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景観行政の最近の動きについて

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景観行政の最近の動きについて
景観まちづくりの最近の取組について
国土交通省
都市局 公園緑地・景観課
景観・歴史文化環境整備室
1
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
目 次
1.景観法の活用状況等について
2.日本らしく美しい景観づくりに関する懇談会
3.屋外広告物の安全対策の推進
4.その他
2
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
1.景観法の活用状況等について
3
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
景観法(平成16年制定)の概要
基本理念
良好な景観は、「国民共有の資産」、「地域の自然、歴史、文化等の人々の生活、経済活動等の調和により形成」、
「地域の固有の特性と密接に関連」、「地域の活性化に資する」、「保全のみならず新たに創出することを含む」。
都道府県
指定都市
中核市
全て
全て
全て
その他の市町村
市町村
都道府県と協議した場合
景観行政団体 (景観法に基づく大部分の事務の实施主体)
景観計画(届出・勧告等を行う制度)
景観地区(都市計画制度)
1.建築物の建築等について、行為の制限を定める
1.建築物等についての制限を定める
① 形態意匠制限(形態、色彩、材質など)
外壁の色彩は暖色系の色相(下図参
照)又は無彩色を基調とし、周辺と
の調和に配慮すること
<制限規定のイメージ>
屋根はいぶし瓦葺き又はヨシ葺きを原則
とし、4~5寸勾配を設け、適度な軒の
出を有すること
真壁づくり又はそれに準ずる和風建築様式
を継承した意匠とすること
マンセル表色系に
よる基調色の範囲
原則2階は後退させ、瓦葺きの軒庇とする
こと
② 高さ、壁面位置など
届出制度により誘導
2.その他の計画事項を定める
(基準に適合しない場合は設計変更等を勧告できる)
形態意匠は、条例で行為を指定すれば命令も可能
認定制度によ 建築確認など
り実効性確保 で实効性確保
※都計区域外でも「準景観地区」で準じた規制が可能。
景観重要建造物・樹木 建造物
景観上重要となる建築物等を
指定し積極的に保全
(現状変更に対する許可制)
樹木
その他、景観重要公共施設
景観協定 、 景観整備機構
などの制度により、総合的に良好
な景観形成を推進
4
景観法の活用状況の概要
(平成27年3月時点)
<参考>全体は47都道府県、1,741市区町村
景観行政団体
658団体 (46都道府県、
612市区町村)
景観計画
478団体 (20都道府県、
458市区町村)
景観重要建造物
425件 ( 2都道府県、
70市区町村)
景観重要樹木
533件 (
41市区町村)
景観協定
53地区 ( 2都道府県、
29市区町村)
のべ105法人 (19都道府県、
53市区町村)
景観協議会
のべ65組織 ( 3都道府県、
43市区町村)
景観地区等
計121地区 (
32市区町村)
38地区 (
21市区町村)
5地区 (
4市区町村)
78地区 (
10市区町村)
景観整備機構
景観地区
準景観地区
形態意匠制限地区計画等
5
景観行政に取り組む団体の推移
(平成27年3月時点)
景観法制定から11年目を迎えるなか、景観行政団体、景観計画策定団体は
順調に増加しており、景観法を活用したまちづくりの取組が広がっている。
(団体数)
700
600
537
477
500
432
300
334
658
478 → 458
市区町村
+
20都道府県
283
257
222
200
200
449
384
324
0
429
375
400
100
575
613
638
159
94 109
0
0
11
93
41
景観行政団体
景観計画策定団体
6
地整管区・都道府県別にみた景観計画策定状況
(平成26年9月時点)
地方整備局管轄区域単位でみると概ね20%前後の市区町村で景観計画策定済み(平成
26年9月時点)となっている(北海道、東北が他の地整より低いが、これは震災以前からの傾向。)。
一方、都道府県間ではバラツキがあり、取組の進捗に地域差があるといえる。
80%
[景観計画策定済み市区町村数/全市区町村](平成26年9月30日時点)
69.7%
70%
63.2%
58.8%
全国平均
24.7%
55.6%
52.6%
50.0%
48.8%
48.6%
60%
50%
45.0%
42.9%
40.0%
38.5%
29.4%
25.3%
24.0%
29.0%
31.6%
26.1%
22.2%
20.0% 20.6%
20.0%
15.6%
30.2%
28.4% 26.9%
24.4%
31.0%
36.0%
32.6%
31.6%
15.8% 15.4%
14.8%
30%
25.9%
21.9%
20.0%
12.5%
11.6%
30.0% 33.3%
40%
37.1%
22.1%
24.2%
23.8%
15.9%
16.7%
10.0%
20%
14.3%
12.0% 11.5%
10.0%
8.6%
7.3% 10%
5.1%
0%
沖
縄
県
★★ ★
鹿宮大熊長佐福
児崎分本崎賀岡
島県県県県県県
県
九州地方
高愛香徳
知媛川島
県県県県
四国地方
★ ★
山広岡島鳥
口島山根取
県県県県県
中国地方
★★ ★★★
和奈兵大京滋福
歌良庫阪都賀井
山県県府府県県
県
近畿地方
★
三愛静岐
重知岡阜
県県県県
★
石富新
川山潟
県県県
★
★ ★
長山神東千埼群栃茨
野梨奈京葉玉馬木城
県県川都県県県県県
県
中部地方 北陸地方
関東地方
★★
★★
福山秋宮岩青
島形田城手森
県県県県県県
★
北
海
道
東北地方
★は都道府県も景観計画を策定。
7
景観計画を策定している市区町村の特徴
(平成26年9月時点)
■自治体規模(人口)との関係
人口規模が大きいほど景観計画を策定している市区町村の割合が大きくなる。特に、人口5万人未
満の市区町村では全国平均を大きく下回り、逆に、人口25万人以上の市区町村では半数以上で景観
計画が策定されている。
[人口<直近国調(H22)>]
全人口規模での平均
100万以上
50万以上 ~ 100万未満
25万以上 ~ 50万未満
10万以上 ~ 25万未満
5万以上 ~ 10万未満
3万以上 ~ 5万未満
1万以上 ~ 3万未満
5千以上 ~ 1万未満
5千未満
50
456
↓
11.0%
429
1741
24.6%
46
245
↓
18.8%
11 →100%
11
92
271
↓
33.9%
59.6%
↑
109
183
95.8%
↑
23
24
78.9%
↑
56
71
21
8.7%← 242
8.8%←
0%
※ 図中の%値は平成26年9月30日時点で景観計画を
策定している市区町村の割合、分数は自治体数.
21
238
20%
40%
60%
80%
100%
■地域特性との関係
国宝建造物や重要伝統的建造物群保存地区、国立公園といった優れた景観資源がある場合は、景
観計画を策定している市区町村の割合は全国平均より大きく、景観行政の取組が積極的に行われて
いると言える。
国宝建造物・重伝建がある
55.9%
国立公園区域がある
34.0%
全市区町村(全国平均)
※ 図中の%値は平成26年9月30日時点で景観計画を
策定している市区町村の割合、分数は自治体数.
24.6%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
8
景観計画を策定して取り組む地域の広がり
景観計画を策定している市区町
村は平成26年9月30日時点で4
25団体となり、政令市や中核市
その他の規模の大きな自治体で
制度活用が進んでいる傾向があ
る。
こうした傾向だけでは説明できな
い景観計画策定が集中している
地域がみられるが、その要因とし
て、以下のケースが考えられる。
平泉周辺
横手山周辺
・優れた景観資源がある等により
、景観への地域の意識が高い。
白山周辺
・隣接自治体間で刺激し合いなが
ら景観行政に取り組んでいる。
<例>
四万十:清流四万十川を共通の景観
資源として流域市町で連携し
て景観づくりに取組。その結
果、ほぼ同時期に1市4町で
景観計画を策定。
相模湾:古都風致保存の鎌倉、美の条
例の真鶴町など、先進的に取
り組んできた自治体があり、
隣接自治体間で刺激し合いな
がら景観行政が推進されてい
ると考えられる。
(平成26年9月時点)
阪急沿線
琵琶湖
常磐沿線
相模湾
八女周辺
西瀬
岐阜愛知県境
戸内
関西本線
<凡例>
平成17年度策定市区町村
平成18年度策定市区町村
平成19年度策定市区町村
平成20年度策定市区町村
平成21年度策定市区町村
平成22年度策定市区町村
平成23年度策定市区町村
平成24年度策定市区町村
※平成26年9月30日までの
平成25年度策定市区町村
景観計画策定市区町村を着色。
平成26年度策定市区町村
四万十川
天草灘
9
景観計画における区域設定の状況
(平成26年9月時点)
景観計画を策定している449団体(20都道府県、429市区町村。平成26年9月
30日時点)のうち、9割以上が行政区域全体を景観計画区域としている。
行政区域の一部を景観計画区域としているケースでは、景観計画区域は行政区
域の10%未満としている団体が約5割を占めており、限定的なエリアで制度を活
用する場合が多い。
一部:34団体(7.6%)
20%以上
30%未満
1団体(0.2%)
30%以上
40%未満
2団体(0.4%)
40%以上
50%未満
1団体(0.2%)
50%以上60%未満
2団体(0.4%)
全449団体
全域:415団体(92.4%)
60%以上70%未満
1団体(0.2%)
10
届出・審査・勧告・変更命令の運用における課題
(平成23年9月時点)
・景観計画区域での届出制度の運用にあたって、「色彩の変更など、届出がなされない場合があ
る」を挙げる景観行政団体が最多(約6割)となっている。
・届出されても、実際には「数値基準に違反するもの以外は、勧告や変更命令が出しにくい」こ
とを課題に挙げる景観行政団体が最多(約6割)となっている。
■届出の運用に当たっての課題
■審査・勧告・変更命令の運用課題
【複数選択回答】
【複数選択回答】
0
50 100 150 200 250 300 350
色彩の変更など、届出がなされな
い場合がある
建築確認とは別の手続きが
必要となることに対する事業者等の
抵抗感が大きい
法律・政令で定められた届出対象行為
以外にも届出を義務付けるべき行為が
ある。(建築物の除却など)
他法令等に基づく制限がなされる場合
は、届出が適用除外される。(屋外広
告物、景観地区など)
その他
平成23年9月1日時点で
景観計画を策定した307
団体対象とした調査結果
を集計
無回答
審査手続きに30日以上要する場合がある
190
担当職員では、勧告・変更命令
の判断が困難
78
50 100 150 200 250 300 350
48
120
数値基準に違反するもの以外は、勧
告や変更命令が出しにくい
21
都市計画で定められた用途や高さの自由度
が高いため、形態意匠の指導にも限界がある
18
15
26
0
※ 数字は
団体数
(全307団体)
194
72
届出の段階では、既に建築確認を受けている
など、変更に対応できない
41
その他
8
平成23年9月1日時
点で景観計画を策定
した307団体対象と
した調査結果を集計
特になし、实績なし
無回答
71
26
※ 数字は
団体数
(全307団体)
景観法で法的権限は整備されているものの、その運用に課題が生じている
11
ことがわかる。
事前協議や事前相談の状況(届出制度における課題をふまえて)
(平成23年9月時点)
・こうした課題から、事前協議や事前相談を行っている景観行政団体は約8割にものぼる。
・ところが事前協議の段階では計画がほぼ固まっていて、協議内容が限定的だとしている団
体が約5割となっている。
■届出に際して、事前協議等の有無
0
50
条例で義務付けている(例:協議しなけ
ればならない、相談するものとする)
72
条例で位置付けているが任意
(例:協議することができる)
300 350
事業者の協力・理解
が得られない
事前協議等の段階では、
計画がほぼ固まっており、
協議できることが限られている
155
別の制度を活用して事前協議等
の機会を設けている
15
事前協議等の機会を設けていない
16
0
事前協議等をできる
人材がいない
38
条例に位置付けていないが、
任意で事前協議等をお願いしている
無回答
100 150 200 250
■事前協議等を実施するにあたっての課題
法的根拠がないため、
实効性がない
その他
11
※ 数字は団体数
(全307団体)
平成23年9月1日時点で景観計画を策定した307団体対象とし
た調査結果を集計
特にない
無回答
50
10
100
150
200
※ 数字は団体数
30
131
30
15
87
15
左記調査において事前協議を实施(条例で義務化、
条例で任意实施および条例なしで任意实施している
団体のみ)している265団体を母体数とした回答
事前協議が必要と考えられているが、その運用に課題が生じていること
12
がわかる。
250
【事例】 泉岳寺マンションの景観問題(東京都港区)
<泉岳寺>
慶長17年(1612年)に徳川家康が外桜田に門庵宗関を招いて創建。
元禄赤穂事件で有名な浅野長矩と赤穂浪士が葬られていることで知られる。
境内にある「浅野長矩墓及び赤穂義士墓」は国指定史跡。
<泉岳寺横マンション>
○場所:東京都港区高輪二丁目53番1
○計画概要:高さ23.83m(地上8階建)、共同住宅、延べ面積約1,500㎡
○景観計画策定日:平成21年8月11日
○港区の景観計画
・景観法に基づく届出対象: 延べ面積3,000㎡以上
又は高さが31mを超える建築物
・景観計画区域: 区内全域。
中でも泉岳寺周辺は<社寺・歴史的建造物周辺>とし、
景観形成基準を全域のものに追加。
・景観法に基づく景観計画上の高さ制限はなし。
○都市計画の概要
・用途地域:近隣商業地域
・建蔽率:80%、容積率:300%
・高度地区:北側から階段状に高さ規制あり
(建築物全体には高さ制限はない)
↑泉岳寺の隣に建つマンションのイメージ図
↑H26.7時点
13
【事例】 泉岳寺マンションの景観問題に係る国会質疑
平成27年3月5日 衆・予算委
○松木けんこう議員
赤穂浪士ゆかりのお寺で知られている、東京港区にあります泉岳寺の件なんですけれども、このお寺の山門のすぐ
お隣に、マンション建設というのが今持ち上がっているそうでございます。(中略)泉岳寺に限らず(中略)非常に歴史の
ある建物というのは多く点在しております。現在は都市計画法に基づいて自治体が規制地域を指定するというのが基
本的な仕組みだというふうに承知していますけれども、大臣、国として、いま一歩何かちょっと踏み込んだ対応というの
を、これからやっていこうというのがありましたら、ぜひお話しいただきたいと思います。
○太田国土交通大臣
現在、景観法に基づいて、景観行政を行う地方公共団体が景観行政団体となりまして景観計画やあるいは景観地区
を定めることで、建築物の高さとかあるいは面積等について、地域の实情に即してきめ細かな規制を行うことが可能と
なっておりまして、多くの地方公共団体で活用をされています。
泉岳寺の高さの規制については、港区が都市計画権者及び景観行政団体であって、しかるべき対応をいただくこと
が基本になっているところです。(中略)
地方公共団体が实情に即して判断をするということが一番大事だというふうに思っておりまして、地元の意向等を踏ま
えて、必要な規制について十分に御検討いただくことが重要だ、このように思います。
平成27年5月29日 衆・国土交通委
○松木けんこう議員
(質問は3月5日と同旨)
○都市局長
泉岳寺周辺の高さ等の規制につきましては、港区が既に判断をされたものでございまして、港区の方におきまして事
前に十分に御検討いただいたものと理解をいたしております。
14
【景観計画の事例】
近江八幡市の取組
景観計画の例(近江八幡市)
○市内を7つに区分し、順に景観計画を策定(3計画を策定済み)
○行為の制限については、建築物の建築等、工作物の建設等、開発行為のほか、土地
の形質変更、物件の堆積、木竹の植栽・伐採、水面の埋立・干拓等、条例により追加で
きる多くの行為を届出対象とする。さらに、土地利用や建物状況等の異なる5つの地区
ごとにきめ細やかな基準を設定。
○基準と併せ、模式図(イメージ図)を用いて、基準の中身をわかりやすく表示
○景観形成基準(模式図)の例(旧集落地区-1)
水郷風景
計画区域
伝統的風景
計画区域
近江八幡市域
审外に設ける設備
は公共空間から目
立たない位置に設
けるか又は修景措
置を工夫すること
4~5寸勾配の勾配屋根
を設け、適度な軒の出を
有すること
屋根はいぶし瓦葺き又は
ヨシ葺きを原則
伝統的な建築物
の色彩とすること
を原則とし、落ち
着いた色合いの
低彩度色を用い
ること
壁面を小さくする
配慮から2階は後
退させ、瓦葺きの
軒庇を有すること
を原則
真壁づくり又はそれに
準ずる和風建築様式
を継承した意匠とする
こと
高さは10m
を越えない、
地上2階以下
を原則
外観部では、木材
土、ヨシなどの
自然素材を用い
ること
敷地内の前庭には、塀越し
などに適度な緑を確保する
こと
15
【景観計画の事例】 新宿区の取組
粋なまち神楽坂地区
エンターテイメントシティ歌舞伎町地区
<建築制限等の基準例>
○形態意匠は、周囲の賑わいを損なわないもの
とする。
○照明は、華やかな夜の賑わいを連続させるも
のとする。
○歌舞伎町独自の都市景観を創出するため、屋
外広告物を積極的に活用した景観形成とする
<建築制限等の基準例>
○路地沿いでは、和の風情に配慮した形態意匠とす
る。
○敷地内はできる限り緑化を行い、和の風情に配慮
した樹種を選定する。
16
【景観形成基準の事例】 小田原市の取組
・小田原市では、市内を景観の特性に応じて分類し、分類に応じて建築物の色彩等を制限。
・色彩の基準は、小田原城等の歴史的資源や自然を際立たせるよう設定。マンセル値を用い
て詳細に示し、事前明示性と運用しやすさに配慮。他方、方針において、推奨基準といえる
きめ細やかな内容を記し、指導・助言の根拠として活用。
景観の類型・構造図
景観形成基準の例(小田原城周辺地区)
・建築物の屋根の色彩
使用する色相
明度
彩度
0.1YR~5Y
5以下
4以下
上記以外の色相
5以下
0.5以下
・建築物の外壁等及び工作物の色彩
使用する色相及び明度
0.1YR~5Y
上記以外の色相
彩度
8.5以上の場合
2以下
8.5未満の場合
4以下
全域
0.5以下
17
【景観形成基準の事例】 横須賀市の取組
・横須賀市では、中央公園眺望点からの眺望保全のため、景観計画の景観形成基準とし
て高さの最高限度を規定。
・眺望点から海岸線までのエリアを5つに区分し、標高により高さ制限を实施。
眺望点から海岸線までの
エリアを5つに区分し、
標高により高さ制限
中央公園眺望点
標高55.0m
48.8m44.4m
37.6m 34.0m
高さの
最高限度
23.0m
猿島
建築物等の高さの最高限度
中央公園
眺望点
眺望を保全する範囲
18
【景観協定の事例】 大分県由布市の取組
住民主体での景観計画を策定するとともに、景観計画を補完する景観協定を締結。
景観計画の届出前に景観協定委員会の理解を必要としている。
~住民主導で景観計画を策定し、景観協定も締結~
【景観協定(区域隣接地を含めると景観計画区域と同じ)】
湯の坪街道周辺地区としての良好な景観と環境を形成する
<湯の坪街道周辺地区協定委員会 16人>
まちづくり協議会メンバーと商工会役員、旅館組合の役員など
○湯の坪街道周辺地区景観協定書
(商い協定 81人)
・商品陳列の制限(道路境界から五十センチ以内の商品陳列)
・緑化の推進
・地域活動への参加
・夜間照明の制限(派手な電光掲示、点滅照明の使用)、
○屋外広告物に関する湯の坪街道周辺地区景観協定書
(看板協定 60人)
・高さの基準、・枚数の基準、・面積の基準、・形態意匠の基準
○屋外広告物の色彩に関する湯の坪街道周辺地区景観協定書
(看板色彩協定 75人)
湯の坪街道周辺地区
19
【事例】 良好な景観がもたらす効果
全国各地で良好な景観が、都市の魅力を創出し、観光交流人口の増加を生んでいる。
北海道小樽市-小樽運河
小樽運河の半分を散策路として整備し、運河の浄化や石造倉庫
群の保全も図るとともに、H4に「小樽の歴史と自然を活かしたまち
づくり景観条例」を制定。市民のイベントやクルーズ実船誘致活動
にもより、交流人口が大幅増。
小樽市の観光入込実数
270万人(S61)→710万人(H25)
滋賀県長浜市-黒壁スクエア
明治時代に建造され、「黒壁銀行」の名で親しまれた旧第百三十
銀行長浜支店の保存運動が発展し、新たにガラス文化の発信
基地として再生(H元オープン)。
これを契機として、北国街道の伝統的なまちなみとガラス工芸が
組み合わされた総合文化産業ゾーンが形成。
長浜市の観光入込実数
200万人(H元)→595万人(H19)
長野県小布施町-修景計画
S51年に葛飾北斎の美術館がオープンし
たことをきっかけに、企業や個人、官など
様々な立場の人が集まり、小布施町並修
景計画をつくり、整備を進めた。H4に小布
施町景観づくり指針、住まいづくりマニュ
アル、広告物設置マニュアルを発行。人
口と観光実が大幅増。
小布施町の修景事業エリア
(葛飾北斎館)観光実数
3.5万人(S51)→100万人超(H25)
北九州市-門司港レトロ地区
かつて栄えた港の面影を残す当時の建物を保全し、道路・公園・
港湾など公共空間も、かつての港の雰囲気に合わせて一体的に
デザインされ、総合的な整備が行われた。
現在は民間活力による包括的な取組へと広がりを見せている。
門司港レトロ地区の交流人口
73万人(S63)→335万人(H18)
20
【事例】 景観計画等策定の波及効果(滋賀県近江八幡市)
昭和45年
水郷の保存運動
等へ波及
昭和60年
八幡堀に関する主な経緯
・ 昭和40年代前半
八幡堀の公害問題発生。
・ 昭和47年
八幡堀の集景保全に向けた市民運動
・ 昭和57年
水緑都市モデル地区整備事業の指定地域に選定
・ 平成 8年
水の郷百選に選定 (国土庁)
・ 平成12年
甦る水百選に選定 (建設省)
・ 平成17年
景観計画施行
手作り郷土大賞部門に認定(国土交通省)
・ 平成18年
「近江八幡の水郷」国の重要文化的景観(第1号)に選定。
【県景観条例に基づく景観協定(19地区:平成27年7月現在)】
21
【事例】 景観計画等策定の波及効果(滋賀県長浜市)
(千人)
7,000
7,000
6,000
北近江秀吉博覧会の開催
(H8)
北近江一豊・千代
博覧会の開催
(H18)
6,000 ( 景
5,000
市 4,000
全
域
3,000
黒壁ガラス館
オープン(H元)
曳山博物館
オープン
(H12)
景観計画施行
(H20.3)
2,000
1,000
2,000
JR北陸本線
直流化(H3)
市全域
黒壁スクエア
0
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
改修後
黒観
壁に
5,000 ス 力
クを
エ入
4,000 ア れ
)て
い
3,000
る
地
区
1,000
0
(年度)
訪問客数の推移
(入り込み客数(旧長浜市域分)、黒壁スクエア来街者数)
主な規制・誘導方策
昭和59年3月
昭和59年7月
改修前の大通寺門前
平成20年1月
平成20年3月
平成20年9月
平成22年2月
平成23年1月(予定)
長浜市博物館都市構想の策定(市のまちづくりの理念)
ふるさと滋賀の風景を守り育てる条例の施行
(景観に関する県の自主条例)
景観行政団体になる
長浜市景観まちづくり計画・長浜市景観条例の一部施行
長浜市景観まちづくり計画・長浜市景観条例の全部施行
長浜市歴史的風致維持向上計画の認定
長浜市景観まちづくり計画の変更
・市町合併に伴う届出対象行為や景観形成基準の見直し
22
2.日本らしく美しい景観づくりに関する
懇談会
23
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
日本らしく美しい景観づくりに関する懇談会の概要
景観法制定10周年を契機に、「日本らしく美しい景観づくりに関する懇談会」を实施。
以下のテーマを中心に幅広い議論を展開。
・
・
・
・
「都市を象徴する『風景』を形成するにはどうすればよいか」
「集約型都市構造への転換にあわせて景観施策をどう展開すべきか」
「まち並み景観を『生きた資源』として保全するにはどうすればよいか」
「富士山等の広域的景観資源の保全施策をどう展開すべきか」
【メンバー構成】
■委員(50音順、○:委員長)
・ 池邊 このみ 千葉大学大学院教授
○卯月 盛夫 早稲田大学教授
・ 北村 喜宠 上智大学法学科大学院長
・ 小浦 久子 神戸芸術工科大学教授
・ 清水 千弘 シンガポール国立大学教授
・ 出口 敦
東京大学大学院教授
・ 西山 徳明 北海道大学大学院教授
・ 福井 恒明 法政大学教授
・ 山畑 信博 東北芸術工科大学教授
■オブザーバー
・農林水産省
・環境省
・文化庁
■事務局
・国土交通省(都市局、住宅局、観光庁)
H26.6.24 第1回開催
■地方公共団体ヒアリング(東京都、横浜市)
H26.8.1 第2回開催
■委員発表(小浦先生)
■有識者からの提言(アレックス・カー氏)
■地方公共団体ヒアリング(小布施町)
H26.10.27 第3回開催
■委員発表(池邊先生)
■有識者からの提言(藤崎慎一氏)
■地方公共団体ヒアリング(鹿児島市)
H26.11.17 第4回開催
■委員発表(福井先生)
■有識者からの提言(株式会社電通)
■地方公共団体ヒアリング(中央区)
H26.12.19 第5回開催
■委員発表(出口先生)
■有識者からの提言(鏑木毅氏)
■地方公共団体ヒアリング(静岡県)
H27.6.5 第6回開催
■報告書(案)について
H27.7.10 第7回開催
■報告書(案)について
24
総論:良好な景観形成を進める上での基本的な考え方
地域の景観が、どのような地形、自然、歴史、文化等の積み重ねに
よって成り立っているか、また、その積み重ねをベースとする「景域」
を 認識し、将来的にどういう景観形成を目指すのかを踏まえ、景域
の特性に関するストーリーを明確にし、関係者間できちんと理解・共
有することが重要。
【懇談会での主な意見】
 地域に根差した景観計画とするには、地形、歴史など地域がもつ背景や、その地
域の上において人々の営みの結果として出現している建物等をデータベース化す
るなど、景観のストーリーを実観的に認識した上で、保全・創出すべきではない
か。その際、必ずしも行政区域にこだわらず、地形上・歴史上、一体として捉えられ
る区域となる「景域」に配慮すべきではないか。
25
“景域”を軸とした景観形成の取組
福岡県矢部川流域では、行政境にとらわれず、“景域” ごとに景観形成に取り組
んでいる。
筑後景観憲章
平成18年5月制定
矢部川流域景観テーマ協定
平成19年5月締結
矢部川流域景観計画
【福岡県が平成21年3月30日に策定】
①矢部川流域の広域景観づくりを推進するマスタープランとしての計画
②矢部川流域の市町村が景観計画を策定する際の基礎となる計画
調整
市町村の景観計画(市町村独自のきめ細かなルール)
図
図
各計画などの関係図
矢部川流域の景域図(景観計画策定時点)
○福岡県では、対象区域を矢部川流域の8市町村とする「矢部川流域景観計画」を策定。
(景観法に基づく景観形成基準等については景観行政団体を除く区域としている。)
○矢部川流域において、同じような景観特性をもつ地域を「景域」というゾーンとして捉え、地形や自
然環境、歴史、地域に住む人々の営みと、市町村界を越えた広域的な繋がりなどを考慮して区分 26
論点1:広域景観の形成
○ 広域景観の形成にあたっては、関係市町村等が景観像を共有し、景観計画作成の際
の拠り所とすることができるよう、市町村と都道府県の協働等により、景域全体を対象と し
た景観のビジョンとなる「景域マスタープラン」を作成することが望ましい。
○ 組織体制やノウハウに乏しい市町村や景観行政団体でない市町村が、大きい景域で
の取組みに含まれる場合などに、都道府県が市町村との調整を図るなども有効。
○ 都道府県の行政区域を越える広域的景観や世界遺産をコアにした景観の形成の場
合等では、地方分権の流れや景観法の体系にも鑑みつつ、 国が関与する仕組みを検討
することも考えられる。
【懇談会での主な意見】
 景観行政における都道府県は、例えば、以下のような広域的な役割を期待できるのではない
か。
・いわゆる広域の「景観マスタープラン」の作成等により、山や河川といった自然的景観等の行
政区域を超える景観資源がある場合など、必要な場合の景観行政団体間の連携調整
・ノウハウに乏しい小規模自治体等が主体的に景観行政に取り組む場合の支援
 複数の都道府県が一つの視対象に関係する場合等、国が関与する仕組みについて検討す
べきではないか。
27
県による複数の自治体が関係する景観のコーディネート(滋賀県)
滋賀県では景観行政団体協議会を設置し、琵琶湖に面する10市(町を除く県内全13市が景観行政団
体に移行済)と連携し、琵琶湖周辺地域の一体的な景観づくりや眺望景観の保全を目的に、景観影響調
査による大規模建築物等への景観誘導など、市域を越えた景観形成への取り組みが進められている。
【一体的な景観形成の図り方】
滋賀県が「湖国風景づくり宠言-ふるさと滋賀の風景づくりマスタープラン-」(平成18年10月)を策定。
県や市町が景観計画を策定するときのガイドラインとして活用している。
【県の役割】(県では平成20年に景観計画を策定)
県・市町間の連絡調整他、県土の景観形成に関する調査・基本的かつ総合的な施策の策定及び实施。
(例) 県景観審議会に「広域的景観形成検討専門部会」を設置し、琵琶湖辺における広域的景観形成の方策
(案)などの検討。
【県と県内の景観行政団体の関わり方】
「ふるさと滋賀の風景を守り育てる条例」に「景観行政
団体協議会(※) 」を位置づけ、琵琶湖周辺地域など一体
的な景観形成を図るため、景観行政団体が連携して取
り組む必要がある事項等について、協議を行っている。
(※)景観法に基づく景観協議会ではない。
28
広域的景観形成の概念図
論点2:創造的な景観協議のあり方
○事前協議は、計画の熟度の低い段階において、建築行為等の設計コンセプトや景観形成基準
の考え方を事業者と景観行政団体の間で確認的に共有することで、その場所に応じた適正なデザ
インの考え方を確認できるなど、双方にとってメリットがあり、定性的で解釈に幅がある景観形成基
準をより創造的に運用することも可能。
○ 建築等の行為は、定量的な景観形成基準への適合はもちろん、周辺の既存の景観とのバラン
スも踏まえつつ、景域全体の質的向上に資するよう、定性的な基準を個別の協議で的確に解釈し
、創造的な景観協議を積極的に進めるべき。その際、景観審議会等での専門家による検討、周辺
敷地も含めた景観シミュレーション等による協議、市民等の第三者の協議プロセスへの参画、協議
の経緯や結果の公表等が有用。
○ 景観協議の实効性向上のため、できるだけ早期の届出に向けて、関連部局間での情報共有
や連絡体制の構築を図ることが望ましい。また、幅広く専門性の高い知識を有する専門職が必要
であり、豊富な経験を有する担当者など人材の育成、確保を図り、継続性、一貫性のある景観行
政促進を図ることが重要。
【懇談会での主な意見】
 景観法の届出(第16条第1項等)による景観形成がより効果的に行われるよう、例えば、以下のような視点で検討すべきでは
ないか。
・届出が建築確認後に行われる場合など、景観協議と他制度との関係の整理
・原則として、建築等の行為着手の30日前までとされている届出について、正式届出前の協議期間の確保(事前協議の導入)等
 定性的な景観形成基準に基づく景観協議をより効果的に实施するため、例えば、以下のような仕組みを検討すべきではないか。
・景観審議会、マスターアーキテクト等、第三者の専門家の関与により、透明性、創造性を向上させる手法
・協議結果を協議の当事者が尊重する仕組み(意思決定権者の参加を含む)
29
事前協議の取組状況
平成26年3月末時点で策定済みの429の景観計画のうち、当該景観計画に係る届出に際し、
事前協議や事前相談の機会が設けられているものは344計画あり、約8割を占める。
事前協議の有無
事前協議の目的
(85件)
(144件)
(144件)
(56件)
N=429
N=219
対象:平成26年3月31日時点で策定済みの429の景観計画
資料:景観法活用状況調査(平成26年3月31日時点)
※複数回答のため合計は100%ではない。
対象:平成22年7月1日時点で策定済みの250の景観計画のうち
「条例で義務付けている」、「条例で位置付けているが任意であ
る」、「条例に位置付けていないが、任意で事前協議等をお願いし
ている」と回答された219の景観計画
資料:第5回景観法施行实績調査(平成22年7月1日時点)
30
効果的な景観協議の工夫(神戸市)
工事着手の180日前または90日前
(規模等による)
【神戸市の事例】
○届出前の協議を都市景
観条例に位置づけ
○景観法および都市景観
条例に基づく届出の前に、
計画段階と設計段階の2
段階で、事業者と市で景観
デザインに関する協議を实
施
○都市景観審議会に設置
した景観アドバイザー専門
部会の意見を聴取し、市が
景観デザイン評価を实施
○透明性を確保するととも
に市民意見を景観形成に
反映させるため、協議資料
の縦覧や結果の公表など
の情報提供を实施
計画段階
景観デザイン協議
設計段階
景観デザイン協議
景観
アドバイザー
専門部会
出
工
事
着
手
市
回
答
事業者
届
景観
アドバイザー
専門部会
市
意
見
協
議
終
了
公
告
・
縦
覧
意
見
回
答
事業者
説
明
意
見
結果公表
市民・景観形成市民団体
↑ 事前協議から工事着手までのフロー
31
論点3:景観を資産として捉えることによる地域価値の向上
○ 地域の景観は、新たな営みや主体が加わることで地域の人々に景観の良さ
が再発見され、保全・創出への新たなモチベーションが生まれることで保全され
る。その結果、良好な景観が維持され、地域の新たな価値や利益、さらには地
域に暮らす人々の誇りを生み出す「良き循環」につながる。
○ 良好な景観が、市場メカニズムを通じて維持管理されることが重要。一方、
経済的価値として数値化されない場合でも、良好な景観により、地域住民がコミ
ュニティに対する誇りとアイデンティティを持って住み続けることが、地域の活性
化に資する。
○ 集約型都市構造への転換にあたっては、荒廃した建築物や工作物の除却、
空き地の緑化等の「つくらない景観」の視点も必要。
【懇談会での主な意見】
 良好な景観づくりにより向上したまちや地域の価値で、ブームや一過性で終わることなく、地域住民の自発的・継続的な維持・創造に
つながるような方策を検討すべきではないか。
 良好な景観が新しい価値を生み、利益を生み出すことを認識できるよう、例えば、以下のような方策を検討すべきではないか。
・景観資源を資産として適正に評価する手法や、その市場への反映方策
・継続的な景観づくりに不可欠な地域の協力を促すため、スポーツや食のイベント等と一体となって進めるなど、景観を活用する方策

コンパクトシティへの転換の中で、都市構造全体の在り方等を踏まえて、中長期的な視野で景観づくりを検討すべきではないか。その
際、例えば、建築物等をつくることにより創出される景観だけでなく、空き家の除却や中山間地域の景観維持等、新たな観点からも検32
討すべきではないか。
景観保全へのモチベーションの醸成(富士山周辺)
富士山周辺を舞台としたトレイルランイ
ベントの機会を活用し、併せて清掃活動
を行っている事例。
33
「つくらない景観」の形成(千葉県柏市)
郊外における空き地や低・未利用地においては、市民団体等による保全・活用に
関する取り組みが見られる。
■柏市「カシニワ制度」(平成22年11月15日)
柏市内で市民団体等が手入れを行いながら主体
的に利用しているオープンスペース(樹林地や空き
地等)と一般公開可能な個人の庭を「カシニワ=か
しわの庭・地域の庭」と位置付け、カシニワへの関
りを通じて、みどりの保全・創出、人々の交流の増
進、地域の魅力アップを図っていくことを目的とした
取組。
■取組の柱加筆
○「カシニワ情報バンク」:みどりの保全や創出のた
めに、土地を貸したい土地所有者、使いたい市民
団体等、支援したい人の情報を集約し、市が仲介。
○「カシニワ公開」:一般公開可能な個人の庭、地
域の庭を市に登録。
○「カシニワ・スタイル」:緑の空間を楽しむイベント
の紹介や支援を行い、緑を楽しむ柏の文化として
発信するもの。
図
カシニワ制度の基本的な考え方
図
地域の庭の活用例(増尾の里山を守る会)
出典:柏市ホームページ
34
景観のもつ経済的評価の試み
景観の経済的評価の確立により、市場活動を通じた良好な
景観の確保が重要。
○ 生垣や街路樹、勾配屋根が多く見られる住宅地、派手な広告物や建築設備の
露出が尐ない商業地などで、地価が高まる傾向
【ヘドニック法を活用した景観形成の価値分析のイメージ】
評価手法①:ヘドニック法
景観形成がもたらす便益が、土地資産額
にすべて帰着すると仮定し、景観形成に
伴う土地資産価格の増加分で便益を計算
する手法
地価 = 景観以外の地価形成 + 景観形成による価値
要因による価値
指標
用途地域、容積率、前
面道路幅員、最寄駅
までの距離 等
スカイラインの連続性、ファサード
の調和、緑の豊かさ、派手な建築
物・広告物等の有無 等
○ 建築物の高さや色彩、緑化等の規制誘導措置に対して、世帯の平均支払意思
額の合計は約958万円と試算
評価手法②:コンジョイント分析
【新しい住宅を購入する場合、周囲の景観と住宅価格の異なる
2つの写真を示し、支払意志額を質問】
景観構成要素と支払意思額を変化
させ組み合わせた代替案を作成
し、アンケート調査により回答者に
代替案を選択してもらい便益を計
算する手法
設定価格:3,000万円
↑回答者に最も多い回答価格帯
設定価格:3,000万円+α
35
↑住宅価格を1%増、3%増、5%増の3段階で設定
論点4:新たな課題に対する景観マネジメント
○ 景観上支障となる携帯電話の中継アンテナや太陽光発電施設、風力発電施設に対し
て、すでに多くの景観行政団体が対応。他の景観行政団体でも、先行事例を参考に、地域
の实情に応じて、景観やそれ以外の様々な公益を総合的に判断して適切に対応を図るこ
とが重要。
○ 屋外広告物は、まちのブランディング要素として賑わいの創出に資するとともに、収益
を更なる景観形成の取組へとつなげることも考えられる。一方、違反広告物も多く、景観や
安全の観点から、維持管理を含めた適正化も必要。
○ 公共土木工事における良好な景観の保全・創出のための配慮としては、事業関係者
が景観への公共土木工事の影響についての認識を深め、必要に応じて、景観重要公共
施設制度の活用等の検討を行い、その結果を事業へ反映すべき。
○ 大都市都心部における大規模ビル等による景観形成は、長い将来にわたって都市全
体、あるいは国全体の都市景観や都市の魅力づくりに大きなインパクトとなり得る。そのた
め、無秩序な都市景観を生まないよう、単に開発エリアだけでなく景域特性も踏まえ、周辺
の関係者と適宜協議しながら進める、中長期的な景観マネジメントが必要。
【懇談会での主な意見】
 いまだに数多く存在する景観上や安全上、基準に適合していない屋外広告物の適正化を図ることが不可欠。一方、しっかりしたタウ
ンマネジメント組織が存在する地域では、屋外広告物等をまちのイベント要素やブランディング要素として、継続的・効果的に活用す
ることも可能ではないか。その際、能力のある第三者機関による審査も有効ではないか。また、商業看板だけではなく、公共的な看
板についての課題への対応も検討すべきではないか。
 携帯電話会社の中継アンテナや太陽光発電用のパネルなど、公益間の調整を図りつつ、これまでとは異なる土地利用の形態に対
応すべきではないか。
36
 公共土木工事について、景観に配慮した土木構造物となるよう、意識を徹底をすべきではないか。
第三者機関による広告物の審査・誘導(東京都)
●公益社団法人東京屋外広告協会による審査
東京都では、東京都屋外広告物条例に基づき、電車・自動車の外面を利用する広告物等で表示
位置・面積等を規制。表現に関しては、公益社団法人東京屋外広告協会が関係業界および都と協
議の上、「車体利用広告等デザイン審査委員会設置要綱」を策定・審査実施。
■ラッピングバスの基準の例
⇒統一感のある印象を与えるレイアウトとする。
・デザイン上の「メイン」と「サブ」の関係を明確にする。
・表示項目の適度な間隔、適度な大きさの変化によりゆとりを持たせ、全体のまとまりを出す。
・統一感のある印象を損なうような表示項目の組み合わせを避ける。
○基準に配慮したデザイン例
シンボルマークとロゴタイプを「メイン」とし、「サブ」である社名、
電話番号等が添え物となるよう、適度な大きさで配置されている
社名、電話番号が主張しすぎ、「メイン」と「サブ」の関係を失うこ
とにより、メリハリがなくなり、統一感のないデザインとなってい
る。
出典:公益社団法人東京屋外広告協会ホームページ
37
太陽光発電施設への対応について
昨今の太陽光発電施設の建設を受け、景観法に基づく景観計画や運用基準
の策定など、各自治体で対応の動きが高まっている。
都道府県・区市町村
景
観
法
に
基
づ
く
も
の
景
観
法
に
よ
ら
な
い
も
の
条例・規則等
太陽光発電に係る内容
北海道函館市
函館市景観計画
・景観形成街路沿道区域においては、地上設置型
の太陽光発電設備を設置する場合は、公共的な場
所から直接見えないよう配慮する必要がある。
石川県金沢市
金沢市景観計画
・モジュール面積の合計が50 ㎡を超える太陽光発
電設備の新設等を行う場合、届出が必要であり、
景観形成方針、基準に適合しなければならない。
・太陽光発電設備等を設置する場合は、公共空間・
施設から望見できる場所には設置しないよう努め
ること、パネルは反射が尐なく模様が目立たないも
のの採用に努めることなどが定められている。
広島県
ふるさと広島の景観の保全と創
造に関する条例
・大規模行為届出対象地域及び景観形成地域では、
高さ13m又は建築面積1,000 ㎡を超えるものを設
置する場合、届出を行い、景観形成に配慮されて
いるか審査される。
大分県杵築市
杵築市再生可能エネル
ギー発電設備設置事業
指導要綱
・5,000 ㎡以上の土地を使用した再生可能エネル
ギー発電設備設置事業を行う場合、市との協議、
地元(周辺)住民への説明会の開催が必要となる。
38
3.屋外広告物の安全対策の推進
39
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
スライドタイトル
屋外広告物に関する事敀等に係る緊急連絡について
国土交通省では、本年2月に札幌市で発生した看板落下事故などの重大事故に
迅速に対応すべく、本年6月5日付けで緊急連絡体制を設置しました。
国土交通省への連絡を要する事故等
屋外広告物又は屋外広告物を掲出する物件等の落下、破損、飛散等の事故等が発生した場合であって、死傷者が
発生したとき、又は発生する可能性があったとき。特にテレビや新聞等で事故等に関する報道がなされたとき。
※なお、当該屋外広告物が、屋外広告物法の表示・設置の許可を受けているか、又は屋外広告物法の対象であるかを
問いません。
事故等発生時の連絡フロー
国土交通省
都市局 公園緑地・景観課
景観・歴史文化環境整備审
地方公共団体 担当部局
緊急連絡
○景観企画係長(古木) [email protected]
○企画専門官(江藤)
[email protected]
(電 話) 03-5253-8954
(夜間・休日) [email protected]
・都道府県 ・政令市 ・中核市
・景観行政団体又は歴史的風致の維持及び向上に関する
法律の認定市町村(屋外広告物条例制定市町村)
現場から
の
事故報告
地方整備局等へ
情報共有
国土交通省 地方整備局(近畿地方整備局)
日頃から官民連携して屋外広告物の安全対策を徹底するとともに、万一事故等が発生
した際には、国土交通省への速やかな連絡等、迅速な対応をお願いします。
40
スライドタイトル
最近の事敀事例
本年6月5日の緊急連絡体制の設置以降、全国で20件の事故が発生。
うち、人身被害があったものは2件。
(10月8日時点、国土交通省への報告があったもののみ)
主な事故一覧
発生年月日
発生場所
屋外広告物のタイプ
事故等の概要
H27.6.8
北海道 旭川市
袖看板
空きビルの看板の一部が落下。人身被害な
し。
H27.6.24
東京都 中野区
袖看板
看板の表示パネルが落下。人身被害なし。
H27.6.26
京都府 京都市
袖看板
管理放棄された建物の看板が破損(落下の
恐れ)。人身被害なし。
H27.7.17
福岡県 北九州市
壁面看板
台風により店舗の看板が落下。人身被害な
し。
H27.7.17
京都府 京都市
袖看板
閉業した店舗の看板が破損(落下の恐れ)。
人身被害がなし。
H27.7.22
愛媛県 宇和島市
吊下看板
祭りの山車が看板を接触し、表示パネルが
破損し落下。女性1名が失明。
H27.10.8
北海道 札幌市
袖看板
強風により空きビルの袖看板が落下。男性
1名が軽傷。
41
スライドタイトル
管理放棄された建物等での事敀
○H27.6.8 旭川市(袖看板の一部落下
※写真左は看板撤去後)
○H27.6.26 京都市(袖看板の破損(落下の恐れ))
42
スライドタイトル
台風等による事敀
○H27.7.17 北九州市(壁面看板の落下)
(写真:西日本新聞)
○H27.10.8 札幌市(袖看板が落下)
43
スライドタイトル 屋外広告セーフティホットライン(北海道)
北海道と(一社)北海道屋外広告業団体連合会は、良好な広告
景観の形成に向けて、相互に連携・協力して取組を行う連携協定
を締結(H24年6月)。
○協定内容
1 北海道屋外広告物条例の周知
2 屋外広告物に関する技術的助言
3 各(総合)振興局の事業实施に対する支援
4 良好な広告景観形成に資する事業
屋外広告セーフティホットラインの設置
市民や事業者が発見
した危険な屋外広告物
の通報・相談のため、
(一社)北海道屋外広
告業団体連合会に連
絡窓口「屋外広告セー
フティホットライン」を開
設。
44
スライドタイトル
啓発用ガイドブック(H27年9月)
屋外広告物に携わる学識経験者、国土交通省及び地方公共団体の屋外広告物
行政担当者、屋外広告物業界関係者で構成する屋外広告物適正化推進委員会(事
務局:(一社)日本屋外広告業団体連合会)では、産学官連携して新しい時代の屋外
広告物のあり方を検討。
屋外広告物の安全管理や魅力ある屋外広告物を推進すべく、普及啓発のための
ガイドブックを作成。
国土交通省HPでの掲載ページ:
http://www.mlit.go.jp/toshi/townscape/crd_townscape_tk_000012.html
45
スライドタイトル
屋外広告物の安全対策の推進
○ 屋外広告物安全基準(案)検討委員会<H27年度>
本年2月に札幌市で発生した看板落下事故など屋外広告物に係る重大事故の発生に鑑
み、近年の屋外広告物に関する技術的動向や社会経済情勢を踏まえ、屋外広告物安全基
準(案)(S55年建設省委託調査報告)の見直し等を行う予定。
【メンバー構成】 ※現在調整中
○学識者
・山畑信博
東北芸術工科大学教授(建築)
・伊藤修一郎 学習院大学教授(地方自治)
・枝広英俊
芝浦工業大学名誉教授(建築)
・御手洗潤
京都大学特定教授(屋外広告物行政)
○行政
・大都市:2都市程度(大阪府、横浜市)
・地方都市:2都市程度(盛岡市、太田市)
○業界
・(一社)日本屋外広告業団体連合会 副会長
・(公社)全日本ネオン協会 副会長
・(一社)サインの森 副会長
・全国屋外広告士会連合会 副会長
・国土交通省 住宅局 建築指導課長
・国土交通省 都市局 公園緑地・景観課長
○ 安全点検に係る技術指針の検討<H28年度要求>
全国の都市において深刻化する屋外広告物の老朽化等
に対して、適正な安全対策を推進するため、屋外広告物
の立地特性に応じた安全点検に係る技術指針等を検討。
46
4.その他
47
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
景観まちづくり教育の推進について
・ 良好な景観形成を進めていくには、景観に関心を持ち、その形成を自らの問題と捉えることのできる
人材の育成が不可欠。
・ そのためには、良好な景観(形成)に関する意識の啓発、知識の普及等を行う「景観教育」が重要。
・ 行政向け、学校向け、市民向けの景観教育ツールを提供。
(景観まちづくり教育HP: http://www.mlit.go.jp/crd/townscape/gakushu/index.htm)
学校での景観まちづくり教育の手引き
学校での景観まちづくり教育の
モデルプログラム(11種類)
学校での景観まちづくり教育の
事例集(22事例)
(一財)都市文化振興財団において、景観まちづくり学習モデルプログラムの中から選ん
だプログラムを、授業や総合学習の時間等において取り組む小・中学校に対して、費用の
助成を实施。詳しくはHP(http://www.toshibunka.or.jp/josei.html)を参照。
○募 集 時 期:第1回 3月~5月、第2回 6月~9月(年2回)
○助 成 額:一校につき10万円 ○募 集 校 数:20校程度
48
都市景観大賞
「都市景観の日」(10月4日)
都市景観に対する国民の意識啓発を目的として、平成2年に「都市景観の日」を創設。その日を中心に都市景観に係
る各種イベント等の活動を重点的に展開することとした。
○制定理由: 都市景観について考えをめぐらし、様々な行事を实施するのに、さわやかな10月が最も適切であること、
更に「としび(十・四・日)」という語呂がよいことから制定。
「都市景観大賞」について(平成23年度~ )
※ 「都市景観100選」について(平成3年度~平成12年度)
※ 「美しい街なみ賞」について(平成13年度~平成22年度)
目的:良好な都市景観を育むため、互いに協力しあい、工夫をこらした意欲的な实践に、ともに取り組むことを広く呼び
かけ、その一環として都市景観大賞を实施。
○「都市空間部門」
⇒公共空間と建物等が一体となって良質で優れた都市景観が形成され、市民に十分に活用されている地区を対象
○「景観まちづくり活動・教育部門」
⇒景観に関する知識の習得のための景観まちづくり教育や、良好な景観に関する意識啓発や知識の普及、景観法
に基づく景観計画や景観地区制度を活用したデザイン誘導等など景観法や景観に関連する制度等を活用した優
れた取組を対象
■各賞概要
「大賞」(国土交通大臣賞)
「優秀賞」((財)都市づくりパブリックデザインセンター会長賞)
「特別賞」((財)都市づくりパブリックデザインセンター理事長賞)
推進体制
主催:「都市景観の日」实行委員会
(公財)都市づくりパブリックデザインセンター、(公財)都市計画協会、(一社)日本公園緑地協会、(独)都市再生機構 など
後援:国土交通省
募 集 期 間:平成27年10月4日(日)~平成27年12月25日(金)
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集約促進景観・歴史的風致形成推進事業
集約促進景観・歴史的風致形成推進事業
都市における一定規模の人口を確保するために、景観・歴史資源となる建造物の修理・改修等や景観や歴史文
化といった地域資源に着目した魅力ある地域づくりに資する取組への支援を行うことにより、地域内外からの人口
交流による地域の賑わい等を創出し、居住人口の集約を促進させ、地域活性化を図る。
■課題
■対象地域
下記のいずれもの要件に該当する地域が対象
①景観計画区域又は歴史的風致維持向上計画の重点区域
②居住等機能誘導に資する区域(下記のいずれかの地域)
イ 居住誘導区域又は都市機能誘導区域(人口密度40人/ha)
ロ 既成市街地※1内であって、鉄道・地下鉄駅から半径1km内又はバス・軌道
の停留所から半径500m内の区域(立地適正化計画未策定都市に限る)
ハ 観光資源※2を活かして地域活性化を推進する区域(郊外部)
※1市街化区域又は非線引き用途地域をいう。
地域固有の資源である景観・
歴史資源が建替え等の事由に
より消滅し、地域の魅力低下を
引き起こしているため、地域の
賑わい創出につながる活用を
行い、居住人口の集約と地域
の活性化を図る必要がある。
※2 地方公共団体によって策定された計画に位置づけのある地域資源で、都市のコンパクト化に効果を有するものをいう。
■支援内容
対象地域で行う一定の要件を満たす下記事業を支援(下記補助率で地方公共団体に直接補助、民間には補助率1/3で間接補助)
(表中の分数は補助率) <その他整備等>
<景観・歴史資源となる建造物の整備>
対象地域で行う下記事業(補助率1/3)
修理、
生活利便向上機能等の導入に資する整備
・良好な景観や歴史的風致を活用し、地域活性
買取等
改修
協調増築
化の拠点となる施設等の整備
歴史的風致形成建造物
1/2
1/3
-
・建築物の外観修景 ・景観阻害物件の除却
・舗装の美装化
・デザインコード検討 等
景観重要建造物
1/3
1/3
-
指定建造物※3
-
1/3
追加的経費※4の1/3
※3 改修や協調増築の計画が景観・歴史的風致形成に資することを地方公共団体指名有識者が審査。
※4 増築部分の工事費の床単価のうち、標準的床単価(木造の
場合は15.8万円/㎡)を上回る工事費を「追加的経費」と
みなす。
■生活利便向上機能等の導入に資する整備イメージ(改修・協調増築)
■地域活性化の拠点となる施設イメージ
50
町家を現代窓に改修し、ギャラリーとして利用
開口部が尐ない蔵に開放的な空間を協調増築し、飲食店として利用
歴史資源を観光案内所として活用
歴史的風致活用国際観光支援事業の創設
背景と課題
歴史まちづくり行政
観光行政
○2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会等により、
訪日外国人旅行者の増加が見込まれる。
○需要が集中している地域以外の地方都市等への需要を創
出するべく、地域間の広域連携を強化して情報発信力を高め
るとともに、対象市場に訴求するストーリー性やテーマ性に富
んだ多様な広域ルートを開発・提供し、海外へ積極的に発信
することが求められている。
○歴史まちづくり法に基づく歴史的風致維持向上計画(歴まち計画)認定
都市は、年々増加しており、現在までに全国49都市となっている。
○「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」には、歴まち計画認定都市25都市が掲載
されるなど、日本固有の歴史・文化は重要な国際観光資源である。
○社会資本整備審議会歴史的風土部会において、「観光施策との連携な
ど歴史まちづくり行政の新たな展開」の審議が求められている。
認定都市数
政府の方針等
歴まち計画認定都市の経年推移
◆経済財政運営と改革の基本方針2015 (第2章1.[1])
◆「日本再興戦略」改訂2015(第二 二.テーマ4.テーマ4-②(3)①、③ )
◆観光立国实現に向けたアクション・プログラム2015
ミシュラン掲載の歴まち都市
( 1.(1)、3.(1) )
日本固有の歴史・文化を活用した広域観光周遊ルート形成に向けた受入環境整備を促進
要求内容
観光庁と連携
 広域観光周遊ルートの形成に向けた取
組の一環として、地域固有の歴史・文化
を国際観光資源としてより有効に活用
するため、歴まち計画認定都市におい
て、官民により構成された協議会が作
成する整備計画に位置づけられた受入
環境整備に係るソフト・ハード両面の取
組に対して総合的に支援。
 2020年オリンピック・パラリンピック東京
大会の開催を見据えて、平成27年度か
ら5年間の支援措置により整備を促進。
施策の成果
広域観光拠点地区等の
歴まち計画認定都市
協議会
作成
・歴まち計画認定都市
・有識者
・施設管理者
取組
・観光関連団体 等
広域観光拠点地区
広域観光促進地域
主要広域観光ルート
主要ゲートウェイ
施設
整備計画
・データ収集・分析、モニタリング
・案内板等の多言語化、ガイドライン策定
・人材の育成
・外国人向け体験プログラムの開発
・観光案内所等の機能向上 等
国
■支援内容(補助率)
市町村:1/2、民間:1/3以内
本物の歴史・文化体験
プログラムの開発
観光案内所等の機能
向上
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○広域観光周遊ルート形成に向けた受入環境整備を促進することにより、歴史的風致を活用した都市の魅力の向上及び賑わいの
Ministry創出が図られ、地域の活性化が実現される。
of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
「歴史まちづくり情報サイト」の開設(H27.7.23発表)
○ 歴史まちづくりのアイデアやノウハウ等を共有するため、各認定都市の基本情報や歴史的
風致の内容、实施している事業、活用している制度・補助金等に関する情報を集約した「歴
まち」情報サイトを開設(国土技術政策総合研究所HP)
○ ウェブサイトには、情報検索機能を備えており、歴史的風致、文化財等の建造物、制度・補
助金の活用状況等の項目毎に、キーワードにより横断的に検索することが可能
■一般から関係者まで幅広い層に対応したトップページ ■歴史まちづくりに関する情報を整理した認定都市毎のページ
各認定都市の代表的な歴史的風致等を
示す写真(クリックで拡大します)
各認定都市の歴史まちづくり
情報及び観光案内ページへ
一般向け情報検索
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歴史まちづくり法の解説
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歴史まちづくり
関係者向け情報
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認定時期・背景、都市の規模等、
各認定都市の基本情報を整理
歴史まちづくり情報サイトはこちら↓ (国総研緑化生態研究审HP内)
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http://www.nilim.go.jp/lab/ddg/rekimachidb/index.html
ご清聴ありがとうございました。
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Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
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