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Analytix - Sigma

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Analytix - Sigma
Analytix
Issue 1, Issue 2 • 2014
質量分析法用の画期的な新製品
・LC-MS における誘導体化
感度向上によるイオン化の改善
・エレクトロスプレー検出(LC-MS)
に対する溶媒品質の影響
・免疫抑制剤の LC-MS/MS 分析
・植物性医薬品標準物質
・アレルギーを誘発する
芳香性化合物
・食品に含まれる生物活性化合物
生体アミンの標準物質
・カロテノイドの標準物質
・認証標準物質(CRM)の開発に
おける加速安定性試験の重要性
・水分測定
SAJ1733
2
Editorial
質量分析法用の画期的な新製品
みなさま、
100 年以上にわたり、質量分析法(MS)は科学者にとって必須のツー
ルです。初期には、J.J. Thompson がパラボラスペクトルグラフと呼
ばれる装置を用いて、MS により 20Ne および 22Ne を発見しました。
同様に A.J. Dempster は、電子イオン化源を開発することで、今日の
質量分析法の基礎的な理論および設計を確立し、修士論文で報告
しました。F.W. Aston は、速度収束を備えた MS を初めて開発し、
「質
量スペクトルグラフを用いた多数の非放射性元素同位体の発見お
よび整数則の論述」に対して1922年、ノーベル賞を授与されました。
現在、MS はほぼすべての分析実験室で使用されています。環境モ
ニタリング、食品安全、および医薬品開発には、結果を得るのに MS
を使用するという共通点があります。
Jens Boertz
Product Manager Analytical Reagents
[email protected]
長年にわたり Sigma-Aldrich は、お客様のニーズに応えるために MS
用製品群の開発を行ってきました。4 ∼ 5 ページには、質量分析法
に適用できる Sigma-Aldrich の新製品群を示しました。これらの製
品に対するさらに詳しい情報は、sigma-aldrich.com/ms をご参照く
ださい。
Jens Boertz
Product Manager Analytical Reagents
[email protected]
sigma-aldrich.com/analytix
Feature Article
Titration
4
17
質量分析のための分析用試薬
新規 MALDI マトリックス 11 種の発売
キャンディーに含まれる水分の定量
Hydranal® アプリケーション:キャラメル、
ゼリー菓子、フルーツガムやフォンダンへの適用
Chromatography
6
8
LC-MS における化学的誘導体化
感度向上によるイオン化の改善
エレクトロスプレー検出(LC-MS)に対する
溶媒品質の影響
ビタミン D3 および 25-ヒドロキシビタミン D3
Standards
20
医薬品有効成分
内部標準物質用の同位体ラベル化された
医薬品有効成分
Standards
11
免疫抑制剤の LC-MS/MS 分析に影響する変数
12
植物性医薬品の品質管理用標準物質
13
アレルギーを誘発する芳香性化合物
14
食品に含まれる感情に影響する生物活性化合物
生体アミンの標準物質
14
自然界で最も鮮やかな色
カロテノイドの標準物質
15
認証標準物質(CRM)の開発における
加速安定性試験の重要性
sigma-aldrich.com/analytix
Table of Contents
3
4
質量分析法のための分析用試薬
新規 MALDI マトリックス 11 種の発売
Jens Boertz, Product Manager Analytical Reagents [email protected]
Feature Article
この技法の重要な特徴は、マトリックスと呼ばれる過剰な有機低分
子と分析対象物を共結晶化することです。次いで、この固溶体を強
力なレーザーで瞬間的に蒸発させます。マトリックスがレーザーの
エネルギーを吸収し、これにより主にマトリックスが気化しイオン
化されると考えられています。次いでマトリックスから分析対象物
分子にプロトンが受け渡され、分析対象物に電荷が移ります。この
プロセス後に観察されるイオンは、中性の分子[M]にイオンが付加
されたものか、中性の分子からイオンが除去されたものです。これ
らを併せて準分子イオンと呼び、たとえばプロトンが付加された場
+
です。
合に検出されるのは[M+H]
表 1 に、新たに発売しました Sigma-Aldrich® の MALDI-MS マトリッ
クス製品群を一覧にしました。すべての製品一覧は sigma-aldrich.
com/maldimatrix でご覧いただけます。
エレクトロスプレーイオン化法
エレクトロスプレーイオン化法(ESI)も、断片化がほとんど起こらな
図 1 スイスの Sigma-Aldrich 社の MALDI-TOF/TOF-MS
い方法なのでソフトイオン化法と呼ばれます。このことは、対象の
分子イオン(より正確には擬分子イオン)が常に観察されるという
質量分析法は、分析科学者にとってかけがえのない強力なツールと 点で大きな利点です。しかし、得られた質量スペクトルからだけで
なっており、さらなる技術革新の可能性があります。たとえば、新し は、構造情報がほとんど得られません。この欠点は、ESI とタンデム
い大気圧源や、アナライザーの高度化、新規アナライザーの開発、 質量分析法とを組み合わせること(ESI-MS/MS)で克服できます。
イオン軌跡のモデリング、新規ソフトウェア、m/Δm t 1000000 と ESI のもう 1 つの重要な利点は、液相の情報が気相でも維持される
いう超高質量分解能、sub-ppb 領域の質量精度および優れた感度を という点です。
持つアナライザーを組み合わせた新しい複合装置の実用化といっ
た進歩が見られます。これらによって、ハイスループット測定、微生 分析対象物を含む液体は、エレクトロスプレーを用いて微細なエア
物のルーチン分析、初めてのウィルススペクトル、非常に大型の非 ロゾルに分散されます。このイオン形成過程は完全な脱溶媒を必要
共有結合錯体、MALDI-MS イメージングや ESI-MS 滴定による結合 とするので、エレクトロスプレーイオン化用の代表的な溶媒は、水
定数の決定などの新しい研究分野や新しいアプリケーションが開発 と揮発性有機化合物(たとえばメタノールやアセトニトリル)を混
されています。
合して調製します。液滴の初期径を小さくするため、通常、伝導度
基本原理
イオンの質量対電荷比(m/z)の測定を行い、この値によって分子量
を決定するのが質量分析法の原理です。このプロセスは 3 段階あり
ます。第 1 ステップで、分子は気相イオンに変換されますが、これ
は固相や液相の分子に対しては容易なことではありません。次にイ
オンは質量アナライザー内の磁場あるいは電場によって、m/z 値に
よって分離されます。最後に、分離されたイオンが検出され、m/z
値ごとの検出数が計数されます。
イオン源
測定するサンプルは、質量分析器内での解析に先立ちイオン源の内
部でイオン化されます。質量分析法では以下に示すような様々な技
法が用いられます。
マトリックス支援レーザー脱離イオン化法
マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)は、質量分析法
で用いられるソフトイオン化法の 1 つで、従来のイオン化法では壊
れやすく断片化しがちな生体分子(DNA、タンパク質、ペプチドおよ
び糖のような生体分子)や大型の有機分子(ポリマー、デンドリマー
および他の高分子)の解析を可能にするものです。
sigma-aldrich.com/maldimatrix
を上げる化合物(酢酸など)が溶液に加えられます。この化合物は
プロトン源としても作用し、イオン化プロセスを容易にします。さら
に、窒素や二酸化炭素のような不活性ガスによる噴霧微粒化を行え
ば、大流量のエレクトロスプレーが実現できます。エアロゾルは、
キャピラリーを通じて質量分析計の第 1 真空部に導入されます。そ
のキャピラリーは約 3000 V の電位差を保持しており、荷電した液滴
からさらに溶媒を蒸発させるよう加熱することもできます。荷電し
た液滴から溶媒が蒸発していくと、レイリー限界に到達して不安定
化します。この時液滴の径が減少し、同種の電荷による静電反発力
が液滴を結びつけている表面張力より強くなると、液滴が変形しま
す。そしてクーロン分裂により元の液滴が「爆発」して、より小さく、
より安定した液滴が形成されます。これらの新しい液滴はさらに脱
溶媒し、クーロン分裂を繰り返します。クーロン分裂では、液滴は質
量のごく一部(1.0 ∼ 2.3%)と電荷の比較的大きな部分(10 ∼ 18%)
を失います。
5
Cat. No. Brand Synonym
Product
Exemplary
Package Size
77081
Fluka®
FCCA
alpha-Cyano-4-fluorocinnamic acid
100 mg
94141
Fluka
ClCCA
alpha-Cyano-4-chlorocinnamic acid
89063
Fluka
BrCCA
4-Bromo-alpha-cyanocinnamic acid
peptides, phosphopeptides, phospholipids,
chlorinated lipids, drugs, fragile analytes,
ionic liquids (quantification), ME-SIMS, CID-MS/MS
77646
Fluka
DiFCCA
alpha-Cyano-2,4-difluorocinnamic acid
38419
Fluka
PentaFCCA
alpha-Cyano-2,3,4,5,6-pentafluorocinnamic acid
100 mg
39379
Fluka
ClCCA:DiFCCA
4-Chloro-alpha-cyanocinnamic acid –
alpha-Cyano-2,4-difluorocinnamic acid mixture
100 mg
03841
Fluka
CHCA:DiFCCA:PentaFCCA
alpha-Cyano-4-hydroxycinnamic acid –
alpha-Cyano-2,4-difluorocinnamic acid –
alpha-Cyano-2,3,4,5,6-pentafluorocinnamic acid mixture
100 mg
55841
Fluka
BrCCA:DiFCCA
4-Bromo-alpha-cyanocinnamic acid –
alpha-Cyano-2,4-difluorocinnamic acid mixture
100 mg
68914
Fluka
BrCCA:ClCCA
4-Bromo-alpha-cyanocinnamic acid –
4-Chloro-alpha-cyanocinnamic acid mixture
100 mg
05851
Fluka
2-Methyl-4-quinolinamine
4-Aminoquinaldine
amino acids, nucleotide phosphates, organic acids
1g
36029
Fluka
2-Hydroxy-5-(octyl-oxy) benzoic acid
5-Octyloxysalicylic acid
peptides
100 mg
100 mg
100 mg
表 1 Sigma-Aldrich の MALDI-MS 用マトリックス新製品群
質量分析によって観察されるイオンは準分子イオンであり、水素イ
+
、ナトリウムイオンのようなカチ
オンの付加によって生じた[M+H]
+
オンの付加による[M+Na]、あるいは水素原子核の除去による
n+
などがあります。
[M+nH]
といった多価イオンもしばしば
[M-H]
観察されます。大きな分子では多くの荷電状態があり、特徴的な荷
電状態エンベロープが観察されます。sigma aldrich の LC 用溶媒、
添加剤およびブレンド品のリストは、溶媒についてまとめた sigmaaldrich.com/solvent をご参照ください。
質量分析器
質量分析器は、様々な物理原理に基づきイオンを分離します。した
がって質量分析器にはいくつかの種類、たとえば、四重極型、飛行
時間型、偏向型、イオントラップ型、フーリエ変換イオンサイクロト
ロン共鳴型などがあり、これらは単独でも組み合わせても使用でき
ます。その選択は、分析に対する要求によってケースバイケースで
決定します。考慮すべき重要な要素には、質量の範囲、分解能、質
量の精度、イオンの透過と感度、スキャンするか連続的にモニタリ
ングを行うか、データ取得速度、MS/MS 能力、コンピューターソフ
トウェアの問題、使いやすさ、および価格や製造業者からのサポー
トなどの経済的な要素があります。
展望
質量分析法は発明以来、科学において重要な役割を果たしてきまし
た。初期には、原子構造の研究に用いられました。1940 年代には、
質量分析技術は、ウラン濃縮、およびより優れた石油製品の製造の
ためのプロセスコントロールに適用されました。その後、質量分析
法は、医薬品産業において薬品開発、薬品モニタリングおよび薬物
動態調査を行う上で必須のツールとなりました。
ゲノム計画でも、質量分析法は欠かせない要素となっており、生物
学上の発見を生み出しています。プロテオミクスの成功には、質量
分析器開発の革新が大きく貢献してきました。新しい開発が 1 つ増
えるたびに、MS で実現できる事が増えています。質量分析法は、細
胞生物学の分野ですでに、タンパク質−タンパク質の相互作用、細
胞および翻訳後修飾といった研究を支援することで、非常に大きな
貢献をしています。また質量分析器は、生物標識の探索でも貢献し
ています。
結論として、質量分析法の歴史は物理学に影響されてきましたが、
MS の存在価値は化学や生化学の影響でも非常に高くなりました。
将来は、残る自然科学の分野である生物学すなわち生物学的研究の
分野が、MS に大きな影響を及ぼすであろうと予想できます。
References:
[1] Gross, J.H; Mass Spectrometry: A Textbook. Springer-Verlag, Berlin. 2004
[2] de Hoffmann, E. and V. Stroobant. Mass Spectrometry, Principles and
Applications. Weinheim: Wiley. 2009
[3] Zenobi, R. Milestones in Modern Mass Spectrometry. Nachrichten aus der
Chemie, 2013, 49 –53.
[4] Yates III, J. R. “A Century of Mass Spectrometry: From Atoms to Proteomes”,
Nature Methods, 2011, 633 – 637.
Year Event
1912
J. J. Thompson constructs the first mass spectrometer (then called parabola spectrograph).
He obtains mass spectra of O2, N2, CO and CO2 and COCl2. He observes negative and multiplycharged ions. He discovers metastable ions. In 1913 he discovers isotopes 20 and 22 of neon.
1918
A. J. Dempster develops the electron ionization source and the first spectrometer with a
sector-shaped magnet (180°) with direction focusing.
1919
F. W. Aston (NP 1922) develops the first mass spectrometer with velocity focusing. He
measures mass defects in 1923.
1948
A. E. Cameron and D. F. Eggers publish the design and mass spectra for a linear time-offlight mass spectrometer. W. Stephens proposed the concept of this analyzer in 1946.
1949
H. Sommer, H. A. Thomas and J. A. Hipple describe the first application in mass
spectrometry of ion cyclotron resonance (ICR).
1953
W. Paul and H. S. Steinwedel describe the quadrupole ion storage trap, or QUISTOR, in a
patent (NP 1989, W. Paul and Dehmelt).
1956
First spectrometers coupled with a gas chromatograph by F. W. McLafferty and R. S. Gohlke.
1957
Kratos introduces the first commercial mass spectrometer with double focusing.
1967
F. W. McLafferty and K.R. Jennings introduce the collision-induced dissociation (CID)
procedure.
1968
Finnigan introduces the first quadrupole mass spectrometer.
1974
E. C. Horning, D. I. Carroll, I. Dzidic, K. D. Haegele, M. D. Horning and
R. N. Stillwell discover atmospheric-pressure chemical ionization (APCI).
1974
First spectrometers coupled with a high-performance liquid chromatograph by P. J.
Arpino, M.A. Baldwin and F.W. McLafferty.
1975
First commercial gas chromatography-mass spectrometry (GC-MS) instruments with
capillary columns.
1978
R. A. Yost and C. G. Enke build the first triple-quadrupole mass spectrometer, one of the
most popular types of tandem instruments.
1980
R. S. Houk, V. A. Fassel, G. D. Flesch, A. L. Gray and E. Taylor demonstrate the potential of
inductively coupled plasma-mass spectrometry (ICP-MS).
1987
K. Tanaka, and M. Karas, D. Bachmann, U. Bahr and F. Hillenkamp discover matrix-assisted
laser desorption/ionization-mass spectrometry (MALDI-MS, NP 2002 Tanaka).
1988
J. Fenn develops the electrospray ionization (NP 2002). First spectra of proteins above
20000 Da. He demonstrated the electrospray’s potential as a mass spectrometric technique
for small molecules in 1984. The concept of this source was proposed in 1968 by M. Dole.
1999
A. A. Makarov describes a new type of mass analyzer: the Orbitrap. The orbitrap is a highperformance ion trap using an electrostatic quadro-logarithmic field.
表 2 質量分析法の主なマイルストーン
sigma-aldrich.com/solvent
Feature Article
100 mg
6
LC-MS における化学的誘導体化
感度向上によるイオン化の改善
Daniel Weibel, Product Manager Analytical Reagents [email protected]
Chromatography
MALDI、APCI、FAB、ESI に代表される現在のソフトイオン化質量分
析法は、高分子量、熱的不安定、あるいは非揮発性のイオン性化合
物に対して貴重な構造情報を提供することにおいて大きな成果を
上げてきました。しかし、メタボロミクスのような先進的な研究領域
では、上記のような方法では感度が不十分で、分析上の課題に答え
ることができない場合があります。
このため、分析対象サンプルの物理的、化学的な特性を変更して揮
発性と熱安定性を向上させることに加え、MS 中で誘導体化反応を
行うことでイオン化効率を向上し、その結果、使用するソフトイオ
ン化法の感度を上げるという方法があります[1]。したがってそのた
めの試薬は、正電荷もしくは負電荷を安定化する官能基を有してい
ます。
誘導体化する場合にもう 1 つ重要なのは、得られる構造情報をより
豊かにするため、断片化の挙動を変更して、生成イオンを特定のユ
ニークな質量に変更することです(フィンガープリント法)
。
ESI で検出しにくい非極性化合物であるステロイドホルモンの 17βエストラジオールとその誘導体(たとえば、避妊薬に使用されてい
るエチニルエストラジオールなど)の例を示します。このようなステ
ロイドとその代謝物を分析する場合、高感度な方法を見つけること
は極めて重要ですが、通常これらはマトリックス中に存在するため、
取り出すことが困難です。しかし、4-(ジメチルアミノ)ベンゾイル
塩化物(DMABC, 67954)を用いて誘導体化すれば、標準的な逆相
HPLC カラムを用いて 17β-エストラジオールをこの試薬および可能
性のある副生成物から分離することが可能で、非常に低い濃度まで
[2]
。
検出できます(図 1)
LC-MS に適した分析用誘導体化試薬の最新の製品リストを表 1 に
示します。より詳しい情報は、sigma-aldrich.com/derivatization を
ご参照ください。
References
[1] Reviews: a) Zaikin, V.; Halket, J. A handbook of derivatives for mass
spectrometry; IM Publications LLP, Chichester, U.K., 2009; b) “Derivatization
in liquid chromatography for mass spectrometric detection”; Santa, T.
Drug Discov.Ther. 2013, 7, 9 –17; c) “Derivatization reagents in liquid
chromatography/electrospray ionization tandem mass spectrometry”;
Santa, T. Biomed. Chromatogr. 2011, 25, 1–10; d) “Derivatization reagents
in liquid chromatography/electrospray ionization tandem mass
spectrometry for biomedical analysis”; Santa, T.; Al-Dirbashi, O. Y.;
Fukushima, T. Drug Discov. Ther. 2007, 1, 108 –118.
[2] a) “Derivatization Agents for LC/MS – An Improved Detection of Estradiol
with ESI-MS”; Köhling, R. Analytix 2011, 4, 10 –11; b) “New Derivatization
Agents for LC-MS”; Köhling, R.; Weibel, D. Analytix 2013, 4, 20.
[3] “Design and synthesis of labeling reagents (MS probes) for highly sensitive
electrospray ionization mass spectrometry and their application to the
detection of carbonyl, alcohol, carboxylic acid and primary amine samples”;
Suzuki, Y; Tanji, N; Ikeda, C.; Honda, A.; Ookubo, K.; Citterio, D.; Koji, S.
Anal. Sci. 2004, 20, 475 – 482.
[4] “Stable Isotope Labeled 4-(Dimethylamino)benzoic Acid Derivatives of
Glycerophosphoethanolamine Lipids”; Zemski Berry, K. A.; Turner, W. W.;
VanNieuwenhze, M. S.; Murphy, R. C. Anal. Chem. 2009, 81, 6633–6640.
[5] “A new derivatization approach for the rapid and sensitive analysis of
brassinosteroids by using ultra high performance liquid chromatographyelectrospray ionization triple quadrupole mass spectrometry”; Huo, F.; Wang,
X.; Han, Y.; Bai, Y.; Zhang, W.; Yuan, H.; Liu, H. Talanta 2012, 99, 420 –425.
[6] “Studies on neurosteroids XXIII. Analysis of tetrahydrocorticosterone isomers
in the brain of rats exposed to immobilization using LC-MS”; Higashi,
T.; Yokoi, H.; Maekubo, H.; Honda, A.; Shimada, K. Steroids 2007, 72, 865 – 874.
[7] ”Analysis of primary and secondary aliphatic amines in waste water and
surface water by gas chromatography-mass spectrometry after
derivatization with 2,4-dinitrofluorobenzene or benzenesulfonyl chloride”;
Sachet, F.; Lenz, S.; Brauch, H.-J. Journal Chromatogr. A 1997, 764, 85 – 93.
[8] a) “A developed pre-column derivatization method for the determination of
free fatty acids in edible oils by reversed-phase HPLC with fluorescence
detection and its application to Lycium barbarum seed oil”; Li, G.; You, J.;
Suo, Y.; Song, C.; Sun, Z.; Xia, L.; Zhao, X.; Shi, J. Food Chem. 2011, 125,
1365 –1372; b) “Development of a Sensitive Reagent, 1,2-Benzo-3,4-dihydrocarbazole-9-ethyl-p-toluenesulfonate for Determination of Bile Acids in
Serum by HPLC with Fluorescence Detection and Identification by Mass
Spectrometry with an APCI Source”; You, J.; Shi, Y.; Ming, Y.; Yu, Z.; Yi, Y.;
Liu, J. Chromatographia 2004, 60, 527–535.
[9] a) “Rapid UPLC-MS/MS method for routine analysis of plasma pristanic,
phytanic, and very long chain fatty acid markers of peroxisomal disorders”;
Al-Dirbashi, O. Y.; Santa, T.; Rashed, M. S.; Al-Hassnan, Z.; Shimozawa, N.;
Chedrawi, A.; Jacob, M.; Al-Mokhadab, M. J. Lipid Res. 2008, 49, 1855 –1862;
b) “Synthesis of benzofurazan derivatization reagents for carboxylic acids and
its application to analysis of fatty acids in rat plasma by high-performance
liquid chromatography-electrospray ionization mass spectrometry”;
Tsukamoto, Y.; Santa, T.; Saimaru, H.; Imai, K.; Funatsu, T. Biomed. Chromatogr.
2005, 19, 802–808.
[10] “The usefulness of Hydrazine Derivatives for Mass Spectrometric Analysis of
Carbohydrates”; Lattova, E.; Perreault, H. Mass Spectrom. Rev. 2013, 32, 366 –385.
Cat. No. Derivatization Reagent
Analyte Functional Group
Typical Application
Reference
06963
4-(Diethylamino)benzhydrazide
Carbonyl
-
[3]
59799
4-(Diethylaminomethyl)benzhydrazide
Carbonyl
-
[3]
67954
4-(Dimethylamino)benzoyl chloride
Hydroxy
17β-Estradiol
[3]
61224
N-Succinimidyl 4-(dimethylamino)benzoate
Amine
Glycerophospho-ethanolamine lipids
[4]
[5]
69706
6-Bromo-3-pyridinylboronic acid
1,2-Dihydroxy
Brassinosteroids
72702
3,5-Dinitrobenzoyl chloride
Hydroxy
Tetrahydrocortico-sterones
[6]
73177
1-Fluoro-2,4-dinitrobenzene
Amine
Prim./sec. aliphatic amines
[7]
75821
1,2-Benzo-3,4-dihydrocarbazole-9-ethyl-p-toluenesulfonate
Carboxylic acid
Fatty-/bile acids
[8]
79291
4-[2-(N,N-Dimethylamino)ethylaminosulfonyl]-7-(2-aminoethylamino)-2,1,3-benzoxadiazole
Carboxylic acid
Fatty acids
[9]
93742
Pentafluorophenylhydrazine
Carbonyl
Oligosaccharides
[10]
表 1 LC-MS に適した Fluka 分析用誘導体化試薬
sigma-aldrich.com/derivatization
7
reagent, by-products
Intens.
x10 5
1.50
DMAB Estradiol Deriv 006.d: BPC 48.9956-2285.9523 +All MS
1.25
1.00
0.75
0.50
0.25
0.00
Intens.
x104
DMAB Estradiol Deriv 006.d: EIC 420.2551±0.005 +All MS
1
Intens. 1.
5000
+MS2(420.0000), 3.0-3.3min #(235-252)
376.6544
Chromatography
2.0
4000
1.5
3000
1.0
2000
367.6494
388.1617
397.1677
1000
0.5
406.1734
0
260
280
300
320
340
360
380
400
420
m/z
0.0
1
2
3
4
5
6 Time [min]
図 1 5 pg DMAB-E2 誘導体の注入および Supelco® Ascentis® Express C18(2.7 μm 2.1 × 50 mm)カラムを用いた UHPLC システムによる
分離。移動相条件は、流速 0.4 mL/min で水、0.01% ギ酸/アセトニトリル(30/70)
。MS/MS スペクトル(挿入図)には、主なピークが 4 本し
か見られず、トリプル四重極型質量分析計を用いた同定および定量に最適です。
sigma-aldrich.com/derivatization
8
エレクトロスプレー検出(LC-MS)に対する溶媒品質の影響
ビタミン D3 および 25-ヒドロキシビタミン D3 をテスト化合物として用いた実証
LC-MS のトピックス、パート 3
Rudolf Köehling, Senior Scientist
UHPLC 溶媒に対するグラジエント試験
水 95% からアセトニトリル 95% まで溶媒組成を急勾配で変更し、
品質の異なるアセトニトリル溶媒の影響を試験しました。LC-MS
Reporter 30.2 号に掲載した LC-MS のトピックス、パート 1 では、カ Ultra CHROMASOLV 水およびアセトニトリルを参照サンプルとして
ラムの選択性を利用したロバストな LC-MS 法の開発について述べ、 用いました。一定の UV および MS(BPC/TIC)ベースラインが得られ
また 30.3 号に掲載したトピックス、パート 2 では、イオン性移動相 るまで測定を繰り返しました。
添加剤の役割について議論しました 1,2。これらの記事は、sigmaaldrich.com/thereporter からアクセスできます。本記事では、移動
相溶媒そのものの品質が UV および MS シグナルに及ぼす影響、お
よび分析感度について示します。セコステロイドであるビタミン D3
および 25-ヒドロキシビタミンD3 を試験分析対象物として用います。
後者は現在病院で最もよく分析される分子の 1 つです。
Chromatography
[email protected]
過去 10 年で LC-MS 装置は、感度およびスループットという点で大
きな技術的進歩を遂げました。しかし、移動相溶媒や添加剤などサ
ンプルマトリックスやシステム構成からの妨害が、分析対象物に対
する感度に悪影響を及ぼすことがあります 3。溶媒の品質もサンプ
ルあたりのコストを計算する上で重要な要素です。LC-MS への適合
性をテストしていないグレードの低い溶媒は、コスト面からは魅力
的に見えるかもしれませんが、結果として起こる妨害と装置の停止
時間のため、実際には分析 1 回あたりのコストはかえって上がって
しまうこともあります。HybridSPE®-Phospholipid 技術のようなサン
プル前処理技術を使ってマトリックスの影響を減らすことも重要
で、過去の記事のトピックスになっています 4-7。
図 1 異なるアセトニトリル品質におけるビタミン D3 および 25-ヒドロキシビタ
ミン D3 の UV 感度
column:
HPLC system:
mobile phase:
gradient:
flow rate:
column temp.:
detection:
injection:
Ascentis® Express C18, 5 cm x 2.1 mm I.D., 2.7 μm particles (53822-U)
Dionex® UltiMate® 3000 RSLC
(A) 0.1% formic acid, pH 3.5; (B) acetonitrile
50 to 90% B in 5 min; held at 90% B for 2.5 min
0.6 mL/min
35 ºC
UV, 254 nm
2 μL vitamin D3 (5 μg/mL) or 4 μL 25-hydroxyvitamin D3
(0.5 μg/mL) in LC-MS Ultra CHROMASOLV Methanol (14262)
Intens.
a)
Competitor R (green)
LC-MS Ultra Acetonitrile (blue)
15
H3 C
CH3
H
ビタミン D3 および 25-ヒドロキシビタミン D3 を試験分析した今回
の結果から、低グレードの移動相溶媒がシグナル抑制効果により
MS 検出感度に及ぼす影響が明らかになりました。現在、最も一般
的なイオン源である ESI は、汚染溶媒を大量に用いた場合、特にこ
の効果を受けやすくなります。
H
10
CH2
HO
5
Vitamin D3
実験
ESI 抑制効果
およびその代謝物である 25-ヒ
ビタミン D(
3 コレカルシフェロール)
カルシフェロール、
重水化、D6)をメタノール
ドロキシビタミン D(
3
(LC-MS Ultra CHROMASOLV®)に溶解し、濃度を最終的にそれぞれ
5 μg/mL および 0.5 μg/mL としました。UHPLC システムで用いた
溶媒は、アセトニトリル(LC-MS Ultra CHROMASOLV)
、0.1% ギ酸入
り水(pH 3.5 いずれも LC-MS Ultra CHROMASOLV)および従来のグ
ラジエントグレードのアセトニトリルの 3 種です。システムに LCMS Ultra CHROMASOLV 品質のアセトニトリルを流した後、ビタミン
D3 を 6 回注入し高品質アセトニトリルを用いたスペクトルをまず取
りました。次いでグラジエントグレードのアセトニトリルをシステム
に流し、ビタミン D3 を 6 回注入してスペクトルを取りました。LCMS Ultra CHROMASOLV アセトニトリルを逆流させてシステムを洗
浄した後、同じ操作を 25-ヒドロキシビタミン D3 について繰り返し
ました。
0
3.5
Intens.
[mAU]
8
3.6
3.7
3.8
3.9
4.0
Time [min]
b)
LC-MS Ultra Acetonitrile (violet)
H 3C
6
OH
CH 3
H
Competitor R Acetonitrile (red)
H
4
CH2
2
HO
25-Hydroxyvitamin D3
0
1.95
2.00
2.05
2.10
2.15
2.20
2.25
2.30
Time [min]
a) UV chromatograms of 5 injections of vitamin D3 at 254 nm using 2 different grades
of acetonitrile. b) UV chromatogram of 5 injections of 25-hydroxyvitamin D3
repeating the experiment of vitamin D3. The UV data indicate the robustness of both
the chromatographic separation and the precision of the UHPLC-MS system.
sigma-aldrich.com/bioanalysis
9
異なる UHPLC 溶媒の比較
前述のビタミン D3 の例から、アプリケーション試験を行っていない
溶媒を使った場合に著しい影響があることが分かりました。しかし
急勾配法で示されるように、UHPLC-MS 用の溶媒であっても、MS ク
ロマトグラムには著しい差が出ます。UHPLC 条件でこの試験を行う
ことで、両溶媒中の不純物についてもっと詳しい情報がさらに多く
分かるはずです。図 3 と 4 に、異なる品質の UHPLC/UHPLC-MS ア
セトニトリルの UV データおよび ESI(+)データをそれぞれ示します。
UV 検出および UHPLC 法からは、ほとんどの溶媒に問題がないよう
に見えますが、MS データを見ると、LC-MS Ultra CHROMASOLV 以
外からはすべて、UV を吸収しない不純物やノイズが多くあることが
分かります。
Chromatography
結果
不適切な溶媒によるイオン化抑制
図 1 に示すように、ビタミン D3 および 25-ヒドロキシビタミン D3 の
UV クロマトグラムは溶媒の品質の違いによって影響を受けません
で し た。ピ ー ク の 位 置、大 き さ お よ び 形 は、LC-MS Ultra
CHROMASOLV® アセトニトリルをグラジエントグレードのアセトニ
トリルに交換しても不変です。UV データによって、クロマトグラム
の分離と UHPLC-MS システムの正確さの両方がロバストであること
が分かります。一見どちらの溶媒もこの種の測定には問題ないよう
に思えます。しかし質量分析データ(図 2)をよく見てみると、グラ
+
イオンのシグナ
ジエントグレードのアセトニトリルの場合、
[M+H]
ルの強度が著しく低いことが分かりますが、UV クロマトグラムの結
果から推察すると、すべての EIC のピークの大きさが等しくなるは
ずです。このことから出てくる結論は1つしかありません。すなわち、
グラジエントグレードの溶媒中の不純物は UV 照射光を吸収しませ
んが、質量分析器の ESI 源中でイオン化を著しく抑制するというこ
とです。アルカリ金属のようなイオン性不純物の含有量は、グラジ
エントグレードでは規定されていませんが、バックグラウンドの平
均質量スペクトルには、ギ酸ナトリウムクラスターの典型的なパ
ターンが見られます(図 5)
。
図 3 UV210nm における異なる溶媒のグラジエント試験
Conditions: Same as Figure 1 except:
gradient: 5 to 95% B in 6 min; held at 90% B for 3 min
detection: UV, 210 nm
Intens.
[mAU]
10
Competitor J
8
図 2 異なるアセトニトリル品質におけるビタミン D3 および 25-ヒドロキシビタ
ミン D3 の ESI
(+)
感度
Competitor C
6
Conditions same as Figure 1 except:
detection: ESI(+), tune_low.m, 45 psi (sprayer), 7 L/min, (dry gas),
180 °C (dry gas temp)
MS instrument: Bruker micrOTOF-Q II
Intens.
x10 5
4
LC/MS Ultra CHROMASOLV
a)
LC-MS Ultra CHROMASOLV (magenta)
Competitor M
2
1.5
H 3C
CH 3
H
0
Competitor R (orange)
0
1
2
3
4
5
6
7
8
Time [min]
UV chromatograms of UHPLC/UHPLC-MS acetonitrile from different manufacturers,
tested with the UHPLC gradient method against LC-MS Ultra CHROMASOLV water.
Even at 210 nm, there are only minor differences.
H
1.0
CH 2
HO
0.5
図 4 基準ピーククロマトグラムにおける UV データ:グラジエントグレードの
アセトニトリルにおける不純物の露呈
Vitamin D3
Intens.
x10 4
ACN Vergleich Biosolv pos_R5_05_4656.d: BPC 49.0000-1701.0000 +All MS
1.0
0.8
0.0
3.5
3.6
3.7
3.8
3.9
4.0
4.1
Time [min]
LC/MS Ultra CHROMASOLV
0.6
Intens.
x10 4
4
0.4
b)
0.2
1
0.0
Intens.
x10 4
1.0
LC-MS Ultra CHROMASOLV (yellow)
ACN Vergleich JT Baker pos_R5_06_4664.d: BPC 49.0000-1701.0000 +All MS
0.8
Competitor J
0.6
H 3C
0.4
3
OH
CH 3
0.2
0.0
Intens.
x10 4
1.0
H
Competitor R (green)
ACN Vergleich CE pos_R5_06_4672.d: BPC 49.0016-1701.0726 +All MS
0.8
1
Competitor C
0.6
H
0.4
2
0.2
0.0
Intens.
x10 4
CH 2
ACN Vergleich Merck MS pos_R5_06_4688.d: BPC 49.0000-1701.0000 +
Competitor M
0.8
0.6
HO
1
0.4
25-Hydroxyvitamin D3
0.2
0.0
0
0
1.95
2.00
2.05
2.10
2.15
2.20
2.25
2.30
Time [min]
a) EICs ([M(vitamin D3)+H]+=385.4 Da of LC-MS Ultra CHROMASOLV acetonitrile and
competitor acetonitrile. The loss of sensitivity of 25-hydroxyvitamin D3 at 3.8 min is
remarkable. With LC-MS Ultra CHROMASOLV acetonitrile, this isomer is detectable and
it is below the LOD with the lower quality solvent. b) EICs ([M(25-hydroxyvitamin
D3)+H]+=407.4 Da) of repeated experiments using different quality grades of
acetonitrile show the same ion suppression effect with the lower quality solvent.
1
2
3
4
5
6
7
8
Time [min]
The base peak chromatograms (BPC) of the corresponding UV data in Figure 3 reveal
the real differences and show a higher baseline and/or additional peaks compared to
the reference solvents (LC-MS Ultra).
(continued on next page)
10
Featured Products*
図 5 グラジエントグレードのアセトニトリルにおけるアルカリイオンの痕跡
Conditions: Same as Figure 1
Intens.
+MS, 3.2-4.7min #(381-559)
Description
Ascentis® Express C18, 5 cm x 2.1 mm I.D., 2.7 μm particles
67.9862
124.0884
2000
67.9890
67.9873
67.9861
1500
226.9556
186.2253
1000
299.1882
Chromatography
362.9308
430.9170
498.9060
566.8936
634.8797
702.8668
776.2366
850.2580
906.8292
974.8122
0
0
200
Acetonitrile, LC-MS Ultra CHROMASOLV®, tested for UHPLC-MS,
1 L, 2 L
14261
Water, LC-MS Ultra CHROMASOLV, tested for UHPLC-MS, 1 L, 2 L
14263
Methanol, LC-MS Ultra CHROMASOLV, tested for UHPLC-MS,
1 L, 2 L
14262
Trifluoroacetic acid, LC-MS Ultra eluent additive, 1 mL, 2 mL
14264
Formic acid, LC-MS Ultra eluent additive, 1 mL, 2 mL
14265
Ammonium formate, LC-MS Ultra eluent additive, 25 g
14266
Ammonium acetate, LC-MS Ultra eluent additive, 25 g
14267
Vitamin D3 (Cholecalciferol), 1.0 mg/mL in ethanol,
1 mL/ampoule
V-025
25-Hydroxyvitamin D3 (Calcifediol), 100 μg/mL in ethanol,
1 mL/ampoule
H-083
25-Hydroxyvitamin D3 (Calcifediol), 5 μg/mL in ethanol,
1 mL/ampoule
H-086
D6-25-Hydroxyvitamin D3 (26,26,26,27,27,27-D6), 50 μg/mL in
ethanol, 1 mL/ampoule
H-074
67.9877
67.9879
67.9889
500
Cat. No.
53822-U
400
600
800
1000
1200
m/z
The spectrum is typical for alkali formate clusters. The high abundance of sodium can
be responsible for this considerable ion suppression effect.
結論
UV グラジエント法は、溶媒の大まかな状態と MS 検出法への適性
のみを示すことができます。どんな種類のイオンが混在していても
ESI 源の感度に著しく影響を及ぼし、図 2 に示したようなイオン化
抑制につながることがあります。これらの試験のバックグラウンド
の分析結果を図 5 に示します。これは、3.2 分から 4.7 分の間の平均
質量スペクトルで、ビタミン D3 のピークに重なっています。このパ
ターンはギ酸ナトリウムクラスターに典型的なもので、極めて高い
強度を示しています。結果として現れる抑制効果は、定量限界
(LOQ)を下げる可能性があり、装置の寿命に悪影響を及ぼします。
溶媒品質の選択を間違えると、そのサンプルの解析コストは安くな
るかもしれませんが、LOQ を上げるために膨大なサンプル調製が必
要になり、かえって高コストにつながります。
References
1. Brandes, Hillel. Topics in LC-MS, Part 1. Leveraging Column Selectivity. Supelco
Reporter, 2012, 30.2, 13–15.
2. Lu, X.; Aurand, C.; and Bell, D. S. Topics in LC-MS, Part 2. Impact of Mobile Phase
Additives on LC-MS Sensitivity, Demonstrated using Spice Cannabinoids as
Test Compounds. Supelco Reporter, 2012, 30.3, 8–10.
3. Annesley, T. Ion Suppression in Mass Spectrometry. Clinical Chemistry, 2003,
49(7), 1041–1044.
4. Aurand, C. Understanding, Visualizing and Reducing the Impact of PhospholipidInduced Ion Suppression in LC-MS. Supelco Reporter, 2012, 30.2, 10–12.
5. Pucci, V., Di Palma, S., Alfi eri, A., Bonelli, F., Monteagudo, E. A Novel Strategy
for Reducing Phospholipids-based Matrix Effect in LC–ESI-MS Bioanalysis by
Means of HybridSPE. J. Pharm. Biomed. Anal., 2009, 50(5), 867–871.
6. Ismaiel, O. A., Zhang, T., Jenkins, R. G.; Karnes, H. T. Investigation of Endogenous
Blood Plasma Phospholipids, Cholesterol and Glycerides that Contribute to
Matrix Effects in Bioanalysis by Liquid Chromatography/MassSpectrometry.
J. Chromatogr., B, 2010, 878, 3303–3316.
7. Mano, N., Nozawa, M.; Sato, M.; Mori, M., Yamaguchi, H.; Kanda, K., Nogami, M.;
Goto, J., Shimada, M. Identification and Elimination of Ion Suppression in the
Quantitative Analysis of Sirolimus in Human Blood by LC/ESI-MS/MS.
J. Chromatogr., B, 2011, 879, 968–974.
sigma-aldrich.com/bioanalysis
* 生体分析における速度と感度を最大にする Sigma-Aldrich® の溶媒、試薬、カラム、
サンプル前処理用品および他の消耗品についての包括的なリストは、sigmaaldrich.com/bioanalysis をご参照ください。
11
免疫抑制剤の LC-MS/MS 分析に影響する変数
Josh Cooper、Beth Marek、Isil Dilek、Uma Sreenivasan(Cerilliant® 社)の論文からの抜粋
Maximilian Magana, Technical Marketing Specialist [email protected]
エベロリムス、シロリムス、タクロリムスおよびサイクロ これらの免疫抑制剤標準液は、医薬品モニタリングおよ
スポリン A といった免疫抑制剤は、臓器移植を受けた び他の臨床用途における厳しく複雑な要求に応えるた
患者の拒絶反応を防ぐ目的で用いられています。これら めに Cerilliant 社が開発した認証標準物質(CRM)の一
の医薬品は、狭い濃度範囲でしか治療効果がみられず、 部です。Cerilliant 社のすべての認証標準物質のカタログ
個々の患者ごとに効果や経過が異なるために、臨床モニ については、sigma-aldrich.com/cerilliant をご参照くだ
さい。
タリングが必要です。
マススペクトルを含む全文は、cerilliant.com/immuno.
aspx からご覧いただけます。
Standards
LC-MS/MS 法は、免疫学的測定法より感度と特異性が高
いことから、臨床検査室で患者の全血サンプル中の免
疫抑制レベルを解析する場合はこの方法が最良です。
しかし、全血マトリックスは多くのサンプル調製を必要
とすることから、LC-MS/MS 法によって免疫抑制剤レベ
ルの臨床解析を行うことが困難な場合があります。さら
に、免疫抑制剤分子はサイズが大きいので、クロマトグ
ラムとして妥当なピーク形状を得ることは容易でありま
せん。
LC-MS/MS 法を用いた検討の結果、エベロリムス、シロ
リムスおよびタクロリムスを含む多成分スパイク溶液
では、サンプルごとのばらつきが大きいことが分かりま
した。この原因を解明するため、サンプル調製、MS 妨害
および、化合物とガラスサンプル容器表面との相互作
用などいくつかのパラメーターについて調査が行われ
ました。
調査の結果、多成分溶液で観察されたサンプルごとの
大きなばらつきの主な要因は、検体容量であり、これよ
り小さい要因として化合物と化合物の相互作用がある
ことが分かりました。したがって、マトリックス校正液の
調製で用いられるスパイク溶液、特に量が少なく低濃度
の免疫抑制剤溶液の調製および保管を行う場合には、
特別な注意を払わなければなりません。
Cat. No.
Brand
Description
Package Size
A-094
Cerilliant
Ascomycin
1.0 mg/mL in acetonitrile
C-093
Cerilliant
Cyclosporin A
1.0 mg/mL in acetonitrile
C-104
Cerilliant
Cyclosporin A
100 μg/mL in acetonitrile
C-108
Cerilliant
Cyclosporin D
1.0 mg/mL in acetonitrile
E-068
Cerilliant
Everolimus
1.0 mg/mL in acetonitrile
E-070
Cerilliant
Everolimus-D4
100 μg/mL in acetonitrile
M-106
Cerilliant
Mycophenolic acid
1.0 mg/mL in acetonitrile
M-135
Cerilliant
Mycophenolic acid-β-D-glucuronide
1.0 mg/mL in acetonitrile
M-137
Cerilliant
Mycophenolic acid-D3
100 μg/mL in acetonitrile
M-180
Cerilliant
Mycophenolic acid-D3
1.0 mg/mL in acetonitrile
S-015
Cerilliant
Sirolimus (Rapamycin)
1.0 mg/mL in acetonitrile
T-049
Cerilliant
Tacrolimus
1.0 mg/mL in acetonitrile
sigma-aldrich.com/cerilliant
12
植物性医薬品の品質管理用標準物質
コケモモ属(Genus Vaccinium)の植物中に存在するシアニジン類を含む新製品
Matthias Nold, Product Manager Analytical Standards [email protected]
植物由来製品の組成は、多くの場合大変複雑です。しか
し、植物性医薬品の品質管理は極めて重要で、近年では
薬局方によって詳細な検査が行われるようになりまし
た。このことは、天然物に関する研究論文が増加してい
ることからも分かります。
たとえば、コケモモ属の植物である、コケモモの実やハ
イデルベリー(Vaccinium myrtillus)からの抽出物は、幅
広い治療のための植物薬として何世紀にもわたり使用
されています。コケモモの薬効のほとんどは、アントシ
アノサイドです。
Standards
このたび Sigma-Aldrich® は、下記のようなアントシアニ
ジン類用の分析用標準物質を数多く発売いたしました。
当社のすべての植物植物薬標準物質の最新のリストは、
sigma-aldrich.com/medicinalplants をご参照ください。
アルファベット順、物質の種類別および医薬植物の属別
に一覧にしてあります。
下記の表は、アントシアニジン類の分析標準液および植
物由来医薬品の分析標準液の新製品を一覧にしたもの
です。
Cat. No. Brand Description
Package Size
12274
Fluka
Agnuside
10 mg
41757
Fluka
Aloenin A
10 mg
18118
Fluka
Angelicin
10 mg
16219
Fluka
Asarylaldehyde
50 mg
62707
Fluka
Bergaptol
10 mg
80479
Fluka
Bergenin
10 mg
77686
Fluka
Byakangelicin
10 mg
04016
Fluka
Cardanol hydrated
(Pentadecylphenol)
50 mg
10 mg
89067
Fluka
Corosolic acid
Cat. No. Brand Description
Package Size
18804
Fluka
Crocetin dialdehyde
10 mg
36428
Fluka® Cyanidin-3-O-rutinoside chloride
(Keracyanin chloride)
1 mg, 5 mg
92056
Fluka
Degalactotigonin
10 mg
38964
Fluka
Didymin
10 mg
05098*
Fluka
Cyanidin 3-O-α-L-arabinoside
chloride
10 mg
61237
Fluka
Frangulin A
10 mg
Cyanidin 3-galactoside chloride
(Idaein chloride)
10 mg
68912
Fluka
Frangulin B
10 mg
80533
Fluka
Fraxin
10 mg
92187
Fluka
Friedelin
10 mg
40594
Fluka
8-Geranyloxypsoralen
10 mg
94597
Fluka
Isoforskolin
10 mg
68771
Fluka
Isoimperatorin
10 mg
42583
Fluka
Lavandulol
50 mg
64081
Fluka
Limonin
10 mg
91635*
Fluka
94099*
Fluka
Cyanidin chloride
10 mg
14389*
Fluka
Delphinidin chloride
10 mg
04301*
Fluka
Delphinidin 3-O-β-D-galactoside
chloride
10 mg
73705*
Fluka
Delphinidin 3-O-β-D-glucoside
chloride
10 mg
92607*
Fluka
Malvidin chlorid
10 mg
91842
Fluka
Naringin
500 mg
79311
Fluka
Malvidin 3-galactoside chloride
1 mg
40927
Fluka
Neohesperidin
10 mg
04288*
Fluka
Malvidin-3- O- glucoside chloride
(Oenin chloride)
10 mg
92600
Fluka
Nobiletin
10 mg
77518
Fluka
Nomilin
10 mg
Peonidin 3-O-glucoside chloride
1 mg
10 mg
42008
Fluka
表 1 コケモモ属の植物に含まれるアントシアノサイドの分析用標
準物質(* = 新製品)
03805
Fluka
Oenothein B
79589
Fluka
Phloridzin dihydrate
50 mg
74192
Fluka
Picein
10 mg
77536
Fluka
Poncirin
10 mg
67988
Fluka
Punicalin, mixture of anomers
10 mg
94168
Fluka
Rhaponticin
50 mg
79588
Fluka
D-(−)-Salicin
100 mg
00290
Fluka
(−)-Sinigrin hydrate
10 mg
75934
Fluka
3β-Taraxerol
10 mg
92951
Fluka
Vasicine
10 mg
表 2 植物性医薬品の品質管理用標準物質
www.sigma-aldrich.com/medicinalplants
13
アレルギーを誘発する芳香性化合物
食品および化粧品産業用のフレーバー、フレグランス標準物質
Eva Katharina Richter, Product Manager Analytical Standards [email protected]
フレーバーやフレグランスは、芳香のない製品に味や香 ンチル)-3-シクロヘキサン-1-カルボキシアルデヒドお
りをつけたり、不快臭を覆い隠したり、元来の風味の安 よびα-ヘキシルシンナムアルデヒドという 3 つの物質
定性を保持したりする目的で幅広く用いられています。 について、標準物質を新発売いたしました。その他に
しかし、化粧品に用いられる香りの中には、潜在的にア 400 を超える当社の風味および香気標準品製品群に、新
レルギーを誘発したり、皮膚炎を起こしたりする可能性 たに数種の芳香標準液を加えました。
がある物質が含まれるかもしれません。
フレーバ ー、フレグランス標 準品の最 新リストは、
お客様がアレルギー化合物を含む製品により不快な経 sigma-aldrich.com/flavor をご参照ください。食品や飲
験をしないようにするには、正確な品質管理が必要で 料および化粧品の用途別、物質の種類別およびアルファ
す。このたび Sigma-Aldrich® は、アレルギーを誘発する ベット順に分類しています。
可能性のあるシトラール、4-(4- ヒドロキシ-4-メチルペ
89396
CH3
CH3 O
H3C
H
Figure 1 Molecular
Structure of Citral
O
H
CH2(CH2)4CH3
Figure 2 Molecular
Structure of α-Hexylcinnamaldehyde
O
H3C
H3C
OH
Figure 3 Molecular
Structure of
4-(4-Hydroxy-4methylpentyl)-3cyclohexene-1carboxaldehyde
H
Fluka®
Package
Size
2-Hydroxy-3,5,5-trimethyl-2-cyclohexen1-one
100 mg
Cat. No. Brand Description
Package
Size
00733
Fluka
Ethyl decanoate
1 mL, 5 mL
97587
Fluka
Ethyl heptanoate
1 mL, 5 mL
1 mL, 5 mL
92264
Fluka
4-Methoxyphenol
250 mg
19536
Fluka
Ethyl isobutyrate
79589
Fluka
Phlorizin dihydrate
50 mg
04597
Fluka
Ethyl myristate
1 mL
41329
Fluka
1-Butanethiol
1 mL
67107
Fluka
Ethyl palmitate
250 mg
09068
Fluka
(±)-1,3-Butanediol
1 mL, 5 mL
75042
Fluka
Ethyl vanillin
100 mg
94463
Fluka
2,3-Diethyl-5-methylpyrazine
100 mg
43226
Fluka
Fenchyl alcohol
100 mg
69043
Fluka
2,3-Pentanedione
100 mg
30965
Fluka
Furfuryl alcohol
1 mL, 5 mL
84233
Fluka
2,5-Dimethylpyrazine
5 mL
19932
Fluka
Furfuryl propionate
42793
Fluka
2,6-Dimethylpyrazine
100 mg
03835
Fluka
γ-Aminobutyric acid
100 mg
77067
Fluka
Glycerol
1 mL, 5 mL
1 mL
43858
Fluka
Heptanoic acid
1 mL, 5 mL
30642
Fluka
2-Acetylpyrrole
06224
Fluka
2-Isobutyl-3-methoxypyrazine
89189
Fluka
2-Methoxy-4-vinylphenol
39587
Fluka
2-Methylfuran
5 mL
250 mg
100 mg
18109
Fluka
Hexanal
1 mL
1 mL, 5 mL
18282
Fluka
Hexyl hexanoate
1 mL
78833
Fluka
2-Methylthiophene
1 mL, 5 mL
61690
Fluka
Hexyl salicylate
5 mL
88497
Fluka
3-Buten-2-ol
1 mL, 5 mL
50797
Fluka
Hexylene glycol
1 mL
90046
Fluka
3-Heptanone
1 mL, 5 mL
61848
Fluka
Isovaleraldehyde
77664
Fluka
3-Methyl-1-butanol
1 mL, 5 mL
78651
Fluka
Isovaleric acid
100 mg
1 mL, 5 mL
73867
Fluka
3-Nonanone
1 mL, 5 mL
68305
Fluka
Linalyl anthranilate
55862
Fluka
4-(4-Hydroxy-4-methylpentyl)-3cyclohexene-1-carboxaldehyde
10 mg
23128
Fluka
L-Lysine
12386
Fluka
Maltyl isobutyrate
68524
Fluka
4-(4-Hydroxyphenyl)-2-butanone
100 mg
68561
Fluka
Menthalactone
78891
Fluka
4-Hydroxy-4-methyl-2-pentanone
1 mL, 5 mL
05517
Fluka
Methyl 2-methylbutyrate
1 mL
91554
Fluka
4-Hydroxybenzaldehyde
250 mg
96848
Fluka
Methyl crotonate
1 mL
100 mg
50949
Fluka
Nerol
1 mL, 5 mL
15971
Fluka
N-Vanillylnonanamide
52222
Fluka
4'-Methoxyacetophenone
40519
Fluka
4-Picoline
68738
Fluka
6-Undecanone
1 mL, 5 mL
89259
Fluka
8-Mercaptomenthone
1 mL, 5 mL
04622
Fluka
Octyl acetate
41894
Fluka
Allyl hexanoate
1 mL, 5 mL
94209
Fluka
Piperazine
40647
Fluka
Allyl sulfide
1 mL, 5 mL
03419
Fluka
Piperonal
06905
Fluka
α-Angelica lactone
1 mL
75833
Fluka
Prenyl acetate
80067
Fluka
Amyl hexanoate
1 mL
64409
Fluka
Propionaldehyde
1 mL
100 mg
1 mL, 5 mL
5 mL
1 mL
50 mg,
100 mg
1 mL
100 mg
100 mg, 1 g
1 mL
1 mL, 5 mL
52445
Fluka
Anthrone
100 mg
51799
Fluka
Putrescine
68381
Fluka
Benzalacetone
100 mg
40751
Fluka
Pyrazinecarboxamide
67586
Fluka
Benzyl phenylacetate
1 mL
69581
Fluka
Pyrrolidine
51031
Fluka
Benzyl salicylate
41144
Fluka
β-alanine
92018
Fluka
07364
Fluka
95135
Fluka
cis-11-Hexadecenal
100 mg
100 mg
1 mL, 5 mL
1 mL
48457
Fluka
Quinine hydrochloride dihydrate
100 mg
77663
Fluka
Terpineol
β-butyrolactone
1 mL, 5 mL
76706
Fluka
Tryptamine
Butyl hexanoate
1 mL
42272
Fluka
Valeraldehyde
1 mL
1 ml
09178
Fluka
α-Hexylcinnamaldehyde
1 mL
43318
Fluka
Citral
44113
Fluka
Cyclohexanol
79588
Fluka
D-(−)-Salicin
04151
Fluka
Diethyl malonate
05174
Fluka
DL-Menthol
38688
Fluka
Dodecanenitrile
77403
Fluka
ε-Caprolactam
80534
Fluka
Ethanethiol
1 mL
1 mL, 5 mL
500 mg
1 mL, 5 mL
100 mg
表 1 フレーバー、フレグランス標準液の新製品
100 mg
1 mL, 5 mL
100 mg
1 mL, 5 mL
100 mg
1 mL
食物アレルギーまたは過敏症を誘発する物質の分析用
標準物質あるいはマトリックス認証標準物質に関心を
お持ちでしたら、sigma-aldrich.com/foodallergies をご
覧ください。
sigma-aldrich.com/flavor
Standards
Cat. No. Brand Description
14
食品に含まれる感情に影響する生物活性化合物
生体アミンの標準物質
Eva Katharina Richter, Product Manager Analytical Standards [email protected]
Standards
ドーパミンとセロトニンは、気分や食欲といった精神機
能に関与する、神経伝達物質となる生体アミンです[1]。
セロトニン量の減少はうつ病と関係している場合が多く
あります。生体アミンは、アミノ酸が脱カルボキシル化
されて生成し、食品から摂取することもできます。セロ
トニンは、バナナ、チョコレート、アボガドに含まれるト
リプトファンから生成され、またドーパミンは L-チロシ
ンから生成されるため、たとえば大豆、豚肉やチーズと
いった L-チロシンを大量に含む食品を摂取することに
より、脳中のドーパミンレベルが上昇する可能性があり
ます。
しかし、食品の発酵や腐敗プロセスにおいて、微生物に
よるアミノ酸の脱カルボキシル化によって生成する、ヒ
スタミン、チラミン、プトレシンおよびカダベリンなど
の生体アミンは、食中毒の直接的な原因の可能性がある
ので、食品中の含有量を管理しなければなりません。
食品の安全性、品質を確かなものにするため、SigmaAldrich® は、最も一般的な生体アミンの分析用標準物質
を 発 売 い たし まし た。詳しくは sigma-aldrich.com/
biogenicamines をご参照ください。
Cat. No.
Brand
Description
Package Size
41144
Fluka®
β-Alanin NEW
100 mg
03835
Fluka
γ-Aminobutyric acid NEW
250 mg
PHR1090
Fluka
Dopamine
1000 mg
00278
Fluka
Ethanolamine
5 mL
59964
Fluka
Histamine NEW
1000 mg
41346
Fluka
2-Phenethylamine
1 mL, 5 mL
51799
Fluka
Putrescine NEW
100 mg
49761
Fluka
Spermidine NEW
100 mg
76706
Fluka
Tryptamine NEW
100 mg
80345
Fluka
Tyramine NEW
100 mg
アミノ酸標準物質にも関心をお持ちでしたら sigmaaldrich.com/aminoacidstandards をご参照ください。
Reference
[1] DeMorrow, S. “Biogenic amines serotonin and dopamine
regulate cholangiocyte hyperplastic and neoplastic growth.”
World Journal of Gastrointestinal Pathophysiology 15: 63 – 68
(2010).
自然界で最も鮮やかな色
カロテノイドの分析用標準物質
Eva Katharina Richter, Product Manager Analytical Standards [email protected]
カロテノイドは、様々なフルーツや野菜の鮮やかな色の
源です。製品に訴求力のある色合いを与えるために、食
品産業や化粧品産業は、合成カロテノイドを着色に用い
ています。合成カロテノイドは、サーモン、カニ、エビな
どの養殖の飼料や産卵用の鶏の飼料にも添加されてい
ます。
EU および米国では、カロテノイドは食品添加物として
規制されており、原材料や着色される食品・飼料の種類
によって規制レベルが大きく異なります。たとえばカン
タキサンチン(E161g)は、米国では着色用食品添加物と
して広く認められていますが、EU では特定のソーセー
ジ(saucisse de Strasbourg)のみ認められています。
Cat. No.
Description
41659
Astaxanthin
Package Size
1 mg, 5 mg
32993
Canthaxanthin (trans)
10 mg
1 mg, 5 mg
50887
α-Carotene New
PHR1239
β-Carotene
1000 mg
18804
Crocetin dialdehyde New
10 mg
16337
Fucoxanthin New
1 mg, 5 mg
75051
Lycopene New
10 mg
07168
Lutein New
1 mg, 5 mg
14681
Zeaxanthin
1 mg
表 1 カロテノイド用の新分析標準液
Sigma-Aldrich は、食品、栄養補助食品および化粧品産
業における品質管理用カロテノイド標準物質の種類を
ほとんどのカロテノイドは、着色だけでなく、抗酸化性 広げました。最新の製品リストは sigma-aldrich.com/
とラジカル捕捉性を有しています。その為、様々な病気、 carotenoids をご参照ください。
特にガンのリスクを下げると言われています。
sigma-aldrich.com/carotenoids
15
認証標準物質(CRM)の開発における加速安定性試験の重要性
Alexander Rueck, Senior Scientist [email protected]
Christine Hellriegel, Senior Scientist [email protected]
Sigma-Aldrich は、認証標準物質(CRM)の認定製造業者
として有機 CRM の製品群を提供しており、それらは
HP-qNMR®( 高 性 能 定 量 NMR)で 定 量 さ れ、ISO/IEC
17025 および ISO Guide 34 に準拠しております。これら
の CRM によって、SI までの確実なトレーサビリティーを
確保し、幅広い均一性と安定性とが確保された試験を
行うことができます。本論文では、従来の短期ストレス
テストよりも加速安定性試験を行う方が優れていること
を示します。
Reference for Traceability
(i.e. SRM from NIST)
Candidate Reference Material
ISO Guide 34 は、CRM が製造される時の品質システム
要件を概説しており、生産計画と管理、適切な環境の維
持、出発物質の選択と処理、物性値の割り当て、不確か
さとトレーサビリティー、均一性と安定性の評価、適切
な包装および貯蔵法の確保、および認証書あるいは書
類の発行といった事柄を取り扱っています。
さらに ISO Guide 34 は安定性テストの要件を明確に述
べており、さらに詳しくは ISO Guide 35 を参照していま
す[4]。ISO Guide 35 での安定性テストに関して重要な点
の 1 つは、安定性のモニタリングです。ISO Guide 35 で
は、測定データの評価について、一見安定した物質につ
いてのみ記述されています。検出できる劣化がある場
合、劣化とそのばらつきの両方が安定性評価の中に含ま
れなければなりません。Bremser ら[5]は、不安定な参照
物質の有効期限のデータ処理とモデルベースの評価に
対して新しいアプローチを示しました。
ISO Guide 35 では、特定の輸送条件下での安定性として
記述される「短期安定性」と、特定の保管条件下での安
定性として記述される「長期安定性」とは区別されてい
ます。安定性データは、有効期限と CRM の推奨保管温
度の設定に用いられます。
Pre-tests
High Precision Weighing
Homogeneity Testing
Content Determination by qNMR
Sigma-Aldrich における安定性試験スキーム
安定性試験は、特定の保管温度での CRM の長期安定性、
および輸送条件下で CRM に起こりうる最大の影響に関
する問題に答えるのに十分なデータ、および有効保存期
間の正しい評価を行うのに必要なデータが得られるよ
うに計画しなければなりません。
Accelerated Stability Test
Certified Value & Uncertainty
Review and Certification
Long-term Stability Test
Additional Characterization
Certified Reference Material
(HPLC, LC-MS, GC, CHN, mp,
titration, trace impurities, others)
according to
ISO/IEC 17025 and ISO Guide 34
図 1 Sigma-Aldrich における ISO/IEC 17025 および ISO Guide 34 に
よる全認証手続きのワークフロー
CRM 手続きの要件
ISO/IEC 17025 への準拠には、ISO 9001 に準じた組織お
よび管理の要件のほかに、重要なトピックスがあります。
たとえば、装置の適格性、分析法の有効性、トレーサビ
リティーステートメント、不確かさの評価、人員の教育
および技術的能力を証明する技術試験への定期的参加
といった事柄が含まれます。
ISO Guide 35 では、数週間だけの短期安定性テストを行
うことが推奨されていますが、当社はより長い期間での
結果が得られるよう設計された加速安定性テスト(AST)
を使用します。こういった試験を行う利点については、
S.R.L. Ellison[6]が詳しく述べており、加速試験が指定保
管温度での長期研究よりも不安定性をよりよく検出で
きることを示しています。また加速試験によって、安定
性モデル(安定、線形、指数関数および自触媒分解)に
関して早期に予測できます。
安定性試験のサンプルは様々な時点で分析され、測定
には数カ月の間隔が空きます。したがって、測定法の再
現性は最も重要な点です。qNMR は再現性が優れてお
り、測定の不確かさが小さいという特長があるため、安
定性試験中の内容物の測定に適した方法として選択さ
れています。
sigma-aldrich.com/qnmr
Standards
過去 20 年にわたり、NMR 特に 1H-NMR を用いた有機化
合物の定量はますます重要になってきました[1]。近年で
は qNMR が、産業界での様々な応用や学術研究におい
て用いられています[2,3]。NMR シグナルの強度は、シグ
ナルに応答するプロトンの数に比例するので、国際的に
認められた認証標準物質(CRM)などの適切な内部標準
からのシグナルに対して当該サンプルのピーク面積を
測定すれば、定量測定を行うことができます。たとえば
ア メ リ カ 国 立 標 準 技 術 研 究 所(NIST)の Standard
Reference Material ™(SRM)などの CRM を用いれば、サ
ンプルと同じ化学構造の標準物質を必要とせずに国際
単位系(SI)へのトレーサビリティーを確保できます。
16
Ala
Accelerated stability test of amino acids
Ala
Long-term stability test of amino acids
Arg
Arg
Asn
1,003
Asp
Asn
1,003
Asp
Cys
1,001
Cystine
Cys
1,002
Cystine
Gln
0,999
Glu
Gln
1,001
Glu
Gly
0,997
His
Gly
1,000
His
Ile
0,995
Leu
0,993
Ile
0,999
Leu
Lys
Met
0,991
Lys
0,998
Met
Phe
Pro
Phe
0,997
Pro
0,989
Ser
Thr
0,987
Ser
Thr
0,996
Trp
Tyr
0,985
-1
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
Val
months
Trp
Tyr
0,995
-1
1
3
5
7
9
11
13
15
17
19
months
21
23
25
27
29
31
33
35
37
Val
Standards
図 2 数種のアミノ酸に対する加速安定性テスト(左:図 2a)と長期安定性テスト(右:図 2b)
。認証値は 1.0 に規格化されています。バーは拡張不確かさ(k = 2)を示し
ます。
加速安定性テスト(AST)
AST は、指定保管温度より通常 20°C 高い温度で実施されます。再
現試験は 1、3、9、あるいは 18 カ月間、規定回行います。CRM が高
温で安定しないと分かった場合、一般用の保管温度を下げたりある
いは認証書中の特定の保管情報を変更したりして、AST をやり直す
ことになります。
通常は輸送期間をカバーするだけの従来型短期安定性テストでは、
アルギニンの不安定性を検出するには短すぎた可能性があります。
これらのデータから、より高温で、より長期にわたる試験が重要で
あることが分かります。劣化速度が異なる可能性がある場合、AST
の最低時間間隔は 9 カ月、特定の場合、特に有効保存期間を延長す
る場合は 18 カ月としました。こういった結果を LTS のデータと組み
合わせれば、有効保存期間を確実に決めることができます。
長期安定性テスト(LTS)
長期安定性テストは、指定保管温度でかつ長期間、通常 CRM の全
有効保存期間にわたって並行して行われます。通常の期間は 24、36
および 48 カ月です。相当する AST が著しい不安定性を示した場合
に限り、より短い期間(1、3、9 カ月)で測定を行います。
qNMR は、不確かさが小さいと正確でトレーサブルな測定値が得ら
れるので、有機分子の内容量測定には最適の技法です。qNMR は、
内容量の僅かな差異も検出できるので、安定性試験に最適です。
Sigma-Aldrich は、qNMR の内部標準物質として使用することを目的
とした包括的な製品群を認証標準物質(CRM)として提供しており
AST と LTS のデータがともに推奨保管条件で十分な安定性を示し ます。sigma-aldrich.com/qnmr をご参照ください。qNMR を用いて
CERT® 未希釈の標準物質の製品群は確実に拡充し
た場合に限り、CRM は認証を受けます。有効期限は、保管温度を 10 認証された
°C 下げることにより有効保存期間が 2 ∼ 4 倍になるという仮定に ており、本報告で示したアミノ酸を含めて 130 を超える製品を有し
基づき、AST データとアレニウスの式から見積もることができます。 ております。最新の製品リストは sigma-aldrich.com/crmneats をご
安定的な CRM の場合、すべての測定値は認証値の不確かさの範囲 参照ください。
内にあるため、不安定性に基づく補正の必要がありません。ただし
AST と LTS のデータを用いて、保管に基づく不確かさ Ustap の見積も
References:
りを行います。この不確かさはすべての測定不確かさに含まれます。
[1] Wells, R.J.; Cheung, J.; Hook, J.M. Accred. Qual. Assur. 9 (2004) 450 – 456.
前回テストした CRM ロットの両テストのデータも、次回の CRM ロッ [2] Holzgrabe, U.; Deubner, R.; Schollmayer, C.; Waibel, B.J. Pharm. Biomed.
トの有効保存期間を延長するかどうかの決定に用いられます。たと
Anal. 38 (2005) 806 – 812.
えば下記の種々のアミノ酸を用いた試験では、CRM の開発のため [3] Weber, M.; Hellriegel, C.; Rueck, A.; Wuethrich, J.; Jenks, P. J. Pharm. Biomed.
Anal. (2013), http://dx.doi.org/10.1016/j.jpba.2013.09.007
AST を長期間実施することが重要であることが分かります。
図 2a および 2b は、AST および LTS 条件下の 21 種のアミノ酸の挙
動を示しています。AST は 45°C で実施し、qNMR で測定したそれ
ぞれの物質の純度を、時間(t = 0/1/3/9 カ月)に対してプロットして
あります。t = 0 におけるすべての純度データを 1.0 と規格化し、他
のデータをそれに対する比で計算しました。アルギニンは 45°C で
3 カ月後に不安定性を示した唯一の CRM でした。この結果、アルギ
ニンの保管温度は 4°
C に下げられ、新しい AST を室温で始めました。
これに対して室温(約 23°C)では、すべての物質が 3 年以上にわた
る長期安定性テストで安定でした。
sigma-aldrich.com/qnmr
[4] ISO Guide 35:2006, Geneva, 2006.
[5] Bremser, W.; Becker, R.; Kipphardt, H.; Lehnik-Habrink, P.; Panne, U.;
Toepfer, A. Accred. Qual. Assur. 11 (2006) 489 – 495.
[6] Ellison, SLR.; Minguez, J.; Holcombe, G.D.; Curtis, D.; Barnes, N.
13th International Symposium on Biological and Environmental Reference
Materials (BERM 13), Vienna, 2013.
17
キャンディーに含まれる水分の定量
Hydranal® アプリケーション:キャラメル、ゼリー菓子、フルーツガムやフォンダンへの適用
カールフィッシャー(KF)滴定による水分の定量は、迅
速かつ、正確で信頼性の高い方法です。特に食品サンプ
ルの水分を定量する場合、KF 滴定は、従来の乾燥法に
対して、顕著な利点があります。食品サンプルを加熱乾
燥すると、メイラード反応というアミノ酸と還元糖との
反応が起こる可能性があります。このプロセスは非酵素
的で褐色化するプロセスですが、水が反応副生成物とし
て生成します。乾燥プロセスではこの水も検出されるた
め、定量結果に影響が出ます。さらに食品サンプル中に
含まれる揮発成分も蒸発し、乾燥後の重量に誤差が生
じます。一方、KF 滴定は揮発成分による影響を受けませ
ん。したがって食品産業のみならず、化学産業、医薬品
産業、石油化学産業でも、KF 滴定は広く用いられる技
法です。
菓子製品では、水分量が製品の安定性、質感、流動特性
に影響します。したがって水分量は、常に管理して、水
分の規格を維持しなければならない重要なパラメー
ターです。
全水分量を滴定する場合、サンプルは脱水溶剤に溶解
あるいは分散させなければなりません。溶解を促進する
には、ホルムアミドのような極性溶媒を加える方法、加
温器(サーキュレーターに接続した二重壁滴定容器)を
用いて脱水溶剤を約 50°C まで加熱する方法、またはホ
モジナイザー(分散装置)を滴定フラスコに設置して、
サンプルを脱水溶剤中で均質化あるいは懸濁させる方
法があります。メタノールの代わりにエタノールベース
の Hydranal®-コンポソルバー E も使用できますが、砂糖
を含むサンプルは溶けにくいので、滴定時間が長くなる
可能性があります。
キャラメル中の水分の定量
ソフトキャラメル(トフィー)のようなキャンディーの質
感は、水分量によって決まります。ソフトキャラメルは、
主としてスクロース、ミルク、スターチシロップ、転化糖
および脂肪から構成されており、平均水分量は 4 ∼
8%[1] です。一般に質感は、水分量が多ければ多いほど
柔らかくなるといった関係にあります。ベースとなる混
合物に、クリーム、はちみつ、チョコレート、ナッツやビ
タミンなど風味や品質を決める成分が加えられた後、成
形されます。
キャラメルは、室温ではメタノールベースの脱水溶剤に
容易には溶解しません。溶解を促進させるためにはいく
つかの手法があります。
・脱水溶剤に Hydranal-ホルムアミドドライのような極
性溶媒を加える。
・加温器を用いて 50°C で滴定する。
・ホモジナイザーを用いて、サンプルを脱水溶剤中で均
質化あるいは懸濁させる。
sigma-aldrich.com/hydranal
Titration
Andrea Felgner, Market Segment Manager [email protected]
18
このようなサンプルを完全に溶かすには数分かかると
こともあります。キャラメルが柔らかくなり指示電極に
付着して、終点検知できなくなり、過滴定となる可能性
もあります。また水分量が完全に定量される前に滴定が
終わってしまえば、誤った結果が生じます。このような
場合は、電極を洗浄し、新たに測定をやり直すことが必
要です。
アプリケーションレポート:キャラメル(L413)
Hydranal-メタノールドライ 20 mL と Hydranal-ホルミア
ミドドライ 20 mL、あるいは Hydranal-コンポソルバー E
20 mL と Hydranal-ホルムアミドドライ 20 mL を滴定フ
ラスコに入れ、50°C まで加熱し、Hydranal-コンポジット
5 で予備滴定を行います。
(無水状態になるまで滴定)
サンプルサイズ:約 0.25 g。サンプルは、シリンジ(針な
し)を使って簡単に採取することができます。
エタノールベースの溶剤の方がメタノールよりも適する
場合は、Hydranal®-コンポソルバー E が使用できます。
二液試薬 Hydranal-タイトラント(E)/ ソルベント(E)も
使用できます。
ガムおよびゼラチンキャンディー(グミ)中の水分の定量
ゼリー、ガムおよびグミの製造では、香りづけされた糖
溶液を、寒天、ペクチン、アラビアゴムおよびゼラチン
のような多糖類とともに加熱します。それを澱粉製の型
に流し込み、硬化したのち型から取り外すことで成形し
「グミ
ます[1]。最も有名なガムキャンディーはおそらく、
ベア」でしょう。本来グミベアはゼラチン製でしたが、
ゼラチンの代わりに、澱粉またはペクチンを用いた植物
製のものもあります。これらのキャンディーの水分量は
比較的高く平均 14 ∼ 18% で、これがガムのような歯ご
たえとなります[2]。
ゼラチン含有量の多いサンプルの場合、ナイフかハサミ
で非常に細かくカットする必要があります。弊社ラボで
は、サンプルを溶解するために脱水溶剤にホルムアミド
を加え、滴定フラスコを 50°C まで加熱することを推奨
しています。また、ホモジナイザーを使うこともおすす
めです。これにより滴定時間を 1 ∼ 2 分に短くすること
ができます。
アプリケーションレポート:ゼリー菓子(L402)
Hydranal-メタノールドライ 20 mL または Hydranal-ホル
ムアミドドライ 20 mL を滴定フラスコに入れて 50°C ま
で加熱し、Hydranal-コンポジット 5で無水状態にします。
サンプルサイズ:約 0.2 g。小さくカットしてください。
Titration
ホモジナイザーを使えば、サンプルの溶解と滴定時間を
短くできます。また、二液試薬 Hydranal-タイトラント /
ソルベントの組み合わせでも使用できます。
アプリケーションレポート:フルーツガムシュガークラ
スト(砂糖を塗したガム)
(L228)
フルーツガムは、アルコール系の脱水溶剤にはなかなか
溶けません。この場合もナイフかハサミで非常に細かく
カットすることを推奨します。サンプルを溶解するには、
脱水溶剤にホルムアミドを加える必要があります。滴定
を 50°C で行う場合、溶解時間は約 3 分、本滴定にさら
に 3 ∼ 4 分必要です。
Hydranal-メタノールドライ 20 mL または Hydranal-メタ
ノールラピッド 20 mL と Hydranal-ホルミアミドドライ
10 mL を 滴 定 フ ラ ス コ に 加 え て 50°C に 加 熱 し、
Hydranal-コンポジット 5 で、予備滴定を行います。
サンプルの大きさ:約 0.3 g。小さくカットしてください。
溶解時間は約 3 分で、Hydranal-コンポジット 5 で本滴
定します。二液試薬 Hydranal-タイトランと / ソルベント
の組み合わせでも使用できます。
sigma-aldrich.com/hydranal
19
フォンダンはメタノール系溶媒にはなかなか溶けませ
ん。脱水溶剤にホルムアミドを加える必要があります。
50°C に加温すると溶解性ががさらに高くなります。
注意:ホモジナイザーを使用する場合は、ホルムアミド
の添加と加温は不要です。弊社の調査では、この条件で
の滴定には 3 分かかりました。両方法とも同様の結果が
得られました。
アプリケーションレポート:フォンダン(スクロースお
よびグルコースシロップ)
(L322)
Hydranal®-メタノールドライまたは Hydranal-メタノール
ラピッド 20 mL および Hydranal-ホルムアミドドライ 20
mL を 滴 定 フ ラ ス コ に 加 え て 50°C ま で 加 温 し、
Hydranal-コンポジット 5 で予備滴定を行います。
サンプルサイズ:約 0.3 g。シリンジ(針なし)を使って
簡単に採取することができます。
ホモジナイザーを使った手順
Hydranal-メタノールドライまたは Hydranal-メタノール
ラピッド 40 mL を滴定フラスコに入れます。ホモジナイ
ザーのスイッチをオンにし、この状態のまま予備滴定を
行います。
サンプルサイズ:約 0.3 g。直ちに滴定を始めてくださ
い。サンプルが溶解したら、ホモジナイザーのスイッチ
を切ってもかまいません。
二液試薬 Hydranal-タイトラント / ソルベントの組み合
わせでも使用できます。ホモジナイザーを使う場合は、
Hydranal-ソルベント 20 mL および Hydranal-メタノール
ドライ 20 mL を脱水溶剤として使用します。
Cat. No.
Brand
Description
34805
Fluka®
Hydranal-Composite 5
34741
Fluka
Hydranal-Methanol dry
37817
Fluka
Hydranal-Methanol Rapid
34734
Fluka
Hydranal-CompoSolver E
34724
Fluka
Hydranal-Formamide dry
34801
Fluka
Hydranal-Titrant 5
34732
Fluka
Hydranal-Titrant 5 E
34800
Fluka
Hydranal-Solvent
34730
Fluka
Hydranal-Solvent E
表 1 推奨する Hydranal カールフィッシャー試薬
提供しているアプリケーションレポート
・L413 キャラメル
・L402 ゼリー菓子
・L228 フルーツガムシュガークラスト
・L322 フォンダン(スクロースおよびグルコースシ
ロップ)
Sigma-Aldrich® は、700 を超えるアプリケーションレポー
トを提供しております。全レポートリストは、sigmaaldrich.com/hydranal をご参照ください。アプリケー
ションレポートを入手されたい場合、あるいはお客様の
KF 測定にお手伝いが必要な場合は、下記へご連絡をお
願いします。
References
[1] Food Chemistry. 4th revised and extended Edition.
Belitz, H.-D.; Grosch, W.; Schieberle, P. Springer-Verlag Berlin
Heidelberg, 2009.
[2] Bundesverband der Deutschen Süsswarenindustrie e.V.
www.bdsi.de
技術サポートや製品に関する問い合わせ
テクニカルサポート
TEL:03-5796-7440 FAX:03-5796-7355
sigma-aldrich.com/hydranal
Titration
フォンダン中の水分の定量
フォンダンは砂糖の混合物で、イースターの季節には卵
の形、クリスマスにはペパーミントの香りづけなど様々
な形や色の菓子として知られています。砂糖の割合は最
大 90% です。この砂糖は溶解しにくい小さい結晶の形
(この結晶のためにフォンダンは白く見えます)で存在
し、この結晶は飽和砂糖溶液では高い粘性をもつ懸濁
液を形成します[2]。フォンダンの水分量は 10 ∼ 15% で、
加熱すれば溶解性も増して流動性を有するようになり
ます[1]。
医薬品有効成分
内部標準物質用の同位体ラベル化された医薬品有効成分
Matthias Nold, Product Manager Analytical Standards [email protected]
Sigma-Aldrich® は環境、食品、動物用医薬品等の分野の分析用に
API(医薬品有効成分)およびその主な代謝物に対する分析用標準
。
物質を提供しております(sigma-aldrich.com/pharmametabolites)
13
この製品群には、同位体ラベル( C および重水素)化合物もあり、
これらは内部標準液として使用することを想定しています。今回、
下記の同位体ラベル化合物 15 種が当社製品群に加わりました。
O
D
O
H3C
D
OH
N
H
OH
O
D
D
O
80317
Acetaminophen-(ring-d4)
D
69011
Acetylsalicylic acid-(methyl-d3)
F
D
D
D
D D
HO
N
D
CD3
D
D
D
NH2
O
NH2
• HCl
D D
HO
51754
Carbamazepine-2,3,4,6,7,8,10,11-d8
73483
Dopamine-1,1,2,2-d4 hydrochloride
N
N
N
D
D
OH
D
F N
N
N
D
Cat. No. Brand
Description
80317
Fluka®
Acetaminophen-(ring-d4)
Package
Size
5 mg
69011
Fluka
Acetylsalicylic acid-(methyl-d3)
5 mg
51754
Fluka
Carbamazepine-2,3,4,6,7,8,10,11-d8
5 mg
73483
Fluka
Dopamine-1,1,2,2-d4 hydrochloride
5 mg
56602
Fluka
Fluconazole-(dimethylene-d4)
5 mg
94491
Fluka
Hydrochlorothiazide-4a,5,6,7,8,8a-13C6
5 mg
39776
Fluka
Ibuprofen-(methyl-13C,d3)
5 mg
53196
Fluka
Levofloxacin-(N-methyl-13C,d3)
5 mg
39778
Fluka
Lidocaine-(diethyl-d10)
5 mg
96694
Fluka
Methotrexate-(methyl-13C,d3)
5 mg
51505
Fluka
Metronidazole-(ethylene-d4) hydrochloride
5 mg
92473
Fluka
(±)-Naproxen-(methoxy-13C,d3)
5 mg
04322
Fluka
Omeprazole-(5-methoxy-13C,d3)
5 mg
55598
Fluka
(R)-Phenylephrine-(methyl-d3) hydrochloride
5 mg
43825
Fluka
Salicylic acid-(phenyl-13C6)
5 mg
表 1 同位体ラベル分析標準液の新製品
56602
Fluconazole-(dimethylene-d4)
13
13
Cl
13
O
H2N
13
S
C
C
13
C
13
H
N
O
C
13
13
NH
C
C
O
O
O
94491
Hydrochlorothiazide-4a,5,6,7,8,8a-13C6
OH
CH3
S
H3C
O
F
CD3
O
N
D313C
39776
Ibuprofen-(methyl-13C,d3)
N
N
O
CH3
OH
D
D
N
CH3
OH
• HCl
D313CO
H
N
O
92473
(±)-Naproxen-(methoxy-13C,d3)
D D
51505
Metronidazole-(ethylene-d4) hydrochloride
H3C
S
D313CO
N
H
N
HO
OH
O
96694
Methotrexate-(methyl-13C,d3)
O
OCH3
13
CH3
OH
HO
C
H
N
N
CD3
• HCl
04322
Omeprazole-(5-methoxy-13C,d3)
NH2
O
39778
Lidocaine-(diethyl-d10)
NH2
N
NH
CD2CD3
N
CD2CD3
N
N
O
O
CH3
CH3
53196
Levofloxacin-(N-methyl-13C,d3)
N
O2N
CH3
OH
N
CD3
N
55598
(R)-Phenylephrine-(methyl-d3) hydrochloride
13
C
13
C
13
C
13
C
13
C
OH
OH
43825
Salicylic acid-(phenyl-13C6)
© 2014 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. SIGMA, SAFC, SIGMA-ALDRICH, ALDRICH, and SUPELCO are trademarks of Sigma-Aldrich Co. LLC, registered in the US and other countries.
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UltiMate are registered trademarks of Dionex Corporation.
本記載の製品および情報は2014年6月1日現在の情報であり、収載の品目、製品情報、価格等は予告なく変更される場合がございます。/最新の情報は、弊社Web
サイト(sigma-aldrich.com/japan)をご覧ください。/掲載価格は希望納入価格(税別)です。詳細は販売代理店様へご確認ください。/弊社の試薬は試験研究用
のみを目的として販売しております。医薬品原料並びに工業用原料等としてご購入の際は、こちらのWebサイト(sigma.com/safc-jp)をご覧ください。
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製品に関するお問い合わせは、弊社テクニカルサポートへ
TEL:03-5796-7330 FAX:03-5796-7335
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E-mail:[email protected]
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SAJ1733 2014.6
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