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DUCATISUPERSPORT

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DUCATISUPERSPORT
DUCum_SS8001000#04_###J.book
Page 1
Tuesday, July 1, 2003
1:15 PM
オーナーズマニュアル
DUCATISUPERSPORT
SUPERSPORT800
SUPERSPORT1000
1
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2
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Ducati モーターサイクルをお買い上げ頂き、ありがとうご
ざいました。 素晴らしい選択をなさったあなたを、ドゥ
カティストの仲間として迎えるのは、私共にとって何より
もの喜びです
新しいモーターサイクルを日常の足として使用するばか
りでなく、ロングツーリングにも使われることと思います
が、Ducati モーター・ホールディング社は、常にその走行
が快適で楽しいものであるよう願っています。
私共はアフターサービスの改善に常に努めていますが、そ
の努力の一環として、お客様にこのマニュアルに記載され
た正しい使用方法、特に慣らしの項に関して順守していた
だくようお勧めします。そうすることで、Ducati モーター
サイクルは、あなたの要求に常に応えてくれ、最高のライ
ディングがいつも楽しめることでしょう。
あらゆる修理作業や適切なアドバイスが必要な場合は、
Ducati 正規ディーラーの修理工場におまかせ下さい。他の
どこよりも Ducati を熟知したエキスパート達がいつも万
全の体制でお客様のご要望にお答え致します。
注意
Ducati モーター・ホールディング社は、このマニュ
アルの記載事項に誤りがったとしても、それに対し、いか
なる責任も負うものではありません。
Ducati モーター・ホールディング社は、この製品を改良、
発展させていくために必要とされる、あらゆる変更を行う
権利を保有します。
安全性、保証、信頼性、そして Ducati モーターサイクル
の価値の為に、Ducati 純正部品だけをご使用下さい。
楽しいライディングを!
警告
本マニュアルは車両の一部を形成するもので、車両
を譲渡する場合には、常に新しい所有者に譲渡しなければ
なりません。
3
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目次
概要 6
保証 6
安全運転上の注意 7
製造番号 9
操作系 10
操作類の位置 10
メーターパネル 11
イモビライザー・システム 14
キー 14
コードカード 15
スロットルグリップを使用してイモビライザー・エンジ
ンブロック解除の手順 16
イグニッションスイッチ / ステアリングロック 18
ハンドルバー左側スイッチ 19
クラッチレバー 20
ファーストアイドルレバー 21
ハンドルバー右側スイッチ 22
スロットルグリップ 23
フロント・ブレーキレバー 23
リアブレーキペダル 24
ギアシフトペダル 25
4
1:15 PM
ギアシフトペダルとリアブレーキペダルの位置調整 26
主要構成部品 / 装備 28
配置図 28
燃料タンクキャップ 29
シートロック / ヘルメットフック 30
サイドスタンド 31
フロントフォーク・アジャスターの調整 (SS1000) 32
リアショックアブソーバーの調整 33
リアショック・アブソーバー (SS800) 34
リアショック・アブソーバー (SS1000) 34
運転のしかた 35
慣らし運転の方法 35
走行前のチェック 36
エンジンの始動 37
モーターサイクルの発進 39
ブレーキング 40
モーターサイクルの停止 40
パーキング 41
燃料補給 42
工具セット 43
主な整備作業とメンテナンス 44
燃料タンクのリフト 47
エアフィルターの交換 48
ブレーキ / クラッチレベルのチェック 49
ブレーキパッドの摩耗チェック 51
ジョイント部の潤滑 52
スロットルケーブルの調整 53
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バッテリーの充電 54
チェーンテンションの調整 55
チェーンの潤滑 56
バルブの交換 57
ヘッドライトの光軸調整 61
タイヤ 62
エンジンオイルレベルのチェック 64
スパークプラグの清掃と交換 65
モーターサイクルの手入れ 66
長期間の保管 66
重要注意事項 66
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定期点検メモ 79
テクニカルデータ 67
全体寸法 67
重量 67
指定油脂類 68
エンジン 69
タイミング・システム 69
性能データ 70
ブレーキ 71
トランスミッション 72
フレーム 73
ホイール 73
タイヤ 73
スパークプラグ 74
サスペンション 74
エキゾーストシステム 75
カラーバリエーション 75
電装 75
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概要
保証
お客様のため、また製品の信頼性を保証するために、特に
専門的技術が要求される整備作業は、Ducati 正規ディー
ラーの修理工場にお委せ頂くよう強くお薦めします。
シンボルマークこのモーターサイクルについてより良い
理解を深めるため、当マニュアルを注意深くお読み下さ
い。
不明な点、より詳しくお知りになりたい点がある場合に
は、ご購入先の正規ディーラーにお尋ね下さい。スタッフ
からの最新の情報は、お客様の走行に役立つでしょう。
また Ducati モーター・ホールディング社は、当マニュア
ルが、快適で楽しい走行と、お客様のモーターサイクルの
素晴しい性能を長い間変わらずに保てる一助となること
を望んでいます。
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シンボルマーク
Ducati モーターホールディング社はお客様がモーターサ
イクルをより良く理解できるよう、当マニュアルを注意深
く読まれることをお薦めします。お客様のモーターサイク
ルについて、より詳しくお知りになりたい場合には、ご購
入先の正規ディーラーにお尋ね下さい。スタッフからの最
新の情報は、お客様の走行に役立つでしょう。また Ducati
モーターホールディング社は、当マニュアルが、快適で楽
しい走行と、お客様のモーターサイクルの素晴しい性能を
長い間変わらずに保てる一助となることを望んでいます。
警告
この説明を遵守しなかった場合、お客様を重度の負
傷および死亡に至らしめる危険性があります。
重要
車両ならびに車両構成部品に損傷の可能性があり
ます。
注意
作業上の追加注意事項。
文中の「右」、
「左」の表記は乗車位置から見た場合で示し
てあります。
6
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安全運転上の注意
警告
運転する前に読んで下さい。
多くの事故はしばしば不慣れなために起こります。走行す
る際は常に免許証を所持しているか確かめて下さい。免許
証は期限が有効でお客様のモーターサイクルの運転に適
したものが必要です。
お客様のモーターサイクルを未経験者、および有効免許証
を持っていないライダーに貸してはいけません。
ライダー、パッセンジャー共に常に安全ヘルメットを被ら
なければなりません。
視界を制限したり、操作の妨げになるアクセサリーや物が
ぶら下がっていない、適切なライディングウエアーを着用
して下さい。
屋内では絶対にエンジンを始動したり、作動させたりしな
いで下さい。排気ガスは有毒で意識を喪失させ、短時間の
内に死に至らしめます。
ライダー、パッセンジャー共に、モーターサイクルが動い
ている間は足をフットレストに載せていて下さい。
急な進路変更や、路面状況の変化に対処できるよう、
常に両手でしっかりとハンドルバーを保持して下さい。
パッセンジャーはシートサイドのパッセンジャー用グラ
ブバーを常に両手で保持しなければなりません。
走行地域の道交法、法律を遵守して運転して下さい。
常に指示された速度制限を厳守するとともに、視界や道路
条件、混雑の割合に合わせて、常に速度を調節して下さい。
レーンチェンジする時や曲がろうと思った時は、常に適時
にウインカーを使用して合図して下さい。
良好な視界を保ち、前方の車両の“死角”に入って走行し
ないようにして下さい。
交差点や、私有地の出口に近い場所、駐車場、高速道路へ
の進入路等を走行する場合は充分に注意して下さい。
給油時は常にエンジンを停止し、給油の際、エンジンやエ
キゾーストパイプにガソリンをこぼさないよう特に注意
してください。
給油時は絶対に、喫煙しないで下さい。
給油の際に、人体に有毒な気化したガソリンを吸い込む可
能性があります。もしもガソリンが皮膚や衣服に付着した
場合は、直ちに石鹸と水で洗浄し衣服を取り替えて下さ
い。
モーターサイクルから離れる場合は、常にキーを抜いて下
さい。
エンジン、エキゾースト・パイプ、マフラーはエンジン停
止後も長時間熱いままです。
警告
エンジン停止後も、エキゾースト システムがまだ
熱いことがありますので、エキゾースト システムに身体
の一部が触れぬよう、十分に注意して下さい。また木、葉
など可燃性物質のそばにパーキングしないで下さい。
モーターサイクルは人や物がぶつからないような場所に
サイドスタンドを使用して駐車して下さい。
平坦でないところや柔らかい地面、およびモーターサイク
ルが倒れる可能性がある場所には駐車しないで下さい。
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積み荷はモーターサイクルの中心に近く、できる限り低い
位置に配置するよう努めて下さい。
お客様のモーターサイクルは、許容最大重量の荷物を積載 積み荷はモーターサイクルにしっかりと固定して下さい。
しても、長距離を安全かつ快適に走行できるよう設計され 積み荷が完全に固定されていないとモーターサイクル転
倒の原因になります。
たものです。
モーターサイクル上にバランス良く重量を配分すること ハンドルバーやリアマッドガード、フロントフェンダー部
は通常の安全走行に必要な注意で、特に凸凹道を走行した に体積や重量のあるものを載せないで下さい。ステアリン
り、急な進路変更を必要とする時のトラブルを避けるた グの妨げになり、モーターサイクルの安定性を損ないま
す。
め、重要です。
フレームのすき間に積み荷物を挟み込まないで下さい。可
動部分の妨げになる恐れがあります。
積載容量について
走行時の全車体重量はライダー、パッセンジャー、荷物、 タイヤが、62 ページに定められた適正空気圧を保持し、
オプションパーツの重量を含んだ合計で 385 kg を超えて また良いコンディションにあることを確かめて下さい。
はなりません。
許容最大積載量
8
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製造番号
すべての Ducati モーターサイクルはフレームナンバー
(図.1) とエンジンナンバー(図. 2.1 - 2.2) の2つの製造番号
で確認できます。
フレーム N.
エンジン N.
注意
これらの番号は、お客様のモーターサイクルの型式
を識別するもので、部品を発注する際に必ずお知らせ下さ
い。
図.1
図 . 2.1
図 . 2.2
9
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操作系
1
3
6
警告
この章には、お客様がモーターサイクルを運転する上で必
要な全ての操作類の機能と配置を詳しく説明しています。
操作類を使用する前に、注意深く読んで下さい。
操作類の位置 ( 図 .3)
1) メーターパネル
2) イグニッションスイッチ / ステアリングロック
3) ハンドルバー左側スイッチ
4) クラッチレバー
5) ファーストアイドルレバー
6) ハンドルバー右側スイッチ
7) スロットルグリップ
8) フロントブレーキレバー
9) ギアシフトペダル
10)リアブレーキペダル
4
5
8
7
2
9
10
図.3
10
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メーターパネル ( 図 .4)
1) ハイビーム・ライト (青)
ハイビームが ON の時に点灯。
2) ターンインジケーター・ライト (緑)
ウインカー作動時に点灯。
3) フュエル・ワーニング・ライト (黄)
燃料タンクの燃料が約 4 リットルになった時に点灯。
4) ニュートラル・ライト N (緑)
ギアポジションがニュートラルの時に点灯。
5) エンジンオイルプレッシャー・ライト (赤)
エンジンオイル圧力が低すぎる時に点灯。イグニッショ
ンスイッチを ON にすると点灯し、通常はエンジン始動後
2 ~ 3 秒で消灯。
エンジン温度が高い時に、場合によって数秒間点灯するこ
とがありますが、回転数が上がると消灯します。
1:15 PM
7) EOBD ライト (オレンジ)
エンジンブロックが作動している時に点灯。数秒後に消
灯します ( 通常 1,8 ~ 2 秒後 )
8) スピードメーター (km/h)
速度を表示。
a) LCD (1):
‐オドメーター (km).
総走行距離を表示。
‐トリップメーター (km).
リセット後の走行距離を表示。
9) タコメーター ( × 1000)
一分間のエンジン回転数を表示。
b) LCD (2):
‐時計
‐オイル温度
重要
エンジンに重度の破損をもたらす恐れがあるので、
このインジケーターが点灯したままの時にはエンジンを
停止して下さい。
8
1
4
2
7
5
9
3
6) オレンジランプ
モーターサイクルパーキング時に点灯し点滅 ( イモビライ
ザー作動 )。イモビライザーの作動診断にも使用。
注意
イモビライザーは、パーキング後 24 時間点滅した
後に消灯します。ランプが消灯しても作動を続けます。
TOT
AMPM
TRIP
°C
°F
TOT
AMPM
TRIP
°C
°F
b
a
6
図.4
11
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デジタル LCD の機能
イグニッションキーを ON に回すと、メーターパネルはす
べての計器 ( ポインター、ディスプレィ、ライト ) のチェッ
クをします ( 図 .5 と 6 参照 )
OFF
デジタル LCD の機能 (1)
キーを ON の位置にしてボタン (B) を押すと ( 図 . 6) トリッ
プメーターとオドメーターが交互に表示されます。
トリップメーターの調整
トリップメーターの機能にある時に、ボタン (B) を 2 秒以
上押しつづけると、トリップメーターがリセットされま
す。
図.5
デジタル LCD の機能 (2)
キーを ON の位置にしてボタン (A) ( 図 .6) を押すと、時計
とオイル温度が表示されます。
CHECK
時計の調整
ボタン (A) を少なくとも 2 秒間押します。
ボタン (B) で AM/PM の調整をします。
ボタン (A) を押すと時間を調整する画面になります;ボタ
ン (B) を繰り返して押して時間を合わせます。
ボタン (A) を押すと分を調整する画面になります。
ボタン (B) を押すと分数が進みます;5 秒以上押し続ける
と分数が早く進みます。
ボタン (A) を押すと調整画面を終了します。
TOT
AMPM
TRIP
°C
°F
TOT
AMPM
TRIP
°C
°F
2
1
12
A
B
図.6
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オイル温度
オイル温度が 50 ºC/122 ºF 以下の時はディスプレィに
“LO” が表示され、170 ºC/338 ºFを越えている時には “HI”
と表示されます。
フューエルレベルランプ
燃料タンク・インジケーターが点灯するとディスプレィに
“FUEL” と表示されます。
メンテナンス・インジケーター
最初の 1000 Km (621 m) 走行後と毎 10000km (6210 m) 走
行後ごとに、キーをオンに回すとディスプレィに“MAInt”
と 5 秒の間表示され、お客様に規定のメンテナンスサービ
スの必要な時期が来たことをお知らせします。
メーターパネルライト
メーターパネルライトの明るさをを調整するには、キーを
ONのポジションにしてから5秒以内にボタン (B) (図.6)を
押し、このボタンを繰り返し押すことで調整します。
警告
メーターパネルコントロールボタンを操作する場
合は、モーターサイクルを停車してから行って下さい。決
して運転中にメーターパネルコントロールボタンを操作
しないで下さい。
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イモビライザー・システム
このモーターサイクルには電子制御でエンジンをブロッ
クする盗難防止装置 ( イモビライザー ) が搭載されていま
す。イモビライザーは、毎回エンジンを停止する毎に自動
的に作動します。
それぞれのキーの握り手には、キー本体に組み込まれた送
信機が送る電子信号を、イグニッションスイッチに組み込
まれた受信機で受信します。イグニッションキーがスイッ
チに差し込まれた時、キーに組み込まれた“パスワード”
は毎回変更され、CPU によって認識された時点でエン W
ンが始動します。
キー ( 図 .7)
お客様の Ducati モーターサイクルには、以下のキーが付
属します:
‐キー A( 赤 )1 本
‐キー B( 黒 )2 本
1:15 PM
キー A はキー B と同じ機能を持つ他、2 本の黒キーのコー
ドメモリー変更、削除の機能を併せ持っています。
注意
3 本のキーには、キーの認識番号の書かれたプレー
ト (1) が付いています。
警告
キーAとプレート (1) は別にして、安全な場所に保管
して下さい。エンジンの始動には、2 本の黒キーのうち一
本だけを使用するようにすることをお勧めします。
B
A
警告
赤いキー A にはゴムのカバーがついています。
これは、キーを完全な状態に保ち、他のキーとの接触を避
ける為の保護カバーですので、本当に必要な時以外はけっ
して取り外さないで下さい。
キー B は、通常のイグニッションキーで、下記に使用さ
れます:
‐エンジンの始動 .
‐燃料タンクキャップ .
‐シートロック .
14
1
図.7
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コードカード ( 図 .8)
キーと併せて以下のコードが記載されたコードカードが
付属します:
A) ( 図 .9) エレクトロニック・コード; key-on 後にエンジ
ンブロックが作動した場合に使用する。
警告
コードカードは安全な場所に保管して下さい。ス
ロットルグリップを使用してエンジンブロックを解除す
る 場合に備えて、コードカードに記載されたエレクトロ
ニック・コードを控えて、常に携帯されることをお勧めし
ます。
イモビライザーシステムが不具合の場合に EOBD ・オレ
ンジランプ (7, 図 . 4) で示される “ エンジンブロック ” 機
能を解除するには、下記に記された手順で行います。
システム解除には、コードカードに記載されたエレクトロ
ニック・コードがお手元にある場合にのみ実行できます。
図.8
A
図.9
15
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注意
スロットルグリップを使用してイモビライザー・エンジ
もしも定められた時間の前にスロットルグリップ
ンブロック解除の手順
1) キーをONの位置にしてスロットルグリップを十分に開 が放されたならば、警告ランプが再び点灯します。キーを
OFF に戻し、手順 (1) に戻って作業をやり直す必要があり
き、開いた状態を保ちます。
ます。
EOBD ランプは 8 秒後に消灯します。
2) EOBD ランプが消えたらスロットルグリップを放して
下さい。
3) EOBD ライトが点滅しますので、
点滅回数を数えて下さ
い。 コード番号の一番最初の数字と同じ数だけ点滅した
ら、スロットルを全開にし、その位置を 2 秒間保ってから
スロットルグリップを放して下さい。 一つの数字の入力
がこうして認識され、EOBD ランプが 4 秒間点灯します。
同様の操作をコード番号の残りの数字についても繰り
返します。 数字が入力されない場合は、EOBD ライトが
20 回点滅した後、点灯したままになります。 この場合
は作業は完了しなかったことになりますので、キーをもう
一度 OFF に戻してから、(1) からの操作をやり直して下さ
い。
4) 手順 (3) と (4) を繰り返してコード番号最後の数字まで
作業を行います。
5) もし入力されたコードが正しければ、スロットルグリッ
プを放して下さい。EOBD ランプは点滅しブロック解除を
知らせます。警告ランプは 4 秒後に消えて通常の状態に戻
ります。もしも入力されたコード番号が違っていた場合、
EOBD ランプは点灯し続け、キーを OFF に戻して手順 (1)
から回数に制限なく、作業をやり直すことが出来ます。
16
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機能
イグニッションキーを ON から OFF の位置に回すと、防
犯システムが毎回エンジンブロックを作動します。
エンジンの始動には、キーを OFF から ON の位置に回し
て下さい:
1) コードが認証されると、メーターパネルの CODE ラン
プが短時間点滅します;防犯システムがキーのコードを認
証しエンジンブロックを解除します。START ボタンを押
し続けるとエンジンが始動します;
2) もしも、CODE ランプが点灯したままの状態が続いた
場合、コードが認証されていません。この場合、キーを
OFF の位置に戻して、再度 ON の位置に回します。それで
もブロックが解除されない場合は、付属している他のキー
を使って始動して下さい。
もしこの方法でもまだブロックが解除されない場合は、
ドゥカティ・アシスタントサービスに御連絡下さい。
3) CODE ランプが点滅し続けている場合は、イモビライ
ザーシステムがリセットされたことを(例えば、スロット
ル グ リ ッ プ を 使 用 し て の デ ロ ッ ク 作 業)意 味 し ま す。
キーを OFF に戻してから、再び ON にするとイモビライ
ザーランプは通常の機能に戻ります(ポイント 1 参照)
。
1:15 PM
キーの複製
お客様が追加のキーを必要とされる場合、ドゥカティ・ア
シスタントサービスにお問い合わせになり、お手元の全て
のキーとコードカードをお持込み下さい。
ドゥカティ・アシスタントサービスは、新しいキーとお手
元のキー全てを ( 最高 8 本まで ) 再メモリーします。
ドゥカティ・アシスタントサービスは、お客様にモー ター
サイクルのオーナーである証明の提示を求める事があり
ますので、用意のため必要書類をご持参下さい。
紛失して、再メモリーに持ち込まれなかったキーはメモ
リーから削除され、無効となります。 これらでエンジン
を始動することはもうできません。
注意
モーターサイクルのオーナーが変更された場合、全
てのキーとコードカードが新オーナーに譲り渡されなけ
ればなりません。
警告
キーに激しい衝撃などを与えると、内部の電子部品
が壊れる事があります。
作業中は 1 本のキーだけを使用して下さい。作業中に違う
キーを使用すると、システムのコード認証の妨げになる場
合があります。
17
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SUPERSPORT800
A
B
O
FF
ON
C
LO
K
イグニッションスイッチ / ステアリングロック ( 図 .10.1 10.2)
燃料タンクの前に配置され、4つのポジションが選べます:
A) ON: エンジンとライトが作動中です;
B) OFF: 停止;
C) LOCK: ステアリングロック;
D) P: パーキングライト+ステアリングロック .
1:15 PM
PUS
H
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N
IO
P
NIT
IG
C
D
注意
LOCK と P. の位置にするには、キーを押してから回
して下さい。(B)、(C)、(D) の位置ではキーを引き抜くこと
ができます。
警告
このモーターサイクルには、エネルギー・セーブの
為の CPU が搭載されています。キーが ON のポジション
で放置されると、15 秒後に自動的に電源が切れます。キー
を OFF のポジションに戻してから再度 ON に回して下さ
い。
図 . 10.1
SUPERSPORT1000
A
B
FF
ON
PUS
H
O
CK
LO
N
IO
P
NIT
IG
C
D
図 . 10.2
18
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ハンドルバー左側スイッチ ( 図 .11.1 と 11.2)
ライト切り替えスイッチ、2 つのポジションがあります:
= ロービーム ON;
= ハイビーム ON.
1:15 PM
SUPERSPORT800
4
1
スイッチ = ウインカーには 3 つのポジションがあり
ます: 中央 = OFF;
= 左折;
= 右折 .
ウインカーを消すには、スイッチを中央の位置に戻してか
ら押して下さい。
3) スイッチ = 警告ホーン。
3
2
4) スイッチ = ハイビーム点滅。
図 . 11.1
SUPERSPORT1000
4
1
3
2
図 . 11.2
19
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Page 20
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クラッチレバー ( 図 .12.1 と 12.2)
レバー (1) でクラッチの接続を操作します。
この機種にはアジャスター (2) がついており、レバーとグ
リップとの間隔の調整が可能です (Supersport800 にはこ
の調整装置はありません )。クラッチレバーを引くと、エ
ンジンの回転が調整には、レバー (1) を完全に手前にし、
アジャスター (2) を 4 つあるポジションの一つにくるよう
にしまキ。それぞれのポジションは:
ポジション№ 1 は、レバーとグリップの間隔が最大で、逆
にポジション№ 4 は間隔が最小です。
レバー (1) を引くと、エンジンの回転がトランスミッショ
ンおよびリアホイールに伝わらなくなります。クラッチの
適切な操作は、スムーズなライディング、特に発進時に重
要です。
警告
クラッチ及びブレーキレバーの調整は、モーターサ
イクルが停止した状態で行います。
1:15 PM
SUPERSPORT800
1
図 . 12.1
SUPERSPORT1000
重要
クラッチレバーを正しく操作することで、トランス
ミッションのダメージを回避し、モーターサイクルの寿命
を延ばすことができます。
注意
サイドスタンドを降ろし、トランスミッションが
ニュートラルの状態でエンジンを始動させることができ
ます。 ギアが入った状態で始動する時は、クラッチレ
バーを引いて下さい。 この際サイドスタンドは上がって
いなければなりません。
20
2
1
図 . 12.2
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ファーストアイドルレバー ( 図 .13.1 と 13.2)
冷間時のエンジン始動を容易にするため、また、始動後の
アイドリング回転数を増加させるために使用します。
レバー・ポジション:
A) = 閉じ ;
B) = 全開 .
レバーの位置は、エンジンの暖機状態に合わせて調整可能
です (37 と 38 ページ参照 )。
1:15 PM
SUPERSPORT800
A
B
重要
エンジンが暖まっている時にはチョークを使用し
ないで下さい。チョークを開いたまま走行しないで下さ
い。
図 . 13.1
SUPERSPORT1000
A
B
図 . 13.2
21
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Tuesday, July 1, 2003
ハンドルバー右側スイッチ ( 図 .14.1 と 14.2)
1:15 PM
SUPERSPORT800
ライトスイッチ、3 つのポジションがあります:
右 =ライト OFF;
中央 =パーキングライト、ナンバープレートライト、
メーターパネルライト ON;
左 =ヘッドライト、パーキングライト、ナンバープ
レートライト、メーターパネルライト ON.
注意
このデバイスは、オーストラリア、日本向け仕様に
はありません。
2
3
2) エンジン停止スイッチには2つのポジションがあり ま
す:
(RUN) = エンジン作動;
(OFF) = エンジン停止 .
1
図 . 14.1
SUPERSPORT1000
1
警告
このスイッチは、エンジンを直ちに停止させること
が必要な緊急時等に使用することを目的としています。エ
ンジン停止後は、再始動可能なようにスイッチを ポジ
ションに戻して下さい。
2
重要
ライトを点灯して走行時、スイッチ (2) を使用して
エンジンを停止しイグニッション・キーを ON のポジショ
ンで放置すると、ライトが点灯したままとなり、バッテ
リー切れの原因になります。
3) ボタン =始動
22
3
図 . 14.2
DUCum_SS8001000#04_###J.book
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Tuesday, July 1, 2003
スロットルグリップ ( 図 .15.1 と 15.2)
1:15 PM
SUPERSPORT800
ハンドルバー右側のスロットルグリップ (1) は、スロット
ル・バルブを操作します。
スロットルを開けている時にグリップの握りを緩めると、
自動的に元の位置 ( アイドリング状態 ) に戻ります。
2
1
図 . 15.1
フロント・ブレーキレバー ( 図 .15.1 と 15.2)
SUPERSPORT1000
フロント・ブレーキレバー (2) をスロットルグリップの方
向へ引くと、フロントブレーキがかかります。このレバー
は油圧で作動するため、軽く握るだけで充分です。
この機種にはダイヤル (5) が付いており、レバーとグリッ
プとの間隔が調整できるようになっています
(Supersport800 にはこの調整装置はありません )。
警告
このレバーを操作する前に 39 ページの説明をお読
み下さい。
1
3
2
図 . 15.2
23
DUCum_SS8001000#04_###J.book
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リアブレーキペダル ( 図 .16.1 - 16.2)
1:15 PM
SUPERSPORT800
ペダル (1) を下に踏むことで、リアブレーキが機能します。
システムは油圧式で作動します。
1
図 . 16.1
SUPERSPORT1000
1
図 . 16.2
24
DUCum_SS8001000#04_###J.book
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1:15 PM
ギアシフトペダル ( 図 .17)
ギアシフトペダルは、中央のニュートラルのポジション N
に自動的に戻り、2 段階の動作をします:
下へ=シフトダウンおよび 1 速へのチェンジは、ペダルを
下に押します。ニュートラルのポジションから 1 速にチェ
ンジした時に、メーターパネルの N ランプが消えます;
上へ=ペダルを上へ掻き上げることで、2 速から順次 3. 4
と 5 速へとチェンジします。
一回の操作が一速分のチェンジに相当します。
図 . 17
25
DUCum_SS8001000#04_###J.book
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1:15 PM
ギアシフトペダルとリアブレーキペダルの位置調整
ギアシフト・ペダルとリアブレーキ・ペダルのポジション
は、それぞれのライダーのライディングスタイルとフット
レストの位置に合わせて調整することができます。
ギアシフト・ペダルのポジションは次の手順で調整しま
す:
リンケージ(1)を固定しながら、ナット(2)と(3)を緩めます。
注意
ナット (2) は、逆ネジになっています。
ギアシフト・ペダルを好みの位置に定めながら、スパナで
リンケージ (1) の六角部分を回します。
リンケージの両端をナットで締めこみ固定します。
26
図 . 18
DUCum_SS8001000#04_###J.book
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リアブレーキ・ペダルの調整は以下の手順で行います:
ナット (4) を緩めます。
ペダルがお好みの位置になるまで、アジャスター (5) を回
します。
ナット (4) を締めこみます。
ペダルを手で押しながら、ブレーキがかかり始めるまでに
約 1,5 ~ 2 mm の遊びがあるかを確認します。
もしも上記のような遊びが確認できない場合、マスターシ
リンダー・ロッドの長さを次の手順で調整します:
ロッドの上にあるナット (6) を緩めます。
フォーク (7) のロッドの遊びを増したい場合は締めこみ、
逆に減らしたい場合は緩めます。
ナット (6) を締め、
ロッドを固定し再度遊びを確認します。
1:15 PM
SUPERSPORT800
6
7
5
4
図 . 19.1
SUPERSPORT1000
6
4
7
5
図 . 19.2
27
DUCum_SS8001000#04_###J.book
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1:15 PM
主要構成部品 / 装備
配置図 ( 図 .20)
1)
2)
3)
4)
5)
燃料タンクキャップ。
シートロック/ヘルメットフック。
サイドスタンド。
バックミラー。
フロントフォーク・アジャスター
(SUPERSPORT1000)。
6) リアショックアブソーバー・アジャスター。
7) カタライザー。
5
4
5
1
2
6
3
7
図 . 20
28
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1:15 PM
燃料タンクキャップ ( 図 .21)
1/4
開け方
キャップのプロテクション・カバー (1) を起こし、イグ
ニッション・キーを差し込み、時計回りに 1/4 回転回して
ロックを解除すれば、キャップを開けることができます。
キャップを持ち上げて下さい。
閉め方
キーの差し込まれたキャップを閉じ、キーを反時計回りに
元の位置に回してから抜き取ります。プロテクション・カ
バー (1) を閉めます。
注意
キャップはキーが差し込まれていないと閉じられ
ません。
OPEN
0
1
図 . 21
警告
燃料補給 (42 ページ参照 ) 後は毎回、キャップが正
しい位置で確実に閉まっていることを確かめて下さい。
29
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1:15 PM
シートロック / ヘルメットフック
開け方 ( 図 .22)
警告
このヘルメットフックは、モーターサイクルをパー
キングする時のみ使用して下さい。ヘルメットをフックに
つけたまま走行すると、ステアリングに影響し転倒の危険
性があります。
0 O
P
EN
ロック (1) にイグニッションキーを差し込み、時計回りに
回してボディーからシートを外して下さい。シートを後方
に引き、前方ホルダーから引き抜きます。
シート下前方に、ライダー / パッセンジャーのヘルメット
固定用フック (2, 図 .23) があります。ヘルメットを通した
後、備品のケーブルの端をフックに掛けて、外部に吊り下
げて下さい。シートを取り付けると自動的にロックが掛か
ります。
1
3
1
図 . 22
2
閉め方
シート下小物入れ内部の全ての物が正しく整理されてい
るか確かめて下さい。シートの先端部を前方ホルダーに差
し込み、シート後部をカチッと音がするまで押してくださ
い。
シートがしっかりフレームに固定されている事を確認し、
キーをロック (1) から抜き取ります。
図 . 23
30
DUCum_SS8001000#04_###J.book
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サイドスタンド ( 図 .24)
重要
サイドスタンドを使用する前に、地面が適している
か、平らであるかを確かめて下さい。
1:15 PM
注意
サイドスタンドを降ろし、トランスミッションが
ニュートラルの状態でエンジンを始動させることができ
ます。 ギアが入った状態で始動する時は、クラッチレ
バーを引いて下さい。 この際サイドスタンドは上がって
いなければなりません。
柔らかい地面、砂利、日光で柔らかくなったアスファルト
等にパーキングすることは、モーターサイクルに損傷をも
たらす転倒の原因となります。
もしも傾斜面にパーキングする場合、常にリアホイール側
を斜面の低い方になるようにして下さい。
サイドスタンドを使用するには、足で ( ハンドルバーを掴
み、
モーターサイクルを支えながら ) スタンドのフック (1)
を矢印方向に止まるまで押します。次にモーターサイクル
を、スタンドがしっかりと路面に着くまで徐々に傾けてい
きます。
警告
サイドスタンド使用時には、モーターサイクルにま
たがらないで下さい。
サイドスタンドを元の位置 ( 水平位置 ) に戻すには、モー
ターサイクルを右側に傾けながら、足の甲でフック (1) を
持ち上げます。
注意
定期的にスタンド内 ( 内側と外側 2 つのスプリング
の損傷と摩耗 ) と安全センサー (2) の作動を点検すること
をお勧めします。
2
1
図 . 24
31
DUCum_SS8001000#04_###J.book
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Tuesday, July 1, 2003
フロントフォーク・アジャスターの調整 (SS1000)
( 図 .25)
SUPERSPORT1000 モーターサイクルのフロントフォー
クには,リバウンド / コンプレッション・ダンピングア
ジャスターが装備されています。
この調整は外部スクリュー・アジャスターにて行います:
リバウンド・ダンピング調整;
スプリング・プリロード調整;
3) コンプレッション・ダンピング調整 .
リバウンドダンピングを調節するには小ドライバー ( - )
(1) で、各フォークの上部に配置されているアジャスター
(1) を回します。
アジャスター (3) の調整は、フロントフォーク下部のアク
スルシャフトの貫通穴からドライバーを差し込むことで
行います。
スクリュー (1 と 3) を回すと、カチッと言う音がします。
一回の音がダンピング 1 段に相当します。いっぱいに締め
込むとダンピングが最強にセットされます“0”。
この位置から、反時計回り方向に廻してカチッという音で
ダンピングを 1 段目、2 段目、…と数えます。
標準設定:
コンプレッション側:12 段目;
リバウンド側:11 段目 .
1:15 PM
調整範囲は、リバウンド側 14 段、コンプレッション側 16
段で、これが最弱のダンピングです。
各フォーク内部のスプリング・プリロードを変更するに
は、六角アジャスター・ナット (2) を 22 mm 六角ピンレ
ンチで回します。
プリロード (A, 図 .25) の調整範囲は 25 ~ 10 mm です。
工場出荷値は 18 mm です。
重要
両方のフォークを同じセッティングにして下さい。
SUPERSPORT1000
A
1
2
3
図 . 25
32
DUCum_SS8001000#04_###J.book
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リアショックアブソーバーの調整
全てのリアショック・アブソーバーはスプリング・プリ
ロード及び伸側、圧側減衰力の調整ができます。
圧側減衰力を調整するアジャスター (1、図.27.1 - 27.2)
は、フレーム左側のエキスパンションタンクにあります。
伸側減衰力を調整するアジャスター (2、図.26.1 - 26.2)
は、ショックアブソーバー下部左側のスイングアームとの
接続部に取り付けられています。
時計回り方向にアジャスター (1 と 2) を回すと減衰力が強
くなります。
アブソーバー上部の 2 枚のリングナット (3, 図 .27.1 27.2) は、スプリングプリロードの調整に使用します。
スプリング プリロードを変更するには、上部のリング
ナットを緩めて下さい。 調整が済んだら上部のリングナットを締めて下さい。 次
に下部のリングナットを締める、もしくは緩めるかによっ
て、スプリング プリロードを増減します。
警告
プリロード調整リングナットの為のピンレンチは、
適正なタイプのみを使用して下さい。また、調整中にレン
チのピンがいきなりナットの溝から外れると、手をモー
ターサイクルの他の部分に強くぶつける恐れがあるので
充分注意して下さい。
警告
ショックアブソーバーには高圧のガスが充填され
ています。未経験者による分解作業は重大な損傷の原因と
なります。
1:15 PM
SUPERSPORT800
2
図 . 26.1
SUPERSPORT1000
5
4
1
2
図 . 26.2
33
DUCum_SS8001000#04_###J.book
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Tuesday, July 1, 2003
リアショック・アブソーバー (SS800)
1:15 PM
SUPERSPORT800
標準設定:
• コンプレッション・アジャスター (1, 図 .27.1) は 25 ダ
ンピング。
• リバウンド・アジャスター (2, 図 .26.1) は 6 ダンピング。
バネの標準長は:
177 mm.
リアショック・アブソーバー (SS1000)
Ohlins のショック・アブソーバーは、長さの調整も可能で
す。これによって、スプリングのプリロードに関係なく
シート高を調整できます。
• コンプレッション・アジャスター (1, 図 .26.2) は 14 ダン
ピング。
• リバウンド・アジャスター (2, 図 .26.2) は 10 ダンピング。
オリジナル設定を変更するには、ロックナット (4, 図 .26.2)
とナット (5, 図 .26.2) を緩めます。
バネの標準長は:
180,5 mm.
3
1
図 . 27.1
SUPERSPORT1000
警告
ショックアブソーバーには高圧のガスが充填され
ています。未経験者による分解作業は重大な損傷の原因と
なります。
3
図 . 27.2
34
DUCum_SS8001000#04_###J.book
Page 35
Tuesday, July 1, 2003
1000 km まで
最初の 1000 km までは、タコメータータコメーターに注
意し、回転数が 5500 ~ 6000 rpm を絶対に越えないよう
にして下さい。
最初の数時間は、制限された回転数の範囲内でエンジンの
負荷と回転数をさまざまに変えることをお勧めします。こ
のために、エンジン、ブレーキ、サスペンションのより効
果的な慣らしは、カーブの多い、起伏に富んだ場所を走行
することが理想的です。
最初の 100 km は、優しくブレーキをかけて下さい。また、
激しいブレーキングや長い間ブレーキをかけることは避
けて下さい。これは、ブレーキディスクに対してパッドの
摩擦材を適切に慣らすためです。
モーターサイクルの全てのメカ部分を互いに馴染ませる
ため、また、エンジンの主要部分の寿命に悪影響が出ない
よう、乱暴な加速と、特に上り坂での長時間の高速回転を
避けて下さい。
さらに、定期的にドライブチェーンを点検し、必要があれ
ば給油して調整して下さい。
運転のしかた
慣らし運転の方法
最高許容回転数 ( 図 . 28)
慣らし運転期間中及び通常使用最高許容回転数:
1) 1000 km まで;
2) 1000 ~ 2500 km まで;
3) 2500 km 以降 .
MAX
TOT
AMPM
TRIP
1:15 PM
1000 ~ 2500 km まで
この期間では、エンジンからよりパワーを引き出せます
が、それでも、7000 回転 (rpm) を決して超えないように
して下さい:
°C
°F
図 . 28
35
DUCum_SS8001000#04_###J.book
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Tuesday, July 1, 2003
重要
慣らしの期間中は、当マニュアル及び保証書内のク
ーポンに指定された点検、整備を必ず受けて下さい。これ
は保証の必須条件で、この条件が遵守されなかった結果と
してのエンジンの損傷や寿命の短縮については、Ducati
モーター・ホールディング社はいかなる責任を負うもので
はありません。
2500 km 以降
通常の安全走行の為に、慣らし期間以降も指示されている
最高速度を決して超えないようにして下さい:
9000 回転 (rpm).
慣らし運転の方法を遵守することでエンジンの寿命を延
ばし、調整、オーバーホールの回数を減らすことが可能で
す。
走行前のチェック
警告
走行前にこれらの点検を怠った場合、モーターサイ
クルに損傷を与え、ライダー、及びパッセンジャーがケガ
をする恐れがあります。
走行前に以下の点検を実施して下さい:
タンク内の燃料量
タンク内燃料の残量を確認して下さい。
必要であれば給油して下さい (42 ページ )。
36
1:15 PM
エンジンオイル量
クランクケースの点検窓でオイルのレベルを確認して下
さい。
必要であれば指定オイルを補充して下さい (64 ページ )。
ブレーキ、クラッチ液量
各リザーバータンクの液量を確認して下さい。
タイヤコンディション
空気圧と摩耗度を確認して下さい (62 ページ )。
操作系
ブレーキ、クラッチ、アクセル、ギアシフト(レバー、ペ
ダル、グリップ)の作動を確認します。
ライト、インジケーター
ライト、インジケーター、ホーンが適切に作動するか確認
します。また、バルブが切れている場合には交換して下さ
い (57 ページ )。
各ロック
燃料タンクのキャップ、シートのロックが確実に閉じてい
るか確認して下さい。
スタンド
サイドスタンドがスムーズに作動し、適正な位置にあるか
確認して下さい (31 ページ )。
警告
もしも不良がある場合には、モータサイクルの使用
を中止し、Ducati 正規ディーラーにご連絡下さい。
DUCum_SS8001000#04_###J.book
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Tuesday, July 1, 2003
1:15 PM
2) ファーストアイドルレバーを (B) の位置に動かします
( 図 . 30.1 と 30.2)。
注意
3) エンジン停止スイッチ(1,図. 31.1と31.2)が (RUN)の
暖機されたエンジンを始動する場合には“高い気温 位置になっていることを確認し、始動ボタン (2) を押しま
での始動”の方法に従ってください。
す。
このモデルにはサーボ・イグニッション・システムが装着
警告
されています。
エンジンを始動する前に、走行に必要な操作系の取 この機能を使うにはボタン (2) を押してからすぐに手を放
り扱いに慣れておいて下さい。
してください。
ボタン (2) を押すとエンジンが自動的に始動します。これ
常温での始動
に要する時間はエンジンの温度により異なります。
エンジンが始動するとスターターモーターは始動しなく
(10 C/50 F ~ 35 C/95 F):
1) イグニッション・キーを ON の位置にします ( 図 . 29)。 なります。
メーターパネルのグリーン N と赤のインジケーター [
] エンジンが始動しなかった場合は、少なくとも 2 秒待って
からもう一度ボタン (2) を押してください。
が点灯していることを確認します。
エンジンの始動
重要
オイルプレッシャー・インジケーターはエンジン始
動後、数秒で消えなければなりません (11 ページ )。
ON
FF
ON
PUS
H
O
注意
サイドスタンドを降ろし、トランスミッションが
ニュートラルの状態でエンジンを始動させることができ
ます。 ギアが入った状態で始動する時は、クラッチレ
バーを引いて下さい。 この際サイドスタンドは上がって
いなければなりません。
CK
LO
警告
サイドスタンドは完全に上がっていなければなり
ません ( 水平位置 )。さもなければ安全センサーが作動し
て始動できません。
N
IO
P
NIT
IG
図 . 29
37
DUCum_SS8001000#04_###J.book
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この際、スロットルグリップは回さないで始動させて下さ
い。
重要
始動用セルモーターは 5 秒以上押し続けないで下さ
い。再始動しなければならない場合には、10 秒待ってか
ら行います。
1:15 PM
SUPERSPORT800
A
B
4) 適正なアイドリング回転数、
1400 ~ 1500 rpm を得るた
めに、ファーストアイドルレバーを垂直方向 (A) に少し戻
します:
重要
エンジンが暖まるまで回転数を上げないで下さい。
潤滑が必要な全ての部分にオイルが行き渡るまでしばら
く待って下さい。
5) エンジンのウォームアップ状態にあわせてファースト
アイドルレバーを段階的に垂直な位置 (A) に戻して下さ
い。
エンジンが充分に暖まった時には、ファーストアイドルレ
バーが完全に閉まった状態でアイドリングが保たれなけ
ればなりません。
図 . 30.1
SUPERSPORT1000
A
B
高温 (35 ºC/95 ºF 以上 ) での始動:
「常温」の場合と同じ手順に行いますが、チョークは使用
しないで下さい。
低温 (10 ºC/50 ºF 以下 ) での始動:
「常温」の場合と同じ手順に従いますが、エンジンのウォ
ウォームアップを 5 分間行って下さい
38
図 . 30.2
DUCum_SS8001000#04_###J.book
Page 39
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1:15 PM
モーターサイクルの発進
SUPERSPORT800
1
2
図 . 31.1
SUPERSPORT1000
1
1) クラッチレバーを引いてクラッチを切ります。
2) 1速に変速するためにギアシフトペダルをつま先で確実
に押し下げます。
3) スロットルグリップを回してエンジンの回転数を上げ、
同時にクラッチレバーを徐々につなぎます。
4) クラッチレバーを完全に離しエンジンの回転数を上げ
ます。
5) シフトアップするには、エンジン回転を落とすために
スロットルを戻し、クラッチを切り、ギアシフトペダルを
かき上げ、クラッチをつなぎます。
シフトダウンするには、スロットルグリップを戻し、ク
ラッチレバーを引いてから、ギアを同調させやすくするた
めにエンジンを軽くふかしてシフトダウンし、クラッチを
つなぎます。
操作類は適切に素早く操作しなければなりません。上り坂
を走行する際には、車速が落ちてきたら躊躇することなく
シフトダウンして、モーターサイクルへの異常なストレス
やエンジンのノッキングを避けて下さい。
重要
キャブレターのオーバーフローやトランスミッ
ションのスナッチを招く激しいアクセル操作は避けて下
さい。ギアを変速した後もクラッチレバーを引いたままで
いると、クラッチシステムの過熱や摩耗を引き起こしま
す。
2
図 . 31.2
39
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Page 40
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1:15 PM
ブレーキング
モーターサイクルの停止
突発時を除いて、障害物に接近しすぎたための急ブレーキ
の操作は避けて下さい。車速を落とすには、最初にスロッ
トルグリップを戻してエンジンブレーキをかけ、それから
ブレーキングします。こうすればモーターサイクルの安定
性を維持できます。エンジンが急に止まるのを防ぐため、
モーターサイクルが停止する前に、クラッチを切ります。
スロットルグリップを緩めると、モーターサイクルは徐々
にスピードを落とし始めます。
シフトダウンしながらクラッチをつないでいき、最後に 1
速からニュートラルに入れます。ブレーキをかけるとモー
ターサイクルを完全に停止させることができます。エンジ
ンを停止させるには、イグニッション・キーを OFF (18
ページ ) の位置に回すだけです。
警告
効果的なブレーキングのためにレバーとペダル両
方のブレーキを使用して下さい。片方しか使用しなかった
場合にはブレーキ効果が低下します。
ブレーキを強く、または乱暴にかけるとホイールがロック
され、モーターサイクルのコントロールができなくなりま
す。
雨中を走行する際や、滑りやすい路面上ではブレーキ能力
が著しく低下します。こういったコンディションでは慎重
で優しいブレーキ操作を心がけて下さい。急ブレーキは
モーターサイクルのコントロールを失わせる危険があり
ます。
長く急な下り坂を走行する際にはシフトダウンしてエン
ジンブレーキを使用します。ブレーキは断続的に短時間だ
け使用して下さい。ブレーキの長時間にわたる連続的使用
は、摩耗材の過熱を招き、ブレーキ能力の著しい低下の原
因となります。
指定空気圧値以下のタイヤはブレーキ能力を低下させる
とともに摩耗を早め、また運転の的確さと、カーブでの安
定を欠きます。
40
重要
電装部分に損傷を招くので、エンジン停止中には絶
対にイグニッション・キーを ON の位置にしたままにし
ないで下さい。
DUCum_SS8001000#04_###J.book
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Tuesday, July 1, 2003
パーキング
モーターサイクルを停止させてから、サイドスタンドを
使って駐車 (31 ページ参照 ) します。
盗難防止のためにハンドルバーを左いっぱいに回し、イグ
ニッションキーを押して LOCK の位置にすることでハン
ドルがロックされます。
モーターサイクルをガレージ、その他の建物内に駐車する
際には、その場所の換気が充分で、また、車両の近くに熱
源が無いことを確認して下さい。
夜間、路上に駐車する際には、車両を認識しやすいように
パーキングライトを点灯しておくことができます。イグ
ニッション・キーを P の位置に回します。
1:15 PM
警告
モーターサイクルの発進を妨げるタイプの防犯用
ロックやチェーン類 ( 例:ディスク・ブロック、リム・ブ
ロック等 ) の使用は大変危険で、モーターサイクルの機能
やライダーとパッセンジャーの安全の妨げになる事があ
ります。
重要
このスイッチを長い間 P の位置に放置しておくと、
バッテリー切れの原因になります。監視できない場所にイ
グニッション・キーを付けたままでモーターサイクルを駐
車しないで下さい。
警告
エンジン停止後も、エキゾースト システムがまだ
熱いことがありますので、エキゾースト システムに身体
の一部が触れぬよう、十分に注意して下さい。また木、葉
など可燃性物質のそばにパーキングしないで下さい。
41
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Tuesday, July 1, 2003
燃料補給
1:15 PM
Max level
給油の際には決して入れすぎないで下さい。燃料は絶対に
給油口の下縁を超えてはなりません ( 図 .32)。
警告
最低でもオクタン価 95 の低鉛燃料を使用して下さ
い。
キャップの溜まりに燃料が溜まらない様にして下さい。
図 . 32
42
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Tuesday, July 1, 2003
工具セット ( 図 . 33)
1:15 PM
1
シート下の小物入れ (1) には、以下の物が収納されていま
す。:
オーナーズ・マニュアル;
ヘルメット装着用ケーブル;
モーターサイクルの簡単な点検、整備をするためのレンチ
と工具の入ったツールバッグ .
取り出すには、ロックを解除しシートを外す必要がありま
す (30 ページ参照 )。
ツールバッグ ( 図 . 34)
内容:
スパークプラグ・レンチ (2);
トミーバー (3);
ドライバー (4);
ヘルメット・ケーブル (5)。
図 . 33
図 . 34
43
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主な整備作業とメンテナンス
1:15 PM
サイド・フェアリング
フレームからサイド・フェアリングを外すには以下の手順
で行います。ヘッドライト・フェアリングに接合させてい
る 3 本のピン (1) を弛めます。
フレームに接合させているピン (2) を外してからサイド・
フェアリングを取り外します。
フェアリングの脱着
モーターサイクルを正しく整備、修理するためには、該当
部分のフェアリングを取り外すことが必要です。
警告
取り外したパーツはしっかりと取り付け直してく
ださい。 適切に取り付けられていないと、走行中に脱落
し、モーターサイクルのコントロールを失わせる危険があ
ります。
重要
車体の塗装部分、及びスクリーンに傷を付けないた
めに、取りつけスクリュー再装着の際には常に専用ナイロ
ンワッシャをお使い下さい。幾つかのスクリューは、セル
フタッピングタイプですので、スクリューを必要以上に締
め過ぎると、ねじ山に損傷を与え、その後取り付ける事が
出来なくなります。
1
2
図 . 35
44
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1:15 PM
サイドスタンド・サポートをハーフフェアリング左側に接
合させているピン (3) を弛めます。リア・ブレーキ・ペダ
ルのピボットと右側ハーフフェアリングを接合させてい
るピン (4) を弛めます。
インジケーターのコネクターを外します。
下部で両側のフェアリングを接合させている 4 本のピン
(5) を外してからハーフ・フェアリングを取り外します。
上記の作業は、両方のフェアリングを同時に取り外す場合
は上記の作業を省いて下さい。
同時に取り外す場合、損傷を防ぐために、開口部分に無理
をかけないように注意して、モーターサイクル下部から取
り外します。
4
5
5
図 . 36
3
図 . 37
45
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1:15 PM
ヘットライト・フェアリング
バックミラー内側 2 本のナット (1, 図 .38) を緩め、ヘッド
ライト・フェアリングからバックミラーを取り外します。
ヘッドライト・フェアリングの 3 本のスクリュー(2, 図 .39)
を外し、側面の 4 本のピン (3, 図 .40) も外します。
ヘッドライトを固定させている前部ピボット (4, 図 .39) を
外し、ヘッドライト・フェアリングを取り外します。
4
2
1
3
図 . 38
46
図 . 39
図 . 40
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1:15 PM
燃料タンクのリフト ( 図 .41 と 42)
シートを取り外します (30 ページ参照 )。
シートカウルから前方ホック (1, 図 .41) を外します。
燃料タンクを持ち上げて、サポートロッド (2、図 .42) を
ホルダーから外します。
燃料タンクをサポートロッド (2) で支え、ホルダーの先を
フレーム支えの穴に指しこみます。
作業終了後は、上記作業手順の逆の順序で取り付けを行っ
て下さい。
警告
燃料タンクキャップについている通気口からガソ
リンが漏れるのを防ぐため、残量が 4 リットル以下 ( メー
ターパネルの燃料タンク・インジケーターが点灯した状態
) であることを確認して下さい。
燃料タンクは、作業に必要最低限の高さだけ持ち上げて下
さい;キャブレター・チューブや燃料センサーの配線に損
傷を与えます。
燃料タンクを下げる際に、パイプ類が潰されるのを防ぐた
めに、正しい位置に収まっているか確認して下さい。
1
図 . 41
2
3
図 . 42
47
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1:15 PM
エアフィルターの交換 ( 図 .43 と 44)
2
エアフィルターは定期点検表に明記された一定期間毎に
交換して下さい ( 保証書参照 )。エアボックスの作業は、燃
料タンクを持ち上げた後に行います。
フィルターを取り外すには、エアボックス両側のカバーク
リップ (1) を解放します。
カバー (2) を取り外してフィルター (3, 図 .44) を取り出し、
新しいものと交換します。
重要
目詰まりしたフィルターは吸気能力を減少させ、燃
費を悪くし、エンジン出力の低下とスパークプラグの汚れ
を招きます。
また、異物を吸引するとエンジンに損傷を引き起こすの
で、モーターサイクルをエアフィルターのない状態で使用
しないで下さい。
1
図 . 43
フィルターをエアボックスの座面にはめ込み、図 (44) に
示されるように取り外した全てのパーツを取り付けます。
3
重要
特に埃や湿気の多い環境では、点検表に指示された
間隔よりも頻繁にフィルターを交換して下さい。(保証書
参照)
図 . 44
48
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ブレーキ / クラッチレベルのチェック
ブレーキ、クラッチ液面のレベルは、絶対に各リザーバー
タンクのMIN目盛り以下になってはいけません(図. 45.1、
45.2、46.1、46.2 と 47)。
液レベルが下がりすぎると、回路内にエアが混入し、正常
なシステム作動に悪影響を及ぼします。
また、定期点検表に指示されたブレーキ / クラッチ液補充
及び交換は、正規ディーラーの修理工場に依頼して下さ
い。
(保証書参照)
1:15 PM
SUPERSPORT800
MIN
重要
チューブは 4 年毎に交換しなければなりません。
ブレーキシステム
ブレーキパッドが減っていないのに、ブレーキレバー、ブ
レーキペダルの過度の遊びに気付いた場合には、システム
を点検しエアを排出する必要があるため、Ducati 正規
ディーラーにご連絡下さい。
図 . 45.1
SUPERSPORT1000
警告
ブレーキ / クラッチ液はプラスチックの塗装部分に
損傷を与えますので、こぼさないようにして下さい。
ブレーキ / クラッチ液は炎症の原因となります。
液を他のメーカーのものと混ぜないで下さい。
ガスケットの状態をチェックして下さい。
図 . 45.2
49
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Tuesday, July 1, 2003
クラッチシステム
クラッチレバーに過度の遊びがあり、ギアチェンジの際ク
ラッチクラッチが切れたり、スナッチが出る場合は、シス
テム内にエアが混入しています。システムを点検しエアを
排出する必要があるため、Ducati 正規ディーラーにご連
絡下さい。
1:15 PM
SUPERSPORT1000
警告
クラッチ液レベルはタンク内で、クラッチ・ディス
クの磨耗にしたがって上昇しやすい性質を持っています。
指示されたレベルを超えないで下さい ( 最小から
3 mm 上 )。
図 . 46.2
SUPERSPORT800
MAX
MIN
図 . 46.1
50
図 . 47
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Tuesday, July 1, 2003
1:15 PM
ブレーキパッドの摩耗チェック ( 図 .48)
フロントブレーキ
ブレーキパッドには摩耗チェックマークがあり、キャリ
パーからパッドを外すことなく、容易にチェックできま
す。摩耗材に刻まれた溝が見えているうちはパッドの通常
使用範囲です。
リアブレーキ
ブレーキパットは、磨耗面が両方とも最低 1mm なければ
なりません。
重要
ブレーキパッドの交換は Ducati 正規ディーラーで
実施して下さい。
図 . 47
51
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Tuesday, July 1, 2003
1:15 PM
ジョイント部の潤滑
スロットルおよびチョークワイヤーは定期的に被膜の状
態をチェックしなければなりません。被膜に亀裂やツブレ
の形跡があってはなりません。操作類を動かして、被膜の
中でワイヤーがスムーズに動くか確認して下さい。もしも
何らかの抵抗や、動きにくい箇所がある場合には、Ducati
正規ディーラーでワイヤーケーブルを交換して下さい。
この様な不具合を避けるためには、ワイヤーの両端に、一
定期間毎に指定 SHELL Advance Grease か Retinax LX2 の
グリースを塗布して下さい。
2
1
スロットルケーブルについては、2 本のスクリュー (2) を
外してカバー (1, 図 .49) を取り外し、ワイヤーの端とプー
リーをグリスアップするのが最良の方法です。
警告
ワイヤーをプーリーに通して通してからカバーの
溝 (3、図.50) に入れ、注意しながらカバーを取り付けます。
図 . 49
3
2 本のスクリュー (2) でカバーを固定します。
サイドスタンドのスムーズな作動を確保するために、汚れ
を取り除き、全ての可動部分に指定のグリース SHELL
Alvania R3 を塗布して下さい。
図 . 50
52
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スロットルケーブルの調整
1:15 PM
1,5÷2 mm
➤
SUPERSPORT800
スロットルケーブルは、ハンドルバーのどの位置において
も、スロットルグリップの遊びが 1,5 ~ 2 mm なければ
なりません。もし調整が必要なら、スロットルグリップ基
部に設けられたアジャスター (1, 図 . 50.1 と 50.2) で行っ
て下さい。
-
+
1
図 . 50.1
SUPERSPORT1000
1,5÷2 mm
➤
➤
Page 53
➤
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-
+
1
図 . 50.2
53
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Tuesday, July 1, 2003
1:15 PM
バッテリーの充電 ( 図 . 51)
1
バッテリーを充電する際には、バッテリーをモーターサイ
クルから取り外して実施して下さい。
常に黒のマイナス端子 (–) を最初に外し、続いて赤のプラ
ス端子 (+) を外します。
留め金 (1) をはずし、バッテリーケースからバッテリーを
取り出します。
–
警告
バッテリーは可燃性のガスを発生させます:火気、
熱源のそばに置かないで下さい。
充電は換気のよい場所で実施して下さい。
チャージゃーのジャックを電極に接続します ( 赤を +、黒
を –)。
重要
ジャックを電極に接続する際に火花がスパークし、
セル内の可燃性ガスに引火する危険があるので、電極への
接続はチャージャーの電源を入れる前にしておいて下さ
い。また、接続をする時は常に赤の+極から行って下さい。
警告
バッテリーは幼児の手の届かないところに置いて
下さい。バッテリーを自然放電させると、著しい品質の低
下を招きます。
バッテリーを 1A で 5 ~ 10 時間充電します。
54
+
図 . 51
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Tuesday, July 1, 2003
チェーンテンションの調整
SHELL Retinax HDX2 でグリスアップされた、アクスル
シャフト・ナット (1) を指定トルク 72 Nm で締め付けます。
SHELL Alvania R3 でグリスアップされた、ネジ (3) を調整
スクリュー (2) を指定トルク 8 Nm で締め付けます。
.
チェーンが一番引っ張られた状態になるまで、リアホイー
ルをゆっくりと回します。
モーターサイクルのサイドスタンドを立てた状態で、スイ
ングアームの中央部のチェーンを指で押し上げて測定し
ます。チェーンの一番下がっている部分での遊びは最低で
も 25~30 mm でなければなりません ( 図 . 52)。
(SUPERSPORT800) チェーンテンションの調整は以下の
ように行って下さい。アクスルシャフト両側のナット (1,
図 . 53.1) を緩めます;スイングアーム両端のスクリュー
(2) を時計回りに同等分だけ締めてテンションを強める
か、緩めて弱めるかしてテンションを調整します。チェー
ン・テンションを弱める場合には、ホイールを前方に押さ
なければなりません。
(SUPERSPORT1000) チェーンテンションの調整は以下の
ように行って下さい。アクスルシャフト両側のナット (1,
図 . 53.2) を緩めます;アクスルシャフトのナット (2) を緩
めます。スイングアーム両端のスクリュー (3) を反時計回
りに同等分だけ締めてテンションを強めるか、緩めて弱め
るかしてテンションを調整します。チェーン・テンション
を弱める場 ノは、ホイールを前方に押さなければなりませ
ん。
1:15 PM
重要
不適切なチェーンの張りは、トランスミッション・
パーツの磨耗を促進させます。
=
=
25 ~ 30 mm
スイングアーム両側の位置マーク (4, 図 . 53.1 - 53.2) が一
致しているかどうかを確認して下さい;これは、完璧なホ
イール・アライメントを確保するためです。
図 . 52
55
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チェーンの潤滑
SUPERSPORT800
4
2
1
図 . 53.1
SUPERSPORT1000
4
2
3
1
図 . 53.2
56
1:15 PM
このモーターサイクルには、可動部分にグリースが封入さ
れ、泥の侵入を防ぐ O ‐リングシールの付いたチェーン
が装着されています。
チェーンを洗浄する場合には、O ‐リングシールの損傷を
防止するため、専用の溶剤をご使用下さい。ウォッシャー
等でスチームや圧力のかかった水で洗浄しないで下さい。
取り返しのつかない損傷を受けます。
洗浄後は、エアまたは吸湿剤でチェーンを乾かし、指定の
SHELL Advance ChainもしくはAdvance Teflon Chainを各
リンクに塗布します。
重要
指定オイル以外を塗布した場合には、チェーン、フ
ロント / リアスプロケットに深刻な損傷を与えます。
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1:15 PM
バルブの交換
A
切れたバルブを交換する前に、新しいバルブが 75 ページ
の “電装表”の各仕様に適合しているか確認して下さい。
新しいバルブが切れていないかを、取り外したパーツに取
り付ける前に点検して下さい。
ヘッドライト
ヘッドライトのバルブ交換作業はスクリーンの内側で行
います。
ライトに接続されているコネクター(1, 図 .54) を抜き取り
ます。
リード (A) を引きながら保護パットを抜き取ります。
バルブを押さえているクリップ (2, 図 .55) を外し、サポー
トから取り除いて、同じ規格のバルブと交換して下さい。
注意
新しいバルブはベース部分を持つようにし、ガラス
の部分には、絶対に指で触れないで下さい。バルブの光度
が落ちる原因となります。
1
図 . 54
2
図 . 55
57
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1:15 PM
バルブの取りつけ:
正しい照射方向を得られるよう、バルブベースのガイドピ
ンをホルダーに差し込みます。
ヘッドライトのホルダーのクリップ (2) を掛けて留めま
す。予め外した配線 (1) を接続し、ゴムキャップを被せま
す。
パーキングライトのバルブは、ヘッドランプのボディの上
の部分に付いています。
バルブの交換は、ライト前方のバルブホルダー (3, 図 .56)
を引き抜きます。バルブを外し、交換します。
3
図 . 56
58
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ウインカー ( 図 .57)
スクリュー (1) を外してレンズ部分 (2) をボディから取り
外して下さい。
バルブはバヨネットベース・タイプなので、取り外すには
押しながら反時計回りに回します。新しいバルブを押しな
がら時計回りに、カチッという音がするまで回した後、バ
ルブホルダーを取り付けます。ソケットを付け直すには、
本体のすき間にツメ (A) を差し込み、ネジ (1) で固定して
下さい。
1:15 PM
A
2
1
図 . 57
ナンバープレート・ライト ( 図 .58)
ナンバープレート・ライトのバルブを交換するには、ナン
バープレートホルダーからバルブホルダーを引き抜いて、
バルブを外して交換して下さい。
注意
ナンバープレートホルダーから取り外す際にワイ
ヤを引きちぎることがないように、バルブホルダーの端に
はタグ (A) が付いています。
A
図 . 58
59
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ストップライト
ストップライトとパーキングライトのバルブを交換する
には、レンズを固定している 2 本のスクリュー (1, 図 .59)
を緩め、レンズを取り外します。 バルブはバヨネット
ベース・タイプなので、取り外すには押しながら反時計回
りに回します。レンズを取り外し、新しいバルブは、押し
ながらクリックするまで時計回りに回して取り付けます (
図 .60)。
ネジ (1) でレンズを取り付けます。
1:15 PM
1
図 . 59
図 . 60
60
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1:15 PM
ヘッドライトの光軸調整 ( 図 . 65)
ヘッドライトの光軸をチェックする際には、適正な空気圧
のタイヤを付けたモーターサイクルにライダーが 1 名だ
けまたがり、車両を垂直にし、縦軸に対して正しい角度を
保持します。モーターサイクルは壁またはスクリーンから
10 m の距離に置き、センター壁にヘッドライトの中心ニ同
じ高さで水平に線を引き、また、車体の縦軸に一致する垂
直線も引きます。
この作業はできれば薄明時に実施して下さい。
ロービームを点灯します:
光の照射範囲 ( 照射された部分と暗いの部分との境界の上
側 ) の地上高が、ヘッドライトの実際の高さとの 9/10 以
下でなければなりません。
9 x
10
x
10 m
図 . 61
注意
この方法は、“イタリアの基準”で制定された照射
角度に準拠したものです。
イタリア以外の各国のオーナーは、それぞれの国で有効な
方法で実施して下さい。
61
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1:15 PM
ヘッドライト光軸の垂直方向の調整は、ヘッドライト左側
のサポートに付いている調整スクリュー(1, 図 .62) で行い
ます。プロテクションキャップを外してからスクリューを
反時計回りに回して光軸を上げるか、反対に回して下げる
かします。
タイヤ
ヘッドライト光軸の水平方向の調整は、ヘッドライト右側
のサポートに付いている調整スクリュー(2, 図 .62) で行い
ます。
スクリューを反時計回りに回して光軸を右にするか、反対
に回して左にするかします。
フロント空気圧:
2,1 ~ 2,2 bar
リア空気圧:
2,1 ~ 2,3 bar
タイヤの空気圧は気温と高度の変化によって影響を受け
ます;
したがって、走行する場所の気温と高度の条件に合わせて
チェックし調整することをお薦めします。
重要
タイヤの空気圧は“タイヤ冷間時”に測定しなけれ
ばなりません。
フロントホイール・リムがダメージを受けないように、悪
路を走行する時はタイヤの空気圧を 0,2 ~ 0,3bar 上げて
下さい。
2
1
2
図 . 62
62
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タイヤの修理 / 交換
タイヤに小さな穴が開いた場合でも、チューブレスタイヤ
であればエアの減り方が遅いため、気付くまで時間がかか
ります。もしも、タイヤの空気圧が下がってきた場合に
は、パンクの可能性をチェックして下さい。
警告
タイヤがパンクした場合はタイヤを交換して下さ
い。
パンクしたタイヤを交換する際は、モーターサイクルの操
縦性と安定性を確保するために指定標準タイヤと同じ
メーカー、タイプを御指定ください。走行中のエア漏れを
防ぐため、タイヤのバルブキャップが確実に閉めてあるこ
とを確認して下さい。チューブタイプのタイヤは絶対に使
用しないで下さい。この注意を守らなければ、突然にタイ
ヤがバーストし、ライダーとパッセンジャーを重大な事故
に巻き込む危険性があります。
1:15 PM
タイヤ摩耗限界
タイヤトレッドが一番摩耗している所 (S, 図 . 63) で、溝
の深さを測定して下さい:
溝の深さは 2 mm 以下、または道交法の基準値以下であっ
てはなりません。
重要
タイヤに傷やヒビがないか、特に側面を注意深く目
視点検し、ひどい損傷がある場合には交換して下さい。
出っ張りや他と大きく異なる箇所は内部の損傷を表わし
ているので、タイヤを交換しなければなりません。
トレッドに入り込んだ石や異物は取り除いて下さい。
タイヤ交換の後には、必ずバランスチェックを受けて下さ
い。
重要
ホイールのバランスウェイトを外したり、移動させ
たりしないで下さい。
注意
タイヤの交換が必要な場合は、ホイールが正しく脱
着されるように、Ducati 正規ディーラーの修理工場にお任
せ下さい。
図 . 63
63
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1:15 PM
エンジンオイルレベルのチェック ( 図 .64)
エンジンオイル量は、クラッチ・カバー上のオイル点検窓
(1) で確認できます。
オイル量をチェックするには、車両を垂直に保ち、また、
エンジンが暖まっていなければなりません;液面が安定す
るまで、エンジン停止後数分間待って下さい。オイル液面
は、点検窓の横に指示された目盛の間になければなりませ
ん。
もしもオイル液面が低い場合には、指定されたオイル
SHELL Advance Ultra 4 を補充する必要があります。注入
キャップ (2) を開け、オイルを正しいレベルまで補充しま
す。注入キャップを閉じて下さい。
1
2
重要
定期点検表に指示されている , エンジンオイルと
フィルターの交換は , 正規ディーラーの修理工場に依頼し
て下さい。
(保証書参照) 10W
Multigrade Unigrade
粘度
SAE 10W-40
モーターサイクルの使用地の気温がオイル粘度の指定範
囲内であれば、表に示された他の粘度も使用できます。
図 . 64
20W
20
30
40
20W–40 20W–50
15W–40 15W–50
10W–40
10W–30
–10
64
0
10
20
30
40 C
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1:15 PM
スパークプラグをシリンダーヘッドに取り付けるには、プ
ラグをシリンダーヘッドの中にしっかりと入るまで指で
スパークプラグはスムーズなエンジンの作動に不可欠で、 回して締め込みます。プラグは指定されたトルク
20 Nm で締め込みます。
定期的な点検が必要です。
この作業は簡単で素早く行え、エンジン状態を良く知るこ トルクレンチをお持ちでない場合には、指で締めた後、備
品のスパークプラグ・レンチで更に 1/2 回転締め込むこと
とができます。
左側ハーフフェアリングを取り外し、プラグキャップを外 で、指定されたトルクと同じ効果が得られます。
し、備品のスパークプラグ・レンチでシリンダーヘッドか
重要
らプラグを外します。
指定と異なる熱価や、ネジ長のスパークプラグは絶
中央電極のセラミック絶縁材の色をチェックします:明る
い茶色であればエンジンの状態が良好なことを示してい 対に使用しないで下さい。
スパークプラグはしっかりと締め付けなければなりませ
ます。
ん。
もしも変色していたり、カーボンが体積している場合に
は、スパークプラグを交換し、購入先の正規ディーラーに
ご報告下さい。
また、電極の摩耗もチェックします;電極が減っていたり
ガラス状に溶けている場合には、スパークプラグを交換し
て下さい。
0,6 ~ 0,7 mm
電極ギャップが 0,6 mm ~ 0,7 mm になっているかどう
か確認して下さい。
スパークプラグの清掃と交換 ( 図 .65)
重要
ギャップの調整が必要で電極を曲げる際は、慎重に
実施して下さい。ギャップが広すぎたり、狭すぎたりする
とエンジン性能に影響を及ぼし、また、始動困難やアイド
リングの不安定を招きます。金属ブラシを使って電極とガ
イシを清掃し、シールの状態をチェックします。燃焼室に
異物が混入しないように、シリンダーヘッドのプラグシー
トを注意して清掃します。
図 . 65
65
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Tuesday, July 1, 2003
モーターサイクルの手入れ
1:15 PM
長期間の保管
モーターサイクルを長期間使用しない場合には、保管する
前に以下の作業を実施するようお薦めします:
モーターサイクルを清掃します;
ドレンプラグをシールと共に外すことで燃料タンクを空
にします;
スパークプラグの穴からシリンダーの中に数滴のエンジ
ンオイルを注入し、エンジンを手で数回転させてシリン
ダー内壁に保護膜を形成させます;
重要
走行後のボディがまだ暖かい間は、水染み等を防ぐ モーターサイクルをスタンドに立てかけて正立させます;
ためすぐには洗車をしないで下さい。高温のお湯や、ウ バッテリーケーブルを外し、バッテリーを取り外します。
オッシャ-等の圧力のかかった水で洗浄しないで下さい。 1ヶ月以上モーターサイクルを使用しなかった場合には、
ウオッシャー等の使用は、サスペンションやホイールベア バッテリーの点検と充電を行う必要があります;
リング、電装部分、エアー吸入口、マフラーの磨耗や変形 結露を防止し塗装を保護するため、モーターサイクルはカ
をもたらすおそれがあります。もしもエンジンにひどく汚 バーで覆って下さい。純正カバーは DucatiPerformance 社
れた部分や油脂汚れなどがある時は、油取り用洗剤を使っ で取り扱っています。
て、トランスミッション系統 ( チェーン、ギア、リム等 )
に洗剤がかからない様に洗浄します。水道水で良くすす
ぎ、モーターサイクル全ての表面部分をセーム革で拭きま 重要注意事項
す。
国によっては(フランス、ドイツ、イギリス、スイス等)
警告
排気ガス、騒音規制の基準を設けている場合があります。
モーターサイクルを洗車した後には、ブレーキ能力 法に義務付けられた定期点検を行う他、規制に適さない部
が落ちることがあります。
品がある場合は、オーナーの責任において適合する Ducati
の特別純正部品と取り代えて下さい。
ブレーキディスクには絶対に、グリースやその他のいかな
るオイルも付けないで下さい。ブレーキ能力が失われ、事
故を招く危険があります。ディスクは非油性の溶剤で清掃
して下さい。
塗装部分とメタリック部分のオリジナルな艶を長い間保
つため、走行する道路のコンディションに合わせて、モー
ターサイクルを定期的に清掃、洗車しなければなりませ
ん。
モーターサイクルに損傷を与えないように、専用の洗剤と
水を使って洗車して下さい。
66
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Tuesday, July 1, 2003
1:15 PM
重量
装備重量 ( 燃料なし ):
182.3 Kg. (SS800)
185.2 Kg. (SS1000)
最大積載重量:
385 kg.
警告
重量制限を遵守しなければ、操縦性と性能の
低下を招き、車両のコントロールを失う原因となり
ます。
1110
110 (SS800)
118 (SS1000)
1405 (SS800) 1395 (SS1000)
2030
780
全体寸法 (mm) ( 図 .66)
815 (SS800)
820 (SS1000)
テクニカルデータ
図 . 66
67
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指定油脂類
タイプ
dm3 (l)
燃料タンク、リザーブ 4 リットル含む
無鉛燃料オクタン価 95(最小)
16
クランクケース・オイルフィルター
SHELL Advance Ultra 4
3,4 (SS800)
3,9 (SS1000)
フロント / リアブレーキ、クラッチ
SHELL Advance Brake DOT 4
–
電極接点保護
電極 保 護ス プ レー SHELL
Cleaner
フロントフォーク
SHELL Advance Fork 7.5 または Donax TA
重要
燃料、オイル等には絶対に添加剤を加えないで下さい。
68
Advance
Contact
–
( 各側 )
0,410 (SS800)
0,532 (SS1000)
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エンジン
タイミング・システム
縦 90 L 型・ 4 サイクル 2 気筒
ボア:
88 mm (SS800)
99 mm (SS1000)
ストローク:
66 mm (SS800)
71,5 mm (SS1000)
総排気量:
802 cc (SS800)
992 cc (SS1000)
圧縮比:
10,3± 0,5:1 (SS800)
10,0± 0,5:1(SS1000)
最大軸出力 (95/1/CE):
54,8 kw - 74,5 馬力 /8250 rpm (SS800)
63 kw - 85,5 馬力 /7750 rpm (SS1000)
最大軸トルク (95/1/CE):
70 Nm - 7.1 Kgm 6250 rpm (SS800)
87,5 Nm - 9.0 Kgm 5750 rpm (SS1000)
デスモドロミック・システム。1 気筒あたり 2 本のバルブ
を、オーバーヘッドカムシャフトで駆動される 4 本のロッ
カーアーム(クロージング 2 本、オープニング 2 本)で
開閉します。スパーギヤ、タイミングベルトローラーおよ
び歯付きベルトを介して、クランクシャフトによりカム
シャフトを駆動する方式です。
重要
いかなることがあっても許容最高回転数を越えて
エンジンを作動させてはなりません 。
69
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デスモドロミック・タイミングシステム ( 図 .67)
1) オープニング ( もしくは上側 )・ロッカーアーム;
オープニング・ロッカー・シム;
スプリット・リング;
クロージング ( もしくは下側 ) ・ロッカー・シム;
ロッカーアーム・リターン・スプリング;
クロージング ( 下側 )・ロッカーアーム;
カムシャフト;
バルブ。
1
5
2
7
8
3
4
6
70
図 . 67
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性能データ
各ギアにおける最高速度への到達は適切な指定点検整備
を受けて、適正な慣らし期間が済んだ後に限ります。
最高速度 ( ライダーのみ ):
210 km/h (SS800)
230 km/h (SS1000)
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ブレーキ
フロントブレーキ
孔開きダブルディスク
ブレーキ表面材質 :
スチール
ディスク径:
320 mm
ハンドルバー右側レバーによる油圧作動。
有効面積:
88 cm2
ダブルピストン・ブレーキキャリパー
メーカー
BREMBO
型式:
30/34・ピストンピストン
ブレーキパッド材質:
FERIT I/D 450 FF
ポンプ形式:
PS 16 (SS800)
PSC 16 (SS1000).
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リアブレーキ
孔開き固定式ディスク
ブレーキ表面材質:
スチール
ディスク径:
245 mm.
車体右側ペダルによる油圧作動 .。
有効面積:
32 cm2
メーカー:
BREMBO
型式:
P 34 C
ブレーキパッド材質:
FERIT I/D 450 FF
ポンプ形式:
PS11
警告
ブレーキ液は塗装部分を溶かすだけでなく、誤って
目や皮膚に飛沫が付くと、ひどい炎症の原因となります。
液が付着した部分は大量の水道水で洗浄して下さい。
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トランスミッション
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チェーンによるギアボックスとリアホイール間駆動伝達:
メーカー:
RK
型式:
520 GXW (SS800);
525 GXW (SS1000).
サイズ:
5/8" x 1/4" (SS800);
5/8" x 5/16" (SS1000).
リンク数:
98 (SS800);
96 (SS1000).
クラッチ:
湿式多板クラッチ・タイプ (SS800),
乾式多板クラッチ・タイプ (SS1000);
ハンドルバー左側レバーによる操作。
エンジンとギアボックス・メインシャフト間の駆動伝達は
スパーギア。
ギア比:
33/61 (SS800);
32/59 (SS1000).
ギア:
6速
重要
コンスタントメッシュギア。車体左側ペダルによる操作。
上記のギア比は認可されたもので、いかなることが
フロント / リア・スプロケット比:
15/39 (SS800);
あっても変更してはいけません。
15/38 (SS1000).
この車両を競技用に仕様変更する場合には、Ducati モー
総ギア比:
ター社から特別なギアレシオに関する情報を提供いたし
1 速 13/32 (SS800) - 15/37 (SS1000)
ます;取り扱いと純正交換パーツに関しては、正規ディー
2 速 18/30 (SS800) - 17/30 (SS1000)
ラーにお問い合わせ下さい。
3 速 21/28 (SS800) - 20/27 (SS1000)
警告
4 速 23/26 (SS800) - 22/24 (SS1000)
リア・スプロケットの交換作業は、正規ディーラー
5 速 22/22 (SS800) - 24/23 (SS1000)
にお任せ下さい。この部分の誤った交換作業はライダーの
6 速 26/24 (SS800) - 28/24 (SS1000)
安全に深刻な危険をもたらし、車両に回復不能な損傷を与
える原因になります。
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フレーム
タイヤ
トレスル構造上部にハイレジステンス・スチールを用いた
チューブフレーム。
ハンドル切れ角 ( 左右 ):28º
キャスター角:24º
トレール:
96 mm (SS800);
100 mm (SS1000).
フロント
チューブレス・ラジアルタイヤ
サイズ:
120/70-ZR17.
ホイール
3 本スポーク軽合金製 (SS800)
5 本スポーク (SS1000).
リア
チューブレス・ラジアルタイヤ
サイズ:
170/60-ZR17 (SS800);
180/55-ZR17 (SS1000).
代わりとして:
180/55-ZR17 (SS800);
170/60-ZR17 (SS1000).
フロント
メーカー:
BREMBO
サイズ:
3,50X17"
リア
メーカー:
BREMBO
サイズ:
5,50x17"
前ホイールはアクスルシャフトが取り外し可能です。
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スパークプラグ
メーカー:
CHAMPION
タイプ:
RA 4 HC (SS800);
RA 6 HC (SS1000).
代わりとして:
メーカー:
NGK
タイプ:
DCPR8E
サスペンション
フロントサスペンション
油圧式倒立フォーク。
SS1000 のモデルには、プリロード ( フォーク内部のスプリ
ング ) 及びリバウンド / コンプレッション用外部アジャス
ターが付いています。
フォーク径:
43 mm.
作動長:
120 mm
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1:15 PM
リアサスペンション
リアショックアブソーバーは、スプリング・プリロード及
びリ圧側 / 伸側減衰力の調整が可能です。ショックアブ
ソーバー下部のピボット・ポイントは、スイングアームに
接続されています。スイングアームはスチール製、または
アルミ製 (SUPERSPORT1000) です。
スイングアームピボットシャフトはエンジンを貫通して
います。このシステムは、モーターサイクルに高い安定性
をもたらします。
SUPERSPORT1000 のショックアブソーバーは、ショック
アブソーバー自体の全長が変更できます。標準長は 336
mm です。これより 4 mm 以上縮小する、あるいは 8 mm 以
上増大することはありません。シートの高さはこのよう
に、スプリング・プリロードに関係なく調整されます。
作動長:
71 mm (SS800);
76 mm (SS1000).
リアホイール・トラベル:
136 mm (SS800);
145 mm (SS1000).
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エキゾーストシステム
排気ガス規制に準拠した触媒を採用。
カラーバリエーション
SUPERSPORT800 モデル
Ducati アニバーサリー・レッド cod. 473.101 (PPG);
フレームとホイールはメタル。
シルバー cod. *0022 (PPG)
黒のリムとフレーム
SUPERSPORT1000 モデル
Ducati アニバーサリー・レッド cod. 473.101 (PPG);
Ducati イエロー cod. 473.201 (PPG);
フレームとホイールはメタル。
ダークグレー cod. *0017 (PPG);
フレームとホイールは赤 "FLUO".
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電装
主要構成パーツは以下の通りです:
ヘッドライト、12V-55/60W、円形ヨウ素球・ダブルフィ
ラメント
パーキングライト、12V-5W
ハンドルバー・スイッチ:
ウインカー・ランプ 12V-10W。
警告ホーン。
ストップ・ライト・スイッチ。
バッテリー、12V-10Ah
ジェネレーター、12V-520W
レギュレター、40A 保護ヒューズ付き
セルモーター、12V-0,7kW
テールライト、ストップ・ライト、テールライト用ダブル
フィラメント 12V-5 / 21W、
ナンバープレート用 12V-5W、
注意
“バルブの交換”については、57 ページを参照して
下さい。
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1:15 PM
ヒューズ
メインヒューズボックスは、バッテリーの左側に配置され
ています ( 図 .68)。
ボックスのプロテクション・カバー (1) を外すことで
ヒューズの交換が可能です。ヒューズの取り付け位置とア
ンペア値はカバーに表示されています。
6 個のヒューズのみが回路に接続されており、残りの 2 個
はスペアです。
3
2
バッテリーの右側 ( 図 .68) に配置されている 40A のヒュー
ズ (2) は、レギュレターを保護しています。
切れたヒューズは、インナー・フィラメントが断線してい
ることで確認できます (4, 図 .69)。
1
図 . 68
重要
回路のショートを防止するために、ヒューズ交換の
前には、イグニッション・キーを OFF にして下さい。
警告
表示されている値以外のヒューズは決して使用し
ないで下さい。このルールを守らない場合には、電気回路
に損傷を招き、火災の原因となります。
4
4
図 . 69
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インジェクション/電気配線図キー
1) 右側ハンドル・スイッチ
2) トランスポンダー・アンテナ
3) キースイッチ
4) メインリレー
5) ヒューズボックス
6) 警告ホーン
7) スターターモーター
8) スターターコンタクタ 9) バッテリー
10) レギュレターヒューズ
11) レギュレター
12) ジェネレーター
13) リアターンインジケーター(右側ハンドル)
14) テールライト
15) ナンバープレート・ライト
16) リアターンインジケーター(左側ハンドル)
17) 燃料タンク
18) 診断装置用ソケット
19) スピードセンサー
20) 診断装置用電源
21) サイドスタンド・スイッチ
22) リア・ストップライ・トスイッチ
23) ホリゾンタルシリンダー・コイル
24) バーチカルシリンダー・コイル
25) ホリゾンタルシリンダー・スパークプラグ 1
26) ホリゾンタルシリンダー・スパークプラグ 2
(SS1000)
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27) バーチカルシリンダー・スパークプラグ 1
28) バーチカルシリンダー・スパークプラグ 2 (SS1000)
29) インジェクション・リレー
30) ホリゾンタルシリンダー・インジェクタ _
31) バーチカルシリンダー・インジェクタ _
32) スロットルポジション・センサー
33) タイミング/エンジン回転数センサー
34) オイル温センサー(コントロールユニット)
35) ECU(コントロールユニット)5.9M
36) ニュートラル・スイッチ
37) オイルプレッシャー・スイッチ
38) フロントストップライト・スイッチ
39) クラッチ・スイッチ
40) オイル温センサー(計器パネル)
41) 左側ハンドル・スイッチ
42) 気温/気圧センサー
43) 計器パネル
44)フロント・ターンインジケーター(左側ハンドル)
45) ヘッドライト
46)フロント・ターンインジケーター(右側ハンドル)
47)24 極リリースコネクター
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配線カラーコード
B 青
W 白
V紫
Bk 黒
Y黄
R赤
Lb ライトブルー
Gr グレー
G緑
Bn 茶
O オレンジ
P ピンク
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ヒューズボックスキー (4)
配置
内容
値
1-9
メイン
30A
2-10
パーキングライト、ハイ/
ロービーム、スピードセン
サー、ソレノイド・スター
ター 15A
3-11
ECU
3A
4-12
ストップ、ホーン、パッシ
ング、キー・オン
15A
5-13
計器パネル
3A
6-14
20A
インジェクション
(インジェクタ -・ポンプ、
コイル)
注意
電装図は、このマニュアルの最後にあります。
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定期点検メモ
Km
名前
Ducati Ducati・サービス
走行距離
日付
1000
10000
20000
30000
40000
50000
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DUCATIMOTORHOLDING S.p.A.
Via Cavalieri Ducati, 3
40132 Bologna, Italy
Tel 39.051.6413111
Fax 39.051.406580
www.ducati.com
80
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913.7.088.1G
Stampato 06/2003
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