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村田 正幸 - NICT

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村田 正幸 - NICT
http://cinet.jp
2012.10.26
特別顧問
小川 誠二
村田 正幸
わかりのメカニズムの解析とその脳生理学的理解及びその応用
NICT 未来ICT研究所
脳情報通信研究室
主任研究員
村田 勉
感覚から入る情報が不足していても、脳は意味を抽出し、認
識を柔軟に行います。不足した情報を補完する創造的認識の
脳内メカニズムを、神経の情報コーディングと自発活動の観
点から解明し、意味のあるソリューションを自律的に創造す
る知的情報システムの概念設計につなげていきます。
累積度数
脳温度理論
v = 1/t = C exp (- M/S )
M:隠し絵の難度(定量的に決定できる)
S:脳の認知的温度=ひらめき力
v : ひらめき速度、t:ひらめき所要時間
log
(探索時間/s)
社会行動の脳情報科学的理解とその応用
NICT 未来ICT研究所
脳情報通信研究室
主任研究員
春野 雅彦
社会行動の個人差
どれ選ぶ?
ヒトが他者と関わる時、そのやり方には大きな個人差が見られま
す。私達のグループではヒトが社会行動をする際に脳活動を
様々な方法で計測し、個人差に関係する脳のメカニズムを研究し
ています。そこで得られた知見を応用し、各人に適したストレスの
ない創造的なコミュニケーション環境の提供が目標です。
脳活動
脳構造
社会行動の
モデル
遺伝子
Self
(yen)
Other
(yen)
1
100
100
2
110
60
3
100
20
人の視覚システムはなぜうまく働く
大阪大学大学院
生命機能研究科
教 授
藤田 一郎
日常のコミュニケーションやふるまいにおいて、視覚は五感の
中でもとりわけ大きな役目を果たしています。私たちが感じる、
色・形・動き・奥行き・質感に満ちた視覚世界は、脳が作り出し
たものです。
「ものが見える」というこの奇跡を、目で捉えた光
の情報をどう加工することで実現しているかを探ります。
知覚を支える脳内情報表現と情報ネットワーク
大阪大学大学院
生命機能研究科
教 授
大澤 五住
脳の中でも特に高度に発達した視覚系は、ヒトにとって非常
に重要で、かつ大量の情報処理をとてもしなやかに行ってい
ます。最新の工学的手法と計測技術を駆使して、個々の神経
細胞が伝える形や奥 行きの情 報から、さらに複雑なネット
ワークが全体として担う機能を研究しています。
コミュニケーションのための脳内ネットワークの解明
大阪大学大学院
生命機能研究科
教 授
北澤 茂
人と人のコミュニケーションは脳の様々な領域間の情報通信
に支えられています。われわれは、心理物理から脳活動計測、
臨床研究まで幅広い手法を使って、コミュニケーションを支え
る脳内ネットワークのダイナミックな情報処理機構の解明を
目指します。
ワーキングメモリと認知の脳内機構の解明
大阪大学大学院
人間科学研究科
教 授
苧阪 満里子
ワーキングメモリは、目標に向けて必要な情報を一時的に保持す
る機能です。fMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いて、人間の
ワーキングメモリとその脳内機構を、特に個人差の視点から解明
します。また、ワーキングメモリの脳内ネットワークに及ぼす情動、
自己モニタリング、自己意識等の影響についても研究しています。
Working memory network
Posterior Parietal Cortex
Anterior Cingulate Cortex
PreFrontal Cortex
(Osaka et al., 2003, 2004, 2007)
多感覚認知の脳機能メカニズムの解明と高質なコミュニケーションの創出
NICTユニバーサル
コミュニケーション研究所
多感覚・評価研究室
室 長
安藤 広志
脳は、視覚、聴覚、体性感覚、嗅覚といった多感覚の情報を素早く
分析・統合し、刻々と変化する外界の状況を的確に把握しています。
このような脳の高度な知覚認知メカニズムを明らかにし、人の感
覚・感性を脳活動から定量的に推定する技術を開発することによ
り、人にとって快適で心地よい情報通信の実現を目指しています。
村田 正幸
認知・運動の仕組みの解明と
ブレイン・マシン・インタフェースへの応用
先進国の中でも突出して長寿命化、少
が直面する社会構造上の課題を解決す
子 高 齢 化 して い る 日 本 に お い て は 、
る鍵を握ってい ると言っても過言 では
2012年現在 脳卒中により、コミュニケ
ありません。更に一歩 進めれば、ある脳
ーションと運動能力に何らかのトラブル
か ら 情 報 を デ コ ー ディング( 解 読・抽
が残る方は110万人にのぼると言われて
出)し、他の脳にその情 報をエンコーデ
います。また精神疾患などを原因として、
ィング(符号化・働きかけ)する、脳 ̶ 脳
年間の自殺者数が3万人にも達していま
ダイレクト通信と言った、これまでどん
す。それらの理由から、障害者と高齢者
な生物も経験していない、全く新しいコ
の介護 者は、2030 年には我が国の労
ミュニケーションも可能 に なるか も知
働人口の1/3を占めるとも推計されてい
れません。
ます。こうした少子高齢社会においては、
また、脳情報を客観的、定量的、大量に
様々なシーンにおいて人間の活動を支援
符号化し、それを用いて、脳内の情報表
NICT 未来ICT研究所
脳情報通信研究室 副室長
今水 寛
未来型情報通信技術により神経機能を代行する−
出力型BMI
脳の信号を解読して外部装置をコントロー
現を操作することは、これまで時間相関
ア)が重要になりつつあります。
に頼るだけであったシステム神経科学を、
その一つとして、脳神経科学を応用し
因果 律を実験的に証明できるという意
福祉、情報通信の変革を目指すBMI技術
た高度なヒューマンケアを実現する「ブレ
味で 、革 新する可能 性を秘 めています 。
の研究開発には、脳神経科学、生物物理、
イン・マシン・インタフェース(BMI)」の開
操作性、定量性、大 規 模性は新しいシス
情報工学、計測の各分野における、極め
発が強く求められています。例えば、脳信
テム神経科学の進むべき方向を表す標
て有機的かつ複合的な連携が必要であ
号で制御することができる単純作業ロボ
語 であり 、そ れを技 術 的 に支 えるのが 、
り、
「 脳情報通信融合研究」は、そのため
ット、お手伝いロボット、介護用ロボット
BMIなのです。これら、神経科学と医療・
の重要かつ革命的な第一歩といえます。
で、快適な日常生活をサポートすることが
NICT 未来ICT研究所
脳情報通信研究室 研究マネージャー
内藤 栄一
脳活動から指の動きを滑らかに再現する
技術。左は3次元的に示した図,右は2次
元平面に投 影した図(赤:脳 活動から再
現,青:実際の動き)
する技術製品やサービス(ヒューマンケ
などを活用したサービスを提供すること
脳内の情報を、
コンピュータが利用できるよ
うな形で抽出する技術は、
ブレイン・マシン・
インタフェースにとって重要な基礎技術で
す。私たちは、認知や運動に関係する情報
が、脳内のどこに、
どのような形で、いつ存
在するかを調べ、それを短時間で効率的に
抽出する技術の開発を行います。抽出した
情報を利用して、
コンピュータやロボットを
リアルタイムで操作することや、人間自身の
認知能力を向上させることに応用します。
環境適応能力向上のための脳機能促進手法と
BMIの開発
ルし、
ヒトの神経機能を代行するシステム
を開発します。
これにより、意思伝達や身体
運動が大きく障害された方でも
「考えただ
けで文字が書ける、言葉が出る」、
「 考えた
だけでコンピュータやロボットを操作でき
る」
こととなり、
自立して創造的な生活を送
大阪大学大学院
るこ と が
医学系研究科 教授
ワイヤレスBMIシステム
頭蓋内電極
可 能とな
吉峰 俊樹
LSI・ケーシング
ヤレス
ります。未 ワイ
通信システム
body area network
来型情報通信・解読技術に支えら
analog LSI amplifier
れた出力型BMIを世界に先駆け 埋め込み型
送信器・電源
て実用化し、介護、福祉に役立て
外部装置
・ コンピュータ
る研究です。
・ ロボット
未来型人工感覚器の開発̶入力型BMI
大阪大学大学院医学系研究科
感覚機能形成学 教授
不二門 尚
感覚系のBMIとして、欧米の方式に比べ安
全性が高い、本邦独自の方式による人工網
膜の開発に取り組んでいます(図1)。全盲
の患者さんが、箸箱程度の物を探して場所
を同定することができました
(図2)
。
今後電
極数を増やして、読書および歩行ができる
ようにすることが目標です。人工網膜によ
る物体認識の中枢機構を解明し、効率のよ
い電極刺激システムの開発、および視覚リ
ハビリテーション法の開発を行います。
デコーダー
刺激電極
視覚リハビリテーション
受信コイル
・ 電化機器
できます。
健康で能動的な人生を全うするという願
いは人類共通であり、高齢化社会において
一層強まることが予想されます。近年の脳
科学の進展は、人間の多様な行動を支援
しうる最新技術の提供を可能にしつつあ
ります。本プロジェクトでは、脳の可塑性
を安全に誘導して人間の脳機能を促進す
る試み、BMIを応用して人間の行動範囲を
拡張する試み、さらにはロボットを通じて
人間の環境適応能力を向上させる試みな
どを遂行し、これらに伴う自己意識や身体
性の変容にも着目しながら、最新の脳機
能計測技術でその神経基盤に迫ります。
図1
図2
またICTの高度化に伴い、より臨場感
溢れた、快 適な情 報 通信環 境の実現が
求 められて います 。B M I 技 術とヒト型
痛みと忌避学習システムの神経論的研究
痛みと忌避学習システムの計算論的神経
ロボット技術を組み合わせることで、い
BMI基盤技術の高度化による新しい脳科学の開拓
と臨床応用実現 BMI基盤技術の高度化により、①新しい脳科
科学、行動神経科学に取り組んでいます。
学の開拓と②低侵襲BMIの臨床応用の実現
つでもどこでも目の前で話をし、握手で
本研究では、痛みの知覚から行動に至るプ
を目指します。基盤技術としては、
きるように感じられる快 適性の高い未
ロセスを理解するため、脳内の情報処理過
來 型コミュニケーション技 術を開 発で
程のモデル化を行い(理論構築)、得られた
(A) 超多チャネルBMIシステムの実現(高密度電
極と信号処理チップの分散配置)
きると考えています。この技術の基礎と
なる非 侵 襲 型 B M Iとヒト型ロボットは、
我が国が世界的に見ても進 んでいる先
NICT 未来ICT研究所
脳情報通信研究室
特別招へい研究員
Ben Seymour
(B) 体外への通信機能の高度化
理論をfMRIなどの装置を用いた実験に
よって実証していきます。
研究に含まれる領域
端技術分野であり、これらの基礎となる
・ 嫌悪刺激の予測・制御の強化学習モデル(古典的
条件付けとオペラント条件付け)
脳の動作原理に関する研究は、我が国
・痛覚及び痛覚変調のモデル化
・痛みの神経経済学モデルと社会モデル
・慢性痛のためのBMI開発
・人工システムやサイバネティク・システムにおける
痛みと忌避
(C) 薬液入出力機能を備えた神経プローブの開発
NICT 未来ICT研究所
脳情報通信研究室
主任研究員
鈴木 隆文
(D) 高い生体親和性により長期間安全に安定し
た信号入出力が可能な神経電極の開発
(E)フィードバック機能を備えたBMIシステムの
開発
( F) 神経 信号のデコーディン
グ技 術の高度化
を、
センター内外のグループ
と連携して推進します。
新たなパラメーターで脳を探る磁気共鳴法の開発
磁気共鳴法は、非侵襲的に分子・細胞レベルの情報
から統合的な個体レベルの情報まで得ることがで
きるユニークな手法です。私たちは、ヒト用3.0T、
7.0Tと動物用11.7Tの高性能の磁気共鳴装置を活
用し、既存の画像法や、BOLD、拡散、代謝等の測
大阪大学
免疫学フロンティア研究センター
特任教授
吉岡 芳親
定・解析技術の高性能化と共に、分子レベルから個
体レベルまでの新たなパラメーターを導入し、更に
詳細な脳機能の解明に繋がる技術開発を行います。
高磁場MRIの脳機能計測技術の
高度・高精度化、新規計測手法の開発
高空間分解能で脳活動を計測できる非侵襲的脳機能計測法であ
るfMRI(機能的磁気共鳴画像法)
は脳科学や神経科学、心理学、認
知工学で広く応用されています。私たちは複雑な脳情報処理ネット
ワークの働きを詳細に見るため、fMRIの計測信号の改善とともに、
NICT 未来ICT研究所
脳情報通信研究室
主任研究員
劉 国相
従来の非侵襲的脳機能計測法では計測困難であった脳活動を観
察する新たなMRI計測方法を開発しています。
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