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LNG - JOGMEC 石油・天然ガス資源情報
2011年の日本のLNG調達と 実現 近づく次世代 実現に近づく次世代LNG供給地域・ 供給地域 プロジェクト 2012年1月19日 石油調査部 坂本 茂樹 1 本日の項目 日本の2011年のLNG調達状況 実現に近づく次世代(新規)LNG – LNG事業環境の変化 – 新たなLNG供給地域・プロジェクトの登場 – 米国LNG輸出の可能性とリスク – 東アフリカ等、新規供給地域 2 日本のLNG輸入:月別推移 3 (出所) 財務省通関統計 2011年1-11月 7,136万トン (前年同期比+12%) 12月 727 (前年同期比+15%と仮定) 2011年1-12月 7,863万トン (前年比+12%、+860万トン) ➪年央時想定(+ 1,000~1,500万トン)比で増加量が減少←節電効果 LNG市場価格、ガス市場価格推移 4 出所: gy Intelligence g Energy ・2011年3月、福島原発事故後 東アジアの短期・スポット購入の増加 ⇒ スポット指標価格上昇 ➪日本のLNG購入価格も上昇 ・2011年11月以降、ガス市場価格・指標価格は下落傾向 ← 冬季調達終了 4 日本の2011年1-11月LNG輸入 5 LNG輸入 ・2011/3月 原発事故 ➪代替エネルギ 需要発生 ➪代替エネルギー需要発生 ➪2011年 LNG輸入=前年+12% 輸入量=前年+860万トン LNG調達方法 (長期契約数量の増加オプション +スポット 短期契約) +スポット・短期契約) ・国別購入量増減: カタ ル カタール +349 349 マレーシア +111 オマーン + 93 大西洋 ゚ル 大西洋・ペルー +253 253 インドネシア ▲277 (出所)財務省通関統計, 2011年12月 5 世界のLNG輸入(2011年1-9月) アジア ジ 中東 欧州 北米/ 南米 合計 6 16% 73% 7% -5% 12% (出所) Gas Strategies ・アジア:前年からの拡大傾向持続 :韓国・台湾、中国、インドが高い伸び率 ・欧州:年初から徐々に伸び率が減速←南欧から不況が波及 英国の輸入量が増加⇒欧州最大の輸入国← 国産ガス減少 7 LNG事業環境変化①2011-12FID加速 FID 時期 ( 2 0 1 1 年) 2 0 1 1 年1 月 プロジェクト名 該当地域 GLNG 豪州GLD州 San tos 2 0 11 年1 月 ス ノロLNG インドネシア 三菱商事 2 00 陸域ガス 田 2 0 11 年5 月 Pre lude LNG 西豪州沖合 Sh ell 3 60 FLNG* 2 0 1 1 年7 月 APLNG 第1 トレイン 豪州GLD州 Con oc oPh illips 450 CBM-LNG* Whe atston e 西豪州沖合 Ch e vron 860 沖合ガス 田 Ic h thys 西豪州沖合 INPEX 8 10 沖合ガス 田 2 0 1 1 年9 月 ( 2 0 1 2 年) 2 0 12 年1 月 22 0 1 1 年~2 年 2 0 1 2 年1 月 合計 月 合計 (予定) 20 1 2年上期 APLNG 第2 トレイン オペレーター 液化能力 事業タイプ 万トン/ 年 780 CBM-LNG* 3460 豪州GLD州 Con oc oPh illips 4 50 CBM-LNG* (出所)各種情報・報道 ・2011-12年、新規LNG案件のFID加速化 ・非在来型LNG(CBM、FLNG)の高い比率(46%、~2012年1月) 非在来型 ( ) 高 比率( 年 月) ←2011年初まで、「初めてのリスク」でマーケティングが難しかった 7 8 LNG事業環境変化②新規LNG事業・地域登場 事業環境変化②新規 事業 地域登場 1.投資決定が比較的近い案件(2012~13年) 米国メキシコ湾のLNG輸出案件 東アフリカ・モザンビーク 東 (しばらく時期を置いて)カナダ 2 構想段階の案件 2.構想段階の案件 アラスカ・ノーススロープガス田開発→LNG輸出 東アフリカ・タンザニア 他 ガス需要の見方(Oxford Energy) 9 (IEA WEO2010標準ケース) (IEA ”Gas Golden days”) 中国需要 中国需要 (出所)各種情報・報道 (出所)各種情報 報道 ・将来のガス需要→新規LNG案件成立を左右 ・OIES;ガス低需要シナリオ=IEA WEO 2010標準ケース(New Policiesシナリオ) ガス高需要シナリオ=IEA 高需要シナリオ 2011”Gas Golden days”シナリオ y シナリオ ⇒中国;非在来型ガス供給可能→エネルギー消費の大胆なガス転換 ➪世界ガス需要「中国のガス需要伸びをどう見るか」→新規LNG事業を左右 米国のLNG輸出計画 プロジェクト 州 事業者 Sabine Pass ルイジアナ Che n ie re Fre e pport テキサス Fre e pport LNG Lake Ch arle s ルイジアナ Sou th e rn Un ion Cove Poin t メリーランド Dominion Jordan Cove オレゴン ゴ Came ron Jordan Cove LNG ルイジアナ Se mpra 申請液化能力 万トン/ 年 政府認可状況 DOE EFRC 10 FID 1 ,6 0 0 認可済 2 0 12 年? 審査中 第1フェーズ90 0 万t 90 0 審査中 審査中 1 ,5 0 0 認可済 未申請 80 0 未申請 未申請 90 0 未申請 申請 未申請 申請 1 ,2 0 0 未申請 未申請 米国計画 合計 6 ,9 0 0 (注) DOE ( D De partme t ntt off E En e rgy): ) 米国エネルギ 米国エネルギー省 省 FERC( FEDERAL ENERGY REGULATORY COMMISSION) : 米国連邦エネルギー規制委員会 ⇒最も先行する案件 (出所)各種情報・報道 申請液化能力6,900万トン:壮大な計画 ・ Chiniere社Sabine Pass Pass;DOE認可 DOE認可 ・Southern U./Lake Charles;DOE認可 ・他案件; 審査中・未申請 (特徴) ・LNG受入基地設備の転用←輸入不要 ・液化設備のみを追加建設 →追加投資額低い(建設コスト安) 10 Cheniere Energy-Sabine Pass LNG(1) 11 ・既存タンク、港湾設備をそのまま利用 存 港湾 備を ・液化設備新設:1,600万トン 第1フェーズ =900万トン(トレイン1, 2) 第2フェーズ=700万トン(トレイン3, 4) ・2011/10月-2012/1月 先行してLNG SPA締結(BG、GN、GAIL) ・ 2011/10月 BechtelにEPC発注 ・事業形態 原料ガス購入 ⇒液化 ⇒ FOBで販売 (出所)Cheniere Energy HP Cheniere Ch i の課題 南部の中小ガストレーダー(LNG受入基地・ガスPL操業) の課題: 南部の中小ガストレ ダ (LNG受入基地 ガスPL操業) ・財務基盤が弱い →液化設備建設の資金調達に苦慮 ・LNG事業経験なし→液化操業能力が疑問視 (⇒これらの課題は米国液化事業者にすべて共通) 11 Cheniere Energy-Sabine Pass LNG(2) 12 Ch e n ie re のLNG SPA( 2 0 1 1 年1 0 月~2 0 1 2 年1月締結) 販売先 数量 供給開始 契約期間 fixed capac ity 該当トレイン c h arge 万トン/年 $ /MMBtu B Gグループ 350 2 0 1 6 年 2 0 年間 $ 2 .2 5 第1 フェース ゙( No.1 ,2 ) Gas Natu ral 350 2016年 2 0 年間 $ 2 .5 9 第1 フェース ゙( No.1 ,2 ) GAIL India 350 2017年 20年間 $3.0 0 第2フェーズ(No.4) 交渉中 第2 フェーズ(No.3) 合計 1,0 50 (注) Che niere がLNG購入者に請求する原料ガスコス ト=H.H.スポット価格* 115 % (出所)Cheniere HP HP、各種情報・報道 各種情報・報道 (LNG購入価格例) GAIL IndiaがH.H.ガス価格$4/MMBtu時にCheniereから購入するLNG価格: $4/MMBtu*115%(ガスコスト)+$3/MMBtu(fixed charge)=$7.6/MMBtu 米国のLNG輸出事業←国内の反応 13 米国ガス消費者・産業界の「LNG輸出」に対する懸念 – 政府「LNG輸出の国内ガス需給への影響」に係る調査実施 – 消費者・産業界:LNG輸出に伴う国内ガス価格上昇を懸念 ⇒輸出に一定の制限設定を主張 米国政府 ネルギ 戦略物資」論 米国政府「エネルギー戦略物資」論⇒LNG輸出にも適用 輸出 も適用 軍事的に敵対する中国向け輸出:別途ハードル設定? 投資銀行懸念「LNG輸出に対する米国政府支援」なし – 米国LNG輸出:全面的な政府支援を受ける豪州案件と競合 ⇒投資銀行は国際競争上の不利を懸念 米国「LNG輸出」の意義とリスク 14 東アジアLNG購入者にとっての意義 – LNG調達源の拡大・多様化に貢献 – 「コスト=H.H. 市場価格」の米国LNGの登場 ⇒ 「原油リンク長期契約フォーミュラ」 に影響? 将来、LNG輸出に十分なガス生産・供給は可能か? – 掘削活動を維持しないと生産量は減少 産 減 米国「LNG事業モデル」の特殊性に起因するリスク – 中小ガストレーダーによるタリフ収入事業・液分収入なし ⇒収益性・発展性が低い ⇒参入者は限定される ガス価格のリスク – 欧州向け輸出:要、欧米価格差$3.5/MMBtu以上 欧 向 輸出 欧米価格差 北米のLNG輸出計画 15 米国ガス高生産ケース 米国ガス低生産ケース (出所)OIES (出所) ・米国LNG輸出←ガス供給力を含めた複数の要因によって左右される ・OIES見解;DOE需給見通しは米国生産量高ケース 米国生産量低ケース輸出未実現の可能性もあり タンザニア・モザンビークのLNG輸出構想 16 LNG事業名 事業者 * オペレーター ②モザンビーク Rovu ma Off sh ore Are a 1 Rovu ma Of fsh ore Are a 4 ① タンザニア BG * O ph ir En ergy 6 0 .0 % An adarko * 4 0 .0 % 三井物産 ENH B h arat Pe trole u m Vide oc on Cove En e rgy 沖合深海 鉱区 Bloc k 1 , 4 事業タイミング ガ 田発見時期 2 0 1 0 - 1 1 年 ガス田発見時期 FID LNG操業開始 2020-21年 ガス埋蔵量( 推定) 7 .7 Tc f ( 想定) 液化設備能力 備 考 ( 1 - 2 トレイン) 4 0 0 ~80 0 万トン/ 年 3 6 .5% 2 0 .0% 1 5 .0% 1 0 .0% 0% 1 0 .0% 8 .5 % ENI * Galp En it Kogas 7 0 .0 % 1 0 .0 % 1 0 .0 % 1 0 .00 % 沖合深海 Rovu ma Off sh ore Are a 1 沖合深海 Rovu ma Of fsh ore Are a 4 2010年 2013年 2018年 20 1 1 年 1 5 - 3 0 Tc f ( An adarko) 22 .5 Tc f ( En i) 当初 1 ,0 0 0 万トン/ 年( 2 トレイン) 増設 最大3 ,00 0 万トン/ 年 ・ドライガス ・液分な し ・ 日本向5 0 0 万トン輸出構想 ( 三井物産) ・ Are a 4とユニタイズ構想あり ・Are a 1 とユニタイズ構想あり (出所)各種情報・報道 ・東アフリカ:近年注目度が高まる探鉱のホットスポット→油ガス田発見が続く 東アフリカ:近年注目度が高まる探鉱のホットスポット 油ガス田発見が続く ・タンザニア、モザンビーク沖合深海で大規模ガス田発見・評価中 ➪国内需要、近隣へのPL輸出量を超える埋蔵量規模→LNG事業化を検討中 モザンビ クは米国に次ぐ早期投資決定可能性あり(Area1 三井物産参加) モザンビークは米国に次ぐ早期投資決定可能性あり(Area1-三井物産参加) (特徴)欧州・東アジア市場に輸出できる位置、相対的に低いカントリーリスク ・ LNG輸出に係る法令および輸送インフラの整備等の課題は多い アラスカのLNG輸出構想 17 ・豊富なガス埋蔵量を利用可能: 約35Tcf (北部North Slope州) PL無し→現在は再圧入 ・州当局(AGPA)がLNG事業化調査 ValdezまでガスPL敷設、 Valdezに液化設備を新設 東アジア市場向けLNG事業 ➪(2011年7月末に調査結果公表): 豪州、北米の新規LNG案件を凌ぐ 良好な経済性実現が可能 ・2012年1月、事業者・州政府の協議 2012年1月 事業者 州政府の協議 (BP、ExxonMobil、ConocoPhillips) ➪ガスPL敷設・LNG事業検討の機運 (出所)アラスカ州AGPA HP 次世代(新規地域)LNG:意義とまとめ 18 2015~25年にかけて先行案件実現の可能性が高い – LNG需要規模によって、案件成立に幅が生じる(←中国需要) – 豪州新規(後発)案件・カタールとの競合が熾烈化 新地域はLNG事業設立への課題が多い – 米国:世界最大ガス市場で中小トレーダーによる液化事業 – 東アフリカ:法制度・インフラ等整備 東アフリカ 法制度 インフラ等整備 次世代案件(米国、東アフリカ)事業者=未経験・非メジャー – 従来の「LNG事業モデル」に変化はあるか 来 「 事 デ 変 – LNG事業経験豊富なオペレーターを招き入れ? 東アジアLNG購入者の観点 – 「LNG供給地域の拡大・多様化」期待に沿う – コスト=H.H.市場価格の北米LNG➪価格フォーミュラに変化