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応化便り 応化便り - 岐阜県産業技術センター
応化便り “地域・産業・未来のために“ 岐阜県産業技術センター 応用化学研究部 平成19年7月 6号 応用化学研究部では、プラスチック、石灰、化 学工業関連企業のみなさまに役立つ情報を提 供します。 今回は、新しく導入した「真空紫外光露光装置」をご紹介します。 真空紫外光露光装置とは ○波長:172nm・・・紫外領域よりさらに短い真空紫外領域の波長 ○分光分布に見られるような単一波長である。 ○プラズマやコロナ放電装置などと比べて安価である。 ○大気中で処理できるため、真空排気装置が要らない。 ○一度に大面積の処理が可能である。 ○光の波長が短く、照射出力も10mW/cm2と高いため、 高速処理が可能である。 ○照射により熱がかからず、耐熱温度の低いプラスチック基板にも適用可能である。 ○フォトマスクを用いることで、パターニング(微細加工)が可能である。 真空紫外光露光装置を用いた研究例 ◎表面改質 62o 水滴接触角 112o 基板表面の親水化 有機薄膜の形成 ~5o -CH3基終端の薄膜 形成による疎水表面 ・無機・有機材料表面を露光することにより表面にOH基やCOOH基が形成され、 親水化表面が得られる。 ・活性な官能基を持つ有機薄膜を形成することで、従来不可能であった塗料や接着剤 などが被膜できるようになる。 ◎微細構造作製 ・フォトマスクの形状どおりのパターニングができ、 無機材料表面に作製した有機薄膜のパターンや プラスチックを直接分解して、微細構造が作製できる。 ・パターン化した有機薄膜を利用して、選択的にめっき することによる金属微細構造の作製や、プラスチック製 のマイクロチップなどに応用可能である。 本装置を用いて、今年度の重点研究課題「高密着性を有するプラスチック表面改質技術の開発」 を行います。この研究では、プラスチック表面の特性をナノレベルで制御し、めっき膜や 塗膜、接着剤等に対する密着性を上げることを目標としています。 プラスチック、セラミックスや金属の表面改質(濡れ性・密着性など)について、 本装置を用いた処理をやってみたいと思われましたら、ご相談下さい。 ※お問合せ先:応用化学研究部 浅倉秀一 TEL:058-388-3151