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川本研究室 - 早稲田機友会
WMEニュースレター23 05.5.23 4:30 PM ページ1 VOL. 23 WESEDA MECHANICAL ENGINEERING N e w s l e t t e r 「ものづくり」から「人づくり」へ ── 機械工学科主任に就任して ── 2005年 (平成17年) 4月1日発行 APR. 2005 になります。では、何故、機械工学科 は二つに分かれることになったのでし ょうか。それにはいろいろな理由が挙 げられますが、一口にいえば、学科の 三輪 敬之 将来に対する危機感を教員各自が抱い ていたことが背景にあったと思います。 先輩諸氏らによる過去の財産に拠って この度、大聖泰弘教授の後を受けて、 究科の方に目を転じますと、本学科の 生きていける時代ではないことや、高 昨年9月より主任を仰せつかりました 熱コースの教員が中心となって、新し 度成長期のように国民全体が一つの与 三輪敬之です。この紙面をお借りして、 く「環境・エネルギー専攻」が2005 えられた目標に向かって生きていけば 機械工学科の現状報告と所感を述べさ 年4月に立ち上がります。これは よいという時代ではなくなってきてい せて頂きます。 2007年度には独立大学院となり、本 ることなどが、教員の間で次第に認識 庄校地を舞台に早稲田大学の一つの旗 されてきたのです。言い換えれば、多 とすることを目指しております。 様化が進み、複雑化する社会に相応し 1.学部・学科再編について 早稲田大学は学術院体制が昨年9月 今回の学部再編は、それぞれの学科 い教育、研究体制を早急につくり上げ に発足し、理工学部、大学院理工学研 の意向が少なからず反映されているも る必要に迫られることになったわけで 究科、理工学総合研究センター、材料 のの、理工学術院の教員がこの再編の す。そして、2年余りの議論をへて、 技術研究所の教員全てが理工学術院に ドラマを同じ舞台で一緒になって共演 それに応えるべく二つの理念を異にす 所属することになりました。また、理 し、シナリオづくりをしたとは残念な る学科が創設されることになりました。 工学部は創設100周年を迎えます がら言い難いところがあります。また、 2008年を前に、3学部、3研究科に このドラマを見守る観客(学生や卒業 2007年から再編されることが決定し 生、社会)が不在のままに、再編が行 ました。それぞれが6∼7学科(領域を われたことも否めません。どのような 含む)からなる先進理工学部、基幹理 理工学部を建設するかは、我々教員一 工学部、創造理工学部に分かれます。 人一人が真剣に考えなければいけない 基幹理工学部には新たに、表現学科と 問題であり、もう少し時間をかけて学 電子光システム学科が新設されます。 科、大学を超えた議論などが展開され これら学部の設立趣旨などにつきまし てもよかったように感じられます。そ ては、理工学部のホームページをご覧 のため、2007年の開設まで、各学部 ください。現在、学部創設に向けた準 の教育・研究の独自性や特色などにつ 備が進められておりますが、基幹理工 いてさらに検討し、学内だけでなく社 と創造理工学部の準備室長を本学科の 会的にも認知されるよう努力していか 河合教授と山川教授がそれぞれ務めて ねばならないと思っております。 います。 既にご存知の方も多いと思いますが、 機械工学科も2007年に向けて、「機械 2.機械工学科の現在 100年近く続いた機械工学科という 科学・航空学科」と「総合機械工学科」 名称は2007年をもって消えることに の二つに再編されます。前者は基幹理 なります。そして学生数120∼30名 工学部に、後者は創造理工学部に属す の学科が二つ誕生します。現在の教員 ることになります。さらに、大学院研 はいずれか一方の学科に所属すること 設立趣旨はおおよそ以下の通りです。 機械科学・航空学科では、多様化する (次ページへつづく) C O N T E N T S ●「ものづくり」から「人づくり」へ 1 ● 私の大学事情 国立大学法人となって ─ 山形大学 3 ● 2004機友会特別賞 4 ● 頑張るWME会員 Suica開発物語∼プロジェクト編∼ 6 モノ作り∼ソニーでの経験を通して 8 ● 研究室紹介 「川本研究室」 10 ● パネルディスカッションに参加して 12 ● ホームカミングデーに参加して 14 etc W.M.E Newsletter vol.23 1 WMEニュースレター23 05.5.23 4:30 PM ページ2 時代にこそ、基盤となる科学的知識が ボット技術の展開、などをあげること 国の政策そのものがおかしくなって 必要であるとし、その応用学術分野と ができます。また、愛知万博には、ロ きているのか、グローバル化が極端に して機械工学を位置づけています。物 ボット2件(NEDO)、環境問題1件 進んできているためなのか、最近は、 理・数学的な知識を基本にして、材料、 (地球市民村)が出展されることになっ 流体、熱およびメカニックスを教育す ております。 ることに重点を置くとともに、それら の機械系基盤学術の視野に宇宙を含む 「見えるもの」(短期間の研究業績や成 果など)ばかりを追いかける風潮が世 に蔓延っており、「見えないもの」に目 3.「ものづくり」から「人づくり」へ を向けることが少なくなってきていま 航空工学を組み込み、広義の機械工学 この度の学部・学科再編では、若手 す。これが真に創造的な活動を妨げて を展開しようというものです。近年の から年輩に至る教員が一緒になって問 いるようにさえ思われます。機械工学 学力低下が懸念されている専門工学教 題を共有し、侃々諤々の熱い議論を交 科は、ものづくりを通じて人づくりを 育の構造と質的内容を見直して、国際 じ合わせたことはこれまであまりなか する場所であると私は以前より考えて 的な競争を強いられる先端の工学技術 ったと思います。むしろ教員の関心事 きました。小中学生にみられる不登校 に対しても十分な応用能力を有し、先 は内よりも外に向きがちになってきて や引きこもり、さらには悲惨な事件な 見性と責任感に富む技術者、研究者を います。現に、本学科におきましても、 どが、大学と無関係であるとは思えま 育成しようと、カリキュラムの構成に 国際会議での発表や外部資金の獲得な せん。人づくりには、外からは見えな 工夫し注力しています。 ど、教員個々人の対外的な研究活動は いものを教員、学生諸君の間で共有す 一方の総合機械工学科は、機械工学 これまで以上に活発化しております。 ることが求められます。その意味で、 は技術に定位した学知であり、頭脳的 しかし一方で、学科全体で夢を共有し、 今後、「ケア」の思想、技術が重要にな な知としての科学のみでは創造的な 方向性を共有しながら、それを形にし ってくると私は考えています。ケアす 「ものづくり」は難しいという観点から、 ていくような「創造的な場」は衰退し ることでケアされるといわれています 身体を働かせて実践的な感覚を磨くこ つつあるように感じられます。学科全 ように、身心を介して行なわれる相互 との重要性を考慮した新しい教育を展 体を開かれた創造的な共同体とみなす ケアが人づくりの基本になると思われ 開します。そして、プロジェクト・ベ ならば、それが生き生きとしたものに るからです。 ースト・ラーニングなど導入したユニ なるためには、職場において夢を各人 結局、我々大学人は未来に向けてど ークなカリキュラムを組みことにより、 が持ち続けられることが必要になりま う生きていくべきかを今、問われてい 環境・エネルギー、デザイン・共創、 す。そして夢が共有されれば、教員 るのかもしれません。機械工学科が二 福祉・医療などといった新しい学術・ 個々人の教育・研究活動が共通の舞台 つに分かれる今こそ、学科としての主 産業分野において、創造的な開発エン に位置づけられ、学科全体として学生 体性、創造性さらには存在感が求めら ジニア、研究者はもとより、プロジェ 諸君らも含めた創造的な喜びの循環が れているように私は思います。機友会 クトリーダーやコーディネータとして 起こることが期待できます。夢を共有 の皆様におかれましては、我々が演じ も活躍できる人材を育成することを目 できなくなったから個別に活動すると るドラマを観客として見守って頂き、 指しています。また、いずれの学科も いうのは本末転倒であり、夢を共有で それが「善い方向」に進行しているの これまでの多人数教育の旗をおろし、 きるような場づくりに自らの意志で参 かどうかを、ご指摘、ご批判くださる 大学院進学率8∼9割を目標にして、6 加することが先ずもって重要であると ようここにお願い申し上げる次第です。 年一貫教育をより充実させることにし 思います。 (機械工学科教授) ています。また、現在、機械工学科は COE(課題:超高齢者社会における人 とロボット技術の共生)に採択された こともあって、博士課程在籍者数が30 名を超えましたが、この勢いをさらに 持続できればと思っております。 一方、研究活動面においては、競争 資金型のプロジェクトに多くの教員が 関わっております。例えばCOEの発展 版であるスーパーCOE(先端科学と健 康医療の融合拠点)、知的財産の社会的 活用のための「ナノ・IT・バイオ知財 経営戦略プログラム」や、WABOTHOUSE研究所(岐阜県)におけるロ 春の理工学部 2 W.M.E Newsletter vol.23 WMEニュースレター23 05.5.23 4:30 PM ページ3 私 の 大 学 事 情 国立大学法人となって ∼山形大学∼ 中野 政身(昭和57年博) 山形新幹線で米沢駅に降りたら外か 山形大学は、山形市の小白川キャン も、大学は基本的にはやはり学問をし ら駅舎を観ていただきたい。駅舎の両 パスに人文学部、教育学部、理学部、 っかりやり、学問の体系づけに努力す 端に四角の先鋭な小屋根の付いたルネ 飯田キャンパスに医学部、米沢市の米 るとか、新しい発見をするとか、つま サンス風の駅舎に気付く。この駅舎は 沢キャンパスに工学部、鶴岡市の鶴岡 り学問を進展させることが最大の使命 山形新幹線が開通してから建てられた キャンパスに農学部を置き、4つのキ なのではないでしょうか。それを教育 もので、山形大学工学部の前身である ャンパスと6学部を擁し、在学生総数 に反映させ、優秀な学生を育て社会を 米沢高等工業学校本館(重要文化財: 1万人にも及ぶ東日本有数の総合大学 リードするような人材を数多く輩出す 写真)をモチーフにしている。 である。ご存知のように、2004年4 るとともに、また、その過程ででてく 米沢高等工業学校は、明治時代の後 月からすべての国立大学が法人化さ る新しい様々なノウハウを産業界とか 半に全国で八つ設立された工業専門学 れ、国立大学山形大学も国立大学法人 社会に還元すること、さらに特許をと 校の一つで明治43年(1910年)に設置 山形大学に移行し国から独立してい って企業と連携をとり事業化を図るこ され、その後、昭和24年に山形大学 る。私立大学の早稲田大学では当然の となどが要求されてきている。 工学部として再発足している。発足当 ことであるが、大学経営という感覚が 翻って、自分自身はというと、学生 初は、繊維工学科、応用科学科、機械 要求されるようになったため、従来は 時代は田島、大田両先生のご指導の下、 工学科、電気工学科の4学科(入学定 評議会が大学の最高決議機関であった 高圧バルブに関わる騒音・振動の問題 員170名)であったが、現在では、機 が、法人化後は経営を司る役員会(学 など流体関連振動・騒音の研究をして 能高分子工学科、物質化学工学科、機 長・理事5人)及び経営協議会が新し おりましたが、山形大学工学部に赴任 械システム工学科、電気電子工学科、 く組織され、教育・研究に関わる事項 し、当時は自動制御の講座でもあった 情報科学科、応用生命システム工学科 に関して審議する教育研究評議会が再 ことから制御工学関連の研究にも手を の6学科(入学定員690名)に拡充し、 組織されている。予算面では基本的に 染め、現在ではエネルギーシステム工 大学院理工学研究科博士前期課程7専 は国から支給される運営費交付金、入 学講座で流体制御システム工学を専門 攻、博士後期課程3専攻が設置される 試検定料・授業料収入、外部資金及び にしております。最近のトピックスで に至っている。また、施設として、附 概算要求を伴う施設整備費補助金等で は、電磁場に反応して粘性の変化する 属図書館工学部分館、学術情報基盤セ 運営されることになる。法人化によっ ER流体やMR流体に関する基礎科学か ンター米沢分室、山形大学地域共同研 て、より大きな自主性・自律性と自己 ら応用展開までの研究を実施してお 究センター、山形大学大学院ベンチャ 責任の下で、これまで以上に創意工夫 り、ある企業との連携で経済産業省か ー・ビジネスラボラトリー、インキュ を重ねながら、教育研究の高度化や個 らの補助を受けMR流体を用いたモー ベーションセンター等が設置されてお 性豊かな大学づくりに取り組むことが ター用電磁ブレーキの実用化・商品化 り、産官学連携による共同研究や研究 できるようになっている。 を目指した研究開発を実施しており、 成果の事業化・企業化が活発に行われ ている。 具体的には、①予算・人事等の規制 このような機能性流体を使った国内初 を緩和して、自律性のもとに競争的環 の製品が世に出回って多用されること 境の実現、②学長を中心とした役員会 を願っているところである。このよう でトップマネジメントを実現、③役員 な企業との共同研究を展開する上に や経営方針の審議に学外者が参画、 おいて、早稲田大学在学当時に企業と ④「非公務員型」による能力・業績に の共同研究に参画させていただいた 応じた弾力的な人事システムの導入、 経験が大きな宝となっており、感謝し ⑤第三者評価の結果による適切な資源 ている。 配分、などの仕組みを取り入れて活性 化し、その役割を一層積極的に果たす 旧米沢高等工業高校本館(重要文化財) (山形大学工学部機械システム工学科教授) http://mnaka.yz.yamagata-u.ac.jp/ ことが期待されている。いずれにして W.M.E Newsletter vol.23 3 WMEニュースレター23 05.5.23 4:30 PM ページ4 W. M . E A W A R D 2 0 0 4 2004年度機友会特別賞2件が承認されました。 機友会賞 め途中中止となり暫定1位となりました。この様子はTVでも放映されました。 また、WASAメカトロプロジェクトで出場した「かわさきロボット競技大会」 発表 機友会 特別賞 受 賞 鳥人間コンテストでは、WASA最高記録を収めましたが、折からの台風のた では決勝トーナメントに進出、協育歯車賞を受賞しました。 第28回鳥人間コンテストに出場して 自分たちの手で作り上げた飛行機を大空 に飛ばしたい……。 そんな夢を抱きながら、大学に入学した ての私はあるサークルに入りました。その 高橋 正浩(学部4年) ばす中でWASAは毎年出場しているにもか 作作業に没頭しました。こうした努力もあ かわらず伸び悩み、ここ数年にいたっては り、この年は何とか4月24日書類選考に合 下降気味であった為、ある意味当然の結果 格することができました。また、鳥人間の学 であったのかもしれない。 生交流会を5月8日機友会の後援のもと、57 サークルとは機友会公認でもある早稲田大 翌年、自分はチームの代表となり、昨年 号館で開催することができました。会には全 学宇宙航空研究会(WASA)、サークルの 大会に出場できなかった先輩たちの為にも 国から18チーム総勢300名以上の学生や 目標は読売テレビ主催の鳥人間コンテスト どうしても出場しなくてはならなかったの CFRP業者の方に参加して頂き技術交換、チ に出場し、1mでも遠くへ自分たちが作っ です。昨年の悔しい経験によりチームは今 ーム間の親睦を深めることが出来ました。 た人力飛行機を飛ばすこと。 までにないほど結束していました。パイロ 部員全員を絶望に陥れる出来事が2年生 5月の後半から週末は飛行場を借りて試 ットはトライアスロンの学生チャンピオン、 験飛行を行うようになり、飛行機の性能試 になって間もない頃に起きた。大会の書類 また2年連続ということもあり操縦技術も兼 験や細かな調整、パイロットの操縦技術の 選考落ち。実は昔に1度だけ落選したことが ね備えていました。設計者も優秀で既に前 訓練などを行いました。 あったのだが、最近ではWASAは鳥人間の 年の夏休みから粘り強く飛行機の設計に打 可能な限りの修正を重ね、とうとう大会 中でも常連チームで、大会には毎年出場で ち込み、その結果、大きなものだけでも翼 の日がやってきました。1日目は滑空機部門 きるものだと思っていただけにチーム内の 型の変形を最小限に抑える為主翼の構造を が行われましたが、そのとき近づいていた 動揺は大きかった。そうなのである、大会 大きく変更、より高効率なプロペラの形状 台風の影響で記録は伸び悩んでいました。 には誰もが出られるというわけではなく、 の変更、操縦性能の向上の為に操縦方式を そして2日目、WASAが出場するプロペラ あらかじめ提出された設計コンセプトと図 電装に変更するなどをしました。 機部門が行われました。天候は人力飛行機 面が競争率5倍とも言われる書類選考会にお 製作面においてもこれまでになく精度に には致命的と言わざるを得ない状態でした。 いて認められて初めて出場できるのである。 こだわり、その結果、何度もつくり直しを 進行方向に対し背風が常に2∼5m/s、さら 新しく出場するチームがどんどん記録を伸 余儀なくされ、土日返上で毎日遅くまで製 に雨まで降る始末。その中で大会は始まり ました。昨年、好天候に後押しされ 20,000mを越えるフライトをしていた チームが次々と200mほどで着水する中で WASAは944.11mを飛びチーム記録を更 新したのです。距離だけを見るとわかりま せんが、台風のなかでは驚異的な記録です。 惜しくも台風の為、プロペラ機部門は数チ ームを残し途中で中止になってしまい記録 も参考記録扱いとなってしまいましたが、 私はブッチギリの優勝であったと信じてい ます。今は、これが真の優勝であったと後 輩たちが証明してくれる日を楽しみにして います。 (早稲田大学宇宙航空研究会 鳥人間プロジェクト第20代チーフ) 4 W.M.E Newsletter vol.23 WMEニュースレター23 05.5.23 4:30 PM ページ5 機友会 特別賞 受 賞 かわさきロボット競技会に参加して 早稲田大学宇宙航空研究会(WASA) 清水 自由理(学部2年) で機体には様々な問題がおき、よい成績が 体で、パワー型であまりスピードが速くな に属している私達メカトロプロジェクト 残せませんでした。そのため今年はもう少 い私達の機体には少々不利な相手ではあり は、ロボットの設計製作、またそれに伴う し計画的に行おうということで、機体完成 ましたが、操縦者の戸ヶ崎君の見事な腕で 回路知識や加工技術の習得を主な目的とし 目標を大会1週間前に行われる試走会にしま 勝つことができました。こうして無事に翌 て活動しています。その中でも特に力を入 した。試走会は、実際の試合リングでマシ 日の決勝トーナメントに勝ち進むことがで れているのが「かわさきロボット競技大会」 ンのテストが行われるもので前年までは参 きました。 です。 加していませんでした。しかし、大会当日 決勝トーナメントでは、試合中にネジが この大会は財団法人川崎市産業振興財団 を目標に制作していたのでは去年の二の舞 外れたり配線が切れたりとトラブルが続き、 が主催で、私達は、8月下旬に行われるこの となるということで、この日を目標とした 残念ながら一回戦で敗退してしまいました。 大会を目指し、前期から夏休みにかけて出 わけです。そうすると機体の設計などを夏 しかしながら、特別賞として協育歯車工業 場マシンの設計製作を行います。マシンの 休みに行っていたのでは遅すぎますから、4 賞を頂くことができました。 製作は主に理工学部の工作実験室で行いま 月∼7月にかけては定期的に集まり、意見を 今回の大会では前回大会よりもよい結果 す。2年生以上になりますとこちらの工作実 出し合い機体の設計を行いました。そのな を残すことができました。しかし、それ以 験室の使用ができるようになりますので、 かでグループを脚部班と腕部班に分けるこ 上に仲間と協力し一つの目標に向かって活 旋盤やフライス盤などを使ってマシンの部 とで効率的に作業を進めることができまし 動していく中で様々なことを学びました。 品をひとつひとつ加工していきます。この た。夏休みに入ってからは、毎日のように 大会が終わってみて振り返ってみると、結 ようなマシン製作の過程で設計の方法や加 工作実験室に通いました。朝の9時からお昼 果はもちろんですが、自分達の目指した形 工技術の習得をしていくわけです。この大 休みを挟んで午後4時に閉まるまでずっと作 に機体を完成させられたという充実感は何 会に向けて製作されたマシンは、大会後は、 業を行い、工作実験室が閉まってからは学 物にも代え難いものであったと思います。 理工学部主催の理工展などのイベントにお 生会館の部室に移動し、学生会館が閉まる この思いをもう一度味わえるよう、また次 いて展示し、来場者の方に直接動かして楽 まで1日中ずっと作業しました。 の大会ではよりよい結果が出せるようがん しんでいただいたりしております。 今年は2年生製作のマシン「邪魔陀殿麒 そのかいあって、目標であった試走会ま でになんとか形にすることができました。 (ヤマダデンキ)」が見事決勝トーナメント 試走会では、機体が自分達の考えていた通 進出と協育歯車工業賞を受賞し、その功績 りに動き感動しました。加えて改良すべき によって機友会特別賞をいただきました。 点を発見したり、他のチームの機体を偵察 ここまで来るのに様々な苦労がありまし したりといろいろと得るものが多かったよ た。初めて大会に参加した2年前の夏、私達 うに思います。試走会からの残り1週間は は「ジョイス」という機体で大会に出場し 試走会で得た改善点を直していく作業でし ました。この機体は、先輩達が作っていた た。例えば、前回の大会や試走会では出力 脚部に当時1年生だった私達が制作した腕部 軸にDカットを施しそこにイモネジで固定 を取り付けたもので、大会での成績は惨憺 するという方法を取っていたのですが、こ たるものでした。何回か勝ち進んだものの れでは機体の激しい動きに耐えられないと その全部が相手の棄権などによる不戦勝で、 いうことで、軸にピンを打つことでしっか 実際勝負した試合では全敗という結果に終 りと固定させました。この他にも様々な改 わりました。 良を加え試走会の時よりも数段完成度の高 今回機体を作るのにあたってまず最初に ばっていきたいと思います。 い機体に仕上げることができました。ただ、 行ったのが、前回の反省でした。例年、機 改善点が多すぎて結局今回も前日は徹夜で 体制作は夏休みを中心に行うのですが、完 した。 成が前日やひどいときでは大会当日という 大会当日は、初戦がいきなり相手の棄権 状態で、私達もその例に漏れず、一年生の による不戦勝とちょっと拍子抜けでした 夏は機体が前日までに仕上がらず、夜10時 が、順調に勝ち進み、いよいよあと一勝で に学生会館を追い出され、カラオケボック 決勝トーナメント進出というところまでい スで機体の調整をしました。そのため大会 きました。予選最後の相手は、足の速い機 W.M.E Newsletter vol.23 5 WMEニュースレター23 05.5.23 4:30 PM ページ6 頑 張 る WM E 会 員 新宿駅でのオープニングセレモニー(2001.11.18) 開発物語 ∼プロジェクト編∼ 片方 聡(昭和36年卒) 2001年11月から首都圏でサービスを開 必要であり、膨大な情報処理を行うサーバ 始したICカード出改札システム「Suica」 群とネットワークも構築しなければならな は、これまで東京モノレールおよび東京臨 い。巨額の費用を投入する以上、お客さま 一方、早いスピードでSuicaを普及させ 海高速鉄道りんかい線との相互利用、新幹 へのメリットは何なのか、コストはどのく るためには、サービス開始前にカードを先 線や仙台圏在来線への導入等、その鉄道機 らいかかるのか、システムの安定性・信頼 行して発売すべき、との強い声が社内には 能を順次拡大してきた。また、鉄道を越え 性は確保できるのか、実現までのスケジュ あった。確かに立ち上がりは早いかもしれ た機能として、クレジットカードと一体化 ールはどうなっているか、といった課題が ない。しかしこれは断念することとした。 したカード「ビュースイカ」の発行、お買 山積していた。それをひとつひとつ整理し、 実は、サービス開始数日前から出改札機器 いものができるショッピングサービスの開 1999年春、ついに取締役会にて承認を得 を順次Suicaが使える(使えてしまう!) 始などその範囲を広げている。これらのシ ることができた。それまでの3ヶ月間、日曜 ように切り替えていったのである。そして ステムも安定に稼働しているなかで、現在 日から土曜日まで終電で帰宅する日が続い 現地でも十分な検証をおこなったうえで、 お客さまのお手元にあるSuicaは1000万 た。やっとその取締役会への見通しがたっ Suica発売開始をもってサービス開始とし 枚を越えており、大きな支持を受ける結果 た3月半ばのある日、自宅から少し離れた駐 た。切り替え時間を稼いだのである。 となっている。 車場のマイカーに久方ぶりに対面した。正 ICカードの、出改札システムへの利用に 月のしめ飾りがまだついていたうえ、エン この巨大なシステムを安定稼動させるた ジンもかからなかったことが記憶に新しい。 め、埼玉県大宮地区(JR東日本・大宮工場 着眼点をおいて開発を開始したのは1987 内)にSuicaの総合的な確認を行うための 年。改札機でのICカードの処理、というコ 取締役会での決定を受け、いよいよこの 試験場を建設した。Suica取扱機器をすべ アとなる技術面での課題を少しづつクリア 新サービスの実現に向けてプロジェクトは て集め、バーチャルな駅を複数設定し、ネ し、実用化を目指してプロジェクトが本格 次のフェーズに入っていった。 ットワークを介しセンターサーバにもつな 的に歩みだしたのが1997年のことであっ た。また出改札システムは技術部門のほか ぎ込んだ。そして、3回に分け2万項目を超 技術はサービスを提供する手段である。 える試験を昼夜を問わず実施した。通常の に、会計処理部門、駅を統括する営業部門 まずは全てのベースとなる基本仕様を作成 操作のみならず、処理途上で電源が途絶え 等の知恵が結集されたシステムである。は することとした。当時の駅の出改札業務を た場合にもデータが消えることがないか等 じめは私と部下のあわせて2人でスタートし すべて洗い出し、ひとつひとつ確認すると の確認も行った。一回目の試験では、まだ たプロジェクトも、翌年には各部門からエ 共に、ICカード化に伴うサービスを練りこ 機器等の完成度が低く試験とは言えるもの キスパートを集め6名体制となった。その後、 んでゆく。その項目は、発売、改札機での ではなかったが、その後デバックと確認を さらに宣伝・教育担当者も招集され、社内 処理、窓口での処理、払い戻し等、詳細か 繰り返し、完成度を少しずつ上げていった。 でも異質の異文化混合部隊としてサービス つ多岐にわたる。この基本仕様をベースに、 デバック作業はサービス開始前夜の夜8時頃 開始まで突き進むことになる。 各出改札機器・後方システムの仕様を作り まで続く。 込んでいった。その量は膨大なものである。 一方、今でこそ「タッチ&ゴー」でご利 6 社員教育も重要な課題だった。駅社員や 用いただける改札口の風景は日常的なもの 社長からの指示は「首都圏に一斉に導入 車掌等がSuicaの仕組みを理解してスムー となったが、当時はICカードすら一般的で せよ」であった。それまで我々担当として ズな接客が出来なければならない。またお はない。とにかくイメージがわかないので は、まずは山手線内からサービスを開始し、 客さまからの質問に答える準備も必要であ ある。社内で合意を得ることは容易なこと 順次その範囲を拡大しようと考えていた。 る。Suicaを取り扱う社員は15,000人で ではなかった。まずは、そのICカードを用 このようななかで首都圏一斉導入の指示は、 あり、それぞれ勤務シフトを敷いているた いた出改札システムはどんなものかをわか ICカードの利便性を強く社会にアピールし め、全員に確実かつ効率的に教育を行って ってもらうことが必要であった(恐らくは、 たいというトップの強い意志だったのであ ゆくために、綿密な教育計画をたて実行し 実際にSuicaのサービスが開始されて初め る。このときから我々担当者の苦悩が始ま ていった。 て、我々が主張したものが何だったのかわ った。460にものぼるSuica導入駅には、 かったのではないだろうか)。導入するとな 当時出改札機器が1万台あった。これには改 ると、改札機や券売機などの出改札機器を 札機3,200通路を含んでいる。これをどの 駅社員や乗務員はキチンとこの新システム ICカード対応にするための大規模な改修が ようにして一斉に切り替えるのか? に対応できるだろうか? そんな想いで設 W.M.E Newsletter vol.23 一晩で出改札システムが劇的に変わる。 WMEニュースレター23 05.5.23 4:30 PM ページ7 置したのは「Suica問い合わせセンター」、 夜が明け始めていた。 2006年度終盤には、パスネットや共通バ いわば社員向けSuica110番である。ここ そして9時の新宿駅南口構内。国仲涼子 スカードのICカード化に伴うSuicaとの相 では、Suicaに関する機器取扱やサービス さんなどを迎えセレモニーが行われた。何 互利用に向けての準備も着々と進んでいる。 内容、トラブルに関する質問を全て一元的 かトラブルがあったらこのセレモニーはこ Suicaは2003年にISO15408に定める に受け付け対応した。そのため、我々プロ の目では見られなかっただろう。これまで EAL4(民生品としては最高レベル)を取 ジェクトのメンバーをはじめとするSuica は、課題がバケツの中に山積しており、そ 得し、そのセキュリティーレベルの高さが のエキスパート達が交代で24時間対応を れを一生懸命オチョコでかき出しているの 証明された。また、2004年5月にはIT(情 行うこととした(この「Suica問い合わせ に、少し減ったと思ったところで誰かが蛇口 報技術)分野で世界最高峰の賞とされる センター」も、導入当初も目的を達成した をひねってまたバケツが満杯になってしまう 「世界情報サービス産業機構(WITSA)」の ことから、サービス開始2ケ月半で閉鎖し ことばかりだった。世界記録なみの速さのク 「IT賞」を受賞した。システムの先進性と一 ている)。 ロールで必死に泳いでいる。ふと気づくと、 日400万件を超えるトランザクションを安 そこは50mプールなんかではなく、太平洋 定稼働させている巨大インフラが世界的に のようなゴールの見えない場所だったんだ、 も広く知られつつある。また最近では銀行 のお客さまにご利用いただかなければその と思ったこともあった。テープカットを見つ カードの偽造等が世間を騒がせているが、 目的を達成したことにならない。そのため、 めながら、これまでのことが次々と頭に浮か 我々は先を見越した高いセキュリティシス いかに効果的な宣伝を行ってゆくかも課題 び、熱くこみ上げるものがあった。 テムを構築してきた。そのためそれを基盤 いくら良いシステムを構築しても、多く の一つであった。そこで、まずはお客さま インフラとしてさまざまな発展を構築する に親しまれ、覚えやすいネーミングやデザ 「小さく生んで大きく育てる」。これが導 インを決めることとなった。広告代理店数 入までの我々の合言葉であった。日本人に 社によるコンペを行い、99年10月、 ICカードを身近な存在にした自負がある。 まらず、新たなより良い生活サービスの実 Suicaという名称が決定した。「スイスイ」 またその後、Suicaはさまざまな発展をし 現を進め、お客さまに愛される利便性の高 行ける「ICカード」をイメージしたもので、 てきた。コンビニで商品を買うことも出来 い「夢のカード」を目指して今後も進んで Super Cardの略で るようになり、その店舗数は今後も爆発的 ゆく所存である。 ある。今考えると、当社の「お堅い」イメ に増えることとなるだろう。JALカード ージからすれば、ずいぶん大胆な名称を決 Suicaの発行が本年1月からはじまり、空と 断したものである。 陸との融合もスタートした。携帯電話と Urban Intelligent ことができる。 Suicaは進化し続ける。交通分野にとど (東日本旅客鉄道㈱ 鉄道事業本部 Suica部 課長 技術士〈機械部門〉) ペンギンをキャラクターにしたのもこの Suicaの機能が合体したモバイルSuicaの 謝辞 頃であり、2001年初には「スイカってな 一年後の実用化により、駅の外でも定期券 教授から「プロジェクト遂行の紹介をしたらどうか?」 に?」と首をかしげたポスターも駅構内に の更新やプリペイド部分への積み増しもオ 貼りだした。また、サービス開始近くには、 ンラインで可能な世界が実現する。そして 本原稿執筆にあたり、恩師である井口信洋名誉 とのご助言をいただき、内容のイメージが固まりまし た。誌面を借りてお礼申しあげます。─ 先生、あり がとうございました ─ その使い方を多くの方に理解していただく ため、女優の国仲涼子さんと、ペンギンの 着ぐるみを着たなぎら健壱との「タッチ& オープン当日、問い合わせの対応に追われる「Suica問合せセンター」 ゴー、タッチ&ゴー」と繰り返し呪文(?) を唱える掛け合いもテレビCMにてオンエ アーした。 サービス開始前夜、最終切り替え状況の 確認のため新宿にある本社に泊まり込んだ。 やるべきことは全てやった。しかし何かが 起きるかもしれないという不安が拭い切れ ない。そのようななか、FAXとメールによ る定時連絡が入ってくる。その内容をチェ ックしているとあっと言う間に一時間が過 ぎ次の報告が送られてきた。順調である。 しかし、どうしても郊外の一駅のみの切り 替えの確認が取れない。どうしたのだろう。 そうこうしているうちに、内房のとある駅 で一枚目のSuicaが売れた、との報告が入 ってきた。ふと窓から外を見ると、白々と W.M.E Newsletter vol.23 7 WMEニュースレター23 05.5.23 4:30 PM ページ8 頑 張 る WM E 会 員 筆者プロフィール モノ作り 林郁彦研究室で合成樹脂材料の塑性に関する研究。ソ ── ソニーでの経験を通して ── 堀川 憲一(昭和44年卒) はじめに CD、DATなどのデジタルオーディオの開発に携わり フォーマット化や商品化を行なってきた。何かと話題 の多い団塊の世代に属する。 作りのようなプロセスが可能で、エンジニア して行く。そのようなプロセスはメカ小僧 工学系を選んだ学生諸君は、小さいころ にとっては製品の企画から設計、製造、さら の最も得意とするところでした。 よりモノの仕組みや動きに興味を持ち、お には販売まで関与できる面白い時代でした。 モノを直接作ってしまうのではなく、ま もちゃや時計などを壊しまくった経験をお 70年代半ばからは、度重なる消費ブーム ずコンセプトを作り、起こりえるシナリオ 持ちではないでしょうか。ただ不思議だと に乗って家電製品は家庭に行き渡るように を書いて、どのように生活に役立ち、どん 思うだけではなく、手を動かしてモノをい なります。生産数量も飛躍的に増えてきて、 な楽しみをもたらすかを考えてみる手法は、 じってみることに喜びを感じ、壊すだけで 豊かさが感じられる世の中になってきまし 現在では広い分野の商品企画に常識的に用 なく遊び道具などは自分で作って、木切れ た。所有する喜びだけではなく製品の持つ いられていますが、その当時は非常に斬新 などを組み合わせて手作りの飛行機で空を デザインやコンセプトを楽しむ時代がやっ でした。ウォークマンの製品化は、モノ作 飛ぶ気分に浸る。いつか本物を作って空を てきました。ソニーも性能を追求するだけ りが単にハードの優劣ではなく、使い方や 飛んでやるぞと思ったりする。モノを作る でなく、多くの人々に喜んでもらえるよう 生活スタイルの提案などのソフト面が重要 こと、その喜びを感じられる小さな頃の気 な機能やコストパーフォーマンスを追求す であるとの意識をエンジニア達に植え付け 質が工学系を志した動機であり原点である る会社になって行き、規模も急激に拡大し ました。ソニーの手がける商品は、世の中 と思います。そのようなモノ作りが単に自 て行きました。商品を作るプロセスも、企 を変えるもの、喜びや楽しみを増やすもの 分の喜びだけに留まることではなく、世の 画や設計、製造などと細分化され、より多 との思いは、大げさに言えばソニーのDNA 中の人達の心の豊かさや幸せを与えられる、 くのプロセスに多くの人数がかかわるよう となって今日まで受け継がれているように そう考えて製造メーカーに入って商品の開 になって、今までのモノ作りの仕事は直接 思います。 発に携わってきた経験を記し、これからの 手を動かすのでなく、手配師的な仕事が多 モノつくりがどうなって行くのか、感ずる くなり味気なくなってきました。しかしな ところを述べてみたいと思います。 がら、こんなものが作りたいといった夢を モノ作りの世界に大きな変革をもたらし 持つ少年や小僧達は健在で、組織の制約を たものはデジタル技術です。80年代の初め すり抜けながら潜行し、自分のモノつくり にはLSIの集積化が進み、数万ゲートのチッ をする機会を狙っていたように思います。 プが使えるようになり、リアルタイムでの ラジオ少年、メカ小僧 30数年ほど前にソニーに入り、商品設計 模も大きくはなく、仕事の進め方も中小企 デジタル技術 信号処理や高速演算が可能になってきまし の仕事を始めました。その当時は会社の規 コンセプトデザイン た。コンスーマー領域で最初にデジタル化 業の雰囲気を持っていました。学生達が入 ご存知ウォークマンはポータブルな再生 されたのはオーディオからで、最初の本格 社する動機も、当時大変高価だったシリコ 専用プレーヤーで、それまで常識とされて 的な商品がCD(コンパクトディスク)でし ントランジスタが潤沢に使えて、自分の思 いた録音機能やスピーカーを持たない商品 た。デジタル化を目指す動機は、アナログ うようなアンプがつくれる、と言ったもの でした。ウォークマンの登場により、歩き では難しかった高音質を実現できることで、 でした。ラジオ少年やメカ小僧が集まって ながらでも、乗り物の中でも、いつでもど それはラジオ少年達の小さい頃からの夢だ 来ていたのです。商品の開発に関しても、 こでも好きな音楽を聴くことができるよう ったのです。しかしながら瞬時に頭出しが まず自分の欲しいものを作る、自分が欲し になり、人々のライフスタイルを変えてし できるなど格段に使いやすくなったことが い性能をとことん追求するところから始ま まったと言われました。その成功の要因は 従来のレコードを置き換える普及の要因だ り、後付けで商品としてまとめるといった 機能や性能面の革新ではなく、新しい使い ったのです。 やり方でした。当時は製品自体も高価で持 方を提案したところにあります。このこと デジタル技術の持つ特質は、微細化でき っていることがステイタスであり、顧客が は技術からの発想だけで商品を作るのでは 高密度に集積できるところです。機能が集 所有する喜びを感じた時代でした。 なく、楽しみかたや、使い方などを提案す 積されたLSIやデバイスができてしまえばそ るところから始めることへとモノ作りの視 れを組み合わせるだけで、どこでも誰でも 点が変わったことを意味しています。 同じ品質のものが容易にできてしまうため、 アナログの時代ですから、モノを作る技 術も回路ノウハウやメカニズムの優劣が製 品の品質や性能を決めてしまい、エンジニ 使用する場面や状況をシナリオ化しそれ モノ作りの範囲が広がり、世界規模になり ア達は自分のセンスを磨き性能向上に励ん にふさわしい形状や使い方を決めてしまう、 ました。製品は世界の人々のライフスタイ だわけです。設計者のセンスが商品に現れ さらにデザインや大きさまでも決めモック ルやコミュニケーションを変え、流行や意 た時代でした。 アップを作ってしまう。それからハード 識の均質さをもたらすほどになっています。 ウェアを設計して必要なら小型部品を開発 CDから始まったデジタル化の流れは処理速 家電製品は未だ十分に普及しておらず、手 8 ニー入社後オーディオ関連の商品設計、開発に従事 W.M.E Newsletter vol.23 WMEニュースレター23 05.5.23 4:30 PM ページ9 度の向上に伴い、映像や通信領域に広がり、 てしまうほどになった現在、モノ作りの目 なアクチエータができないでしょうか。単 DVDや携帯がコモディティとなり、社会を 的も人を幸福にするためだけではなく生命 機能ではあるが組み合わせやすく、しなや 劇的に変える存在となっています。 体全体に配慮する視点が必要ではないでし かに動かすことが出来、大きな力が出せた ょうか。 り、強い強度を実現できる素子があれば、 80年代前半はソニーにとって変革の時期 でした。ウォークマンとCD と言う2つの製 鉄腕アトムに象徴されるような人に近い 今までにはないモノ作りができるのです。 品は新しいマーケットを作ることに成功し、 ロボットを作ることは、我々の世代のエン この点メカ小僧はラジオ少年に遅れをとっ モノ作りに大きな影響を与えました。ソフ ジニアの夢です。デジタルの信号処理や演 ているように思います。 ト面とハード面での2つの変革はその後の商 算能力は指数関数的に向上していて、映像 我々鉄腕アトムの世代が過ごしてきた時 品やモノ作りに大きな流れを作ったように などのバーチャルな世界では、生命体のよ は豊かさを求め、生活を便利にするモノを 思います。 うなものを実現できるまでになってきてい 大量に作り出してきました。モノが溢れ、 ますが、実体の世界では映画に出てくるよ 簡単に手に入る現代のモノ作りにおいては、 これからのモノ作り うなロボットはまだ実現できていません。 何を目指すべきなのか悩ましいのではない モノ作りの最大関心事は生命体かも知れ その要因の一つは、未だアナログ的なアク かと思います。迷ったときは小さな頃から ません。人間を取り巻く動物や植物、地球 チエータや機構のような機械要素しか存在 の夢、それを実現する為に、今どんなこと 全体が生命体にあふれ生命を産み出して生 しないところにあるのではないでしょうか。 をすべきなのか考えてみたらいかがでしょ きています。モノ作りも生み出すことです LSIや平面ディスプレイのプロセスに見られ うか。ドラえもんの世代、ゲームの世代の から、すべての生命体の動きに関わってい るような微細化した平面的な機能素子を作 皆さんが抱いてきた夢や憧れを実現するこ ることになります。モノ作りは進化して地 れるところまで来ているのですから、さら とが未来の社会をより良くするために必要 球規模にまで広がって環境や生態系を変え に生命体に関する研究に習い、細胞のよう だと感じています。 会員が気軽に集まれる機友会を目指して、皆様からも種々ご 意見を頂き、いくつかの新しい試みを始めます。 機友会 見学会のお知らせ ビール製造過程見学・ワインセミナーと懇親会 機友会の活動のひとつとして、会員による工場見学を企画し 1. 工場見学会 少人数で、工場の見学訪問を企画したいと思います。 第1回は別掲のようにキリンビール横浜工場ビアビレッジ を見学します。こうした見学会を年1∼2回くらい計画した いと思っています。 ています。第1回としてキリンビール横浜工場を設定しました。 2.イブニングサロン 恩師を囲んで、歓談の場を設けたいと思います。55号館N 棟2階、機友会事務所の隣、竹内ラウンジで寛いで一夕を過 ごすのはいかがでしょう。 日 時 平成17年5月28日(土)14時20分集合 場 所 キリンビール横浜工場 ビアビレッジ入口 3.メールによるご連絡 皆様のメールアドレスをもとに、こうした折々のご連絡を 小まめにお送りしたいと準備中です。皆様に、機友会をいろ いろな形で楽しんでいただきたいと思います。 ホームカミングデー・稲門祭のご案内 今年の大学ホームカミングデー・稲門祭は10月23日(日) 西早稲田キャンパスにおいて開催されます。 キリン横浜ビアビレッジでビール製造工程を見学した後、 レストランビアポートでワインアドバイザー井口功二郎氏に よるワインセミナーと懇親会を催します。 横浜市鶴見区生麦1-17-1 TEL(045)503-8250 最寄り駅 京浜急行生麦駅(徒歩5分位) 見学人員 約40名(先着順) 懇親会費 3,000円 問合せ・お申込みについては機友会事務局まで。 井口研・三輪研の合同OB会開催のご案内 井口研・三輪研のOB会を下記のとおり行いますので、皆様 I N F O R M A T I O N 機友会の新しい活動 のご参加をお待ちしています。 卒業後50年目になる、昭和31年、昭和36年、昭和46年、 昭和56年卒業・修了された方々及びそれぞれの同期入学で卒 日 時 2005年5月14日(土曜日)12時30分∼14時30分 業年次の異なる方々が招かれます。 場 所 リーガロイヤルホテル東京(早稲田) 機友会では例年どおり参加者による懇親の場を設けます。 会 場 ロイヤルホールⅡ (3F) 2004年から、従来の堅苦しいスタイルを少し変えて、ご 幹 事 瀬在 昭弘 (三輪研 昭和58年院) 出席の先生方を囲んで三々五々ビール片手にご歓談いただく 問合せ先 早稲田機友会事務局 理工学部内55館S-2F ことにしました。今年も継承するつもりです。 電話番号 03-3205-9727(直通) 詳細は次号でご案内いたします。 詳しくは三輪研HPをごらんください。 W.M.E Newsletter vol.23 9 WMEニュースレター23 05.5.23 4:30 PM ページ10 研 究 室 紹 介 川本研究室 kawamoto lab. 川本 広行 1. はじめに 覚を介して情報を記録・伝達するための重 そこで本研究では、ソレノイドコイルを磁 要な機器です。この画像形成装置は、電磁 界源としたチェーン形成実験や3次元個別要 気力や流体力を利用してトナーや液滴など 素法に基づく数値シミュレーションを行っ の微粒子の運動や相変化を高速・高精度に ている。また、高性能磁石の製造プロセス 制御する技術を基盤としています。このよ への応用などを目的として、超伝導磁界発 うな観点から当研究室では、電磁粒体力学、 生装置を用いた実験や計算も行っている。 換言すれば、「電磁気力や流体力による粒体 本研究は富士ゼロックスとの共同研究であ 輸送の精密制御に関する研究」とでも称すべ り、喜久井町キャンパスで行っている。 き学際的な研究を行っています。また、こ 川本研究室を開設して6年になります。 れをセラミックスなどの材料科学、マイク (2)静電インクジェット 私は、1972年に広島大学の電気工学科を ロ加工、マイクロマシン、生体科学などへ 針電極に液体を満たした絶縁性チューブ 卒業し、日立製作所の重電工場で19年、富 応用する研究も行っています。具体的な研 と平板電極間に高電圧を印加すると、チュ 士ゼロックスの研究所で9年の合計28年間 究テーマは以下のとおりです。 ーブの先端から微小な液滴が吐出される静 を技術者として勤めた後、1999年に本学 の教員に就任し、同年新たに精密工学研究 電インクジェット現象が観測される。この (1)電磁界中における磁性粒子の力学 現象には、これまでのピエゾ方式やバブル 室を開設しました。新任からすでに6年が経 カラーレーザプリンタに利用されている 方式にはない利点がある。このため、この 過し、教育面でも研究でも独立した研究室 二成分磁気ブラシ現像では、トナーとキャ 現象を工学的に利用するための基礎特性の としての体裁が整ってきました。以下、当 リア粒子が使用されている。キャリアは磁 把握と微小な液滴の精密制御に関する研究 研究室の研究内容と研究室での学生諸君の 界中で磁化し、相互に磁気的作用を及ぼし を行っている。また、これらの基礎研究結 生活を紹介します。 て、図2のようなチェーンを形成する。この 果を用いて、図3に示すように、実際の印字 チェーンの先端が感光体に接触し、静電気 実験を行っている。 2. 川本研の研究紹介 力によってチェーンに付着したトナーを感 研究のキーワードは、「電磁力」「マイク 光体表面の静電潜像に移送することで現像 ロ」「画像」であり、対象は、「情報精密機器」 が行われる。この現像システムにおいて高 静電気を用いた粉体搬送システムの研究 です。情報精密機器は、マルチメディアの 画質化を図るためには、形成されるチェー を行っている。このシステムは、機器に振 基盤となるハードウエアであり、なかでも ンの特性と磁束密度、キャリア量などの設 動が発生しない、粒子に大きな熱や力が加 カラープリンタなどの画像形成装置は、視 計パラメータの関係を把握する必要がある。 わらない、可動部がないため潤滑油などの (3)進行波電界による粒子の搬送 図1 55歳の誕生日を祝ってもらいました。 図2 磁界中における磁性粒子のチェーン形成 (左) と個別要素法によるシミュレーション結果 (右) 10 W.M.E Newsletter vol.23 WMEニュースレター23 05.5.23 4:30 PM ページ11 不純物が混入しないなどの利点があるが、 する期待が大きい。本研究では従来とは異 学研究室と互いの研究を発表する交流会を その搬送メカニズムはよくわかっていない。 なる方式のマイクロ駆動機構として、静電 開催しています。早慶の他流試合というこ そこで、粒子搬送の主たる外力のもとにな 力や針対平板電極系放電場に生じるイオン とで、どちらの学生にもよい刺激になって る帯電量の測定やこれを考慮した搬送シミ 風を利用する駆動機構の開発を行っている。 います。 ュレーションを行い、実測値との比較検討 さらに、高密度電子部品の局所冷却に利用 昨 年 、 韓 国 延 世 大 学 の Center for を行っている。また、この技術を粒子の粒 することを目指して、可動部の不要なマイ Information Storage Deviceと研究協力 度分別に応用する研究も行っている。さら クロ送風機構の開発なども行っている。 協定を結びました。今後幅広く交流する予 に、搬送対象を液体や軟体に拡げることに よって、化学や医療分野における微小溶液 定です。また、今年7月には米国Purdue大 3. 川本研の教育内容 の先生を訪問学者としてお迎えする予定で 反応装置 (図4参照) やマイクロカプセル搬 上述のように当研究室では、機械系の科 す。学生諸君にとっても、海外の研究者と 送デバイスへ応用することも検討している。 目に加えて電磁力学が重要であり、3年生の 直接触れ合うことは、よい経験になると思 ゼミナールでは1年間じっくり電磁気学の勉 います。 (4)静電紙送り機構 プリンタに用いられている紙送り機構は、 強をします。また、ベクトル解析と微積分 もあわせて勉強します。英語の教科書を使 4. おわりに 摩擦ゴムローラと紙の間の摩擦力を利用す うので、英語文献の読解力も身につけられ る方式が一般的である。しかしこの機構で ます。エンジニアリング・プラクティスでは、 と大学の文化のちがいに戸惑うことばかり は、ローラが劣化すると重送が生じるなど 前期に機械力学や画像工学などを勉強し、 でした。どちらにも一長一短あるのですが、 の問題があり、これに代わる信頼性の高い 後期には各研究グループといっしょに、基 大学のよいところは自由であることではな 機構が求められている。そこで、図5に示す 本的な計測技術や数値計算プログラミング いかと思います.自由であるがゆえに、学 ような静電力を利用する非接触の紙分離機 などを習得します。 生も教員も、一般の社会人以上に社会的な 私が本学の教員に嘱任した当初は、会社 構を考案し、気体放電を含む静電理論によ 研究室全体では、まず8月と10月に工場 ってその搬送メカニズムを解明することや 見学を、8月に卒修論中間発表会を兼ねた2 その前提のもとに、学生諸君も私も、自由 実用化を目指した研究を行っている。 泊3日の合宿を行っています。10月には第 に才能を伸ばし新規で有意な研究を発信し 2回の中間発表会を行っており、いずれも学 て行きたいと思います。 (5)静電力を利用するマイクロ駆動機構 責任と義務を負うべきことは当然ですが、 外の研究者やOBにも参加していただき、厳 バイオテクノロジーやマルチメディアな しい討論をしていただいています。この他 どの分野ではマイクロアクチュエータに対 に、11月には慶応大学機械工学科の機械力 (機械工学科教授) http://www.kawamoto.mech.waseda.ac.jp/kawa/ 図4 静電力で2液を近づけ混合する静電マイクロ化学リアクター 図3 静電インクジェットによる描画サンプル。技術 的にはまだ稚拙であるが、本現象を応用して、実際に 印字できることを実証したものである。今後に期待し ていただきたい。 図5 静電紙送り機構。摩擦力によらないで紙めくりできる。 W.M.E Newsletter vol.23 11 WMEニュースレター23 05.5.23 4:30 PM ページ12 パネルディスカッション に 参 加 し て 研究室のある先輩から就職活動を振り返 っている製造業の中国進出による空洞化に って「研究と就職活動を並行しなければなら ついてパネラーから なく、今までの人生の中で一番忙しい時期 ● 日本から絶えず新しい技術を開発・発信 だった」と言われたことがある。いよいよ私 もこの時期を迎えることになり、最近気持 することが大事 李 道錫(浅川研究室 修士1年) ● 物理の本質を理解する 上述の2つの質問で何より共感したの は4力の勉強もさることながら一人の若 者としてしっかり自分の夢を持って将来 ● 中国、日本それぞれの国の特徴を生かし 像を描くことの大切さである。小さいも ちをあらためて企業情報の収集を開始した。 た作り方を工夫すべき。日本でも低コス のであれ、大きいものであれ夢を持つ者 就職活動を成功に導くには志望企業に関す トの生産が十分可能 は目が輝き、挫折することなく、ものご る情報収集が極めて重要な役割を果すと言 ● 日本人の強みはチームワーク。中国の安 える。その収集の貴重なツールとして、今 い人件費に勝る日本の強みで最大のアウ 回のパネルディスカッションに参加させて いただいた。 トプットが期待可能 ● 付加価値の高い製品で差をつけるべき とに積極的に取り組むことができるに違 いない。 また、これと関連して司会から「なぜ機 械科に入ったか分からない、やりたいこと 今回は「社会人として役立つために」と などの意見が出された。どのパネラーも が見つからないなど自分の居場所に疑問を いうテーマで自動車、電機、電子機器、素 人件費の安さ、13億人口の販売市場を考慮 抱く学生はどうすればいいのか」という質 材、部品、ソフトなど多様な業界の機械工 すると中国進出はやむをえないことであり、 問があった。この質問に対して「なぜやり 学科OBに参加していただき、中国の台頭と 絶えず技術革新を重ねていくことで中国進 たいことが分からないのかが疑問である」 日本産業の動向、各企業における国際化戦 出におけるさまざまな問題を乗り越えられ と首をひねるパネラーもいらっしゃったが、 略、面談で最も重視する項目、機械工学科 ることに口を揃えた。また、日本企業同士 「周りの人(友達、家族など)と話し合うこと の学生として身につけておくべきもの,研 の技術協力の体制強化も空洞化を防ぐ重要 で自分を知ることが一番の解決策である」と 究室・卒修論研究テーマと業種・配属先の な要素として挙げられた。 いう点でパネラーの意見がほぼ一致してい 相関、学部卒と修士の差異、元気のある学 また、就職の面談でもっとも重視する項 た。他人との会話はこの問題に該当しない 生とは、やりたいことが見つからない場合 目として 人でも自己分析のツールとして極めて大事 の対処法などについて熱く議論していただ ● 目が輝く元気のある学生なのか なことではないかと思う。 いた。また、学生からの質疑応答の時間も ● 自分の信念、夢、ビジョンをしっかり持 もうけられた。パネラーの方々は機械工学 科出身にもかかわらず、本当にさまざまな 分野にわたって活躍されていることに驚い た。また、OBの方々の話から偏見を捨て、 って、場を認識できるか ● 人間性に優れているか 特にコミュニケ ーション能力があるか また、機械工学科の学生に期待すること 広い視野を持って業種選びに臨むべきであ としては ることを教えられた。以下にパネルディス ● 4力(機械力学、材料力学、熱力学、流 カッションの内容を簡単に紹介させていた だく。 まず、この数年、産業界で議論の的にな 体力学)をしっかり勉強しておく パネルディスカッション終了後、質疑応答 の時間がもうけられ、自動車業界の今後、ト ヨタ自動車が描く将来の車、仕事における大 学院生と学部生の相異、学生時代に力を入れ たことなど学生から質問が相次ぎ、パネラー の方々も親切に応答してくださった。 また、今年度の就職担当である勝田先生 から就職活動における失敗をさけるために ● 仮定をたて問題の解決を図る習慣を身に 「もっと指導教授と相談を!」「もっと志望会 付ける 未知のものへの好奇心を持つ 社の勉強を!」「もっと研究活動に専念を!」 という文句を年頭に置き、学校と企業との 就職ルールを厳守し、自己責任の意識を持 って就職活動に臨んでほしいとのお願いが あった。 パネルディスカッションの当日の午前中、 新宿で行われた合同説明会に行ってきた。 就職活動の一環として初めて企業説明会に 参加したが、思ったより参加者が多く (2000人程度)、関心のある企業の説明を 約350人の学生が詰めかけた パネルディスカッション会場 (04年11月20日) 12 W.M.E Newsletter vol.23 WMEニュースレター23 05.5.23 4:30 PM ページ13 P A N E L D I S C U S S I O N きくために列をつくって並んだあげく、社 出身の社会人から見た機械エンジニアのあ 一員として役立つために」という観点から計 員と会話ができたのがわずか10分程度だっ るべき姿、また我々のOBから見た早稲田生 画し、何をすべきかを研究しつつ、実行し た。各企業の雰囲気が何となく感じられ、 としてのあるべき姿について熱く語ってい ていくことは今の我々にとって大変意義の それなりに参加した甲斐はあったものの、 ただき、大変有意義な時間であった。これ あることと思われる。 時間の都合上、企業説明も社員との会話も からの就職活動に役立つ幅広い貴重な情報 企業のいい面ばかりアピールされ、率直な が得られたと思う。 ここで紹介させていただいた内容はパネ ルディスカッションのほんの一部であるこ お話を見出すことはできなかった。それに 就職して仕事をすることの意味は人それ とを残念に思う。後輩達のために貴重な時 比べて今回のパネルディスカッションは合 ぞれであろうが、自分のビジョンを「社会人 間を喜んで出してくださったOBの方々に感 同説明会ではなかなかきけない機械工学科 の構成員として役立つために」また「世界の 謝のお礼を申し上げたい。 パネラーの皆さん(右から)/トヨタ自動車㈱・内田洋志氏、㈱日立製作所・北野誠氏、キヤノン㈱・金田北洋氏、 新日本製鐵㈱・大沢隆氏、日本精工㈱・宮崎裕也氏、㈱NTTデータ・安達陽介氏、今年度就職担当・勝田正文教授 理工学研究科に新しく 「環境・エネルギー専攻」 設置 2005年4月、大学院理工学研究科 人間の営みを原因とし、社会経済の て特に重視しているのが「現場・現 に環境エネルギー専攻修士課程が新 出口・結果として発生する環境問題。 実・現物」に基礎を置く、OJT(On 設される。 これには入口・活用対象としての資 the job Training)も活用した実践 環境問題への関心が世界規模で高ま 源・エネルギー問題が深く関わってい 的・戦略的教育体制。地域をベースと りを見せる中、今後の経済発展が期待 る。従って、本専攻の扱う「環境」の した循環型社会構築に向け、本庄キャ される周辺諸国への経済支援を活発に 領域には都市や生活の環境問題のみな ンパス周辺地域を格好の実践フィール 行なうわが国は、これらの国々との連 らず、エネルギーや資源問題も包括さ ドととらえ、本庄地域に本学が既に整 携の中でグローバルな視点の下、循環 れる。 備しているインキュベーション・オ 型経済社会を構築する義務を負ってい 既存の機械工学専攻の実績を基盤と ン・キャンパス本庄早稲田、早稲田リ る。そこで本専攻は特に技術開発戦略 し、発展的に分離独立した本専攻。そ サーチパーク・ コミュニケーション に重点を置きながら、環境・エネルギ の教育研究活動の拠点は本庄キャンパ センター等を有効に活用しながら、地 ー問題への取り組みを社会政策に適 ス中心になるが、特に当初2年間は遠 域自治体や住民との連携による共創型 応、実践していくことにより、時代を 隔授業システムの活用等により、大久 教育研究発展を目指していく。 先取りした教育研究機関としての役割 保キャンパスとの円滑な連携を図って を果たすことを目指す。 いく。教育研究に対する基本姿勢とし (早稲田ウイークリーより抜粋) W.M.E Newsletter vol.23 13 WMEニュースレター23 05.5.23 4:30 PM ページ14 ホームカミングデー開催 昨秋10月24日(日)ホームカミングデーが西早稲田キャンパスで開催、これに合わせて午後は機友会懇親会が開催され、 100人を超す会員が集まりました。参加された2会員から感想が寄せられましたので、ご紹介します。 「三十五会」の仲間の参加者は18名。用 招待年次は稀有なチャンス 小田嶋 正敏(昭和35年卒) 意されたビールをいただきながら、仲間や 先生、先輩、後輩との懇談も弾み、90周年 記念祝賀会でデビューした同期小澤君の出 番による校歌斉唱で散会。その後、日の残 以前、同期会「三十五会」会場の会場として 当日は、その決意に反し昼ごろ自宅を出 大隈会館書院(今は無い)を利用した事があ る羽目となった。途中電車の中で居眠りし 経て大隈庭園の催しに臨んだ。そこでは、 り、その後幾度かの同期会の折に訪れている つつ、高田馬場、通学バス、大隈講堂、角 フラダンスを愉しむ(?)元首相の森さん が、理工学部が大久保キャンパスに移転した 帽、襟バッヂ、木造教室、安倍球場、実験 に話しかけ一緒に写真に収まる仲間も居た。 後の早稲田(西早稲田キャンパス)は様変わ 室、鋳物研究所、甘泉園、早慶戦、大衆食 やがて日も落ち、誰ともなく誘い合い穴八 る大隈銅像前で記念写真、2号館の展示室を りし、あまり懐かしさが沸かない。また「大久 堂、質屋、古本屋、麻雀屋、蕎麦屋、映画 幡宮界隈で遅くまで尽きぬ懇談に及んだの 保キャンパス」も諸先輩、諸先生の多大なご 館、うたごえ酒場、名曲喫茶、ジャズ喫茶 は当然である。 尽力で完成し、その成果も大きく実っている 等々の夢まぼろしに思いを致した昔・不真 ご存知のとおり、ホームカミングデーに としても、そこで学ばず、卒業後訪れる機会 面目学生は、記念式典にも間に合わず、正 は招待年次以外の校友も参加でき、同日の のなかった者には母校の感は持ちにくい。と 門付近で何とか仲間と合流、7号館の機友 機友会懇談会にも参加できることになって いう次第ではあるが、2003年、同期の機友 会懇談会場に到着した。事務局のご配慮に いるらしい。この機会を利用すれば「西早 会幹事林良次君達からの積極的呼びかけも よる缶ビールを横目に、杉島機友会会長の 稲田キャンパス」育ちのOBには「総会以外 あって、機友会90周年祝賀会に出席、先輩の ご挨拶に続く浅川先生の「機械工学科の現 の同士交流の輪が広がる場の一つ」になる 皆さんの若々しさと夢多き学生諸君の真摯 状と将来」についてのお話を伺い、母校と のかも知れない。末筆ながら、ホームカミ な接待に感動、その1年後に巡ってきたホー 機械工学科の将来に大きな期待を抱くと共 ングデーと懇談会の運営に携わられた方々 ムカミングデーの招待年次という稀有なチ に、縦横の絆を強めるためにも機友会の役 に感謝し、母校と機械工学科の益々の発展 ャンスは逃すまいと決めた。 割がますます重要になると痛感した。 を祈るものである。 を果たした。ただ、我々のクラス担任でも 実感した「心の故郷」 翠川 隆也(昭和35年卒) あった故松浦先生が、今、ここにおられた ならばとつくづく思ったものである。この 席上、杉島機友会会長よりの挨拶と、浅川 先生より、理工学部の大改革が2007年度 ホームカミングデーの招待状が母校より 届いた日、45年前の学生時代が走馬灯の如 14 の中で多用しているとのことである。なる から行われるとの説明があった。歴史ある ほどと思った。 理工学部の新体制が、より多くの優秀で多 く頭を駆け巡った。ああ、45年が経ったの 続いての式典では、白井総長の歓迎の辞 彩な人材の輩出に繋がるよう期待すると共 だと言う実感を覚えながら母校の案内書を と校友代表の日本IBM副会長本林理郎氏の に、心から声援を送りたい。機友会散会の むさぼり読んだ次第である。今思うと、天 挨拶があり、最後に全員で校歌を斉唱し閉 後、同期の仲間と大隈庭園でのイベント会 下の早稲田に入れた喜びも束の間、あっと 会した。式典前半では、チアリーダーを交 場へ移動し、久方ぶりに緑豊かな庭園の景 いう間に4年間が過ぎて、学の独立を本分と えた応援部の歓迎プログラムがあり、かつ 観を満喫しながら、チアリーダーパレード する母校の何たるやを知らずに卒業してし て若き血を燃やした早慶戦をまざまざと思 やジャズバンド、そしてフラダンスを楽し まったようなので、久方ぶりに母校の教室 い出させてくれた。そして、後半では、名 んだ。酒も旨かった。図らずも、森元首相 に座りたい衝動に駆られ、教育学部佐藤先 曲「早稲田の栄光」、また、「都の西北」を もイベントを観賞しており、校友の絆を意 生のミニ講義「都の西北の歴史を語る」を興 後輩のブラスバンドの奏でる中で、全員が 識した次第である。そして、我々の仲間の一 味深く拝聴した。その中で、先生曰く、建 肩を組みながら歌う記念会堂一杯に響き渡 人と写真を撮らせてもらった。やがて日も落 学の精神に育まれて営々と積み重ねられて る歌声に、何故か目頭に熱いものが走るの ち、思い出多い時計台も霞む頃、誰となく誘 来た歴史と伝統を受け止めながら、自由闊 を感じた。これも、身をもって感じた「心 い合う仲間と、懐かしい穴八幡宮界隈で遅く 達な学生生活を謳歌した者は、今や、校歌を の故郷」の証であろうと思った。 まで酒を汲み交わし、 帰路に着いた。 歌いながら「心の故郷」を身をもって実感 午後から機友会の懇親会場に赴き、杯を 終りに、ホームカミングデーと機友会懇談 出来るのではないかとのこと。これを称し 重ねながら、恩師の斉藤先生、林先生はじ 会の運営に携われた方々に感謝し、母校と機 て「ワセダする」と言う言葉を大学の講義 め、先輩、後輩、そして同期18名との再会 械工学科の益々の発展を祈る次第である。 W.M.E Newsletter vol.23 WMEニュースレター23 05.5.23 4:30 PM ページ15 第24回 モビリティシンポジウム開催 恒例の早大モビリティシンポジウムが機械 1981年に開かれた研究会主催の機友会 工学科・機友会の共催により11月27日開催 特別講演会「渡部、関、難波3先生の追悼記 聞き応えのあるテーマが充実しています。 されました。この早大モビリティシンポジウ 念」がこのシンポジウムの第1回となりま また、シンポジウム終了後、先生方を囲ん ムは、遡ると渡部寅次郎先生が1918年大学 す。以来毎年開催され、第10回からは「モ で懇親会が行われるのも例年の慣わしなの に招聘されて内燃機関の講座を開かれて間も ビリティシンポジウム」と改称し、より広 で、今回参加できなかった方も、この秋に なく、学生の同好の士が集まって機友会の活 い題材をテーマに活動を展開してきました。 は是非ご参加ください。 動のひとつとして始められた「ディーゼル機 シンポジウムは企業の枠を越えて、多く 関研究会」に端を発しています。戦中戦後の の卒業生達の講演を基調にして、広く外部 困難な時代にも苦労して引継がれ戦後、会の にも開かれたシンポジウムとして、好評を 名称も「内燃機関研究会」と改められました。 もって迎えられています。 1958年渡部先生が病に倒れられてからは、 今回は、 故関名誉教授没後25年追悼記念・ 斎藤先生を会長として今日まで続いていま 特別講演もあわせて行われ、57号館の202 す。大久保キャンパスが完成し研究活動も活 号室は300人を越す参加者で一杯でした。 発化しました。 は毎年行われ、内容も専門外の方にも充分 上記に述べたように、このシンポジウム 2005年度早稲田機友会総会 第 16 回 機 友 会 規 瞳 ゴ ル フ 大 会 の お 誘 い 機友会賞発表・講演会・懇親会のご案内 昨年11月12日(金)開催予定であった第16回大会は生憎、 2005年度早稲田機友会総会・幹事会・懇親会を下記によ り開催いたします。 悪天候のため残念ながら中止となりました。機友会ゴルフ大 会も会を重ねるに従って参加者も増え、会員相互の旧交を温 今年は楽しめる総会を目指して少し工夫をしました。 め、先輩・後輩の交流を深める場として大きな役割を果たし お世話になった斉藤 孟名誉教授と、大聖先生、草鹿先生の ております。また、大学からも現役教授が参加され、学内の お三方で、特別講演会を催します。専門外のものにも分かる 近況報告は毎回好評を博しており、懇親会でも先生方を交え お話をとお願いしてあります。 て回顧談やよもやま話にと有意義な1日を過ごしています。 懇親会は大会議室にて、例年より少しグレードアップした 今回は、前回中止になった鬱憤を晴らすべく、仲間同士お 雰囲気で行いたいと思いますので、懇親会費2,000円をご用 誘いあわせの上、また初めて参加される方もお気軽にお申込 意ください。 みください。乗用カートつきですから、年配の方でも大丈夫 ご多忙のことと存じますが、万障お繰り合わせの上是非ご 出席くださいますよう、お願いいたします。 記 です。お待ちしております。組み合わせについてもできるだ けリクエストに応じたいと思います。 日 時 2005年5月10日(火) 8:30スタート 川崎国際生田ゴルフ場(旧川崎国際CC) 期 日 2005年4月23日(土) 場 所 場 所 理工学部55号館N棟大会議室 アクセス 【電車】小田急線「向ヶ丘遊園」下車 幹事会 13:00∼13:30 総 会 13:40∼14:10 機械工学科近況報告 14:10∼14:20 機友会賞発表 14:20∼15:00 講演会 タクシーで1200円程度 【車】東名川崎インターから約15分 会 費 会 費 6,000円 15:10∼16:40 「自動車の環境・エネルギー技術 ∼過去・現在・未来∼」 (懇親会費、帽子代、賞品代、記念写真代、等) 競 技 新ぺリア方式 (同ネットの場合、 卒年、 生年月日の順) 担 当 大会幹事 間宮(37年卒)、 平田(33年院)、 斎藤 孟名誉教授 大聖 泰弘教授 機友会 石岡(32年卒) 問合先 17:00∼18:30 早稲田機友会事務局 浅井、佐々木(月、火、木、金の10:00∼17:00) 草鹿 仁助教授 懇親会 プレー費 16,000円(フロントに前納)+昼食代 申込み 4月25日(月)までにハガキ、FAX、またはE-mailにて 〒169-8555 新宿区大久保3−4−1 早大理工内 早稲田機友会事務局まで TEL・FAX 03−3205−9727 E-mail : [email protected] W.M.E Newsletter vol.23 15 WMEニュースレター23 05.5.23 4:30 PM ページ16 会 員 訃 報 事務局からのお願いとお知らせ 機友会ホームページ掲載の会員名簿について 2004年10月以降に、下記の会員の訃報につ 事務局ではホームページの名簿掲載については、個人情報管理の問題もあり、会員各位のご意向 いて連絡がありました。 をもとに掲載可否には十分注意を払い、慎重に管理しています。掲載内容の変更等がございまし ここに、 謹んでご冥福をお祈りいたします。 たらご連絡ください。なお、外部からの会員情報に関する問合せについては、ご本人に連絡して ご本から直接対応していただくことにしています。 機友会ホームページのトップページに掲示板を設置 卒年 氏名 逝去年月 昭10 旧理工 二村 俊雄 2004.7 昭11 旧理工 的場 卓次 2004.8 トップページに一般公開でどなたでも閲覧できる《機友会からのおしらせ》を設置しました。その他 昭15 旧理工 松野仁三郎 2004.11 トップページには一般公開メニューとして《会員制度について《機友会HPの利用規約《機友会賞の 昭16 旧理工 柴田 安正 2004.5 ご案内《WMEニュースレター《研究室紹介《就職に関するページ《学生サークル活動 等があります。 昭16 専機 高久左一郎 2003.6 2005年度ホームページID・パスワードの更新 昭16 旧理工 竹森 謹介 2002.7 本年4月21日(木)にID・パスワードを変更いたします。本年度以降会費納入の方にはニュー 昭16 旧理工 寺井 実 2004.2 スレターに同封いたします。会費未納の方には納入いただいた時にお知らせいたします。 昭17 旧理工 泉田 實 2003.5 会費納入についてのお願い 昭19 旧理工 早川哲太郎 2004.9 昭20 専機 小島三四児 2004.4 昭22 専運 毛利 祥允 2001.3 昭22 旧理工 山本 実 2004.9 昭23 専機 高屋 和夫 2004.8 昭27 二理 阿部 力三 2004.8 なお、お振込みの場合、同姓同名の方がおられますので、卒年、氏名(カナ)を必ずご記入くだ 昭27 理工 戸田 人司 2004.10 さい。その他たいへん便利な銀行、郵便局からの自動引落し制度もあります。申込み書を送付い 昭28 理工 松井 照忠 2004 たしますのでお申し出ください。 昭31 理工 大田黒 詢 2004.4 住所変更等の場合ご連絡ください 昭32 理工 有田 建三 2005.2 昭33 理工 東谷 茂 2004.9 昭48 理工 益浦 保 2004.9 昭54 理工 青木 健二 2005.1 機友会の事業活動は会費を財源に運営されております。会員各位の納入年度は封筒の宛名ラベル に記載してあります。機友会では未納年度の遡及はいたしません。未納の方は郵便振替または下 記銀行よりお振込みくださるようお願いいたします。 東京三菱銀行 新宿支店 普通口座 No.2460079 りそな銀行 新宿支店 普通口座 No.1375963 事務局からお送りした郵便物等が差し戻されるケースが増えています。昨今の個人情報管理の問 題もあり、住所確認等の調査はかなり困難を極めています。住所、勤務先等変わられた場合は事 務局までご一報くださるようお願いいたします。 昨年10月23日発生した新潟県中越地震では、大きな災害となりました。 機友会では当地域に在住される約30名の会員各位にお見舞いの書状を差し上げました。 WMEニュースレター編集後記 機械工学科 富岡 淳 WMEニュースレター第23号をお届けし ます。今回から紙面のデザインを変えてみ ました。気に入っていただけましたか?紙 面のデザインを変えたからといって、内容 が大きく変わるわけではありませんが、少 なくとも我々はより新しい方向を目指して いるのだという姿勢の表れと、感じ取って いただけば非常に嬉しく思います。2007 年度から「機械工学科」が、「機械科学・航空 学科」と「総合機械工学科」に分かれていきま すが、WMEニュースレターはこの情報を 皆様方に正確にお伝えしていく義務がある のではないかと思っております。皆様方か らのご意見をお待ちいたしております。 サポーターを求めています いつも会員の皆様には機友会の活動に何かとご支援、ご協力をいただき有難うございます。気 軽に楽しめる機友会の運営を目指して、皆様からいろいろご意見を頂き、出来るものから取り入 れてゆきたいと考えております。機友会の活動を活発とするべく、今年はこれまでのゴルフ大会 のほかにも9ページにご案内のようないろいろ新しい企画を考えております。 また、一昨年より機械工学科の新入生を対象としたコンテストを行い、優秀な発表を行った学 生には奨学金(10万円)をだすようにいたしました。この奨学金制度は新入生に好評で、ニュ WME ニュースレター vol.23 発行元 早稲田機友会編集委員会 〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1 早稲田大学理工学部内55号館S棟2階 電話 03-3203-4141(大代表)内線73-5252 TEL/FAX 03-3205-9727 E-mail [email protected] ースレターでもご紹介させて頂いた通り、個性的でユニークな研究をあげています。こうした活 動を今後も継続して行くために、学生の皆様への奨学金の補助を主な目的とした「サポート費」 事務局執務 月、 火、 木、 金の10:00∼17:00 浅井、佐々木、恒本 という欄を今回から会費の振込用紙に設けました。 一口五千円としますが何口でも結構です。主旨にご賛同頂ける会員の皆様からの寄付をお待ち しています。 16 W.M.E Newsletter vol.23 印刷 ㈱早稲田大学メディアミックス 〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-1-7