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歩車分離式信号の整備推進について

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歩車分離式信号の整備推進について
原 議 保 存 期 間 5 年
(平成29年3月31日まで)
警
視
庁
交
通
部
長
各 道 府 県 警 察 本 部 長
警 察 庁 丁 規 発 第 7 2 号
殿
平 成 2 3 年 4 月 2 0 日
(参考送付先)
警察庁交通局交通規制課長
各管区警察局広域調整(総務監察・広域調整)部長
歩車分離式信号の整備推進について
歩車分離式信号については、
「歩車分離式信号に関する指針の制定について(通達)」
(平成14年9月12日付け警察庁丁規発第86号。以下「指針」という。)により、各都
道府県警察において整備が進められているが、全信号機に対する歩車分離式信号の占
める割合は2.74%と、必ずしも十分ではない状況である。
他方、交通事故件数が減少する中で、平成22年中の信号交差点における歩行者事故
のうち歩行者に違反のない交通事故が約9割(13,295件)を占め、件数においても対
前年比及び対平成12年比が共に増加しており、この種の交通事故の防止に有効である
歩車分離式信号の早急な整備が望まれるところである。
各都道府県警察においては、これらの情勢を踏まえ、下記の点に留意し、歩車分離
式信号の整備に努められたい。
記
1
歩車分離制御導入の検討
交差点における歩行者事故の発生状況や当該交通事故の事故形態を基に、指針、
4で示された「歩車分離制御の導入を検討すべき交差点」に該当するものがないか
について改めて検討するとともに、管轄区域内のあんしん歩行エリアや通学路、バ
リアフリー重点整備地区等の交差点を含め、地域住民からの意見・要望に対しても
検討すること。
さらに、信号機を新設する場合には、歩車分離制御の導入を検討すること。
2
歩車分離制御の検討における留意事項
上記1の検討において、指針における考慮すべき条件、留意事項等に加え、以下
の点に留意し、導入を検討すること。また、他の都道府県警察における取組みを含
め、これまでの効果的な事例を参考とすること。(別添1参照)
(1)歩車分離制御の導入に伴う渋滞の回避
事前の交通量を進行方向別、曜日別及び時間帯別に詳細に調査し、信号のサイ
クル、スプリット及びオフセットをきめ細かく調整し、工夫することにより、渋
滞の発生を回避・緩和させることができることもあることから、安易に渋滞の発
生のおそれがあるとして歩車分離制御の導入を見送ることのないようにするこ
と。
(2)歩行者交通量の比較的少ない交差点への対応
歩行者交通量の比較的少ない交差点においては、押ボタン式の歩車分離制御に
より、歩車分離制御の導入に伴う交通処理容量の低下を大きく抑制することがで
きることから、積極的な導入を図ること。(別添2参照)
(3)歩行者交通量の比較的多い交差点への対応
歩行者交通量の比較的多い交差点においては、右折又は左折車両が横断歩行者
によって進行を遮られることにより、交差点処理容量が低下している場合もあり、
歩車分離制御の導入によって、交差点処理容量が向上する場合もあることから、
各交差点の交通実態の的確な把握に努め、積極的に導入を図ること。
3
歩車分離制御導入後の検証と的確な対応
歩車分離制御の導入後においても、継続的に渋滞や交通事故の発生状況を検証し、
これらの交通実態に応じてサイクル、スプリット及びオフセットをきめ細かく調整
することにより、渋滞発生等の回避に努めること。
4
整備計画の策定
平成22年度末における各都道府県警察の全信号機に対する歩車分離式信号の整備
率により、平成26年度末の目標値を別添3のとおりとする。
各都道府県警察においては、平成26年度末までの目標値に対して整備計画を策定
すること。
5
略
別添1
歩車分離式信号の整備事例
1
車両が交差点を右折してから横断歩道に到達するまでの距離が長い交差点におけ
る整備例
横断歩道に車両が到達する時には速度が高くなり、重大事故の発生が懸念される
ことから、車両の右折青現示と歩行者青現示を分離する。
変更前(2現示)
1 φ
変更後(3現示)
1 φ
2 φ
2
2 φ
3 φ
細街路の交通量が少ない交差点における整備例
細街路の交通量が少なく、細街路横断歩行者による信号無視が多発するため、歩
車分離制御を導入し、細街路を通行する車両に対する青の時間を短縮することで細
街路横断歩行者の待ち時間を短縮する。
変更前(2現示)
1 φ
変更後(3現示)
1 φ
2 φ
2 φ
3 φ
3
左折のカーブが緩やかな交差点における整備例
左折する車両の速度が高くなり、左折巻き込み事故や追突事故の発生が懸念され
ることから、車両の左折の現示と歩行者青の現示を分離する。
変更前(4現示)
1 φ
2 φ
変更後(5現示)
1 φ
2 φ
4
3 φ
3 φ
4 φ
4 φ
5 φ
時間帯により横断歩行者の通行量が変化する交差点における整備例
昼間は横断歩行者が多いが、夜間には少なくなることから、昼間のみ歩行者専用
現示とする歩車分離制御を導入し、夜間は標準2現示運用をする。
昼間(3現示)
1 φ
2 φ
3 φ
夜間(2現示)
1 φ
2 φ
別添2
押ボタン式歩行者専用現示方式の導入
歩行者交通量の少ない交差点では、歩行者専用現示方式の歩車分離制御を導入す
ることにより、1流入路当たりの処理可能交通量が約20%減少するが、押ボタン
付きの歩行者専用現示方式を採用した場合(3サイクルのうち、押ボタン押下によ
り、2回歩行者専用現示を表示すると想定)には、処理可能交通量の減少は約5%
に抑制できる試算となる(下表参照)。
また、歩行者用感知器を利用し、横断中の歩行者の有無で横断秒数を変更するこ
とにより、さらに無駄青時間を削減することも可能である。
3 φ
押ボタンが押下され
1 φ
2 φ
た時のみ歩行者専用
現示を表示
1 φ
押ボタンが押下され
なければ2φから1
φに戻る
改善効果の試算(1流入路当たり)条件は、平成14年歩車分離制御に関する調査研究報告書から
処理可能交通量 歩車分離なし 押ボタン化
歩車分離なし
(台/時)
との比率
処理可能交通量
との比率
(台/時)
歩車分離なし
1,658
100
−
−
スクランブル方式
1,188
71.7
※ 1,523
91.9
歩行者専用現示方式
※
1,320
79.6
押ボタンが3サイクルに2回押下されると仮定
※ 1,566
94.5
別添 3
歩車分離式信号の整備目標値
○全国整備数(建制順)
都道府県
北海道
青森県
岩手県
宮城県
秋田県
山形県
福島県
警視庁
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
神奈川県
新潟県
山梨県
長野県
静岡県
富山県
石川県
福井県
岐阜県
愛知県
三重県
滋賀県
京都府
大阪府
兵庫県
奈良県
和歌山県
鳥取県
島根県
岡山県
広島県
山口県
徳島県
香川県
愛媛県
高知県
福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
鹿児島県
沖縄県
計
○全国整備数(整備率順)
平成22年度末
歩車分離
信号機
整備数
整備率
ストック数
(基)
(基)
13,016
2,557
1,891
3,312
1,872
1,758
3,958
15,630
5,947
4,248
3,845
9,944
7,845
9,446
5,026
1,771
3,376
6,763
2,342
2,274
1,880
3,209
13,110
3,091
2,369
3,175
11,825
7,177
2,008
1,695
1,260
1,385
3,284
3,972
2,735
1,553
2,105
1,942
1,474
9,795
1,545
2,298
2,763
2,088
2,317
2,934
2,037
201,847
139
57
23
37
31
10
88
996
119
88
82
219
161
672
57
45
181
123
22
16
27
58
340
26
51
54
785
149
52
52
14
19
54
69
46
25
33
58
28
114
26
32
92
63
13
63
28
5,537
注)平成22年度末の数値については暫定値
1.07%
2.23%
1.22%
1.12%
1.66%
0.57%
2.22%
6.37%
2.00%
2.07%
2.13%
2.20%
2.05%
7.11%
1.13%
2.54%
5.36%
1.82%
0.94%
0.70%
1.44%
1.81%
2.59%
0.84%
2.15%
1.70%
6.64%
2.08%
2.59%
3.07%
1.11%
1.37%
1.64%
1.74%
1.68%
1.61%
1.57%
2.99%
1.90%
1.16%
1.68%
1.39%
3.33%
3.02%
0.56%
2.15%
1.37%
2.74%
平成26年度末目標値
平成26年度末目標値
整備率
3.00%
3.23%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.22%
7.37%
3.00%
3.07%
3.13%
3.20%
3.05%
8.11%
3.00%
3.54%
6.36%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.59%
3.00%
3.15%
3.00%
7.64%
3.08%
3.59%
4.07%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.99%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
4.33%
4.02%
3.00%
3.15%
3.00%
4.03%
必要数
(基)
251
26
34
62
25
43
40
156
59
42
38
99
78
94
94
18
34
80
48
52
29
38
131
67
24
41
118
72
20
17
24
23
45
50
36
22
30
19
16
180
20
37
28
21
57
29
33
2,600
都道府県
神奈川県
大阪府
警視庁
長野県
熊本県
和歌山県
大分県
愛媛県
愛知県
奈良県
山梨県
青森県
福島県
埼玉県
滋賀県
鹿児島県
群馬県
兵庫県
栃木県
千葉県
茨城県
高知県
静岡県
岐阜県
広島県
京都府
佐賀県
山口県
秋田県
岡山県
徳島県
香川県
福井県
長崎県
沖縄県
島根県
岩手県
福岡県
新潟県
宮城県
鳥取県
北海道
富山県
三重県
石川県
山形県
宮崎県
計
平成22年度末
整備率
整備率
7.11%
6.64%
6.37%
5.36%
3.33%
3.07%
3.02%
2.99%
2.59%
2.59%
2.54% +1%
2.23%
2.22%
2.20%
2.15%
2.15%
2.13%
2.08%
2.07%
2.05%
2.00%
1.90%
1.82%
1.81%
1.74%
1.70%
1.68%
1.68%
1.66%
1.64%
1.61%
1.57%
1.44%
1.39%
3.00%
1.37%
1.37%
1.22%
1.16%
1.13%
1.12%
1.11%
1.07%
0.94%
0.84%
0.70%
0.57%
0.56%
2.74%
−
8.11%
7.64%
7.37%
6.36%
4.33%
4.07%
4.02%
3.99%
3.59%
3.59%
3.54%
3.23%
3.22%
3.20%
3.15%
3.15%
3.13%
3.08%
3.07%
3.05%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
3.00%
−
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