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今後のIT政策の進め方について

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今後のIT政策の進め方について
資料5
今後のIT政策の進め方について
平成18年12月18日
今後のIT政策の進め方[視点]
1.これまで、「IT新改革戦略」に基づき、2010年に
「いつでも、どこでも、誰でも ITの恩恵を実感できる社会
の実現」という目標に向け、①構造改革による飛躍、②利用
者・生活者重視、③国際貢献・国際競争力強化という理念の
もと重点計画ー2006の策定等の取組を進めてきた。
今後、戦略を一層推進するために、どのような点に政策の
重点を置くべきか。また、新たに取り組むべき分野はあるか。
2.安倍内閣では、①活力に満ちたオープンな経済社会の構築
(イノベーションの創造、高速インターネット基盤をフル活用した生産性の
大幅な向上、テレワーク人口の倍増等)、②健全で安心できる社会の
実現(レセプトの電子化等による医療費適正化等)等を目標に掲げている。
IT戦略本部としてはどのように対応し、政府における役割
を担っていくべきか。
1
IT戦略本部における当面の検討事項[案](1/2)
2010年を目指した様々な利活用分野における漸進的なイノベーションも含め、IT
による、経済発展の推進、国民が質的な豊かさを実感できる「健全で安心できる社会」の
実現、更には将来のための創造的発展基盤の整備等が重要である。
このように、構造改革の推進を超えて、社会経済における新たな価値の創出等の更なる
発展・飛躍を目指してIT戦略の重点化あるいは加速等を図るために、政策のパッケージ
を平成18年度末を目途に策定する。
具体的には、
① 行政や企業における効率性・生産性向上、新価値の創出等の推進、
② 国民が質的な豊かさを実感できる「健全で安心できる社会」の実現、
③ 将来のための創造的発展基盤の整備、
等の観点から我が国の更なる発展・飛躍に資するため、政策の推進(IT新改革戦略の
重点化あるいは加速等)の方向性を取りまとめた政策のパッケージを策定する。
重点計画-2007は、平成19年度に本方向性を踏まえて策定する。
2
IT戦略本部における当面の検討事項[案] (2/2)
国民に分かりやすく、国民がITの恩恵を実感できる重点的な取組の推進
より強力なActionを起こすため、政策パッケージにおいて以下のような分野で
重点的な取組を特定し、IT戦略本部が主導して強力に推進する。
戦略本部が主導して強力に推進
【分野候補】
①
効率性・生産性向上、新価値の創出等の推進
・ 電子行政について、利用者からの視点を重視した全体最適、認証基盤の普及等、抜本的な改善を進めるべき。
・ IT経営や情報の戦略的活用等により企業の生産性を向上させ、活力ある経済社会の構築を目指すべき。
②
健全で安心できる社会の実現
・ 診療報酬体系の簡素化等によるレセプトのオンライン化の効果の最大化、生涯を通じた自らの健康管理等を目指すべき。
・ 国民が自らの健康情報、年金情報等を迅速かつ確実に確認・管理できる仕組みを構築すべき。
・ 国民が安心してITを使える環境の整備、またITにより全ての国民が安心して暮らせる社会の構築への取組を強化すべき。
・ テレワークの推進に向けたインフラ構築や制度整備を進めるべき。
③
創造的発展基盤の整備
・ 世界のIT社会において中心的な役割を担い、我が国の競争力強化につながるインフラ、制度等の整備を進めるべき。
「国民一人ひとりがITの恩恵を実感できる社会」の早期実現
「国民一人ひとりがITの恩恵を実感できる社会」の早期実現
テレワークによる
テレワークによる
仕事と育児の両立
仕事と育児の両立
世界最高水準の
高速インターネット基盤
自らの健康情報、年金情報等に
自らの健康情報、年金情報等に
自由にアクセス
自由にアクセス
3
IT戦略本部の今後の進め方[案]
12月
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
●第39回IT戦略本部
・今後のIT政策の進め方
・評価の取組状況
※本部、有識者会合等
における検討
・政策の
パッケージ
の策定
●IT戦略本部
・政策のパッケージのとりまとめ
・年度評価報告
※本部、有識者会合等
における検討
・重点計画ー
2007の策定
IT新改革戦略
評価専門調査会
●IT戦略本部
「重点計画ー
2007」の決定
中間報告
年度報告
【その他の政策会議】
●「新中期方針」の策定
経済財政諮問会議
イノベーション25
戦略会議
●「2025年に目指すべき
社会のかたちとイノベーション」
のとりまとめ
●「基本方針2007」
の策定
●実現のための戦略的
ロードマップの作成
4
4
(参考1) 有識者本部員等から出された主な意見(1/3)
1.今後のIT政策の重要分野について
①
②
行政や企業における効率性・生産性向上、新価値の創出等の推進
○
電子政府、医療等は、政府全体を引っ張るリーダーシップがないと実現できず、
IT戦略本部において強力にリーダーシップを発揮して推進することが重要。
○
国民がITの恩恵を実感できる社会の実現のために自治体の果たす役割は大きいた
め、電子自治体やユビキタスコミュニティの推進に向けて、さらなる取組を進めるべ
き。
○
我が国があらゆる分野で活力ある社会へと成長を遂げるには、更なる生産性の向上
に向け、ITの徹底的な活用が重要。
○
大企業と中小企業の間のプラットフォームを構築する等により、「ものづくり力」
を更にITを活用して強固にするための政策支援を図るべき。
国民が質的な豊かさを実感できる「健全で安心できる社会」の実現
○
ITを活用して、国民視点での医療構造改革を進めるべき。レセプトオンライン化
については、診療報酬請求業務全体の効率化につながることが必要。また、国民が生
涯を通じた医療・健康情報の活用を可能とするための仕組みづくりが重要。
○
青少年を取り巻くインターネット環境の悪化等に対応するため、ITがからんだ犯
罪から国民を守るという安全・安心の確保という視点が重要。
○
テレワークの推進は個人の労働生産性の向上に資する取組であることから、テレ
ワークの利用に向けたインフラ構築や制度整備も官民で加速度的に取り組むべき。
5
(参考1) 有識者本部員等から出された主な意見(2/3)
1.今後のIT政策の重要分野について(つづき)
③
将来のための創造的発展基盤の整備
○
モバイルウェブ、RFID、地上デジタル放送等、全ての技術が携帯電話に集約
しつつあり、携帯はブロードバンド以上のインフラになることが考えられ、技術や
マーケットの点で我が国が国際競争を勝つために重要。
○
市町村合併等で住民が不便にならないように、高齢や子育てで外出できない家庭
も含めて、いつでもどこでも誰でも使えるインフラの整備は重要。
○
制度面では、デジタル時代の知的財産、コンテンツ流通、電波はIT戦略の視点
から重要。
○
我が国をアジアのゲートウェイにするという観点から、IT戦略で何ができるか
を検討すべき。
6
(参考1) 有識者本部員等から出された主な意見(3/3)
2.今後のIT政策の進め方について
○
IT化の恩恵が国民に見えるように、医療、電子政府、IT産業の競争力強化など国
民に分かりやすい重点的なプロジェクトを選んで、IT戦略本部が主導して強力に推進
すべき。また、国民が自らの社会保障情報、行政情報に自由にアクセスでき、必要な情
報を便利かつ安心して確認・管理できる仕組みを検討すべき。
○
国民生活に近い社会福祉や環境へのITの課題解決力の活用等によりITの“光”の部
分を伸ばし、また有害サイトへのアクセス制限の普及促進等により“影”の部分へ対応す
るためには、官民が協力して“光”と“影”の課題を整理し、「健全で安心できる社会」の
実現に資するようIT政策を進めることが重要。
○
IT化に当たっては徹底した規制改革が必要なものも少なくなく、規制改革・民間開
放推進会議と密接に連携し、IT化と規制改革が同時に実現するように政策の策定、
実行を進めるべき。
○
IT戦略本部の将来の位置付けの検討が重要。
7
(参考2) ITとイノベーションについて
● イノベーションは、単なる「技術革新」にとどまらず、広く社会のシステムや制度も含めた
「革新・刷新」と考えられ、新しい製品やサービスの創出、新しい生産方法や、それらを
ユーザに届け、保守・サポートを提供する新しい仕組み等の非常に広範なものが含まれる。
● また、従来にない画期的な製品やサービスを産み出す非連続なイノベーションに対し、漸進
的なイノベーションは個々の効果は小さいが、それが社会に普及し、高度化されていく上で
重要であり、積み上げられた累積的効果は非常に大きい。
● ITは基盤技術の革新とその利用分野の技術革新の間に強い好循環が作用し、核となる技術
の革新とそれを利用した産業の多数の技術革新が補完的に進むため、その累積的な経済効果
は非常に大きい。
(出典:イノベーション・マネジメント入門ほか)
ITイノベーションと経済成長
実質GDP変動に対する情報通信産業の寄与率
IT製品の
3.0
性能向上
ITイノベーション
ムーアの法則
インターネット等
価格低下
ユーザー企業の
投資拡大
IT資本ストック
増大
2.0
(%)
2.5
1.9
1.0
1.0
1.5
1.6
0.8
0.7
0.0
0.3
0.3
0.0
0.9
0.5
-0.7
ユーザー企業
生産性上昇
-1.9
-1.0
ユーザー企業
生産性上昇
-2.0
1996
IT企業
生産性上昇
1997
0.7
0.3
0.4
-0.9
-1.6
1998 1999
2000
2001
1.3
0.7
1.0
実質GDP成長
の4割を情報通
信産業が牽引
-0.4
情報通信産業
(出典)「情報化白書2005」
2.0
1.5
0.9
経済成長
2.1
2002
その他の産業
2003
2004(年)
全産業
(出典)平成18年版「情報通信白書」
8
(参考3) IT新改革戦略(平成18年1月
本部決定)
2010年 いつでも、どこでも、誰でも ITの恩恵を実感できる社会の実現
戦略の3つの理念
構造改革による飛躍
構造改革による飛躍
利用者・生活者重視
利用者・生活者重視
国際貢献・国際競争力強化
国際貢献・国際競争力強化
戦略を推進するための政策
ITの構造改革力の追求
○ITによる医療の構造改革
○ITを駆使した環境配慮型社会
○世界に誇れる安全で安心な社会
○世界一安全な道路交通社会
○世界一便利で効率的な電子行政
○IT経営の確立による企業の競争力強化
○生涯を通じた豊かな生活
IT基盤の整備
○ユニバーサルデザイン化されたIT社会
○デジタル・ディバイドのないインフラ整備
○世界一安心できるIT社会
○世界に通用する高度IT人材の育成
○次世代を見据えた人的基盤づくり
○次世代のIT社会の基盤となる研究開発の推進
世界への発信
○国際競争社会における日本のプレゼンスの向上
○課題解決モデルの提供による国際貢献
9
(参考4) 重点計画-2006の主な施策
ITの構造改革力の追求
ITによる医療の構造改革
情報化のグランドデザインの策定
情報化のための共通基盤の整備
医療機関の医療情報連携の促進
医療・健康情報の分析・活用
レセプトオンライン化
ITを駆使した環境配慮型社会
電子マニフェスト(電子化された廃棄物管理票)の普及
IT機器のエネルギー使用量を抑制
世界に誇れる安全で安心な社会
総合的なシステムによる防災情報の共有
子どもの安全確保
世界一安全な道路交通社会
安全運転支援システムの実用化
世界一便利で効率的な電子行政
オンライン申請率50%の実現
業務・システム最適化の推進
電子行政推進体制の充実・強化
IT経営の確立による企業の競争力強化
企業経営の最適化
汎用的な共通基盤の整備
生涯を通じた豊かな生活
産学官連携によるテレワーク推進
女性の再チャレンジ支援
IT基盤の整備
ユニバーサルデザイン化されたIT社会
自律的で円滑な移動の実現
視聴覚障害者向けコンテンツの充実
デジタル・ディバイドのないインフラ整備
ワイヤレス・ブロードバンド環境の整備
インターネットによる放送番組送信のための制度整備
世界一安心できるIT社会
違法・有害情報ホットラインの開設
サイバー攻撃対応力の強化等: セキュア・ジャパン2006
高度IT人材の育成、次世代を見据えた人的基盤づくり
高度IT人材育成パッケージの作成
普通教室における教育用PC整備の充実
次世代のIT社会の基盤となる研究開発の推進
高セキュリティな次世代OS環境の実現
高性能・低消費電力デバイスの実現
世界への発信
国際競争社会における日本のプレゼンスの向上
次世代の高度情報検索技術の開発
放送番組コンテンツの活用
衛星を用いた超高速国際通信の実現
課題解決モデルの提供による国際貢献
アジアにおける多言語情報処理及びOSS基盤の整備
IT分野の戦略的・包括的な協力の推進
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