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サンエツ金属 高岡工場 BCP(事業継続計画)開示資料

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サンエツ金属 高岡工場 BCP(事業継続計画)開示資料
サンエツ金属
高岡工場
BCP(事業継続計画)開示資料
第3版 2015 年 7 月 9 日
監査室作成
0.BCP の概要
高岡工場の BCP の概要は以下の通りです。
1.BCP 方針(P2 参照)
2.社員行動指針(P2 参照)
3.リスク評価(P3 参照)
4.高岡工場の状況調査(P4 参照)
①リスクの抽出
①最大停止許容時間 MTPD 決定
②リスクの評価
②目標復旧時間 RTO 決定
③対応するリスクの決定
③目標復旧時点 RPO 決定
④供給優先順位(客先、製品)
5.リスクアセスメント(P5 参照)
①リスクが重要資源に与える影響の評価
②対応する重要資源の特定
③対応方針の決定
6.事業継続計画(P6 参照)
①事前対応計画
・貯蔵品一覧表
・教育訓練演習
②インシデント対応計画
・インシデント対応手順
・社内連絡先リスト
・二次災害防止手順
・災害対策本部
③復旧計画
・復旧計画
・システムリカバー計画
・社外連絡先リスト
※ 7.
(参考)富山・茨城・大阪の災害
-
1 -
1.BCP 方針
高岡工場の BCP 方針は以下の通りです。
サンエツ金属高岡工場
事業継続方針
サンエツ金属の高岡工場は、日本最大の黄銅線及び銅合金線の一貫生産工場です。中
でも端子・コネクタ用途向けの高級素材であるすずリフローめっき線については市場占
有率がとりわけ高く、平成26年度実績で既に凡そ70%に達しており、平成27年度
にグループ会社の日本伸銅の当該事業を移設した後には国内市場のほぼ全量を占めるに
至ります。
高い市場占有率は、お客さまから高いご評価をいただいていることの証ですが、それ
は同時に非常に重い社会的責任を負っているということでもあり、安定して製品をお客
さまに供給させていただく体制を整えることが絶対条件になると認識いたしておりま
す。
こうした認識に立って、サンエツ金属では高岡工場のBCPをこれまでも大変重要視
してきました。高岡工場は、別添の資料においてご説明の通り、我が国の47都道府県
中で最も地震の少ない富山県高岡市にあり、かつ富山湾の特徴的な地形が幸いし、大地
震があっても津波の最大高さは50cmに過ぎないとされており全く被災の懸念はない
というとても恵まれた立地にあります。また他の自然災害の危険性も極めて低いとされ
ており、洪水の発生は殆ど有り得ず、噴火の可能性のある立山や白山等の火山からは5
0Km以上離れています。唯一雪害の可能性があるものの、過去に2m近い積雪を記録
した際にも高岡工場の建物と設備には全く損害がなかったという実績があります。しか
し、そうした好立地であっても怠りなく自然災害に備えて、お客さまに安心してサンエ
ツ金属製品をお使いいただきたいと考え、鋭意BCPを策定し適時更新して参りました。
-
2 -
一例としてめっき線のBCPについてその骨子をご説明いたしますと、生産活動が復
旧するまでの間は完成品の在庫を出荷することで供給が途切れることを回避しようとす
るものです。そのために、第一にいかなる場合にも製品の品質を維持できる安全な倉庫
を用意し、第二に迅速的確な復旧活動を行うこととしています。詳細につきましては以
下に記載の内容をご判読いただきますと同時に、何かお気づきの点がありましたらどう
かご指摘とご教示を賜りますようお願い申し上げる次第です。
サンエツ金属は、今後ともよりご安心いただける体制作りを目指し、BCPの質を、
また企業活動全体の質を弛みなく高めて参ります。
2.社員行動指針
災害への対処および、被災現場の指揮命令系統が寸断されても必要な処置を取れる様、以下の
行動指針を策定し教育しています。
-
3 -
3.リスク評価
富山県高岡市で過去に発生した災害や今後発生し得る災害についてリスクを抽出し、公的機関
が公表する情報等を基にリスク評価を行い、対処するリスクを決定しました。
高岡工場の BCP で対応するリスク
①
地震
②
地震に伴う火災
③
広域停電
リスク評価実施例
対象とするリスクの特定
対象リスク
具体例
想定根拠
(独)防災科学研究所
全国地震動予測地図
(独)防災科学研究所
全国地震動予測地図
災害想定
発生の頻度
30年震度6弱以上の地震の確率
0.1~3%(地震カテゴリⅠ)
30年震度6弱以上の地震の確率
6~26%(地震カテゴリⅢ)
被害の想定
機械の移動、一部コンクリートの
亀裂、電源の喪失
機械の移動、一部コンクリートの
亀裂、電源の喪失
根拠資料なし
LPGへの引火
評価
指示系統
評価点
対処する
リスク
3
9
○
BCP策定対象
3
3
18
○
BCP策定対象
1
3
3
9
○
BCP策定対象
1
1
3
3
×
2
1
3
6
×
2
3
1
6
×
指揮命令系統の寸断はなし
指揮命令系統の寸断はなし
頻度
影響
1
3
2
備考
海溝型地震
南海トラフ巨大地震
活断層型地震
呉羽山断層地震
地震に伴う火災
火災
根拠資料なし
津波
海溝型地震
富山県危機防災管理課
津波シミュレーション調査
津波
断層型地震
浸水
豪雨
火山の噴火
白山の噴火
(独)防災科学研究所
火山ハザードマップ
ハザードマップで公開されている
被害なし
一番近い火山は焼岳(岐阜県)
1
1
1
1
×
広域停電
発電所のトラブル
根拠資料なし
根拠資料なし
3
2
1
6
×⇒○
3
1
1
3
×
指揮命令系統の寸断はなし
3
2
1
6
×
指揮命令系統の寸断はなし
3
2
1
6
×
指揮命令系統の寸断はなし
富山県の文献調査では確認され
ていないが、3~5千年に一度の 被害なし
災害を想定
富山県の文献調査では確認され
富山県危機防災管理課
ていないが、3~5千年に一度の 被害なし
津波シミュレーション調査
災害を想定
国土交通省北陸地方整備局 庄川が150年に一度の大雨、且
富山河川国道事務所
つ、堤防の決壊・越水が発生した 2m以上の浸水
浸水想定区域図
と想定
雪害
豪雪
根拠資料なし
火災・爆発
ガスバルクの火災・爆発
溶解炉の火災・爆発
根拠資料なし
パンデミック
新型インフルエンザ等の感染症
根拠資料なし
工場への電源供給停止
1963年 積雪量186cm
1981年 積雪量160cm
主要資源への被害なし
1984年 積雪量122cm
2006年 積雪量79cm
1999年 サンエツ金属高岡工場
設備の使用不能
溶解炉爆発
監督官庁の立入検査
2013年 日本伸銅溶解炉爆発
日本での被害はなし
デング熱、SARS、マラリア、西ナ
イルウイルス
二次災害の大きさを考慮して対象
リスクとする。BCP策定対象
① 評価点 = 頻度 × 影響 ×指示系統 とする。評価点が9点以上の項目について対応するべきリスクとしBCPを策定する。
② 頻度の評価は次の基準により行う。
「1」 : 発生確率が100年に一度以下または100年に一度以下相当、或いは、有効な対策が出来ており維持する仕組みがある。
「2」 : 〃 30年を超え100年未満に一度以上または30年を超え100年未満に一度以上に相当、或いは対策があるが完璧ではない。
「3」 : 〃 30年に一度以上または30年に一度以上に相当、或いは、対策が無い。
③ 影響の評価は次の基準により行う。
④ 指示系統は指示命令系統の寸断を評価し、次の基準により行う。
「1」 : 工場の停止は無い。
「1」 : 半日以内の影響
「2」 : 一月あたりの工場の出荷量の減少が30%未満。
「2」 : 半日を超え1日以内の影響
「3」 : 一月あたりの工場の出荷量の減少が30%以上。
「3」 : 1日を超える影響
※サンエツ金属の関係工場のある各拠点の災害履歴は、別紙「富山・茨城・大阪の災害」を参照。
-
4 -
4.高岡工場の状況調査
MTPD、RPO、RTO、供給優先順位は、高岡工場を取り巻く、外部の状況、内部の状況および顧客
の状況を考慮し決定しました。
外部の状況
サプライチェーンの回復等
内部の状況
資金調達等
顧客の状況
お客様の在庫等
MTPD(最大許容停止時間)
14日
RPO(目標復旧時点)
70%
RTO(目標復旧時間)
5日(但し、電気・水道・ガスは3日で復旧)
供給優先順位
「重要製品の決定および MTPD、RPO、RTO の設定」に記載。
重要製品の決定および MTPD、RPO、RTO の設定表(参考)
重要製品の決定およびMTPD、RTO、RPOの設定
2015年4月10日
支店
顧客名
ユーザー名
分類
製品名
販売量(トン/月)
在庫量(日分)
ユーザー在庫量
顧客在庫量
合計在庫量
東京支店
裸線
特殊銅合金線
0
0
0
名古屋支店
裸線
黄銅線
0
4
4
名古屋支店
裸線
黄銅線
0
4
4
大阪支店
裸線
銅線
0
5
5
大阪支店
裸線
黄銅線
0
5
5
大阪支店
裸線
黄銅線
0
5
5
大阪支店
めっき線
黄銅線
0
5
5
大阪支店
裸線
特殊銅合金線
0
5
5
東京支店
裸線
銅線
0
5
5
東京支店
裸線
黄銅線
0
5
5
名古屋支店
裸線
黄銅線
0
10
10
大阪支店
裸線
黄銅線
0
10
10
名古屋支店
特殊線
溶接線
0
10
10
名古屋支店
めっき線
錫リフローめっき
0
10
10
大阪支店
めっき線
銅線
0
10
10
名古屋支店
裸線
黄銅線
0
10
10
名古屋支店
特殊線
リン青銅線
0
10
10
東京支店
裸線
銅線
0
10
10
東京支店
裸線
リン青銅線
0
10
10
東京支店
裸線
黄銅線
0
10
10
東京支店
裸線
リン青銅線
0
10
10
名古屋支店
裸線
黄銅線
14
0
14
大阪支店
裸線
黄銅線
0
15
15
名古屋支店
裸線
黄銅線
0
15
15
名古屋支店
めっき線
錫リフローめっき
15
0
15
名古屋支店
裸線
黄銅線
0
15
15
名古屋支店
めっき線
錫リフローめっき
15
0
15
東京支店
裸線
黄銅線
5
10
15
東京支店
めっき線
特殊銅合金線
10
5
15
東京支店
裸線
黄銅線
0
15
15
東京支店
裸線
リン青銅線
0
15
15
東京支店
裸線
黄銅線
0
15
15
東京支店
裸線
丹銅線
0
15
15
名古屋支店
裸線
黄銅線
20
0
20
-
5 -
5.リスクアセスメント
災害から復旧するための重要資源を抽出し、災害への対応方針を決定するため、高岡工場の各
資源について、リスクが与える被害・復旧のし易さ・対策の実施状況等を評価して対応の要否を
判断し、対応方針を決めました。
2015年4月9日
リスクアセスメント
被害の評価
復旧の評価
対策の評価
被害の評価
部署
鋳造課
重要資源
設備名
建物
ガス
油
クレーン
フォークリフト(2台)
クレーン(配合)
計量器
700KW炉
特殊銅合金炉
HCC-1
HCC-2
切断機
外削機
資材
人
押出課
建物
ガス
押出機
炉
各資源の被害想定
コンクリートの亀裂、屋根の一部崩落
コンクリートの亀裂
コンクリートの亀裂
転倒
転倒
脱輪
脱輪
燃料切れ
脱輪
移動による破損、電源の喪失
電源の喪失
電源の喪失、冷却水の停止
火災
電源の喪失、冷却水の停止
火災
電源の喪失、冷却水の停止
電源の喪失、ダクトの脱落
電源の喪失、冷却水の停止
火災
電源の喪失、冷却水の停止
電源の喪失、冷却水の停止
火災
電源の喪失、ブロワ―の停止
火災
電源の喪失、
電源の喪失、
電源の喪失、移動
電源の喪失、ブロワ―の停止
火災
電源の喪失、ブロワ―の停止
火災
電源の喪失、
電源の喪失、
電源の喪失、
電源の喪失、
供給ストップ
供給ストップ
供給ストップ
供給ストップ
供給ストップ
供給ストップ
供給ストップ
供給ストップ
3割休業
3割休業
3割休業
コンクリートの亀裂、屋根の一部崩落
供給停止、配管の破損、
電源の停止、設備の移動
電源の停止、設備の移動
火災
電源の停止、設備の移動
リスクアセスメント 評価点基準
1点
2点
24時間以内に復旧
誰でも対応できる
停止の影響が小さい
復旧は後回し
被害を抑える対策をしていない
代替手段がない
復旧時間
復旧の専門性
ネック工程
復旧の必要性
緩和処置
代替手段
復旧の評価
対策の評価
対応基準1点以上
復旧時間
復旧の専門性
被害評価
ネック工程
復旧の必要性
復旧評価
緩和処置
代替手段
評価点
a
b
A
c
d
B
E
F
A+B-E-F
3
3
3
1
1
3
3
1
3
1
1
3
3
3
3
1
2
3
3
1
3
3
3
3
1
1
1
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
1
1
1
2
1
1
1
1
3
3
3
1
3
2
2
2
3
1
1
1
1
3
3
1
3
1
1
3
3
3
3
1
3
3
3
1
3
3
3
3
1
1
1
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
3
3
2
3
3
3
2
2
3
2
2
1
1
3
3
1
3
1
1
3
3
3
3
1
3
3
3
1
3
3
3
3
1
1
1
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
3
3
3
2
3
3
2
2
3
2
2
2
1
3
3
3
2
2
2
3
3
3
3
3
1
2
3
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
1
3
3
3
3
3
3
1
3
1
3
1
2
2
3
3
2
3
2
3
3
3
2
2
1
1
3
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
2
1
3
1
3
3
3
3
3
3
1
2
3
2
3
2
2
3
3
3
3
3
3
1
3
1
3
1
2
2
3
3
2
3
2
3
3
3
2
2
1
1
3
3
3
2
2
2
3
3
3
3
3
1
1
3
1
3
3
3
3
3
3
1
1
2
1
2
1
1
3
3
3
3
3
3
1
3
1
3
1
2
2
3
3
2
3
2
3
3
1
1
1
3
2
1
1
1
1
3
3
3
3
3
3
1
1
3
3
3
2
2
2
2
1
1
2
2
1
2
1
2
2
3
3
3
3
3
2
2
3
3
3
3
3
1
1
1
2
2
3
1
3
3点
復旧に3日以上かかる
専門家が必要
停止すると事業に影響する
最優先で復旧させる
被害を抑える対策済
代替手段がある
1
1
1
3
3
2
2
3
3
3
3
2
2
2
2
2
3
1
2
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
3
2
2
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
1
1
2
2
3
2
2
対応要否
4
2
2
-4
-3
3
3
0
1
-3
-3
1
1
1
1
1
0
0
1
-2
2
2
2
2
1
1
-3
-1
1
-1
1
-3
-3
-1
-1
-2
-2
-2
-1
-3
-2
-4
-2
-4
-3
1
4
4
0
2
-1
2
0
要
要
要
不要
不要
要
要
不要
要
不要
不要
要
要
要
要
要
不要
不要
要
不要
要
要
要
要
要
要
不要
不要
要
不要
要
不要
不要
不要
不要
不要
不要
不要
不要
不要
不要
不要
不要
不要
不要
要
要
要
不要
要
不要
要
不要
事前
対応方針
移転
復旧
許容
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
評価は以下の通り行いました。
被害の評価
復旧の評価
対策の評価
リスクが与える被害の大きさについて復旧に必要な時間と専門性か
ら評価
復旧する際のネック工程か、復旧は必要かについて評価
緩和策、代替手段の有無から評価
対応方針は以下の4通りです。
事前対応
減災・免災のため、設備の固定や教育訓練、災害対応の備品準備等
事前に行う事で RPO および RTO を満足させる
移転対応
高岡工場で行っている業務の一部を災害発生後に他の工場、或いは
社外の協力業者に移転する
復旧対応
災害発生後に素早く復旧するための復旧計画を策定する
許容対応
災害を受容する
-
6 -
6.事業継続計画
事業継続計画の主な実施事項は以下の通りです。
主要実施事項
事前計画
内容
①復旧対応で間に合わない受注明細については、空調完備の倉
庫に1ヶ月分の製品在庫を保持
②高岡工場の最重要設備である溶解炉の保護、BCP のための在庫
製品の保護のためにエンジン発電機の購入
③他の工場の資源の利用、工業技術センターの分析器の利用等
による早期復旧計画
④燃料、電線、鋳造用副資材、ダイス、潤滑油、めっき薬品等、
災害時には入手困難になる資材或いは復旧のために使用する
資材を貯蔵品として管理
⑤従業員、取引先、インフラ関係等必要な連絡先の把握
⑥防火および火災発生時の延焼防止
イ ン シ デ ン ト ①インシデント対応手順書による災害への対応方法の確立
対応計画
②緊急事態対応手順書による二次災害防止手順の確立
③災害対策本部の役割および非被災部門の応援体制
移転および
①災害発生後5日で製品を出荷
復旧計画
②各課の復旧時間
鋳造課
9日間
押出課
7日間
加工課
5日間
めっき課 9日間
③復旧計画概要
・加工課が5日で復旧した後、前工程の復旧までの間は、中
間仕掛を消費しながら操業を行う
・めっき課の復旧は9日間。薬品等の調整、ラインの確認に
時間がかかる事から事前に在庫を持ち対応を行う
・復旧が間に合わない資源については、砺波工場、新日東工
場、工業技術センター等への移転を行う
教育訓練演習
発災時の対応方法について、教育および訓練を行い、実際に演
習する事で手順の妥当性を確認するとともに、必要な手続きの
見直しを行う
7.(参考)
サンエツ金属の関係工場のある各拠点の災害履歴は、別紙「富山・茨城・大阪の災害」を参照。
以上
-
7 -
富山・茨城・大阪の災害
2015 年 5 月 31 日
サンエツ金属株式会社
監査室作成
1.各地で過去に発生し、被害を及ぼした災害(地震)一覧
富山県
発生日
2007.07.16
災害
茨城県
被害状況
発生日
大阪府
災害
被害状況
発生日
2013.04.13
新潟県中越沖地震
震度 3(高岡市)
東 日 本 大 震 災
震度 6 弱(石岡市)
(M6.8)
震度 3(砺波市)
(M9.0)
死者 24 名、行方不明者 1 名、
(新潟県沖)
負傷者 1 名(軽傷)
(高岡市)
(宮城県沖)
負傷者 712 名、建物全壊
2011.03.11
災害
被害状況
淡路島地震(M6.3)
震度 4(堺市)
(兵庫県)
負傷者 5 名
紀伊半島南東沖地震
震度 4(堺市)
(M7.4)
負傷者 10 名
2,629 戸、建物半壊 24,365
富山県津波なし
戸(H27.3.31 現在)
液状化現象あり
県北部で津波による浸水被
害あり
2007.03.25
能 登 半 島 地 震
震度 4(高岡市)
(M6.9)
震度 4(砺波市)
(石川県沖)
負傷者 13 名(重症 1 名、軽
2008.05.08
茨城県沖(M7.0)
震度 4(石岡市)
(茨城県沖)
負傷者 1 名
2004.09.05
(三重県沖)
傷 12 名)
(高岡市、軽傷 6 名)
富山県津波なし
氷見市で液状化現象あり
1933.09.21
能登半島(M6.0)
震度 4(高岡市)
(石川県沖)
負傷者 2 名
2005.10.19
茨城県沖(M6.3)
震度 4(石岡市)
(茨城県沖)
負傷者 1 名
2000.10.06
鳥取県西部地震
震度 3(堺市)
(M7.3)
負傷者 4 名
(鳥取県)
1930.10.17
大聖寺付近(M6.3)
震度 5(高岡市)
(石川県)
死者 1 名(高岡市)
2005.02.16
茨城県南部(M5.4)
震度 4(石岡市)
(茨城県)
負傷者 7 名
1995.01.17
阪神・淡路大震災
震度 4
(M7.3)
死者 31 名、負傷者 3,589 名、
(兵庫県)
建物全壊 895 棟、建物半壊
7,232 名、建物一部 損壊
15,578 棟
神戸市や芦屋市等の埋立地
を中心に液状化現象あり
1891.10.28
濃尾地震(M8.0)
(岐阜県)
越中で家屋全壊 2 棟
2003.11.15
茨城県沖(M5.8)
震度 3(石岡市)
(茨城県沖)
負傷者 1 名
1952.07.18
吉野地震(M6.7)
震度 4
(奈良県)
死者 2 名、負傷者 75 名、家
屋全壊 9 棟、家屋半壊 7 棟、
家屋一部損壊 3 棟
-
1 -
1858.04.09
飛越地震(M7.0~
常願寺川の上流が堰き止め
7.1)
られ、
後に決壊して、
死者140
(富山、岐阜県境)
人、家屋倒壊及び同流失
2002.06.14
茨城県南部(M4.9)
震度 3(石岡市)
(茨城県)
負傷者 1 名、建物被害 8 棟、
1946.12.21
南海地震(M8.0)
震度 4
(和歌山県沖)
死者 32 名、負傷者 46 名、家
塀倒壊 5
屋全壊 234 棟
1,612 棟、大山町で山崩れに
堺市で津波 3.0m
より死者 36 人
1586.01.18
天正地震(M7.8(8.2
高岡市南西部の木船城が崩
2002.02.12
とする文献もあり)
) 壊し、圧死者多数
茨城県沖(M5.7)
震度 3(石岡市)
(茨城県沖)
負傷者 1 名、建物被害 12 棟
1944.12.07
東南海地震(M7.9)
震度 4
(三重県沖)
死者 14 名、負傷者 135 名、
家屋全壊 199 棟
(岐阜県)
863.07.10
越中・越後(M 不明) 山崩れ、家屋損壊、湧水あり、 2000.07.21
茨城県沖(M6.4)
震度 4(石岡市)
(震源不明)
(茨城県沖)
屋根瓦の落下 2 棟
圧死多数
1987.12.17
千葉県東方沖地震
震度 4(石岡市)
(M6.7)
負傷者 24 名、家屋の一部破
(千葉県沖)
損 1,252 棟
1936.02.21
1927.03.07
河 内 大 和 地 震
震度 5
(M6.4)
死者 8 名、負傷者 52 名、家
(大阪府)
屋全壊 4 棟
北丹後地震(M7.3)
震度 4
(京都府)
死者 21 名、負傷者 126 名、
家屋全壊 127 棟(非住家含
む)
大阪市内で液状化現象あり
1938.11.05
福島県沖(M7.5)
震度 4(石岡市)
(福島県沖)
県内で僅少被害
茨城県沖(M6.5)
震度 4(石岡市)
(茨城県沖)
県内で僅少被害
茨城県沖(M7.0)
震度 5(石岡市)
(茨城県沖)
県北部で小被害
1891.10.28
濃尾地震(M8.0)
震度 5 強?
(富山、岐阜県境)
死者 24 名、負傷者 94 名、家
屋全壊 1,011 棟
1938.09.22
1938.05.23
1854.12.24
1854.12.23
安 政 南 海 地 震
震度 5~6(推定)
(M8.4)
死者数千人(全国)
(和歌山~四国沖)
大阪、堺で津波 2.0~3.0m?
安 政 東 海 地 震
(M8.4)
(愛知~静岡県沖)
1933.03.03
1931.09.21
昭 和 三 陸 地 震
震度 5(石岡市)
1854.07.09
伊賀上野地震(安政
(M8.1)
伊賀地震)
(M7 1/4)
(岩手県沖)
(三重県沖)
西埼玉地震(M6.9)
震度 5(石岡市)
(埼玉県)
負傷者 1 名、半壊家屋 1 棟
1707.10.28
堺で死者 1 名
宝永地震(M8.6)
大阪で死者約 750 名、家屋全
(和歌山県沖)
壊 1,000 棟余、津波による死
者多数
大阪、堺で津波 2.0~3.0m?
-
2 -
1930.06.01
茨城県北部沿岸
震度 4(石岡市)
(M6.5)
水戸外で小被害
1662.06.16
(茨城県)
1923.09.01
寛文近江・若狭地震
震度 5~6(推定)
(M7 1/4~7.6)
大阪城、高槻城、岸和田城破
(滋賀県)
損、大阪で若干の死者あり
慶長伏見地震(M7
堺で死者 600 名余
関東大震災(M7.9)
震度 4
(神奈川県)
死者・行方不明者 5 名、負傷
1/2±1/4)
者 40 名、全壊家屋 517 棟、
(京都府)
1596.09.05
半壊家屋 681 棟
1921.12.08
茨城県南部(M7.0)
墓石多数倒壊、田畑、道路亀
(茨城県)
裂
茨城県南東部(霞ヶ
圧死者 6 名、負傷者 34 名、
浦付近)
(M7.2)
家屋全壊 37 棟
1510.09.21
永正地震(摂津・河
大阪湾に津波進入?
内)
(M6.5~7.0)
(大阪府)
1895.01.18
1498.09.20
南海トラフ沿いの巨大地震
8.4)
(茨城県)
1855.11.11
明応地震(M8.2~
(静岡県沖)
正平地震(紀伊半島
四天王寺倒壊により圧死者 5
(M7.0?)
沖)
(M8.0~8.5)
名、津波による被害あり
(東京湾、千葉北西
(和歌山県沖)
南海トラフ沿いの巨大地震
南海トラフ沿いの巨大地震
(安政)江戸地震
家屋全壊 27 棟
1361.08.03
部)
1677.11.04
房総半島南東沖(磐
磐城から房総にかけて津波、 1099.02.22
康和地震(紀伊半島
城・常陸・安房・上
水戸領内で溺死者 36 名、家
沖)
(M8.0~8.3)
総・下総)
(M8.0)
屋全壊 189 棟
(和歌山県沖)
(千葉県沖)
818.8?
相模湾?
山崩れ数里、圧死者多数
(北関東?)
887.08.26
仁和地震(紀伊半島
沖)
(M8.0~8.5)
(和歌山県沖)
※赤字で示したものは M7.0 以上の災害。
※各災害の括弧内は震源地。
※各市の震度は、その市で観測した最大の数値。
※負傷者等の数字で特に市名の記載がないものについては、各府県全体の数字。
-
3 -
南海トラフ沿いの巨大地震
各地の震度予測
※国立研究開発法人防災科学技術研究所の公開データ「確率論的地震動予測地図」による。
確率論的地震動予測地図・・・日本及びその周辺で起こり得るすべての地震に対して、その発生場所・発生可能性・規模を確率論的手法によって評価し、その値の分布を
地図上に示したもの
(1)すべての地震
富山県(高岡工場)
茨城県(新日東工場)
大阪府(日本伸銅)
30 年 震度 6 強以上の揺れに見舞われる確率
3~6%
6~26%
6~26%
30 年 震度 6 弱以上の揺れに見舞われる確率
6~26%
26~100%
※地図の色は発生確率を示す。確率は右の通り。
- 4 -
26~100%
(2)地震カテゴリーⅠ(地震例:東日本大震災)
海溝型地震のうち震源断層を特定できる地震(震源断層が予め特定でき、再来間隔が数百年オーダーの地震)
富山県(高岡工場)
茨城県(新日東工場)
大阪府(日本伸銅)
30 年 震度 6 強以上の揺れに見舞われる確率
0~0.1%
0~0.1%
6~26%
30 年 震度 6 弱以上の揺れに見舞われる確率
0.1~3%
0.1~3%
※地図の色は発生確率を示す。確率は右の通り。
- 5 -
26~100%
(3)地震カテゴリーⅡ(地震例:東日本大震災)
海溝型地震のうち震源断層を特定しにくい地震(震源断層を予め特定しにくい地震のうち、プレート間地震とプレート内地震)
富山県(高岡工場)
茨城県(新日東工場)
大阪府(日本伸銅)
30 年 震度 6 強以上の揺れに見舞われる確率
0~0.1%
6~26%
3~6%
30 年 震度 6 弱以上の揺れに見舞われる確率
0~0.1%
26~100%
※地図の色は発生確率を示す。確率は右の通り。
- 6 -
3~6%
(4)地震カテゴリーⅢ (地震例:阪神淡路大震災)
活断層など陸域と海域の浅い地震(再来間隔が数千年オーダーの地震、および震源断層を予め特定しにくい地震のうち、陸域と周辺海域の地震)
富山県(高岡工場)
茨城県(新日東工場)
大阪府(日本伸銅)
30 年 震度 6 強以上の揺れに見舞われる確率
0.1~3%
0.1~3%
3~6%
30 年 震度 6 弱以上の揺れに見舞われる確率
6~26%
0.1~3%
※地図の色は発生確率を示す。確率は右の通り。
- 7 -
3~6%
2.その他の災害
2.1 洪水
砺波、石岡は洪水による浸水地域に該当しない。堺は埋め立て地にあるため洪水による浸水地域に該当しない。
(1)高岡の洪水情報について
高岡工場の浸水情報は、国土交通省北陸地方整備局富山河川国道事務所によると、庄川は150年に一度、小矢部川は80年に一度の大雨により堤防が崩壊および越
水した場合についてシミュレートした結果によると、2m以上の浸水の可能性があるという結果であった。
国土交通省北陸地方整備局富山河川国道事務所に電話にて堤防の決壊および越水可能性についてヒアリングした所、それ位の雨でも充分に機能を果たす事が出来るよ
う堤防は設計しているが、ハザードマップの浸水深さを検討するにあたり、仮に堤防の決壊や越水が発生したと想定して浸水深さを計算したという事。
高岡の浸水深さについては、下図の通り。
地図中の×の箇所の堤防が決壊したと想定した場合の浸水予測
- 8 -
2.2 津波について
砺波および石岡については津波の被害対象地域ではない。高岡および堺は臨海地域であり津波の危険性がある。
(1)高岡の津波情報について
富山県知事政策局防災危機災害管理課が発表している富山県の津波の予測によると、高岡工場は津波被災地域に該当しない。
予測の前提は、
「富山県はあらゆる可能性を考慮して発生確率の極めて低い、3~5千年に一度の活断層地震に伴う津波を想定した。
・・・
(省略)
・・・但し、糸魚川
沖および能登沖地震については断層の存在、長さが明確に確認されていない」
また、
「発生頻度が高く津波高さは低いが大きな被害をもたらす津波(断層型津波)は富山県の文献調査では確認されていない」
「発生頻度が極めて低いが甚大な被害
をもただす津波(海溝型津波)は富山県の文献調査では確認されていない」という事であった。
津波予測シミュレーションの結果は下図の通り。
- 9 -
(2)堺市の津波情報について
堺市の津波情報について調べたが、シミュレーション等の結果を見つけ出す事ができなかった。
堺市が「堺市津波避難計画」を出しているので、その内容を確認し、堺市役所に電話にてヒアリングを行った結果、①大阪府津波浸水想定で浸水区域外であっても地
震による液状化現象で防潮堤の強度が不足し浸水する可能性がある。②津波避難対象地域にいる場合には必ず避難が必要、③埋立で作った工業地域の地盤は液状化対
策を行っていないので液状化によるマンホールの浮き上がり等で道路が使えなくなる可能性があるという事。
過去の津波の発生履歴は「1.各地で過去に発生し、被害を及ぼした災害(地震)一覧」参照。
- 10 -
2.3 その他の情報
(1)富山県の地震について
平成19年7月16日に発生した新潟県中越沖地震(震度6強)では、富山県内の震度は3でした。石川県能登地方の震度5強と比べても揺れが極端に小さかった要
因は、富山県東部の県境に位置する北アルプスの地下にあるマグマ状の岩石帯が地震波を吸収したためです。
また、富山県は1990年から2014年の間、震度3以上の地震発生回数が30回未満と佐賀県と並び地震が少ない県になります。
北アルプス
以上
- 11 -
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