IEC 25064:User needs report
5. 今後の展開
SQuaRE シリーズの対する期待・要求は大きく,そ
の適用範囲は,当初考えていた範囲より大きくなり,
データ品質,サービス品質などにも適用できる規格の
開発が期待されており,国内の有識者及び関連団体な
どと協力して,規格開発を進めていく必要がある.
<声のページ>
標準の利用価値について考える
出井 克人(キヤノン(株))
標準の世界に関わるようになってまだ 10 年です.
それまで全く標準の世界に触れた事が無く,事業企画
系の仕事をしてきた私にとって,“自分の仕事は会社
にとってどんな役に立つのだろう?”という謎を伴っ
た配置転換でした.そこで与えられた業務は「SC 28
の国際幹事」であって,これがまた基本的には会社利
益のためどころか,国内の業界からも一歩離れた中立
な立場で行うべき仕事でした.国際幹事は,やってみ
れば標準の開発になくてはならない存在であること
が実感できますが,会社から給与を得ている私として
はそれがどのように会社の利益に貢献しているのか
理解できず国際幹事と言うポジションとサラリーマ
ンと言う現実の中にギャップを感じていたものでし
た.
この 10 年間,会社の中でいろいろな声を聞いてき
ましたが,特にここ 4~5 年,標準と縁の薄い事業部
門の長は,“標準は大事”と良く言っておられます.
しかしながら「なぜ標準が大事なのか」まで部下に説
明される長とはなかなか巡り合う事ができません.彼
らもまた,心の中では「自分のビジネスと標準の関係」
が結びついていないように思います.そのことが標準
の担当者が会社で良い評価を得にくい状況を生み出
す一因となっていると考えています.
私自身は長い時間を費やすこととはなりましたが,
マクロ的には標準が会社にもたらす利益,ミクロ的に
は会社にとっての標準化担当者の存在意義について
の自分なりの回答が見えつつあるかなと思っていま
す.これは,関連している標準のカテゴリ,たとえば
性能測定や安全性・互換性確保・環境および関連認
証・マネージメント標準などをひとつにして一般論で
述べている間はなかなか自分なりの回答は得られま
せんでした.
いろいろな解釈がありますが,どのカテゴリの標準
であっても私にとって標準はビジネスのひとつのツ
ールです.種類ごとにどのようにツールとして使える
か,それを見つけることが,標準の実務と共に自分自
身に仕事のモチベーションを与えるための大きな課
題でした.自分の中に持った「標準の利用価値」を中
心に,諸先輩や標準化仲間との普段の会話から得た自
分以外の方の「標準の利用価値」についても,常日頃
から“標準は大事”だと言っておられる自社内の長に,
折に入って話していくことが,会社としての「標準の
利用価値」を決めて行くことになり,結果として標準
化担当者の会社での存在意義をひとつ強くしていく
ものだと思います.ややもすれば日陰の存在になりや
すい企業の中の標準化担当ではありますが,自分の中
のスジを作って実際に会社利益に貢献していきたい
ものです.
標準化活動に対する要望
森
紘一(元
富士通(株))
昨年(平成 22 年)10 月 18 日(月)に都市センタ
ーホテルにおいて開催された平成 22 年度工業標準化
事業表彰式において,内閣総理大臣表彰を受賞致しま
した.一昨年(平成 21 年)受賞した IEC ロードケル
ビン賞と併せて,標準化関係の国際,国内の最高の賞
を受賞したことは,1987 年からの標準化活動に対す
る貢献が評価されたものとうれしく思っております.
これらの受賞は,これまで私と一緒に活動してきた,
JTC 1 や IEC TC 1111 関係の方々,情報規格調査会や
IEC 活動推進会議の皆様,経済産業省の関係各位,そ
して私の活動をバックアップし,このような年まで活
動させて頂いた富士通株式会社と関係者の方々のお
陰によるものと,心から感謝を申し上げます.
私は標準化活動には,最初は OSI(Open Systems
Interconnection)の推進(1987-1999),2000 年からは
IEC の世界にも足を踏み入れ,SMB(Standardization
Management Board)の日本代表委員(2000 年 10 月~
2004 年末)
,IEC TC111 (電気電子機器の環境標準)議
長(2005 年 1 月~2009 年 6 月)などで活動し,その
間,経済産業省関係のいくつかの委員会にも参加して
きました.
優れた研究・開発を進め,それを特許等の知的財産
権で保護しつつ,国際標準化の推進あるいは他社との
連携などにより,積極的に市場を形成していくことが
必須となってきたグローバル時代において,これまで
以上に国際標準化の重要性が認識されて参りました.
特に中国や韓国が国際標準化に積極的になってきた
ことは注目すべきです.
昨年来の企業,大学,業界団体等に対する国際標準
化に関する講演の際にも述べたことではありますが,
このような環境下における今後の標準化活動に対す
る要望を述べさせていただきたいと思います.
・ 国際標準は,出来上がった規格をいかに早く自
社に導入するか(ということ)だけなく,自社
に有効な標準を作成することが大事です.標準
化の現場(会議等)への参加なしには,期待す
る規格はできません.このため,国際会議への
参加,情報規格調査会の技術委員会や各専門委
員会に参加し,活発な議論をお願いいたします.
・ 標準化の現場では,参加するだけでなく,自己
の意見の積極的な発言が必要です.
“沈黙は金な
り”という日本の格言は国際社会では通じませ
ん.相手を説得するような主張をするには,バ
ックとなる技術を理解していることは勿論,自
分の分野だけでなく,関係する周りの世界にも
関心をもつてください.
・ 経済状況が厳しい現在において,国際標準化活
動は制約をかなり受けますが,情熱を持ってや
って頂きたいと思います.
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<第 26 回規格総会の報告>
情報規格調査会 規格役員会
第 26 回規格総会が 2011 年 7 月 11 日に開催され,
2010 年度決算,2011 度予算,2010 年度活動報告,2011
年度の重点活動項目が承認された.また,6 号委員の
改選,情報規格調査会規程の変更についても承認され
た.これと合わせて標準化功績賞及び標準化貢献賞の
表彰,国際規格開発賞受賞者の紹介などが行われた.
2010 年度の活動報告詳細については NEWSLETTER
No. 90 別冊を,2010 年度の表彰に関しては情報規格
調査会 Web ページのトピックスにある表彰に関する
記事を参照されたい.
1. 2010 年度決算,および 2011 年度予算
公益法人の会計基準の変更に伴い,決算・予算につ
いて,昨年度までは主に「収支計算書」での説明とし
たが,今年度からは「正味財産増減計算書」(企業会
計の損益計算書に相等)での説明とした.
2010 年度決算での収益は 139,293 千円でほぼ予算ど
おり,費用は 149,109 千円で正味財産増減額は 9,816
千円の赤字となった.2010 年度予算時に中立委員以
外の規格賛助員からの委員に対する国際会議派遣費
の緊急補助費用として計上していた 35,000 千円が実
積として 3,600 千円であったこと,また,経費節減努
力により管理費が低減されたことなどで,予算時に想
定された赤字 63,236 千円が大きく圧縮されたが,当
調査会の 2010 年度正味財産増減額が赤字となったこ
とは重く受け止めたい.
2011 年度予算の会費収入は賛助会員の退会・減口
が計 19 口,入会が 1 口で前年度比 12,600 千円の減,
また,補助金などは前年度比約 9,788 千円減となり,
これらが主要な原因で収益総額は前年度比 24,588 千
円減の 114,705 千円の予算とした.費用としては,出
席者が 200 名を超える大きな国際会議がないこと,経
費削減努力により若干の支出圧縮を実現したが,費用
総額は昨年実績から微減の 140,309 千円となり単年度
の正味財産増減額では 25,604 千円の赤字予算とした.
収益・費用とも大幅に改善する見込みはないため,今
年度中に収益・費用の両面から財政改善施策を練り,
この 3 年で収支をバランスさせる計画で取り組むこ
ととする.
以上の審議の結果,2010 年度決算および 2011 年度
予算は承認された.
2. 2011 年度の活動重点事項
2011 年度の活動重点事項を次の通り設定し,審議
の結果提案通り,承認された.
(1) 国際標準化活動の中心メンバとしての貢献
・ 今のポジションを活用して JTC 1 の国際標準化
に貢献するともに,議長,幹事国,コンビーナ,
プロジェクトエディタの機会があれば引受ける.
・ IT の適用分野の広がりに合わせ,JTC 1 の新たな
ワークエリアが増加している.重要なワークエ
リアに対して新たな会員の参加も促しつつ,積
極的に貢献する.
・ 日本提案による国際標準化を推進する.
・ 国際会議の日本での開催を積極的に進める.
(2) 健全な情報規格調査会の運営の維持
・ 厳しい経済状況の中,運営の更なる効率化を目
指し,そのために国際標準化や各種委員会の活
動戦略を検討し, 活動の枠組み見直しを進める.
・ 国際標準化活動への参加・貢献の割合をできる
限り維持する.
・ 規格賛助員の国際活動への積極的参加を促し,
より多くの貢献を行えるようにすることを目指
す.
・ 新たに設けられた標準化担当理事を頂点とした
運営体制の強化を図る.
(3) 規程類の見直し
・ 情報処理学会の一般社団法人化に対応し,学会
の規程と情報規格調査会の規程の整合性の向上
を目指す.
・ 情報規格調査会の規程の見直しを行い,分かり
やすさ,透明性の向上を目指す.
(4) 賛助員活動の充実
・ 規格賛助会員に向けて話題となっている技術や
今後の新しい分野に関してセミナーを企画する.
3. 情報規格調査会 6 号委員改選
規格賛助員 46 社に推薦を依頼.20 社から延べ 82
社の推薦があり推薦の多かった 5 社を選定の上これ
らの各社から以下の 6 号委員候補者を推薦いただき
承認された.
ブンチュセン(NTT ドコモ)
,出井克人
(キヤノン),
本堂恵利子(KDDI)日比慶一(シャープ)
,藤田公一
(パナソニック)
これに伴い次の方々は 6 号委員を退任された.任期
中のご貢献に感謝の意を表したい.
横塚志行(NTT データ)
,山内健史(沖電気工業)
,
成井良久(ソニー)
,仲谷文雄(富士ゼロックス)
,宮
下 隆明 (㈱リコー)
4. 情報規格調査会規程の変更
一般社団法人への移行に伴い必要となる変更等を
提案し,提案通り承認された.主な変更点は次の 2 点.
(1) 規程第 5 条
情報規格調査会委員長には情報処理学会の標準化
担当理事が就任することとし,また,理事の任期に合
わせて委員長の任期も 2 年とし重任 3 回可とした.
(2) 規程 13 条
規格総会の開催時期を 5 月とし学会の総会の前と
することとした.
5. 役員の改選
上記「情報規格調査会規程の変更」の承認を受け
2011 年度から 2013 年度まで下記の者が委員長に就任
した.
委員長 大蒔和仁(東洋大学)
なお,学会財務担当理事による当調査会担当理事の交
替があり,以下の通り紹介された.
退任:西直樹(NEC)
新任:山室雅司(NTT)
<2011 年度 標準化功績賞および貢献賞の表彰>
標準化功績賞は,長年にわたり情報規格調査会委員および所属委員会委員として,多大な功績があった方々
の中から選ばれます.また,標準化貢献賞は,最近の数年間において,所属委員会委員として,顕著な貢献の
あった方々の中から選ばれます.
なお,本学会情報規格調査会規程により,2011 年度は 2011 年 7 月 11 日に開催された第 26 回規格総会で,受
賞者に表彰状が授与されました.
標準化功績賞
木戸 彰夫
氏(日本アイ・ビー・エム(株))
木戸氏は,2006 年から 2010 年までの 5 年にわたり規格役員を務められ,技術担当と
して技術委員会の運営に関与され,また,広報委員長として情報規格調査会の活動の普
及啓発に尽力されました.さらに,JTC 1 の専門業務用指針を議論する SWG-Directives
には早期から参加し,JTC 1 Supplement への移行に積極的に参画し ISO/IEC との整合化
にも大きな業績をあげられました.また SC 22(Programming languages, their Environments
and System Software Interfaces)等の言語関係の活動でもオープンソースの国際標準への
道を開くなど多くの功績をあげられました.
寳木 和夫
氏(日立製作所(株))
寳木氏は 1986 年から現在までの 25 年の長きにわたり,SC 27(IT Security techniques)
の前身の SC 20(Data Cryptographic Techniques)の頃から情報セキュリティ分野の標準化
活動に貢献されてきました.また,2003 年 4 月からは SC 27 専門委員会(セキュリティ
技術)委員長を務められ,国内委員会のとりまとめと日本代表団長として国際対応に多
大な貢献をされてきました.さらに,2009 年 6 月からは SC 27/WG 5 小委員会(アイデ
ンティティ管理とプライバシー技術)の主査を兼任され,プライバシーの分野での日本
の対応や寄書作成に大いに貢献されてきました.
向井 幹雄
氏(元 ソニー(株))
向井氏は,2002 年から 9 年にわたり SC 37 専門委員会(バイオメトリクス)幹事を務め,
バイオメトリックスの標準化活動に貢献しました.また,2003 年からは SC 6 専門委員会
( 通 信 と シ ス テ ム 間 の 情 報 交 換 ) へ も 委 員 と し て 参 加 さ れ , NFC ( Near Field
Communication)シリーズ規格の標準化活動において活躍されました.さらに,国際の場
においては SC 6(Telecommunications and information exchange between systems)と SC 17
(Cards and personal identification)のハーモナイゼーションを推進するため,SC 6/WG 1
(Physical and data link layers)のコンビーナを務められ,その推進にあたり大きな貢献を
されました.
標準化貢献賞
岡崎 靖子
氏(日本アイ・ビー・エム(株))
岡崎氏は,1998 年から現在に至るまで SC 7/WG10 小
委員会(プロセス評価)の委員,2002 年からは同委
員会の幹事を務められ,その間 ISO/IEC TR 15504-7
( Process assessment -- Part 7: Assessment of
organizational maturity)のプロジェクトエディタ,
ISO/IEC 15504 シリーズを ISO/IEC 33000 シリーズに
再編成するための国際スタディグループへの参加お
よびシリーズ全体の概念と用語を定義する ISO/IEC
33001(Process assessment - Concepts and terminology)
のプロジェクトエディタも兼任され,プロセスアセス
メントの規格化・普及に多大な貢献をされました.ま
た,SC 7/WG 10 および WG 20 小委員会(ソフトウェ
ア及びシステム知識体系とプロフェッショナル形成)
の委員として,ソフトウェア及びシステム知識体系の
標準化にもご尽力頂きました.
梶原 清彦
SC 25 ( Interconnection of information technology
equipment)の標準化活動に多大な貢献をされてきま
した.
新崎 卓
氏((株)富士通研究所)
新崎氏は,2003 年から現在まで SC 37 専門委員会(バ
イオメトリクス)委員,SC 37/WG 3 小委員会幹事お
よび主査として,バイオメトリックデータ相互交換フ
ォーマットの標準化活動において国内外で多大な貢
献をされました.特に 2006 年からは主査として様々
な技術範囲の国内意見の調整に献身的に努力される
とともに積極的な提案活動を通じ,規格開発の推進及
び日本の地位向上に努められました.また,「指紋ス
ケルトンフォーマット規格および適合性規格」
(ISO/IEC 19794-8 29109-8)の開発においてプロジェ
クトエディタに就任され国際委員会での日本のプレ
ゼンス向上に大きな功績を残されました.
氏(日本電信電話(株))
梶原氏は,1998 年から現在までの 13 年の長きにわた
り,SC 7/WG 19 小委員会(IT システムの仕様化技術)
の委員幹事を経て主査としてソフトウェア仕様化技
術等の標準化活動に尽力されました.また,2009 年
に新設された.SC 7/WG 4 小委員会(ツールと CASE
環境)では幹事として活躍されております.この間
CASE データ交換形式の 1 つの規格をプロジェクトエ
ディタとして完成されました.また,2001 年の名古
屋,2010 年の新潟での SC 7 総会および WGs 会議の
事務局を務められました.
木村 修 氏(富士通(株))
木村氏は,1997 年から現在までの 14 年の長きにわた
り,SC 25/WG 4 小委員会(計算機システム及び周辺
機器間の相互接続)委員として活躍されました.近年
注目されているインターネットクラウドやデータセ
ンタ環境の実現に不可欠な SCSI(Small Computer
System Interface)や AT/ATAPI(AT Attachment)等の
ストレージ系インターフェース規格の審議において
ストレージ技術の専門家として,これまで 100 件以上
もの規格文書に対し的確な回答修正提案をするなど
竹田 栄作
協会)
氏(一般財団法人日本情報経済社会推進
竹田氏は,2003 年から現在まで SC 27/WG 1 小委員会
委員として情報セキュリティマネジメントシステム
の標準化活動において大きく貢献されました.特に
ISMS 認証機関への要求規格である ISO/IEC 27006
( Security techniques -- Requirements for bodies
providing audit and certification of information security
management systems)の策定においては,その立ち上
げから参画し大部分の寄書を策定し,改訂にあたって
はコプロジェクトエディタの役割を担当し,原案の策
定を行い DIS からのスタートを実現されました.さら
に,現在策定中の ISMS 監査の指針 ISO/IEC 27007
( Security techniques -- Guidelines for information
security management systems auditing)に関してはラポ
ータとして立ち上げから参加し,原案の本文および
Annex の大部分について策定を行い国際規格開発に
貢献されました.
戸部 美春
氏(NTT アドバンステクノロジ(株))
戸部氏は,1991 年以降 SC21/WG 4(OSI 管理)およ
び WG 8 小委員会(OSI 上位層)と SC 6 ディレクト
リ SG の幹事として,2010 年からは SC 6/WG 8 小委
員会の主査として約 20 年の長きにわたりディレクト
リ及び ASN1(抽象構文記法 1)に関する標準化活動
に尽力されました.
その間 ISO/IEC 9594(Open Systems
Interconnection -- The Directory)シリーズ(ITU-T 勧告
X.500 シリーズ)ディレクトリ機能拡張のための 5 回
の標準改定や ISO/IEC 8824(Abstract Syntax Notation
One (ASN.1))および 8825(ASN.1 encoding rules)シ
リーズ(ITU-T 勧告 X.690 シリーズ)ASN1 機能拡張
のための 5 回の標準改定に大きく貢献されました.
橋本 惠二
氏(東京国際大学)
橋本氏は,2006 年から SC 7/WG 7 小委員会(ライフ
サイクル管理)委員として活躍され,2008 年 5 月か
ら ISO/IEC 29148(要求工学プロジェクト)のプロジ
ェクトエディタを引き受け 以降同標準の国際標準化
(2011 年発行予定)に貢献されてきました.また,
ユーザを含め産業界からの知見を集め同標準への日
本提案反映に多大な貢献をされました.同標準は要求
定義においてソフトウェアの機能要件だけでなく,品
質要件や運用利用要件などビジネス上重要な観点の
要求定義も作り込むプロセスを規定し,日本の実務者
から大きな期待が寄せられています.
三村 昌弘
氏((株)日立製作所)
三村氏は,2003 年から現在まで SC 37 専門委員会(バ
イオメトリクス)の委員,SC 37/WG 5 小委員会(バ
イオメトリック技術の試験及び報告)の委員および幹
事として,性能評価と報告方法の標準化において国内
外で多大な貢献をされました.特に,バイオメトリッ
ク技術の試験及び報告方法の国際標準の原案となっ
た標準報告(指紋認証システムの精度評価方法)を世
界に先駆けて取りまとめ,更にバイオメトリック技術
の新分野であるセキュリティ評価規格に関し,SC 27
(IT Security techniques)および SC 37(Biometrics)の
境界領域で尽力されました.その結果,コエディタと
して ISO/IEC 19792(Security techniques -- Security
evaluation of biometrics)をまとめるなど,ニーズを先
取りした規格提案に著しい貢献をされ,国際委員会で
の日本のプレゼンス向上に大きな功績を残されまし
た.
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<編集後記>
節電の夏.東京電力管内では大口電力の需要家に対
して,電力使用量 15%削減が義務付けられ,我々の
生活も変わった.寒いくらいの冷房,煌々と光る広告,
無人で動いているエスカレーターなどは見直され,本
当に必要なものだけになった.いままでの常識が非常
識になり,早めの出退社,一斉休暇,暗い廊下,28℃
のオフィスが普通になった.そんな節電環境の中でも
仕事量の 15%削減は許されないようだ.
さて,今号では,いつもの国際会議報告に加え,第
26 回規格総会報告を掲載した.まず,標準化功績賞
および貢献賞を受賞された皆様の活動に敬意を表し,
心よりお祝い申し上げたい.そして,情報規格調査会
が一般社団法人へ移行することに伴う規約の変更が
承認され,今後,情報処理学会との連携や財政改善施
策などの運営の変化や改革が大いに期待されるとこ
ろだ.
国際標準に Systematic Review があるように,我々
の活動も定期的な見直しが必要だ.過去に決めたこと
がいつまでも正しいとは限らない.国際標準は 5 年見
直しが行われ,Confirmed,Revised,Stabilized,
Withdrawn のどれかに決められる.時代にそぐわなく
なったものは消え,改訂され,必要なものだけが残っ
ていく.
周りの環境に対応して,変化できるものだけが生き
残れることくらいわかっているが,また今日も同じ行
動をしている自分に気づく.この仕事に就いて 5 年.
さぁ,自分も Systematic Review の時期である.
(YN 記)
発
行
人
一般社団法人 情 報 処 理 学 会
情報規格調査会
広報委員会
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