...

水田雑草について

by user

on
Category: Documents
12

views

Report

Comments

Transcript

水田雑草について
水田雑草
水田雑草について
Vol.109_水田雑草 について.jtd
クログワイ
(カヤツリグサ科)多年草
↑花(小穂)
幼苗
塊茎→
生態
発生時期 6~11月
(多年草)
特徴
もともとは、水位変動の少ないため池や沼沢地に生育する。風や波の強い
ところでは生育しにくい。
塊茎より細い針金状の茎が発生し、続いて太い茎に変わる。
茎は分けつして株になり直立する。高さは40~70㎝で、軟らかく、内部は
空洞。2~4㎝間隔で横の隔膜で仕切られている。
夏から秋にかけ、茎の先に細長い円柱形の淡緑褐色をした小穂をつける。
繁殖方法
塊茎(いも)で増殖
草丈が10~20㎝になり太い茎が伸び始めると、地下茎が伸びて先に塊茎を
つくり、分株を始める。夏から秋にかけて塊茎は増える。
塊茎の寿命は5年ほどあるといわれており、60%程度が地表から10~20㎝
の所に発生するが30㎝ぐらいのものもあり、深い。
防除
発生が多い場合のポイント
○栽培期間の防除+稲刈り後の防除の組合せが重要
塊茎が土の中に残るので、新たな塊茎の発生を抑えるため、稲刈り後の秋口から
11月上旬頃までに耕起して、いもを腐らせる。
稲刈り後に除草剤を組み合わせる場合は、ラウンドアップハイロードなどを伸びた
茎に十分散布することで効果がでる(稲刈りが遅く、クログワイが再び伸びない時期
なら、高刈り(地上20㎝)して散布する)。
ラウンドアップなどの浸透移行性で生長点に作用する薬剤は、寒くなって、雑草の
生長が鈍ると効果が低くなるので、10月中ぐらいには散布する方が効果が高い。
なお、散布後10日以後に耕起を行う事がポイント。
Vol.109_水田雑草 について.jtd
ホタルイ(イヌホタルイ)
(カヤツリグサ科)多年生~1年草
幼苗↑
小穂↑
生態
発生時期 4~10月
(水田では1年生)
特徴
種子から平たくて細長い本葉が波状に屈曲して出る。この葉が4~6枚出
た後に、花を付ける円柱状の茎が伸びる。イヌホタルイはほふくする茎は
持たず、単独の株を作る。
草高は20~60cmになり、夏頃に茎の先に円錐状の小穂がつく。
繁殖方法
水田では種子から発芽。芽が出てから30~50日で穂がつく。
種子には休眠性があり、冬の低温にあった後、休眠が覚める。発芽適温
は30℃前後だが、15℃くらいでも発芽可能で、田植え後数日で芽が出る。
水田で芽が出る種子の深さは、地面から1cmくらいまでで、深いところ
にある種子の多くは発芽せず休眠する。
種子は、条件が良いと10~20年の寿命があるといわれている。
防除
発生が多い場合のポイント
○SU系除草剤抵抗性のイヌホタルイに注意
スルホニルウレア系除草剤(SU剤)は、ほとんどの水稲用一発処理剤に含まれ
ているが、SU剤が効果を示さない抵抗性雑草がでてきている。
同じ除草剤を長年使い続けてきた水田で、最近特定の雑草が
異常に多く残ってしまうという場合、抵抗性雑草の可能性がある。
抵抗性のイヌホタルイは今までのSU系除草剤では効果が期待できないので、
抵抗性のものにも効果のある成分が入った除草剤を使う必要がある。
○薬剤防除の効果を上げる管理
発芽する種子は田面から浅い層にあり、発芽が揃うため、通常は初中期の除草
剤でかなり防除できる。一発剤は草が生えてからでは効果が低いので、散布のタイ
ミングを逃さない、また田面を均平に、漏水しないようなほ場にする。
稲刈り後は、これ以上落ちる種を増やさないように、再び生えてきたものに、
ラウンドアップハイロードなどの除草剤を散布することで一定の効果がある。
Vol.109_水田雑草 について.jtd
コウキヤガラ
(カヤツリグサ科)多年生
小穂→
←幼苗
←塊茎
生態
発生時期 5~10月
(多年草)
特徴
耐塩性が強く、海岸近くの湿地や水辺などに生育するが、干拓地の水田等
にも発生して問題となっている。茎は三角で単生し、高さ20~100cm。基部
が膨れ、1~3cmの塊茎を作る。葉は少なく、幅2~5㎜の細長い線形。
茎に付く小穂は、赤褐色または黄褐色で光沢があり卵型をしている。
花期は7~10月。芽が枯れても多くの塊茎は再度発芽し、芽の出る期間が
長いので一斉防除がしにくい。
繁殖方法
種子もつくるが、水田では種子ではほとんど発生できない。主に塊茎から
発生し、根もとから地下茎が伸び先に新しい株をつくる。 1本から10以上
の株ができることもある。 株の根本が膨らみ、新しい塊茎になる。
6月中下旬から新しい塊茎ができはじめる。塊茎は条件が良いと20年の寿
命がある。塊茎は地表から平均3~5㎝あたりにできる。
防除
発生が多い場合のポイント
○栽培期間の防除+稲刈り後の防除の組合せが重要
だらだら発生するので、田植え後初期の一発処理剤だけでは防除しにくい。中期の薬
剤との組み合わせが必要。
中期剤ではバサグラン液剤などのベンタゾン剤が効果があるが、他の雑草と異なり
コウキヤガラの場合は10㎝以下の小さな株には効果が低く、20~40㎝の高さのとき最
も効果が高い。ベンタゾン剤で地上部が枯れた塊茎は、再度発芽しない。
なお、手で抜いた場合は、捨てた株の地上部が乾いて枯れていても、塊茎が再び田
にはいると芽が出るので、かならずほ場から外に出す。また、塊茎が土の中に残るの
で、塊茎が太るのや、新たな塊茎の発生を抑えるため、稲刈り後の秋口から11月上
旬頃までに耕起して、いもを腐らせる。稲刈り後に除草剤を組み合わせる場合は、ラ
ウンドアップハイロードなどを伸びた茎に十分散布することで効果がでる。
ラウンドアップなどの浸透移行性で生長点に作用する薬剤は、寒くなって、雑草の
生長が鈍ると効果が低くなるので、11月上旬までには散布する方が効果が高い。
なお、散布後10日以後に耕起を行う事がポイント。
Vol.109_水田雑草 について.jtd
Fly UP