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議事要旨
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部
第3回 電子行政に関するタスクフォース 議事要旨
日時:平成22年11月9日(火)13:00~16:00
場所:中央合同庁舎4号館 第 3 特別会議室
出席者:森田主査、岩村構成員、川島構成員、庄司構成員、安井構成員
和田内閣府大臣政務官、森田総務大臣政務官、田嶋経済産業大臣政務
官
座間敏如内閣官房情報通信技術(IT)担当室電子政府推進管理補佐
官、村上文洋株式会社三菱総合研究所主席研究員、ビジネスオンライン
株式会社(藤井博之代表取締役)、原田智京都府税務課長、株式会社日立
製作所(梶浦敏範経営戦略本部担当本部長)、手塚悟東京工科大学教授
1.開会
2.電子行政推進の基本方針について
3.企業コードについて
〔資料〕
資料1-1:政府情報システムの刷新の取組(総務省提出資料)
資料1-2:座間敏如 内閣官房情報通信技術(IT)担当室電子政府推進管理補佐官
提出資料
資料1-3:電子政府分野における課題と対応策 ~主に費用対効果の観点から~
(村上文洋 株式会社三菱総合研究所主席研究員提出資料)
資料2-1:企業コードに関する有識者ヒアリングについて
資料2-2:企業コード統一の課題と実現シナリオ(ビジネスオンライン株式会社提出
資料)
資料2-3:地方公共団体における企業番号の現状について~税業務を中心として~
(原田智 京都府税務課長提出資料)
資料2-4:日立グループにおけるお取引先コード統一(株式会社日立製作所提出資料)
資料2-5:企業コードの現状と制度設計の在り方(手塚悟 東京工科大学教授提出資
料)
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1.開会
森田総務大臣政務官から、開催に当たっての挨拶が行われた。
(森田総務大臣政務官)
今回も、電子行政推進の基本方針に関する諸課題、企業コードと議題が多岐に渡ってお
り、これからますますハードなスケジュールになっていくが、是非活発なご議論をしてい
ただき、方向性を示していただきたい。
2.電子行政推進の基本方針について
各発表の後、質疑応答が行われた。
[資料1-1に基づき、総務省行政管理局から発表]
[資料1-2に基づき、座間氏(電子政府推進管理補佐官)から発表]
ここで、田嶋経済産業大臣政務官、和田内閣府大臣政務官から、挨拶が行われた。
(田嶋経済産業大臣政務官)
これまでの電子行政は失敗の連続であったが、今回は手戻りのない形で、これまでの失
敗を確認し、振り返りながら、前に進んで行きたいと思っている。一つでもきちんと結果
が出せるようにしていきたいと思っている。
(和田内閣府大臣政務官)
自分自身がかつて通産省の中で電子行政に携わっていただけに、非常に耳の痛い思いで
これまでの議論を聴いていた。これからは一つずつでも成果を上げていかなければいけな
い。行政の情報化を進めようとすると、あちこちから様々な要望が挙がってきて、それを
全部やろうとすると財政的に破綻をきたし、破綻するから少しずつ削って、結局あまり意
味のないものを作ってしまうという歴史を繰り返してきた。今回を契機に、今あるものを
最大限活かしつつ、また、財政的な限界や国民意識からみても、先ほどの話にあったよう
に(セルフサービス化できるものはオンライン化を充実させ、一方で対面での相談が必要
なものは窓口を強化していくような)温かい相談と温かいコンピューターリテラシーを普
及させ、便利な世の中を作ることに努めたい。
[資料1-3に基づき、村上氏(株式会社三菱総合研究所主席研究員)から発表]
(川島構成員)
総務省の発表に関して、今後、各府省が統一的に実施すべきガイドラインを整備予定と
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なっているが、各府省における取組が実際にガイドラインに適合しているかの担保がとれ
るか懸念がある。予算編成と執行のそれぞれの局面において、実際にグリップできるか疑
問があり、ガイドラインの性質を強化する必要があるのではないか。
座間氏の発表に関して、自治体においては首長によるグランドデザインへのコミットが
実際にできているところがあり、そうしたところでは、首長のリーダーシップが発揮され
ている。PDCA、特にCAが機能している。こうしたことは規模の問題ではなく、自治
体にできて国にできないわけではないものと思われる。
村上氏の発表に関して、現状についてはフルオープンにすることが重要である。ここで
フルオープンの意味するところは、コストに職員の人件費も含むということと、金額の単
位をどうするかといった点を考慮する必要がある。内部コストも発生するので、どこまで
詳細に行うかについて検討は必要だが、望むべき方向としてはフルオープンであるべきと
考える。
(庄司構成員)
政府共通プラットフォームの取組について説明があったが、前回のタスクフォースにお
いて私から韓国の政府統合電算センターの事例を紹介したとおり、こうした取組は重要で
ある。また、システムだけでなく、業務の統合・集約化も必要である。
コストの可視化については非常に良いことだが、窓口サービスに要する費用も含めて判
断することが必要である。
(安井構成員)
業務・システム最適化の取組に関して、例えば、文書管理業務の電子決裁の活用について
の評価は誰が行い、責任は誰がとるのか。また、旧政権下で策定されたITに関する戦略
における目標についても、結果及び評価はどのようになるのか。
(総務省)
文書管理業務については、基本的には担当府省である総務省が責任を担うこととなるが、
府省共通業務・システムに関する取組であることから、最終的に各府省の官房長で構成さ
れるCIO連絡会議に諮られることとなる。さらに、企画委員会に対しても報告を行いご
指導いただく責任体制となっている。
(事務局)
新政権になり、新しい戦略が策定され、また、新しく企画委員会が設置され、この場を
中心にPDCAサイクルを回していく枠組みとなったが、過去に設定していた目標も含め
て、今後評価をどうしていくかはこれからの課題だと認識している。
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(岩村構成員)
当初、総務省の発表を聞いるときには、率直に言うとこれで大丈夫かと思っていた。例
えばレガシーシステムの刷新、メインフレームのオープン化、共通化といった趣旨のこと
が高らかにうたわれており、聞こえはよいのだが、本当に上手く機能するのかと言うこと
を質問しようかと思っていたが、その後の座間氏及び村上氏の発表を聞いてその必要はな
くなったと感じた。
座間氏の発表では、極めて具体的に指摘されており、村上氏の発表資料では、もっと率
直に「レガシーシステムを維持したほうが、無理やりオープンシステムに移行するよりも
費用対効果の点で優れている場合もある」と書かれており、私も共感するところである。
こうしたことを考えると、言わばだんびらを振りかざすような大方針の設定と、単純な
目標の設定が上手くいっているか疑問である。川島氏からは規模の問題はないとの発言が
あったが、実際としてはあるのではないか。5千億円と5億円の規模では具体的な管理の
かたちは異なるのではないか。共通の方針をともかく掲げるとわかりやすく国民に受ける
訳だが、たとえ不人気であっても、管理ができる単位で地道に評価し推進するということ
が必要ではないか。更に言うと、方針を決定する主体とチェックする主体がごちゃごちゃ
になっているのではないか。
やはり、大きな目標と、各府省あるいは現場を含めて実際の管理に取り組む単位とは分
けて具体的に考えることが必要ではないか。
総務省の「政府情報システム改革検討会」では、座間氏、村上氏も構成員となっており、
こうしたところで具体的に検討されて、正すべきは正し、修正すべき軌道は修正されるこ
とが必要と考える。
(庄司構成員)
今後の議論の進め方について、「政府情報システム改革検討会」との連携が必要というこ
とについては、そのとおりである。また、新戦略にあるとおり行政刷新会議などとの横の
連携についても是非検討していただきたい。
(村上構成員)
IT投資のガバナンスの単位をどのようにするかは難しい論点だが、仮に各府省におい
て行う場合でも、評価の物差し(基準)を統一しておけば横並びで行うことができる。こ
うした方法論も考えていく必要がある。
(座間補佐官)
ガバナンス体制について、個別と全体の二つの視点で管理する必要があるのはそのとお
りと考える。また、取組の実績がでてきて評価できるタイミングと次の取組に着手するタ
イミングとのズレについても重要な課題である。
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(総務省)
ガイドラインをつくるだけで上手くいくのかというご指摘があったが、各省単位ではP
MOがあるし、CIO連絡会議を設け政府全体の管理も図っているところであるが、チェ
ック機能や人材の不足についての論点は重要と認識している。
「政府情報システム改革検討
会」の場においても構成員の方々に検討していただいているところであり、今後も身を引
き締めて参りたい。
(森田主査)
安井構成員から発言のあった過去の政権下の戦略における取組の評価や継続性について、
政務の方々の立場からご発言をお願いしたい。
(田嶋政務官)
あらゆる分野で同じ課題がある。予算一つとっても、政権が変わったからといって、全
否定から入るのでなく、継続性も重要である。やはり国民に迷惑をかけない形の漸進的な
改革ということになると思う。それはどの分野でも同じで、どれも基本的には前政権の蓄
積の上に成り立っているというのはその通りであり、だからこそ、失敗からしっかり学び、
積み上がったところで役立つものもいろいろあると思うので、それが今の業務のフローを
検証する中から、「これはこの上に積み上げていこう」というような宝探しも必要なのでは
ないかと思う。
(森田政務官)
ほぼ同じ見解であるが、政権が変わって法律や予算や税制というのは、時として政権の
哲学で変わるが、システムに関しては、政治家があまりシステムの専門家でもないことか
ら、基本的には継続性が要求されるのではないか。そういう中で、政府の改革検討委員会
のような専門家の会議が、大きな道筋を示してくれる中で重要である。政治家はこの部分
において、あまり権力を濫用するようなことがあってはならない、むしろ抑制的であるべ
きだと思う。
(川島構成員)
総務省から、PMOを作ってしっかりとしたガバナンスをしている、予算のコントロー
ルを行うという話があったが、結局、最終的な予算の成案について大切なのは、最終的に
個々の予算がガイドラインに合っているかどうか、専門的見地から言って合理的でない、
財務省に対してNOと言えるのか、そういう機能が必要でなはいか。
(安井構成員)
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座間さんの調達の話は重要だと思った。また、IT人材の話はゆゆしき問題である。こ
れらの問題は今後議論されていく予定があるのか。
(事務局)
今のご指摘について、政府CIOの議論をする際に、政府CIOの制度設計をどうして
いくかという話の中で、今のCIO連絡会議やCIO補佐官がどう在るべきか等について、
トータルでタスクフォースの中で議論いただくことが必要と考えている。
(森田主査)
主査でなく、構成員の一人としてコメントさせていただくが、1 点目は、行政システムは
現代社会の基礎であり、多くの国民が行政に接触する際には、地元の自治体が一番の窓口
になる。その窓口に行って様々な申請等を行うが、そのための手続が一体何のために行わ
れていて、どうすることが一番便利なのかという視点が非常に大事だと思うが、これまで
のIT化の話というのは、どちらかと言えば政府の中の方からその仕事をどう合理化・改
善していくかという視点であり、必ずしも国民へ伝わっていなかったと思われる。
国民社会にとってどれぐらいのメリットがあって、その分どの程度のコストがかかるの
かという観点からの計算や議論が今までなかったと思っている。特に、誤解を受けると困
るが、税のシステムを電子化すると徴税コストが少なくなるが、それは徴税側の考えであ
って、納税者からみると、結構ですねとはなかなか言い難いことがある。その意味で、国
民にとってどういうメリットがあるかということをきちんと説明する必要がある。
2点目は、前回とも重なるが、政府全体としてITをどういう形で導入していくかとい
うときに、今までは既存の行政システム+αという形で位置付けていたと思うが、行政機
構における情報は基本的なインフラであり、そうした観点から既存の業務の中に組み込ん
でいく、逆に言えば、既存の業務が現在の形であるというのは、昔の情報技術によって制
約されているところがあるわけであり、それが変わることによって業務そのものが変わっ
てくる。
今回の戦略を否定するつもりはないが、コンビニで証明書が取得できるというのは大変
便利であるが、暫定的であるとの批判もあり、基本的に証明書を不要とするという発想で
考えることはできないのか、そうした視点をこれから加える必要がある。そうするために
は、我が国の社会の共通基盤、基層の部分の管理はあまりばらばらであるべきではなく、
それを管理していく部分としてCIO体制が大切であるし、その体制を維持するためには、
ITの専門家であると同時に行政の専門家であるという両方の能力を持った人材が必要と
なる。少し時間がかかるが、それをどう体系的に養成していくのか、そして、現在いる人
にそのようなポジションをどのように提供していくのかということが大切になると思う。
(座間補佐官)
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今の森田主査のお話について、一つ説明したい。今までの情報システムは、一つは紙
ベースの帳票、もう一つは現在のフロー、手続を中心に作っていた。今もそれがあって
初めて業務システムとして成り立つという観点がある。
森田主査のおっしゃる状態に持って行くためには、その中の、データをどこでどのよ
うに管理して、どう使うのかということを中心に考えて、その周りを取り囲む職員の業
務やサービスがどう在るべきかという形に一回モデルを変えないと、今までの状態でや
っていると、せっかく情報システムは、ヨコで繋がるのにタテ割りの状態になっている
ので、データを中心に、そこの相互運用性をどう高めることができるかということだと
思う。
(森田主査)
私が一番それを勉強したのは、コンビニのいわゆるPOSシステムが開発された時で
ある。かなり発想の転換があったということを痛感したので、そうしたことが行政内部
でも考えられるのではないかと思った次第である。
3.企業コードについて
資料2に基づき、事務局及び有識者から説明を行い、各構成員等から、以下の発言が
あった。
[資料2-1に基づき、事務局(井上参事官)から有識者ヒアリングの概要説明]
[資料2-2に基づき、ビジネスオンライン(藤井取締役)から発表]
[資料2-3に基づき、原田智京都府税務課長から発表]
[資料2-4に基づき、日立製作所(梶浦担当本部長)から発表]
[資料2-5に基づき、手塚悟東京工科大学教授から発表]
(田嶋政務官)
資料2-5資料(P13)の国際性に関して、現在民間に様々なデータベースがある中
で、既に国際汎用性があり、軸に考えた方が良いコードはあるのか。
(手塚教授)
国際性として、デジュールとしてのOIDやデファクトとしてのDUNS等がある。O
IDはディレクトリの考え方に既にあり、これが国際標準の1つと考えられる。デファク
トとしては、DUNSが国際間において政府間でも活用されている。このようなコードを
活用することも1つの体系の中であり得る。
(田嶋政務官)
OIDは資料2-5(P5)の国内における企業コードの現状に記載はないが何故か。
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(手塚教授)
OIDは民間においてもあまり使われていないのが実状。
(田嶋政務官)
資料2-5(P13)の国際性の論点を考えた時に、DUNSを有効活用していくしか
ないということか。
(手塚教授)
DUNSそのものを使うのではなく、国内は国内で自由に番号を振れるような体系にし
たい。そこで、DUNSと連携するようにし、DUNSに繋ぐ仕組みを作っておくという
発想。
(田嶋政務官)
日立グループはコードを全て新しいものに入れ替えたのか。どのような判断があったの
か教えて欲しい。
(日立製作所
梶浦氏)
誰かのを使っても過不足がある。どうせ直すのだから、今後の拡張も考えて、全く新し
いものを振り直すという発想。また、桁数に意味を持たせた番号は、効率性も悪いので、
新しい意味のない通番をこの時は作る判断をした。それに各事業所の独自番号は紐付けれ
ば良いという発想のもと、対照表を作成し徐々に入れ替えていった。
(田嶋政務官)
企業グループの実例であるが、企業のIT化と政府のIT化において、どの程度のアナ
ロジーがあるのか。足掛け10年やったということと、カバー率(約80%)は、凄いと
思うのか、日立でもそうなのかと評価したら良いのか。これを政府の電子化へアプローチ
すると、この経験から何年かかると思うか。
(日立製作所
梶浦氏)
(日立では)これまで約10年かかったが、まだ完成していない。あと、5年はかかる
見込み。これを電子政府にあてはめると、感覚的には完成まで20年はかかると思う。
(安井構成員)
資料2-5(P15)の制度設計における対象と進め方について、中央官庁統合があり、
次のステップで中央官庁と地方自治体統合があり、ガバメントに閉じた世界で実施した後
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に民間への拡大と捉えたが、もう少し早い段階から民間(GtoB)への取り組みはでき
ないのか。韓国の国民IDの議論でも銀行口座を開く際に、番号が必要となり、その時に
銀行が行政機関との間で、住民票のやり取りを行う等発展した事例があるが、この段階論
を如何に進めていくか、民との連携を前倒しする際の手塚先生の見解はどうか。
(手塚教授)
進め方は、この手順(中央官庁統合、中央官庁と地方自治体の統合より開始)でいくと
思っているが、それを前倒しする議論はもう1歩あると思う。その時には、韓国の事例の
ように最後にCがいる。そちら側との歩調をどうするかという議論もでるので、総合的に
国民ID及び企業コード全体で捉えたマイルストンを考えなければならない。企業コード
の視点で見て、他と関係しないところは固めてしまうということであれば、このステップ
になるのではないかと思う。
(安井構成員)
税の議論が絡んでくる。欧米もVATへの活用が多い。InGの中でも税が中心になる
のか、他の視点も取り入れながら考える必要があるのか、手塚先生の見解を聞きたい。
(手塚教授)
経団連の提言にある3つのシステム(調達総合情報システム、登記情報システム、e-
TAX)の統合イメージが中心にならざるを得ないのではないかと思う。
(田嶋政務官)
京都府のような事例(税業務共同利用)が、なぜ他の自治体で沸きあがってこないのか。
何が阻んできているのか。財源なのか、やる気なのか。
(京都府
原田氏)
それだけのことを行うリーダシップが必要。共同化に背を向けていたが、山田知事にな
ってからシステムの共同化、業務の共同化が一気に進み始めた。自治体の場合は、業務改
革はシビアに迫られている。税収が減っており、職員定数も減っているので、更に業務効
率化をしていかないと、回らなくなってきている。自治体間では競争意識や共同意識がな
かった。隣の市町村の間でも相互に比較することもしなかった。今は税制改革に伴うシス
テムの改修経費は、近隣市町村と比較するようになったが、これまで双方に連携すること
がなかった。共同化の意識はありながら、それを実現するためのリーダシップがなかった。
(田嶋政務官)
どれくらいの節税になるか試算はしているか。
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(京都府
原田氏)
税業務の共同化により、徴収率は98%まで引き上げ、職員率は3割程度減らす等、具
体的な数値目標を挙げて取組を進めている。
(川島構成員)
田嶋政務官の障壁の質問に対する補足であるが、自治体は独立した意思決定機関である。
税の基本的な控除の仕方等は決まっているが、1年間に4回通知をするところ、6回通知
をするところ、個人に通知をだすところ、世帯にだすところ等、現場の適用レベルになる
と細かいレベルの差異があり、過去の経験とその地域の独特な歴史、経緯により、やり方
が決まってくる。それを合わせようとすると、相当な議論が必要であり、関係者の合意ま
でのステップに時間を要する。
(庄司構成員)
前回オンライン申請のところで法人の手続きが非常に多いという議論があり、そのとき
にそこを一つにまとめていってポータル化していくような動きがすごく大事という話をし
たと思うが、まさにこの InG の部分をまとめていくことがオンライン申請の方の促進にも
つながる。ここが一番大事なところではないかと考える。
(岩村構成員)
コードというのは特に個人情報のような特定のプライバシーの目的がない限りは共通化、
標準化、できれは統一されていた方が良いということは明らかだと思う。それが必要だと
いう議論はたくさん聞くが、どのようなステップをたどって、どういう論理で統一するか
ということについて議論がないということを思っていたが、今日の手塚先生のお話を聞い
て大変私は納得した。なかでも、これは前から私も思っていたが Identity と Identifier
の区別がとても大事だということも含めて、重要なプレゼンテーションであったのではな
いかと思う。あえていえば、国際性については相手がいる話であり、一筋縄ではいかない
かもしれないが、先生が示された1から5までの点については、是非こういうことを土台
にして、具体的なステップや骨格を考えるのがいいのではないか。統一とか共通というの
は、皆それぞれ違うイメージをもって統一や共通を言っている可能性が高い。具体的な骨
組みを示されないと、必要だという声はずっと上がってもそれ以上進まない。それに具体
的な肉付けをする手足、体制を作っていただいて、例えば法務省の法人登記などを個別に
叩くよりは、ステップややり方・作り方もっと詳細に具体化して、それについて具体的な
議論をしたほうが進むと思う。ここで必要だということだけを認識しても必要だという認
識がタスクフォースで得られましたという議事録しか残らない。次にもう一度手塚先生の
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話を聞きたいと強く思った。
(川島構成員)
私も手塚先生の最後の制度設計の在り方の5ステップのところについてのコメントだが、
全体の枠組として非常にきちっとしたグランドデザインだと思う一方で、例えば健康保険
とか地震保険の所得控除の手続とかが企業コードでなくなりますとか、中小企業を起こす
時の法人登記がすごく早くできますとか、多くの国民に訴える内容の見せ方を工夫すると
いうことについて、あくまで戦術的なレベルかもしれないが、考える必要があるのではな
いかと思った。
(田嶋政務官)
今の点は私みたいな立場の人間が言うべきようなことかもしれないが、大事だと思う。
どう訴えるか、国民のバックアップがなるべく取り付けられるような運動論でいかなけれ
ばいけない。
(森田主査)
基本的に国民IDも企業コードも今議論しているのは行政との関係で、申請、許認可、
納税など、官と民の間のやり取りを便利にしようという話だが、もちろんⅠnGで政府間
あるいは政府内で各省間の連携であるとか、コストの低減や利便性を高めることが必要で
あるが、民間の中でBtoBで使われたりBtoCでかなり使われるということになると、法
人であるか個人であるかの違いはあっても、権利主体に一定の番号を振るところは共通し
ている話だと思う。
個人番号をやらないで法人番号のみをやってもそれなりの効果があると思うが、国民全体
として得られるメリットとしては限られてくるのではないかという気がする。個人の場合
にはそれほど粒度の問題はないが、反面個人情報の問題がある。企業の場合は逆にどの単
位にするか粒度の問題があるが、個人情報のような問題は自然人ほど多くない。この電子
政府のタスクフォースでどこまで射程に含まれるのかもいまひとつよくわからないところ
もあるが、個人のIDのほうと連携して共通に考えられるところもかなりあるのではない
か。
これからの議論を、最終的にどういう形で書き込むかということだが、現在既に様々な形
で振られている番号制度をどういう形で整理をし、より拡大し、普遍化していくかという
話として整理できるかと思っている。そのためにどういう工程が望ましいのかというのは
手塚先生のプレゼンでもあったが、基本的にこれからの電子政府、ID化を社会で進めて
いく場合には、そうしたIDというのは企業であれ個人であれ、一番ベースになるという
ことは前提として、具体的にそれをどうするかという議論を進めていくという方が生産的
であるという点では、かなり共通するところがあると思う。先ほど京都府のお話があった
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が、税の滞納者に対して補助金を出さないとか、データ間の突合の仕組みがIT化によっ
て格段に進み、これが国民にもたらすメリットはすごく大きいと思っている。そういう方
向でまた手塚先生のお話を聞かせていただく機会もあるかと思う。
(安井構成員)
企業コードに関していうと、民間同士で企業情報を管理しており、国がやりすぎると、
企業信用情報とかいわゆる民業圧迫になることもあるのかなと思っており、そういう部分
も考慮すべきかもしれないが、その辺のご意見をどなたか。
(日立製作所
梶浦氏)
私の考えだが、手塚先生の話の中に基本情報と競争領域と非競争領域というのがあった。
ああいう話かと思っており、基本情報の場合はオープンなんだから民でやっても付加価値
はないと言い切ってもいいと思う。現在は非競争領域の部分もビジネスになっている部分
もあるかもしれないが、やがてそこまでがあまりお金にならないところになり、さらにそ
の先の競争領域が民業になると思っている。いっぺんにドンといく訳ではなくて、徐々に
なだらかに行くのがいいのではないかと思っている。
(ビジネスオンライン
藤井氏)
情報自体のレベル感が違うと思う。民のレベルでも本当に触れていいものから、お金を
出して買わなければいけないものとかいろいろレベル感がある。ただ一方でどうやってこ
れ広げるかということで言うと、やはり官、税の情報とつながっていく、企業はやはりそ
の納税をして生業を立てているので、公的な連携がまず基本にあってそこから徐々にその
属性の範囲を広げていくというのが一番広がりとしては早いのではないかと私は思う。
(岩村構成員)
企業コードの統一というようなものこそ工程表が必要で、工程表を出す意味があると思
うので、事務局にご検討いただきたい。
(川島構成員)
企業コードのIDもそうだが、税というのは制度の根幹の議論であり、あまり前面に打
ち出すと、いろいろな抵抗勢力といろいろな観点で相当の議論を費やすことになるので、
その前にこれによるメリット、便利さのイメージ、メッセージを出しておかないと、後で
相当大きな手戻りになる恐れがある。そこは十分にご考慮いただきたい。
もう一点は事務局のほうに確認させていただきたいが、電子行政推進の基本方針の策定と
いうのは今年度策定することになっており、CIOの体制などの具体的な項目があるが、
これまで3回議論があったが、議論としての深まりが私自身は不十分ではないかと思って
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いる。議論としてどのように取りまとめて深めていくか、今何か共有していただけるもの
があれば教えていただきたい。
(事務局)
ご指摘のところは悩ましいところであり、戦略で検討すべきとされているところと、こ
のタスクフォースで実際ご議論いただく物理的な時間との関係がある。皆様方には大変恐
縮だがある程度スケジュールを割いていただいて議論の時間を確保したいということと、
戦略の工程表で、年度内にやるべきことと、2013年、2020年までというものがあ
るなかで、議論の順序のプライオリティをつけさせていただきたいと思っている。前回主
査からも今後の進め方についてペーパーのご整理をいただいたが、ああいう形で、ある程
度焦点を絞って、とりあえずは年度末をターゲットとしてご議論いただけるステージを事
務局としても主査ともご相談させていただきながら検討していきたいと思う。それについ
てご議論、各構成員のご意見があれば、事務局の方にお寄せいただければ考慮して検討さ
せていただきたいと思う。
(森田主査)
まだ全体像について事務局と詰めているわけではないが、先ほどの話もあったように何
十年もかかる可能性もないわけではない。なるべく前倒しにするために、最終着地点は一
体どういうイメージなのかということ、それの手前としてまず今の時点で何ができるのか
ということ、その辺についてメリハリをつけて、そして今の時点でやるべきことについて
議論いただければと思っている。
(田嶋政務官)
今回どういう事情でこの企業コードの話がテーマになっているのかわからないが、企業
コードの話を個人のID化の先行的なものとして位置づけてやることが考えられて今日こ
ういう話になっているのか、その辺はどうなのか。政治的には自然人より法人から始める
というのも一つあるかと思った次第であるが、その辺はいかがか。
(事務局)
IT戦略の中に、項目として国民ID制度という項目の中に企業コードも盛り込んでい
たこともあり、また、今日のご議論にあったように、個人と法人という形にしろ、ある主
体に対して一種のコードを付して、さまざまなデータ連携に役立てていこうという意味で
の共通性があるということで、前回国民IDということで取り上げたが、流れで近接した
時間帯にこのテーマを取り上げたほうがよいのではないかということで、本日の議論の場
に出させていただいたということである。
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(森田主査)
戦略の中に位置づけられており、そこに上がっている論点を少しずつ、順番に議論して
いただく中で出てきたとご理解いただきたい。
4.閉会
(森田主査)
次回は11月19日(金)9:30~12:30を予定している。
以上
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