...

Keep Active!

by user

on
Category: Documents
14

views

Report

Comments

Transcript

Keep Active!
講座のスタート時に、参加者それぞれの体力測定を行い、測定結果と本人の希望により一般的体力群/
中体力群/高体力群の3グループに編成する。体力に応じた各種プログラムを組み合わせて、各グループ
に適切なメニューを構成する。
初秋から晩秋にかけての、毎週土曜の朝。朝霞キャンパス総合体育館には、
スポーツウエアに身を包んだ中高年の皆さんが元気に集まってきていた。
「おはようございます!」
色鮮やかなショッキングピンクのTシャツで、揃って出迎えるのは、健康スポーツ
学科の学生たち。参加者も、出迎える側も、こうして挨拶を交わす時、毎回毎回、
自然と笑顔がこぼれる。「運動」は、得意な人も苦手な人もいる。けれど、自分に
合った方法を見つけて、みんなで一緒に体を動かすことは、とても楽しい時間であ
ることを、
ここに来る仲間たちは知っている。
その楽しさは、若くても歳をとっても変わらない。さあ、今日もアクティブに行こう!
Keep Active!
PROJECT by Department of Health Care and Sports
「Keep Active」とは、朝霞キャンパス近隣にお住まいの中・
かし、健康スポーツ学科の学生が主体的に企画の実施・運営を
高年齢者を対象にした健康体力づくり講座。ライフデザイン学
務めた。 内容は、参加者それぞれの状態に合わせた運動プログ
部の中期目標・中期計画実践事業の一環として、地域社会へ
ラムの作成や運動指導、測定データの集約や分析などのほか、
の貢献と学生の運動指導能力の向上、多様な対象への運動
募 集 告 知や、事 務 作
指導の実習機会を得ることを目標に、2009年度から行われてい
業、開講式・閉講式の
るプログラムだ。運動不足になりがちなシニア世代のアクティブ
準 備 …と実に幅 広い
ライフの実現をサポートすることを目的とした、
さまざまな運動プロ
もの。 実 質、約 4カ月
グラムを用意し、50~60代の約 50名を対象に開講している。
間にわたる取り組みと
2010年度は、9月11日
(土)
から11月13日
(土)
の期間、計
なった。
★ エアロビクスダンス
★ ニュースポーツ
エアロビは簡単にできそうでいて、リズム感が求
一般的には、20世紀以降に新しく考案・改良・
められ、かなりハードなスポーツ。 高体力群のメ
紹介されたものを「ニュースポーツ」と呼ぶ。 数
ニューだが、踊った後の爽快感は格別!
★ レジスタンストレーニング
筋力の強化を目的としたエクササイズ。ダンベ
ルなどを使用するウエイトトレーニングの印象が
強いが、年齢に応じたプログラムを組めば、歩行
Program
第 1回 体力測定①、救急時対処法の実習①
第 2回 体力測定②、救急時対処法の実習②
第 3回 開講式
第 4回
第 5回
第 6回
レクリエーション
(アイスブレイク)、
グルーピング用測定
太極拳、
エアロビクス、筋力トレーニングの
コース毎に運動プログラム実施①
コース毎に運動プログラム実施②
百種類にもおよぶともいわれるが、今回は「イン
ディアカ」と「ユニバーサルホッケー」をチョイス。
どれも気軽に楽しめるものだ。
★ 太極拳
もともとは武術である太極拳だが、気血の流れを
の際の転倒防止などにも役立つ効果的な運動
良くし、体内バランスを理想的な状態に保つた
になる。
め、健康・長寿に効果的。 基礎代謝を高めてダ
★ レクリエーション
「一人でなく、みんなでできるから楽しい」と参加
イエットや若返りの効果もあるそう。 一般的体力
群であっても十分取り組める。
者。 一番の楽しみはレクリエーション、という声
★ ストレッチング&コンディショニング
も多し。
肩こりや腰痛に効果的なストレッチ。 年代を問わ
ず、疲労を感じたら、体をほぐしておくことが大切。
第 7回 コース毎に運動プログラム実施③
第 8回 コース毎に運動プログラム実施④
第 9回 体力測定③
第 10回ワークショップ、閉講式
10回実施。 2年目となった今回は、前年の経験やノウハウを活
スポーツと健康の関わりとは?
スポーツクラブは盛況、街にはジョギングしている人を実に多く見かけるようになった。
それらは運動選手ではなく、
ごく一般の人。近年、
スポーツをめぐる状況が変化しつつあるようだ。
人のつながりこそ、健康の資源
これまではスポーツというと勝ち負けを競う競技スポーツが中心でし
たが、現在は健康づくりのためのジョギングやウォーキング、またコミュニ
小中学校における体育時間の短縮化や子ども時代の遊びの変化(戸
外からゲームへ)
などともに低下しており、大きな課題となっています。
時間と場の設定が大切!
ケーションを目的とするニュースポーツやレクリエーションが加わって新
まずは、どの世代の方も、生活の時間帯に運動やスポーツの時間を
たなスポーツカテゴリーを構成しています。
組み込むことに努力してください。 手帳のスケジュールに運動やスポー
最近、健康科学の分野では人のつながり自体が健康の資源(ソーシ
ツを実施する時間を書き込むことを始めてみてはいかがでしょうか?
ャルキャピタル)となることが注目されています。スポーツはそれ自体が
そして、次は場の設定。 余裕があれば、スポーツクラブに行ったりテ
身体的な健康のためのツールですし、ストレス解消効果など精神的な
ニス教室に通ったりするのもよいでしょう。また一人でのスポーツは続
健康とも関係しています。そしてスポーツを通じて作られる人間関係は
きませんから、仲間をつくることが大切です。 友達や家族、職場の同僚
まさしく人々にとってのソーシャルキャピタルとなります。とくに高齢化
を誘ってみることをお勧めします。
社会において、
「スポーツと健康」は大変重要な要素です。
「Keep Active」への期待 ――
シルバー世代の体力は向上。一方、若者の体力は…
このプログラムを通じて学生が地域に関して関心を持ち、健康づくり
どの世代であっても体力には格差がありますが、実は、
この 10年ほど
の面白さや意義についても感じてくれることを期待しています。そして
シルバー世代の健康度や体力が、すべてのライフステージの中で唯一
何より東洋大学に健康スポーツに関する学科あることを朝霞市やその
向上しています。 余暇時間の増大や健康に関する関心度の高まりが
周辺の市民の皆さんに知っていただきたいですね。 現在は期間限定
背景にあるのでしょう。 一方、大学生をはじめとする「若者」の体力は、
プログラムですが、今後は 1年を通じた内容に拡充して、大学が地域に
「一度体を壊して、健康に気
を配るようになり、それをきっ
らか。 明るさの秘訣は健康にあるという。「若いこ
ろから運動神経がいいわけではないから、人前で運
かけに運動を始めた」という、浦田泰子さん。この
日は台風直撃の悪天候だったが、息子さんが「休ん
じゃいけないよ」と送迎してくれたそう。 家族からも
動をするのは、実は緊張するの」と語るのは成光和
子さん。「でも、この程よい緊張感の中で体を動か
すと気持ちが乗ってきてとても楽しい。ほかの参加
運動に積極的に取り組むよう、勧められているそう
だ。 一方、子育てを終え、旅行や習い事など趣味
者の皆さんや若い学生と一緒に過ごせることが大
きな張り合い」。 参加者の皆さんはそろって「きまっ
を楽しむ平野美恵子さんは「前向きに過ごすために
も、健康でなくちゃ。だから運動しなければね」
と朗
た場があるから頑張れる」とコメント。 年間を通して
開講して欲しいとの希望も口々に上がった。
VOICE
STAFF
高齢者の腹筋の回数
65∼69歳男性
12
75∼79歳男性
10
8
65∼69歳女性
75∼79歳女性
6
3
98年度 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09
出典:文科省調査
このプログラムには健康スポーツ学科の教員および100名近くの学生が参加。
中でも中心的に運営に携わった皆さんと、10/30の講座に参加した先生方です。
「毎週、楽しみにしているのよ!と声をか
開く、本格的な地域貢献事業へと成長することを目指しています。
16 (回)
14
▶
相手とのコミュニケーション。 学生はとても
けてくれる皆さんの笑顔が嬉しくて。この嬉
積 極 的で、頼もしいですね」
(髙尾先生)
しさに応えたくて色々な工夫をしながら運営
と、陰で支える先生方も、このプログラムを
してきました」
と、学生スタッフ。「インストラ
通じた学生の成長ぶりを語ってくれた。
クターの資格を持っている学生も多いので
すが、
まだ実践が少ないため、想定されたシ
interview
ライフデザイン学部 健康スポーツ学科
齊藤 恭平 教授
チュエーションでのノウハウしかありません。
(写真後列左から)
髙尾将幸助教、神野宏司教授、岩本紗由美准教授、古川覚准教授
浦川敏史さん
(4年)
、安藤将宏さん
(2年)
、山中 陽さん
(3年)
出川 尚さん、桐越由美さん、山崎奈美さん
(以上 4年)
、鈴木智子講師
この講座を通じて柔軟に対応する力をぐん
ぐん身につけていると感じます」
(鈴木先
生)、
「スポーツを教えるのに重要なのは、
2010年、彼らの日々の奮闘を綴ったブログ。来年もお楽しみに!→ http://ameblo.jp/ka-2010/ 08
TOYO UNIVERSITY NEWS
TOYO UNIVERSITY NEWS
09
Fly UP