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地球環境年報 2003

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地球環境年報 2003
地球を考える
エネルギーを考える
地球環境年報 2003
目次
会社概要
2
電力設備系統図
3
経営方針と環境方針「中部電力環境宣言21」
4
地球環境年報10年の歩み
6
2002年度の主な取り組み《持続可能な社会に向けて》
8
読者の皆さまへ
「地球環境年報」は、環境問題への取り組み全
事業活動と環境負荷
10
般に関する情報公開とコミュニケーションを目的
数値目標と実績
12
として、
1994年に第1号を発行し、
今回で第10号
環境会計と環境負荷指標
14
となります。
環境省発行の「環境報告書ガイドライン(2000
環境問題への取り組み
年度版)」や持続可能性報告書に関する国際的
指針1 資源の有効活用と環境負荷の低減に努めます。
CO2排出の抑制
18
CO2以外の温室効果ガス排出抑制
21
新エネルギーの普及
22
な組織GRI(Global Reporting Initiative)発
行の「持続可能性報告ガイドライン」などを参考
大気汚染、水質汚濁などの防止
23
にしながら作成しました。特に、持続可能な成長
景観・自然保護
25
にとって「環境」はもちろんのこと、
「経済」
「社
化学物質の厳正管理
27
環境リスクマネジメント
会性」も含めた3要素についてお知らせすること
29
オフィスの省資源、省エネルギー
32
研究開発
33
指針2 廃棄物の発生抑制・再使用・再生利用を図ります。
が必要と考え、掲載内容の充実を図りました。ま
た、
「経済」については、今回から「アニュアルレ
ポート」との連携を図りました。
発生量の低減と再資源化
35
適正処理の徹底
38
本年報の対象期間は主に2002年4月から2003
年3月までとし、当社を中心にグループ企業の取
指針3 社内外の評価を反映して環境管理レベルを向上させます。
環境施策の継続的な改善
40
り組みも対象としています。
従業員に対する環境教育
41
本年報を通じて、当社の環境保全への姿勢や
社外評価システムの充実
42
指針4 グループ企業・取引企業とともに環境問題に取り組みます。
その活動に対するご理解を深めていただければ
グループ企業との結束強化
43
幸いです。
取引企業との連携強化
45
なお、英語版については2003年9月発行予定
指針5 環境とエネルギーに関するコミュニケーションを深めます。
情報公開や対話ツールの充実
46
広報活動の展開
47
です。
次回発行は2004年6月を予定しています。
指針6 環境保全に向けお客さまをはじめ世界の人々とともに行動します。
効率的エネルギー利用の支援
48
地域と連携した環境対策
49
国際協力の拡大
52
社会へのかかわり
企業倫理
54
雇用・安全衛生・人材育成
55
地域や社会への貢献
58
社内外の評価
社外評価
環境懇話会
62
学生エコモニター
64
消費生活アドバイザー・消費生活コンサルタント
64
環境経営格付機構
65
エコプラザ環境意識アンケート
65
お客さまの声
66
これまでの地球環境年報は、ホームページでご覧いた
だけます。
マークの説明
2002年度に社外から表彰された取り組み、技術開
発を示しています。
参照・関連ページを示しています。
点検
従業員意識調査
67
事業場別環境報告書の発行
68
環境年表
69
索引
70
アンケート・グリーン電力基金申し込みはがき
消費生活アドバイザーによるチェック
詳細データなどを当社ホームページにおいて公開
するとともに、関係するリンクを示しています。
http://www.chuden.co.jp/nk-kankyo.html
地球とエネルギーの未来について
考えてみませんか
わが国では、
社会・経済のあらゆる分野で「改
地球環境との共生なくしては企業の持続的発
革」へ向けた動きが本格化しており、
電気事業も
展はありえません。当社は、
地球温暖化対策をは
新しい自由化制度への移行など大きな変革の
じめとした環境保全への取り組みを最も重要な経
真っ只中にあります。当社は、
こうした大きな変化
営課題の一つと位置づけ、
さまざまな活動を実施
を一つのチャンスと捉え、
公益事業に携わる者とし
してきました。
また、
その活動状況や成果の公開と
ての使命感を忘れず、
自立の精神をもって自らの
コミュニケーションを目的に、1994年以来毎年「地
変革に積極果敢に取り組んでおります。
球環境年報」
として取りまとめ、今回10冊目を迎
そして、
今年度から新しいコーポレートスローガン
えました。
これを節目として、環境保全対策のさら
「Along the New Way」
を導入しました。新スロー
なるレベル向上を目指した取り組みを行ってまいり
ガンには、
「お客さまの声やニーズにお応えするた
ます。
めに、
新しい道を切り拓き、
お客さまのお役に立っ
本報告書が、
当社の環境保全に対する取り組
ていく」
という意味がこめられており、
ロゴデザイン
みを広く皆さまにご理解いただくとともに、
皆さまか
のグリーンの字体は環境との共生をイメージしてい
ら忌憚のないご意見ご要望をいただく懸橋となる
ます。
また、
本年7月には事業環境の変化への対
ことを念じております。
応として大幅な組織改定を行い、
競争に勝ち抜く
2003年6月
「強い」企業を目指して、
何よりもお客さまの目線に
立ったきめ細かなサービスの提供に全力を注いで
まいります。
昨年9月、
浜岡原子力発電所がトラブル対策や
定期点検などのために、
初めて全号機運転停止し
ました。その結果、2002 年度のCO2排出量が
1990年度以降最も多くなりました。今後、
皆さまの
信頼回復に努めて同原子力発電所を安全に運
転するとともに、
火力総合熱効率の維持向上を図
るなど、
CO2排出量の削減に取り組んでいきます。
取締役社長
1
会社概要(2003年3月末時点)
中部電力株式会社(CHUBU ELECTRIC POWER CO.,INC.)
設備投資額
〒461-8680 名古屋市東区東新町 1 番地
98
TEL(052)
951-8211
(代表)
99
取締役会長 太田宏次
2000
取締役社長 川口文夫
01
設立 1951年5月1日
ホームページアドレス
02
http://www.chuden.co.jp
目標
03∼
04年度平均
会社概要
0
資本金
3,
745億円
総資産
5兆9,
775億円
有利子負債
3兆9,
960億円
電灯
8,
648千口
電力
1,
533千口
合計
10,
181千口
販売電力量
1,
230億kWh
設備投資額
2,
678億円
総売上高(単独)
2兆850億円
同上 (連結)
2兆1,
760億円
経常利益(単独)
1,
606億円
同上 (連結)
1,
710億円
1.7%
総資産利益率(ROA)
20.1%
株主資本比率
水力 原子力 2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000億円
今後の設備投資規模の目標
●年平均2,
500億円以下とする。
(2003年度∼2004年度の2カ年平均)
経常利益と総資産利益率(ROA)※
契約口数
発電設備 火力
1,000
2,
390.1万kW(12カ所)
521.6万kW(180カ所)
361.7万kW(1カ所)
12,183km
送電設備(送電線路亘長)
0.0
従業員数
0.4
0.6
総資産利益率(ROA)
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
経常利益
98
1.8%
ROA
99
2000
01
02
目標
01∼
03年度平均
0
200
400
600
800
1,000 1,200 1,400
経常利益
1,600 1,800 2,000
億円
企業価値の向上にむけた目標
●売上高 ……………………………2兆円以上(2001年度∼2003年度の3ヵ年平均)
●経常利益 ……………………1,
500億円以上(2001年度∼2003年度の3ヵ年平均)
●総資産利益率(ROA)……………1.
5%以上(2001年度∼2003年度の3ヵ年平均)
※:ROA=当期利益÷期首期末平均総資産
有利子負債残高と株主資本比率※
0
202千kVA
変電設備(変電所数および出力)933カ所 120,
配電設備(配電線延長)
0.2
530,
139km
98
17,
994人
99
株主資本比率
10
15
5
20
25%
有利子負債残高
株主資本比率
2000
主な事業内容
01
電気事業およびその附帯事業
02
2004年度目標
(新規事業)
04年度
ガス供給事業、蓄熱受託事業
0
海外コンサルティング・投資事業
20,000
30,000
有利子負債残高
40,000
50,000
60,000
億円
財務体質の改善に資する目標
●有利子負債残高 …………………………………3.6兆円以下(2004年度末までに)
光ファイバー心線貸し事業
高齢者介護事業
医療廃棄物処理装置の製造販売事業 など
※:株主資本比率=株主資本÷総資本
持分法適用関連会社(20社)
連結子会社(31社)
永楽運輸株式会社
中電ビル株式会社
愛知金属工業株式会社
名古屋熱供給株式会社
株式会社永楽開発
中電防災株式会社
愛知電機株式会社
株式会社はまおかケーブルテレビ
永楽自動車株式会社
株式会社中部グリーナリ
株式会社エスエナジーサービス
浜松熱供給株式会社
株式会社エル・エヌ・ジー中部
中部住宅保証株式会社
霞桟橋管理株式会社
北陸エルネス株式会社
大井川運送倉庫株式会社
中部精機株式会社
日本マレニット株式会社
知多エル・エヌ・ジー株式会社
中部テレコミュニケーション株式会社
上越共同火力発電株式会社
株式会社コムリス
株式会社中部プラントサービス
新日本ヘリコプター株式会社
株式会社シーエナジー
中部冷熱株式会社
株式会社武豊ニューテレビ
株式会社シーテック
株式会社テクノ中部
知多桟橋管理株式会社
株式会社シーティーアイ
東邦産業株式会社
中部液酸株式会社
中電ウイング株式会社
株式会社ニッタイ
中部ケーブルネットワーク株式会社
中電キャピタル株式会社
ネットワーク・サポート・サービス株式会社
中部国際空港エネルギー供給株式会社
中電興業株式会社
株式会社リブネット
知多炭酸株式会社
中電コンピューターサービス株式会社 Chubu Electric Power Company
International B.V.
中電静岡工営株式会社
中電長野工営株式会社
2
10,000
Chubu Electric Power (Thailand)
Co.,Ltd
株式会社トーエネック
東海コンクリート工業株式会社
東邦石油株式会社
電力設備系統図(2003年3月末時点)
新北信
北陸
東信
南福光連系所
東京
北松本
佐久
新信濃
(東京)
信濃
中信
越美幹線
高根第一
信濃幹線
馬瀬川第一
奥美濃
馬瀬川第二
横山
岐阜
三岐幹線
愛岐幹線
岐北
南信
東部幹線
北部
新上麻生
西部幹線
南信幹線
中濃
関
西濃
泰阜
犬山
三重東近江線
豊根幹線
名城
関西
三重
西部
海部
西尾張
西名古屋
川越
電源
名古屋
南武平町
愛知
奥矢作第二
三好
東浦
東栄
東豊田
大井川
新三河幹線
知多
額田
新鈴鹿
東京
佐久間
(電源開発)
川根
東栄幹線
知多第二
奥泉
豊根
奥矢作第一
東部
東海
四日市
井川
北豊田
東名古屋
畑薙第二
平岡
松ヶ枝 梅森
下広井
新名古屋 金山
西名古屋
畑薙第一
矢作第一
瀬戸
新三河
駿河
新清水
安部
静岡幹線
駿遠幹線
川口
碧南
幸田
武豊
三河
遠江
駿遠
浜岡幹線
変電所(275kV系以上)
中勢
湖西
田原
開閉所(275kV系以上)
新佐倉
渥美
浜岡
火力発電所(内燃機関含む)
南勢
神島
水力発電所(5万kW以上)
伊勢
原子力発電所
500kV送電線
275kV送電線
尾鷲三田
最大電力と販売電力量
電源設備構成
億kWh
万kW
実績
1,800
予測
最大電力
3,000
19%
19%
1,600
2,500
販 1,400
売
電
力
量 1,200
3,000
19%
販売電力量
最
大
2,000 電
力
1,500
94
96
98
2000
02
04
06 07
12年度
14%
0
8%
7%
石油など
10%
13%
7%
水力
石油など
6%
35%
LNG
17%
石炭
29%
32%
原子力
07
12年度
1,000
15%
39%
10%
8%
16%
40%
48%
13%
1,000
9%
水力
19%
38%
37%
43%
LNG
500
1,000
800
92
20%
2,000
37%
1,000
90
発電電力量構成
億kWh
1,500
万kW
4,000
13%
12%
12%
15%
2002
03
07
12%
石炭
18%
原子力
12年度
15%
25%
0
12%
2002
21%
18%
03
3
経営方針と環境方針「中部電力環境宣言21」
当社は、
1966年以来、
「経営基本方針」を定め、基本的な経
地球環境対策の推進体制
環境方針「中部電力環境宣言21」
当社は、地球環境問題へ積極的に対応するため、
1990年4月
営姿勢を社内外に示してきました。
1990年代中頃からの電力自
に立地環境本部長を委員長、
各部門の長を委員とした「地球環
由化への議論や地球環境問題など電気事業を巡る経営環境へ
境対策推進会議」を設置し、地球環境対策に関する基本方針
の変化に対応するため、
1993年に環境方針「地球環境6題−自
や行動目標、
具体的な施策の審議・調整などを実施しています。
律と協調」を、
1996年に新たな「経営基本方針」を制定しまし
また、
環境管理レベルの向上を目指して、
1993年に当社の環
た。
2000年には、
21世紀に向けてより具体的で実効性の高い環
境施策全般について社外有識者の方から社長がご意見を承る
境保全への取り組みを目的に、
「地球環境6題」の理念を継承・
「中部電力環境懇話会」を設置し、
いただいたご意見を環境施
発展させた新環境方針「中部電力環境宣言21」を取りまとめま
した。
なお、
これらの具体的な経営課題への取り組み状況などにつ
理念
私たちはエネルギー産業に携わるものとして
自らを律して行動するとともに
地域や世界と連携しながら
地球環境の保全に努めます。
いては、
「地球環境年報」や「経営の目指すもの」として取りまと
め公表しています。
指針1 資源の有効活用と
環境負荷の低減に努めます。
経営基本方針(1996年1月制定)
策に反映しています。
行動目標21項目
1
990年 「地球環境対策推進会議」を設置
環境方針を実現するための具体的な行動目標
1
993年 環境方針「地球環境6題」を制定
指針1
2.企業市民としての活動を通じた地域から地球への共生の拡大
・・・・・・地球社会の中で
さまざまな資源を消費し環境への負荷をもたらすため、
資源の有効
活用と環境負荷の低減に努めることが大切であると考えます。
(4)大気汚染、水質汚濁、騒音、振動などの防止
争力のさらなる強化を目指し、次の5つの課題に取り組んでまい
ります。
1.お客さまにご満足いただける販売活動の展開
2005年度までに自由化開始直前と比較して2割のコスト削減
3.企業体力の増強と経営資源の戦略的な活用
配当水準の維持、有利子負債の削減
新規事業への投資や総合エネルギー事業の拡大を視野に入れた適
時適切な経営資源の投入など
4.市場競争力ある企業グループへの変革
グループ各社の役割・位置付けの明確化、戦略的かつ効率的な企業
グループの構築
5.頑健な企業基盤の確立と品質・危機管理の徹底
創意と工夫を発揮する自律的な業務運営の実現
地域の皆さまとの信頼関係の一層の向上、事業運営に対する危機管
理の徹底、
さらには地球環境問題への取り組みなど社会との共生を常
に念頭に、企業市民として積極的に行動
4
2
000年 環境方針「中部電力環境宣言 21」を制定
(8)当社オフィスにおける省資源、省エネルギー活動の推進
廃棄物の発生抑制・再使用・再生利用を図り、循環型社会構築へ
の動きに対応することが大切であると考えます。
(9)地球環境保全のための研究開発の推進
(10)廃棄物発生量の低減と再資源化
指針2 (11)廃棄物の適正処理の徹底
環境管理レベルを向上させます。
当社に対する社内外の評価を真摯に受け止め、
数値目標管理を主
としたPDCAサイクルに基づく環境施策の継続的な改善をしてい
くことが大切であると考えます。
(12)
PDCAサイクルに基づく環境施策の継続的な改善
指針3 (13)従業員に対する環境教育の充実と意識の高揚
地球環境対策推進会議であいさつする伊藤常務取締役
(推進会議委員長・写真右端)
(14)中部電力環境懇話会など社外評価システムの充実
ご意見
中部電力環境懇話会
社 長
指針4 グループ企業・取引企業とともに
指針4
(15)環境対策面におけるグループ企業との結束強化
点検・報告
(16)環境対策面における取引企業との連携強化
考査部
環境問題に取り組みます。
(17)環境に関する情報公開や対話ツールの充実
企業が持続的発展を続けるためには、取引企業やグループ企業と
の連携が大切であると考えます。
多様化するお客さまニーズに的確にお応えできる優れた総合エネル ギーサービスの提供
2.聖域なきコストダウンの推進
環境方針と行動目標策定を義務づけ
(7)環境リスクマネジメント体制の強化
発生抑制・再使用・再生利用を図ります。
指針3 社内外の評価を反映して
効率化をはじめとする経営努力を一層徹底するとともに、競
1
998年 社内規程「環境管理規程」を制定、全事業場に
(6)化学物質の厳正管理と使用量の低減
指針2 廃棄物の
・・・・・・いきいきと明日に
お客さまニーズに的確にお応えする
強い“総合エネルギー企業”に向けて
1
994年 環境報告書「地球環境年報」を発行
(5)自然との共生に配慮した活動の展開
3.自己責任原則の徹底による新たな活力の創出
2003年度「経営の目指すもの」
(2)
CO2以外の温室効果ガス排出抑制対策の推進
(3)新エネルギーの普及に向けた取り組み
1. 事業の原点を見据えお客さまと共に進める未来の創造
・・・・・・お客さまと未来を
(1)原子力発電の推進などによるCO2排出の抑制
指針5 (18)環境をテーマにした広報活動の展開
基本方針
地球環境対策推進会議
行動目標
の策定
(19)お客さまへの効率的エネルギー利用の支援
指針5 環境とエネルギーに関する
コミュニケーションを深めます。
指針6 (20)地域と連携した環境対策の実施
(21)海外への環境技術支援など国際協力の拡大
環境部
環境とエネルギーは、当社の企業活動にとって密接に関係してお
り、
全ての関係者から信頼・評価を獲得することが大切であると考え
ます。
世界の人々とともに行動します。
身近な問題から地球規模の問題に対して、
当社を取り巻く全ての
関係者との連携を図ることが大切であると考えます。
技術開発本部
浜岡原子力
総合事務所
総括部署
計画
数値目標21項目
指針6 環境保全に向けお客さまをはじめ
各本部・各部
P12
実行
教育
行動目標の達成度合いを評価するための数値目標
支店
営業所
電力センター
火力センター
火力発電所
LNGセンター
原子力発電所
2003年3月末時点
5
地球環境年報10年の歩み
1951年の創立以来、高度経済成長期に発生した大気汚染や
球環境6題−自律と協調」を制定し、多様化する環境問題へ
社内体制の整備を図ってきました。
水質汚濁など典型7公害問題の解決に向けて取り組むとともに、
の取り組みを強化しました。翌年には、当社初の環境報告書
この度、
地球環境年報を発行して10年が経ちました。
この10年
地域環境と調和した電源開発の推進を行ってきました。
「1994年版地球環境年報」を発行し、以来毎年、環境問題への
をひとつのピリオドとして、
10年間に取り組んできたさまざまな環
その後、
1980年代後半にクローズアップされ始めた地球温暖
幅広い取り組み内容の開示と環境コミュニケーションに努めると
境施策を省み、
新たなる決意で次のステップへの変革を目指して
化などの地球環境問題に対応するため、
1993年に環境方針「地
ともに、環境マネジメントシステムの導入や環境教育の充実など
さらなる活動を推進していきます。
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2002
環境レポート大賞
優秀賞受賞
グリーンレポーティング
アワード優良賞受賞
第1回
地球環境年報を発行
2001
環境方針「地球環境6題ー自律と協調」を制定
2003
2004
第10回
地球環境年報を発行
環境方針「中部電力環境宣言21」を制定
社内規程「環境管理規
程」を制定
全事業場に環境方針と
行動目標策定を義務づけ
地球環境対策推進会議(1990年設置)
松阪電力センター
環境報告書を発行
学生エコモニター制度を導入
地球環境年報の説明会を実施
EMSを導入(緑営業所)
ISO14001の認証取得
(7事業場)
中部電力グリーン調達を導入
四日市火力発電所
環境報告書を発行
将来に向けた
環境ビジョンの策定
EMS 社内認証制度を導入
(四日市営業所)
中部電力環境懇話会を設置
中部電力グループ
環境対策会議を設置
環境教育に
eラーニングを導入
環境教育トレーナー制度を導入
中部グリーン電力基金を設立
風力発電装置
(へきなんたんトピア)
6
太陽光発電からの
電力購入本格化
タイサウスバンコク発電所の
発電効率の改善事業
炭鉱跡地の植林研究
(オーストラリア)
中部リサイクル運動市民の会様
と協働で環境教室を開催
環境パートナーシップCLUBを
地域企業と設立
MCFC 形燃料電池の実証試験
コンプライアンス推進会議を設置
7
2002年度の主な取り組み《持続可能な社会に向けて》
経済・環境・社会に対して、バランスよく取り組むことが、社会
やその一員である企業の持続可能な発展に向け重要であると考
えています。今年で10年目を迎える地球環境年報も、
環境から経
企業価値の向上
済・社会へと報告する対象を広げ、持続可能性報告書として幅
お客さまへのサービス向上はもとより、株主・投資家の皆さまに
広いステークホルダーへの情報発信・コミュニケーションツールを
とっても魅力ある企業を目指して、
企業価値の向上に努めています。
2002年12月に、川口社長を議長とした「コンプライアンス推
目指していきます。
近年、徹底したコストダウンの推進や営業力の強化、業務効率
進会議」を設置するとともに、各部門・事業場・部署での自律的
化への最大限の努力により、経常利益および総資産利益率
な活動を展開するため、全社的なコンプライアンス推進体制を構
コンプライアンス
(ROA)は、着実な向上を示しています。
築しました。
2003年3月には社長が「中部電力コンプライアンス
経常利益と総資産利益率(ROA)
宣言」を行い、社員一丸となってコンプライアンスを確立すること
%
1.8
億円
2,000
1.6
1,800
P54
1,400
1.2
1,200
経常利益
1.0
1,000
0.8
経
常
利
益
800
0.6
学校教育への支援
600
0.4
400
0.2
2002年度から小中学校に「総合的な学習の時間」が導入され、
200
0.0
CO 2 排出量
を誓いました。
1,600
ROA
1.4
総
資
産
利
益
率
︵
R
O
A
︶
(法令、社内ルールおよび企業倫理の遵守)
学校と企業の連携が生まれています。当社ではPR展示施設を活
0
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99 2000 01 02年度
用いただくなど、
「エネルギー・環境学習」を中心に学校教育への
2002年度のCO2排出量は6,
268万t、
使用電力量当たりのCO2
さまざまな支援活動を行っています。
また、
補助教材として発電の仕
排出量は0.509kg-CO2/kWhとなり、
2001年度に比べて968万t、
組みやエネルギーについて解説した3種類の下敷きを制作し、
学校
「中部電力コンプライアンス宣言」を行う川口社長
0.07kg-CO2/kWh増加しました。火力総合熱効率は41.66%と
の授業にお役立ていただいています。
P58
10電力会社のなかでトップレベルを維持しましたが、
浜岡原子力発
電所の運転停止の影響により、原子力発電電力量が107億kWh
(2001年度実績の48%)
と大きく減少したことによるものです。
P19
使用電力量当たりのCO2 排出量
0.6
kg-CO2/kWh
使
用
電
力
量
当
た
り
2
CO
排
出
量
0.509
0.5
0.464
目標:
0.410
0.4
使用電力量当たりCO2排出量
0.3
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99 2000 01 02年度
05
リサイクル
技術開発
2002年度は、碧南火力発電所5号機の運転開始に伴い石炭
「環境保全」を「経営基盤の強化」
「総合的なエネルギー供
灰の排出量が増加したものの、
リサイクルを進めた結果、石炭灰
給」と並ぶ主要な技術開発分野に設定し、
精力的に取り組んでい
のリサイクル率は昨年度より7ポイント高い81.2%を達成できま
ます。
2002年度は、温室効果ガス、
オゾン層破壊物質の排出抑制
した。
また、全産業廃棄物の最終処分量も22.7万tとなり、
2005
をはじめとした地球環境保全のための技術開発、
廃棄物の排出抑
年度の最終処分量の目標18万t達成に向け取り組みを進めて
制やリサイクルなどの資源循環型システム構築に向けた技術開発
いきます。
を行いました。
石炭灰をリサイクルしたインターロッキングブロックを通路に使用
(「へきなんたんトピア」ヒーリングガーデン)
8
P35
P33
新名古屋火力発電所に300kW 級溶融炭酸塩形燃料電池を設置
9
事業活動と環境負荷
安定的かつ低廉な電気の供給に努めるとともに、地球環境の
環境保全
保全にも十分に配慮した企業活動を展開しています。つまり、
経済
成長(Economic Growth)、
エネルギーセキュリティ
(Energy
Security)、環境保全(Environmental Conservation)
とい
う「3つのE」の同時達成を目指しています。
当社は事業の性格上、
多くの資源を消費しています。
そのため、
これまで環境保全対策を自らの責務として、環境負荷を低減する
エネルギー
セキュリティ
経済成長
さまざまな取り組みを推進してきました。
さらに、
お客さまに電気をお
当社所有の内ヶ谷山林(岐阜県大和町)
川越火力発電所の温排水を利用した温水プール
届けするまでのトータルの物質収支を定量的に把握することを通
温水プールに一部利用
じて、環境負荷の低減に取り組んでいます。
他社からの購入電力量
揚水動力用電力量
自社消費・送配電損失
販売電力量
171億kWh
12億kWh
113億kWh
販売電力量1,
230億kWh
大気排出・排水など
6,
268万t
CO2
うち、新エネルギーの購入
車両燃料使用によるCO2排出量
◎太陽光発電 3,
192万kWh SOx
◎風力発電 1,
083万kWh NOx
0.
9万t
◎廃棄物発電 21,
948万kWh など
排水
419万t
排熱
577PJ※
1万t
0.
5万t
その他(ばいじんなど)
試算値
所有緑地の保全によるCO2吸収量
自社発電所(火力・原子力・水力)
における発電電力量
1,
184億kWh
1万t
※:1PJ(ペタジュール)=1.0×1015J(ジュール)
◎水力発電 79億kWh
◎火力発電 998億kWh
INPUT
◎原子力発電 107億kWh
OUTPUT
石炭灰 97.9万t ……セメント原料や建材ボードなどにリサイクル 81.2%
石こう
発電用燃料
水
石炭
8,
946千t
126万t
石灰(生石灰、炭酸カルシウム)156千t 火力(工業用水) 1,
重油
770千k
アンモニア
原油
1,
092千k
ナフサ
20千k
LNG
9,
646千t
原子燃料
21千t 原子力(工業用水) 33万t
車両用燃料
0.4万t ……セメントなどにリサイクル
汚泥
2.2万t
100%
放射性固体廃棄物 1,
460本(ドラム缶相当)
4,
541k
産業廃棄物・副生物など
その他(苛性ソーダなど)
17千k
軽油
LPG
10
資材
29.1万t ……セメント原料や石こうボードなどにリサイクル 100%
重原油灰
91千t
1,
295kg-U235 園芸用培養土
「花めぐり」
石炭灰をリサイクルした土木・建築資材
左から吸音材、外壁材、人工砕石
11
数値目標と実績
当社は事業活動を進める上で、地球温暖化などグローバルな
います。
問題から身近な廃棄物処理に至るまで、環境に対してさまざまな
数値目標21項目のうち、
2002年度実績において15項目が目標
影響を与えています。
これらの影響を定量的に評価するとともに、
を達成しましたが、今後もさらなるレベル向上を目指して、環境対
中期的な目標値を設定することにより、環境対策の継続的改善
策を推進します。
また、
目標を達成できなかった6項目についても、
に取り組んでいます。
継続的に環境対策を行うことにより、
2005年度までに達成を目指
目標値はおよそ5年ごとにその達成状況などから見直しており、
します。
現在は2005年度の目標を達成すべく、総力をあげて取り組んで
(2000年12月見直し)
項 目
項目の解説
単位
実績
2005年度目標
2000年度 2001年度 2002年度
評価
掲載
ページ
地球温暖化防止対策
CO2 排出量(二酸化炭素換算)
(使用電力量当たり)
既設水力改修による出力増加
kg-CO2/kWh
kW
お客さまが使用される電気 1kWh 当たりのCO2 排出量
0.
403
0.
439
0.
509
0.
410kg-CO2/kWh
発電中にCO2を排出しない水力エネルギーをできる限り多く利用
3,
710
4,
310
6,
570
3,
810kW
41.
82
41.
85
41.
66
41%以上
82.
9
79.
7
69.
8
80%程度
4.
6
4.
5
4.
95
現状程度(5%)
を維持
95.
9
98.
1
99.
0
97%
22,
191
22,
650
26,
223
積極的に購入
1.
5減
0.
4減
3.
6減
98年度比3%減
0.
1減
5.
3減
0.
1減
98年度比3%減
199,
500
222,
000
0.
04
0.
03
火力総合熱効率(発電端)
%
石炭、石油などの燃焼によりCO2を排出する火力発電所の効率向上
原子力発電所の設備利用率(5カ年平均値)
%
発電中にCO2を排出しない原子力発電の稼働率向上
送配電損失率
%
電気を送る際の無駄(ロス)
を低減
%
CO2の23,900倍の温室効果を持つSF6(6フッ化硫黄:電気設備の絶縁に利用)の回収率向上
点検時におけるSF6 の回収率向上※ 1
新エネルギーからの電力購入
万kWh
オフィス電力使用量削減※2
(1998年度比)
%
オフィス水使用量削減※3
(1998年度比)
%
苗木の社外配布(1985∼2005年度)
本
お客さま所有の太陽光や風力など発電設備から電力を購入
ただし、お客さまの設備につき、数値目標は設定していません
オフィスの電力、水使用量削減
地域緑化
000本
238,
000 累計 280,
浜岡原子力発電所の全号機停止により、
1990年以降最も悪い数値となりました。
水力の有効利用を精力的に進めた結果、目標値を大きく上回りました。
比較的低効率の火力発電所を運転しましたが、適切な設備の運用方法により最小限の
低下に留め、
10電力会社のなかでトップレベルを維持しました。
P19
浜岡原子力発電所の全号機停止により、大きく低下しました。
効率的な送電設備の運用により、高い水準を維持できました。
回収装置の導入と管理技術の向上により、
さらに回収率を高めることができました。
新エネルギーからの電力購入は、順調に増加しています。
各事業所で環境マネジメントシステムの取り組みが進んだことにより、
3年前倒しで目標
を達成できました。
発電所の緑地帯への散水量が増加したため、使用量が増えました。
16,
000本の苗木を配布し、
目標に向け順調に推移しています。
P20
P20
P20
P20
P21
P22
P32
P32
P49
発電所の環境保全対策
SOx排出量(二酸化硫黄換算)
(当社発電電力量当たり)
g/kWh
1kWh 当たりのSOx(硫黄酸化物)やNOx(窒素酸化物)排出量低減
NOx排出量(二酸化窒素換算)
(当社発電電力量当たり)
浜岡原子力発電所周辺の線量評価値※4
mSv/年
0.
001mSv/年は、
自然界から受ける放射線量の2,
400分の1以下
0.
07
0.
08
P23
0.
10g/kWh 以下
001mSv未満 /年を維持
001未満 0.
001未満 0.
0.
001未満 0.
廃棄物とリサイクル
産業廃棄物の最終処分量※5
P23
0.
06g/kWh 以下
大気汚染物質は引き続き世界で最も優れた水準を達成しています。
0.
08
g/kWh
0.
04
放射性物質の放出の適正な管理により、
目標を達成しています。 P29
万t
石炭灰のリサイクル率※6
石こうのリサイクル率※6
%
重原油灰のリサイクル率※6
%
廃棄物の最終処分量
%
リサイクル率の向上
13.
2
24.
9
22.
7
18万 t
85.
4
74.
1
81.
2
80%以上
100
100
100
100%
100
100
100
100%
P35
P35
碧南火力発電所4・5号機の増設に伴い、産業廃棄物の約70%を占める石炭灰は増加
しましたが、石炭灰の有効利用を進めたことにより、石炭灰のリサイクル率の向上が図
れ、産業廃棄物の最終処分量も減らすことができました。
金属くずは、錆などの影響から全量リサイクルを達成できませんでした。
P35
P35
金属くずのリサイクル率※6
%
95.
4
97.
4
96.
8
100%
P35
コンクリート柱のリサイクル率※6
%
100
100
100
100%
P35
古紙回収率
%
85
89
90
80%以上
紙ごみリサイクルが順調に進んだことにより、
目標を達成しています。
P32
再生紙使用率
%
95
97
99
90%程度を維持
前年よりさらに2ポイント上昇しました。
P32
:SF6ガス回収率の実績・目標は年単位
※1
※2
:本店、本店管轄事業場、支店・社、営業所、火力センター、電力センター(構内の照明施設などを含む)
を対象
※3:本店、本店管轄事業場、支店・社、営業所、火力センター、電力センター、火力発電所(構内の緑化施設などを含む)
を対象
目標達成項目
※4
:発電所から放出された放射性気体、液体廃棄物の量をもとに原子力安全委員会が定めた方法により計算
※5
:
2010年度の最終処分量を1990年レベルに抑制するための指標
※6
:リサイクル率=リサイクル業者へ搬出した量/排出量
12
13
環境会計と環境評価指標
環境会計
経営効率化と環境保全という公益課題の両立を図るとともに、
2001年度と比較すると、投資額は180億円の減少、費用額は
環境保全への取り組み姿勢や具体的活動内容を理解していた
83億円の増加となっています。投資額の減少は主に2002年11月
だくためのツールとして環境会計の充実を図っています。
の碧南火力発電所増設工事完了により「公害防止」に関する投
資額が減少したためです。
集計にあたっての前提条件
費用額の増加は主に、碧南火力発電所の営業運転開始によ
●準拠したガイドライン
る「公害防止」に関連した減価償却費の増加および、石炭灰発
環境省の「環境会計ガイドライン2002年度版」を参考に、分
生量の増加などによる産業廃棄物対策費用の増加によるもので
類方法、
算定基準など、
当社独自の考え方を取り入れています。
す。
●対象期間
事業年度と同じ2002年4月1日∼2003年3月31日です。
●集計範囲
当社全事業場です。
(133事業場)
環境保全コストの算定基準
環境負荷の発生防止、抑制または回避、影響の除去、発生し
環境保全コストの2001年度実績との比較
投資額(億円)
分類
02年度
エネルギー供給 地球環境保全
た被害の回復またはこれらに資する取り組みのための投資額お
増減額
01年度比
費用額(億円)
増減額
02年度 01年度比
15
−8
85
0
公害防止
165
−144
793
70
資源循環
26
6
172
14
よび費用額を対象としています。
環境負荷の少ない製品の購入
2
−2
2
0
●設備投資額のうち、環境保全を目的とした支出額を投資額と
管理活動
0
0
22
0
研究開発
0
0
79
0
社会活動
227
−32
619
−1
0
0
10
0
1,
782
83
して計上しています。
●減価償却費、設備リース費、維持運営費などの投資に伴う費
用については、
設備の種類別に耐用年数などを用いた比率を
用いて集計し、費用額として計上しています。
※複合コストの算定基準
支出のすべてが環境保全目的でないコストを複合コストとし、
この集計にあたっては、差額集計、
合理的基準による按分集計、簡易な基準による按分集計を用いています。
環境損傷対応
−180
436
合計
※
:
億円未満四捨五入のため合計値が合わないこ
とがあり
ます。
●環境保全効果
環境保全効果の算定基準
地球環境保全に関し、浜岡原子力発電所の運転停止の影響
数値目標をはじめとした環境負荷の抑制・回避、
環境の改善を
により、CO2排出量が増加しました。資源循環については、碧南
明らかにする指標で、環境保全コストと対応関係のあるものを対
火力発電所の営業運転開始に伴い石炭灰などの産業廃棄物発
象としています。
生量は増加したものの、
リサイクル率を向上させることができまし
た。社会活動に関しては、
都市部などにおける計画的な電線の地
環境保全対策に伴う経済効果の算定基準
中化工事によって、電線類地中化整備延長累計が増加しまし
石こうなどのリサイクルによって得られた収益と環境保全対策
た。
により発生したと想定される費用の増減を対象としています。
●環境保全対策に伴う経済効果
2002年度の集計結果
地球環境保全では、火力総合熱効率0.19%の低下に伴う燃
●環境保全コスト
料費の増加による費用負担を試算した結果は、17億円になりま
環境保全のための投資額は436億円、費用額は1,
782億円
した。資源循環では、
変圧器などの再使用による費用削減および
で、
それぞれ設備投資額および営業費用額全体に占める割合
石こうや石炭灰などのリサイクル売却代を合わせると66 億円に
は、
16.3%、
10.0%となっています。
なりました。
内訳を見ると、投資額では、
景観保護、都市空間確保からなる
「社会活動」が227億円で52.0%、
次いで、
地球環境保全、公害
防止、
資源循環からなる「エネルギー供給」が206億円で47.4%
となっています。
また費用額では、
「エネルギー供給」が1,
050億
円で58.9%を占め、次いで「社会活動」が619億円で34.7%と
なっています。
14
環境保全コスト ●集計範囲:当社全事業場●対象期間:2002年4月1日∼2003年3月31日
分類
エネルギー供給
地球温暖化防止
公害防止
空調設備からのフロン回収
大気汚染防止
排煙処理、低硫黄燃料の使用
水質汚濁防止
発電所における排水処理・温排水対策、工事排水処理
23
85
85
0
0
(0.04)
(0.12)
236
128
367
453
38
20
77
79
16
199
193
4
4
送電設備などによる電波障害の防止・解消
1
(0.94)
76
64
営業所などへの節水型設備・機器の導入
0
(0.06)
(0.04)
(0.04)
減量化・リサイクル
6
6
39
51
処理・処分
2
2
73
77
減量化・リサイクル
0
0
(0.64)
2
処理・処分
0
0
4
5
電波障害対策
省資源
産業廃棄物対策
12
18
42
37
電気自動車・低公害車の導入、
リサイクル製品などの購入
4
2
2
2
組織対策
環境保全対策組織の人件費、環境教育・研修
0
0
5
5
認証取得・維持
ISO14001・社内認証の取得・維持
0
0
(0.74)
(0.54)
環境負荷の測定・監視
環境アセスメント、環境負荷物質の監視・測定
放射性物質対策
研究開発
国際協力
社会活動
02年度
(0.21)
土壌への漏油防止対策
環境負荷の少ない製品などの購入
管理活動
01年度
15
33
発電・変電・送電などに伴う騒音対策、工事騒音対策
土壌・地下水汚染防止
一般廃棄物対策
02年度
(0.72)
騒音・振動防止
01年度
世界銀行の炭素基金への出資、火力総合熱効率の向上、新エ
ネルギーの利用、エネルギー高効率機器の普及促進
オゾン層保護
資源循環
費用額
投資額
主な項目
地球環境保全
(単位:億円)
放射性廃棄物の処理・管理
(0.89)
(0.40)
16
17
CO2吸収・固定、高効率電力供給システムなどに
関する研究開発、環境関係研究機関などへの分担金
0
0
79
79
海外技術支援、研修
0
0
(0.03)
(0.02)
226
206
606
598
33
20
11
17
0
0
2
3
景観保護、都市空間確保
電力供給設備のコンパクト化と配置・形状・色などの配慮
緑化、
自然保護
発電所などにおける緑化、河川流量の維持
環境情報の公表、
コミュニケーション、寄付
地球環境年報作成、地域環境活動の実施、環境関連の寄付
環境損傷対応
0
0
10
10
616
436
1,
699
1,
782
設備投資額全体額に占める割合
17.8%
16.3%
―
―
電気事業営業費用に占める割合
―
―
9.3%
10.0%
公害健康被害補償制度による汚染負荷量賦課金
合計※
※:億円未満四捨五入のため合計値が合わないことがあります。また1 億円未満の投資額・費用額については、
( )で示しました。
環境保全効果
分類
公害防止
資源循環
参照
P19
0.439kg-CO2/kWh
0.509kg-CO2/kWh 総排出量6,
268万t
新エネからの電力購入量
22,
650万kWh
26,
223万kWh
累計173,
295万kWh(90∼) P22
(点検時)
SF6回収率※1
98.1%
99.0%
総回収量6.4t
P21
SOx排出量(発電電力量当たり)
0.03g/kWh
0.04g/kWh
総排出量5,
250t
P23
NOx排出量(発電電力量当たり)
0.07g/kWh
0.08g/kWh
総排出量9,
466t
P23
産業廃棄物対策
リサイクル率
79.3%
83.2%
総リサイクル量118万t
P35
一般廃棄物対策
古紙回収率
89.0%
90.0%
総回収量1,
686t
P32
CO2排出削減総量※2
1.0万t
−
累計6.2万t
P52
−
累計11.5万m2
P52
20km
累計396km
P26
−4万m2
累計251万m2
P25
CO2排出量(使用電力量当たり)
地球温暖化防止
大気汚染防止
国際協力
社会活動
02年度
01年度
エネルギー供給
地球環境保全
指標
項目
海外での植林面積※3
景観保護、都市空間確保
電線類地中化整備延長
緑化、
自然保護
発電所の緑地面積※4
−
21km
−
※1
:SF6ガス回収率の実績・目標は年単位
※2:既設発電所の運用改善による熱効率向上によるもの
※3:オーストラリアにおける植林事業の研究によるもの((株)
トーメンとの共同研究)
※4:火力発電所および原子力発電所における工場立地法に基づく届出値、増分は前回届出値からの変更分
15
環境保全対策に伴う経済効果
(単位:億円)
金額
分類
項目
エネルギー供給
地球環境保全
地球温暖化防止
産業廃棄物対策
資源循環
火力総合熱効率変化による燃料費の削減 ※など
01年度
02年度
3
−17
石こう・石炭灰などのリサイクル売却代
5
4
変圧器などの再使用による費用の削減
60
62
※:前年度と比較した熱効率の差分をもとに算出。
(熱効率差分:2000 → 2001 年度 0.03% 向上、2001 → 2002 年度 0.19% 低下)
グループ企業の環境保全コスト
中部電力グループとしての環境への取り組みの一環として、
●集計結果
2001年度に引き続き、
環境保全コスト
(費用額)の集計を行いま
2002年度の環境保全コストを集計した費用額の合計は、
した。
1,
710百万円となりました。内訳では、ISO14001の認証取得・維
持、環境保全対策組織の人件費などの「管理活動」が53.6%、
●集計対象企業
2001年度の18社に6社を加えた24社のグループ企業の環境
保全コストを集計しました。
24社(愛知金属工業(株)、
愛知電機(株)、永楽運輸(株)、永
楽自動車(株)、
(株)シーテック、中部ケーブルネットワーク
次いで「産業廃棄物対策」が27.8%を占めています。
2001年度に比較すると、
「管理活動」が大きく増加しています。
また、
1社当たりの平均環境保全コスト
(費用額)は、
22百万円
の増加となっています。
(株)、
(株)永楽開発、
(株)中部グリーナリ、
(株)中部プラント
サービス、
(株)テクノ中部、
(株)
トーエネック、新日本ヘリコプ
ター(株)、知多エル・エヌ・ジー(株)、知多桟橋管理(株)、
中電
コンピューターサービス(株)、中電静岡工営(株)、中電長野工
営(株)、中電ビル(株)、中部精機(株)、中部テレコミュニケー
ション(株)、中部冷熱(株)、東邦石油(株)、名古屋熱供給
(株)、浜松熱供給(株))
集計結果 ●対象期間:2002年4月1日∼2003年3月31日
分類
資源循環
01年度(18社)
産業廃棄物対策
処分・処理
12
19
424
456
21
17
177
148
32
371
環境保全対策組織の人件費、環境教育・研修
認証取得・維持
ISO14001・社内認証の取得・維持
113
546
緑化・自然保護
緑化・自然保護活動
142
153
921
1,710
52
74
1社当たりの平均環境保全コスト
(費用額)
16
減量化・リサイクル
02年度(24社)
組織対策
合計
減量化・リサイクル
処分・処理
一般廃棄物対策
社会活動
費用額
主な項目
管理活動
(単位:百万円)
環境評価指標
「中部電力環境宣言21」で数値目標に掲げている電力量当
により基準年を上回りました。
たりのCO2 、SOx、NOx排出量および産業廃棄物最終処分量
また、産業廃棄物最終処分量についても電力量当たりに換算
について、基準年と比較しました。
し基準年と比較した結果、
石炭灰などの産業廃棄物発生量が増
SOx、NOx 排出量については、火力発電所における排煙処
加したにも関わらず、
リサイクル率向上の努力などにより基準年よ
理装置の設置などの対策により、
基準年に比べ大きく減少しまし
り減少しました。
た。CO2 排出量については、原子力発電所の運転停止の影響
電力量当たりの環境負荷物質排出量比較
使用電力量当たりの
CO2排出量
1.5
2002年度
1.0
基準年
0.5
発電電力量当たりの
産業廃棄物最終処分量
発電電力量当たりの
SOx排出量
0
グラフの見方
基準年の電力量当たりの排出量を1として
2002年度の電力量当たりの排出量をその 比で示しました。
囲まれた部分の減少が環境負荷の低減を表します。
電力量当たりの
=環境負荷物質排出量÷電力量
環境負荷物質排出量
【基準年】
●CO2,SOx,NOx排出量:1990年度
●産業廃棄物最終処分量:1991年度
SOx,NOx排出量および産業廃棄物最終処分量は、算出根拠が明確な
自社分を対象としたため、
自社の発電電力量当たりとして算出しました。
発電電力量当たりの
NOx排出量
環境負荷の削減と経済効果の向上の両立を図るため、環境
評価指標の導入に取り組んでいます。
kWh当たりの環境負荷
環境負荷利益率
重み付けした環境負荷/使用電力量
営業利益/重み付けした環境負荷
実績の評価による
フィードバック
実績の評価による
フィードバック
具体策の実施による
環境負荷の削減
具体策の実施による
環境負荷の削減と
利益の確保の両立
環境負荷削減効率
重み付けした環境負荷削減量/環境保全費用額 環境保全対策ごとの環境負荷削減効率
重み付けした環境負荷
CO2、SOx、NOx、SF6、産業廃棄物など、削減対象となる物質の排出量について、
それぞれの環境への
影響度を示す係数(重み付け係数)を掛け合わせ単一指標にした上で統合化(合計)
したもの。
海外においては、重み付け係数を用いて環境負荷を統合化する手法が開発されていますが、
日本におい
ては、研究中のため、標準的な重み付け係数のあり方などについて、今後継続的に検討します。
17
環境問題への取り組み 指針1 資源の有効活用と環境負荷の低減に努めます。
目標1 原子力発電の推進などによるCO2排出の抑制
電源開発
国際的に地球温暖化防止に向けた取
発電方式別発電電力量の推移
り組みが進むなか、当社はCO2 など温
1,400
億kWh
原子力
12%
室効果ガスの削減、電力供給の安定性・
1,200
経済性、技術的な運転特性などを総合
的に評価し、原子力、LNG火力、石油火
力、
石炭火力、
水力の各発電方式をバラ
1,000
LNG
48%
800
ンスよく組み合わせるよう努めていま
600
す。
また、新エネルギー(太陽光発電、風
石油など
7%
400
石炭
25%
力発電など)についても、事業場などに
設置し、導入を推進していきます。
200
水力
8%
0
60
65
70
75
80
85
90
95
96
97
98
99
2000
01 02年度
原子力発電
浜岡原子力発電所(静岡県浜岡町)
新規計画地点
浜岡原子力発電所5号機(138万kW
石川県の珠洲地点は、
北陸電力(株)
・
の改良型沸騰水型軽水炉)は、
2005年1
関西電力(株)および当社の3社で地元
月の営業運転開始を目指して建設工事
のご理解をいただくための活動を展開
を進めています。
しています。
す ず
5号機が完成すると同発電所の総出
力は499.
7万 kWとなり、東京電力柏崎
刈羽原子力発電所( 総出力821.
2万
kW )に次ぐ日本で2番目に規模の大き
浜岡原子力発電所
い原子力発電所となります。
水力発電
火力発電
水力エネルギーの有効活用のため、
碧南火力発電所(愛知県碧南市)
経済性を考慮しながら開発を進めてい
碧南火力発電所5号機(100万 kW )
ます。また、運転中の設備についても、
は2002年11月に営業運転を開始し、
(総出力410万 kW)となりました。
老朽化・効率向上対策として、計画的に
2001年11月に営業運転を開始した4
改修、機能強化などを行っています。
号機と5号 機 は 、蒸 気 タ ー ビン に 世
計画地点
界 初 の100万kW一軸型大容量タービ
易老沢(いろうざわ:長野県) 2003年6月
営業運転開始予定
250kW
ン(毎分3,
600回転)を採用するなどし
2006年12月
営業運転開始予定
て、熱効率42%以上を達成し、CO 2 の
しずらせ(愛知県)
220kW
排出削減に取り組んでいます。
碧南火力発電所
18
同発電所は国内最大の石炭火力発電所
目標1 CO 2 排出の抑制 指針1
原子力発電とCO2排出量
当社は、地球温暖化防止に向けて、原
発電方式別CO2排出量
子力発電の開発推進や LNG 火力発電
1,200
g-CO2/kWh
の導入拡大、
エネルギー効率の向上、
新
1,000
エネルギーの導入などにより、
お客さま
800
が使用される電力1kWh当たりのCO2
600
排出量を低減する取り組みを続けてい
400
ます。なかでも原子力発電は、建設から
200
運用・廃棄までの全ての段階を総合し
0
設備利用率
原子力発電については、現在計画中の使
用済燃料国内再処理・プルサーマル利用
608
519
(1回リサイクルを前提)
・高レベル放射性
廃棄物処分などを含めて算定。
出典:
(財)電力中央研究所
130
111
53
29
22
15
11
石
炭
火
力
石
油
火
力
L
N
G
火
力
コL
ンN
バG
イ
ン
ド
太
陽
光
風
力
原
子
力
地
熱
水
力
75
75
75
75
15
20
75
60
45%
38
CO2 排出量が格段に少なく、有効な発
電方式と考えています。
発電燃料の燃焼に加え、原料の採掘から
諸設備の建設・燃料輸送・精製・運用・保
守などのために消費される全てのエネル
ギーを対象としてCO2 排出量を算定。
742
88
て考えた場合でも発電電力量当たりの
設備・運用
燃料
975
たことにより、
浜岡原子力発電所の各号
降最も悪い数値となりました。
機は順次停止し、全号機停止の状態と
1997年12月に採択された京都議定
なりました。
書において、
わが国は2008年から2012
この影響により、
2002年度の原子
年の間に温室効果ガスの平均排出量を
力発電の年間発電量が2001年度実
1990年レベルから6%削減することと
績の52%減の107億kWhになったた
なっています。
2000年度ですでに8%増
268
め、
2002年度の CO 2 排出量は6,
加しており、
目標達成には14%削減しな
小口径配管疲労割れの点検(浜岡原子力発電所)
万t
(昨年度比17%増加)になりまし
ければなりません。温室効果ガスの排
2001年11月に浜岡原子力発電所1号
た 。こ の 結 果 、使 用 電力 量当たりの
出抑制対策として、新エネルギーの普
機で発生した配管破断の対策や2号機
CO2排出量は0.509kg-CO2/kWhとな
及・促進や省エネルギーの推進、
原子力
で発生した小口径配管からの水漏れの
り、
1990年度(0.464kg-CO2/kWh)以
発電の推進などさまざまな対策が行わ
対策、また、
2002年9月から4号機で定
CO2排出量(使用電力量当たり)
れていますが、省資源・省エネ化が進ん
期点検を開始したことや3号機で過去
目標(2005年度)……0.410kg-CO2/kWh
実績(2002年度)……0.509kg-CO2/kWh
の自主点検結果について調査を開始し
7,000
万t-CO2
0.6
kg-CO2/kWh
1,230
使用電力量
1,200
6,268
1,100
6,000
0.509
998
1,000
使
用
電 900
力
量 800
CO2
排 5,000
出
量
700
4,000
CO2排出量
0.464
4,631
目標:
0.410
使用電力量当たりCO2排出量
使
用
電
0.5 力
量
当
た
り
2
CO
排
0.4 出
量
当社は、浜岡原子力発電所の安全運
転をはじめさまざまな取り組みを行う
ことで、CO 2 排出量の2005年度目標
の達成を目指します。さらに、電気事業
連合会の「電気事業における環境行動
計画―2010年度におけるお客さまが
使用される電力 1kWh 当たりの CO 2
排出量を1990年度実績から20%程度
600
500
であり、
目標達成に向けては原子力発電
の推進が不可欠です。
CO2排出量の推移
1,300
億kWh
だわが国においては、
非常に厳しい目標
3,000
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99 2000 01 02年度
05
0.3
低減」の目標達成に向けて取り組んで
いきます。
19
環境問題への取り組み 指針1 資源の有効活用と環境負荷の低減に努めます。
目標1 CO 2 排出の抑制
火力総合熱効率
原子力発電所
2002年度は、浜岡原子力発電所のト
目標(2005年度)………………41%以上
実績(2002年度)…………………41.66%
ラブル対策や定期点検などにより、全
42.0%
号機停止の状態となりました。これに
41.5
より、
2002年度の設備利用率は33.7
%、
1998年∼2002度の5カ年平均では
41.85
41.52 41.82 41.66
40.97
41.0
40.60
40.5
原子力発電に対する地元の皆さまの
信頼回復に努め、
2003年1月に運転再
39.77
39.01
38.88
38.5
38.0
38.92
転開始に向けて取り組んでいきます。
浜岡原子力発電所の設備利用率
(5カ年平均値)
きたまたど
る北又渡水力発電所の易老沢ダムの
これを有効に利用する易老沢水力発電
38.89 39.12
所(250kW)を建設し、
2003年6月に営
38.87
業運転を開始する予定です。
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02年度
既設水力改修による出力増加
開した2号機を除く3基の運転再開を目
指すとともに、
5号機の2005年1月の運
長野県下伊那郡南信濃村に位置す
出口に30m の高低差があることから、
40.0
39.0
いろうざわ
易老沢水力発電所
39.5
69.8%となりました。
利用されていない
エネルギーの活用
電気をお届けする設備
目標(2005年度)………………3,
810kW
実績(2002年度)………………6,
570kW
電気をお客さまにお届けする過程
で、電気エネルギーが熱となって失わ
目標(2005年度)…………………80%程度
実績(2002年度)……………………69.8%
れます。これを「送配電損失」といいま
す。
送電電圧の高電圧化、低損失型の変
90%
電設備や柱上変圧器の導入などによ
85
81.2
82.4
82.7
79.8
80
り、
2002年度の送配電損失率は4.95%
82.9
と高い水準を維持しています。
79.7
77.3
送配電損失率
75
目標(2005年度)……現状程度(5%)
を維持
実績(2002年度)……………………4.95%
70
69.8
建設中の易老沢水力発電所
30%
65
95
96
97
98
99
2000
01
02年度
25
20
火力発電所
17.6
15
11.0
効率の高い発電プラントを優先的に
運用し、火力総合熱効率を向上させて
きました。
2002年度は、浜岡原子力発電所の
停止に伴う供給力の確保のため、比較
的低効率の火力発電所を運転しました
が、適切な設備の運用により41.66%
と最小限の低下に留め、全国10電力会
社のなかでトップレベルを維持しまし
た。
20
10
7.9
5
0
55 60
65
6.4 6.0
5.2 5.3 4.9 4.8 4.6 4.5 4.95
70
75
80
85
90
95 2000 01 02年度
国際調達によってドイツのメーカから購入した
「クロスフロー水車」
環境問題への取り組み 指針 1 資源の有効活用と環境負荷の低減に努めます。
指針1
目標2 CO2以外の温室効果ガス排出抑制対策の推進
CO2 以外の温室効果ガス排出抑制
CO2以外の温室効果ガス(5種類)
HFC 、PFC、SF6
物質名
地球温暖化係数※(積分期間100年)
の使用および排出抑制に関する基本方
HFCs(ハイドロフルオロカーボン類)
140∼12,
100
(HFC134a=1,
300)
針」を制定し、HFC、PFC、SF6 の排出
PFCs(パーフルオロカーボン類)
6,
300∼12,
500
(PFC14=6,
500)
抑制、回収・再使用などを行っていま
SF6(六フッ化硫黄)
23,
900
N2O(一酸化二窒素)
310
CH4(メタン)
21
1999年6月に社内方針「フロンなど
す。
HFC は、主に空調用の冷媒として使
用していますが、機器の設置・修理時の
漏えい防止、
回収分の再使用などにより
※:大気中に放出された単位重量の当該物質が地球温暖化に与える効果についてCO2を1として相対値を表したもの
出典:IPCC 第二次評価報告書(1995年)
参考:地球温暖化対策の推進に関する法律施行令第4条
排出を抑制しています。
PFCは、変圧器の冷媒や絶縁媒体と
して液体の状態で使用しているため、
外部へ排出することはありません。
SF6 は、主に電力機器の絶縁媒体と
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)http://www.ipcc.ch
SF6、HFC
物質名
SF6(2002年)
保有量
大気放出量
大気放出量(CO2換算)
1,
531t
2t
478,
000t-CO2
11t
0.8t
1,
040t-CO2
して使用しています。点検・補修時に回
HFC(2002年度)
収・再使用を徹底しています。
点検時におけるSF6回収率
目標(2005年)………………………97%
実績(2002年)……………………99.0%
100%
95.9
87
98.1
99.0
環境に配慮したアンモニア冷媒ヒートポンプの採用
地球温暖化係数・オゾン層破壊係数
が「ゼロ」のアンモニア冷媒を氷蓄熱槽
86
併用の空気熱源ヒートポンプに採用し、
80
岐阜支店ビルや静岡営業所を始めとし
た10事業所に12台を設置しています。
60
設置した機器については、経年性能
評価を行い、
これらの機器が良好な状
40
98
99
2000
01
02年
N2O 、CH4
態で運転されていることを確認してい
ます。
P28
静岡営業所に設置した氷蓄熱槽併用アンモニア冷媒を用い
たヒートポンプユニット
全国の火力発電所から排出される
N 2O は、日本の総排出量の約1.5%と
想定されますが、発電効率の向上など
により排出を抑制しています。
また、火力発電所の排出ガス中の
CH4 濃度は大気環境中の CH4 濃度以
下です。
21
環境問題への取り組み 指針1 資源の有効活用と環境負荷の低減に努めます。
目標3 新エネルギーの普及に向けた取り組み
新エネルギーの普及に向けた取り組み
太陽光発電など環境負荷の少ない自
然エネルギーを含め、新エネルギーの
普及に向けて取り組んでいます。具体
的には、当社事業場に燃料電池などを
設置し研究開発に取り組むとともに、
お
客さまの太陽光・風力発電設備などか
ら電力を購入しています。
また、
「中部グリーン電力基金」への
新名古屋火力発電所に300kW級溶融炭酸塩形燃料電池
北営業所をはじめ50カ所に太陽光発電設備を設置
を設置
参画などを通じて新エネルギーの普及
当社事業場の新エネルギー発電設備
(2002年度末時点)
促進に努め、
2003年4月の「電気事業者
による新エネルギー等の利用に関する
設置数
設備量
50カ所
575kW
特別措置法」
(RPS法)施行を契機に、
太陽光発電
事業用風力発電の開発導入に向けて積
風力発電
3カ所
267kW
燃料電池
1カ所
336kW
極的に取り組んでいます。
新エネルギーからの電力購入量
碧南火力発電所、浜岡原子力発電所、島田営業所の3カ所
目標(2005年度)……………積極的に購入
実績(2002年度)……………26,
223万kWh
太陽光発電
風力発電
件数※
購入量
18,
264
3,
192万kWh
9
1,
083万kWh
23
21,
948万kWh
中部グリーン電力基金
2000年10月に「中部グリーン電力基
2002年度末時点で、
1,
054件、
1,
185口
金」を導入しました。自然エネルギー発
のご賛同をいただいています。
電の推進にご賛同いただけるお客さま
また、寄付金をお預かりするうえで、
から寄付金(500円/口)を募り、普及促
透明性を確保する必要があるため、
進に役立てる制度です。案内チラシ配
廃棄物発電
※:2002年度末時点
に風力発電設備を設置
布やホームページなどでPRするとと
(財)中部産業活性化センター様が運営
主体となっています。
もに、
当社も寄付金を拠出しています。
「電気事業者による新エネルギー
等の利用に関する特別措置法」
電気事業者に対して、一定量以上の新エネル
ギーなどを利用して得られる電気の利用を義務づ
けるもの。
●対象エネルギー
●風力 ●太陽光 ●地熱
●水力(水路式で出力1,
000kW以下のもの)
●バイオマス
●履行義務量の確保に向けた選択肢
●新エネルギー等の自社開発
●新エネルギー等電気の購入 など
●当社分
新エネルギー利用について、当社は2010年
度で17.8億 kWh(資源エネルギー庁試算
値)が目標(義務)
となります。
22
中部グリーン電力基金の仕組み
参加者にはグリーンラベルを送付
寄付金や助成の実績などをお知らせ
︵
賛同者 賛同者
賛同者 賛同者 賛同者
寄付
中
部
電
力
︵
株
︶
納付
当社も拠出
グ財
リ︶
中
ー部
ン産
電業
活
力性
基化
金セ
ン
セタ
ンー
タが
運
ー営
地域の
太陽光発電設備など
助成
自然エネルギー
発電事業者への助成
●中部グリーン電力基金のお申し込みは、巻末の申し込みはがきをご利用ください。
(財)中部産業活性化センター http://www.ciac.or.jp
環境問題への取り組み 指針 1 資源の有効活用と環境負荷の低減に努めます。
指針1
目標4 大気汚染、水質汚濁、騒音、振動などの防止
火力発電所の環境保全対策
関係自治体との環境保全協定などに
火力発電所の環境保全対策(石炭火力の例)
排煙の常時監視
基づき、
大気汚染、水質汚濁、
騒音・振動
集合煙突
などの防止対策を実施するとともに、
そ
窒素酸化物の低減
窒素酸化物の除去 排煙監視カメラ
ボイラ建屋
ばいじんの除去
の対策や効果を監視・観測するなど、周
硫黄酸化物の除去
タービン建屋
辺環境に配慮しています。
送電鉄塔
ボイラ
電気式 排煙脱硫
集じん装置 装置
排煙測定装置
硫 黄 酸 化 物 対 策
環
境
保
全
対
策
大気汚染
窒 素 酸 化 物 対 策
ば い じ ん 対 策
水質汚濁
排
騒音・振動
産業廃棄物
対
策
排
対
水
対
策
排煙脱硝
装置
家庭・工場へ
変圧器建屋
緑地
開閉装置
電気式集じん装置
資源の有効活用
石炭灰の有効活用
カーテンウォール
しゃ風フェンス
取水口
アンローダ
(揚炭機)
海
スタッカ
リクレーマ
石炭船
策
深層取水
コンベア
(防じん構造)
散水
排水の常時監視
オイルフェンス
散水装置
コンベア
(防じん構造)
排水
貯炭場
表層放水
放水口
発電所建設中対策
保
安
対
策
漏
油
対
策
水温上昇の低減
総合排水処理装置 排水測定装置
悪 臭 防 止 対 策
景 観 保 全 対 策
発電機
復水器
変圧器
再 資 源 化 対 策
理
蒸気タービン
バンカー
微粉炭機
振 動 防 止 対 策
温
その他
水
騒 音 防 止 対 策
処
騒音の防止
漏油防止
石炭粉じんの飛散防止
排水の浄化
大気環境保全対策
海
放水流速の低減
水質保全、騒音などの対策
SOx(硫黄酸化物)対策
量は、
世界で最も優れた水準を達成して
排水対策
燃焼時に S O x が発生しない L N G
います。
発電所で使用した水は、総合排水処
(液化天然ガス)の利用拡大、低硫黄燃
SOx 排出量
理装置などによって浄化後排水してい
料油の使用、排煙からSOx を取り除く
排煙脱硫装置の設置などにより、SOx
排出量を抑制しています。
目標(2005年度)…………0.06g/kWh以下
実績(2002年度)………………0.04g/kWh
目標(2005年度)…………0.10g/kWh以下
実績(2002年度)………………0.08g/kWh
碧南火力発電所のSOx、NOx 測定装置
NOx(窒素酸化物)対策
また、温排水の影響を抑えるため、深
層取水方式、
表層放水方式などを採用し
NOx 排出量
0.15
g/kWh 0.14
発
0.12
電
電
力 0.10
量
当
た
り
の
SOx 0.05
NOx
排
出
量
0
92 93
ます。
ています。
騒音・振動対策
建物・機器の適正配置、低騒音・低振
動機器の採用、消音装置・防音壁の設置
NOx排出量
などの対策を講じています。
0.08
漏油対策
SOx排出量
発電用燃料(LNG、石油、石炭など)
0.04
の受け入れの際、
万一の事態に備え、
船
94
95
96
97 98
99 2000 01 02年度
舶周辺へのオイルフェンスの敷設、
油捕
集材の常備などの措置をとっています。
燃焼時にNOx 発生量を低減させる
バーナの採用、排煙からNOxを取り除
ばいじん対策
土壌汚染対策
く排 煙 脱 硝 装 置 の 設 置 などにより、
静電気を利用した電気式集じん装置
アンモニアやヒドラジンなどの薬品
NOx 排出量を抑制しています。
の設置などにより、発生したばいじんの
類などを取り扱う場所には、
外部への流
発電電力量当たりの SOx、
NOx排出
99%以上を除去しています。
出・地下浸透を防止するための防液堤
を設けています。
P27
23
環境問題への取り組み 指針1 資源の有効活用と環境負荷の低減に努めます。
目標 4 大気汚染、水質汚濁などの防止
環境アセスメントの実施
発電所などの建設にあたっ
モニタリングの実施
環境アセスメントの流れ(環境影響評価法)
ては、
「環境影響評価法」に基
づいて環境アセスメントを行
火力発電所や原子力発電所におい
発電所の計画
て、環境アセスメントに基づくモニタリ
います。
また、地方自治体において
も環境影響評価に関する条例
が定められている場合があり
ング調査を実施し、環境への影響につ
対象事業の決定
(スクリーニング※1)
公告・縦覧
アセスメントの方法書
(スコーピング※2)
意見
ます。この条例に基づいて、
対
住民意見・見解届出
象事業となる送電線建設にお
勧告・通知
いても環境アセスメントを行
※1
:第二種事業(必ず環境アセスメントを行う
第一種事業に準ずる規模の事業)につい
意見
て、環境アセスメント実施要否の判断を行
意見を求める仕組み
主なモニタリング調査実績(2002年度)
住民
地元自治体の
意見
経
済
産
業
省
環
境
審
査
住民意見・見解届出
う仕組み
※2
:環境アセスメント実施前に、調査の項目、
方法などについて住民や地方公共団体の
公告・縦覧
アセスメントの結果
(準備書)
す。
大気
アセスメントの実施
います。
いて問題がないことを確認していま
住民
地元自治体の
意見
勧告・通知
海域
アセスメント結果の修正
(評価書)
●新名古屋火力発電所
●碧南火力発電所
●浜岡原子力発電所
環境に関する法令・条例・協定の遵守
2002年度は、
環境に関する法令・条例
火力発電所における環境保全(公害防止)協定
火力発電所
締結先
新名古屋
名古屋市
主な環境関係法令
四日市※1
四日市市
●大気汚染防止法
●水質汚濁防止法
●騒音規制法
●振動規制法
●悪臭防止法
●廃棄物の処理及び清掃に関する法律
尾鷲三田
三重県、尾鷲市
知多
愛知県、知多市
武豊
愛知県、武豊町、半田市、常滑市、
に違反した事例はありません。
美浜町
西名古屋
愛知県、飛島村
渥美
渥美町
新清水
清水市
知多第二
愛知県、知多市
川越
三重県、川越町、桑名市、朝日町
碧南
愛知県、碧南市、安城市、西尾市、
高浜市、一色町※2、吉良町※3
※ 1:四日市 LNGセンターを含む
※ 2:公害防止に関する覚書
※ 3:環境保全に関する覚書
安全確保などに関する協定書
浜岡原子力発電所 静岡県、浜岡町、御前崎町
相良町、大東町、小笠町
24
●新名古屋火力発電所
●知多火力発電所
●武豊火力発電所
●知多第二火力発電所
●碧南火力発電所
●浜岡原子力発電所
海域モニタリング調査(碧南火力発電所)
環境問題への取り組み 指針 1 資源の有効活用と環境負荷の低減に努めます。
指針1
目標5 自然との共生に配慮した活動の展開
景観対策
森林保護
電力供給設備の建設・維持にあたって
発電所などでの緑化のほか、
水力発電
は、各部門・支店ごとが地方自治体など
のための水源涵養林の整備などを推進し
と協調して景観保全マニュアル類を作
てきました。
2002年度末時点で2,
400
成し、
地域景観との調和を図るよう努め
haの緑地を所有していますが、最大の
ています。
ものは岐阜県郡上郡大和町の内ヶ谷山
また、
近年では発電所の煙突や本館な
林(面積1,104ha )です。1914年に取
かんようりん
どの形状・色彩を、
景観シミュレーションで
評価したうえで選定しています。
信州の豊かな自然にとけ込んだ奥志賀変電所
変電所建物には環境調和色を配し、低光沢の鉄塔・電線・茶
色がいしを採用しました
得し、
計画的な植林および保育作業を通
じて森林機能の維持に努め、
長良川水系
の水源涵養や動植物の生態系保全など
緑化対策
に寄与しています。
発電所では、景観保全や空気浄化な
た樹木や自然に繁殖した植物などが大
どの機能を持つ森林に着目し、自然に
きく育ち、
自然界の森林と同じような緑
近い森林の形成を目指して緑化を行っ
地帯となっています。
ています。
また、
この緑地帯では四季にわたり多
現在では、発電所建設当初に植栽し
くの生物が生息しています。
火力発電所・原子力発電所の緑化状況
火力発電所※1
原子力発電所
敷地面積
698万m2
152万m2
緑地・環境施設面積
217万m2
80万m2 ※2
31.1%(25.1%)
51%(50%)※2
112万本
植樹10万本+自然林35万m2
緑地・環境施設率( )内は緑地率
樹木の本数
当社所有の内ヶ谷山林(岐阜県大和町)
※ 1:四日市 LNG センターを含む12カ所の火力発電所
※ 2:浜岡原子力発電所は、5 号機営業運転開始(2005年1月)時点の予想値
発電所で観察されている主な動植物
自然に繁殖した植物 ウバメガシ、
ケヤキ、
セイタカアワダチソウ、
セイヨウタンポポ、
ススキ、
エノコログサなど
保育作業
植栽した樹木 クロマツ、
スダジイ、
マテバシイ、
サザンカ、
シャリンバイなど
昆虫類 ベッコウトンボ、
トノサマバッタ、ナミアゲハ、
シマケシゲンゴロウ、
ヒラタクワガタ、ゴマダラカミキリなど
もうきんるい
送電線建設と猛禽類保全
両生類 ニホンアカガエル、
ヌマガエル、
ウシガエルなど
爬虫類 トカゲ、
カナヘビ、
シマヘビ、
アオダイショウなど
送電線の新設計画を進めるにあたり、
鳥類 カワウ、ゴイサギ、
カルガモ、
コチドリ、ユリカモメ、キジバト、モズ、
メジロ、ホオジロ、ムクドリ、キジなど
山岳地に生息するクマタカ・イヌワシなど
哺乳類 モグラ、
アカネズミ、
カヤネズミ、ハツカネズミ、
ドブネズミ、
タヌキなど
稀少猛禽類を保全するための社内組織
「猛禽類保全協議会」を1999年に設置し
ました。基幹系統建設センター所長を会
長に、
委員は建設部門のみならず用地部
門など関係部門の長から構成されてい
ます。
タヌキ
ヒラタクワガタ
キジのヒナ
25
環境問題への取り組み 指針1 資源の有効活用と環境負荷の低減に努めます。
目標 5 景観・自然保護
同協議会の顧問に、
日本ワシタカ研究
白鳥との共生を目指して
電線類地中化
白鳥をはじめとした多くの野鳥の飛
経済産業省、国土交通省、総務省、電
センター(愛知県尾張旭市)の中島欣也
所長を迎え、
指導・助言を受けながら、
影
響予測、
保全対策などについて評価して
います。
猛禽類の現地調査
クロメダカの生息する発電所
さいかわ
来地として愛されている犀川ダム湖
力・通信事業者などで組織する「電線類
(長野県豊科町)は、
通常のコンクリート
地中化推進検討会議」の検討結果に基
じゃかご
製のダムと違い、
蛇篭(玉石を詰めた鉄
づき、計画的に電線類地中化整備を進
製の網)を積み上げてダムを構築して
め、
安全で快適な通行空間の確保、
都市
います。このため、
川の水は蛇篭の隙間
景観の向上などを図っています。
を通り常に下流へ流れるとともに、
蛇篭
また、道路幅が狭い場所でも地中化
には草木が繁茂することで、
自然豊かな
整備できる新工法の技術的な検証を進
環境を残しています。
め、順次適用を計画しています。
2002年度は、
ダムの大規模な改修工
従来の地中化整備
事を実施しましたが、
工事中はダム湖の
地上に変圧設備を置き、建物への引き込み線も地中に配線
一部に仮の堤を構築し、水の流れを穏
やかにすることで野鳥がゆっくり休める
新名古屋火力発電所(愛知県名古屋
環境を作るなど、野鳥の生息に影響が
市)の雨水を流す側溝には、調査の結
出ないよう心がけています。
果、環境省レッドデータブックに貴重種
として掲載されているクロメダカが生
息していることが分かりました。
引き込み線
電線
同発電所では、
クロメダカの生息する
側溝に常時水を流すことで、自然繁殖
新たな地中化整備
街路灯などを利用して、変圧設備を設置
する環境を作り、その結果、多数のクロ
引き込み線
メダカが生息するようになりました。
2002年6月の環境月間には、都会に
住む子供たちの環境教育用教材とし
て、名古屋市立柴田小学校へクロメダ
カ40匹を寄贈しました。また、
同発電所
改修工事後の犀川ダム湖
犀川ダムの改修工事を担当した
長野支店工務部土木課
吉村 修一
に隣接した名古屋港ワイルドフラワー
電線
地中化整備延長
ガーデン「ブルーボネット」内の池にも
500km
放流しました。
396
400
犀川ダム湖は、
地元では「犀川白鳥湖」
と
300
呼ばれ、大切な観光資源となっています。
ダムの改修工事は、地元自治体および
200
関係者と連絡調整しながら実施しました。
今年は、白鳥飛来数が 800 羽を超え、
100
北帰行も例年より数週間遅かったため、工
クロメダカ
事は最後まで気を遣いました。
0
97
98
99
※:1986年度から各年度末の累計値
26
2000
01
02年度
環境問題への取り組み 指針1 資源の有効活用と環境負荷の低減に努めます。
指針1
目標6 化学物質の厳正管理と使用量の低減
PRTR 対象物質の使用状況
1999年7月に「特定化学物質の環
境への排出量の把握等及び管理の改
PRTR対象物質の調査結果(2002年度)
排出量
物質名
大気
善 の 促進に関する法律」
(PRTR 法:
Pollutant Release and Transfer
Register)が制定され、
2001年4月か
ら化学物質の排出量・移動量の把握お
移動量
(廃棄物)
取扱量
主な用途
水域
ベンゼン
火力発電用燃料に含有
269.2t
0.2kg
0 8.5kg
トルエン
火力発電用燃料、塗料に含有
120.8t
3,000kg
0 0 キシレン
塗料に含有
11.2t
11,000kg
0 0 10.7t
3.1kg
53kg 0 ヒドラジン
ボイラ給水処理剤
よび届出が義務づけられるとともに自
りん酸トリス
タービン制御油
7.3t
0kg
0 7,300kg
主的な管理の改善が促されることとな
エチルベンゼン
塗料に含有
5.3t
5,300kg
0 0 りました。
HCFC225
ドライクリーニング
3.7t
3,700kg
0 0 当社は、火力発電所などの給排水
ハロン1301
冷熱発電用熱媒体
1.8t
1,800kg
0 0 小型焼却炉などからの排出 10.5mg-TEQ
10mg-TEQ
0 0.019mg-TEQ
処理や化学分析などに薬品を使用し
ていますが、従来からマニュアルなど
に基づいて管理を行っています。ま
ダイオキシン類
※:ダイオキシン類を除き、事業場における年間取扱量1t以上の第一種指定化学物質(特定第一種指定化学物質は0.5t以上)について集計。
※:ダイオキシン類は種類によって毒性が異なることから、2,3,7,8四塩化ジベンゾ・パラ・ジオキシンに換算した毒性等量(TEQ)
を使用。
PRTR対象物質の消費・排出(2002年度)
た、
1997年から2000年まで、経済団
塗料に含まれるキシレンなど
体連合会の PRTR 自主調査に参加、
大気への排出
25 t
以後も自主調査を継続し、環境への排
出が少ないことを確認しています。
今後も、新たな社内管理要領などに
基づき、厳正な管理を行うとともに、排
出物質の運用方法改善、
代替物質・技術
の導入などにより排出量削減に取り組
燃料、材料などに
含まれる化学物質
取扱量 430 t
消費量(燃焼・分解)
398 t
燃料に含まれるベンゼン、
トルエン
塗料に含まれるトルエン、
キシレンなど
みます。
水域への排出
0.05 t
廃棄物としての移動
7t
給水処理剤のヒドラジン タービン制御油のりん酸トリスなど
ダイオキシン類の排出抑制
ダイオキシン類の排出を抑制するた
のダムに漂着する流木などを燃やす焼
するため、
廃棄物の発生抑制やリサイク
め、小型焼却炉243基(1997年9月時
却炉など5基(2002年度末時点)だけと
ルの推進、焼却炉の燃焼管理を徹底し
点)を順次廃止してきました。その結
なり、
法律に基づき適正に維持管理して
ます。
果、
「ダイオキシン類対策特別措置法」
います。
の対象となる特定施設は、水力発電所
今後もダイオキシン類の排出を抑制
ダイオキシン類の測定結果(2002年度)
流木用小型焼却炉
測定焼却炉数
8基※1
(新設の医療廃棄物処理研究装置1基を含む)
排ガス中のダイオキシン類濃度※2
0.0046∼4.4、
11※3ng-TEQ/m3N
焼却灰中のダイオキシン類濃度※4
0.0∼0.061ng-TEQ/g
※1
:2002年度に廃止した施設を含む
※2:
(既設)●2002年11月までの基準値:80ng-TEQ/m3N ●2002年12月からの基準値:10ng-TEQ/m3N
(新設)●1997年12月からの基準値:5ng-TEQ/m3N
※3:2002年11月に設備を廃止
※4:基準値 3ng-TEQ/g
27
環境問題への取り組み 指針1 資源の有効活用と環境負荷の低減に努めます。
目標 6 化学物質の厳正管理
PCB(ポリ塩化ビフェニル)処理
PCB使用機器(高濃度PCB)
と極微量
のPCBが誤混入した再生絶縁油※1を使
用した柱上変圧器を保有しており、
PCB
の製造・輸入・使用が禁止された1974年
以降、
厳重に管理・保管しています。
近年、
PCBを安全で確実に無害化処
理する技術が開発され、
1998年に「廃
「低濃度PCB絶縁油処理施設」完成イメージ図
棄物の処理及び清掃に関する法律」に
て化学分解法が認定されたことから、
こ
低濃度PCB絶縁油の無害化処理・リサイクル計画の概要
の処理方法について検討を進め、低濃
度PCB絶縁油の無害化処理計画を立
●計画地の場所:名古屋市港区潮見町37番6
(名古屋港9号地内社有地)
案しました。
●計画面積 :約 7,000m2
この計画に関しては、
2002年12月に
●計画処理施設:低濃度PCB絶縁油分解処理施設
処理方法 アルカリ触媒分解法(BCD法)
名古屋市に産業廃棄物処理施設設置許
処理能力 約 22t/日(24 時間連続)
可を申請し、現在、審査が行われていま
●処理対象油 :低濃度PCB絶縁油 約 55,000t
す。なお、本施設は2004年度下期の運
(PCB含有 50ppm未満)
転開始を予定しています。
●処理期間 :約 10 年
●施設着工予定:
2003年度下期
また、
柱上変圧器の容器・部材やPCB
●運転開始予定:
2004年度下期
使用機器(高濃度 PCB )についても、
●その他 :無害化した処理済油は、
発電用燃料または有価物としてリサイクルを図ります。
早期処理に向けて検討しています。
※1
:一部の柱上変圧器に使用、
1989年に極微量のPCBの
誤混入が判明(低濃度PCB絶縁油)
オゾン層破壊物質の削減
1999年6月に社内方針「フロンなど
(特定フロン・特定ハロンなど)の新規
の使用および排出抑制に関する基本方
導入の禁止や使用の削減などを推進し
針」を制定し、モントリオール議定書※2
ています。
※2
:オゾン層を破壊する物質に関する議定書
オゾン層破壊物質の生産削減などの具体的な規制措
置を定めた議定書。現在、規制の対象となっているのは、
特定フロン、ハロン、四塩化元素、
1・1・1-トリクロロエタ
P21
ンなどで、
それらの生産・消費量を段階的に削減・全廃す
ることを規定している。1987 年採択、1990 年、1992 年
に改正された。
の削減対象であるオゾン層破壊物質
フロン類の使用状況
保有量
97年度
98年度
99年度
2000年度
2001年度
2002年度
10t 5.9t 5.4t 5.4t 5.4t 5.1t 微量※3 0 0 0 特定フロン
特定ハロン
微量※3 大気放出量
0.
5t 保有量
203t 190t 172t 174t 164t 157t 3t 8t 1t 3t 2t 2t 89t 101t 91t 100t 99t 99t 3t 7t 8t 7t 8t 6t 大気放出量
保有量
代替フロンなど
大気放出量
※3:1kg 以下
28
環境問題への取り組み 指針1 資源の有効活用と環境負荷の低減に努めます。
指針1
目標7 環境リスクマネジメント体制の強化
火力発電所
平常時の取り組み
関係自治体との環境保全(公害防
止)協定に基づき、地域に応じたさまざ
まな施策を実施しています。例えば、
SOx、NOx、ばいじんなどの排出を常
時測 定・監 視する計 器やテレビモニ
警報などを発令することになっていま
排出量を低減します。
す。当社は光化学スモッグおよびSOx
2002年度は、
四日市地域(三重県)に
による大気汚染緊急時の対応マニュア
おいて光化学スモッグ予報が4回発令さ
ルを制定するとともに、毎年、緊急時に
れ、
四日市・川越両火力発電所は措置基
備えた措置訓練を行っています。実際
準に基づき適切に対応しました。
に発令された場合、
燃料使用量削減(発
火災時の対応
電機出力の抑制)などによってばい煙
自衛防災組織を編成し、
万一に備えて
ターの設置、
自治体による立入調査、防
災体制などを取り決めています。
光化学スモッグ予報などの
発令回数(2002年度)と措置基準
緊急時の取り組み
発令回数
大気汚染緊急時の対応
「大気汚染防止法」では、大気汚染に
より人の健康または生活環境に被害が
生じる恐れがある場合を「緊急時」と定
防災訓練を定期的に実施しています。
措置基準※
(NOx排出濃度削減量)
予 報
4
準備態勢
注意報
0
20%
警 報
0
30%
重大警報
0
40%
※
:NOx排出濃度削減のベースは、発令時のNOx排出濃度また
は発令時前1 時間の平均NOx 排出濃度とする。
自衛防災組織による防災訓練(尾鷲火力発電所)
例えば、
日光を浴びすぎると皮膚がダ
電力会社では法令値の20分の1である
された放射性気体、液体廃棄物の量か
メージを受けるように、
放射線も受ける
年間0.05ミリシーベルトを超えないこ
ら評価した実績は、年間0.001ミリシー
量が問題となります。
とを発電所の設計・運転管理の目標とし
ベルト未満と目標値を下回っています。
ています。浜岡原子力発電所から放出
※:放射線による人体への影響を示す単位
め、知事が汚染状況に応じて、注意報や
原子力発電所
日常生活のなかの放射線
日常生活のなかには、
さまざまな放射
線や放射性物質があります。宇宙や土
自然放射線と人工放射線
壌、
食物などに含まれる放射性物質から
受ける「自然放射線」の量は、1人当た
り年間約2.4ミリシーベルト※(世界平
均)です。
原子力発電所周辺にお住まいの皆さ
まが受ける放射線量は、法令で年間1ミ
リシーベルト以下に定められています。
胸部X線
コンピューター断層撮影検査(CTスキャン)
一般公衆の線量限度(年間)
(1回)
6.9
(医療は除く)
1.0
人工放射線
実効線量当量
(ミリシーベルト)
10
胃のX線集団検診
(1回)
0.6
1
0.1
0.01
自然放射線
東京←→ニューヨーク
航空機旅行(往復)
(高度による宇宙線の増加)
0.19
大気中のラドン等の
吸収からから1.26
浜岡原子力発電所周辺の線量評価値
目標(2005年度)
………0.001ミリシーベルト未満/年を維持
実績(2002年度)
………………0.001ミリシーベルト未満/年
軽水型原子力発電所周辺の
線量目標値(年間)
0.05
宇宙から0.39
大地から0.48
食物から0.29
ガラパリ
(ブラジル)の
自然放射線(年間)
10
1人当たりの
自然放射線(年間)
2.4
(世界平均)
国内の自然放射線の差(年間)
(県別平均値の差の最大)
0.38
出典:
「国連科学委員会2000年報告」ほか
29
環境問題への取り組み 指針1 資源の有効活用と環境負荷の低減に努めます。
目標 7 環境リスクマネジメント
環境放射線の監視
環境放射線測定地点および環境試料採取地点
原子力発電による影響のないことを
小笠町役場
確認するため、
1号機の運転開始(1976
年)に先立つ1972年から、発電所敷地
相良町役場
小笠町
大東町役場
浜岡町
大東町
境界線付近、周辺要所にて連続的に放
玄
茶
キ
土
乳
駿河湾
菊川
河
国道
1
御手洗川
相良町
池新田
50 号
塵
み
海 土
などを定期的に採取し、放射能の分析・
松
佐倉
河
笠名
水
は
み
み
モニタリングポイント
同一条件で分析測定を行い、相互に確
認をしています。年4回、静岡県環境放
射能測定技術会(会長:静岡県副知事)
堀野新田
茶
凡 例
この環境放射能の測定は、静岡県も
地頭方 塵
は
は
塵
松
海 土
土
茶
環境放射線
監視センター
浜岡町役場
雨
す
た
測定を行っています。
モニタリングポイント(57カ所)
比木
合戸
射線量を測定しています。
また、
海水、
海産物、井戸水、農蓄産物
朝比奈
新野
だ
新野川
モニタリングステーション
砂
海岸砂
モニタリングポスト
塵
浮遊塵
は
はくさい
雨
雨水・ちり
キ
キャベツ
水
上水
だ
だいこん
井
井水
た
たまねぎ
河
河川水
み
みかん
海
海水
す
すいか
土
土壌
茶
茶葉
土
海底土
乳
原乳
玄
玄米
松
松葉
か
かんしょ
玄
た
水
だ
モニタリングステーション(14カ所)
河
塵
砂
水
海 土
砂
だ
海 土
筬川
松
白羽
土
海 土
御前崎港
茶
か
た
塵
だ
御前崎町役場
海 土
海 土
す
御前崎町
遠州灘
浜岡原子力発電所
海 土
で検討・評価され、
静岡県原子力発電所
環境安全協議会(会長:静岡県知事)で
確認されるとともに、
「静岡原子力だよ
り」として公表されています。
モニタリングポスト
(7カ所)
ご覧いただくことができるように当社
ホームページに掲載しています。
http://www.chuden.co.jp/hamaoka/
さまざまな角度から
万全の地震対策
浜岡原子力発電所周辺では、
100年
から150年に1回程度の割合でM(マグ
ニチュード)
8クラスの地震が発生して
安全確保を全てに優先
います。安政東海地震(1854年)の震源
浜岡町はじめ地元5町にお住まいの皆さま
(全戸)に年間4回
配布される「静岡原子力だより」
情報開示
浜岡原子力発電所の状況を迅速・正
確に知っていただくため、
運転状況や周
辺の環境放射線データを、
1999年6月
原子力発電は、
人や機械を過信せず、
域のうち、
東南海地震(1944年)の震源
故障やミスがあるものと想定して安全を
域を除いた区域(想定東海地震の震源
確保しています。
域)では、近い将来、地震が発生すると
設計・建設・運転にあたっては、
「異
予想されています。
常・故障の発生を防止」、
「事故への拡
同発電所では、
「地震発生時にも周辺
大を防止」、
「周辺への影響を防止」と
に放射能による影響を及ぼさないこ
いう3段階の対策を講じています。
と」を設計の大原則とし、
さまざまな対
安全確保の仕組み(多重防護)
策を講じています。
から浜岡原子力館、静岡県環境放射
想定東海地震の震源域
運転・保修要員の
資質向上
線 監 視センター 、地 元5町 の 役 場 ロ
厳重な品質管理
入念な点検・検査
原子力発電所の安全性
ビー、名古屋電気ビルにおいて公開、
想定東海地震の
新しい震源域
浜岡原子力発電所
多重防護の設計
35°
でも公開しています。
より高めるため、
2002年6月より運転情
報を含む発電所の最新情報を皆さまに
30
地
震
対
策
な
ど
余
裕
の
あ
る
安
全
設
計
危
険
な
状
態
を
自
動
的
に
回
避
フ
ェ
イ
ル
セ
イ
フ
誤
操
作
防
止
イ
ン
タ
ー
ロ
ッ
ク
検異
出常
すを
る早
装期
置に
止める
冷やす
閉じこめる
停自
止動
す的
るに
装原
置子
炉
を
非
常
用
炉
心
冷
却
装
置
原
子
炉
格
納
容
器
東南海地震
(1944年)の
震源域
駿河ト
さらに
事故発生に
至っても
もし異常が
発生しても
これに加え、発電所運営の透明性を
周辺への
放射性物質の
異常放出防止
異常の拡大
および事故への
進展の防止
異常の発生防止
想定東海地震の
震源域
34°
南
海
ト
ラ
フ
ページ、
2002年4月からは浜岡 CATV
ラフ
また 、
2000年11月からは当社ホーム
安政東海地震
(1854年)の震源域
0
136°
137°
200km
100
138°
139°
33°
目標 7 環境リスクマネジメント 指針1
最大の地震を考慮
根を軽く、重心を下げる」などの地震に
原子力安全委員会が定めた指針(1978
強い構造形式にしています。
年)に基づき、
想定東海地震(M8)はも
ちろん、
この地域でこれ以上の大きさは
ないと考えられるM8.5の限界地震に
も耐えられるよう設計しています。
大型振動台による実証
運転員の教育・訓練
発電所を安全に運転するために、原
浜岡原子力発電所の自主点検に
係る評価・検討委員会を設置し
調査を実施
浜岡1、2号機のトラブルならびに東京
電力(株)の原子力発電所の自主点検に
子力研修センターにおいて、経験や熟
関連した不正問題の影響を受け、
2002
練度に応じた訓練を定期的に行ってい
年8月に経済産業省原子力安全・保安
ます。
院から当社の過去の自主点検作業が適
安全上重要な設備について、実際の
切に実施されていたかについて調査する
設備または詳細に模擬したモデルを用
よう指示がありました。この指示に基づ
いて世界最大級の大型振動台(香川県
き、
2002年9月、
「浜岡原子力発電所の自
多度津町)において振動試験を実施し、
主点検に係る評価・検討委員会」
(委員
安全性を実証しています。
長:寺澤副社長)
を設置するとともに、
「浜
岡原子力発電所 自主点検作業の適切
基礎は岩盤に直接設置
性確保に関する調査計画書」を策定し、
原子炉建屋など重要な施設の基礎
原子力安全・保安院に提出しました。
は、堅固な岩盤に直接設置されている
原子力研修センターの運転訓練シミュレータ
ため、軟らかい表層地盤に比べて、地震
原子力防災体制
の揺れが小さくなります。
「原子力災害対策特別措置法」
(1999
A
年12月成立)では、原子力災害が発生し
表層地盤での揺れ
揺
れ
の
大
き
さ
B
堅固な岩盤での揺れ
揺
れ
の
大
き
さ
時間
時間
原子力発電所
一般建築物
岩盤
地震時には自動停止
体制や不正防止策が確立されていること
調査結果については、
2003年3月、最
れています。当社も、
静岡県・浜岡町と協
終報告として、原子力安全・保安院に報
議のうえ「原子力事業者防災業務計画」
告、公表しました。
国(原子力安全・保安院)の評価
(2003年4月)
当社保有の保修作業報告書が1件紛
また、
2002年3月に静岡県の緊急事
失していたことに関し、
「自主保安のあり
態応急対策拠点施設(オフサイトセン
方として適切でない」とし、
「改善が望まれ
地震感知器
震源
点検が適切に実施されるに十分な社内
を確認しました。
制の充実に取り組んでいます。
B
検作業が適切に実施されていること、
自主
一体となって対応する枠組みが定めら
体制の整備や教育・訓練など緊急事態体
表層地盤
報告書類を厳正に調査した結果、
自主点
た場合に国、
自治体、
事業者、
関係機関が
を作成するとともに、
平常時から資機材・
A
最長10年間分、約36万ページにわたる
ター)が設置され、
2003年2月には県の
る軽微な事項」との指摘がありましたが、
訓練が実施され、当社も参加しました。
「過去10年間の自主点検作業等の総点
検は適切に行われたものであり、
また安全
原子炉は、大地震が発生したとき
性の観点からも問題がないと評価する。」
(原子炉建屋の地下2階で地震感知器
との見解が出されました。
が150ガル※の揺れを感知したとき)に
指摘事項については、
すでに対策内容
運転を自動的に停止する仕組みになっ
に反映しています。
ています。
※:地震による地盤や建物などの揺れの強さを表す単位
地震に強い構造
「厚い壁を多く、規則正しく配置す
静岡県原子力総合防災訓練(2003年2月実施)
る」
「基礎の面積を広く、厚くする」
「屋
31
環境問題への取り組み 指針1 資源の有効活用と環境負荷の低減に努めます。
目標8 オフィスにおける省資源、省エネルギー活動の推進
省資源、省エネルギー
電力使用量の削減
古紙回収率・再生紙使用率
空調の温度設定(夏季28°
C、冬季20
1997年からスタートした紙ごみリサ
自社ビルの
エネルギーマネジメント
°
C)、不要な電灯の撤去や昼休み中の
イクルが順調に進み、
2002年度の古紙
事業場ビルの電力消費量削減を目
消灯徹底などにより、
2002年度は1998
回収率は2001年度より1ポイント上昇し
指し、空調・照明などの使用用途別の
年度より3.6%削減できました。
90%を達成しました。
電力量を継続的に計測・分析していま
電力使用量
また、
再生紙使用率も2001年度より2
目標(2005年度)…………98年度比3%減
実績(2002年度)………98年度比3.6%減
ポイント上昇し99%を達成しました。
+1%
削減率
0
−1
電
力
使 15,000
用
量
削
−2 減
率
−3
98
99
2000
01
02年度
再生紙使用率
た、継続して計測することで、
データのト
レンド管理と運転・保守の効率的な運
用が可能です。
目標(2005年度)…………90%程度を維持
実績(2002年度)………………………99%
具体的には、パソコンとPHS回線を用
いて常時測点内容を遠隔で監視し、良好
な執務環境を維持しながらデータの収集・
−5
分析を行い、省エネ化を図る方法です。
データの一例を下図に示しますが、用
水使用量の削減
途別・時間帯別の1日・週・月・年単位の
2002年度は、事業場緑地保護のため
電力使用量が分かります。これらを基に
の散水を実施した結果、
水使用量が2001
第1に運用面の改善を行い、第2に費用
年度と比較して大幅に増加しました。
対効果を考慮した適切な修繕や設備改
2005年度の目標3%減達成に向けて取
修などによりエネルギー消費量削減を目
指します。既にお客さま建物においても
り組みを強化します。
ごみの分別回収(名古屋支店)
実施しており、名古屋市の施設において
水使用量
は効果も確認しエネルギーマネジメントの
古紙回収率
目標(2005年度)…………98年度比3%減
実績(2002年度)………98年度比0.1% 減
90万m3
水道使用量
+1%
削減率
0
80
−1
水
道
使 70
用
量
−2 削
減
−3 率
−4
60
2,500t
紙ごみ発生量 古紙回収量
100%
古紙回収率
紙 2,000
ご
み
発 1,500
生
量
・
古 1,000
紙
回
500
収
量
0
80
古
60 紙
回
40 収
率
20
97
98
99
2000
01
02年度
6,000k
−6
50
98
99
2000
01
02年度
車両用燃料消費量の削減
車両台数の削減、
車両の小型化、
ハイ
1台当たり年間給油量
年 4,000
間
給
油 3,000
量
総
計 2,000
リングストップの徹底などにより削減し
ています。
99
などを、
お客さまに満足いただける省エネ
ルギーコンサルティングなどの業務に活
用していきます。
使用用途別電力量
1,000
4
900
6
800 1
700 台
当
600 た
500 り
年
400 間
給
300 油
200 量
98
もに、蓄積したデータベースや分析技術
2
年間給油量総計
5,000
0
今後はさらに対象事業場を増やすとと
0
1,000
ブリッド車など低公害車の導入やアイド
必要性が実証できました。
0
車両用燃料消費量
−5
32
ては、用途毎のエネルギー使用量を把
体的な削減の対策をたてていきます。ま
目標(2005年度)…………………80%以上
実績(2002年度)………………………90%
−4
10,000
測を実施しました。計測した建物に関し
握することにより、
その建物に適した具
古紙回収率
20,000
万kWh 電力使用量
す。2002年度末までに13事業場の計
2000
01
02年度
8
10
12
14
16
18
100
20
0
22時
0
20
一般電灯1
40
一般電灯2
60
80
一般電灯3
100
120
業務蓄熱動力
140 160kWh
一般動力
環境問題への取り組み 指針 1 資源の有効活用と環境負荷の低減に努めます。
指針1
目標9 地球環境保全のための研究開発の推進
技術開発の概要
電力の安定供給、エネルギーの効率
的利用のための技術開発を目指して、
今後取り組むべき技術開発分野を次の
3つに設定し、さまざまな研究を推進し
ています。
●総合的なエネルギー供給に関する技
術開発
●経営基盤強化のための技術開発
●環境保全に関する技術開発
このうち、
環境保全に関する技術開発
について、主な研究テーマを紹介しま
当社の技術開発本部
環境保全に関する主な技術開発
分類
研究テーマ
環境影響対策
石炭灰による水質浄化の実証試験
す。
騒音源としての音の映像化装置実用化研究
大型藻類の種苗生産技術の開発
地球温暖化対策
植物を利用したCO2固定化研究
CO2吸収源としての豪州炭坑跡地植林事業の研究
廃棄物抑制・リサイクル
石炭灰のブロックなど二次製品への適用研究
石炭灰混合プラスチックの開発
バイオマスガス化メタノール製造装置の開発
ポリエチレンのリサイクル技術の開発
廃棄物処理 各部門の研究成果を社内外に広く周知するため、年間6回発行し
ている技術開発ニュース
PCB簡易迅速分析法の開発
フロン・ハロン破壊処理装置の開発
エネルギーの効率利用
高温型燃料電池の開発
フロンを使わない磁気冷凍システムの開発
低温廃熱を有効利用するシステムの開発
テクノフェア2002を開催
2002年10月2∼4日の3日間、技術開
期間中は、
行政関係者や大学関係者、
発本部を会場に「テクノフェア2002」を
学生、一般企業からの来場者など、昨年
開催しました。
を上回る3,
500名の方にご来場いただ
研究開発状況の紹介を目的として毎
きました。
年開催しているもので、
2002年度は
「明日を拓く新技術」をテーマとして17
件の研究開発技術の展示と9件のス
テージ発表を行いました。
研究開発状況の紹介
3,
500名の方にご来場いただいたテクノフェア
33
環境問題への取り組み 指針1 資源の有効活用と環境負荷の低減に努めます。
目標 9 研究開発
新型磁気冷凍システムを開発
2000年に世界で初めて磁界変化を
利用した冷凍システムの開発に成功し
て以来、
実用化に向け取り組んでいます
が、
このほど、
(株)東芝様と共同で永久
磁石を回転させるタイプの磁気冷凍シ
ステムの開発に成功しました。
磁気冷凍とは、
ある種の磁性体(磁石
に引き寄せられる物質)に磁界をかけ
ていくとその磁性体が発熱し、
磁界を取
り去るとその温度が下がる現象(磁気
熱量効果)を利用したものです。フロン
や代替フロンなどを使用した気体冷凍
と比べ、環境への負荷が少なく、エネル
ギー変換効率が高いため、省エネが可
能という特徴があります。
発生)
して燃料電池で発電を行うシステ
ム の 実 証 試 験を 石 川 島 播 磨 重 工 業
(株)様と新日本製鐵(株)様の3社共同
で開始しました。
MCFCによる廃棄物発電は小規模で
も高い発電効率が得られるため、CO 2
削減効果が大きく、
資源循環型システム
構築に寄与できる技術です。
世界初!ビル・工場向け
CO2 冷媒空調・給湯
ヒートポンプの実証試験を開始
バイオ技術による大型藻類の
種苗生産技術を開発
(財)国際環境技術移転研究センター
(ICETT)様と共同開発した大型藻類
の種苗生産技術が、中部国際空港(株)
様の空港島造成護岸の藻場造成事業に
活用され、
国内初となる人工種苗による
アラメ・カジメ(昆布の仲間)の大規模
藻場造成が進んでいます。
わが国の沿岸では、岩礁域に生息す
るアラメ・カジメや砂浜域に生息するア
マモ(稲の仲間)などの大型藻類の群
高温給湯と製氷が同時に可能で、経
済性、環境性にも優れた「CO 2 冷媒業
務用・産業用空調・給湯ヒートポンプ」を
(株)前川製作所様と共同開発しまし
た。世界初の商品化に向けて2002年12
月からプリマハム(株)様三重工場で実
証試験を開始し、
2003年秋から販売を
落(藻場)が衰退、消失する現象が多発
しています。この種苗生産技術により藻
場が再生されれば、魚介類の産卵・生育
の場として大切な環境を守るとともに、
光合成によりCO2を吸収するため地球
温暖化の抑止にも貢献することができ
ます。
開始する予定です。
このヒートポンプは、オゾン層を破壊
しない温暖化係数の小さい CO 2 冷媒
の使用、
高圧力に対応可能なスクリュー
圧縮機などの開発により、
従来のフロン
新型磁気冷凍システム
を使用した製品では困難な高温給湯と
廃棄物ガスを利用する
燃料電池の実証試験を開始
製氷を同時に可能としました。また、高
300k W 級溶融炭酸塩形燃料電池
ムに比べ、維持管理費を約10%削減で
(MCFC)の商用 1 号機を新名古屋火
いエネルギー効率によりガス式システ
きます。
力発電所構内に設置し、廃木材などの
廃棄物をガス化(蒸し焼きにしてガスを
CO2 冷媒空調・給湯ヒートポンプ
新名古屋火力発電所に設置した溶融炭酸塩形燃料電池
34
中部国際空港(株)様の空港島造成護岸で実施中のカジメ
の藻場造成
環境問題への取り組み 指針 2 廃棄物の発生抑制・再使用・再生利用を図ります。
指針2
目標10 廃棄物発生量の低減と再資源化
産業廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用
産業廃棄物対策として、発生抑制
産業廃棄物処理・リサイクルの流れ
Recycle
(Reduce)、再使用(Reuse)、再生利
●石炭灰(自社建設資材)
●金属くず(再生電線) など
用(Recycle)の3Rを基本にさまざま
Reuse
な取り組みを展開しています。
●ケーブルドラム
●梱包材
●保温材
●計器類 など
碧南火力発電所5号機の運転開始に
伴い、石炭灰の排出量が増加しました
IN
が、石炭灰のリサイクルを進めた結果、
資材
燃料
●石炭灰(セメント原料など)
●石こう
(セメント原料、石こうボードなど)
●コンクリート柱(道路路盤材など)
OUT
リサイクル量118.5万t
発生廃棄物量
142.4万t
Reduce
処分量22.7万t
●機器の長寿命化
●工法改善 など
石炭灰のリサイクル率は2001年度より
●金属くず(金属)
●アスファルト
(再生アスファルト)
●重原油灰(金属回収) など
委託処分量(埋立)1.6万t ●建設廃材の一部
●廃プラスチックの一部 など
7.1ポイント上昇の81.2%を達成でき
自社処分量(埋立用材として利用)21.1万t
●石炭灰の一部
●汚泥の一部
ました。また、
全産業廃棄物の最終処分
量も22.7万tと2001年度より2.2万t削
減できました。
引き続きリサイクル率の向上を図り、
産
産業廃棄物、副生物の発生量およびリサイクル量(2002年度)
業廃棄物の最終処分量については、
2005
発生量
年度目標18万tの達成に向けて取り組
石炭灰
産業廃棄物の発生量およびリサイクル量の推移
150
万t
79.5
発生量
処分量
リサイクル率
18.4
81.2%
(18.0)
2005年度目標
リサイクル率80%以上
重原油灰
0.
4
0.
4
0
100%
リサイクル率100%
石こう
29.1
29.1
0
100%
リサイクル率100%
汚泥
2.2
0.3
1.1
13.8%
100%
(自社処分再掲)
80
(コンクリート柱再掲)
リサイクル率
120
97.9
(自社処分再掲)
みを進めていきます。
140
リサイクル量
(単位:万t)
建設廃材
(0.8)
7.6
7.1
0.3
93.1%
(2.
1)
(2.
1)
(0)
(100%)
(リサイクル率100%)
100
発
生 80
量
・
処
分 60
量
40
60 リ
サ
イ
ク
ル
40 率
処分量
20
20
0
金属くず
(コンクリート柱再掲)
その他※1
2.
0
1.9
0.
1
96.8%
(0.
2)
(0.
2)
(0)
(100%)
3.1
0.
1
2.8
(2.4)
3.9%
142.4
118.5
22.7
(21.1)
83.2%
(自社処分再掲)
合計※2
(自社処分再掲)
リサイクル率100%
最終処分量
18万t
0
92
93
94
95
96
97
98
99
2000 01 02年度
※1
:廃油、廃プラスチックなど
※2:四捨五入のため、合計が合わないことがあります。
石炭灰の有効利用促進
碧南火力発電所(総出力410万kW)
積極的に進めてきましたが、
2002年度
から発生する石炭灰は、当社の産業廃
は石炭灰の水質浄化試験や園芸用培養
棄物、副生物の約7割を占めており、今
土の開発など環境面からの有効利用に
後、年間100万t程度発生すると予想し
ついても継続的に取り組みました。今後
ています。
もグループ企業などと一体となって、石
これまでにもフライアッシュ(石炭灰
炭灰の有効利用を推進します。
の一種)を混合したセメントの製造、壁
材・床材など建設資材へのリサイクルを
P36,47
園芸用培養土「花めぐり」の軽量化タイプ
35
環境問題への取り組み 指針2 廃棄物の発生抑制・再使用・再生利用を図ります。
目標 10 廃棄物発生量の低減と再資源化
石炭灰のリサイクル例
用途
リサイクル例
土木・建築資材
P47
基礎など
フライアッシュモルタル・コンクリート、
インターロッキングブロックなど
建材
外壁材、
OAフロア、
タイルカーペットなど
その他
配電用マンホール、土壌改良材、骨材など
園芸用培養土
P35
水質浄化への適用
透水性、通気性、保肥力に優れたクリンカアッシュ
(石炭灰の一種)に廃木材(堆肥化物)、貝類(貝粉)
を加え「三種混合
培養土」を開発し、
2002年4月より販売しました。また、
さらなる有効利用拡大を目指し改良を加えた花専用培養土を開発し、
2003年3月から販売を開始しました。
クリンカアッシュの優れた水質浄化能力に着目し、名古屋市内を流れる堀川を対象とした実証試験を名古屋市と共同で20
01年12月から2003年3月まで実施しました。また、石炭灰のゼオライト化の研究に取り組んでおり、実用化研究の一環とし
て製造した人工ゼオライトの持つ陽イオン交換機能を活かした水質浄化の実証試験を多治見市と共同で2002年8月から
2003年3月まで実施しました。
3R の具体的な取り組み例
ガスタービン
ミストセパレータ用フィルタの
長期使用
発生抑制(Reduce)
四日市火力発電所の4号系列ガスタービ
ン潤滑油系統には、霧状になった油分を除
去するミストセパレータにフィルタが取り付け
られており、従来は1年毎に取り替えて廃棄
処分をしていました。このフィルタについて
繰り返し使用の確認試験を実施し、良好な
結果が得られたことから、
2002年度より長
期間使用(4年間)が可能となりました。
サービスブレーカーの再使用
再使用(Reuse)
従量電灯Bをご契約いただいているお客
石炭灰を原料とした
人工ゼオライトの製造
再利用(Recycle)
さま宅の分電盤には、
サービスブレーカー※
石炭灰有効利用の一環として、
2000年
や漏電しゃ断器などがあります。ご契約内容
より人工ゼオライト※の試験製造および用
の変更などで撤去されたサービスブレーカー
途開発の研究に取り組んできました。その
の性能評価を実施し、必要な修理を施して
結果、低コストで良質な人工ゼオライトを製
再使用するシステムを構築し、
2002年9月よ
造する実用的な手法を確立するとともに、環
り運用を開始しました。
境対策や農業、土木建築など多方面での
これにより廃棄物の年間発生量が約40
t
利用目途が得られたため、今後利用拡大に
削減される見込みです。
向け具体的な取り組みを展開していきます。
※:当社の設備で、
ご契約以上の電気が流れると自動的
に電気を止める装置。
石炭灰の表面構造
ミストセパレータ用フィルタ
サービスブレーカーの修理
人工ゼオライトの表面構造
※:ゼオライトは天然鉱物ですが、石炭灰に苛性ソーダを加え
て加熱処理すると、
その粒子は多孔質に変化し、
ゼオライトと
同様に陽イオン交換機能、吸着・触媒機能など優れた機能を
有する結晶体となります。
36
目標 10 廃棄物発生量の低減と再資源化 指針2
原子燃料サイクルの推進
原子力発電所で使用されたウラン燃
確保などの観点から、国の原子力政策
料は97% がリサイクル可能です。資源
の基本となっています。
が少ないわが国において、使用済燃料
また、使用済燃料全体をそのまま廃
からウランやプルトニウムを取り出して
棄物にすることなく、
放射能レベルの高
リサイクルする「原子燃料サイクル」を
い廃棄物を分離して処分することがで
確立することは、
ウラン資源の有効利用
きます。
による長期的なエネルギー安定供給の
再利用できるウラン燃料
原子燃料サイクル
ウラン燃料
使用済燃料
核分裂しやすい
ウラン235
約3%
核分裂しやすい
ウラン235
1%
核分裂しにくい
ウラン238
約97%
核分裂しにくい
ウラン238
95%
プルトニウム
1%
核分裂生成物
3%
転換工場
新
た
な
燃
料
と
し
て
再
利
用
97%
六フッ化ウラン
ウラン濃縮工場
イエローケーキ※1
ウラン鉱石
製錬工場
ウラン鉱山
回収ウラン
六フッ化ウラン
再利用
(回収ウラン・
プルトニウム)
放射性廃棄物※2
(高レベル)
二酸化ウラン
(劣化ウラン)
再処理工場
高レベル放射性廃棄物
処分施設
MOX燃料工場
高レベル放射性廃棄物
貯蔵管理施設
処
理
・
処
分
3%
使用済燃料
MOX燃料
再転換工場
二酸化ウラン
燃料集合体
使用済燃料
低レベル放射性廃棄物
処分施設
原子力発電所
リサイクル燃料
備蓄センター
成型加工工場
(使用済燃料中間貯蔵施設)
放射性廃棄物(低レベル)※3
※1
:ウラン鉱石を製錬して不純物を取り除いたものの通称で、黄色の粉末でケーキのように見えるため
※2:使用済燃料の再処理時にウランとプルトニウムを回収した後に残る放射性物質濃度が高い廃液をガラスで固化したもの
※3:原子力発電所から発生する放射性廃棄物の多くで、放射性物質の濃度が低いもの
プルサーマル計画
使用済燃料を再処理して取り出した
い 時 期 の 導入を目指して、地 元 のご
プルトニウムをウランと混合して原子力
理解をいただきながら進めていきた
発電所(軽水炉)で利用することを「プ
いと考えています。
ルサーマル」といいます。
海外では、
フランス、
ドイツ、スイスな
1997年2月、
政府は「現時点で最も確
ど世界で37基の原子力発電所に導入さ
実なプルトニウムの利用方法であるプ
れており、約40年間の実績があります
ルサーマルを、早急に開始することが
(2001年12月末時点)。
必要である」旨の閣議了解を行いまし
現在でも、運転中の原子炉内ではプ
た。これを受けて、電力会社は2010年
ルトニウムが生成し、プルトニウムによ
までに16∼18基の原子力発電所にお
る発電量が全体の約3割を占めていま
いて、
プルサーマルを導入する計画で
す。
現在運転中の原子炉内で
プルトニウムが発電に寄与する割合
発ウ
電ラ
量ン
に
よ
る
発
電
に
寄
与
す
る
割
合
70%
30%
発プ
電ル
量ト
ニ
ウ
ム
に
よ
る
発電の進み具合
す。当社も2000年代のできるだけ早
37
環境問題への取り組み 指針2 廃棄物の発生抑制・再使用・再生利用を図ります。
目標11 廃棄物の適正処理の徹底
廃棄物の適正処理
放射性廃棄物の概要
「廃棄物の処理及び清掃に関する法
原子力発電所から発生する廃棄物の
律」に沿った社内方針「廃棄物の処理・管
うち、
放射線を出すものが「放射性廃棄
理に関するガイドライン」を1998年に制
物」です。放射性廃棄物は、含まれてい
定しました。さらに、
各部門の業務形態に
る放射性物質の種類や濃度などに応じ
合わせた運用マニュアル類を整備し、
廃
た方法で処理され、生活環境に影響が
棄物の適正処理を徹底しています。
およばないように処分、隔離されます。
また、
建設工事などで発生する廃棄物
についても、
2002年度より本格施行され
た「建設工事に係る資材の再資源化等
に関する法律」などに基づき適正処理を
浜岡原子力発電所の低レベル放射性廃棄物貯蔵庫
放射性廃棄物の処理処分
原子力発電所
行うとともに、
発注者の責務として廃棄
低レベル
放射性廃棄物
ドラム缶
地下へ埋設処分
生活環境から
隔離
物処理先の許可証や運搬ルートの確認
再処理工場
など適宜指導・助言を行っています。
高レベル
放射性廃棄物
ガラス固化体
地層処分
放射性廃棄物の管理
委託処分における廃棄物処理施設の視察
廃棄物処理管理支援システム
の導入
気体および液体廃棄物の一部は、放
年3月から稼働しました。
射能を測定し、安全を確認して、排気筒
発電所内の固体廃棄物貯蔵庫におい
から大気へ、放水口から海へ放出して
て、
2002年度末時点で35,
767本(ドラム
います。それに伴う周辺への影響は自
缶相当)を安全に保管しています。
1992
然放射線の約50分の1以下(0.05ミリ
年度から青森県六ヶ所村の低レベル放
シーベルト/ 年)になるよう管理してい
射性廃棄物埋設センター(日本原燃
ます。
(株))様へ16,
557本を搬出しました。
使用済フィルタ、
紙や布など固体廃棄
同センターにおいて、放射性物質を閉
各事業場における処理実績を的確か
物はセメントやプラスチックで固化、ま
じこめるためのさまざまな対策を施
つ効率よく把握するため、
2001年度より
たは焼却して容積を50分の1程度に小
し、地下に埋設(覆土4m 以上)される
「産業廃棄物処理管理支援システム」
さくし、
ドラム缶に詰めて、
保管していま
予定です。
を導入し、
2002年度に稼働しました。
す。さらに、
1,
500°
C の溶融処理により
なお、
同センターは現在ドラム缶約40
容積を5分の2に減容化する設備が2003
万本相当の埋設施設の事業許可を国か
溶融処理装置
ら得ています。
廃棄物処理管理支援システム
本店各部
各支店・各事業場
廃棄物追加投入
投入機
http://www.chuden.co.jp/hamaoka/
DETAIL/haiki.html
指導助言
情報交換
誘導コイル
●廃棄物登録情報などの検索
●各種統計資料の作成
●廃棄物対策などの検討
●廃棄物登録情報などの検索
●各種統計資料の作成
●処理実績の登録
●マニフェスト発行
●運搬・処理業者の登録
溶融炉
高周波誘導加熱
廃棄物
冷却室
社内ネットワーク
廃棄物処理管理
支援システム
38
(財)日本産業廃棄物
処理振興センター
ドラム缶断面
モルタル充填
目標 11 廃棄物の適正処理の徹底 指針2
放射性気体・液体廃棄物の放出状況
(単位:ベクレル※1)
年間放出
管理目標値
1997年度
1998年度 1999年度
2000年度 2001年度 2002年度
気体廃棄物(希ガス)
5.
1×1015
※2
N.
D.
N.
D.
N.
D.
N.
D.
N.
D.
N.
D.
気体廃棄物(よう素)
2.
9×1011
N.
D.
N.
D.
N.
D.
N.
D.
N.
D.
N.
D.
液体廃棄物(トリチウムを除く)
1.
4×1011
N.
D.
N.
D.
N.
D.
N.
D.
N.
D.
N.
D.
※1
:放射能の強さを表す単位。
※2:放出放射能濃度が検出限界濃度未満の場合はN.
D.
と表示します。検出限界濃度は以下のとおり
放射性希ガス:2×10-2 ベクレル/cm3 以下、 放射性ヨウ素:7×10-9ベクレル/cm3 以下、 放射性液体廃棄物(トリチウムを除く)
:2×10-2 ベクレル /cm3 以下、 ( 60Coで代表した)
放射性廃棄物の処理例
放射性固体廃棄物の管理状況
発
生
量
︵
ド
ラ
ム
缶
相
当
︶
排気筒から
放出
フィルタ
放射能を測定し
安全を確認する
気体
貯蔵庫容量:42,000本
4,000
本
2,000
0
貯
40,000 蔵
量
本 ︵
ド
ラ
20,000 ム
缶
相
当
︶
0
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02年度
ろ過
液体
放射能を測定し
安全を確認する
0
冷却用海水と
ともに海へ放出
搬 −1,000
出
量 −2,000
蒸発・濃縮
六ヶ所村
低レベル
放射性廃棄物
埋設センター
焼却・圧縮・溶融
ドラム缶内に固化する
−3,000
本
六ヶ所低レベル放射性廃棄物埋設センターへ搬出
単年度発生量
埋設減容量
累積貯蔵量
発電所内に安全に保管する
固体
高レベル放射性廃棄物‐処分への取り組み
使用済燃料の再処理に伴い放射能レベ
平成14年12月
[ 天 然 バリア ]
公募開始
ルの高い廃液(高レベル放射性廃棄物)が
応募
発生します。これをガラスで固めて、冷却のた
め30∼50年程度貯蔵し、
その後、地下300m
文献その他の資料による調査
平成10年代後半ころ
より深い安定した地層中に最終処分すること
を基本方針としています。
2000年5月、
「特定放射性廃棄物の最終
概要調査地区の選定
ボーリングの実施等による調査
平成20年代前半ころ
精密調査地区の選定
平成30年代後半ころ
最終処分施設建設地の選定
地下施設等を用いた調査
[ 人 工 バリア ]
●ガラス固 化 体を厚い金 属 製 容 器
(オーバーバック)に入れ、さらに水を
通しにくい粘 土で覆って埋 設する。
ガラス固 化 体
厚い金 属 製 容 器(オーバーバック)
緩衝材
( 水を通しにくい粘 土 )
処分に関する法律」が制定され、最終処分に
向けた枠組みが整備されました。これを受け
● 火 山 ・ 地 震 ・ 断 層 活 動の影 響が十 分 小さく、
安 定した地 層を選ぶ。
● 地 下 3 0 0 m 以 上の深い地 層を選ぶ。
( 酸 素が少ないため金 属が錆びにくく、
地 下 水の動きも非 常に遅い)
平成30年代後半∼
処分場の設計
国による安全審査の実施
処分場の建設
平成40年代後半ころ
最終処分の開始
て、
同年10月、
処分事業の主体的役割を果た
す「原子力発電環境整備機構(NUMO)」
(経済産業大臣の認可法人)が設立され、
出典:原子力発電環境整備機構パンフレット
2002年12月から最終処分候補地の公募を
開始しました。
天然バリア
高レベル
放射性廃棄物
処分場に適した場所の選定
放射性物質を閉じこめる工夫
人工バリア
地層処分
ガラス固化体、金属製容器、水を通しにくい粘土
原子力発電環境整備機構 http://www.numo.or.jp
39
環境問題への取り組み 指針3 社内外の評価を反映して環境管理レベルを向上させます。
目標12 PDCA※1サイクルに基づく環境施策の継続的な改善
環境マネジメントシステム ※ 2
と社内認証制度
ISO14001認証取得事業場
発電部門
送電・変電部門
原子力発電所
1998年2月に「環境管理規程」を制定
し、
全事業場に環境方針と行動目標の策
電力センター
浜岡原子力発電所
中村電力センター
掛川電力センター
松阪電力センター
岐阜電力センター
上田電力センター
水力発電所
矢作川電力センター
定促進を図りました。
知多火力発電所
尾鷲三田火力発電所
事業場がISO14001による環境マネジメ
内認証制度」を1999年10月から導入
お客さま
部門横断
飯田支店
ントシステムの認証を取得しています。
また、
「環境マネジメントシステム社
営業所
緑営業所
基幹系統建設センター
(旧中央送変電建設所)
火力発電所
1998年度から2000年度にかけて12の
営業・配電部門
認証取得事業場の取り組み成果
し、各事業場の自主的な取り組みによっ
て、
2002年度末までに97事業場が取得し
津営業所(三重県津市)
ました。この制度は、
ISO14001により適
2002年12月に環境マネジメントシステム
用を認められている「自己宣言型」の制
社内認証を取得しました。
の業務で接するお客さまに対して、
「エコ
2002年度の環境目標として、
「コピー用紙
キュート・一声運動」などを展開しています。
の削減」のほか、
「エコキュート(自然冷媒
全所員が、
こうした取り組みを通じて、省資
CO2ヒートポンプ給湯機)の推奨」を掲げ、
源・省エネによる地球環境保全を目指してい
環境改善活動に取り組んでいます。
「エコ
ます。
度で、
外部組織による審査登録制度と同
レベルの厳格な審査を行っています。
これらの取り組みによって、全事業場
の82%に環境マネジメントシステムが
キュートの推奨」では、新築や給湯機につい
構築できました。
2002年度削減効果
取り組み項目
社内認証制度
3 審査業務の
環境部
委託契約
制度の主管
てご相談をいただいたお客さまをはじめ、
日々
2002年度目標
成果
コピー用紙の削減
1999∼2001年度の平均実績に対し、
10%(55,
542枚)削減
11%(60,
417枚)削減
エコキュートの推奨
新設 80台
新設159台
2 年度受審計画報告
4 審査実施
支店など
静岡電力センター(静岡県静岡市)
依頼
(株)テクノ中部
受審計画の調整
審査結果の判定
社内認証
審査の実施
6 審査結果
7 認定証の交付
1 受審の意志表明
報告
2000年7月に環境マネジメントシステム社
み、
すべての項目で目標を達成しました。
内認証を取得しました。
また、電力設備の保守・工事で発生する廃
2002年度は環境目標として「コンクリート
棄物の適正処理や自治体主催の河川敷美
発電所・営業所など
屑の再利用率向上」
「光ファイバーケーブル
化運動への参加など、環境改善への取り組
環境マネジメントシステムの
構築・運用
の廃棄率削減」など5項目を主体に取り組
みを積極的に推進しています。
5 審査の実施
※1:P=plan, D=do, C=check, A=action の略
※2:自社の活動や提供する製品・サービスが環境へどのような影
響を与え、
または与える可能性があるかを把握して、
環境に関す
る方針や目標を設定し、
自主的に取り組む組織的な仕組み。
2002年度削減効果(1999年度実績に対して)
取り組み項目
コンクリート屑の再利用率向上
2002年度目標
成果
削減量
90%以上(1999年度0%)
100%再利用
160m3
廃棄率0.7%
2,
000m
7.2%削減
40,
200kWh
光ファイバーケーブルの廃棄率削減 2.3%以下(1999年度3.3%)
事業所建物使用電力量の削減
33,
400kWh(6%)削減
変電所使用電力量の削減
125,
000kWh(5%)削減
5.8%削減
146,
700kWh
76,
500枚(21%)削減
23.8%削減
86,
700枚
新紙購入量の削減
40
環境問題への取り組み 指針 3 社内外の評価を反映して環境管理レベルを向上させます。
指針3
目標13 従業員に対する環境教育の充実と意識の高揚
環境教育
従業員に対する環境教育は、
日常業務
この他、公害防止管理者などの公的
を通じて行うことを基本としています。
資格の取得支援も行っています。
また、これを補完するため、各事業
※:ITを用いてネットワーク経由で行われる遠隔教育
場から選任された環境教育トレーナー
主な公的資格の取得状況(2002年度末時点)
資格
取得者数(人)
エネルギー管理士(電気、熱)
技術士(環境)
954
2
(任期1年、
2002年度244人、
これまでに
公害防止管理者(主任)
1,
237人が選任)による教育や入社時、
作業環境測定士(1、
2種)
17
各部門における集合研修などにおいて
産業廃棄物中間処理施設技術管理者
58
消費生活アドバイザー
26
環境教育を実施しています。
さらに、
2002年度には新たな環境教
育の試みとして、
全従業員を対象とした
環境教育トレーナーの養成講習会
eラーニング※を実施しました。
959
特定化学物質等作業主任者
353
放射線取扱主任者(1、
2種)
210
環境教育トレーナーによる環境教育の体制
5
報告
1
2
養成
環境部
環境教育トレーナー
(任期:
1年)
3
選任
本店各室・部長
事業場の長
4
報告
教育
全従業員
全従業員を対象に実施した環境教育 eラーニング
チャレンジ・サークル活動
チャレンジ・サークル活動は、従業員
が意見交換や創意工夫などによって各
職場の課題解決を図るものです。
2002年5月に開催した「第18回全
社チャレンジ・サークル活動発表会」
では、全社1,
754サークルから選ばれた
18サークルが発表しました。
チャレンジ特別賞
復水器で発生する貝や藻類の廃棄物を削減
知多火力発電所発電課2Aグループ
サークル名:
「闘魂」
火力発電所の復水器は、海水で蒸気を冷
やし水に戻す役割をしていますが、海水が通
る細管内部に貝や藻が付着成長し発電効率
が低下するため、定期的に掃除をしています。
今回の発表では、クリンカアッシュ
この際、廃棄物(貝や藻)が発生するため、
そ
(石炭灰の一種)を用いた河川の水質
の処理に苦慮していましたが、
メンバー全員の
浄化や、
ダムに漂着した流木の有効利
粘り強い努力の結果、発電停止中のタービン
用など環境に関連したテーマを5サー
の蒸気を有効に使うことにより貝や藻の付着
クルが選定し、そのなかの知多火力発
を抑制し、廃棄物の発生をゼロに抑えることが
電所発電課2Aグループがチャレンジ特
別賞を受賞しました。
できました。これにより発電効率も向上し、
復水器内部から排出される廃棄物(貝・藻)
CO2 排出量削減に寄与しています。
41
環境問題への取り組み 指針 3 社内外の評価を反映して環境管理レベルを向上させます。
目標14 中部電力環境懇話会など社外評価システムの充実
社外評価システム
環境管理レベルを向上するため、社
ことが必要と考えています。
「有識者」、
外のさまざまな方に当社の姿勢・取り組
「消費生活アドバイザー・消費生活コン
みを説明したうえで、
ご意見を承り、そ
サルタント」、
「学生」、
「消費者」の皆さ
れを十分検討して施策に反映していく
まとのコミュニケーションルートを構築
し、それぞれの立場からの評価を受け
ています。
社外評価システムの概要
P61∼P63
2003年3月現在
特徴
人数
環境懇話会
18名
消費生活アドバイザー・消費生活コンサルタント
400名
学生エコモニター
13名
エコプラザ(お客さま環境意識アンケート)
3,
800名
内容
学者・ジャーナリストなど有識者
意見提言・施設見学
企業と消費者のパイプ役
懇談・施設見学・アンケート調査
21世紀を担う若者
懇談・施設見学・インターネットによる情報交換
消費者
アンケート調査
第21回「環境懇話会」
「学生エコモニター」奥矢作揚水発電所を見学
「消費生活アドバイザー・消費生活コンサルタント」
川越火力発電所を見学
社外から受けた表彰
環境保全に対する新技術や省エネル
ギー技術などが社外から高い評価を受
け、各種の賞をいただきました。
環境関係の主な受賞(2002年度)
受賞名
技術振興賞
(社)
日本ファインセラミックス協会
第17回振興賞技術振興賞
(社)空気調和・衛生工学会
受賞対象
固体酸化物形燃料電池(S O F C )
(三菱重工業(株)
と共同開発)
受賞理由
将来商品化や新市場が期待できる優れた技術開発
岐阜支店ビル
空調設備の省エネルギー化を積極的に行い、一般的な事務所建物
に比べて、
25%以上電力消費量の削減、CO2の排出量では35%以
上の削減を実施
海事功労者表彰
中部地方整備局
名古屋港ワイルドフラワーガーデン
地域の港湾などの振興・発展に貢献
電気保安功労者
中部経済産業局
静岡支店細江営業所
電気保安の確保に顕著な功績
名古屋光のデザインフェア
2002
中部経済産業局長賞
42
主催
光のデザインフェア実行委員会
名古屋市市民経済局
本店ショーウインドウ
(名古屋芸術大学美術部学生による
制作)
都心の景観の魅力向上に貢献
環境問題への取り組み 指針 4 グループ企業・取引企業とともに環境問題に取り組みます。
指針4
目標15 環境対策面におけるグループ企業との結束強化
中部電力グループ環境対策会議
グループ企業のISO14001
取得状況
グループ企業の結束強化および環境
見学会
対策の向上を図ることを目的に、
2001
2002年11月に(株)デンソー様の西
2002年度末において、
グループ企業
年4月に「中部電力グループ環境対策会
尾工場(愛知県西尾市)を訪問して、ゼ
6社がISO14001による環境マネジメン
議」
(39社参加)を設置しました。環境
ロエミッションへの取り組み状況、
リサイ
トシステムの認証を取得しています。
問題に関する情報の共有化や意見交換
クルセンターや排水処理場などを見学
のほか、見学会やテーマ別勉強会の実
しました。
2002年度末の取得状況
(株)中部グリーナリ
(本社)
施などを通じて、
各グループ企業が環境
(株)テクノ中部(本店)
対策を推進しています。
(株)中部プラントサービス
(本店)
(株)
シーテック
(本店および大江分室、遠若分室、
全体会議
静岡支社、三重支社、岐阜支社、
長野支社、岡崎支社、飯田支社)
2002年度は、
4月と11月に開催して、
(株)
トーエネック(本店および名古屋本部、
地球温暖化の最新動向やグループ各社
瀬戸営業所、半田営業所)
愛知電機(株)
(本社・工場)
の取り組みについて情報を共有化する
とともに、
「グループ環境ビジョン」を策
定しました。
(株)デンソー様西尾工場を見学
勉強会
グループ各社共通のニーズや課題に
(株)
トーエネックが
環境レポートを発行
効果的に対応するため、任意参加によ
(株)
トーエネックは、環境基本方針のも
る勉強会を実施しました。
と地球環境保全に留意した事業活動を
展開しており、環境保全への取り組み状
参加企業
実施回数
環境報告書作成
19社
1回
月に初めて環境報告書を発行しました。
環境マネジメントシステム
10社
3回
報告書では、環境省発行の「環境報告
テーマ
況を公開することを目的として、
2002年11
書ガイドライン」などを参考に、環境保全
グループ環境ビジョンについて意見交換する全体会議
活動推進体制やISO14001認証取得状
況、環境会計などが紹介されています。
グループ環境ビジョン
我々は、環境に対する取り組みを向上させるとともに、各企業が保有する多様な技術やノウ
ハウを相互に連携することにより、地域社会の持続的発展に貢献し地球環境の保全に努め
TEL
(052)
219-1931
http://www.toenec.co.jp/
ます。
環境負荷データの把握
グループ全体での環境負荷データの
環境負荷データ
把握に取り組んでいます。
2002年度は、
2002年度実績
電力使用量、
水道使用量、
車両用燃料消
電力使用量
230,
508,
754kWh
費量、古紙回収率の4項目について、
グ
水道使用量
3,
023,
015m3
ループ31社のデータ集計を行いまし
ガソリン使用量
170,
047kl
軽油使用量
187,
998kl
古紙回収率
68.7%
た。
※:当社を除くグループ企業31社の集計値
43
環境問題への取り組み 指針 4 グループ企業・取引企業とともに環境問題に取り組みます。
目標 15 グループ企業との結束強化
環境保全の取り組み例
(株)中部グリーナリ
(株)テクノ中部
(株)中部プラントサービス
洗浄実施例
洗浄前
地域新エネルギービジョン
ダムの流木の有効活用
新エネルギービジョンを策定
人と地球環境に優しい洗浄剤を販売
ダムに漂着する流木の処理費削減と処理量
愛知県半田市と稲武町の「地域新エネル
発電設備の機器部品などのメンテナンス用
削減を目的として、流木の市場性調査や塵芥
ギービジョン」の策定に関するコンサルティング
破砕材を使用した植木鉢の開発などを試行し
業務を受注しました。
てきました。その結果、事業化の見通しを得た
温室効果ガス削減のため、地域特性の分析
販売を開始しました。この洗浄剤は、蒸留再生
ので、
2003年から「流木オブジェ」
「木玉(植木
や利用可能な新エネルギー量の調査などを行
によるリサイクル性に優れ、
PRTR対象化学物
洗浄剤として、人と地球環境に優しい洗浄剤
「ユメクリーンシリーズ」
(中部電力開発品)の
鉢)」を商品として名古屋港ワイルドフラワー
い、畜産バイオマス、風力発電や間伐材を活用
質およびオゾン層破壊物質を含まず、微臭・低
ガーデン「ブルーボネット」で直営販売するなど、
した木質バイオマスなどについて提案しました。
刺激性で作業者への不快感がないなど優れた
資源の有効活用に努め、循環型社会へ貢献し
今後の具体的導入が期待されます。
特徴を持っています。
ていきます。
TEL
(052)
614-7162
TEL
(052)
679-1215
TEL
(052)
614-7715
http://www.techno-chubu.co.jp
(株)シーテック
愛知電機(株)
中電ウイング(株)
ウインドパーク美里完成イメージ
水産廃棄物処理装置
花の苗を植える中電ウイングの社員
風力発電事業へ本格進出
再利用に貢献する
花と緑にあふれた環境づくり
三重県安芸郡美里村において風力発電所
水産廃棄物処理装置の製造・販売
花栽培・花壇保守の業務を通じて、美しい花
「ウインドパーク美里」を単独で新設し、本格的
本装置は、魚の養殖場から発生する死魚や
と緑がともにある潤いに満ちた環境づくりをして
に風力発電事業に進出することとしました。同
水産加工場から出る廃魚など年々増加傾向に
います。
発電所は出力2,
000kW の風力発電機10基
ある魚類廃棄物を処理し、
さらに再利用を図る
草花を花壇やプランターに植え、水やり、除
目的で開発されました。
草、補植などのメンテナンスを行っています。ま
(発電電力合計2万kW)の大規模発電所で、
44
洗浄後
流木オブジェ
衣浦工場(愛知県碧南市)
http://www.chubuplant.co.jp
国内有数の風力発電所となります。発電した電
自動運転化により、魚類廃棄物を投入するだ
た、不要となった草花は、生ごみ処理機で堆肥
力は中部電力に売電する計画であり、
2005年
けで簡単に処理でき、有機質肥料として再利用
にして土に返しています。
4月の営業運転開始を目指しています。
され、好評を得ています。
TEL
(052)
819-0624
TEL
(052)
852-6983
TEL
(0568)
35-1180
http://www.chuden-wing.co.jp
http://www.ctechcorp.co.jp
http://www.aichidenki.jp
P55
環境問題への取り組み 指針4 グループ企業・取引企業とともに環境問題に取り組みます。
指針4
目標16 環境対策面における取引企業との連携強化
グリーン調達への取り組み
1997年度にグリーン購入ネットワー
グリーン
ク(GPN)※に加入するなど、
事務用品類調達の電子取引化
グリーン購入の例
【エコマーク商品】
2000年12月に(株)ジャパン・イー
マーケット様※へ資本参加し、資機材の
電子調達を開始しました。
2001年から、
購入に関する情報を収集しながら購入
鉛筆類、蛍光ペン、
マジックペン、
品目の拡大に取り組んできました。
セロテープ、
ソフトクリアケース、
事務用消耗品の電子調達を導入し、調
個別フォルダー、
フラットファイル、
達コストの削減に努めています。事務
2002年度は新たな取り組みとして
「中部電力グリーン調達指針」を策定
シャープペンシル、
シャープペンシル替え芯、
用消耗品のカタログには「商品を生産
し、従来の事務用消耗品など一般汎用
ボールペン、
ファイルボックス、
する段階から省資源に努める」
「再利用
品のみならず、資材や機材など企業活
チューブファイル、
できる材質を選ぶ」
「分別して捨てやす
ペットボトル再生作業服など
い」
「環境と人体の安全性に配慮」など
動に必要なあらゆる調達品に関して、
環
【再生紙使用マーク商品】
境負荷の低減を進めました。
※:環境への負荷が少ない製品やサービスの優先的購入を進
める消費者、企業、行政の全国ネットワーク。会員数2,
763
団体(2003年2月時点)
http://www.gpn.jp
付せん紙、
コピー用紙、名刺用紙など
【国際エネルギースターロゴ商品】
パソコン、ディスプレイ、
コピー機など
【その他】
環境配慮の観点から商品を選定できる
ようにマーク表示し、
グリーン調達を拡
大しています。
※:インターネットを利用した企業間の電子取引市場を運営する会社
http://www.j-emarket.com
電気自動車、ハイブリッド車、
フライアッシュ有効利用建築資材、
調達システムの概要
再生アスファルトなど
中部電力グリーン調達の概要
(株)ジャパン・
イーマーケット
2 注文データ
取引企業の環境評価
製品の環境評価
関係する企業全体として環境負荷低減
環境負荷の低い製品を選定
環境管理
環境面の
貢献度
市販一般品
リース品
当社仕様品
工事
環境マネジメントシステムの
構築など
環境面での提案
環境事故など
エコマークなど
評価基準策定(予定)
事務用消耗品
通販会社
1 商品選定・
承認・注文
当社
3 商品納入
(翌日納品)
グリーン購入の導入実績(2002年度末時点)
導入数 導入比率
19,
000台
100%
24台
0.
3%
106台
2%
81台
91%
パソコン
(国際エネルギー
スターロゴ商品)
ハイブリッド車
電気自動車
電動フォークリフト
電気自動車、電動フォークリフト
45
環境問題への取り組み 指針 5 環境とエネルギーに関するコミュニケーションを深めます。
目標17 環境に関する情報公開や対話ツールの充実
インターネットを利用した
情報公開の推進
お客さまの「声」
共有化システムを活用
公開とコミュニケーションを目的とし
子供から大人まで楽しく遊びながら環
お客さまに、
より満足していただける
て、
1994年以来毎年6月に発行し、今回
境問題を学べるウェブサイト「エコラン
サービスを提供するため、
「お客さまの
で10回目になります。
ド」
(1999年12月開設)の内容充実に努
声」を全従業員で共有する「お客さま対
毎回、読みやすい報告書となるよう、
めています。
2002年度は楽しく遊び感覚
応システム」を社内ネットワークで活用
読者の視点にたった編集を心がけてい
でできる環境家計簿やPuzzle de リサ
しています。
ます。また、
ウェブサイトには、発電所ご
イクルを追加しました。キーワードクイズ
との燃料消費量など詳細なデータを掲
には毎回多くの応募があり、
さらに質問
載し、情報量の充実を図っています。
コーナーには全国のお子さま方から環
「地球環境年報2002」の他に地球温
境に関する質問が寄せられています。
暖化に焦点をあてた「エコレポート2002」
また、
2002年度におけるウェブサイト
および事業場別環境報告書(松坂電力
「環境への取り組みについて」および
センター)も発行しました。
「エコランド」へのアクセスは70,
794
地球環境年報の発行
環境問題への取り組みに関する情報
2003年5月末時点で、
「地球環境年報
件、地球環境年報の請求など140件、そ
2002」の配布数は9,
037部、
「エコレ
の他問い合せは149件でした。
ポート2002」は29,
005部です。配布数
お客さまからいただいたメール
「お客さまの声」を集約
のうち「地球環境年報2002」では2,
123
●回答していただき本当にありがとうございまし
部、
「エコレポート2002」では1,
505部
た。国語の学習で環境会議を開くための資料を
が、地球環境年報のウェブサイトからダ
探していたので、
いただいた資料を参考にしてま
地球に優しい暮らし方を
お客さまとともに考える
「エコライフ倶楽部」
ウンロードされました。
とめていきたいと思います。みんなが大気汚染
物質をできるだけ減らすように努力していること
がよく分かりました。お世話になりました。
地球環境に優しい暮らし方「エコライ
桜が丘小学校
フ」をご提案しながら、お客さまととも
●テラさんへ
に環境問題について考える活動を2002
エルニーニョについて、
よく分かりました。
「エル
ニーニョ」と言う言葉を、知り合いのおじさんが
エコレポート2002
年4月にスタートしました。
「今 年の冬は、エルニーニョで暖 冬になるか
公募によるモニターの皆さまのご感
なぁ。」と言っていたので、
「えっ、
エルニーニョって
想・ご意見をもとに、
小冊子「エコライフ
何のこと?」と思い、探偵事務所に質問しました。
モニター体験レポート」を発行しまし
エルニーニョって外国のことだと思ってたけど、
日
本にもエルニーニョ現象ってあるんですね。また、
質問します!そのときは、
テラさんお願いします!
!
た。
2003年3月からは、当社ホームペー
ジ内に身近な環境問題から衣・食・住の
アイデアなどについて、皆さまと情報交
換するコーナー「エコライフ倶楽部」を
設けました。
なお、
このエコライフに関する活動は、
テレビCMや新聞広告「ハロータイムズ
※」でも、
皆さまにご紹介しています。
事業場別環境報告書(松阪電力センター)
※:毎月5日に中日新聞はじめ8紙に掲載。
http://www.chuden.co.jp/ecolife/
ウェブサイト「エコランド」
46
環境問題への取り組み 指針5 環境とエネルギーに関するコミュニケーションを深めます。
指針5
目標18 環境をテーマにした広報活動の展開
石炭灰を活用した緑地整備
PR施設の入館者数記録達成
ご来園いただきました。
落ち葉や生ごみの一部を堆肥化し庭
園内で利用したり、火力発電所の温排
水の熱を有効利用した空調設備や土壌
加温設備を設置するなど、環境面に配
でんきの科学館(名古屋市中区)は、
1986年7月の開館以来、毎年50万人以
上のお客さまにご来館いただき、
2002
年9月21日には入館者が、
電力会社の展
慮した施設です。
示館としては初めてとなる1,
000万人に
達しました。
また、
川越電力館テラ46
(三重県川越
碧南火力発電所南に広がるヒーリングガーデン
町)も、
1996年7月の開館以来多くのお
碧南火力発電所の南側に広がる12
客さまにご来館いただき、
2002年5月に
ha(ヘクタール)の地域共生施設「へき
入館者100万人を達成しました。
なんたんトピア」が、
2002年11月、
リ
入園者でにぎわう「ブルーボネット」
ニューアルオープンしました。
施設内にある「ヒーリングガーデン」
PR展示施設のご案内
は、四季を通じて自然に親しみ、心の癒
しを感じていただけるよう芝生広場を
エネルギーのこと、
電気のこと、
地球環
中心にキクガーデンなどたくさんの庭
境のことをいっしょに考えてみませんか。
園で構成されています。庭園では、
同発
皆さまのご来館をお待ちしています。
P58
(2003年6月時点)
電所から出た石炭灰を園芸用培養土や
通路の舗装材などにリサイクルして、資
主な施設名
源の有効活用をしています。
住所・電話番号 〒460-0008
また、
電気と暮らしと環境について学
でんきの科学館
TEL(052)
201-1026
(代)
べる「電力館」、散策しながら野鳥をは
じめとする生き物を観察できる野鳥池
名古屋市中区栄2-2-5
浜岡原子力館
新エネルギーホール
緑地「エコパーク」もあり、エネルギー
〒437-1695
静岡県小笠郡浜岡町佐倉5561
TEL(0537)
85-2424
〒510-8587
と環境との係わりを幅広く体験できる
施設となりました。
川越電力館「テラ46」 三重県三重郡川越町大字亀崎新田字朝明87-1
TEL(0593)
63-6565
P35,36
へきなん たんトピア
地域共生施設「ブルーボネット」
(電力館・ヒーリングガー
デン・エコパーク)
〒447-0824
愛知県碧南市港南町2-8-2
TEL(0566)
4
1-8500
〒478-0046
新名古屋火力発電所の緑地の一部を
知多電力館
愛知県知多市北浜町23
TEL(0562)
55-8311
皆さまにご利用いただくため、
2002年4
月、名古屋港ワイルドフラワーガーデン
〒460-0008
電気ビルプラザ C′
s
TEL(052)
24
2-3530
「ブルーボネット」を開園しました。
「ブ
ルーボネット」には、季節ごとに美しい
花が咲き乱れる「ワイルドフラワーの
里 」、香りや感触を楽しめる「 ハーブ
ガーデン」など22種類のガーデンがあ
名古屋市中区栄3-17-12
名古屋港
ワイルドフラワーガーデン
ブルーボネット※2
〒455-0028
名古屋市港区潮見町42番地
TEL(052)
613-1187
開館(営業)
時間
AM9:30∼
PM5:30
休館日
毎週月曜日(ただし祝日・
振替休日の場合は翌日)
、
第3金曜日、年末年始
(ただし春・夏休み中は無休)
AM9:00∼
PM5:00
AM9:00∼
PM4:40
AM9:30∼
PM5:00※1
AM9:00∼
PM4:30
AM10:30∼
PM6:30
AM9:30∼
PM5:00※3
毎月第3月曜日(ただし
、
祝日・振替休日の場合は翌日)
年末年始
毎週月曜日(ただし祝日・
、
振替休日の場合は翌日)
第3金曜日、年末年始
毎週月曜日(ただし祝日・
振替休日の場合は翌日)
、
年末年始
毎週月曜日(ただし祝日・
振替休日の場合は翌日)
、
年末年始
毎週水曜日、年末年始
毎週月曜日(ただし、祝日、振替
休日の場合は翌日)
、海の日、
12
月24日、
12月29日∼2月末日
※1
:ヒーリングガーデン、
エコパークへの入園はPM4:00まで
※2
:入園料●大人300円●65歳以上200円●小中学生150円●6歳未満無料●身障者200円(30人以上の団体様は10%割引)
※3:季節によって異なります
り、
2002年度は約28万人のお客さまに
47
環境問題への取り組み 指針6 環境保全に向けお客さまをはじめ世界の人々とともに行動します。
目標19 お客さまへの効率的エネルギー利用の支援
エコキュート(自然冷媒ヒートポンプ電気給湯機)の普及
オゾン層を破壊しない自然冷媒(CO2)
けでなく地球環境に貢献できます。
2002
度」も創設され、エコキュートの普及に
を使用した高効率ヒートポンプ電気給湯
年度は、
三菱電機(株)、
東芝(株)、
日立
弾みをつける重要な年となりました。
機「エコキュート」の普及拡大に取り組
空調システム(株)、
ダイキン工業(株)、
さまざまなPRを展開した結果、
2002
みました。家庭内で消費するエネルギー
松下電器(株)、松下電工(株)などの主
年9月から2003年2月までに約7,
000台
の3分の1は給湯に使用されており、
この
要電機メーカー様の製品が出揃うとと
(全国シェア約33%)の普及を達成しま
給湯エネルギーを削減できれば家計だ
もに、国の「エコキュート導入補助金制
した。
日本では、夏の午後に多くの冷房機
率が低下すると供給コストを押し上げ
設備を有効に利用できるように、
お客さ
器が稼働するなど、
季節や時間帯によっ
ることになります。
まのご理解・ご協力を得ながら、契約メ
て電力需要に大きな格差が生じます。
当社は、
この電力需要の格差を縮小
ニューの多様化や機器・システムの普
電力供給設備は、電力需要のピークに
し(負荷平準化といいます)、電力供給
及を進めています。
負荷平準化
合わせて作らなければならないことか
ら、
ピークが押し上げられると新たな設
備が必要となります。また、設備の稼働
1. 対策前
最
大
電
力
2. ピークシフト
最
大
電
力
A機
3. ピークカット
最
大
電
力
移行
減
少
減
少
A機
抑制・停止
1日の電気の使われ方(夏)
3,000
万kWh
A機
B機
2,500
B機
A機
A機
A機
2002年度
B機
2,000
C機
1990年度
C機
C機
1,500
1,000
操業時間
操業時間
1980年度
500
0
操業時間
お客さまにご協力いただける負荷平準化の方法として、
ピーク
フト。
3はピーク時にA機を停止させるピークカットで、
どちらも最
11 13 15 17 19 21 23時
シフト、
ピークカットがあります。上のグラフは、
ある事業場の例
大電力を減少させることができます。また、夜間電力を使用する
●2002年度の最大電力を記録した8月6日の需要カーブです。
で、1のグラフは通常の運転状態で、
ピーク時にA・B・C機が同
時に稼働。
2はピーク時にA機の使用時間帯をずらすピークシ
蓄熱槽の設置も有効な方法です。
1
3
5
7
9
●夜間の電力消費は、昼間の半分以下です。
蓄熱システム、エコベンダーの普及
CO2の排出量が少なく、
しかも割安
2002年度は、
27,
795台設置していただ
な夜間電力を使うエコアイスなどの蓄
き、
13,
759kWのピークカットを達成し
熱システムを推奨しています。
2002年
ました。
度は、蓄熱システムに564件のご成約を
エコアイスなど蓄熱空調システム導入の推移
いただき、
15,
780kWのピークシフトを
97
97
達成しました。
98
98
また、
電力需要がピークとなる夏の午
99
99
2000
2000
01
01
後の消費電力を90%カットするエコベ
ンダー(省エネルギー型清涼飲料水自
動販売機)の普及活動も行っています。
48
エコベンダー導入の推移
02年度
02年度
0
5
10
15
20
25万kW
0
2
4
6
8
10
12万kW
環境問題への取り組み 指針 6 環境保全に向けお客さまをはじめ世界の人々とともに行動します。
指針6
目標20 地域と連携した環境対策の実施
環境NPO「中部リサイクル運
動市民の会」様との協働事業
特定非営利活動法人(NPO法人)
「中
部リサイクル運動市民の会」
(萩原喜
之代表)様と協働して、
1999年からは小
学生対象の環境教室、
2001年からは記
環境教室
名古屋市と近郊の小学生40名を対象に、2002年11月から
2003年1月にかけて3回シリーズで実施しました。参加した子供
たちは、楽しみながらエネルギー・環境の大切さを学びました。
【実施内容】
第1回 自然と暮らしのエコツアーin 郡上八幡
第2回 地球が熱くなってるよ!in火力発電所・碧南ヒーリングガーデン
念日植樹券プレゼントに取り組んでい
第3回 地球のための子供のためのお祭りinでんきの科学館
ます。
∼新しい年をお祝いしよう
郡上八幡町でのエコツアー
特定非営利活動法人
中部リサイクル運動市民の会
TEL(052)
931-8180
記念日植樹券プレゼント
http://www.es-net.sf21npo.gr.jp
「ちゅうでんハートつながるキャンペーン」の一環として、抽
選で5,
500名のお客さまに「記念日植樹券プレゼント」を実
施しました。この植樹券は、
お客さまご自身やご家族の記念
地元の皆さまと一緒に
公園植樹祭に参加
「お客さま参加型植樹」を1999年か
ら実施しています。2002年6月には愛
日に苗木に交換できるほか、植樹を進めている国内外の市
民団体への寄付も可能で、一部の当選者の方には、実際の
植樹活動にも参加していただきました。
2002年6月の募集期間に約32,
000件の応募があり、当
選倍率は約6倍となりました。
「きららの森」での植樹活動(愛知県北設楽郡)
知県額田郡幸田町の幸田中央公園で
約2,
000本のサツキやツツジ、
12月には
犬山市で150本のクチナシやアオキの
配布した苗木が立派に成長
環境教育は
NPOとの
コラボレーションで
苗木を、それぞれ植樹祭を開き地元の
緑豊かな地域づくりと地球温暖化防
皆さまと共に植樹しました。
止に協力するため、
2002年度は、学校、
この活動は、地域の皆さまと従業員
公園、福祉施設など公共施設に16,
000
が一緒になって、苗木を植えることで、
本の苗木を配布しました。
緑豊かなまちづくりと地球温暖化防止
この活動は、
18年目を迎え、
地域のオ
に少なからず貢献したいという気持ち
アシスとして、環境教育の実践の場とし
は、
「環境に関心を持ち、
その問題を解決
が込められています。
て、大切に育てられています。
したり、発生を防止する知識、実行力を身
苗木の社外配布(1985年度∼)
につけた人を育てること」
(ベオグラード憲
目標………2005年度までに累計280,000本
実績…2002年度末において累計238,000本
環境部
環境計画グループ
佐藤範和
国際的に定義された環境教育の目的
章)
とされています。
当社はこれまで、
「中部リサイクル運動
市民の会」様との協働による環境・エネル
ギー教室を開催し成果をあげています。環
境教育の第一歩は、次世代を担う子供た
ちが環境とその問題に気づき、感受性を
身につけることであり、
この教室がそれらを
幸田中央公園の植樹活動(愛知県額田郡)
育む機会を提供してきたと考えています。
この取り組みを継続させることが、具体
的な問題を解決する自律した人材の育成
岡崎市高年者センターのサツキ・ツツジ(1989年配布)
につながっていくものと確信しています。
49
環境問題への取り組み 指針6 環境保全に向けお客さまをはじめ世界の人々とともに行動します。
目標 20 地域と連携した環境対策
緑のカーテンキャンペーン
アサガオなどのつる性植物を窓際に
地元企業と協力して
環境先進地づくり
各事業場の取り組み
名古屋支店
植え、
真夏の直射日光を遮る「緑のカー
当社を含め地元企業14社が2000年2
テン」は、室内の温度を下げ、エアコン
月に設立した環境啓発団体「環境パー
各事業場の環境教育トレーナー、安
の消費電力を減らす効果があります。
トナーシップ・CLUB」
(2002年度末時
全運転主任トレーナーがいすゞ自動車
点で310社参加)において、
さまざまな
東海(株)様の企画による「環境運転実
活動や行事を展開しました。
体験研修会」に参加しました。これは、
「緑のカーテン」を育てていただくた
め、
「緑のカーテンキャンペーン」とし
て、
「アサガオ」と「にがうり」の種セット
主な行事・イベント
12万袋を配布しました。
●フォーラム「PCB廃棄物の撲滅を目指して」
体験し、燃料消費の効果を数値で確認
(2002年9月)
する取り組みで、環境運転がコストダウ
●フォーラム「土壌汚染対策法と今後の展望」
(2003年1月)
●愛知学院大学2002エコキャンパスフェスティ
「ゆっくり発進・加速・停止」を実走行で
ンに通じ、安全運転にもつながることを
学びました。
バルへの出展(2002年11月)
●省エネ交流会「エネルギー革命と省エネルギー」
(2002年12月)
環境パートナーシップ・CLUB
TEL(052)
931-3181
http://www.epoc.gr.jp
三重県 中村洋美様宅の「緑のカーテン」
(にがうり)
食堂東側のベランダ前に、
にがうりの緑
環境運転体験研修会
のカーテンを作りました。緑のカーテンのお
静岡支店
かげで朝日が遮られ、室内からの眺めもとて
も涼しげです。ベランダは緑に囲まれ、
とて
も気持ちの良い空間で、子供もここで遊ぶ
大井川電力センターでは、廃棄物削
のがお気に入りです。実の収穫も楽しめ、
減・地元への貢献を目的とし、大井川専
予想以上の効果に大満足しています。
愛知学院大学 2002エコキャンパスフェスティバルへの出展
用鉄道(当社設備)の修繕に伴い、撤去
された古枕木の一部を地元の方にお譲
大学生が本店ビルショーウインドウを改装
りし、再利用に努めています。枕木は防
腐処理が施され、
外観が景観にマッチす
本店ビルショーウインドウの改装にあ
ることから、キャンプ場の施設や土留め
たり、芸術を学ぶ地元の学生さんに制
の資材などに有効活用され、地元の皆
作を依頼しました。コンペの結果、
2002
さまから喜ばれています。
年9月から1年間、名古屋芸術大学美術
学部デザイン科の皆さまの作品を展示
しています。
コンセプトは、
「愛・地球博」にちなみ
「自然と人間が共生し続ける豊かな世
界」で、名古屋市中心部を光で彩る「な
道行く人の目を楽しませるショーウインドウ
表彰「なごや光のデザインフェア2002」
中部経済産業局長賞
ごや光のデザインフェア2002」で中部
経済産業局長賞をいただきました。
50
古枕木をキャンプ場のイスに再利用
目標 20 地域と連携した環境対策 指針6
三重支店
長野支店
飯田支店
工務部では、当社の水力発電所ダム
佐久営業所では、PTAや行政などと
飯田支店では、環境保全に対する取
に漂着する落ち葉や小枝から腐葉土を
協力して国道142号線の沿道にマリー
り組みをチラシなどにより説明すると
作り、当社や地元のイベントで配布し好
ゴールドやサルビアの花を植え、
皆さま
ともに、お客さまと接する機会を捉え
評を得ています。また、
地元の小学校の
に楽しんでいただくとともに、空き缶な
て、川へのゴミ投棄の現状を訴え河川
「総合的な学習の時間」で、
これらの環
どのポイ捨て防止を図っています。全て
環境保護への協力をお願いしていま
境対策を分かりやすく説明したPR冊子
をボランティアで行い、
2002年には約2
す。年間3,
000人対話を目標に実施し、
を用いて、出前教育や腐葉土製作設備
kmにわたり12,
000本の花を咲かせま
環境に関心が高い多くのお客さまから
の見学会を実施しました。
した。この取り組みに対し、関係機関か
理解が得られました。
ら感謝状をいただきました。
腐葉土製作設備の見学会
沿道を彩る色鮮やかな花々
お客さまと対話する当社社員
岐阜支店
岡崎支店
火力センター
2002年4月に発生した岐阜市・各務原
総務部では、自然界に生息する日頃
新名古屋火力発電所では、
6月に名古
市にまたがる山林火災の跡地復興支援
見かけない生物を観察することで、自
屋市内の小学校2校を対象に「環境・エ
のために、
11月に緑化用の苗木を贈呈
然の大切さを理解してもらおうと、
小学
ネルギー教室、電気工作・実験教室、発
するとともに、社員も多くの市民ボラン
生を対象に支店構内のビオトープ「や
電所・ブルーボネット見学」を実施しま
ティアと一緒に植樹活動に参加しまし
すらぎの森」見学会を実施しました。参
した。環境・エネルギー教室では、エネ
た。この植樹活動は、
今後数年間にわた
加した小学生は、捕まえた生物を虫眼
ルギーと地球温暖化について、
クイズを
り継続される予定であり、当社も支援し
鏡などを使いながら社員手作りの図鑑
交えながら児童参加型の学習を行いま
ていきます。
と見比べ、熱心に観察しました。
した。
市民ボランティアの皆さまとともに植樹活動に参加
ビオトープ「安らぎの森」の見学会
電気工作に夢中の小学生の皆さん
51
環境問題への取り組み 指針6 環境保全に向けお客さまをはじめ世界の人々とともに行動します。
目標21 海外への環境技術支援など国際協力の拡大
国際交流の推進
豪州アデレード
共同植林事業への参画
地球環境問題に対して世界各国と連
中国でクリーン開発メカニズム
(CDM)事業可能性調査
の実施
携するため、
国際会議への出席、
海外電
植林事業による「森林資源の保全、
事
力事業者との提携、海外研究機関との
業収益の獲得」などを目的として、
2002
クリーン開発メカニズム(CDM)に
情報交換などに取り組んでいます。ま
年9月、豪州アデレードにおける共同植
結びつけることを目指して、
2002年10
た、研修生の受け入れや社員の派遣を
林事業に参画しました。
月、
新エネルギー・産業技術総合開発機
通じて、環境対策や原子力の安全確保
本事業は、
2003年以降、
豪州原産の樹
構(NEDO)様から「共同実施等推進基
のための国際交流を推進しています。
種ユーカリを毎年1千haずつ牧草地に
礎調査 中国平頂山炭坑メタンガス回
植林し、
10年間で総植林面積を1万haと
収利用計画」を受注しました。
することを目標としています。植林後1
本計画は、中国河南省平頂山炭坑で
の石炭生産に伴い大気中に排出されて
(社)海外電力調査会を通じた国際交流実績
研修生受入件数
専門家派遣件数
97年度
5
(40)
3
(4)
1年目以降、毎年1千haずつ伐採し、現
98年度
6
(45)
7
(8)
地で製紙原料用のチップに加工・販売す
いるメタンガス※を発電に利用し、省エ
99年度
6
(38)
8
(9)
る計画です。伐採後は再植林を行い、
持
ネと温室効果ガスの削減を実現するプ
2000年度
4
(32)
12
(16)
続的な森林経営を進めていきます。
ロジェクトです。メタンガス回収利用
2001年度
9
(63)
4
(5)
本事業を通じ、サウスオーストラリア
2002年度
4
(17)
1
(2)
は、環境負荷改善効果が大きいことに
州政府の協力を得て、森林資源の保全
加え、石炭生産の安全確保の面からも
※:
( )は人数
(社)海外電力調査会
http://www.jepic.or.jp
や植林による塩害の予防といった地域
重要です。
環境の保全や、地域経済振興にも貢献
*:大気中に放出されたメタンガスが地球温暖化に与える効果は、
二酸化炭素(CO2 )
を1とした場合21です。
していきます。
インドネシアにおける
ボイラ・タービン効率向上
モデル事業の実施
世界銀行の炭素基金(PCF : Prototype Carbon Fund)への追加出資
現在500万ドルを出資している世界銀
外における温室効果ガス削減プロジェ
(財)国際環境技術移転研究センター
行の炭素基金(PCF)に対し、
新たに500
クトに投資してきており、現在もさまざ
(ICETT)様とともに新エネルギー・産
万ドルの追加出資を行う合意書を2002
まな国でプロジェクトが進行中です。
業技術総合開発機構(NEDO)様から、
年11月に締結しました。
インドネシア・ジャワ・バリ発電会社(PJB)
PCFは「京都メカニズム」※に基づく
のムアラカラン火力発電所5号機を対象
温室効果ガス削減量(排出クレジット)
とした「ボイラ・タービン効率向上モデル
獲得と、
このメカニズムの制度設計に先
事業」を受託し、
1999年9月から2002年
導的な役割を果たすため、
これまで海
6月までの約3年間実施しました。
先進国
世界銀行の炭素基金
出資者
①資金
②プロジェクト
出資
③排出クレジット
の管理
当社が培った技術的ノウハウの導入
により、
目標としていた発電設備全体の
熱効率向上1%を大きく上回る2.4%の
結果が得られました。これを基に2001
出資
政府
企業
世界銀行東京事務所
http://www.worldbank.or.jp
※:気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)
で採択さ
れた京都議定書のなかに盛り込まれた事項で、排出量取
引、共同実施、
クリーン開発メカニズムの3つ。
発展途上国
市場経済移行国
プロジェクト
排出
クレジット
年の実績値を用いて試算すると、発電
用燃料である重油を年間約6千t、CO2
排出量に換算すると年間約1万8千t削
減したことに相当します。
52
審査・認証
認証機構
温室効果ガス削減量
(排出クレジット)
目標 21 国際協力の拡大 指針6
海外事業の展開
火力発電所の熱効率向上、老朽化し
た火力発電所改修事業の可能性調査な
どを通じた海外への技術協力や、
植林に
よるCO2固定研究を実施しました。
ルーマニア(ボルゼスティ)
中国(平頂山)
ボルゼスティ火力発電所コンバインドサイ
クル化計画策定
平頂山炭坑メタンガス回収利用計画調査
インドネシア(ジャカルタ)
既設火力発電所の設備改善による熱効
率の向上
ボルゼスティ火力発電所
平頂山炭坑
ルーマニア
トルコ
ムアラカラン火力発電所
中国
インドネシア
最適電源開発のための電力セクター調査
トルコ
政策立案者への提言のためにエネル
ギー・環境分野全般を調査
インドネシア
エネルギー鉱物資源省との意見交換
オーストラリア(ニューサウスウェールズ)
トルコ発電公社との打ち合わせ
炭鉱跡地への植林によるCO2固定研究
オーストラリア
炭鉱跡地への植林(ユーカリ)によるCO2 固定研究
53
社会へのかかわり
企業倫理
企業倫理のさらなる確立に向けて
企業を取り巻く社会環境が著しく変化するなか、
より高い
コンプライアンス推進会議の概要
信頼と評価を獲得し、
お客さまや社会から支持され続ける
コンプライアンス推進会議
企業となるためには、
コンプライアンス※1を確立すること
議長
が不可欠となっています。
社長
2001年10月には、
役員をはじめとした全ての従
副議長
副社長
業員一人ひとりが、誠実かつ公正な行動姿勢の
委員
よりどころとする「行動ガイドライン」を策定しま
弁護士、労働組合委員長、関連事業部長、広報部長
法務部長、考査部長、総務部長など
した。また、
2002年12月には、社長を議長とした
「コンプライアンス推進会議」を設置するとともに、
各部門・事業場・部署での自律的な活動の展開のため、全
社的なコンプライアンス推進体制を構築しました。
事務局
※ 1:法令、社内ルールおよび企業倫理の遵守
法務部
●役 割:①コンプライアンス推進に関する方針・施策の審議
②コンプライアンスに関わる事実解明のための調査
③その他コンプライアンス推進に関する事項
●事務局:法務部(コンプライアンス推進会議事務局)
コンプライアンス推進体制
コンプライアンス・チーフマネージャー(CCM)
対象者 本店室部長(本部部長を含む)、本店管轄事業場の長
支店・社長、火力センター所長
ひかりネット・カンパニープレジデントなど
任務 各部門・支店社などにおけるコンプライアンス推進の統括
コ
ン
プ
ラ
イ
ア
ン
ス
推
進
会
議
コンプライアンス・マネージャー(CM)
対象者 支店・火力センターの部長・管轄事業場の長など
任務 支店・火力センターの各部・各事業場における
コンプライアンス推進の総括
コンプライアンス・リーダー(CL)
対象者 所属長(CCMおよびCMを除く)
任務 各部署におけるコンプライアンスの推進
従 業 員
54
社会へのかかわり
雇用・安全衛生・人材育成
雇用・安全衛生・人材育成
障害者雇用促進
会議」を設置し、請負者に対する災害防止に必要な指導方
障害を持つ方々の雇用の場を拡大し、
自立と社会参加を
針を策定するなどの活動を実施しています。
支援するとともに、その力を地域社会に役立てていくこと
を目的として、
2001年4月に中電ウイング(株)を設立しま
労働災害発生件数(従業員)
20件
した。
2003年4月より本格開業し、
27名のチャレンジド※と
12名のスタッフが心と力を合わせ、
デザイン・印刷・製本事
交通
6
15
4
業、
ノベルティ・ギフト商品などの販売事業、
園芸事業、文書
集配事業などを行っています。
作業・その他
10
9
P44
4
4
5
2
4
0
※:
「チャレンジド」とは、障害
を持つ人を表す英語で「神
からチャレンジという使命を
与えられた人」という意味
96
4
10
97
98
3
1
2
99
2000
4
01
02年度
全社安全活動方針重点項目(2003年度)
安全
温室で作業を行うチャレンジドの皆さん
〈従業員〉
障害者雇用率
『一人ひとりが安全意識を向上し、交差点事故の撲滅を図る』
○徹底事項
1.9%
1.8
8
『交差点では、確実に右・左・右の安全確認と危険予知』
障害者雇用
促進法が定
める雇用率
●小集団活動により「交差点事故の撲滅」をテーマに展開
●「交差点通行時の安全な運転方法の教育」を全従業員へ実施
●四輪車運行時の昼間点灯を継続実施
〈委託〉
1.7
『熟年層(50 歳以上)の災害の撲滅』
●管理職による熟年層に的を絞った安全教育(身体能力の低下など)の
1.6
98
99
2000
01
02年度
実施
●契約更新時における安全面の適性確認及び個々人の特性にあわせた
安全指導の実施
定年退職後の再雇用制度
〈請負〉
厚生年金の支給開始年齢の引き上げなどから、
企業に対
『管理監督者の監視・指示不足による災害の撲滅』
する60歳以降の雇用機会確保の社会的要請は高まってい
ます。こうした情勢をふまえ、
2002年4月から定年退職者再
雇用制度(シニア・スタッフ制度)を導入し、
従業員が培った
知識・技術・経験を有効に活用しています。
●作業管理者などは管理監督者に対し、TBM-KYで危険個所及びその
回避手段を具体的に提示させ、
その内容を作業員へ実行させることの
指導・助言を徹底
●上級管理部署による予告無しパトロールの実施
衛生
〈心の健康づくり活動の推進〉
交通・作業安全「ゼロ災」に向けた取り組み
安全運転管理を徹底し、
従業員一人ひとりの意識高揚を
図るため、
1979年から独自の社内資格「社有車運転認定」
メンタルヘルス対策として従来から取り組んでいる早期発見・早期治療に
加え、
「心の健康づくり活動」の定着に向け体制の効果的活用と各職場
での環境改善を推進する。
〈職場健康度の維持・向上〉
制度を導入するとともに、各事業場に「安全運転主任ト
健康関連情報の継続的発信と各種健康診断の事後フォローの徹底によ
レーナー」を配置しています。
り個々人の健康に対する意識レベルを高め、職場全体の健康度の維持・
また、作業安全に関しては事業場単位に「計画−実施−
向上を図る。
〈生活習慣の改善に向けた活動の推進〉
評価−改善」という安全衛生管理のシステムを構築してい
生活習慣の早期改善を図るため、従業員自らが継続的に活動できる実践
ます。一方、請負災害の減少を図るため、
安全主管部署、
工
目標を立て、改善を実践できるよう支援し、各従業員に合わせたきめ細か
な教育・保健指導などを行う。
事契約主管部署、
工事担当部署で構成する「請負安全対策
55
社会へのかかわり 雇用・安全衛生・人材育成
女性が働きやすい職場づくり
育児短縮勤務制度を利用する
1986年の「男女雇用機会均等法」の施行以来、工務・配
静岡支店 静岡営業所 お客さまセンター
電・火力部門などに技術職の女性社員を配属し、
女性の職域
吉田 聡子
を拡大してきました。
1991年には「育児休業法」の施行に
先がけて育児休職制度を導入するなど、
仕事と育児の両立
2歳と5歳になる娘の母です。
が可能となる職場づくりに取り組んでいます。また、職場に
子供にとっても、私にとっても、
おけるセクシュアル・ハラスメント撲滅のため、啓発パンフ
大切な時間を育児短縮勤務制
度によって過ごすことができてい
レットの全従業員への配付、管理職への教育、社内ネットや
ます。
電話相談の窓口開設など、
さまざまな対策を講じています。
この制度なしでは、見れなかっ
2002年度末時点で、
従業員17,
946人のうち1,
731人の女
ただろう子供の笑顔や泣き顔を見ることができ、
日々、成長してい
性が活躍しています。そのほか、
24時間運転を続ける発電
く姿を感じられることが、
とても嬉しいです。この制度をご理解いた
所の3交替勤務や宿直などについても、逐次配置を進める
だいている職場の皆様にも、感謝しています。
とともに、女性の勤務に配慮した職場に整備しています。
育児・介護休職制度の利用人数(2003年3月末における取得者)
育児休職制度
96人
育児短縮勤務制度
202人
介護休職制度
0人
介護短縮勤務制度
1人
当直業務に就く
名古屋支店 小牧営業所
お客さまセンター
山城 晶子
現在、営業所で配電線の保守業
務に従事するなかで、当直業務にも就いています。営業所の当
直業務は、電柱折損・火災発生の緊急対応、配電線故障などに
伴う停電復旧の指令などが主なものです。これらは迅速・確実な
対応が求められますが、
このような責任のある業務を任されている
のだと実感しながら業務に就くことができ、
自分自身の自信につな
がります。これも深夜就業規則の緩和によってこの業務に携わる
機会を与えられたおかげですが、
さまざまなところで女性の働く環
境は変化していると思います。今後、配電部門においても、
より多
くの女性が活躍できることを期待しています。
セクシュアル・ハラスメント解説パンフレット
セクシュアル・ハラスメント処理フロー
ボランティア活動の支援
セクハラ
相談
被害者
全て被害者の了解を
得たうえで行います。
社・従業員の双方にとって貴重な財産となります。従業員
セクハラ
ホットライン
社外相談窓口
被害者の了解を
得たうえで報告
本店人事部
労務グループ
ボランティア活動を通して豊かな人間性を養うことは、
当
セクハラ
相談
事実関係
聴取
セクハラ
相談
事実関係
聴取
の自主的な社会貢献活動を支援するため、
1993年4月にボ
ランティア休暇(年間12日限度)
・休職(在職中1回、
1年以
連絡・報告
本店・支店相談窓口
連絡・報告
本店労務グループ
支店人事課
事実確認・措置
事実確認・措置
加害者
管理職
内の連続した期間において取得可)制度を導入しました。
ボランティア休暇総取得日数
事実確認・措置
1999年度
256日
2000年度 324日
2001年度 293日
2002年度 254日
56
(全社員合計)
雇用・安全衛生・人材育成
心の健康づくり計画
心の健康に関する正しい知識の教育や相談体制の整
防災体制の確立
備などを目的に、
2001年度から3カ年間計画で「事業場に
地震や台風などによる電力設備への被害を最小限に抑える
おける心の健康づくり計画」に取り組んでいます。
ため、電力系統の多重化や設備の耐震性強化などを実施し、
お
従業員自身がストレスに気づき対処する「セルフケ
ア」、管理職による職場環境などの改善を目指した「ライ
ンケア」、
産業医・保健師などによる「事業場内スタッフに
客さまにご迷惑をおかけしないような設備形成に努めています。
災害が発生した場合も、
できるだけ早く電気をお届けするため
に、
日頃から復旧訓練を重ねています。
また、行政や他のライフライン機関を始め、他の電力会社とも
よるケア」、産業保健センターなど第三者機関による「事
協力体制を確立しています。
業場外資源によるケア」の四つのケアを中心に実施して
阪神・淡路大震災などの大きな災害の発生時には、全国の電
います。
力会社は、要員の派遣や資機材の融通などを通じて、相互に協
社外表彰
力を行っています。
健康づくりに積極的に取り組む事業場
岐阜支店飛騨電力センターは、
2002年10月、
「健康増進
(メンタルヘルス)に関する水準の向上に努力し、
進歩のあ
とが顕著である」と認められ、
「岐阜労働局長努力賞」を受
非常災害時の防災体制
自衛隊
国・県・市町村
災害対策本部
本部統括班
経産省
経産局
対外情報班
お客さま対応班
消防
賞しました。
今後も引き続き「心と身体の
健康づくり活動」を推進し、健
康で快適に働くことができる職
場環境づくりを目指します。
岐阜労働局長努力賞
中部電力
非常災害
対策本部
警察
対内情報班
気象台
設備復旧班
報道機関
系統運用班
その他機関
支援班
行政や
ライフライン機関などとの
連携体制の確立
非常時の組織や
その役割を定めている
他電力会社
人材育成
他電力会社との
協力体制の確立
お客さまにご満足いただけるサービスを提供し、競争を
勝ち抜く総合エネルギー企業として成長・発展していくた
めに、
次の2点を人材育成の基軸とし、
実践的な各種教育プ
ログラムを実施しています。
(1)電気事業の公益的使命を全うし、お客さまとの信頼関
行動力を備えた人材の育成
係を維持・向上できる実務力、
●公益的使命を達成するための電気事業固有技術の習得
配電設備の復旧に全力を挙げる
(2000 年 9月東海豪雨)
●ビジネスの基本となる知識・行動・技能、礼儀作法の習得
(2)事業環境の変化に対応するだけでなく、その変化を自
ら業務フロンティアの拡大に活用できる意識と実務力の
養成
●収益基盤の拡充に向けた新規プロジェクトの企画・運営に必要
な専門知識・技能の習得
57
社会へのかかわり 地域や社会への貢献
学校教育への支援活動
(財)ちゅうでん教育振興財団の活動
2002年度からの「総合的な学習の時間」において、地域
小・中学校教育における創造的な教育上の試みを支援し
や地元企業と連携をとりながら授業を進める小・中学校が
たり、子供たちの探求心・感受性を高めるような文化芸術
増えており、
「エネルギー・環境学習」を中心に学校教育へ
活動を行うことにより、
小・中学校教育の振興に寄与するこ
の支援に取り組んでいます。
とを目的としています。
主な取り組み(2002年度)
主な事業内容(2002年度)
教育振興助成
「PR 展示施設見学」
環境やエネルギーについて学べる展示物があり、学校の授業で活用
全国の小・中学校の先生方を対象に授業やセミナーなどへの助成を公募
できる施設
応募…80 件 助成…32 件(合計約 1,080 万円)
●578件、
31,
641名(小・中学校からのお申し込み分)
P47
教育大賞
全国の小・中学校で行われた授業実践の研究や成果を募集し、優れ
「職場見学・施設見学」
たものを表彰
営業所や発電所などへの見学
応募…39 件 教育大賞…1 件、教育奨励賞…3 件
会を開催
リサイクル工作コンクール
●営業所・発電所など
全国の小・中学生から不用になった生活用品を利用した工作作品を
256件、
3,
680名
募集
応募…343 作品
「出前教室」
中村営業所を見学する中学生の皆さん
最優秀賞…3 作品、優秀賞…15 作品、佳作…43 作品
当社社員が学校などへ出張し、
「環境・エネルギー教室」
「電気実験
最優秀賞作品
教室」を開催
●全社で99回、
4,
028名
作品名「おしろのちょきんばこ」
「電気こどもシリーズ」
(壁新聞)
(ペットボトル・卵の殻)
三重県飯南町立柿野小学校 1 年生
水本 美星さん
当社営業エリア内の小学校や
図書館など約3,
400カ所へ年10
回送付
子供たちの「科学する心の育
成」の一助となるよう、当社創立
の1951年から発行
「電気こどもシリーズ」
「当社ホームページ キッズワンダーランド」
先生や生徒が利用しやすいホームページ
作品名「はらぺこあお虫くん」
(ペットボトル)
愛知県半田市立乙川東小学校 4 年生
平岡 玲菜さん
「PR展示施設」
「職場見学・施設見学」
「出前教室」などのご案内も
あります
http://www.chuden.co.jp/kids/
小学生サイエンスクラブ「エルゴン友の会」の運営
科学やエネルギーに関心を持ってもらうため、小学校高学年を対象に
会員制クラブを運営
科学の最新情報などを掲載
した「エルとも通信」の定期
送付
電 気やエネルギーなどを
テーマにしたイベントを開催
●会員数10,
465名(2003年3月末)
58
作品名「ペットボトルのれん」
(ペットボトル)
愛知県刈谷市立小垣江小学校 6 年生
辰巳 将さん
地域や社会への貢献
児童文学賞
収集ボランティア活動への協力
プロ・アマ問わず、全国から児童文学作品を公募
●各種募金活動
応募…81作品
●未使用・書き損じはがきの収集・寄付
大賞:
「ニコルの塔」 小森 香折さん(奈良県)
●使用済み切手の収集・寄付
優秀賞:
「さらば」 小川 直美さん(兵庫県)
●ユニセフカード・ギフトの購入
奨励賞:
「ブルー・スプリング」 井上 一枝さん(神奈川県)
その他
奨励賞:
「ペニー・レイン」 清水 愛さん(愛知県)
●各地域の社会福祉団体のバザーなどへの物品提供
(財)
ちゅうでん教育振興財団 TEL(052)
932-1741
http://www.chuden-edu.or.jp/
優れた基礎研究を支援育成
1989年4月に設立した(財)中部電力基礎技術研究所は、
全国の大学や高等専門学校などを対象に、
電気の利用に関
●「愛・地球博ボランティアセンター」へサポーター登録し、積極的支
援活動を展開
清掃活動に参加した
名古屋支店 総務部 総務課
小池 佳世
「海上の森」の清掃活動に初めて
する研究助成、国際交流援助、出版助成など幅広い事業を
参加した昨年は、清掃活動という自覚
実施しています。
を持って森に入ると、普段は気にならない小さなゴミが次々と目
2002年度は、
125件、
5,
558万円の助成を行い、累計では
に入ってきて、意外とゴミが多いことに驚きました。今年は2回目
1,
566件、約6億4,
600万円になります。
の参加でしたが、
ゴミの量から森に入る人たちのマナーが良く
(財)中部電力基礎技術研究所 TEL
(052)953-5971
なっているのが分かり、
この活動も無駄ではないのだと実感しま
http://www006.upp.so-net.ne.jp/refec/WELCOME.HTM
した。
また、短い時間ではありましたが、
自然に触れ、
さわやかな気
ボランティア組織「豆電球クラブ」
分を味わうこともできました。機会があれば、
また参加したいと
思っています。
社会貢献活動の一環として、
1991年11月に全従業員を
対象としたボランティア組織「豆電球クラブ」を結成し、
さ
まざまなボランティア活動を実施しています。
ボランティア活動が認められ感謝状
2002年5月にはこれまでの活動内容が評価され、
社会福
岡崎系統運用センターの全所員81名で構成するボラン
祉法人中部善意銀行から感謝状をいただきました。
ティアサークル「ホタル」が、
岡崎市内の障害者施設「第二
青い鳥学園」での清掃活動や簡単な修繕工事、
同学園主催
の夏祭りへの参加など、
発足から約7年間のボランティア活
動が評価され、
2003年2月に岡崎市社会福祉協議会長から
感謝状をいただきました。
パソコンをNPO団体へ無償提供
産業廃棄物の削減とパソコンのリサイクルを支援するた
め、
2003年3月、
取り替えを行ったノート型パソコン7,
000台
を名古屋のNPO団体「特定非営利活動法人ITエコサイク
瀬戸市「海上の森」の清掃活動
主な活動内容
ル推進機構」様に無償で提供しました。
同推進機構は、名古屋市や名古屋大学を中心に設立さ
環境美化活動への積極的参加
れ、IT弱者の支援を行い情報格差の解消に努めるとともに
●愛・地球博の会場となる「海上の森」にて清掃活動を実施
循環型社会の形成に寄与していくことを目的とし、各企業
●郷土美化合同奉仕活動(名古屋市都市美化連盟主催)への参加
から提供されたリサイクルパソコンを活用して活動を行っ
●ゴミゼロ運動(名古屋商工会議所主催)への参加
ていく計画です。
59
社会へのかかわり 地域や社会への貢献
「愛・地球博」
パートナーシップコンサートの開催
「新しい学校設立準備委員会」を設立
トヨタ自動車(株)様、東海旅客鉄道(株)様と共同で、
地域の皆さまに、
「愛・地球博」への関心を高めていた
中部地区に新たに中学校、高等学校の設立に向けた本
だくため、
2003年3月、
名古屋市内において2005年日本国
格的な準備作業に入るため、
2003年5月、
「新しい学校
際博覧会(愛称「愛・地球博」)支援コンサートを開催し、
設立準備委員会」を設立しました。学校の開校予定時期
約1,
700名のお客さまがご来場されました。
は2006年4月、募集予定人員は1学年120名です。
1998年から開催しており、
今回で5回目となりますが、
ご
来場のお客さまからお寄せいただいたチャリティ金は
(財)
2005年日本国際博覧会協会様に寄付しました。
(財)
2005年日本国際博覧会協会
http://www.expo2005.or.jp
会見に臨む豊田章一郎トヨタ自動車(株)名誉会長(中央)、
葛西敬之東海旅客鉄道(株)社長(右側)、太田会長(左側)
石炭運搬船に海洋表層モニタリング装置を搭載
地球温暖化の解明に役立つ海洋データの取得を支援
するため、オーストラリアから碧南火力発電所に石炭を
輸送している石炭運搬船にNPO団体「特定非営利活動
2005年日本国際博覧会支援コンサート
法人ヴォース・ニッポン」様の海洋表層モニタリング装置
を2002年7月から搭載しています。
交響楽団と高校生ブラスバンドが共演
ヴォース・ニッポンは、地球表層の物質循環や資源生物
地域の皆さまへの謝恩と次代を担う高校生の音楽活動
の解明に寄与することを目的として活動し、
南シナ海∼東
を支援するため、
2003年2月、名古屋フィルハーモニー交
シナ海と日本∼オーストラリアの2海域における表層水温
響楽団と岐阜県内高校生ブラスバンドとのジョイントコン
や塩分などの観測データを公開しています。
サートを岐阜市内で開催しました。
http://www.vos-nippon.jp/
2000年から開始して今回で4回目となりますが、
交響楽
団と高校生ブラスバンド部員35名がワーグナーやチャイ
特定非営利活動法人
コフスキーなどを見事に演奏し、会場を埋めた約1,
300名
ヴォース・ニッポン
のお客さまから喝采を浴びました。
中島直彦理事
陸地の約2.4倍の面積をもつ海。陸
上と同じ細かさで海を観測することは容
易ではありません。海洋の調査・研究には専門船舶が必要です
が、民間船舶もデータの取得に貢献しています。私たちが推進
しているボランティア観測船から、
これまで比較的観測データが
少なかった赤道や南半球海域の表層水温と塩分データが定期
的に収集できるようになりました。
これらのデータを、気候変動の研究など地球環境の変化の予
測と監視のために広く役立てていただけるよう、
これからも努力い
たします。
名古屋フィルと高校生とのジョイントコンサート
60
61
社外評価 1
環境懇話会
当社の環境施策全般について、
社外有識者の方から社長が
迎合する必要はない。環境報告書は会社にとってどういう
ご意見を承る「環境懇話会」を1993年から設けています。
位置づけなのかはっきりすべき。
●アンケートはがきの回収数は、やはり少ない。回答者の分
第20回中部電力環境懇話会
布は、
20代が多く、
30∼50代で少なくなり、
リタイアした60
2002年11月の第20回環境懇話会では、電力を安定して送
代で多くなるという一般的な傾向が出ている。アンケート
るために電力系統の各種解析を行う「系統解析センター」
での要望にもあるように、
子供が読めるように配慮して欲し
(名古屋市稲永)をご見学いただくとともに、
「地球環境年報
い。
2002」の読者の皆さまからお返しいただいたアンケートはが
●地球環境年報をこと細かくチェックしたが、
まだ難しい用語
きの内容を中心に、
地球環境年報の反響についてご紹介しご
が残っていた。昔に比べ格言的な言葉がなくなって良かっ
意見をいただきました。
た。企業が出したがらないデメリット情報もしっかりと分か
りやすく書いて欲しい。
●地球環境年報がたくさん配布されて、評判が良かったこと
●「分かりやすい」
「良かった」という評価は、地球環境年報
はいいことである。エコレポートは、
市民への呼びかけやコ
を気に入った人がはがきを書いたという事情も考慮すべ
ミュニケーションの良い手段なので、
読者が行動してメリッ
き。
トが得られるようなものを前面に出し、
積極的な呼びかけを
●地球環境年報とエコレポートの配布約4万部のうち150枚
するべき。年報の英語版を初めて発行したのが一昨年とい
のアンケート結果であり、
残りのサイレントな人の意見が知
うのでは遅い。海外の方に読んでいただくには、伝えたい
りたい。配布の時には、
「もっと意見をください」という姿勢
ことを真っ先にかつはっきりと書くべきである。
が必要である。
●環境報告書を出すことは市民へのサービスではないので、
北田 敏廣委員
國村 恵子委員
久野 和宏委員
倉 剛進委員
志田 直正委員
清水 かほる委員
田島 暁委員
徳留 信寛委員
奥野 信宏座長
第21回中部電力環境懇話会
2003年5月の第21回環境懇話会では、環境格付けの動向
●石炭灰のリサイクルは100%ではなく80%が限界なのか。
と当社の位置づけをご説明した後、本年報および「エコレ
化石エネルギーは埋蔵量に限界があり、太陽光、風力エネ
ポート2003」案についてご審議をいただきました。
ルギーの活用が大事であるが、
どのように推めていくの
か。これらの目標を見ると「積極的に導入」と非常に消極的
●地球環境年報には、環境面をはじめさまざまな取り組みが
な表現である。この部分を明確に訴えて企業の姿勢を示す
幅広く書かれていて良いと思う。原発の必要性や安全性を
細かく記載しているが、企業が「原発は安全だ」と言うこと
と、
地元住民が「原発を安全だ」と感じることには乖離があ
る。住民に原発の安全認識を持ってもらうための条件整備
を記載すべき。年報などで公開される情報が、地元の信頼
を得るに足るものであることが必要である。
●法令遵守は気になるところで、遵守しているとはっきりと
言っていただきたいと思う。法令を遵守するための仕組み
はどこの企業にもあると思うが、
機能しているかどうかが問
題であって、機能するように注意を払っていただきたい。
62
左から山内常務、川口社長、伊藤常務
ことが大切だと思う。
●地球環境年報は良くなってきた。今回もページ数は減った
●「中部電力地球環境宣言21」は、
分かりやすくて良いと思う
が内容は充実している。年報の内容は、全てホームページ
が、
目標に対するコメントが原子力発電の設備利用率など、
にも載っている。もっとホームページアドレスを載せたり、
原発を動かせばCO2が減ると
原発を止めるとCO2が増え、
テレビコマーシャルにホームページアドレスを流すなど、
当たり前のことを言っている。書き方に気をつけないと、
イ
ホームページを見せる努力をすべき。
ンパクトのない目標に受け取られる。会社の考え方と「中
●活字が小さい。新聞の活字くらいの大きさにしないと読ん
部電力環境宣言21」がリンクしていないように思えるし、
数
でもらえないのでは。字の大きさで読まないと決めてしま
値目標も控えめである。
う人が多いと思われる部分がある。企業倫理と安全性は、
地
●地球環境年報のスタンスが見えてこない。
10年を反省して
球環境年報に本当に必要なのか。
「地域や社会への貢献」
10年後にどうするかを表現したところも見えてこない。年
の出前教室は良いこと。原子力発電については、安全性な
報で訴えたいこと、
これからやっていきたいことを書いて
どに対して実施している努力をもっと明確に伝えるべき。
いない。
●地球温暖化について、
日本が努力していることをもっと主
●原子力発電所を運転するのに、
中部電力がいろいろ努力し
張すべきで、地球環境年報を外国の人にも配布して欲し
ていることが伝わってこない。しっかり伝える工夫をして欲
費用
い。仮にCO2の削減を国内対策だけで実施した場合、
しい。
は国家予算のオーダーになる。これはばかげた話である。
●大震災についてのコメントは無いのか。大震災の時、住民
ロシアから安くクレジットを購入したり、韓国に火力発電所
が望むことは早く光を取り戻したいこと。大震災が起こった
を作るなど京都メカニズムのルールを最大限に活用すべ
としても、住民が安心していられるような情報を掲載して
き。
欲しい。
原 徹夫副座長
中村 浩志委員
朴 恵淑委員
架谷 昌信委員
日比 英一委員
奥野座長のコメント
堀下 猛委員
水尾 衣里委員
柳下 正治委員
山本 一良委員
中部電力環境懇話会委員の方々(2003年4月現在)
(敬称略)
奥野信宏 名古屋大学副総長(座長)
地球環境年報が、今年で10年の節目を
北田敏廣 豊橋技術科学大学エコロジー工学系教授
迎えた。環境懇話会では、毎年、率直で厳
國村恵子 名古屋市水辺研究会代表
しい意見が出されるが、本年5月に開催され
た懇話会では、中部電力の環境問題への
多様な取り組みとその成果、環境年報の記述内容や読者へ訴えか
久野和宏 三重大学工学部物理工学科教授
倉 剛進 (財)国際環境技術移転研究センター専務理事
志田直正 静岡英和学院大学副学長
清水かほる (社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会中部支部理事
ける工夫等々、
この10年の間の目覚ましい成果について高い評価
田島 暁 (株)中日新聞社論説主幹
がなされた。一方で、今後はこれまでの成果を出発点とした行動が必
徳留信寛 名古屋市立大学医学部公衆衛生学教室教授
要という厳しい指摘があった。これからの10年は、過去の成果の上
中村浩志 信州大学教育学部教授
に立って活動が行われなければならない。新たな視点や方策が求め
朴 恵淑 三重大学人文学部教授
られると思うが、中部電力の取り組みに期待したい。
架谷昌信 名古屋大学大学院工学研究科教授
原 徹夫 岐阜大学農学部教授(副座長)
日比英一 中部日本放送(株)常任参与万博・空港対策室長
堀下 猛 日本労働組合総連合会愛知県連合会会長
水尾衣里 名城大学人間学部助教授
柳下正治 名古屋大学大学院環境学研究科教授
山本一良 名古屋大学大学院工学研究科教授
63
社外評価 2
学生エコモニター
21世紀を担う世代と意見交換
21世紀を担う若者との意見交換を図るため、
2001年3月か
ら「学生エコモニター制度」を導入しました。中部5県にお住
まいの大学、大学院、高等専門学校、各種専門学校の学生13
名にモニターをお願いしています。
2002年度は会議2回と奥矢作揚水発電所および浜岡原子
力発電所の見学会を開催するとともに、専用ウェブサイトや
メーリングリストを活用して議論を深めました。
主なご意見ご感想
奥矢作揚水発電所を見学
●中部電力が環境面でさまざまな対策を行っていることはよ
く分かりました。しかし、社会と連携した環境への取り組み
を進めるには、中部電力が周りから具体的に見える活動を
しなければならないと思います。
●揚水発電所見学会では、
普段見ることができない設備を見
させていただき、今まで知らなかった揚水発電の仕組みや
役割が理解できました。
●原子力発電所を見学したのは初めてのことで、いろいろと
学生エコモニターのコメント
Being an Eco-Monitor was a great
experience that provided me with
an opportunity to meet new
people and gain an insight into
different attitudes toward energy
and efficiency in corporate Japan.
Jenny R. Dillman
勉強になり、原発についての視野が広がりました。
社外評価 3
消費生活アドバイザー・消費生活コンサルタント
消費者と企業の架け橋の役割を担う消費生活アドバイ
ザー・消費生活コンサルタントの皆さまと(株)青山高原ウイ
ンドファーム様の風力発電設備、当社川越火力発電所見学会
を開催するとともに、環境意識アンケートを通じてご意見ご
要望をいただきました。
主なご意見ご要望
●自然エネルギーを利用した安全で持続可能なエネルギー
への転換を希望します。
青山高原の風力発電設備を見学
●エネルギーが身近なところで節約できることをどんどん教
えて欲しい。
●環境対策をもっとPRするとともに、
一般消費者の啓発に力
を入れて欲しい。
●原発トラブルの隠蔽に関する報道は電力会社への不信と
なっています。いろいろな面で社会から認められる行動を
望みます。
●大量生産・大量消費が終わった今、企業には効率だけでは
計れない価値を追求していって欲しい。
64
川越火力発電所を見学
社外評価 4
環境経営格付機構
NPO法人環境経営学会が設立した環境経営格付機構によ
る「2002年度環境経営格付け評価」において、
対象企業86社
のなかで高い評価を受けました。
この格付けは、
環境対応を含む企業の社会的責任や持続可
能性を総合的に評価するもので、「経済的繁栄」
「環境保全」
「社会的貢献・公正」の3分野について、
「戦略」
「組織」
「成
果」の3側面から評価が行われました。
評価にあたっては、
60の評価項目からなる調査票への事前
回答を行い、その裏付け確認のための「ヒアリング」を受け、
環境への取り組みや企業倫理などについての考え方を「トッ
プインタビュー」によって説明しました。
評価結果は、
56項目が優評価(緑葉)、
4項目が良評価(黄
葉)で、
同機構が開催したシンポジウムのなかでも「グリーン・
トップランナー」として紹介されました。
社外評価 5
エコプラザ環境意識アンケート
環境意識アンケート
お客さまの環境意識や当社の環境イメージについて、
インターネットなどを利用して調査して
います。
2002年度は3,
834人のお客さまから回答が寄せられました。
Q
地球環境問題のなかで特に関心がある項目は何ですか。
その他1%
Q
中部電力の地球環境問題への取り組みについて関心がありますか。
全く関心がない0%
あまり関心がない10%
ゴミ・廃棄物問題31%
とても関心がある
24%
地球温暖化37%
少し関心がある66%
オゾン層破壊17%
野生生物種の減少5%
熱帯雨林の減少5%
酸性雨4%
Q
中部電力が推進している主要な環境対策のなかで、最も期待している項目は何ですか。
国際協力3%
原子力発電の推進11%
地域と連携した活動3%
研究開発7%
廃棄物発生量の低減と
リサイクル16%
新エネルギーの推進に
向けた支援37%
景観保全・緑化10%
大気汚染・水質汚濁・騒音の防止13%
65
社外評価 6
お客さまの声
「地球環境年報2002」、
「エコレポート2002」の巻末読者アンケートやホームページを利用し
ていただいたご意見は、総数152件でした。
当社の取り組みについて
エコレポートについて
●原子力発電はCO2抑制に対して大変有効な技術と認識し
●表現が分かりやすかったので、省エネについて子どもに教
ています。多くの方々の理解が得られるよう今後も努力し
てください。
(静岡県42歳男性)
●改めて色んな工夫をしていることを知りました。自然を削
るのではなく共存していけることが大切ですね。
えるときの参考にしたいと思いました。
(東京都26歳女性)
●個人に対しては課題が大きいと思います。話したいことは
ある程度分かりますが、
「だから何なの?」と感じることもあ
りました。
(愛知県36歳女性)
(静岡県33歳女性)
地球環境年報について
●タイトルが見やすく分かりやすいので、ページ数は多いが
パンフレットのような感覚で読むことができました。
(東京都29歳女性)
●全般的に非常に読みやすい内容になっている反面、詳細
な評価が割愛されている部分があり気になりました。
(愛知県24歳男性)
お客さまから寄せられたアンケートはがき
お客さまのご意見に対して
環境問題はまさに今世界で取り組まなければならな
Q
いし、
考えなければならない問題なのではないかと思い
は市民・県民も理解していると思いますが、そのトラブル発生
時の対応次第で世論が動くことを分かって頂きたいです。ほ
ます。本当なら、国民一人一人が意識をもって実行していく
かに、
東海地震の発生時の対策は本当に十分なのか心配して
べきなのでしょうが、
現状はまだまだ意識が低いと感じます。
います。
ですから、会社単位でこういった活動を続けていっていただ
けるとありがたいと感じます。
当社は、環境問題への取り組みを経営の最重要課題
A
のひとつとして位置づけ、積極的に推進してきました。
特に地球温暖化への対応は、
お客さまと互いに連携して取り
組むことが必要です。
私たちが将来にわたり快適で健全な暮らしを続けるため
に、暮らしに必要なエネルギーを確保しつつ環境への影響を
減らしていくことを、
皆が真剣に議論し、その解決策を見いだ
さなければなりません。
当社は、
この「地球環境年報2003」や、地球温暖化防止へ
の取り組みをまとめた「エコレポート2003」などを通して、
お
客さまとコミュニケーションを図り、
エネルギーと環境につい
て共に行動していきたいと考えています。
2001年11月に発生した同発電所1号機の配管破断な
A
どは発電所周辺環境への影響はありませんでしたが、
多
くの皆さまにご心配をおかけしました。当社はこれらの教訓
を活かして、正確・迅速な情報提供に心がけ、
とりわけ報道関
係者には、
トラブルがどの程度のものであるかを分かり易く
説明しています。また、発電所運営の透明性を高めるため、
2002年6月から軽微な故障・不具合まで運転情報としてホー
ムページに掲載しています。
地震対策については、
「地震発生時にも周辺に放射能によ
る影響を及ぼさないこと」を大前提に、重要施設の基礎を堅
固な岩盤に直接設置したり、地震時には自動停止する仕組み
を取り入れたりするなど、想定東海地震を上回るマグニ
チュード8.5の限界地震にも耐えられる設計を行っています。
今後とも地元の皆さまをはじめさまざまなお客さまに、発電
所の見学なども含めた的確な情報をご提供し、
発電所運営の
浜岡原発が近くにあり、
ニュースでトラブルが報じられ
Q
るたびに、原発の存在そのものに疑問を感じてしまいま
す。現実問題として原発に頼っていかなければならないこと
66
透明性を高め、
ご安心いただけるよう努力してまいります。
P30
点検
従業員意識調査
環境教育トレーナー制度や社内報・社内ネットを活用した
さらに、回答者の中から過去に環境教育トレーナーを経験
情報提供などにより、
1998年度から全従業員を対象にした環
した295人を抽出し、
トレーナー経験で身につけた環境に関
境教育を実施しています。その成果を把握するため、
1997年
する知識が、その後の業務や部下指導などで活用できたかと
以降「従業員意識調査」を実施しており、
第5回調査(2003年
の問いに対し、約83%が「活用できた」と回答しています。ま
3月実施)では、
2,
522人からデータを集約しました。
た、
トレーナー未経験者に比べ、
トレーナー経験者の方が高い
その結果は、環境問題への関心度では「とても感心があ
環境意識をもっている傾向も見られ、環境教育トレーナー制
る」と「少し感心がある」を合わせると約97%を占め、
従業員
度が有機的に機能していることが分かりました。
の環境意識は高いレベルで維持されていることが分かりまし
今後も、環境教育トレーナー制度を活用した従業員環境教
た。また、業務上での環境配慮についても「常に心掛けてい
育や、環境マネジメントシステムの推進などにより、具体的な
る」と回答した人の割合が年々増加しており、
着実に業務上で
環境活動に結びつくような従業員の環境意識の向上に努め
の環境配慮が浸透していることが伺えました。
ていきます。
環境問題への関心度
業務上での環境への配慮状況
28.1
35.5
42.1
43.2
43.6
とても関心がある
50.7
常に心がけている
62.5
64.2
49.4
49.0
59.3
61.5
53.7
53.8
少し関心がある
48.6
45.4
時々心がけている
35.4
32.9
48.1
48.1
2.7
2.8
2.5
2.3
2.8
あまり関心がない
1997年
1999年
2000年
2001年
2002年
0.2
0.1
0.1
0.1
0.1
全く関心がない
0
11.2
8.2
あまり
心がけていない
10
20
30
40
50
60
70 80(%)
3.8
2.0
2.8
1997年
1999年
2000年
2001年
2002年
0.8
0.9
0.1
0.1
0.0
全く
心がけていない
0
10
20
30
40
50
60
70 80(%)
トレーナー経験と環境意識
トレーナー経験の活用度
あまり関心がない2.0%
全く活かされていない0.3%
あまり活かされていない
16.9%
大変よく活かされた
12.5%
少し関心がある
32.2%
トレーナー経験
あり
とても関心がある
65.8%
活かされた経験もあり役に立った
70.2%
あまり関心がない2.9%
少し関心がある
50.2%
全く関心がない0.1%
トレーナー経験
なし
とても関心がある
46.8%
67
事業場別環境報告書の発行
四日市火力発電所(三重県四日市市)が環境報告書を発行しました。
四日市火力発電所の環境報告書
四日市火力発電所は、四日市コンビナート地域に位置し、
1963年に当
社5番目の火力発電所として操業を開始しました。当時は、重油を燃料と
して発電していましたが、四日市公害、
オイルショックなどを経て、重油から
ナフサ、
そしてLNGへと燃料の転換を行い、環境保全への取り組みを充
実してきました。
発電設備の1∼3号機はコンベンショナル方式を採用したプラントで、需
給変化に迅速に対応しています。
4号系列は当社初の1,
100℃級コンバ
インドサイクル方式を採用した5軸構成のプラントで、
1988年の運転開始
以来、高効率運転を維持しています。発電所の総出力は、
124.5万kW
で、
2002年度は当社発電電力量の約3%を担いました。
四日市火力発電所
今回作成した環境報告書は、
「環境省・環境報告書ガイドライン
(2000
年度版)に準拠した電力会社として初の事業場別環境報告書」といえ
ます。環境に対する取り組みだけでなく、
「企業の社会的責任(CSR)」
に関する取り組みも紹介しました。
環境報告書の作成にあたり、各課・グループ
本店環境部で培った地球環境年報作成業
の若手代表者からなるワーキング・グループを組
務の経験が事業場版環境報告書作成に役立
織しました。環境報告書は“地域の方々との双
ち、光栄に思います。地域のみなさまに当所の
方向コミュニケーションツール”であるとの観点
環境への取り組みを理解していただき、
“信頼
から、
“自らの取り組み”を“自らの言葉で”作
副所長
磯谷 善一
成することに心がけました。今回の経験が、
メン
バー各人にとって、環境への意識のさらなる向
される企業”であり続けられるよう、
がんばって
発電課
発電担当 主任
田中 竜彦
いきたいと思います。
上などに大いに役立つこと
を期待しています。
環 境行 動計 画などの
ページを作成しながら、普
当所の環境管理体制
段取り組んでいる業務そ
の理解が深まり、環境経
のものが 環 境 に深く係
営への取り組みの重要さ
を再認識しました。
「環境
に対して考え、行動する」
環境保安課
保安防災担当
上田 玉木
という当所の姿勢を地域
わっていることを改めて認
発電課
技術管理担当
谷川 守
識しました。
今後も、環境行動計画の
より高い目標達成に向け
のみなさまに知っていただ
て、積極的にチャレンジし
くため、今後も環境報告書
ていきたいと思います。
の継続的な発行に努めて
いきます。
環境報告書作成にあたり、多数の貴重な
御意見をいただき感謝する一方で、読みやす
い報告書づくりの難しさを実感しました。今後
も、私たちの体温が感じとっていただけるよう
な報告書をめざすとともに、今回の経験を業
総務グループ
経理担当
栗田 弘子
68
務に活かしていきたいと思います。
保修課
タービン担当
平野 由美
保修課
タービン担当
平尾 芳子
環境報告書の作成を通じ、当所の環境に対する取り組みへの理
解を深めることができました。業務に従事するなかで、産業廃棄物の
発生抑制、再使用などに心掛け、今後とも環境負荷の少ない工事
の実施に心掛けていきます。
環境年表
年代
∼60
●:国内 ●:国際
社内事項
社外の動向
51. 5 中部電力設立
64.11 四日市火力発電所で乾式排煙脱硫法の試験開始
58. 米国がマウナロア山(ハワイ)でCO2濃度測定開始
67. 8 「公害対策基本法」公布
69. 6 開発調整部発足(当社初の環境問題を専門に扱う組織)
69.12 尾鷲三田火力発電所1号機で当社初の重油専焼ボイラ用電気式
68. 6 「大気汚染防止法」、
「騒音規制法」公布
集じん器運用
70
80
71.
公害対策部発足
71. 7 環境庁発足
72.
75.
環境対策室発足
環境立地推進本部環境対策室発足
72. 6 国連人間環境会議開催
83.
立地環境推進本部環境部発足
84. 8 「環境影響評価実施要綱」閣議決定
87. 9 オゾン層保護に関する「モントリオール議定書」採択
88. 5 「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律
(オゾン層保護法)」制定
90
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第1次評価報告書発表
経済団体連合会が「地球環境憲章」を発表
90. 4 「地球環境対策推進会議」設置
「地球環境対策技術開発特別チーム」設置
90. 8
91. 4
91. 7 立地環境本部環境部発足
93. 1 環境方針「地球環境6題」発表
(UNCED)開催(リオデジャネイロ)
92. 6 「環境と開発に関する国際会議」
「環境と開発に関するリオ宣言」採択
9 「中部電力環境懇話会」設立
94. 6 「1994年版地球環境年報」発表(初版)
「アジェンダ21」採択
「気候変動枠組条約」署名
96.11 「共同実施活動」に係る当社プロジェクト
(相手国:タイ)調印
93.11 「環境基本法」公布
94.12 「環境基本計画」公表
97. 3 「地球環境6題」行動目標改定
98. 1 環境管理規程制定
95. 3
12
気候変動枠組条約第1回締約国会議(COP1)開催(ベルリン)
IPCC 第2次評価報告書発表
96. 7
9∼10
COP2開催(ジュネーブ)
ISO14000sおよびJIS Q 14000s
4 「1997年版地球環境年報」が「グリーン・リポーティング・ア
ウォード環境報告書賞」優良賞を受賞(東洋経済新報社主催)
5
6
ISO14001認証取得(緑営業所、知多火力発電所)
ISO14001認証取得(掛川電力センター、岐阜電力センター)
7
ISO14001認証取得(矢作川電力センター、尾鷲三田火力発電
所、中村電力センター)
「廃棄物の処理・管理に関するガイドライン」制定
99. 5 「地球環境6題」数値目標改定
6
ISO14001認証取得(浜岡原子力発電所、上田電力センター、
松阪電力センター、飯田支店)
「フロン等の使用および排出抑制に関する基本方針」制定
10 ISO14001社内認証制度導入
(環境マネジメント・監査システム)発行
11 「電気事業における環境行動計画」
(電気事業連合会)発表
97. 6 「環境影響評価(アセス)法」成立
経済団体連合会が「環境自主行動計画」を発表
12
地球温暖化対策推進本部(本部長:総理大臣)設置
COP3開催(京都)
京都議定書採択
98. 6 「地球温暖化対策推進大綱」閣議決定
11
COP4開催(ブエノスアイレス)
ブエノスアイレス行動計画採択
99. 4 「地球温暖化対策推進法」施行、
「地球温暖化対策の推進に関する基本方針」閣議決定
11
2000
00.12 環境方針「中部電力環境宣言21」とこれに基づく行動目標発表
01. 3 ISO14001 認証取得(基幹系統建設センター)
「廃棄物の処理・管理に関するガイドライン」改正
4 「中部電力グループ環境対策会議」設立
8 名古屋南部訴訟の和解解決
12 「2001年版地球環境年報」が「第5回環境レポート大賞」優秀賞
を受賞((財)地球・人間環境フォーラムなど主催)
02. 3 産業廃棄物処理管理支援システム導入
6 事業場別環境報告書「松阪電力センター環境レポート2002」発行
12 中部電力グリーン調達導入
03. 2 「2002年度環境経営格付け評価」で高い評価
(環境経営格付機構)
「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」改正
COP5開催(ボン)
00. 1 「ダイオキシン類対策特別措置法」施行
3 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の
促進に関する法律(PRTR法)」施行
「循環型社会形成推進基本法」施行
6 「改正廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」施行
10 「新環境基本計画」公表
11 COP6開催(ハーグ)
01. 1 中央省庁再編により環境省発足
4 「特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)」施行
IPCC 第3次評価報告書発表
7 「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法
(PCB 処理特別措置法)」施行
COP6再開会合開催(ボン)
10 COP7開催(マラケシュ)
02. 3 「省エネ法」改正
「地球温暖化対策推進大綱」改正
4 「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関
する法律(フロン回収破壊法)」施行
5 「地球温暖化対策推進法」改正
「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律
(建設リサイクル法)」施行
6
8
10
03. 2
日本が京都議定書に締結
持続可能な開発に関する世界首脳会議開催(ヨハネスブルグ)
COP8 開催(ニューデリー)
土壌汚染対策法施行
69
索 引
あ
い
え
お
か
き
く
け
こ
70
ISO14001
P40
再雇用制度
P55
愛・地球博
P60
再使用(リユース)
P35
安全衛生
P55
再生紙使用率
P32
RPS 法
P22
再生利用(リサイクル)
P35
硫黄酸化物(SOx)
P23
産業廃棄物
P35
一酸化二窒素(N2O)
P21
磁気冷凍
P34
エコアイス
P48
事業場別環境報告書
P46
エコキュート
P48
社外評価
P42,62
エコライフ倶楽部
P46
重原油灰
P35
NPO
P49
省エネルギー
P32
LNG
P18
障害者雇用
P55
園芸用培養土
P35
消費生活アドバイザー・消費生活コンサルタント
P42,64
オゾン層破壊物質
P28
新エネルギー
P22
温室効果ガス
P21
人材育成
P57
温排水対策
P23
水質保全
P23
海外事業
P53
水力発電
P18
化学物質
P27
火力総合熱効率
P20
火力発電所の環境保全対策
P23
学校教育
P9,58
環境アセスメント
P24
環境会計
P14
環境教育トレーナー
P41
環境懇話会
P42,62
環境負荷
環境方針
さ
し
す
せ
石炭灰
P35
セクシュアル・ハラスメント
P56
石こう
P35
そ
騒音・振動対策
P23
送配電損失率
P20
た
ダイオキシン
P27
太陽光発電
P22
地球環境対策推進会議
P5
P10
窒素酸化物(NOx)
P23
P4
チャレンジ・サークル活動
P41
ち
環境マネジメントシステム
P40
ちゅうでん教育振興財団
P58
環境リスクマネジメント
P29
中部グリーン電力基金
P22
稀少猛禽類
P25
中部電力グループ環境対策会議
P43
金属くず
P35
電源開発
P18
グリーン購入
P45
電線類地中化
P26
グリーン電力基金
P22
土壌汚染
P23
グループ企業
P43
東海地震
P30
クロメダカ
P26
ね
燃料電池
P22,34
経営方針
P4
は
廃棄物の適正処理
P38
景観対策
P25
廃棄物発電
P22
研究開発
P33
発生抑制(リデュース)
P35
原子燃料サイクル
P37
PRTR 制度
P27
原子力発電所周辺の線量評価値
P29
ピークシフト
P48
原子力発電所の安全性
P30
PCB
P28
原子力発電所の設備利用率
P20
ヒートポンプ
P48
原子力防災
P31
風力発電
P18
て
と
ひ
ふ
高レベル放射性廃棄物
P39
ブルーボネット
P47
国際交流
P52
プルサーマル
P37
心の健康づくり
P57
へ
へきなんたんトピア
P47
古紙回収率
P32
ほ
放射性廃棄物
P38
コンプライアンス
P9,54
り
緑化対策
P25
ろ
漏油対策
P23
ご協力いただきました
読みやすい環境報告書を目指して、
4名の消費生活アドバイザーの方に
「地球環境年報 2003」原稿の用語、表現、
グラフ図表などをご確認いただきました。
地球環境年報の編集
事務局と意見交換
電気を使う生活を「当たり前」のように享受している暮らし
電気は今や毎日の生活に欠かせないものと考えた時、中
ですが、地球環境との関係はこのままでいいのかしら・・
・
?
部地区に住む消費者と中部電力には深い関わりがあり、環
今回、環境報告書の原稿をチェックさせていただいて、需
境保全への対策について大変関心のあるところです。
要増の一途をたどるエネルギーの供給と環境負荷の低減と
「地球環境年報」やイラストをふんだんに使った「エコレ
いう難しい課題に真摯に取り組んでいる中部電力さんの姿
ポート」には、中部電力の取り組みが示されており、持続可
勢を身近に感じることができました。今後も外に開かれた企
能な社会づくりのために消費者とコミュニケーションするよい
業姿勢を期待しています。 河合 祐子 様
素材となることでしょう。 柴田 智子 様
あまりに身近で供給されて当然の「電気」。当たり前すぎ
この地球環境年報には、中島みゆきの「地上の星」を思
て、
もしかしたら今までお互いのコミュニケーションを欠いてい
わず口ずさんでしまう、
そんなひとつひとつのドラマがありま
たのかもしれません。地球環境に大きく関わる電力会社のこ
す。ここには企業という中で、環境問題に取り組む人々の熱
の環境報告書が、
より多くの方に読んでいただけることを
い思いと姿が綴られていると言っても過言ではありません。
願ってチェックしました。
環境とエネルギーという両立の難しい問題に対してどのよ
これからの消費者は、質問・意見など企業に積極的に発
うに取り組んでいるのかを、多くの人に知っていただけるよう、
信することも大切です。ぜひ、
ご意見を! 熊谷 智恵子 様
企業と消費者のパイプ役である私たち4名のアドバイザーが
内容をチェックさせて頂きました。 中部 絵美 様
「地球温暖化」を中心に構成した「エコレポート2003」もご用意しています。
ご希望の方は下記までお申し込みください。
中部電力(株)環境部地球環境グループ
TEL 052-951-8211
(代表) FAX 052-973-0590
E-mail:[email protected]
主な事業所
本店
〒461-8680 名古屋市東区東新町1 TEL052-951-8211
名古屋支店
〒460-8310 名古屋市中区千代田二丁目12-14 TEL052-243-9100
静岡支店
〒420-8733 静岡市本通二丁目4-1 TEL054-255-1111
三重支店
〒514-8558 津市丸之内2-21 TEL059-226-5555
岐阜支店
〒500-8707 岐阜市美江寺町二丁目5番地 TEL058-265-1122
長野支店
〒380-8666 長野市柳町18 TEL026-232-8151
岡崎支店
〒444-8606 岡崎市戸崎町字大道東7 TEL0564-51-5915
飯田支店
〒395-8622 飯田市吾妻町100 TEL0265-22-5511
東京支社
〒100-0011 東京都千代田区内幸町二丁目2-1日本プレスセンタービル5F TEL03-3501-5101
Washington Office
900 17th Street N.W., Suite 1220 Washington, D.C.20006, U.S.A. TEL202-775-1960
London Office
Nightingale House GF,65 Curzon Street, London W1Y 7PE,U.K. TEL171-409-0142
地球環境年報 2003
最新の情報は当社のホームページをご覧ください。
http://www.chuden.co.jp
この冊子は、古紙配合率100%の再生紙を使用しています。再生紙や非木材紙の普及が進めば、森林資源の保護に
加え、地球温暖化防止にも役立ち、
ゴミ減量の推進にも貢献することから、当社ではこれらの使用拡大につとめています。
印刷は、従来のインキに含まれていた石油系溶剤を削減した大豆油インキを使用し、アルカリ性現像液やイソプロピル
アルコールなど含む湿し水が不要な水なし方式を採用しています。大豆油インキは、限りある石油資源消費を抑えると同
時に、印刷中に生じる大気汚染の原因となるVOC(揮発性有機化合物)の排出を低レベルに抑えることができます。
本店環境部地球環境グループ 2003年6月発行
B0-13-1-08 4,000
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