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ミニバス英国を借ります

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ロ ン ド ン 市 中 に は 大 規 模 な 公 園 が 市 民 に 開 か れ て い る。
写 真 は 、 ロ ン ド ン 西 部 よ り の ハ イ ド パ ー ク。
ベンチ背もたれの上部にはFイン・メモリー・オブ・ハ
リ オ ッ ト 」 と 彫 刻 さ れ て い る。
市民が公園や保全団体にまとまった寄付をすると、それ
が ベ ン チ の 形 と な っ て し か る べ き 場 所 に 置 か れ る。
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川名英之・行政を動かすアジアの焼却反対運動
続 ・ 環 境 省 の 新 た な 取 り 組 み 一 岡 渾 和 好 廃 棄 物 ・ リ サ イク ル 対 策 部 長 に 聞 く
山口智彦・イギリスベンチ観察記
公 開 学 習 会 「 ダイ オ キ シ ン 特 措 法 の 運 用 の 実 態 及 び 今 後 の 課 題 」
「 環 境 法 の 今 丿 第 3 回 ダイ オ キ シ ン 法 の 解 説
PeoPlesAssociationonCounterMeasuresofDioxin&EndocrineDisruPtors
NEwsLETTERvol100
行政を動かす
アジアの焼却反対運動●
国民会議常任幹事
江戸川大学環境情報学科講師
川 名 英 之
バ ン コ ク で 開 か れ た 「 焼 却 炉 反 対 会 議 」。
新しいNGOrごみなきアジア」の結成
について討議する参加者達。左端はフィ
リピンのF改正・大気浄化法」制定運動
の リ ー ダ ー 、 フ ォ ン ・ ヘ ル ナ ン デ ス さ ん。
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アのごみ焼却反対の市民運動は政治・行政
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を 動 かす 力 を 持 ち 始 め た と 言 えるで し ょ
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問 題 化 し た ダイ オ キ シ ン と ディ ー ゼ ル 微 粒
子の汚染
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まず問題の多いフィリピン・マニラ首都
フィ リ ピ ン と タ イ で 成 果 を 手 に し た 市 民 運
圏の廃棄物行政の実態を述べ、次にごみ焼
動
却反対運動がどのようにして政治・行政を
動かしてそれを改めさせることができたの
フィ リ ピ ン で は ご み の 焼 却 に よ る ダイ オ
キ シ ン の 発 生 と ディ ー ゼ ル 車 の 排 出 す る 微
か を 見 ま し ょ う。
フ ィ リ ピ ン の 廃 棄 物 行 政 は 1 0 年 前 ま で、
粒子中の発がん物質による大気汚染が大き
ごみを集積場に野積みする方式が取られて
な 社 会 問 題 に な り 、 ご み 焼 却 禁 止 と ディ ー
きました。その結果、マニラ湾沿いのトン
ゼル微粒子公害規制の強化を求める市民運
ド地区に巨大なごみの山「スモーキー・マ
動 が 大 き な 盛 り 上 が り を 見 せ て い ま す。 市
ウンテン」が出現し、周辺に大きなごみ山
民運動は1999年2月、焼却炉によるごみ焼
から有価物を拾って生活する人々(約18万
却を禁止する世界初の画期的な法律「改
人)の住むバラック約1万7000の並ぶ大き
正・大気浄化法」の制定を勝ち取っただけ
な ス ラ ム 街 が 出 現 し ま し た 。 1 9 9 0 年 代 末、
でなく、今年1月には同法の施行(来年6
政府は「このような姿はフィリピンの恥だ」
月)に向けて行政が作成した「廃棄物環境
として、「スモーキー・マウンテン」を閉
管理法案」にも、環境に配慮した施策を盛
鎖し、ごみ山の有価物拾いを止めさせると
り 込 ま せ る こ と に 成 功 し ま し た。
ともに、ごみ山を撤去して住宅地を造成し
フィ リ ピ ン の 動 き は ア ジ ア 諸 国 の 焼 却 反
ま し た。
そ して 日 本 の 国 際 協 力 事 業 団 ( J I C A ) な
対運動に大きな影響を与え、タイの首都バ
ンコクでは今年1月の選挙で当選した市長
どの支援を得て、ごみ焼却炉の建設計画を
がごみ焼却に反対する市民運動の要請どお
進める一方、サン・マテオ地区に埋立て処
り 、 日 本 の O D A ( 政 府 開 発 援 助 ) に よる
分場を建設してマニラ首都圏のごみを処理
大型焼却炉導入計画を撒回しました。アジ
してきました。フィリピンではフィリピン
eNEwsLETTERVOI.10
環境・資源省の調査によると、現在フィリ
る汚染が直接の原因で死亡した人は年間推
ピン全土にあるごみ焼却炉は民間企業の工
定約1万8000人とする調査結果があり、フ
場で焼く焼却炉が13基、病院の医療廃棄物
ィ リ ピ ン の 環 境 保 護 団 体 グ リ ーン ピース な
を 焼 く 焼 却 炉 が 3 9 基 、 合 わ せ て 5 2 基 で す。
ど が 環 境 ・ 自 然 資 源 省 と 連 携 して、 ご み 焼
さ ら に 第 2 の 「 スモ ー キ ー ・ マ ウ ン テ ン 」
却 反 対 と ディ ー ゼ ル 車 の 微 粒 子 発 生 防 止 対
で は 、 そ の 名 の と お り 、 絶 えず ご み の 野 焼
策の強化を求める市民運動を繰り広げまし
きが行われ、煙が出ていました。1999年ま
た。運動団体は埼玉県所沢市を含む全せ界
で は マ ニ ラ 首 都 圏 に 2 基 の 焼 却 炉 が あ り、
のごみ焼却反対運動団体や個人と電子メー
そ の う ち の 1 基 が パ ヤ タ ス に あ っ た た め、
ル を 交 換 し て ダイ オ キ シ ン 汚 染 や 、 そ れ に
パ ヤ タ ス 周 辺 で は 多 量 の ダイ オ キ シ ン が 発
よ る 健 康 被 害 の 情 報 を 集 め た り 、 ダイ オ キ
生 し て い ま し た。
シン汚染の経験を持つ先進国から専門家を
マニラ首都圏の大気はごみ焼却(焼却炉
招 いて 集 会 を 開 く な ど して、 反 対 運 動 の 輪
と パ ヤ タ ス 集 積 場 の ご み 焼 却 ) に よ る ダイ
を 広 げ て 行 き ま し た 。 そ の 結 果 、 フィ リ ピ
オ キ シ ン 類 の ほ か 、 ディ ー ゼ ル 車 の 排 出 す
ン 議 会 の 多 く の 議 員 た ち の 理 解 が 得 ら れ、
る微粒子中の発がん物質によっても著しく
市民運動も加わって[改正・大気浄化法案]
汚 染 さ れて い ま す。 マ ニ ラ 首 都 圏 で は 、 排
が 作 成 さ れて 議 会 に 提 出 さ れ 、 審 議 の の ち
出ガス規制はまだ古い車にまで行き渡って
1999年2月、同法案は下院と上院で可決さ
お ら ず、 軽 油 を 使 う デ ィ ー ゼ ル 車 が 多 い た
れました。この法案の主な内容は次のとお
め、古いバス、トラック、小型簡易バス
り で す。
(ミニバス)などが黒い排煙を多量に排出
①家庭ごみを焼く焼却炉、医療廃棄物を
し な が ら 走 行 して い ま す。 ア ジ ア 開 発 銀 行
焼却する焼却炉、有害ごみを燃やす焼去9炉
の調査によると、フィリピン全土が大気汚
の建設と焼却を禁止する。ただし伝統的に
染の要警戒レベルに達していますが、とり
家 庭 ご み を 焼 却 して き た 地 域 、 火 葬 場 、 農
わ け 汚 染 の 著 し い の が マ ニ ラ 首 都 圏 で す。
業 冊 焼 却 は 除 外 す る。
マニラ首都圏の自動車走行台数は100万台
②鉛など汚染物質、添加物を含む燃料に
つ い て は 、 早 急 に 基 準 を 設 定 す る。
を 超 えて お り 、 こ れ ら の 車 か ら 出 る 有 毒 ガ
スはフィリピン全土の車から排出される有
毒 ガ ス 全 体 の 約 半 分 に 相 当 す る 量 で す。
このように幹線道路の汚染濃度が高いた
2000年までに鉛を含有するガソリンを
③
な くし、2003年までにガソリン中から鉛を
除去し、ベンゼン中の有機塩素化合物汚染
め昨年7月、マニラを訪れた際には交差点
を 低 減 す る。
で信号待ちの車が発進する際、道行く人た
①自動車と工場で使用されている軽油に
ちはもうもうと舞い上がる黒煙を浴び、手
含 ま れ て い る 硫 黄 分 を 低 減 す る。
のひらやハンカチで鼻を覆う人たちを目に
法案にはガソリンに含まれる鉛や硫黄の
し ま し た 。 こう して ご み の 焼 却 禁 止 と ディ
ーゼル微粒子規制の強化を求める声が強ま
低減・除去、ガソリンとベンゼン中の有機
り ま し た。
大きな負担になるため、これらの石油会社
塩素化合物の低減などは石油会社にとって
はジョセフ・エストラーダ大統領による同
ごみ焼却禁止法の制定を勝ち取った市民運
法 案 へ の 署 名 に 反 対 し 、 活 発 な ロ ビー 活 動
動
を行い、署名が遅れましたが、1999年6月
23日、エストラーダ大統領は、ごみ焼却炉
ダイ オ キ シ ン 類 と ディ ー ゼ ル 微 粒 子 に よ
でのごみ焼却を3年以内に全面禁止する
NEwsLETTERvol10●
「 大 気 浄 化 法 案 」 に 署 名 、 こ の 法 律 が 即 日、
こ ろ が 集 中 豪 雨 の た め に 汚 水 溜 め が 溢 れて
発 効 し ま し た。
こ の 法 律 の 制 定 に よ り 、 現 在 稼 動 して い
汚水が漏れ出すなど処理場の不備が目立っ
るごみ焼却炉は原則として2002年6月から
症などの患者が多発し、住民の不安が高ま
廃 止 さ れ 、 新 た に 建 設 す る こ と もで き な く
り ま し た。
な り ま す。 ご み の 焼 却 を 法 律 で 全 面 禁 止 す
る の は フ ィ リ ピ ン が 世 界 で 初 め て で す。
てきました。地域住民の中に皮膚病や感染
住民たちはごみの投棄をやめるよう求
め 、 バ リ ケ ー ド を 組 んで ご み の 搬 入 を 阻 止
する行動に出ました。これに対し、マニラ
埋立て処理場の閉鎖を命じた最高裁判決
首都圏開発庁は「汚水が漏れ出すはずはな
い」と言って搬入車を武装警官に護衛させ
政府はごみ処理の方式を野積みから埋立
てごみの投棄を続けました。しかし住民側
て方式に切り替えましたが、ごみ処理方式
は訴訟を提起、2000年1月24日、最高裁が
の抜本的な改善策が実施されなかったため
住 民 の 訴 えを 支 持 し 、 サ ン ・ マ テ オ 埋 立 て
に、表向きは認められていないマニラ首都
処 分 場 の 閉 鎖 を 命 じ ま し た。
圏北部のパヤタス地区(ケソン市)にごみ
その結果、マニラ首都圏にはごみを搬入
が 搬 入 さ れ 、 6 7 ヘク タ ール の 面 積 に 高 さ 約
する処分場がなくなり、人々は道路上や空
30mも堆積され巨大なごみの山「第2のス
き地などにごみを置き、悪臭が漂う事態に
モーキー・マウンテン」が自然発生的に出|
なりました。マニラ首都圏開発庁は代わり
現してしまいました。これは野菜くずなど
の埋立て処分場を懸命に探し、ある島を候
の生ごみの収集率がマニラ首都圏の都市部
袖に選んだのですが、そこでも住民の強い
全域では71パーセントと高い半面、同じ都
反対に遭い、処理場計画は白紙撤回されま
市部でもスラムや貧困層の多いマニラ首都
し た。
圏の北部地域の収集率は3パーセント、マ
こ う して ご み が 氾 濫 す る 中 で 、 法 案 に 署
ニラ首都圏周辺の都市部では20パーセン
名したエストラーダ大統領失脚の動きが出
ト 、 同 農 村 部 で は 1 . 7 パ ー セ ン ト と 低 く、
始めました。これを好機と見た焼去p推進派
野外に捨てられたごみの60パーセントが行
は 「 ご み は 、 や は り 焼 却 処 理 すべ き だ 」 と
政当局から委託された民間の会社の手で集
して 「 改 正 ・ 大 気 浄 化 法 」 を び っ く り 返 す
めてごみ集積場や埋立地に捨てられている
活 動 を 始 め ま し た。
た め で す。
ちなみに昨年7月10日、このパヤタス集
積場に積み重ねられていたごみが大雨で幅
新大統領が焼却禁止法を担保する法律に署
名
約100メートルにわたって崩れ、ふもとに
して い た 3 0 0 人 以 上 が 生 き 埋 め に な り 、 同
しかしエストラーダ氏のあと就任したア
ロヨ新大統領は1月下句、「改正・大気浄
年 7 月 3 0 日 現 在 、 判 明 し た 死 者 は 2 1 7 人、
化法」の施行を実施面で確保するための
行 方 不 明 者 は 1 0 0 人 を 超 え ま し た。
[廃棄物環境管理法案]に署名レ同法を
建っていたバラック約50軒と、そこで暮ら
フィリピン政府はサン・マテオ地区に埋
発効させました。「廃棄物環境管理法案」
立て処理場を設置、ごみを投棄してはその
は「改正・大気浄化法」の制定を勝ち取っ
上に土砂を被せるサンドイッチ方式でごみ
た フィ リ ピ ン の 市 民 運 動 関 係 者 と 政 治 ・ 行
を埋立て処理し、汚水は1ヵ所に集めて化
政 の 担 当 者 が 協 力 して 作 成 し た も の で、 市
学 的 に 処 理 し た う えで 川 に 流 し ま し た 。 と
民 運 動 団 体 は そ の 制 定 を 目 指 し て ロ ビー 活
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200人を超える死者が出たフィリピンのごみ山崩落事故現場での救出作業。マニラ首都圏ケソン市のパヤタスごみ
集 積 場 = 2 0 0 0 年 7 月 1 0 日 、 筆 者 写 す。
動を続けてきました。この法律には市民運
となって昨年7月、12カ国の焼却反対運動
動側が実現を目ざして闘い、盛り込ませる
の活動家32人がバンコクに集まり「アジア
こ と に 成 功 し た 次 の 条 項 が 入 っ て い ま す。
ごみ焼却反対会議」を開きました。これを
1 . 排 出 段 階 で の 分 別 の 完 全 実 施。
基に新たな組織「WasteNotAsia」(ご
2.自治体が明確な目標を設定してコンポ
み な き ア ジ ア ) が 結 成 さ れ ま し た。
ス ト 化 と リ サ イ ク ル を 完 全 に 実 施 す る。
このころバンコク市は海外経済協力基金
( リ サ イク ル 率 を 5 年 で 2 5 パ ー セ ン ト に
の円借款を用いて、日本から1日当たり
引き上げるなど)
1350トンの処理能力を持つ大型ごみ焼却炉
3.処分できる包装の禁止。(どの物質が
4基を購入する計画を進めていました。タ
禁止されるべきかは今後、国立包装研究
イのWNA有カメンバーのタラ・ブアカンス
所が決定する)
リ氏らは、バンコク市長選の段階からサマ
4 . リ サ イクル 市 場 の 発 展 に 役 立 つ イ ン セ
ン テ ィ ブ。
5.資源を回収する選択肢として焼却を用
い る こ と は 排 除 す る。
マニラ首都圏開発庁は、この「廃棄物環
境 管 理 法 」 に 基 づ き 、 郊 外 に 約 2 0 0 ヘク タ
ールの用地を確保して街路や一時的な集積
ク ・ ソ ーン ト ラ ヅェ イ 候 補 に 、 こ の 計 画 の
中止を働きかけた結果、同氏は市長当選後
の 今 年 2 月 初 め 、 7 0 億 パー ツ ( 約 1 億 6 0 0 0
万米ドル)のごみ焼却炉建設計画の破棄を
決 め 、 環 境 保 護 団 体 に 発 表 し ま し た。
また韓国では政府が新たに52基、台湾で
は15基、マレーシアでは4基の焼却炉を建
場に積まれているごみを運び込み、マニラ
設する計画。これに対し、WNAなど市民運
首都圏内各市町がそれぞれ自分の処理場・
動団体のメンバーが反対運動に取り組んで
処理施設を設置するまで、ここで分別とコ
い ま す。
ン ポ ス ト 化 を 行 な う こ と に な っ て い ま す。
アジア諸国に広がったごみ焼却反対運動
WNAは活動の強化を狙って、このほど世
界的な焼却反対組織である「ごみ焼却グロ
ー バ ル 反 対 同 盟 」 ( G A I A ) に 合 流 し ま し た。
フィリピンのごみ焼却反対の市民運動は各
フィリピンのごみ焼却禁止の法律がテコ
方 面 に 実 に 大 き な 影 響 を 与 え て い ま す。
NEwsLETTERvo1100
続・環境省の新たな取り組み
新たな
廃棄物・
リ サ イク ル
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岡 滓和好jミ?喘隋が 棄物・ リ
サ イュ宍,タエカン雑策4琲jJ4 二聞く
廃棄物行政を旧厚生省から移管された環境省は
解 と 協 力 を 得 る よ う 努 め る。
廃 棄 物 ・ リ サ イクル 対 策 部 を 新 設 、 新 た に 策 定 さ
①産業廃棄物の適性処理を十分に確保するため
れた「環境基本計画」に沿って、従来の「廃棄物
に最終処分場が必要な場合には、排出事・業者責任
の 音 吐 処 理 」 か ら 「 廃 棄 物 対 策 と リ サイクル 対 策
を 原 則 と し な が ら 安 全 で、 し か も 適 正 な 最 終 処 分
の一体的な実施」に着手しました。環境省の廃棄
場 を 確 保 す る。
物 ・ リ サイクル 対 策 の あ り 方 や 考 え 方 、 目 指 すべ
2001年度政府予算のうち環境省の廃棄物処理施
き方向などは、この「環境基本計画」に盛り込ま
設整備費は、一般公共事・業費が横ばいの中で11.6パ
ー セ ン ト 増 と い う 大 幅 な 伸 び 率 。 同 省 は 来 年 度、
れ て い ま す。
そ の 主 な も の は 次 の と お り で す。
市 町 村 の ご み 焼 却 施 設 に お け る ダイ オ キ シ ン 類 削
① 廃 棄 物 ・ リ サイクル 対 策 は 「 循 環 型 社 会 形 成 推
減対策への財政支援やRDF(ごみ固形燃料化施設)へ
進 基 本 法 」 の 定 め る 優 先 順 位 に 基 づ い て 推 進 す る。
の 補 助 の 拡 充 な ど に 努 め る と して い ま す。
②廃棄物の排出者には、廃棄物の処理に伴う環
環 境 省 は 「 環 境 基 本 計 画 」 を 踏 ま えて、 廃 棄 物 処
境 負 荷 を 低 減 す る 一 義 的 な 責 任 が あ る 。 今 後 と も、
理に伴う有害物質汚染防止という課題に具体的に
この「排出者責任」の考え方の徹底を図る。また
ど う 取 り 組 んで い く の か 、 岡 洋 和 好 廃 棄 物 ・ リ サ
製品の製造者などが製品使用後の段階で一定の責
イクル 対 策 部 長 に 聞 き ま し た。
(聞き手=国民会議川名英之)
任を果たすという「拡大生産者責任」の考え方に基
づ き 、 具 体 的 措 置 の 一 層 の 推 進 を 図 る。
最終処分場の有害物質汚染対策は連携が容易に
③廃棄物問題への対応は従来の規制的手法では
限界がある。規制的な手法のほか、経済的手法や
廃棄物行政の所管官庁が旧厚生省から環境省
自主的取り組みなどの多様な政策手段を組み合わ
に変わって、廃棄物処理に伴う環境汚染防止対策
せ 、 適 切 な 活 用 を 図 っ て い く こ と が 必 要 で あ る。
を環境保全重視の観点から見直し、従来と違う方
ごみ処理手数料や税、課徴金、デポジット制度な
式を導入する考えはありませんか。最終処分場の
ど の 活 用 の あ り 方 や 効 果 に つ い て 調 査 ・ 研 究 し、
有害物質の汚染防止対策は、どのように変わるの
その措置を講じる必要がある場合には、国民の理
で す か。
eNEvvsLETTERVOI.10
岡 洋 和 好 廃 棄 物 ・ リ サイクル 対 策 部 長 廃 棄 物
の 排 出 量 と 焼 却 量 を 減 ら す こ と が 有 効 で す。 と こ
行政がこれまでの厚生省から環境省に移管された
ろが旧厚生省が1997年1月に策定した「ごみ処理の
ことに伴い、廃棄物行政の一元的な実施が可能に
広域化計画」では新設する焼却施設は焼却能力が1
な る こ と 、 個 別 リ サイクル 法 を すべ て 所 管 す る こ
日 3 0 0 トン 以 上 の 大 型 で、 し か も 全 連 続 型 が 望 ま し
となどによって関係部局との連携がより容易にな
いとされているため、いくつかの市町村から多量
る と 期 待 さ れ ま す。 最 終 処 分 場 の 有 害 物 質 対 策 に
のごみを集める必要があり、ごみの発生抑制や減
つ い て も 、 知 見 の 集 積 が 一 元 的 に 行 わ れ る こ と や、
呈化・資源化の対策とは相容れないという批判が
関係部局との連携がより容易になることが考えら
あ り ま す。 こ の 方 式 を ど う 思 わ れ ま す か 。 改 め る
れ ま す。 今 後 も 環 境 保 全 の 観 点 か ら 適 切 な 廃 棄 物
お 考 え は あ り ま せ ん か。
行 政 を 推 進 し て い く こ と と し て い ま す。
43ヵ所の管理型最終処分場が基準を超過
岡渾部長今後の廃棄物対策は単に排出された
廃棄物を焼却して埋め立てるということだけでな
く、排出抑制、再利用、再生利用により廃棄物の
一一旧厚生省が1998年3月に全国1901ヵ所の管理
型最終処分場について調査した結果、全体の28パ
ーセントに当たる538ヵ所は、かつて廃棄物処理法
減量化を促進し、その上でなお処理しなければな
らない廃棄物について、安全かつ適正に処理する
という循環型社会に転換していくことが重要であ
によって汚水が漏れないように底や壁面への敷設
り 、 ダイ オ キ シ ン 類 の 排 出 削 減 の 観 点 か ら も 、 廃
を義務づけられていた遮水シートを張るなどの環
棄 物 の 焼 却 量 を 削 減 す る こ と は 効 果 的 で す。 ま た
境汚染防止対策の取られていない違法なものと分
ダイ オ キ シ ン 対 策 関 係 閣 僚 会 議 に お い て も 、 平 成
か り 、 同 省 は 周 辺 地 域 の 水 質 調 査 を 指 示 し ま し た。
22年(2010年)度を目標年度とし、最終処分量を半
その調査結果はどの程度、実施され、それによっ
分に削減するとともに、焼却量についても15パー
て ど ん な こ と が 判 明 し た の で す か。
セ ン ト 削 減 す る な ど の 目 標 を 掲 げ て い ま す。
岡渾部長調査は538施設のうち、477施設につ
しかしながら、どうしても焼却しなければなら
いては水質調査報告があり、うち37施設の地下水
な い 廃 棄 物 に つ い て は 、 廃 棄 物 焼 却 施 設 が 現 在、
が地下水環境基準を超過、6施設の排水が排水基
主 要 な ダイ オ キ シ ン の 発 生 源 と な っ て い る こ と を
準を超過していました。基準を超過した施設につ
踏まえ、安定的な燃焼の確保、ばいじんなどの処
い て は 、 適 正 閉 鎖 事 業 な ど を 実 施 し て お り ま す。
理 の 高 度 化 に よ る ダイ オ キ シ ン 類 の 排 出 削 減 効 果
不適正処理と判明すれば対策に財政支援も
に加え、ごみ発電などの余熱利用の効率化等の観
点 か ら も 、 ご み 処 理 の 広 域 化 は 効 果 的 だ と 考 えて
一一漏れた汚水は長い聞、環境を汚染し続けるで
い ま す。
し ょ う 。 特 に ダイ オ キ シ ン 類 は 環 境 ホ ル モ ン の 代
決的な物質ですから、海や川の魚を通じて人体を
ダイオキシンは1997∼2002年に9割誠に
汚染し続けるでしょう。環境省は汚染の判明した
ー ­ ダイ オ キ シ ン 類 の 発 生 量 は 対 策 に 着 手 して 以
管理型最終処分場見ついて、どのような汚染防止
来、これまでにどのくらい減少しましたか。また
の 対 策 を 実 施 し ま す か。
今 後 い つ ま で に ど れ だ け 減 ら す 計 画 で す か。
岡 渾 部 長 最 終 処 分 場 に お け る ダイ オ キ シ ン 対
岡 渾 部 長 廃 棄 物 処 理 施 設 か ら 排 出 さ れ る ダイ
策を推進する観点から、環境省としては最終処分
オキシン類の排出量は平成9年(1997年)に比べ
場の汚染など不適正な処理の実態が判明した場合
て、 平 成 1 1 年 ( 9 9 年 ) 現 在 、 6 5 パー セ ン ト 削 減 さ
は、必要に応じて財政的、技術的支援を実施して
れ ま し た 。 ま た ダイ オ キ シ ン 類 対 策 特 別 措 置 法 に
い き た い と 考 え て お り ま す。
基 づ く ダイ オ キ シ ン 類 削 減 計 画 に お い て 、 平 成 9
「ごみ処理の広域化には効米的な而も」
年に比べ平成14年度末までに、廃棄物処理施設か
ら 排 出 I さ れ る ダイ オ キ シ ン 類 の 排 出 量 を 9 割 削 減
ダ イ オ キ シ ン 類 の 発 生 量 を 滅 ら す に は、 ご み
す る こ と を 目 標 と し て い ま す。
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了
言
置
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壽
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聚
隨
輿
心
匹
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謳
聡
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羅
羅
謳
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ロンドンから北西100kmのと
ころにコッツウォルズという緩
や か な 丘 陵 地 帯 が 広 が る。
この写真は、コッツウォルズの
南東部に位置する小村バイプリ
ーの教会のベンチ。墓石群の奥
に自然の一部のようにして置か
れ て い た。
イ
ギ
リ
ス
ベ
ン
チ
観
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公 園 で も 、 道 路 で も 、 広 場 で も 、 ペ ン チ が た く さ ん 並 ん で い る 場 所 は 楽 し い。
ベ ン チ が 一 つ も な い 公 園 は 淋 し い。
私 は 、 歩 く の が 好 き だ が 、 坐 る の は も っ と 好 き だ。
歩 いて い る 時 は な ん と な く 攻 撃 的 な 気 持 ち に な って、 も た も た して い る 人 が
い れ ば 押 し の け た く な る が 、 イ ス に 坐 る と 、 即 座 に 優 し い 気 持 ち に な る。
み ん な も 、 そ う だ 、 と 言 っ て く れ る よ う な 気 が す る。
さ て 、 英 国 に ベ ン チ を 見 に 行 っ た。
ベ ン チ を 見 た い だ け な の だ が 、 そ れで は 世 間 が 許 してくれ な い よ う に 思 わ れ
る の で 、 大 義 名 分 を 作 っ て 見 に 行 っ た。
大義名分:植民地拡大、奴隷売買時代の猛々しさと較べると、20世紀の英
国人はまあ、ずいぶん丸くなったように思われる。英国は1860年頃に経
済 の ピー ク を 迎 え た 後 、 今 日 ま で 衰 退 を 統 け て き た が 、 ど う も 、 経 済 が ピー
クを経た後の衰退傾向と、人間がおだやかになることは、密接にっながって
いるのではなかろうか。まずは彼らがこの百年間に造った心優しい風景を見
てこよう。そうだ、ペンチを優しさのベンチマーク(AJ)としよう!
と 決 め て 、 英 国 を 歩 い た。
心 の 潤 う 風 景 が 国 中 に 広 が っ て い た。
コ ッ ツ ウ ォ ルズ に は 数 + 戸 規 模 の 村 が 点 在 す る。
村 の 中 心 部 に は 広 場 が あ り 、 戦 没 者 の 記 念 碑 な ど が 据 え ら れて い る。
こ の 写 真 の 村 は 、 広 場 と い う よ り は 中 央 の 緑 地 とそ こ に 置 か れ た ベ ン チ。
やまぐちともひこ/(財)日木野鳥の会企画部長(休職中)
ONEwsLETTERVOI.10
公 開 学 習 会 「 ダイ オ キ シ ン 特 措 法 の 運 用
ふ 仁 遠 。 心 鮭 態 及 m 心 上 臨 臨 血
ダイ オ キ シ ン 特 別 措 置 法 が 平 成 1 2 年 1 月 施 行 さ れ
て か ら 1 年 が 経 過 し ま エ だ。
残っている。汚染源の究明という点では1998年の環
境庁の実態調査で3ピコであった。驚くほどの数値
平成13年2月9日、国民会議では、東京都、埼玉
ではないが、上流の工場を調べると荏原以外には考
県、神奈川県、各自治体の担当者をお招きして上記
えられなかったので、荏原の事件は奇跡的に汚染源
のテーマで学習会を開催しましたので要旨をご報告
の特定ができた。汚染の除去ということに関しては
し ま す。
現 在 の と こ ろ 技 術 的 に も 難 し く 、 今 後 の 課 題 で あ る。
1 東 京 都
環境改善部の大気、水、土壌それぞれの各部署で
3 埼 玉 県
現在9地点で常時監視体制を敷いているが、常時
担当。この1年、各事・業場などに対し、測定義務を
監視は現実的にはなかなか難しい。分析費用が高く
説明し、測定結果を報告するよう指導。平成13年1
採 取 し た 検 体 すべ て を 分 析 機 関 に 出 す こ と は で き な
月末現在、160事業場の報告が出lている。140件は測
い。くぬぎ山という有数の汚染地域があり、県側で
定 中 。 そ の 他 の 事 業 場 は 近 々 廃 止 す る 予 定 で あ り、
も あ る 程 度 測 定 地 点 を 絞 り 込 んで い る が 、 そ れで も
廃止の届出には写真の添付などを要求し、職員が廃
20ヵ所ぐらいは測定地点が必要である。ハ高線から
止を確認することになっている。平成12年度末には
東側に重点を置いている。昨年は、年4回おこなっ
各事業場の報告をとりまとめ、4月初句には公表す
た。特措法の監視だけでは予算的にも限界があるの
る予定で現在その準備を進めているところ。平成14
で、他の法律で測定しているものなども活用してい
年12月から規制基準が強化されるので事業場の方で
る。例えば、大防法では26地点の常時監視、河川法
も規制基準をクリアーするのは難しいと思っている
で は 2 8 地 点 ( 綾 瀬 川 で は さ ら に 2 地 点 増 や し た )、
ところもあり、モニタリングなどしながら監視を続
国土交通関係で47地点。河川の底質については15地
け る 。 今 後 は リ ス ク 評 価 が 重 要 な 課 題 と な る と 思 う。
点。地下水についても26地点である程度網羅するこ
2 神 奈 川 県
とを 考 えて い る 。 測 定 に つ いて は 財 政 的 問 題 と 分 析
昨 年 3 月 引 地 川 水 系 の ダ イ オ キ シ ン 問 題 が 発 生。
の技術的な問題が大きく技術的支援が望まれる。測
現在常時監視体制をとっている。平成12年度調査で
定結果については、クロスチェックをしている。特
は環境基準に照らすと問題になるところもあり、平
措法では1回違反が見つかったときは3ヵ月内に再
成13年度の課題とする予定。住民からの情報提供も
度検査を行うことになっているが、廃掃法では基準
欠かせない。また、平成13年度は自前の分析機関を
を超えれば操業をストップさせているので再度採取
設置する予定。今後の課題は、実態把握。そのため
しなおすことができない。設置者による測定の測定
に は イ ン ベ ン ト リ ー の 作 成 が 必 要 。 平 成 元 年 か ら 水、
結果の公表は平成13年4月または年度末になる。綾
大気の調査はしているが数値は少ない。特措法制定
瀬川は全国一底質が悪いところとなった。汚染原因
時 点 で は 判 明 し な か っ た ダイ オ キ シ ン の 製 造 過 程 が
究明は難しい。綾瀬川の場合は、支川が多いのと干
あるのではないか。インベントリー作成上、分析は
満により浦和市の方まで再び戻る流れなのでよけい
重要な課題であるが今後の技術開発に待つ問題でも
特 定 し に く い 状 況 で あ る。
ある。環境基準がある中で底質についての基準はな
いので設定する必要がある。リスク評価は健康に対
各 自 治 体 の 抱 え る 問 題 は さ ま ざ ま で す。 ど の よ う
する影響を考える場合に重要なことであり、今後は
な法律もそれを実際に運用する側の姿勢により、充
発生源対策を重視したい。また神奈川県では判明し
分 生 か さ れ た り 、 さ れ な か っ た り し ま す。 特 措 法 の
ているだけでも650の小規模焼却炉が存在し、施設
立法趣旨を生かし、各自治体にさらに強力な前進を
廃止が問題になっているが、技術的な処理の問題が
期 待 し た い と 思 い ま す。 ( ダイ オ キ シ ン 委 員 会 )
NEWSLETTERVol10@
環境法の今・第3回
ダイ オ キ シ ン 法 の 解 説
国nijl事務局長中下裕子
(弁護士)
世 界 で 初 め て の ダイ オ キ シ ン 特 別 立 法
ダイ オ キ シ ン 法 は 、 大 気 汚 染 防 止 法 や 水 質 汚
濁 防 止 法 な ど の よ う な 媒 体 ご と の 規 制 で は な く、
望ましい基準」として下記の環境基準が定めら
れて い ま す。 な お 、 底 質 の 基 準 値 は 現 在 検 討 中
で 、 追 っ て 定 め ら れ る こ と に な っ て い ま す。
ダイ オ キ シ ン 類 と い う 物 質 に 着 目 して 、 そ の 対
①大気環境基準0.C5pg・TEQ/❹以下
策 を 総 合 的 に 定 め る も の で す。 こ の よ う な ダイ
②水質環境基準1pg・TEQ/1以下
オキシン類だけを対象とした包括的な特別立法
③土壌環境基準1、()00pg・TEQ/g以下
は 、 諸 外 国 に も 例 が あ り ま せ ん。
(250pg・TEQ/gを超える場合は調査開始)
法 律 の し く み は 、 ま ず 施 策 の 指 標 と すべ き 耐
摂取経路の9割が食品といわれているにもか
用一日摂取量(TDI)を定め、その数値をも
か わ ら ず、 食 品 基 準 値 の 設 定 は 先 送 り に さ れ て
とに大気・水・食物の各経路から人体への摂取
います(附則第2弟第3項)。魚介類の高濃度汚
量を割り出し、その摂取量から環境基準を設定
染を考えますと、早期に食品基準値の設定が望
し、さらにその環境基準を達成するために排出I
ま れ ま す。
基 準 を 定 め る 、 と い う 構 造 に な っ て い ま す。
TDI(第6条)
そ こ で、 肝 腎 の T D I で す が 、 「 人 の 体 重 1 k g
「生態系保護」のための基準値も設定されて
いません。生物を保護しないでは結局は人の健
康も守れません。生態系保護のための基準値の
当 た り 4 p g ・ T E Q ( ピ コ グ ラム は 一 兆 分 の 一 グ ラ
設 定 が 求 め ら れ て い ま す。
ム ) 以 下 で 政 令 で 定 め る 値 と す る 」 と 規 定 さ れ、
対象施設と排出基準(第8条)
現在、政令では4pg・TEQ/kgとされています。
法の規制の対象となる特定施設と排出基準値
TDTが法律で規定されたことも従来の法律
は 表 の と お り で す。 中 小 企 業 の 負 担 を 考 えて 緩
に は 見 ら れ な か っ た 点 で す。 T D I は 科 学 的 事
い数値が定められていますが、施設改善のため
実だから法律事項ではないという意見もありま
の 援 助 制 度 を 整 備 して、 全 企 業 に 対 し [ 適 川 l i r
すが、毒性が科学的に証明されるまでには相当
能な最善の技術水準]による基準値を適川すべ
の 時 問 が か か り ま す。 科 学 的 証 明 が さ れて い な
き で す。
い こ と は 決 し て 安 全 を 意 味 し て は い ま せ ん 。 川。
平成コ年3川31日現在の大気基準適用施設数
に私たちの〈無知〉を示しているにすぎないの
は、既設23、094、新設149、合計23、243となって
で す。 従 っ て 、 科 学 的 な 解 明 が な さ れ る ま で の
い ま す。 同 じ く 、 水 質 基 準 適 用 施 設 数 は 、 3 、 5 1 4
間 、 予 防 的 に さ ま ざ ま な 施 策 を 講 じ る こ と は、
で す。 小 型 焼 却 炉 で は 、 休 止 り 罷 [ 1 1 と な っ た も
可能であるばかりでなく、むしろ本当に安全を
のも多く、両者をあわせると約4・、500にのぽって
守 る た め に は 不 可 欠 の こ と な の で す。 そ の 意 味
い ま す。
で 、 T D I の 決 定 は 、 科 学 的 知 見 を ベ ース に し
焼却能力が50kg/時未満の小型炉は規制の対
たリスクコミュニケーションを通じた国民自身
象 外 と さ れて い ま す。 小 型 炉 は 焼 却 管 理 が 難 し
の 意 思 決 定 と い え る で し ょ う。
く 、 ダイ オ キ シ ン の 大 一 吊 ・ 排 出 I に つ な が り や す い
WHOでは、TDIの目標値を1pg・TEQ/kg
の で 、 こ の よ う な 裾 切 り に は 問 題 が あ り ま す。
と 定 め て い ま す。 よ り 安 全 を め ざ す な ら 、 わ が
この点も附則で検討事項とされています(附則
国でもTDIをさらに1pg・TECa/kgに近づける
第 4 弟 )。
努 力 が 必 要 で す。
環境基準の設定(第7条)
「人の健康を保護する上で維持されることが
ΦNEwsLETTERvol.10
名古屋市の大江川などでは、規制対象外の施
設 で あ る 東 レ 繊 維 工 場 か ら ダイ オ キ シ ン 排 出 が
判明しました。これを機に、発生源の再調査が
す す め ら れ て い ま す。
程度)や測定者(自主測定)について問題があ
ばいじん・焼却灰等の処理基準の設定(第24条〉
る と い わ れて い ま す。 ま た 、 サ ン プ リ ン グ や 測
ばいじん(飛沢)・焼却灰等については、廃
定技術のばらつきなどの問題点も指摘されてい
棄物処理法の特別管理廃棄物とされ、さらに3
ま す。 測 定 費 用 が 高 額 で あ る こ と も 含 め て、 測
昭・TEQ/g以下に処理(溶融固化、薬剤処理など)
定 を め ぐ っ て は 様 々 な 問 題 が 残 さ れ て い ま す。
し な け れ ば な ら な い と さ れ ま し た。
罰則(第44条∼第49条)
土壌汚染対策(第29条、31条)
排出制限違反、改善命令違反等に対しては罰則
都道府県知事は、人が立ち入ることができる
が 設 け ら れて い ま す。 と い っ て も 、 最 も 重 い も
地域で、環境基準(1、000pg・TEQ/g)を超える汚
のでも「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」
染地域については、土壌汚染対策地域として指
程 度 で す。 多 数 の 健 康 被 害 を 及 ぼ し か ね な い 環
定 す る こ と が で き ま す 。 こ の 指 定 が な さ れ る と、
境犯罪に対しては、もっと重罰をもってのぞむ
知事・はその地域の土壌汚染対策計画を定め、汚
必 要 が あ る の で は な い で し ょ う か。
染の除去など必要な措置を講じなければなりま
ダイ オ キ シ ン 法 の 改 正 提 言 準 備 作 業
せ ん。
法施行後1年を経て、法律の不十分な点も明
常時監視義務(第26条、第27条)と施設設置者
ら か に な っ て き ま し た 。 国 民 会 議 で は 、 ダイ オ
の測定義務(第28条〉
キ シ ン 対 策 委 員 会 に お い て 、 ダイ オ キ シ ン 法 の
都 道 府 県 矢 口 事 に 対 して、 汚 染 状 況 の 常 時 監 視
が 義 務 付 け ら れて い ま す。 こ れ に 基 づ き 、 知 事
改 正 提 言 の 作 成 に 取 り 組 んで い ま す。 関 心 の あ
る 方 は 是 非 ご 参 加 く だ さ い。
は、大気・水質・土壌の汚染調査を行い、その
結果を公表しなければなりません。環境大臣や
知 事 の 立 入 調 査 権 も 認 め ら れ て い ま す。
一 方 、 特 定 施 設 の 設 置 者 は 、 毎 年 1 回 以 上、
排ガス、排水、飛灰・焼却灰について汚染の状
況を測定し、その結果を知事に報告しなければ
なりません。知事はその結果を公表することに
1。排ガスに係る特定施設及び排出基準値
種
類
ネ4註設計
施設規模
(焼却能力)
廃棄物焼却炉
4t/h以上
(焼却能力)
50kg/h以上)
2t/h∼4t/h
(単位:11g­TEQ/fn3)
既存施設基準
H13,1∼H14.11
8
0
1
0
2t/h未満
製鋼用電気炉
0.5
鉄鋼業焼結施設
0
.
1
2
0
な っ て い ま す。
亜鉛回収施設
4
0
このような測定については、測定頻度(年1回
アル ミニ ウム 合 金 製 造 施 設
2
0
2.排水に係る特定施設及び排出基準値
・特定施設の種類
m4.12∼
0.1
1
0
(単位:pg­TEQ/L)
新設施設排出基準
既設施設排出基準
・ 硫 酸 塩 パ ルプ ( ク ラ フ ト パ ルプ ) 又 は 亜 硫 酸 パ ルプ の 製 造 の
用に惧する塩素又は塩素化合物による漂白施設
・廃PCB等又はPCB処理物の分解施設
1
0
・PCB汚染物又はPCB処理物の洗浄施設
・ アル ミニ ウム 又 はそ の 合 金 の 製 造 の 用 に 供 す る 焙 焼 炉 、 溶 解 炉
又は乾・燥炉に係る廃ガス洗浄施設、湿式集じん施設
・ 塩 化 ビニ ル モ ノ マー の 製 造 の 用 に 供 す る 二 塩 化 エチ レン 洗 浄 施 設
1
0
1ド20)
・廃棄物焼却炉(焼却能力50kg/h以上)に係る廃ガス洗浄施設、湿式
10(50)
集じん施設、灰の貯留施設であって汚水又は廃液を排出するもの
・上記の施設から排出される下水を処理する下水道終末処理・施設
・上記の施設を世知する工場又は事業場から排出される水の処理施設
3
その他
(1)廃棄物焼却炉に係るばいじん等の処理基準:3ng­TEQ/g
1
0
( 注 ) 既 存 施 設 に つ いて は 、 平 成 1 3 年 1 月 か ら
適川。()内は、法の施行後3年間適用
す る 暫 定 的 な 水 質 排 出 幕 唯。
(2)放流水に係る最終処分場の維持管理基準:10pg­TEQ/L
NEwsLETTERvollc@
回
否
g
・
一
三
4。
国 民 会 議 の 事 務 所 が 4 月 以 降 、 新 橋 か ら 大 塚 に 移 転 す る 予 定 で す。 J R 大 塚
・環境事業団の行う地球環境基金から
駅 北 口 か ら 都 電 の 踏 み 切 り を 越 えて、 折 戸 通 り を 北 上 す る こ と 5 0 メ ー トル 、 道
約60万円の助成を受けることが決ま
の 左 手 に あ り ま す。 自 然 素 材 の 安 全 な 住 宅 づ く り に 取 り 組 く んで き た 建 築 家 の
りました。新事務所で使用するコンピ
田久保美恵子さん(自然住宅・住まい方推進ネットワーク代表)が、事務所の
一 部 を 無 償 提 供 してく だ さ っ た も の で、 化 学 物 質 問 題 に 取 り 組 む 環 境 5 団 体 と
ューターを購入する他、南アフリカで
の 共 同 利 用 と な り ま す。
質)国際条約の日本語翻訳の作成に充
合意されたPOPs(残留性有機汚染物
国 民 会 議 で は 少 し ず つ 、 事 務 所 機 能 を 大 塚 に 移 して い き ま す。 経 過 は 追 っ て
て る 予 足 で す。 翻 訳 文 は ホ ーム ベ ー ジ
ご 案 内 し ま す。 新 住 所 は 豊 島 区 北 大 塚 2 ­ 2 9 ­ 5 環 境 市 民 ひ ろ ば 内 ( 電 話
に掲載する予定ですので、ぜひご覧く
5 9 0 7 ­ 2 6 7 0 )。
だ さ い。
ニュ ース レ タ ー 第 9 号 1 7 ペ ー ジ に 誤
・国民会議の会員で、栃木県在住の尾形さんがホームベージ作成のボランティ
り が あ り ま し た の で、 お 詫 び して 訂 正
ア を 名 乗 り 出 て く だ さ い ま し た 。 今 後 は ニュ ース レ タ ー か ら も い く つ か 記 事 を
させていただきます
掲 載 して い く 予 定 で す。 ま だ ま だ ボ ラ ン テ ィア 募 集 中 で す の で 、 お 手 伝 い く だ
17ページ右欄下から6行目
さ る 方 が い ら し ゃ れ ば 、 ぜ ひ 事 務 局 ま で お 知 ら せ く だ さ い。
誤「生体毒性」を正「生態毒性」に
「安全な医療をめざして一医療器材の塩ビ問題を考えるー」
「ダイオキシン環境ホルモン対策国
場所5月20日(日)午後1:00∼3:30
民会議」という名前は長くて言いにく
い と い う ご 意 見 が あ り ま す。
東京池袋メトロポリタンプラザ10階エポック10会議室
医療用器材の素材としての塩ビの問題性について学びます。
基調講演:菅野義彦氏(埼玉医科大学・腎臓内科)
現在、愛称を募集中ですので、「こん
パネラー:立川涼氏(国民会議代表・前高知大学長)
な愛称はいかが」というものがあれば、
事 務 局 ま で お 知 ら せ く だ さ い。
三島佳子氏(日消連)
コーディネーター:山田久美子氏(国民会議常任幹事)
編集後記広報委員会委員長
­
i
佐和洋亮
「呼剔
の か け がえ の な い 空 気 の 海 の 中 で、 み ん な
舞踊家の勅使川原三郎さんが、踊りを子
生 き て い る 仲 間 。 ソ ウ リ も 、 ブ ッ シ ュ も、
供 達 に 教 え る 番 組 を テ レ ビ で 観 た 。 吸 う 息、
ヤ ス オ も 、 ユ ウ コ も 、 イ チ ロ ー も 、 ソ ウ も、
吐 く 息 に 乗 せ て 、 体 を く ね ら せ 、 激 し く、
ウシも、イヌも、ネコも、ウメも、サクラ
静 か に 、 舞 う 。 そ して、 子 供 達 に 言 う 。 「 空
も 、 ツ ク シ ン ボ も。
2001年3月発行
そんな空気の中に、真っ黒な帯状のもの
「 さ あ 、 人 の 息 を 大 切 に 受 け 取 っ て、 次 の 人
が 、 こ げ 茶 色 の 斑 点 が 、 あ ち こ ち に 漂 う。
に つ な げ る 」 「 呼 吸 の キ ャ ッ チ ボール を し ま
ダイ オ キ シ ン 。 以 前 、 核 で 地 球 が 滅 ぶ 映 画
しょう」「それがコミニケーションです」
があった。さらに、今は、空気中や海中の
地 上 の 全 ての 生 物 は 、 み ん な 呼 吸 を して い
環境ホルモン対策
提言と実行
ニ ュ ー ス レ タ ー 第 I O 号
気 を 見 る の で す 」 「 空 気 を 感 じ るで し ょ う 」
ヒ ト だ け で は な く 、 野 生 の 動 物 も 植 物 も、
ダイ オ キ シ ン
国民会護
発 行 所
人 工 的 な 海 で、 恐 竜 の よ う に 生 物 が 絶 滅 す
〒1()5­000・1
東京祁港区析修I­25­6
ヤスヰビル2,6F
コスモス法flt・卜務所内
ダイ オ キ シ ン ・ 環 境 ホ ル モ ン 対 策
国民公議・j粛川
る お そ れ が あ る。
る 。 空 気 で ひ と つ に 結 ば れて い る 。 空 気 に
お 花 見 。 「 ツ アー き れ い 」 と 花 を 眺 めて 飲
色をつけたら、光合成で木の葉が吐く緑色
の酸素を、ヒトや動物達が吸い、それらの
むだけではなしに、1年間溜めたエネルギ
ーを一気に出す桜の木々の息づかいを感じ
吐く黄色の炭酸ガス(二酸化炭素)を葉っ
る こ と に し よ う 。 ( と こ ろで、 人 間 も 、 春 に
FAX03­3432,1490
ぱが吸うのが、はっきりと見えるに違いな
なると、毎年若返って花を咲かせることが
編集協力・レイアウト
い
で き れ ば い い な と 、 い つ も 思 う ん だ け ど )。
とてつもなく広くて、しかし、ひとつ
TEL03­3432­1490
㈲総合工丿キャップ
* 国 民 会 議 事 務 局 の E , m ・ i l ア ド レ ス は , k o k u m 四 碑 l . n e l で す。
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