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多孔質体利用による高温気体の顕熱回収について

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多孔質体利用による高温気体の顕熱回収について
多孔質利用による高温気体の三熱回収について
一33一
多孔質体利用による高温気体の顕熱回収について
福 田 研 二・長谷川
修
(昭和56年3月25日 受理)
The:Recovery of Waste Thermal Energy in High
Tem:perature Gas by Using Prous Material
Kenji FUK:UDA and Shu H:ASEGAWA
In order to attain high perforomance of a gas heat exchanger圏on high temperature,
i亡is important to use radiative heat transfer effectively. Aiming at the recovery of
the waste heat in exhausting high temperature gas, it is passed through the porous me−
tal Plate before discharge, and the heat transfered to the plate by convection is retran−
sfered by radiation to the heat receiver plate installed in the upstream. In this study,
simultaneous radiative alld convective heat transfer in such a simple system is analyzed
and the fundamenal characteristics are discussed in some details.
1.緒
言
者ら1)は,この両者を満たす材料として発泡金属板を
選び,その熱交換器への応用の可能性について実験的
最近,省エネルギの観点から産業廃熱等の低位エネ
研究を行っているが,本報はその性能評価の一環とし
ルギの再利用,あるいは排気する前の高位エネルギの
て簡単な体系をとりあげて基礎的考察をこころみたも
有効利用が注目されているが,本報は後者に関する基
のである.
礎的研究である.
例えば,熱交換器の場合,高位エネルギを有効利用
することは熱交換効率を高めることとほぼ一義的に対
2.解
析
2.1.物理モデル
応すると考えられ,そのために伝話面の工夫改善や流
ここでは,高温の吐出を回収するために,次のよう
体,流動の面からの工夫などが考えられている.拡大
な状況と方法を考える.気体が排気される時,それが
伝熱面の利用,伝熱特性の良い流体の選択,あるいは
比較的高温であり,何らかの方法でそのエネルギを回
流れの方向を変えたり乱れを増大することにより対流
収することを考える場合,排気前に一たん多孔質の発
伝熱特性を向上させる伝熱促進体の利用などがそれで
泡金属内を通過させ,先づ多孔質体を対流加熱する.
ある.
次に多孔質体は,その良好な輻射特性により上流側に
さらに流体が高温気体の場合には輻射伝熱特性を改
置かれた白熱器を輻射加熱するとする.このようにし
善することによっても熱交換効率を高めることが可能
て伝達される熱量は,本来ならば排気される熱量のう
である.高温の一次気体と接触する金属壁は高温に加
ち有効に回収された部分であると考えられる.
熱され輻射伝熱により二次流体の流れる管群を加熱す
ることができる.このような役割を果しうる金属壁と
模式的にはFig.1で示される状況である.受熱壁
1は二次側流体の流れる伝熱面(管群)を代表し,受
しては,シェル・アンド・チューブ型熱交換器の場合
四壁2は一次気体の排気条件を与える.排気側が大気
シェル壁,バッフル対等がある.
開放であれば受塁壁2は外気の輻射条件で置きかえら
この機構による熱交換効率改善は次の条件が満たさ
れる.熱交換器の場合壁2はシェル壁と想定すること
れるとより良く機能する.すなわち,(i)良好な対
ができるが,極端な例としてここからの外気への熱損
流伝熱特性, (ii)良好な輻射伝熱特性,である.著
失がない場合は断熱壁,構造設計等の観点からシェル
エネルギン変換工学専攻
壁の温度に制限がある場合は等温壁に設定される.
一34
総合理工学研究科報告
porous
wα11
第3巻 第1号
昭和56年
ず
廣一婦+2(ユー・・){β・E・(・・)+fστ劣E・(・)翻
P1αセe
wαll
灘
T2
0
(5)
予
ね
+∫・7多現(τ。一の4’}(6)
gas
刊ow
qR
㍉i
u
β2=ε2σ丁垂直2(1一ε2)(β1E3(τo)
O
T1,T2が与えられるときは,これが境界条件とな
る.壁1あるいは壁2に面する多孔質体表面温度丁♪
(0),T♪(τ・)は一般にはT1, T2とは異り,上式を解い
.X.’:
て求められる量である.また壁2が断熱壁の場合には
壁2の境界条件はT2が与えられる代りに9,(τo)=0
LH一判
になる.
(7)式で定義される無次元数を導入すれば,(1),
Fig. I Analytical model
(2)式は(8),(9)式のように無次元形に変換され
ここでは以上の方法により理想的にいかなる割合の
る.
熱量を回収しうるかに焦点を絞る.Fig.1はそのた
2Vμ≡…αγH2
θ、≡−.3注α・E
めに想定しうる最も簡単な基本的な形状であるといえ
Tg,‘
’
ρ。cρ。ガ
λ♪’
る.
ξ謹寿・怖≡4鋳・砺…・瓦
2.2.基礎式
今,温度Tg’ゴの一次気体が多孔質板に垂直に速度
娠
τ=κx, φR≡≡
μで流入するとする.多孔質体,およびその内部を通
4στgf‘
過する気体の温度はそれぞれTρ,Tgとすると気体,
(7)
および多孔質体のエネルギ式は(1)∼(2)式で表され
る.
讐一3’(・・一・ρ
侮。副砦一α・(Tρ一Tg)
(8)
d)
砦一物(θρ一θ9)一岳・薯 (9)
・・砦一α・(Tρ一Tg)一讐一・
(2)
また境界条件としては壁1は温度丁1が与えられると
ここで,9Rは輻射熱心束で,
散乱を考えない場合
には(3)式で,
し,また壁2については断熱壁とすると次のようにな
またその微係数は(4)式で与えら
れる.
る.
θ1=・const
9R=2β1E3(τ)一2B2E3(τo一τ)
ご
ごむ
0
τ
珂・丁多現(・一・)呵
φR(τ。)ニ0
σ丁参E2(∫一τ)4’
(10)
(11)
これらを次のようにして解いた.まず,θρ(τ),お
よびθ2を仮定し(4)∼(6)式に代入することにより
(3)
一往一2β・現(・)+2易E・(窃一・)
4φR/4τを求める.これを既知とすれば(8),(9)式
は線形の連立微分方程式となり差分法により解くこと
ができ,これを収束する迄繰返す.更に,(11)式を満
ごむ
+2
迴ゥ(1τ一司)4’一4σ丁多(τ) (4)
0
足せぬ場合θ2を再び仮定しなおし上の手順を繰返し
た.
また,.β1,.β2は壁1,2における射度で,(5),(6)
2.3.光学的に厚い場合の近似解
式で表される.
ところでτoが大きいときは上に述べた解析手法で
多孔質利用による高温気体の二二回収について
は収束性が悪く結果が得られなかった.従ってここで
x10圃2
述べるRosseland2)による光学的に厚い場合の近似
解を求めこれを補った。
0
この近似においては無次元輻射熱流束φRが(12)式
のように微分形で表されるのが基礎となっている.
φ・(・)一一告一差(・多)
一1
(ユ2)
一2
また,多孔質板表面と,壁1,
去(θ劣(0)一・1)一一(轟一告)娠(・)
弄(・毒一・多(・・ト(竃一去)勲(恥)
驚\
蔓
》む’・
\\、
㊥∵球
一4
母一釦こここざこ_
(13)
Q9
Q8
_一」し__==」=
(14)
(9)式を積分し,(8)式を用いることにより(15)式,
(16)式を得る.
・多一製品「糖擢一・ (・5)
K一
to
一3
2間の温度飛躍条件
が次のように与えられる.
35一
⑨P
−5
一6
一7
Nu310
!
!
07
i3τ0 14 θ茎(0)+舞)φ・(・)+警(ユ6)
(8),(12),(15)式より次の二半を得る.
(・+畿)・・一筆・ κ (ユ7)
0
0.57
α6
1
Fig。2 Effect ofαγon the temperature
and the radiative heat flux distri−
iκ一誓1・9)/{恥(毒+素)}(18)
守旧
butions
(St/Nu=0.04,ε1=ε20.5,τo=1,2V押=0.01,
θ、=0.5)
計算手1順は次の通りである.θρ(0),θρ(τo)をまず最
初に仮定すると(13)式よりφR(0)を,(16)式よりK
を求めることができる.次に(8),(17)式をRunge−
Kutta−Gi11法を用いて数値積分し温度分布θρ,θ9を
得,更に(18)式よりφRを得る.得られたφR(τo)が
(14)式および,境界条件(11)式を満たすようになる迄
これを繰返す.
2.4.計算結果
Fig・2に,厳密解による(以下特にことわらない
限り厳密解による結果を示す)温度および輻射熱流束
分布に及ぼすαyの影響を示す.(7)式からわかる
ようにαγを変化させると形式的にはε∫およびNμ
が変化する.ここでは!>:μと5”の比を一定にして
いるが1V:〃/3∫=RθPrλg/λρなのでこれはガス速度μ
を一定にした場合に相当する.したがって例えば多孔
を増すと (或いはNμおよび甜を増すと)多孔質
の温度は上昇し,気体温度は低下し,互いに接近する
ことがわかる.これはαγが大きい程,壁1に面した
側の多孔質体の温度が高く保たれ,輻射による熱輸送
が大きく,それだけ気体の温度降下が大きいことを意
味している.
ここで気体が多孔質板を通過する際の温度降下ζ二
1一θg,2なる量を考える.容易に(19)式の関係がある
ことがわかるので,ζは気体から,壁1に伝わる熱量
の気体が最初にもつ熱量に対する割合を示しており,
これが大きい程,多孔質体による熱回収の効果が大き
いといえる.
A1
ζ一
ヤ、一門1勲(・)1 (・9)
質金属体を構成している粒子形状を変えるなどして
αγを変化させることに対応している.図より,αγ
ζに及ぼすαγの影響はFig.3に示している.噺
総合理工学研究科報告
一36一
35
昭和56年
第3巻 第1号
一2
x10
一 St =2
30
一一一
rt/Nu=0,04
1.0
一〇
一1
25
一2
! 1
! /
20
輸
ノ
/
、.O
一3
!一〆’
∼0
sL 4
//
15
/
/
ヘ
/
/
0.8
ZO
/
10
Q9
㌔29,
/一
リ
’一
//
@q5
ヘ へ
/ /
ρ5
/
㊤
一5
一6
07
α2
5
α2
一7
α1
0
50
100
α1
Nu
Q6
Fig.3 Effect ofαγor u onξ
(1VR==0.01,τo==1,ε1ニ=ε2=0.5, θ1=0.5, 5∫=2
0
α5÷
1
:Fig.4 EfEect of u on the temperature
and the radiative heat 且ux distri−
and 3’/Nμ=0.04)
butions
の増加とともにζは増加する.一方,常にθg,2>θρ,2
であるので,明らかにζには上限がある.よって,
αγはある程度大きくなれば多孔質体の効果は飽和す
る傾向がある.輻射熱流束についてはαyが大きくな
るにつれ壁1に面した側の多孔質板表面(τ=0)近傍
の温度が高くなり,それだけ多くの輻射熱が壁1へ輸
送されることがわかる(Fig.2).壁1との輻射熱輸
送のうち,τ=0面近くからの寄与の部分が増すた
め,αγが大である程τ=0付近のφRの勾配も大
きくなっている.
Fig.4は3’を固定し, Nμを変化した場合の温
度および輻射熱流束分布を示す.経験的に
αγ㏄灘
(20)
(NR=0.01,3’=2,τo=・1,ε1=ε2=0.5,θ1=0.5)
いま4が増すとα7(或いは1Vのが増すのと,流
入気体のもつエンタルピが増す両効果が現れる.この
とき温度分布はFig.2の場合と異りN〃が増すと高
温側に推移する.Fig.3にはこの場合のζも一緒に
示しているが,この場合にはζは1物が増すと減少
する.これは翫が増すと明らかに壁1に輸送される
熱量は大きくなるにもかかわらず,流体の初めに持っ
ていたエンタルピがμに比例して増すので,(19)式
に示したように,これで除した形のζは1物ととも
に減少することになる.
次に,壁1の射出率ε1の影響をFig.5,6に示
す.壁1の射出率は大きい程壁1への輻射熱輸送は大
なる関係があることがわかっているので3},Fig.4は
きい事は容易に予想されるが,これらの図よりこの事
μを変化させることによりαv(或いは1物)を変化
が裏付けられる.
させた場合に相当する.
吸収係数κの影響について調べた結果をFig.7に
一37一
多孔質利用による高温気体の三熱回収について
一2
x10
to
0
30
25
⑦9
1
α9
2
、9
20
15
3
勘
/
/
0.8
㊤
◎5
/
ノ
10
!
5
!
0:Z
ノ
5
6
7b=Oj
7
。
εμ5
1
Fig.6 Effect ofε1011ξ
α6
0
③57
1
Fig.5 E鉦ect of∠on the temperature and
the radiative heat flux distributions
(κ=0.01,gc=50, gR=1, ζ=2, ζτo=0.5, τ〇二
〇.5)
(1VR=0.01,1>:〃=・50,τo=1,5’=2, ε2=0.5, θ1
=0.5)
分に供給される対流による伝熱量9、も減少するため
(これは壁1に伝達される輻射熱量娠でもある.)
ζは減少に転ずる.すなわちζが最大値をとるτoが
あるが,この事についてはτoが2.5を越えると厳密
示している.吸収係数κが変化すると(7)式からわか
解が得られなかったため2.3節で述べた光学的に厚
るように2VR,τ。が同時に変化する.光学的厚さが薄
い場合の近似を用いた解析により,この事を確認し
い場合,多孔質体の単位体積あたりの,壁1との輻射
た.
熱輸送が少く,多孔質体の温度は高くなる.τoが大
Fig.8に光学的に厚い近似を用いた場合の代表的
きくなるにつれて,壁1と輻射熱交換をする多孔質の
温度および輻射熱流束分布の結果を示す.多孔質の温
x=0から測った厚み4κは薄くなるが,その部分に
度分布θ♪で特徴的なのは必ず右上り(4θク/4τ>0)
対流により供給される熱量も厚みとともに減少するの
であることであるが,これは壁iの温度が流入気体温
で,θ少(0)はθ、に近づきθ♪の分布の形状もκ二〇
度よりも低く,かつ壁2が断熱されているため,必ず
付近で左下り(4θ♪/4τ>0)となる.ζについては
左向きの熱流が起るが,それがここでは熱伝導に近い
Fig.9(a)(実線,τo≦;2.5)に示すようにτ。=0
性質((12)式参照)をもっからである.従ってFig.
からτ。を増していくと,多孔質板全体が壁1と有効
7と比較すればT♪の厳密解で右上りの分布が得られ
に輻射交換をするようになる迄はζは増加する. し
ている範囲,すなわちτo;≧2で,光学的に厚いとい
かし更にτoを増していくと上述のように壁1と輻射
う近似が成立っということがいえよう.
交換をする多孔質体の有効厚み∠Xが減少し,その部
厳密解と,光学的に厚い近似解とを比較するために
総合理工学研究科報告
一38一
1.0
昭和56年
第3巻 第1号
価2
x10
1
\
こき
0
4
、Q
1矛=
㌔\
α9
Q
腰 へま
2
・四号箋1
3
絶qρ〃玄『コ互P至互。
@ 1
む
8%
①
0.8
雪
、
6一”
㊤
/〃
4
09
//
0.8
/。
5
0.7
る
6
0.7
7
0
0,2 0.4
0.6
0.6
0、8
77%
0
0.2
α6
0.6
0.8
1
777も
Fig.7 Effect ofκon the temperature and
the radiative heat flux distributions
04
Fig.8
Effect of κ on the temperature
(2>麗==50, 3’==2, τo/1>’R==50, ε1=ε2=0.5, θ1=
and the radiative heat flux distri−
0.5)
butions for optically thick limit
caseσ
(2V諺二=50, 5「’=2, τo/ハ「R==50, ε1=ε2=0.5, θ1=
:FIg・8にはτo=2の場合の厳密解をも白丸印で示
α5,000shows exact solution forτo=2)
しているが,両者の一致は満足しうる程度であると思
われる.
分精度の良い解が得られなかった範囲はτo鐸2∼5
Fig.8からわかるように,光学的に厚い近似を用
程度であろう.その範囲では,光学的に厚い近似で得
いた場合の結果は,Fig.7で得られた結果とはτoに
られるζは高々15%高めの値を与えると推定される.
関する傾向が逆である.あるτ。を境にしてζの傾向
κを増加させるのに多孔質板の厚さ∬は変えずに,
が逆転することについては前に述べたが,このような
これを構成する粒子を密につめることも考えられる.
温度や,輻射熱流束分布のτ。に関する傾向の逆転も
例えば多孔質板を多層に重ねた金網により構成する場
同じ理由による.
合はその層の枚数を増すことに対応するが,この場合
ζのτoに対する変化をFig.9(a)に整理してい
τ。,NR以外にαγ,あ等が変化する事により他の無次
る.図には壁2の温度もあわせて示している.これよ
元数も変化する.ここで,特にκに比例してαrが
り,光学的に厚い近似の場合と厳密解との接続の具合
変化する場合について考えることにする.従って(7)
がわかる.τoが大きくなると,光学的に厚い近似の
式よりわかるように,τo,2>R以外に更に3ら翫をも
精度が高くなると考えられるので,結局,本解析で充
連動させた計算を行った.その結果をFig.9(b)に
多孔質利用による高温気体の下熱回収について
lb、
【al
刈(工2
1.x10=2
・
1,
一39_
げる設計ならばζ,。。.望6i%)多孔質板の利用の効
果は小さいが,逆に,対流熱伝達が小さいとき多孔質
板の効果が現れる.特に〃が小さい時に,ζ。。。.が小
揀戟Cq過し/
」准_一・9◎}/1/
亜一
\.・{亡ΩL一
25 G’
11蝶憶添挿一L
25
^’
.9
@
0.3
Q0
Q0
P5
P5 レゆ轄軸幅05
戸5
∼α5
l ・1 0 5
Q9
■.8
鳩∠隔隔蕊一”
P /
タ
Oj
T0
蜘l1
1
孔質板を通過させることにより,その顕熱を高効率で
回収することができる.
3.結
論
高温排気を一たん多孔質体中に通過させ,これを加
熱し,更にその熱を多孔質体より二次側流体の流れる
冷壁に対し輻射熱輸送させることにより,排気のもつ
P0
.8
さく,ζが大となるためEは大きくなる.例えば,
自然対流のように非常にゆっくりした高温の流れは多
顕熱を回収することができる.この方法による場合,
次のようにすると特に有効である.
(i)多孔質体を通過するときの気体流速〃は小
さい程良い.すなわち,ガス流量が同じ場合,より広
.7
0
12 唐R4
い面積の多孔質体を通過させて速度μを下げるよう
@ 1㌔345
Fig.9 Effect ofτo,ε10n ξ showing the
connection of the exact solutions
τo≦;2,0) with the optically thick
liInit solutions (τo;≧2.0).
(a) In case IVR Proportionally changes
withτo
にする.
(ii) 体積熱伝達係数:αγは大きい程良い.ただ
し,αγがある程度増すと熱回収率ζは飽和する傾
向がある,
(皿) 光学的厚さτoは厚い程良いという事は必ず
しも言えず,τ。がある程度増すとζは飽和する傾向
θ1=0.5,ε2=0。5,ハrπ=50, 5「∫=2, ハ「R/τo=0.02
がある.τoの増加とともにαγの増加が伴わない場
(b) In case NR as well asε∫,1Vμpropo・
合は,ζが最大値となるτoがありτo望1∼2程度
rtionally changes withτo
θ1=0.05,ε2=0.5,5’∫/τo=2.0,ハ伽/τo=50,1VR/
である.
τo=・0.02
謝辞
示している.Fig.9(a)と比べて,光学的に厚い領
本研究にあたって本学研究生である松尾信一氏(現
域でのτoの増加に伴うζの減少が小さいことがわ
在昭和セントラルサービスK.K)および同工学部応
かる.また,ζの最大値を与えるτoがやや厚くなっ
用原子核工学科学生福田剛君には計算に際し協力頂い
ておりζの値自体も高めの傾向を示している.これ
た.本研究は文部省からの特別研究(昭和55年度
は,τoの増加とともに壁1へ輻射熱輸送する部分の
505012)科学研究費補助金の援助を受けている.ま
有効厚さ∠κが薄くなるにもかかわらず,その部分へ
た,計算に際し,九州大学大型計算機FACOM M−
の熱の供給がα7の増加により充分行われることに
190を使用した.ここに記して謝意を表する.
よると考えられる.
記号
ところで,壁1に一次気体が接し,対流熱伝達が期
β :射度
待できる場合,ここで考えている機構による熱伝達量
Cρ:定圧比熱
との比較が問題となるが,それはE≡ζ/ζ。。。vで評
瓦C=1,2,3)1指数積分関数:
価される.ここでζ。。。vは対流のみにより壁1に伝達
H :多孔質体厚さ
される熱量をg。。n。とすると,ζ、。nv≡≡g。。。v/(ρCρ〃
1( :(18)式参照
Tg,1)で定義される.ζ,。n。が大きいときは,(例え
1VR:(7)式で定義される無次元数
ば,対流のみで一次気体温度を1300.K→500.K迄下
1Vμ:ヌセルト数,(7)式参照
一40_
総合理工学研究科報告
9R :輻射熱流束
5∫:スタントン数,(7)式参照
昭和56年
第3巻 第1号
1,2:壁1,2
9.:気体
丁 :温度
ゴ :入口
μ :速度
ρ :多孔質体
X :多孔質体内座標
ノ :ξによる微分
ギリシャ文字
α7:体積熱伝達係数
ε
:射出率
ζ
:熱回収効率,(13)式参照
θ
:無次元温度,(7)式参照
κ
:吸収係数
λ
参 考文 献
1) Fukuda, K., S. Hasegawa and et al.,
“Improvement of High Temperature H:eat
Exchanger EfHciellcy by Inserted Porous
Metal Plates”, ASME Paper 80−HT−59,1980.
2)Sparrow, E. M. and R. D. Cess,“Radia−
:熱伝導率
tion Heat Transfer”Brooks/Cole Publish−
ξ
:無次元座標,(7)式参照
ing Company, p.208.
ρ
:密度
σ
:ステファン・ボルツマン定数
ous Matrices with Radiation as a Heat
τ
:光学的厚さ,(7)式参照
Source”, Journal of Heat Transfer, Trans−
:無次元輻射熱流束,(7)式参照
actions of the ASME, Feb.,1966, pp.69−76.
φR
添字
3)Chiou, J. P. and E1−Waki1, M. M.,“Heat
Transfer and Flow Characterfstics of Por−
Fly UP