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監査論における短答式試験攻略 監査基準,中間監査

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監査論における短答式試験攻略 監査基準,中間監査
監査論における短答式試験攻略
スケジュール
短答式試験では,監査論の基本的な
え方か
ら,実際の監査実務に関することまで幅広い出題
がなされます。また近年は,監査基準前文や,監
査基準,監査基準委員会報告書の文章がそのまま
われていたり,それらの文章の
埋めをさせた
りする問題も多く, 表されている基準などの重
11月号 監査とは何かを整理しよう
12月号 監査がどのように実施されるか整理しよう
1月号 監査意見と監査報告書を見てみよう①
「標準編 監査を詳しく理解する」
2月号 証券取引法監査を理解しよう
3月号 商法特例法監査を理解しよう
要性はますます高まってきています。
しかし,監査基準委員会報告書は,
「基本編 監査基準を中心に知識を整理する」
量が多
く,会計士試験の7科目のうちの1つとして監査
論を携えるとき,それらすべてに目を通すのは,
非効率であるとともに,危険ですらあります。す
べてに目を通そうとすれば,すべてが曖昧な知識
4月号 監査意見と監査報告書を見てみよう②
「対策編 短答式試験対策」
5月号 改正点などを中心とした直前対策
6月号 本試験対策①
6月号 本試験対策②
付録
となってしまい,本試験での判断を鈍らせること
さえあるからです。
まうと,1つ1つの文章を吟味するという能力が
そのため,監査基準,中間監査基準 について
身につきません。したがって,本試験において要
は,その すべてに目を通しておきたい ものです
求される,文章の正誤判断能力と文章の
が,監査基準前文,監査基準委員会報告書は,逆
力を身に付けながら,重要な内容を効率よく勉強
に重要な部
できるよう,今回のような形式を採用いたしまし
に って学習をすべきなのです。
そこで今回の講座では,
重要部
表されている基準の
が網羅できるように出題内容を
埋め能
た。
り込
なお,監査論においては,短答式試験と論文式
み,問題として提供するよう努めました。また,
試験は出題形式が違うだけのものです。短答式試
監査基準委員会報告書を基に出題したものについ
験で,論文式試験では問われないような内容が数
ては,あえて根拠条文を示さないことにし,余
問出題されることはあっても,それは合格のため
なことが気にならないように配慮いたしました。
には正答する必要の無い問題です。つまり,短答
埋め,
式試験の勉強は,すべて論文式試験の勉強であ
という2つの形式で出題しております。本試験直
そして,上記の内容を①正誤判断,②
り,また論文式試験の勉強も短答式試験の勉強な
前には,本試験と同じ形式の5択問題による出題
のです。
をする予定ですが,初めからこの形式に慣れてし
本講座では,論文式試験においても重要性の高
2004.11
11
い内容を取扱っています。受験生は,短答式と論
てください。監査の目的や監査人の独立性,正当
文式,と区別せず,①重要な言葉の定義を覚え,
な注意義務などは,短答式試験においても論文式
②重要な概念について理解することが重要なのだ
試験においても頻出する内容であり,監査論すべ
ということを忘れないで学習を進めてください。
ての土台となるものです。まさに監査論の原点で
第1回目の内容は,監査論
論です。そもそ
も,監査とは何か,いつ誰がどのように,なぜ行
す。1つ1つの内容をしっかり理解するようにし
てください。
うのか,といった根本的な点について整理してみ
▷監査とは何かを整理しよう
以下の文章の誤りを指
問題
誤りの理由
摘しなさい。
財務諸表監査の目的は,経営者の作成した
財務諸表監査の目的は,経営者の作成した
財務諸表が,一般に 正妥当と認められる企
財務諸表が,一般に 正妥当と認められる企
業会計の基準に準拠して,企業の財政状態,
業会計の基準に準拠して,企業の財政状態,
経営成績及びキャッシュ・フローの状況をす
経営成績及びキャッシュ・フローの状況をす
べて適正に表示しているかどうかについて,
べての重要な点において適正に表示している
監査人が自ら入手した監査証拠に基づいて判
かどうかについて,監査人が自ら入手した監
断した結果を意見として表明することにあ
査証拠に基づいて判断した結果を意見として
る。
表明することにある。
監査の究極的な目的として,利害関係者の
監査の究極的な目的としての利害関係者の
保護があげられる。これは,財務諸表の適正
保護とは,有価証券の価値自体を保証すると
性を確かめることで,その有価証券の価値を
いうことではない。誤った財務諸表を利用す
保証し,利害関係者の判断に資することがで
ることで利害関係者が意思決定を誤らないよ
きるという意味である。
うに,監査人は財務諸表の適正性を確かめる
のである。
財務諸表が適正であるということは,財務
財務諸表が適正であるということは,財務
諸表に虚偽の表示が一切ないことを意味して
諸表に重要な虚偽の表示が存在しないことを
いる。
意味している。
重要な虚偽の表示とは,利害関係者の意思
適正性を判断するための重要な虚偽の表示
決定を誤らせる可能性のある財務諸表上の欠
とは,利害関係者の意思決定を誤らせる可能
陥である。通常,利益の5%が重要性の基準
性のある財務諸表上の欠陥であるが,利益の
とされており,その金額を超える虚偽の表示
5%と決められているわけではない。
を重要な虚偽の表示と判断する。
虚偽の表示の原因には,不正と誤
と違法
虚偽の表示の原因には,不正と誤 と違法
行為がある。このうち,監査人が摘発すべき
行為がある。監査人は,重要な虚偽の表示を
ものは違法行為であり,監査人は職業的懐疑
摘発する責任を負っているため,その原因と
心を高めて対処する必要がある。
なる不正,誤 に対しても間接的に摘発責任
を負っている。なお,違法行為については,
それ自体を発見することが監査人の責任では
なく,重要な虚偽の表示につながる虞のある
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2004.11
問題
違法行為を発見した場合には,不正等を発見
した場合に準じて適切な対応をとる。
監査人は,不正や誤 を発見したときは,
監査人は,不正や誤 を発見したときは,
批判的機能を発揮して会計基準に従った会計
指導的機能を発揮して会計基準に従った会計
処理を行い財務諸表を作成するよう修正勧告
処理を行い財務諸表を作成するよう修正勧告
を行う。しかし,監査人の批判的機能には強
を行う。しかし,監査人の指導的機能には強
制力がないため,会社がその勧告に従わない
制力がないため,会社がその勧告に従わない
場合には,指導的機能を発揮して監査報告書
場合には,批判的機能を発揮して監査報告書
に否定的な意見を表明する。
に否定的な意見を表明する。
監査人は,適正な財務諸表が開示されるよ
財務諸表の作成,開示の責任は経営者にあ
うに指導的機能を発揮する。したがって,適
り,監査人は監査業務と表明した意見につい
正な財務諸表が 表されなかった場合には,
てのみ責任を負い,これを二重責任の原則と
経営者とともに責任を負うことになる。この
いう。したがって,重要な虚偽の表示が存在
ように監査人は監査報告書と財務諸表の両方
していること自体に責任を負うことは無い。
に責任を負うことになり,これを二重責任の
原則という。
財務諸表に重要な虚偽の表示が存在してい
財務諸表に重要な虚偽の表示が存在してい
るにもかかわらず無限定適正意見を表明した
るにもかかわらず無限定適正意見を表明した
場合,監査が適切に実施されなかったという
ことのみをもって監査人の責任が問われるこ
ことであるから,監査人は当然に責任を負
とはない。監査人の責任はあくまでも,監査
う。
業務において正当な注意を払ったかどうかで
判断される。
監査は誰にでも行うことができるものでは
監査は誰にでも行うことができるものでは
ない。監査人には,専門能力と実務経験が要
なく,専門能力と実務経験が求められてい
求されており,経験に基づいた独自の監査を
る。また,そのような監査人が監査基準に基
行う必要がある。
づいてその業務を行う。
監査基準は,監査実務の中に慣習として
監査基準は,監査実務の中に慣習として発
発達したもののなかから,一般に 正妥当と
達したもののなかから,一般に 正妥当と認
認められたところを帰納要約した原則であっ
められたところを帰納要約した原則であっ
て,職業的監査人は,財務諸表の監査を行う
て,職業的監査人は,財務諸表の監査を行う
に当たり,法令によって強制されなくとも,
に当たり,法令によって強制されなくとも,
常にこれを遵守しなければならない。したが
常にこれを遵 守 しなければならない。法定
って,レビュー業務においても,監査基準を
監査であるか任意監査であるかを問わず遵守
遵守しなければならない。
すべきであるが,レビュー業務については監
査基準の対象としていない。
監査人は,監査報酬を被監査会社から受
監査人は被監査会社からも利害関係者か
け取ることになるが,被監査会社に対して独
らも独立した立場にある。したがって,被監
立した立場でなければならない。そのため,
査会社の要求に応じて判断や意見を変えるこ
被監査会社には財務諸表監査のメリットはな
とはない。しかし,監査を受けていることが
にもない。
被監査会社の社会的信用力を向上させ,円滑
な取引や資金調達を可能にするなど,被監査
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問題
会社にもメリットはある。
監査人は常に
正不偏の態度で監査を行
正不偏の態度とは,被監査会社その他
わなければならない。これは,被監査会社そ
のすべての関係者からの影響と圧力を排除し
の他のすべての関係者からの影響と圧力を排
て,常に
除して,常に
平な立場から財務諸表の監査を実
平な立場から財務諸表の監査
施し,意見を表明しているという心の状態で
を実施し,意見を表明しているという心の状
あり,精神的独立性とも言われるが,正当な
態であり,正当な注意の一環である。
注意とは別の概念である。
監査人は企業の従業員ではないといった
外観的独立性は精神的独立性とともに,
身 上の独立性,あるいは企業と特別な経済
監査人に要求されている。監査業務上,精神
的利害関係がないという経済上の独立性が要
的独立性が本質的独立性とされているが,外
求される。これを外観的独立性といい,精神
観的独立性は精神的独立性に影響を与える要
的独立性とともに,監査人に要求されてい
因や可能性を排除することで精神的独立性を
る。しかし,監査業務上,精神的独立性が本
具体的に支えている。また,利害関係者に疑
質的独立性であるから,外観的独立性に関す
惑を抱かせるような外観を排除することによ
る法規制などは存在しない。
り監査に対する信頼性を保持している。さら
に,外観的独立性は法律による規制ができる
という点でも重要である。
監査人は業務上知り得た事項を漏洩して
監査人は業務上知り得た事項を漏洩しては
はならない。ただし,監査人の 代に当たっ
ならない。監査人の 代に当たっての前任監
ての前任監査人からの引継ぎなどやむをえな
査人からの引継ぎなどやむをえない場合には
い場合には守秘義務は要求されない。
関係者間の合意を得るなどにより,守秘義務
の解除を図る必要がある。
監査人は合理的な基礎に基づいて監査意
監査人は合理的な基礎に基づいて監査意見
見を表明する。合理的な基礎が得られた場合
を表明する。合理的な基礎が得られた場合に
には,無限定適正意見を表明する。
は,無限定適正意見,限定付適正意見,不適
正意見のいずれかを表明する。
かつ
合理的な基礎を形成するための十 かつ適
適切な監査証拠は,固有リスクおよび統制リ
合理的な基礎を形成するための十
切な監査証拠は,統制評価手続,実証手続に
スクの暫定評価手続,実証手続によって入手
よって入手された監査証拠で構成される。
された監査証拠で構成される。
現在の財務諸表監査は,リスクアプロー
現在の財務諸表監査は,リスクが高い項目
チと呼ばれる理論に基づく精密な監査である
には重点的に,低い項目には相応の監査手続
から,監査意見が間違っているということは
を実施するというリスクアプローチに基づい
ありえない。
ている。リスクアプローチによれば,重要な
虚偽の表示を看過することなく,かつ効率的
な監査が可能となる。しかし,監査リスクを
ゼロにすることはできず,監査意見が間違っ
ていることもある。
監査はリスクアプローチに基づいて実施
監査はリスクアプローチに基づいて実施さ
される。監査リスクは,固有リスク,統制リ
れる。監査リスクは,固有リスク,統制リス
スク,発見リスクから構成され,発見リスク
ク,発見リスクから構成されるが,固有リス
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2004.11
問題
をゼロにするように監査を行わなければなら
ク,統制リスクは会社側に存在するリスクで
ない。
あり,監査人はその程度を評価することはで
きるが直接変動させることはできない。そこ
で監査リスクを合理的な水準にするため発見
リスクを決定するが,発見リスクをゼロにす
ることはできない。
合理的な保証の水準,すなわち保証水準
と重要性の基準値は補数の関係にある。
合理的な保証の水準,すなわち保証水準と
補数の関係にあるのは監査リスクである。
リスクアプローチを採用する場合,監査
リスクアプローチを採用する場合,企業の
リスクを構成する各リスクの評価は監査の成
内部統制の存在は重要であるが,企業に内部
否の鍵となり,とりわけ企業の内部統制の存
統制が整備されていない場合であっても,意
在は重要である。そのため,企業に内部統制
見表明のための合理的な基礎を得ることは可
が整備されていない場合には,意見表明のた
能である。
めの合理的な基礎を得ることは不可能であ
る。
内部統制は,財務諸表監査を効率的に行
内部統制は,企業内部に設けられた仕組み
うために企業内に設置されるものであるた
であり,構築と維持の責任は経営者にある
め,内部統制の構築と維持の責任は経営者に
が,財務諸表監査のために存在しているわけ
ある。
ではない。
内部統制が有効に機能していれば,それ
内部統制が有効に機能していれば,それだ
だけ不正や誤 が減少する。したがって,有
け不正や誤 が減少する。しかし,内部統制
効な内部統制が構築されれば,統制リスクを
担当者の判断の誤りや不注意,想定していな
ゼロにすることができる。
かった取引が生じた場合,内部統制担当者の
共謀,経営者が内部統制を無視するなど,内
部統制には限界があり,統制リスクをゼロに
することはできない。
▷監査とは何かを整理しよう
次の文章の(
問題
)に
解 答
言葉を入れなさい。
財務諸表の表示が適正である旨の監査人の
財務諸表の表示が適正である旨の監査人の
意見は,財務諸表には,全体として重要な虚
意見は,財務諸表には,全体として重要な虚
偽 の 表 示 が な い と い う こ と に つ い て,
偽の表示がないということについて,(合理
(
)を得たとの監査人の判断を含ん
でいる。
いる。
合理的な保証を得るとは,財務諸表には経
営者による(
的な保証)を得たとの監査人の判断を含んで
)や判断に基づく情報が
多く含まれていること,
(
合理的な保証を得るとは,財務諸表には経
営者による(見積り)や判断に基づく情報が
)には状
多く含まれていること,(内部統制)には状
況によって機能しないという限界があるこ
況によって機能しないという限界があるこ
と,監査が原則として(
と,監査が原則として(試査)により実施さ
)により実施さ
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解 答
問題
れること,職業的専門家としての判断を多く
れること,職業的専門家としての判断を多く
の局面で要求されること等の条件がある中
の局面で要求されること等の条件がある中
で,財務諸表には全体として重要な虚偽の表
で,財務諸表には全体として重要な虚偽の表
示がないことについて絶対的ではないが
示がないことについて絶対的ではないが(相
(
)の心証を得ることを意味してい
る。
当に高い程度)の心証を得ることを意味して
いる。
)とし
監査基準は,監査実務の中に(慣習)とし
て 発 達 し た も の の な か か ら,一 般 に
監査基準は,監査実務の中に(
て発達したもののなかから,一般に( 正妥
(
)
当)と認められたところを(帰納要約)した
した原則であって,職業的監査人は,財務諸
)と認められたところを(
原則であって,職業的監査人は,財務諸表の
表の監査を行うに当たり,(
)によって
監査を行うに当たり,(法令)によって強制
強制されなくとも,常にこれを遵守しなけれ
されなくとも,常にこれを遵守しなければな
ばならない。
らない。
監査人としての責任の遂行の基本は,職業
的専門家としての(
る。その中で,(
実施,
(
)を払うことにあ
)の策定から,その
)の評価,(
監査人としての責任の遂行の基本は,職業
的専門家としての(正当な注意)を払うこと
にある。その中で,(監査計画)の策定から,
)の形成に
その実施,
(監査証拠)の評価,
(意見)の形
至るまで,財務諸表に重要な虚偽の表示が存
成に至るまで,財務諸表に重要な虚偽の表示
在する虞に常に注意を払うこと,職業的懐疑
が存在する虞に常に注意を払うこと,職業的
心を保持すべきことが求められる。
懐疑心を保持すべきことが求められる。
監査人は(
)等について特段の注意を
払うとともに,監査の過程において(
等を発見した場合には,(
監査人は(不正)等について特段の注意を
)
払うとともに,監査の過程において(不正)
)等に適切
等を発見した場合には,(経営者)等に適切
な対応を求めるとともに,その(
)
な対応を求めるとともに,その(財務諸表)
への影響について評価しなければならない。
への影響について評価しなければならない。
(
)については,それ自体を発見
(違法行為)については,それ自体を発見
することが監査人の責任ではなく,その判断
することが監査人の責任ではなく,その判断
には法律の専門的な知識が必要となることも
には法律の専門的な知識が必要となることも
多い。また,違法行為は必ずしも財務諸表の
(
)の原因となるものではないが,
監査人が(
)につながる虞のある違
法行為を発見した場合には,
(
多い。また,違法行為は必ずしも財務諸表の
(重要な虚偽の表示)の原因となるものでは
ないが,監査人が(重要な虚偽の表示)につ
)等を発
ながる虞 のある違法行為を発見した場合に
見した場合に準じて適切な対応をとることに
は,(不正)等を発見した場合に準じて適切
なる。
な対応をとることになる。
リスクアプローチに基づく監査の実施にお
いては,
(
)を合理的に低い水準に抑
えることが求められる。ここで(
リスクアプローチに基づく監査の実施にお
いては,
(監査リスク)を合理的に低い水準
)と
に抑えることが求められる。ここで(監査リ
は,監査人が財務諸表の重要な虚偽の表示を
スク)とは,監査人が財務諸表の重要な虚偽
看過して,誤った意見を形成する可能性をい
の表示を看過して,誤った意見を形成する可
う。
能性をいう。
監査リスク は(
16
)
,
(
),
監査リスクは(固有リスク)
,
(統制リス
2004.11
解 答
問題
(
)か ら 構 成 さ れ て い る。
(
)と は,関 連 す る(
ク),
(発見リスク)から構成されている。
)が
(固有リスク)とは,関連する(内部統制)
存在しないとの仮定の上で,財務諸表に重要
が存在しないとの仮定の上で,財務諸表に重
な 虚 偽 の 表 示 が な さ れ る 可 能 性 を い う。
要な虚偽の表示がなされる可能性をいう。
(
)とは,財務諸表の重要な虚偽の
表示が企業の内部統制によって(
(統制リスク)とは,財務諸表の重要な虚偽
)又は
の表示が企業の内部統制によって(防止)又
(
)されない可能性をいう。また,
は(適時に発見)されない可能性をいう。ま
(
)とは,企業の内部統制によって
た,(発見リスク)とは,企業の内部統制に
(
)されなかった財務諸表
よって(防止)又は(発見)されなかった財
の重要な虚偽の表示が,
(実証手続)を実施
)又は(
務諸表の重要な虚偽の表示が,
(実証手続)
してもなお発見されない可能性をいう。
を実施してもなお発見されない可能性をい
う。
監査上の重要性は,(
査 の 実 施,(
(
)の策定と監
監査上の重要性は,(監査計画)の策定と
)の 評 価 な ら び に
監 査 の 実 施,
(監 査 証 拠)の 評 価 な ら び に
)のすべてにかかわる監査人の判断
(意見形成)のすべてにかかわる監査人の判
の基準である。
断の基準である。
監査リスクと監査上の重要性との間には
監査リスクと監査上の重要性との間には
(
)がある。すなわち,他の条件が一
(相関関係)がある。すなわち,他の条件が
定であれば,当初決定された監査上の重要性
一定であれば,当初決定された監査上の重要
のもとで評価された監査リスクは,監査上の
性のもとで評価された監査リスクは,監査上
重要性が変 されると,それに応じて変化す
の重要性が変 されると,それに応じて変化
ることになる。具体的には,監査人が監査上
することになる。具体的には,監査人が監査
の重要性を当初よりも大きくした場合には,
上の重要性を当初よりも大きくした場合に
監査リスクは当初の水準よりも(
)な
は,監査リスクは当初の水準よりも(低く)
り,また,監査上の重要性を当初よりも小さ
なり,また,監査上の重要性を当初よりも小
くした場合には,監査リスクは当初の水準よ
さくした場合には,監査リスクは当初の水準
りも(
よりも(高く)なる。
)なる。
内部統制とは,
(
高め,企業の(
)を
内部統制とは,
(事業経営の有効性と効率
)し,
性)を高め,企業の(財務報告の信頼性を確
)ことを目 的
保)し,かつ,
(事業経営に係る法規の遵守
として企業内部に設けられ,企業を構成する
を促す)ことを目的として企業内部に設けら
者のすべてによって運用される仕組みであ
れ,企業を構成する者のすべてによって運用
る。
される仕組みである。
かつ,
(
内部統制は,経営者の経営理念や基本的
内部統制は,経営者の経営理念や基本的経
経営方針,取締役会や監査役の有する機能,
営方針,取締役会や監査役の有する機能,社
社風や慣行などからなる(
)
,企業
風や慣行などからなる(統制環境),企業目
目的に影響を与えるすべての経営リスクを認
的に影響を与えるすべての経営リスクを認識
識し,その性質を 類し,発生の頻度や影響
し,その性質を
を評価する(
評価する(リスク評価の機能)
,権限や職責
),権限や職責の付
与及び職務の 掌を含む諸種の(
)
,
必要な情報が関係する組織や責任者に,適
類し,発生の頻度や影響を
の付与及び職務の 掌を含む諸種の(統制活
動),必要な情報が関係する組織や責任者に,
2004.11
17
解 答
問題
宜,適 切 に 伝 え ら れ る こ と を 確 保 す る
(
適宜,適切に伝えられることを確保する(情
)
,これらの機能の状況が常時監視
報・伝達の機能)
,これらの機能の状況が常
され,評価され,是正されることを可能とす
時監視され,評価され,是正されることを可
る(
)という五つの要素から構成さ
能とする(監視活動)という五つの要素から
れ,これらの諸要素が経営管理の仕組みに組
構成され,これらの諸要素が経営管理の仕組
み込まれて一体となって機能することで,目
みに組み込まれて一体となって機能すること
的が達成される。
で,目的が達成される。
監査人は自己の意見を形成するに足る合
理的な基礎を得るために,
(
(
)
,
(
),(
)
,(
),
)及 び
(
)等 の 監 査 要 点 に 適 合 し た
(
)を入手しなければなら
ない。
監査人は自己の意見を形成するに足る合理
的 な 基 礎 を 得 る た め に,
(実 在 性)
,(網 羅
性),
(権利と義務の帰属),
(評価の妥当性)
,
(期間配
の適切性)及び(表示の妥当性)
等の監査要点に適合した(十 かつ適切な監
査証拠)を入手しなければならない。
短答式 特訓ゼミ 講師のご紹介
(いしい かずひと)
1959年東京都生まれ。1982年,明治大学商学部
商学科卒業。1986年, 認会計士登録。筑波技
術短期大学非常勤講師。日本 認会計士協会情
報システム委員会副委員長,同協会監査基準委
員会委員等を歴任。
現在, 認会計士桜友共同事務所代表構成員,
クレアール会計士アカデミー講師(会計士2次
試験対策講座 財務諸表論)
。
著書に,「 認会計士2次試験非常識合格法」(すばる舎),
「わかりや
すい新企業会計基準」,
「 かる会社はここがちがう」
(共著,経済法
令研究会),
「 認会計士試験 財務諸表論演習セレクト40題」,「 認
会計士試験 短答式理論科目集中トレーニング」(中央経済社)など
がある。
(いしい ひろし)
1956年 鳥取県生まれ。
1981年 大阪大学大学院修士課程終了。
株式会社日立製作所入社。
1990年 学 法人法商学園勤務。
現在クレアール会計士アカデミー専任講師とし
て, 認会計士試験の商法と民法を担当。「目
から鱗(うろこ)が落ちる」授業を心がけてい
る。
18
(ひらばやし りょうこ)
千葉県生まれ,1994年 県立千葉高 卒業,
1998年 お茶の水女子大学 文教育学部 地理
学科卒業。大学在学中に 認会計士2次試験に
合格する。太田昭和監査法人(現新日本監査法
人)入所。2000年
認会計士3次試験合格,
独立,現在,平林 認会計士事務所所長
▷企業の会計指導,個人会計のアドバイスなど
を行うかたわら,ビジネススクール,大学等で
教壇にも立つ。著書に『簿記こんなにカンタン』
(すばる舎),
『 認
会計士試験監査論演習セレクト40』
(中央経済社)
,
『 認会計士試験
短答式理論科目集中トレーニング』
(中央経済社)
,
『リッチな人生の
ための黄金の泉と7つの教え』
(インデックス・コミュニケーション
ズ)などがある。
☆私たちにおまかせ下さい。全力で指導します
2004.11
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