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5年算数「四角形と三角形の面積」s048(PDF:366KB)

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5年算数「四角形と三角形の面積」s048(PDF:366KB)
プログラムを取り入れた指導事例(小学校5年 算数)
第5学年 算数科学習指導案
1 単元名
四角形と三角形の面積
2 単元について
(1)単元観
本単元は,学習指導要領第5学年の内容
B
量と測定
(1)図形の面積を計算によって求めることができるようにする。
ア
三角形,平行四辺形,ひし形及び台形の面積の求め方を考えること。
を受けて設定したものである。
これまで児童は,長方形,正方形の面積の求め方を中心に,面積の概念とその単位の理解から面
積公式を導いてきている。また,垂直と平行の定義の理解やかき方とともに,平行四辺形や台形,
ひし形の定義,性質,かき方等も学習し,また,対角線についても理解してきた。
本単元では,これらの既習内容を基にして,平行四辺形,三角形,台形及びひし形などの基本図
形の面積の求め方や公式についての理解を深めることをねらいとしている。
求積の学習の際に想定されることとして,公式を忘れてしまった場合,自力で作り出すことがで
きない,また,公式は覚えていても,公式の見方や自在な活用力がのびていかないといったことが
考えられる。従って,まず等積変形による平行四辺形の面積の公式を確立させることで,既習であ
る長方形に帰着しやすいようにする。その後,三角形や台形などの面積を平行四辺形に変形するな
どして求めるといった順序で学習を進めていく。このような学習の流れから,すでに求め方がわか
っている既習の図形にどのように帰着するのか,そして公式がどんな過程で導き出されたのかを筋
道立てて多様に考えたり,表現したりする力を身につけさせていく。
さらに,単なる公式適用による問題に終わらせないようにするために,各図形の求積に必要な要
素や数値を見抜き,児童自ら必要な要素,数値を選んだり,はかったりして解決にあたる態度を育
てたい。必要な数値のみを与えられて解くことに慣れてしまった児童に対しては,条件過多等の問
題を与え,公式の自在活用力を伸ばしていくことに重点を置きたい。
本単元の系統は以下の通りである。
〔4年〕
④垂直・平行と四角形
・垂直・平行の定義,かき
方
・台形・平行四辺形・ひし
形の定義,性質,かき方
・対角線の定義
⑪面積のはかり方と表し方
・広さの表し方
・長方形と正方形の面積
・大きな面積の単位
1a(アール)1ha(ヘクタール)
1k ㎡=1000000 ㎡
〔5年〕
⑪四角形と三角形の面積
・平行四辺形の面積の求め方
・三角形の面積の求め方
・台形の面積の求め方
・ひし形の面積の求め方
・高さと面積の関係
・方眼を利用した不定形の面
積の求め方
〔6年〕
①円の面積
・円の面積の求め方
円の面積=半径×半径
×円周率
⑩およその面積
⑬正多角形と円周の長さ
・正多角形の定義とかき方
・円周
・直径,円周のはかり方
・円周率=円周÷直径
・およその面積の求め方
(2)児童の実態
〔情意面調査〕
算数の学習はすきですか。
すき
どちらかというとすき
どちらかというときらい
きらい
算数で楽しいと思う問題はどれですか。また,いやな問題はどれですか。
20
18
16
14
12
10
楽しい
8
ふつう
6
楽しくない
4
2
0
計算問題
面積や体積
図形
長さ・重さ
かさ
表・グラフ
文章問題
算数の授業で好きな場面はどんなときですか。また,きらいな場面はどれですか。
18
16
14
12
好き
10
ふつう
8
きらい
6
4
2
0
自力解決
友達に
教えて
もらう
ペアで
相談する
グループ内
発表
全体で発表
友達の考えを見たり,聞いたりする場面はすきですか。
【主な理由】
すき ・様々な考えを知り,楽しい。(15 名)
すき
・勉強(参考)になる。(4 名)
どちらかというと
・自分の考えと比較できる。(2 名)
すき
・解けなかった問題が解決できる。
どちらかというと
・新しい考えが生まれる。(各 1 名)
きらい
きらい ※なし。
きらい
自分の考えを発表することはすきですか。
すき
どちらかというと
すき
どちらかというと
きらい
きらい
【主な理由】
すき ・自分の考えをみんなに考えて(活用して)
もらえる。(9 名)
・自分の考えを知ってもらいたい。(4 名)
・正否が明確になる。(2 名)
・自分の考えが良くなる。(1 名)
きらい・間違えるのが心配。(4 名)
・自信がない。話すのが苦手。反応が心配。
(各 1 名)
友達の発表を聞いたとき,その考えがわかりますか。
いつもわかる
だいたいわかる
わからないことが
多い
いつもわからない
【主な理由】
わかる・分かりやすく発表してくれる。(12 名)
・既に予習しているから大丈夫。(4 名)
・同じ意見が多いから。協力し合えるから。
(各 1 名)。
わかりにくい時は…
・難しい発表がある。(4 名)
・声が小さくて聞きづらい時がある。(1 名)
〔前提テスト〕
1
面積が4c㎡のものを全部選んで,記号で答えましょう。
完全正答
誤答
(22 名)
(5 名)
誤答例
・あ・え・か のうち1つまたは2つ正答(4 名)
い
お
正答
あ・え・か
1名
0名
う
き
1名
0名
2
次の長方形や正方形の面積を求めましょう。
完全正答
(21 名)
誤答例
・8×2
(6 名)
・単位なし (1 名)
正答
式 2×8
答え
16c㎡
完全正答
(12 名)
誤答例
・20㎡
(1 名)
・25c㎡ (12 名)
・単位なし (1 名)
正答
3
式 5×5
答え
25㎡
下のような形の面積を求めましょう。
完全正答
(20 名)
誤答例
・式不完全 (4 名)
・20×9 (1 名)
・29こ
(1 名)
正答例 式
5×7―2×3
答え 29c㎡
〔事前テスト〕
次の平行四辺形の面積を求めましょう。
完全正答
(14 名)
誤答例
・7×5または5×7
(4 名)
・4×7×5
(2 名)
・4×3+4×4,5×4×7×4
・無答
(4 名)
正答
式 7×4
答え
(各 1 名)
28c㎡
実態調査の結果,3/4の児童が算数の学習を好きと答えている。好きな学習は,面積や体積,
図形,長さや重さ・かさ,表とグラフであり,いずれも測定等操作活動が学習内容の中心となる領
域である。文章問題は力のある児童以外には苦手意識があることは分かっていたが,意外にも計算
領域が人気がない。普段の学習でもケアレスミスが多く,計算の楽しさを実感できていないことが
考えられる。昨年度末の県標準のデータからみると,知識技能に関する問題については正答率が8
0%を超えたが,思考表現に関する問題になると60%台の正答率であった。習得した基礎を活用
する力はまだ十分でないことが分かる。学習過程や学習形態での嗜好をみると,友達の考えを見た
り聞いたりすることは,全員が好きと答えている。発表については,7割近くの児童が好きと答え,
いずれも意見交換をすることで,深め合ったり,自己存在感を味わったりすることの素晴らしさを
体感できているようだ。中でも最も人気のある場が,グループを単位とした比較検討の時間である。
4 月から,教科に限らず生活においても,様々な課題を解決する場としてグループで取り組んでき
た経験が,安心できる場として学級集団の中で定着してきたのだろうと思う。また,学級全体で発
表し合う場を苦手とする児童が比較的多いが,その理由は,発表することに対する不安である。間
違うことを前向きにとらえられるよう,今後も授業経営の中で留意していきたい。
前提テストの結果では,7割程度の児童は,既習事項である求積の基礎(単位を数える)や長方
形正方形の面積を求める公式は定着できている。しかし,単位を間違えたり,縦と横の値に留意し
なかったりとケアレスミスが多い。また,事前テストの平行四辺形の求積は,半数の児童ができて
いた。既に予習し平行四辺形の面積を求める公式を活用した者,等積変形をして長方形に形を変え
て求めた者など,その方法は様々であった。
(3)指導観
本単元では,前学年の長方形や正方形の求積方法を振り返り,平行四辺形,三角形,台形,ひし
形の順序で学習していくことで,前時の学習内容や既習事項を活用して求積する。求積は単位(1
c㎡や 1 ㎡)の数を数えるという既習事項をきちんとおさえ,等積変形や倍積変形によってより求
めやすい形に工夫して面積を求めることを学習活動の柱としていきたい。また,面積を計算によっ
て求めることの有用性を実感させ,各自個々の求積方法を公式に変換することによって,一般化す
ることの楽しさや大切さを実感させ,原理の普遍性にまで学びの範囲を広げたいと思う。
仮説
他の考え方を比較する場において,自分の考えを伝え合う活動の工夫をすれば,思考力・
表現力が育つだろう。
発達段階的な視点から見れば,未だ論理的な思考力は育っていない児童がほとんどである。した
がって,自分の考えを伝えることはできるが,多くは自己本位的であり客観性に欠ける。伝えたい
ことを整理し,論点を決め,取捨選択して分かりやすく表現することができないのである。また,
聞き手の側も多くは受け身的であり,議論にならず一方通行に陥りやすい傾向にある。そこで,自
分の考えを伝え合う活動を以下のように工夫した。
【長期的,横断的な視点から】
①算数の授業だけではなく,教育活動全体にわたって議論の場を設け,話し合いに慣れる。
②ノートのまとめ方をマニュアル化し,見る側にとってもわかりやすいノート作りを推奨する。
具体的には,マスの使い方,レイアウト,見出し,吹き出し,下線や矢印・色の効果的な使い
方等である。
③話し合いの仕方をマニュアル化し,主体的な話し合い活動の経験値を上げる。
具体的には,役割分担(議長と書記)
,話し合いの流れ(質問や対応意見のタイミング)
,指示
語や図示の活用,話し方(起承結等),発言に対する対応の仕方等である。
④名前ラベルを活用し,自分の意見を集団の中で明示する機会を設ける。
【短期的,教科的な視点から】
①生活グループより更に少人数の学習チーム(3名構成9チーム)を作り,比較検討の場でチー
ムによる話し合い活動を設ける。
②ペア学習を臨機応変に取り入れる。具体的には,学習問題の設定や比較検討(公式作り等),
まとめの段階での相談,予想や答えの確認,資料や教具の共用等である。
③既習事項を教室内に効果的に掲示することにより,解決や議論の資料として活用させる。
④自力解決において,どの児童も自分の解答が持てるよう支援する。個々の実態を把握し,ヒン
トカードを準備したい。
⑤発表方法を工夫し,慣れさせる。具体的には,実物投影機,発表用紙等を積極的に授業に導入
し,発表を視覚的に行えるよう支援する。
⑥方眼の上に書かれた図形カードを準備し,等積変形や倍積変形を視覚的に行いやすいようにす
る。発表の際はそれを提示することで,カード上に書かれた求積方法をみんなで共有し合い,
理解し易くなるだろう。
⑦比較検討時の論点として,
「は・か・せ」
(=早い,簡単,正確)を提示し,全員に意識させる。
そうすれば,議論が拡散せず,集約していくと考える。
⑧図示された求積方法が,公式化できるかが争点となる。自力解決時に意識させ自分なりにタイ
トル(公式名)をつけることで,小さな博士として自信を持って議論に臨めるだろう。
⑨友達の求積方法の良さを発表しあう場を設ける。様々な求積方法の特性に触れることで,求積
方法に関する理解を深めることにつながると考える。
3
単元の目標
○平行四辺形,三角形,台形,ひし形などの面積について,既習の面積の求め方をもとに考え,
計算で求めようとする。(関心・意欲・態度)
○既習の面積の求め方をもとに,平行四辺形,三角形,台形,ひし形などの面積の求め方を工夫
して考え,公式をつくりだすことができる。(数学的な考え方)
○平行四辺形,三角形,台形,ひし形などの面積を公式を用いて求めることができる。(技能)
○平行四辺形,三角形,台形,ひし形などの計算による面積の求め方を理解する。(知識・理解)
4
指導計画
過
時
13 時間あつかい
目標
学習活動
評価規準
程
第
関 平行四辺形を長方形に変
1 ○平行四辺形の面積の ・求積方法が既習の図形を想起 □
一
求め方を考え,説明
し,平行四辺形の面積の求め方
形することに気付き,平行
次
する。
を既習の図形に帰着して考え
四辺形の面積の求め方を
る。
考えようとしている。
平
行
四
考 平行四辺形の面積の求め
・長方形に等積変形する平行四辺 □
形の面積の求め方を説明する。
方を,長方形の求積方法に
帰着して考え,筋道立てて
辺
説明することができる。
形
考 等積変形した長方形の縦
1 ○平行四辺形の面積の ・平行四辺形の面積を求める公式 □
の
公式をつくりだし,
面
それを適用して面積 ・公式を作るには,等積変形した
行四辺形の面積の公式を
積
を求める。
長方形のどこの長さがわかれ
考え,説明することができ
ばよいかを考える。
る。
を考える。
と横の長さに着目して,平
技 平行四辺形の面積の公式
・平行四辺形の「底辺」「高さ」の □
意味を知る。
・平行四辺形の面積を求める公式
を用いて,面積を求めるこ
とができる。
をまとめ,公式を適用して面積
を求める。
考 高さを表す垂線の足が平
1 ○高さが平行四辺形の ・高さが平行四辺形の外にある場 □
外にある場合でも,
合の面積の求め方を考える。
行四辺形の外にある場合
平行四辺形の面積の ・平行な 2 直線上にある平行四辺
でも,内にある平行四辺形
公式が適用できるこ
形の面積を求め,面積が等しい
に帰着して面積の公式を
とを理解する。
ことをおさえる。
適用することを考え,筋道
○どんな形の平行四辺 ・公式からも底辺の長さと高さが
形でも,底辺の長さ
等しければ面積は等しくなる
と高さが等しけれ
ことを確かめる。
立てて説明することがで
きる。
知 どんな形の平行四辺形で
□
ば,面積は等しくな
も,底辺の長さと高さが等
ることを理解する。
しければ,面積は等しくな
ることを理解している。
第
1 ○三角形の面積の求め
二
次
方を考え,説明する。
・既習の図形の求積方法を想起
関 三角形を求め方が分かっ
□
し,三角形の面積の求め方を
ている図形に変形し,その
本
既習の図形に帰着して考え,
面積を求めようとしてい
時
説明する。
る。
三
考 三角形の面積の求め方を,
□
角
長方形や平行四辺形の求
形
積方法に帰着して考え,筋
の
道立てて説明することが
面
できる。
積
1 ○三角形の面積を求め ・三角形の面積を求める公式を
る公式をつくりだ
考える。
考 倍積変形した平行四辺形
□
の底辺の長さと高さに着
し,それを適用して ・公式をつくるには,倍積変形
目して,三角形の面積の公
面積を求めることが
した平行四辺形のどこの長さ
式を考え,説明することが
できる。
が分かればよいか考える。
できる。
・三角形の面積を求める公式を
技 三角形の面積の公式と用
□
まとめ,公式を適用して面積
いて面積を求めることが
を求める。
できる。
1 ○高さが三角形の外に ・高さが三角形の外にある場合
ある場合でも,三角
の面積の求め方を考える。
考 高さを表す垂線の足が三
□
角形の外にある場合でも,
形の面積の公式が適 ・平行な 2 直線上にある三角形
内にある平行四辺形や三
用できることを理解
の面積を求め,面積が等しい
角形に帰着して面積の公
する。
ことを押さえる。
式を適用することを考え,
○どんな形の三角形で ・公式からも底辺の長さと高さ
も,底辺の長さと高
が等しければ面積は等しくな
さが等しければ,面
ることを確かめる。
筋道立てて説明すること
ができる。
知 どんな形の三角形でも,底
□
積は等しくなること
辺の長さと高さが等しけ
を理解する。
れば,面積は等しくなるこ
とを理解している。
第
1 ○台形の面積の求め方
三
を考え,説明する。
次
関 台形を,面積の求め方が分
・既習の面積の求め方を用いて, □
台形の面積の求め方を考える。
・いろいろな求め方を図などで
説明する。
かっている図形に工夫し
て変形し,その面積を求め
ようとしている。
い
考 台形の面積の求め方を,既
□
ろ
習の図形の求積方法に帰
い
着して考え,筋道立てて説
ろ
明することができる。
な
1 ○台形の面積を求める
・台形の面積を求める公式を考
考 倍積変形した平行四辺形
□
四
公式をつくりだし,
角
それを適用して面積 ・台形の面積を求める公式をま
目して,台形の面積の公式
形
を求める。
とめ,公式を適用して面積を
を考え,説明することがで
求める。
きる。
の
える。
の底辺の長さと高さに着
面
技 公式を用いて,台形の面積
□
積
を求めることができる。
考 ひし形の面積の求め方を,
1 ○ひし形の面積の求め ・既習の面積の求め方を用いて, □
方を考える。
○ひし形の面積を求め
ひし形の面積の求め方を考え
既習の図形の求積方法に
る。
帰着して考え,筋道立てて
る 公 式 を つ く り だ ・対角線の長さの積がひし形の
説明することができる。
し,それを適用して
面積の 2 倍になっていること
技 公式を用いて,ひし形の面
□
面積を求める。
を利用して,ひし形の面積を
積を求めることができる。
求める公式を考える。
・ひし形の面積を求める公式を
まとめ,公式を適用して面積
を求める。
1 ○算数的活動を通して
学習内容の理解を深
め,興味を広げる。
・葉のおよその面積の求め方を
考える。
知 方眼を用いると,複雑な形
□
の面積もおよそで求めら
れることを理解している。
第
1 ○平行四辺形の底辺の
・底辺の長さが 5cm の平行四辺
知 平行四辺形の底辺を固定
□
四
長さを一定にして高
形で,高さが 1cm,2cm,…6cm
し,高さを変化させたとき
次
さを変えたときの,
と変化するときの面積の大き
に,面積は高さに比例する
面積と高さは比例の
さを調べ,面積は高さに比例し
ことを理解する。
高
関係にあることを理
ていることをおさえる。
さ
解する。
・平行四辺形の高さを□cm,面
と
積を○c ㎡として面積を求め
面
る式を考える。
積
第
五
次
ま
と
1 ○学習内容を適用して
問題を解決する。
1 ○学習内容の定着を確
・「力をつける問題」に取り組
む。
・「仕上げの問題」に取り組む。
認し,理解を確実に
技 学習内容を適用して,問題
□
を解決することができる。
技 基本的な学習内容を身に
□
付けることができる。
する。
め
5
本時の指導 (4/13)
(1) 目標
○三角形を,面積の求め方がわかっている図形に変形し,その面積を求めようとする。
(関心・意欲・態度)
○三角形の面積の求め方を,長方形や平行四辺形の求積方法に帰着して考え,筋道立てて説明する
ことができる。
(数学的な考え方)
(2) 授業観
本時の学習は,三角形の面積の求め方を既習の図形に帰着して考えることである。与えられた数
値のみから求積するのではなく,既習の図形や公式を活用して求積させる。そこで,方眼上に書か
れた求積カードを準備し,単位である1c㎡を意識しながら,合成や分解など,自由な発想をもと
に様々な方法で求積を楽しませる。その際,視覚操作による求積方法に自分なりにタイトル(でき
れば公式化)をつけさせる。言語化することが,直後の比較検討時に,論理的に説明するための一
助となるだろう。また,比較検討時は,様々な求積方法を取り上げ,理解し合った上で分類し合う。
その際,等積変形と倍積変形,長方形と平行四辺形,相違点と共通点等を論点として絞り込みをさ
せる。活発な議論を促すことで,みんなで原理を追究する雰囲気を作りたい。拡散していた多用な
方法を集約し,次時の公式の理解と適用につなげることがねらいである。
(3) 展開
学習活動と内容
時配
見
1
児童・支援○ 評価◎ 仮説との関わり★
資料
前時の学習を想起する。
出
す
○平行四辺形の面積を求める公式を確認 ○これまでの学習内容が書かれている 掲示物
する。
5
掲示物を提示し,視覚的に想起できる
・1c㎡を数える。
ようにする。
・等積変形や倍積変形をして長方形や正
方形の形に変えて求める。
・底辺×高さで求める。
2
素材をつかむ
三角形 ABC の面積の求め方を考えましょう。
素材文
○求積カード(三角形のかいてある方眼
紙)をたくさん用意する。倍積変形も 求積カー
できるように大きさにも配慮する。
ド(方
眼)
3
学習問題を設定する。
三角形の面積を求めるには、どうしたらよいか。
調
4
自力解決する。
べ
る
○倍積変形して面積を求める。
・ア
平行四辺形…底辺×高さ÷2
15
★自分の求積方法を,色や矢印,補助線
を効果的に使って分かりやすくカー
ドに表現する。
○既習のどの図形の求め方を基にした
かを明らかにさせる。
★求積方法に自分なりのタイトルをつ
けさせる。
○積極的に第2第3の方法に取り組ま
・イ
長方形…高さ×底辺÷2
せる。
◎三角形を,面積の求め方がわかってい
る図形に工夫して変形し,その面積を
求めようとしている。〈求積カード〉
※長方形の横=三角形の底辺
(関心・意欲・態度)
○等積変形して面積を求める。
・ウ
マスを合成
・エ
低い平行四辺形…底辺×(高さ÷
○解決に苦労している児童には,ヒント
カードを渡す。
2)
○様々な求積方法を選択し,何人かの児
童に発表用紙の準備をさせる。
○解決法の痕跡を,式に書かせ,説明に
生かさせる。
○誤った方法を,積極的に取り上げる。
・オ
低い長方形…(高さ÷2)×底辺
・カ
長方形…たて×(底辺÷2)
深
5
め
○お互いの求積方法を発表し合い,理解 ○聞く姿勢を指導する。
る
20
全体で話し合う。
(例)
し合う。
ア
○代表児童の発表用紙を掲示する。
発 表
用紙
○大きな声でしっかりと話させる。
三角形 ABC に合同な三角形を合体 ○図示で理解できれば説明は省略する。
して平行四辺形にした。あとは平行 ★理解できるまで質問させる。
四辺形÷2で求められる。
イ
三角形 ABC を左右に分けて,それぞ
★誤った方法については,その理由を
考えさせ,納得のいくまで議論する。 名 前
れ倍にした。あとは長方形÷2で求 ★同じ求積方法で解決した児童は,名前 ラ ベ
められる。
ラベルを貼る。
ル
ウ
エ
オ
半端な方眼を移動合体することによ ★発表用紙を作成した児童に限らず,み
り1c㎡を作る。あとは方眼を数え
んなでその方法の良さを見つけ,評価
ればよい。
しあう。
とがった部分を移動し,平行四辺形 ◎三角形の面積の求め方を,長方形や平
を作る。この平行四辺形は,底辺×
行四辺形などの求積方法に帰着して
高さの半分で求められる。
考え,筋道立てて説明している。
とがった部分を分割して移動し,長
〈発表〉
(数学的な考え方)
方形を作る。この長方形は,縦の半
分×横で求められる。
カ
左右のとがった部分を移動し,真ん
中あたりに長方形を作った。
○求積方法を分類する。
★根拠を説明しながら,分類する。
(1)倍積変形して面積を求める。
★友達の分類に対して,自分の考えを明
・ア…平行四辺形に変形
示する。
・イ…長方形に変形
(2)等積変形して面積を求める。
・ウ…方眼を合成
・エ…低い平行四辺形に変形
・オ…低い長方形に変形
・カ…長方形に変形
ま
と
6
本時のまとめをする。
三角形の面積は,長方形や平行四辺形に形を変えれば求めることができる。
め
あ
げ
○自分なりによいと思う方法はどれか,
発表しあう。
★「はかせ」の観点から,公式化できる
方法を選ばせる。
る
★ペアで意見交換する。
5
★最後に,本時の一番と思われる方法を
選択し,名前ラベルを貼る。
7
板書計画
三角形 ABC の面積の求
学
○
三角形の面積を求めるには、どうしたらよいか。
めましょう
ま
○
三角形の面積は,長方形や平行四辺形に形を変えれば求められる。
Fly UP