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文化政策プログラム 自己評価書

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文化政策プログラム 自己評価書
【文化政策プログラム
【文化政策プログラム
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
自己評価書】
政策研究大学院大学 文化政策プログラム
1.プログラムの趣旨・目的
21 世紀日本においては、文化や芸術は社会の特殊な一部分ではなく、地域コミュニティ
とそこに住む人々の日常生活に密着し、新たな価値を生み出す経済社会の重要な資源の一
つとなってきている。こういった文化や芸術を支える文化政策は、文化の創造と発展、ひ
いては豊かで魅力のある社会の創造を目指して行われる政府の行為であり、今日、その企
画立案、实施に当たっては、より広く地域の需要、民意を反映するとともに、効率的かつ
効果的な運営が求められている。そのため、文化政策研究は、従来からの芸術文化の振興
や文化遺産の保存・継承・活用などに加えて、地域の持続可能な発展との関わり、多様な価
値観に基づく文化の多様性の擁護、ソフトパワーとしての可能性などより広い政策課題を
対象として、総合的かつ实証的に行われる必要がある。
このような考え方に基づき、本プログラムでは、公共政策学、公共経済学に理論的基礎
を置きつつ、定性的な分析をはじめとして、マネジメント論、マーケティング、オペレー
ションズ・ リサーチなど他分野での研究成果なども取り入れ、また、仮想評価法(CVM)、
コンジョイント分析といった定量的手法も応用しながら、实務関係者・団体との密接な連
携の下、文化政策の課題を検討する。
対象は、文化政策や文化関連活動に携わる行政官・民間の関係者・専門研究を目指す学
生等であり、文化に関する社会の幅広い需要に応えうるエキスパートの養成を目的とする。
そのため、専任スタッフに加えて、法律・経済・舞台芸術から国際関係に至る各分野の外
部研究者、専門家、实践家を中心に、多様な科目を用意し、实践的かつ高度な専門性を身
に付けることができるプログラム構成を目指している。
2.教育の内容・方法
政策研究大学院大学 文化政策プログラムは、
「修士(文化政策)」「Master of Cultural
Policy」
、
「博士(政策研究)
」
「Ph.D」を取得できる教育プログラムである。
2年間での取得を基本とするが、1 年での修了も可能である。内容は大きく講義と課題研
究(2 年コースでは修士論文、1 年コースではポリシー・プロポーザル執筆)にわかれ、そ
れぞれ重要である。
-1-
【文化政策プログラム
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
◇カリキュラム編成
文化政策の対象分野は多岐にわたり、学生の研究対象も個々に異なる。また、狭義の文
化政策は伝統文化の保護に関するものと芸術振興に関するものに大別されてきたが、国際
文化交流や、文化による地域振興・まちづくり・景観行政・文化産業など、他の行政分野
との関係も重要である。そこで、本プログラムでは、①文化にかかる総合的・包括的な制
度・仕組みに関する汎用的共通科目(コアカリキュラム/必修・選択必修)
、②それぞれの
学生の対象分野を加味し、主要な個別分野を学べるように、ある程度特化した科目(選択
的なカリキュラム/選択)
、そして③インターンシップ(選択)により編成されている1。
また、国際的な視点の重要性から条約やグローバリゼーションにも配慮したカリキュラ
ム構成となっている点も特筆される。
なお、著作権や国語教育、市場や産業などの動きについては、他のプログラムで提供さ
れていることから、本プログラムでの設定は行っていない。
汎用的共通科目
経済学
定量分析
他のプログラム
定性分析
政治学
個別分野研究
行政学
図1.文化政策研究分野概念図
表1.文化政策プログラム科目一覧
種別
必修
科目名
単位
文化政策研究の基礎
2
芸術文化政策論
2
文化資源論
2
備考
1 現在在学中の学生の研究対象は主に、芸術文化政策、文化財政策、博物館・美術館、図書館等である。
-2-
【文化政策プログラム
選択必修
選択科目
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
文化政策特定研究
4
グローバリゼーションと地域の文化
2
文化政策実践研究
2
文化政策評価手法特論
2
文化の多様性
2
21 世紀博物館工学
2
グローバリゼーションと文化政策
2
日本・西欧の景観街づくり
2
シアター・マネジメント
2
インフラストラクチャーのデザイン論
2
都市計画と景観政策・アーバンデザイン
2
文化政策研究特論
2
他、上記以外の科目
論文
特論は主として論文
指導を行う
◇履修方法
文化政策プログラムでは、上述のように、1)必修・選択必修科目、2)選択科目、3)
インターンシップ等を組み合わせて履修することができるが、これらに加え、毎年、4)
フィールド・トリップ、および5)特別講義を实施し、更なる研究、また实践の体得を目
指している。
1) 必修科目および選択必修科目/コアカリキュラム;高度な分析力の養成
公共政策の一分野として、実観的かつ科学的なアプローチを可能にする能力を養成する
必要がある。そのために、ケースメソッドや制度論、フィールドサーベイのほか、必要に
応じて意思決定過程の分析やマーケティング、経済分析等、さまざまな方法論が学べるよ
うな履修方法をとっている。
2) 選択科目/選択的なカリキュラム:实践的な応用力の向上
研究テーマの必要に応じて、他のプログラムで開講される科目等を含め、さまざまな科
目をテーラーメードで履修することが可能である。
3) インターンシップ
文化政策プログラムの学生は、インターンシップに参加することが可能であり、2単位
が認められる。インターンシップは、授業等で学習した理論を、国、地方公共団体の機関
や公益法人、企業等の法人における就業体験の中で応用、発展させることにより、实践的
な知識として習得させることを目的とする。
-3-
【文化政策プログラム
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
想定されるインターンシップ先および研修内容は、以下のとおりである。
表2.インターンシップ先および研修内容・実績
インターンシップ先
研修内容
実績
国や地方自治体の文化政策関 文化政策関連施策の企画・立
2005年2名、東京文化財研
連担当部局等
究所
文化施設(劇場・ホール・美術
館・博物館等)
文化芸術団体(オペラ、バレ
エ、交響楽団等)
案・実施
2009年1名、YCAM
文化施設の運営・管理
(予定)
文化芸術団体の運営・管理
文化関連助成・支援団体・組織 文化関連事業への助成・支援
(文芸術 NPO・助成財団等)
2010年 1 名、新国立劇場
-
-
に係る企画・運営・管理
4) フィールド・トリップ
文化政策の現場を实体験するため、関連文化施設、文化機関等の協力を得て、フィール
ド・トリップを年数回のペースで開催している。文化政策の課題を最前線の担当者から直
接ヒアリングし、現場を实際に体験することによって、理論の進化と实践力の強化を図る
ものである。これまでの訪問先は表3のとおりである。
表3.フィールド・トリップ実績
年度
フィールド・トリップ先
国立劇場
芸能花伝舎
川越市川越伝統的建造物軍保存地区
2005
全7回
企業メセナ協議会
横浜国際フェスタ 2005
森美術館
鎌倉市役所
森美術館
国立新美術館
2006
全5回
世田谷パブリックシアター
国立劇場
東京国立博物館
上野寛永寺
2007
全4回
企業メセナ協議会
東京国立博物館
-4-
【文化政策プログラム
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
川越鏡山酒造および重要伝統的建造物群保存地区視察
愛知芸術文化センター
静岡県舞台芸術公演
静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」
静岡音楽館 AOI
たざわ湖芸術村わらび劇場
Theatre National de la Colline
2008
全 13 回
LOUVRE-DNP MUSEUM LAB.
徳島県阿波十郎兵衛屋敷
埼玉県川越市
島根県松江市
島根県大田市
鳥取県倉吉市
BankArt1929
財団法人東京都交響楽団
2009
サントリーホール
全4回
劇団四季
横浜 BankART Studio NYK
東京国立博物館
企業メセナ協議会
2010
全5回
国立劇場
予定
NHK 交響楽団
キングレコード(予定)
5) 特別講義
文化政策の分野・範囲が多様で細分化されていることから、学生の研究テーマ・要望に
合わせて、幅広く行政官、实務家、研究者などを招聘し、特別講義を行っている。この招
聘には海外研究者も含まれており、国際的な視点、ネットワーキングに重要な役割を果た
しているものと考えられる。
特別講義の内容に関しては、6-1)公開講座にて後述する。
3.指導体制
-5-
【文化政策プログラム
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
◇研究指導
1) 課題研究のスケジュール
年間計画は別添資料-1の通りであるが、入学時に提出した計画を元に、分野、テーマを
決め、①2年コースでは修士論文、②1年コースではポリシー・プロポーザルを執筆する。
修士論文の場合、一年次は主に論文執筆に必要な基礎的な知識の習得、手法の習得に努
め、その中で自身のテーマに必要とされるよりよい方法を探る一方でデータ収集のための
調査を行う。一年次の終盤および二年次より修士論文の骨子作りをし、執筆に取り掛かる。
提出は2月中旬であるが、提出前に論文発表会を实施する。合格判定が出た後、最終稿と
梗概を提出する。
ポリシー・プロポーザルは政策の企画・立案・戦略を構想した政策提言である。この場
合、1 年間で終了することが求められるため、入学時からおよそのテーマを設定、データ収
集を開始するとともに、春・夏学期でほぼ必要な科目を履修、秋からはポリシー・プロポ
ーザルの作成に移行する。提出、発表会は、修士論文と同様のスケジュールで行う。
2) 指導体制
指導は、本プログラムスタッフ 3 名(教授、研究助手、アシスタント)が中心となり、
兼担教授 1 名の他、外部教員の協力を得て、指導に当たっている。
① 全員による論文指導
基本的に、本プログラムスタッフ全員が学生の研究内容を把握し、適宜指導にあたる。
② チューター制度
特に、研究助手とアシスタントがそれぞれ学生を数名ずつ担当し、基礎的な指導にあた
ることで、より的確な問題点の把握、早いフォローアップにつながっていると考えられる。
また、オフィスアワーを設け、学生の要望に応えられる体制を整えている。
③ プログラムゼミ
毎月、隔週でプログラム全体「論文ゼミ」を開催し、必要に応じ外部教員を交え、論文
執筆へ向けた指導体制を確立すると共に、各学生の状況を把握する体制をとっている。ゼ
ミでは主に論文進捗状況および研究報告等を行っており、本年度から 2 単位を取得できる
こととした。
◇修了要件
必修単位 10、選択必修 10 以上、その他選択科目をあわせて合計 30 単位以上を必要とす
る。なお、課題研究は必修単位 10 単位のうちの 4 単位を占める。
課題研究は、執筆の後、最終提出の前に論文発表会でプレゼンテーションを通じて、各
方面からの指摘を受け、より完成度の高いものに仕上げる。近年では、この修士論文に基
-6-
【文化政策プログラム
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
づき、できる限り学会誌に投稿、査読論文として公表し、あるいは本学において、組織的
な研究活動によるプロジェクトの成果及び研究者個人の研究成果として発行・配布またウ
ェブ公開される、ディスカッション・ペーパーの作成に繋げるように指導をしている。
近年の課題研究は以下の通りである。
表4.文化政策プログラム課題研究実績
修士/博士
年度
PP*)
題目
文化芸術振興費補助金(映画製作への支援)検証
2009
-補助事業者の調査を通じて-
宝塚市における文化観光推進方策の検討
○
-宝塚市立手塚治虫記念館を事例として-
民俗芸能の観光への活用に関する観客の視点からの考察
2008
-阿波人形浄瑠璃を事例として-
景観法制を用いた文化財建造物の周辺環境の保全および歴史的建
造物の保存について-文化財保護施策の補完として-
修士
2007
**)
文化施設の便益計測と来館者の価値意識に関する実証分析
-大原美術館を事例に-
**)
文化財の持続可能性に寄与する保存と観光の関係について
-重要伝統的建造物群保存地区美山町北地区を事例として-
歴史的建造物を核とした環境保全のための小規模市町村間ネットワ
2006
ークに関する研究-フランスの最も美しい村協会を事例として-
**)
SWOT 分析を用いた国際交流活動の活性化:金沢市における国際交
流団体を事例として
DEA による公共ホールの効率的運営に関する研究***)
博士
2007
○
極東フランス学院の研究
-フランスの対外政策における学術・文化機関の役割-
*)
注: PP=ポリシー・プロポーザル
**)
学会誌に掲載済み
***)
現在査読中
<参考>
文化政策プログラムで指導した他プログラムでの課題研究
・「地方分権時代の広域地方活動拠点施設の可能性-人材育成拠点となる地域基幹
施設ミュージアムをモデルとしてこれからの公共施設の活用を考える-」(地域政
策プログラム/2009 年度)<ディスカッション・ペーパーとして採択>
・「民俗芸能と地域社会-福島県における三匹獅子舞を事例として-」(地域政策プ
ログラム/2008 年度)
・「歴史的町並みを生かした持続可能なまちづくりに関する研究~奈良県橿原市今
-7-
【文化政策プログラム
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
井町を研究対象として~」
(地域政策プログラム/2006 年度)
4.運営体制
◇プログラム・コミッティー
文化政策プログラムの運営は、教授 2 名(ディレクターおよび兼担教授)、研究助手 1 名、
および非常勤のアシスタント 1 名で行うが、兼担教授は他のプログラムのディレクターで
もあるため、必要に応じアドバイス・協力を得ることとしており、实質 3 名での運営とな
っている。加えて、プログラムの方針を決め、それに関して助言を求めるために、本年度
から 5 名からなるアドバイザリー・グループを設けた。
表5.アドバイザリー・グループ名簿
氏名(敬称略、50 音順)
肩書
青木 保
青山学院大学大学院特任教授、文化人類学者、前文化庁長官
遠藤 安彦
財団法人地方財務協会理事長、財団法人地域創造前理事長
佐藤 禎一
国際医療福祉大学大学院教授、元ユネスコ日本政府代表部特
命全権大使
濱本 英輔
株式会社ロッテ顧問
林田 英樹
国立新美術館館長、元文化庁長官
◇これまでの自己点検の状況
スタッフ人員が限られていること、対象分野が多様であることに鑑み、専門性の高い有
識者からのアドバイスを求めることとして、平成 22 年9月3日にアドバイザリー会議(第
一回)を行った。
アドバイザリー会議では、現在の文化政策の状況の分析、総括とともに、現場およびト
ップのスペシャリスト人材育成の必要性や、本プログラムの学生への期待、地域、施設と
の連携のあり方といった点について意見交換、議論がなされた。
◇学生による評価(授業科目、プログラム全体)实績、対応状況
授業科目に対する評価は、別途大学で行われている評価にて代替するが、おおむね高い
評価を得ている。
-8-
【文化政策プログラム
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
プログラムの評価に関しては、チューター制により学生の希望にきめ細かく応えること
により、対応している。個別のアンケートはとってない。
5.学生
◇受入状況
これまでに受け入れた学生のバックグラウンドおよびその後の進路は多岐にわたってい
るが、大別すると以下の①および②に大別される。
①派遣学生
派遣元:国・地方自治体、研究機関
例)文科省、文化庁、静岡県、川崎市、宝塚市、Mekelle University
②派遣外の学生
○卒業時大学:東京藝術大学、九州大学、聖心女子大学、東京大学、北海道大学、
慶應義塾大学他
○入学前の職種:JTB、NTT、(独)日本芸術文化振興会、丸善、洗足学園大学
他
○就職先
・サントリーパブリシティ
・桐蔭横浜大学
・東日本旅実鉄道株式会社
・第一法規株式会社
・財団法人日本映像国際振興協会(ユニジャパン)
・東京大学(日本学術振興会特別研究員)
・(財)滋賀県文化振興財団
副理事長(文化芸術コーディネーター)
・東京都(都立高等学校 教諭)
等
①は、ほとんどが文化政策担当者、文化政策研究希望者であり、これまでの修了者は派
遣元に帰還後、实際に政策の企画立案にあたっている。また、②も文化政策の实践および
研究に意欲を持っており、本プログラム修了後もおおむね希望職種に就いている。以上の
ことから、これまでは専門家となる学生を確保できていると考えている。
現在までの入学、在学、修了者数の内訳は以下のとおりである。
表6.文化政策プログラム学生(入学・在学・修了者)一覧
年度
入学者数
在学者数
修了者数
2000
1
1
-
-9-
【文化政策プログラム
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
2001
4
5
2
2002
2
5
2
2003
1
4
4
2004
1
1
-
2005
5(うち博士 1 名)
5(うち博士 1 名)
3
2006
1
4(うち博士 1 名)
2
2007
2
4(うち博士 1 名)
1(うち博士 1 名)
2008
3(うち博士 1 名)
5
2
2009
2
6(うち博士 1 名、休学 1 名)
2
2010
3(うち博士 1 名)
7(うち博士 2 名)
4(うち博士 1 名)予定
◇リクルート方法
文化政策に直接携わる行政官だけでなく、幅広く文化にかかわり、文化を支える専門家
を育てるという観点から、単に国や自治体だけでなく、文化関連活動団体、NPO や財団など
にも、幅広く周知することを主眼として、以下のような方法をとっている。
① ウェブサイトにオープン・キャンパスの情報を載せ、入試の1ヵ月前を目途に随時開催
している。それぞれバックグラウンド・研究の対象が違うため、希望者とほぼ個別に面
談している。
② オープン・ゼミ:授業の一部を公開し、カリキュラムを体験してもらう。
③ 個別リクルート:文化専門家を育成したいという自治体には直接説明に行き、自治体お
よび本人の希望とのすりあわせを行い、派遣につなげる。
在学学生数は毎年4~7名程度であり、近年漸増の方向にある。文化政策の対象範囲は
広く、オープン・キャンパスに来学する学生も 20 人を越えた。需要は大きいと考えられる
が、現在のスタッフ体制ではこれ以上の学生を指導することは難しいのが現状である。
6.(教育を支える)社会貢献、国際交流、研究など
1) 社会貢献
①公開講座「文化政策の最前線」シリーズ
授業の一環として、毎年4回~6回、定期的に開催するもので、政策立案の最前線で活
躍されている文化政策関連の専門家を招き、政策の枠組み、課題、将来の方向性について
- 10 -
【文化政策プログラム
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
講義をいただいている。毎年、自治体職員からの開催要望および問い合わせも多く寄せら
れており、本学学生に加え、常に 40~50 名の外部参加者があることからも、本プログラム
の周知にも繋がっていると考えられる。
近年の实績は次のとおりである(講演者の肩書きは当時)。
表7.文化政策プログラム公開講座「政策最前線」シリーズ
年度
テーマ
「文化政策研究の射程と課題」
2010 「ミュージアム評価」
「地域文化振興」
「産業と文化の融合発展
-新しい成長の途-」
2009
「ミュージアムの新時代」
「日本の文化力を高める」
講演者
青木保氏(青山学院大学大学院特任教授、
文化人類学者、前文化庁長官)
林田英樹氏(国立新美術館館長、元文化庁
長官)
全3回
遠藤安彦氏(財団法人地方財務協会理事
長、財団法人地域創造前理事長)
福川伸次氏(財団法人機械産業記念事業財
団会長、元経済産業省次官)
林田英樹氏(国立新美術館館長、元文化庁
全3回
長官)
小松弥生氏(文化庁長官官房政策課課長)
「国土政策と文化(景観、観光、地 筒井智紀氏(国土交通省国土計画局総合計
2008
域づくり)」
画課国土政策企画官)
「『文化力』を考える」
小松弥生氏(文化庁長官官房政策課課長)
「博物館法改正の内容と今後の課 栗原祐司氏(文部科学省生涯学習政策局社
題」
会教育課企画官)
「広報文化交流」
山本忠通氏(外務省広報文化交流部長)
全5回
「歴史的風致制度 新法を踏まえ 近江展男氏(国土交通省土地・地域整備局
て」
「デジタルコンテンツ産業の現状と
将来」
「地域文化の振興」
2007
公園緑地課公園企画官)
山本純氏 ((財)デジタルコンテンツ協会)
小澤櫻作氏(財団法人地域創造 芸術環境
部 ディレクター)
「観光・景観・まちづくり 国土計画 野村正史氏(国土交通省官房参事官(国土
における文化のポジショニング」
計画担当))
「文化政策の現状と課題」
小松弥生氏(文化庁長官官房政策課課長)
- 11 -
全4回
【文化政策プログラム
②
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
各種セミナー、会議等の開催
①の他、必要に応じ、国内外から講師を招聘し、公開セミナー等を開いている。これま
での開催实績と主な講演者は表7のとおりである。
表8.文化政策プログラム各種セミナー開催実績
年度
タイトル
講演者
「フランスにおける芸術政策」マラソンレク
チャー
ピエール=ミシェル・メンガー/
フランス国立科学研究所社会
科学高等研究院所長
ピエール=ミシェル・メンガー/
フランス国立科学研究所社会
科学高等研究院所長、福原義
2010
春/株式会社資生堂名誉会
文化政策を巡る国際会議「都市の文化
長、植木浩/ポーラ美術館前
力」
館長、林省吾/財団法人地域
全2回
創造理事長、根木昭/東京藝
術大学名誉教授・昭和音楽大
学教授、守屋新/東京都交響
楽団チーフ・プロデューサー
国立新美術館・政策研究大学院大学共催
特別セミナー(第二回)「フランスの文化政
策の動向~ミュージアム評価を中心に」
クサビエ・グレフ/パリ第一大
教授
クサビエ・グレフ/パリ第一大
教授、根木昭/東京藝術大学
円卓会議「地域における芸術拠点の形成
教授、大和 滋/芸団協芸能文
に向けて~観客創造と市場拡大のあり
化振興部長、八反田弘/サント
方」
リーホールプロデューサー、林
伸光/兵庫県立芸術文化セン
2009
ター ゼネラルマネージャー
特別セミナー「文化資源論」 『このまちに
くらしたい』
特別セミナー「文化資源論」 『地域に生き
る美術館の使命-大原美術館の活動-』
創造都市セミナー 「『クリエイティブ・シテ
ィ』から『ナレッジ・シティ』へ~今ヨーロッ
パで議論されていること~」
- 12 -
北山孝雄氏
高階秀爾氏
クラウス・クンツマン氏(ドルトム
ント大学名誉教授)
全5回
【文化政策プログラム
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
芸団協セミナー2009・特別シンポジウム
《文化政策と地域における公共劇場の役
割 ~日本・フランスの制度から見る国・
2008
自治体・専門家の関係》
全2回
《創造都市/クリエイティブ・シティ》特別
講演 《クリエイティブ・シティ:都市を再生
クラウス・クンツマン氏(ドルトム
する新たなパラダイムか、それとも一過性
ント大学名誉教授)
のファッションか?》
篠原修(本学開発政策プログラ
2007
ム教授)、垣内恵美子、根木昭
専門家会議"Cultural Landscape in
(東京芸術大学教授)、Xavier
Future"
全1回
Greffe(パリ第一大学教授)、
Nathalie Bertrand (CEMAGREF)
日仏会館セミナー 「フランス文化政策の新たな潮流 その目標と方策」
2006
第2回東京財団政策懇談会「フランスの文化政策におけるガバナンスの近
況と課題」
全3回
ACCU 国際交流事業
日本芸能実演家団体協議会による研究会
2005
クローデル講座記念シンポジウム 『文化のソフトパワー~市民協働時代の
国際文化交流~』
全3回
クローデル講座記念シンポジウム 『文化創造の 21 世紀ビジョン』
2) 国際交流-クローデル講座
本プログラムは、2005 年よりフランス大使館とともに、クローデル講座を開催してきた。
クローデル講座は、詩人で在日本フランス大使でもあったポール・クローデル没後100
年を記念して設けられた日仏共同教育、研究事業であり、フランス人研究者を日本の大学
に実員教授として招聘し、セミナーや講義、共同研究を实施するものである。
2006 年度、2007 年度に、パリ第一大学パンテオン-ソルボンヌのクサビエ・グレフ教授
を招聘、フランスの文化政策に関し、幅広い分野の实態分析、課題についてレクチャー・
シリーズを開催、その成果を出版した(
「フランスの文化政策」水曜社、2007)
。
2010 年度においては、フランス国立科学研究所社会科学高等研究院所長、ピエール=ミ
シェル・メンガー氏を同講座に招聘し、
「文化政策を巡る国際会議『都市の文化力』」と題
したレクチャーおよび国際会議を行った。資料はディスカッション・ペーパーとして本学
ウェブサイトに年内掲載の予定である。
3) 主な研究・プロジェクト・論文
- 13 -
【文化政策プログラム
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
① 文化政策プログラムにおける近年の研究プロジェクト
文化庁の委嘱研究、川崎市との共同研究、フランス大使館との共同事業、および科学研
究費補助金により研究を進めてきている。
表9.近年の主要な研究・プロジェクト業績一覧
年次
タイトル
2005~ クローデル講座
委嘱元他
支援規模
2005年よりフランス大使館とともに、クローデル
講座を開催してきた。クローデル講座は、詩人で在
日本フランス大使でもあったポール・クローデル没
在日フランス
280 万円 後100年を記念して設けられた日仏共同教育、研
大使館
究事業であり、フランス人研究者を日本の大学に
客員教授として招聘し、セミナーや講義、共同研究
を実施するものである。
有形の文化財である楽器を従来の資料や美術品
楽器の音を含めた
保存方法の検討-
概要
と同列の観点から保存するものではなく、無形の
科学研究費
2010~ 無形の文化財の保 補助金基盤 66 万円
存に資する有形文 研究C
文化財である芸能・音楽の構成上不可分の、音を
出す目的を持った文化財として捉え、その本来の
目的である楽器の発する音に主眼を置き、有形・
化財の保存方法-
無形を包括した保存・記録方法の構築を試みる。
わが国における創造都市政策を巡る現況把握と現
2009~
2011
日欧比較研究を通 科学研究費
時点での評価、海外における創造都市の原理と手
じた創造都市論の 補助金基盤 370 万円 法の政策論的アプローチによる解明、両者の比較
再構築
研究C
検討によるわが国の文化財保護ならびに文化観
光への政策的インプリケーションの導出を行う。
地域に立地する文化施設、特に文化庁が地域の
文化施設に対する
芸術拠点として助成を行っている施設を取り上げ、
公的支援の効果に 文化庁芸術
政策評価に資するデータ収集を行う目的で、関係
2008~ 関する調査研究~ 活動基盤充
2009 芸術拠点形成事業 実事業委託
600 万円
施設の悉皆調査を行い、財務状況や課題を探っ
た。また、より詳細な分析を行うため、ケースとして
被支援施設を対象 調査
兵庫県立芸術文化センターを取り上げ、インターネ
として~
ットによる県民調査を実施、支援主体や支払意志
額など、政策の基礎データを収集した。
川崎市が進めている「音楽のまちづくり」政策の評
2008~
2009
川崎における「音楽
のまちづくり」の評
価に係る調査
川崎文化振
興財団委託
100 万円 価研究の一環として、市民意識調査(インターネッ
職員派遣 ト調査)を行い、音楽のまちづくり政策の社会的イ
1名
ンパクトや市民の認知度などを分析、政策的インプ
リケーションを導出した。
- 14 -
【文化政策プログラム
文化芸術振興の経
2004~
2006
済波及効果等、経
済に及ぼす影響の
定量的評価に関す
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
日本の文化政策の大きな課題分野として、芸術文
文化庁委嘱
研究
化施設、文化的景観(および文化財保護)、文化観
800 万円 光を取り上げ、いくつかの事例(ケース・スタディ)を
取り上げ、定量的分析(経済波及効果、仮想市場
る実証研究
評価法)に基づく評価を行った。
② 論文
研究成果を論文として、発表している。これまでに、学会誌等で採択された論文は次の
とおりである。
表 10.研究論文(査読論文)
年
タイトル
著者
学会誌
Research on Education and
Reconsidering the concept of the "creative city:"
Theory and reality in Japan *)
Media the official journal of
KAKIUCHI, Emiko the Italian Society for
Research on Media
Education
景観法制を用いた歴史的建造物およびその周辺 木单秀隆・小川由
環境の保護の可能性について
2010
**)
美子・垣内恵美子
文化政策に対する公的支援の効果-文化庁芸術
拠点形成事業支援対象施設を対象として川崎市における「音楽のまちづくり」-市民調査の
分析から-
る記録保存に関する一考察
歴史的町並み保全における小規模自治体の連
携に関する基礎的考察『フランスの最も美しい村
**)
地域における演劇フェスティバルの持続的運営
2009
川由美子、川口
夏織、角美弥子
川口夏織、垣内
恵美子、角美弥
子、小川由美子
無形の文化財としての芸能の保存・継承におけ
協会』を事例に
垣内恵美子、小
に関する一考察~沖縄市キジムナーフェスタの
事例~
角美弥子
阿部大輔・黒田真
奈美・垣内恵美子
音楽芸術マネジメント、2、
pp.29-40
音楽芸術マネジメント、2、
pp.85-98
音楽芸術マネジメント、2、
pp.105-108
計画行政、32(4)、pp.53-58
垣内恵美子・奥山 日本地域政策研究第 7
忠裕
新潟市民文化会館観客調査に基づく文化会館の 垣内恵美子・奥山
経済効果分析
忠裕
文化観光の経済効果 -岐阜県高山市伝統的
垣内恵美子・奥山
建造物群保存地区の事例-
忠裕
- 15 -
計画行政、33(1)、pp.67-74
号,pp17-24
計画行政、32(3)、pp.53-58
文化経済学、第 6 巻第 3 号
【文化政策プログラム
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
美術館を対象とした市民の便益評価-倉敷市大 垣内恵美子・奥山 日本都市計画学会論文
原美術館を事例に-
**)
忠裕・寺田鮎美
無形の文化財としての芸能の保存・継承に係る
保護制度の運用に関する一考察」
角美弥子
都市型観光振興方策に関する一考察 -滋賀県 垣内恵美子・岩本
長浜市文化的施設のコンジョイント分析から
2008
無形の文化財としての芸能の保存・継承におけ
る無形文化財保護制度の運用について
博幸
角美弥子
集、44-3、pp.30-41
音楽芸術マネジメント、1、
pp.107-114
計画行政、30(4)、pp.52-60
文化経済学 第 6 巻第 1
号、pp.127-132
児玉剛史・玉澤友
恵・氏家清和・垣 日本都市計画学会、都市
文化資本の価値に関する経済分析
内恵美子・奥山忠 計画論文集、No.42-1
裕
文化施設の社会的便益評価 -りゅーとぴあ(新 奥山忠裕・垣内恵 日本都市計画学会論文
2007
潟市民文化会館)を事例として-
美 子・氏家清和 集、42-2、 pp.30-41
新潟市民文化会館観客調査に基づく文化会館の 垣内恵美子・奥山 日本都市計画学会論文
経済効果分析
忠裕
集、42-2、pp.30-41
文化会館に対する観光ニーズの多様性 -新潟 氏家清和・垣内恵 都市計画学会論文集、
市のりゅーとぴあを事例とした AHP 分析-
CVM を用いた伝統的建造物群保存地区の文化
的景観の経済評価 -高山市における事例研究
2006 -
美 子・奥山忠裕 42-2、 pp.48-53
岩本博幸・垣内恵 日本都市計画学会論文
美子・氏家清和
集、No.41-2、pp.18-24
文化的景観の経済波及効果 -広島県宮島に
氏家清和・垣内恵 日本都市計画学会論文
おける観光客調査-
美 子・奥山忠裕 集、No.41-2、pp.49-56
公立劇場による地域活性化の可能性に関する一
考察~石川県能登演劇堂の経済波及効果の検
2005 討から
滋賀県長浜市黒壁スクエアにおける観光消費の
経済波及効果と政策的インプリケーション
垣内恵美子・岩本 日本都市計画学会論文
博 幸・林岳
垣内恵美子・林岳
集、No. 40-3、pp.907-912
日本都市計画学会論文集
No.40-1
CVM を用いた文化資本の定量的評価の試み― 垣内恵美子・西村 日本都市計画学会論文
2004
世界遺産富山県五箇山合掌造り集落の事例―
*)
注: 印刷中
**)
修士論文をもとに査読論文を作成
7.成果
- 16 -
幸夫
集、No.39-2、15-24
【文化政策プログラム
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
◇教育の成果
これまでの修了生は所属機関へ帰還あるいは関係分野に就職しており(5.学生の項目を
参照)
、それぞれに専門は異なるが、文化政策研究をバックボーンとし、本プログラムでの
学習成果を活かした社会活動を行っている。また、各分野を横断的につなげる情報交換等
が在学生の教育とともに、OB/OGの活動を支えるためにも重要であると考え、現在修
了者および在学者のネットワークを構築中である。
1) 研究成果の公表
近年、教育の成果を広く公開することを目的に修士論文およびポリシー・プロポーザル
を専門誌に投稿するよう奨励している。現在、3編が査読論文で採用、1編がディスカッ
ション・ペーパーとして公開、1編が査読申請中である(表4参照)
。
このほか、関連学会での口頭発表、ポスターセッションへの参加を通じて、学内のみに
留まらずそれぞれの分野における学識者との交流を深めるようにしている。
2) ネットワークの構築
① OB/OGによる特別講義の实施
政策最前線での担当者として、卒業生に特別講義を依頼した(2009 年度)
。今後も継続し
ていく予定である。
② インターネットの利用
本プログラムホームページをはじめ、学会メーリングリスト、文化政策提言ネットワー
ク(公開型メーリングリスト)等のインターネットによる媒体を介し、本プログラムの活
動に関する情報の発信および文化政策全般にわたる情報の収集に努めている。
8.今後の在り方・課題
◇今後の社会的ニーズとプログラムの対応
存在意義、改善の方向
1)存在意義
① 文化政策に係る教育・研究への社会的なニーズ
文化政策に係る教育・研究への社会的ニーズは、近年、高まってきている。成熟社会に
おける文化芸術へのニーズの高まりに加えて、都市計画・まちづくり、景観・観光、コン
テンツ産業といったさまざまな方面から、多様化するニーズ・期待が寄せられてきている。
入学希望者も多様な分野・バックグラウンドを有しており、近年必要性が指摘されている
- 17 -
【文化政策プログラム
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
アート・マネジメントに特化するのではなく、公共政策としての文化政策を学びたいとい
う需要が強くなってきていることがうかがえる。また、公開講座においても、学生だけで
なく研究者や实践家など多様な人々の参加が増えてきていること、一定の固定実がいるこ
と、多様な希望や要望などの意見が寄せられていることにも見られる。
② 教育機関の希少性
一方、こうしたニーズにこたえられる専門的かつ高度な教育機関は少ないのが現状であ
る。文化政策関係の教育を行う大学は、博士課程のカリキュラムを持つ大学として東京大
学、東京藝術大学、京都橘大学、同様に修士課程では北海道教育大学、鳥取大学、静岡文
化芸術大学、昭和音楽大学、学部では富山大学、武蔵野音楽大学等がある2。このうち、博
士課程までの教育課程を持っている大学でも、東京大学は文化資源に、東京藝術大学は音
楽関係のアート・マネジメントに特化しており、京都橘大学は修士課程に注力している。
鳥取大学や静岡県立大学は地域に焦点をあてた文化政策、昭和音大や武蔵野音楽大学では
特に音楽を中心としたマネジメント、他の大学でも特に学部においてはアート・マネジメ
ントを中心に教育を行っている大学がほとんどである。このような状況のもと、博物館・
公共ホール・文化財等文化全般を総合的に扱い、政策論を中心に大学院教育を行っている
のは、国内ではほぼ本プログラムだけと言っても過言ではない。また、政策研究大学院大
学の中に位置するということで、従来他の政策や経済から乖離しがちであった文化政策と
いう分野が政策の实践的なレベルでそのあり方を考えることができる環境にある。それぞ
れの専門分野での教育も必要であるが、文化政策全体を俯瞰できる人材を育成するために
本プログラムのような課程は必要であると考えられる。
③ 研究・教育の拠点としての必要性
文化政策は、研究分野としても現在発展途上にあり、各種のデータを取りながら分析を
必要とされている。研究成果も少なく、それらをまとめ、一つの研究体系を作るためにも
総合的な文化政策の把握を目標とする本プログラムのような機関が求められている。さら
に、国際的な需要としても、日本の文化政策を研究する機関として、現在、イタリアやフ
ランスをはじめとしたヨーロッパ各国から研究や教育に関する協力の要請を受けている。
これに関してはディレクターを中心に積極的な交流を行っており、現在国際的なネットワ
ークが形成されつつある。
2)改善の方向
基本的には現行のスタンスで多様な文化に対し、それらを包括する立場を崩すことなく、
同時にそれぞれの文化分野に対しても研究を深めていく予定である。現在、本プログラム
でも文化政策に関する研究实績を蓄積し、教材作成にも着手している。しかしながら、専
2 2010 年 12 月 1 日現在。富山大学は 2011 年度から修士課程を開設する。
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【文化政策プログラム
自己評価書」2010 年 12 月 22 日
任スタッフが少ないため、全てを一度に推し進めることは避け、需要を鑑みつつ着实に教
育・研究を継続し、文化政策の基盤を築いていくこととしたい。そのために、今後各分野
でイニシアチブをとれるような学生を育てていく。同時に修了生の協力も得て、本プログ
ラムスタッフを中心に、文化政策の教育・研究の实績を積み上げ、幅広い分野を網羅でき
るようネットワークを広げていきたい。一方また、関係大学との連携やネットワークの構
築にも努めたい。これにより、文化政策の教育・研究、实践の国内外の拠点の一つとして、
本プログラムが機能していくことを目指したい。
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