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議事要旨
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部
第17回
電子行政に関するタスクフォース
議事要旨
日
時:平成23年12月5日(月)13:00~14:50
場
所:中央合同庁舎第4号館
全省庁共用1208特別会議室
出席者:森田主査、石井構成員、遠藤構成員、川島構成員、庄司構成員、安井
構成員
飯島臨時構成員、手塚臨時構成員、村上臨時構成員
森田総務大臣政務官
安田本部員
社会保障改革担当室(篠原参事官、阿部参事官)
1.開会
2.国民ID制度について(企業コード)
3.オープンガバメントについて
〔資料〕
資料1
:企業コードの整備と活用~ユースケースの検討状況~
(手塚臨時構成員提出資料)
【参考資料】ユースケース候補案
資料2-1:本TFにおけるオープンガバメントの検討とオープンデータの活
用について(村上臨時構成員提出資料)
資料2-2:オープンガバメントに係る事務局からの補足資料
参考資料
:第 16 回電子行政に関するタスクフォース議事要旨
1
1.開会
開会に当たり、森田総務大臣政務官から挨拶が行われた。
(森田総務大臣政務官 )
本日もお忙しい中、構成員の皆様方におかれましては御参集いただ だいたこと、日ごろ
から本タスクフォースにおいて多大なる御指導を賜っていることに改めて御礼申し上げる。
本タスクフォースにおいては、昨年9月から数えて 17 回になる。大変精力的な御議論を
いただいており、総務省としても その議論の内容を踏まえ、内閣官房等と協力し実践的に
進めていきたいと思っている。
今次、本タスクフォースでは、国民本位の電子行政の実現に向け、国民ID制度、オン
ライン利用計画等について御議論いただくことに なっている。現在、本年6月に決定され
た社会保障・税番号大綱に基づき、内閣官房を中心に制度導入に向けた検討が進められて
いるところであり、総務省においては国民ID制度の検討に当たっては国の行政業務シス
テムと地方自治体、民間事業者の連携並びに企業コードを媒介にした情報連携の検証の施
策を推し進めているところである。
当然、オンライン利用計画にお いては各府省の行政手続の効率化だけでなく、国民の利
便性、サービスの品質向上が実感できるようにすることに重点を置いて進めてまい るが、
めり張りのあるオンライン化、そして業務プロセスの改革を内閣官房と連携していきたい
と思う。
更に本日、御議論いただくオープンガバメントについては、行政情報の2次利用、政府
における情報提供の在り方のほか、今次の東日本大震災における取組み や、そこから得ら
れた教訓を踏まえた御検討もいただきたいとお願い申し上げ る。
総務省としてもこれらの観点を含め、今後の議論に更に積極的に参加させていただきた
いと考えている。
2.国民ID制度について(企業コード)
説明の後、質疑忚答が行われた。
[資料 1 に基づき、手塚臨時構成員から説明]
(石井構成員)
ユースケースの例①の入札参加資格申請では、情報保有機関がそれぞれその番号を持っ
ており、連携基盤を通して企業、事業所を特定して証明書などを発行するイメージ 図であ
り、ほかはデータベースを使って情報連携するイメージ図になってい るが、情報保有機関
がデータベースを使わないケースはあるのか。
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(手塚臨時構成員)
その点については、ある意味つくりの話になって くるため、どういうアーキテクチャー
にするかというところになるかと思うので、考え方は両方あると思っている。
(石井構成員)
そうであれば、論点としてそのデータベースの運営主体をどうするかというのが落ちる
場合もあり得るということか。
(手塚臨時構成員)
そういうこともあり得ると思う。
(石井構成員)
ユースケースの例①では、情報連携基盤を通す形のイメージ図が書いてあるが、個人情
報と違って必ずしもバックオフィスで連携させる必要もないような気がする。
(手塚臨時構成員)
情報連携基盤を通すか、通さないか、それは個人側の話で ある。企業側は、そこと分離
して考えており、どちらかと言うと使わない方式を考えたい。つまり 、企業コードでは、
個人情報とは扱いが違うためアーキテクチャーも違ってくる。
(石井構成員)
ユースケースの例①では、連携基盤でバックオフィス連携という御説明があったかと思
うので、その後ろで流すのかどうかということをお伺いしたかった。
(手塚臨時構成員)
省庁間で一番わかりやすい例で言えば、ある省庁がこの企業はどこだというのをコード
できたとすれば、例えば法務省か、国税庁か、今回 付番したところに聞けばわかるわけで
ある。
(安田本部員)
今回の案内に「国民ID制度について(企業コード)」という言葉があり、議論をさせてい
ただこうと思って来た。2つ質問がある。
1つは、この資料に国民ID制度、法人番号、企業コード、個人事業主、既存番号と出
ているが、この関係はどうなっているのか。同じものならば同じ言葉を使っていただきた
いし、違う言葉ならばどう関係するのかということを表にしてきちんと書いていただ きた
い。
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もう一つは、付番の対象について、法人というのは1つしかないはずであり、支店とか
事業所に付番する意味 がよくわからない。
(手塚臨時構成員)
言葉の定義については、前回を含めて企業コードと企業IDの概念の中で、
Identifier/Identity/Attribute という定義をきちんとした上で議論 していくことを示し
ている。その中で、今回企業コードという言葉を使っているが、これはもともと電子行政
に関するタスクフォースのテーマとして挙がっている言葉 を使っている。
それから、既存番号については、各情報保有機関である各省庁が現在使っている企業に
対する番号であり、各行政機関が約 13 種類以上あるという現状を踏まえ、これらの番号に
ついて既存番号という表現にしている。
(安田本部員)
企業IDというのは個人事業主も企業と みなして振るということか。
(手塚臨時構成員)
ここでも挙げているが、個人事業主の定義に対してどういうふうにするかは今のところ
検討対象としていて、結論まではまだ至ってい ない。要するに、citizen として定義する
のか、それとも employee として定義するのか 。そこに対してどう整理してくかは検討対象
だと思う。
(安田本部員)
法人についてはどうか。
(手塚臨時構成員)
法人は、企業において1つである。地方税、社会保障、年金等では、その対象が法人の
みでは行政として回らない。法人の中の支店、事業所、事業場などをどう扱うのかまで考
えないと、電子行政としては実際にアプリケーションが回っていかない 。そこも検討対象
として考えている。
法人そのものの定義は、法務省の法人登記でやっていることが制度上の定義だと思う。
それにプラスアルファの部分をどう整理していくのかというところが大事だと考えて いる。
(安田本部員)
最終的に法人番号と、企業と言わないけれども組織IDは2つあっても良いとの考えか。
(手塚臨時構成員)
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体系を2つにするのか、そこは考え方だと思 う。
(安田本部員)
同じことが国にも言える。
(手塚臨時構成員)
そういう意味では組織であるため、国も同じだと思う。
(飯島臨時構成員)
2点質問させていただきたい。
1点目が3ページ目 のユースケースの一覧に 19 項が出ているが、このユースケースと社
会保障・税番号大綱でカバーされているユースケースとの関係、特に今日御説明 いただい
たユースケース例②、③との関係を伺いたい。
2点目は、8ページ目の「ユースケースの絞り込みの考え方」であるが、当初案と改訂
案を比較すると、効果分析と実現可能性分析が優先適用業務 選定の前であったのを後ろに
変更されているが、どういったところから 変更したのか。
(手塚臨時構成員)
1点目の御質問については、社会保障の関係 者とはすり合わせがまだ仕切れていない。
これはあくまでも私の 私案として出しているので、今後の検討の中ですり合わせていくも
のかと思う。
2点目の御質問については、当初案は頭の中で考えており、ユースケースについてはき
ちんと最初から候補を絞り込んでいこうと思っていたが、いろいろ検討していく中でこの
改訂案にした。具体的には、企業にとってのメリットと官側の事務処理の効率化、ここが
非常に重要になってくるので、ここをまず第1ターゲットにして見ていかないとそのパイ
ロットにも落とし込むことがなかなか難しいかと思った。また、1~2個から4~5個に
変えたという点も、尐し幅広にいろいろなところの御意見を賜ろうということで数を増や
した。
(飯島臨時構成員)
このユースケースを4~5個選んだ後に効果分析、実現可能性分析をされるということ
で、その前にはされないのか。
(手塚臨時構成員)
全くしないでゼロイチでやっているわけではない。
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(遠藤構成員)
ユースケースはこういうものができると大変有効であるということ だが、既にある業務
を対象にしている。例えば、TPP が実際に展開されるようになると海外のものやサービス
も入ってくることが起こるが、そのときに詐欺みたいなことが起こる可能性 がある。その
ときに法人番号ないし企業コードがあると、トレーサビリティも含めて非常によくなると
思うので、その辺を考慮した研究もしておかなければいけないのではと思う。日本市場に
おける海外の企業と日本企業が同じ企業コードによるメリットを得られるようにしておか
ないと、参入障壁とか言われると困るため、その辺も含めて悪いのを何とか判別するとい
う話と、それから同じ権利が与えられるようにするというのと、両方考えておく必要があ
る。これは、いろいろな方面の力を借りないといけないと思うので、研究される必要があ
ると私は思う。
(手塚臨時構成員)
御意見として賜ったので、参考にする。
(川島構成員)
絞り込みのアプローチについては、最初に費用対効果の問題をぎちぎちと定量的に 詰め
切るということが現実的ではなく、作業的にも難しい ことは理解している。最初の段階で
ユースケースの4つか5つを浮かび上がらせるところで 、パターン別というか、象徴的な
ものを幾つか出すということが非常に重要かと思 う。一方、アプローチとしては 、今の段
階ではスケーラブルかつフレキシブルで手戻りが生じないようにすべき。そういった観点
から1つだけ気になる。パターン分けの3ページ目では、官官・官民・民民と整理されて
いるが、この民の中に employee としての民と citizen としての民があるので、そのパター
ンも議論していく必要がある。
もう一点、実は象徴的なユースケースは 良いと思うが、例えば入札参加資格者にしてみ
ても全国で今それぞれの自治体がばらばらでやっているもの の足並みをそろえるというこ
とであり、社会保険の関連もその制度ごとに事業所の定義が異なるということ であるため、
制度的な障害が予想される。入札参加資格の方は 、いろいろ自治体と音頭をとって平仄を
合わせるという作業は何となくできるだろうという気はする 。しかし、社会保険の方では、
それぞれの社会保険制度の中での定義を変えるのが非常に難しい気 がする。障害があって
もやろうという前提でそれを考えているか。内閣官房の方は、そういう心構えなのかを確
認したい。
(手塚臨時構成員)
4~5個を選ぶというのはやみくもに選ぶわけではなくて、やはりパターンが必要だと思
う。特に in G、G to G、これが1つ。それと G to B の関係、更にはできれば B to B のと
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ころで効果が出るようなものを見ながらまとめていきたい。
(事務局)
以前から御議論いただいているように、その企業コードだけが整備されても 直ちに効率
性が上がるとか利便性が上がるというものではないと考えて いる。したがって、BPR が前
提となるため、その際に当たっては必要な制度改正も当然必要となってくる。内閣官房で
そのための必要な調整もしていきたいと考えて いる。
(村上臨時構成員)
民間利用についてもニーズがあると思うので検討したほうがいい 。例えば、以前、タス
クフォースで日立の梶浦さんが企業コード を企業コンプライアンスに使う例を紹介してい
た。現在、取引先企業をチェックする方法 があいまいだが、行政が保有している消費者庁
や警察の情報などを企業コードでチェックできると有効。
(手塚臨時構成員)
参考にする。
(庄司構成員)
10 ページ目の「ユースケースの絞り込みの方法をどう考えるか」の論点について、まず
は社会保障と税の改革の推進に資するものというのが大きいのではないかと 思う。
それからもう一つ、ユースケースの選定においては、11 ページ目のイメージ図で言うと
ころの③の公開領域であり、分野横断的に決めなければいけないものがまずは優先される
と思うので、後々の分野横断を考えた上でユースケースの選定というのはあると 思う。
(安井構成員)
まず、ユースケースの選定に関しては、皆様おっしゃったとおり、全部をとことん見る
わけじゃなくて象徴的なものを選んでという形になると 思う。
ただ、なるべく定量的、定性的なデータが尐しでも集まればと思 う。まず、定量的な面
では、例えば入札参加資格申請等では、年間の申請数という定量データが集まれば、より
判断の材料になるかと思う。定性的な面では、やはりこの部分は民間にとっても非常に事
業機会が多い部分かつ民間にとってメリットが多い部分であるため、実際にこれで恩恵を
得る企業様へのヒアリング、アンケートを 実施し、ユースケース選択の一助になればと思
う。
それからもう一つ、全体に関連してこれを進めていく上で、企業コードの話が中心にな
っているが、ユニバーサルメニューにも関連する提供企業の制度の方として、制度の方の
フラグ付け、分類というものをペアでなさったらいいのかなと思う。
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(遠藤構成員)
今日は企業コードについてだが、企業には個人が勤めているわけであり、個人の情報や、
企業の情報間とのやり取りのところはやはり連携をしないと効果が薄いということに なる
と思うため、いつも忘れずにやっていかなければいけない。
(安田本部員)
今すぐの問題ではなく、やはり危険性ということの問題である。
10 ページ目の「付番後、企業コードはどのように管理するか」というところで、私は住
基ネットにも関与して おり、4情報は基本的には住所、氏名などというのは本来プライバ
シーであるがオープンであり、住基番号そのものはオープンではない。もし、企業コード
がオープンになったとすれば、それを利用して悪いことをする人がいっぱい出てくるとい
うことは明らか。一方、企業コードをクローズドにすると、今度は受け取った側が大変に
なる。相当たくさんの企業が使えば、いっぱい番号がたまってしまい、それを一々覚えて
いないと次に困るためリストができてしまう。
そういう意味で、この企業コードは、どちら向きに扱うのかということについて将来議
論になると思うため、論点に入れてほしい。
(手塚臨時構成員)
今の論点は非常に重要なところだと思う 。企業コードに対しては、我々はどちらかと言
うとオープンな世界で使える位置 づけで検討をしている。やはり個人と違うのは 、プライ
バシーの視点で企業と個人では大分違うと思って いる。企業のときに何と言うか。そこの
ところはプライバシーという表現ではなく、多分、秘密情報になると思う 。いろいろ考え、
基本情報、非競争領域、競争領域という定義の仕方の中で 、特に競争領域的な与信情報の
ようなものは非常に厳格に扱わなければいけないが、一般に企業 は自分で宣伝をしてオー
プンにしていくというのが個人と違う世界であると思 う。
(安田本部員)
そうすると、相手の番号を知っているため、なりすましというのは当然発生するわけで
あるが、それについてはどういう議論をされるか。
(手塚臨時構成員)
それについては、企業認証機能という構図があるが、まさに個人の場合の認証と同じよ
うに企業の場合も当然企業認証をしないといけない。そうすると 、電子的な世界では、法
務省が法人登記で認証制度を持っているので、それをうまく活用するというような考え方
でなりすましに対しては機能的に対忚しようと考えて いる。
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(飯島臨時構成員)
3ページ目の「ユースケース一覧」は、現在あるユースケースの改善という観点のよう
に思われる。新しいユースケースといったもの 、例えば、海外での企業コードの導入事例
といったものを調査されて御検討いただければいいのではないかと 思う。
(手塚臨時構成員)
尐しずつ内部ではIT担当室と一緒にやって いる。また、報告できるときにはさせてい
ただきたいと思う。
(安井構成員)
12 ページ目の情報連携方式は、大事だと思っている。基本的なスタンスとしては、私も
企業はオープンでいいと思ってい る。私自身も株式会社をやっているが、納税証明書など
も全部オープンになるし、帝国データバンクでもオープンになる。逆に言うと、帝国デー
タバンクとか、東京商工リサーチとか、いろいろ既に番号を持って おり、大きな企業は企
業コードを持っているので、そういうものも含めて今ある民間が持っている企業コードと
の連携も視野に入れる必要があるかもしれない。
(手塚臨時構成員)
検討対象に入れている。
(川島構成員)
10 ページ目の「付番の対象をどうするか 」は、フレキシブルに考えていくアプローチを
取ればと思う。最初は、とにかく幅広に事業所にも付番し、できるだけ多くのコードの仕
分けができるようないろいろなアプローチでいって、それに対立するコスト やユーザビリ
ティの問題が出てきたときに、ではどうするのかというアプローチではないかと思った。
また、コードの運営機関は、実際にユースケースから得られるメリットは一体だれに帰
属するのか、そのユースケースの重心がどこになるのかというの が見えてこないと、なか
なかこの議論もできない。
(手塚臨時構成員)
参考にする。
3.オープンガバメントについて
説明の後、質疑忚答が行われた。
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[資料 2-1 に基づき、村上臨時構成員から発表]
[資料 2-2 に基づき、事務局から説明]
(石井構成員)
資料 2-1 の9ページにおいて、著作権処理の考え方を整理しておく必要がある 。ウェブ
上で公開している情報の中に著作物が入ってい てきちんと処理されている場合には、それ
がコンピュータによって読み取られることによって 、新しい侵害行為になるのかどうかが
一つの論点になる。自動公衆送信権侵害に当たるかどうか、だれが侵害主体になるのかと
いう論点である。著作権者と著作者が別の場合も存在する。
12 ページの「オープンデータの活用例」のライフサイエンスの遺伝子データの活用は結
構機微性が高いかなと思う。メディアのところで、人物の位置情報を地図上に表示する場
合があるということだが、個々の個人情報の話になってくると思う。何か活用例で対処さ
れている例があるのか。
(村上臨時構成員)
1点目の著作権の問題は御指摘のとおり 。公開済の調査研究報告書などは権利関係が報
告書毎にばらばらであったり、写真の権利はまた違ったり する。これから公開するものは
どういうルールに基づいて公開するのかを決め、順次それに対忚させていく取組が必要で
ある。
2点目の人物の例は、ニューヨークタイムズ の事例だが、市長などその地域の 著名人に
ついて、ニューヨークタイムズが持っている情報をそのエリアの記事と一緒に出 している。
GPS などで現在地を表示するのとは異なる。
(石井構成員)
著作権の方は、既存のウェブサイトをつなげ るのではなく新しく作るイメージか。
(村上臨時構成員)
ウェブサイト自体は 既存のものでよいが 、そこにこれから載せていくものについては、
例えばクリエイティブコモンズを使ってもいい。公開ルール を決めて公開していく。過去
のものについては、例えば契約書までさかのぼって権利関係を精査しないとい けないので
これから公開するものよりは時間がかかる。
(遠藤構成員)
オープンデータというと、どこまでオープンになっているのかよく知らない。それがわ
かるようなものが何かあるか。
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(村上臨時構成員)
ない。
(遠藤構成員)
いろいろな個人、企業、特に情報収集力の非常に組織能力が低いところがそれを上手に
活用していろいろな競争力を上げられる可能性がある。例えば、世界の有害物質情報は日
に日に変わっているが、国はきちんとつかんでいるのではないか。企業は個々に調べてい
る。これは小さい企業は絶対にできない。そういうところを一緒にやってもらうとものす
ごい大きな効果が出るのではないか。
オープンになっている情報はどういうものかを示してもらうことと、 それを持っている
人が利用したい人に対して、注文をもらったらこういう形で見せるといったサービスをや
ってくれるといい。そこまでいったら有料でもいいと思う。
(森田主査)
今のオープンになっている範囲というのは、事務局 で回答できるか。
(事務局)
その辺りの情報は把握していない。
(川島構成員)
資料2-1の1ページにある、「新たな情報通信技術戦略」 の柱書きの第3項「2013 年
度までに、個人情報の保護に配慮した上で、2次利用可能な形で行政情報を公開し、原則
としてすべてインターネットで容易に入手することを可能にし、国民がオープンガバメン
トを実感できるようにする。」には非常に重大なメッセージが込められており、どこからど
こまでがオープンであるという世界ではなく、どこからど こまでは非オープンだが、ほか
は全部オープンであるという思想がそもそもの戦略だと理解している。外国の議論でも、
税金でそもそも作られているので、国民あるいは第三者に不利益を与えるなどの非開示に
する理由がない限りは原則オープンであると理解している。
意思決定過程に国民も参加してもらう意味では、経済産業省、総務省、内閣府、文部科
学省等、いろいろ取組が進んでいる一方で、保有情報を外側に出す ことが重要であり、オ
ープンデータを進めるということをはっきりと認識すべきではない か。具体的なユースケ
ースについて議論し、多くの方にその効果を認識していただきたい。海外事例においても、
オープンデータに特化した戦略を組んでいる事例が増えてきている。
「検討すべき項目 」のユースケース は、多くの方々の関心を得られるようなものが重要。
データ公開のルールについては、積極的にグローバルな標準の議論にも参加すべきだろう。
資料の2-2の2ページの進め方のイメージの「目的」において、企業活動の活性化、
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の効率化、円滑化といった観点が要るのではないか。
資料の3ページについて、確かに現在の電子的提供指針は非常に包括的にできており 先
駆的なものだったと思っているが、オープンにすべき情報の詳細度がいまひとつ 規定され
ていないのではないか。例えば、鳥取県では、予算編成過程の原課の予算要求段階から、
それから財務課の査定段階から最終知事決裁段階で、どういう理由でどういう査定があっ
たのかがオープンになっている。政府の方は財務省の要求や概算要求は出ているものの、
そこまではいっていない。
予算の執行については、岐阜県や長崎県は、旅費、物品購入の素データまで検索できる
システムがある。行政側の予算編成や執行の規律を非常に高めている効果があると思う。
電子的提供指針の中での書き方の詳細度をどこまで落とし 込むのか、透明性を上げて国民
からの信頼性を確保するという意味で、議論をきめ細かくやる必要がある。
(庄司構成員)
オープンデータ、データ活用ということを村上臨時構成員が強く打ち出したことは すば
らしい。震災を通じてデータをいかに公開するか、いかに使ってもらうかということが極
めて大事であるということが一つの教訓だった。
資料2-1の1ページ目の戦略に書いてある 2013 年までに行政情報を公開し、原則す
べてインターネットで利用可能にということは非常に重く、行政情報の範囲をどう定義す
るかということが必要である。
川島構成員と違った観点として、既に公開されているデータで提供の仕方が余りよろし
くないもの、使い勝手が悪いものというのがある。既にあるものの提供の仕方を改善する、
集約して提供するといった議論がまず一つある。次に今は公開されていないもの がある。
どういうものがあるのかが公開されないと公開ができないので、リスト化から始ま ると思
う。さらにもう一つの議論は、今は作成されていないが、これとこれを結び付け新しいデ
ータを政府がつくることができるのではないかという議論 である。おそらくこの3つの観
点としては集約できる。3つ目の観点については、ニーズが世の中にあると思うので、ニ
ーズを広く集めることが必要なのではないか。
14 ページの「検討すべき事項」に加えたい観点として、データの公開のタイミングやス
ピードがある。適切なタイミング で公開されることによって 価値を持つデータというのが
ある。タイミングを逸して寝かされた後で出てきても効果が余り大きくならないというこ
とは、放射線量のデータですとか電気のデータを考えてみ ても言える。
だれが各省庁に促して集約的にやっていくのか。同じ形式 、同じスケジュールでそろえ
ていくための主導権をだれがとるのかを議論したい。政府 CIOになるではないか。
(飯島臨時構成員)
オープンデータについて、既にあるものを機械化するというのは簡単だと思うが、何が
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まだ公開されていないか、何をひもづければ新しいデータとしてつくれるかについては検
討をする必要がある。
オープンガバメントについて、国民の政策決定の参加が1つの特徴だとすると、9ペー
ジの右側の図は、逆に政府あるいは自治体の方に、人あるいはコンピュータによって処理
をしたものに基づく政策決定のための提案等が戻っていくような パスがあるのではないか。
(安井構成員)
公開に関しては、何が公開され何がまだ公開されていない かを議論の俎上に上げたい。
活用に関しては、マシンリーダブルな部分、タグの標準化など、あえて技術的なところか
ら進めていいのではないか。オープンデータについては、推進主体についてよく考えたい。
海外事例参考に具体的にどう進めていくのかを次回、深く議論したい。
(遠藤構成員)
オープンデータの活用は、日本国内の個人、企業、組織に対してであり、それ以外のと
ころには障壁があるようにしないといけない。例えば特許庁のシステムは海外からただで
ものすごいアクセスがあるが何かおかしい。特許は日本の競争力の源泉になっているとこ
ろをただでそのまま持っていかれ る。是非これは海外に有利に使われないようにするため
にはどうしたらいいか を考えるべき。
(安田本部員)
税金でつくられたものと、給料で払われたものと意味が違う。尐なくとも税金でつくら
れた情報についてはもともとオープンなのだということをはっきりさせておきたい。ただ
し、時間的要因を尐し考える必要がある。例えば、特許庁の情報は特許を出されて2年は
オープンになっていない。それをオープンにしろということはあり得 ず、国家の政策に関
することについては時間的要因を設けることは当然必要なことである。
(手塚臨時構成員)
「データの「公開」から「活用」へ」は非常にいいフレーズである。単に情報を公開す
るだけではなく、その分析とか統計といった機能をどう盛り込んでいくかが議論できると
ころではないか。データの扱いが飛躍的に変わってくるかと思う 。
(安井構成員)
最近、政府のシステムがどんどんアタックされてい る。オープンにすべきものがオープ
ンになっていなくて、オープンにされるべきでないもの 、逆に国家機密がオープンになっ
ている可能性もある。両輪として 検討をすべきだと考える。
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(川島構成員)
遠藤構成員の御意見について、 知財に関する権利、義務は、どういった国家間のルール
があるのかを踏まえる必要がある。
(森田主査)
オープンにする情報の範囲は重要であり、納税者の資産であるという話があったが、も
う一つ非常に重要なものに国家の安全保障に関わる情報もあ り、そのなかには情報がある
こと自体を秘密にしなければならない情報もある。もう一つは、ITを使って解析するこ
とによって明らかになる秘密もある。資料2-1の1ページの最初の 2次利用可能な形で
の行政情報というのは、行政情報の定義がきちんとされていないが、慎重に考える必要が
ある。尐なくとも国民の福利、利便性を高めるための情報に限定して考える必要がある。
また、国民の政策決定への参加というのをどう考えるか。パブリックコメントのレベル
だけではなく、最終的には国民がデータに基づいて何か意見を発表していくのか 。いわゆ
る電子投票になっていくのか。いろいろなレベルがあってかなり難しい問題もある。究極
的にはできるだけ国民 に情報をオープンにして、それに基づいて国民の声が政策に反映さ
れるというのが望ましいが、その段階に尐しでも近づいていった場合には、もう尐しきち
んとした議論をする必要があるかと思う。
(庄司構成員)
事務局の資料の4ページの「オープンガバメント取組方針(仮称)」というのはどういう
ものか。だれがつくって、どの範囲に適用するのか。
(事務局)
今想定しているのは、タスクフォースでオープンガバメントについての御提言を頂き、
それを政府として受け止めて、例えばIT戦略本部なりで取組方針として決定するといっ
た形があり得る。
(森田主査)
こちらで先に出してそれを方針にするということ だが、こちらの方針をどこがどういう
イニシアティブでつくるかはまた別の話かと思 う。
次回の会合については、12 月 22 日木曜日 16 時からの予定になって いる。詳細について
は追って事務局から連絡がいく。
以上で本日の会合を閉会としたい。
以上
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