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リスクアセスメント

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リスクアセスメント
環境工学 NNoo..44 リスク 人間の行動や放出した物質が、人間の健康
(健康リスク)や自然界の生態系(環境リス
ク、生態系リスク)に悪い影響を及ぼす現象
とその可能性 健康リスク�
ダイオキシンやベンゼンによってガン
が発症する 生活者や労働者がどの程度ダイオキシン
に暴露する可能性があるのか 環境リスク�
高速道路の建設によってキツネが絶滅
する キツネの生活や生殖活動にどのような影
響を及ぼす可能性があるのか 健康リスクの重視の風潮 健康リスクを限り無くゼロにしようとすると・・・
(命はお金で買えない!!)
・莫大な資金やエネルギーが必要になる
・生態系への被害(環境リスクの増大)
・他の健康リスクを増大させる 一つの健康リスクに注目するのでなく、関連した
リスクを定量的に評価して(リスクアセスメン
ト)、それぞれの総和が最小になるようにしなけ
ればならない(リスクマネージメント)。 リスクの低減 人間活動によって発生する
『好ましくない結果』と『それが発生する確率』
リスクアセスメント 科学的な知見によってリスクを客観的に評価・予測する リスクマネージメント 11)環境への影響を予測・評価して政策的判断の根拠にする 22)環境汚染要因に対する政策や取り組みの優先順位を
決定する 33)各分野の対策を横断して、効率的、整合的に環境リスク 低減の戦略を立てる リスク管理の枠組み ・農産物の収量が増える
・安定供給が可能になり、価格が下がる
・生産時の労力が低減できる ・少なからず人への健康被害が懸念される
・自然生態系への影響が懸念される
・難分解性の農薬や殺虫剤は生物濃縮が進行する リスクマネージメントの基本 ・リスクゼロの社会、生活は絶対にあり得ない
・リスクの総和を小さくするために施策の
優先順位をつける(議論の基礎資料とする)
・リスクを減らすために必要な費用や
エネルギーを考慮する
・リスクとベネフィットとのバランスを
考慮する
・「人間の健康」と「自然生態系」の保全を
勘案する
・「現役世代」と「将来世代」の世代間の
対立を考慮する 多く存在するリスクの比較方法 ・ダイオキシンによる発癌リスク
・喫煙による発癌、心臓疾患によるリスク
・発癌性のない有機リン剤による中毒リスク このようなリスクをバラバラに評価すると対策
政策の優先順位は付けられない これらリスクでどうしても避けたいこと(これをエンドポ
イントと呼ぶ)の発生確率でそれぞれのリスクの大きさを
格付けする。 エンドポイント=人の死=損失余命 余命短縮のことで、ある事象に暴露することによって死亡す
る年齢が早まることを意味した指標 リスクコミュニケーション リスクを正しく市民に伝え、議論の基本データとする マスコミは市民に受けることしか報道しない ・農薬・殺虫剤は11ggで何人の致死量となる。 ・日本の母親の母乳はベトナムの母親の 1100倍のダイオキシンで汚染されている。 ・福島原発による放射線�は広島原爆の115500倍 日常生活のリスクは無視される傾向�にある ・煙草一本の喫煙によるリスクは?
・500mL飲んだら死ぬ醤油にお刺身を漬けて
食べるリスクは?
・運動不足、野菜不足や肥満によるリスクは?
・妊婦の化粧品によるリスクは? PPRRTTRR法 平成1111年77月 (PPoolllluuttaanntt RReelleeaassee aanndd TTrraannssffeerr RReeggiisstteerr: 環境汚染物質排出移動登録) 有害性のある多種多様な化学物質が、どのような発生源
から、どれくらい環境中に排出されたか、あるいは廃棄�物
に含まれて事業所の外に運び出されたかというデータを把
握し、集計し、公表する仕組み 対象となる化学物質は、人の健康や生態系に有害なお
それがあるなどの性質を有するもので、環境中にどれく
らい存在しているかによって「第一種指定化学物質」
((335544種))と「第二種指定化学物質」の2つに区分 業種、従業員数、対象化学物質の年間取扱量で一定の条
件に合致する事業者((主に製造業))が、環境中への排出量及び
廃棄�物としての移動量についての届出を義務付けらる 世界の化学物質排出管理制度 経済協力開発機構((OOEECCDD))による勧告 PPRRTTRRにおける情報の共有 人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質
が、どこから、どれだけ排出されているかを社会全
体で情報共有することで、化学物質の排出量の削減
や化学物質による環境リスクを減らす。 PPRRTTRRの基本構造 排出量の把握、削減 種類、排出源、排出
量を具体的に知る 対策の必要性や優先
順位を検討 ある化学物質が人の健康や動植物の生息もしくは生育にどの程度の影響を
及ぼすおそれがあるかについては、排出量の大小だけでは判断できない。 ①化学物質の有害性の程度(有害性) ②その化学物質が環境中にどのように分布しているのか(環境中の濃度) ③環境中から人や動植物にどれくらい取り込まれるのか(暴露量) などの情報を総合的に検討する 
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