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与党税制改正大綱 - 不動産コンサルタント 長嶋 修 公式ホームページ
2013.1.25 報道関係者各位 1P/2P ※このリリースは国土交通記者会・国土交通省建設専門紙記者会に配信しています 与党が 2013 年度の与党税制改正大綱を正式決定しました。 ●住宅ローン減税 延長・拡充が決まりました。期限が切れる 2013 年末から 4 年間延長。消費税増税の 2014 年 4 月に合わせ最 大控除額を 400 万円(一部 500 万円)に引き上げ。所得税では引き切れない分の住民税軽減は、現行の 9 万 7500 円から 13 万 6,500 円へ拡充。措置の効果が限定的な低所得層には現金給付、その具体的な中身が「遅くとも今 夏」までには提示されます。 年収や物件価格にもよりますが、現金給付も含め「これでちょうど消費増税分と相殺できるかな」と内外に思 わせるレベルで決まるのではないでしょうか。いずれにせよ、消費増税前に駆け込む必要性はこれで相当程度な くなりました。 消費増税対策については、契約印紙代も 2014 年 4 月から 5,000 円減税です。 (1,000 超 5,000 万円以下 1 万 1 千円⇒1万円、5,000 超 1億円以下 4 万 5 千円 ⇒4 万円) ●相続税 たとえば相続人が配偶者と子供 2 人の場合、これまでは課税価格で 8,000 万円の財産がないと課税されません でしたが、改正後は 4,800 万円以上から課税と、実に 4 割減。さらに最高税率が 55%に引き上げられます。 相続税の課税割合(死亡者数に対する課税件数)はこれまで 4%程度で推移してきたのですが、政府は 6%程 度に増加すると見ています。しかしここに地価の上昇が加われば、課税割合はさらに膨らむでしょう。昭和 62 年、バブル絶頂期の課税割合は 7.9%でした。東京では現在 10%程度と見られますが、20∼30%に膨らむ可能性 も。今回の改正は、決して「富裕層への増税」というわけではないようです。 出典:財務省ホームページ 1P/2P 次ページへ続きます⇒ 2013.1.25 2P/2P 評価の高い住宅を持っていても、1 次相続(配偶者への相続)は控除が大きい(配偶者控除:1 億 6000 万円 or 法定相続分まで控除)ためそれほど問題ではありませんが、2 次相続(親から子)の際は、基礎控除が 4 割減 になる影響で課税対象が普通の人にも及びそうです。もっとも、評価が 8 割減となる「特定居住用宅地等に係る 特例」の適用対象面積を 330 ㎡(現行 240 ㎡)に拡充することで、少しでも緩和する狙いはあるようですが。 すでに都心部・一部の都市部の地価は一定の底を打ったものと見られます。米経済は底打ち、EU はとりあえ ず小康状態、中国も底が近い、日本は政権交代でデフレ政策が外れて出遅れ調整のなか、不動産市場はといえば、 オフィスは底打ち兆しで持ち直しそうです。住宅も賃貸・持ち家も供給抑制的だった流れは今年も同様です。先 述の「特定居住用宅地特例」が 330 ㎡まで 8 割減となる件、賃貸住宅も対象となるため、資産税強化策としての 賃貸住宅建設は活発化する可能性もあります。賃料の上昇はちょっと期待できませんが、インフレ期待の程度に よっては期待利回りが低下、つまり価格上昇−評価額増があるかもしれません。 今回の改正以前に、持ち家・別居の子供は住宅地の評価減を受けられないことに注意が必要です。子供が相続 税減額対象となるためには「持ち家がない」か「同居していること」が条件です。 ●「親が老人ホーム」では思わぬ課税も もうひとつ気をつけたいのが、親が「終身利用権付きの老人ホーム」などに入っていた場合。空き家認定、つ まり「引っ越したもの」とみなされ、いわゆる小規模宅地の特例は使えません。電気・ガスも使える状態、家財 もあり居住可能な状態にもかかわらず、特例が認められない判例もあります。 ただし、介護が必要であった場合などは別です。 「特別養護老人ホーム」は、その施設の性格を踏まえ「介護 を受ける必要がある者」にあたるとみなされるようです。ただしこの場合でも「建物や敷地の維持管理が行われ ていたこと」が必要で、廃墟のように放置していた場合は特例を使えませんので注意を。 親が別途で空き家を持っている場合も同じで、相続の際には小規模宅地の特例は使えません。貸しておけば 200 平米まで 50%減です。親族に貸す場合、家賃が発生している必要があります。実務的には親子間で賃貸借契約 書を交わし、親は不動産収入の確定申告をすることです。親族以外なら、自由度の高い定期借家契約だとリスク ヘッジになるでしょう。親が生存中に空き家となった実家は「貸す」か「売るか」ですが、売却する場合は 3000 万円控除の使える 3 年以内がお勧めです。 ■不動産コンサルタント 長嶋 修■ http://nagashima.in/ 不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業 界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務 所を設立、現会長。以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コン サルタント”第一人者としての地位を築いた。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任 している。 2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、 NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。また自身の個人 事務所(長嶋修事務所)でTV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。 業界・ 政 策 提 言 や 社 会 問 題 全 般 に も 言 及 す る 。 『住宅購入学入門 ―いま、何 を買わないか』(講談社+α新書)『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド 社)他、著書多数。 ■不動産の達人 株式会社さくら事務所■ (東京都渋谷区/代表:大西倫加)http://sakurajimusyo.com/ 株式会社さくら事務所は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を目的と して活動する、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社。不動産版「かかりつけのお医者さん」です。 第三者性を堅持した住生活エージェント企業といった立場から、利害にとらわれない住宅診断(ホームインスペクショ ン)や、不動産購入に関するさまざまなアドバイスを行なう「不動産の達人サービス」をご提供しています。 本件に関するお問合せは、広報室までお気軽にご連絡ください。 株式会社長嶋修事務所 東京都渋谷区桜丘町 29-24 桜丘リージェンシー101 http://nagashima.in/ 電話 03-6455-0011 FAX 03-6455-0022 広報:秋吉 美智子 [email protected]