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都心に一番近い プチ田舎

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都心に一番近い プチ田舎
検討委員会
資料 2
平成 25 年 3 月 26 日
ゆ っ た り し た ま ち
都心に一番近い プチ田舎
(小平市観光まちづくり振興プラン)
平成25年 3月
小
平
1
市
検討資料修正版
目
次
第1章 小平市観光まちづくり振興プランの基本事項
1 策定の趣旨
2 振興プランの位置づけ
3 振興プランの対象期間
第2章 小平市の概要と地域資源
1 小平市の概要
2 小平市の地域資源
3 地域資源のキーワード
4 アンケート調査結果の概要
5 観光に関わる現状の整理
第3章 観光まちづくりの基本的な考え方
1 まちの将来イメージ
2 観光まちづくりのビジョン
3 観光まちづくりの目標設定
4 振興プランの推進にあたって
第4章 観光まちづくりに向けて
目標1 地域の情報発信力を強化する
目標2 ゆったりしたまちの価値を共有する
目標3 文化・交流につながる地域資源を活用する
目標4 特色あるイベントにより地域活性化を図る
目標5 小平ならではの特産品づくりと産業振興を進める
目標6 おもてなしの環境整備を進める
目標7 観光まちづくりの推進体制を確立する
2
ゆ っ た り し た ま ち
都心に一番近い プチ田舎
(小平市観光まちづくり振興プラン)
まちの魅力づくりを
検討資料修正版
ぶるべーも一緒に
進めていきたいね
考えてみるよ
ぶるべー
「ブルーベリー栽培発祥の地
こだいら」のキャラクター
3
第1章
小平市観光まちづくり振興プランの基本事項
1 策定の趣旨
小平市では、「まちの魅力づくり」を進めるため、「小平市観光まちづくり振興プラ
ン」
(以下「振興プラン」
)を策定します。
小平市が観光まちづくりによってめざすものは、まず市民自らが小平市のよさに気
付くこと、そのよさを広く知ってもらうこと、地域内外の人の交流が活発となり、地
域の産業(農業・商工業)に刺激となること、市民が地域に誇り・愛着を持ち「住み
続けたい」と思うこと、新たに「小平市に住んでみたい」と考える人が増えること、
などです。
これまでにも小平市では、
「まちの魅力づくり」のために、小平グリーンロード活性
化やブルーベリー特産品化、その他さまざまな形でのシティセールス(知名度・イメ
ージの向上)の取組みなどを行ってきました。振興プランは、これまでの実績をふま
えて、めざすべきまちのイメージを明確にし、その実現に向けた方策を示すものです。
○地域中心の観光まちづくり
小平市の目指す観光まちづくりは、地域住民・地域社会を主体として、よりよいま
ちづくりのために進める取組みです。
観光と言えば、有名な観光地で一部の観光事業者が行うもの、というイメージがあ
りますが、観光まちづくりは、まちのよさを伸ばし、まちの魅力を磨くことであり、
活力あるまちを築くうえでも大きな効果が期待されます。
○まちの魅力に気付くことが出発点
市民自らが小平市のよさ、まちの魅力に気付くことが、小平市の観光まちづくりの
出発点になります。
まちの魅力をさらに磨くため、市民や関係団体、行政など多様な主体が参加し、協
働することによって観光まちづくりを進めることが大切です。
○観光まちづくりに期待される効果
観光まちづくりを進めることにより、(一般に)次のような社会的効果、経済的効果
が期待できます。
4
・人が育ち、ネットワークが広がる効果
観光まちづくりを進めるには、多くの市民・関係団体等が協力し、おもてなしの心
を広げ、地域社会全体で取組むことが必要になります。その過程で、地域のリーダー
などの人材が育ち、また、人のネットワークが広がります。
・地域が活性化する効果、及び地域経済に波及する効果
地域間の人の交流が広がることで、地域が活性化します。
また、訪れる人が地域で飲食や買い物などをすることによる経済効果のほかに、人
の交流が増えることでビジネスの機会が広がります。
・シティセールスの効果
地域のいいところ(地域資源)を活用し、広くアピールすることによって、まちの
知名度アップ、イメージアップにつながります。
・市民の定住指向が強まる効果、及びまちのファンが増える効果
市民がまちの魅力を再認識することで、地元への誇りや愛着が深まり、「住み続けた
い」と考えるようになります。
また、市外にもまちのファンが増え、「訪れてみたい」「住まいを選ぶときは、あの
まちにしたい」と考えるようになります。
人口減尐社会を間近に控え、これらは、人口・税収の確保につながります。
観光まちづくりの推進
様々な社会的効果・経済的効果
人が育ち、ネット
地域が活性化し、
地域経済に波及
ワークが広がる
シティセールス
市民の定住指向、
ファンの増加
(知名度アップ)
5
2 振興プランの位置づけ
振興プランは、観光まちづくりの基本理念や将来の方向性を示すものであり、計画
的に取組みを進めるための指針と位置づけます。また、産業(商工業・農業)の分野
にとどまらず、地域社会、文化、緑、水、生涯学習など市の施策のさまざまな分野に
も関わるため、振興プランは「小平市第三次長期総合計画」をはじめ「小平市都市計
画マスタープラン」
「小平市みどりの基本計画」「小平市教育振興基本計画」
「小平市の
文化振興の基本方針」など既定の計画等との整合を図ります。合わせて、国や東京都
の施策の動向をふまえた内容とします。
また、小平市のよさや、まちの魅力を地域全体で見直すこと、及びおもてなしの心
を広げることが大切であり、観光まちづくりには、関係団体や民間事業者、市民など
多様な主体が参加し、協力しあうことが不可欠です。このため、振興プランは多様な
主体が観光まちづくりに参画することを促すものとします。
小平市観光まちづくり振興プランの位置づけ
~ 小 平 市 第 三 次 長 期 総 合 計 画 ~
第4章 住みやすく、希望のあるまちをめざして ―都市基盤・交通・産業―
第3節 活力ある産業の展開をめざす
計画的な推進の
ための指針
国・都などの
取 組 み
~既定の計画等~
○小平市都市計画マスター
プラン
小平市観光
まちづくり
振興プラン
○観光立国推進基本
計画など
○東京都観光産業振
興プランなど
施策の
動向の反映
○小平市みどりの基本計画
○小平市教育振興基本計画
既定の計画
等との整合
○小平市の文化振興の基本
方針
・
・
・
3 振興プランの対象期間
振興プランの対象期間は平成 25 年度から平成 34 年度までの 10 年間とします。
なお、期間内においても、社会情勢の変化や観光まちづくりの進捗状況等に応じ、
適時、見直しを図るものとします。
6
第2章
小平市の概要と地域資源
1 小平市の概要
○小平市の地勢
東京都心の西方 26km に位置し、市域は東西約 10km、南北 4km で、面積 20.46km²、
人口 18 万人の都市です。市内には、JR 武蔵野線、西武拝島線、西武国分寺線、西武
多摩湖線、西武新宿線が通り、新宿との間を 30 分で結んでいます。小平市を通る主要
な道路として、東西方向の中央部に青梅街
道が、その北側を新青梅街道、南側を五日
市街道が横断しており、南北方向には府中
街道、新小金井街道、小金井街道が縦断し
ています。広域行政圏としては、多摩北部
都市広域行政圏に属しています。
○まちの形成過程
江戸時代初期の玉川上水の開削以降、小平の地で新田開発が進みました。青梅街道
などの街道に沿って短冊状に地割が行われ、江戸の近郊農村として歩んできました。
関東大震災後の「学園都市計画」以降に都心部の学校(現在の一橋大学、津田塾大
学)が移転し、あわせて学園地区の宅地開発が始まりました。昭和 10 年代に陸軍経理
学校など軍関係の大規模施設が造られ、のちに国の施設や工場等に転用されています。
終戦後は戦災を受けた都心部の住宅難から都営住宅の建設が進み、昭和 30 年代には
大小の工場が誘致されました。高度経済成長期には、いわゆるベッドタウンとして、
住宅地化が大きく進みました。
7
こうした歴史的なまちの形成過程が、現在の小平のまちを特徴付けており、
「緑と都
市機能が調和した豊かな住宅都市」として発展してきています。
○小平市の人口
人口は昭和 30~40 年代に大幅に増加し、近年では微増傾向にある状況です。平成 24
年 11 月現在の人口(住民基本台帳)は 185,507 人です。
(同月の東京都による推計値
では 188,326 人で、多摩 26 市中 6 位)
今後の見通しとしては、平成 22 年の国勢調査人口 187,035 人に対して、平成 27 年
の 188,832 人をピークに、その後減尐傾向になり、平成 32 年に 188,501 人と推計され
ています。
(小平市人口推計報告書 H24.6)
小平市の人口構成を見ると、学校が多いことで、20~24 歳の年齢層が多くなってい
ることが特徴です。
(同報告書より、平成 22 年と平成 32 年の人口構成を対比)
8
○小平市の産業
【農業】
小平市は全域が市街化区域に指定されており、市内における農地面積は減尐傾
向で、宅地等への転用が進んでいます。市の面積 2,046ha に対して、214ha が畑(固
定資産税の対象地目)
で、
約 192ha が生産緑地に指定されています
(H23.11 現在)
。
かつて広く栽培されていた小麦の生産は現在ではほとんど見られなくなり、尐
量多品目の野菜作りが多くなっています。農作物の中では、なし、うど等が名産
とされており、近年ではブルーベリーの栽培も盛んになっています。
身近に農地があることで、新鮮な農産物が手に入りやすい条件にあります。
【商工業】
小平市の商店街は駅前等を中心に発達し、日常消費する最寄り品の販売や飲食
を主としてきました。近年では小売業の仕組みの変化、スーパーやコンビニエン
スストア、幹線道路沿いの店舗(ロードサイド店)の進出などの影響もあって、
商店街に空き店舗が目立つ例も多くなっています。
市内に、デパートや大型ショッピングモールはありませんが、世論調査(平成
24 年)によると、買い物の便については、
「満足・やや満足」という回答が 58.3%
と半数以上であり、
「不満・やや不満」という回答は 21%です。商業統計調査(平
成 19 年度)によれば、市内の小売業の年間商品販売総額は 1,324 億円で、多摩 26
市中 8 位です。
工業では、近隣市と同様に工場の市外移転の例も見られるものの、ブリヂスト
ン、ルネサス エレクトロニクス、日立国際電気など、最先端技術を持った工場・
研究施設があります。
9
2 小平市の地域資源
観光まちづくりを考えるにあたり、地域にどのようないいところ(地域資源)があ
るかを把握することが必要となります。既にある地域資源を見つけ、整理して、その
魅力を磨くことが大切です。また、地域資源は、既にあるものだけでなく、新たに創
り出すこともできるものです。
(新たな施設、新商品、新規イベントなど)
小平市には主な地域資源として、次のようなものがあります。
○散策コース
小平グリーンロード(美しい日本の歩きた
くなるみち5 0 0選)
(注)
(注) (社)日本ウオーキング協会が、国土交通省な
どの後援を受け、平成 16 年に選定したウオーキング
コース。多摩地域では 8 コースが選定された。
狭山・境緑道
○緑
史跡玉川上水
名勝小金井サクラ
狭山・境緑道
野火止用水
薬用植物園
あじさい公園
中央公園
小平霊園
小金井公園
摘み取り農園
オープンガーデン 小金井カントリー倶楽部
オープンガーデン
玉川上水(じょうすいこばし)
○歴史的景観
屋敷林
短冊型の農地
用水路
神社・寺院
竹内家の大ケヤキ
小川用水
10
○イベント
こだいら市民駅伝(2 月)
グリーンフェスティバル(5 月)
ホタルの夕べ(6 月)
灯りまつり(8 月)
市民まつり(10 月)
産業まつり(11 月)
大学等の学園祭
商店街や地域のイベント
こだいら市民駅伝
市民まつり
○文化施設等
小平市民文化会館(ルネこだいら)
小平ふるさと村
平櫛田中彫刻美術館
ふれあい下水道館
鈴木遺跡資料館
多摩六都科学館
ブリヂストンTODAY
ガスミュージアム
大学等の学校施設
情報通信研究機構展示室
ルネこだいら
ふれあい下水道館
○その他の施設
こもれびの足湯
日本一丸ポスト
FC東京小平グランド
鉄道駅(近接含め10駅)
○食べ物
小平産ブルーベリー
農産物(野菜、なし、うどなど)
糧(かて)うどん
市内にあるさまざまな飲食店
ブルーベリー
11
○ゆかりの人物
平櫛田中、齋藤素巖など歴史上の人物
小平ゆかりの各界の著名人
さまざまな分野で活動する市民
○新たに創る地域資源
新たに建設する施設
新商品
新規イベント など
仲町公民館・図書館
(平成 26 年度竣工予定)
このほかにもまだ
見つかりそうだね
いろいろな地域資源
があるんだね
12
3 地域資源のキーワード
小平市の地域資源について検討し、小平市の特徴と言えるキーワードを抽出しました。
「ゆったりしたまちの要素」「文化と交流につながる要素」「暮らしやすさの要素」とい
う3つのキーワードで、小平市のさまざまな地域資源を捉えてみたものです。
○市を一周する「小平グリーンロード」
… 緑の回廊、小さな自然・見どころ
散策で健康づくり、歩くまち
○「ブルーベリー」をはじめとした都市農業
… 新鮮野菜が身近に手に入る、直売所、地産地消
ブルーベリー栽培発祥の地
○「丸ポスト」に象徴されるレトロ感、懐かしさ
○若い世代が集まる、学校の多い「学園都市」
○さまざまな分野での市民の活動
○FC東京をはじめとしたスポーツ
○平櫛田中、ルネこだいらなどの文化芸術
… アート、デザイン
○自然環境のよさ等で、定住指向の市民が多い
○交通の便がよい
… 鉄道駅が多い(近接含め10駅)
都心へのアクセスがよい
都心に近いのに「ゆったりしたまち」であること、及び文化や交流の要素が多いこと、
暮らしやすいことが、小平市の特徴と言えます。
13
4 アンケート調査結果の概要
市民を対象にした世論調査の結果、及び1都3県(東京・埻玉・千葉・神奈川)の市
外居住者(Webモニター)を対象にしたアンケート調査の結果(注)を手がかりとして
地域資源をはじめとした小平市の観光に関わる現状を考察します。
(注)世論調査は、行政全般に関して、市内在住の 2,000 人を対象に、郵送により実施しているアンケー
ト調査です。
市外居住者に対する調査は、調査会社に登録されたモニターを対象に「観光についての調査」とし
て回答者(300 人)を募集し、Web画面上で入力してもらう方式で実施しました。西武線沿線や
武蔵野線沿線の居住者が多く配分されるよう、対象者のスクリーニングを行っています。
○市民から見た地域資源等
図1 小平市を訪れる人におすすめしたい小平市の見どころ(複数回答)
46.0
30.6
27.2
22.3
14.6
10.8
8.2
5.5
3.9
3.8
5.2
17.1
1.4
n=1009
【すすめたい小平市の見どころ】
「小平市政に関する世論調査」(平成 24 年)の中で、「市外から小平市を訪れる人
におすすめしたい小平市の見どころ」について尋ねたところ、「小平グリーンロード」
14
という回答が最も多く、次いで小平ふるさと村、平櫛田中彫刻美術館、薬用植物園と
なっています。(図1)
また、前回(平成 22 年)の「世論調査」では、小平グリーンロードについての設問
があり、「小平グリーンロードを歩いたことがある」という回答が 79.3%で、その主
な目的としては「散歩・ジョギング」(75.2%)でした。
これらの結果から、多くの小平市民が小平グリーンロードに親しむとともに、人に
もすすめたいと考えていることがうかがえます。
【小平市をPRするために必要な取組み】
「小平市をPRするために必要な取組み」を尋ねたところ、「見どころやイベント
情報の発信」という回答が最も多く、次いで「各種イベント」「休憩ができる場所」な
どとなっています。
(図 2)まず、情報発信に課題があると考えている小平市民が多い
ことがうかがえます。
図 2 小平市を PR するために必要な取組み(複数回答)
38.3
35.8
33.1
31.7
29.4
21.8
20.8
17.8
12.1
3.7
2.4
n=1009
15
○市外居住者から見たイメージ、地域資源等
【小平市の認知度】
1都3県の市外居住者に対して、小平市を知っているかどうか(認知度)を尋ねた
ところ、「名前や位置は知っている」が 35.7%で最も多く、「ある程度知っている」
が 22.7%、「尐し知っている」が 21.3%という結果でした。(図 3)
図 3 小平市について(認知度)
n=300
7.7
22.7
21.3
35.7
12.6
【小平市のイメージ】
市外居住者に対して「小平市のイメージ」を尋ねた結果では、「閑静な住宅地」が
43.5%、「緑・自然が豊か」が 30.2%、「学園都市」が 21.4%となりました。
小平市では「ブルーベリー栽培発祥の地」(7.6%)であることや、「小平グリーン
ロード」(4.2%)、「丸ポストが多いまち」(2.7%)をPRしていますが、市外居
住者には、これらのイメージはまだそれほど浸透していないことがうかがえます。(図
4)
図 4 小平市のイメージ(複数回答、回答一部抜粋)
43.5
30.2
21.4
18.3
14.5
7.6
4.2
2.7
n=262
16
【小平市の訪問目的】
小平市を訪問したことのある人に、訪問の目的を尋ねたところ、「家族・知人に会
う」「仕事や学校行事など」(観光以外の目的)という回答が多かったものの、「ま
ち歩き、観光、歴史探訪など」という回答が 26.6%ありました。(図 5)
「まち歩きを楽しむ」ことに対して、一定のニーズがあることがうかがえます。
図 5 小平市を訪れた目的(複数回答、上位回答)
32.4
27.7
26.6
8.7
8.7
n=173
【来訪者を増やすために必要な取組み】
小平市への来訪者を増やすために特に必要と思う取組みを尋ねたところ、「見どこ
ろやイベント情報の発信」が 56.5%で1番多く、次いで「観光マップ(案内地図)の
充実や案内標識の設置」(46.2%)、「公共交通の利便性の向上」(30.5%)でした。
(図 6)
これらから、情報発信の面と、来訪者の受入の面で課題があると考えている市外居
住者が多いことがうかがえます。
市民を対象に同様の質問をした結果(図 2)と比較してみると、市民と市外居住者に
共通して最も多いのが「見どころやイベント情報の発信」という回答です。
また、「市の特産品が買える店舗」についての回答では、市民が 21.8%、市外居住者
が 26.7%と、一定数のニーズがあることを示しています。
そのほかの項目では、「各種イベントの実施」という回答が、市外居住者(20.6%)
よりも市民(35.8%)に多いことや、「公共交通の利便性の向上」という回答が市民
(12.1%)よりも市外居住者(30.5%)に多いことなどが目立ちます。
調査方法(郵送、Web調査)等が異なることもあり、単純な比較はできませんが、
前者は、市民も特色あるイベントに期待していることを、後者は、市外から訪れる場
合にアクセス経路がわかりにくいことなどを示していると考えられます。
17
図 6 来訪者を増やすために必要な取組み(複数回答)
56.5
46.2
30.5
26.7
24.4
20.6
19.5
18.7
12.2
4.6
n=262
【地域資源の認知度・魅力度】
小平市にあるさまざまな地域資源(一部、隣接市に所在)の認知度と魅力度を尋ね
ました。認知度は「行ったことがある」「(行ったことはないが)知っている」とい
う回答の比率、魅力度は「魅力的または関心がある」「やや魅力的またはやや関心が
ある」という回答の比率です。(図 7)
全体的な傾向として、玉川上水、小平霊園、小金井公園など東京都が管理する緑道・
公園等の認知度が高くなっており、市の施設(小平ふるさと村など)の認知度はそれ
ほど高くはありません。
世論調査(図 1)と、この市外居住者調査とでは、設問や地域資源の項目数などが異
なりますが、小平市民がすすめたいと考える地域資源(小平グリーンロード、小平ふ
るさと村、薬用植物園など)は、市外居住者にとってもおおむね魅力度が高くなって
いる傾向がうかがえます。
特に小平ふるさと村は、市外居住者の認知度はそれほど高いとは言えないものの、
魅力度では玉川上水と同率(67.9%)で、市内の施設の中で最も高い数値になってい
18
ます。このことから、今後の企画やPRにより認知度の向上を図ることがポイントに
なると考えられます。
一方、小平霊園の場合、認知度に比べて魅力度は低くなるものの、魅力的と考える
人も一定数(41.2%)いることを示しています。
図 7 地域資源の認知度・魅力度(複数回答、回答一部抜粋)
63.0
67.9
58.0
41.2
55.7
67.6
47.7
57.3
46.2
72.5
34.7
66.0
32.8
53.1
26.7
25.6
21.8
64.9
43.1
44.3
21.4
67.9
19.5
61.5
16.0
51.1
14.1
47.7
10.7
50.8
10.3
58.4
9.2
45.0
n=262
【地域資源(食べ物)の認知度・魅力度】
食べ物については、糧うどん・武蔵野手打ちうどんと、小平産ブルーベリーの認知
度(食べたことがある、知っている)、魅力度を尋ねました。その結果、市外居住者
の認知度はまだそれほど高くないものの、魅力的と感じる人が 70%を超える高い数値
となりました。(図 8)
これは、食の地域資源に対する関心の高さの表れであり、これら食の地域資源につ
いては、今後の企画やPRにより認知度の向上を図ることがポイントと考えられます。
19
図 8 地域資源(食べ物)の認知度・魅力度(複数回答)
24.0
71.4
21.8
71.0
12.2
63.0
n=262
【地域資源(イベント)の認知度・魅力度】
イベントについては、比較的集客数の多い市民まつり、産業まつり、灯りまつりの
認知度(参加したことがある、知っている)と魅力度を尋ねました。
いずれも市外居住者の認知度はそれほど高くありませんでしたが、この中で比較す
ると、産業まつりの魅力度が高いという結果になりました。(図 9)
図 9 地域資源(イベント)の認知度・魅力度(複数回答)
6.9
39.7
6.1
54.6
4.6
47.7
n=262
20
○調査結果からみた小平市の観光
これらの調査結果から、観光に対するニーズや小平市のイメージ、現状などが浮か
び上がってきました。
【観光に対するニーズについて】
・「まち歩き、観光、歴史探訪など」を目的に(市外から)小平市を訪れたことがある、
という回答が一定数(来訪者の 26.6%)あり、「まち歩きを楽しむ」ことに対するニ
ーズが想定できます。
【小平市のイメージについて】
・市外居住者から見た小平市のイメージとしては「閑静な住宅地」という回答が最も多
くなっています。
・市がPRを進めている「ブルーベリー」や「小平グリーンロード」等について、市外
居住者の認知度はまだそれほど高くありません。
【情報発信などについて】
・今後、必要な取組みとして、市民、市外居住者の双方から、「情報発信」が大きな課
題と考えられています。
・必要な取組みとして、市外居住者には、
「観光マップの充実や案内標識」
「公共交通の
利便性の向上」という意見が多くなっており、「来訪者向けのサービス」が課題と考
えられます。
【地域資源について】
・市外居住者の多くがブルーベリー、うどんなど、食の地域資源を魅力的だと感じてい
ます。
・「市の特産品が買える店舗」について、市民、市外居住者双方からのニーズがありま
す。
・市外居住者には、玉川上水、小平霊園、小金井公園など東京都が管理する緑道・公園
等の認知度が比較的高く、全体に市の施設や特産品、イベントの認知度はそれほど高
くありません。
小平市民がすすめたいと考えている地域資源(小平グリーンロード、小平ふるさと村、
薬用植物園など)は、市外居住者にとってもおおむね魅力度が高くなっています。
21
5 観光に関わる現状の整理
以上のアンケート調査結果に加え、小平市観光まちづくり振興プラン検討委員会に
おける検討等をふまえて、小平市の観光に関わる現状を、次のように整理しました。
小平市の観光に関わる現状
○情報発信が課題であること
区
分
情報発信に
(全体に地域資源の認知度が低いこと)
関わるもの
○自然・緑が残る良好な環境であること
○見どころが分散している印象で、地域資源が十分生かされていない
(地域資源は多くあるが、目玉となるような施設がない)
○イベントの認知度が低いこと
地域資源に
関わるもの
○食の地域資源への関心が高いこと
市の特産品を買える店舗等へのニーズがあること
○観光案内などのサービスが課題であること
受入体制に
○観光まちづくりの中心になる組織(観光推進組織)がないこと
関わるもの
大きな区分としては情報発信、地域資源、受入体制に関わる課題があります。
22
第3章
観光まちづくりの基本的な考え方
1 まちの将来イメージ
○こだいら21世紀構想の基本的な理念
小平市にとって「羅針盤」の役割を果たす「こだいら 21 世紀構想」(小平市第三次
長期総合計画基本構想)において、次のように基本理念を定めています。
みんなが「いい表情(かお)をもつ」こと
この地が「いい郷(さと)であり続ける」こと
そして「いい明日(あした)を予感させる」こと
住み、働き、学び、そして訪れる人々も含め、多くの人々が、共通の「ふるさと」
として愛着を持てるようなまちを創り上げることが目標です。
○観光まちづくりのめざす将来イメージ
「いい郷(さと)
」の郷(さと)には「田舎」や「ふるさと」の意味があり、都心に
近いのにゆったりしていることが小平市のよさであり、大きな特徴と言えます。
これを小平らしいまちの将来イメージと捉え、先に挙げた地域資源のキーワードを
用いて、次のように表現します。
(将来イメージ)
ゆったりした中に文化や交流がある、都心に一番近い郷(さと)
・小平グリーンロードを中心にした「ゆったりしたまち」のよさを持ち続ける
・文化や交流につながる要素を生かして「活力のあるまち」を創出する
・利便性が高く、安全・安心な「暮らしやすいまち」を築く
(訪れる人から見て)
○ゆったりした時間を過ごせるまち
○文化や交流を楽しめるまち
○住んでみたいまち
23
2 観光まちづくりのビジョン
さまざまな地域資源を生かし、観光まちづくりを進めるうえで、コンセプト(基本
になる概念)を明確にする必要があります。
郷(さと)、田舎、ふるさと、と言っても、一方では都市化が進んでおり、利便性の
高いまちでもあります。都心に近いのにゆったりしている小平市のよさを、<プチ田
舎>という表現によって示します。
観光まちづくりの
コンセプト
ゆったりしたまち
観光まちづくりの
市民や事業者、関係団体等と行政が協働して
進め方
進める観光まちづくり
都心に一番近い プチ田舎
○観光まちづくりのコンセプト
観光まちづくりのコンセプトを <ゆったりしたまち
都心に一番近い プチ田舎>
とします。
ゆったりしたまちのよさを見直し、小平グリーンロードをはじめ、自然や農業、文
化施設などの地域資源を生かして、小平市の観光まちづくりを進めます。
○観光まちづくりの進め方
観光まちづくりの出発点は、市民自らが小平のよさ、まちの魅力に気付くことです。
市民や民間事業者、関係団体、行政などの多様な主体が参加し、協働しながら、観
光まちづくりを進めることで、その魅力をさらに磨きます。
ぶるべーも観光まち
まず小平のよさを見直す
づくりに協力するよ!
ことが大事なんだね!
24
3 観光まちづくりの目標設定
小平市の現状をふまえて、今後 10 年の間に取り組む観光まちづくりの目標を設定
します。
まちの魅力を広く知ってもらうため、
目標1
地域の情報発信力を強化する
自然・緑が残る良好な環境を維持するため、
目標2
ゆったりしたまちの価値を共有する
見どころを結び、魅力を高めるため、
目標3
文化・交流につながる地域資源を活用する
イベントの認知度を高めるため、
目標4
特色あるイベントにより地域活性化を図る
食の地域資源への関心、特産品へのニーズがあるため、
目標5
小平ならではの特産品づくりと産業振興を進める
観光案内などのサービスを充実させるため、
目標6
おもてなしの環境整備を進める
観光まちづくりを進めるため、
目標7
観光まちづくりの推進体制を確立する
25
4 振興プランの推進にあたって
○小平らしい観光
小平らしい、
「ゆったりしたまち」にふさわしい観光としては、一度に大勢が殺到す
るようなイベントを行うことよりも、来訪者が市民とのふれあいを通して「小平ファ
ン」となり、繰り返し訪れてもらうようにすること、1回あたりの滞在時間を長く、
「ゆ
ったり」過ごしてもらうようにすることに重点を置きます。
鉄道等を利用する日帰り客を主な来訪者に想定し、市内の研修施設等の滞在者や、
近隣市の宿泊客なども視野に入れることにします。市民や市内への通勤・通学者が日
ごろの生活圏を離れて、市内の他地域を訪れることも観光と捉えられます。
環境に負荷の尐ない観光を進め、地域環境と地域経済、地域社会のバランスがとれ
たまちをめざします。
○観光まちづくりと人づくり
観光まちづくりには、市(行政)、市民(市民団体)・民間事業者や関係団体などの
多様な主体が参加し、それぞれが役割を担い、責任を持ちながら協力し、進める必要
があります。
小平のいいところを見つけ、魅力を磨くには、特に観光まちづくりの担い手となる
市民や事業者等の活動が鍵になります。担い手となる市民等が育つこと、また市民等
の輪が広がることによって、観光まちづくりと人づくりが相まって進むことをめざし
ます。
○推進体制づくり
振興プラン推進のための体制づくりとして、関係団体や市民等の参加による(仮称)
小平観光まちづくり連絡会を設置するものとします。
(仮称)小平観光まちづくり連絡会では、情報の共有や、観光まちづくりの機運を
高めるうえで効果のある事業等を進めます。その取組みの中で観光まちづくりに対す
る地域の機運が高まり、民間主体で観光まちづくりを進める組織(観光推進組織)が
26
設置され、推進体制の充実、強化が図られることを想定します。
具体的な個々の事業は、民間事業者や意欲のある市民(市民団体)等が主導して、
自由な発想のもとで行い、必要に応じて市(行政)が支援を行うことが望ましいあり
方です。
■推進主体別の役割
区
分
主な役割(例示)
【観光まちづくりへの参加】
・地域の歴史・文化等を学ぶ、郷土愛を持つ
市
民 等
(事業者も含む)
・小平のよさを伝える
(家庭教育や、口コミ、ブログでの発信なども含む)
・イベントへの参加、協力
・来訪者との交流、おもてなし
など
【観光まちづくりへの参加】
関係団体等
(JA、商工会を含む)
・各団体等における情報発信
・各団体等相互の連携、情報共有
・イベントの実施、協力
・各団体等でのおもてなしの意識向上、実践
など
【観光まちづくりの条件整備や調整等】
・国・東京都との連携、広域連携
行
政
・公式サイト等による情報発信、各種メディアへのパブリシティ
・観光まちづくりに関わる団体・市民等との連携、情報共有
・観光に関わるデータの集積、分析
など
【観光まちづくりの機運醸成】
(仮称)小平観光
まちづくり連絡会
・参加団体(参加者)相互の連携、情報共有
・観光コースの開発などの検討
・観光まちづくりの機運を高めるための情報発信、イベント
・観光まちづくりを担う人材の発掘、育成
27
など
第4章
観光まちづくりに向けて
小平市における観光まちづくりの目標
情報発信に
関わるもの
目標1
地域の情報発信力を強化する
・多様な情報発信
・テーマ等を意識した情報発信
地域資源に
関わるもの
目標2
ゆったりしたまちの価値を共有する
・小平グリーンロードの活用
・農業の振興
・自然と歴史の景観の活用
目標3
文化・交流につながる地域資源を活用する
・「学園都市」を生かす方策
・産業観光・スポーツ観光の推進
・文化施設などの活用
・現代的な景観、アートの活用
・人の魅力を伝える
目標4
特色あるイベントにより地域活性化を図る
・さまざまなイベントの充実
・イベントの企画
目標5
小平ならではの特産品づくりと産業振興を
進める
・食の地域資源を育てる
・特産品の販売
・商業の振興
目標6
おもてなしの環境整備を進める
・観光を担う人材の育成
・おもてなしの施設づくり
・歩くまち 小平のPR
目標7
観光まちづくりの推進体制を確立する
・観光まちづくりを担う組織づくり
・市(行政)の体制づくり
・国・東京都・他自治体との連携
受入体制に
関わるもの
※次ページ以降では、各目標の小項目にそれぞれ、小平市における現状、観光まちづ
くりから見た課題、今後の取組み例を記述しています。これらは、各種調査(世論
調査、Web調査)や検討委員会・庁内連絡会での意見等をもとに抽出したもので
す。
※観光まちづくりの取組みは、市(行政)や関係団体、民間事業者、市民など多様な
主体が参加し、協働で進めるものです。具体的な内容や役割分担については、今後
検討を進めます。
28
目標
1
地域の情報発信力を強化する
観光まちづくりを進めるうえでは、市民自身がまちの魅力に気付くこと、また、さ
まざまな情報発信ツールを利用して、その魅力を広く内外に伝えることが大切です。
地域の情報を入手する手段としては、ガイドブックやパンフレット等のほか、イン
ターネットの情報を利用することが一般的になっており、インターネットの効果的な
活用が必要です。
広範囲な影響力を持つテレビ、新聞などのマスメディアに対するパブリシティ(情
報提供)は有効であるほか、地域密着で親しまれているコミュニティFMやケーブル
テレビ、タウン誌などの地域メディアにもPR効果が期待できます。
また、映画やドラマ、アニメなどの舞台となることは、まちの認知度を高め、映像
を通した新たな情報発信につながる可能性を持っています。
多様な情報発信
【小平市における現状】
・小平市内にある地域資源の認知度は、全体にそれほど高くなく、情報発信の取組み
が必要という意見が多くなっています(世論調査等)。
・見どころや店舗などがガイドブック類にとり上げられることは尐ないのが現状です。
・市の公式サイトに、年間 200 万以上のアクセスがあります。
・関係団体による「こだいらネット」等の地域情報サイトがあります。また、地域情
報のブログを開設するなど、情報発信を進める市民が増えています。
・映画やテレビドラマのロケの候補地として、小平グリーンロードや公園などの緑、
公共施設、学校、歴史的建造物などが考えられます。都心からアクセスしやすいこ
とも利点です。
【観光まちづくりから見た課題】
・小平市全体として情報発信力を強める必要があります。
・アクセス数の多い市の公式サイトを観光まちづくりにも活用するとともに、関係団
体や市民が発信する情報と連携させること、またさまざまな主体による情報発信が
行われているため、情報をわかりやすく整理する仕組みを作ることが課題です。
・ロケの情報を整理し、撮影の受け入れ態勢を整えることが課題です。
【今後の取組み例】
○行政が行う広報を含め、地域の情報発信力を強めるため、PRの手法を工夫します。
29
マンガや動画を活用することも効果があります。
○行政をはじめ、それぞれの施設管理者やイベント主催者等も含めて、テレビ局・新
聞社等へのパブリシティを強化します。出版社向けのPRも検討します。
○コミュニティFM、ケーブルテレビ、タウン誌等の地域メディアを活用します。
○市の公式サイトから、関係団体の情報サイト、市民の運営するブログ等まで、イン
ターネットを活用し、タイムリーにまちの魅力を発信します。また、さまざまな情
報にアクセスする窓口にあたるポータルサイトづくりを進めます。
○双方向に情報共有の可能なSNS(注)の活用を図ります。
(注)ツイッターやフェイスブックなどのネットワークサービス(Social Networking Service)
。
○ロケの受け入れが可能な場所の連絡先や申請方法、注意点、これまでの撮影実績な
どの情報を整理します。映画やテレビドラマの制作会社からの問合せに応じる態勢
を検討します。
テーマ等を意識した情報発信
【小平市における現状】
・現状では、小平市と観光のイメージはあまり結びついていません。
・市民や小平市への通勤・通学者等でも、まちの魅力に気付いていないことがありま
す。
【観光まちづくりから見た課題】
・情報発信にあたっては、わかりやすいテーマ等を意識しながら、まちの魅力をアピ
ールすることが必要です。
・ターゲット(情報の受け手)を意識した情報発信を行う必要があります。
【今後の取組み例】
○観光まちづくりのコンセプトである<ゆったりしたまち 都心に近い プチ田舎>
を軸にしたアピールを図ります。
○市民や来訪者にアピールしやすい、健康、食、農、アートなどのテーマを意識した
情報発信を進めます。
○市民や市内への通勤・通学者をはじめ、市内施設に研修等で訪れる人、近隣市の宿
泊客、鉄道沿線の住民など、また、世代や性別など、それぞれターゲットを意識し
て地域情報を発信します。
30
目標
ゆったりしたまちの価値を共有する
2
玉川上水、野火止用水、狭山・境緑道は、小平を一巡りする散策コース「小平グリ
ーンロード」となっており、水と緑の自然豊かな空間は、散策、ジョギングなど生活
に溶け込む形で市民に親しまれています。
また、都市における農地は、農産物の生産という機能だけでなく、四季を感じる潤
いのある空間として、また防災時の避難場所としてなど多面的な機能をもっています。
小平市は、江戸時代の新田開発により拓かれた土地で、各地域には、当時からの由
来を持つ寺院・神社があり、街道沿いのケヤキ並木、屋敷林、短冊型の農地、地域に
張り巡らされた用水路などから当時の面影をしのぶことができます。
小平市の特徴である「ゆったりしたまち」は自然と歴史の中で形成されてきたもの
であり、その価値を共有することは、今後も小平市の良好な環境を維持することにつ
ながります。
小平グリーンロードの活用
【小平市における現状】
・玉川上水、野火止用水、狭山・境緑道を結ぶ散策コース「小平グリーンロード」は、
自然の四季折々の変化が楽しめます。「美しい日本の歩きたくなるみち 500 選」
(注)
に選定されています。
(注)社団法人日本ウオーキング協会が平成 16 年に選定。
・小平市グリーンロード推進協議会が、さまざまなPRやイベント、花壇の植栽など
の事業を行っています。
・小平グリーンロード沿いには適度な間隔で鉄道駅があり、各自のペースで歩くコー
ス(距離)を変えることができます。(例:花小金井駅を起点に、小平駅まで約 2.6
km、萩山駅まで約 4.8km)
【観光まちづくりから見た課題】
・小平グリーンロードは 21kmあるため、特に初めて訪れる人向けに、お勧めのポイ
ントやコースをわかりやすくPRする必要があります。
【今後の取組み例】
○小平グリーンロードのPRやイベント等の取組みを継続します。
コース途中の飲食や休憩のできるスペースも含めて、きめ細かなPRを行います。
○小平グリーンロードの中でも、特にお勧めのコースをモデルコースに選定します。
31
○緑豊かな小平グリーンロードの散策と健康づくりを結びつけた「グリーン&ヘルス
ツーリズム」をテーマにした、観光コース、メニューを開発します。
農業の振興
【小平市における現状】
・なし、うど等が名産とされ、近年ではブルーベリーの栽培が盛んになっています。
・散策コース等からの農地の眺めは、季節を感じ、生産の場を身近に見る機会にもな
っています。
・小平市は全域が市街化区域であり、農地は全体として減尐傾向にあります。生産緑
地の指定等により農地を保全し、緑地機能などの維持を図っています。
・市民が農業に親しめるよう、体験農園(農家の指導を受け、市民が栽培から収穫ま
でを行うもの)
、観光農園(庭先販売や収穫体験)など、農地を活用する取組みを行
っています。
【観光まちづくりから見た課題】
・市街地化が進む中で農業を続けるには、農業に対する市民の理解が必要です。
【今後の取組み例】
○小平市の農業全体についてのPR、また体験農園や観光農園などのPRを行います。
○地域全体で市の特産品に親しむ仕組みを作ります(例えば、学校での食育に特産品
の活用を広げる、市民等による栽培を広げる、など)。
(→目標4・イベントや、目標5・特産品の項目も参照)
自然と歴史の景観の活用
【小平市における現状】
・小川三差路付近などに残る街道沿いの屋敷林とケヤキ並木、地域の開拓に由来する
寺院・神社等は、新田開発の面影を残す景観の一つです。
・玉川上水は羽村から新宿まで造られていますが、小平市の区間は、水路の法面がほ
とんど護岸されておらず、舗装されない土のままの遊歩道があって、他にない独自
の景観となっています。
・用水路はかつて生活用水に使われていましたが、現在は都市における水と緑の空間
となっています。市内で延長が約 50 ㎞あり、そのうち約 35km に通水しています。
・寺院、神社はそれぞれ地域の開拓に由来するものが多く、歴史的な存在です。
・市内の歴史的建造物として、津田塾大学(東京都選定歴史的建造物)、武蔵野荘、街
道沿いに見られる蔵などがあります。
32
・小平市には東京都内では最も多く現役の丸ポストが残っています。丸ポストは、レ
トロ感のある、懐かしいものとなっています。
【観光まちづくりから見た課題】
・都市化に伴う開発等により、緑が減尐傾向にあります。
・小川三差路付近などは、観光地としての整備はされていないため、特に初めて訪れ
る人には歴史的な意味等がわかりにくいことや、個人の生活の場でもあるため、私
有地(個人宅・畑等)への配慮が必要であることなどの課題があります。
・歴史的な景観が貴重な存在であることが、まだ十分に知られていない点があります。
【今後の取組み例】
○「みどりの基本計画 2010」に基づく緑の保全や、用水路の整備(せせらぎ、親水公
園などの親水空間)
、小平グリーンロードの整備、
「あかしあ通りグリーンロード化
計画」を進めます。
○玉川上水、用水路、寺院・神社など地域の歴史を掘り起こし、武蔵野新田の開発な
どストーリー性を持たせたPRを行います。特に玉川上水の小平市区間は他にない
独自の景観であることを十分にアピールします。
○歴史をたどる適切な見学コースを設定し、ガイドによる見どころ案内等を行います。
○丸ポストを活用した事業を進めます。
(丸ポストラリーの継続、日本郵便株式会社や
丸ポストによるまちづくりを行っている地域との連携、など)
33
目標
3
文化・交流につながる地域資源を活用する
小平市には文化施設など多くの見どころ(地域資源)があります。個々の見どころ
の魅力をさらに磨くとともに、小平グリーンロードや鉄道駅を中心に見どころ同士を
つなぐモデルコースやモデルエリアを設定することで価値を高め、「小平といえばこ
れ」と言われるような観光資源に育てることが必要です。
また、小平市ゆかりの著名人の存在や、さまざまなかたちで活躍している市民など
「人の魅力」を伝えていくことも大切です。
小平グリーンロード、ブルーベリーなどの地域資源を浸透させるため、子どもたち
に人気のご当地キャラクター(ぶるべー、コダレンジャー)の活躍にも期待できます。
「学園都市」を生かす方策
【小平市における現状】
・小平市は、津田塾大学、一橋大学、白梅学園大学、武蔵野美術大学、嘉悦大学、文
化学園大学の6つの大学をはじめ、学校の多い「学園都市」です。それぞれの学校
は教育に携わる多くの人材を擁しており、そのもとで多くの若い世代が学んでいま
す。また、各学校の出身者が各界で活躍しています。
・ご当地キャラクターのデザインを学生が手掛けるなど、市と大学が連携して実施し
た実績があります。
・大学が主催する市民向けの公開講座や、学生のボランティアが地域活動に参加する
など、地域との交流が生まれてきています。
・美術館(武蔵野美術大学)、歴史的建造物(津田塾大学)を有する学校もあります。
・学校は多いものの、学生街らしいまちの特色はあまり出ていません。
【観光まちづくりから見た課題】
・学校を文化・交流の拠点としても捉え、地域で人材(学生)を育て、地域活性化に
つなげることが必要です。
・学生に小平を楽しんでもらい、小平ファンの学生を増やすことが必要です。
【今後の取組み例】
○大学等と、市(行政)や地域との連携を推進する体制を確立します。
○大学等のもつ地域資源(人材、施設、イベントなど)に着目した事業を検討します。
(例:学校見学ツアーなど)
○学生が参加できる地域のイベントや各種のコンテストなどを企画します。
34
産業観光・スポーツ観光の推進
【小平市における現状】
・小平市内には、最先端技術を持った工場や研究施設があります。
・企業博物館として、ゴムとタイヤについて学べるブリヂストンTODAYや、ガス
の歴史が学べ、錦絵ギャラリーのあるガスミュージアムがあります。
・FC東京の練習グランドがあり、市としてFC東京を応援しています。
・スポーツ祭東京 2013(東京国体)では、市民総合体育館がバレーボール競技(成年
女子)の試合会場になります。
【観光まちづくりから見た課題】
・産業やスポーツを地域資源として、活用することが必要です。
【今後の取組み例】
○企業博物館の活用や受入可能な工場の見学ツアーなど、産業観光について検討しま
す。
○地域ぐるみの応援でFC東京を盛り上げ、チームと地域の結びつきをさらに深めま
す。また、選手とのふれあいの場でもあるFC東京グランドをPRします。
○スポーツ祭東京 2013 などのビッグイベントを機に、地域と連携したスポーツ振興を
図ります。
文化施設などの活用
【小平市における現状】
・小平ふるさと村、平櫛田中彫刻美術館、鈴木遺跡資料館、ふれあい下水道館、ルネ
こだいら、日本一丸ポスト、多摩六都科学館など特色ある多くの施設があります。
・小平グリーンロード沿いにある中央公園はイベント(グリーンフェスティバル、収
穫祭など)に利用されているほか、市民総合体育館では温水プールなどを個人利用
することができます。
・あじさい公園、狭山・境緑道(桜)、東京都薬用植物園など、花の名所があります。
・都立小平霊園は都市の広大な緑地としても貴重で、著名人の墓所もあります。
【観光まちづくりから見た課題】
・全体として、さまざまな地域資源の認知度や集客力の向上が課題です。
・まちの中心(ランドマーク)や、目玉となる観光のテーマ(例:三鷹の太宰治、日
野の新撰組)がはっきりしていないことが課題です。
【今後の取組み例】
35
○各施設の集客力の向上のため、展示や企画等の充実を図ります。また、PR方法の
工夫を行います。
(例:社会科見学や夏休みの自由研究など市内外の学校に向けたP
Rや、スタンプラリーの実施など)
○モデルとなるコースやエリアを設定し、重点的にPRを行います。
○建て替えや再開発等の機会を捉えて、観光の目玉になるような施設づくりを検討し
ます。
現代的な景観、アートの活用
【小平市における現状】
・市内には、日本におけるD O C O M O M O 1 5 0選(注)に選定された武蔵野美術大学 4 号館
や、著名な建築家の作品、各種建築賞を受賞した作品などがあります。
(注)近代建築の保存等に取り組む国際組織(D O C O M O M O)の日本支部が選定。
・狭山・境緑道にある齋藤素巖の作品(齋藤素巖・彫刻の小径)をはじめ、九道の辻
公園や彫刻の谷緑道に設置された彫刻(パブリックアート)などがあります。
【観光まちづくりから見た課題】
・現代的な景観やアートについて、まだ十分に知られていない点があります。
【今後の取組み例】
○まちなかにあるアートをテーマにしたイベントなどを通して、小平の新しい景観や
アートのPRを進めます。
人の魅力を伝える
【小平市における現状】
・平櫛田中、齋藤素巖など歴史上の人物をはじめ、小平ゆかりの著名人等がいます。
・小平ゆかりの芸人による「たくさんあります!小平の魅力つたえ隊」がイベント等
に活躍しています。
・市制 50 周年記念事業(平成 24 年度)では、音楽家やスポーツキャスター等に協力
をいただきました。
・さまざまなかたちで、地域で活動している市民がいます。
・人気のご当地キャラクターとして、ぶるべー、コダレンジャーがいます。
【観光まちづくりから見た課題】
・
「人の魅力」がまだ十分に知られていない点があります。
・ご当地キャラクターを積極的に活用し、
「小平市の顔」として育てることが課題です。
【今後の取組み例】
36
○小平ゆかりの著名人等に、市のPRに協力をいただきます。
○地域で活躍する人材を掘り起こし、スポットを当てていきます。
○ご当地キャラクターのイベントへの参加、イラストの活用や、イメージソング・動
画などの制作のほか、他のキャラクター(注)と連携した企画を進めます。
(注)JA東京むさしのムーちゃん、FC東京の東京ドロンパなど。
37
目標
特色あるイベントにより地域活性化を図る
4
イベントは多くの人が交流する機会になり、四季を通して、さまざまな催しがある
ことは、地域での暮らしを豊かにするものです。
小平市では大小のさまざまなイベントが行われており、毎年の行事として広く親し
まれているものや、評価の高い催しがあります。
市民が楽しむとともに、市外からの来訪者にもアピールするような、ニーズの高い
イベントとしては、食関連のイベントや、農などの参加型・体験型のイベント、アー
トや音楽のイベント、若者向けのイベント(ダンスなど)が考えられます。さらに、
イベントを一過性のものに終わらせず、産業活性化に結び付ける方策の検討が求めら
れています。
さまざまなイベントの充実
【小平市における現状】
・小平市ではさまざまな主体によるイベントが行われており、地域での暮らしを彩っ
ています。
(以下は例示)
・灯りまつり、ウォーキング(歩け歩け)など、小平グリーンロードを活用した
イベント
・平櫛田中彫刻美術館での企画展やお茶会
・小平ふるさと村でのさまざまな年中行事、昭和 30 年代の結婚式などの企画
・音楽祭、ヤングダンスフェスティバルなど、ルネこだいらで行われるイベント
・市民まつり、産業まつり、グリーンフェスティバルや国際交流フェスティバル
など
・地域や商店街のお祭り・イベント(特色あるものとして、サンバカーニバル、
八雲祭の万灯行列など)
・大学の学園祭など(特色あるものとして、武蔵野美術大学の芸術祭、文化学園
大学のけやき祭・ファッションショーなど)
・地域の伝統芸能として、
「鈴木ばやし」が伝えられています。
【観光まちづくりから見た課題】
・既存のイベントの内容の充実やPRが課題です。
【今後の取組み例】
○既存のイベントの活性化策としては、若者が参加しやすいコーナーを設けることや、
38
小平ゆかりの著名人等にPRや企画で協力してもらうことなどを検討します。
○イベントの中でも特色のあるものを広くPRし、認知度の向上を図ります。
○主に地域住民が楽しむイベントと、市外からの来訪者も意識したイベントでは、
情報発信の手法もそれぞれ工夫する必要があります。
イベントの企画
【小平市における現状】
・小平市をPRする方策として、各種イベントの実施を挙げる意見が多くあります(世
論調査等)
。
・市外居住者にも認知度の高いイベントは尐ない現状です。
【観光まちづくりから見た課題】
・話題性のあるイベントを通して、小平市のよさをアピールすることが課題です。
・イベントを一過性のものに終わらせず、産業活性化に結び付ける工夫が必要です。
【今後の取組み例】
○市民や来訪者にアピールするようなテーマ(食、農、アートなど)のイベントを企
画します。話題性、インパクトのあるイベントになるよう、事業者や市民も一体と
なって取組み、盛り上げていきます。
○イベントが参加者の共感を呼びながら継続的に発展し、その効果が産業活性化に結
び付くことを目指します。
39
目標
5
小平ならではの特産品づくりと産業振興を進める
小平市の農作物の中では、なし、うど等が名産とされています。近年ではブルーベ
リーの栽培が盛んになっており、お菓子や飲料などの加工品作りも活発です。また、
地域に伝わる料理として、糧うどんなどがあります。
小平市の観光まちづくりには、食を支える農業の振興とともに、新商品開発への支
援、商店会の支援など商業の振興が欠かせません。農業と商工業が連携して、地域の
農産物を生かした小平ならではの新商品(加工品や料理)開発の取組みを行い、その
中から、
「定番」と言える商品が育つことが期待されます。
また、地産地消に対する関心の高まりもあり、小平の農産物や加工品をまとめて買
える場所の充実に対する要望も多くなっています。
(農業の振興については、目標2も参照)
食の地域資源を育てる
【小平市における現状】
・食の地域資源として、ブルーベリー、なし、うど、多品目の野菜などの農作物、及
び、糧うどん、ゆでまんじゅう、梅干しなど昔からの素朴な食べ物があります。
・小平の魅力を発信できる商品やサービスを発掘、紹介するため、小平商工会が「コ
ダイラブランド開発事業」を進めています。
・小平産ブルーベリーの地域ブランド化のため、小平ブルーベリー協議会がPRや商
品開発などを進めています。
・小平産ブルーベリー、糧うどんなどについては、市外居住者の認知度はまだそれほ
ど高くありませんが、食の地域資源に対する関心は高く、魅力的と考える人が多く
なっています。
【観光まちづくりから見た課題】
・
「小平ならでは」と言えるような特産品の確立、特色ある食の地域資源の確立が課題
です。
・ブルーベリーについては、地域ブランド化のモデルとして重点的に取組みを進める
必要があります。
【今後の取組み例】
○地域ならではの特産品を確立するため、話題性のある新商品(加工品、料理)の開
発と、目玉といえる定番商品の確立を支援します。物産展への参加により知名度を
40
上げることや、コンテスト等で入賞をめざすことも検討します。
○食の地域資源を生かしたイベント(例:ブルーベリー、うどんなど)を企画します。
特産品の販売
【小平市における現状】
・特産品を販売し、観光情報を発信する場所として、小平ふるさと村の特産品コーナ
ー(主にお菓子等)があります。
・JA東京むさし小平支店の共同直売所で新鮮な農作物等を販売しています。
・市の特産品が買える店舗に対するニーズがあります(世論調査等)
。
【観光まちづくりから見た課題】
・市民や来訪者にもわかりやすく、さまざまな特産品が手に入る場所の充実を図るこ
とが課題です。
【今後の取組み例】
○市民や来訪者が特産品を入手しやすくなるよう、販路の拡大を図ります。
○特産品の販売をはじめ、飲食や休憩、観光情報の発信、人の交流等を行う観光まち
づくりの拠点となる施設の確保について、検討します。
○小平ふるさと村の特産品コーナーや、JAの共同直売所の充実を図ります。
商業の振興
【小平市における現状】
・現状では、ガイドブック類に取り上げられる店舗は尐ないものの、一方で、意欲あ
る事業者の活動(プリン匠の会など)がマスコミに取り上げられる例も見られるよ
うになってきました。
・商店会での各種イベントが行われています。
【観光まちづくりから見た課題】
・市民や来訪者が立寄ってみたくなるような、特色のある商店会や店舗が増えること
が必要です。
また、商店会や各店舗が地域全体の盛り上げに協力し、おもてなしの心を広げる機
運づくりが大切です。
【今後の取組み例】
○特色のある商店会・店舗、おいしい料理などの情報発信を行います。
また、特色のある店舗の集積をアピールし、まちのイメージ形成を図ることも効果
的です。
(例:スイーツのあるまち、音楽のあるまち、など)
41
○観光まちづくりに取り組むモデル的な商店会を育てます。
○まちなかの回遊性を高めるため、マップ作りやスタンプラリーなどのイベントを企
画します。
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目標
おもてなしの環境整備を進める
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観光まちづくりでは、地域全体におもてなしの心を広げることが大切です。
市民自身が積極的にまちの魅力を発信し、訪れる人にも見どころや特産品などを紹
介するような機運を作っていきます。また、各種のイベントや、スポーツ、国際交流
などさまざまな分野で活躍している多くのボランティアやNPO法人、各種団体など
とも連携し、観光まちづくりを担う人材の育成を図ります。
また、情報提供や人の交流などの機能をもった、おもてなしの施設づくりが課題に
なります。
市内には鉄道7駅(隣接を含めると 10 駅)があるため、観光まちづくりでは、
“歩
くまち”としてのPRをメインにします。
観光を担う人材の育成
【小平市における現状】
・小平市では、観光と銘打っている訳ではありませんが、既にさまざまな形でボラン
ティア等が活動しています。
(以下は例示)
・小平グリーンロードやスポーツ、国際交流、援農等のボランティア
・ふれあい下水道館、ルネこだいら、小平ふるさと村等のイベントスタッフ
・ご当地キャラクターを運営するボランティアスタッフ
・シルバー人材センター会員が行っている市内外のコースガイド
・市内の見どころや特産品などが、市民の間にもまだ十分に浸透していない点があり
ます。
【観光まちづくりから見た課題】
・既に行われている取組みや活動を総合的に生かし、さらに観光を担う人材を育成す
る必要があります。
・観光まちづくりの機運を高め、市民が小平のよさを伝えることが必要です。
【今後の取組み例】
○学校教育において、地域の文化財や自然、産業などを教材に取り入れるほか、生涯
学習の場において、市民の郷土に対する意識を高め、郷土愛を育みます。
○生涯学習などとも連携し、観光を担う人材の育成を図ります。
○ボランティア等の活動を評価し、モチベーションの維持・向上を図ります。ボラン
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ティアが集う場を設けることや、研修の機会を作ることも効果があります。
おもてなしの施設づくり
【小平市における現状】
・外国語表記のある観光案内板を小平グリーンロード中心に整備しています(平成 20
~22 年度)
。
・観光案内所にあたる施設がありません。
【観光まちづくりから見た課題】
・交流や情報発信の機能をもった施設の整備が課題です。
【今後の取組み例】
○特産品の販売をはじめ、飲食や休憩、観光情報の発信、人の交流等を行う観光まち
づくりの拠点となる施設の確保について、検討します。
(再掲)
○既存の施設に観光情報の発信機能を持たせることや、民間事業者の協力によりミニ
案内所(まちなか案内所)を設け、パンフレットの配布やPRを行うことなどを検
討します。
“歩くまち”小平のPR
【小平市における現状】
・市内に7駅(隣接を含め 10 駅)と多くの鉄道駅があります。都心からアクセスしや
すい条件があります。
・
「鉄道の乗り換えが不便」
「市内を巡るバス網の充実を」などの声があります。
・施設の収容人員や駐車スペースの点、環境や地域への負担(交通渋滞、ごみ問題な
ど)を考えると、大きなイベント等の実施には制約があります。
【観光まちづくりから見た課題】
・鉄道駅が多い利点を生かし、
“歩くまち”としてPRすることが必要です。
・自転車の活用、駐車場の確保等が課題です。
【今後の取組み例】
○鉄道駅を中心に、
“歩くまち小平”をメインにしたきめ細かなPRを行います。
(トイレ・ベンチの位置、歩行時間などの案内)
○鉄道沿線の住民を意識し、西武鉄道との連携をさらに進めるとともに、バスやタク
シー、JR、モノレールとの連携を図ります。
○快適な自転車利用のため、通行環境の整備を検討し、あわせて自転車利用のルール
遵守・マナーの啓発を行います。
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○各施設の駐車場の確保については、店舗との協力を得ることや、民間の時間貸し駐
車場の情報提供なども含めて検討を行います。
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目標
観光まちづくりの推進体制を確立する
7
これまでに進めている小平グリーンロードを活用した取組みなどを、さらに総合的
な観光まちづくりとして進めるため、取組みの中心になる体制づくり、組織づくりを
行います。参加する多様な主体の役割分担を明らかにし、市民、事業者、関係団体、
市(行政)などが協働する体制を築きます。
行政内部においても、政策、広報、生涯学習、文化振興、観光などを横断する取組
みを進める必要があります。
国や東京都の施策の動向をふまえ、また、近隣自治体等と連携した観光まちづくり
を進めます。
観光まちづくりを担う組織づくり
【小平市における現状】
・小平市では観光推進組織(観光協会にあたる組織)はありませんが、地域ではさま
ざまな活動が行われています。
(以下は例示)
・市民団体、NPO法人等の地域の課題解決や地域活性化の取組み
・市民が行う情報発信(ブログ、SNSなど)
・小平市グリーンロード推進協議会、小平ブルーベリー協議会、小平市観光農業
協会など、観光まちづくりに関わりを持つ団体の活動
・大学と市や地域との連携(目標3)
・小平商工会のこだいらネットやコダイラブランド事業(目標5)
・JA東京むさし小平経済センター(共同直売所)
(目標5)
・意欲ある事業者の活動(目標5)
【観光まちづくりから見た課題】
・多様な主体によるさまざまな取組みが行われており、これらをまとめ、観光まちづ
くりを進める組織が必要です。
・組織づくりにあたって、中心的な役割を果たす人材が不可欠です。
・観光まちづくりには、市民ひとりひとりからの取組みが大切です。
(例:小平の歴史
を学ぶセミナーなどに参加する、小平のよさを周囲に伝える)
【今後の取組み例】
○関係団体や市民等に参加を呼びかけ、
(仮称)小平観光まちづくり連絡会を設置しま
す。連絡会では、情報の共有や、観光まちづくりの機運を高めるうえで効果のある
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事業等を進めます。
組織づくりを進める中で、各主体の役割分担を明確にします。また、柔軟でスピー
ディーな展開のため、民間の発想や技能を生かすようにします。
○市内の観光まちづくりに対する機運が高まり、専門的に観光まちづくりを進める民
間主体の組織(観光推進組織)が設置され、推進体制の充実、強化が図られること
を目指します。
市(行政)の体制づくり
【小平市における現状】
・観光まちづくりに関連する事業がそれぞれの担当部署ごとに企画され、実施されて
います。
・小平市では観光に関わるデータの集積が尐ないのが現状です。
【観光まちづくりから見た課題】
・市内部の横断的な取組みにより観光まちづくりを進める必要があります。
・観光に関わるデータを集積することが課題です。
【今後の取組み例】
○市内部の横断的な取組みにより、相互の持つ情報やノウハウを生かした事業を推進
します。
○観光に関わるデータを集積・分析し、集客数、地域への影響などから事業効果を総
合的に評価します。
国・東京都・他自治体との連携
【小平市における現状】
・国においては、観光立国を掲げた観光施策を進めています。
・東京都においては、世界都市・東京を掲げた観光施策を進めています。
・北多摩北部の5市の取組みとして、多摩六都科学館の運営、名所・特産品などを紹
介する「たまろくナビ」の運営、農産物マップ作りなどの実績があります。
【観光まちづくりから見た課題】
・国や東京都、他自治体との連携をさらに進める必要があります。
【今後の取組み例】
○国や東京都の観光施策と連携し、観光まちづくりを進めます。
○広域行政圏(北多摩北部5市)としては「多摩六都広域連携プラン」(平成 23 年)
に基づき、広域で取り組むメリットを生かして、産業・観光の魅力向上と情報発信
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の強化を図ります。
○近隣市との連携により、市域を超えた観光コースの開発などを行います。
○ゆかりの自治体(地域)との連携を検討します。
(例:丸ポストを活用したまちづく
りを進める他の地域や、ブルーベリーを産する他の市町村など)
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