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平成26年度 公益財団法人山口市文化振興財団 事業計画 平成26年3月

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平成26年度 公益財団法人山口市文化振興財団 事業計画 平成26年3月
平成26年度
公益財団法人山口市文化振興財団
事業計画
平成26年3月
Ⅰ
基本目標
山口市から管理運営の指定を受ける山口市民会館、中原中也記念館及び山口情報芸術センターに
おいて各施設の持つ特性を生かしながら、さまざまな文化に触れる機会、参加する機会などを提供する
企画事業を実施し、山口市における文化振興の一翼として、文化を育むまちづくりに寄与するよう努め
る。
Ⅱ 基本方針
市民自らが多様な文化活動へ参加し、芸術文化を享受できる文化環境づくりを目指し、鑑賞、参加型
及び創造型の企画事業を展開するとともに、広く文化に関する情報を収集し提供する。また、市民の自
主的かつ創造的な文化活動を促進、支援するための事業を行う。
なお、これらの事業を実施するにあたって、単年度計画に基づく事業計画の策定及び事業の実施とい
う形態のみでなく、長期的視点からの事業計画や新たな発想による事業展開をめざすとともに、これに
基づく具体事業の年次的実施による事業内容の充実に向けた取り組みを推進する。
また、昨年度に引き続き、中原中也記念館 20 周年記念事業を開催することから、山口市や関係諸団
体と連携をとりながら、計画的な事業の企画、周知を行い、入館者の増加と交流人口の拡大を図る。
Ⅲ 個別事業計画
定款第4条に掲げる6事業のうち、企画事業、育成・支援事業、調査研究事業、情報収集・提供及び
施設の管理運営受託事業については、以下のとおりとする。
1
企画事業
当財団が所管する山口市民会館、中原中也記念館及び山口情報芸術センターにおいて、各施設の
持つ特性を生かしながら文化振興に関する各種企画事業を実施し、文化に触れる機会、参加する機会
などの拡充を図るとともに、事務局においては、幅広い市民の皆様が楽しめる娯楽性の高い事業の企
画展開を図る。
(1)
山口市民会館
オーケストラや演劇公演など質の高い鑑賞機会の拡充を目指すとともに、市民参加型のコンサートの
開催など市民に多様な芸術文化の鑑賞機会を提供する。
(2)
中原中也記念館
中原中也を軸として、その軌跡や親交のあった人物を紹介する常設テーマ展や企画展、特別企画展
1
を実施するとともに、中也の人と作品を分かりやすく解説し、理解を深める一助として、講演会や学芸担
当職員による読書会を開催する。また、中也が好んだ〈朗読〉をテーマにした市民参加型イベント〈生誕
祭〉を実施する。
<20 周年記念事業>
20 周年を記念して、記念事業を開催する。20 周年を振り返る企画展をはじめ公式ガイドブックやオリ
ジナルグッズの制作、さまざまなイベントの開催、更には、教育現場と連携した副読本の編集・制作を行
うなど、記念事業を契機に、中原中也の新たな魅力を国内外に発信する。
(3)
事務局
山口市民会館、山口情報芸術センター等、市内の文化施設を活用し、広域的かつ幅広い年齢層を対
象にしたクラシック音楽、ポピュラー音楽などのコンサート、舞台芸術などの公演を実施する。
(4)山口情報芸術センター[YCAM]
YCAM は、「創造発信型文化施設」として YCAM InterLab(ラボ)をアート、パフォーミングアーツ、教育
普及の各事業の関係性の中心軸に据え、それぞれの事業を横断的に連携させることで各事業の成果
や専門的知見、ICT(情報通信技術)の応用によって蓄積された技術を再循環させる新しいスタイルを生
み出し、充実した技術的進化と人材のスキルアップの両面を達成してきた。そこで、今後 5 ヵ年の展開と
しては、この「技術」と「人材」を基盤として、さらに充実しつつ、地域にまなざしを向け、YCAM が制作・
発表する先進的な作品や取り組みが、地域に浸透するための橋渡しとなる普及的事業に重点的に取り
組むこととする。
2
育成・支援事業
財団友の会会員へのサービス向上を図るとともに、組織の拡充に努める。
また、市民が日常的に文化に触れ、あるいは文化活動に取り組む機会の拡充を図るため、市民の自
主的な文化活動に対し助成金を交付し、側面的に支援する事業を継続実施する。
(1)
友の会の組織化と運営
公益 財団法人山口市文化振興財団友の会「 Ars Nova Yamaguchi」(呼称:エニー)の会員につい
て、既加入者の継続加入及び新規加入の促進を図る。
①
会員期間
入会日から翌年の入会月末まで
2
②
会員種別
種
別
対象者
個人会員
③
入会金(更新時には不要)
個人
年会費
500円
1,500円
会員特典
・チケットの先行予約及び割引購入
・情報誌(4・7・10・1 月発行)及び催物案内(毎月末)の定期送付
・入会時及び更新時に YCAM シネマ及び中原中也記念館の招待券進呈
・協賛店での優待あり
④ 会員数の推移(件数)
種
別
個人会員
21年度
882
22年度
841
845
23年度
24年度
938
973
25年度
965
ファミリー会員
-
-
-
-
-
-
団体会員
-
-
-
-
-
-
学生会員
-
-
-
-
-
-
計
(2)
20年度
882
841
845
938
973
965
市民文化活動支援事業助成金交付事業
営利を目的としない市内の個人及び団体等が行う文化事業に助成支援するため、平成9年度に創設
した「財団法人山口市文化振興財団市民文化活動支援事業」を継続実施する。
また、市報への掲載等による広報を行い、より多くの市民の自主的かつ創造的な芸術文化活動を支
援する。
①
募集期間
平成26年3月1日~3月31日
②
助成金額
一事業につき50万円を上限
③
審査方法
審査委員会の設置、開催
④
申請及び採択件数の推移
20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
25年度
申請件数
24
24
18
13
27
16
採択件数
18
22
17
13
25
16
3
3
調査研究事業
(1)
中原中也研究
関係資料の調査、収集、複製の製作等により、中原中也研究を推進する。
(2)
自主企画事業に関する調査及び研究
公演ごとのアンケート調査を随時行い、事業企画に対する市民ニーズ等の調査研究を進める。事
業成果のまとめとしてドキュメント制作、展示・公演記録や、ワークショップパッケージ等のパブリシ
ティに関わる作業を行う。
4 情報収集・提供事業
(1)
情報誌「any」の刊行
平成9年1月から刊行している情報誌を年4回(季刊)、継続刊行する。
(2)
山口市民会館催し物案内の発行
市民会館における催し物を紹介案内する広報紙を月1回、継続発行する。
(3)
中原中也記念館館報第20号の発行
活動記録、寄稿文等を掲載する館報を年1回、継続発行する。
(4)
中原中也研究第19号の刊行
研究論文、エッセイ、シンポジウム記録等を掲載する研究誌を年1回、継続刊行する。
(5)山口情報芸術センター催し物案内の発行
山口情報芸術センターにおける催し物を紹介案内する広報物を継続的に発行する。
(6) ホームページの充実
財団及び山口情報芸術センター、中原中也記念館、山口市民会館のホームページにより、イベ
ント情報を随時発信する。また、平成19年4月からは財団の主催・共催公演に関して、財団及び
山口情報芸術センターのホームページからもチケット予約ができるシステムを整備、友の会への
入会・更新もホームページ上から手続き可能となっている。
5 施設の管理運営受託事業
当財団が所管する山口市民会館、中原中也記念館及び山口情報芸術センターの管理運営にお
いて、「安全、安心、快適」に利用していただけるよう適切な業務を行います。
また、山口市民会館、山口情報芸術センターにおいては、山口市条例に基づいた施設の貸与事
業を行い、利用者のニーズを踏まえた施設運営に努めます。
4
6 企画事業一覧
事業名
区分
内容
開催時期
宮沢賢治の名作童話を、ピアノ・バイオリン・チェロ
山
口
生演奏でおくる影絵劇
市
“みる”コンサート物語
民
「セロ弾きのゴーシュ」
の三重奏と一緒に、次々と動き写り変わっていく影
絵劇で繰り広げる。
7 月 27 日(日)
こどもから大人の方々まですべての方におくる、賢
会
治の心を高らかにうたいあげた、感動的な舞台。
館
近年、関西随一の演奏水準と評価の高い「京都市
京都市交響楽団
山口公演
交響楽団」と、常任指揮者の広上淳一、ソリストに
9 月 7 日(日)
ジャズピアニストの山下洋輔を迎え、クラシックの名
曲を迫力のオーケストラサウンドで提供する。
「Life,Love,Light」をテーマに、「ライオン・キング」をメ
ディズニー・オン・クラシック
まほうの夜の音楽会
イン演目として、ディズニーの輝く名曲の数々を、ブ
10 月 24 日(金)
ロードウェイで活躍するヴォーカリストの歌声とフル
2014
オーケストラの演奏で贈る、大人のための音楽会。
楽曲「きずな」を歌おう!と集まった山口市民の圧
倒的な歌声に包まれながら、大内氏とサビエルの
山口きずな音楽祭
「きずなX」、サビエルの足跡がある各地との「きず
12 月 5 日(金)
なX」を賛美し、大切な人との「きずなX」を想う、山
口のクリスマスを過ごす。
山口県吹奏楽連盟加盟団体が、平素の練習成果
第 19 回ニューイヤー
バンドフェスティバル
を発表するとともに、他団体の演奏を聴くことによ
1 月 17 日(土)
り、演奏技術ならびに音楽表現力の向上を深め、あ
2015
わせて各団体の親睦を図るためのコンサート。
平成 26 年度に行われた各種音楽コンクールにおい
て優秀な成績を収めた方々や、平素から熱心に演
奏活動を続けている方々を迎え、素晴しい演奏を披
第 42 回市民コンサート
3 月 21 日(土・祝)
露していただく。また、本コンサートの最後を飾るプ
ログラムとして、市内の中学・高校生から結成され
る「山口ジュニアオーケストラ」による演奏を行う。
5
事
パウル・バドゥラ=スコ
5 月 30 日(金)
クラシック音楽の世界でウィーンの伝統をいまに
業
ダ ピアノ・リサイタル
山口市民会館
引き継ぐ巨匠ピアニスト、パウル・バドゥラ=スコ
企
ダによるコンサートを実施する。グルダ、デムスと
画
ともに、「ウィーン三羽烏」と呼ばれ、共演した指
揮 者 に は 、フル トヴ ェング ラー 、カラヤ ンな ど、
錚々たる巨匠たちが名を連ねる。惜しまれながら
も、今回の日本ツアーが最後の来日公演となり、
音楽の神髄を知るピアニストによる卓越したテク
ニックと音色を聴いていただく貴重な機会となる。
なごみーず アコース
7 月 3 日(木)
元かぐや姫・風の伊勢正三、太田裕美、元ガロの
ティックナイト in 山口
山口市民会館
大野真澄によって 2004 年に結成されたユニット
「なごみーず」によるコンサート。すでに 170 回を
越えるコンサートを全国で実施し、いずれも好評
を得ている。「22 才の別れ」「木綿のハンカチー
フ」「学生街の喫茶店」など、時を経てもなお心に
残る名曲の数々を披露する。青春を過ごした世
代にとっては懐かしく、また若い世代にとってはど
こかで聴いたことがあるメロディーと歌詞ばかり。
誰が聴いても楽しめるコンサートである。
オフィス 300 公演「天使
11 月 8 日(土)・9 日
女優・渡辺えりが主宰する劇団オフィス300(さ
の猫―宮沢賢治の生
(日)
んじゅうまる)によって昨年 5 月に東京で上演され
き方-」
山口情報芸術センター
反響を呼んだ舞台「天使の猫」を、この度は山口
でも鑑賞していただく機会を提供する。作・演出
は渡辺えりが手がけ、宮澤賢治の半生を、彼が
執筆した言葉と童話をオムニバス的なモチーフに
音楽劇として描いた作品。渡辺が東日本大震災
のあとに初めて書き下ろした作品であり、賢治の
生き様や作品が時空を超え、現代にも訴えかけ
る力強い作品。
6
事
フィリップ・ジャンティ
11 月 11 日(火)
人形劇、ダンス、パントマイム、演劇などをミック
業
「忘れな草」
山口市民会館
スし、ダイナミックかつ幻想的な舞台で、日本でも
企
多くの観客をとりこにしているフランスのフィリッ
画
プ・ジャンティ・カンパニー。山口では 2004 年に山
口情報芸術センターで「バニッシング・ポイント」を
上演して以来の登場となる。本作「忘れな草」は、
人形と男女の役者が巧みに混じり合い、夢とも現
実ともつかない特別な空気を醸しだす作品で、
1993 年の日本初演時に大きな話題を呼び、以後
も再演を重ねている注目作。
劇団うりんこ「妥協点
2 月 26 日(木)
現役の高校生とワークショップを重ねて作り上げ
P」
山口情報芸術センター
た新作で、注目の若手劇作家・柴幸男が、劇団う
りんこのために書き下ろした話題作を上演する。
学校の図書準備室で起こる痛快・密室劇。「妥
協」をテーマに 10 代の若者たちに問いかける。認
定NPO法人こどもステーション山口との共催とし
て開催する。
東京都交響楽団
3 月 27 日(金)
国内屈指のオーケストラとしていまや国内なら
山口市民会館
ず、日本を代表する楽団として、世界中で演奏活
動をおこない活躍する東京都交響楽団。この度
は、2009 年に実施して以来 6 年ぶりの山口公演
が実現。前回と同様に、島根県・益田市のいわみ
芸術劇場との連携事業として行う。
中
開館 20 周年記念事業
2 月 16 日(日)~11 月末
別添事業概要のとおり
記
第 11 回常設テーマ展示
2 月 16 日(日)~平成 27
念
「中也 愛の詩―いとし
年 2 月 15 日(日)
い者へ」
※特別企画展会期中を
中也は、恋人や家族をどのようにいとおしみ、作品
に描いていたのでしょうか。女優・長谷川泰子をめ
ぐる出会いと別れは、作品へと昇華され、「時こそ今
は……」や「盲目の秋」など、魅力的な恋愛詩をたく
さん生み出した。一方で、幼い息子を深く愛し、書簡
や日記などからは、妻・孝子や母・フクに対する細
い心配りが感じられ、家族に対する中也の愛情深
い一面が見て取れる。
本展では、中也の作品や書簡などに表れる、さまざ
まな「愛」の表現を紹介。
原
中
也
館
除く
※第 12 回常設テーマ展示「宗教性」(仮) 平成 27
年 2 月 18 日(日)~平成 28 年 2 月下旬
7
中原中也の作品は、没後 80 年近くたった今でも多く
の人に愛されています。中也は、先行する詩人から
どのような影響を受け、後世の詩人にどのような影
響を与えたのでしょうか。
開館 20 周年を記念した本展では、日本の近現代詩
史を中也の視点から再構成することで、彼の詩の
独自性を浮き彫りにする。
特別企画展
7 月 31 日(木)~9 月 28
「中原中也と日本の詩」
日(日)
念
企 画 展 Ⅰ「中 原 中 也 記
2 月 16 日(日)~7 月 27
館
念館の 20 年」
日(日)
企画展Ⅱ(コラボレーシ
10 月 1 日(水)~平成 27
ョン企画)
年 3 月(予定)
屋外展示
通年
中也ゆかりの山口線の枕木を敷きつめた記念館の
中庭では、テーマ「空」にちなんだ中也の詩を 3 期に
分けて解説付きで紹介。
公開講演
第 1 回 9 月 14 日(日)
9 月は「中原中也の会」との共催により、詩人・映画
監督の福間健二氏を講師に迎え、中也に関する講
演会を行う。
中
原
中
也
記
第 2 回 未定
山
口
毎月第 4 金曜日
【展示】
4 月 2 日(水)~6 月 1 日
池田亮司
(日)
“supersymmetry(スーパ
報
ーシンメトリー)” 新作イ
芸
ンスタレーション
術
【関連イベント】
4 月 19 日(土)
20 時開演
これまで池田亮司は微視的で緻密なビットレート制
御の領域から、公共スペースでの大規模プロジェク
トまで、先端的な電子音表現とインスタレーションで
世界に衝撃を与えてきた。YCAM での滞在を経て制
作・アップデートされたこれまでの作品は、どれも高
い評価を受け、世界各地の美術館やフェスティバル
等で公開されてきた。YCAM 委嘱作品のシリーズ第
3 弾となる新作“supersymmetry” (スーパーシンメト
リー)は、量子情報理論や素粒子論を美学的な視
点から解釈し、池田の得意とするデータ観測表現の
限界に迫る、新たな構想を展開したインスタレーショ
ンとなる。
また、本作は YCAM とフランスのル・リュー・ユニッ
ク・ナント芸術センター、ナント市、フランス文化省と
の共同制作プロジェクトであり、YCAM での滞在制
作の後、初公開され、フランスを皮切りに世界巡回
が予定されている。
2013 年、5 年ぶりに池田亮司がリリースした CD
"supercodex"のライブセット。パフォーマンス作品
"superposition"制作プロセスで生みだされた、リア
ルタイムでサウンドを解析して緻密な映像を投射す
るプログラムにより、本作は構成されている。
ライブ・パフォーマンス
池 田 亮 司 「 supercodex
[live set]」
前期はYCAMとのコラボレーション、後期はアーテ
ィストとのコラボレーションにより、中也の作品の新
しい楽しみ方を紹介。
教育普及事業として実施。気軽におしゃべりしなが
ら、テーマに沿った中也の詩などを読み込んだり、
展示を学芸担当職員の解説とともに観たりしなが
ら、中也を中心に詩の世界を楽しく味わう。
中原中也を読む会
情
中原中也記念館は 2014(平成 26)年に開館 20 周年
を迎える。1994(平成 6)年 2 月 18 日、中也生誕の地
である山口市湯田温泉に開館してから今日まで、
中也自筆原稿などの資料収集・保存や、さまざまな
テーマの展覧会、教育普及等の活動を通じ、中也
の業績を広く伝えてきた。
本展では、中原中也記念館の 20 年の歩みをたどり
ながら、当館が誇る主な収蔵資料、公共建築百選
にも選ばれた建築、ゆかりの方々からのメッセージ
などを紹介し、中原中也記念館の魅力をお伝えす
る。
8
【展示・WS】
7 月 5 日(土)~ 9 月 28
日(日)
“MEDIA/ART KITCHEN
Yamaguchi — 地 域 社 会
×問いの発明
グローバル経済の下、情報技術が生活に浸透し、
世界地図の上に新たな文化圏、経済圏がつくられ
る今日、「メディア」と「アート」を取り巻く環境は、
日々複雑に変化している。 東南アジアにおいても、
メディア技術やパーソナル・ファブリケーションの普
及を背景に、複雑に多様化した社会情勢や文化に
呼応するかたちで、アートの在り方と共に、メディア
技術の使われ方そのものも個別化している。
「MEDIA/ART KITCHEN」では、「メディア/アート」と
表記することで、「Media / Art=メディアでありかつ
アート」と読み替え、メディアとアートを通して、各国
の地域社会の現状を描き出すと共に、山口の地域
社会が持つ課題に目を向け、メディアの視点から新
しい提案を行う。
創作活動のためのラボラトリーを YCAM ホワイエの
中心に据え、アーティストと市民コラボレーターが協
働してプロジェクトを実践する。その成果を、館内に
拡大して展示するとともに、地域の人々による能動
的な活動を生み出す原動力として、創作活動の場
であるラボラトリーを開設し定期的なプログラムを開
催する。
山
口
情
[プログラム]
① アーティスト×市民コラボレーターによる地域課
題に焦点をあてたプロジェクト→成果展示
② アーティストによるプロジェクトと連動したワーク
ショップ
③ 定期プログラム
→機材・ソフトウェアの講習会 /市民コラボレーター
によるアイデアや課題の共有・配信活動→ 専門家
を交えたゲストミーティング(FabLab ミーティングな
ど)→ アーティストとコラボレーターによる成果発表
会
報
芸
術
【WS・展示】
【WS】
ムン・キョンウォン「プロ
10 月 18 日(土)(予定)
ミス・パーク」プロジェクト
【展示】
- ワークショップ&リサ
11 月 1 日(土)〜1 月 11
ーチ展示
日(日)
ムン・キョンウォンは、事物の歴史的なリサーチを元
に、アーティスト、建築家、デザイナーとの協働によ
りプロジェクトを継続的に行い、映像インスタレーシ
ョンなどの形式で発表を行ってきた。プロミス・パー
クも、人類の文明と、その歴史の痕跡についてのリ
サーチをベースとしながら、私たち人類が、自然の
姿を投影させる象徴的な場所としての「公園」に着
目し、プロジェクトを立ち上げる。
大きな災害が起こり、環境が変化した社会を舞台と
して、新たな環境条件の都市において、公園がどの
ような姿になりうるのか、また、なぜ人類は公園を必
要とするのか、という問いを出発点に、都市におけ
る公園の役割を考察することで、都市における公園
の役割を考察することで、人類の文明への問いを
投げかける。
2014 年度は、ムン・キョンウォンによるワークショッ
プとリサーチの成果展示、また AR 技術を使ったア
プリケーションの研究・開発を行う。
・ARART チームと共同で、AR(拡張現実)技術をベ
ースに、構想を集積・統合し、空間的に体感できる
iPhone アプリケーションの開発を行う。→現実と情
報をつなげる技術の開発。
・庭園の専門家や建築家を招き、「公園」について、
9
歴史的なリサーチを行う。
・ワークショップにて、歴史的なリサーチをベース
に、参加者が「未来の公園」を構想する。
・技術的なデモンストレーションを兼ね、公園の構想
と、歴史的なリサーチを合わせて、館内にて展示す
る。(3 ヶ月間を予定)
通年
2013 年 7 月に開催した「集合知」を題材とした展覧
会で取り上げた、アーティストの中から、コンタクト・
ゴンゾ、ダフィット・リンクなどの作品背景にあるコン
セプトやリサーチの成果を整理し、研究やワークシ
ョップ、新たな表現へと発展させる。一般的に企画
展覧会は一時的に開催するもので、長期的研究や
記録の収集はコレクションとして、企画展覧会と別
軸で行なわれる。コレクションを持たない YCAM に
おいて長期的研究、制作の継続性は新規プロジェ
クトや新作制作と同様に、館の活動方針を検討する
上で重要な骨子となるはずである。限られた展覧会
の会期と会場では展開しきらなかった、a2ci 展開催
の過程で行なったドキュメンテーションやリサーチ
を、展覧会という一時的な形態から抜き出し、継続
的にリサーチや議論の場を設ける。
【ライヴ】
8 月 2 日(土)、3 日(日)
sound tectonics#14
(予定)
アジア国際交流展と連動させ、大友アジア FEN オー
ケストラに、アジア展「MEDIA/ART KITCHEN」の参
加作家である、バニ・ハイカルに加え、新しい顔ぶ
れによるライブパフォーマンスを行う。
【研究】
山
art and collective
口
intelligence リサーチ&ド
情
キュメント・プロジェクト
報
芸
術
大友良英 FEN オーケス
トラ
12 月(予定)
音楽イベントシリーズとして開催している「サウンド
テクトニクス」では、国内外で活躍する演奏家を山
口に招き、他の文化施設では実現できない音響設
備を提供することで、独自のプログラムを実現し、こ
れまで地方都市では触れる機会の少なかった音楽
ジャンルの紹介、およびこれらの領域の技術スタッ
フの人材育成の機会を提供する。
【WS・研究】
【WS】
YCAM InterLab + 安藤
7 月 19 日(土)〜22 日
洋子 共同研究開発プ
(火)
ロジェクト
【公演】
「Reactor for Awareness
1 月 31 日(土)、2 月 1
in Motion (RAM) 2014」
日(日)
2010 年 12 月から YCAM InterLab を中心に、ダンサ
ーの安藤洋子(ザ・フォーサイス・カンパニー)、日米
のゲストプログラマーが共同で行ってきたダンスの
研究開発プロジェクト。身体×メディアという YCAM
の根幹にあるテーマを背景に、新しいダンスのあり
方、生み出し方を、研究開発内容と制作したツール
のオープンソース公開、ワークショップやデモンスト
レーションの実施など、実際的な方法で提案するプ
ロジェクト。これまで 2011 年度、2012 年度とプロジェ
クトを行ってきており、現段階までに国内外で広い
ジャンルの専門家から一般までか高い評価を得て
きている。
【ライヴ】
sound tectonics#15
①RAM Dance Toolkit と MOTIONER を使用した作品
の製作、上演
プロジェクトの説得力を強化し、巡回を通じて周知
するためのショートピースを製作する。仮想・物理環
境をデザインする建築家、音楽家をチームに迎え入
れ、さらなるプロジェクトの発展を計る。安藤洋子、
ダンサー、コラボレーターについて、第一線で活躍
するアーティストを選抜し、国際的な巡回と YCAM
のブランディングを目指す。
10
②コミュニティの醸成と人材育成
・身体、テクノロジー両方の分野に関わることのでき
る専門家は国際的にもまだまだ少ない。しかし、プ
ログラミングができる振付家、ダンサーと協働できる
クリエーターなど次世代の人材を、研究開発や作品
製作、ワークショップを通じて育成する。今後芸術だ
けでなく、産業、教育分野で、身体・テクノロジーに
関わるニーズは高まっていくことが予想され、YCAM
を中心に才能ある人材が集まるコミュニティをつくり
出すことを目指す。
・特にワークショップは今後国内外での需要が予想
される。
③大学との共同研究、学際的な成果の追求
・池上高志(複雑系・人工生命/東京大学大学院
情報学環)教授
文部科学省 博士課程教育リーディングプログラム
を取得した、東京大学大学院表象文化論研究室
(内野儀教授/演劇論)と共同プロジェクトを調整
中。東京大学の学生を YCAM に派遣する人材育成
プロジェクトの一環を担うことをはじめ、アルヴァ・ノ
エ(認知科学/カルフォルニア大学バークレー校)
の共同招へい、池上高志の研究開発への参加を計
画している。
・筧康明(インタラクティブメディア/慶應義塾大学
環境情報学部)
リハビリテーションへの応用を目的に、モーションキ
ャプチャーシステム MOTIONER を貸し出し。その研
究・実験成果を 2015 年のプレゼンテーションで発表
予定。
山
口
情
報
芸
術
④市内次世代育成 小学校派遣ワークショップ・体
験型インスタレーション
・山口市内で安藤洋子による児童向けワークショッ
プをおこなう。子どもたちの身体の動きとイマジネー
ションを繋げる、育成事業を行う。
・2011 年度製作したインスタレーション「Reacting
Space for Dividual Behavior」は、地元の子どもたち
をはじめ、一般の来場者がインスタレーションの中
で自由に動きながら、身体のイメージを膨らませる
実験の場所として成果を得た。その実績を元に、よ
り広い世代に体験してもらえるインスタレーションバ
ージョンの製作を計画している。
【関連イベント】
7 月 19 日(土)
RAM がその一端に位置づけられる、ダンスとメディ
アテクノロジーの実験・試みの歴史という広い視野
を観客にもたらすものとする。
人間の動きを捉え、それを分析するという、人類の
根元的な欲求からスタートし、技術と芸術的なアイ
デアがお互いを刺激し合い、更新してきた歴史は、
YCAM の主軸の一つである<メディアと身体>とい
うコンセプトや、開館以来行ってきた YCAM の試み
の前提となっているものでもあり、このテーマを、映
像をテーマに検証し、それを分かりやすく伝える意
義は高い。
未定
「The Quiet Volume」は、劇場以外の場所で、観客
自身が体験し場所をつくり出す「オートテアトロ(自
動演劇)」という手法で、演劇の可能性を広げてきた
アント・ハプトンと、「英国最高の実験劇団」といわれ
映像でみる世界のダン
ス vol.3 「ダンス×テク
ノロジーの歴史(仮)」
【公演】
図 書 館 連 携 プログ ラム
11
「 The
Quiet
るザ・フォースド・エンターテインメントを主宰する、
ティム・エッチェルスという二人のアーティストによっ
て製作された作品を上演する。
Volume
(ザ・クワイエット・ボリュ
ーム)」
本作は、図書館の一つのテーブルを使って、1 回に
2 人一組となって体験する俳優不在の「演劇」作品
である。観客/体験者は、ヘッドフォンを装着し、
mp3 プレイヤーに記録された「ささやき声」に導かれ
て、もう一人の体験者と共に、目の前に積み上げら
れた本から本へとテクストをたどり、自分が居る図
書館という場所から本の世界へ、また本の世界から
現実の空間へと意識をむけていく。
演劇という視点から「新しい読書体験」をつくり出す
本作を通して、見なれた図書館という場所と、誰も
が幼少の頃から行っている文字を読むことという体
験を、もう一度捉え直し、味わうことを観客に促す企
画。
【公演】
12 月 8 日(日)(予定)
チェルフィッチュ「地面と
床」
2012 年 YCAM オリジナルオペラ作品「THE END」
のコンセプトに関わった劇作家・演出家の岡田利
規。来年度以降、YCAM と岡田との共同研究を視野
に入れ、岡田(チェルフィッチュ)の最新作を上演す
る。
岡田利規は、日本を代表する演出家で、彼が取り
あげるテーマ(社会格差、3.11 以降などの時代に応
じた事象を扱ってきた)を完成度の高い脚本で表現
しているだけではなく、演劇というメディアを身体、
言葉から捉え直し、革新してきたことによって、2000
年代〜現在までの演劇をリードし続けている。
(本作品でも、一見すると即興的にも見える役者達
の演技であるが、観客に伝えられるイメージを、身
体の振付、声の出し方のコントロールといった面か
ら徹底的な検証、精緻に演出が成されている。)
8 月 10 日(日)(予定)
アート×テクノロジー、教育、デザイン、産業
――ユニークな実践から見えるこれからのアート
上記のような背景のもとで、近年、とりわけアジアに
おいて、従来の欧米型の啓蒙主義とは異なるミッシ
ョンを掲げるアートの拠点が誕生しはじめている。
本シンポジウムでは、ここ数年の間に登場してき
た、アートの新しい地勢を担うアートセンター、フェス
ティバル、アート NPO といった、アート拠点を取りあ
げる。特に、地域における役割を独自に開拓し、こ
れからのアートの可能性を探求、普及している組織
を特集する。それぞれの先端的でユニークな活動を
紹介しながら、お互いの活動やミッションの比較、意
見交換をおこない、同時代におけるアート拠点の役
割をテーマに、共有すべき課題を明確にするような
ディスカッションにつなげていく。
【開発・WS】
【開発】
YCAM オリジナルメディ
通年
アワークショップの開発
【WS】
YCAM 教育普及では開館当初よりメディアと社会と
の関係性に注目したオリジナルワークショップの開
発/実施をはじめ、利用者の体験をデザインするよ
うな多彩な教育普及プログラムを多数展開してき
た。
2014 年度は「言語」をテーマにワークショップの開発
【シンポジウム】
国 際 シ ン ポ ジ ウ ム
「
Localizing
Media
Practice ――地域化す
るアートの未来」
1 月、2 月(予定)
12
を行ない、出張ワークショップ等のアウトリーチ活動
につなげる。
通年
10 周年記念祭を含む YCAM のこれまでを振り返る
とともに、今後の YCAM の方向性を地域連携という
観点から調査研究する。地域と YCAM の関係性に
ついて文化、教育、人材育成、産業、まちづくりなど
多面的な切り口からリサーチをはじめ、2015 年度以
降の地域活動やパブリックプログラムの礎となるも
のを築く。またこれまで YCAM が実施した様々なパ
ブリックプログラムに対しても評価分析を行ない再
考する。
YCAM EducationLab にて、地域活動を行っている個
人団体の研究、イベントを随時行う。
教育普及スペース運営
7 月 5 日(土)~2 月 28
事業
日(土)
教育プログラムのリサーチ、研究開発、実施を行な
うミュージアムエデュケーションの実験の場。館内の
ワークスペース、フリースペースを中心とした教育
の場づくりを行なう。
YCAM の活動と市民をつなぐ交流拠点として、この
場所がギャラリーツアー、ワークショップ、創作活
動、研究、展示、リージョナルリサーチといった多様
な機能を持つプラットフォームを目指す。また、サポ
ートスタッフやインターン(研修生)の人材育成事業
に力を入れ、ワークショップやギャラリーツアー、見
学対応などのファシリテーター(司会進行)を輩出す
るような仕組みをつくる。
【研究】
地域連携研究事業
山
口
情
YCAM EducationLab
報
芸
術
【シネマ】
Select
県内外の映画愛好家、学生へ向けた教育的プログ
ラムであり、映画を芸術作品として捉え、世界のさ
まざまな地域の古典から新作まで、芸術史およびメ
ディア史的視点から見て、意義深い作品を紹介する
シリーズ。
これまで、大学の授業の一環で訪れる学生やアート
愛好家も多く訪れ、通常の映画上映プログラムとは
違った視点や目的での観賞が多くされている。この
ことからも今後も、よりアートやメディアについて特
化、思考していくプログラムを組み、時にレクチャー
や通常の映画上映以外の展示なども開催しながら
展開していく。
4月
CINE
2 回開催予定
TECTONICS
【シネマ】
通年
映画を映像表現、映像芸術の視点から、巨匠から
新人作家、アニメーションからドキュメンタリーまで
幅広いジャンルの新旧の優れた作品を上映し紹介
する。新たな観客の発掘を兼ねた市民サービス的
な意味合いも含んだ集客の見込める作品も年に数
本上映し、映画愛好家だけでなく、様々な年齢層や
ニーズにむけた作品を上映することで新たな観客
の発掘につなげていく。
通年
レトロスペクティヴの開催、映画史、メディア史的観
点からテーマを設定し、選定したフィルモグラフィー
の紹介を通して、観客の作家や作品/テーマに関
する造詣を深めるだけでなく、映画芸術や映画文化
への更なる探究心や興味を促す。また、ゲスト招聘
も含んだ特集上映を開催し、それらの作品に関わっ
た作家やスタッフ、出演者、研究者が出演するゲス
トトークも随時開催し、観客の作品に対する、より深
い理解を促す。
コミュニティシネマ
【シネマ】
特集上映
13
【シネマ】
8 月中旬(予定)
毎年、YCAM の夏の恒例行事となった"真夏の夜の
星空上映会"は、すっかり涼しくなった夕暮れ時に
芝生にゆったりと腰掛けて映画を楽しむイベントで、
屋内で鑑賞するのとは一味違った雰囲気の上映会
を開催。
1 月~3 月(予定)
国内外の優秀な研究者(技術者、アーティストを含
む)を YCAM インターラボに招聘し特定のテーマに
関して共同研究を行うプロジェクト。これまでの実績
としてプロジェクションマッピングのツールキット
(2011 年)やタイムラインツール(2012 年)を開発。こ
れら研究の成果物をインターネット上で無償公開す
ることで、国内外で多くの反響を呼んだ。
通年
YCAM の教育普及活動が、他のミュージアムとは違
った形で取り組んでいること、また参加型の取り組
みが多い教育普及事業を包括的に「知る」ための特
設サイトを開設。ポータルサイトだけでは伝えきれな
い内容に踏み込み、より広域に教育普及の存在価
値を向上させる。
通年
2007 年のウェブサイトリニューアルから5年が経過
する中、企画事業以外にも多くの取り組みが行なわ
れ、より一層 YCAM という施設について、また YCAM
が掲げるビジョンを発信するためのポータルサイト
が望まれている。また、この 10 年間に蓄積された
様々な資料を登録、閲覧できる機能を設けること
で、専門性の高い継続的な活動を支援するための
プラットフォームとして位置づけると同時に、年々増
大するアーカイブデータの一元的な管理を目指す。
通年
YCAM10 周年記念祭では、YCAM のこれまでの取り
組みの集大成と、これからのアートセンターの在り
方を目指すべく、様々な事業が実施された。
これまでの YCAM の主催事業同様、記念祭プログ
ラムの多くも、映像や豊富な写真、インタビューなど
が付随しなければ、体験した人以外には伝わりにく
いものとなっている。
通常であれば、記念祭の内容をまとめた、紙媒体
のカタログが検討されるが、豊富な映像や写真など
をあわせて展開するため、現在の 10 周年サイトを
記念祭のドキュメントサイトとしてリニューアルする
ことで、記念祭終了以降も、継続的に YCAM10 周年
記念祭のドキュメントを閲覧できるようにする。
通年
メディアアートや身体表現における、アーカイヴの
在り方を、公開された情報を含め、統合的に管理、
運用するためのモデルケースを完成させ、情報芸
術や無形の文化活動を継続するための、記録の在
り方を提示する。
夏の上映イベント
「真夏の夜の星空上映
会」
【研究】
インターラボ滞在研究事
業
Guest
Research
Project2014
教育普及ウェブサイトの
制作
山
YCAM ポータルサイトの
口
リニューアル
情
報
芸
術
YCAM10 周年ドキュメン
トサイトの制作
YCAM Re-Marks
14
事業概要
2014年3月〔改訂版〕
山 口 市 ・山 口 市 教 育 委 員 会
公益財団法人山口市文化振興財団(中原中也記念館)
中原中也記念館
〒753-0056 山口県山口市湯田温泉 1-11-21
TEL 083-932-6430 / FAX 083-932-6431
http://www.chuyakan.jp/
1. 事業趣旨
概略
………………………………………………
事業の方向性
1
……………………………………
2
実施期間
…………………………………………
2
実施体制
…………………………………………
2
記念事業ロゴ
……………………………………
3
2. 事業内容
企画展示
…………………………………………
4
イベント
…………………………………………
5
連携事業
…………………………………………
9
その他の事業
…………………………………… 10
3. 事業スケジュール
…… 12
* 表紙:中也自筆(安原喜弘宛書簡より)
中也25歳の時に、上京の際に立ち寄った金沢から親友の安原喜弘に宛てた書簡(昭和7年8
月23日付葉書)より引用しました。中也は、父の転勤で幼少期を金沢で過ごした20年前を懐
かしみ、文中に記しています。
1. 事業趣旨
概略
日本の近代詩史に偉大な足跡を残した山口市出身の詩人、中原中也。
湯田温泉の生家跡に建つ中原中也記念館は、2014年2月、開館20周年
を迎えます。
この間、中原中也記念館では、中也と中也に関わりのある近代文学資料の
保存と研究を進め、さまざまな角度から中也に光をあてることで、中也の詩と
その世界を広く全国に発信するとともに、中也研究の活動拠点としての役割
を担ってきました。
開館20周年を迎え、中也の故郷・山口に住む皆様に、中原中也記念館の
魅力をもっと感じていただくとともに、市外県外からも、中原中也を吸引力とし
て山口にお越しいただけるよう、さまざまな企画事業を実施していきます。
さらに、これまでの研究成果を生かし、日本の詩の発展に貢献していきたいと
考えています。
1
事業の方向性
開館20周年記念事業では、資料の保存収集や展示、研究といった記念館
の活動から得られた実りをさまざまな形で生かしていくため、以下の方向性に
沿った事業展開を図っていきます。
幅広い世代に足を運んでいただける館内展示を企画していきます。
学び
市民の皆様や子どもたちが、詩や文学に親しむきっかけをつくります。
中也の詩の魅力を国内外へ発信します。
発信
中也の詩とその学びを通して得られた成果を発信していきます。
にぎ
わい
湯田温泉のまち全体へと波及していくにぎわいを生み出します。
市内外から湯田温泉へ多くの人々を呼び込む仕掛けをつくります。
実施期間
開館20周年記念事業は、2014年2月16日(日)の記念式典を皮切りに、
11月末までの開催を予定しています。
* 開館20周年を記念して、2月16日から28日までの期間(休館日の19日、24日、
25日を除く)、中原中也記念館を無料開放します。
実施体制
●主催
山 口 市 ・山 口 市 教 育 委 員 会
公益財団法人山口市文化振興財団(中原中也記念館)
●アドバイザー
中原中也記念館運営協議会
●学芸部会
・企画展示
・公式パンフレット
・詩のワークショップ
・朗読会
・英訳企画
・講演会
等
●式典・イベント部会
・式典
・20th記念イベント
・観光連携
・他部局との調整
等
●教育普及部会
・副読本
・学習指導研究・普及
等
●広報部会
・各種広報活動
・中也関連イベント助成
等
[部会長]
中原中也記念館館長
[部会長]
文化政策課長
[部会長]
中原中也記念館副館長
[部会長]
財団事務局長
2
記念事業ロゴ
中原中也の名前を聞いたとき、帽子をかぶった中也18歳の頃の写真を思い
浮かべる方も多いのではないでしょうか。
この写真のシルエットと、開館20周年の「20」を組み合わせたロゴで、記念
館とともに、これから先にも続いていく中也の強いまなざしが印象的になって
います。
* ロゴ基本形
* ロゴ英文字基本形
3
2. 事業内容
展示
第11回常設テーマ展示
1
「中也 愛の詩―― いとしい者へ」
2014年2月16日(日)~2015年2月15日(日) 中原中也記念館
恋人・長谷川泰子をめぐる出会いと別れは、
作品へと昇華され、魅力的な恋愛詩をたくさ
ん生み出し、日記や書簡からは、家族に対
する中也の愛情深い一面が見て取れます。
中也の作品や書簡などに表れる、さまざま
な「愛」の表現を紹介します。
* 展示期間は、特別企画展会期(7/31~9/28)
を除きます。
企画展Ⅰ
2
「中原中也記念館の20年」
2014年2月16日(日)~7月27日(日) 中原中也記念館
中原中也記念館の20年の歩みをたどりなが
ら、当館が誇る主な収蔵資料、公共建築百
選にも選ばれた建築、ゆかりの方々からのメ
ッセージなどを紹介し、中原中也記念館の
魅力をお伝えします。
4
特別企画展
「中原中也と日本の詩」
3
2014年7月31日(木)~9月28日(日) 中原中也記念館
昭和初期に活躍した詩人・中原中也(190
7-1937)は、先行する詩人からどのような
影響を受け、後世の詩人にどのような影響
を与えたのか。日本の近現代詩史を中原中
也という一詩人を視座として再構成しながら、
中也の詩の独自性を浮き彫りにします。展
示では、貴重な原資料の借用や複製制作
など資料を充実するとともに、巡回展を国文
学研究資料館(東京都立川市)で開催し、
観覧者数の増加とネットワークの強化を図り
ます。
イベント
4
映画で知る中原中也
2014年2月16日(日)、10月(予定) 山口情報芸術センター
中也が観た映画、中也の関係者が出演した
映画、中也が登場人物として活躍する映画
など、映画というメディアを通じて浮かび上が
る詩の世界や詩人像を紹介します。2月16
日は、中也と恋人関係にあった長谷川泰子
が女優として登場する映画「眠れ蜜」(岩佐
寿弥監督、佐々木幹郎脚本、1976年制
作)を上映します。また、佐々木幹郎氏によ
るトークイベントも行います。
映画「眠れ蜜」の一場面より
5
5
川上未映子×穂村弘トークセッション 「中原中也、その愛と魅力と謎」
2014年4月29日(火・祝) 山口市民会館
新人詩人の登竜門として全国から注目を集める中原中也賞の贈呈式にあわ
せ、中原中也賞詩人で作家としての活躍もめざましい川上未映子氏と歌人
の穂村弘氏との中也の詩をめぐるトークイベントを開催します。
川上 未映子●かわかみ
みえこ
氏
穂村 弘●ほむら
ひろし
氏
〈撮影:石倉和夫〉
6
市民参加の詩の朗読会
2014年4月29日(火・祝)、10月(予定) 中原中也記念館
中原中也の生誕日及び命日にちなんだイベント(生誕祭・中也忌)を行い、ま
ちなかにおける賑わいを創出します。詩の朗読を好んだ中也にならい、一般
参加を募った朗読会を両イベントの中心に据えます。また、生誕祭では詩人
の谷川俊太郎氏、作曲家・ピアニストの谷川賢作氏の親子をゲストにしたライ
ブ、中也忌では記念館前庭にカフェを設置するなど、気軽に記念館に来館で
きる雰囲気づくりも演出します。
谷川 俊太郎●たにかわ
しゅんたろう
谷川 賢作●たにかわ
氏
けんさく
氏
〈Ⓒ深堀瑞穂〉
〈Ⓒ菊池一郎〉
6
7
子どものための詩作ワークショップ
2014年5月4日(日)~6日(火・祝) クリエイティブ・スペース赤れんが
第4回中原中也賞の受賞者で、東日本大
震災後も福島にとどまりツイッターをとおして
〝ことば〟を発信し続けた詩人・和合亮一
氏を講師に、子どものための詩作ワークショ
ップを行います。また、発声方法や表現方
法を学んだ後、自作の詩を朗読する発表の
場を設け、〝ことば〟を伝えることの魅力も
体感できるようにします。
和合 亮一●わごう
8
りょういち
氏
中原中也詩英訳パネルディスカッション
2014年7月13日(日) ホテル松政
詩人の伊藤比呂美氏をコーディネーターに、
翻訳チームを編成して中原中也の詩を共同
で英訳するパネルディスカッションを行いま
す。これに先駆けて行うワーキング(7月11
日・12日)では、パネリスト5名が英訳詩を持
ち寄り、中也の日本語表現の解釈と英語表
現について議論を深めます。また、パネルデ
ィスカッションでは、ワーキングで絞り込まれ
た問題について議論を展開します。英訳を
試みることで初めて見えてくる中也の詩の表
伊藤 比呂美●いとう
ひろみ
氏
現の特質、日本語・英語それぞれの詩的表
現の特質や言語自体の特質などを浮き彫り
にします。
* パネリスト
伊藤比呂美 …日本、アメリカ在住。詩人。
ジェローム・ローゼンバーグ … アメリカ。詩人、民俗学者。
ジェフリー・アングルス … アメリカ。西ミシガン大学准教授。
アーサー・ビナード … アメリカ、日本在住。詩人、俳人、随筆家、翻訳家。
四元康祐 …日本、アメリカ在住を経て、現在はドイツ在住。詩人。
7
9
中原中也に関する公開講演
2014年9月14日(日) ホテル松政
2014年10月(予定) 山口情報芸術センター
2014年度中原中也記念館のメイン展示で
ある特別企画展「中原中也と日本の詩」の
会期中9月に、詩、小説、翻訳など幅広い
分野で活躍めざましい作家・池澤夏樹氏を
講師に迎えての講演会を行います。
また、10月には、山口情報芸術センター[Y
CAM]における中也関連映画の上映に合
わせ、中也詩が重要なモチーフとなる新作
映画「野のなななのか」を監督した映画作
家・大林宣彦氏による公開講演会を行いま
す。
大林 宣彦●おおばやし
10
のぶひこ
氏
YCAMとのコラボレーション企画
2014年10月1日(水)~2015年1月 中原中也記念館
山口情報芸術センター[YCAM]との共同制作により、中也の作品の新しい
楽しみ方を紹介します。
11
NHK-Eテレ 「にほんごであそぼ」 公開収録
2014年8月30日(土) 山口市民会館
「にほんごであそぼ」は、小学校低学年くらいまでの子どもと親を対象に、楽し
く遊びながら日本語感覚を身につけるため、多彩な出演者とともに、様々な
「にほんご遊び」を繰り広げる番組で、中原中也の詩も取り上げられてきました。
NHK山口放送局と山口市は、開館 20 周年を記念して公開収録を行いま
す。
* 出演予定
コニちゃん(小錦八十吉)、うなりやベベン、おおたか静流、NHK交響楽団メンバー、
子どもたち ほか ※変更の場合あり
8
連携事業
12
中学生向け副読本の研究開発・普及
2015年3月配布(予定) 市内各中学校
中原中也の詩に触れ、親しむ機会を創出するための教材として、中也の詩を
題材とした中学生向けの副読本を研究・開発します。市内中学校国語科の
教員と記念館学芸員がチームを組んで制作にあたり、選詩やデザインには生
徒も参加します。また、2015年度から市内の中学校での授業で使用してい
ただくための指導法の研究や公開授業を行います。
13
湯田温泉旅館・ホテルへのオリジナル詩集配布
2014年4月(予定) 湯田温泉各旅館・ホテル
中原中也の詩とその情景イメージをデザイン
化したオリジナルの詩集を作成し、湯田温泉
の旅館・ホテルに配布します。湯田温泉に
訪れた観光客をターゲットに、中也詩を身近
に感じていただくとともに、記念館への来館の
きっかけとするなど、地域内での回遊を促し
ます。
14
中也関連展示&詩やことばに関するワークショップ
2014年2~10月(予定) 山口市立中央図書館
市立中央図書館に中原中也関連書籍コー
ナーを設置するとともに、館内掲示スペース
を利用し、中原中也とその詩の魅力を感じる
ことのできる展示を行います。また、詩やこと
ばをテーマとしたワークショップを開催しま
す。
9
15
中也の魅力を広く伝える観光プロモーション活動
期間中
観光関連団体との連携により、旅行エージェントへの積極的な情報提供や、
首都圏や中国、九州地方などでの重点的な観光キャンペーン、観光情報雑
誌や旅行関連ウェブサイト等への掲載などを展開し、中也の魅力を広く伝え、
県内外から誘客を図ります。
16
地域イベント等との連携による観光誘客
期間中
「山口お宝展」など、地域のイベントとの連携や、中也ゆかりの地を盛り込んだ
地旅の提案などをとおして、地域の観光資源と連動した誘客をめざします。
* 地旅とは、地域の観光資源を活用した、ご当地ならではの旅のことです。
その他の事業
17
公式ガイドブック「中原中也の世界」の発行
2014年2月16日(日) 中原中也記念館
中也の世界を総合的に紹介するパンフレット
(オールカラー96ページ)を制作・販売しま
す。「自筆原稿で読む中也の詩」など収蔵資
料を中心に、常設展示とこれまでに開催して
きた企画展、特別企画展の内容を盛り込み、
ヴィジュアルを重視した構成となります。
10
18
館内BGM・DVD映像のリニューアル
2014年2月16日(日) 中原中也記念館
記念館内に想像性に満ちた雰囲気をつくり、中也の詩の世界への導入となる
新しいBGMを制作するとともに、中也の生涯を紹介する放映映像「中也の
軌跡」を再編集します。BGMの作曲・演奏は、詩と音楽のコラボレーション集
団・VOICE SPACEが担当します。
VOICE SPACE
19
20周年記念オリジナル・グッズの制作
2014年2月16日(日)~ 中原中也記念館
開館20周年を記念したオリジナル・グッズ、
「中原中也記念館から手紙を出そう」企画が
さらに楽しくなる新しいグッズを順次制作して
いきます。なお、中也の肖像や詩集、記念
館の写真を使用した「フレーム切手」(80円
×10枚)を制作し、郵便局や記念館で限定
販売します。
20
中也関連イベントへの助成
2014年4月~2015年3月
市内で行われる中原中也をテーマにした企画イベントなど、開館20周年のコ
ンセプトに沿った文化創造活動に対して助成します。
11
3. 事業スケジュール
2014
2015
2
3
4
5
6
12
1
第11回常設テーマ展示 「中也 愛の詩――いとしい者へ」
2/
2
企画展Ⅰ 「中原中也記念館の20年」
2/
3
特別企画展 「中原中也と日本の詩」
4
映画で知る中原中也
5
川上未映子×穂村弘トークセッション 「中原中也、その愛と魅力と謎」
● 4/29 山口市民会館
6
市民参加の詩の朗読会
● 4/29 中原中也記念館
7
子どものための詩作ワークショップ
8
中原中也詩英訳パネルディスカッション
9
中原中也に関する公開講演
7
8
9
10
11
12
1
16
2
3
15
2/
27 中原中也記念館
7/
16
28 中原中也記念館
9/
31
7/
10月(予定) YCAM
● 16 YCAM
2/
● 10月(予定)
中原中也記念館
● 10月(予定)
YCAM
● 4~6 クリエイティブ・スペース赤れんが
5/
● 7/13 ホテル松政
9/
14 ●
ホテル松政
10
YCAMとのコラボレーション企画
11
NHK-Eテレ「にほんごであそぼ」公開収録
12
中学生向け副読本の研究開発・普及
13
湯田温泉旅館・ホテルへのオリジナル詩集配布
14
中也関連展示&詩やことばに関するワークショップ
15
中也の魅力を広く伝える観光プロモーション活動
* 期間中
16
地域イベント等との連携による観光誘客
* 期間中
17
公式パンフレット「中原中也の世界」の発行
2/
18
館内BGM・DVD映像のリニューアル
2/
19
20周年記念オリジナル・グッズの制作
2/
20
中也関連イベントへの助成
1~11月(予定) 中原中也記念館ほか
10/
●8/30 山口市民会館
3月配布 (予定)
市内各中学校
編集
4月 (予定)
2~10月(予定) 市立中央図書館
16 販売開始 中原中也記念館
16 放送・放映開始 中原中也記念館
16 販売開始 中原中也記念館
* スケジュールは都合により変更する場合があります。
* 各事業の詳細などは、中原中也記念館ウェブサイトにて順次発表していきます。
4~3月に市内で行われる企画イベントなどを対象
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