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北海道大学公共政策大学院教授 宮脇淳氏説明資料

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北海道大学公共政策大学院教授 宮脇淳氏説明資料
資料2
中央教育審議会大学分科会
大学院部会(第73回)
H27.2.5
2015.02.05 宮脇 淳
公共政策大学院に関する意見
○北海道大学公共政策大学院院長(通算 4 年間)及び公共政策大学院認証評価に関わった
経験に基づき以下、意見を述べさせていただきます。
1. 公共政策大学院の特性は踏まえつつも、目的の明確化を図ること・・存在意義の明確化。
(1)受験者、入学者、教員の目的の共有。
①公務員試験受験のための専門職大学院(×)
。
②多様かつ広範な公共政策領域の中のコアとする領域の明確化。
(2)教育及びカリキュラム体系の背骨。
①目的の多義性は多様な入学者を確保する要因となる一方で、入学後の学生・教員
両者の取り組み姿勢に差を生じさせる要因となっている。
②多く展開する授業科目及び 1・2 年次の教育体系の明確化。
(3)研究大学院として設置されている大学院とのすみ分け。
①公共政策に関する研究大学院、法学研究科の専修コース等との役割分担。
②研究教員と実務家教員の関係。
(4)留学生、公務員(国・地方の行政・議員)を含めた社会人のリカレントの方向性。
【例 1】
【北大公共政策大学院理念】北大公共政策大学院 HP より。
政策が、一部の行政エリートだけのものである時代は終わりました。分権化の流れのな
かで自治体職員の政策提起能力が問われています。グローバル化と多元化のなかで、民間
企業や、非営利団体の発信する政策が重みを増しています。国の行政官のリーダーシップ
は依然として重要ですが、新たな政策課題に対応し、多様な主体のパートナーシップを作
り上げることのできる、よりいっそう柔軟な発想と豊かな政策知識が求められるようにな
っています。北大の公共政策大学院は、このように政策の担い手が飛躍的に増大する時代
に対応して、多様な人材を育てるべくスタートします。その特徴は第一に、研究者・中央
省庁・政府機関など、各界の定評あるトップレベルの教授陣による徹底した少人数教育で
す。
「政策現場」と「学問拠点」
、
「実現力」と「構想力」を融合することによって、
「政策
の創造者」となる実務者の養成を目指します。そして第二に、工学研究科・法学研究科・
経済学研究科による「文理融合」という新しい大学院の理念です。これまでの専門領域を
超えて公共政策に必要な学問領域を、文系・理系というこれまでの枠を超えて体系的に学
ぶことができます。そのために、「公共経営コース」「国際政策コース」
「技術政策コース」
の 3 コースを併設し、文理融合を支えるカリキュラムを展開しています。北大の公共政策
大学院は、国と地方の公務員はもちろん、民間企業やシンクタンク、非営利団体等といっ
たパブリック・セクターの政策プロフェッショナルへの道を拓きます。
【例 2】
【北大公共政策大学院授業体系】北大公共政策大学院 HP より。
2.学部授業との連携等を図る体制づくり。・・入学者の資質の多様性への対応。
(1)学部卒、社会人、留学生等多様な入学者の基礎学力の違いに対応する教育体制の確保。
①具体的政策分野に関わらず共通した基礎学力形成のための学部合併も含めた授業等
の充実・・学部教育からの積み上げ部分の限定性。
②事例等実践科目の学習効果を高めるため、主観的感覚から政策を科学する力の形成。
(2)入試における政策思考等基礎力の確認。
【例 3】北海道大学公共政策大学院入試制度
入学志願者の選考方法は、一般選考と特別選考という大きな柱に分けられます。一般選考は入学願書等の
提出書類の審査による学修評価と専門科目試験、口述試験を総合評価します。特別選考は、本大学院の設
定する基準に基づいて顕著な業績を持つものに対して行われる基準特別選考、出願時に2年以上の社会経
験を有するものを対象とした社会人特別選考、日本国籍を有しないものを対象とした外国人留学生特別選
考の3つが用意されています。基準特別選考と社会人特別選考には、専門科目試験が課されません。
一般選考
o
入学願書等の提出書類の審査、専門科目試験(A 法律、B 行政、C 政治、D 国際関係、E 経済、
F 工学の6区分から 1 つ選択し2科目を受験)、口述試験の結果を総合評価。
基準特別選考
o
本大学院の設定する基準に該当し、顕著な業績を持つものが対象。入学願書等の提出書類の
審査、学部時代の成績、口述試験の結果を総合評価。
社会人特別選考
o
大学卒業後、通算2年以上の社会経験を有する社会人が対象。詳細な学習計画を記載した入
学願書等の提出書類の審査と口述試験の結果を総合評価。なお、1 年修了希望志願者は、出願
時に 1 万字程度のレポートの提出が必要。
外国人留学生特別選考
o
日本国籍を有せず、一定の日本語能力を有するものが対象。入学願書等の提出書類の審査、
専門科目試験(民法、行政法、政治学(行政学を含む)、国際政治、国際法、マクロ経済学、
ミクロ経済学、統計学、社会資本政策学、環境工学より 1 科目を受験)、小論文試験、口述
試験の結果を総合評価。2015 年度入学者選抜試験では、年 2 回実施。
北海道大学公共政策大学院入試状況(
)=社会人。
(人)
入学年度
志願者
合格者
入学者
平成 26 年度
74(14)
52(09)
23(07)
平成 25 年度
87(14)
58(10)
40(09)
平成 24 年度
78(16)
50(10)
36(10)
平成 23 年度
100(21)
45(13)
28(12)
平成 22 年度
94(16)
47(09)
33(08)
平成 21 年度
108(20)
51(11)
37(11)
(参考)平成 27 年度 志願者 78 名(うち社会人 9 名) 合格者 51 名(うち同 7 名)
3.組織体制の自律性確保
(1)教員組織としての固有定員の確保。
①公共政策大学院設置の基本形態=法学研究科の内組織、複数の研究科の連携組織。
②ローテーション人事による組織運営の課題。研究教員と実務家教員の連携課題。
③広範に及ぶ授業体系の確保。
④外部資金による特任教員確保と持続性の担保。
(2).教育と研究の連携の強化。
①公共政策学(論)等についての基盤研究体制の整備。
②研究教員に加え実務家教員についても応用力と研究資質の向上の選択肢。
以 上
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