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投資運用等を巡る国内外の状況(野村資本市場研究所説明資料)
Connecting Markets East & West 資料2 投資運用等を巡る国内外の状況 野村資本市場研究所 研究部長 関 雄太 2014年10月10日 株式会社 野村資本市場研究所 資産運用ビジネスのトレンド(金融危機前後の変化) グローバル金融危機前 環境変化 ベビーブーマー世代の高齢化: ライフスタイル・ライフイベントへ の対応、長生きリスクなど考慮の必要性 規制環境の変化: 利益相反の回避、適合性原則など 金融サービス業におけるアンバンドリング: 投資運用商品におけ る「製販分離」、契約関係のオープン化 プロダクト面でのイノベーション コンサルティング型投資一任口座(SMA、ラップ)の拡大 国際分散投資 上場投資信託(ETF)の多様化・拡大 絶対リターンの追求(ヘッジファンド) ターゲットイヤーファンド(DCデフォルトファンド採用、自動化) アセットマネジメント産業の競争激化と再編 DB(インスティチューショナル)からDC(リテール)へ AccumulationからRebalancing/Decumulationへ ポートフォリオ・マネジメントからポートフォリオ・コンストラクション へ 伝統的資産から代替(オルタナティブ)資産へ 大型M&Aが発生 グローバル金融危機後 アセットマネジメント産業における動向 いったん減少したAUMは再成長へ オルタナティブ資産への配分はむしろ拡大 国富ファンド(SWF)など、新たなタイプの機関投資家がプレ ゼンスを拡大 金融規制改革の進展 商業銀行・投資銀行のリスクテイキングを抑制: 自己資本 比率・レバレッジ規制、ボルカールールなど システミックリスク発生回避を目指す動き: シャドーバンキ ング規制など 説明責任、受託者責任の強化 リスクマネー供給の促進が課題に: JOBS法など 資産運用業の重要性と再編 大手金融グループ:資産運用部門を売却して自己資本規制 への対応を目指すグループがある一方で、自己資本への負 荷が少ないウェルスマネジメント・アセットマネジメント業務 強化を目指すグループも 上場アセットマネジメント会社の拡大 アセットマネジメント産業が国際金融センターとしての競争 力におけるカギに: ロンドン、シンガポール、香港など 1 グローバルな運用資産(AUM)の拡大 グローバルな運用資産(AUM)の中期予測 図表 1: グローバルAUMの推移と予測(プロダクト別) プロダクト 2004 2007 37.3 16.1 15.1 1.0 18.7 17.6 1.2 2.5 グローバルAuM 投信 アクティブ パッシブ 投資顧問 アクティブ パッシブ オルタナティブ (単位:兆米ドル) 2020( 予測) 2012 59.4 25.4 23.3 2.0 28.8 26.5 2.3 5.3 63.9 27.0 23.6 3.4 30.4 26.6 3.9 6.4 図表 2: グローバルAUMの推移と予測(顧客別) 顧客 2004 2007 21.3 17.7 1.4 37.9 42.1 年金基金 保険会社 国富ファンド(SWF) 富裕層個人 マスアフルエント層 (単位:兆米ドル) 2020 2012 29.4 21.2 3.3 50.1 55.8 33.9 24.1 5.2 52.4 59.5 図表 3: グローバルAUMの推移と予測(地域別) 2004 北米 欧州 アジア太平洋 ラテンアメリカ 中東アフリカ 2007 19.9 12.9 3.9 0.6 0.1 56.5 35.1 8.9 76.9 100.4 (単位:兆米ドル) 2020 2012 30.1 21.0 6.4 1.6 0.4 101.7 41.2 30.8 10.5 47.5 35.3 12.2 13.0 33.2 19.7 7.7 2.6 0.6 49.4 27.9 16.2 6.7 1.5 2004-2012年 増加額 2012-2020年 増加率 増加額 増加率 26.6 71% 37.8 59% 10.9 68% 14.2 53% 8.5 56% 7.2 31% 2.4 240% 7.1 209% 11.7 63% 17.1 56% 9.0 51% 8.7 33% 2.7 225% 8.3 213% 3.9 156% 6.6 103% 2004-2012年 増加額 2012-2020年 増加率 増加額 増加率 12.6 59% 22.6 67% 6.4 36% 11.0 46% 3.8 271% 3.7 71% 14.5 38% 24.5 47% 17.4 41% 40.9 69% 2004-2012年 増加額 2012-2020年 増加率 増加額 増加率 13.3 67% 16.2 49% 6.8 53% 8.2 42% 3.8 97% 8.5 110% 2.0 333% 4.1 158% 0.5 500% 0.9 150% (出所)PWC “Asset Management 2020: A Brave New World” より野村資本市場研究所作成 2 個人金融資産の蓄積 米国家計セクターでは1990年以降、有価証券・投資信託への投資、年金積立を通じて金融資産の蓄積が進む 日本も、1990年以降の証券市場の停滞にも関わらず、家計金融資産の絶対水準はほぼ維持されている 2013 2011 2009 2007 2005 2003 1999 1997 1995 1991 2013 2011 0 2009 0 2007 10 2005 1,000 2003 20 2001 2,000 1999 30 1997 3,000 1995 40 1993 4,000 1991 50 1989 60 5,000 1989 その他 有価証券 現預金 1993 その他 有価証券 現預金 6,000 米国 (兆ドル) 70 2001 日本 (兆円) 7,000 (注)2014年は6月末の値。 (出所)日銀、FRB資料より野村資本市場研究所作成 3 年金資産の蓄積と構造変化:米国の例 米国では確定拠出年金(DC)プラン、個人退職口座(IRA)における資産が一貫して拡大 DCプラン、IRAの中で投信比率が上昇 米国リタイアメント資産の推移 米国IRA資産とDCプラン資産残高における投資信託の割合 (%) (兆ドル) 25 60 55 年金保険 20 IRA資産の中での投信比率 50 IRA 45 DCプラン DBプラン 40 15 35 30 10 25 DCプラン資産の中の投信比率 (%) 20 5 15 10 0 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 (注)各年末値。2014年データは6月末。 (出所)米国投資信託協会(ICI) 資料より野村資本市場研究所作成 2009 2014 (年末) 1992 1997 2002 2007 (注)各年末値。2014年データは6月末。 (出所)米国投資信託協会(ICI) 資料より野村資本市場研究所作成 2012 4 グローバル資産運用業界: プレーヤー側の潮流 米国を中心とした投信市場の拡大を背景に、上位資産運用会社の大型化と競争激化が起きている グローバル資産運用会社ランキングの推移 グローバル資産運用会社ランキング( 2007年末預かり資産) ランク 運用会社 国 グローバル資産運用会社ランキング( 2012年末預かり資産) 資産 ( 十億米ドル) ランク 運用会社 国 資産 ( 十億米ドル) バークレイズ・グローバル(BGI) 英国 2,079 1 ブラックロック 米国 3,792 2 ステート・ストリート 米国 1,979 2 アリアンツ・グループ ドイツ 2,448 3 アリアンツ・グループ ドイツ 1,957 3 バンガード・グループ 米国 2,215 4 アクサ・グループ フランス 1,887 4 ステート・ストリート 米国 2,086 5 フィデリティ・インベストメンツ 米国 1,862 5 フィデリティ・インベストメンツ 米国 1,888 6 キャピタル・グループ 米国 1,550 6 アクサ・グループ フランス 1,475 7 ドイツ銀行 ドイツ 1,402 7 JPモルガン・チェース 米国 1,431 8 バンガード・グループ 米国 1,365 8 バンク・オブ・ニューヨーク・メロン 米国 1,386 9 ブラックロック 米国 1,357 9 BNPパリバ フランス 1,304 10 UBS スイス 1,231 10 ドイツ銀行 ドイツ 1,247 36 日本生命 日本 520 23 日本生命 日本 663 40 三菱UFJフィナンシャル 日本 445 33 日本 532 34 全共連 三菱UFJフィナンシャル 日本 529 38 三井住友信託銀行 日本 456 47 第一生命 日本 362 50 信金中金 日本 345 … … 1 (出所)P&I Towers Watson World 500より野村資本市場研究所作成 5 米国年金基金のアセットアロケーション変化 米国株への配分減少とプライベートエクイティ(PE)・不動産・オルタナティブの増加が特徴 米国確定給付年金プラン(上位200基金)の運用資産内訳(2005∼2013年) 50 44.9 2005 2006 40 2007 2008 2009 30 2010 (%) 28.1 24.4 22.6 20 2011 22.6 2012 2013 17.7 8.9 10 1.2 2.1 1.3 4 7.3 5.2 3.9 1.7 1.7 0.9 1.5 0 国内株 海外/グロー バル株式 国内債券 海外/グロー バル債券 キャッシュ PE 不動産(エク イティ) モーゲージ オルタナティ ブ その他 (出所)Pension & Investments 資料より野村資本市場研究所作成 6 オルタナティブ資産、非伝統的プレイヤーの拡大 非伝統的資産への配分比率を高める米国機関投資家(2013年時点の目標資産配分比率) 非伝統的資産(オルタナティブ資産) 株式 プライベートエク イティ 絶対リターン 債券 不動産・実物資産 その他 ハーバード大学基金 イェール大学基金 カルスターズ(カリフォルニア州教職員退職年金基金) カルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% (出所)各機関のウェブサイト・年次報告書から野村資本市場研究所作成 国富ファンド(SWF)、ヘッジファンドの成長 7 6 (兆ドル) SWF資産 5 4 3 2 ヘッジファン ド(グローバ ル)推計資産 4.1 6.1 4.0 5.2 4.8 4.4 3.3 1.9 1.6 1.4 1.9 2.0 2.3 2.6 1 0 2007 2008 2009 (出所)SWF Institute, Hedge Fund Researchより野村資本市場研究所作成 2010 2011 2012 2013 7 投信大国となった米国:総資産は15兆ドルを突破 米国投信市場の資産合計は15兆ドルを突破。個人金融資産に占めるシェアも一貫して上昇。 米国投資信託市場:各種ファンドの純資産残高の推移 16 米国個人金融資産に占める投資信託の比率推移 (兆ドル) 30% 14 25% 12 株式 現預金 20% 10 8 15% 6 4 10% 2 投資信託 5% 0 (注) 2014年7月まで。 (出所)米国投資信託協会(ICI)資料より野村資本市場研究所作成 2013 2010 2007 2001 1998 1995 2004 MMF 0% 1992 MMF 1989 債券ファンド 14 1986 08 2010 12 1983 06 1980 バランス型ファンド 04 1977 98 2000 02 1974 96 1971 株式ファンド 94 1968 88 1990 92 1965 1984 86 (注) 2014年データは6月末時点。 (出所)FRB資料より野村資本市場研究所作成 8 米国リテール金融業界と投資信託市場の変遷 【2000年まで】 1975年株式委託手数料自由化 ディスインターミディエーション 規制緩和・金融業の多角化 オープンエンド型投信の普及 401kプラン・IRAの導入と普及 証券業の競争激化の中でChurning(回転売買)が問題に 報酬・インセンティブに関する自主規制強化(1995年タリー・レポートなど) ワイヤーハウスが投信の長期保有を推奨するとともに、投資一任口座 (フィー型ビジネス)の提供を開始 【2000年代】 オンラインブローカーの隆盛 ITバブ ルの崩壊 ベビーブーマー層が60歳代に突入 IRAロールオーバービジネスの重要性 投信・変額年金商品の複雑化 手数料率もしくはキックバック率が高い投信販売に注力 投信・保険の手数料・情報開示を巡るスキャンダル コンプライアンス・説明責任の一層強化 投信・保険ビジネスのオープン・アーキテクチャーの進展 マルチ・アセットクラス、マルチ・マネージャー型のSMA/投信ラップが主流 に 【2008年金融危機以降】 グローバル金融危機の発生 金融規制改革 大手金融機関、分散投資に対する不信感 金融機関はコンサルティング能力の一層強化を目指す 総合的な資産管理サービスの開発+低コスト志向+株式・債券市場の動き に左右されにくいオルタナティブ商品への関心 (1)Unified Managed Account、ETF、リキッドオルタナティブなどが関心集 める、(2)規制上の問題が指摘されたフィーベースト・ブローカレッジ口座か らRep As AdvisorおよびRep As Portfolio Managerに資金がシフト 9 米国におけるマネージドアカウント及びラップ口座の資産拡大 米国では投資一任口座の残高が3.5兆ドルを突破 米国マネージドアカウント市場:運用資産残高の推移 (億ドル) 40,000 フィー・ベースド・ブローカレッジ 35,000 ETFアドバイザリー 30,000 UMA 25,000 20,000 レップ・アズ・アドバイザー 15,000 レップ・アズ・ポートフォリオ・マネジャー 10,000 ファンドラップ 5,000 2014Q2 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 - SMA (注) • SMA(セパレートリー・マネージド・アカウント):証券会社が投資一任契約における方針に基づいて、有価証券に関する運用と管理を行うサービス。 • ファンドラップ:ミューチュアルファンド・アドバイザリーとも呼ばれ、運用対象が投資信託となる投資一任契約に基づき資産運用を行うサービス。 • レップ・アズ・ポートフォリオ・マネージャー:顧客の投資方針に基づき、営業担当者自身が資産運用を行う投資一任サービス。 • レップ・アズ・アドバイザー(営業担当者による投資助言型口座):投資顧問型サービスの一種であるが、一任運用は行わないタイプ。 • UMA(ユニファイド・マネージド・アカウント):一口座に複数の商品(SMA、投資信託、ETF等)を組み込んだ統合一任サービス。 • ETFアドバイザリー:ETFラップとも呼ばれ、運用対象をETFとするファンドラップの一種。 • フィー・ベースト・ブローカレッジ(残高手数料型証券口座):残高手数料を徴収する証券口座。 (出所)Cerulli Associates資料より野村資本市場研究所作成 10 米国投信市場におけるイノベーション 米国では2000年代に多様化が始まった上場投信(ETF)、確定拠出年金運用のデフォルト商品などに活用されるターゲット イヤーファンドが急激な拡大を遂げている ETF市場の拡大 ターゲットイヤーファンド(ターゲットデートファンド)の拡大 (10億ドル) 1600 2000 700 債券価格指数連動型ETF 1800 1600 グローバル・海外株価指数連動型ETF 1400 600 米国株価指数連動型ETF 本数計(右軸) 1200 500 1400 資産額(10億ドル) 800 1000 800 ETF本数計 1000 1200 400 その他 職域DCプラン 300 IRA 600 200 600 400 400 100 200 200 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 0 (出所)米国投資信託協会(ICI) 資料より野村資本市場研究所作成 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014:Q1 0 0 (出所)米国投資信託協会(ICI) 資料より野村資本市場研究所作成 11 欧州投資信託市場の動向 欧州でも投信資産残高がグローバル金融危機前のピークを更新。バランスファンド、債券ファンドが人気を集める。 欧州の投資信託市場:UCITSファンド総資産の推移 (兆ユーロ) 8 6 4 2 0 05 06 株式ファンド 07 08 バランス・ファンド 09 債券ファンド 10 MMF 11 12 ファンズ・オブ・ファンズ 13 14/2Q その他 (注)対象はUCITS。2010年以前はアイルランド籍ファンド(MMF除く)、2009年にはオランダ籍ファンドが含まれない。フランス及びルクセンブルグ、イタリア籍のファンズ・オブ・ファンズはその他 に含まれる。 (出所)EFAMAより野村資本市場研究所作成 12 成長が続くヘッジファンド業界 オルタナティブ資産へのアロケーション増加を背景にヘッジファンド業界への資金流入は続いている ヘッジファンド業界の推計資産残高・資金流出入 3000 (百万ドル) (十億ドル) 250,000 100% 13.9% 推計資産(左軸、10億ドル) 200,000 推計資金フロー(右軸、100万ドル) 2500 ヘッジファンドの主要戦略別構成比 25.6% 80% 150,000 39.3% 100,000 2000 60% 22.1% リラティブバリュー 50,000 マクロ 1500 0 40% 9.8% イベントドリブン 24.8% 株式ヘッジ -50,000 1000 -100,000 20% 500 37.1% 27.5% -150,000 -200,000 0 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 11 13 0% 1990年(Q4) 2011年(Q4) (注)2014年データは第2四半期まで。 (出所)HFR資料より野村資本市場研究所作成 13 ヘッジファンドの平均的なパフォーマンスは停滞 HFR総合インデックスと株価:年次リターンの推移 グローバルヘッジファンド業界:運用資産ランキング 2014年 ランク 40% S&P500 株価指数 HFR総合指数 30% (HFRI) 20% 10% 0% -10% -20% -30% -40% (注)2014年データは8月まで。 (出所)HFR資料より野村資本市場研究所作成 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 -50% 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 ファンドマネージャー Bridgewater Associates J.P. Morgan Asset Management Blackstone* Och-Ziff Capital Management Group Brevan Howard Capital Management BlueCrest Capital Management BlackRock AQR Capital Asset Management UBS Global Asset Management* Baupost Group Man Group Credit Suisse Hedging-Griffo Adage Capital Management GAM The Goldman Sachs Group* Credit Suisse Asset Management Winton Capital Management Grosvenor Capital Management* Renaissance Technologies Elliot Management The Permal Group* Davidson Kempner Capital Management Paulson & Co. D.E. Shaw goup King Street Capital Management 本社 所在地 米国 米国 米国 米国 英国 英国 米国 米国 スイス 米国 英国 米国 米国 英国 米国 米国 英国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 運用資産合計 (百万ドル) $87,108 $59,000 $54,293 $40,600 $39,906 $32,600 $31,934 $29,900 $27,886 $26,800 $26,141 $25,319 $25,000 $24,983 $24,977 $24,675 $24,641 $24,458 $23,400 $23,300 $22,231 $22,000 $20,300 $19,934 $19,800 (注)*印はファンド・オブ・ヘッジ・ファンド運用会社 (出所)Towers Watson “Global Alternatives Survey 2014” より野村資本市場研究所作成 14 グローバルに見たプライベートエクイティファンド市場(1) PEファンドの資金調達は2011年頃から回復しているが、金融危機前のピークには届いていない 金融危機前後に積み上がった未投資資本(ドライパウダー)は徐々に減少している PEファンドによる未投資資本の金額(ターゲット地域別) グローバルPEファンド:資金調達金額とファンド数 (十億ドル) (十億米ドル) 3,000 600 1,000 アフリカ・中東 アジア太平洋 米州 資金調達金額(左軸) 900 ファンド数(右軸) 500 2,500 400 2,000 グローバル 欧州 800 700 600 1,500 300 500 400 200 1,000 100 500 300 200 100 (注)2014年は9月30日までの実績。ファンド数は各年で資金調達したファンドの数を示す。 (出所)Thomson Oneデータベースより野村資本市場研究所作成 (注)2014年は3月31日までの実績。 (出所)Thomson Oneデータベースより野村資本市場研究所作成 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 0 2001 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 (年) 2000 0 0 (年) 15 グローバルに見たプライベートエクイティファンド市場(2) PE投資のエグジットは依然としてM&Aが主となっているが、最近、IPOによるエグジットが急激に増加している。 グローバルPEファンド: M&Aによるエグジットの価額と件数(公表ベース) グローバルPEファンド: IPOによるエグジットの価額と件数 (十億米ドル) (十億米ドル) 450 900 120 600 金額(左軸) 金額(左軸) 800 100 0 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 0 (年) (注)2014年は9月30日までの実績。M&A金額には被買収企業の純負債は含まない。 (出所)Thomson Oneデータベースより野村資本市場研究所作成 20 100 0 0 (注)2014年は9月30日までの実績。 (出所)Thomson Oneデータベースより野村資本市場研究所作成 2014 50 2013 200 200 2012 100 40 2011 300 300 2010 150 60 2009 400 2008 200 2007 500 400 2006 250 80 2005 600 2004 300 500 2003 700 2002 350 件数(右軸) 100 2001 件数(右軸) 2000 400 16 世界の大手PEファンド: 調達額でみたランキング PEファンド運用会社の資金規模は概して縮小。上位PE運用会社の中には近年上場した会社も。 2009年時点のPEファンドランキング(2004-09年調達額) 2009年 ランク ファンドマネージャー 本社所在地 2014年時点のPEファンドランキング(2009-14年調達額) 最近5年間 ファンド調達額 (百万ドル) 1 TPG Fort Worth(Texas) $52,350 2 Goldman Sachs Principal Investment New York $48,990 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 The Carlyle Group Kohlberg Kravis Roberts Apollo Global Management Bain Capital CVC Capital Partners The Blackstone Group Warburg Pincus Apax Partners First Reserve Corporation 3i Group American Capital Hellman & Friedman Washington DC New York New York Boston London New York New York London Greenwich (Connecticut) London Bethesda(Maryland) San Francisco $47,730 $40,460 $35,180 $34,950 $33,730 $30,800 $23,000 $21,330 $20,890 $18,390 $17,990 $17,900 15 Providence Equity Partners Providence(Rhode Island) $16,360 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 Advent International Terra Firma Capital Partners General Atlantic Fortrees Investment Group Silver Lake Cerberus Capital Management Permira Clayton Dubilier & Rice Lehman Brothers Private Equity PAI Partners Boston London Greenwich (Connecticut) New York Menlo Park New York London New York New York Paris $16,130 $14,210 $14,100 $14,080 $14,000 $13,900 $12,670 $11,720 $11,710 $11,500 (出所)Private Equity International “The PEI 300 2011” より野村資本市場研究所作成 2014年 ランク 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 ファンドマネージャー The Carlyle Group Kohlberg Kravis Roberts The Blackstone Group Apollo Global Management TPG CVC Capital Partners General Atlantic Ares Management Clayton Dubilier & Rice Advent International EnCap Investments Goldman Sachs Principal Investment EIG Global Energy Partners Warburg Pincus Silver Lake Riverstone Holdings Oaktree Capital Management Onex Ardian (formerly AXA Private Equity) Lone Star Funds Bain Capital Hellman & Friedman Stone Point Capital BC Partners JP Morgan Asset Management 本社所在地 Washington DC New York New York New York Fort Wroth (Texas) London Greenwich (Connecticut) Los Angels New York Boston Houston New York Washington DC New York Menlo Park New York Los Angels Toronto Paris Dallas Boston San Francisco Greenwich (Connecticut) London New York 最近5年間 ファンド調達額 (百万ドル) $30,650 $27,182 $24,640 $22,298 $18,783 $18,082 $16,600 $14,114 $13,505 $13,228 $12,400 $12,343 $11,345 $11,213 $10,986 $10,384 $10,147 $10,097 $9,805 $9,732 $9,067 $8,900 $8,842 $8,590 $8,208 17 米国ベンチャーキャピタル(VC)の状況:資本量と投資額 金融機関が運営するベンチャーキャピタルは減少している。 近年、米国VCは年間に約3000-4000社に合計200-300億ドルの投資を実施している 米国VC:運用資本残高(Capital Under Management)の推移 米国VC投資金額の推移 9000 300 (十億ドル) (件) (十億ドル) 120 8000 100 250 7000 その他 80 6000 200 コーポレート 5000 金融機関 案件数 150 独立系VC 60 4000 40 3000 100 2000 50 20 1000 投資金額:右軸 (出所)National Venture Capital Association資料より野村資本市場研究所作成 0 0 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2013 2011 2009 2007 2005 2003 2001 1999 1997 1995 1993 1991 1989 1987 1985 0 (注)2014年は第2四半期まで。 (出所)National Venture Capital Association資料より野村資本市場研究所作成 18 米国ベンチャーキャピタルの状況:エグジットの状況 M&Aによるエグジットは依然として主流だが、最近ではIPOも活発化(JOBS法、2012年フェイスブックなどが注目)。 VC投資からエグジットまでの時間の長期化、案件の大型化などが指摘されている。 米国VCが支援したM&Aの案件数・価額の推移 600 米国VCが支援したIPOの件数・調達価額の推移 (十億ドル) (件) 80 300 (件) (十億ドル) 調達価額:右軸 70 500 250 価額:右軸 30 25 IPO件数:左軸 60 M&A件数:左軸 400 50 M&A件数(うち価額判 明分):左軸 40 300 200 20 150 15 100 10 50 5 0 0 30 200 20 100 10 0 (注)2014年は第3四半期まで。 (出所)National Venture Capital Association資料より野村資本市場研究所作成 2013 2011 2009 2007 2005 2003 2001 1999 1997 1995 1993 1991 1989 1987 1985 2013 2011 2009 2007 2005 2003 2001 1999 1997 1995 1993 1991 1989 1987 1985 0 (注)2014年は第3四半期まで。 (出所)National Venture Capital Association資料より野村資本市場研究所作成 19 欧州ベンチャーキャピタル市場の状況 欧州のVC市場は、金融危機・ソブリン危機の後、やや低調な状況が続いている。 欧州VC:ファンド調達の状況 (本) 欧州VC:投資の状況 (十億ユーロ) 250 調達額(十億ユーロ): 右軸 ファンド数:左軸 200 (社) 9 4500 8 4000 7 欧州VC:売却(Divestment)の状況 (十億ユーロ) (社) 7 投資額(十億ユーロ): 右軸 投資先社数:左軸 6 3500 5 6 (十億ユーロ) 3.5 1600 1400 売却額(十億ユーロ): 右軸 売却社数:左軸 3 1200 2.5 3000 1000 150 5 4 2500 2 800 4 2000 3 1500 3 100 1.5 600 2 50 0 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2 1000 1 500 0 0 1 400 1 0 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 (出所)EVCA (European Private Equity & Venture Capital Association)資料より野村資本市場研究所作成 0.5 200 0 0 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 20 本資料は、ご参考のために株式会社野村資本市場研究所が独自に作成したもの です。本資料に関する事項について貴社が意思決定を行う場合には、事前に貴 社の弁護士、会計士、税理士等にご確認いただきますようお願い申し上げま す。本資料は、新聞その他の情報メディアによる報道、民間調査機関等による 各種刊行物、インターネットホームページ、有価証券報告書及びプレスリリー ス等の情報に基づいて作成しておりますが、株式会社野村資本市場研究所はそ れらの情報を、独自の検証を行うことなく、そのまま利用しており、その正確 性及び完全性に関して責任を負うものではありません。また、本資料のいかな る部分も一切の権利は株式会社野村資本市場研究所に属しており、電子的また は機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行 わないようお願い致します。 21