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第44回「上海IPG」会合 日時 2010年1月21日(木) 14:00~ 場所

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第44回「上海IPG」会合 日時 2010年1月21日(木) 14:00~ 場所
第44回「上海IPG」会合
日時
2010年1月21日(木)
14:00~
場所
上海龍之夢麗晶大酒店4階Ballroom A
【上海 IPG ピックアップ講座】
○司会
本日のピックアップ講座は、YKK 社様より、中国の模倣品対策について、ご紹介
い た だ き ま す 。 後 半 は 経 済 産 業 省 の 模 倣 品 対 策 室 よ り 、 墳 崎 様 に お 越 し い た だ い て おり
ますので、特に日中政府間の取り組みについて、ご紹介いただきます。
まず、YKK の石川様、ご講演をお願いいたします。
-1Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.
<講演①>
YKKの模倣品対策について
YKK(中国)投資有限公司知的財産保護室室長
石川芳明
ただいまご紹介に与りました YKK 中国投資社の石川と申します。このような場で発表
の 機 会 を い た だ き ま し て 、 大 変 あ り が た く 思 っ て お り ま す 。 皆 様 に 感 謝 申 し 上 げ た いと
思います。本日は、YKK の知的財産の模倣品に対する対策をどのように行っているかにつ
いて、簡単にですが、お話をさせていただきたいと思います。 30 分ほどお付合いをお願
いします。
(パワーポイント開始)
本日の発表ですが、このような 5 つのパートに分けてお話をさせていただきます。ま
ず YKK グループの概要についてです。こちらは YKK の精神と経営理念です。創業者吉田
忠雄の企業精神である「善の巡環」というものが YKK 精神となっています。これは他人
の 利 益 を 図 ら ず し て 自 ら の 繁 栄 は な い 。 事 業 活 動 の 中 で 発 明 や 創 意 工 夫 を こ ら し 、 常に
新 し い 価 値 を 創 造 す る こ と に よ っ て 、 事 業 の 発 展 を 図 り 、 そ れ が お 得 意 様 、 お 取 引 先の
繁 栄 に つ な が り 社 会 貢 献 で き る と い う 考 え 方 で す 。 善 の 巡 環 と い う こ と で 、 こ れ を YKK
精神として、事業活動を進めています。
こちらは会社の概要となります。会社名は YKK 株式会社で、創業は 1934 年です。現在
は世界 70 カ国、地域で、事業展開をしています。従業員数は全世界で 4 万人ほどです。
連結売上高で、ファスナー関係のファスニング事業が 2,600 億円、建材が 3,500 億円、
その他は 100 億円で、6,200 億円ぐらいとなっています。
皆 さ ん フ ァ ス ナ ー 関 係 の 会 社 で あ る と 思 っ て い ら っ し ゃ る か と 思 う の で す が 、 売 上げ
自 体 は ド ア や 窓 の 建 材 事 業 の ほ う が 大 き く な っ て い ま す 。 こ れ は 皆 さ ん も お わ か り だと
思 い ま す が 、 フ ァ ス ナ ー の ほ う が 単 価 は 安 く 、 建 材 の 方 は 単 価 が 高 い と い う こ と で 、売
上げは建材のほうが大きくなっています。
次は沿革です。1934 年に創業者の吉田忠雄が創業しました。1946 年から商標の YKK を
使用しています。1959 年から海外展開をしています。1994 年に旧社名の吉田工業株式会
社から、YKK 株式会社に社名変更をしました。2005 年 6 月に YKK が日本企業で初の、中
国馳名商標を認定いただきました。
YKK グループの事業紹介です。大きく分けて 3 つの事業になっています。1 つはファス
ニ ン グ 事 業 で す 。 こ ち ら は フ ァ ス ナ ー や ボ タ ン を つ く っ て い る 事 業 で す 。 そ れ か ら 、家
の ド ア 、 窓 、 ビ ル の 外 装 を つ く っ て い る 建 材 事 業 で す 。 そ れ と 、 フ ァ ス ニ ン グ 事 業 、建
材 事 業 を 支 え て い る 工 機 事 業 と い う の が あ り ま し て 、 こ ち ら は フ ァ ス ニ ン グ 事 業 、 建材
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事 業 の 商 品 を つ く る 機 械 を 自 社 製 産 し て い ま す 。 金 型 も 自 社 生 産 な の で す が 、 そ の よう
な形で、それぞれの事業を支えるための機械、金型をつくっている事業、この 3 つの事
業で事業展開しています。
次です。世界を 6 極に分けて、事業展開しています。北中米、南米、日本、ヨーロッ
パ ・ 中 東 ・ ア フ リ カ 、 ア セ ア ン ・ 南 ア ジ ア ・ オ セ ア ニ ア 、 そ し て 東 ア ジ ア で す 。 そ れぞ
れの南米を除く 5 極に統括会社を配置し、各地域を統括し、管理しています。
YKK 株式会社の組織です。知的財産部門は、3 部門存在していまして、まずコーポレー
ト 部 門 の 知 的 財 産 グ ル ー プ で す 。 こ ち ら は 知 的 財 産 権 の 権 利 化 、 維 持 及 び 知 財 の 訴 訟関
係 を 行 っ て い ま す 。 続 い て 、 フ ァ ス ニ ン グ 事 業 本 部 の 中 に 、 知 的 財 産 保 護 グ ル ー プ があ
ります。こちらは模倣品対策及び市場調査、業界研究を行っています。もう 1 つは、知
財 管 理 グ ル ー プ と い う も の が あ り ま し て 、 こ ち ら は 知 財 に 関 係 す る 会 議 体 の 運 営 や 社員
教育を行っています。このような 3 つの部門が連携しながら、YKK の知的財産業務を遂行
しています。
中国における事業展開です。1992 年に上海にファスナーの製造販売会社を配置して、
現在中国に 13 社で展開しています。ファスニング関係の会社が 6 社、建材事業が 5 社、
工機事業関係が 1 社と、私が所属している投資会社が 1 社の 13 社になっています。
YKK 商標の由来です。1946 年から YKK 商標を利用していますが、もともとは旧商号で
ある吉田工業株式会社の頭文字を取って、YKK となっています。創業から 60 年の 1994 年
に、社名も吉田工業株式会社からブランドと同じ、YKK 株式会社に社名変更しています。
それに伴い、全世界でロゴの統一をしています。YKK 商標自体は、現在全世界 196 カ国、
地域で商標登録をしています。これは先ほどお話しましたが、2005 年 6 月に中国馳名商
標に認定されています。
続いて、模倣品対策活動の話になります。YKK グループの模倣品対策の目的は、3 つご
ざいます。1 つはブランド価値の維持、確立です。こちらは 1934 年に創業し、1946 年か
ら YKK ブランドを使っていますが、模倣品によるブランドイメージの低下を防止するこ
とです。
2 つ目は、消費者、顧客の保護です。私たち YKK の顧客というのは、靴メーカーさん、
服 装 メ ー カ ー さ ん に な る の で す が 、 そ の お 客 様 の 品 質 の 保 障 を す る と と も に 、 お 客 様の
ブランドを守るという意味です。
3 つ目として、真正品の増大です。模倣品から真正品に置き替えることによって、市場
を獲得していく。この 3 つを目的として、模倣品対策を進めています。
模 倣 品 対 策 の 組 織 と 役 割 で す 。 そ れ ぞ れ の 部 門 が 、 そ れ ぞ れ の 役 割 を 果 た し て 、 一緒
に 連 携 を しな が ら 模 倣 品 対 策 を 進め て い ま す 。 基 本 的 には 日 本 側 の 事 業 部 が 主体 と な り 、
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模 倣 品 対 策 の 戦 略 、 立 案 を し な が ら 、 海 外 会 社 で 実 際 に 動 い て い く 形 で 、 事 業 部 主 導の
模倣品対策を実行しています。
先ほどもお話をしましたが、YKK グループでは 6 極経営体制を取っています。南米以外
の 5 極には知財担当者を配置しています。一部の担当は法務を兼任していますが、知財
担 当 者 を 置 い て い ま す 。 そ れ ぞ れ 役 割 は 若 干 異 な っ て い ま す 。 中 国 に お い て は 、 市 場摘
発 、 輸 出 差 止 め 、 真 正 化 を 進 め る 、 店 頭 調 査 、 啓 蒙 活 動 で す 。 こ れ ら の 役 割 を 担 い なが
ら、模倣品対策を進めていく形となっています。
中国における模倣品対策の活動のお話です。まず映像をご覧ください。こちらは 2003
年ですが、実際の摘発現場の映像です。ここに「 YKK」と入っていますが、すべて偽物の
ファスナーとなっています。映像が出ないようなので、次に進ませていただきます。
模 倣 品 業 者 が 、 な ぜ 模 倣 品 の 製 造 、 販 売 を 行 う か で す が 、 模 倣 品 ビ ジ ネ ス を や る と儲
か る か ら で す 。 ど う す れ ば い い か 。 模 倣 品 ビ ジ ネ ス が 儲 か ら な い よ う な 模 倣 品 対 策 をし
ていく必要があると考えています。
話 は 変 わ り ま す が 、 日 本 に お け る 繊 維 製 品 の 主 要 供 給 国 別 の 輸 入 状 況 で す 。 赤 い 部分
が 中 国 か ら の 輸 入 で す が 、 ほ と ん ど が 中 国 か ら 入 っ て 来 て い ま す 。 繊 維 製 品 と い う こと
に な っ て い ま す の で 、 当 然 私 た ち の お 客 様 で あ る 服 メ ー カ ー 等 が 中 国 で 生 産 し て 、 それ
を 日 本 に 輸 入 し て い る 状 況 で す の で 、 当 然 中 国 で の 重 要 性 が 高 く な っ て お り ま す 。 当然
中 国 で は フ ァ ス ナ ー の 需 要 が あ る の で 、 真 正 品 の 需 要 の あ る と こ ろ で は 当 然 模 倣 品 の需
要もある状況になっていますので、中国での対策は重要となっています。
こちらは YKK の商品のファスナーですが、最終商品ではありませんので、いろいろな
人 間 が 係 わ っ て い ま す 。 い ろ い ろ な 工 場 が 製 造 し 、 販 売 店 な り エ ー ジ ェ ン ト を 通 し なが
ら 、 靴 工 場 、 服 装 工 場 を 通 じ て 、 最 終 的 に 消 費 者 、 お 客 様 に 届 け ら れ ま す 。 一 部 は 輸出
業 者 を 通 っ て 海 外 に 輸 出 さ れ ま す 。 こ の よ う に 、 い ろ い ろ な 人 間 が 模 倣 品 に 絡 ん で いる
状 況 に な っ て い ま す の で 、 こ ち ら の 工 場 に 対 し て は 製 造 さ せ な い 、 販 売 店 、 エ ー ジ ェン
ト、縫製工場に対しては流通させない。このような 2 つの対策を取っていく必要がある
と考えています。流通させないということも重要なのですが、YKK グループでは、製造さ
せないということで、工場への対策をメインに行っています。
中国における模倣品対策の活動は 3 つに分かれています。1 つ目です。スライダー工場、
フ ァ ス ナ ー 工 場 、 金 型 工 場 、 販 売 業 者 に 対 し て は 摘 発 活 動 を 行 っ て い ま す 。 縫 製 工 場、
そ れ を 販 売 し て い る 業 者 に 対 し て は 、 営 業 啓 蒙 活 動 を 行 っ て い ま す 。 そ れ に よ り 、 偽物
を 扱 っ て い る 業 者 に 本 物 を 買 っ て い た だ く 、 啓 蒙 活 動 を し て い ま す 。 税 関 で の 取 り 締ま
りは、中国税関での差止めと、輸出先での税関での差止めです。このように 3 つの対策
を行っています。
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こちらは中国での摘発状況です。 AIC、TSB の摘発と考えていただければと思います。
1993 年から摘発活動を行い。件数としては多くはないのですが、2009 年までで、全部で
320 件です。2009 年は 42 件の摘発となっています。メインのターゲットとしてはファス
ナー工場であり、昨年は全部工場への摘発を行いました。
地 域 別 に 見 ま す と 、 広 東 省 、 浙 江 省 が 多 く な っ て い ま す 。 こ の 傾 向 か ら す る と 、 華南
地 域 で 製 造 さ れ 、 華 中 で 服 装 に 縫 製 さ れ て 、 華 北 で は フ ァ ス ナ ー が 販 売 さ れ て い ま す。
そのような地域特性も出ています。
模 倣 品 の 摘 発 状 況 で す 。 フ ァ ス ナ ー 自 体 は 、 簡 単 に 言 い ま す と 、 ス ラ イ ダ ー と い う部
品とチェーンがあり。これら 2 つの部品から構成されていて、それぞれがそれぞれの工
場 で つ く ら れ て い ま す 。 そ れ ら 部 品 が こ ち ら の フ ァ ス ナ ー 工 場 で 、 組 立 て 、 加 工 さ れ、
最終的にファスナーの商品として出荷されていきます。
ど こ が 実 際 の 侵 害 行 為 を 行 っ て い る か と い う こ と に な り ま す が 、 ス ラ イ ダ ー に は 商標
の YKK が入っていますが、こちらのチェーンには YKK は入っておりませんので、実際の
侵 害 行 為 は 行 っ て い な い 、 と な り ま す 。 た だ 、 こ の ス ラ イ ダ ー 工 場 の 情 報 が な か な かつ
か む こ と が で き ず 、 フ ァ ス ナ ー 工 場 か ら ス ラ イ ダ ー 工 場 に 遡 っ て 情 報 を 入 手 す る よ うに
調 査 会 社 に も 依 頼 し て お り 、 ス ラ イ ダ ー 工 場 を 見 つ け た ら す ぐ に 摘 発 す る と 話 を し てお
り ま す 。 最 終 的 に 、 ス ラ イ ダ ー 工 場 、 フ ァ ス ナ ー 工 場 に 対 し て 、 行 政 機 関 に 摘 発 を 依頼
し て い ま す 。 た だ 、 当 然 商 標 権 侵 害 の メ イ ン は 、 ス ラ イ ダ ー 工 場 が 行 っ て い る こ と であ
り、このスライダー工場をメインターゲットとして摘発活動を進めています。
こちらは商標権侵害を実際に行ったスライダー工場の摘発です。 2008 年は残念ながら
ス ラ イ ダ ー 工 場 の 摘 発 は で き ま せ ん で し た 。 先 ほ ど も お 話 を し た と お り 、 調 査 会 社 に対
して、できるだけスライダー工場を発見して欲しいと依頼をし、2009 年は 4 カ所のスラ
イ ダ ー 工 場 を 発 見 し 、 金 型 も 押 収 し て い ま す 。 こ の 金 型 を 押 収 す る と 、 す ぐ に 次 の スラ
イ ダ ー を つ く る こ と は で き ま せ ん の で 、 こ の ス ラ イ ダ ー 工 場 、 金 型 の 発 見 と い う こ とを
重要視しています。
続 き ま し て 、 今 年 、 新 た に 行 っ た 対 策 に つ い て で す 。 こ ち ら は す で に 実 行 さ れ て いる
会 社 さ ん も た く さ ん あ る と 思 い ま す が 、 い ま ま で は 工 場 に 対 し て 、 こ つ こ つ と 点 で の対
策 、 摘 発 活 動 を 行 っ て い た の で す が 、 モ グ ラ 叩 き 状 態 と な っ て い た た め 、 あ る 地 域 の工
場 に 対 し て 一 気 に 摘 発 す る 面 で の 対 応 。 面 で の 対 応 に な る の で 、 ほ か の 模 倣 品 製 造 工場
へ の 抑 止 効 果 が 図 れ る の で は な い か と い う こ と で 、 今 年 初 め て 実 行 い た し ま し た 。 この
対策を実行することで、YKK の模倣品に対する取り組みを模倣品業者に対しても認識させ
ることができますし、地域のお客様にも YKK がどのような対策を行っているかを認識さ
せ る こ と が で き る と 考 え て お り ま す 。 流 れ と し て は 、 調 査 を 行 い 、 行 政 機 関 の 訪 問 、社
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内での通達、実際の摘発、となっております。
摘発工場への通知書の手交ですが 、行った地域に YKK の営業事務所がありましたので、
営業事務所への報復の可能性も考慮し、日本の YKK 株式会社が摘発行為を行っていると
い う 内 容 の レ タ ー を 摘 発 当 日 に 工 場 に 対 し て 渡 し ま し た 。 そ の 後 、 社 内 報 告 を し て 、ま
だ 行 っ て は お り ま せ ん が 、 広 報 活 動 や 感 謝 の 表 敬 訪 問 、 押 収 品 の 廃 棄 セ レ モ ニ ー 、 実際
に摘発を行った工場の数カ月後の状況の確認を行いたいと考えています。
2009 年 8 月 26 日に、広東省内のある市の TSB に実行していただいたのですが、40 名
の職員を出動していただきました。同日に 11 工場に対して摘発を実施していた だき、8
工場で模倣品が押収されました。押収量はあまり多くありませんが、同日に 11 工場に対
して摘発を行ったということで、インパクトはあったのではないかと考えています。
摘 発 の ポイ ン ト と し て は 、 行 政機 関 と の 良 好 な 関 係 が必 要 で は な い か と 考 えて い ま す 。
ま た 社 員 の 安 全 に 注 意 し て 行 わ れ な け れ ば な り ま せ ん 。 あ と 、 同 日 に 摘 発 し ま す の で、
在 庫 量 に 関 係 な く 摘 発 す る 形 に な り 、 ど う し て も 押 収 量 は 尐 な く な っ て し ま う と 感 じて
おります。
時 期 を 意 識 し た 模 倣 品 対 策 で す 。 フ ァ ス ナ ー の 生 産 は 青 の グ ラ フ の よ う な 形 で 上 がっ
て い き ま す 。 冬 物 の 服 に フ ァ ス ナ ー が 多 く 使 わ れ る こ と も あ り 、 夏 前 ぐ ら い か ら そ の服
が 縫 製 さ れ る こ と も あ り 、 春 か ら 夏 に か け て が ピ ー ク と な っ て い ま す 。 真 正 品 が そ のよ
う な 状 況 で す の で 、 模 倣 品 も 同 じ よ う な 形 で 生 産 さ れ ま す の で 、 生 産 の ピ ー ク の 前 に対
策 を す る こ と に よ り 、 模 倣 品 の 製 造 量 を 減 ら し ま す 。 そ れ に よ り 、 模 倣 品 か ら 真 正 品化
へ つ な げ られ れ ば い い か と い う こと で 、 い ろ い ろ な 対 策を 打 っ て い こ う と 考 えて い ま す 。
次に税関における水際対策です。YKK グループでは、中国以外、韓国、日本、アメリカ、
香 港 で 税 関対 策 を 行 っ て い ま す 。こ ち ら は 日 本 で の 税 関差 止 め の 実 績 に な っ てい ま す が 、
2009 年の 4 月から 12 月現在で 127 件が差止めをされています。ただし押収件数は尐なく
なっています。続いてアメリカ税関の差止実績ですが、月別になっています。 2009 年は
全体で 164 件について税関から通知があり、その 35%が偽物となっています。こちらは
中 国 で の 税 関 へ の 登 録 指 定 商 標 な の で す が 、 「 YKK」 商 標を 2 件 登 録 し て お り ま し て 、
2007 年 3 月から差止めを開始しています。
輸出差止実績です。2007 年 3 月から始め、いままでで 14 件の連絡がきています。その
うちの 6 件が偽物として差止め を依頼しています。東南アジア、アフリカも出てきてい
まして、2009 年 11 月に連絡のあった案件は、アルジェリアへ輸出する案件です。
税関への陳情活動です。税関での対策は、YKK としては情報提供をしての差止めはあり
ませんので、YKK を税関の方に知っていただく活動が重要と考えています。ですので、水
際 WG でのセミナーや意見交換会に参加して、税関の担当者、特に現場の実際の担当者に
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YKK を知っていただく活動も重要と考えていますし、個別に表敬訪問をして、実際に各税
関の本部の知識産権部門に YKK の取り組みを説明することに より、認知度を高める活動
を重点的に行っています。セミナー、意見交換会、表敬訪問を行うことにより YKK ブラ
ン ド の 認 知 度 が ア ッ プ し て 、 そ れ が 最 終 的 に 税 関 で の 差 止 め に つ な が る よ う に 活 動 して
います。
税関における水際対策のまとめとして、鑑定体制の構築が必要です。通知後、3 日以内
に 連 絡 を し な い と い け な い と い う こ と も あ る の で 、 社 内 の 鑑 定 体 制 を き っ ち り と 構 築し
て い く こ と が 必 要 で す 。 続 い て 、 実 際 に 税 関 の 現 場 に で き る だ け 足 を 運 ぶ こ と に よ り、
同 じ 場 所 に あ る 税 関 で も 対 応 が 違 う こ と も あ り ま す し 、 通 知 書 に 書 か れ て い な い 情 報を
入 手 す る こ と も で き ま す の で 、 実 際 に 税 関 の 現 場 に 足 を 運 ぼ う と し て い ま す 。 あ と は税
関との関係構築を図って、ブランドの認知度アップを図ることが重要と考えています。
最 後 に 、 ま と め と し て 、 模 倣 品 ビ ジ ネ ス が 儲 か ら な い よ う に す る た め に 、 元 を 断 つと
いうことで、真の侵害者に対応する。これは YKK では、スライダー工場への調査・摘発
に な り ま す 。 こ れ を き っ ち り と や っ て い く 。 次 に 行 政 機 関 と の 関 係 を 構 築 し 、 ブ ラ ンド
の 認 知 度 を ア ッ プ さ せ ま す 。 そ れ は 、 表 敬 訪 問 を 行 っ た り 、 意 見 交 換 会 へ 参 加 す る こと
に よ り 、 実 行 し て い き ま す 。 資 源 の 集 中 と い う こ と で 、 効 果 の 高 い 方 策 に 資 源 を 集 中し
ま す 。 お 金 も 有 限 で す の で 、 効 果 の 高 い 部 分 に お 金 を 掛 け て い く こ と が 必 要 だ と 考 えて
います。新たな方策の実行として、商標権侵害以外の対応になります。従来、YKK も商標
権 侵 害 が メ イ ン で あ り ま し た が 、 今 後 は 特 許 権 侵 害 、 民 事 訴 訟 等 を 行 っ て い き た い と考
えています。いまのところ、特許権侵害訴訟自体は 1 件、民事訴訟は損害賠償ですが 1
件 を 実 施 し て い ま す が 、 今 後 は 増 え て い く と 考 え て お り 、 皆 様 と も い ろ い ろ と 情 報 交換
できればと思っています。
課 題 と し て は 、 再 犯 業 者 が 相 変 わ ら ず 多 い こ と と 、 巧 妙 化 、 確 信 犯 が 増 え て い る こと
で す 。 技 術 レ ベ ル が ど ん ど ん 向 上 し て い る こ と も あ り ま す の で 、 そ れ に 対 し て 対 策 を打
っていかなくてはいけないと考えています。
最 後 に なり ま す が 、 模 倣 品 対 策自 体 は 、 当 然 知 財 だ けで は で き な い 部 分 も あり ま す し 、
現 地 会 社 、 事 業 部 が そ れ ぞ れ 連 携 し な が ら 進 め て い か な く て は い け な い こ と も あ り ます
の で 、 グ ル ー プ 全 体 で 連 携 し な が ら 、 模 倣 品 対 策 を 進 め て い か な け れ ば い け な い と 考え
ています。以上、YKK のファスナーという特殊な商品で、どこまで皆様の参考になったか
わ か り ま せ ん が 、 こ ち ら で 私 の 発 表 は 終 わ ら せ て い た だ き ま す 。 ご 清 聴 あ り が と う ござ
いました。
(パワーポイント終了)
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<質疑応答>
○司会
石川様、ありがとうございました。若干時間がありますので、2 時 35 分ぐらい
ま で 質 疑 応 答 の 時 間 と さ せ て い た だ き ま す 。 質 問 等 の ご ざ い ま す 方 は 、 挙 手 の 上 、 会社
名、氏名をおっしゃっていただいてから、ご質問いただければと思います。
○久永(デンソー) デンソーの久永でございます。2 つ質問がございます。1 つ目は、模倣品の
ジッパーの品質に関するものです。2 つ目ですが、模倣品対策については、消費者に対する啓蒙
も有用かと思うのですが、御社の場合には、消費者がファスナーを使うというよりは、むしろプロの衣
類 メーカーがファスナーを使うと思 うのですが、衣 類 メーカーに対 して、模 倣 品がある、注 意をしな
ければいけないという啓蒙活動はされているのでしょうか。
○石川
ま ず 品 質 の 部 分 に つ い て は 、 品 質 は 尐 し ず つ が 向 上 は し て い ま す 。 お 客 様 の縫
製 メ ー カ ーに 対 す る 啓 蒙 活 動 も 当然 し て い る の で す が 、な か な か 難 し い 部 分 があ り ま す 。
い ま ま で 偽物 を 使 っ て い た 業 者 に対 し て 、 真 正 品 を 買 って く だ さ い と い う 活 動を す る と 、
いろいろな面で問題が出てきます。YKK を買っていただければ、同じ品質で同じ商品を届
けることができるので、是非 YKK を買ってくださいという形でお客様には啓蒙活動をし
ているのですが、模倣品からの真正品に置き換える場合には、YKK を拒否するというパタ
ーンも出てきますので、難しい対策ではあります。
○司会
ほかにご質問等はございますか。
○ 長 尾 (賽 詩 麗 商 貿 )
セ シ ー ル の 長 尾 と 申 し ま す 。 当 社 は YK K さ ん の フ ァ ス ナ
ーを使わせて頂いております。何年かに一度模倣品の商品が中国より入荷されま
す。取引先の縫製工場に対しては注意、調査は致しております。商品になる前の
事前の対策として、摘発情報をお願い致します(どの地区、どの辺り、どの商品
等)。我々のような末端の小売りにもその様な情報をお願い致します。川下から
の対応も出来ると思います。当方の情報収集不足かも解りませんが、あまりその
ような情報は聞いたことが無い様に思われます。そのような(川下の企業に対す
る情報提供)活動はされておりますか。
○石川
○長尾
はい。
20 08 年 に 法 人 会 社 と な り 会 員 と な り ま し た 。 今 後 は 、 こ う い っ た 情 報
を出来るだけお願い致します。弊社もこういった会合等には出席いたしますが、
タイムリーに直接情報をお願い致します。
○石川
い ろ い ろ と 情 報 交 換 を さ せ て い た だ け れ ば と 思 い ま す の で 、 よ ろ し く お 願 いし
ます。
○司会
ほかにございますか。
○竹市(トヨタ自動車)
ト ヨ タ 自 動 車 の タ ケ イ チ で ご ざ い ま す 。 細 か な こ と で す が、
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商標で摘発されているということですが、その商標は YKK とと思います。アルファベッ
ト 3 文字ということになりますが、権利の保護が難しいと思っているのですが、似たよ
うな KYK だとか、そのような事例はあるのでしょうか。それに対して何か対策を打って
いますか。
○石川
いままでやっていて、VKK というのはありました。私らの認識不足もあったので
すが、VKK 自体は商標権は持っていて、摘発はしたのですが、見つけたら VKK だったので、
行政機関は摘発を諦めたということは 1 回ありました。あとは YRK とかいろいろあるの
ですが、それは YKK に混じってある場合があるので、一緒に行政機関が押収したことは
ありますが、直接 YKK 以外の商標に対して摘発をお願いしたことはありません。
○竹市
ということは、ほとんどが YKK と使うという理解でよろしいですか。
○石川
そうです。
○司会
ほかにございますか。
○内山(ソニーチャイナ)
ソ ニ ー チ ャ イ ナ の 内 山 で す 。 実 際 の 税 関 の 現 場 に 足 を 運ん
で み る と 、 税 関 ご と に 対 応 の 認 識 が 違 っ た り 、 通 常 の 内 容 と 違 う 情 報 が 入 手 で き た とい
う こ と で す が 、 具 体 的 に ど の よ う な こ と が あ っ て 、 ど の よ う な 対 応 の 仕 方 が 会 社 と して
変 わ っ た と か 、 地 方 に よ っ て も 色 が 違 う と か 、 こ の 地 方 は こ う い う 対 応 に す る と か 、そ
の よ う な こ と が あ っ た の で は な い か と 想 像 し ま す が 、 具 体 的 に お 教 え い た だ け れ ば と思
います。
○石川
弊 社 の 差 止 事 例 が ま だ ま だ 尐 な い と い う こ と も あ り ま し て 、 メ イ ン は 上 海 税関
になってしまうのですが、上海の外高橋税関で、1 科、2 科、3 科、4 科あるのですが、
それぞれで差止めを行っていますが、それぞれで対応が違います。
あ る と こ ろ は サ ン プ ル を 持 っ て 来 て い て 、 税 関 へ 行 っ た ら そ の 場 で 手 渡 し で も ら えま
す 。 他 に は 実 際 に コ ン テ ナ が 置 い て あ る 所 ま で 行 っ て 、 そ の 場 で コ ン テ ナ を 開 け て もら
ってサンプルを確認するということもあり、対応が全然違います。
サ ン プ ル の 確 認 ま で の 手 続 き が 異 な っ て い ま す 。 申 請 書 を 出 し て 、 サ ン プ ル を 見 せて
も ら う こ と も 必 要 だ っ た り す る の で 、 実 際 に 行 っ て み な い と 、 ど の よ う な や り 方 を して
いるかがわからない部分もあるかと思います。
あ と 、 実 際 に 税 関 の 現 場 に 行 き 税 関 の 人 と 直 接 話 を す る こ と で 、 通 関 の 書 類 を 確 認さ
せ て も ら え る こ と も あ り ま す 。 そ の 書 類 か ら い ろ い ろ な 情 報 が 得 ら れ ま す 。 そ の よ うに
実際に現場に行くと、いろいろと面白い情報が取れる可能性があるかと思っています。
○司会
時間の関係で次が最後に受ける質問となりますが、いかがでしょうか。
○竹市
印 象 的 だ っ た の が 、 ピ ー ク 前 に 対 策 実 施 と い う こ と で 、 製 造 の ス ケ ジ ュ ー ルに
合 わ せ て 摘 発 の 計 画 を さ れ て い る と 思 い ま す 。 こ れ は 時 期 は ず れ る と し て も 、 毎 年 この
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ような形で計画的に摘発をやるということですか。
○石川
実 際 に 厳 正 声 明 に 関 し て は 、 弊 社 と し て あ ま り や れ て い な い 部 分 で あ る の で、
今年はきちんとやりたいと思っています。まず YKK の取り組みを見せることによって、
模 倣 品 業 者 に 難 し い と 思 わ せ ま す 。 そ れ に い ろ い ろ な 摘 発 活 動 や 調 査 を 行 い 、 そ の 組合
せで模倣品の生産を減らせれば良いかと考えています。
○司会
それではピックアップ講座前半の YKK の石川様の講演はこれで終わります。ど
うもありがとうございました。
続 い て 経済 産 業 省 模 倣 品 対 策 ・通 商 室 の 墳 崎 様 よ り 、日 中 政 府 間 の 取 り 組 みに つ い て 、
ご紹介いただきます。よろしくお願いします。
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<講演②>
知財保護分野における日中政府間の取り組み
経済産業省製造産業局模倣品対策・通商室模倣品対策専門官・弁護士
墳崎隆之
初 め ま し て 、 経 済 産 業 省 模 倣 品 対 策 室 の 墳 崎 と 申 し ま す 。 こ の よ う な 場 で お 話 を させ
ていただく機会をいただいて、大変恐縮です。15 分という短い間ですが、皆様に飽きら
れ な い よ う に 頑 張 っ て 話 を し て い き た い と 思 い ま す の で 、 お 付 合 い い た だ け れ ば と 思い
ます。YKK の石川様のような素晴らしいパワーポイントは全く用意していないので、お手
元 の 「 経 済 産 業 省 」 と い う ロ ゴ の 入 っ た 資 料 を ご 覧 に な り な が ら 、 話 を 聞 い て い た だけ
ればと思います。よろしくお願いいたします。
まず、日中間の取り組みとして最近特筆すべきところなのですが、昨年の 6 月と 8 月
に、日中の政府間、経済産業省と商務部で 6 月、経済産業省と公商総局との間で 8 月に、
覚書を締結しました。6 月の覚書の内容は、経済産業省と商務部で、毎年 1 回日中知財ワ
ー キ ン グ と い う こ と で 、 日 本 政 府 、 中 国 政 府 の 各 知 財 に か か わ る 政 府 機 関 が 幅 広 く 集ま
っ て 、 幅 広 い 範 囲 の 議 題 に つ い て 話 を し ま し ょ う と い う こ と で 、 そ う い っ た 内 容 の 覚書
を締結しました。それに基づいて、11 月 19 日、20 日に、「日中知的財産権ワーキング
・グループ」の第 1 回を、東京で開催することができました。お手元の資料は、その報
告書となります。この開催に当たっては、上海 IPG の皆様をはじめとする、権利者の皆
さ ん に 非 常 に 協 力 い た だ い て 開 催 す る こ と が で き ま し た の で 、 こ こ で 改 め て お 礼 を 申し
上 げ た い と 思 い ま す 。 あ り が と う ご ざ い ま し た 。 今 日 は 、 こ の 日 中 知 的 財 産 権 ワ ー キン
グ・グループの内容についてご報告したいと思うのですが、資料の 1 枚目の当省のロゴ
の 入 っ て い る も の が 、 中 国 側 と 合 意 し た 上 で の プ レ ス リ リ ー ス に な り ま す 。 公 式 な 発表
は こ れ し か 出 て お り ま せ ん 。 た だ 、 こ れ で は 何 を や っ た の か が 全 く わ か ら な い の で 、今
日 は も う 尐 し 詳 細 な 内 容 に つ い て ご 報 告 さ せ て い た だ け れ ば と 思 い ま す 。 次 の 頁 か らが
実際の内容になります。
2 日間にわたってやったのですが、1 日目はインターネットについてお話をさせていた
だきました。2 日目は、模倣品を予防する環境の整備ということで議題を設けたのですが、
主 に 再 犯 対 策 の 部 分 で 話 を さ せ て い た だ き ま し た 。 中 国 側 も 、 今 回 商 務 部 が 主 幹 と なっ
て き た の で す が 、 版 権 局 、 工 商 局 、 税 関 、 質 検 局 、 検 察 院 を 連 れ て き て い た だ い て 、そ
れ な り に 有 益 な 議 論 が で き た と 思 っ て お り ま す 。 我 々 と し て も 時 間 を 無 駄 に し な い よう
にするために、2 カ月近く前から、日本側はこのような話をしますという詳細な文書を提
示 し 、 と り あ え ず 検 討 を し て 回 答 だ け は 持 っ て 来 い と い う よ う な 話 で 、 議 題 を 進 め させ
て い た だ き ま し た 。 そ の 関 係 で 、 中 国 側 の 回 答 も 長 く は な っ た の で す が 、 単 に 「 持 って
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帰って検討します」というような回答はあまりなく、1 往復の議論はすることができまし
た。
具 体 的 な 内 容 に 入 っ て い き ま す 。 ま ず 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 関 係 で は 、 ど の よ う な こ とを
日 本 側 が 提 案 し た か と い う と 、 皆 様 が ご 存 じ の よ う に 、 中 国 側 の 商 取 引 の プ ラ ッ ト ホー
ム に 模 倣 品 が 溢 れ て い ま す よ と 。 今 年 度 当 室 の 調 査 で 、 タ オ バ オ や ア リ バ バ ・ ド ッ ト・
コム、アリババ・チャイナの 3 サイトについて、模倣品の汚染率の調査をしています。
こ れ に つ い て 、 中 間 報 告 で は あ っ た の で す が 、 一 部 の 商 品 に つ い て 、 タ オ バ オ だ っ たら
90% が 模 倣 品 で し た と 。 こ れ は 中 国 側 に は 言 わ な か っ た の で す が 、90% 模 倣 品 と い う の
は、写真や書いてある情報から明らかに模倣品とわかるのが 100 個のうちの 90%で、残
りの 10%は真正品ではなくて、買ってみないとわからないというものです。要するに、
10% は 本 物 だ っ た と い う わ け で は な い の で す 。 そ う い っ た 情 報 を も と に 、 こ の よ う な状
況なのだから、あなたたち、もっと何とかしましょうよと。
実際中国の法律では著作権侵害については、権利者の通知に基づいて ISP は削除しな
け れ ば い け な い の だ と い う 規 定 は 存 在 す る の で す が 、 商 標 権 侵 害 に つ い て は 存 在 し てい
な い の で す 。 何 で こ ん な に 権 利 ご と の 差 が あ る の だ 、 そ ん な 差 を 設 け る 合 理 的 な 理 由は
な い で は な い か と 。 商 標 権 侵 害 に つ い て も 、 ち ゃ ん と 権 利 者 が 削 除 通 知 を し た ら シ ャッ
ト ダ ウ ン す る よ う な 規 定 を 設 け て く だ さ い と い う こ と を 、 ま ず 第 一 に 要 請 し ま し た 。こ
れ に つ い て は 、 イ ン タ ー ネ ッ ト の 関 係 の 問 題 と い う の は 、 中 国 政 府 と し て も 問 題 視 はし
て い ま す 、 認 識 は し て い る の で す と い う こ と で す 。 そ の あ と か な り 長 々 と お 話 が あ りま
し て 、 向 こ う の 意 見 と し て は 、 権 利 者 か ら 通 知 を 受 け て 、 そ れ を 放 置 し た 場 合 に は 、そ
の ISP は共同の民事責任を負うのだと。だから、それで事実上その通知をしたときに削
除 し な け れ ば な ら な い 義 務 は 生 じ て い ま す し 、 そ れ で 十 分 だ と い う こ と を 言 っ て き まし
た。
これについては、実際にこの日中知財ワーキングのあとに、昨年 12 月末に権利侵害責
任法というのが公布されて 、今年の 7 月から施行されますが、その中で規定されるよう
になりました。権利者からの通知を受けて、それを削除しなかった ISP については、放
置 し た こ と に よ る 拡 大 損 害 に つ い て は 、 情 報 発 信 者 と 連 帯 責 任 を 負 う と い う 規 定 が 明記
されるに至りました。
さ ら に 、 著 作 権 侵 害 に つ い て は 、 削 除 し な か っ た 場 合 の 行 政 処 罰 規 定 ま で 置 い て ある
の で す 。 こ れ に つ い て も 、 日 本 側 か ら 、 著 作 権 と 一 緒 に や ろ う よ と 。 実 は 中 国 の 著 作権
法 は 日 本 法 よ り も 厳 し い 規 定 な の で 、 あ ま り 強 く 言 え な い の で す が 、 そ れ で も 、 で きれ
ば 商 標 権 に つ い て そ う い う も の を 設 け て く だ さ い と い う 話 を し た ら 、 中 国 政 府 と し ても
問 題 点 は 認 識 し て い る か ら 、 こ の 点 に つ い て は 楽 観 視 し て い て く だ さ い と 。 工 商 局 とし
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て も 、 何 ら か の 暫 定 弁 法 を 設 け る た め に 立 案 中 な の で 、 待 っ て い て く だ さ い と い う 回答
が な さ れ ま し た 。 当 室 と し て は 、 そ の 暫 定 弁 法 に つ い て ウ オ ッ チ ン グ を 続 け て 、 意 見出
しの機会があれば、意見を出していきたいと考えています。
次 に 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 関 係 に つ い て は 、 日 本 の プ ロ バ イ ダ 責 任 制 限 法 で す と 、 権 利侵
害をした発信者の情報について、権利者から ISP に対して発信者情報開示請求権を持っ
て い る と い う 規 定 が 存 在 す る の で す が 、 こ れ に つ い て も 、 中 国 に お い て も 作 っ て く ださ
い と 。 要 する に 、 イ ン タ ー ネ ッ トと い う の は 匿 名 と か 嘘の 情 報 で や っ て い る 人が 多 く て 、
民 事 訴 訟 と か 摘 発 等 が し に く く て し よ う が な い と 。 そ れ な の で 、 そ う い っ た 発 信 者 情報
開 示 請 求 権 を 作 っ て く だ さ い と い う 話 を し た の で す が 、 こ れ に つ い て は 、 頑 に 拒 否 され
ま し た 。 と い う の は 、 そ う い っ た 捜 査 権 限 に 近 い も の は 一 権 利 者 に 与 え た く な い と いう
意 向 が 、 相 当 強 か っ た で す 。 そ う い っ た 捜 査 的 な 意 味 合 い の あ る も の に つ い て は 、 行政
と 司 法 し か 持 つ べ き で は な い の だ 、 そ ん な こ と は 与 え ら れ な い と い う こ と で 完 全 に 拒否
さ れ ま し た 。 こ ち ら と し て も 、 や は り 民 事 訴 訟 で き な い と 権 利 者 は 困 っ て し ま う と いう
こ と を 繰 り 返 し 言 っ た の で す が 、 そ ん な こ と を 言 わ れ て も 駄 目 な も の は 駄 目 だ と い う形
で、完全に拒否されてしまいました。
も っ と も 、 こ れ は 工 商 総 局 が 言 っ て い た こ と で す が 、 商 標 権 侵 害 に 関 し て は 、 先 ほど
言 っ た 暫 定便 法 の 中 に 、 取 引 プ ラッ ト ホ ー ム の 運 営 者 は、 売 主 の 情 報 を 正 確 に把 握 し て 、
そ れ を サ イ ト を 見 て い る 人 宛 て に 提 供 す る 義 務 を 負 う の だ 、 そ れ が 正 確 な 情 報 で は なか
っ た 場 合 、 損 害 に つ い て 連 帯 責 任 を 負 う と い う 規 定 を 考 え て い ま す と い う こ と で し た。
これについても、暫定弁法を注視していこうと思います。
あ と 、 こ の 報 告 書 に は 書 い て い な い の で す が 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 関 係 に つ い て は 、 当室
と し て は 政 府 の で き る こ と は 限 ら れ て い る と 考 え て い て 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 対 策 に つ いて
は、ISP と権利者の協力が必要になってくる部分も多いのです。実際に日本の yahoo とか
楽天については、日本においては CIPP というインターネット知的財産権侵害品流通防止
協 議 会 と い う も の が 存 在 し て い て 、 そ の 中 で 一 緒 に 汚 染 率 調 査 と か 、 ガ イ ド ラ イ ン など
を 作 っ て 模 倣 品 を 減 ら し て い る 状 況 に あ る の で す が 、 中 国 に お い て も そ の よ う な こ とを
やりませんか、ということを日本政府だけから言ってもしようがないので、yahoo を呼ん
で、ISP としてもそれは意味があることなのだということを言っていただきましたが、中
国側の回答は、これについては持ち帰りで検討させてくださいということでした。
12 月の頭にミッションがあった際に、当室室長と私と商務部のほうに行って、あれはど
う で す か と い う 話 を し た ら 、 開 催 要 領 を も ら え れ ば 検 討 し ま す し 、 開 催 自 体 に 反 対 する
ものではないですということなので、調整には時間がかかると思いまして、今年の 6 月
くらいを目処にして開催したいということを商務部に申し入れています。
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実 際 に ど の よ う な こ と を す る の か と い う と 、 日 本 で の 開 催 に な っ て し ま う の で す が、
日 本 に 中 国 の タ オ バ オ と か ア リ バ バ と か を 呼 ん で 、 そ の 場 で 知 的 財 産 権 の 取 り 組 み につ
いて話をさせて、さらにこちらから yahoo とか日本の ISP の取り組みもタオバオとかア
リババに打ち込んで、そこで、かつ yahoo から権利者との協力の重要性を語ってもらっ
て、それで今後は日本の権利者と中国の ISP と一緒に、減らす方向で考えていきましょ
うという話し合いができればなと思っているところです。
次が再犯対策です。2 日目に日本側から提案させていただきました。何を提案したかと
いうと、この知財ワーキングの直前に、IIPPF で罰金額などについてアンケートを取って
い た の で 、 そ れ を 利 用 さ せ て い た だ い て 、 再 犯 に 対 し て さ え も 罰 金 が 科 せ ら れ て い ない
と か 、 そ うい っ た 事 案 が あ る と いう こ と を 言 っ て 、 そ んな の 全 く 再 犯 抑 止 に なら な い し 、
も う ち ょ っ と 制 裁 を 加 え て く れ な い と 困 る と い う こ と で 、 罰 金 の 下 限 を 定 め て く れ と。
ま た 、 摘 発 後 に 行 政 処 罰 を 逃 れ て 逃 亡 す る 侵 害 者 が 多 い の で 、 そ の よ う な 逃 亡 者 に 対し
て も 公 示 送 達 の 方 法 で 処 罰 を 下 し 、 次 に 権 利 侵 害 を し た 場 合 に は 再 犯 と し て 扱 う よ うに
して欲しいと要請しました。
罰金の下限の設定については、「そもそも上限が低いのだから下限を設定しても仕方
が な い 。 上 限 を 上 げ て は ど う か 。 」 と い う 回 答 が さ れ ま し た 。 ま た 公 示 送 達 に つ い ては
中 国 側 が 制 度 を 知 ら な い の か 議 論 が か み あ い ま せ ん で し た が 、 ワ ー キ ン グ あ と の バ イで
話 を し た と き に 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 上 で 実 際 に 公 示 送 達 さ れ て い る 例 が あ る の で 、 そ のイ
ン タ ー ネ ッ ト の ペ ー ジ を プ リ ン ト ア ウ ト し た も の を 中 国 の 政 府 機 関 の 人 に 渡 し た ら 、こ
れ は 新 し い 提 案 で 、 ち ょ っ と 考 え さ せ て ほ し い と 。 こ う い っ た や り 方 も あ る の で す ねと
い う こ と で 、 あ り 得 る 方 法 で す と い う こ と で 、 考 え さ せ て ほ し い と い う こ と で 、 こ れも
持って帰られてしまいました。
あ と 没 収 品 の 廃 棄 を 徹 底 し て く だ さ い と い う 話 を し た の で す が 、 こ れ は 時 間 が 足 りな
くて、工商局は、商品別に廃棄するかどうかは決めているのですという回答が、第 1 回
答 と し て な さ れ た だ け で 、 そ れ 以 上 の 議 論 は で き ま せ ん で し た 。 こ れ に つ い て は 、 報告
書の 4 頁を読んでいただければと思います。
もう 1 点、中国はまだ地方保護主義が残っているという点を議題としました。いくら
制 度 が 整 っ て も 、 実 際 の 地 方 の 取 締 当 局 が ち ゃ ん と や っ て く れ な か っ た ら 、 絵 に 描 いた
餅 に な っ て し ま い ま す よ と い う こ と で 、 皆 様 か ら ご 提 供 い た だ い た 事 例 を 、 不 適 切 な事
例だということで、20 何件かを中国政府にリスト化して渡しました。改善してください
と 言 っ た と こ ろ 、 こ の と き 団 長 だ っ た 版 権 局 の 許 さ ん と い う の で す が 、 団 長 は シ ョ ック
を 受 け ま し た と 。 こ ん な に 地 方 当 局 が 不 合 理 な こ と を し て い る の で す ね と い う こ と を言
っ て 、 唖 然 と し て い た の で す が 、 唖 然 と し た い の は こ ち ら だ と い う 感 じ で し た 。 検 察院
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に至っては、こんな場で出すのは不適切だと怒り出すという状況でした。
た だ 、 こ れ に つ い て 、 個 別 事 例 を ど う や っ て 出 し て い く か は 、 議 論 が 紛 糾 し て し まっ
た と こ ろ が あ っ た の で 、 今 後 は 考 え て い か な け れ ば い け な い の で す が 、 こ の 場 で 出 すこ
と に よ っ て 、 あ る 事 例 に つ い て は 、 検 察 院 の ほ う は 公 安 の 不 適 切 な 事 例 だ っ た の で 、そ
の 公 安 を 監 督 す る の は う ち の 責 務 な の だ と い う こ と で 話 を 持 っ て 来 て ほ し い と 、 後 ほど
権 利 者 の ほ う に お 声 掛 け い た だ い た と い う 件 も あ り ま す 。 ま た 、 工 商 局 の 関 係 で も 、本
当 に こ の 場 で 出 し た か ら 好 転 し た の か は わ か ら な い の で す が 、 こ の 場 で 出 し た 事 例 につ
い て 、 権 利 者 様 か ら 「 工 商 局 が ち ゃ ん と 対 応 く れ ま し た 」 と い う ご 報 告 を 受 け た こ とも
あ り ま す 。 こ う い っ た 公 の 場 で リ ス ト な り 何 な り を 出 す と い う こ と は そ れ な り に 意 味が
あ っ て 、 非 常 に よ か っ た な と 思 っ て い る と こ ろ で 、 今 後 も 何 か し ら の 形 で 出 し て い きた
いと思っています。
以上になります。これはそれなりに議論できたところでして、次回は今年の 10 月か 11
月 に 北 京 で 開 催 し よ う と い う こ と で 、 す で に 商 務 部 と 話 も し て い ま す の で 、 こ れ に つい
て は ま た 皆 様 に ご 協 力 い た だ け れ ば と 思 い ま す 。 実 際 の 議 題 な ど を 決 め る と き に 、 うち
と し て も 政 府 機 関 の 自 己 満 足 で や っ て は い け な い の で 、 皆 様 か ら 、 ど う い っ た こ と を取
り 上 げ て ほ し い と か 、 ど う い っ た 話 を し て ほ し い 、 こ う い っ た こ と が 問 題 な の だ と いう
こ と を 、 是 非 率 直 に ご 意 見 を 聞 か せ て い た だ け れ ば と 思 っ て お り ま す 。 日 中 知 財 ワ ーキ
ングの報告は以上です。
あと 8 月に公商総局と覚書を結んだということで、これも同様に、1 年に 1 回は事務方
で ワ ー キ ン グ 、 話 し 合 い の 場 を 持 ち ま し ょ う と い う こ と に な っ て お り ま す 。 そ れ に つい
て は 、 で き れ ば 今 年 度 中 に や り た い と い う こ と で 話 を 進 め て お り ま す が 、 こ れ に つ いて
も 近 々 開 催 で き れ ば と い う こ と で 、 現 在 工 商 総 局 と 話 を 進 め て い る と こ ろ な の で 、 開催
が 決 ま り ま し た ら ご 協 力 い た だ き 、 開 催 し た 暁 に は 、 ま た こ の よ う な 場 で 報 告 さ せ てい
ただければと思います。ご清聴ありがとうございました。
○司会
あ り が と う ご ざ い ま し た 。 時 間 の 都 合 で 質 疑 は 割 愛 さ せ て い た だ き ま す 。 ご質
問等があれば、また個別に墳崎様のほうにお問い合わせいただければと思います。
ピックアップ講座はこれで終わりにします。全体会合は予定では 3 時になっています
が、あと数分ですので、3 時 5 分から全体会合を開催します。それまでは休憩時間とさせ
ていただきます。よろしくお願いします。
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【上海 IPG 全体会合】
<第 1 部
○司会
各種承認・連絡事項>
そ れ で は 時 間 に な り ま し た の で 全 体 会 合 を 始 め た い と 思 い ま す 。 お 手 元 の 議事
次 第 に し た が い 進 め ま す 。 ま ず 初 め に 、 今 回 も 新 規 の メ ン バ ー 様 が い ら っ し ゃ い ま すの
で ご 紹 介 い た し ま す 。 各 新 規 メ ン バ ー の 方 は 恐 れ 入 り ま す が 、 前 で 一 言 ず つ ご 挨 拶 いた
だ き た い と 思 い ま す 。 ま ず 初 め に 出 光 興 産 の 原 様 、 ご 挨 拶 い た だ け ま す で し ょ う か 。よ
ろしくお願いいたします。
○ 原 ( 出 光 興 産 ) こんにちは。出光興産の原と申します。この度は上海IPGに新規加入
をご承認いただき、どうもありがとうございます。当社は日本国内においてはガソリン
等の油の販売を主な生業としております。中国におきましては副生品(修正箇所)であ
る潤滑油、モノマーを重合させることによって得られるエンプラなどの高機能性樹脂製
品の販売を行い、現地法人も有しております。(修正箇所)これら当社の事業に関して
最 近 で は ござ い ま す が 、 中 国 市 場に お い て 模 倣 品 ら し きも の が 出 回 る よ う に なり ま し た 。
つきましては皆様と情報を取り交わさせていただき、中国での的確な知的財産対策の一
助とさせていただきたいと考えております。
○司会
原 様 あ り が と う ご ざ い ま し た 。 続 い て 栄 研 化 学 の 浅 野 様 お 願 い で き ま す で しょ
うか。よろしくお願いいたします。
○浅野
栄研化学の浅野でございます。私どもは日本においては栄研化学株式会社とい
う名称で東証一部に上場しております臨床検査診断薬の製造販売をしている会社です。
2003年度に上海に100%子会社として栄研生物科技(上海)有限公司を立ち上げました。
実際に昨年までは来料加工のみの活動をしてまいりましたが、今年からいよいよ中国市
場において販売を始めます。いちばん最初の目玉になる商品に遺伝子の増幅試薬、名称
をLAMPというものを考えているのですが、すでに私どもがこれを販売する前に、遺伝子
増幅試薬として私どものLAMPをそっくりそのまま真似た模倣品が、広州を中心に10数社
すでに出てきております。そういうことでどのように対応していけばいいのか弊社にと
って非常に大きな問題で、今年初めてですが、このIPGに参加させていただくことになり
ました。皆様からいろいろなご経験など、そういうお話をお聞きしながら、これに対し
て対策を立てていきたいと考えております。これからいろいろご指導のほどよろしくお
願いいたします。
○司会
浅野様、ありがとうございました。続いて日立工機のカワノベ様、お願
いできますでしょうか。
○カワノベ(日立工機)
こ んにちは 。日 立工機の カワノベ と言 います。 日立工機 は、
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社名からもわかるように日立グループの会社でございます。日立工機が主に取り扱って
いる製品は電動工具で、ドライバー、ドリル、丸のこ といったどちらかと言うと小型の
携帯用工具の生産と販売をしております。当社の場合、全世界で電動工具を生産してお
りますが、中国での生産割合は高く、それを日本も含め欧米で販売をしております。最
近、電動工具の模倣品は非常に大きな問題であり、電動工具の業界では、日本の企業だ
けではなく、欧米の企業様も含めたチームで、中国における模倣品対策をしております
が、他業界様の対策状況等が良くわかりませんので、今回上海 IPGに参加させていただき、
いろいろなことを勉強させていただきたいと考えております。よろしくお願いします。
○司会
カ ワ ノ ベ 様 、 あ り が と う ご ざ い ま し た 。 本 日 は 残 念 な が ら ご 欠 席 で す が 、 この
ほか 1 社、キッコーマン様が新たにメンバーとして加わられておりますので、ご報告さ
せ て い た だ き ま す 。 続 い て ② 、 今 回 残 念 な が ら 幹 事 を お 務 め い た だ い て お り ま し た 旭化
成 の 今 村 様 が 間 も な く ご 帰 任 と い う こ と で 、 幹 事 の 交 代 と さ せ て い た だ き た い と 思 いま
す 。 幹 事 の 承 認 は 全 体 会 合 の 承 認 事 項 と い う こ と で 、 こ の 場 で 皆 様 に ご 承 認 い た だ きた
いと思います。事務局、運営幹事で事前に候補の方をお願いしております。JTECT の布川
様 に な り ま す 。 恐 れ 入 り ま す が ご 起 立 い た だ け ま す で し ょ う か 。 そ れ で は 承 認 に な りま
す が 、 運 営 幹 事 、 今 村 様 に 代 わ り フ カ ワ 様 に お 願 い す る と い う こ と で 、 承 認 い た だ ける
方は拍手をお願いいたします。
(拍手)
○司会
あ り が と う ご ざ い ま す 。 そ れ で は フ カ ワ 様 、 一 言 ご 挨 拶 い た だ け ま す で し ょう
か。
○布川(ジェイテクト)
捷太格特(中国)投資有限公司のフカワと申します。 11 月の
こ の 会 で 新 規 参 加 と い う こ と で ご 挨 拶 さ せ て い た だ い た ば か り で 申 し 訳 な く 思 っ て おり
ます。微力ながら活動させていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。
○司会
そ れ で は フ カ ワ 様 、 フ ラ イ イ ン グ で は ご ざ い ま す が 、 前 に お 席 を 用 意 し て おり
ま す の で ご 着 席 い た だ け ま す で し ょ う か 。 そ し て い き な り で は ご ざ い ま す が 、 次 の 連絡
事項の③ベアリング WG 発足について、早速ですが、簡単にご報告いただけますでしょう
か。
○布川
早速ではございますが、ご紹介させていただきます。ベアリング WG ということ
でベアリングの 5 社が WG を作りました。会社名は NSK さん、NMB さん、NTN さん、NACHI
・ 不 二 越 さ ん 、 そ れ か ら 私 ど も ジ ェ イ テ ク ト と い う こ と で す 。 グ ル ー プ リ ー ダ ー は NSK
さんにお願いしております。早速今日の午前中に WG 第 1 回目の会合を行いまして、今後
ど う い う 活 動 を す る か と い う 内 容 に つ い て 話 を し ま し た 。 簡 単 で す が 以 上 で す 。 よ ろし
くお願いいたします。
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○司会
ありがとうございます。引き続き議事を進めます。次にもう 1 つテーマ別の WG
で、インターネット関連 WG を発足させたいと考えております。こちらについては、運営
幹事の山田様からご報告いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○山田
シヤチハタの山田です。よろしくお願いいたします。資料 3 です。「上海 IPG
インターネット関連 WG(仮名)設置のご案内」ということで、かねてから IPG 会員の皆
様 複 数 か ら イ ン タ ー ネ ッ ト 上 で の 知 財 問 題 の 対 策 を 研 究 実 施 す る た め の 母 体 と し て 、イ
ンターネット WG が必要だという声があり、昨年 12 月の IPG 幹事会で正式決議しており
ます。経緯と目的、活動内容については資料 3 に書かれているとおりですが、これから
そ れ を 活 用 し て 、 よ り 一 層 の 情 報 交 換 、 そ し て 具 体 的 な 対 策 へ 結 び 付 け る 手 段 と し てご
活用いただきたいと思います。
つきましては、それへの参加の申込みは 2 月 12 日(金)が期限になっており、そうい
う こ と で 募 集 さ せ て い た だ き た い と 思 っ て お り ま す の で 、 よ ろ し く お 願 い い た し ま す。
以上です。
○司会
あ り が と う ご ざ い ま す 。 す で に 参 加 申 込 み の ご 案 内 を さ せ て い た だ い て お りま
すので、ご興味のあるメンバー様は是非お申込みいただければと思います。
続いて江蘇省 TSB と実施しておりますブランド保護連携フォーラムの活動ですが、こ
の 2010 年度の活動計画、それから今回新たに覚書を締結する計画をしておりますが、こ
の 点 に つ い て 実 行 に 関 す る 承 認 を 皆 様 か ら 受 け た い と 思 い ま す 。 簡 単 に ご 説 明 を 幹 事の
岩間様にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○岩間(カネボウ化粧品)
皆様ご苦労さまです。岩間でございますが、資料 4、5 です。
江蘇省 TSB とのブランド保護連携フォーラム 2010 年度活動計画(案)、これが資料 4 で
す。これに関しては 2008 年、2009 年までの活動の実績結果、流れ、方向性を踏まえ、幹
事 会 で い ろい ろ 検 討 し ま し た 。 それ に 加 え 皆 様 方 か ら もア ン ケ ー ト で ご 意 見 を頂 戴 し て 、
今 日 ご 案 内 し て い る よ う な 案 を 作 成 い た し ま し た 。 簡 単 に 見 て い た だ け れ ば と 思 い ます
が、最初に 2009 年度までの活動内容ということで、ここに書いてあるような流れで取り
組 ん で 参 り ま し た 。 そ し て こ の 中 で 実 施 し た こ と 、 あ る い は そ こ で 出 た 効 果 を ま と めて
お り ま す 。 そ れ を 踏 ま え 、 そ こ か ら 成 果 と 課 題 を 抽 出 し て 本 年 度 、 2010 年 度 活 動 計 画
( 案 ) を ま と め て お り ま す 。 い ち い ち 読 ん で い る と 時 間 が か か り ま す が 、 こ の 辺 り 、そ
して資料 4 の別紙 1、2 で大まかなまとめをしております。
資料 5 に関しては、先般の会合でもご紹介しておりますが、よりこのフォーラムの全
体 活 動 の 中 で 、 さ ら に 効 果 的 、 的 確 か つ 費 用 の か か ら な い 方 策 と い う こ と で 、 連 携 をさ
らに深めるべくこういう覚書を締結をして進めようということで、江蘇省の TSB とは、
先 般 予 め 会 合 を 開 き 、 も し で き れ ば こ う い う 方 向 で や ろ う で は な い か と い う 打 合 せ をい
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た し ま し た 。 も し 今 日 こ こ で ご 承 認 い た だ け れ ば 、 こ の よ う な 形 で 今 年 度 さ ら に 進 めた
い と 思 い ま す 。 以 上 、 簡 単 で す が ご 紹 介 い た し ま し た 。 こ れ は 承 認 事 項 で す の で 、 もし
本 年 度 こ の よ う な 形 で 取 り 組 ん で い い と い う こ と で あ れ ば 、 進 め さ せ て い た だ き た いと
思 い ま す の で 、 皆 様 の 拍 手 を も ち ま し て 承 認 し て い た だ け る か ど う か ご 判 断 を お 聞 きし
た い と 思 い ま す 。 恐 れ 入 り ま す が 、 こ れ で よ ろ し い と い う 方 は 拍 手 を も っ て 意 思 の 表明
をお願いします。
○司会
よろしくお願いします。
(拍手)
○岩間
あ り が と う ご ざ い ま す 。 若 干 強 制 的 に な っ て し ま っ た 嫌 い が あ り ま す が 、 それ
ではこういうことで進めさせていただきます。どうもありがとうございました。
○司会
どうもありがとうございました。い ま配布させていただいた資料をもって 2010
年度活動を進めていきたいと思います。若干補足になりますが、江蘇省 TSB とのフォー
ラ ム で 、 昨 年 来 進 め て お り ま す 、 例 え ば 、 い ま 画 面 に 映 し て い る 「 代 理 店 を 活 用 し た摘
発 活 動 」 で も す で に い く つ か 実 績 が 上 が っ て き て お り ま す 。 ま た 併 せ て ブ ラ ッ ク リ スト
の 提 供 、 先 ご ろ ご 案 内 し た ハ ン ド ブ ッ ク 作 成 へ の 情 報 提 供 等 を ご 依 頼 さ せ て い た だ いて
い る と こ ろ で ご ざ い ま す 。 そ ち ら も 積 極 的 に ご 対 応 い た だ け る よ う お 願 い い た し ま す。
また代理店、ブラックリストの 2 点についてはすでに多くの方に参加の表明をいただい
て お り ま す が 、 先 般 実 施 さ せ て い た だ い た 活 動 実 施 ア ン ケ ー ト で も 参 加 の 表 明 を い ただ
い て い る 企 業 様 が い ら っ し ゃ い ま す の で 、 そ ち ら に つ い て は 個 別 に 事 務 局 か ら ご 連 絡す
ることもあろうかと思いますのでよろしくお願いいたします。
次の議事は⑥の各 WG 年度計画について、福永様より簡単にご報告いただきます。よろ
しくお願いいたします。
○福永(JUKI)
JUKI 中国の福永です。各 WG の 2010 年度活動計画についてご説明いた
します。資料 6 をご覧ください。前回の 11 月 IPG 総会の後で各 WG から 2010 年度活動計
画をご提出いただきました。各活動計画を 2009 年 12 月の幹事会に諮り、いずれも上海
IPG の活動趣旨に合致した適切なものであるということで、すべて承認させていただいて
います。ベアリング WG 様に関しては、設立したてということで、現在活動計画を立てて
いただいているところですので、ほかの 9 つの WG について、すでに承認させていただき
ました。つきましては、各 WG は引き続き活発にご活動いただければと思います。以上で
す。
○司会
あ り が と う ご ざ い ま し た 。 続 い て ⑦ の 貢 献 部 門 感 謝 式 の 推 薦 募 集 に つ い て 、今
村様、ご報告をお願いします。
○今村(旭化成)
旭 化 成 の 今 村 で ご ざ い ま す 。 こ の 在 華 日 資 企 業 知 的 財 産 保 護 貢 献部
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門表彰は、この IPG の活動の中でも大変重要なものです。見ていただくとわかりますが、
これは私たちの知的財産権の保護に優れた成果を作り出した当局を、IPG として表彰して、
そして感謝の意を盛大に示したいと。こういう活動を 2008 年、2009 年とやり、今度は
2010 年 5 月に表彰式があるので、もう 3 回目になります。2 回とも当局の方々は、挙っ
て複数のメンバーが参加をされ、手厚いおもてなしをし、IPG のメンバーの皆様との交流
も あ り 、 こ う い う 活 動 に よ り そ れ ぞ れ の 当 局 も 自 発 的 で か つ 熱 心 な 知 的 財 産 権 の 保 護活
動に当たってくださっています。
そ の た め に 今 回 、 会 員 の 皆 様 に お 願 い を す る の は 、 こ こ を 表 彰 し た い と い う 当 局 の推
薦をお願いしたいということです。推薦の仕方については、2 頁以降の募集要綱の 2-2 で、
知識産権局、公商行政管理局、質量技術監督局、公安、税関、この 5 つの法律執行部門
のうち、国家機関を除くレベル 1、2、3 の所を対象としてください。こういうことでご
ざいます。今回募集して、春節の前、2 月 12 日(金)を締め切りとします。一次スクリ
ーニングは IPG 運営幹事と事務局がいたして、それを基に最終選定を 2 月 25 日に行う予
定 で す 。 今 回 は ご 推 薦 い た だ き 、 か つ こ の 最 終 選 定 の 参 加 も 会 員 の 皆 様 に 希 望 を 募 って
実 施 を し た い と 思 っ て お り ま す 。 例 年 た く さ ん の エ ン ト リ ー を し て い た だ い て お り ます
が 、 今 年 も も う 一 回 よ く 去 年 の 成 果 を 見 て い た だ き 、 こ こ ぞ と い う 所 を 推 薦 の ほ ど 、是
非よろしくお願いいたします。以上です。
○司会
あ り が と う ご ざ い ま し た 。 す で に メ ー ル で メ ン バ ー の 皆 様 に は 募 集 の ご 案 内を
しております。是非積極的にご推薦いただければと思います。続いてもう 1 つ、承認事
項となる⑧についてグループ社の久永様よりご説明をお願いいたします。
○久 永 デンソーの久 永 でございます。資 料 8、上 海 IPG 全 体 会 合 での講 演 要 望 の受 入 基 準
(案)です。前回の総会で ISO の偽の認定に関する注意喚起の講演がされたことを覚えていらっし
ゃる方もおいでと思います。非常に有用な講演でしたが、いわゆる知財に必ずしも関連しない講演
であったかとお感じになった方もいらっしゃるかもしれません。上海 IPG 全体の会合の講演につい
て、年 間 計 画で予 定 されている講 演以 外に、講 演 の要 請、実 施 したいという要 望があった場 合に
計画外の講演を認めるか否かを判断するために一定の基準を設ける必要があるのではないかとい
うことで受入基準(案)を作成しましたので、簡単にご説明申し上げます。
受入基準としてはこの 1 番の 4 つです。時間の関係から全部は読み上げませんが、営利目的で
はないこと。例えば 4 番目の基準のように講演の必要性が認められるということです。判断基準は
政 府 関 係からの要請があった場 合 、各 種 団 体あるいは民間 企 業 から要 請があった場 合に分 けて
あります。いずれにしてもここに記載されている 4 つの基準をきっちり押えて、皆様に有用な情報を
提供していきたいと考えております。講演の内容については事務 局、ジェトロ上海 殿に内容をチェ
ックしていただき、趣 旨 が守 られるよう運 営 してまいりたいと思 っております。このような受 入 基 準
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(案)で良いいとご賛同いただけますならば、この場で是非 拍手をもってご承 認いただきたく存じま
す。よろしくお願いいたします。
(拍手)
○久永 どうもありがとうございます。
○司会
あ り が と う ご ざ い ま し た 。 そ れ で は 今 後 は こ の 方 針 で 進 め た い と 思 い ま す 。続
いて先ほど墳崎様のご講演でもありましたが、昨年の暮れ、12 月に IIPPF の実務レベル
ミッションが北京の各当局を訪問しております。上海 IPG としては副グループ長の松島
様 に ご 参 加い た だ い て お り ま す ので 、 松 島 様 か ら 簡 単 にご 報 告 い た だ き た い と思 い ま す 。
よろしくお願いいたします。
○松島(コニカミノルタ)
コニカミノルタの松島でございます。IIPPF 訪中実務レベル
ミッションについて報告いたします。お手元の資料 9 です。今回は第 7 回目となりまし
た。ミッション団は 2 つに分かれ、12 月 9 日から 11 日の 3 日間をかけて、海関総署以下
8 カ所の中央政府部局を訪問し、罰則の強化・拡大および行政処罰の厳格化、徹底化等模
倣 品 取 り 締 ま り の 強 化 に 向 け て の 建 議 を 行 い ま し た 。 参 加 者 の 詳 細 は 割 愛 さ せ て い ただ
きますが、日本国政府関係者、産業界および IPG 関係者、事務局並びに通訳を含め計 30
数 名 の ミ ッ シ ョ ン 団 で し た 。 各 々 の 部 局 に 関 す る 建 議 と 議 論 の 内 容 は 、 お 手 元 の 訪 問機
関別議事概要をご参照いただければ幸いです。以上です。
○司会
ありがとうございました。次に第 2 部と書いてあります活動計画の検討にも関
わ っ て く る と こ ろ で す が 、 先 日 皆 様 に お 願 い し ま し た 来 年 度 の 事 業 実 施 ア ン ケ ー ト の集
計 の 結 果 につ い て 簡 単 に ご 報 告 した い と 思 い ま す 。 大 神様 、 よ ろ し く お 願 い いた し ま す 。
○大上(住友化学)
住友化学の大上です。資料 10 の 2010 年度上海 IPG 事業実施アン
ケ ー ト 集 計 結 果 で す 。 資 料 の 頁 数 が か な り あ る の で 、 時 間 の 関 係 上 要 点 の み を 発 表 しま
す。まず、上海 IPG の全体活動についてという項目の上海 IPG として対応すべき課題や
問 題 点 に 関 し て は 、 全 体 と し て 模 倣 品 問 題 か ら と 特 許 や 意 匠 権 侵 害 に シ フ ト す べ き であ
るという意見が多数寄せられております。次に上海 IPG の運営については、北京、広東
各 IPG との分担や協力を明確化し、推進すべきだという意見が多数寄せられてお ります。
次にクエスチョン 2 の 2010 年度の重点活動についてという項目に関しては、セミナー
の 継 続 や 意 見 交 換 、 陳 情 や 連 携 の 強 化 、 ま た 運 用 格 差 是 正 な ど 地 方 政 府 向 け 活 動 が 最も
多く見られました。重点地域としては長江デルタ 2 省 1 市、江蘇、浙江、上海が重点地
域 で あ る と い う 意 見 が 最 も 多 く 挙 げ ら れ ま し た 。 そ の 他 内 陸 、 華 南 、 関 東 な ど も 複 数挙
がっております。また安徽、福建、山東なども見られました。
次 の 調 査 に 関 し て は 、 や は り 展 示 会 調 査 の 継 続 を 希 望 す る と い う 声 が 最 も 多 く 見 られ
ま し た 。 講 演 の テ ー マ に つ い て は 、 欧 米 や 中 国 企 業 の 侵 害 対 策 や 権 利 取 得 動 向 な ど の事
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例 紹 介 の 希 望 が 多 く 見 ら れ 、 ま た 法 改 正 問 題 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の 侵 害 対 策 な ど の テー
マを希望する声も聞かれました。次の IIPPF との連携についてという項目に関して、ア
ンケートや意見募集について 54 社中 38 社が「協力が可能」という返答をいただいてお
ります。次に現在決定している 5 テーマ以外に希望するテーマとして、悪意先駆商標関
連、これが 21 社。形態巧妙化行為対策が 17 社、企業名称抵触対策が 17 社となっており
ます。
次 に 政 府 当 局 と の 協 力 活 動 と い う こ と で 、 や は り 当 局 向 け 活 動 と し て 真 贋 識 別 セ ミナ
ー開催の希望が最も多く、上海、江蘇、浙江の AIC、TSB との協力が最も多い意見でした。
次 に 希 望 が 多 か っ た 意 見 交 換 会 で は 、 内 容 と し て 効 率 的 な 摘 発 の 実 施 、 情 報 交 換 体 制、
類 比 判 断 、 刑 事 移 送 な ど が 見 ら れ 、 地 域 と し て は 上 海 市 お よ び 江 蘇 省 、 浙 江 省 の 各 市が
最も多く、当局としては AIC、TSB のほか知識産権局、税関、公安なども見られました。
共 同 調 査 とし て は 華 東 地 区 当 局 と巧 妙 化 対 策 に 関 す る もの 、 物 価 局 と 価 格 算 定に つ い て 、
法 院 と 費 用や 訴 訟 時 間 に 関 す る もの な ど が 挙 げ ら れ て おり ま す 。 共 同 イ ベ ン トと し て は 、
類 比 判 断 の 学 術 セ ミ ナ ー 、 廃 棄 セ レ モ ニ ー 、 お よ び 各 種 座 談 会 な ど も 挙 げ ら れ て お りま
す 。 当 局 交 流 に 関 す る 意 見 と し て は 、 浙 江 省 の 各 当 局 と の 連 携 強 化 の 声 が 複 数 あ り まし
た 。 ま た 当 局 側 担 当 者 と の 良 好 な 関 係 構 築 の 重 要 性 を 指 摘 す る 声 も 複 数 挙 げ ら れ て おり
ます。
次に江蘇省 TSB、上海 IPG、ブランド保護連携フォーラムについて実施活動として各種
情報提供が 23 社で最も多く、以下代理店の活用 19 社、ブラックリストの活用 16 社、職
員トレーニング 14 社、ビデオ作製 13 社、消費者イベント 12 社という結果でした。最後
に 、 そ の 他 は 今 後 実 施 を 希 望 す る 活 動 と し て 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の 侵 害 対 策 関 連 が 最も
多 数 を 占 め ま し た 。 ま た 特 許 や 意 匠 お よ び 不 競 法 の 活 用 、 市 場 調 査 支 援 な ど の 意 見 も複
数見られました。
最 後 、 運 営 に 関 す る 意 見 と し て 、 出 張 制 限 等 に よ り 積 極 的 な 参 加 が 難 し い メ ン バ ーへ
の対応および中小企業も積極的に参加できる環境づくりを求める声、また各 WG 間での連
携を図るべきとの声が多く寄せられております。以上です。
(テープ交換)
<第 2 部
○司会
上海 IPG2010 年度活動計画の検討>
…… こ れ ま で は 内 部 で の情 報 共 有 が 主 で し た が、 そ れ を 外 部 に 広 げ るべ き な ど 、
そ れ か ら 具 体 的 な 情 報 、 課 題 の 発 掘 も 積 極 的 に 進 め て い く べ き と い う こ と が 言 え る と思
います。もう 1 つ規制対応、これまでハイテク企業認定、技術移転、独占禁止等いろい
ろなテーマを取り上げておりますが、これも 1 つの柱として掲げていいのではないかと
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い う こ と で 、 案 を 提 示 し て お り ま す 。 次 に 機 能 で 、 こ れ は 先 ほ ど 申 し た と お り 、 ど うい
う テ ー マ を ど こ ま で や っ て い く か が 検 討 課 題 と し て 挙 げ ら れ る か と 思 い ま す 。 活 動 地域
に つ い て も 先 ほ ど お 話 し た の で 割 愛 い た し ま す 。 交 流 、 連 携 の 範 囲 、 こ れ も 政 府 間 、そ
れ か ら 他 の 団 体 と の 交 流 を ど こ ま で 進 め る か と い う こ と で す 。 ま た 活 動 の 質 と 申 し ます
か 、 ア ン ケー ト で も よ り 高 度 な 内容 に シ フ ト し て い く べき 等 が 挙 げ ら れ て お りま す の で 、
ま た は 新 規 で 挙 げ ら れ て い る 消 費 者 啓 蒙 、 そ の 他 活 動 項 目 を ど う し て い く か と い う こと
も 1 つ検討課題として挙げられるかと思います。
ま た 細 か い 点 で す が 、 先 ほ ど の ア ン ケ ー ト で も 大 上 様 の 報 告 で も あ り ま し た と お り、
例えば WG 間での情報共有。なかなか出席できない方への情報提供をどうするか。また中
国 政 府 部 門 へ ど の よ う な 形 で 情 報 提 供 を し て い け ば よ い か と い う よ う な 課 題 を 検 討 事項
として挙げております。
最 後 の 検 討 事 項 と し て 、 こ れ も ア ン ケ ー ト で も 寄 せ ら れ て い る の で す が 、 非 常 に 多く
の方から寄せられている中国での 3 拠点での連携、協力をどう進めていくべきか。それ
から広東 IPG、上海 IPG は地方レベルで特に模倣品対策の母体となっているということで、
類 似 す る よ う な 活 動 を 行 っ て お り ま す が 、 こ の 地 方 レ ベ ル で の 権 利 侵 害 対 策 と い う こと
で 、 ど の よ う に 広 東 、 上 海 で 協 力 し て い く か も 検 討 事 項 で 挙 げ ら れ る か と 思 い ま す 。こ
ちらの参考までに載せた活動の整理です。
以上計 7 つの検討事項がございます。皆様お手数ですが、資料 13 にそれぞれ率直なご
意 見 を ご 記 入 い た だ き た い と 思 い ま す 。 ま ず そ れ ぞ れ の 検 討 事 項 に つ い て 、 皆 様 か らの
ご 意 見 と い う こ と で 、 お 一 人 ず つ そ れ ぞ れ コ メ ン ト を い た だ き た い と 思 い ま す の で 、そ
れ も 参 考 に し て い た だ き な が ら ご 記 入 い た だ け れ ば と 思 い ま す 。 そ れ で は 検 討 事 項 1、
「枠組み」について久永様からコメントをお願いいたします。
○久永 時間の関係で簡単にコメントいたします。IPG の活動も社会環境の変化、あるいは時代の
要求によって変えていく必要があるのではないかと思います。従来の模倣 品対 策、即ち商 標 権侵
害問 題から、アンケートの中にもありましたように、特許権 侵害 問 題あるいは意匠権 侵害 問 題にシ
フトしていくこともも必要かと思います。また喫緊の問題から、将来起こり得る問題についても、情報
発信することも有用であると思いますし、また現地企業が関わる規制などについて情報を提供する
ことも有用かと思います。以上です。
○司会 ありがとうございます。続いて検討事項 2、上海 IPG の機能という所について、石川様、
コメントをいただけますでしょうか。
○石川
先 ほ ど も ア ン ケ ー ト の 中 に あ り ま し た が 、 や は り 商 標 か ら 特 許 ・ 意 匠 に シ フト
し つ つ あ り ま す の で 、 模 倣 品 の み な ら ず 特 許 に 関 し て 今 後 開 発 が 中 国 で 進 ん で い く こと
もありますから、中国での発明から活用まで、ライセンスも含めて興味があります。
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○司会
ありがとうございます。続いて活動地域の所ですが、IIPPF 連携等以外にという
ところもありますので、こちら IIPPF から今日ご参加いただいている小薗江様からコメ
ントをいただきたいと思います。
○小薗江(バンダイ)
ご 案 内 の オ ソ ノ エ で ご ざ い ま す 。 最 初 に お 礼 を 言 い た い の です
が、IIPPF のミッションに向けたアンケートのご協力を皆様からいただきましたし、また
建 議 書 の 作 成 に つ い て も 意 見 交 換 を さ せ て い た だ き ま し た 。 ま た 人 数 は 限 ら れ て し まい
ましたが、ミッションにご参加いただきました。IIPPF と IPG の連携の下に、ミッション
は う ま く い っ た と 思 っ て い ま す の で 、 こ の 場 を 借 り て ま ず お 礼 を 申 し 上 げ た い と 思 いま
す。
テ ー マ を い た だ い た 中 央 へ の 取 り 組 み の 部 分 は 、 基 本 的 な 考 え 方 と し て は 、 も し 中央
に 届 け な け れ ば い け な い テ ー マ が あ る と す れ ば 、 そ れ は 何 と し て も 届 け る べ き だ ろ うと
思います。先ほど連携テーマということで 5 項目挙がって、それ以外にもまだあるのだ
と い う と こ ろ で あ り ま し た が 、 も し そ れ が 本 当 に 中 央 に 届 け る べ き こ と で あ れ ば 、 いろ
いろな形で届けるべきだと思います。ただ届け方として、要するに私どもは IPG のメン
バ ー で は あ り ま す が 、 自 ら が 汗 を か か な け れ ば い け な い の か 、 ほ か の 団 体 で あ っ た り、
政 府 に 託 せ な い の か と い う よ う な 、 効 率 と い う と こ ろ を 考 え た ほ う が い い の か な と 思っ
ています。
今日は経産省の墳崎様から、知財 WG の取り組みの紹介がございましたが、比較的淡々
とご説明されていましたが、実際の会議の中でとても激しい議論がございました。私は 2
日 間 オ ブ ザ ー バ ー で 見 せ て い た だ き ま し た が 、 民 間 企 業 と し て 到 底 中 国 政 府 に 言 え ない
よ う な こ と ま で 言 わ れ て い た と 。 あ ま り 言 う と 経 産 省 に 怒 ら れ て 出 入 禁 止 に な る と いけ
な い の で す が 、 非 常 に 具 体 的 で 内 容 の あ る 会 議 だ っ た と 思 い ま す 。 で す か ら こ う い う官
々 の 取 り 組 み も 、 是 非 使 わ せ て い た だ く と い う 、 そ う い う 視 点 を 検 討 を す る と き に 、特
に や は り 中 国 の 政 府 に 対 し て 申 し 上 げ る と き に 、 民 だ け で い く よ り は 官 と 、 も し く は官
々 で や っ て い た だ く ほ う が い い か な と い う 部 分 も あ り ま す の で 、 そ う い う よ う な 多 角的
な視点でご検討いただければと思いました。
○司会
ありがとうございます。いまのコメントで検討事項 4 の政府間交渉も触れまし
たので、4 も小薗江様のコメントを参考にしていただくということで、次に検討事項 5 に
ついて内山様、コメントをいただけますでしょうか。
○内山
ま ず 、 こ の 既 存 の 活 動 と い う こ と で 、 政 府 当 局 と の 交 流 の 活 動 は セ ミ ナ ー が中
心 だ け れ ど も 、 シ ン ポ ジ ウ ム な ど の 実 施 に 広 げ た ら ど う か と い う よ う な 内 容 に な っ てい
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る と 思 い ま す 。 お っ し ゃ る よ う に セ ミ ナ ー は ず っ と 続 け て や っ て お り ま す が 、 た だ 中国
は 非 常 に 広 い で す の で 、 あ る 地 域 に セ ミ ナ ー に 行 っ て 、 で は 次 に 同 じ と こ ろ に 行 く のは
いつかというと、例えば 2 年後などということになると、おそらくフロントラインの方
々 も 変 わ っ て い た り し ま す の で 、 や は り セ ミ ナ ー は 引 き 続 き 続 け る べ き か と 感 じ て おり
ます。
一 方 、 お っ し ゃ る よ う に 我 々 の レ ベ ル も 上 が っ て き て ま す し 、 地 方 の 考 え 方 も い ろい
ろ 変 わ っ て き た と い う こ と で 、 進 ん で い る 地 域 を 選 択 し て 優 先 順 位 を つ け て シ ン ポ ジウ
ム な ど を 開 催 す る の も お っ し ゃ る よ う に 意 義 が あ る か な と 感 じ て お り ま す 。 啓 蒙 活 動に
つ い て 、 消 費 者 啓 蒙 に つ い て は 、 北 京 で は 実 際 い く つ か 活 動 し て お り 、 例 え ば 駐 在 者向
け の フ リ ー ペ ー パ ー 、 ウ エ ネ バ ー な ど で 、 駐 在 者 に 対 し て 模 倣 品 を 買 う の は や め ま しょ
う と い う 広 告 を 出 し て み た り 、 あ る い は 西 単 と い う 、 繁 華 街 の 地 下 鉄 の 構 内 に 漫 画 のよ
う な も の を 掲 示 し て 、 模 倣 品 を 買 う こ と は い け な い こ と だ と い う 内 容 を 示 し た り 、 あと
は北京の小学校、約 10 校強だと思いましたが、そちらを訪問して着ぐるみ劇、○×クイ
ズ の よ う な も の を や り な が ら 、 ま た 、 企 業 の 知 財 活 動 に 関 す る 展 示 パ ネ ル な ど を 行 い、
子 供 の 頃 か ら 、 そ う い う 模 倣 品 を 購 入 す る こ と は い け な い こ と だ と い う こ と を 教 え て意
識の底上げするような啓蒙活動を行っております。ご参考になれば幸いです。
○司会
ありがとうございます。それでは検討事項 6 を竹市様、コメントをいただけま
すでしょうか。
○竹市
IPG の活動で、実務と言いますか、オペレーションレベルではワーキング活動が
中 心 に な る と 思 い ま す が 、 先 ほ ど ご 紹 介 が あ り ま し た よ う に 、 ワ ー キ ン グ 活 動 は 業 界別
も あ れ ば 、 そ れ に 加 え て 尐 し 違 っ た 切 り 口 で 当 局 と い う 意 味 で 水 際 ワ ー キ ン グ が あ りま
す 。 こ れ に 加 え て 先 ほ ど も ご 紹 介 が あ り ま し た が 、 立 法 ワ ー キ ン グ 、 特 許 ワ ー キ ン グと
い う こ と で 、 今 度 は 扱 う 対 象 で い く つ か の 切 り 口 で ワ ー キ ン グ が 広 が っ て い る と い うこ
と に な り ま す 。 こ の よ う に い ろ い ろ テ ー マ が マ ト リ ッ ク ス 的 に な っ て く る と 思 い ま す。
そ う い う 意 味 で 、 複 数 の 所 で 同 じ テ ー マ を 扱 う 可 能 性 が ど ん ど ん 広 が っ て く る の で はな
いかなと。実際に先ほどの資料でも IIPPF との連携ではいずれのワーキングも絡みます
し 、 立 法 ワ ー キ ン グ が 絡 ん で く る と い う こ と で 、 よ り そ れ ぞ れ の ワ ー キ ン グ の 活 動 を効
率 化 す る こ と も あ っ て 、 全 体 を 俯 瞰 で き る よ う な 形 で 、 も し く は 各 グ ル ー プ 間 の 情 報共
有 、 連 携 が で き る と い う 意 味 で の 情 報 の 共 有 。 こ れ は ワ ー キ ン グ リ ー ダ ー の 間 で や って
い た だ く こ と が い い か ど う か は 手 段 な の で す が 、 い ず れ に し て も 方 向 性 と し て は 是 非と
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も そ う い う こ と で 情 報 共 有 を 進 め て い た だ く こ と が 、 よ り 重 要 に な っ て く る か と 思 いま
した。
○司会
ありがとうございます。最後の検討事項 7 について林様、コメントをお願いで
きますでしょうか。
○林(シャープ)
中国の各 IPG の連携協力方法について、それぞれの IPG がそれぞれ
の 特 徴 を 生 か し て 活 動 す る こ と は 重 要 な の で す が 、 情 報 共 有 、 連 携 し て 、 よ り 大 き い、
より効果があるような活動をすることも重要だと思います。その中で 1 つはグループ長
会議で情報の共有はされているのですが、それ以外でも各 WG がいろいろ立ち上がってい
るので、その中で話をされるというのも 1 つかと思います。
例 え ば 、 北 京 と 上 海 で は 特 許 等 の 問 題 を 扱 う 活 動 も 活 発 に な っ て き て い ま す の で 、そ
のようなところで情報共有するというのも 1 つかと思います。また上海 IPG と広東 IPG
で は 、 業 界ご と の 模 倣 品 活 動 も 現在 も 連 携 し て 活 動 を やっ て い る こ と も ご ざ いま す の で 、
それぞれが活動するというだけではなく、一体となってやるような活動というのも 1 つ
かと思います。例えば、上海 IPG で企画、考えたものを広東 IPG と一緒にそれを協力す
る。また広東 IPG で考えたものを上海も協力するというようなものも 1 つかと思います。
以上です。
○司会
ありがとうございました。それでは誠にお手数ですが、資料 13 を本日ご記入い
た だ き 、 お 帰 り の 際 に 受 付 に 置 い て い た だ く 形 で お 願 い い た し ま す 。 ま た 今 後 、 い ただ
いた意見を基に次回の IPG の会合で、2010 年度の活動方針、活動計画を皆様にご説明す
ることになるかと思います。よろしくお願いいたします。それではここで第 2 部は終わ
り に い た し ま す 。 休 憩 を 挟 ん で 今 回 お 願 い し て お り ま す フ ァ イ ザ ー の ご 講 演 に 移 り たい
と思います。4 時 20 分開始ということで、それまで休憩時間にしたいと思います。皆様
時間厳守でお席にお戻りいただきますよう、よろしくお願いいたします。
<第 3 部
○司会
講演会>
そ れ で は 、 時 間 に な り ま し た の で 最 後 の 講 演 に 移 り た い と 思 い ま す 。 本 日 は、
以 前 よ り ア ン ケ ー ト 等 で も 、 欧 米 企 業 の 取 り 組 み の 紹 介 を 聞 き た い と い う 声 も 多 く 、ま
た 具 体 的 に フ ァ イ ザ ー 社 の 取 り 組 み が 聞 き た い と い う 話 も 伺 っ て お り ま し て 、 本 日 それ
が 実 現 す る こ と と な り ま し た 。 本 日 は 、 米 国 の フ ァ イ ザ ー 本 社 か ら 、 は る ば る ご 担 当の
役員にお越しいただいております。それでは、ファイザー社の Mr.Roy F.Waldron、ご講
演をよろしくお願いいたします。
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ファイザー社の知的財産権の保護:中国における経験と戦略
ファイザー社 Vice President & Assistant General Counsel
Mr.Roy F.Waldron
(パワーポイント開始)
○ Mr.Waldron
今日はお越しいただいて、とても感謝しています。また、招待していた
だ い た こ と に も 感 謝 し て い ま す 。 特 に ジ ェ ト ロ の 方 々 、 ま た 日 本 の 政 府 に も と て も 感謝
し て い ま す 。 特 に ム ラ ナ ギ さ ん と 森 永 さ ん に い ろ い ろ と ア レ ン ジ し て い た だ い た こ とを
感謝したいと思います。
私の名前は Roy Waldon と申します。ファイザー社の中で、国際的な知的財産権の部門
で 働 い て い ま す 。 私 の 責 任 は 、 特 に 特 許 権 の 出 願 に 関 係 す る こ と を 扱 っ て い ま す 。 ファ
イザー社では 150 人の法律の専門家がいまして、今日もここに何人か参加して いますの
で、何人かをご紹介させていただきたいと思います。
今 日 は 、 私 た ち と と も に 来 て い た だ き ま し た タ カ ハ シ さ ん と い う 方 が い ら っ し ゃ いま
す の で 、 レ セ プ シ ョ ン の と き な ど に 知 的 財 産 権 に 関 す る 質 問 が あ り ま し た ら 、 是 非 彼に
お 聞 き く だ さ い 。 そ し て ま た 、 ミ ス タ ー ・ ス テ フ ァ ン ・ ド ロ ワ ー で す が 、 彼 は 知 的 財産
権 の 国 際 部 に い ま し て 、 い ま パ リ に い ま す 。 ま た 、 イ ー ・ ホ ワ さ ん と い う 中 国 の 知 的財
産権を扱っておられる方にも参加していただいております。
ここで是非覚えていただきたいのは、中国の知的財産権に関する状況は、この 10 年ほ
ど で と て も 大 き く 変 化 し て き ま し た 。 特 に 製 薬 関 連 分 野 に お い て 大 き な チ ェ ン ジ が 起き
ています。いまもその大きなチェンジの最中にいると言ってもよいでしょう。特に 1 つ
の 大 き な 問 題 は 、 知 的 財 産 権 に 関 す る 問 題 を 予 測 し な け れ ば な ら な い と い う こ と に あり
ま す 。 特 に 特 許 分 野 で は 中 国 で 特 許 を 取 れ る か ど う か と い う こ と に 関 し て 予 測 し な けれ
ば な り ま せ ん の で 、 と て も 大 事 な 問 題 で す 。 今 日 は い く つ か の 例 を 通 し て 、 そ の 件 につ
いてお話したいと思います。
今 日 は 特 に 権 利 の 侵 害 の 問 題 に つ い て 、 ま た 公 開 す る と き に ど の 言 語 を 用 い て 特 許を
出 願 す る か な ど に つ い て お 話 し た い と 思 い ま す 。 そ の 他 に も 中 国 で の 知 的 財 産 権 の グル
ー プ を 作 る点 で の 問 題 に つ い て もお 話 し た い と 思 い ま す。 特 に 、 企 業 秘 密 と いう 点 で は 、
こ こ に い ら っ し ゃ る 方 々 の す べ て に 関 係 す る 問 題 だ と 思 い ま す が 、 そ の 点 に つ い て 、知
的 財 産 権 に 関 す る 部 門 を 中 国 に 設 け る こ と の 大 切 さ に つ い て お 話 し た い と 思 い ま す 。特
に こ こ で ご 紹 介 し た い の は 、 製 薬 関 連 分 野 で は 電 気 製 品 や 食 品 を 扱 っ て い る 企 業 と は違
っ た 特 有 な 知 的 財 産 権 の 問 題 を 持 っ て い る こ と で す 。 知 的 財 産 権 を 保 護 す る と い う こと
は、製薬関連分野では非常に重要なことです。1986 年の情報に基づきますと、尐なくと
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も 60%の現存する新薬商品というのは、知的財産権保護なしではなかったであろうと言
われています。この情報は 10 年以上古いものですので、現在、実際に開発にかかるコス
ト、リスクはさらに高いものとなっていると考えられます。
そ れ か ら 、 製 薬 関 連 会 社 に と っ て は 知 的 財 産 権 の 保 護 は と て も 重 要 な 問 題 で す の で、
特 許 が 取 れ る か ど う か 、 ま た 新 し い 市 場 で そ れ を ど の よ う に 用 い て い く か と い う こ とを
考慮するのはとても大切なことです。特に新薬にかかる開発費用は 1 薬品につきアメリ
カの 10 億ドル(日本円では 900 億円)近くかかります。皆さんも事業をされていてよく
知 っ て お ら れ る と 思 い ま す が 、 リ ス ク が 高 い 事 業 へ の 投 資 に は 総 資 本 利 益 率 も 高 い こと
を 覚 悟 し て い な け れ ば な り ま せ ん 。 そ の た め に は 知 的 財 産 権 、 特 に 特 許 権 を 守 る こ とが
必要となってきます。
こ こ で 尐 し 、 製 薬 関 連 の 特 許 に は ど ん な 種 類 が あ る の か を ご 紹 介 し た い と 思 い ま す。
医 薬 品 で す が 、 使 用 法 に か か わ ら ず 、 商 品 に 含 ま れ る 活 性 化 合 物 す べ て の 特 許 権 を 保護
し な け れ ば な り ま せ ん 。 ほ か に も こ こ に 挙 げ ら れ て い ま す が 、 商 品 に 含 ま れ て い る 化学
物 質 な ど も 保 護 し な け れ ば な り ま せ ん 。 ま た 、 そ の 医 薬 品 が 、 例 え ば カ プ セ ル と か 、錠
剤とか、どういう形で商品化されるかに関しても特許権を保護しなければなりません。
最近の大きな変化の 1 つですが、最初の 3 つは中国では 1990 年代後半ぐらいになるま
で特許を取ることができませんでした。1995 年の WTO の条約によって、こういうものは
特 許 を 取 ら な け れ ば な ら な く な り ま し た 。 そ れ ま で は 特 に 加 工 の 特 許 を 取 る こ と に 力を
入 れ て い ま し た 。 製 造 す る た め の 加 工 工 程 な ど の 特 許 権 を 保 護 し て い ま し た 。 こ こ で化
学 薬 品 に 携 わ っ て い る 方 々 は 、 化 合 物 に 対 す る 特 許 を 取 る の は と て も 難 し い と い う こと
を よ く 知 っ て お ら れ る と 思 い ま す 。 使 用 法 な ど も 対 象 と な り ま す 。 化 合 物 の 工 業 用 使用
に対する特許権の保護ですが、今日は 1 つのケースとしてバイアグラに関してお話をし
たいと思います。もう 1 つ、最後にお話したいのは化合物の組合せですが、化合物がほ
か の 化 合 物 と の 組 合 せ に 対 す る 特 許 権 を 保 護 す る と い う こ と も 必 要 で す 。 こ こ ま で は製
薬 関 連 の 特 許 の 種 類 に 関 す る 概 要 を お 話 し ま し た が 、 こ れ か ら は タ イ ム ラ イ ン ( 納 期)
所要時間の問題について話したいと思います。
こ こ で は 特 許 の 期 限 に つ い て 線 で 表 し て い る の で す が 、 開 発 さ れ る と き か ら 特 許 の期
限 が 切 れ る と き ま で の タ イ ム ラ イ ン を 示 し て い ま す 。 ほ か の 事 業 と 違 っ て 、 例 え ば 、電
気 製 品 と か 、 ソ フ ト ウ ェ ア な ど の 特 許 と 違 っ て 製 薬 の 場 合 は 、 特 許 が 切 れ る こ ろ に 特許
権を保護することがとても大切になります。
なぜかというと、…………
(テープ交換)
… … で す か ら 、 実 際 に 商 品 が 市 場 に 回 る こ ろ に は 、 特 許 の 期 限 の う ち の か な り の 時 間が
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過 ぎ て い る こ と に な り ま す 。 そ の た め に 、 医 薬 品 に 関 し て は 特 許 の 満 期 時 期 を 延 長 する
ことを許している国々もあります。
ま と め に な り ま す が 、 製 薬 関 連 分 野 に お い て は 開 発 に か な り の 時 間 が か か り ま す 。特
に 重 要 な 時 間 、 時 期 と い う の は 、 特 許 の 期 限 が 切 れ る こ ろ 、 切 れ る 前 の 最 後 の ほ う の時
期 が か な り 重 要 な 時 期 と な り ま す 。 ほ か の 産 業 と 違 っ て 時 間 と と も に 特 許 権 に よ っ て保
護 さ れ て い る 項 目 の 価 値 が 増 大 し て 、 普 通 ほ か の 産 業 で す と 、 特 許 権 の 最 初 の 時 期 のほ
う が 価 値 が 高 い の で す が 、 医 薬 品 に 関 し て は 最 後 の ほ う が 価 値 が 増 大 し ま す 。 と て も難
しい問題は 20 年後の先を見通す必要があります。リスクが特に関係してくるのは、ある
特 定 の 市 場 に よ る と 、 特 許 権 取 得 に 関 す る 基 準 が 変 化 し た り 、 そ の 基 準 が よ く わ か らな
いという未知の脅威があります。
こ こ で 、 中 国 の 知 的 財 産 権 に 関 す る 法 律 上 の 関 係 は ど う い う も の な の で し ょ う か とい
う 質 問 が あり ま す が 、 基 準 は あ るこ と は あ り ま す が 、 いま も ま だ 発 展 し て い る途 中 で す 。
ま た 、 特 に 訴 訟 問 題 に 関 し て は 、 結 果 を 予 測 し 切 れ な い と い う 問 題 も あ り ま す 。 も ちろ
ん こ れ は 中 国 だ け の 問 題 で は あ り ま せ ん 。 特 に こ の 結 果 に 関 し て 独 断 的 で 任 意 の 場 合が
ありますので、論理的に結果を予測することが難しいという問題があります。
こ こ で 皆 さ ん に と っ て 大 き な 課 題 と な る の は 、 将 来 は ど う な っ て い く の か と い う こと
で す 。 今 日い く つ か お 話 す る ケ ース の 中 か ら 何 か 学 ん でい た だ け る と う れ し く思 い ま す 。
今 日 の 主 要 な 点 と し て 覚 え て 帰 っ て い た だ け れ ば と 思 う の は 、 事 前 の 準 備 が 必 要 で ある
と い う こ と で す が 、 中 国 は 特 に 予 測 不 可 能 な と こ ろ が あ り ま す し 、 い ろ い ろ 変 化 し やす
い と い う 状 況 に も あ り ま す の で 、 そ う い う と こ ろ で で き る だ け 準 備 を す る の が 鍵 だ と思
い ま す 。 こ こ で 国 際 的 な ビ ジ ネ ス に と っ て 問 題 と な る の は 、 基 準 が す べ て 同 じ で は ない
と い う こ と 、 ま た 自 国 の 基 準 と 他 国 の 基 準 は か な り 違 っ て い た り す る こ と が 大 き な 問題
となっています。
そ れ ぞ れ の 国 に は い ろ い ろ な 基 準 が あ る わ け で す が 、 今 日 は 特 に 中 国 に つ い て の 状況
を お 話 し た い と 思 い ま す 。 権 利 の 侵 害 が 起 き た と き の 証 明 責 任 に 関 し て 尐 し お 話 し たい
と 思 い ま す 。 特 許 権 に 携 わ っ て い る 方 は よ く 知 っ て お ら れ る と 思 い ま す が 、 特 許 権 とい
う の は 新 規 性 が あ り 、 非 自 明 で あ る こ と 、 ま た 、 記 載 要 件 の 基 準 を 満 た す こ と が 必 要に
なります。そしてまた、その他のさまざまな法的手続が関係してきます。今日は特に 2
つ の 判 例 か ら 明 細 書 に つ い て 、 そ し て そ れ を 満 た す 記 載 要 件 の 十 分 性 に 関 し て お 話 した
いと思います。
こ こ で は 特 に 公 開 す る べ き 情 報 、 ど ん な も の が 特 許 権 の 明 細 書 の 中 に 含 ま れ て い なけ
ればいけないかということが関係してきます。先ほども述べましたが、10 年後、20 年後
に ど う い う状 況 に な っ て い る か を予 測 す る の が 難 し い とい う 問 題 が あ り ま す 。で す か ら 、
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い ま 特 許 出 願 に 含 ま れ て い る 明 細 に 書 か れ て い る こ と 、 ま た 書 く の を 忘 れ て し ま っ たこ
と が 将 来 に 大 き な 影 響 を 与 え る こ と が あ り ま す 。 で す か ら 、 基 準 が 変 わ り や す い 状 況の
中 で 、 将 来 ど う な る の か が わ か ら な い と い う 状 況 は 、 特 許 権 に 関 す る 問 題 に と っ て 、と
ても大きな問題となっています。
最初にご紹介したいケースは、リピトールに関してで、アトルバスタチン Ca に関して
の 特 許 に つ い て お 話 し た い と 思 い ま す 。 こ れ は 安 定 し た 薬 品 と い う も の に 対 し て 特 許を
取 っ た 件 で す 。 こ の 物 質 を 薬 の 中 に 入 れ ま す と 、 茶 色 に な ら な い と い う 、 と て も 安 定し
た 物 質 で す 。 こ の 物 質 に つ い て の テ ス ト を ま ず 会 社 内 で 、 そ し て 会 社 以 外 の 第 三 者 の研
究 所 で も テ ス ト を し て も ら い ま し た 。 こ の 検 査 の 結 果 を 中 国 の 法 廷 に 特 許 権 侵 害 の 証明
の 証 拠 と し て 持 っ て い っ た わ け で す が 、 中 国 の 法 廷 に よ る と 、 中 国 以 外 の 研 究 所 か らの
証 拠 は 受 け 入 れ ら れ な い と い う こ と で 拒 絶 さ れ ま し た 。 こ こ で 問 題 と な っ た の は 、 中国
国 内 に こ の 物 質 を テ ス ト す る 設 備 を 持 っ て い る 研 究 所 を 見 つ け る こ と が と て も 難 し いの
で 、 私 た ち に と っ て は と て も 大 き な 問 題 に な り ま し た 。 こ の 裁 判 は と て も 長 引 い て しま
い ま し た 。 こ こ で の 教 訓 は 、 中 国 の 法 廷 が ど の よ う な も の を 証 拠 と し て 認 め る か と いう
こ と を 、 最初 か ら 予 測 し て い な けれ ば な ら な い と い う こと を 学 ぶ こ と が で き たこ と で す 。
次に明細書と記載要件の十分性についてお話したいと思います。中国特許法第 26 条第
3 項によりますと「明細書は発明又は実用新案を同業者が実施することができるよう、十
分 に 明 確 で 情 報 が 完 全 な も の で な け れ ば な ら な い 」 と 述 べ て い ま す 。 こ の 下 に い く つか
の質問を投げかけていますが、この基準はほとんどの国で用いられています。
この問題についてバイアグラの例を使ってお話したいと思います。これは中国で 1994
年に特許の出願をし、2001 年に認可をいただいています。この認可が下りた時点で 13 の
別個の会社によって、特許に関しての問題として提起されました。3 年後に中国の特許再
審査委員会により答が出てきました。この結果は 3 年後の 2004 年にこの委員会によって
無 効 と さ れ ま し た 。 な ぜ な ら ば 先 ほ ど の 法 律 に あ り ま し た が 、 同 業 者 が 付 加 的 な 発 明に
頼 ら な い で 該 当 請 求 内 容 の 発 明 が 、 そ の 開 示 に 基 づ い て 実 施 さ れ 得 る こ と を 納 得 さ せら
れ な け れ ば な ら な い と い う 点 で 無 効 で あ る と み な さ れ ま し た 。 こ こ で 「 納 得 さ せ ら れる
べ き で あ る」 と い う 言 葉 に つ い て、 特 に 強 調 さ せ て い ただ き た い と 思 い ま す 。こ の 点 は 、
前頁にあった第 26 条の中で「納得させられるべきである」とは書かれていないからです。
法 廷 が 用い た 論 理 に つ い て 説 明す る と 、 も う 尐 し わ かっ て い た だ け る か も しれ ま せ ん 。
この化合物、特に問題となっている化合物は 5 つのレベルで公表されました。一般的な
化 合 物 の 製 法 か ら 始 ま り 、 も っ と 詳 し い 順 番 で 化 合 物 の 製 法 に つ い て 公 表 さ れ ま し た。
英語ではこのように説明されていますが、レベル 4 とレベル 5 について中国語の翻訳に
ミ ス が あ っ て 、 問 題 を さ ら に 複 雑 化 す る も の と な り ま し た 。 最 後 の 部 分 、 特 に 化 合 物が
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ど ん な 影 響 を 人 間 の 体 に 与 え る か を 詳 し く 説 明 し て い ま す 。 中 国 の 特 許 再 審 査 委 員 会の
意見ですが、特に問題となっているのは 4 番目の化合物であり、5 番目の化合物のデータ
ではないとみなされました。4 番目の化合物は 100 以上の化合物から成り立っています。
結論の中では、一般の同業者が主張している 100 以上の化合物から、治療の対象となる
勃 起 不 全 に 対 し て 有 効 で あ る と 納 得 さ せ ら れ な い と い う 結 論 で し た 。 そ の た め に は 、さ
らに付加的な発明作業が必要となるというのが結論でした。
フ ァ イ ザ ー 社 か ら の 意 見 で す が 、 フ ァ イ ザ ー 社 の 立 場 と し て は 文 脈 か ら 見 ま す と 、問
題となっている化合物は 5 番目の化合物に属するということが明らかです。実際に法律
で 述 べ ら れ て い る の は 、 一 般 の 同 業 者 が 発 明 の 効 果 が 実 際 に 主 張 さ れ て い る と お り であ
る と 納 得 さ せ ら れ る の で は な く て 、 さ ら に 付 加 的 な 発 明 又 は 創 造 力 を 必 要 と す る 作 業な
し で 発 明 を 実 現 す る こ と が で き る と い う こ と を 要 求 し て い ま す 。 フ ァ イ ザ ー 社 か ら 見ま
す と 、 こ の 特 許 権 を 取 る た め の 化 合 物 と い う の は 、 実 際 に 発 明 を 実 行 す る た め に は 、十
分 に 必 要 な 情 報 が 載 せ ら れ て い ま す し 、 誰 が 見 て も 、 そ の 化 合 物 に 効 果 が あ る こ と が明
らかであるとみなしています。
フ ァ イ ザ ー 社 は こ の 件 に 関 し て 上 訴 し ま し た 。 中 等 裁 判 所 は 委 員 会 が 誤 っ て 法 律 を適
用し、4 番目と 5 番目を勘違いで誤って判断したということを見つけました。そして、記
載 要 件 の 十 分 性 を 満 た す も の が 十 分 あ っ た と い う こ と も 認 め ま し た 。 そ し て 、 審 査 委員
会 が 法 律 を 誤 っ て 適 用 し た こ と も 認 め ら れ ま し た 。 上 訴 を 扱 っ た 法 廷 は 解 釈 を 誤 解 して
い た こ と は 認 め ま し た 。 再 審 査 委 員 会 の 解 釈 を 支 持 し て い る と も 言 い ま し た 。 十 分 性と
い う 面 で チャ レ ン ジ を 受 け ま し たが 、 こ の こ と に よ っ て保 護 を す る こ と は で きま し た が 、
言語の違いという点でいろいろな誤解が生じたという問題がありました。 2007 年に北京
の 高 等 裁 判 所 が こ の 判 決 を 支 持 し ま し た 。 こ こ で 質 問 が 出 て く る わ け で す が 、 記 載 要件
の 十 分 性 と い う の は 何 が 求 め ら れ る の か 。 さ ら に 詳 し い 情 報 ま た は 明 細 、 あ と そ う いう
ものが載っていなければならないのかどうかということが問題となっています。
こ の ケ ー ス を 見 て も わ か り ま す よ う に 、 法 律 が 曖 昧 で あ る と い う こ と か ら 大 き な 問題
が 10 年後に出る可能性があります。記載要件の十分性から尐し離れて、公開しなければ
ならないという問題について話したいと思います。
バイアグラは中国では「偉哥(ウエイガー)」という漢字が使われています。2 カ月ほ
ど 前 に 別 の 中 国 の 会 社 が 、 こ の 商 標 「 偉 哥 」 を 別 の 商 品 の た め に 登 録 を 申 請 し ま し た。
こ の た め に 訴 訟 が 何 年 も 続 き 、 い ま も ま だ 続 い て い ま す 。 こ の 訴 訟 は も っ と 早 く に バイ
ア グ ラ の 商 標 と し て 「 偉 哥 」 を 申 請 し て い れ ば 避 け る こ と が で き ま し た 。 そ の た め に現
在 、 フ ァ イ ザ ー 社 は 中 国 で は 「 万 艾 可 ( ワ ン イ ー ガ ー ) 」 と い う 別 の 商 標 を 使 わ な けれ
ば な ら な い こ と に な り ま し た 。 こ の リ ス ク を 避 け る た め に も 、 で き る だ け 早 く 中 国 語の
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漢 字 の 商 標 を 申 請 す る こ と を お 勧 め し ま す 。 こ こ で 強 調 し た い の は 、 で き る だ け 早 く公
表して、できるだけ早く商標を登録することをお勧めしたいと思います。
ま た 、 記 載 要 件 十 分 性 の 問 題 に 戻 り た い と 思 い ま す 。 先 ほ ど 権 利 の 侵 害 の 件 で お 話し
た同じ物質のリピトールに関わるお話です。この件も 2008 年に特許再審査委員会により
チャレンジを受けました。興味深いことに特許を無効とした理由の 1 つとして、化合物
が 酸 水 和 物 で あ る こ と を 証 明 し な か っ た と い う こ と が 挙 げ ら れ ま し た 。 た だ し 、 こ の特
許 権 に 含 ま れ て い る 製 造 方 法 に 従 っ て 製 造 し た 場 合 、 こ の 酸 水 和 物 の 化 合 物 は 生 産 する
こ と が で き ま す 。 こ の 化 合 物 だ け が 主 張 さ れ て い る 効 用 を 示 し ま す 。 で す か ら 、 こ こで
も 先 ほ ど の 納 得 さ せ る 基 準 が 問 題 に な っ て き て い ま す 。 こ こ で も 説 明 さ れ て い る わ けで
す が 、 い ろ い ろ な 方 法 で 十 分 に 描 写 さ れ て い な け れ ば な ら な い と い う こ と が 要 求 さ れる
こ と に な り ま す 。 こ れ も 現 在 、 上 訴 中 で す の で 、 こ れ か ら ど う な る か 待 っ て い る と ころ
です。
もう 1 つの公開問題ですが、最近、法律が変わりましたので、それによってまた公開
問 題 に 影 響 を 与 え る も の と な っ て い ま す 。 こ れ は 特 に 遺 伝 子 資 源 に 関 す る 法 律 で す が、
これも生物多様性の条約に基づいて変えられた基準です。日本の名古屋で 2010 年にこれ
に関する会議が開かれることになっています。
こ こ で と て も 複 雑 、 ま た は わ か り に く い 問 題 は 、 遺 伝 子 資 源 と は 何 で あ る か を 定 義さ
れ て い な いと い う こ と に あ り ま す。 新 し い 中 国 の 特 許 法を 見 て い た だ く と 分 かり ま す が 、
不 明 確 で あ る と い う こ と で す 。 こ こ で は 規 定 、 ま た は 法 律 に 反 す る 方 法 で 取 得 、 ま たは
利 用 さ れ た 遺 伝 子 資 源 を 使 用 、 ま た は 使 用 し た 発 明 、 創 作 に 対 し て も 特 許 権 は 許 可 され
ないというものです。26 条では、遺伝子資源の源である起源を申請時に記載しなければ
な ら な い と い う こ と が 求 め ら れ て い ま す 。 こ こ で 問 題 に な る の は 、 遺 伝 子 資 源 と 言 われ
て い る も の が 何 を 指 し て い る の か で す 。 こ れ は 化 学 化 合 物 を 取 得 す る 基 と な る 植 物 にも
当 て は ま る の で し ょ う か 。 例 え ば 、 イ ン ド ネ シ ア な ど で 見 つ け ら れ た ウ イ ル ス 、 ま たは
遺 伝 子 の コ ー ド な ど の 遺 伝 子 情 報 な ど に も 当 て は ま る の で し ょ う か 。 ま た 病 気 の 診 断、
病 気 の 治 療 に 使 わ れ る ミ ュ ー テ イ ト し た 菌 な ど に も 当 て は ま る の で し ょ う か 。 見 て もら
え ば 分 か る と 思 い ま す が 、 製 薬 関 連 分 野 の 事 業 が と て も 苦 労 し て い る と い う こ と が 分か
っ て い た だ け る と 思 い ま す 。 遺 伝 子 資 源 の 定 義 に よ っ て 、 も し か す る と 特 許 権 を 得 られ
な い こ と が あ る か ら で す 。 … … ( テ ー プ 中 断 ) … … 規 制 に 関 す る 会 議 に 従 う た め に 、い
ろ い ろ な 法 律 が ま だ ま だ 定 義 さ れ て い な い と こ ろ が あ り ま す 。 こ こ で 問 題 と な っ て くる
の は 、 遺 伝 子 資 源 を ど こ か ら 手 に 入 れ た か で す 。 正 当 な 商 業 ル ー ト か ら 手 に 入 れ た かと
い う こ と が 問 題 に な っ て き ま す 。 ど こ か ら 遺 伝 子 資 源 を 手 に 入 れ た か が 分 か ら な い 場合
に と て も 問 題 に な っ て き ま す 。 特 に 食 品 関 連 の 分 野 、 果 物 な ど が ど こ か ら 来 た の か を定
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めることが必要になってきます。ですから、起源がどこであるか分からない場合、 10 年
後、20 年後に特許権が無効になるというリスクがあります。このことは特許を出願する
者 に と っ て 、 将 来 が 見 え な い と い う 点 が 問 題 に な っ て き ま す 。 こ う い う 点 で 、 知 的 財産
権に関するアドバイスをビジネスにするときに、とても問題になってきます。
尐 し 話 題 は 変 わ り ま す が 、 中 国 で 知 的 財 産 を 保 護 す る 部 門 を 作 る こ と に 関 し て お 話し
た い と 思 いま す 。 中 国 は 、 特 に 製薬 分 野 で は 研 究 開 発 をす る の に と て も 適 し た場 所 で す 。
た く さ ん の 有 能 な 人 材 が お り ま す し 、 ま た と て も 高 い 訓 練 を 受 け た 薬 剤 師 や 生 物 工 学者
も た く さ ん い ま す 。 不 利 な 点 と し て は 、 将 来 に お い て 法 律 の 解 釈 の 不 明 性 が あ り ま す。
ま た 一 般 の 人 々 の 知 的 財 産 に 関 す る 知 識 、 理 解 が と て も 低 い と い う こ と も あ り ま す 。フ
ァ イ ザ ー 社 自 体 は 、 最 近 、 新 し い 研 究 開 発 所 を 上 海 に 設 立 し て 研 究 活 動 を 中 国 で 始 めま
した。中国で研究をするにはいくつかの方法があります。
アプローチの A として 1 つの方法は、中国で、親会社の監督の下で開発研究の助けだ
け を し て も ら う と い う こ と で す 。 こ こ で は 、 中 国 の 科 学 者 た ち に 実 際 に 発 明 活 動 に 関わ
っ て い た だ か な い と い う こ と で す 。 研 究 活 動 を 行 っ て い た だ く と い う 点 で は 、 科 学 者た
ち が ど う し て も 発 明 活 動 に 関 わ ら な く て は な ら な い と い う の が 実 際 の と こ ろ で す 。 企業
秘密の問題についても避けることはできない問題です。もう 1 つのアプローチとしては、
大 学 、 ま たは ベ ン チ ャ ー 会 社 、 その 他 の 研 究 開 発 会 社 と共 同 研 究 を 行 う こ と がで き ま す 。
ま た は 独 立 し た 研 究 者 へ の 支 援 と い う 形 で 研 究 活 動 を 行 う こ と も で き ま す 。 こ の 点 では
発明活動を中国で行うことが前提になっています。
中 国 で 発 明 活 動 を 行 う と き に 覚 え て お か な け れ ば い け な い こ と は 、 中 国 で 発 明 さ れた
も の の 特 許 権 の 出 願 を ど の よ う に 行 う か が 問 題 に な っ て き ま す 。 企 業 秘 密 、 国 家 安 全保
障 問 題 な ど に も 関 わ っ て き ま す 。 海 外 で 出 願 す る ラ イ セ ン ス に つ い て の こ と が 関 わ って
き ま す 。 こ こ で は 国 家 安 全 保 障 問 題 が 関 わ っ て き ま す が 、 新 し い 特 許 権 を 海 外 で 出 願す
る た め に は 委 員 会 の 許 可 を 得 る 必 要 が 出 て き ま す 。 グ ロ ー バ ル で 活 躍 し て い る 企 業 の皆
様が特許の出願を自国で行いたい場合、外国の出願ライセンスが必要になります。
こ の ラ イ セ ン ス を 取 得 す る た め に 、 ど れ ほ ど の 詳 細 を 中 国 で 出 す こ と が 必 要 に な るか
が 問 題 に な っ て き ま す 。 こ こ で 問 題 に な っ て く る の は 、 こ の ラ イ セ ン ス を 申 請 す る ため
に は 中 国 語 で 行 わ な け れ ば な り ま せ ん 。 そ の と き に 親 会 社 で あ る 本 社 が そ れ を チ ェ ック
したい場合に問題となってきます。そのためのオプションとして、最初に中国で PCT 出
願を行うことによって海外の出願問題の解決策となることができます。1 つの方法として、
最初の PCT 出願で中国だけを指名して、2 番目の PCT 出願はほかの国々を対象とするとい
う 方 法 を と る こ と も で き ま す 。 こ こ で も 中 国 の 国 家 安 全 保 障 問 題 に 関 わ り が 出 て こ ない
よ う に 気 を付 け な け れ ば な り ま せん 。 外 国 出 願 ラ イ セ ンス を 取 ら な く て も 済 むた め に は 、
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中国での特許権出願を断念しなければならなくなります。
もう 1 つの問題は、中国の大学、学会などと共同研究をした場合、こういう施設はす
べ て 国 有 の も の で あ る と い う こ と が 問 題 に な っ て き ま す 。 で す か ら 、 国 有 資 産 の 転 送と
いうものは、かなり政府からの認可が必要ですので…………
(テープ交換)
… … 報 酬 シ ス テ ム に つ い て 、 よ く ご 存 じ だ と 思 い ま す 。 新 し い 法 律 下 で は 発 明 者 が 社員
で あ っ た 場 合 、 特 許 を 取 得 し た 時 点 、 ま た 発 明 が 商 品 化 さ れ た 後 に 報 酬 を 与 え な け れば
な ら な い と い う 規 定 が 新 し く 設 け ら れ ま し た 。 た だ し 、 こ れ が 発 明 者 が 外 部 者 、 ア ウト
ソ ー シ ン グ で 雇 わ れ た 者 で あ っ た 場 合 に は 、 こ の 法 律 の 適 用 は 違 っ た も の と な っ て きま
す。
これは 1 つのケースです。ウォン・タイ・ガーディアン・ガウシン・バイオファーマ
と い う 会 社 と の 間 の 経 緯 で す が 、 こ こ で 法 廷 は 原 告 が 被 告 と の 間 に 雇 用 関 係 が な か った
た め に 、 報 酬 を 支 払 う 責 任 が な い と 判 決 し ま し た 。 こ れ は と て も 大 き な 問 題 と な っ てき
ます。
なぜならば中国で定められているデフォルトの報酬の金額は、税金を引いた売上高の 2
% で す の で 、 特 に 製 薬 会 社 な ど 、 何 十 億 も の 収 入 が 関 わ っ て く る 場 合 、 か な り 大 き なも
の と な っ て き ま す 。 で す か ら 、 報 酬 に 関 す る 訴 訟 問 題 を 避 け る た め に も 、 最 初 に 準 備を
し て い く こ と が 必 要 で す 。 こ こ で 委 託 し た 会 社 に は 報 酬 を 支 払 う 責 任 が あ り ま す 。 です
か ら 、 報 酬 を 支 払 う ポ リ シ ー を 持 っ て い る か ど う か を 考 え な け れ ば な り ま せ ん 。 発 明者
と 特 許 権 を 出 願 し た 時 点 で 、 賠 償 訴 訟 を 起 こ さ な い と い う こ と に 対 す る 同 意 書 な ど を作
ることが賢明だと思われます。
ほ か に も 中 国 で は 、 技 術 功 績 に 対 し て も 報 酬 を 与 え な け れ ば な ら な い と い う 法 律 があ
り ま す 。 技 術 功 績 は 何 で あ る か と い う の は 曖 昧 で す が 、 例 え ば 技 術 情 報 と か 、 発 明 品以
外 の も の に も か な り 大 き く 適 用 さ れ て い ま す 。 こ こ で も 正 式 に 同 意 書 、 契 約 書 を 作 るこ
と が と て も 大 切 に な り ま す 。 こ う い う 点 で 将 来 の 転 送 問 題 や 賠 償 問 題 を 避 け る こ と がで
き ま す 。 い ろ い ろ 特 許 権 を 得 ら れ な い 、 特 許 権 に 関 わ ら な い 発 明 や 、 営 業 秘 密 、 技 術情
報 な ど を 多 く の 会 社 は 中 国 で 行 っ て い ま す か ら 、 営 業 秘 密 問 題 は と て も 大 き な 問 題 とな
ってきています。
協 力 の 仕 事 関 係 を 皆 さ ん も い ろ い ろ な 会 社 と 持 っ て お ら れ る と 思 い ま す が 、 こ れ がと
き ど き う ま く い か な い こ と も あ り ま す 。 ま た 社 員 が 仕 事 を 辞 め て 別 の 会 社 に 就 職 し た場
合 に 、 業 務 上 の 情 報 を 一 緒 に 持 っ て い か な い か ど う か も 考 え な け れ ば な り ま せ ん 。 です
か ら 、 営 業 秘 密 、 企 業 秘 密 を 持 っ て お ら れ る の な ら 、 そ う い う も の を 保 護 す る た め の保
護 策 を 実 行 す る 必 要 が あ り ま す 。 す べ て も う 一 度 読 ん だ り は し な い の で す が 、 こ の リス
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ト の 中 に あ る よ う な こ と を 行 う こ と に よ っ て 、 あ と で 責 任 を 問 わ れ た り 、 ま た 損 害 を受
けることを避けることができます。
中 国 に も 営 業 秘 密 の 保 護 に 対 す る 法 律 が あ り ま す 。 中 国 の 不 正 競 争 防 止 法 に よ り ます
と、1 万元~20 万元の罰金と履行命令が定められています。それは普通営業機密の中に
は 何 百 万 、 ま た は 何 千 万 、 何 億 ド ル の よ う に 、 大 き な も の が 関 わ っ て い る と い う こ とを
考えますと、この罰金はあまり大きなものではありません。
セ レ ネ ッ ク ス と ホ ア ン 氏 の 判 例 に つ い て こ れ か ら お 話 し た い と 思 い ま す 。 こ れ を 見て
い た だ き ま す と 、 被 害 と い う も の は と て も 大 き い も の で あ る と い う こ と を 理 解 し て いた
だ け る と 思 い ま す 。 ア メ リ カ と か 、 ヨ ー ロ ッ パ で は い ろ い ろ な 救 済 策 が 設 け ら れ て いま
す 。 履 行 命 令 と か 、 特 許 出 願 の 所 有 権 を 転 送 す る こ と 、 発 明 者 の 権 利 を 再 確 立 す る こと
な ど で す 。 ま た 盗 ま れ た 情 報 を 取 り 除 く な ど の 救 済 策 が 設 け ら れ て い ま す 。 た だ し 、中
国 だ け で は な く て 、 ど こ で も 同 じ 状 況 で す が 、 営 業 秘 密 を 守 ら な い な ら 、 一 度 失 っ たも
のを取り戻すことはとても難しい状況になっています。
セ レ ネ ッ ク ス と ホ ア ン 氏 の 判 例 に つ い て お 話 し た い と 思 い ま す 。 バ ッ ク グ ラ ウ ン ドを
話しますと、ファイザー社は 2008 年にノースカロライナ州の小規模な会社を買収しまし
た 。 セ レ ネ ッ ク ス の 主 な 資 産 は フ ェ ー ズ Ⅰ の 臨 床 試 験 候 補 の 化 合 物 で し た 。 デ ュ ー デリ
ジ ェ ン ス 期 間 中 に 特 許 権 に 関 す る 調 査 を 行 い ま し た 。 調 査 を し て い る と き に 、 興 味 深い
ことに、ある PCT の申請を見つけました。この PCT の中には、セレネックスの化合物の
化 学 物 質 と か 組 合 せ な ど が 含 ま れ て い ま し た 。 セ レ ネ ッ ク ス の 出 願 の 時 期 よ り も 尐 しあ
と で 出 願 され て い る の で す が 、 時期 的 に か な り 近 い こ と、 セ レ ネ ッ ク ス の 資 産に 対 し て 、
非常に大きな危険をもたらすことになりました。調査を行ったわけですが、PCT の出願を
行っている中国の会社は、実際に創薬の研究開発を行っていませんでした。
さ ら に もっ と 興 味 深 い こ と に ホア ン 氏 は 、 セ レ ネ ッ クス の 契 約 科 学 者 だ っ たの で す が 、
こ の 中 国 会 社 の 米 国 代 表 と し て イ ン タ ー ネ ッ ト 上 に 載 せ ら れ て い ま し た 。 こ の 中 国 の会
社 が 行 っ て い た 出 願 の 中 に は 、 彼 が 実 際 に 個 人 的 に 携 わ っ て い た 化 合 物 も 含 ま れ て いま
し た 。 会 社 の コ ン ピ ュ ー タ ー の 捜 索 か ら は 証 拠 は 何 も 見 つ か り ま せ ん で し た 。 た だ し、
彼の家庭にあるホームコンピューターを捜索してみますと、中国の会社の PCT 出願のド
ラフト、中国の会社の出願に関する e-mail などが見つかりました。
セ レ ネ ッ ク ス の 件 で 中 国 の 会 社 と ホ ア ン 氏 に 対 し て 、 ノ ー ス カ ロ ラ イ ナ 州 の 法 廷 で訴
訟 を 申 請 し 、 企 業 秘 密 の 横 領 や 雇 用 、 秘 密 の 開 示 、 履 行 命 令 と 賠 償 を 求 め ま し た 。 実際
に被告人ホアン氏は、自分の資産を妻の名義に変えてアメリカから逃避しました。もう 1
人 の 被 告 で あ る 中 国 の 会 社 は 、 中 国 の 国 家 機 構 を 通 し て こ の 訴 訟 に 関 し て 申 し 立 て られ
ま し た 。 た だ し 、 ど ち ら の 被 告 も 裁 判 に 出 頭 し ま せ ん で し た 。 セ レ ネ ッ ク ス は 被 告 に対
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して、履行命令と損害賠償を取得することができました。
ここで賠償金額として 5,700 万ドルが与えられたわけですが、実際に製薬品に関する
収 入 の 大 き さ を 考 え ま す と 、 こ れ は 非 常 に 小 さ い も の で す 。 こ れ に 基 づ い て 、 こ の 賠償
金 額 を 履 行 す る よ う に し た わ け で す が 、 実 際 に 中 国 の 会 社 は 資 産 が な い た め に 払 う こと
ができませんでしたし、また国際出願も諦めることになりました。
も し 中 国 で ま た 同 じ よ う な ケ ー ス が 発 生 し た ら ど う な る か で す が 、 中 国 に は 不 正 競争
防 止 法 が あ り ま す 。 偽 造 に 対 し て は 違 法 収 入 に 対 す る 賠 償 が 求 め ら れ る わ け で す が 、こ
れ は セ レ ネ ッ ク ス の 件 で は 適 用 さ れ ま せ ん で し た 。 も し も 中 国 で 訴 訟 問 題 を 起 こ し たと
し て も 所 有 権 の 転 送 、 先 行 資 本 の 確 立 、 公 表 を 従 来 事 実 で 取 り 除 く こ と が 中 国 で 可 能か
どうかは明確ではありません。
ここでいくつかの教訓を学ぶことができると思います。1 つはセレネックスは営業秘密
を 守 る た め に 基 本 的 な 予 防 策 は と っ て い ま し た 。 情 報 へ の ア ク セ ス を 制 限 し た り も して
い ま し た 。 建 物 へ の 侵 入 も 制 限 し て い ま し た 。 ま た 、 研 究 ノ ー ト を 現 場 か ら 持 ち 出 すこ
と も 禁 止 し て い ま し た 。 ま た 複 写 機 も 公 共 の 場 所 に 設 け ら れ て い ま し た の で 、 誰 か が隠
れ て コ ピ ー を と る こ と が で き な い よ う に し て あ り ま し た 。 ま た ホ ア ン 氏 は 長 年 ア メ リカ
で生活している米国の市民の 1 人でした。彼はノースカロライナで教育を受けており、
ま た 家 を 所 有 し て い た り 、 妻 と 子 ど も と と も に ア メ リ カ に 住 ん で い て 、 息 子 の サ ッ カー
チームのコーチなどもしていました。会社側も彼に関して明らかな問題の兆しは 1 つも
ないと思っていました。
こ こ で の 教 訓 と し て は 、 こ の よ う な 問 題 は ど こ で も 起 き 得 る と い う こ と な の で 、 会社
と し て は で き る だ け の 予 防 策 を と る こ と が と て も 大 切 だ と い う こ と で す 。 た だ し 、 今回
の こ の ケ ー ス の よ う に 、 職 員 が そ う い う 情 報 を 横 領 す る こ と を 避 け 切 る こ と は で き ない
か も し れ ま せ ん が 、 会 社 に 対 す る 最 も 重 要 な 資 産 に 対 し て の 大 き な 影 響 を 考 え る と 、で
きるだけのことをすることは賢明なことと言えます。
結 論 と し て 、 今 日 は あ ま り 喜 ば し い 話 で は な く 、 内 容 的 に 状 況 が と て も 不 明 確 で ある
こ と 、 ま た 問 題 リ ス ク が 多 い こ と 、 そ し て リ ス ク の 大 き さ を 考 え る と 、 と て も 怖 い もの
が あ り ま す 。 最 初 に 述 べ た よ う に 、 準 備 を 十 分 に 行 い 、 そ し て 最 善 の 予 防 策 を と る こと
がいかに大切か分かっていただけるとうれしく思います。ありがとうございました。
(パワーポイント終了)
<質疑応答>
○司会
あ り が と う ご ざ い ま し た 。 時 間 が ま だ あ り ま す の で 質 疑 応 答 の 時 間 と さ せ てい
ただきます。ご質問等のある方はお願いします。
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○鑓分(日産中国)
ご講演ありがとうございました。2 点質問させていただきます。配
られている資料の 6 頁の下のほうのスライドに関する内容で教えていただきたいと思い
ます。
こ の ケ ー ス で は 、 翻 訳 ミ ス が あ っ た と い う 説 明 だ っ た か と 思 い ま す が 、 も し 翻 訳 ミス
が な か っ た 場 合 で あ っ た と し て も 、 や は り こ れ は サ ポ ー ト 要 件 違 反 、 記 載 要 件 が 十 分で
ないという理由で無効となったと判断されているのでしょうか。これが 1 点目の質問で
す。
○Mr.Waldron
実際に翻訳ミスによって、ミスとされたわけではないのですが、「特
に望ましい」「特別望ましい」の違いが中国語でははっきりしていなかったことが問
題だったようで、実際にこれがなかったら、この問題はなかったかどうか分かりませ
ん。
○鑓分
2 点目の質問は、御社でも翻訳の間違いを避けるために確認をいろいろされてい
る と 思 い ま す 。 も し 差 し 支 え な け れ ば 翻 訳 ミ ス を 防 ぐ た め に 、 ど の よ う な 対 策 を と って
おられるか教えていただけますでしょうか。
○Mr.Waldron
とても難しい問題です。皆さんも同じようにされていると思いますが、
実際に特許権を出願するときに、もちろん自社の中でも翻訳を行うわけですが、特に
そこの国での法律事務所を使って、内容が正確であるかどうかを確かめてもらいます。
実際に翻訳ミスというのは避け切るのはなかなか難しいと思います。
問題となってくるのは、いろいろな言語が関係します。会社の中に中国なら中国語
と自国の言語の両方ができる方がいら っしゃればいちばんいいのですが、中国語だけ
に限らず、ロシア語、タイ語などのように特殊な言語も扱わなければならないので、
すべての言語に対して翻訳ミスをなくすのはかなり難しい、大きな課題となっていま
す。
○司会
ほかにご質問はございますか。
○丸山(リコー中国)
ご講演どうもありがとうございました。同じ場所箇所で恐縮で
すが、このような中国における開示不足の問題を解決するには、 米国、日本、欧州より
も中国のほうが技術レベルが低いという前提に立つと、中国の出願明細書は詳しく書か
なければいけないという対策になるかと思います。そこでファイザー社はこの事件を例
として、例えばアメリカで発明をした場合に、アメリカの技術レベルで明細書を書くの
ではなく、中国レベルを考えて明細書を書く等の対策をされる、または中国出願だけ詳
しく書くみたいなくというような対策をされているでしょうか。
○Mr.Waldron
1 つの出願に対してかなり多くの国が関係してきますので、一般には
すべて同じものを出願しますが、行政が関係してきますといろいろ問題が出てきます。
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明細というのは、長ければ長いほどいいというわけでもないということです。長けれ
ば長いほどコストもかかりますし、長くなりますのでバランスが必要です。十分な情
報を書かなければなりませんが、できるだけ簡潔にすることも必要になってきます。
ここで問題となってくるのは、どれだけの情報を公開すべきか。特許を取れるだけ
の十分な情報が必要ですので、できるだけ詳しく書くほうが安全であるとは言えます。
○谷口(弁護士)
今日は貴重な講演をありがとうございました。2 点あります。まず第
1 点は 11 頁で、上海に新しく研究開発機関を設けられたということですが、アプローチ
A という共同研究に関する発明者と発明品についてのスライドで、プロジェクトは親会社
の 研 究 所 に よ っ て コ ン ト ロ ー ル さ れ て い る と い う こ と で す と 、 中 国 で 研 究 開 発 さ れ たデ
ー タ は 、 すべ て ア メ リ カ の 親 会 社の 研 究 所 で コ ン ト ロ ール と い う か 、 例 え ば 特許 の 要 件 、
パ テ ン タ ビ リ テ ィ を そ こ で 判 断 す る こ と に な っ て 、 そ の 研 究 デ ー タ を す べ て ア メ リ カへ
集 中 さ せ て 持 っ て 帰 る と い う こ と に な り ま す 。 中 国 で 得 ら れ た 技 術 を 外 国 へ 持 っ て いく
と き に は 技 術 輸 出 入 管 理 条 例 と い う 行 政 法 規 が あ っ て 、 輸 出 に つ い て 制 限 技 術 等 の 分類
が あ り ま す が 、 中 国 政 府 と い う か 、 管 轄 機 関 の 許 可 等 が 必 要 で あ る と い う こ と に な って
おりまして、その辺の制限はどのようにお考えになっておられるのでしょうか。
○Mr.Waldron
ここでも解釈の問題になってくると思います。何を発明品と見るかに
よって転送したりするときの問題に関わってくると思います。これがまずアプローチ
への 1 つの大きな問題ですが、何を研究とみなすか、何を作業とみなすか、どの段階
を発明とみなすかによって、これも解釈によるので、とても興味深い問題となってい
ます。
○谷口
もう 1 点は職務発明の発明者への報酬のところです。中国の研究所の研究者に
対 す る 報 奨 と か 報 酬 を 規 定 し て い る と 思 い ま す が 、 差 し 支 え な け れ ば そ の 内 容 を 教 えて
いただきたいと思います。
それと先ほど税引後利益の 2%という話がありましたが、中国への特許法実施細則が昨
年 12 月に公布されて、この 2 月 1 日から施行になっています。それには一応 2%という
従 来 の 規 定 が 、 企 業 と 研 究 者 と の 契 約 で 定 め る こ と が で き る と い う こ と に な り ま し たの
で、その 2%のハードルは今回なくなったのではないかと思っているのですが。
○Mr.Waldron
まだ中国で開発の事業は始めたばかりですので、まだこの問題には直
面していませんので、いまはまだどのぐらい払うかというのを考慮している 途中であ
るということが 1 つの答です。
先ほど述べられた 12 月にできた新しい条令ですが、私も知っていました。これは
契約がなければ 2%というのは自動的に決まっており、発明者との間に契約があれば、
この報酬に関するだけではなく、さまざまな労働に対する法律の問題を避ける点で役
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に立ちますので、契約を作るのはとても大切だと思います。ここにいらっしゃるタカ
ハシさんは、その点についての専門家ですので、あとで詳しいことは是非聞いていた
だければと思います。
○司会
も う 尐 し 時 間 を と り た い と 思 い ま す 。 質 問 さ れ た い 方 が 大 勢 い ら っ し ゃ い ます
ので、お一人様ひとつに絞っていただいて、ご質問いただければと思います。
○竹本(サントリーホールディングズ)
本 日 は い ろ い ろ な 論 点 で ご 説 明 い た だ い て、
どうもありがとうございました。18 頁のジェネティックリソースについて 1 点ご質問し
た い と 思 い ま す 。 最 近 、 生 物 多 様 性 条 約 の 関 係 で ジ ェ ネ テ ィ ッ ク リ ソ ー ス に つ い て は大
き な 問 題 に な っ て い ま す 。 フ ァ イ ザ ー 社 な ど は 世 界 の ト ッ プ の 医 薬 品 メ ー カ ー な の で、
よ く ご 存 じ だ と 思 い ま す が 、 今 日 の ご 講 演 で ど こ ま で が ジ ェ ネ テ ィ ッ ク リ ソ ー ス の 定義
な の か と い う の は 非 常 に 難 し い と い う ご 指 摘 が あ っ た と 思 い ま す 。 私 も 非 常 に こ こ は難
し く て 、 私ど も の 会 社 も 天 然 物 を扱 っ て い る こ と か ら 、い ろ い ろ 悩 み が 深 い とこ ろ で す 。
い ま の と こ ろ 、 こ れ は ど う い う 方 向 で 対 応 し て い く の が い い と 思 っ て お ら れ る の か 、ア
ドバイスをいただければと思い発言させていただきました。
○Mr.Waldron
これはどちらかというと、特許とか、知的財産権の問題よりももっと
大きな問題となってくると思います。そういう点でまだまだ定義という面で、これか
らもっともっと明確になっていく必要があります。できるだけ契約書に詳しいことを
書くということで問題を避けることしか、いまのところは提案がありません。私たち
もこの法律に関する定義が定まらないので言えないのです。できる限り詳しく書くと
いうことが求められるのではないかと思われます。
1 つの大きな問題は、この条約の中ではできるだけ遺伝子資源をいろいろな方法で
利用することによって、ほかの人々に益を得てもらうというのが 1 つの目的だそうで
す。制限がありますので、その制限に対するリスクを避けるために、天然物の使用に
対しても制限が設けられることになると思います。
○司会
挙手をお願いします。……
(テープ交換)
○Mr.Waldron
○__
……ましたが、基本的には同じチーム、同じ弁護士を使っていました。
特 許 訴 訟 を す る に 当 た っ て 、 欧 米 の 企 業 が 中 国 の 事 務 所 を 使 う と き に 、 特 に選
択上、注意していることはありますか。
○Mr.Waldron
これは 2 つの点です。1 つは扱っている特許に関わる分野に詳しい専
門家であることが大事なことです。それだけではなく、実際に法廷で問題を扱うこと
ができる法律の点でも長けている人材、長けている事務所を使うことはとても大切な
ことだと思います。
- 39 Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.
これはちょっと言いにくい問題ですが、1 つはここで法律事務所を選ぶ際に、特定
の法廷、特定の政府の人物などとのコネがあることを売りにする法律事務所がありま
す。アメリカなどではそういうことはとても厳しく規制されていますので、あまり問
題はないのですが、そういう点で気をつけなければいけないと思います。
○司会
それでは、最後の 1 つにしたいと思います。ご質問はありますか。よろしけれ
ばこれで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
<帰任者ご挨拶>
○司会
そ れ で は 、 こ れ で 会 合 を 終 わ り に し ま す が 、 今 回 の 会 合 が 最 後 と い う こ と でご
帰 任 さ れ る 方 が い ら っ し ゃ い ま す の で 、 ご 挨 拶 を い た だ き た い と 思 い ま す 。 ま ず 、 長年
北京 IPG のグループ長をお務めいただいておりました、ソニーの内山様が今回最後とい
うことになります。ご挨拶いただきたいと思います。
○内山
ご紹介に与りました北京 IPG のグループ長を担当しております、ソニーチャイ
ナの内山です。早いもので今度の 3 月で丸 3 年を迎えます。実は次回 3 月の IPG はギリ
ギ リ 帰 任 直 前 と い う こ と で 、 残 念 な が ら 来 る こ と が で き な い た め 、 ち ょ っ と 早 い の です
が、今日を最後とさせていただきたいと思います。
私はパテントエンジニアとして、ずっと 20 数年特許業務に携わってきたのですが、中
国 に 来 て 初 め て 商 標 や 模 倣 対 策 関 係 の こ と を 担 当 す る よ う に な り ま し て 、 同 じ 知 的 財産
な の に 、 こ う も 取 り 扱 う 世 界 が 違 う も の か と 非 常 に 勉 強 に な り ま し た 。 そ ん な 若 輩 者だ
ったのですが、北京 IPG のグループ長を拝命させていただきまして、本当に身の引き締
まる思いでしたが、全うさせていただいたのも皆様のお蔭かと感じております。
戻 る 所 は 東 京 品 川 の 知 的 財 産 セ ン タ ー パ テ ン ト 部 で 、 ま た 発 明 特 許 に 関 わ る 業 務 を主
に 担 当 し て い く こ と に な る と 思 い ま す 。 特 許 を 担 当 す る に し て も 、 ア ジ ア 、 特 に 中 国に
ついての問題は、今後もどんどん出てくると思います。IPG に参加する機会に皆様とお知
り合いになれたのも、これが私の財産だと思っていますので、この IPG の活動の情報を
私 も 拠 り 所 に し て 、 情 報 を 集 め な が ら 必 要 に よ っ て は こ ち ら か ら も 何 か 情 報 を 提 供 でき
ればと感じております。
本当に至らない所が多々ございましたけれども、これをもちまして私の IPG グループ
長 の 最 後 と い う こ と で 、 ご 挨 拶 さ せ て い た だ き た い と 思 い ま す 。 皆 様 、 ど う も あ り がと
うございました。
○司会
それでは、もう一方、冒頭にもご報告いたしまし たとおり、上海 IPG の幹事を
務 め て い た だ い て お り ま し た 旭 化 成 の 今 村 様 が 、 本 日 で 最 後 と い う こ と で ご 挨 拶 い ただ
きたいと思います。
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○今村
旭化成の今村でございます。2 年ほど運営幹事を務めさせていただきましたが、
来 週 帰 国 す る こ と に な り ま し た 。 「 浜 の 真 砂 は 尽 く る と も 」 と い う 話 も あ り ま す が 、ま
す ま す 巧 妙 化 や 複 雑 化 が 進 ん で 、 ご 心 配 の 種 は ず っ と 増 え 続 け る の だ と 思 い ま す 。 官民
・ 地 域 を 超 え て 皆 様 の 連 携 を 深 め ら れ て 、 尐 し で も 成 果 が 得 ら れ ま す よ う に 期 待 を して
おります。どうもありがとうございました。
○司会
ありがとうございました。それでは、これをもちまして、第 44 回の上海 IPG 全
体 会 合 を 終 わ り に し た い と 思 い ま す 。 そ れ で は 、 本 日 は 若 干 時 間 が 延 び ま し た が 、 どう
もお疲れさまでございました。ありがとうございました。
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